JP5389324B2 - X線断層撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用X線CT(Computed Tomography)装置などにおいて、原子の分布に関連したX線吸収係数におけるX線管電圧依存情報の二次元分布断層像、いわゆるデュアルエネルギー撮影(Dual Energy Scan)の断層像の空間分解能、画像ノイズを最適化するX線CT装置、X線CT画像再構成方法の技術に関する。
従来、二次元X線エリア検出器によるX線CT装置においては、図4に示すように、ある原子の二次元分布の断層像を求める際には、低いX線管電圧と高いX線管電圧とによる断層像撮影を行い、低いX線管電圧の断層像と高いX線管電圧の断層像とを得る。そして、その二次元分布を見たい原子ごとにより定められた加重加算係数に従って、低いX線管電圧の断層像と高いX線管電圧の断層像とを加重加算処理を行うことで、ある原子の分布に関連したX線吸収係数におけるX線管電圧依存情報の二次元分布、いわゆるデュアルエネルギー撮影(Dual Energy Scan)の断層像を求めた。また、図5のように、低いX線管電圧と高いX線管電圧とを照射して、低いX線管電圧のX線投影データと高いX線管電圧のX線投影データとを得る。そして、その原子ごとに定められた加重加算係数に従って、低いX線管電圧のX線投影データと高いX線管電圧のX線投影データとを加重加算処理を行って、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像を求めた。
しかし、図4の断層像の加重加算処理も図5のX線投影データの加重加算処理も、加重加算係数のうちの一方は負(マイナス)の数である。このため、X線管電圧依存情報の断層像である、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像の画像ノイズは、元の低いX線管電圧の断層像の画像ノイズや、高いX線管電圧の断層像の画像ノイズよりも悪くなる傾向にある。このため、最終的なデュアルエネルギー撮影の断層像の画質確保、つまり空間分解能や画像ノイズの確保は困難であった。このため、画質を良くするためにX線の照射を多くしてしまうとX線被曝が多くなってしまう。逆に、X線の照射量を増やさないと画質不足になるかという問題があった。
特開2003−244542号公報
しかし、二次元X線エリア検出器によるX線CT装置において、1つのX線管電圧によるX線吸収係数の分布をCT値の二次元分布として断層像にする従来の撮影方法に加えて、いわゆるデュアルエネルギー撮影のような新しい付加価値が求められる方向にある。したがって、高画質のデュアルエネルギー撮影による断層像も期待されている。
そこで、本発明の目的は、X線CT装置により、原子の分布に関連したX線吸収係数におけるX線管電圧依存情報を示す二次元分布断層像、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像の空間分解能または画像ノイズを最適化するX線CT装置を提供することにある。
本発明は、X線管電圧依存情報を示す二次元分布断層像の撮影、つまりデュアルエネルギー断層像撮影において、低いX線管電圧および高いX線管電圧の断層像の画質が悪くならないように、ほぼ同じ画質、または画像ノイズになるように、各X線管電圧の撮影条件の制限内で撮影条件を調整する。この際に各X線撮影条件において、X線管電圧、X線管電流以外の撮影条件が異なっても良い。常に各X線管電圧でほぼ同じ画質、画像ノイズの断層像が得られる撮影条件を設定できる。
一例として示す図10では、一度撮影されたX線管電圧依存情報の断層像、いわゆるデュアルエネルギー撮影(Dual Energy Scan)による断層像の画質をノイズ指標値、空間分解能指標値、スライス厚指標値のうち少なくとも1つの画質の指標値を満足するように、各X線管電圧の断層像の画像再構成条件にフィードバックする。低いX線管電圧および高いX線管電圧の画像再構成条件を最適化して画像再構成を再度行うことにより、X線管電圧依存情報の断層像、いわゆるデュアルエネルギー撮影(Dual Energy Scan)による断層像の画質をノイズ指標値、空間分解能指標値、スライス厚指標値のうち少なくとも1つの画質の指標値に合うように調整することができる。
第1の観点のX線CT装置は、第一エネルギースペクトルを有するX線と、第一エネルギースペクトルとは異なる第二エネルギースペクトルを有するX線とを被検体に照射するX線管と、被検体に照射された第一エネルギースペクトルのX線投影データと第二エネルギースペクトルのX線投影データとを収集するX線データ収集部と、第一エネルギースペクトルのX線データと第二エネルギースペクトルのX線投影データとに基づいて、原子の分布に関連したX線吸収係数におけるX線管電圧依存情報の断層像を画像再構成するデュアルエネルギー像再構成手段と、X線管電圧依存情報の断層像を最適化するために、画像再構成の条件を調整する調整手段と、を備える。
上記第1の観点におけるX線CT装置では、X線管電圧依存情報の断層像は、第一エネルギースペクトルのX線データと第二エネルギースペクトルのX線投影データからの演算処理により求められる。X線管電圧依存情報の断層像が最適でなければ、調整手段でフィードバックをして、第一エネルギースペクトルのX線データと第二エネルギースペクトルのX線投影データの画像再構成条件を調整する。これにより、X線管電圧依存情報の断層像の画質の最適化が行える。
第2の観点では、デュアルエネルギー像再構成手段が、第一エネルギースペクトルのX線投影データおよび第二エネルギースペクトルのX線投影データに基づいて第一断層像および第二断層像を画像再構成する。そしてX線CT装置は、第一断層像と第二断層像とに基づいて、原子の分布に関連したX線吸収係数におけるX線管電圧依存情報の断層像を画像再構成する手段を含み、X線管電圧依存情報の断層像を最適化するために、第一断層像および第二断層像の画像再構成条件をそれぞれ調整する調整手段と、を備える。
上記第2の観点におけるX線CT装置では、X線管電圧依存情報の断層像は、第一断層像と第二断層像からの演算処理により求められる。X線管電圧依存情報の断層像が最適でなければ、調整手段でフィードバックをして、第一エネルギースペクトルのX線データから第一断層像と第二エネルギースペクトルのX線投影データから第二断層像を画像再構成する条件を調整する。これにより、X線管電圧依存情報の断層像の画質の最適化が行える。
第3の観点のX線CT装置は、第2の観点において、調整手段が、X線管電圧依存情報の断層像を最適化するために、第一エネルギースペクトルを有するX線と第二エネルギースペクトルを有するX線とを照射する際の撮影条件を調整する。
X線管電圧依存情報の断層像の画質を最適化するために、画像再構成の撮影条件だけでなく、X線管の電圧または電流の条件を調整された撮影条件に従ってX線を照射することができる。
第4の観点のX線CT装置は、デュアルエネルギー像再構成手段によるX線管電圧依存情報の断層像の画質の指標値に依存させて、画像再構成する条件を調整する。
上記第4の観点におけるX線CT装置では、X線管電圧依存情報の断層像を一度画像再構成し、その画像の指標値に依存させて、画像再構成する条件を調整する。画質の指標値が画質が最適となる目標値と異なる場合には、その違いをフィードバックとして、画像再構成される元となっている画像再構成の条件を設定可能な範囲で調整して、再度、画像再構成を行う。これにより、最終的なX線管電圧依存情報の断層像の画質を目標値まで到達できるように調整することができる。
第5の観点のX線CT装置は、X線管は、被検体の同一部位に第一エネルギースペクトルを有するX線と、第二エネルギースペクトルを有するX線とを照射する。
第5の観点におけるX線CT装置では、X線管電圧依存情報の断層像の撮影においては、被検体の同一部位の第一エネルギースペクトルを有するX線と第二エネルギースペクトルを有するX線との断層像またはX線投影データを用いて、その断層像間、またはそのX線投影データ間の演算処理を行う。第一エネルギースペクトルを有するX線と第二エネルギースペクトルを有するX線との切り替えを早くすることで被検体の同一部位のX線管電圧依存情報の断層像を得ることができる。
第6の観点のX線CT装置は、第1の観点または第3の観点において、デュアルエネルギー像再構成手段が、第一エネルギースペクトルのX線データに第一加重係数を乗じ、第二エネルギースペクトルのX線投影データに負数の第二加重係数を乗じ、それぞれを加重加算処理されたX線投影データを画像再構成する。
第8の観点のX線CT装置では、X線管電圧依存情報の断層像の画像再構成の一手法には、第一エネルギースペクトルのX線データと第二エネルギースペクトルのX線投影データとを加重加算処理することにより求める方法がある。この場合は、消したい原子もしくは部位、つまり断層像上の画素値を0にしたい原子もしくは部位を定めると、その加重係数は決まってくる。その加重係数を用いて加重加算処理を行うことにより、その原子または部位の画素値を0にすることができる。例えばCT値の近い造影剤と骨などのカルシウム成分との弁別においては、ヨウ素を消すとカルシウム成分が残り、カルシウム成分を消すとヨウ素が残る。このようにして見たい元素を画像化することができる。
第7の観点のX線CT装置は、第2の観点において、デュアルエネルギー像再構成手段が、第一断層像に第一加重係数を乗じ、第二断層像に負数の第二加重係数を乗じ、それぞれを加重加算処理する。
上記第7の観点のX線CT装置では、X線管電圧依存情報の断層像の画像再構成の一手法として、第一断層像と第二断層像とを加重加算処理することにより求める方法がある。加重加算された断層像から、X線管電圧依存情報の断層像が求められる。第一断層像と第二断層像同士が減算されて信号成分が小さくなるため、相対的に画像ノイズが大きくなる。この場合には、X線管電圧依存情報の断層像は、画像ノイズの劣化が問題となる。このように画質が劣化する場合は、本実施形態のような複数のX線管電圧の断層像ごとの画質の改善が必要となってくる。
第8の観点のX線CT装置は、画像再構成が、画像再構成関数、画像フィルタ、画像再構成マトリクス数、zフィルタ、X線投影データ空間の空間フィルタの少なくともひとつを有する。
上記第8の観点におけるX線CT装置では、X線管電圧依存情報の断層像の画質改善、画像ノイズの改善が必要となる。そのため、画像再構成においては、画像再構成関数を画像ノイズの少ないものにする、画像フィルタを画像ノイズ低減効果のあるものにする、画像再構成マトリクス数を小さくする、zフィルタをz方向に広げ画像ノイズ低減を行う、X線投影データ空間の空間フィルタを画像ノイズ低減特性のあるものにする、などの手法がある。これにより、X線管電圧依存情報の断層像の画質改善、画像ノイズ改善を行うことができる。
第9の観点のX線CT装置は、第5の観点に関する。そして、画質の指標値は、ノイズ指標値、空間分解能指標値またはスライス厚指標値のうち少なくとも1つを有する。
上記第9の観点におけるX線CT装置では、X線管電圧依存情報の断層像で診断を行うには、最低限の画質が必要となる。このため、画質の目標値としてノイズ指標値、空間分解能指標値、スライス厚指標値のうち少なくとも1つを設定し画質を管理する。
第10の観点は、第一エネルギースペクトルのX線投影データのノイズと第二エネルギースペクトルのX線投影データのノイズとをほぼ等しくする、または加重加算係数を乗算したときにノイズがほぼ等しくする。
上記第10の観点におけるX線CT装置では、X線管電圧依存情報の断層像の画質を改善するには、第一エネルギースペクトルのX線投影データのノイズと第二エネルギースペクトルのX線投影データのノイズとをほぼ等しくする、または加重加算係数を乗算したときにノイズがほぼ等しくするのが良いので、そのように撮影条件、画像再構成条件を設定すれば良い。
第11の観点は、第2の観点において、第一断層像の画像ノイズと第二断層像の画像ノイズとをほぼ等しくする、または加重加算係数を乗算したときにノイズがほぼ等しくする。
第11の観点におけるX線CT装置では、X線管電圧依存情報の断層像の画質を改善するには、第一断層像の画像ノイズと第二断層像の画像ノイズとをほぼ等しくする、または加重加算係数を乗算したときにノイズがほぼ等しくするのが良い。
第12の観点におけるX線CT装置では、X線管電圧依存情報の断層像において位置ずれアーチファクトが見られた場合に、第一断層像と第二断層像とを位置合わせして画像再構成を再度行う。
第12の観点におけるX線CT装置では、複数のX線管電圧の断層像が断層像平面、つまりxy平面方向に位置ずれを起こしている場合、X線管電圧依存情報の断層像においては、位置ずれアーチファクト(ミス・レジストレーション・アーチファクト:Mis‐registration Artifact)が発生する。一般的に位置ずれアーチファクトはX線管電圧依存情報の断層像の各部位の輪郭が白くまたは黒く、つまり画素値が過剰に大きく、または過剰に小さくなる方向で発生する。つまり位置ずれアーチファクトは、各部位の輪郭線に沿って、白または黒の輪郭線、または輪郭線の一部となって表われる。このような場合には低いX線管電圧の断層像と高いX線管電圧の断層像の位置を正しく合うように位置ずれ補正を行う。つまり、座標変換による位置ずれ補正、拡大縮小倍率補正を行うことにより位置ずれ補正が行われ、X線管電圧依存情報の断層像の白または黒の輪郭線状の位置ずれアーチファクトを消すことができる。
第13の観点では、X線管電圧依存情報の断層像において体軸方向の表示または三次元表示を行った時に断層像平面内にずれを生じていた場合に、第一断層像と第二断層像とを位置合わせして画像再構成を再度行う。
第13の観点におけるX線CT装置ではX線管電圧依存情報の断層像をコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンで、被検体の複数のz方向座標位置において行った場合に、被検体の呼吸、拍動などにより、複数のz方向座標位置における断層像が断層像平面、つまりxy平面内でずれる。X線管電圧依存情報の断層像について三次元表示、またはMPR(Multi Plain Reformat)表示を行った場合、z方向のコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンのつなぎ目が見えてしまう場合がある。つまり、元の複数のX線管電圧の断層像が複数のz方向座標位置における撮影でx方向またはy方向にずれてしまったため、つなぎ目のアーチファクトとして見えてしまう。このつなぎ目のアーチファクトを消すために、各z方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンをx方向またはy方向の位置ずれを補正して画像再構成を再度行うことで、このつなぎ目のアーチファクトを消すことができる。これにより、X線管電圧依存情報の断層像の三次元表示画像、またはMPR表示画像の画質を最適化することができる。
本発明のX線CT装置によれば、X線CT装置のコンベンショナルスキャン、ヘリカルスキャン、シネスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン、またはヘリカルシャトルスキャンなどにおいて、原子の分布に関連したX線吸収係数におけるX線管電圧依存情報を表す断層像の空間分解能、画像ノイズを最適化するX線CT装置を実現できる効果がある。
<X線CT装置の全体構成>
図1は、本発明の一実施形態にかかるX線CT装置100の構成ブロック図である。このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付けるキーボードまたはマウスなどの入力装置2と、前処理、画像再構成処理、後処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で収集したX線検出器データを収集するデータ収集バッファ5とを具備している。さらに、操作コンソール1は、X線検出器データを前処理して求められた投影データから画像再構成した断層像を表示するモニタ6と、プログラムやX線検出器データや投影データやX線断層像を記憶する記憶装置7とを具備している。撮影条件の入力はこの入力装置2から入力され、記憶装置7に記憶される。撮影テーブル10は、被検体を乗せて走査ガントリ20の開口部に出し入れするクレードル12を具備している。クレードル12は撮影テーブル10に内蔵するモータで昇降およびテーブル直線移動される。
走査ガントリ20は、X線管21と、X線コントローラ22と、コリメータ23と、ビーム形成X線フィルタ28と、多列X線検出器24と、データ収集装置(DAS:Data Acquisition System)25とを具備している。さらに、走査ガントリ20は、被検体の体軸の回りに回転しているX線管21などを制御する回転部コントローラ26と、制御信号などを操作コンソール1や撮影テーブル10とやり取りする制御コントローラ29とを具備している。ビーム形成X線フィルタ28は撮影中心である回転中心に向かうX線の方向にはフィルタの厚さが最も薄く、周辺部に行くに従いフィルタの厚さが増し、X線をより吸収できるようになっているX線フィルタである。このため、円形または楕円形に近い断面形状の被検体の体表面の被曝を少なくできるようになっている。
中央処理装置3は、前処理部31、ビームハードニング処理部33、画像再構成部34、デュアルエネルギー像再構成部35、および調整部37を有している。
前処理部31は、データ収集装置25で収集された生データに対して、チャネル間の感度不均一を補正し、またX線強吸収体、主に金属部による極端な信号強度の低下又は信号脱落を補正するX線量補正等の前処理を実行する。
ビームハードニング処理部33は、投影データのビームハードニングを補正処理する。ビームハードニングとは、同一材質でも透過厚さによりX線吸収が変化し、CT画像上のCT値(輝度)が変わってしまう現象で、特に被検体を透過した放射線のエネルギー分布が高エネルギー側に偏ることをいう。このため、投影データのスライス方向、チェネル方向に対して、ビームハードニングを補正する。
画像再構成部34は、前処理部31で前処理された投影データを受け、その投影データに基づいて画像を再構成する。投影データは、周波数領域に変換する高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)がなされて、それに再構成関数Kernel(j)を重畳し、逆フーリエ変換する。そして、画像再構成部34は、再構成関数Kernel(j)を重畳処理した投影データに対して、三次元逆投影処理を行い、被検体HBの体軸方向(Z方向)ごとに断層像(xy平面)を求める。画像再構成部34は、この断層像を記憶装置7に記憶させる。
デュアルエネルギー像再構成部35は、投影データまたは断層像から、原子の分布に関連したX線管電圧依存情報の二次元分布断層像いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像を再構成する。
調整部37は、デュアルエネルギー撮影の断層像の最適化するために、画像再構成の条件を調整する、または、撮影条件を調整する。
<X線CT装置の動作フローチャート>
図2は、本実施形態のX線CT装置についての動作の概要を示すフローチャートである。
ステップP1では、被検体をクレードル12に乗せ、位置合わせを行う。ここでは、クレードル12の上に乗せられた被検体は各部位の基準点に走査ガントリ20のスライスライト中心位置を合わせる。そして、スカウト像(スキャノ像、X線透視像ともいう。)収集を行う。スカウト像撮影では、X線管21と多列X線検出器24とを固定させ、クレードル12を直線移動させながらX線検出器データのデータ収集動作を行う。ここでは、スカウト像は通常0度,90度のビュー角度位置で撮影される。なお、部位によっては例えば頭部のように、90度スカウト像のみの場合であってもよい。図2中の右側は、0度で胸部付近のを撮影したスカウト像41の例である。このスカウト像41上から断層像の撮影位置を計画できる。
ステップP2では、スカウト像41上に撮影する断層像の位置、大きさを表示させながら撮影条件設定を行う。スカウト像41中に示した点線は、断層像画像の位置である。本実施形態では、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)、ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャンなどの複数のスキャンパターンを有している。コンベンショナルスキャンとは、クレードル12をz軸方向に所定の間隔で移動するごとにX線管21および多列X線検出器24を回転させてX線投影データを取得するスキャン方法である。ヘリカルスキャンとは、X線管21と多列X線検出器24からなるX線データ収集系が回転しながらクレードル12を一定速度で移動させ、X線投影データを収集する撮影方法である。可変ピッチヘリカルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にX線管21および多列X線検出器24からなるX線データ収集系を回転させながらクレードル12の速度を可変させてX線投影データを収集する撮影方法である。ヘリカルシャトルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にX線管21および多列X線検出器24からなるX線データ収集系を回転させながらクレードル12を加速・減速させて、z軸の正方向またはz軸の負方向に往復移動させてX線投影データを収集するスキャン方法である。これらの複数の撮影を設定すると、1回分の全体としてのX線線量情報の表示を行う。
断層像の撮影条件設定においては、X線CT装置100の自動露出機構を用いることにより、被検体の被曝を最適化することもできる。また、この断層像撮影条件設定において、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像撮影のために、X線管21の低いX線管電圧、たとえば80kV、の撮影条件と、高いX線管電圧、たとえば140kV、の撮影条件とを設定できる。また、デュアルエネルギー撮影における自動露出機構においては、デュアルエネルギー断層像の最終的な画像のノイズ指標値が設定されたノイズ指標値にほぼ等しくなるように、低いX線管電圧の撮影条件と高いX線管電圧の撮影条件を定めることができる。また、この時に低いX線管電圧の断層像の画像ノイズと高いX線管電圧の断層像の画像ノイズがほぼ等しくなるように、各々のX線管電圧の撮影条件を定めるのがX線被曝最適化の観点からは好ましい。
ステップP3ないしステップP9では、断層像撮影を行う。ステップP3において、X線データ収集を行う。ここでヘリカルスキャンによってデータ収集を行う場合には、X線管21と多列X線検出器24とを被検体の回りに回転させ、かつ、撮影テーブル10上のクレードル12を直線移動させながら、X線検出器データのデータ収集動作を行う。そして、ビュー角度viewと、検出器列番号jと、チャネル番号iとで表わされるX線検出器データD0(view,j,i)(j=1〜ROW,i=1〜CH)にz方向座標位置Ztable(view)を付加させる。このようにヘリカルスキャンにおいては、一定速度の範囲のX線検出器データ収集を行う。このz方向座標位置はX線投影データ(X線検出器データ)に付加させても良いし、また別ファイルとしてX線投影データと関連付けて用いても良い。ヘリカルシャトルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン時にX線投影データを三次元画像再構成する場合に、このz方向座標位置の情報は用いられる。また、ヘリカルスキャンまたはコンベンショナルスキャンまたはシネスキャン時に用いることにより、画像再構成された断層像の精度改善、画質改善を実現することもできる。
このz方向座標位置は撮影テーブル10のクレードル12の位置制御データを用いても良いし、撮影条件設定時に設定された撮影動作から予測される各時刻におけるz方向座標位置を用いることもできる。また、コンベンショナルスキャンまたはシネスキャンによってX線データ収集を行う場合には、撮影テーブル10上のクレードル12を、あるz方向位置に固定させたまま、X線データ収集系を1回転または複数回転させてX線検出器データのデータ収集を行う。そして、必要に応じて、次のz方向位置に移動した後に、再度X線データ収集系を1回転または複数回転させてX線検出器データのデータ収集を行う。
ステップP4では、前処理部31が前処理を行う。ここでは、X線検出器データD0(view,j,i)に対して前処理を行い、投影データに変換する。具体的には、オフセット補正を行い、対数変換を行い、X線線量補正を行い、そして感度補正を行う。
ステップP5では、ビームハードニング処理部33がビームハードニング補正を行う。ここでは、前処理された投影データD1 (view,j,i)に対して、ビームハードニング補正を行う。この時、検出器の各j列ごとに独立したビームハードニング補正を行なえるため、撮影条件で各X線データ収集系の管電圧が異なっていれば、列ごとの検出器のX線エネルギー特性の違いを補正できる。
ステップP6では、画像再構成部34がzフィルタ重畳処理を行う。ここでは、ビームハードニング補正された投影データD11(view,j,i)に対して、z方向(列方向)のフィルタをかけるzフィルタ重畳処理を行う。すなわち、各ビュー角度、各X線データ収集系における前処理後、ビームハードニング補正された多列X線検出器D11(view,j,i) (i=1〜CH, j=1〜ROW)の投影データに対し、列方向に例えば列方向フィルタサイズが5列のフィルタをかける。
また、列方向フィルタ係数をチャネルごとに変化させると、画像再構成中心からの距離に応じてスライス厚を制御できる。一般的に、断層像では、再構成中心に比べ周辺部の方が、スライス厚が厚くなる。このため、フィルタ係数を中心部と周辺部で変化させて、スライス厚は周辺部でも画像再構成中心部でもほぼ一様にすることもできる。例えば、列方向フィルタ係数を中心部と周辺部で変化させて、列方向フィルタ係数を中心部チャネル近辺では列方向フィルタ係数の幅を広く変化させると共に、周辺部チャネル近辺では列方向フィルタ係数の幅をせまく変化させることにより、スライス厚を周辺部と画像再構成中心部との両方においてほぼ一様にすることができる。
このように、多列X線検出器24の中心部チャネルと周辺部チャネルとのそれぞれにおいて列方向フィルタ係数を制御することにより、スライス厚を中心部と周辺部とのそれぞれにおいて制御できる。列方向フィルタでスライス厚を弱干厚くすると、アーチファクト、ノイズともに大幅に改善される。これによりアーチファクト改善具合、ノイズ改善具合も制御できる。つまり、三次元画像再構成された断層像つまり、xy平面内の画質が制御できる。また、その他の実施形態として、列方向(z方向)フィルタ係数を逆重畳(デコンボリューション)フィルタにすることにより、薄いスライス厚の断層像を実現することもできる。また、必要に応じてファンビームのX線投影データを平行ビームのX線投影データに変換する。
ステップP7では、画像再構成部34が再構成関数重畳処理を行う。すなわち、X線投影データを周波数領域に変換するフーリエ変換(Fourier Transform)を行い、再構成関数を掛け、逆フーリエ変換する。再構成関数重畳処理では、zフィルタ重畳処理後の投影データをD12とし、再構成関数重畳処理後の投影データをD13、重畳する再構成関数をKernel(j)とすると、再構成関数重畳処理は以下の(数式1)のように表わされる。なお、本実施形態においては、重畳(コンボリューション)演算を“*”で表している。
…(数式1)
つまり、再構成関数Kernel(j)は検出器のj列ごとに独立した再構成関数重畳処理を行うため、列ごとのノイズ特性、分解能特性の違いを補正できる。
ステップP8では、画像再構成部34が三次元逆投影処理を行う。ここでは、再構成関数重畳処理した投影データD13(view,j,i)に対して、三次元逆投影処理を行い、逆投影データD3(x,y,z)を求める。画像再構成される画像はz軸に垂直な面である。xy平面に三次元画像再構成される。以下の再構成領域Pはxy平面に平行なものとする。この三次元逆投影処理については、図3を参照して後述する。
ステップP9では、画像再構成部34が後処理を行う。逆投影データD3(x,y,z)に対して画像フィルタ重畳、CT値変換などの後処理を行い、断層像D31(x,y,z)を得る。この後処理の画像フィルタ重畳処理では、三次元逆投影後の断層像をD31(x,y,z)とし、画像フィルタ重畳後のデータをD32(x,y,z)、断層像平面であるxy平面において重畳される二次元の画像フィルタをFilter(z)とすると、以下の(数式2)のようになる。
…(数式2)
つまり、各z座標位置の断層像ごとに独立した画像フィルタ重畳処理を行えるため、各列ごとのノイズ特性、分解能特性の違いを補正できる。
または、この二次元の画像フィルタ重畳処理の後に、下記に示す画像空間z方向フィルタ重畳処理を行ってもよい。また、この画像空間z方向フィルタ重畳処理は二次元画像フィルタ重畳処理の前に行ってもよい。さらには、三次元の画像フィルタ重畳処理を行って、この二次元の画像フィルタ重畳処理と、画像空間z方向フィルタ重畳処理の両方を兼ねるような効果を出してもよい。
画像空間のz方向フィルタ重畳処理では、画像空間z方向フィルタ重畳処理された断層像をD33(x,y,z)、二次元の画像フィルタ重畳処理された断層像をD32(x,y,z)とすると、以下の(数式3)のようになる。ただし、v(i)はz方向の幅が2L+1の画像空間z方向フィルタ係数で以下の(数式4)のような係数列となる。
…(数式3)
…(数式4)
ヘリカルスキャンにおいては、画像空間フィルタ係数v(i)はz方向位置に依存しない画像空間z方向フィルタ係数であってよい。しかし、特にz方向に検出器幅の広い二次元X線エリア検出器または多列X線検出器24などを用い、コンベンショナルスキャンまたはシネスキャンを行う場合においては、画像空間z方向フィルタ係数v(i)はz方向のX線検出器の列の位置に依存した画像空間z方向フィルタ係数を用いるのが好ましい。その理由としては、各断層像の列位置に依存した詳細な調整ができるため更に効果的であるからである。
ステップP10では、画像再構成された断層像を表示する。断層像の例として、図2の右側に断層像42を示す。
ステップP11では、三次元画像表示またはMPR(Multi Plain Reformat)画像表示を行う。ここでは、z方向に連続に撮影された断層像を、三次元MIP(Maximum Intensity Projection)画像表示方法で表示した三次元画像43とMPR画像44を示す。その他各種の画像表示方法があるが、操作者は、診断用途より、適宜画像表示方法を使い分けて利用する。
<三次元逆投影処理のフローチャート>
図3は、三次元逆投影処理(図2のステップS8)の詳細を示すフローチャートである。本実施形態では、画像再構成される画像はz軸に垂直な面、xy平面に三次元画像再構成される。つまり、以下の再構成領域は、xy平面に平行なものとする。
ステップP81では、断層像の画像再構成に必要な全ビュー、すなわち、360度分のビューまたは180度分+ファン角度分のX線ファンビーム投影データの全ビュー、またはファンパラ変換されたX線平行ビーム投影データの場合は360度分の全ビュー、または180度分の全ビュー中の1ビューに着目し、再構成領域の各画素に対応する投影データDrを抽出する。
X線透過方向は、X線管21のX線焦点と各画素と多列X線検出器24との幾何学的位置によって決まる。X線検出器データD0(view,j,i)のz座標z(view)がテーブル直線移動z方向位置Ztable(view)としてX線検出器データに添付されて判っている。このため、加速・減速中のX線検出器データD0(view,j,i)でもX線管21の焦点および多列X線検出器24のデータ収集系の中において、X線透過方向を正確に求めることができる。
なお、ラインの一部が多列X線検出器24のチャネル方向の外に出た場合は、対応する投影データDr(view,x,y)を「0」にする。また、z方向の外に出た場合は投影データDr(view,x,y)を補外して求める。
ステップP82では、投影データDr(view,x,y)にコーンビーム再構成加重加算係数ωa,ωbを乗算し、投影データD2(view,x,y)を作成する。コーンビーム再構成加重加算係数ωa,ωbを掛けて加算することにより、コーン角アーチファクトを低減することができる。また、ファンビーム画像再構成の場合は、更に、距離係数を再構成領域上の各画素に乗算する。距離係数は、X線管21の焦点から投影データDrに対応する多列X線検出器24の検出器列j,チャネルiまでの距離をr0とし、X線管21の焦点から投影データDrに対応する再構成領域P上の画素までの距離をr1とするとき、(r1/r0)である。また、平行ビーム画像再構成の場合は、再構成領域P上の各画素にコーンビーム再構成加重加算係数w(i,j)のみを乗算すればよい。なお、ωa+ωb=1である。
ステップP83では、逆投影データD3(x,y)に投影データD2(view,x,y)を画素対応に加算する。具体的には、予めクリアしておいた逆投影データD3(x,y)に、投影データD2(view,x,y)を画素対応に加算する。図3の右側に示した図が投影データD2((view,x,y)を画素ごとに加算する概念を示している。
ステップP84では、画像再構成に必要な全ビューの逆投影データD2を加算したか否かについて判断する。ここでは、全てについて加算していない場合には、断層像の画像再構成に必要な全ビュー(すなわち、360度分のビュー又は「180度分+ファン角度分」のビュー)について、ステップS81〜S83を繰り返し、画像再構成に必要な全ビューを加算する。全てについて加算した場合には、本処理を終了する。
<デュアルエネルギー撮影>
上述のようなX線CT装置100において、原子の分布に関連したX線管電圧依存情報の二次元分布断層像を得る。すなわち、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像で、弁別したい物質または強調したい物質の二次元分布断層像を得る。本発明は、X線管電圧依存情報の断層像の空間分解能または画像ノイズを最適化する。この実施形態を以下に示す。
実施形態1:デュアルエネルギー撮影の断層像の画質を画質の目標となる指標値に合わせて調整するために、複数のX線管電圧の断層像の画像再構成条件にフィードバックして再調整を行う実施形態。
実施形態2:デュアルエネルギー撮影の断層像に画質の目標となる指標値を与え、その指標値を満足するように複数のX線管電圧の断層像の撮影条件および画像再構成条件を調整する実施形態。
実施形態3:デュアルエネルギー撮影の断層像において、位置ずれアーチファクトが見つけられた場合に位置合わせ補正を行い、デュアルエネルギー撮影の断層像の画質を目標となる画質、指標値に最適化する実施形態。
実施形態4:デュアルエネルギー撮影の断層像、または三次元表示またはMPR表示において、断層像平面方向のずれ(xy平面のずれ)が検出されたら、複数のX線管電圧の断層像の画像再構成に戻ってずれ補正を行って、複数のX線管電圧の画像再構成をやり直し、デュアルエネルギー撮影の断層像の画質、三次元表示画像の画質、MPR表示画像の画質を最適化する実施形態。
(実施形態1)
図4は、断層像撮影を低いX線管電圧と高いX線管電圧とで、各々のX線管電圧の断層像を加重加算処理し、デュアルエネルギー撮影した断層像を求める図である。
いわゆるデュアルエネルギー撮影は、あるz方向座標位置を、低いX線管電圧例えば80kVの断層像と、高いX線管電圧例えば140kVの断層像とを加重加算処理することにより所望の物質の定量的な分布画像の断層像M−CSIを求める。
図4に示すように、まず、低いX線管電圧のX線投影データR−Low、高いX線管電圧のX線投影データR−Highを求める。画像再構成部34は、この低いX線管電圧のX線投影データR−Low、高いX線管電圧のX線投影データR−Highから、図2で説明したようにステップP4からステップP9を行い、低いX線管電圧の断層像CSI−Lowおよび高いX線管電圧の断層像CSI−Highを画像再構成する。デュアルエネルギー像再構成部35は、低いX線管電圧の断層像CSI−Lowには加重加算係数w1を乗算し、高いX線管電圧の断層像CSI−Highには加重加算係数−w2を乗算し、定数C1とともに加重加算処理を行う。この加重加算係数w1,w2および定数C1は、抽出したい原子、強調したい原子、表示上で消したい原子または部位により定まる。例えばCT値の近い、骨や石灰化を構成するカルシウム成分(Ca成分)と、ヨウ素を主成分とする造影剤(Iodine成分)を分離したい場合、加重加算係数を調整してカルシウム成分を表示上で消すと、つまりカルシウム成分の画素値を0にすると造影剤成分が抽出され強調されて表示される。また、反対に造影剤成分を表示上で消すと、つまり造影剤成分の画素値を0にするとカルシウム成分が抽出され、骨や石灰化の部分が強調されて表示される。図4では脂肪情報の強調画像を示している。
エネルギーAのX線に基づく投影データから画像再構成した断層像におけるCT値およびエネルギーBのX線に基づく投影データから画像再構成した断層像におけるCT値は、それぞれ次の(数式5)で与えられる。
…(数式5)
ここで、X,Yは所望の物質(未知数)である。αA,αB,βA,βB,γA,γBは予め測定によって判明している定数である。このようなCT値から物質X,物質Yが次の(数式6)によってそれぞれ求められる。
…(数式6)
このようにして、物質Xに関する画像および物質Yに関する画像がそれぞれ形成される。X,Yまたは物質X,物質Yの元素は例えばカルシウム分、脂肪、鉄分等である。このようにして、2つのX線線質の異なる断層像から所望の物質の定量的な分布画像の断層像M−CSIを得ることができる。つまり、物質X,物質Yの存在分布画像の断層像M−CSIは、低いX線管電圧の断層像CSI−Lowと高いX線管電圧の断層像CSI−Highとの加重加算処理で得られる。
以上に画像空間、断層像空間における、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像の画像再構成方法を示した。
図5は、低いX線管電圧で収集されたX線投影データR−Lowと高いX線管電圧で収集されたX線投影データR−Highの各々のX線投影データを加重加算処理し、加重加算処理されたX線投影データを画像再構成してデュアルエネルギー撮影した断層像M−CSIを求める図である。
図4で示した方法では、被検体の断面積が大きくなった場合にビームハードニングの影響を受けやすく、被検体の断面積の大小で多少、加重加算係数が異なってくる場合がある。これを避けるために、X線投影データ空間における、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像の画像再構成を行い、X線投影データの加重加算処理の前後のいずれか一方においてビームハードニング補正を行いデュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIを得ている。
ここでは、デュアルエネルギー像再構成部35は、低いX線管電圧のX線投影データR−Lowに加重加算係数w1を乗算し、高いX線管電圧のX線投影データR−Highに加重加算係数−w2を乗算し、定数C1とともに加重加算処理を行っている。ただし、w1−(−w2)=1とする。
図4で説明した、画像空間、断層像空間におけるデュアルエネルギー撮影の断層像と同様に、この加重加算係数w1,w2および定数C1は、抽出したい原子、強調したい原子、表示上で消したい原子または部位により定まる。例えばCT値の近い骨、石灰化を構成するカルシウム成分(Ca成分)と、ヨウ素を主成分とする造影剤(Iodine成分)を分離したい場合、カルシウム成分を表示上で消すと、つまりカルシウム成分の画素値を0にすると造影剤成分が抽出され、強調されて表示される。また、反対に造影剤成分を表示上で消すと、つまり造影剤成分の画素値を0にするとカルシウム成分が抽出され、骨や石灰化の部分が強調されて表示される。
この時の加重加算係数w1,w2および定数C1の定め方を以下に示す。
図5の投影データ空間における加重加算処理による物質X,物質YのX線投影データを求めることができ、この物質X,物質YのX線投影データを画像再構成することにより、物質X,Yの断層像が得られることを以下に示す。つまり、低いX線管電圧のX線投影データをR−Lowとし、高いX線管電圧のX線投影データをR−Highとし、物質XのX線投影データをR、物質YのX線投影データをRとすると、以下の(数式7)のように、物質XのX線投影データと物質YのX線投影データとが求められる。
…(数式7)
この物質XのX線投影データR、物質YのX線投影データRを画像再構成することにより、物質X,物質Yの断層像が得られる。
図5の投影データ空間において、画像再構成部34は、X線投影データの加重加算処理を用いて、低いX線管電圧のX線投影データR−Low、高いX線管電圧のX線投影データR−Highを求め、これらを画像再構成して、低いX線管電圧の断層像CSI−Low、高いX線管電圧の断層像CSI−Highが求められることを示す。また、この時に用いられるX線投影データR−LowまたはR−Highは、前処理およびビームハードニング補正を行われたX線投影データを用いる。特にビームハードニング補正では、各X線管電圧において水等価なX線透過経路長にすることにより、水以外の物質のX線吸収係数のX線管電圧依存性をより正しく評価することができる。
<<X線管電圧の制御方法>>
次に、本実施形態の低いX線管電圧の撮影と高いX線管電圧の撮影の方法について述べる。
従来のX線CT装置においても、コンベンショナルスキャン等において、デュアルエネルギー撮影したい被検体HBの部位を、低いX線管電圧と高いX線管電圧で同一部位を撮影し、上記に示したデュアルエネルギー撮影の画像再構成方法により画像再構成することで、デュアルエネルギー撮影の断層像を得ることができた。しかし、通常のコンベンショナルスキャン等では、低いX線管電圧の断層像と高いX線管電圧の断層像の撮影時刻の間が空いてしまうと、被検体の呼吸、拍動などの体動による位置ずれが発生してしまい、デュアルエネルギー撮影した断層像上に位置ずれアーチファクトが発生しやすかった。これを避けるために、近年の高速スキャンが可能なX線CT装置において、より高速な撮影を行うことを以下に示す。
図6は、低いX線管電圧と高いX線管電圧とを切換える例を示す図である。
第一例としては、図6(a)に示すように、1スキャン目のX線管電圧80kVの撮影時間t1の撮影と、2スキャン目のX線管電圧140kVの撮影時間t2の撮影を続けて撮影する。その逆に、1スキャン目のX線管電圧140kVの撮影時間t1の撮影と、2スキャン目のX線管電圧80kVの撮影時間t2の撮影と、X線管電圧の順を逆にしてもかまわない。この場合は、撮影時間t1と撮影時間t2の間にX線管電圧を変化させる。通常はt1=t2と同じ撮影時間にし、例えば撮影時間t1,t2ともにフルスキャンF−Scanである360度スキャンで360度分のX線投影データを収集してもよいし、または撮影時間t1,t2ともにハーフスキャンH−Scanである180度+ファン角分のスキャンのX線投影データ収集をしても良い。
多列X線検出器24のX線ファンビームのファン角が60度であるとすると、ハーフスキャンH−Scanでは180度+ファン角=240度分、つまり2/3回転分のX線投影データを収集することになる。X線データ収集系の回転速度が0.35秒/回転であれば、デュアルエネルギー撮影のハーフスキャンH−Scanの場合の撮影であってもフルスキャンの場合の撮影であっても1秒以下の撮影時間となる。このため、被検体の体動はかなり押えられる。なお、この場合はX線管電圧を撮影時間t1と撮影時間t2の間において、約10m秒から100m秒でX線管電圧を切換えている。図6(a)のxy平面の図にハーフスキャンH−Scanの撮影時間t1の回転領域(実線)と撮影時間t2の回転領域(一転鎖線)とを示す。
次に、第2例としては、図6(b)を示す。このX線管電圧を切換える時間が撮影時間t1,t2に比べて無視できない場合は、撮影時間t1,t2の間のΔtのIsd(Inter Scan Delay)の間でX線管電圧を上げる。また、この時に1スキャン目と2スキャン目ともに同一ビュー角度から収集開始をしたい場合は、図6(b)のxy平面の図に示すように、撮影時間t1で1スキャン目の240度分のX線投影データ収集を行い、IsdがΔtでビュー角度120度分はX線投影データ収集を中止し、また、撮影時間t2で2スキャン目の240度分のX線投影データ収集を行うようにすれば、1スキャン目,2スキャン目ともに同一ビュー角度でX線投影データ収集が開始できる。
なお、この場合、多列X線検出器24のファン角度を60度としているため、撮影時間t1,t2はハーフスキャンの場合としてビュー角度は240度になる。このように、1スキャン目と2スキャン目のX線投影データの収集開始ビュー角度を合わせておくと、ハーフスキャンの場合のX線投影データ間の演算、例えば2つのX線投影データの加重加算処理などは対応するビューを探して並び直す処理の手間がないため、制御しやすくなる。
次に、第3例としては、図6(c)を示す。被検体の体動の影響をほとんど受けない別のデュアルエネルギー撮影方法を示す。図6(c)に示すように、例えば奇数ビューでX線管電圧80kVのX線投影データを収集し、偶数ビューでX線管電圧140kVのX線投影データを収集する。図7は、図6(c)の場合の画像再構成の処理の概要を示したフローチャートである。
ステップC1では、奇数ビューを低いX線管電圧で偶数ビューを高いX線管電圧で撮影し、X線データ収集を行う。
ステップC2では、奇数ビューの低いX線管電圧のX線投影データR−Lowと、偶数ビューの高いX線管電圧のX線投影データにX線投影データR−Highを分離する。
ステップC3では、低いX線管電圧のX線投影データR−Lowを画像再構成する。
ステップC4では、高いX線管電圧のX線投影データR−Highを画像再構成する。
ステップC5では、低いX線管電圧の断層像と高いX線管電圧の断層像を加重加算処理し、弁別したい物質情報の断層像を画像再構成する。弁別したい物質情報は、弁別したい物質のX線吸収係数のX線管電圧依存情報であり、別言すれば弁別したい元素分布でもある。
ステップC6では、弁別したい物質情報の断層像を表示する。
また、図6(d)に示すように、複数の連続したビューごとにX線管電圧80kVのX線投影データ収集と、X線管電圧140kVのX線投影データ収集を交互に繰り返しても良い。なお、図6(d)のように、複数ビュー単位で低いX線管電圧のX線データ収集、高いX線管電圧のX線データ収集を行った場合でも、図7と同様に、低いX線管電圧のX線投影データR−Low、高いX線管電圧のX線投影データR−Highに分離して、各々のX線投影データを画像再構成してやれば良い。
このように、図6(a),(b)に示すように、フルスキャンである360度スキャン、またはハーフスキャンである180度+ファン角分スキャンを連続して行う場合においても、図6(c),(d)に示すように、ビューごとまたは複数ビューごとにX線管電圧を切り換える方法によっても、低いX線管電圧のX線投影データR−Lowと高いX線管電圧のX線投影データR−Highとの加重加算処理されたX線投影データを画像再構成して得られた断層像が、いわゆるデュアルエネルギー撮影による断層像M−CSIになる。また、低いX線管電圧の断層像CSI−Lowと高いX線管電圧の断層像CSI−Highとを加重加算処理して得られた断層像が、いわゆるデュアルエネルギー撮影による断層像となる。
<<デュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIのS/N比>>
上記のように、複数のX線管電圧の断層像によりデュアルエネルギー撮影の断層像を求める際には、加重加算処理の加重加算係数のうちの1つが負数(マイナス)になる。このため、元の複数のX線管電圧の断層像に比べ、デュアルエネルギー撮影の断層像のSNが悪くなる、画像ノイズが悪化するまたは画質が落ちるという特徴がある。このため、元の複数のX線管電圧の断層像の撮影条件は被検体の被曝を考慮しつつ、デュアルエネルギー撮影の断層像の画像ノイズも考慮して決めなければならない。
一般的に図8(a)に示すように、画像ノイズがN1、信号がS1、S/N比がN1/S1である低いX線管電圧の断層像CSI−Lowと、画像ノイズがN2、信号がS2、S/N比がN2/S2である高いX線管電圧の断層像CSI−Highとの差画像を求めると、差画像のS/N比SNSubは以下の(数式8)のようになる。
…(数式8)
なお、相加相乗平均の定理より、以下の(数式9)が成り立つ。
…(数式9)
つまり、低いX線管電圧kV1の断層像の画像ノイズN1と、高いX線管電圧kV2の断層像の画像ノイズN2が等しい時、差画像の画像ノイズNSubは最小となる。
本実施形態の場合は、加重加算処理に加重加算係数w1,w2が入っているので、上記にこれを考慮して以下の(数式10)の式のようになる。
…(数式10)
つまり、加重加算係数分を考慮して、X線管電圧80kVの断層像CSI−Lowの画像ノイズとX線管電圧140kVの断層像CSI−Highの画像ノイズとがほぼ等しくなれば良い。
また、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像撮影において、なるべく少ないX線被曝線量で、より良いS/N比を得るためのX線管電圧の決定方法としては、抽出したい物質、強調したい物質により決める必要がある。
図8(b)は、抽出したい物質が有しているX線管電圧依存性を示した図である。物質Aの各X線エネルギーのX線吸収係数をμa(kV)、物質Bの各X線エネルギーのX線吸収係数をμb(kV)、物質Cの各X線エネルギーのX線吸収係数をμC(kV)とする。また、低いX線管電圧kV1の実効エネルギーをekV1、高いX線管電圧kV2の実効エネルギーをekV2とする。また、X線CT装置100の断層像CSIの各画素のCT値をga(x,y)と、X線管電圧kV1の場合の変換係数をCkV1と、X線管電圧kV2の場合の変換係数をCkV2とする。
この場合に、物質Aを低いX線管電圧kV1と高いX線管電圧kV2で撮影した場合に、物質AのCT値はkV1ではCkV1・μa(ekV1)、kV2ではCkV2・μa(ekV2)となる。
この時に、デュアルエネルギー撮影の断層像の画素値としては以下の(数式11)のようになる。
…(数式11)
これは物質Aを消去して、他の物質を強調する場合である。また、他の物質Bを消去した場合に物質Aは強調される。
一般的に以下の(数式12)のΔμが大きいほどデュアルエネルギー撮影の断層像のSNは良くなり、画像ノイズは改善される。
…(数式12)
このように、デュアルエネルギー撮影の断層像の画像ノイズ,SNを改善するには、低いX線管電圧kV1の実効エネルギーekV1におけるX線吸収係数μ(ekV1)と、高いX線管電圧kV2の実効エネルギーekV2におけるX線吸収係数μ(ekV2)との差が大きい物質、特に造影剤を選び、また、その物質のX線吸収係数の差がなるべく大きくなるように、低いX線管電圧kV1および高いX線管電圧kV2を選ぶ。これにより、デュアルエネルギー撮影の断層像の画像ノイズ,SNを改善し、X線被曝を低減することができる。
特に、図8(b)の物質Bにおいては、K吸収端により急激なX線吸収係数の変化がある。このような急激なX線吸収係数の変化をうまく利用して、低いX線管電圧kV1、高いX線管電圧kV2を選ぶことで、デュアルエネルギー撮影の断層像の画像ノイズ,SNを改善し、X線被曝を低減することができる。
また、X線管21またはX線発生装置の出力の制約条件より、低いX線管電圧の断層像CSI−Lowの画像ノイズと、高いX線管電圧の断層像CSI−Highの画像ノイズとを等しくまたは、ほぼ等しくできない場合がある。この場合は、画像ノイズが悪い方の断層像の画像再構成において、画像ノイズの少ない再構成関数を用いて画像再構成を行う、または画像空間のノイズフィルタまたはX線投影データ空間のノイズフィルタをかけることで、低いX線管電圧の断層像の画像ノイズと、高いX線管電圧の断層像の画像ノイズとをほぼ等しくする。これにより、被検体のX線吸収係数のX線管電圧依存情報を表わす断層像を、より少ない被曝で、より良い画質で得ることができる。
しかし、加重加算係数w1およびw2は、何の原子、物質、部位を消したいか、何の原子、物質、部位を強調したいかで決まってくる。例えば、X線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像を用いて、カルシウム、造影剤のヨウ素を消したい場合は、w1/w2は、およそ1/1.3〜1/2ぐらいの範囲になる。つまり、高いX線管電圧の断層像の画像ノイズを、およそ2倍程度良くしておけば良い。
もし、この調整をより正しくまたは自動化する際には、あらかじめ被検体と同じプロファイル断面積程度のファントムを用いて、低いX線管電圧の各X線管電流値に対し、高いX線管電圧の各X線管電流値がどの程度の画像ノイズになるかを知っておけば良い。
<<低いX線管電圧の各X線管電流値と高いX線管電圧の各X線管電流値との関係>>
図9は、低いX線管電圧の各X線管電流値と高いX線管電圧の各X線管電流値との関係を示したグラフである。
図9(a)においては、X線管電圧80kVの撮影条件として、400mA,500mA,600mA,700mAの4種類の断層像と、X線管電圧140kVのX線管電流100mAから500mAまでの断層像を組合せた場合の結果を示している。この結果は、被検体HBと同程度のプロファイル断面積を持つ、例えば直径20cmの水ファントムの各画素値の標準偏差sdを測定したものである。
また、図9(b)においては、直径20cmの水ファントムの各画素値の標準偏差sdがw2/w1の比に依存して、各々のX線管電圧80kVの撮影条件とX線管電圧140kVの撮影条件の組合せでどのように変化するかを示している。図9(b)においては、X線管電圧80kVの撮影条件とX線管電圧140kVの撮影条件の組合せを、X線管電圧80kV,X線管電流600mAとX線管電圧140kV,X線管電流150mAの組合せ、X線管電圧80kV,X線管電流675mAとX線管電圧140kV,X線管電流200mAの組合せ、X線管電圧80kV,X線管電流750mAとX線管電圧140kV,X線管電流250mAの組合せの3つの組合せの場合について、加重加算係数の比w2/w1を、およそ1.3〜2.0の間で変化させた場合の直径20cmの水ファントムの標準偏差sdを示している。
これらの情報を記憶装置7に記憶させておき、デュアルエネルギー撮影の画質のノイズ指標値、つまりデュアルエネルギー撮影の断層像の画素値の標準偏差sdを目標値に到達できるように、デュアルエネルギー撮影の複数のX線管電圧の断層像撮影条件を定めたり、複数のX線管電圧の断層像画像の再構成条件を定めたりすることができる。
<画像再構成条件のフィードバック>
図10は、低いX線管電圧の断層像CSI−Lowと高いX線管電圧の断層像CSI−Highとの画像再構成条件に対してフィードバックをかけるデュアルエネルギー撮影の概要を示す図である。
まず、低いX線管電圧で収集されたX線投影データR−Lowと高いX線管電圧で収集されたX線投影データR−Highとを得る。これらのX線投影データR−LowとX線投影データR−Highとに対して画像再構成処理を行う。画像再構成には、所定の画像フィルタ、画像再構成関数などを用いる。これにより、低いX線管電圧の断層像CSI−Lowおよび高いX線管電圧の断層像CSI−Highが画像再構成される。
そして、低いX線管電圧の断層像CSI−Lowには加重加算係数w1を乗算し、高いX線管電圧の断層像CSI−Highには加重加算係数−w2を乗算し、定数C1とともに加重加算処理を行う。この加重加算係数w1,w2および定数C1は、抽出したい原子、強調したい原子、表示上で消したい原子または部位により定まる。例えばCT値の近い、骨や石灰化を構成するカルシウム成分(Ca成分)と、ヨウ素を主成分とする造影剤(Iodine成分)を分離したい場合、カルシウム成分を表示上で消すと、つまりカルシウム成分の画素値を0にすると造影剤成分が抽出され強調されて表示され、造影剤成分の分布画像の断層像M−CSIが求められる。
この断層像M−CSIに関して画像ノイズ、空間分解能、スライス厚などの画質を測定し、それぞれの指標値と比べ最適か否かを判断する。最適でなければ、画像再構成の条件変更のフィードバックを行う。つまり調整部37が、画像再構成条件を調整する。そして画像フィルター、画像再構成関数などを調整して、再度、低いX線管電圧の断層像CSI−Lowおよび高いX線管電圧の断層像CSI−Highを画像再構成する。画像ノイズ、空間分解能、スライス厚などの画質が最適であれば、デュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIを表示する。画像再構成条件の変数は、図11のステップC10で詳述する。
図10で示したデュアルエネルギー撮影の概要をより具体的な流れが図11になる。
図11は、複数のX線管電圧の断層像の画像再構成条件をフィードバックして変更するデュアルエネルギー撮影の断層像画像再構成方法のフローチャートである。
図11は、X線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像よりデュアルエネルギー撮影を行った後に、そのデュアルエネルギー撮影の断層像が充分な画質を満たさないために、X線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像の画像再構成条件をフィードバックして変更した画像再構成条件で、X線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像を再度、画像再構成する実施形態である。
ステップC1では、X線管電圧80kVでの撮影を行う。
ステップC2では、X線管電圧140kVでの撮影を行う。
ステップC3では、X線管電圧80kVの断層像の画像再構成を行う。
ステップC4では、X線管電圧140kVの断層像の画像再構成を行う。
ステップC5では、X線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像を加重加算処理し、カルシウム強調断層像、造影剤強調断層像を画像再構成する。
ステップC6では、カルシウム強調断層像、造影剤強調断層像の画質を測定する。画質の指標値には、ノイズ指標値または分解能指標値がある。ノイズ指標値とは、一般的に断層像の各画素の標準偏差sdを指標値として用いる。また、分解能指標値とは、z方向に置かれたワイヤファントムの断層像内にあたるxy平面のMTF(Modulation Transfer Function)や、断層像平面であるxy平面に置かれたスリットファントムのMTFや標準偏差sdなどが指標値として用いられる。
ステップC7では、カルシウム強調断層像、造影剤強調断層像は、ノイズ指標値、分解能指標値を満足しているかを判断し、YESであればステップC8へ行き、NOであればステップC3へ戻る。
ステップC8では、デュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIである、カルシウム強調断層像、造影剤強調断層像などを表示する。
ステップC9では、カルシウム強調断層像、造影剤強調断層像のノイズ指標値、空間分解能指標値はどれだけ不足しているか求める。
ステップC10では、X線管電圧80kV、X線管電圧140kVの画像再構成条件を変更する。
<<画像再構成の条件>>
ステップC10において、X線管電圧80kVの断層像、またはX線管電圧140kVの断層像の画像再構成の条件を変更するにあたり、ノイズ指標値が不足している場合には、再構成関数としては高周波領域を強調しないで、低周波領域を強調する再構成関数を用いる。
画像フィルタとしては、低周波領域を強調する画像フィルタや、選択的に高周波領域を抑制する画像フィルタなどを用いる。画像再構成マトリクスとしては、通常512×512画素が用いられるが、ノイズ指標値を改善するには256×256画素のように画像再構成マトリクス数を少なくするのも効果がある。ただし、この時には従来の画像再構成マトリクス512×512画素の2×2画素の平均値が画像再構成マトリクス256×256画素の1画素にならないといけない。このために、画像再構成マトリクス512×512画素の時に用いられたX線投影データの各X線検出器データをチャネル方向に2つずつ加算して、チャネル方向のX線ビーム開口の大きさが2倍になった各X線検出器データを用いて逆投影処理を行うことにより、画像再構成マトリクスを256×256画素にしてノイズ指標値を上げる効果を充分に発揮できる。
図12に画像再構成マトリクス数によるX線ビーム開口幅の制御を示す。今、512×512画像再構成マトリクスの1画素の大きさに合わせて、多列X線検出器24の1チャネルの幅、つまりチャネル方向X線ビーム開口幅がdになるように多列X線検出器24と画像再構成マトリクスの大きさが設計されているとする。この場合に、256×256画像再構成マトリクスを考えると、図12に示すように256×256画像再構成マトリクスの一画素の大きさは、多列X線検出器24の2チャネル分の幅、つまりチャネル方向X線ビーム開口幅2Dに相当することになる。このため、256×256画像再構成マトリクスの場合は、多列X線検出器24のX線検出器データを2チャネルを1データに束ねる処理をした後に逆投影処理を行うことが必要になる。またはチャネル方向に(1/2,1/2)の空間フィルタを重畳した後に逆投影処理を行うことが必要になる。このように、画像再構成マトリクスの1画素の大きさとX線検出器データのチャネル幅、つまりチャネル方向X線ビーム開口幅の大きさは、ほぼ同じ大きさになるように制御することが画像再構成処理における画像ノイズの最適化となる。
また、zフィルタの係数を調整してノイズ指標値を改善するには、スライス厚をz方向に多少厚くしてノイズ指標値を改善する。この時に半値幅FWHM(Full Width Half Maximum)はなるべく広げずに、1/10幅FWTM(Full Width Tenth Maximum)を広げるようにすると、見た目にはあまりスライス厚が厚くなった感覚を持たせずにノイズ指標値を改善することができる。
X線投影データ空間の空間フィルタとしては、チャネル方向,列方向,ビュー方向に広がるX線投影データ空間において、高周波を強調せずに低周波を強調する空間フィルタを用いると良い。この場合にチャネル方向だけに低周波を強調しすぎてしまうとxy平面の空間分解能が劣化してしまう。または列方向だけに低周波を強調しすぎてしまうとz方向の空間分解能が劣化してしまう。このため、X線投影データ空間のデータおよびその近傍データの特性に適応しながら、例えばチャネル方向に構造物による変化があり、z方向に構造物による変化がない場合は、z方向により強く低周波強調を行い、またz方向に構造物による変化があり、チャネル方向に構造物による変化がない場合は、チャネル方向により強く低周波強調を行うなどのように、選択的にX線投影データ空間フィルタが作用させると良い。
また、ステップC10において、最終的なデュアルエネルギー撮影の断層像が目標となる画質の指標値に合うように、複数のX線管電圧の断層像ごとの画質の目標値、例えば目標となるノイズ指標値を定めるには次のようにして定めることができる。
まず、図9(a)に示したファントム測定データの各撮影条件でのデュアルエネルギー撮影の断層像の標準偏差sdのグラフを元に、複数のX線管電圧の断層像がX線管電流何mA相当の画質でなければならないかを定める。そのX線管電流相当の画質になるように、再構成関数、画像フィルタ、画像再構成マトリクス数、zフィルタ、X線投影データ空間の空間フィルタのうち少なくとも1つを調整する。なお、この時にはX線発生装置の出せる範囲のX線管電流値に納まるように、各X線管電圧の断層像にノイズ指標値の目標をうまく振分けることが必要になる場合もある。
このようにして、低いX線管電圧の断層像CSI−Lowと高いX線管電圧の断層像CSI−Highとの画像再構成条件を用いて、X線管電圧依存情報の断層像、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像を画質の目標値に合わせて調整する。つまり、一度、画像再構成されたデュアルエネルギー撮影の断層像の画質を測定し、最終的なデュアルエネルギー撮影の断層像の画質の目標値に合うように複数のX線管電圧の断層像の画像再構成条件にフィードバックを行い、複数のX線管電圧の断層像の画質を再調整することができる。
なお、上記例では、X線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像とをそれぞれ再構成し、デュアルエネルギー像の画質を最適化するために、X線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像と画像再構成条件をそれぞれ変更した。しかし、低いX線管電圧の投影データと高いX線管電圧の投影データとを加重加算処理して得られた投影空間において画像再構成を行う場合は、デュアルエネルギー像の画質を最適化するために、この投影空間における画像再構成の条件を変更する。
(実施形態2)
実施形態2においては、デュアルエネルギー撮影の断層像に画質の目標となる指標値を与え、その指標値を満足するように複数のX線管電圧の断層像の撮影条件を調整する実施形態を示す。
図13は、指定された画質の指標値に基づいたデュアルエネルギー撮影の断層像の画像再構成のフローチャートである。
ステップB1では、指定された画質の指標値に基づきデュアルエネルギー撮影の撮影条件設定を行う。
ステップB2では、あらかじめ収集されたファントムデータに基づき、各X線管電圧の撮影条件を定める。
ステップB3では、各X線管電圧の撮影条件を表示する。
ステップB4では、被検体の被曝の観点から問題ないかを判断し、YESであればステップB5へ行き、NOであればステップB7へ行く。
ステップB5では、X線管電圧80kVの撮影を行う。
ステップB6では、X線管電圧140kVの撮影を行う。
その後、図11のステップC1へ進む。つまり、実施形態1で説明したとおり、デュアルエネルギー撮影の断層像が目標である画質の指標値、例えば画像ノイズ指標値を満足していない場合に、画像再構成処理により、画質の指標値を満足させるように画像再構成条件を変更して、画像再構成を再度行う。
ステップB7では、手動により各X線管電圧の撮影条件を修正する。
ステップB8では、各X線管電圧の画質の指標値、デュアルエネルギー撮影の断層像の画質の指標値の表示、被検体の被曝量の表示を行う。
ステップB9では、充分な画質で被検体の被曝も問題ないかを判断し、YESであればステップB5へ進み、NOであればステップB7へ戻る。
ステップB1からステップB4、およびステップB7からステップB9においては、あらかじめ指定された画質の指標値に基づき、デュアルエネルギー撮影の撮影条件設定を行う。図9(a)のように、各々の低いX線管電圧の撮影条件に対し、高いX線管電圧の撮影条件のX線管電流を変えると、どのようにファントムの画像ノイズであるCTの標準偏差sdが変化するかについて、あらかじめ様々なファントムの大きさ、様々な加重加算係数の比w1/w2ごとに記憶装置7に記憶しておく。そして、最終的なデュアルエネルギー撮影の断層像の画質の指標値から、複数のX線管電圧の断層像の画質の指標値を各々のX線管電圧の断層像ごとに割当てる。特にX線発生装置の制約がなければ、なるべく低いX線管電圧の断層像の画質と高いX線管電圧の断層像の画質をほぼ同じにする。
また、被検体の撮影においてはスカウト像撮影において、被検体のX線透過径路長の積分値であるプロファイル面積がわかる。被検体のプロファイル面積とほぼ同等のプロファイル面積のファントムのデュアルエネルギー撮影の撮影条件テーブルを用いることにより、デュアルエネルギー撮影の断層像の目標の画質指標値、例えばノイズ指標値を満足させるための複数のX線管電圧の撮影条件、つまり低いX線管電圧のX線管電流値と高いX線管電圧のX線管電流値を定めることができる。なお、この時に低いX線管電圧の断層像の画像ノイズと高いX線管電圧の断層像の画像ノイズが、ほぼ等しくなるのが好ましい。
このため、低いX線管電圧の断層像の被曝線量と高いX線管電圧の断層像との被曝線量がわかるグラフやテーブルをあらかじめ記憶装置7に記憶していた方が好ましい。そして低いX線管電圧の断層像の被曝線量と高いX線管電圧の断層像の被曝線量を、ほぼ等しくまたは加重加算計数を考慮してほぼ等しくするようにすれば良い。
図14(a)は、各撮影条件における被曝線量を示したグラフである。この時の処理の流れを図14(b)に示す。
ステップN1では、被検体のスカウト像撮影を行う。
ステップN2では、被検体のスカウト像より、あるz方向座標位置におけるプロファイル面積PA(z)を求める。
ステップN3では、被検体のあるz方向座標位置のプロファイル面積PA(z)に相当するファントムのデュアルエネルギー撮影の撮影条件テーブルを求める。
ステップN4では、抽出したい物質のX線管電圧80kVとX線管電圧140kVの各々のX線吸収係数値を求め、加重加算係数の比w1/w2を求める。
ステップN5では、ステップN3で求めたデュアルエネルギー撮影の撮影条件テーブルにおいて、加重加算係数の比w1/w2に相当する撮影条件テーブルを求める。
ステップN6では、デュアルエネルギー撮影の断層像の目標の画質指標値に合わせて低いX線管電圧のX線管電流と高いX線管電圧のX線管電流を定める際に、低いX線管電圧の被曝線量と高いX線管電圧の被曝線量を等しくするように各々のX線管電流を定める。
実施形態2においては、上記のようにして、デュアルエネルギー撮影の断層像に画質の目標となる指標値を与え、その画質の指標値を満足するように複数のX線管電圧の断層像の撮影条件、および画像再構成条件を調整することができる。
(実施形態3)
実施形態3においては、デュアルエネルギー撮影の断層像において、低いX線管電圧の断層像と高いX線管電圧の断層像の位置がずれ、位置ずれアーチファクトが見つけられた場合に位置合わせ補正を行い、デュアルエネルギー撮影の断層像の画質を目標となる画質の指標値に最適化する実施形態を示す。図15にその処理の流れを示す。
図15は、断層像の位置合わせを行ったデュアルエネルギー撮影の画像再構成のフローチャートである。
ステップC31では、デュアルエネルギー撮影で抽出したい物質の指定を行い、画質の指標値を指定する。例えば造影剤を抽出したり造影剤を強調したりしたい場合は、造影剤とCT値が近い石灰化、骨などのカルシウム成分を除去すると良い。また、逆に石灰化、骨などのカルシウム成分を抽出したりカルシウム成分を強調したりしたい場合は、カルシウム成分とCT値の近い造影剤を除去すると良い。また、脂肪成分を抽出したり脂肪成分を強調したりしたい場合は、同じく軟部組織を構成している水分を除去すると良い。同様に水分を抽出したり水分を強調したりしたい場合は、脂肪分を除去してやると良い。このように、抽出したい物質と除去したい物質を指定して撮影条件を設定する。また、画質の指標値として良く用いられるのは画像ノイズ、つまり、各画素のCT値の標準偏差sdである。
ステップC32では、被検体のスカウト像より被検体のプロファイル面積を求め、ほぼ同一のプロファイル面積のファントムデータに基づき、各X線管電圧の撮影条件を定める。被検体のスカウト像のプロファイル面積を求めるには、図2の画像再構成のフローチャートではステップP4の前処理の後、既に対数変換の終わったX線投影データに対して、被検体のチャネル方向範囲の部分を加算、または積分すれば良い。
ステップC33では、各X線管電圧の撮影条件、被曝情報を表示する。通常、被曝情報としてはCTDI(CT
Dose Index),DLP(Dose Length Products)が表示される。
ステップC34では、撮影条件の操作者による確認で問題ないかを判断し、YESであればステップC35へ行き、NOであればステップC44へ行く。
ステップC35では、X線管電圧80kVの撮影を行う。
ステップC36では、X線管電圧140kVの撮影を行う。
ステップC37では、X線管電圧80kVの断層像の画像再構成を行う。
ステップC38では、X線管電圧140kVの断層像の画像再構成を行う。
ステップC39では、X線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像の位置合わせを行う。この位置合わせに関して図16および図17を使って後述する。
ステップC40では、X線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像を加重加算処理して、デュアルエネルギー撮影の断層像を画像再構成する。
ステップC41では、デュアルエネルギー撮影の断層像の画質を測定する。
ステップC42では、デュアルエネルギー撮影の断層像の画質は指標値を満足しているかを判断し、YESであればステップC43へ行き、NOであればステップC45へ行く。
ステップC43では、デュアルエネルギー撮影の断層像を表示する。
ステップC44では、手動による撮影条件の修正を行い、ステップC33に戻る。
ステップC45では、各X線管電圧の断層像の画像再構成条件の変更を行い、ステップC37に戻る。
ステップC31からステップC34、およびステップC44においては、実施形態2の場合と同様にデュアルエネルギー撮影の断層像に求められる画質の指標値を満足できるような各X線管電圧におけるX線管電流を定めて撮影条件を決める。この時に決められた各X線管電圧の撮影条件を操作者に確認させて、被検体の被曝などの観点で撮影条件を修正する必要があれば手動で操作者が撮影条件を修正する。
ステップC35からステップC43、およびステップC45においては、実施形態1および実施形態2と同様に、最終的に得られたデュアルエネルギー撮影の断層像が目標である画質の指標値、例えば画像ノイズ指標値を満足していない場合に、複数の各X線管電圧で収集されたX線投影データに対し、画像再構成処理を再度行い、複数のX線管電圧の各断層像の画質の指標値を満足させるように画像再構成処理の条件を変更して、複数のX線管電圧における断層像の画質を満足させるようにする。この結果、最終的なデュアルエネルギー撮影の断層像の画質を満足させることができる。
<X線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像の位置合わせ>
図16は、分割された外接矩形SRの領域ごとに位置合わせを行う処理の概要を示す図である。ステップC39に示すX線管電圧80kVの断層像CSI−80kVとX線管電圧140kVの断層像CSI−140kVの位置合わせの概要図である。
図16(a)は、X線管電圧140kVの断層像CSI−140kVであり、(b)は、X線管電圧140kVの断層像CSI−140kVである。X線管電圧140kVの断層像CSI−140kVは、(d)に示すように被検体の輪郭を2値化処理などにより抽出する。そして、輪郭を含む外接矩形SRを例えば8分割する。
その分割されたX線管電圧140kVの外接矩形D−SRの一つを、(c)に示すようにX線管電圧80kVの断層像CSI−80kVに位置合わせする。位置合わせに際しては相関演算を行う。他の分割されたX線管電圧140kVの外接矩形D−SRも順にX線管電圧80kVの断層像CSI−80kVに位置合わせする。これにより、(e)に示すように分割されたX線管電圧140kVの外接矩形D−SRが、X線管電圧80kVの断層像CSI−80kVに合体する。図17に以上の処理の流れを示す。
図17は、各々の分割された外接矩形SRの領域ごとに位置合わせを行ったデュアルエネルギー撮影処理のフローチャートである。
ステップD1では、X線管電圧80kVでの撮影を行う。
ステップD2では、X線管電圧140kVでの撮影を行う。
ステップD3では、X線管電圧140kVの断層像CSI−140kVより、被検体の体表面の輪郭を抽出する2値化閾値で2値化し、その外接矩形SRを8分割する。ステップD3において、被検体の外接矩形SRの8分割した領域を求める処理の流れについて、図18を使って後述する。
ステップD4では、X線管電圧140kVの断層像CSI−140kVの分割された外接矩形D−SRの領域を、X線管電圧80kVの断層像CSI−80kV上で二次元相関演算を行う。ステップD4では、X線管電圧140kVの断層像CSI−140kVの分割された外接矩形D−SRの領域を、X線管電圧80kVの断層像CSI−80kVと二次元相関演算を行う。そして、その二次元相関演算の最大値、局所最大値の位置、またはピークの広がりにより、x方向ずれ量Δx、y方向ずれ量Δyを求める。また、二次元相関演算の最大値または局所最大値のピークの広がりを示す半値幅FWHM(Full Width Half Maximum)より拡大縮小倍率を求める。この詳細は、図19を使って後述する。
ステップD5では、二次元相関演算の局所最大値の位置より、位置ずれ、拡大縮小倍率を求める。
ステップD6では、X線管電圧140kVの断層像CSI−140kVの分割された外接矩形D−SRの領域の全部を、X線管電圧80kVの断層像CSI−80kV上で位置合わせ完了かを判断し、YESであればステップD7へ行き、NOであればステップD4へ戻る。
ステップD7では、X線管電圧140kVの断層像CSI−140kVの各々の分割された外接矩形D−SRの領域を合体する。
ステップD8では、X線管電圧80kVの断層像CSI−80kVとX線管電圧140kVの断層像CSI−140kVとを加重加算処理を行う。
ステップD9では、デュアルエネルギー撮影の断層像を表示する。
<<被検体の外接矩形SRの分割>>
図18は、被検体の外接矩形SRの8分割した領域を求める処理のフローチャートであり、ステップD3を詳述したものである。
ステップL1では、2値化処理を行う。ステップL1の2値化処理では、被検体の体表面の輪郭を抽出するには、被検体と空気が分離できる2値化閾値であれば良いため、例えばCT値−50、−100などの値を用いればで良い。2値化された画像は ステップL2において連続領域番号付処理(ラベリング処理)により、連続した二次元領域ごとに番号付けされたラベル領域となる。
ステップL2では、連続領域番号付処理(ラベリング処理)を行う。
ステップL3では、被検体の部分を示す連続領域の抽出および外接矩形SRを求める。ステップL3においてはこの連続二次元領域のうち、被検体の連続二次元領域と思われるものを面積、外接矩形SRの大きさ、円形度などより抽出する。
ステップL4では、外接矩形SRより8分割した矩形領域D−SRを求める。ステップL4においてはステップL3で抽出された被検体の連続二次元領域の外接矩形SRの始点(xS,yS)と、終点(xS+Lx,yS+Ly)より、8つの矩形領域に分けることができる。
<<二次元相関演算>>
図17のステップD4の二次元相関演算について説明する。
図19は二次元相関演算による位置合わせの処理の概要を示す図である。図19(a)にX線管電圧80kVの断層像CSI−80kVと矩形分割したX線管電圧140kVの断層像CSI−140kVを示す。図19(b)に相関量CR1(x,y)の変化の一例を示す。
X線管電圧140kVの分割された外接矩形SR上の断層像の各画素値をg140(x,y)、X線管電圧80kVの断層像CSI−80kVの各画素値をg80(x,y)とすると、X線管電圧140kVの断層像CSI−140kVの外接矩形SRの領域を、X線管電圧80kVの断層像CSI−80kV上で二次元相関演算を行ったその相関量CR1(x,y)は、以下の(数式13)のようになる。ただし、X線管電圧140kVの断層像の領域をAr140、X線管電圧80kVの断層像の領域をAr80とする。
…(数式13)
図19(b)においては、この相関量CR1(x,y)はxy平面の原点0から(Δx,Δy)だけずれた位置において、局所的最大値のピークを取り、そのピークの半値幅FWHM(Full Width Half Maximum)はx方向にD1x,y方向にD1yとなっている。
また、図19(b)に示すΔx,Δyは、X線管電圧140kVの断層像CSI−140kVの分割された矩形領域と、X線管電圧80kVの断層像CSI−80kVのずれ量を示している。また、ピークの半値幅より、以下の(数式17),(数式18)のようにx方向の拡大縮小倍率、y方向の拡大縮小倍率r1x,r1yが定まる。なお、以下の数式のLx,Lyは分割された矩形領域のx方向の辺の長さ、y方向の辺の長さである。
…(数式14)
これらの拡大縮小倍率r1x,r1yと、ずれ量(Δx,Δy)より、X線管電圧140kVの断層像の矩形領域g140(x,y)のx,y座標を以下の(数式15)により、新しい座標X,Yに座標変換することで、X線管電圧140kVの断層像CSI−140kVの矩形領域をX線管電圧80kVの断層像の画素値g(x,y)に位置合わせすることができる。ただし、(xC,yC)はX線管電圧140kVの断層像CSI−140kVの矩形領域の中心座標である。
…(数式15)
なお、この時にx方向の拡大倍率r1x、y方向の拡大倍率r1yを(数式14)のように定めたが、断層像の画質によっては二次元相関演算のピークの広がり具合により、各々のx方向,y方向の拡大倍率に補正係数kx,kyをかけ、x方向の拡大倍率をkx・r1x、y方向の拡大倍率をky・r1yとしても良い。このため、断層像の画質に依存して補正係数kx,kyが必要であれば上記のように乗算すれば良い。なお、この補正係数kx,kyは(0,2)の範囲の値でほぼ1に近い値となると予測される。なお、本実施形態においては、X線管電圧140kVの断層像CSI−140kVをx方向に2分割、y方向に4分割の8つの矩形領域に分割し、X線管電圧80kVの断層像CSI−80kVに位置合わせをしたが、X線管電圧80kVの断層像CSI−80kVを分割し、X線管電圧140kVの断層像CSI−140kVに位置合わせをしても良い。
また、分割数も8分割である必要はなく、断層像のマトリクスサイズ、画質などにより変えても同様の効果は得られる。また、二次元相関演算もすべてのCT値の範囲の値を二次元相関演算に用いたが、一部のCT値の範囲の値のみ、例えばCT値0以上のみを二次元相関演算に用いても同様の効果は得られる。
図20は、外接矩形の領域をオーバーラップさせた場合を示す図である。
図17のステップD4ないしD7においては、X線管電圧140kVの断層像の8つに分割された分割矩形D−SRの領域を合体するが、合体した境界線で不連続なアーチファクトが発生して、合体する接合部分の断層像が連続的に接合されない場合がある。これを避けるためには断層像の各分割矩形領域を図20(a)のように、より大きめの領域にしておいて処理を行っておくと良い。例えば図20(a)の矩形領域A,矩形領域Bに示すように、矩形領域Aと矩形領域Bをオーバーラップさせて処理を行う。つまり、矩形領域Aおよび矩形領域BにおけるX線管電圧140kVの断層像の矩形領域の位置合わせ処理を拡大された矩形領域A,拡大された矩形領域Bの両方について処理を行っておく。
このように処理された矩形領域Aおよび拡大された矩形領域Bの境界部分では、図20(b)に示すような加重加算係数wa(x,y),wb(x,y)をかけて加重加算処理を行う。この加重加算係数wa(x,y),wb(x,y)の和は、以下の数式に示すように常に“1”で一定とする。
wa(x,y)+wb(x,y)=1
この加重加算係数wa(x,y),wb(x,y)を8つの分割された矩形領域に同様に加重加算処理を行うことで、位置合わせされたX線管電圧140kVの断層像は連続的に滑らかに接合される。また、図20(b)においては線型の加重加算係数を用いているが、より滑らかに変化する多次多項式の加重加算係数でも良い。
(実施形態4)
実施形態4においては、X線管電圧情報の断層像、デュアルエネルギー撮影の断層像、または複数のX線管電圧の断層像の三次元表示またはMPR表示において断層像平面方向のずれ、すなわちxy平面のずれの最適化を示す実施形態である。すなわちxy平面のずれが検出されたら、複数のX線管電圧の断層像のずれ補正を行って、デュアルエネルギー撮影の断層像の画質の最適化、三次元表示画像・MPR表示画像の画質の最適化を行う実施形態を示す。
特にコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンによって、低いX線管電圧の断層像CSI−Lowと高いX線管電圧の断層像CSI−Highとが撮影されている場合は、各z方向座標位置ごとにおいてコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンのxy平面内の断層像の位置がずれてしまう場合がある。この時には有効な断層像位置合わせ補正および位置ずれアーチファクトを少なくしたデュアルエネルギー撮影方法となる。
図21は、コンベンショナルスキャンまたはシネスキャンのxy平面内の断層像の位置ずれを説明する図である。
例えば図21(a)に示すように、z方向座標(z0,z1)の範囲、(z1,z2)の範囲、(z2,z3)の範囲3回のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンを行った場合に、各々のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの間でxy平面の位置がずれ、z方向に断層像が連続でなくなってしまう場合がある。また、デュアルエネルギー撮影の場合に、X線管電圧80kVの断層像のxy平面内の位置と、X線管電圧140kVの断層像のxy平面内の位置がずれてしまう場合がある。
例えば第1のz方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンで撮影された断層像は32枚でImg0(x,y)〜Img31(x,y)とする。また、第2のz方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンで撮影された断層像も32枚でImg32(x,y)〜Img63(x,y)とする。また、第3のz方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンで撮影された断層像も32枚でImg64(x,y)〜Img95(x,y)とする。
この時に、各z方向座標位置におけるコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの中心位置を以下に定めると、z方向に同一の形をした物であっても、各々のz方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンで撮影された断層像の中心位置はずれてしまう。
これをxy平面方向で再投影表示して見ると図21(b)のようになる。z方向座標位置(z0,z1)の範囲の第1のz方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像Img0(x,y)〜Img31(x,y)の中心座標位置を(xc1,yc1)とし、z方向座標位置(z1,z2)の範囲の第2のz方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像Img32(x,y)〜Img63(x,y)の中心座標位置を(xc2,yc2)とし、z方向座標位置(z2,z3)の範囲の第3のz方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像Img64(x,y)〜Img95(x,y)の中心座標位置を(xc3,yc3)とする。
各々の(xc1,yc1),(xc2,yc2),(xc3,yc3)は、以下の(数式16)のようになる。ただし、断層像の画像マトリクスサイズはN×N画素とする。
…(数式16)
z方向に同一の形をした被検体の場合、もしくはほぼ同一の形をした被検体の場合には、第1のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像の中心位置に、第2,第3のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像の中心位置を合わせる。つまり、第1のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像は動かさず、第2のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像をベクトル(xc1−xc2,yc1−yc2)に合わせてずらす。また、第3のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像をベクトル(xc1−xc3,yc1−yc3)に合わせてずらす。このように、z方向座標位置ごとのコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンにおいて、xy平面内の断層像の位置がずれたものを上記のような断層像位置合わせ補正により位置合わせが行える。また、z方向に形状の変化の大きい部位を撮影する場合もしくはz方向に形状の変化の大きい被検体を撮影する場合には、各z方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンのz方向の境界における断層像間のズレをなくすように位置補正を行う位置補正方法もある。
図22は、z方向の境界における断層像間のズレをなくす位置補正を説明するための図であり、(a)は、そのxz平面MPR像を示す図である。(b)は、yz平面MPR像を示す図である。
例えば図22(a)、図22(b)に示すように、z方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンで撮影された断層像は32枚でImg0(x,y)〜Img31(x,y)とする。また、第2のz方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンで撮影された断層像も32枚でImg32(x,y)〜Img63(x,y)とする。また、第3のz方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンで撮影された断層像も32枚でImg64(x,y)〜Img95(x,y)とする。
この場合に、第1のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像と、第2のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像との位置合わせを行うには、第1のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの境界部の断層像のImg31と、第2のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの境界部の断層像のImg32とで位置合わせを行う。第2のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像と、第3のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像との位置合わせを行うには、第2のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの境界部の断層像のImg63と、第3のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの境界部の断層像のImg64とで位置合わせを行えば良い。この位置合わせを行うのにMPR像を用いる方法を次に示す。
図22(a)に示すように、xz平面のMPR像で特にy=yc1の場合のMPR像において、断層像Img31(x,y)の被検体の境界のx座標をx1s,x1eとする。また、断層像Img32(x,y)の被検体の境界のx座標をx2s,x2eとした場合に、断層像Img32(x,y)、および第2のz方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像を以下の(数式17)の分だけx方向にずらす。
…(数式17)
また同様に図22(a)に示すように、xz平面のMPR像で特にy=yc2の場合のMPR像において、断層像Img63(x,y)の被検体の境界のx座標をx2s,x2eとする。また、断層像Img64(x,y)の被検体の境界のx座標をx3s,x3eとした場合に、断層像Img64(x,y)、および第3のz方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像を以下の(数式18)の分だけx方向にずらす。
…(数式18)
同様に図22(b)に示すように、yz平面のMPR像で特にx=xc1の場合のMPR像において、断層像Img31(x,y)の被検体の境界のy座標をy1s,y1eとする。また、断層像Img32(x,y)の被検体の境界のy座標をy2s,y2eとした場合に、断層像Img32(x,y)、および第2のz方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像を以下の(数式19)の分だけy方向にずらす。
…(数式19)
また同様に図22(b)に示すように、yz平面のMPR像で特にx=xc2の場合のMPR像において、断層像Img63(x,y)の被検体の境界のy座標をy2s,y2eとする。また、断層像Img64(x,y)の被検体の境界のy座標をy3s,y3eとした場合に、断層像Img64(x,y)、および第3のz方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像を以下の(数式20)の分だけy方向にずらす。
…(数式20)
以上のようにして、第1のz方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像のxy平面の位置に合わせて、第2、第3のz方向座標位置のコンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの断層像のxy平面の位置を位置ずらし補正が行える。
図23は、xy平面のずれを補正したデュアルエネルギー撮影の処理を示したフローチャートである。
ステップD11では、X線管電圧80kVの断層像の撮影を行う。
ステップD12では、X線管電圧140kVの断層像の撮影を行う。
ステップD13では、X線管電圧80kVの断層像の画像再構成を行う。
ステップD14では、X線管電圧80kVの断層像の三次元表示・MPR表示を行う。
ステップD15では、X線管電圧80kVの断層像のxy平面方向のずれはないかを判断し、YESであればステップD16へ行き、NOであればステップD22へ行く。
ステップD16では、X線管電圧140kVの断層像の画像再構成を行う。
ステップD17では、X線管電圧140kVの断層像の三次元表示・MPR表示を行う。
ステップD18では、X線管電圧140kVの断層像のxy平面方向のずれはないかを判断し、YESであればステップD19へ行き、NOであればステップD24へ行く。
ステップD19では、X線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像のxy平面方向のずれはないかを判断し、YESであればステップD20へ行き、NOであればステップD26へ行く。
ステップD20では、X線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像との加重加算処理により、デュアルエネルギー撮影の断層像を画像再構成する。
ステップD21では、デュアルエネルギー撮影の断層像または三次元表示画像・MPR表示画像を表示する。
ステップD22では、xy方向のずれ量を求める。
ステップD23では、ずれ量を反映した画像再構成変数を求め、ステップD13へ戻る。
ステップD24では、xy方向のずれ量を求める。
ステップD25では、ずれ量を反映した画像再構成変数を求め、ステップD16へ戻る。
ステップD26では、xy方向のずれ量を求める。
ステップD27では、X線管電圧140kVの断層像をずらす画像再構成変数を求め、 ステップD16へ戻る。
以上のような処理により、断層像のxy平面内のずれがあるか否かをステップD15,ステップD18,ステップD19において調べ、上記のようにxy方向のずれ量を ステップD22,ステップD24,ステップD26において求める。
これらのずれ量をステップD23,ステップD25,ステップD27のように画像再構成処理の画像再構成変数の変更でずらして位置ずらし補正を行っても良いし、または断層像平面の位置ずらし処理を行っても良い。
以上のX線CT装置100において、本発明のX線CT装置、またはX線CT画像再構成方法によれば、デュアルエネルギー撮影の断層像の空間分解能、画像ノイズを最適化するX線CT装置を実現できる効果がある。なお、いずれの画像再構成方法においても加重加算処理の加重加算係数は強調したい原子、消去したい原子に応じて、各々の原子の複数のX線管電圧におけるX線吸収係数により定まる。
上記実施形態では、低いX線管電圧として80kVを、高いX線管電圧として140kVを用いているが、他のX線管電圧値でも同様の効果を出すことができる。また、本実施形態では、抽出したい原子、強調したい原子として骨や石灰化部分のカルシウム、造影剤に含まれるヨウ素を用いているが、他の原子を抽出したり、強調したりする場合でも同様の効果を出すことができる。なお、本実施形態における画像再構成法は、従来公知のフェルドカンプ法による三次元画像再構成法でもよい。さらに、他の三次元画像再構成方法でもよい。または二次元画像再構成でも良い。
また、上記実施形態では、X線CT装置のX線自動露出機構を用いていない場合について記載しているが、X線CT装置のX線自動露出機構を用いた場合についても同様に効果を出すことができる。つまり、スカウト像より各z方向座標位置の被検体のプロファイル面積および楕円率などの幾何学的特徴量を求め、そのz方向におけるプロファイル面積および楕円率などの変化により、各z方向座標位置のX線管電流を調整し、各z方向座標位置における断層像の画像ノイズを一定する。これをX線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像の各々に対して各々のX線管電圧に目標となる画像ノイズ指標値を定めることで、X線管電圧80kVの断層像もX線管電圧140kVの断層像も各z方向座標位置において一定の画像ノイズになる。このため、これらのX線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像の加重加算処理により画像再構成されるデュアルエネルギー撮影の断層像もz方向に一定の画像ノイズにすることができる。
上記実施形態は、走査ガントリ20が傾斜していない場合について記載しているが、走査ガントリ20が傾斜した、いわゆるチルト・スキャンの場合でも同様な効果を出すことができる。また、実施形態は、生体信号にX線データ収集が同期しない場合について記載しているが、生体信号、特に、心拍信号に同期させても同様な効果を出すことができる。
また、上記実施形態では、二次元X線エリア検出器を持ったX線CT装置について書かれているが、一列のX線検出器のX線CT装置においても同様の効果を出せる。なお、本実施形態においては、撮影テーブル10のクレードル12をz方向に動かすことにより、ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャンを実現している。また、コンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの各z方向スキャン位置の間の移動を実現している。しかし、走査ガントリ20または走査ガントリ20内の回転部15を撮影テーブル10のクレードル12に対して動かすことによっても、相対的に同様な効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、列ごとに係数の異なった列方向(z方向)フィルタの係数を各チャネルの前処理された、またはビームハードニング補正されたX線投影データの列方向に重畳することにより、画質のばらつきを調整することによって、各列において均一なスライス厚とし、アーチファクトを抑制し、ノイズ低減された画質を実現している。これには、様々なz方向フィルタ係数が考えられるが、いずれにおいても同様の効果を出すことができる。
本実施形態では、医用X線CT装置を元について記載されているが、産業用X線CT装置、または、他の装置と組合わせたX線CT−PET装置,X線CT−SPECT装置などにおいても利用できる。
本発明の実施形態にかかるX線CT装置100を示すブロック図である。 本実施形態のX線CT装置についての動作の概要を示すフローチャートである。 三次元逆投影処理の詳細を示すフローチャートである。 画像空間におけるX線吸収係数のX線管電圧依存情報の断層像の求め方を示す図である。 投影データ空間におけるX線吸収係数のX線管電圧依存情報の断層像の求め方を示す図である。 (a)および(b)は、連続したスキャンでX線管電圧を切換える例である。(c)は、ビューごとにX線管電圧を切換える例である。(d)は、データ収集セグメントごとにX線管電圧を切換える例である。 奇数・偶数ビューでX線管電圧を変えた場合の画像再構成の概要を示したフローチャートである。 (a)は、差画像の画像ノイズを示す図であり、(b)は、X線吸収係数のX線管電圧依存性を示す図である。 低いX線管電圧の各X線管電流値と高いX線管電圧の各X線管電流値との関係を示したグラフである。 低いX線管電圧の断層像と高いX線管電圧の断層像との画像再構成条件に対してフィードバックをかけるデュアルエネルギー撮影の概要を示す図である。 低いX線管電圧の断層像と高いX線管電圧の断層像との画像再構成条件をフィードバックして変更するデュアルエネルギー撮影の断層像の画像再構成方法のフローチャートである。 画像再構成マトリクス数によるX線ビーム開口幅の制御を示す。 指定された画質の指標値に基づいたデュアルエネルギー撮影の断層像画像再構成のフローチャートである。 (a)は、各撮影条件における被曝線量を示す図である。(b)は、デュアルエネルギー撮影の断層像の目標の画質指標値より各X線管電圧のX線管電流を定めるフローチャートである。 指定された画質の指標値に基づいたデュアルエネルギー撮影の断層像画像再構成のフローチャートである。 図15Aに続く、フローチャートである。 分割された外接矩形SRの領域ごとに位置合わせを行う処理の概要を示す図である。 断層像の位置合わせを行ったデュアルエネルギー撮影の画像再構成のフローチャートである。 被検体の外接矩形SRの8分割した領域を求める処理のフローチャートである。 二次元相関演算による位置合わせの処理の概要を示す図である。 (a)は、オーバーラップさせた外接矩形SRの領域を示す図である。(b)は、オーバーラップ各扇形領域における加重加算係数を示す図である。 (a)は、コンベンショナルスキャンまたはシネスキャンにおいてxy平面内でずれた断層像の三次元表示を示す図である。(b)は、コンベンショナルスキャンまたはシネスキャンにおいてxy平面内でずれた断層像をxy平面で再投影した表示を示す図である。 (a)は、xz平面MPR像を示す図である。(b)は、yz平面MPR像を示す図である。 xy平面のずれを補正したデュアルエネルギー撮影の処理のフローシャートである。
符号の説明
1 … 操作コンソール
2 … 入力装置
3 … 中央処理装置
5 … データ収集バッファ
6 … モニタ
7 … 記憶装置
10 … 撮影テーブル
12 … クレードル
15 … 回転部
20 … 走査ガントリ
21 … X線管
22 … X線コントローラ
23 … コリメータ
24 … 多列X線検出器または二次元X線エリア検出器
25 … データ収集装置(DAS)
26 … 回転部コントローラ
28 … ビーム形成X線フィルタ
29 … 制御コントローラ
30 … スリップリング
31 … 前処理部
33 … ビームハードニング処理部
34 … 画像再構成部
35 … デュアルエネルギー像再構成部
37 … 調整部
R … 投影データ
CSI … 断層像
M−CSI … デュアルエネルギー像

Claims (5)

  1. 第一エネルギースペクトルを有するX線と、前記第一エネルギースペクトルとは異なる第二エネルギースペクトルを有するX線とを被検体に照射するX線管と、

    前記被検体に照射された前記第一エネルギースペクトルのX線投影データと前記第二エネルギースペクトルのX線投影データとを収集するX線データ収集部と、

    前記第一エネルギースペクトルのX線投影データと前記第二エネルギースペクトルのX線投影データとに基づいて、第一断層像および第二断層像を画像再構成し、前記第一断層像と前記第二断層像とに基づいて、原子の分布に関連したX線吸収係数におけるX線管電圧依存情報の断層像を画像再構成するデュアルエネルギー像再構成手段と

    を備え、
    前記デュアルエネルギー像再構成手段は、所望の画像ノイズの前記原子の分布に関連したX線吸収係数におけるX線管電圧依存情報の断層像を得るための前記第一断層像及び前記第二断層像の画像ノイズの調整のために選定された、前記第一断層像の画像再構成に用いる第一の画像再構成関数と、前記第二断層像の画像再構成の際に使用する第一の画像再構成関数とは異なる第二の画像再構成関数とを用いて、前記第一断層像および前記第二断層像をそれぞれ画像再構成するものであり、

    前記第一断層像の画像再構成に用いる第一の画像再構成関数と、前記第二断層像の画像再構成の際に使用する第一の画像再構成関数は、前記第一断層像と前記第二断層像の画像ノイズがほぼ等しくなるように選定されたものであることを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記デュアルエネルギー像再構成手段は、前記第一断層像に第一加重加算係数を乗じ、前記第二断層像に負数の第二加重加算係数を乗じ、それぞれを加重加算処理することを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記第一断層像の画像再構成に用いる第一の画像再構成関数と、前記第二断層像の画像再構成の際に使用する第一の画像再構成関数は、前記第一加重加算係数と前記第二加重加算係数との関係に応じて選定されたものであることを特徴とする請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記X線管電圧依存情報の断層像において位置ずれアーチファクトが見られた場合に、前記第一断層像と前記第二断層像とを位置合わせして画像再構成を再度行うことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  5. 前記X線管電圧依存情報の断層像において前記被検体の体軸方向の表示または三次元表示を行った時に断層像平面内にずれを生じていた場合に、前記第一断層像と前記第二断層像とを位置合わせして画像再構成を再度行うことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のX線CT装置。
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