(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態であるロッカー管理システム1について図1を参照して説明する。ロッカー管理システム1は、駐車場管理システム2、ロッカー3、ロッカー管理サーバ4からなる。駐車場管理システム2、ロッカー3、ロッカー管理サーバ4はローカルエリアネットワーク等により接続されている。本実施の形態では駐車場管理システム2が発券した駐車券をロッカーの鍵として用いる。尚、以下では、ロッカー管理システム1は駐車場を備える店舗に設置されたものとして説明する。
駐車場管理システム2は、発券機5、ゲート開閉装置6、券読取装置7、制御装置8からなる。発券機5は発券ボタンの押下に応じて、ユニークな識別子として作用する駐車券番号を記録した磁気カードである駐車券9を発券する。ゲート開閉装置6は駐車場への出入口に設けられたゲートの開閉を行う装置である。制御装置8は駐車場管理システム5の全体の動作を制御する装置であり、例えば、発券機5での発券に応じて、ゲート開閉装置6に対して駐車場入口のゲートを開くように指示し、券読取装置7での駐車券7の読み取り及びロッカー管理サーバ4からの指示に応じて、ゲート開閉装置6に対して駐車場出口のゲートを開くように指示する。
ロッカー3は不図示の複数の収納庫を備え、収納庫毎に券読取装置10、電気錠装置11を備える。また制御装置12を備える。各収納庫にはユニークな識別子として作用するロッカー番号が予め定められている。券読取装置10は挿入された駐車券10の駐車券番号を読み取って制御装置12に通知する。電気錠装置11は、制御装置12の指示に応じて、指定された収納庫の扉に設けられたロック機構をモータ等により駆動することにより、収納庫の扉の施錠または開錠を行う。制御装置12はロッカー3全体の動作を制御する装置であり、駐車券9の読み取りに応じて対応する電気錠装置11に施錠または開錠させる。また、ロッカー管理サーバ4に対して、券読取装置10にて読み取った駐車券番号、その収納庫のロッカー番号、その収納庫が施錠された状態か開錠された状態かを通知する。
ロッカー管理サーバ4は、駐車券番号、ロッカー番号、施錠開錠状態を関連付けて格納するテーブル13を記憶する記憶装置を備え、駐車場管理システム2からの問い合わせに対してテーブル13を参照し、駐車場出口ゲートを開けるのを許可或いは不許可する指示を通知する。尚、施錠開錠状態はテーブル13に直接的にフラグを立てて明示してもよいし、或いは、施錠した収納庫に係る情報のみをテーブル13に格納し、施錠後開錠された収納庫に係る情報についてはテーブル13から削除することにより、施錠した収納庫に関する情報を格納してもよい。
次に、ロッカー管理システム1の動作について説明する。
図2に示すように、駐車場管理システム2が管理する駐車場には、ゲート開閉装置6によって開閉される入口ゲート20、出口ゲート21がある。ロッカー管理システム1の利用者が自家用車等に乗って入口ゲート20前に停車し、発券機5の発券ボタンを押すと、制御装置8は、発券機5に駐車券9を発券させると共に、ゲート開閉装置6に入口ゲート20を開けさせる。利用者は開いた入口ゲート20を通過して車を駐車する。
駐車場に車を停めた利用者が店舗内に入ってロッカー3を利用するには、利用者は、ロッカー3の未使用の収納庫30に荷物を収める。図3を参照すると、利用者は取っ手31を掴んで扉32を開閉する。扉32はヒンジ33を軸として開閉する。また、収納庫30の正面には券読取装置10に駐車券9を挿入するための挿入口34が設けられている。扉32をロックするには利用者は駐車券9を挿入口34から入れる。券読取装置10が駐車券10に記録されている駐車券番号を読み取ると、制御装置12は、電気錠装置11により扉32をロックすると共に、その収納庫30に予め付与されているロッカー番号と共に、その収納庫30の使用状態が未使用から使用中に変更されたことをロッカー管理サーバ4に通知する。駐車券番号、ロッカー番号、使用状態の通知を受けたロッカー管理サーバ4は、これら情報を互いに関連付けてテーブル13に格納する。図4A、図4Bにロッカー3の外観を例示する。尚、ロッカー3には、店舗内で購入した商品を預けるために、冷蔵、冷凍、保温等の温度調整・維持機能を有するものとしてもよい。
このようにしてロッカー3に荷物を預けた利用者は、買い物を続けたり食事をしたり等、荷物にわずらわされることなく自由に行動することができる。
ロッカー3に預けた荷物を受け取る際には、荷物を収めた収納庫30の挿入口34に駐車券9を再び挿入する。使用中の収納庫30の券読取装置10に駐車券9が挿入されると、制御装置12は、ロッカー管理サーバ4に対し、その駐車券9の駐車券番号とその収納庫30のロッカー番号を送信して、その収納庫30をロックする際に使用された駐車券9の駐車券番号であるか否かを問い合わせる。この問い合わせに応じて、ロッカー管理サーバ4はテーブル13を参照し、問い合わせを受けた駐車券番号が、そのロッカー番号に関連付けて記録されているものと一致するか否かを判定する。一致する場合はロッカー管理サーバ4は制御装置12に開錠を許可する旨の通知をし、不一致の場合は開錠を不許可とする旨の通知を行う。許可の通知を受けた場合に限り制御装置12は電気錠装置11に対して開錠を指示し、電気錠装置11は扉32を開錠する。ロッカー管理サーバ4では、テーブル4においてそのロッカー番号に関連付けて記憶していた使用状態を使用中から未使用に変更する。このとき合わせて対応する駐車券番号をテーブル4から消去してもよい。
駐車場に戻った利用者が車に乗って駐車場から出るには、利用者は読取装置7に駐車券9を挿入する。再び図2を参照して説明すると、読取装置7は駐車券9から読み取った駐車券番号をロッカー管理サーバ4と、不図示の駐車料金管理サーバに通知する。
駐車料金管理サーバはロッカー管理サーバ4とは独立して駐車料金の管理を行うサーバであり、このサーバからの指示に応じてゲート開閉装置22は出口ゲート23を開閉する。駐車料金管理サーバの動作はロッカー管理サーバ4と独立して行われるため、ここでは詳しい説明を省略し、料金の支払いは適正になされ、駐車料金管理サーバは出口ゲート23を開けるようにゲート開閉装置22に指示したものとする。
一方で、駐車券番号の通知を受けたロッカー管理サーバ4はテーブル4を参照し、その駐車券番号に関連付けて記憶されているロッカー番号があるか否か、ある場合、その使用状態は未使用か使用中であるかを判定する。
ここで、その駐車券番号を用いて使用された収納庫がない、或いは、使用されたが現在の使用状態は未使用に戻っている場合、ロッカー管理サーバ4は制御装置8に対してゲートを開く旨の指示を発し、これを受けた制御装置8はゲート開閉装置6により出口ゲート21を開ける。
しかし、テーブル13においてその駐車券番号が使用状態が使用中であるとして特定のロッカー番号と関連付けて格納されている場合、ロッカー管理サーバ4は制御装置8に対してゲートを開く指示を発しない。このため、ゲートは閉鎖されたままであり、このことにより、利用者は、ロッカー3に荷物が残っていることを間接的に通知されることとなる。出口ゲート21付近に、制御装置8により制御されるディスプレイ装置やスピーカを設け、これらを介して利用者に対してロッカー3に荷物が残っていることを知らせると共に、駐車場に戻るように誘導するメッセージを通知することとして、利用者に対して直接的に通知することとしてもよい。
上述の実施の形態では、駐車券番号の元で使用されたロッカーの使用状態を、駐車場のゲートの開閉動作と連携させたが、その変形として、駐車場のゲート以外の開閉装置やロック装置と連携させることとしてもよい。例えば、駐輪する個々の自転車に独立して施錠可能であって、電気的に施錠及び開錠を制御可能な駐輪装置を、ゲート開閉装置6の代わりに用い、駐車券の代わりに、予めユニークな駐輪券番号を記録した駐輪券を発行することが考えられる。この場合、駐輪した自転車をロックする際に発券機5は駐輪券を発券し、荷物をロッカーに残したまま券読取装置7に駐輪券を入れると、制御装置8は券読取装置7に駐輪券を入れると、ロッカー管理サーバ4はテーブル13を参照してその駐輪番号を用いて使用中の収納庫の有無を判定し、ない場合は開錠し、ある場合は開錠しない。図5に駐輪場にて駐輪券を発券する発券機の例を図示する。
また、上述の実施の形態では駐車券9として磁気カードを用いているが、バーコードを印刷したカードを用いてもよい。この場合、券読取装置はバーコード読取装置となる。
また、上述の説明では駐車券または駐輪券を鍵として用いるために、自動車乃至自転車で訪れた利用者を前提としているが、徒歩で訪れた利用者に対して出入口の自動ドアにて入場券を発券することも考えられる。この場合、入口自動ドア付近にユニークな券番号が記録された入場券を発券する発券機を設置し、出口自動ドア付近に券読取装置を設置する。入口自動ドアでは発券機からの入場券の受け取りをトリガーとしてドアを開け、場内では入場券を上述の駐車券9の代わりに用いてロッカーを利用する。出口自動ドアでは券読取装置に入場券を挿入し、その入場券で使用中のロッカーの有無に応じて出口ドアの開閉を制御する。
これらの駐車券、駐輪券、入場券の代わりに、Suica(登録商標)等の非接触型ICカードを用いることもできる。
以上により、本実施の形態によれば、ロッカーに荷物を入れている間に自動車/自転車が駐車場/駐輪場から出るのを制限することにより、ロッカーに荷物を忘れたまま利用者が帰宅してしまうことを防ぐことができる。また、ロッカーの鍵として駐車券を用いることにより、鍵の紛失時に物理的な鍵を作成する必要がなく、鍵を再発行する際のコストを抑えることができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態であるロッカー管理システム40について説明する。第1の実施の形態では利用者が自動車等で訪れることを前提としていたが、本実施の形態では利用者は自分の携帯電話機を所持しているものとする。
図6に示すように、ロッカー管理システム40では、第1の実施の形態におけるロッカー管理サーバ4に相当するものとしてCTI(Computer Telephony Integration)サーバ41を備える。CTIサーバ41は電話交換機42を介して回線交換網、パケット交換網等の固定通信網43と接続される。固定通信網43は移動体通信網44と接続され、利用者の携帯電話機45はこれら通信網を介してCTIサーバ41と接続可能である。また、CTIサーバ41はローカルエリアネットワーク等を介してロッカー46に接続されている。
CTIサーバ41は、電話交換機42に接続されて電話交換機42の動作を制御する交換機制御部47、音声メッセージを合成する音声合成部48、ハードディスク装置等の記憶装置に格納されたダイヤルイン番号‐ロッカー番号対応テーブル49、ダイヤルイン番号‐発信者番号対応テーブル50を備える。ダイヤルイン番号‐ロッカー番号対応テーブル49及びダイヤルイン番号‐発信者番号対応テーブル50に格納されるダイヤルイン番号はいずれも電話交換機42に着信する。
電話交換機42は構内交換機であり、所謂発信者番号通知に対応し、発信者番号を通知する状態で発信された呼が着呼すると、発信者の番号を取得することができる。
ロッカー46は、預かり荷物を収めるための複数の収納庫を備え、更に、各収納庫の利用者に対して音声メッセージを出力するためのスピーカ51、音声メッセージを生成するための音声合成部52、その収納庫に対して予め割り振られたダイヤルイン番号を利用者に対して提示するためのダイヤルイン番号表示部53、収納庫をそれぞれ施錠、開錠するための電気錠である電気錠装置54、ロッカー46の各部を制御する制御装置55からなる。
図7に示すように、収納庫56の前面にはそれぞれスピーカ51が設けられ、更に扉32を開けた内面には、図8に示すようにダイヤルイン番号表示部53が設けられている。ダイヤルイン番号表示部53は例えばダイヤルイン番号を印刷したシール等である。ダイヤルイン番号表示部53にて表示されるダイヤルイン番号は、その収納庫に対して割り当てられたものであり、収納庫毎に異なるものである。また、制御装置55が収納庫を識別するための固有のロッカー番号が各収納庫に予め割り当てられている。
CTIサーバ41の記憶装置にはダイヤルイン番号‐ロッカー番号対応テーブル49、ダイヤルイン番号‐発信者番号対応テーブル50が格納される。ダイヤルイン番号‐ロッカー番号対応テーブル49には各収納庫に固有のロッカー番号とダイヤルイン番号が互いに関連付けて格納されている。ダイヤルイン番号‐発信者番号対応テーブル50には、収納庫を利用する際に発信した携帯電話機の電話番号、その収納庫に付与されたダイヤルイン番号、及び、その収納庫の使用中/未使用の別を示す使用状態が互いに関連付けて格納されている。
次に、ロッカー管理システム40の動作について説明する。
収納庫56に荷物を預けようとする利用者は、扉32を開けたまま、ダイヤルイン番号表示部53に表示されているダイヤルイン番号に対し、自身の携帯電話機45で発信する。発信者番号が非通知の場合は発信者番号を通知するよう求めるメッセージが携帯電話機45に通知されるものとする。ここでは発信者番号を通知して発信されているものとする。
移動体通信網44、固定通信網43を介して電話交換機42に着信があると、電話交換機42はこの着信に対して応答することなく発信者番号を取得して、着信したダイヤルイン番号と共に交換機制御部47に通知する。交換機制御部47は着信したダイヤルイン番号と、発信者番号通知された電話番号とを互いに関連付けてダイヤルイン番号‐発信者番号対応テーブル50に格納する。また、ダイヤルイン番号‐ロッカー番号対応テーブル49を参照し、そのダイヤルイン番号に対応するロッカー番号を取得し、そのロッカー番号が示す収納庫56のスピーカ51からメッセージを出力するように制御装置55に指示する。これを受けて、制御装置55は、音声合成部52により、そのロッカー番号の収納庫56の扉32を閉めて発信を終了するよう利用者に促す音声メッセージ、例えば「ロッカーの扉を締めて携帯電話を切断してください。」を合成し、スピーカ51から出力する。
このメッセージを聞いた利用者が荷物を収納庫56に収めて扉32を閉じると、制御装置55は電気錠装置54により扉32をロックし、収納庫56の使用状態が未使用から使用中に変更されたことをCTIサーバ41に通知する。この通知を受けてCTIサーバ41は、ダイヤルイン番号‐発信者番号対応テーブル50において、その発信者番号及びダイヤルイン番号に対応する使用状態を未使用から使用中に変更し、その時点の時刻を預かり開始時刻として関連付けて格納する。
CTIサーバ41は定期的にダイヤルイン番号‐発信者番号対応テーブル50を参照して預かり開始時刻から一定時間経過したものの有無を判定し、該当するものがあると、交換機制御部47を介して電話交換機42にその発信者番号に対して発信するよう指示する。この指示を受けて電話交換機42がその発信者番号に対して発信し、発信先の携帯電話機が応答すると、CTIサーバ41は、荷物を預かっていることを利用者に確認させるための音声メッセージを音声合成部48にて合成し、電話回線を介して携帯電話機45のスピーカから出力させる。この後、荷物の引き取りの意思確認への回答等の利用者からの回答をPB信号にて受けることとしてもよい。
例えば、利用者がCTIサーバ41からの電話に応答すると、音声合成で「お客様のお預けになった商品は、お預けになってから2時間が過ぎております。お引取り忘れにご注意ください。」というように、リマインダーメッセージを流すことが考えられる。また、一定時間経過後に預かり荷物をロッカーから取り出すことを予告するメッセージや、取り出したことを報告するメッセージを流すことが考えられる。例えば、預かり開始時刻から3時間が経過すると、「お客様のお預けになった商品は、お預かりからすでに3時間を経過いたしました。お預けの商品はこれ以降は”お客様サービスカウンタ”でお預かりいたしますので、お引取りは3階のお客様サービスカウンタでお願いいたします。」とのメッセージを流すことが考えられる。このメッセージを送出後、店員が預かり荷物をロッカーから取り出してロッカーを開放することとすれば、ロッカーが長時間占有されるのを防止することができる。
預けた荷物を収納庫56から取り出す際には、利用者は、携帯電話機45から同じダイヤルイン番号に発信する。この発信が着信すると、電話交換機42は発信者番号とダイヤルイン番号とを交換機制御部47に通知し、これを受けてCTIサーバ41はダイヤルイン番号‐発信者番号テーブル50を参照してこの発信者番号とダイヤルイン番号とを検索し、該当する収納庫の使用状態を使用中から未使用に変更すると共に、制御装置55、電気錠装置54を介して対応する収納庫の扉のロックを解除する。
本実施の形態には以下のような変形が考えられる。
上述の説明では、ロッカーの扉を閉めるよう利用者に促すメッセージは、ロッカー46のスピーカ51にて出力したが、その代わりに、このメッセージを電話回線を介して携帯電話機45のスピーカから出力することとしてもよい。先に説明した動作では、ロッカーの使用を求める着信に対して電話交換機42は応答することなく発信者番号を取得したが、この場合は、電話交換機42はこの着信に応答し、音声合成部48にて合成した、扉を閉じて電話を切るよう求めるメッセージを、電話回線を介して送出する。
同様に、発信者番号が非通知の着信があったときにはこれに応答し、発信者番号を通知して発信しなおすように求める音声メッセージを音声合成部48にて合成して送ることとしてもよい。
更に、ロッカーに入れてからお客様サービスカウンタへ商品を引取りに来るまでの時間が極端に長かった場合(たとえば6時間以上)は、お客様サービスカウンタでの事情聴取の結果を考慮し、悪質な場合はその利用者の発信者番号をCTIサーバ41の記憶装置に別途記録しておくことが考えられる。具体的には、CTIサーバ41の記憶装置にブラックリストテーブルを別途用意し、その発信者番号を格納しておく。ロッカーの貸し出しを求めてダイヤルイン番号に着信があると、CTIサーバ41は電話交換機42から発信者番号を取得し、上述のロッカーの扉を閉めるよう求めるメッセージをスピーカ51等から出力する動作に先立って、ブラックリストテーブルを参照し、その発信者番号が登録されているか否かを判定する。ブラックリストテーブルに登録されていない場合は、上述の説明と同様にメッセージの出力動作を引き続き行って収納庫56の貸し出しを行うが、ブラックリストテーブルに登録されている場合は処理を中断乃至所定の別処理に移行して収納庫の貸し出しを行わない。
また、上述の説明では、ロッカーを使用する際に携帯電話機の電話番号の登録を求め、登録された電話番号にリマインダーメッセージを音声通話にて伝送したが、電話番号を登録する代わりに携帯電話機のメールアドレスを登録することとしてもよい。この場合、ロッカーの各収納庫には、ダイヤルイン番号ではなくメールアドレスを付与し、携帯電話からダイヤルイン番号に発呼する代わりにそのメールアドレス宛に携帯電話機からロッカーの利用を申請するメールを送信する。ロッカー管理サーバは、モデム及び音声合成部に代わって、メールを送受信するメーラと、利用申請に対する応答メッセージやリマインダーメッセージを携帯電話機、収納庫のメールアドレス、ロッカー番号、預かり開始時刻等に応じて作成するメッセージ作成部を備える。
以上、本実施の形態によれば、ロッカーをロックする際に利用者の携帯電話機の使用を求め、ロッカーに荷物を預けてから一定時間が経過すると、その携帯電話機宛にリマインダーメッセージを送ることで、荷物の預け忘れを防止することができる。また、発信者番号として通知される携帯電話機の電話番号を鍵として用いることにより、偽造が困難であり、かつ、例えば預け荷物が放置された場合であっても物理的な鍵を新たに作成する必要がない。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態であるロッカー管理システムについて説明する。図9に示すように、ロッカー管理システム60は、クレジットカード61、ロッカー管理サーバ62、ロッカー63、POSシステム64からなる。ロッカー管理サーバ62、ロッカー63、POSシステム64はローカルエリアネットワーク等で互いに接続されている。
クレジットカード61はPOSシステム64にてクレジット払いをする際に提示する一般的なクレジットカードであり、磁気カード或いはICカードである。
ロッカー管理サーバ62はクレジットカード番号とロッカー番号とを関連付けて格納するテーブル65をハードディスク装置等の記憶装置に格納している。
ロッカー63は、預かり荷物を収めるための複数の収納庫を備え、更に、各収納庫の利用者に対して音声メッセージを出力するためのスピーカ66、音声メッセージを生成するための音声合成部67、収納庫をそれぞれ施錠、開錠するための電気錠である電気錠装置68、クレジットカードの磁気ストライプやICに書き込まれたデータを読み取るためのカード読取装置69、ロッカーの各部を制御する制御装置70からなる。収納庫にはそれぞれ異なるロッカー番号が付与されている。図10に示すように、各収納庫71の正面には、スピーカ66と、カード読取装置69にクレジットカード61を挿入するための挿入口72が設けられている。
POSシステム64は、POS端末73、店舗サーバ74、NAS75、ルータ76、クレジットカード会社サーバ77からなる。POS端末73、店舗サーバ74、NAS75、ルータ76は互いにローカルエリアネットワークを介して接続されている。POS端末73はレシート等を印刷するためのプリンタ78、クレジットカード61の磁気記録や内蔵するICチップからデータを読み取るためのカード読取装置79、バーコードリーダやテンキー等の入力装置80を備える。店舗サーバ74は、POS端末から送信された商品コードに応答して商品名や価格等を返信する所謂PLU(Price Look Up)処理、インターネット78を介してクレジットカード会社サーバ77に接続してクレジット認証するための処理、精算処理を行い、更に、ロッカー管理サーバ62にクレジットカード番号を問い合わせて、そのクレジットカード番号を有するクレジットカードを鍵として施錠中の収納庫がロッカー63にあるか否かを確認する処理を行う。ルータ76はインターネット78に接続され、LAN内の店舗サーバ74がインターネット78に接続できるようにする。NAS(Network Access Strage)75はPOS端末からジャーナルデータを受け取って格納するための記憶装置である。
次に、ロッカー管理システム60の動作について説明する。
ロッカー63の利用者が、未使用の収納庫に預ける荷物を入れた後、扉を閉めて挿入口72にクレジットカード61を挿入すると、制御装置68は、カード読取装置69にて読み取ったクレジットカード番号と、その収納庫のロッカー番号とをロッカー管理サーバ62に通知する。また、電気錠装置68にてその収納庫の扉に施錠する。また、荷物を預かったことを確認するメッセージを音声合成部67にて合成しスピーカ66から出力する。最後に、カード読取装置69及び挿入口72からクレジットカード61を排出する、或いは排出可能な状態にする。
ロッカー63からの通知を受けて、ロッカー管理サーバ62は通知されたクレジットカード番号とロッカー番号とを関連付けてテーブル65に格納する。
預けた荷物を受け取る際には、利用者は、荷物を預けた収納庫の挿入口にクレジットカード61を再度挿入する。制御装置70は、カード読取装置69にて読み取ったクレジットカード番号とその収納庫のロッカー番号とをロッカー管理サーバ62に通知する。この通知を受けて、ロッカー管理サーバ62はテーブル65を参照し、クレジットカード番号とロッカー番号の組み合わせが、テーブル65に格納されているものと一致するか否か判定し、一致する場合はロッカー63に扉を開ける許可を出し、不一致の場合は許可を出さない。許可を受けた場合、制御装置70は電気錠装置68にてその収納庫を開錠し、開錠した旨をロッカー管理サーバ62に通知する。これを受けて、ロッカー管理サーバ62はそのクレジットカード番号とロッカー番号との組み合わせをテーブル65から削除する。
一方、店舗内でクレジットカード61を利用して買い物がなされると、ロッカー管理システム60は次のように動作する。
支払いの際に利用者がクレジットカード61を店員に渡すと、店員はPOS端末73のカード読取装置79にてクレジットカード61を読み取る。POS端末73は、読み取ったクレジットカード番号等を用いて、クレジット決済のための認証、精算等の処理を店舗サーバ74に対して要求する。この要求に応じて、店舗サーバ74は、ルータ76を介してクレジットカード会社サーバ77と通信を行ってクレジット決済の認証処理、精算処理等を実行しつつ、並行してそのクレジットカード番号をロッカー管理サーバ62に対して問い合わせる。
問い合わせを受けたロッカー管理サーバ62はテーブル65を参照し、そのクレジットカード番号が格納されているか否かを判定し、その結果を店舗サーバ74に通知する。
そのクレジットカード番号がテーブルに現に格納されていると通知された場合、店舗サーバ74は、POS端末73に対し、所定のリマインダーメッセージをレシートに追加して印字するようにPOS端末73に指示する。リマインダーメッセージはロッカーに荷物を預けていることを利用者に通知するものである。この指示に応じて、POS端末73はプリンタ78にてリマインダーメッセージつきのレシートを印刷する。このとき印刷されるのは例えば図11のレシート81である。この例では末尾に「1階食品売り場で商品をお預かりしております。お引き取り忘れの無いようにご注意ください。」というリマインダーメッセージが記載されている。
上述の説明では、クレジットカード及びクレジットカード番号をロッカーの鍵として用いる場合を説明したが、クレジットカードの代わりに所謂ポイントカードを用いることとしてもよい。
また、リマインダーメッセージをプリンタにて印刷したが、プリンタの代わりにスピーカと音声合成装置を備えることとして、リマインダーメッセージを音声で出力することとしてもよい。或いは、プリンタの代わりに液晶表示装置等の表示装置を備えることとして、リマインダーメッセージを表示装置にて表示することとしてもよい。
以上、本実施の形態によれば、ロッカーをロックする際にクレジットカード番号を読み取り、そのクレジットカードを用いて買い物をするたびにレシートにリマインダーメッセージを印刷することにより、荷物の預け忘れを防止することができる。また、例えば預け荷物が放置された場合であっても物理的な鍵を新たに作成する必要がない。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態である買物システム90について説明する。最初に図12を参照して概略を説明する。買物システム90は例えばスーパー等の店舗91に設けられる。不図示の駐車場に車を停めて入口92から店舗91に入った買物客は、入口92付近に積んであるバスケットを持って陳列棚93の間を歩いて所望の商品を預けバスケットに入れていく。購入希望の商品を全て預けバスケットに入れ、精算を希望する買物客はその預けバスケットを預けロッカー94に収め、精算準備の完了の知らせを待つ。一方、店員は預けロッカー94から預けバスケットを取り出し、預けバスケット内の各商品のバーコードにスキャナを当て、バーコードを読み取った商品を受け取りバスケットに移していく。スキャナは商品を読み取って合計金額を求める。受け取りバスケットに全商品が移ったら、店員は受け取りロッカー95に受け取りバスケットを収める。これに応じて、買物システム90は買物客に精算準備が完了したことを通知する。通知を受けた買物客は、精算機96にて支払いを行い、レシートを受け取る。レシートには購入した商品が受け取りロッカー95のどの収納庫に入っているかを示す受け取りロッカー番号と、開錠するために入力する暗証番号が記載されている。買物客は該当する収納庫のテンキーから暗証番号を入力し、扉を開けて商品を受け取り、出口97から店を出る。尚、買物システム90には駐車場管理システムが含まれており、精算前や、精算後であっても購入した商品を受け取りロッカーから取り出さずに駐車場から車を出そうとすると、駐車場のゲートが開かないことで買物客に商品の受け取りが済んでいないことを知らせる。
次に、図13を参照して、上述の構成要素以外のものにも言及しつつ買物システム90について説明する。
自家用車で来店した買物客は、不図示の駐車場に自家用車を駐車し、発券機102が発行した駐車券103を受け取る。駐車券103は機械読み取り可能な記録媒体、例えば磁気カードであり、駐車券103毎に付与されて識別子として作用する駐車券番号が記録媒体に記録されている。また、駐車券103の表面には同じ駐車券番号が目視可能な状態で記載されている。
駐車券103を受け取って入口92から店内に入った買物客は、入口92の脇等に積んである預けバスケット104を持って買物を始める。預けバスケット104にはそれぞれ預けバスケットID105が予め付与されている。図14に示すように、預けバスケットID105は預けバスケット104の側面に設けられたID表示欄106に目視可能な状態で記載され、また、ID表示欄の裏面に埋め込まれたRFID(Radio Frequency IDentification)タグ107に記録されている。
預けロッカー94は複数の収納庫108を備える。図15に示すように収納庫108は向かい合う二面、入口側及び出口側にそれぞれ入口扉109及び出口110を備える。陳列棚93の間をめぐって所望の商品を預けバスケット104に入れた買物客は、預けロッカー94の空いている任意の収納庫108の入口扉109を開けて、商品を入れたままの預けバスケット104をその収納庫108に収めて入口扉109を閉じる。図16に示すように収納庫108の入口側には券読取装置111のカード口がある。預けバスケット104を収めた状態で買物客が駐車券103をカード口に挿入すると、制御装置112は、券読取装置111にて駐車券103の駐車券番号を読み取り、RFIDリーダ113にてRFIDタグ107に記録された預けバスケットID105を読み取って、ロッカー管理サーバ114に通知する。ロッカー管理サーバ114はテーブル115を記憶する記憶装置を備え、通知に応じて預けIDを新規に発行し、預けID、駐車券番号、預けバスケットIDを関連付けてテーブル115に格納する。また、制御装置112は、電気錠装置116により入口扉109を施錠する。更に、制御装置112は図17に示すランプ117を点灯して、この収納庫に預けバスケット104が収められたことを店員に通知する。収納庫108の中には、収納庫毎に異なるダイヤルイン番号を記載した電話番号表示部118を備える。このようにして、買物客は、購入希望の商品を預けロッカー94に入れた状態で精算の準備が整うまで待つことになるので、この間、買物客は、買おうとする商品を持ち歩くことなく店内を散策等することができる。
ランプ117の点灯を見て、収納庫108に預けバスケット105が納められたことに気づいた店員は、その収納庫108の出口扉110を開けて預けバスケット105を取り出す。これに応じて制御装置112はランプ117を消灯し、電気錠装置116により入口扉109を開錠する。
次に店員は預けバスケット105をスキャン台120に持っていく。図18を参照すると、店員は、受付RFIDリーダ121にてRFIDタグ107から預けバスケットID105を読み取り、次に、スキャナ122にて預けバスケット105内の各商品に予め添付されたバーコードを読み取り、読み取りが完了した商品を、予め用意した受け取りバスケット123に移していく。受け取りバスケット123は預けバスケット105と同様の構造を有するがRFIDタグ107には受け取りバスケットID124を格納している。スキャナ122は、電子多項目キーボード122a、縦型スマートスキャナ122bを備える。
全商品のバーコードを受け取りバスケット123に移した後、完了RFIDリーダ125にてRFIDタグ107を読み取って受け取りバスケットID124を取得すると、スキャン台120は、全商品の金額を合計して精算金額を求め、受付RFIDリーダ121にて読み取った預けバスケットID105、完了RFIDリーダ125にて読み取った受け取りバスケットID124と共に、ロッカー管理サーバ114に通知する。ロッカー管理サーバ114は精算金額、預けバスケットID105、受け取りバスケットID124を互いに関連付けてテーブル115に格納する。
預けロッカー94と同様に、受け取りロッカー96は入口側と出口側の2つの扉を備える。スキャナ台120での作業が終わった後、店員が、受け取りロッカー96の空いている任意の収納庫の入口扉を開けて、その中に受け取りバスケット123を収めると、その収納庫のRFIDリーダ130は、受け取りバスケット123のRFIDタグ107から、受け取りバスケットID124を読み出す。制御装置131は、その受け取りバスケットID124と、その収納庫に対して予め付与されているユニークな受け取りロッカー番号とを、ロッカー管理サーバ114に通知する。この時点では電気錠装置132はその収納庫の出口扉を施錠した状態である。受け取りバスケットID124と受け取りロッカー番号の通知を受けて、ロッカー管理サーバ114は、受け取りIDを新規に発行すると共に、その受け取りバスケットID124と受け取りロッカー番号とを関連付けてテーブル115に格納する。また、ロッカー管理サーバ114は、収納庫の出口扉を開けるためにテンキー133から入力する暗証番号を、例えば所定桁数のランダムな数字として生成し、受け取りロッカー番号と関連付けてテーブル115に格納する。また、ロッカー管理サーバ114は、受け取りバスケットID124に関連付けられている駐車券番号をテーブル115から検索し、取得した駐車券番号を表示装置134に表示させる。これによりその駐車券を持っている買物客に対して精算の準備が完了したことを通知する。
買物客は、手持ちの駐車券に印刷等されている駐車券番号と、表示装置134にて表示されている駐車券番号とを見比べて、自分の買物の精算の準備が済んでいるか否かを把握する。自分の駐車券番号が表示されたら、買物客は精算機96の券読取装置140に自分の駐車券を投入する。
券読取装置140にて駐車券から駐車券番号を読み取ると、精算機96は、その駐車券番号の精算準備が完了しているか否かをロッカー管理サーバ114に問い合わせる。精算準備が完了している場合、ロッカー管理サーバ114は、テーブル115にてその駐車券番号に関連付けられている精算金額、受け取りロッカー番号、暗証番号を精算機96に返信する。これに応じて、精算機96は、通知された精算金額を表示装置141にて表示する。これを見た買物客が適当な金額を投入すると精算処理が行われる。精算処理が完了すると、精算機96はプリンタ142にてレシートを印刷する。レシートは例えば図19のようなものであり、購入した商品の明細、精算金額等と共に、ロッカー管理サーバ114から通知された受け取りロッカー番号、暗証番号(図中の開錠番号)が印刷されている。また、精算処理完了に応じて、精算機96はロッカー管理サーバ114に対し、駐車券番号と、その駐車券番号に係る精算処理が完了したことを通知する。これに応じてロッカー管理サーバ114はその駐車券番号に関連付けて精算完了フラグを立ててテーブル115に格納する。他方、精算準備が完了していない場合、ロッカー管理サーバ114はまだ精算準備が完了していない旨を精算機96に通知する。このとき表示装置141にて表示することとしてもよい。
レシートを受け取った買物客は受け取りロッカー96から買物を取り出す。買物客は、レシートに印刷されている受け取りロッカー番号を見て、これが示す収納庫のテンキー133から、レシートに印刷されている暗証番号(開錠番号)を入力する。テンキー133からの入力に応じて、制御装置131は、その収納庫の受け取りロッカー番号に設定された暗証番号と、入力された暗証番号とが一致するか否かロッカー管理サーバ114に問い合わせる。ロッカー管理サーバ114はテーブル115を参照して一致するか否か判定してその結果を制御装置131に通知する。判定結果が一致する場合、制御装置131は電気錠装置116を介して収納庫の出口扉を開錠する。また、その収納庫を開錠したことをロッカー管理サーバ114に通知し、通知を受けたロッカー管理サーバ114は、その収納庫に対して現在関連付けられている駐車券番号に関連付けて、買物受け取りフラグを立ててテーブル115に格納する。
店から出て駐車場から自家用車を出すとき、買物客は駐車券を駐車場管理システム101の券読取装置150に読み込ませる。このとき、券読取装置150は駐車券に記録した機械読み取り可能な情報を読み取って、一般的な駐車場管理システムにおける処理、即ち、駐車料金の算定や精算に関する処理を行うこととしてもよいが、これに加えて、制御装置151は、ロッカー管理サーバ114に対してゲート開閉の可否を問い合わせる。問い合わせを受けてロッカー管理サーバ114はテーブル115を参照し、その駐車券の駐車券番号に関連付けられた、預けID、精算完了フラグ、買物受け取りフラグの有無を判定する。預けIDがない場合、または、預けIDがあり、かつ、精算完了フラグ及び買物受け取りフラグの両方が立っている場合、ロッカー管理サーバ114はゲートを開くことを許可し、これに応じて制御装置151はゲート開閉装置152を介して不図示の駐車場のゲートを開く。他方、預けIDがあって精算完了フラグ及び買物受け取りフラグの両方が立っていない場合、または、同じく預けIDがあり、精算完了フラグは立っているが、買物受け取りフラグは立っていない場合、制御装置151はゲートを閉めておく。更に、表示装置153にて精算が終わっていないこと或いは精算済みの買物が受け取りロッカーに残っていることを通知するメッセージを表示することとしてもよい。
テーブル115の例を図20に示す。本例では、同一バスケットが1日に複数回利用されても識別できるように、付加番号を付している。本例では、預けバスケットID=112743のバスケットに付加番号05を付加しており、ここで付加番号はこの預けバスケットの本日の使用回数である。
本実施の形態によれば、買い物客は食品レジに並ぶことなく、商品を受け取ることができる。商品の会計時間は、商品を精算する時間よりも客がお金を出しておつりを受けとるための時間の方が長いためである。精算機(自動精算機)を大量に設置することで、店側は人員を増やさずに単位時間当たりの精算件数を増加させることができる。
以上、本発明を実施の形態に即して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の技術的範囲内で自由に変更が可能であることはいうまでもない。
第4の実施の形態の買物システム90は、第1の実施の形態のロッカー管理システム1をベースとして、ロッカー3を預けロッカー94、受け取りロッカー96の2種類用意し、更に、スキャン台120、表示装置134、精算機96を追加した構成であるが、第2の実施の形態のロッカー管理システム40をベースとして、同様にロッカー46を預けロッカーと受け取りロッカーの2種類用意し、更に、スキャン台、精算機を追加する構成としてもよい。精算の準備完了を買物客に通知する際、第4の実施の形態では、表示装置134にて駐車券番号を表示することにより行ったが、第2の実施の形態をベースとする買物システムでは、この通知をCTIサーバ41、電話交換機42を介して買物客の携帯電話機45に対して通知するので、表示装置134に相当する装置は不要となる。
ロッカー管理システム40をベースとする買物システムでは図22に例示するようなテーブル170を用いることが考えられる。図20と比較すると、テーブル170は販売期限時刻を格納する欄171を有する点で異なる。
通常、生鮮食品、惣菜等が製造後所定の時間が経過後に陳列棚に残っていると、食品衛生上の理由等により処分される。このように売ることができる期間が日を単位として定められるのではなく時間を単位として定められるような商品については、預かりロッカーにて預かることができる期間についても時間を単位として定められる。
図23を参照すると、預けバスケットに入れて預けロッカーに納めた各商品のバーコードから販売期限時刻を読み取り(ステップS3)、読み取った全ての商品の販売期限時刻の中で直近のものを最短販売期限時刻として選択し、最短販売期限時刻、携帯電話番号、バスケットIDと関連付けて販売期限時刻欄171に格納する(ステップS4)。こうして預けバスケット内の全商品のバーコードの読み取りが終了すると、ロッカー管理サーバは、携帯電話番号に発信して精算の準備が完了したことを通知する音声メッセージを通知する(ステップS6)と共に、最短販売期限時刻とスキャン終了時刻とに基づいて連絡時刻を設定する(ステップS6)。スキャン終了時刻が最短販売期限時刻よりも90分より前の場合はスキャン終了時刻の1時間後を連絡時刻として設定する。スキャン終了時刻が最短販売期限時刻から90分以内の場合は最短販売期限時刻の30分前を連絡時刻として設定する。スキャン終了時刻が最短販売期限時刻を過ぎている場合はその商品の購入はキャンセルされたものとして扱う。定期的に現在時刻と連絡時刻とを比較し、連絡時刻に至ったバスケットがあると、そのバスケットのIDに関連付けられた携帯電話番号に発信する(ステップS10)。このとき、ステップS6にてスキャン終了時刻の1時間後を連絡時刻として設定した場合は、預け時間を延長するか商品の購入をキャンセルするかの問い合わせと、プッシュボタン信号での回答を要求する音声メッセージをその携帯電話番号に送出すると共に、プッシュボタン信号での回答を受け付ける処理を行う。また、ステップS6にて最短販売期限時刻の30分前を連絡時刻として設定した場合は、30分以内にロッカーから商品を受け取らない場合は商品の購入をキャンセルしたものとして扱う旨を伝える音声メッセージをその携帯電話番号に送出する。キャンセルの回答があったバスケット、最短販売期限時刻を過ぎてもロッカーから受け取られていないバスケットがある場合、その携帯電話番号をブラックリストに登録(ステップS11、S12)し、商品の購入をキャンセルしたものとして処理する(ステップS13)。
また、第3の実施の形態であるロッカー管理システム60をベースとして買物システムを構築することも考えられる。このときロッカー管理サーバで扱うテーブルの例を図24に示す。
上述の各実施の形態ではロッカーの保冷機能や保温機能の有無については言及していないが、例えばアイスクリームや冷凍食品のように零度以下で保存することが求められるもの、揚げ物惣菜など温かいまま保存することが好ましいもの、その他冷蔵することが好ましいものというように、保存するのに適した温度が異なる商品が存在する。この点に着目し、ロッカーとして冷凍庫、冷蔵庫、保温庫の3種類を用意し、保存に適した温度に応じて使い分けることとしてもよい。買物システムの場合は、この場合、スキャン済みの商品を「冷蔵」「冷凍」「保温」の3つの温度帯に分けて受け取りロッカーに保管するため、預けロッカーに商品を預けた後、長時間にわたって別の買い物などをしても商品の経時変化を抑制することができる。特に、図22、23にて説明したような買物システムでは、冷蔵庫、冷凍庫、保温庫を備えるとすることにより、最短販売期限時刻を大幅に先に延ばすことができる。
また、第4の実施の形態において、預けロッカー94は更に預かりレシートを発行するプリンタを備え、精算機96は券読取装置140の代わりにバーコードリーダを備えることとしてもよい。図21に示した例では、預かりレシート160にはバスケット番号(預かりバスケットID)として112743、ロッカー番号としてB−36、受付時間として2008年6月20日15:25が目視可能な状態で記載され、更に、これらバスケット番号、ロッカー番号、受付時間を2次元バーコード化したバーコード161が記載されている。尚、バーコード161には、図20に記載の付加番号やエラーコレクトのためのチェックサムを番号化して付してもよい。バスケット番号、ロッカー番号、受付時間はバーコード161としてだけではなく目視可能な状態でも記載されているので、バーコード161が汚れ等で読み取りできなくなっても対応することができる。本例では、預けロッカーに預けバスケットを入れると、プリンタが預かりシートをプリントアウトする。表示装置134を介して精算の準備完了が通知されると、買物客は、精算機96のバーコードリーダにてバーコード161を読み取らせる。精算機96はバーコード161からバスケット番号、ロッカー番号、受付時間を読み取り、これらをロッカー管理サーバ114に通知すると、ロッカー管理サーバ114はそのバスケット番号が示す預けバスケットの商品の精算金額を精算機96に通知する。この精算金額を表示装置141にて表示し、買物客に支払いを促す。
第4の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に駐車券番号に関連付けてロッカー管理や精算等の処理を行ったが、その代わりに、第2の実施の形態と同様に携帯電話の電話番号や、第3の実施の形態と同様にクレジットカード番号に関連付けて処理を行うこととしてもよい。
第4の実施の形態では、現金での支払いを前提としていたが、第3の実施の形態と同様にクレジットカードでの支払いを受け付けることとしてもよい。この場合、第3の実施の形態と同様に、店舗サーバ74、ルータ76、クレジットカード会社サーバ77、カード読取装置79等を備えることが考えられる。
第4の実施の形態では商品を入れるためにバスケットを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、バスケットの代わりにRFIDタグを備えるショッピングカートを用いることとしてもよい。
第4の実施の形態においてランプ117は点灯と消滅で収納庫内のバスケットの有無を示しており、いわば2つの表示形態を有するランプを用いたが、このようなランプ117の代わりに、3つ以上の表示形態を有するランプを用いることとし、収納庫にバスケットを収めてからの経過時間や、収めた順番に応じて表示形態を変更することとしてもよい。例えば、赤、黄、緑の3色のいずれか一色で光る発光装置をランプの代わりに用いて、バスケットを収めてからの経過時間が最短の収納庫の発光装置を赤く発光させ、それ以外のバスケットを収めた収納庫の発光装置を黄色に発光させ、空いている収納庫の発光装置を緑色に発光させることとしてもよい。