JP6789492B2 - 天然皮革積層体及びそれを縫製して成るバッグ - Google Patents

天然皮革積層体及びそれを縫製して成るバッグ Download PDF

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Description

本発明は、天然皮革積層体及びそれを縫製して成るバッグに関する。特に、手提げ、トートバッグ、ショルダーバッグ等、大きめの製品に適用して好適な、天然皮革積層体及びそれを縫製して成るバッグに関する。
なお、「皮革」という言葉について、若干説明をしておく。即ち、この言葉の中の「皮」という文字は、本来、「動物の体表を覆い、体液漏出の防止等をするもの」を指す。更に具体的には「鞣し処理をする前のもの」を指す。同じく、「革」という文字は、この「鞣し処理をした後のもの」を指す。そして、「皮革」という言葉は、これら「皮」と「革」の両者を指す。
しかし、業界でも、消費者の間でも、これら文字、言葉が厳密に使い分けされている訳ではない。また、「皮」や「革」の一字だけでは何となく語呂が悪い。
そこで、本明細書でも、厳密な使い分けはせず、一般的に使用される「皮革」という言葉を使う。即ち、本明細書では、「皮を鞣したもの」という意味で「皮革」という言葉を用いる。
また、上記「天然皮革」に云う「天然」とは、「動物由来」の皮革、「本来の」皮革という意味である。合成皮革、人口皮革などを含まない、という意味でもある。
但し、耐磨耗処理など、所要の処理が施されたもの、例えば、特許文献1とか特許文献2とかに示される処理が施された皮革も、ここにいう「天然皮革」に含まれるものとする(その本体が「本来の動物由来のもの」であるので。)。
手提げ、トートバッグ、ショルダーバッグとかのバッグ類や、ポーチとか、リュックとかの身の回り品、更には、ソファとかの家具、自動車シートなどでは、素材として皮革様シートが良く使用される。
この場合、皮革様シートとしては、天然皮革、合成皮革、人工皮革、ビニールレザー(塩ビレザー)等が有る。このうち、合成皮革、人工皮革、ビニールレザー等は、コストの点で天然皮革より有利である。
しかし、天然皮革には大きな長所がある。それは、その特有の風味、特徴である。具体的には、絞立ち、風合い、皺入り、ボリューム感、しなやかさ、手触り、通気性、耐久性などである。
これらは、天然由来であればこそのものである。合成皮革等では未だ実現されていない(特許文献1、第2頁、第3欄、第36行〜第37行。特許文献2、段落0002、第1行〜第3行。)。
特許第2739435号公報 特許第5303162号公報
ただ、こういった風味、特徴を有する天然皮革でも、改善したい点はある。その一つは、重さである。即ち、天然皮革は重い。特に、上記手提げとかトートバックとかショルダーバッグとかの如く、大きな製品をこの天然皮革で作ろうとした場合、その重さはそれなりになり、意外と馬鹿にならない。
この点は、合成皮革なども同じかも知れない。しかし、天然皮革には、前述した独特の風味、特徴がある。従って、若しこの重さという点が改善されるなら、天然皮革の魅力は、前にも増して大きくなる。そうであれば、また新たな需要が喚起される可能性がある。
もう一つは、弾力、反発性、柔軟性といったものである(以下、「弾力性」で代表する。)。誰しも使い慣れているので、そういうものだと思っている。しかし、天然皮革は意外に固い。従って、若し、この点が改善され、天然皮革に新たな弾力が備わるとしたなら、これはこれで、前記重さと同様、天然皮革の魅力を高めるものになる。そうすれば、これも又新たな需要を喚起する可能性がある。
本発明の目的は、このような天然皮革の重さとか弾力に関し、更なる改善を図ることにある。
この目的達成のため、請求項1の天然皮革積層体では、厚さの目標値が0.5mmとされ、仕上がり厚さが該目標値の4割増以下となるように、その肉面側が皮漉きされた天然皮革と、厚さの目標値が1.5mmとされ、仕上がり厚さが該目標値の4割増から4割減の範囲に収まるように生成された発泡型ゴムシートと、厚さの目標値が0.4mmとされ、仕上がり厚さが該目標値の4割増から4割減の範囲に収まるように生成されたナイロンのジャージ地とが、この記載の順序で積層接着されている。
また、請求項1を引用する請求項2の天然皮革積層体では、前記天然皮革が牛革とされている。
また、請求項3のバッグでは、厚さの目標値が0.5mmとされ、仕上がり厚さが該目標値の4割増以下となるように、その肉面側が皮漉きされた天然皮革と、厚さの目標値が1.5mmとされ、仕上がり厚さが該目標値の4割増から4割減の範囲に収まるように生成された発泡型ゴムシートと、厚さの目標値が0.4mmとされ、仕上がり厚さが該目標値の4割増から4割減の範囲に収まるように生成されたナイロンのジャージ地とが、この記載の順序で積層接着されている天然皮革積層体から、その各部材が切り出され、それらの端面同士が突き合わせられ、縫い合わせされている。
また、請求項3を引用する請求項4のバッグでは、前記天然皮革が牛革とされている。
本発明では、肉面を皮漉きした天然皮革と、発泡型のクロロプレンゴムシートと、ナイロンジャージ地とを積層することとした。これにより、天然皮革をその儘の厚さで使うより、かなり重量が抑えられる。特に、手提げやトートバッグ、ショルダーバッグのように、使用する天然皮革の面積が大きい場合、その効果が顕著に現れる。
因みに、開発の過程でデニムとの貼り合せも試した。このとき、色どめのため塩と酢で洗濯をした。そうしたら、本発明に係る積層体は、浮いて不都合だった。それぐらい軽量化された。
その一方で、表面は天然皮革の儘である。従って、絞立ち、風合い、皺入り、ボリューム感、しなやかさ、手触り、通気性、耐久性といった、天然皮革の風味、特徴はその儘残されていて、天然皮革の風味、特徴が遺憾無く発現されている。
また、本発明では、発泡型のクロロプレンゴムシートと、ナイロンジャージ地とで、言わば裏打ちがされている。このため、肉面を皮漉きし軽量化されているにも拘わらず、引っ張り強度も元の天然皮革と同様に維持されている。中に物品を入れたりしても、それに引っ張られて破れたりすることも無い。
また、軽量化された一方で、適宜の厚みも維持された。それ故、バッグの縫製等をする際は、各部材(各パーツ)の端面を突き合わせて縫い合わせることが出来る(掬いミシン縫い(クロロプレン素材縫製)、千鳥ミシン縫い等。)。これにより、従来のような、各部材の端部を重ね合わせた重ね縫いとかはしないで済む。
この結果、先ずは、縫い合わせ部分の重なりが無くなる。それにより、この重なりの分、重量が減る。
また、ゴロつきが無くなる。これにより、球面的なデザインが強調できる。即ち、従来は、この重ね合わせ部分に於ける素材の連続性が足りず、曲面の滑らかさに欠けていた。つまり、その部分で段差とか凹凸とか峰の如き形状とかが生じていた。本発明なら、そうはならない。この重ね合わせ部分は、滑らかな曲面、即ち曲率の変化が少ない曲面となる。それ故、前述の如く、球面的なデザインが強調できる。
別の言い方をすれば、今まで実現しにくかった球面的形状も容易に実現できる。デザインの自由度が大幅に向上し、斬新というか、新たな美感というか、新たなデザインの案出が期待できる。
また、本発明では、硬めの発泡型クロロプレンゴムシートにした。これにより、型崩れが防止されている。
更に、従来のものは裏地が付く。本発明では、ナイロンのジャージ地を貼り付けて3層構造としている。ジャージ地が其の儘内装材になる。裏地の縫い付けなどが不要になり、その分、工数が減る。その分、軽量化にも繋がる。リバーシブルにもなる。
そして、厚さが削減された一方で、発泡ゴムの弾性が加えられた。天然皮革その儘のときよりしなやかさが増し、その一方で、独特の腰の強さが実現される。天然皮革だけのときとは違った手触り感、弾性を有する皮革様シートとなる。
また、従来の牛革バッグは1.5mm厚ぐらいが一般的である。これには理由が有る。即ち、これより薄く、例えば1.0mm厚ぐらいまで薄くすることは、さほど難しいことではない。しかし、薄くして行くに従って、段々腰が無くなって行く。それでは都合が悪い。それ故、一般的には、上記の如く1.5mm厚ぐらいが適正値とされている。
それを、本案では、0.5mmまで薄くしている(目標値)。それでも十分な腰の強さが維持されている。それは、発泡型クロロプレンゴムシートとナイロンジャージ地でバックアップされているからである。
なお、市場に出ている薄い皮革としては、0.7mm厚の豚革というものもある。しかし、これは靴の内装や財布小物とかに使用されるもので、大幅に手を加えてキメの粗さを誤魔化すために様々な加工を施さなければならないというレベルのもので、バッグとかに使用、流通している頻度は低く、腰の強さを説明する以前に天然皮革のバッグとして牛皮以上の価値観に至らない。
また、発泡ゴムとナイロンジャージ地という素材だけでは季節感は出せない。しかし、それに天然皮革が積層されたことで、季節感と言うか、何時の季節にも合うという、天然皮革特有の季節感が、これ又遺憾無く発揮される。1年を通じての持ち歩きが可能になり、飽きが来ない製品となる。
また、発泡型クロロプレンゴムシートとナイロンジャージ地の積層なので、断熱効果も高い。
同じく、緩衝材としての効果があり、中に硬いものを入れても人体に強く当ることは無い。
同じく、中に硬いものを入れても、バッグ自身の破損が防止される。
同じく、例えば、スマートフォン、タブレットとかを直に入れることが出来、スマホケースなどと呼ばれる収納用品が不要になる。
同じく、天然皮革をその儘使用したバッグ等より防水性が高く、バッグの底を水の中に沈めても、縫い目から僅かに水がしみて来る程度である。
本願天然皮革積層体の一実施の形態例10を示す斜視図(奥側省略)。 本願天然皮革積層体を使用して成る本願バッグの一実施の形態例20を示す斜視図(開口部21を上にして)。 本願天然皮革積層体を使用して成る本願バッグの一実施の形態例20を示す斜視図(底部22を上にして)。 本願天然皮革積層体を使用して成る本願バッグの一実施の形態例20の、突合せ部分23と掬いミシン縫い24とを取り出し、図面奥側を省略して示す斜視図。
以下、本願発明の詳細を説明する。なお、その前に、本願発明に対する理解の一助にして貰うべく、その開発過程、いわば、本願発明に思い至る迄の試行錯誤といったものを披露して置く。
● 開発1回目
3層構造の一般的なダブルジャージとの張り合わせ(ローラーホットメルト使用)
第一層 牛皮ステアシュリンク
第一層と第二層の間 蜘蛛の巣芯
第二層 接着芯
第三層 ナイロンジャージ地
第四層 クロロプレンゴムシート(発泡型)
第五層 ナイロンジャージ地
注:蜘蛛の巣芯=蜘蛛の巣状、たたみいわし状の樹脂。
接着芯=通常の服飾用の接着芯。ポリエステル生地をベースにドット状に熱融着型樹脂が塗布されている。
第三層〜第五層=この3層で1枚の製品である。上記ダブルジャージという商品名で市販されている。
「結果と考察」
第二層と第三層とを張り合わせたのち、第一層と第二層とを蜘蛛の巣芯で張り合わせて仕上げるので、工程が倍掛かりコスト高(張り合わせが2回必要)。
また、ローラーホットメルトの機械を通したため、第一層の牛皮ステアシュリンクが伸びてしまい、皮革スムースに近い表面となった。これでは天然皮革の風味、特徴が損なわれてしまう。
張り合わせに関しては、少し力を加えると手で剥がせる状態だった。場所によっては樹脂が溶解せず剥離している部分があり安定化しなかった。
● 開発2回目
3層構造の一般的なダブルジャージとの張り合わせ(プレス式ホットメルト使用)
第一層 牛皮ステアシュリンク
第一層と第二層の間 蜘蛛の巣芯
第二層 ナイロンジャージ地
第三層 クロロプレンゴムシート(発泡型)
第四層 ナイロンジャージ地
「結果と考察」
プレス式ホットメルトの機械で押圧したが、機械自体が小さく2回プレスする必要があり、且つ、蜘蛛の巣芯使用はコスト高で再考を要した。
張り合わせに関しては、熱有りでプレスし樹脂を融解したが、この手法だと、冷える間に蜘蛛の巣芯が第一層或いは第二層から剥離してしまうようで、融着しない部分があった。
開発1回目と同じく、少し力を加えると手で剥がせるため安定化しなかった。
なお、蜘蛛の巣芯の密度を変えて何度も試行したが、所望の成果は得られなかった。
● 開発3回目
3層構造の一般的なダブルジャージとの張り合わせ(1度熱有りで蜘蛛の巣芯を融解、直後に熱無しで押圧 蜘蛛の巣芯は高密度型)
第一層 牛皮ステアシュリンク
第一層と第二層の間 蜘蛛の巣芯(高密度型)
第二層 ナイロンジャージ地
第三層 クロロプレンゴムシート(発泡型)
第四層 ナイロンジャージ地
「結果と考察」
第一層と第二層とが容易に融着するように、一度熱有りで蜘蛛の巣芯を融解し、直後に熱無しで再度押圧して冷却。しかし、やや強い力を加えると手で剥がせてしまい安定化しなかった。
この時点で、第二層のナイロンジャージ地に撥水加工されていたことが判明。これが原因で、蜘蛛の巣芯が樹脂としてナイロンジャージ地に浸透しなかったことをつき止めた。これが安定化しない理由だった。
また、プレス式ホットメルトの機械を使用したので、熱有りで2度押しするし、熱無しでも2度押しする、そればかりか、蜘蛛の巣芯も使用する。即ち、コスト高。
● 開発4回目
3層構造の一般的なダブルジャージで張り合わせ(撥水加工無しダブルジャージ使用)
第一層 牛皮ステアシュリンク
第一層と第二層の間 蜘蛛の巣芯
第二層 ナイロンジャージ地(撥水加工無し)
第三層 クロロプレンゴムシート(発泡型)
第四層 ナイロンジャージ地
「結果と考察」
3回目と工程は同じだが、力を加えても剥がれず安定化。
プレス式ホットメルトの機械を使用し、熱有りで2度押し、熱無しで2度押し。これが未だコスト高の原因。
この工程の多さに加え、ダブルジャージがもともとコストが高く、密度が高い蜘蛛の巣芯もコスト高。更にコストを下げるべく開発は続行。
以上の開発経過を経て、本願発明に相当する実施の形態例が案出された。先ずは、その概要を、開発4回目迄と同じ形式で説明する。
● 開発5回目(本願発明の一実施の形態例の前身)
コストも考え、2層構造の一般的な素材を使用することとする。この素材はスキンと呼ばれ、片面が発泡型クロロプレンゴム露出の2層構造になっている(第二層、第三層)。これを第一層の牛皮と張り合わせた。
第一層 牛皮ステアシュリンク
第一層と第二層の間 クロロプレンゴム系接着剤 皮革裏面と発泡型クロロプレンゴムシート表面に塗布
第二層 クロロプレンゴムシート(発泡型)
第三層 ナイロンジャージ地
注:第二層〜第三層=上述したように、この2層で1枚の製品である。スキンという商品名で市販されている。ナイロンジャージ地にクロロプレンゴムの溶液を塗布し、加熱して発泡させる。これで、ナイロンジャージ地とクロロプレンゴムシートは接着されて1枚のシートとなる。
「結果と考察」
ローラー式ホットメルト工程で接着するも、クロロプレンゴム系接着剤で天然皮革が固定されることで、この天然皮革が伸びることも無く、天然皮革と発泡型クロロプレンゴムシートが貼着されるというよりも融着される感じで安定化した(但し、加熱はしていない。前記「融着」の語は、「そのぐらい良くくっついた」というニュアンスで使用している。)。
工程1回となり、ベース素材に二層タイプを選択したし、芯材も使わないのでコストも抑えられた。
以下、上記開発5回目をベースにした本願発明の実施の形態例の詳細を、図面に基いて説明する。なお、上記開発5回目ではスキンと呼ばれる素材を使用したが(発泡型クロロプレンゴムシートとナイロンジャージ地が、予め一体化されている商品。)、以下の実施の形態例では、単品で販売されている発泡型クロロプレンゴムシートとナイロンジャージ地とを使用した。
図1に、本願天然皮革積層体の一実施の形態例10を斜視図で示す(奥側省略)。図2に、本願天然皮革積層体10を使用して成る本願バッグの一実施の形態例20を、開口部21を上にして斜視図で示す。図3に、本願天然皮革積層体10を使用して成る本願バッグの一実施の形態例20を、底部22を上にして斜視図で示す。図4に、本願天然皮革積層体10を使用して成る本願バッグの一実施の形態例20の突合せ部分23と掬いミシン縫い24とを取り出して斜視図で示す(図面奥側を省略)。
1.素材についての説明
(a)第一層 天然皮革
牛革 ステアハイド11(一般的に出回っている牛革。生後3〜6ヶ月の間に去勢した雄の成牛の革。厚手で、銀面はカーフやキップより粗いが、耐久性に優れている。)。表面処理名 シュリンクしぼ 面積縦約90cm 横約220cm(動物なのでいびつ)発売元は株式会社章利 皮革厚さ 元は2.5mm〜5mm これを、肉面の漉き加工で、0.5mm厚にする。加工機械名:バンドナイフマシンスライサー(皮漉機)。
なお、天然皮革の厚さは、一般に0.8mm以上が好ましいとされる(特許文献1 段落0010 第8行〜第11行)。薄過ぎると、製品としたときの引張強度に劣り、加工時や使用時に破れが発生する虞れがあるからである。
本実施の形態例では、以下の発泡型クロロプレンゴムシート12と、ナイロンジャージ地13とをこれに積層する。これらで十分な強度が出る。そこで、このステアハイド11自体は、上記厚み0.5mmを目標値としている。これで、重量が減り、柔軟性が向上する。
(b)第二層 発泡型クロロプレンゴムシート12 110cm幅×約185cm 平和株式会社 ゴムの素材名 AWS−KH 厚み1.5mm(目標値)
(c)第三層 ナイロンジャージ地13 南海合繊 品番220 140cm幅 約230cm使用 素材 ナイロン 厚み0.4mm(目標値)
2.積層体生成についての説明
(1)加工方法 ラミネート。機械名 熱圧着ラミネート機 ローラー状の機械に挟み込み片面ずつ張る。
(2)接着剤 クロロプレンゴム系接着剤(不図示)
第一層のステアハイド11と、第二層の発泡型クロロプレンゴムシート12とを接着する。また、この発泡型クロロプレンゴムシート12と第三層のナイロンジャージ地13とを接着する。
接着剤塗布方法 機械処理(熱圧着ラミネート機の専用タンクに注ぐ。)
なお、ステアハイド11の肉面側は粗面になっており、クロロプレンゴム系接着剤による接着力に加え、このように粗面であることも強固な接着に寄与している。
(3)加工温度 ツヤ無しは熱無し ツヤ有りは熱有り77度〜120度
3.縫製についての説明
以上の手順で生成した天然皮革積層体10から、型紙などを使って、身頃27、マチ28を切り出す。これら身頃27及びマチ28の端面を突き合わせ(23)、図4に示すように掬いミシン縫い24で縫い合わせる。これで、接続部分に段差やゴロツキの無いバッグが生成される。なお、ここに言う身頃27、マチ28が、請求項に云う部材に当る。
変形例について説明する。実施の形態例では、クロロプレンゴムシート12とナイロンジャージ地13とを別体にした。こうすれば、ジャージ地の模様を自由に変更できるし、コストも抑えられるからであるが、この部分には、前記開発5回目で使用した商品名スキンという製品、即ち、この2層で1枚になっている製品とかを使用しても良い。
また、実施の形態例では牛革を使用した。本発明の適用対象はこれに限られない。カンガルー革その他の天然皮革にも適用可能である。
更に、各素材の厚みについて補足する。これらは、実施の形態例で示した厚みが最良と解される。この厚みの組合せで、好ましい柔軟性、弾力性、しなやかさ、といった特性が醸し出されていると思われる。そこで、請求項には「目標値」という形で、この最適値を規定した。
しかし、必ずしも、この厚みに限定される訳ではない。製造誤差は当然にあるし、厚みの増減があっても、或る程度までは、従来の皮革をその儘使用する場合より、効果が認められるであろう。
ただ、素材の厚みというものは連続した値を取る。要するに境目が無い。そこで、発明者は、四捨五入の考え方で厚みの範囲を定めることを提唱する。
即ち、1.4倍までは、四捨五入すると1倍であり、元の値と同等と見ることが出来る、非常に乱暴ではあるが。そして、この1.4倍を増減で表せば4割増となる。これを元に薄い方を表現すると4割減となる。
請求項に云う素材の厚みは、このような観点から、その範囲を定めている。
但し、天然皮革については、厚みが大きい側のみを規定している。薄い方は、実施の形態例ぐらいが限界に近く、それ以上は、加工中や使用中に破れたりしない範囲で、天然皮革の種類ごとに、或いは、個々の天然皮革ごとに個別に定めるべきと思われるからである。
また、バッグの縫い方についても補足する。バッグの縫い方は、実施の形態例で示した掬いミシン縫いが最適である。しかし、これに限られない。要は、天然皮革積層体から切り出した部材の端面が突き合わせられていることであり、そうで有りさえすれば、縫い方は違っていても良い。例えば、千鳥ミシン縫いも適用できる。手縫いも有り得る、手間は掛かるが。手縫いの方が味が出る可能性もあるからである。
本発明は、手提げ、トートバッグ、ショルダーバッグ以外のもの、例えば、ポーチとか、バックパックなどにも適用可能である。更には、これらに限られず、凡そ皮革様のシートで生成される物ならば、何にでも適用可能である。
10…天然皮革積層体
11…ステアハイド(一般的に出回っている牛革)
12…発泡型クロロプレンゴムシート
13…ナイロンジャージ地
20…バッグ
21…開口部(バッグの)
22…底部(バッグの)
23…突合せ部分(バッグの)
24…掬いミシン縫い
27…身頃
28…マチ

Claims (4)

  1. 厚さの目標値が0.5mmとされ、仕上がり厚さが該目標値の4割増以下となるように、その肉面側が皮漉きされた天然皮革と、
    厚さの目標値が1.5mmとされ、仕上がり厚さが該目標値の4割増から4割減の範囲に収まるように生成された発泡型ゴムシートと、
    厚さの目標値が0.4mmとされ、仕上がり厚さが該目標値の4割増から4割減の範囲に収まるように生成されたナイロンのジャージ地とが、
    この記載の順序で積層接着されている
    ことを特徴とする天然皮革積層体。
  2. 前記天然皮革が牛革とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の天然皮革積層体。
  3. 厚さの目標値が0.5mmとされ、仕上がり厚さが該目標値の4割増以下となるように、その肉面側が皮漉きされた天然皮革と、厚さの目標値が1.5mmとされ、仕上がり厚さが該目標値の4割増から4割減の範囲に収まるように生成された発泡型ゴムシートと、厚さの目標値が0.4mmとされ、仕上がり厚さが該目標値の4割増から4割減の範囲に収まるように生成されたナイロンのジャージ地とが、この記載の順序で積層接着されている天然皮革積層体から、その各部材が切り出され、
    それらの端面同士が突き合わせられ、縫い合わせされている。
    ことを特徴とするバッグ。
  4. 前記天然皮革が牛革とされている
    ことを特徴とする請求項3に記載のバッグ。
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