JP6111128B2 - 変性ポリオレフィン系樹脂組成物およびそれからなる熱溶着性フィルム - Google Patents

変性ポリオレフィン系樹脂組成物およびそれからなる熱溶着性フィルム Download PDF

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Description

本発明は、接着性を有する変性ポリオレフィン系樹脂組成物、およびそれからなる熱溶着性フィルムに関する。
ポリオレフィン系樹脂、例えばポリプロピレン系樹脂は、その成形性、剛性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などが優れたものであり、また、安価であることから、フィルム、繊維、そのほか様々な形状の成形品などの広い範囲で汎用的に使用されている。一方で、ポリプロピレン系材料は分子内に極性基を有しない、いわゆる非極性で極めて不活性な高分子物質であり、更に結晶性が高く、溶剤類に対する溶解性も著しく低いため、接着性、塗装性、耐擦傷性、耐油性等が低いという課題がある。
この欠点を改善するために、オレフィン系樹脂へ極性官能基を有する重合可能なモノマーをグラフト重合させて、変性樹脂を製造する方法が試みられ、以下のような方法が提案されている。
(i)水中に分散させたポリオレフィン樹脂粒子にビニル単量体を含浸させ、過酸化物の存在下で加熱して変性ポリオレフィンを製造する方法(特許文献1)。
(ii)ポリオレフィン樹脂、無水マレイン酸と有機過酸化物とを溶融混練し、変性ポリオレフィンを製造する方法(特許文献2)。
(i)の方法では様々なビニル系単量体をポリオレフィン樹脂にグラフトさせることができる。しかし、エポキシ基などの極性の高い官能基を持つモノマーは、低極性であるポリオレフィン樹脂に含浸しにくいので、共重合できる量に限界があった。また、該モノマーの水への溶解抑制剤を必要とするため、反応後の変性ポリオレフィン組成物中に溶解抑制剤が残存し、印刷性、インキ密着性、接着性を阻害するという問題点があった。
(ii)の方法では、ポリオレフィン樹脂に共重合できるモノマーの種類は限られている。例えば無水マレイン酸の代わりにメタクリル酸グリシジルを用いると、モノマーが未反応のまま揮発したり、モノマー同士の重合が起こるだけでポリオレフィン樹脂にグラフトしなかったり、余剰の過酸化物によりポリオレフィンの主鎖が切断されて低分子量化するため、機械的特性が低下し、接着性への充分な要求に応えるレベルに達しているとは言えないのが現状である。
また、特許文献3,4には、結晶質ポリオレフィンと非晶質ポリオレフィンからなる酸変性ポリオレフィン組成物が開示されている。このような組成物を使用することで、被着体への接着が比較的容易となる傾向にあるが、その反面タックが強くなる傾向にあり、当該組成物を熱溶着性フィルムとした場合にそのハンドリング性が悪いといった問題があった。
特開平6−122738号公報 特開平9−278956号公報 特開平8−269253号公報 特開平8−269253号公報
本発明は、比較的常温でのタックが少なくハンドリング性が良好で、簡素な加熱で難接着基材に対し優れた接着性を有し、かつ高温域での接着性維持(耐熱性)にも優れた熱溶着性フィルムを得ることが可能な変性ポリオレフィン系樹脂組成物および当該樹脂からなる熱溶着性フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上述の現状に鑑み、鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂にエポキシ基含有ビニル単量体及び芳香族ビニル単量体をグラフト反応させた変性ポリオレフィン系樹脂とその他のポリオレフィン系樹脂からなる組成物であって、特定の融解熱量及び融点を有する組み合わせからなる組成物が、上記の物性を付与することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成をなす。
1).エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体成分を用いてグラフト変性した変性ポリオレフィン系樹脂(A)50〜98重量%とポリオレフィン系樹脂(B)2〜50重量%からなり、かつ下記i)、ii)を満たすことを特徴とする変性ポリオレフィン系樹脂組成物。
i)変性ポリオレフィン系樹脂Aの融点Tm(A)、ポリオレフィン系樹脂(B)の融点Tm(B)が下記式を満たす。
120≦Tm(A)≦170
80≦Tm(B)<120
ii)変性ポリオレフィン系樹脂(A)の融解熱量ΔH(A)とポリオレフィン系樹脂(B)の融解熱量ΔH(B)が下記式を満たす。
ΔH(B)>ΔH(A)
2).前記単量体成分が、エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む化合物および芳香族ビニル化合物を含有することを特徴とする1)記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物。
3).前記ポリオレフィン系樹脂(B)がポリエチレン系樹脂であることを特徴とする1)または2)記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物。
4).1)〜3)いずれかに記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物からなり、少なくとも下記2つの融点ピーク(FTm(A),FTm(B))を有する熱溶着層を少なくとも1層有することを特徴とする熱溶着性接着フィルム。
融点ピークFTm(A):120℃以上、170℃以下
融点ピークFTm(B):80℃以上、120℃未満
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂組成物は、特定の変性ポリオレフィン系樹脂およびポリオレフィン系樹脂を使用することで、被着体に対して低温もしくは短時間で接着可能な特性(易接着性)を有し、かつ低タックでハンドリング性に優れた樹脂組成物、熱溶着性フィルムが得られる。
以下に本発明の詳細について述べる。
<変性ポリオレフィン系樹脂(A)>
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂組成物にはグラフト変性された変性ポリオレフィン系樹脂(A)が使用される。グラフト変性する前のポリオレフィン系樹脂(以下、原料ポリオレフィン系樹脂と示す)としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレンおよび/または1−ブテンとのあらゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合体、エチレンとプロピレンとのあらゆる比率においてジエン成分が50重量%以下であるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレンまたはプロピレンと50重量%以下のビニル化合物などとのランダム共重合体、ブロック共重合体などが挙げられる。
中でもポリプロピレン単独共重合体やオレフィン系エラストマーが好適である。具体的には、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ホモポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体、1−ブテン単独重合体、1−ブテン・エチレン共重合体、1−ブテン・プロピレン共重合体、4−メチルペンテン−1・プロピレン共重合体、4−メチルペンテン−1・1−ブテン共重合体、4−メチルペンテン−1・プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等を挙げることができる。原料調達の容易さや変性後の物性から、ポリプロピレン単独共重合体、エチレン・プロピレン共重合体が特に好ましい。さらに、これらを任意の比率で混合した樹脂も好適に用いることが出来る。
原料ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は特に制限はないが、所望の変性ポリオレフィン系樹脂が得やすいとの観点から5.0g/10分以上60.0g/10分以下であることが好ましい。
前記原料ポリオレフィン系樹脂には、必要に応じて、他の樹脂またはゴムを本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。前記の他の樹脂またはゴムとしては、たとえばポリペンテン−1、ポリメチルペンテン−1などのポリα−オレフィン;プロピレン含有量が75重量%未満のプロピレン/ブテン−1共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン/α−オレフィン共重合体;プロピレン含有量が75重量%未満のエチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン/α−オレフィン/ジエン単量体共重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリジエン共重合体;スチレン/ブタジエンランダム共重合体、スチレン/イソプレンランダム共重合体などのビニル単量体/ジエン単量体ランダム共重合体;スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体などのビニル単量体/ジエン単量体/ビニル単量体ブロック共重合体;水素化(スチレン/ブタジエンランダム共重合体)、水素化(スチレン/イソプレンランダム共重合体)などの水素化(ビニル単量体/ジエン単量体ランダム共重合体);水素化(スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体)、水素化(スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)などの水素化(ビニル単量体/ジエン単量体/ビニル単量体ブロック共重合体);アクリロニトリル/ブタジエン/スチレングラフト共重合体、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレングラフト共重合体などのビニル単量体/ジエン単量体/ビニル単量体グラフト共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンなどのビニル重合体;塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体などのビニル共重合体などがあげられる。
原料ポリオレフィン系樹脂に対するこれら他の樹脂またはゴムの添加量は、この樹脂の種類またはゴムの種類により異なり、前述のように本発明の効果を損なわない範囲内にあればよいものであるが、通常、25重量%程度以下であることが好ましい。
また、原料ポリオレフィン系樹脂(各種の添加材料を含む場合もある)は粒子状のものであってもペレット状のものであってもよく、その大きさや形はとくに制限されるものではない。
また、前記の添加材料(ほかの樹脂、およびゴム)を用いる場合は、この添加材料は予め原料ポリオレフィン系樹脂に添加されているものであっても、原料ポリオレフィン系樹脂を溶融するときに添加されるものであってもよい。
原料ポリオレフィン系樹脂は、原料ポリオレフィン系樹脂に対しラジカルが発生し易くなる点で、プロピレン単位が過半量であることが好ましい。ここでいう過半量とはポリオレフィン系樹脂に対するプロピレン成分が50重量%以上のことを意味する。
原料ポリオレフィン樹脂をグラフト変性するためのエチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む化合物としては特に限定なく種々のものを用いることができる。このような化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、マレイン酸ジグリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルコハク酸ジグリシジル、p−スチレンカルボン酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、p−グリシジルスチレン、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロヘキセンモノオキシドなどを挙げることができる。これらの中では、安価でかつ金属材料等との層間密着性を得ると言う観点から(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましい。
エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む化合物の使用量は、特に制限されないが、原料ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましく、0.3〜10重量部であることがより好ましく、0.5〜5重量部であることがさらに好ましい。0.1重量部より少ないと接着性が十分でない場合がある。一方、20重量部より多いと、残留モノマーが多く発生し、物性に悪影響を与える場合がある。
原料ポリオレフィン系樹脂に対して、エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む化合物をグラフト変性する際、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の単量体を併用してもよい。その他の単量体としては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ビニルエステル化合物、塩化ビニル、オキサゾリン基含有不飽和単量体などが挙げられる。
芳香族ビニル化合物を用いた場合、ポリプロピレンなどの分子鎖切断型ポリオレフィンへのグラフトの際に分子鎖の切断が抑制され、高い分子量を保ったまま、エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体を高い比率で導入することができるので好ましい。
芳香族ビニル化合物を例示するならば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレンなどのメチルスチレン;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、α−クロロスチレン、β−クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのクロロスチレン;o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレンなどのブロモスチレン;o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、ジフルオロスチレン、トリフルオロスチレンなどのフルオロスチレン;o−ニトロスチレン、m−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン、ジニトロスチレン、トリニトロスチレンなどのニトロスチレン;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレンなどのビニルフェノール;o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼンなどのジビニルベンゼン;o−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、p−ジイソプロペニルベンゼンなどのジイソプロペニルベンゼン;などの1種または2種以上が挙げられる。これらのうちスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどのメチルスチレン、ジビニルベンゼン単量体またはジビニルベンゼン異性体混合物が安価であるという点で好ましい。なかでもスチレンが特に好ましい。
芳香族ビニル化合物の使用量は、原料ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、0.1〜10重量部であることがより好ましく、0.3〜5重量部であることがさらに好ましい。使用量が少なすぎるとポリオレフィン系樹脂に対するエチレン性二重結合及びエポキシ基を同一分子内に含む単量体のグラフト率が劣る傾向がある。一方、使用量が20重量部を超えるとエチレン性二重結合及びエポキシ基を同一分子内に含む単量体のグラフト効率が飽和域に達する場合がある。
上記原料ポリオレフィン系樹脂とエチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む化合物、さらに必要に応じて芳香族ビニル化合物を、ラジカル重合開始剤の存在下で加熱して反応させることにより、変性ポリオレフィン系樹脂(A)を得ることができる。
ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物あるいはアゾ化合物などを挙げることができる。例示するならば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;パーメタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの有機過酸化物の1種または2種以上があげられる。
これらのうち、とくに水素引き抜き能が高いものが好ましく、そのようなラジカル重合開始剤としては、たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの1種または2種以上があげられる。
ラジカル重合開始剤の添加量は、原料ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲内にあることが好ましく、0.2〜5重量部の範囲内にあることがより好ましい。0.01重量部未満では変性が充分に進行せず、10重量部を超えると流動性、機械的特性の低下を招くことがある。
グラフト変性のための重合反応としては、特に制限されないが、溶液重合、含浸重合、溶融重合などを用いることができる。特に、溶融重合が簡便で好ましい。
溶融重合は、原料ポリオレフィン系樹脂とラジカル重合開始剤、エチレン性二重結合及びエポキシ基を同一分子内に含む化合物、さらに必要に応じ添加される芳香族ビニル化合物を、原料ポリオレフィン系樹脂の溶融下、混練する方法である。
溶融混練時の加熱温度は、100〜300℃であることが、原料ポリオレフィン系樹脂が充分に溶融し、かつ熱分解しないという点で好ましい。また溶融混練の時間は、通常30秒間〜60分間である。
溶融混練の装置としては、押出機、バンバリーミキサー、ミル、ニーダー、加熱ロールなどを使用することができる。生産性の面から単軸あるいは2軸の押出機を用いる方法が好ましい。また、各々の材料を充分に均一に混合するために、溶融混練を複数回繰返してもよい。
またより効率的な反応を行うために、ラジカル重合開始剤の存在下に単量体を添加し溶融混練する方法が好ましい。具体的には、原料ポリオレフィン系樹脂とラジカル重合開始剤をあらかじめ混合したものを溶融混練し、そこへ各種単量体を添加する方法、または原料ポリオレフィン系樹脂を溶融混練した後、ラジカル重合開始剤を添加、混練し、そこへ各種単量体を添加する、等の方法が挙げられる。
変性ポリオレフィン系樹脂には必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、脱水剤、制酸吸着剤などの安定剤、または架橋剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤などの添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。これらの安定剤および添加剤を用いる場合は、予め原料ポリオレフィン系樹脂に添加されているものであってもよく、原料ポリオレフィン系樹脂をグラフト変性させる際に添加されるものであってもよく、また変性ポリオレフィン系樹脂を製造したのちに適宜の方法でこの変性ポリオレフィン系樹脂に添加されるものであってもよい。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂(A)は、融点が120〜170℃、でかつ融解熱量ΔH(A)が、ポリオレフィン系樹脂(B)の融解熱量ΔH(B)よりも小さいこと(ΔH(A)<ΔH(B))が特徴である。当該融点が120℃未満では高温域で良好な接着性(耐熱性)を維持することが出来ず、170℃を超えると変性ポリオレフィン系樹脂組成物を塗布するときの作業性が著しく低下する傾向にあり、好ましくは125〜160℃、さらに好ましくは、130〜150℃である。次に、融解熱量ΔH(A)は上記範囲にあることで、被着体への易接着性とハンドリング性を両立させ易い傾向にあり、ΔH(A)の好ましい値としては、1〜50J/g、さらには2〜30J/g、より好ましくは3〜20J/gである。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂(A)の配合量は50〜98重量%、好ましくは60〜97%、さらに好ましくは65〜95%である。この範囲にあることで、タック性が低くハンドリング性に優れ、かつ被着体への易接着性に優れた変性ポリオレフィン系樹脂組成物が得られ易い。
<ポリオレフィン系樹脂(B)>
本発明のポリオレフィン系樹脂(B)は、融点Tm(B)が80℃以上120℃未満で、かつ融解熱量ΔH(B)が、変性ポリオレフィン系樹脂(A)の融解熱量ΔH(A)よりも大きいこと(ΔH(A)<ΔH(B))が特徴である。Tm(B)が80℃未満では高温域で良好な接着性(耐熱性)を維持することができない場合があり、120℃以上では被着体との接着時に大きな熱量を要し、易接着性が損なわれる可能性があり、好ましくは90℃以上120℃未満、さらに好ましくは、100℃以上120℃未満である。次に、融解熱量ΔH(B)は上記範囲にあることで、被着体への易接着性とハンドリング性を両立させ易い傾向にあり、ΔH(B)の好ましい値としては、50〜150J/g、さらには60〜130J/g、より好ましくは70〜120J/gである。
ポリオレフィン系樹脂としては、上記特性を満足するものであれば特に制限はないが、例えばプロピレン単独重合体、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリエチレンワックス、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレンおよび/または1−ブテンとのあらゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合体、エチレンとプロピレンとのあらゆる比率においてジエン成分が50重量%以下であるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレンまたはプロピレンと50重量%以下のたとえば酢酸ビニル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニルなどのビニル化合物などとのランダム共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーブロック共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー(ポリプロピレンとエチレン/プロピレン共重合体又はエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体の単純混合物、その一部架橋物、又はその完全架橋物)などが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、これらを変性ポリオレフィン系樹脂(A)と同様の方法等によりグラフト変性したものであっても良い。これらの中でも、上記特性を得やすいものとして、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリエチレンワックス、プロピレンとエチレンおよび/または1−ブテンとのあらゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合体が好ましく、特に低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンが好ましい。
本発明のポリオレフィン系樹脂(B)の配合量は2〜50重量%、好ましくは3〜40%、さらに好ましくは5〜35%である。この範囲にあることで、タック性が低く、かつ被着体への易接着性に優れた変性ポリオレフィン系樹脂組成物が得られ易い。
<熱溶着性フィルム>
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂組成物は、熱溶着性を有するポリオレフィン系フィルムにすることができる。本発明でいう熱溶着性とは、熱で溶けて被着体と接合する性質のことである。本発明のフィルムとは、厚みとしては3μmから3mmが例示でき、好ましくは10μm〜1mmであり、フィルムとして利用することができるものである。
本発明の熱溶着性フィルムは、少なくとも2つの融点ピークFTm(A),FTm(B)を有する熱溶着層を少なくとも1層有することを特徴とする。FTm(A)は120℃以上170℃以下、好ましくは120℃以上160℃以下、さらには120℃以上150℃以下が好ましい。FTm(B)は80℃以上120℃以下、好ましくは90℃以上120℃以下、さらには100℃以上120℃以下が好ましい。上記範囲のFTm(A),FTm(B)を有することで、低タック性、易接着性のバランスに優れた熱溶着性フィルムが得られ易い。
本発明の熱溶着性フィルムは、前記変性ポリオレフィン系樹脂組成物からなる熱溶着層を少なくとも一層有しておればよく、熱溶着層と他の層からなる積層フィルムであっても良い。具体的には、前記熱溶着層と他の粘着性を有しない熱可塑性樹脂層からなる積層フィルム、前記熱溶着層と多孔質層からなる積層フィルム、前記熱溶着層と不織布等繊維質層からなる積層フィルム、前記熱溶着層と他の接着性樹脂層からなる積層フィルム、等が挙げられる。
本発明の熱溶着性フィルムの製造方法は、特に限定されるものではないが、熱溶着層のみの単層フィルムの場合、例えば本発明の変性ポリオレフィン系樹脂(A)とポリオレフィン系樹脂(B)をドライブレンド、あるいは溶融混練した後に、各種の押出成形機、射出成形機、カレンダー成形機、インフレーション成形機、ロール成形機、あるいは加熱プレス成形機などを用いてフィルム状に成形加工することで得ることが可能である。熱溶着性フィルムが積層体の場合には、上記の様に熱溶着層をフィルム状に成形したものを他の各種フィルム、紙、不織布等と加熱圧着すること、他の各種フィルム、紙、不織布等に変性ポリオレフィン系樹脂組成物を押出ラミネートすること、あるいは変性ポリオレフィン系樹脂組成物と他の熱可塑性樹脂を同時に押出フィルム化すること、等の方法により得ることが可能である。
本発明により得られる変性ポリオレフィン系樹脂組成物および熱溶着性フィルムは、その特徴から、各種材料の接着剤として使用可能である。接着可能な被着体の材料としては、例えば、金、銀、銅、鉄、錫、鉛、アルミニウム、シリコンなどの金属、ガラス、セラミックスなどの無機材料;紙、布などのセルロース系高分子材料、メラミン系樹脂、アクリル・ウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン・アクリロニトリル系共重合体、ポリカーボネート系樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などの合成高分子材料等が挙げられ、これらは異なる2種類以上の材料を混合、複合してもよい。また、被着体には、必要に応じて、離型剤、メッキなどの被膜、塗料による塗膜、プラズマやレーザーなどによる表面改質、表面酸化、エッチングなどの表面処理等を実施してもよい。
被着体の具体例としては、トリム類(ドアトリム、内装トリムなど)、成形天井、シート材(内装シート、インパネ表皮、装飾シートなど)等の自動車部材や、室内ドア、パーティション、内装壁板、家具、システムキッチン等の住宅資材で使用される化粧フィルムが挙げられ、その他、二次電池で用いられるアルミラミネートフィルムとシーラント層の接着用途や二次電池の電極として用いられるタブリード材と上記アルミラミネートフィルムを接着する為のタブリード封止用接着フィルムなどの用途が挙げられる。
以下に具体的な実施例を示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。下記実施例および比較例中「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
<融点Tm、融解熱量ΔHの測定>
示差走査熱量測定(DSC)において、試料1〜10mgを40℃から210℃まで10℃/分の速度で昇温し、該温度で5分間保持後、ついで210℃から40℃まで10℃/分の速度で降温し、該温度で5分間保持後、再度40℃から210℃まで10℃/分の速度で昇温したときの融解ピークにて吸熱量が最大となる点の温度を融点とし、融解ピークの融解開始前の低温側ベースラインと融解終了後の高温側ベースラインとを直線で結び当該直線とDSC曲線とで囲まれた面積から算出される熱量を融解熱量とした。なお、示差走査熱量計は、島津示差走査熱量計DSC−50(島津製作所製)を使用した。
<接着強度評価(180度剥離試験)>
220℃のオーブンに5分間放置し予熱したアルミプレート(幅25mm×長さ100mm×厚み1.5mm)に各実施例で得られた3層フィルムを幅15mm×長さ15mmに切り出し、離型PETを剥ぎ取って得られた熱溶着性フィルムをアルミプレートの端5mmを残した位置に張り付け、さらにその上にアルミ箔(幅25mm×長さ100mm×厚み200μm)をアルミプレートと重なるように貼り付けた。この積層サンプルの上に、220℃のオーブン内にしばらく放置し温度が平衡に達した350gの錘を乗せ、30秒間220℃オーブン内で放置し積層試験片を得た。
上記積層試験片のアルミプレートおよびアルミ箔の、熱溶着性フィルムが挟まれていない側の端部を各々上下に引張り、180度剥離試験(JIS K6854−2準拠、試験機:島津製作所製AG−2000A、試験温度:23℃、引張速度:50mm/min)を実施した。得られた最大点荷重(N/15mm)を接着性の指標とし、下記にて評価した。
〇・・・40N/15mm以上
△・・・30N/15mm以上40N未満
×・・・30N/未満
<タック性評価>
各実施例で得られた3層フィルムを幅15mm×長さ100mmに切り出し、離型PETを剥ぎ取る。得られた熱溶着性フィルム(単層)を長さ方向に折りたたみ1分間放置した後、フィルムの合わせ面の剥がし易さで下記の様に評価した。
〇・・・容易に剥ぎ取ることが可能
×・・・容易に剥ぎ取れない
<変性ポリオレフィン系樹脂(A)>
・MPOA1:ポリプロピレンエチレンラバー(ダウケミカル製「Versify3401.05」、MFR(230℃)8g/10分)100重量部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂(株)製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部を200℃に設定した2軸押出機(TEX30:L/D=28、日本製鋼所製)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりメタクリル酸グリシジル5重量部、スチレン5重量部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン系樹脂ペレット(融点143℃、融解熱量(ΔH)6mJ/mg)を得た。
・MPOA2:ポリプロピレンエチレンラバー(ダウケミカル製「Versify3401.05」、MFR(230℃)8g/10分)100重量部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂(株)製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部を200℃に設定した2軸押出機(TEX30:L/D=28、日本製鋼所製)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりメタクリル酸グリシジル4重量部、スチレン4重量部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン系樹脂ペレット(融点143℃、融解熱量(ΔH)6mJ/mg)を得た。
・MPOA3:ポリプロピレンエチレンラバー(ダウケミカル製「Versify3401.05」、MFR(230℃)8g/10分)100重量部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂(株)製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部を200℃に設定した2軸押出機(TEX30:L/D=28、日本製鋼所製)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりメタクリル酸グリシジル3重量部、スチレン3重量部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン系樹脂ペレット(融点143℃、融解熱量(ΔH)6mJ/mg)を得た。
・MPOA4:F227D(プライムポリマー製、ランダムポリプロピレン、MFR(230℃)7g/10分)100重量部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂(株)製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部を200℃に設定した2軸押出機(TEX30:L/D=28、日本製鋼所製)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりメタクリル酸グリシジル3重量部、スチレン3重量部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン系樹脂ペレット(融点145℃、融解熱量(ΔH)75mJ/mg)得た。
<ポリオレフィン系樹脂(B)>
・POB1:DNDV−0405R(日本ユニカー製、低密度ポリエチレン、MFR(190℃)32g/10分、融点108℃、融解熱量(ΔH)100mJ/mg)
・POB2:NUC−8009(日本ユニカー製、低密度ポリエチレン、MFR(190℃)9g/10分、融点110℃、融解熱量(ΔH)110mJ/mg)
・POB3:ビスタマックス6202(エクソンモービル製、エチレン−プロピレン共重合体、タイプA硬度61、MFR(230℃)18g/10分、融点113℃、融解熱量(ΔH)2mJ/mg)
・POB4:ポリプロピレンエチレンラバー(ダウケミカル製「Versify3401」、MFR(230℃)8g/10分)100重量部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂(株)製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部を200℃に設定した2軸押出機(TEX30:L/D=28、日本製鋼所製)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりメタクリル酸グリシジル3重量部、スチレン3重量部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン系樹脂ペレット(融点97℃、融解熱量(ΔH)4mJ/mg)得た。
(実施例1〜4)
表1に示す通り、変性ポリオレフィン系樹脂(A)、ポリオレフィン系樹脂(B)を配合、ドライブレンドして得ら樹脂ペレットを、押出ラミネーター装置に付随する単軸押出機に投入し、ダイス先端に取り付けたT型ダイスより、幅約600mm、厚み80μmの表面粘着性を有する熱溶着性フィルムを押出した。押出した熱溶着性フィルムの両面から離型PETフィルム(幅600mm×厚み50μm、表面片面離型処理)を離型処理面が溶着フィルムに接する様に繰り出し、押出ラミネート法により積層し、熱溶着性フィルムの両面に離型PETフィルムが積層された3層フィルムを得た。得られた3層フィルムは所定の方法により離型PETフィルムを取り除き、タック性評価、接着強度評価を実施した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
ポリオレフィン系樹脂(B)を使用しなかった以外は実施例1と同様にして熱溶着性フィルムを得た。得られた熱溶着性フィルムは接着強度がやや低いものであった。
(比較例2)
ポリオレフィン系樹脂(B)としてPOB3を使用したこと以外は実施例2と同様に熱溶着性フィルムを得た。得られた熱溶着性フィルムはタック性が強いものであった。
(比較例3)
変性ポリオレフィン系樹脂(A)とポリオレフィン系樹脂(B)の配合比率を表1記載のように変更した以外は実施例1と同様に熱溶着性フィルムを得た。得られた熱溶着性フィルムは接着強度が低いものであった。
(比較例4)
ポリオレフィン系樹脂(B)としてPOB4を表1記載の配合比となるように配合した以外は実施例3と同様に熱溶着性フィルムを得た。得られた熱溶着性フィルムは接着強度が低いものであった。
Figure 0006111128

Claims (2)

  1. エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む化合物および芳香族ビニル化合物を含有する単量体成分を用いてグラフト変性した変性ポリオレフィン系樹脂(A)50〜98重量%と未変性の低密度ポリエチレン(B)2〜50重量%からなり、かつ下記i)、ii)を満たすことを特徴とする変性ポリオレフィン系樹脂組成物。
    i)変性ポリオレフィン系樹脂Aの融点Tm(A)、未変性の低密度ポリエチレン(B)の融点Tm(B)が下記式を満たす。
    120≦Tm(A)≦170
    80≦Tm(B)<120
    ii)変性ポリオレフィン系樹脂(A)の融解熱量ΔH(A)と未変性の低密度ポリエチレン(B)の融解熱量ΔH(B)が下記式を満たす。
    ΔH(B)>ΔH(A)
  2. 請求項1に記載の変性ポリオレフィン系樹脂組成物からなり、少なくとも下記2つの融点ピーク(FTm(A),FTm(B))を有する熱溶着層を少なくとも1層有することを特徴とする熱溶着性接着フィルム。
    融点ピークFTm(A):120℃以上、170℃以下
    融点ピークFTm(B):80℃以上、120℃未満
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