JP5405735B2 - 変性ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂にエポキシ基含有ビニル単量体及び芳香族ビニル単量体を、またはさらに(メタ)アクリル酸エステル単量体をグラフト反応させた樹脂組成物であって、変性ポリオレフィン系樹脂組成物が特定の融解熱量及び融点を有する組成物及び該樹脂を含有する組成物に関する。さらに、難接着基材に対する優れた接着性を有するポリオレフィン系シートまたはフィルム状成形体を提供することを目的とする。
ポリオレフィン系樹脂、例えばポリプロピレン系樹脂は、その成形性、剛性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などが優れたものであり、また、安価であることから、フィルム、繊維、そのほか様々な形状の成形品などの広い範囲で汎用的に使用されている。一方で、ポリプロピレン系材料は分子内に極性基を有しない、いわゆる非極性で極めて不活性な高分子物質であり、更に結晶性が高く、溶剤類に対する溶解性も著しく低いため、接着性、塗装性、耐擦傷性、耐油性等が低いという課題がある。
この欠点を改善するために、オレフィン系樹脂へ極性官能基を有する重合可能なモノマーをグラフト重合させて、変性樹脂を製造する方法が試みられ、以下のような方法が提案されている。
(i)水中に分散させたポリオレフィン樹脂粒子にビニル単量体を含浸させ、過酸化物の存在下で加熱して変性ポリオレフィンを製造する方法(特許文献1)。
(ii)ポリオレフィン樹脂、無水マレイン酸と有機過酸化物とを溶融混練し、変性ポリオレフィンを製造する方法(特許文献2)。
(i)の方法では様々なビニル系単量体をポリオレフィン樹脂にグラフトさせることができる。しかし、エポキシ基などの極性の高い官能基を持つモノマーは、低極性であるポリオレフィン樹脂に含浸しにくいので、共重合できる量に限界があった。また、該モノマーの水への溶解抑制剤を必要とするため、反応後の変性ポリオレフィン組成物中に溶解抑制剤が残存し、印刷性、インキ密着性、接着性を阻害するという問題点があった。
(ii)の方法では、ポリオレフィン樹脂に共重合できるモノマーの種類は限られている。例えば無水マレイン酸の代わりにメタクリル酸グリシジルを用いると、モノマーが未反応のまま揮発したり、モノマー同士の重合が起こるだけでポリオレフィン樹脂にグラフトしなかったり、余剰の過酸化物によりポリオレフィンの主鎖が切断されて低分子量化するため、機械的特性が低下し、接着性への充分な要求に応えるレベルに達しているとは言えないのが現状である。
特開平6−122738号公報 特開平9−278956号公報
本発明は、簡素な装置を用い、容易な方法により、難接着基材に対し優れた接着性を有する変性ポリオレフィン系樹脂、該樹脂を含有する組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の現状に鑑み、鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂にエポキシ基含有ビニル単量体及び芳香族ビニル単量体を、またはさらに(メタ)アクリル酸エステル単量体をグラフト反応させた樹脂組成物であって、変性ポリオレフィン系樹脂組成物が特定の融解熱量及び融点を有する組成物が、上記の物性を付与することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(a)ポリオレフィン系樹脂に(b)エポキシ基含有ビニル単量体及び(c)芳香族ビニル単量体を、またはさらに(d)(メタ)アクリル酸エステル単量体をグラフト反応させた樹脂組成物であって、変性ポリオレフィン系樹脂組成物の融解熱量が1〜100J/gの範囲にあり、融点が80〜190℃の範囲にあることを特徴とする変性ポリオレフィン系樹脂組成物(請求項1)。
(a)ポリオレフィン系樹脂が、プロピレン単位が過半量であるポリプロピレン系樹脂である、請求項1に記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物(請求項2)。
請求項1、2の何れか一項記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物が2つ以上の融点を有しており、100℃を超える融点と100℃以下の融点をそれぞれ少なくとも1つ有することを特徴とする変性ポリオレフィン系樹脂組成物(請求項3)。
請求項1〜3の何れか一項記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物を含有し、熱溶着性を有するポリオレフィン系シートまたはフィルム状成形体(請求項4)。
ポリオレフィン系樹脂および請求項1〜3の何れか一項に記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物を含有するポリオレフィン系樹脂組成物(請求項5)。
プロピレン単位が過半量であるポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、請求項1〜3の何れか一項に記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物を0.1〜100重量部含有するポリオレフィン系樹脂組成物(請求項6)。
請求項5、6の何れか一項記載のポリオレフィン系樹脂組成物からなり、熱溶着性を有するポリオレフィン系シートまたはフィルム状成形体(請求項7)。
請求項1〜3の何れか一項に記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物、請求項5、6の何れか一項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物、および請求項4、7の何れか一項に記載のに記載のポリオレフィン系シートまたはフィルム状成形体、からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上で接着されてなる接着体(請求項8)。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂組成物は、単独使用のみならず、ポリオレフィン樹脂に添加剤として使用しても、難接着基材に対し優れた接着力を確保することができ、文具、雑貨、食品などの包装材、自動車用部品、家電などの電気電子部品、各種産業用資材などの幅広い分野に好適に用いられる。
以下に本発明の詳細について述べる。
<<ポリオレフィン系樹脂について>>
前記(a)ポリオレフィン系樹脂とは、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレンおよび/または1−ブテンとのあらゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合体、エチレンとプロピレンとのあらゆる比率においてジエン成分が50重量%以下であるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレンまたはプロピレンと50重量%以下のビニル化合物などとのランダム共重合体、ブロック共重合体などが挙げられる。
中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイソブチレンが好ましく、ポリプロピレンが特に好ましい。
また、極性基を有する不飽和カルボン酸単量体と相溶し易い点で、極性基が導入されたポリオレフィン樹脂も使用できる。極性基が導入されたポリオレフィン樹脂の具体例としては、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、アクリル酸変性ポリプロピレンなどの酸変性ポリプロピレン;エチレン/塩化ビニル共重合体、エチレン/塩化ビニリデン共重合体、エチレン/アクリロニトリル共重合体、エチレン/メタクリロニトリル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリルアミド共重合体、エチレン/メタクリルアミド共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン/アクリル酸ブチル共重合体、エチレン/アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、エチレン/メタクリル酸イソブチル共重合体、エチレン/メタクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、エチレン/無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル/無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸金属塩共重合体、エチレン/メタクリル酸金属塩共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、又はその鹸化物、エチレン/プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体エチレン/アクリル酸エチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン/ビニル単量体共重合体;塩素化ポリプロピレン塩素化ポリエチレンなどの塩素化ポリオレフィンなどが挙げられる。これらの極性基導入ポリオレフィンは混合しても使用できる。
工業的規模で安価に製造できるという点でポリプロピレンが好ましい。
前記原料ポリオレフィン樹脂には、必要に応じて、ほかの樹脂またはゴムを本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
前記ほかの樹脂またはゴムとしては、たとえばポリペンテン−1、ポリメチルペンテン−1などのポリα−オレフィン;プロピレン含有量が75重量%未満のプロピレン/ブテン−1共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン/α−オレフィン共重合体;プロピレン含有量が75重量%未満のエチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン/α−オレフィン/ジエン系単量体共重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリジエン系共重合体;スチレン/ブタジエンランダム共重合体などのビニル単量体/ジエン系単量体ランダム共重合体;スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体などのビニル単量体/ジエン系単量体/ビニル単量体ブロック共重合体;水素化(スチレン/ブタジエンランダム共重合体)などの水素化(ビニル単量体/ジエン系単量体ランダム共重合体);水素化(スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体)などの水素化(ビニル単量体/ジエン系単量体/ビニル単量体ブロック共重合体);アクリロニトリル/ブタジエン/スチレングラフト共重合体、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレングラフト共重合体などのビニル単量体/ジエン系単量体/ビニル単量体グラフト共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンなどのビニル重合体;塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体などのビニル系共重合体などがあげられる。
ポリオレフィン樹脂に対するこれらほかの樹脂またはゴムの添加量は、この樹脂の種類またはゴムの種類により異なり、前述のように本発明の効果を損なわない範囲内にあればよいものであるが、通常、25重量%程度以下であることが好ましい。
また、これらポリオレフィン樹脂(各種の添加材料を含むばあいもある)は粒子状のものであってもペレット状のものであってもよく、その大きさや形はとくに制限されるものではない。
また、前記の添加材料(ほかの樹脂、およびゴム)を用いるばあいは、この添加材料は予めポリオレフィン樹脂に添加されているものであっても、ポリオレフィン樹脂を溶融するときに添加されるものであってもよく、また変性ポリオレフィン系樹脂を製造したのちに適宜の方法でこの変性ポリオレフィン系樹脂に添加されるものであってもよい。
ポリオレフィン樹脂におけるプロピレン成分に関しては、ポリオレフィン樹脂に対しラジカルが発生し易くなる点で、プロピレン単位が過半量であることが好ましい。ここでいう過半量とはポリオレフィン樹脂に対するプロピレン成分が50重量%以上のことを意味する。
<<エポキシ基含有ビニル単量体について>>
例示するならば、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、マレイン酸モノグリシジル、マレイン酸ジグリシジル、イタコン酸モノグリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルコハク酸モノグリシジル、アリルコハク酸ジグリシジル、p−スチレンカルボン酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、p−グリシジルスチレン、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテンなどのエポキシオレフィン、ビニルシクロヘキセンモノオキシドなどの1種または2種以上が挙げられる。これらのうち、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジルが安価という点で好ましい。
前記エポキシ基含有ビニル単量体の添加量は、(a)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.1〜100重量部であることが好ましく、0.5〜50重量部であることがさらに好ましい。また、(a)ポリオレフィン系樹脂、(b)エポキシ基含有ビニル単量体、(c)芳香族ビニル単量体、(d)(メタ)アクリル酸エステル単量体の合計量100重量%中における(b)エポキシ基含有ビニル単量体の割合が、0.1〜50重量%の範囲であることが好ましく、0.5〜40重量%の範囲であることがより好ましく、1〜30重量%の範囲であることが特に好ましい。添加量が少なすぎると接着性が充分に改善されない傾向があり、添加量が多すぎると好適な形状や外観を有する樹脂組成物として取得できない傾向がある。
<<芳香族ビニル単量体について>>
例示するならば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレンなどのメチルスチレン;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、α−クロロスチレン、β−クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのクロロスチレン;o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレンなどのブロモスチレン;o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、ジフルオロスチレン、トリフルオロスチレンなどのフルオロスチレン;o−ニトロスチレン、m−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン、ジニトロスチレン、トリニトロスチレンなどのニトロスチレン;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレンなどのビニルフェノール;o−ジビニルスチレン、m−ジビニルスチレン、p−ジビニルスチレンなどのジビニルスチレン;o−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、p−ジイソプロペニルベンゼンなどのジイソプロペニルベンゼン;などの1種または2種以上が挙げられる。これらのうちスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどのメチルスチレン、ジビニルベンゼン単量体またはジビニルベンゼン異性体混合物が安価であるという点で好ましい。
前記(c)芳香族ビニル単量体の添加量は、(a)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.1〜50重量部であることが好ましく、0.5〜40重量部であることがさらに好ましく、1〜30重量部であることが特に好ましい。添加量が少なすぎるとポリオレフィン系樹脂に対するエポキシ基含有ビニル単量体のグラフト率が劣る傾向がある。一方、添加量が多すぎるとエポキシ基含有ビニル単量体のグラフト効率が飽和域に達するので、50重量部を上限とすることが好ましい。
<<(メタ)アクリル酸エステル単量体について>>
(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に制限されないが、好ましくは炭素数4〜20、より好ましくは4〜10の(メタ)アクリル酸エステルである。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニルエチル、(メタ)アクリル酸ナフチル等が挙げられ、なかでも(メタ)アクリル酸メチルが安価である点で好ましい。
前記(d)(メタ)アクリル酸エステル単量体の添加量は、(a)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.01〜50重量部であることが好ましく、0.05〜40重量部であることがさらに好ましく、0.1〜30重量部であることが特に好ましい。添加量が少なすぎるとポリオレフィン系樹脂に対するエポキシ基含有ビニル単量体のグラフト率が劣る傾向がある。一方、添加量が多すぎるとグラフトに寄与しないフリーポリマーの副生する傾向があるので、芳香族ビニル単量体と同重量部を上限とすることが好ましい。
<<ラジカル開始剤について>>
(a)ポリオレフィン系樹脂、(b)エポキシ基含有ビニル単量体、(c)芳香族ビニル単量体、(d)(メタ)アクリル酸エステル単量体を共重合する際、反応を促進するため、ラジカル重合開始剤を添加することができる。
ラジカル重合開始剤としては、一般に過酸化物またはアゾ化合物などがあげられる。前記ラジカル重合開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;パーメタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの有機過酸化物の1種または2種以上があげられる。
これらのうち、とくに水素引き抜き能が高いものが好ましく、そのようなラジカル重合開始剤としては、たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの1種または2種以上があげられる。
前記ラジカル重合開始剤の添加量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲内にあることが好ましく、0.2〜5重量部の範囲内にあることがさらに好ましい。0.01重量部未満では変性が充分に進行せず、10重量部を超えると流動性、機械的特性の低下を招くことがある。
<<変性ポリオレフィン系樹脂組成物について>>
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂組成物は、(a)ポリオレフィン系樹脂に対し、(b)エポキシ基含有ビニル単量体を含む2種類以上の単量体をグラフト重合反応させてなる樹脂組成物であって、融解熱量が1〜100J/gの範囲にあり、融点が80〜190℃の範囲にあることを特徴とする樹脂組成物である。単量体として、(b)エポキシ基含有ビニル単量体及び(c)芳香族ビニル単量体を必須成分として使用し、任意でさらに(d)(メタ)アクリル酸エステル単量体を使用してもよい。
本発明に用いるグラフト重合反応としては、特に制限されないが、溶液重合、含浸重合、溶融重合などを用いることができる。特に、溶融重合が簡便で好ましい。
溶融混練時の添加順序及び方法については、ポリオレフィン系樹脂とラジカル重合開始剤を溶融混練した混合物に、エポキシ基含有ビニル単量体、芳香族ビニル単量体を加え溶融混練する添加順序がよく、この添加順序で行うことでグラフトに寄与しない低分子量体の生成を抑制することができる。なお、そのほか必要に応じ添加される材料の混合や溶融混練の順序及び方法はとくに制限されるものではない。
溶融混練時の加熱温度は、130〜300℃であることが、ポリオレフィン系樹脂が充分に溶融し、かつ熱分解しないという点で好ましい。また溶融混練の時間(ラジカル重合開始剤を混合してからの時間)は、通常30秒間〜60分間である。
また、前記の溶融混練の装置としては、押出機、バンバリーミキサー、ミル、ニーダー、加熱ロールなどを使用することができる。生産性の面から単軸あるいは2軸の押出機を用いる方法が好ましい。また、各々の材料を充分に均一に混合するために、前記溶融混練を複数回繰返してもよい。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂としては、まず融点が80〜190℃、好ましくは90〜180℃である。すなわち、融点が80℃未満では高温域で良好な接着性を維持することが出来ず、190℃を超えると変性ポリオレフィン樹脂を被着体に塗布するときの作業性が著しく低下する。次に、融解熱量が1〜100J/g、好ましくは1〜80J/gである。すなわち、融解熱量が100J/gを超える場合では変性ポリオレフィン樹脂を被着体に塗布するときに多大な熱量を必要とするため、生産性が著しく低下する。
前記の融点は1つであってもよく2つ以上あっても良い。変性ポリオレフィン系樹脂組成物が2つ以上の融点を有しており、100℃を超える融点と100℃以下の融点をそれぞれ少なくとも1つ有する場合は、100℃を超える高温域で良好な接着性を確保しつつ、低温での加熱溶融にて被着体と接着させることができ、多大な熱量を必要としないため好ましい。
融点と融解熱量をこのような数値範囲に制御するには、目的に応じて原料樹脂を選択し組合せればよい。また、(a)ポリオレフィン系樹脂に(b)エポキシ基含有ビニル単量体及び(c)芳香族ビニル単量体を、またはさらに(d)(メタ)アクリル酸エステル単量体をグラフト反応させる際、ラジカル開始剤を添加して溶融混練する方法を用いると、変性前の(a)ポリオレフィン系樹脂の融点と融解熱量を維持したまま接着性を付与することができ、所望の融点と融解熱量をもつ変性体を得ることが容易であるため好ましい。
変性ポリオレフィン系樹脂組成物には必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、制酸吸着剤などの安定剤、または架橋剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。これらの安定剤および添加剤を用いる場合は、予め(a)ポリオレフィン樹脂に添加されているものであってもよく、(a)ポリオレフィン系樹脂に(b)〜(e)成分をグラフトさせる際に添加されるものであってもよく、また変性ポリオレフィン系樹脂を製造したのちに適宜の方法でこの変性ポリオレフィン系樹脂に添加されるものであってもよい。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂は、添加剤として、ポリオレフィン系樹脂に添加しても、接着性を向上することができる。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂が配合されるポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリプロピレン単独重合体、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレンおよび/または1−ブテンとのあらゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合体、エチレンとプロピレンとのあらゆる比率においてジエン成分が50重量%以下であるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレンまたはプロピレンと50重量%以下のたとえば酢酸ビニル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニルなどのビニル化合物などとのランダム共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーブロック共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー(ポリプロピレンとエチレン/プロピレン共重合体又はエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体の単純混合物、その一部架橋物、又はその完全架橋物)などが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
剛性が高く、安価であるという点からはポリプロピレン単独重合体が好ましく、剛性および耐衝撃性がともに高いという点からはプロピレンとほかの単量体とのブロック共重合体であることが好ましい。また、柔軟性が必要な場合にはポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂をポリオレフィン系樹脂に配合する際にその配合量は特に限定はないが、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、0.1〜100重量部、更には0.1〜70重量部を含有させることが好ましい。より好ましくは0.3〜50重量部であり、更に好ましくは0.5〜20重量部である。この範囲より少ないとポリオレフィン系樹脂に対して本発明の改質効果が得られない傾向がある。逆に多すぎるとポリオレフィン系樹脂本来の機械特性が低下し、また経済的な課題が生じてくる場合がある。
<<シートまたはフィルム状成形体について>>
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂組成物は、熱溶着性を有するポリオレフィン系シートまたはフィルム状成形体にすることができる。また、ポリオレフィン系樹脂に本発明の変性ポリオレフィン系樹脂組成物を添加してなるポリオレフィン系樹脂組成物も、熱溶着性を有するポリオレフィン系シートまたはフィルム状成形体にすることができる。本発明でいう熱溶着性とは、熱で溶けて被着体と接合する性質のことである。本発明のシートまたはフィルム状成形体とは、成形体の厚みとしては3μmから3mmが例示でき、好ましくは10μm〜1mmであり、シートあるいはフィルムとして利用することができるものである。
本発明の熱溶着性を有するポリオレフィン系シートまたはフィルム状成形体の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば本発明のポリオレフィン系樹脂と変性ポリオレフィン系樹脂をドライブレンド、あるいは溶融混練した後に、各種の押出成形機、射出成形機、カレンダー成形機、インフレーション成形機、ロール成形機、あるいは加熱プレス成形機などを用いてシート状成形体に成形加工することが可能である。
本発明で用いられる被着体の材料としては、例えば、本発明の接着性フィルムの接着樹脂層と接着し得る材料である。具体的には、例えば、金、銀、銅、鉄、錫、鉛、アルミニウム、シリコンなどの金属、ガラス、セラミックスなどの無機材料;紙、布などのセルロース系高分子材料、メラミン系樹脂、アクリル・ウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン・アクリロニトリル系共重合体、ポリカーボネート系樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などの合成高分子材料等が挙げられる。
被着体の材料として、異なる2種類以上の材料を混合、複合してもよい。また、積層体が本発明の接着性フィルムを介して、異なる2つの被着体が接着してなるものである場合、2つの被着体を構成する材料は、同じ種類の材料でも異なる種類の材料のいずれでもよい。被着体の性状としては特に限定されないが、例えば、フィルム状、シート状、板状、繊維状などが挙げられる。また、被着体には、必要に応じて、離型剤、メッキなどの被膜、塗料による塗膜、プラズマやレーザーなどによる表面改質、表面酸化、エッチングなどの表面処理等を実施してもよい。被着体の具体例としては、トリム類(ドアトリム、内装トリムなど)、成形天井、シート材(内装シート、インパネ表皮、装飾シートなど)等の自動車部材や、室内ドア、パーティション、内装壁板、家具、システムキッチン等の住宅資材で使用される化粧フィルムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下に具体的な実施例を示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。下記実施例および比較例中「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
(融点、融解熱量の測定)
融点及び融解熱量は、島津製作所製DSC−50を用いて以下の条件で測定した。同一試料で2回走査を行い、2回目の走査曲線の極大ピークを融点とした。
昇温速度:20℃/min
対象セル:アルミニウム
(T字剥離評価)
T字剥離評価は、島津製作所製AG−2000Aを用い、23℃にて引張テストスピード200mm/minで行った。テストサンプルは、以下の方法で作成した。2枚のアルミプレート(25mm×150mm)の間にフィルムを挟み、プレス機(プレス温度200℃、プレス時間1分)にて接着し、テストサンプルを得た。
(実施例1)
(a)ランダムポリプロピレン(住友化学製S131、MFR=3)100重量部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂(株)製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部を200℃に設定した2軸押出機(TEX30:L/D=28、日本製鋼所製)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中より(b)メタクリル酸グリシジル3重量部、(c)スチレン3重量部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン系樹脂ペレット(A−1)を得た。(A−1)の融点は136℃、融解熱量46J/gであった。得られた樹脂組成物をTダイに供給し0.1mm厚みのフィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例2)
(a−1)ランダムポリプロピレン(住友化学製S131、MFR=3)50重量部、(a−2)ポリプロピレンエチレンラバー(ダウケミカル製V3401、MFR=8)50重量部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂(株)製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部を200℃に設定した2軸押出機(TEX30:L/D=28、日本製鋼所製)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中より(b)メタクリル酸グリシジル3重量部、(c)スチレン3重量部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン系樹脂ペレット(A−2)を得た。(A−2)の融点は97℃と136℃、融解熱量24J/gであった。得られた樹脂組成物をTダイに供給し0.1mm厚みのフィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例3)
(a)ポリプロピレンエチレンラバー(ダウケミカル製V3401、MFR=8)100重量部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂(株)製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部を200℃に設定した2軸押出機(TEX30:L/D=28、日本製鋼所製)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中より(b)メタクリル酸グリシジル3重量部、(c)スチレン3重量部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン系樹脂ペレット(A−3)を得た。(A−3)の融点は97℃、融解熱量4J/gであった。得られた樹脂組成物をTダイに供給し0.1mm厚みのフィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例4)
(a)ホモポリプロピレン(プライムポリマー製F113G、MFR=3)100重量部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂(株)製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部を200℃に設定した2軸押出機(TEX30:L/D=28、日本製鋼所製)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中より(b)メタクリル酸グリシジル3重量部、(c)スチレン3重量部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン系樹脂ペレット(A−4)を得た。(A−4)の融点は160℃、融解熱量76J/gであった。得られた樹脂組成物をTダイに供給し0.1mm厚みのフィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例5)
(a)低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製LJ802、MFR=22)100重量部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂(株)製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部を200℃に設定した2軸押出機(TEX30:L/D=28、日本製鋼所製)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中より(b)メタクリル酸グリシジル3重量部、(c)スチレン3重量部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン系樹脂ペレット(A−5)を得た。(A−5)の融点は110℃、融解熱量74J/gであった。得られた樹脂組成物をTダイに供給し0.1mm厚みのフィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例6)
ランダムポリプロピレン(住友化学製S131、MFR=3)100重量部、実施例5の変性ポリオレフィン系樹脂ペレット(A−5)20重量部を200℃に設定したTダイに供給し溶融混練して0.1mm厚みのフィルムを得た。結果を表1に示す。
(比較例1)
ランダムポリプロピレン(住友化学製S131、MFR=3)をTダイに供給し0.1mm厚みのフィルムを得た。結果を示す。
Figure 0005405735
実施例1〜5は溶融混練で製造された本発明の変性ポリオレフィン系樹脂であり、実施例6は本発明の変性ポリオレフィン系樹脂を含有する本発明のポリオレフィン系樹脂である。比較例1は変性ポリオレフィン系樹脂を含有しないポリオレフィン系樹脂である。実施例1〜6については、その接着性は高い。一方で比較例ではT字剥離強度は低く、接着性に劣ることが判る。

Claims (11)

  1. (a)ポリオレフィン系樹脂に(b)エポキシ基含有ビニル単量体及び(c)芳香族ビニル単量体を、またはさらに(d)(メタ)アクリル酸エステル単量体をグラフト反応させた樹脂組成物であって、
    変性ポリオレフィン系樹脂組成物の融解熱量が1〜100J/gの範囲にあり、融点が80〜190℃の範囲にあり、
    (a)ポリオレフィン系樹脂とラジカル重合開始剤を溶融混練した後、次いで(b)エポキシ基含有ビニル単量体及び(c)芳香族ビニル単量体を加え溶融混練して得られることを特徴とする変性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. (a)ポリオレフィン系樹脂が、プロピレン単位が過半量であるポリプロピレン系樹脂である、請求項1に記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  3. (b)エポキシ基含有ビニル単量体が、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、マレイン酸モノグリシジル、マレイン酸ジグリシジル、イタコン酸モノグリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルコハク酸モノグリシジル、アリルコハク酸ジグリシジル、p−スチレンカルボン酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、p−グリシジルスチレン、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、または、ビニルシクロヘキセンモノオキシドである請求項1または2記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3の何れか一項記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物が2つ以上の融点を有しており、100℃を超える融点と100℃以下の融点をそれぞれ少なくとも1つ有することを特徴とする変性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  5. 融解熱量が1〜46J/gであることを特徴とする、請求項1〜の何れか一項記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  6. 融解熱量が4〜24J/gであることを特徴とする、請求項1〜の何れか一項記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  7. 請求項1〜の何れか一項記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物を含有し、熱溶着性を有するポリオレフィン系シートまたはフィルム状成形体。
  8. ポリオレフィン系樹脂および請求項1〜の何れか一項に記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物を含有するポリオレフィン系樹脂組成物。
  9. プロピレン単位が過半量であるポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、請求項1〜の何れか一項に記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物を0.1〜100重量部含有するポリオレフィン系樹脂組成物。
  10. 請求項8または9に記載のポリオレフィン系樹脂組成物からなり、熱溶着性を有するポリオレフィン系シートまたはフィルム状成形体。
  11. 請求項1〜の何れか一項に記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物、請求項8または9に記載のポリオレフィン系樹脂組成物、および請求項7または10に記載のポリオレフィン系シートまたはフィルム状成形体、からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上で接着されてなる接着体。
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