JP5220309B2 - X線断層撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用X線CT(Computed Tomography)装置などにおいて、原子の分布に関連したX線吸収係数におけるX線管電圧依存情報の二次元分布断層像、いわゆるデュアルエネルギー撮影(Dual Energy Scan)の断層像を最適化するX線CT装置の技術に関する。
従来、特許文献1が開示するように、二次元X線エリア検出器によるX線CT装置においては、ある原子の二次元分布の断層像を求める際には、低いX線管電圧と高いX線管電圧とによる断層像撮影を行い、低いX線管電圧の断層像と高いX線管電圧の断層像とを得る。そして、その二次元分布を見たい原子ごとにより定められた加重加算係数に従って、低いX線管電圧の断層像と高いX線管電圧の断層像とを加重加算処理(加重加算係数が例えばプラスであれば加重減算処理)を行うことで、ある原子の分布に関連したX線吸収係数におけるX線管電圧依存情報の二次元分布、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像を求めていた。
特開2003−244542号公報
しかし、被検体には、太った人もいれば痩せた人もいるのもかかわらずデュアルエネルギー撮影(Dual Energy Scan)の断層像画像再構成を行う加重加算処理の加重加算係数は一定であった。例えば、図30(a)のように、部位が異なることまたは被検体の大きさによるビームハードニングの程度の違いによりデュアルエネルギー撮影の断層像の画質は一定にならない問題があった。また、被検体が成人から子供に変わることもあり、さらに、同一の被検体であっても胸部と脚部とのように部位が変わることもある。このような場合に、ビームハードニングの程度の違いが出てくるため、被検体の断面積またはプロファイル形状(断面の外枠形状)などの被検体の特徴を正確に把握しなければならないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、原子の分布に関連したX線吸収係数におけるX線管電圧依存情報を示す二次元分布断層像、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像を得るために、適切なビームハードニングおよび適切な加重加算係数を設定できるX線断層撮影装置を提供することにある。
本発明は、図30(b)に示すように被検体の大きさまたは内部構造により、透過するX線の線質硬化、つまり、ビームハードニングの強弱の様子は異なってくる。また、図30(c)に示すように、同じ大きさでも被検体の形状、偏平度によりX線の透過経路が長い所と短い所が生じ、ビームハードニングの強弱の様子は異なってくる。つまり、被検体のX線透過のしやすさによる大きさを表わすプロファイル面積、または被検体の偏平度を示す楕円率により、ビームハードニングの強弱の様子はある程度推測できる。
デュアルエネルギー撮影(Dual Energy Scan)においては、X線管電圧の違いによるある物質のX線吸収係数の違いを利用して、断層像またはX線投影データを加重加算処理して、ある物質を消去したり、強調したりすることができる。このため、被検体の形の違いによるビームハードニングの強弱の違いでも若干デュアルエネルギー撮影の加重加算の係数が少し変化してくる。このため、被検体の幾何学的特徴であるプロファイル面積、楕円率などを用いて、デュアルエネルギー撮影の画像再構成を行う断層像、またはX線投影データの加重加算処理の加重加算係数を微調整する必要がある。この加重加算係数を微調整することでデュアルエネルギー撮影の断層像の画質を最適化できることを特徴とするX線断層撮影装置を提供することで上記課題を解決する。
第1の観点のX線断層撮影装置は、第1エネルギースペクトルを有するX線と、第1エネルギースペクトルとは異なる第2エネルギースペクトルを有するX線とを被検体に照射するX線照射部と、被検体に照射された第1エネルギースペクトルの第1エネルギー投影データと第2エネルギースペクトルの第2エネルギー投影データとを収集するX線データ収集部と、第1エネルギー投影データもしくはこの第1エネルギー投影データを画像再構成した第1エネルギー断層像と、第2エネルギー投影データもしくはこの第2エネルギー投影データを画像再構成した第2エネルギー断層像とを、所定の加重加算係数を用いた加重加算処理を行って、デュアルエネルギー像を画像再構成するデュアルエネルギー像画像再構成部と、被検体の幾何学的特徴に応じて、加重加算係数を決定する係数決定部と、を備える。
被検体の幾何学的特徴、たとえば、大きさや形状、偏平度を表わす楕円近似した時の長径と短径の比である楕円率などによって、被検体におけるX線の透過経路が変化し、ビームハードニングの強弱は変化する。上記第1の観点におけるX線断層撮影装置では、被検体の各z方向座標位置における幾何学的特徴量に応じて、デュアルエネルギー撮影の画像再構成に用いられる加重加算処理の加重加算係数を決定することができる。これにより、デュアルエネルギー撮影の画質を最適にできる。
第2の観点の幾何学的特徴特定部は、X線照射部およびX線データ収集部を被検体に対して一定方向に固定したまま、第1エネルギースペクトルまたは第2エネルギースペクトルのX線の一方を照射しながらX線照射部およびX線データ収集部と被検体とを相対移動させて得られるスカウト像またはこのスカウト像の投影データに基づいて、被検体の幾何学的特徴を特定するものである。
上記第2の観点におけるX線断層撮影装置では、本スキャンの前に行われるスカウト像撮影においては、被検体の0度方向(y軸方向、垂直方向)または90度方向(x軸方向、水平方向)のスカウト像を撮影する。このスカウト像撮影のスカウト像またはスカウト像のX線投影データより、被検体の幾何学的特徴量を求めることができる。このため、被検体の各z方向座標位置における幾何学的特徴量に応じて、デュアルエネルギー撮影の画像再構成に用いられる加重加算処理の加重加算係数を微調整して、加重加算処理を最適化することができる。これにより、デュアルエネルギー撮影の画質を最適にできる。
第3の観点の幾何学的特徴特定部は、X線照射部およびX線データ収集部を被検体に対して回転させて、第1エネルギースペクトルまたは第2エネルギースペクトルのX線の一方を被検体に対して所定角度方向から照射し、照射して得られた投影データに基づいて、被検体の幾何学的特徴を特定するものである。
上記第3の観点におけるX線断層撮影装置では、X線管およびX線データ収集部は回転し、被検体の0度方向、90度方向のX線投影データを収集する。この被検体の0度方向、90度方向のX線投影データより、被検体の幾何学的特徴量を求めることができる。このため、被検体の幾何学的特徴量に応じて、デュアルエネルギー撮影の画像再構成に用いられる加重加算処理の加重加算係数を微調整して、加重加算処理を最適化することができる。これにより、デュアルエネルギー撮影の画質を最適にできる。なお、通常スカウト像撮影に用いられる0度方向または90度方向だけでなく、任意の方向のX線投影データからも被検体の幾何学的特徴量を求めることはできる。
第4の観点の幾何学的特徴特定部は、第3の観点において、X線照射部およびX線データ収集部を被検体に対して回転させて、X線の照射量を低減した低被曝のX線を被検体に照射しながら、X線照射部およびX線データ収集部と被検体とを相対移動させて得られる投影データに基づいて、被検体の幾何学的特徴を特定するものである。
上記第4の観点におけるX線断層撮影装置では、低被曝のX線を照射して被検体の幾何学的特徴を算出する。いわゆる本スキャン(コンベンショナルスキャン、ヘリカルスキャンなど)における撮影で、任意の方向のX線投影データからも被検体の幾何学的特徴量を求めることはできるが、本スキャン前に低被曝のX線を照射して被検体の幾何学的特徴量を求めることはできる。
第5の観点の幾何学的特徴特定部は、X線照射部およびX線データ収集部を被検体に対して回転させて、第1エネルギースペクトルおよび第2エネルギースペクトルのX線を被検体に対して所定角度方向から照射し、X線照射部およびX線データ収集部と被検体とを相対移動させて得られる投影データに基づいて、被検体の幾何学的特徴を特定するものである。
本スキャンの前に、ヘリカルスキャンで被検体を撮影し、そのz方向に連続した断層像からスカウト像や3次元画像を画像再構成することができる。また、低いX線管電圧と高いX線管電圧で交互にX線データ収集したりしてX線データ収集することにより、デュアルエネルギー撮影のヘリカルスカウトスキャンが行える。これにより、被検体の組織情報を含めたデュアルエネルギー撮影のスカウト像や三次元画像が画像再構成することができる。したがって、被検体の幾何学的特徴量および被検体の組織情報を求めることができる。
第6の観点のX線断層撮影装置は、第5の観点において、被検体の組織情報が、水等価な部分のプロファイル面積、脂肪等価な部分のプロファイル面積、骨等価な部分のプロファイル面積または造影剤等価な部分のプロファイル面積のいずれか一つを含む。
上記第6の観点におけるX線断層撮影装置では、第5の観点におけるデュアルエネルギー撮影のヘリカルスカウトスキャンにより、水等価画像などを得ることができ、これらに基づいて被検体の幾何学的特徴量および被検体の組織情報を求めることができる。
第7の観点の幾何学的特徴特定部は、被検体の体重、身長、年齢および性別のうち少なくとも一つの被検体情報を入力する入力部と、被検体情報に基づいて、あらかじめ記憶している複数の幾何学的特徴の中から適切な幾何学的特徴を特定するものである。
第7の観点におけるX線断層撮影装置では、被検体の体重、身長、年令、性別から各z方向の座標位置のプロファイル面積や楕円率は、あらかじめ統計的にデータを集めておく。そして、幾何学的特徴量を予想することが可能である。この統計データに基づき、被検体の幾何学的特徴を大まかに把握するには、体重、年令、性別、もしくはこれらのうちの少なくとも1つで被検体の大まかな体格がわかり、各部の大まかな大きさも予想することができる。これにより、各部の大まかな大きさからプロファイル面積、楕円率が統計的に予想できる。このため、被検体の幾何学的特徴量に応じて、デュアルエネルギー撮影の画像再構成に用いられる加重加算処理の加重加算係数を調整して加重加算処理を最適化することができる。
第8の観点のX線断層撮影装置は、被検体の幾何学的特徴量に、被検体のプロファイル面積および楕円率を含む。
第8の観点のX線断層撮影装置では、スカウト像のX線投影データ、本スキャンのあるビューのX線投影データのプロファイル曲線に基づいて、プロファイル面積やそのプロファイル面積を楕円近似した時の楕円の長径と短径の比である楕円率により表される。
第9の観点の幾何学的特徴特定部は、被検体の体軸方向の座標位置ごとに被検体の幾何学的特徴量求めるものである。
上記第9の観点のX線断層撮影装置では、各z方向座標位置の被検体の幾何学的特徴量を求めることができる。これらより、被検体の各z方向座標位置でどの程度、X線ビームハードニングが起きるかが予測できる。このため、被検体の各z方向座標位置における幾何学的特徴量に応じて、デュアルエネルギー撮影の画像再構成に用いられる加重加算処理の加重加算係数を各z方向座標位置ごとにおいて微調整することができる。これにより、デュアルエネルギー撮影の画質を最適にできる。
第10の観点のX線データ収集部は、360度のフルスキャンを2スキャン分、または180度+ファン角からなるハーフスキャンを2スキャン分行うことにより第1エネルギー投影データおよび第2エネルギー投影データを収集する。
上記第10の観点におけるX線断層撮影装置では、図15(a)のように360度フルスキャンを2スキャン分すれば、低いX線管電圧の360度フルスキャンのX線投影データを1スキャンと、高いX線管電圧の360度フルスキャンのX線投影データを1スキャン分とを得ることができる。また、図15(b)のように180度+ファン角のハーフスキャンを2スキャン分行えば、低いX線管電圧の180度+ファン角ハーフスキャンのX線投影データを1スキャン分と、高いX線管電圧の180度+ファン角ハーフスキャンのX線投影データを1スキャン分とを得ることができる。また、図24に示すようなスキャンも可能である。
第11の観点のX線断層撮影装置は、2スキャン分のフルスキャンは、第1エネルギースペクトルを有するX線によるフルスキャンと、第2エネルギースペクトルを有するX線によるフルスキャンとからなり、2スキャン分のハーフスキャンは、第1エネルギースペクトルを有するX線によるハーフスキャンと、第2エネルギースペクトルを有するX線によるハーフスキャンとからなる。
上記第11の観点におけるX線断層撮影装置では、図15に示すようなスキャンも可能である。
第12の観点は、360度のフルスキャンは、第1エネルギースペクトルを有するX線と第2エネルギースペクトルを有するX線とを交互複数回に切り替え、180度+ファン角からなるハーフスキャンは、第1エネルギースペクトルを有するX線と第2エネルギースペクトルを有するX線とを交互に複数回切り替えるによるハーフスキャンとからなる。
上記第12の観点におけるX線断層撮影装置では、図24(c)に示すような360度フルスキャンを2スキャン分するのに、低いX線管電圧と高いX線管電圧で交互にX線データ収集を行い、後で各ビュー角度のX線投影データを組合わせて、低いX線管電圧の360度フルスキャンのX線投影データ1スキャン分と、高いX線管電圧の360度フルスキャンのX線投影データ1スキャン分とを得ることができる。また、図24(d)に示すようにハーフスキャンでも可能である。
第13の観点は、X線照射部は、第1エネルギー投影データおよび第2エネルギー投影データを交互に複数回切り替えて、360度のフルスキャンを1スキャン分行う。
第13の観点におけるX線断層撮影装置では、360度フルスキャンを1スキャン分行い、その1スキャン中に低いX線管電圧と高いX線管電圧を切換えながら、低いX線管電圧のX線データ収集と高いX線管電圧のX線データ収集を交互に行う。後で各ビューのX線投影データを組み合わせて、低いX線管電圧の180度+ファン角ハーフスキャンのX線投影データ1スキャン分と、高いX線管電圧の180度+ファン角ハーフスキャンのX線投影データ1スキャン分とを得ることができる。
第14の観点では、第12の観点において、第1エネルギー投影データおよび第2エネルギー投影データを交互に複数回切り替えた2スキャン分の異なるビュー角度から、第1エネルギー投影データと第2エネルギー投影データとを収集する。
第15の観点におけるX線断層撮影装置では、第1エネルギー投影データと第2エネルギー投影データとが、ビュー方向に“入れ子”状態になった投影データを使用する。これを組み換えることで第1エネルギー投影データのフルスキャンまたはハーフスキャン分のX線投影データ、第2エネルギー投影データのフルスキャンまたはハーフスキャン分のX線投影データが各々得られる。
第15の観点では、第13の観点において、第1エネルギー投影データおよび第2エネルギー投影データのうち足りない投影データ分に対して補間処理を行う。
第13の観点におけるX線断層撮影装置では360度分のビューしかないため一部分のX線投影データは足りない。そこで、第16の観点におけるX線断層撮影装置は、足りないX線投影データはビュー方向に補間処理、または加重加算処理を行って、低いX線管電圧と高いX線管電圧の180度+ファン角ハーフスキャン分のX線投影データを得ることができる。
本発明のX線断層撮影装置によれば、X線断層撮影装置のコンベンショナルスキャンまたはヘリカルスキャンなどにおいて、原子の分布に関連したX線吸収係数におけるX線管電圧依存情報を表す断層像の画質を最適化するX線断層撮影装置を実現できる効果がある。
<X線CT装置の全体構成>
図1は、本発明の一実施形態にかかるX線CT装置100の構成ブロック図である。このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付けるキーボードまたはマウスなどの入力装置2と、前処理、画像再構成処理、後処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で収集したX線検出器データを収集するデータ収集バッファ5とを具備している。さらに、操作コンソール1は、X線検出器データを前処理して求められた投影データから画像再構成した断層像を表示するモニタ6と、プログラムやX線検出器データや投影データやX線断層像を記憶する記憶装置7とを具備している。撮影条件の入力はこの入力装置2から入力され、記憶装置7に記憶される。撮影テーブル10は、被検体HBを乗せて走査ガントリ20の開口部に出し入れするクレードル12を具備している。クレードル12は撮影テーブル10に内蔵するモータで昇降およびテーブル直線移動される。
走査ガントリ20は、X線管21と、X線コントローラ22と、コリメータ23と、ビーム形成X線フィルタ28と、多列X線検出器24と、データ収集装置(DAS:Data Acquisition System)25とを具備している。さらに、走査ガントリ20は、被検体HBの体軸の回りに回転しているX線管21などを制御する回転部コントローラ26と、制御信号などを操作コンソール1や撮影テーブル10とやり取りする制御コントローラ29とを具備している。ビーム形成X線フィルタ28は撮影中心である回転中心に向かうX線の方向にはフィルタの厚さが最も薄く、周辺部に行くに従いフィルタの厚さが増し、X線をより吸収できるようになっているX線フィルタである。このため、円形または楕円形に近い断面形状の被検体HBの体表面の被曝を少なくできるようになっている。
中央処理装置3は、ビームハードニング処理部33、画像再構成部34、デュアルエネルギー像再構成部35、幾何学特徴特定部37および係数決定部37を有している。
ビームハードニング処理部33は、投影データのビームハードニングを補正処理する。ビームハードニングとは、同一材質でも透過厚さによりX線吸収が変化し、CT画像上のCT値(輝度)が変わってしまう現象で、特に被検体HBを透過した放射線のエネルギー分布が高エネルギー側に偏ることをいう。このため、投影データのスライス方向、チャネル方向に対して、ビームハードニングを補正する。
画像再構成部34は、前処理部31で前処理された投影データを受け、その投影データに基づいて画像を再構成する。投影データは、周波数領域に変換する高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)がなされて、それに再構成関数Kernel(j)を重畳し、逆フーリエ変換する。そして、画像再構成部34は、再構成関数Kernel(j)を重畳処理した投影データに対して、三次元逆投影処理を行い、被検体HBの体軸方向(Z方向)ごとに断層像(xy平面)を求める。画像再構成部34は、この断層像を記憶装置7に記憶させる。
デュアルエネルギー像再構成部35は、低エネルギースペクトルのX線および高エネルギースペクトルのX線による投影データまたは断層像から、原子の分布に関連したX線管電圧依存情報の二次元分布断層像いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIを画像再構成する。
幾何学特徴特定部37は、デュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIの最適化するために、ビームハードニングの影響を避けながらデュアルエネルギー撮影の断層像の画質を最適にする。このため、被検体HBのプロファイル面積、楕円率などの幾何学的特徴量を算出する。
係数決定部38は、この幾何学的特徴量に応じて、デュアルエネルギー撮影の画像再構成の加重加算係数を決定する。この加重加算係数によりデュアルエネルギー像M−CSIが最適化される。
<X線管21と多列X線検出器24との配置>
図2は、X線管21と多列X線検出器24の配置の鳥瞰図である。図3は、X線管電圧情報が付加されたX線投影データを示す図である。
X線管21は、コーンビームと呼ばれるX線ビームCBを発生する。なお、コーンビームCBの中心軸方向がy方向に平行なときを、ビュー角度0度とする。多列X線検出器24は、z方向にJ列、例えば256列のX線検出器列を有する。また、各X線検出器列はチャネル方向にIチャネル、例えば1024チャネルのX線検出器チャネルを有する。
図2に示すように、X線管21のX線焦点FPから放射されたX線ビームCBは、ビーム形成X線フィルタ28によって、再構成領域Pの中心では、より多くのX線が照射されるように、再構成領域Pの周辺部では、より少ないX線が照射されるように、X線線量を空間的に制御される。その後、再構成領域Pの内部に存在する被検体HBにX線が吸収され、その被検体HBを透過したX線が多列X線検出器24でX線検出器データとして収集される。
また、X線管21のX線焦点から放射されたX線ビームCBは、X線コリメータ23により断層像のスライス厚方向に制御される。つまり、回転中心軸ICにおいてX線ビーム幅が制御される。そして、回転中心軸IC近辺に存在する被検体HBにX線が吸収され、その被検体HBを透過したX線は、多列X線検出器24でX線検出器データとして収集される。X線コントローラ22は出力しているX線のX線管電圧値、X線管電流値をデータ収集装置(DAS)へ送る。図3に示すように、X線データ収集時にビューごとにそのビューのX線管電圧値、X線管電流値をX線投影データD(1,row,ch)に付加させてX線データ収集を行うこともできる。
このように、X線が被検体HBに照射されることによって収集されたX線投影データは、多列X線検出器24からデータ収集装置(DAS)25へ出力されてA/D変換される。そして、スリップリング30を経由してデータ収集バッファ5に入力される。その後、そのデータ収集バッファ5に入力されたデータは、記憶装置7のプログラムにより中央処理装置3で処理され、断層像に画像再構成される。その後、その断層像がモニタ6の表示画面に表示される。なお、本実施形態では多列X線検出器24を適用した場合であるが、フラットパネルX線検出器に代表されるマトリクス構造の二次元X線エリア検出器を適用することもできるし、一列のX線検出器を適用することができる。
なお、X線管21およびX線コントローラ22は、その時点までに出力されたX線出力の履歴に応じたX線管の負荷量を常時、中央処理装置3のソフトウェアまたはX線コントローラ22のソフトウェアが管理している。これによりX線管21の出力できる最大X線出力条件は、それまでにX線管21の出力の履歴に応じて時々刻々と変化する。このようなX線管負荷管理理機能により、X線管21の破損などがないようにX線管21を防御し、守ることができる。
<X線CT装置の動作フローチャート>
図4は、本実施形態のX線CT装置についての動作の概要を示すフローチャートである。
ステップP1では、被検体HBをクレードル12に乗せ、位置合わせを行う。ここでは、クレードル12の上に乗せられた被検体HBは各部位の基準点に走査ガントリ20のスライスライト中心位置を合わせる。そして、スカウト像(スキャノ像、X線透視像ともいう。)収集を行う。スカウト像撮影では、X線管21と多列X線検出器24とを固定させ、クレードル12を直線移動させながらX線検出器データのデータ収集動作を行う。ここでは、スカウト像は通常0度,90度のビュー角度位置で撮影される。図2中の右側は、0度で胸部付近のを撮影したスカウト像41の例である。このスカウト像41上から断層像の撮影位置を計画できる。
ステップP2では、スカウト像41上に撮影する断層像の位置、大きさを表示させながら撮影条件設定を行う。スカウト像41中に示した点線は、断層像画像の位置である。本実施形態では、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)、ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャンなどの複数のスキャンパターンを有している。コンベンショナルスキャンとは、クレードル12をz軸方向に所定の間隔で移動するごとにX線管21および多列X線検出器24を回転させてX線投影データを取得するスキャン方法である。ヘリカルスキャンとは、X線管21と多列X線検出器24からなるX線データ収集系が回転しながらクレードル12を一定速度で移動させ、X線投影データを収集する撮影方法である。可変ピッチヘリカルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にX線管21および多列X線検出器24からなるX線データ収集系を回転させながらクレードル12の速度を可変させてX線投影データを収集する撮影方法である。ヘリカルシャトルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にX線管21および多列X線検出器24からなるX線データ収集系を回転させながらクレードル12を加速・減速させて、z軸の正方向またはz軸の負方向に往復移動させてX線投影データを収集するスキャン方法である。これらの複数の撮影を設定すると、1回分の全体としてのX線線量情報の表示を行う。
断層像の撮影条件設定においては、X線CT装置100の自動露出機構を用いることにより、被検体HBの被曝を最適化することもできる。また、この断層像撮影条件設定において、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像撮影のために、X線管21の低いX線管電圧、たとえば80kV、の撮影条件と、高いX線管電圧、たとえば140kV、の撮影条件とを設定できる。また、デュアルエネルギー撮影における自動露出機構においては、デュアルエネルギー断層像の最終的な画像のノイズ指標値が設定されたノイズ指標値にほぼ等しくなるように、低いX線管電圧の撮影条件と高いX線管電圧の撮影条件を定めることができる。また、この時に低いX線管電圧の断層像の画像ノイズと高いX線管電圧の断層像の画像ノイズがほぼ等しくなるように、各々のX線管電圧の撮影条件を定めるのがX線被曝最適化の観点からは好ましい。
ステップP3ないしステップP9では、断層像撮影を行う。ステップP3において、X線データ収集を行う。ここでヘリカルスキャンによってデータ収集を行う場合には、X線管21と多列X線検出器24とを被検体HBの回りに回転させ、かつ、撮影テーブル10上のクレードル12を直線移動させながら、X線検出器データのデータ収集動作を行う。そして、ビュー角度viewと、検出器列番号jと、チャネル番号iとで表わされるX線検出器データD0(view,j,i)(j=1〜ROW,i=1〜CH)にz方向座標位置Ztable(view)を付加させる。このようにヘリカルスキャンにおいては、一定速度の範囲のX線検出器データ収集を行う。このz方向座標位置はX線投影データ(X線検出器データ)に付加させても良いし、また別ファイルとしてX線投影データと関連付けて用いても良い。ヘリカルシャトルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン時にX線投影データを三次元画像再構成する場合に、このz方向座標位置の情報は用いられる。また、ヘリカルスキャンまたはコンベンショナルスキャンまたはシネスキャン時に用いることにより、画像再構成された断層像の精度改善、画質改善を実現することもできる。
このz方向座標位置は撮影テーブル10のクレードル12の位置制御データを用いても良いし、撮影条件設定時に設定された撮影動作から予測される各時刻におけるz方向座標位置を用いることもできる。また、コンベンショナルスキャンまたはシネスキャンによってX線データ収集を行う場合には、撮影テーブル10上のクレードル12を、あるz方向位置に固定させたまま、X線データ収集系を1回転または複数回転させてX線検出器データのデータ収集を行う。そして、必要に応じて、次のz方向位置に移動した後に、再度X線データ収集系を1回転または複数回転させてX線検出器データのデータ収集を行う。
ステップP4では、X線検出器データD0(view,j,i)に対して前処理を行い、投影データに変換する。具体的には、オフセット補正を行い、対数変換を行い、X線線量補正を行い、そして感度補正を行う。
ステップP5では、ビームハードニング処理部33がビームハードニング補正を行う。ここでは、前処理された投影データD1 (view,j,i)に対して、ビームハードニング補正を行う。この時、検出器の各j列ごとに独立したビームハードニング補正を行なえるため、撮影条件で各X線データ収集系の管電圧が異なっていれば、列ごとの検出器のX線エネルギー特性の違いを補正できる。本実施形態では、被検体HBのプロファイル面積、楕円率などに応じて、ビームハードニング補正の処理を変更する。
ステップP6では、画像再構成部34がzフィルタ重畳処理を行う。ここでは、ビームハードニング補正された投影データD11(view,j,i)に対して、z方向(列方向)のフィルタをかけるzフィルタ重畳処理を行う。すなわち、各ビュー角度、各X線データ収集系における前処理後、ビームハードニング補正された多列X線検出器D11(view,j,i) (i=1〜CH, j=1〜ROW)の投影データに対し、列方向に例えば列方向フィルタサイズが5列のフィルタをかける。
また、列方向フィルタ係数をチャネルごとに変化させると、画像再構成中心からの距離に応じてスライス厚を制御できる。一般的に、断層像では、再構成中心に比べ周辺部の方が、スライス厚が厚くなる。このため、フィルタ係数を中心部と周辺部で変化させて、スライス厚は周辺部でも画像再構成中心部でもほぼ一様にすることもできる。例えば、列方向フィルタ係数を中心部と周辺部で変化させて、列方向フィルタ係数を中心部チャネル近辺では列方向フィルタ係数の幅を広く変化させると共に、周辺部チャネル近辺では列方向フィルタ係数の幅をせまく変化させることにより、スライス厚を周辺部と画像再構成中心部との両方においてほぼ一様にすることができる。
このように、多列X線検出器24の中心部チャネルと周辺部チャネルとのそれぞれにおいて列方向フィルタ係数を制御することにより、スライス厚を中心部と周辺部とのそれぞれにおいて制御できる。列方向フィルタでスライス厚を弱干厚くすると、アーチファクト、ノイズともに大幅に改善される。これによりアーチファクト改善具合、ノイズ改善具合も制御できる。つまり、三次元画像再構成された断層像つまり、xy平面内の画質が制御できる。また、その他の実施形態として、列方向(z方向)フィルタ係数を逆重畳(デコンボリューション)フィルタにすることにより、薄いスライス厚の断層像を実現することもできる。また、必要に応じてファンビームのX線投影データを平行ビームのX線投影データに変換する。
ステップP7では、画像再構成部34が再構成関数重畳処理を行う。すなわち、X線投影データを周波数領域に変換するフーリエ変換(Fourier Transform)を行い、再構成関数を掛け、逆フーリエ変換する。
ステップP8では、画像再構成部34が三次元逆投影処理を行う。ここでは、再構成関数重畳処理した投影データD3(view,j,i)に対して、三次元逆投影処理を行い、逆投影データD3(x,y,z)を求める。画像再構成される画像はz軸に垂直な面である。xy平面に三次元画像再構成される。以下の再構成領域Pはxy平面に平行なものとする。
ステップP9では、画像再構成部34が後処理を行う。逆投影データD3(x,y,z)に対して画像フィルタ重畳、CT値変換などの後処理を行い、断層像D31(x,y,z)を得る。
ステップP10では、画像再構成された断層像を表示する。断層像の例として、図2の右側に断層像Gを示す。
ステップP11では、デュアルエネルギー像M−CSIの表示を行う。ここでは、高いX線管電圧で得た高エネルギー投影データもしくはこの高エネルギー投影データを画像再構成した高エネルギー断層像に加重加算係数を乗じた値から、低いX線管電圧で得た低エネルギー投影データもしくはこの低エネルギー投影データを画像再構成した低エネルギー断層像を差分して、デュアルエネルギー像M−CSIを画像再構成する。
<デュアルエネルギー撮影>
上述のようなX線CT装置100において、原子の分布に関連したX線管電圧依存情報の二次元分布断層像を得る。すなわち、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIで、弁別したい物質または強調したい物質の二次元分布断層像を得る。
<<断層像Tからデュアルエネルギー像を得る方法>>
図5は、断層像撮影を低いX線管電圧と高いX線管電圧とで、各々のX線管電圧の断層像Tを加重加算処理し、デュアルエネルギー撮影した断層像M−CSIを求める図である。
いわゆるデュアルエネルギー撮影は、あるz方向座標位置を、低いX線管電圧例えば80kVの断層像と、高いX線管電圧例えば140kVの断層像とを加重加算処理することにより所望の物質の定量的な分布画像の断層像M−CSIを求める。なお、本明細書では、加重係数をプラスとした加重減算処理も加重加算係数をマイナスとした加重加算処理と変わらないことから、加重加算処理という言葉で説明する。
図5に示すように、まず、低いX線管電圧のX線投影データD−L、高いX線管電圧のX線投影データD−Hを求める。画像再構成部34は、この低いX線管電圧のX線投影データD−L、高いX線管電圧のX線投影データD−Hから、図4で説明したようにステップP4からステップP9を行い、低いX線管電圧の断層像G−Lおよび高いX線管電圧の断層像G−Hを画像再構成する。デュアルエネルギー像再構成部35は、低いX線管電圧の断層像G−Lには加重加算係数w1を乗算し、高いX線管電圧の断層像G−Hには加重加算係数w2を乗算し、定数C1とともに加重加算処理を行う。この加重加算係数w1,w2および定数C1は、抽出したい原子、強調したい原子、表示上で消したい原子または部位により定まる。例えばCT値の近い、骨や石灰化を構成するカルシウム成分(Ca成分)と、ヨウ素を主成分とする造影剤(Iodine成分)を分離したい場合、カルシウム成分を表示上で消すと、つまりカルシウム成分の画素値を0にすると造影剤成分が抽出され強調されて表示される。また、反対に造影剤成分を表示上で消すと、つまり造影剤成分の画素値を0にするとカルシウム成分が抽出され、骨や石灰化の部分が強調されて表示される。図4では脂肪情報の抽出を示している。
<<投影データDからデュアルエネルギー像を得る方法>>
図6は、低いX線管電圧で収集されたX線投影データD−Lと高いX線管電圧で収集されたX線投影データD−Hの各々のX線投影データを加重加算処理し、加重加算処理されたX線投影データを画像再構成してデュアルエネルギー撮影した断層像M−CSIを求める図である。
図5で示した方法では、被検体HBの断面積が大きくなった場合にビームハードニングの影響を受けやすく、被検体HBの断面積の大小で多少、加重加算係数が異なってくる場合がある。これを避けるために、X線投影データ空間における、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIの画像再構成を行い、X線投影データの加重加算処理の前後のいずれか一方においてビームハードニング補正を行いデュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIを得ている。
ここでは、デュアルエネルギー像再構成部35は、低いX線管電圧のX線投影データD−Lに加重加算係数w1を乗算し、高いX線管電圧のX線投影データD−Hに加重加算係数w2を乗算し、定数C1とともに加重加算処理を行っている。
図5で説明した、画像空間、断層像空間におけるデュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIと同様に、この加重加算係数w1,w2および定数C1は、抽出したい原子、強調したい原子、表示上で消したい原子または部位により定まる。例えばCT値の近い骨、石灰化を構成するカルシウム成分(Ca成分)と、ヨウ素を主成分とする造影剤(Iodine成分)を分離したい場合、カルシウム成分を表示上で消すと、つまりカルシウム成分の画素値を0にすると造影剤成分が抽出され、強調されて表示される。また、反対に造影剤成分を表示上で消すと、つまり造影剤成分の画素値を0にするとカルシウム成分が抽出され、骨や石灰化の部分が強調されて表示される。
図6の投影データ空間において、画像再構成部34は、X線投影データの加重加算処理を用いて、低いX線管電圧のX線投影データD−L、高いX線管電圧のX線投影データD−Hを求め、これらを画像再構成して、低いX線管電圧の断層像G−L、高いX線管電圧の断層像G−Hが求められる。また、この時に用いられるX線投影データD−LまたはR−Highは、前処理およびビームハードニング補正を行われたX線投影データを用いる。特にビームハードニング補正では、各X線管電圧において水等価なX線透過経路長にすることにより、水以外の物質のX線吸収係数のX線管電圧依存性をより正しく評価することができる。
<<デュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIのS/N比>>
X線管電圧80kVとX線管電圧140kVとのヘリカルスカウトスキャンのz方向に連続した断層像を加重加算処理して、いわゆるデュアルエネルギー像M−CSIを求める場合に、z方向にデュアルエネルギー撮影の断層像の画質を一定にすることが必要である。そのために、X線管電圧80kVのX線管電流値とX線管電圧140kVのX線管電流値を制御する必要がある。ここでは、X線管電圧80kVの断層像の画像ノイズとX線管電圧140kVの断層像の画像ノイズとを等しくするか、ある一定の比にするようにしている。上記のように、複数のX線管電圧の断層像によりデュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIを求める際には、加重加算処理で差画像を得る。このため、元の複数のX線管電圧の断層像に比べ、デュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIのSNが悪くなる、画像ノイズが悪化するまたは画質が落ちるという特徴がある。このため、元の低エネルギーおよび高エネルギーのX線管電圧の断層像の撮影条件は被検体HBの被曝を考慮しつつ、デュアルエネルギー撮影の断層像の画像ノイズも考慮して決めなければならない。
一般的に図7(a)に示すように、画像ノイズがN1、信号がS1、S/N比がN1/S1である低いX線管電圧の断層像G−Lと、画像ノイズがN2、信号がS2、S/N比がN2/S2である高いX線管電圧の断層像G−Hとの差画像を求めると、差画像のS/N比SNSubは以下の(数式1)のようになる。
…(数式1)
なお、相加相乗平均の定理より、以下の(数式2)が成り立つ。
…(数式2)
つまり、N1=N2*w2/w1の時、差画像の画像ノイズNSubは最小となる。
本実施形態の場合は、加重加算処理に加重加算係数w1,w2が入っているので、上記にこれを考慮して以下の(数式3)の式のようになる。
…(数式3)
つまり、加重加算係数分を考慮して、X線管電圧80kVの断層像G−Lの画像ノイズとX線管電圧140kVの断層像G−Hの画像ノイズとがほぼ等しくなれば良い。
また、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像撮影において、なるべく少ないX線被曝線量で、より良いS/N比を得るためのX線管電圧の決定方法としては、抽出したい物質、強調したい物質により決める必要がある。
図7(b)は、抽出したい物質が有しているX線管電圧依存性を示した図である。物質Aの各X線エネルギーのX線吸収係数をμa(kV)、物質Bの各X線エネルギーのX線吸収係数をμb(kV)、物質Cの各X線エネルギーのX線吸収係数をμC(kV)とする。また、低いX線管電圧kV1の実効エネルギーをekV1、高いX線管電圧kV2の実効エネルギーをekV2とする。また、X線CT装置100の断層像Tの各画素のCT値をga(x,y)と、X線管電圧kV1の場合の変換係数をCkV1と、X線管電圧kV2の場合の変換係数をCkV2とする。
この場合に、物質Aを低いX線管電圧kV1と高いX線管電圧kV2で撮影した場合に、物質AのCT値はkV1ではCkV1・μa(ekV1)、kV2ではCkV2・μa(ekV2)となる。
この時に、デュアルエネルギー撮影の断層像の画素値としては以下の(数式4)のようになる。
…(数式4)
これは物質Aを消去して、他の物質を強調する場合である。また、他の物質Bを消去した場合に物質Aは強調される。
一般的に以下の(数式5)のΔμが大きいほどデュアルエネルギー撮影の断層像のSNは良くなり、画像ノイズは改善される。
…(数式5)
このように、デュアルエネルギー撮影の断層像の画像ノイズ,SNを改善するには、低いX線管電圧kV1の実効エネルギーekV1におけるX線吸収係数μ(ekV1)と、高いX線管電圧kV2の実効エネルギーekV2におけるX線吸収係数μ(ekV2)との差が大きい物質、特に造影剤を選び、また、その物質のX線吸収係数の差がなるべく大きくなるように、低いX線管電圧kV1および高いX線管電圧kV2を選ぶ。これにより、デュアルエネルギー撮影の断層像の画像ノイズ,SNを改善し、X線被曝を低減することができる。
特に、図7(b)の物質Bにおいては、K吸収端により急激なX線吸収係数の変化がある。このような急激なX線吸収係数の変化をうまく利用して、低いX線管電圧kV1、高いX線管電圧kV2を選ぶことで、デュアルエネルギー撮影の断層像の画像ノイズ,SNを改善し、X線被曝を低減することができる。
また、X線管21またはX線発生装置の出力の制約条件より、低いX線管電圧の断層像G−Lの画像ノイズと、高いX線管電圧の断層像G−Hの画像ノイズとを等しくまたは、ほぼ等しくできない場合がある。この場合は、画像ノイズが悪い方の断層像の画像再構成において、画像ノイズの少ない再構成関数を用いて画像再構成を行う、または画像空間のノイズフィルタまたはX線投影データ空間のノイズフィルタをかけることで、低いX線管電圧の断層像の画像ノイズと、高いX線管電圧の断層像の画像ノイズとをほぼ等しくする。これにより、被検体HBのX線吸収係数のX線管電圧依存情報を表わす断層像を、より少ない被曝で、より良い画質で得ることができる。
好ましくは、加重加算係数を乗算した各断層像のノイズをほぼ等しくする。すなわち、加重加算係数w1およびw2は、何の原子、物質、部位を消したいか、何の原子、物質、部位を強調したいかで決まってくる。例えば、X線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像を用いて、カルシウム、造影剤のヨウ素を消したい場合は、w1/w2は、およそ1/1.3〜1/2ぐらいの範囲になる。つまり、高いX線管電圧の断層像の画像ノイズを、およそ2倍程度良くしておけば良い。
もし、この調整をより正しくまたは自動化する際には、あらかじめ被検体HBと同じプロファイル断面積程度のファントムを用いて、低いX線管電圧の各X線管電流値に対し、高いX線管電圧の各X線管電流値がどの程度の画像ノイズになるかを知っておけば良い。
<被検体HBの幾何学的特徴量の特定方法及び加重加算係数の決定方法>
上記のようなX線CT装置100において、被検体HBのプロファイル面積、楕円率などの幾何学的特徴量を特定する。この幾何学的特徴量の特定は、幾何学的特徴量特定部37において実施される。この幾何学的特徴量に応じてデュアルエネルギー撮影(Dual Energy Scan)の画像再構成の加重加算係数を変化させて、ビームハードニングの影響を避けながらデュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIの画質を最適にする。この加重加算係数は、係数決定部38において決定される。
以下、第一実施例から第五実施例を用いて、被検体HBの幾何学的特徴量の特定方法及び加重加算係数の決定方法を説明する。
<<第一実施例>>
第一実施例においては、0度方向(y軸方向)、90度方向(x軸方向)、180度方向(y軸方向)または270度方向(x軸方向)のうち少なくとも1つの方向のスカウト像またはスカウト像のX線投影データより被検体HBのプロファイル曲線を得る。そして、被検体HBの幾何学的特徴を表わすプロファイル面積、楕円率、最大プロファイル値、プロファイル値の大きい方の5%の平均プロファイル値、プロファイル幅などを求める。スカウト像撮影は、例えばX線管電圧が120kVである。
これらの被検体HBの幾何学的特徴量を各z方向座標位置において求め、z方向座標位置のデュアルエネルギー撮影の画像再構成の変数である加重加算係数値を定めデュアルエネルギー撮影を行う。
この時の処理の流れを図8に示す。図8は、スカウト像より被検体の幾何学的特徴により各z方向座標位置のデュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIの画質を最適化するフローチャートである。
図8のステップD1では、被検体HBを撮影テーブル10のクレードル12に乗せ、位置合わせを行う。デュアルエネルギー撮影の際に、X線管電圧80kVの撮影とX線管電圧140kVの撮影との間で被検体HBが動いてしまうと位置ずれアーチファクトが発生してしまうため、被検体HBは動かないように固定しておく。
ステップD2では、スカウト像撮影、スカウト像の画像再構成、及びスカウト像の表示を行う。
図9は、スカウト像画像再構成の例1から例3を示した図である。また、図9(d)は図9(b)のスカウト像の画像再構成のフローチャートである。
スカウト像のX線投影データは、X線発生装置であるX線管21と多列X線検出器24からなるX線データ収集系を回転させずに固定したままX線データ収集を行ったスカウト像X線データ収集時の多列X線検出器24のX線投影データである。このスカウト像のX線投影データを図9(a)のようにそのまま円弧状のスカウト像CSとして表示させてしまう場合もあるが、通常は図9(b)のように円弧状の多列X線検出器24上で収集されたX線投影データをX線データ収集系の回転中心を含むxz平面に円弧直線変換して歪みをなくした処理後にスカウト像PSとして表示する。図9(d)にスカウト像画像再構成の処理の流れを示す。
図9(d)ステップS101では、スカウト像データ収集を行う。
図9(d)ステップS102では、前処理を行う。
図9(d)ステップS103では、円弧直線変換を行う。
図9(d)ステップS104では、スカウト像用画像フィルタ重畳を行う。なお、X線透視像により近く見えるように多少の輪郭強調フィルタをかけている。
図9(d)ステップS105では、スカウト像表示を行う。
このように、多列X線検出器24で得られるスカウト像のX線投影データより被検体HBの幾何学的特徴量を求めた場合と、スカウト像より被検体HBの幾何学的特徴量を求めた場合では以下の点が異なる。
(1) 円弧直線変換を行っているかの有無
(2) スカウト像用画像フィルタ重畳を行っているかの有無
しかし、これらの差異は通常わずかな差であるため、被検体HBの幾何学的特徴量を求める場合にはこの差は許容誤差として気にしない。
図8のステップD3では、本スキャンの撮影条件設定を行う。このとき、被検体HBのスカウト像を見ながら、本スキャンの撮影条件設定を行う。ここで、デュアルエネルギー撮影のz方向範囲分を設定する。デュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIを撮影計画時に用いると、例えば石灰化を強調したスカウト像を表示し、石灰化のある部位を中心に撮影計画することができる。動脈内に石灰化した部分をあらかじめ石灰化を強調したスカウト像において確認できれば、撮影計画時に石灰化の部分を中心に撮影計画を立て、石灰化の部位のより詳細な診断が本スキャンの断層像または三次元画像において行える。
図8のステップD4では、第一幾何学特徴特定部37−1が、スカウト像またはスカウト像のX線投影データより被検体HBの各z方向座標位置のプロファイル面積s、楕円率eを求める。
図10(a)は、プロファイル曲線から求められる被検体HBの幾何学的特徴量を示す図である。
通常のスカウトスキャンでは、図10(a)に示されるように、ファンビームによるプロファイル曲線となる。尚、プロファイルカーブにノイズが多く含まれている場合、被検体HBの形状が複雑な場合に最大プロファイル値が不安定になりそうな場合は、プロファイル値の大きい方の5%のプロファイル値の平均値を使うと安定する。最大プロファイル値a、プロファイル幅bより楕円率eは、e=a/bで求められる。
ここで求めている被検体HBの幾何学的特徴量は図10(a)に示すようにプロファイル面積s、最大プロファイル値a、プロファイル幅bの幾何学的特徴量を求めている。前述の通り、ノイズの影響を避けるために最大プロファイル値aの代わりに、プロファイル値の大きい方の5%の平均プロファイル値を用いても良い。多列X線検出器24がチャネル方向に1000チャネルあった場合は、5%の平均プロファイル値とは50個の平均プロファイル値となる。また、プロファイル幅bはb=s/π・aにより求めることもできる。
このように、被検体HBの幾何学的特徴量を求めた後、引き続き図10のステップD4においては、係数決定部38が、各z方向座標位置の被検体HBの幾何学的特徴量に応じてデュアルエネルギー撮影の加重加算処理の加重加算係数w1,w2を決定する。w1,w2はデュアルエネルギー撮影の画像再構成におけるX線管電圧80kVの加重加算係数をw1、X線管電圧140kVの加重加算係数をw2としている。
ただし、w1,w2の加重加算係数の制約条件としてw1+w2=1の関係がある。
また、被検体HBのデュアルエネルギー撮影においては、以下の等価画像を作ることが考えられる。
水等価画像:水等価な部分を消した画像
脂肪等価画像:脂肪等価な部分を消した画像
骨等価画像:骨等価な部分を消した画像
造影剤等価画像:造影剤等価な部分を消した画像
例えばCT値の近い造影剤と骨とでは、骨等価画像では造影剤が強調されて表示される。造影剤等価画像では、骨が強調されて表示される。
デュアルエネルギー撮影においては、低いX線管電圧の断層像またはスカウト像と高いX線管電圧の断層像またはスカウト像とを加重加算処理を行う際に、抽出したいまたは強調したい物質、または原子とほぼ近いX線吸収係数を持つその他の物質、または原子を消去することによって、抽出したいまたは強調したい物質、または原子を逆に目立たせることができる。その他の物質や原子を消すためには、消去したい物質や原子を消去するために、消去したい物質や原子の低いX線管電圧のX線吸収係数と、高いX線管電圧のX線吸収係数の比の値で、低いX線管電圧の断層像と高いX線管電圧の断層像の加重加算処理の係数を設定して加重加算処理を行えば良い。
例えば、ある1つの物質の低いX線管電圧の吸収係数をμa、高いX線管電圧のX線吸収係数をμbとすると、加重加算係数w1,w2を以下の(数式6)のようにした時に、(数式7)に示すような加重加算処理を行うことにより、ある物質を消去した画像が得られる。ただし、X線管電圧80kVの断層像をImage80、X線管電圧140kVの断層像をImage140としている。
…(数式6)
…(数式7)
このようにして、ある1つの物質を消去した断層像を求めるために、低いX線管電圧のスカウト像または断層像と、高いX線管電圧のスカウト像または断層像とを加重加算処理を行う。また、低いX線管電圧のスカウト像または断層像のX線投影データと、高いX線管電圧のスカウト像または断層像のX線投影データとを加重加算処理を行う。
次に、幾何学的特徴量であるプロファイル面積sと楕円率eとデュアルエネルギー撮影の加重加算処理の加重加算係数との関係の求め方について説明する。
図11は、各々の大きさまたは各々の楕円率のファントムを示す図である。また、図12は、各ファントムにおける加重加算係数の調整のフローチャートである。
図11の各ファントムは水または水等価材でできているファントムで、中心部に求めたい等価画像の物質を置いてある。例えば図11の場合は、各ファントムの中心部に造影剤部分と骨と等価な石灰化部分を用意している。また、水または水等価済のファントムの大きさであるプロファイル面積、および楕円率はほぼカバーできる範囲の水または水等価材のファントムを用意しておく。これらのファントムについてX線管電圧80kV、X線管電圧140kVの断層像を求め、骨等価画像を得るデュアルエネルギー撮影の加重加算係数w2i,w2cを求めることができる。
図12に各ファントムにおける加重加算係数を調整して求める処理の流れを示す。
ステップT1では、X線管電圧80kVの断層像G80(x,y)を入力する。
ステップT2では、X線管電圧140kVの断層像G140(x,y)を入力する。
ステップT3では、造影剤等価画像Giodine(x,y)を(数式8)で求める。
…(数式8)
ステップT4では、造影剤の部分は“0”かを判断し、YESであればステップT5へ行き、NOであればステップT6へ行く。
ステップT5では、造影剤等価画像のw2iを定める。デュアルエネルギー撮影の加重加算係数はw1=1−w2i,w2=w2iとなる。
ステップT6では、造影剤の部分は“+”かを判断し、YESであればステップT7へ行き、NOであればステップT8へ行く。
ステップT7では、w2i=w2i+εとし、ステップT3へ戻る。
ステップT8では、w2i=w2i−εとし、ステップT3へ戻る。
ステップT9では、骨等価画像Gca(x,y)を(数式9)で求める。
…(数式9)
ステップT10では、骨の部分は“0”かを判断し、YESであればステップT11へ行き、NOであればステップT12へ行く。
ステップT11では、骨等価画像のw2cを定める。デュアルエネルギー撮影の加重加算係数はw1=1−w2c,w2=w2cとなる。
ステップT12では、骨の部分は“+”かを判断し、YESであればステップT13へ行き、NOであればステップT14へ行く。
ステップT13では、w2c=w2c+εとし、ステップT9へ戻る。
ステップT14では、w2c=w2c−εとし、ステップT9へ戻る。
ステップT15では、全てのファントムについてw2i,w2cを求めたかを判断し、YESであれば終了し、NOであればステップT1へ戻る。
このようにして、各ファントムにおける造影剤の部分、または骨に相当するカルシウムの部分を“0”に収束するようにw2i,w2cを繰り返し調整し、最終的に造影剤のデュアルエネルギー撮影の加重加算係数はw1=1−w2i,w2=w2i、骨のデュアルエネルギー撮影の加重加算係数はw1=1−w2c,w2=w2cとなる。
以上より、係数決定部38には、各々の大きさ、各々の楕円率のファントムにおける各々の造影剤等価画像、または骨等価画像を求めるデュアルエネルギー撮影の加重加算係数を予め決定して記憶されている。各々の大きさ、各々の楕円率のファントムにおいては、各々X線ビームハードニングの様子が異なる。このため係数決定部38は、各々の大きさ、各々の楕円率のX線ビームハードニングを反映させたデュアルエネルギー撮影の加重加算係数が決定されている。これらのファントムにおけるプロファイル面積、および楕円率を考慮して各々のデュアルエネルギー撮影の加重加算係数を補間して行くと、図13(a)のようなグラフが等価画像ごとに求められる。ここで、 図13(a)は、被検体HBの幾何学的特徴量におけるデュアルエネルギー撮影の係数変化を示す図である。図13(b)は、被検体HBのN個の幾何学的特徴量におけるデュアルエネルギー撮影の係数のN+1次元曲面を示す図である。
図13(a)に被検体HBのプロファイル面積sおよび楕円率eが変化した場合のデュアルエネルギー撮影の係数w1/w2の変化の例を示す。図13(a)では、第一幾何学特徴特定部37−1は、被検体HBの幾何学的特徴量はプロファイル面積sと楕円率eしか用いていないが、他の幾何学的特徴量を加えても良い。この場合は図13(b)に示すように、被検体HBのN個の幾何学的特徴量におけるデュアルエネルギー撮影の係数w1/w2がN+1次元曲面となって定められる。
尚、図12においては、造影剤等価画像と骨等価画像の場合を用いているが、係数決定部38は、水等価画像や脂肪等価画像の場合のデュアルエネルギー撮影の加重加算係数を決定して記憶しておくことができる。
そして、係数決定部38は、上記のように記憶された幾何学的特徴量と加重加算係数との関係を用いて、スカウト像により特定された幾何学的特徴量に基づいて、デュアルエネルギー撮影のz方向範囲分に関して各z方向座標位置のデュアルエネルギー撮影の加重加算処理の加重加算係数を決定する。
次に、図8のステップD5では、X線管電圧80kVの撮影を行う。
図8のステップD6では、X線管電圧80kVの画像再構成を行う。
図8のステップD7では、X線管電圧140kVの撮影を行う。
図8のステップD8では、X線管電圧140kVの画像再構成を行う。
図8のステップD9では、X線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像を用いて加重加算処理を行う。ただし、加重加算係数は各z方向座標位置ごとにステップD4で定めた加重加算係数を用いる。
図8のステップD10では、デュアルエネルギー撮影の断層像を画像再構成する。
図8のステップD11では、デュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIを表示する。
なお、本実施形態においては、スカウト像は一方向で幾何学的特徴量を出していたが、図10(a)に示すようにファンビームによるスカウト像であるため、図10(c)に示すようにX線焦点に近い場合と、X線焦点から遠い場合でプロファイル曲線の範囲、プロファイル面積の大きさが変わる可能性が大きい。これを避けるためにz方向のスカウト像を用いることで、幾何学的特徴量の精度を上げることができる。例えば、0度方向のスカウト像と90度方向のスカウト像とから幾何学的特徴量を各々求めて各々の平均値を用いてもよい。なお、位置ずれを考慮する必要がある場合がある。
図14(a)は、被検体の上下方向の位置ずれを90度方向のスカウト像より判断する場合を示す図である。図14(b)は、二方向のスカウト像より幾何学的特徴パラメータを用いる場合を示すフローチャートである。
図14(a)のように被検体HBの上下方向のずれを90度方向のスカウト像より判断することができる。被検体HBの影が被検体HB−Aのように多列X線検出器24のチャネル方向の中心に対称にあれば被検体HBは上下方向の正しい位置にあると言える。しかし、被検体HB−Bのように多列X線検出器24のチャネル方向の中心に対称になければ被検体HBは上下方向の正しい位置にないとする。この判断を用いて0度方向のスカウト像の幾何学的特徴量を用いるか否かを判断することができる。
図14(b)にその判断のフローチャートを示す。
ステップC1では、90度方向のスカウト像から見て、被検体HBは上下の適切な位置にあるかを判断し、YESであればステップC2へ行き、NOであればステップC3へ行く。
ステップC2では、0度方向のスカウト像の幾何学的特徴量、90度方向のスカウト像の幾何学的特徴量の各々の平均値を幾何学的特徴量とする。
ステップC3では、90方向のスカウト像の幾何学的特徴量を用いる。
このようにして、第一幾何学特徴特定部37−1は、0度方向、90度方向のスカウト像を用いて、より精度の高い幾何学的特徴量を求めることができる。
<<第二実施例>>
本実施例は、スキャンのあるビューのX線投影データより被検体HBの幾何学的特徴であるプロファイル面積、楕円率を得る。そして、デュアルエネルギー撮影の画像再構成の加重加算係数を各z方向座標位置ごとに最適化して画像再構成を行う例である。
尚、本実施例においては、第一実施例で行った120kVのX線管電圧のスカウト撮影を基に係数決定部38に記憶された、幾何学的特徴量と加重加算係数との関係を用いて、加重加算係数を決定する。従って、本実施例においては、120kVのX線管電圧のスカウト撮影ではなくスキャン中に収集されるX線投影データを用いるため、被検体HBのプロファイル曲線のビームハードニング補正、プロファイル曲線から得られた幾何学的特徴量の補正が必要となる。
まず、図15を用いて、X線管21のエネルギーの切り替えについて説明する。図15(a)は、連続したX線管電圧の360度フルスキャンの2スキャン分を示す図で、(b)は、連続したX線管電圧の180度+ファン角からなるハーフスキャンの2スキャン分を示す図である。
今、デュアルエネルギー撮影のX線データ収集を図15(a)のように連続したX線管電圧の360度フルスキャンの2スキャン分で行うとする。X線データ収集はX線管電圧80kVで、まず360度フルスキャン分のX線データ収集を行い、次にX線管電圧140kVで360度フルスキャン分のX線データ収集を行うとする。低いX線間電圧をL−X、高いX線間電圧をH−Xと表している。
次に、図16に、スキャン中に収集されるX線投影データを用いて、被検体の幾何学的特徴量を求め、デュアルエネルギー撮影を行うフローチャートを示す。
図16のステップD41では、X線管電圧80kVでX線データ収集をする。
図16のステップD42では、0度方向ビューまたは90度方向ビューかを判断する。YESであればD43へ行き、NOであればステップD44へ行く。なお、0度方向のビューと90度方向のビューより、プロファイル曲線、幾何学的特徴量を求めているが、0度方向のビューか90度方向のビューどちらか一方向、または180度方向のビュー、270度方向のビューなどを用いて、一方向または二方向で行ってもかまわない。
図16のステップD43では、第二幾何学特徴特定部37−2は、X線ビームハードニング補正を行ったX線管電圧80kVのプロファイル曲線より幾何学的特徴量を得る。そして係数決定部38が、そのz方向座標位置のデュアルエネルギー撮影の加重加算係数を決定する。また、この時のX線管電圧80kVとX線管電圧140kVのプロファイル曲線をビームハードニング補正するには、例えばX線管電圧120kV相当のプロファイル曲線に補正しておくことが必要である。
図16のステップD44では、X線管電圧80kVのX線投影データを得て、そして画像再構成する。X線管電圧80kVのX線データ収集とX線管電圧80kVのX線投影データの画像再構成を並列して行っている。ただし、同時並行でなくてもよい。ステップD49でも同様である。
図16のステップD45では、X線管電圧80kVで360度フルスキャン分X線データ収集を完了したかを判断し、YESであればステップD46へ行き、NOであればステップD41へ戻る。
図16のステップD46では、X線管電圧140kVでX線データ収集を開始する。
図16のステップD47では、0度方向ビューまたは90度方向ビューかを判断し、YESであればD48へ行き、NOであればステップD49へ行く。
図16のステップD48では、第二幾何学特徴特定部37−2は、X線ビームハードニング補正を行ったX線管電圧140kVのプロファイル曲線より幾何学的特徴量を得る。そして、係数決定部38が、そのz方向座標位置のデュアルエネルギー撮影の加重加算係数を決定する。
図16のステップD49では、X線管電圧140kVのX線投影データを画像再構成する。
図16のステップD50では、X線管電圧140kVで360度フルスキャン分X線データ収集を完了したかを判断し、YESであればステップD51へ行き、NOであればステップD46へ戻る。
図16のステップD51では、ステップD43またはステップD48で求めたデュアルエネルギー撮影の加重加算係数の適切と思われる一方、またはステップD43またはステップD48で求めたデュアルエネルギー撮影の加重加算係数の平均値を用いて、デュアルエネルギー撮影した断層像として水等価断層像、脂肪等価断層像、骨等価断層像、造影剤等価断層像を画像再構成する。図5または図6で示したように、画像空間における断層像の加重加算処理でデュアルエネルギー像M−CSIを得たり、投影データ空間における加重加算処理されたX線投影データで画像再構成してデュアルエネルギー像M−CSIを得ても良い。
図16のステップD52では、X線管電圧80kVの断層像、X線管電圧140kVの断層像、水等価断層像、脂肪等価断層像、骨等価断層像、造影剤等価断層像を画像表示する。
図16のフローチャートでは、最初にX線管電圧80kVでX線データ収集を行っているが、最初にX線管電圧140kVよりX線データ収集を開始しても良い。また、図15(a)に示したX線データ収集を360度フルスキャンとしているが、図15(b)に示す180度+ファン角のハーフスキャンでもかまわない。
以上の処理により、第二幾何学特徴特定部37−2は、コンベンショナルスキャン、ヘリカルスキャンなどの、あるz方向座標位置の、ある方向のビューのX線投影データより、プロファイル曲線を求める。そして第二幾何学特徴特定部37−2は、ある一定のX線管電圧、例えば120kV相当のプロファイル曲線にビームハードニング補正した後に、被検体HBの幾何学的特徴量であるプロファイル面積s、楕円率eを求める。そして、係数決定部38は、デュアルエネルギー撮影の加重加算係数を決定することができる。これにより、被検体HBの形状に合わせて最適化したデュアルエネルギー撮影の加重加算係数は最適化する。
なお、本スキャンのX線投影データを用いる場合、図8(d)のようにファンビームによるプロファイルデータから幾何学的特徴量を求めることもできるが、図4のステップP6におけるファンパラメータ変換後のX線投影データを用いれば、図8(c)のように平行ビームによる、より精度の良い幾何学的特徴量を得ることもできる。
本実施例においては、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンまたはヘリカルスキャンまたは可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンいずれかのスキャンにおいて、スキャン中に収集されるX線投影データを用いるので、第一実施例のスカウト像またはスカウト像のX線投影データより被検体HBのプロファイル曲線を求め、それより被検体HBの幾何学的特徴量を求める場合に比べ、X線投影データと幾何学的特徴量の時間差もなく、スキャン中に収集されるX線投影データは、より精度良く幾何学的特徴量を求め、デュアルエネルギー撮影の加重加算係数設定を行うことができる。また、プロファイル曲線も0度方向、90度方向、180度方向、270度方向いずれの方向からも幾何学的特徴量が求められるため、0度方向、90度方向、180度方向、270度方向、四方向の幾何学的特徴量の平均を用いることもでき、精度良く幾何学的特徴量を求められる。
<<第三実施例>>
第三実施例においては、ヘリカルスカウトスキャンにより得られた断層像を再投影処理して得られた平行ビームのX線投影データより精度良く幾何学的特徴量を求める場合について述べる。
まずヘリカルスカウトスキャンについて説明する。ヘリカルスカウトスキャンはスカウト撮影が目的である以上、低被曝である必要がある。このため、撮影条件として以下の点を通常のヘリカルスキャンの撮影条件と変えることにより低被曝を実現させる。
なお、この時にスカウト像としてヘリカルスカウトスキャンによるz方向に連続した断層像のデュアルエネルギー撮影された断層像をMIP(Maximum Intensity Projection)像表示すると、石灰化の部分がよりはっきりと見ることができる。
(1) ビュー数
通常では、1回転100ビューである所を500ビューにしてX線被曝を1/2にする。下記の画像再構成マトリクスを1/2×1/2にするのと合わせれば、診断用ではなく撮影計画用としては画質的にも問題はない。
(2) 画像再構成マトリクス
通常、診断用の断層像は512×512画素の画像再構成マトリクスであるが、これを256×256画素の画像再構成マトリクスに減らし、1画素の面積を4倍に拡大し、これによりX線管電流換算で1/4のX線管電流で済ませることができ、X線被曝を1/4に減らすことができる。診断用ではなく撮影計画用である点、ヘリカルスカウトスキャンの断層像からスカウト像を作る点、ヘリカルスカウトスキャンの断層像からデュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIを作る点を考えると画質的に問題はない。特にデュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIを画像再構成する際においては、加重加算処理において加重加算処理を行うため画像ノイズが悪化する。このため、高分解能な細かい画素は必ずしも必要ではない。
(3)X線検出器開口
多列X線検出器24は通常100チャネル程度ある。診断用の画質でなく撮影計画用である点を考え、X線検出器の2チャネルをチャネル方向に束ねて平均を取って、チャネル方向の開口を2倍にして500チャネルにする。または、隣り合う2チャネルを1チャネルに平均を取って開口を2倍にしてチャネルピッチ、チャネル数は保って100チャネルのままにしても同様にX線被曝を1/2にできる。また、列方向にも同様に束ねて平均を取っても良い。列方向にも開口を2倍にすることで、X線管電流を1/2に減らして画像ノイズは同等に保ち、X線被曝を1/2にできる。
(4)ヘリカルピッチ
通常の本スキャンの撮影においては、ヘリカルピッチ0.5〜1.0程度の撮影が使われることが多いが、ヘリカルスカウトスキャンにおいては、診断用ではなく撮影計画用の画質である点、z方向連続断層像よりスカウト像を画像再構成する点を考慮すると、ヘリカルピッチはもう少し速くても良く、ヘリカルピッチ1.5程度まで上げて通常の本スキャンの約2倍のヘリカルピッチが用いることができる。これによりX線管電流換算で1/2のX線管電流が使用でき、X線被曝を1/2に低減できる。
(5)画像空間フィルタ、投影データ空間フィルタ、再構成関数
ヘリカルスカウトスキャンにおいては、診断用ではなく撮影計画用の画質である点、z方向連続断層像よりスカウト像を画像再構成する点を考慮すると、本スキャンよりも強めのノイズ除去を画像空間フィルタ、投影データ空間フィルタで行っても良い。また、再構成関数も本スキャンよりも柔かい低周波領域を強調する再構成関数を用いても良い。これらの画像空間フィルタ、投影データ空間フィルタ、再構成関数の組合せで断層像の画像ノイズを改善させて、X線被曝を少なくすることもできる。
これらの上記の工夫により、ビュー数低減で1/2、X線検出器開口のチャネル方向、列方向の両方向の拡大で、1/2×1/2=1/4、画像マトリクスサイズの縮小で1/4、ヘリカルピッチの高速化で1/2、これらを適当に組合せることで被曝低減が行える。
図17は、ヘリカルスカウトスキャンによる0度方向および90度方向のスカウト像の画像再構成方法を示す図である。
再投影方向は0度方向でファン方向ではなく、平行方向に再投影処理を行っている。断層像の(x,y)座標の画素値をg(x,y)とすると、0度方向つまりy方向再投影プロファイルデータPy(x)は以下の(数式10)により求められる。ただし、断層像のマトリクス数をN×Nとしている。
…(数式10)
この再投影プロファイルデータPy(x)をz方向に並べたものが0度方向のスカウト像となる。
また、90度方向つまりx方向再投影プロファイルデータPx(y)は以下の(数式11)により求められる。ただし、断層像のマトリクス数をN×Nとしている。
…(数式11)
この再投影プロファイルデータPx(y)をz方向に並べたものが90度方向のスカウト像となる。
図18は、ヘリカルスカウトスキャンによる任意方向のスカウト像の画像再構成方法を示す図である。
再投影方向はファン方向でなく、θ方向の平行方向に再投影処理を行っている。元の断層像の(x,y)座標の画素値をg(x,y)とする。
この元の断層像の座標系を(x,y)とし、θ方向の回転後の断層像の座標系を(X,Y)とすると、この座標変換は図18に示す通り以下の(数式12)のようになる。
…(数式12)
θ方向の再投影プロファイルデータPθ(x)は以下の(数式13)により求められる。ただし、回転前・後の断層像のマトリクス数をN×Nとしている。
…(数式13)
この再投影プロファイルデータPθ(x)をz方向に並べたものがθ方向のスカウト像s(X,z)となる。このスカウト像を画像表示することができる。
図18の右側にθ方向スカウト像の画像再構成処理のフローチャートを示す。
ステップT1では、n=0とする。
ステップT2では、z=znの断層像g(x,y)を読み込む。
ステップT3では、θ方向に断層像g(x,y)を回転させ、回転した断層像g(X,Y)を求める。
ステップT4では、Y方向に断層像g(X,Y)を再投影処理を行い、θ方向プロファイルデータPθ(x)を求める。
ステップT5では、θ方向プロファイルデータをθ方向スカウト像s(X,z)に入力する。
ステップT6では、z=zmかを判断し、YESならばステップT7へ行き、NOならばステップT8へ行く。
ステップT7では、スカウト像s(X,z)を画像表示する。これで処理を終了する。
ステップT8では、n=n+1とする。この後ステップT2へ戻る。
なお、断層像のz方向の範囲を[z0,zm]としている。これによりθ方向のスカウト像の画像再構成が行える。
また、別の方法によってもθ方向の平行方向に再投影処理を行うことができる。図19は、別のθ方向スカウト像の再投影処理を示したフローチャートである。
ステップT11では、n=0とする。
ステップT12では、z=znの断層像g(x,y)を読み込む。
ステップT13では、断層像g(x,y)において、y=y1の時にx方向のずれ量を−y1・tanθとして各y座標において、x方向に各x方向の1次元断層像データをずれ量分の画素分ずらす。
ステップT14では、Y方向に断層像g(x,y)の再投影処理を行い、θ方向プロファイルデータPθ(X)を求める。
ステップT15では、θ方向プロファイルデータをθ方向スカウト像s(X,z)に入力する。
ステップT16では、z=zmかを判断し、YESならばステップT17へ行き、NOならばステップT18へ行く。
ステップT17では、スカウト像s(X,z)を画像表示する。これで処理を終了する。
ステップT18では、n=n+1とする。この後ステップT12へ戻る。
ステップT13では図19の右側に示すように、断層像g(x,y)の各y座標位置におけるx方向の1次元の断層像データに対して(ステップ2)のようにシフト処理を行う。
y=y1のy座標位置におけるx方向の1次元断層像データをx方向に−y1・tanθ分だけシフト処理を行う。これを断層像g(x,y)の全y座標位置において行う。この時の座標変換式は以下の(数式14),(数式15)のようになる。
ただし、(X,Y)は座標変換後の座標、(x,y)は座標変換前の座標とする。
…(数式14)
…(数式15)
θ方向の再投影プロファイルデータPθ(x)は以下の(数式16)により求められる。ただし、シフト処理した断層像のy方向の画素数をNとしている。
…(数式16)
この再投影プロファイルデータPθ(x)をz方向に並べたものがθ方向のスカウト像s(X,z)となる。このスカウト像を画像表示することができる。
なお、断層像のz方向の範囲を[z0,zm]としている。これによりθ方向のスカウト像の画像再構成が行える。また、さらに別の方法によってもθ方向の平行方向に再投影処理を行うこともできる。
図20は、さらに別のθ方向スカウト像の再投影処理を示したフローチャートである。
ステップT21では、n=0とする。
ステップT22では、z=znの断層像g(x,y)を読み込む。
ステップT23では、θ方向に再投影処理を行い、θ方向プロファイルデータPθ(x)を求める。
ステップT24では、θ方向プロファイルデータをθ方向スカウト像s(x,z)に入力する。
ステップT25では、z=zmかを判断し、YESならばステップT26へ行き、NOならばステップT27へ行く。
ステップT26では、スカウト像s(x,z)を画像表示する。これで処理を終了する。
ステップT27では、n=n+1とする。この後ステップT22へ戻る。
このようにして、本実施形態のヘリカルスカウトスキャンにより、1回の超低被曝ヘリカルスカウトスキャン撮影により、0度方向、90度方向またはその他のビュー方向のスカウト像を画像再構成できるため、短時間に、かつ1回分のスカウトスキャンのX線被曝線量で複数方向のスカウト像撮影ができる。
上記のスカウト像撮影により得られるスカウト像は、図10(a)に示すX線焦点FPまでの距離に依存して歪むファンビーム方向の投影によるスカウト像とは異なり、図10(b)に示す平行ビーム方向の投影によるスカウト像であるため、X線焦点FPまでの距離に依存して歪むこともないスカウト像が得られる。
このようにして、ヘリカルスカウトスキャンにより、より少ない被曝で、より短い撮影時間で0度方向および90度方向のスカウト像を得ることができる。通常の2回のスカウトスキャンを行う場合に比べ、ヘリカルスカウトスキャンでは1回の撮影で0度方向、90度方向のスカウト像が得られるので、被曝低減で1/2の削減効果、撮影時間のみで1/2の短縮効果、撮影時間に被検体HBを載せた撮影テーブルの移動時間も含めると1/2以下の短縮効果がある。
このように、第三幾何学特徴特定部37−3は、ヘリカルスカウトスキャン時にz方向に連続した断層像を画像再構成し、z方向に連続した断層像、つまり、その三次元画像を0度方向,90度方向,180度方向または270度方向に平行ビーム再投影処理することにより、各z方向座標位置のどの方向でもプロファイル曲線が得ることができる。係数決定部38は、プロファイル面積s、楕円率eなどの幾何学的特徴量を各z方向座標位置において決定することができる。したがって、設定されたデュアルエネルギー撮影のz方向範囲において、これらの幾何学的特徴量を用いてデュアルエネルギー撮影の加重加算処理の加重加算係数を定まる。
なお、この場合のヘリカルスカウトスキャンを行う時に、通常スカウトスキャンで用いるX線管電圧120kVで撮影している場合は、第一実施例において用いた幾何学的特徴量と加重加算係数の関係に基いて、被検体HBのプロファイル曲線のビームハードニング補正や、プロファイル曲線より得られた幾何学的特徴量の補正を行う必要もなく、デュアルエネルギー撮影の変数設定、つまり、加重加算係数設定が行える。これにより被検体HBの各z方向座標位置において被検体HBの形状が変化しても最適な画質、z方向に一定の画質でデュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIが得られる。
一方で、ヘリカルスカウトスキャンを、デュアルエネルギー撮影と同じ、X線管電圧80kVと140kVで行った場合について、以下に説明する。
図21は、デュアルエネルギー撮影のヘリカルスカウトスキャンのデータ収集、画像再構成の処理のフローチャートである。
図21のステップD101では、被検体HBを撮影テーブル10のクレードル12に乗せて位置合わせを行う。
図21のステップD102では、X線管電圧80kVによるヘリカルスカウトスキャンを行う。
図21のステップD103では、X線管電圧140kVによるヘリカルスカウトスキャンを行う。
図21のステップD104では、X線管電圧80kVによるヘリカルスカウトスキャンの画像再構成を行う。
ステップD105では、X線管電圧140kVによるヘリカルスカウトスキャンの画像再構成を行う。
図21のステップD106では、X線管電圧80kVの画像表示、X線管電圧140kVの画像表示を行う。
図21のステップD107では、図17から図20で説明したように、第三幾何学特徴特定部37−3は、被検体HBの各z方向座標位置の幾何学的特徴量を求める。そして、係数決定部38は、幾何学的特徴量に基づいて加重加算係数を決定する。
図21のステップD108では、X線管電圧80kV、X線管電圧140kVの断層像またはX線投影データを加重加算処理して水等価な断層像、脂肪等価な断層像、骨等価な断層像または造影剤等価な断層像を画像再構成する。
図21のステップD109では、水等価な断層像、脂肪等価な断層像、骨等価な断層像、または造影剤等価な断層像を表示する。
なお、図21のステップD107においては、X線管電圧80kVのヘリカルスカウトスキャンによるz方向に連続した断層像、X線管電圧140kVのヘリカルスカウトスキャンによるz方向に連続した断層像での各z方向座標位置の断層像の、例えば0度方向に再投影処理してプロファイル曲線を求め、各z方向座標位置の幾何学的特徴量を求めた。
図22は、X線管電圧80kVとX線管電圧140kVとの断層像より120kV相当のプロファイル曲線を求める場合を示す図である。図23は、X線管電圧80kVとX線管電圧140kVとの断層像より120kV相当のプロファイル曲線および幾何学的特徴量を求めるフローチャートである。
第三幾何学特徴特定部37−3は、X線管電圧80kVとX線管電圧140kVの断層像を各々、例えば0度方向再投影処理を行い、X線管電圧80kVのプロファイル曲線とX線管電圧140kVのプロファイル曲線を得る。各々のプロファイル曲線を120kV相当にビームハードニング補正し、その平均を求めることで120kV相当のプロファイル曲線を求めることができ、これより幾何学的特徴量を求められる。なお、第二実施例で説明した、第二幾何学特徴特定部37−2も同様に幾何学的特徴量を求めることができる。
ステップD21では、X線管電圧80kVの断層像を入力する。
ステップD22では、X線管電圧140kVの断層像を入力する。
ステップD23では、X線管電圧80kVの断層像を再投影処理してプロファイル曲線を得る。
ステップD24では、X線管電圧140kVの断層像を再投影処理してプロファイル曲線を得る。
ステップD25では、X線管電圧80kVのプロファイル曲線を120kV相当にビームハードニング補正する。
ステップD26では、X線管電圧140kVのプロファイル曲線を120kV相当にビームハードニング補正する。
ステップD27では、X線管電圧80kVのプロファイル曲線とX線管電圧140kVのプロファイル曲線の平均を求め、120kV相当のプロファイル曲線を得る。
ステップD28では、120kV相当のプロファイル曲線より幾何学的特徴量を求める。
ステップD29では、すべてのz方向座標について行ったかを判断し、YESであれば終了し、NOであればステップD80へ行く。
ステップD30では、z方向座標位置の更新を行う。
以上のようにして求められた、120kV相当のプロファイル曲線よる幾何学的特徴量を用い、第一実施例においては用いられた120kVでスカウト像の幾何学的特徴量と加重加算係数に基づく、第一実施例と同様に、本スキャンにおいて用いる加重加算係数を求めることができる。
尚、ヘリカルスカウトスキャン時にデュアルエネルギー撮影が行えることにより、本スキャンの撮影条件設定時にヘリカルスカウトスキャンにより得られたz方向連続断層像の三次元画像の組成分布を知ることができる。本スキャン前にこの組成分布を知ることができるので、本スキャン撮影条件設定時には組成分布を見ながら関心のある診断領域を設定したり、組成が同一に近い三次元連続領域ごとに、つまり、ある連続した部位、組織ごとに照射されるX線線量を表示したりすることにより、本スキャンの撮影条件を考え直せる機会ともなれる。
この時にヘリカルスカウトスキャンのz方向に連続した断層像を各z方向座標位置ごとに再投影処理を行い、被検体HBの各z方向座標位置ごとにプロファイル曲線より幾何学的特徴量を求められる。このため、被検体HBをデュアルエネルギー撮影する際に各z方向座標位置ごとにより最適なデュアルエネルギー撮影の変数、つまり、加重加算係数がより最適に設定でき、最適なデュアルエネルギー断層像である水等価断層像、脂肪等価断層像、骨等価断層像、造影剤等価断層像、または各々の三次元画像を得ることができる。
<<第四実施例>>
以上の実施例においては、図15(a)または(b)に示しように、X線管電圧80kVまたはX線管電圧140kVで1スキャン分(360度フルスキャンまたは180度+ファン角のハーフスキャン)を連続して行う例を示した。
本実施例では、被検体HBの心拍による動き、脈動による動き、呼吸による動き、消化器官のぜん動による動きをより少なくするため、短時間でX線管電圧を切り換えながら、360度フルスキャンまたは180度+ファン角のハーフスキャン分のX線管電圧80kVのX線投影データ、X線管電圧140kVのX線投影データを得る場合を示す。
図24は、ビューごとまたは複数ビューごとにX線管電圧を切換える場合を示す図である。
撮影中に被検体HBの動きを避けるために、図24(a)のように各ビューごとにX線管電圧を変えてX線データ収集を行ったり、また(b)のように複数ビューごとにX線管電圧を変えてX線データ収集を行なったりすることもできる。この時に効率良くX線データ収集を行うことを考えると、図24(c)に示すように1回目のフルスキャンによるX線データ収集で得られたX線管電圧80kVのビュー角度範囲を、L11=[θ0,θ1],L12=[θ2,θ3],L13=[θ4,θ5],…L1n=[θ2n−2,θ2n−1],L1n+1=[θ2n,θ2n+1]とすると、2回目のフルスキャンによるX線データ収集で得られたX線管電圧80kVのビュー角度範囲を、L21=[θ1,θ2],L22=[θ3,θ4],L23=[θ5,θ6],…L2n=[θ2n−1,θ2n]とする。ただし、L11=[θ0,θ1]は、θ0≦θ≦θ1の範囲のθが1回転目のX線管電圧80kVの1回目のX線データ収集であることを意味している。
このようにして、X線管電圧80kVの1回目のフルスキャンにおけるX線データ収集を行う角度範囲と、2回目のフルスキャンにおけるX線データ収集を行う角度範囲を異ならせて、1回目と2回目のフルスキャンにおけるX線データ収集を行う角度範囲を合わせることで、ちょうど360度分のフルスキャンにおけるX線データ収集が行える。
また、この時の1回目のフルスキャンにおけるX線管電圧140kVのX線データ収集を行うビュー角度範囲は、H11=[θ1,θ2],H12=[θ3,θ4],H13=[θ5,θ6],…H1n=[θ2n−1,θ2n]となる。また、2回目のフルスキャンにおけるX線管電圧140kVのX線データ収集を行うビュー角度範囲は、H21=[θ0,θ1],H22=[θ2,θ3],H23=[θ4,θ5],…H1n=[θ2n−2,θ2n−1],H1n+1=[θ2n,θ2n+1]となる。この場合もX線管電圧140kVの1回目のフルスキャンにおけるX線データ収集を行う角度範囲と、2回目のフルスキャンにおけるX線データ収集を行う角度範囲を異ならせて、1回目と2回目のフルスキャンにおけるX線データ収集を行う角度範囲を合わせることで、ちょうど360度分のフルスキャンにおけるX線データ収集が行える。なお、θ2n+1=360度となるようにしている。
また、ハーフスキャンの場合を図24(d)に示している。ハーフスキャンの場合のX線管電圧80kVの1回目のハーフスキャンにおけるX線データ収集を行う角度範囲と、2回目のハーフスキャンにおけるX線データ収集を行う角度範囲を異ならせて、1回目と2回目のハーフスキャンにおけるX線データ収集を行う角度範囲を合わせることで、ちょうど360度分のハーフスキャンにおけるX線データ収集が行える。
また同様に、X線管電圧140kVの1回目のハーフスキャンにおけるX線データ収集を行う角度範囲と、2回目のハーフスキャンにおけるX線データ収集を行う角度範囲を異ならせて、1回目と2回目のハーフスキャンにおけるX線データ収集を行う角度範囲を合わせることで、ちょうど360度分のハーフスキャンにおけるX線データ収集が行える。
図25は、フルスキャンの場合におけるスキャン中にX線管電圧を切り換えた場合の画像再構成の処理を示したフローチャートである。
ステップB21においては、スカウト像撮影を行う。
ステップB22においては、本スキャンの撮影条件設定を行う。
ステップB23においては、スカウト像またはスカウト像のX線投影データより、被検体HBの各z方向座標位置のプロファイル面積s、楕円率eを求める。また、各z方向座標位置のデュアルエネルギー撮影の加重加算処理の加重加算係数を求める。
ステップB24においては、X線管電圧80kVとX線管電圧140kVで交互に切り換えながらX線データ収集を行う。X線データ収集中にはX線発生装置の高圧発生器によりX線管電圧情報も収集する。X線管電圧情報を付加したX線投影データは図3に示した。図3では、X線管電圧情報のみならず、X線発生装置の高圧発生器によるX線管電流情報、撮影テーブル10のクレードルz方向座標位置、走査ガントリ20のガントリ傾斜角度なども付加させている。図24(b)のように複数ビュー単位でX線管電圧を切り換える。1回目と2回目のフルスキャンにおいては、図26(a)のようにX線管電圧の切り換えのタイミングは同期するようにX線管電圧とX線データ収集を制御する。なお、X線データ収集中にはX線管電圧を切り換えているため、X線管電圧レファレンスチャネルのX線管電圧情報も収集し、X線投影データの補正に用いられるようにしておく。
ステップB25においては、1回目のフルスキャンのX線管電圧80kVのX線データ収集と、2回目のフルスキャンのX線管電圧80kVのX線データ収集を合わせて360度フルスキャンのX線管電圧80kVのX線投影データを得る。
ステップB26においては、1回目のフルスキャンのX線管電圧140kVのX線データ収集と、2回目のフルスキャンのX線管電圧140kVのX線データ収集を合わせて360度フルスキャンのX線管電圧140kVのX線投影データを得る。ステップB25およびステップB26においては、図26(a)に示すように、X線管電圧80kVとX線管電圧140kVのX線データ収集のタイミングは、ビュー方向には“入れ子”状態になっているので、これを組み換えることでX線管電圧80kVの360度フルスキャンX線投影データ、X線管電圧140kVの360度フルスキャンX線投影データが各々得られる。
ステップB27においては、X線管電圧80kVの断層像を画像再構成する。
ステップB28においては、X線管電圧140kVの断層像を画像再構成する。
ステップB29においては、X線管電圧80kVの断層像またはX線投影データと、X線管電圧140kVの断層像またはX線投影データより、骨を含む石灰化強調断層像または造影剤強調断層像を画像再構成する。
上記のようにして、本実施形態では、あらかじめ別のスキャンによる被検体HBの組成分布を用いるのではなく、本スキャンでX線管電圧を変化させながらX線データ収集したX線投影データより、各X線管電圧のX線投影データとしてフルスキャン360度分のX線投影データになるように、組み換えたX線投影データを画像再構成した断層像またはそのX線投影データよりデュアルエネルギー撮影された断層像を画像再構成し、被検体HBの組成分布を求めることができる。
なお、図25のスキャン中にX線管電圧を切り換えた場合の画像再構成の実施形態では、360度フルスキャンを用いているが、180度+ファン角のハーフスキャンになっても同様の効果が出せる。図25のステップB24と同様に、X線データ収集は図24(d)のようにして行い、X線管電圧80kVのX線データ収集とX線管電圧140kVのX線データ収集が1回目のハーフスキャンと2回目のハーフスキャンにおいて、各々入れ子になるようにX線データ収集を行う。
また、図25のステップB25,ステップB26と同様に、1回目のハーフスキャンのX線データ収集、2回目のハーフスキャンのX線データ収集において、X線管電圧80kVのX線投影データとX線管電圧140kVのX線投影データを入れ換えることにより、X線管電圧80kVの180度+ファン角のハーフスキャンX線投影データと、X線管電圧140kVの180度+ファン角のハーフスキャンX線投影データを得ることができる。
また、デュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIをX線投影データを用いて投影データ空間の加重加算処理を用いて画像再構成する場合は、フルスキャン画像再構成をハーフスキャン画像再構成に変えることで同様に処理を行える。これにより、骨を含む石灰化強調断層像、造影剤強調断層像を画像再構成できる。
なお、ハーフスキャンのX線投影データを用いて投影データ空間における加重加算処理を行う場合は、同じビュー角度同士のX線投影データを加重加算処理しなければならない。図24(d)に示すように、1回目のハーフスキャンと2回目のハーフスキャンは対称になっているので、同じビュー角度同士のX線投影データを加重加算処理できる。または1回目のハーフスキャンと2回目のハーフスキャンのX線投影データを各々、対向ビューを用いてX線投影データを360度フルスキャンのX線投影データに変換した後に、同じビュー角度同士のX線投影データを加重加算処理しても良い。このようにして、180度+ファン角のハーフスキャンの場合でも同様に、本スキャンの中だけでデュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIが画像再構成できる。
さらに一回のフルスキャンで、X線管電圧を変化させたX線投影データから、ある一定の管電圧の断層像を画像再構成することも可能である。
まず、図26(b)に示すように、ビュー方向にX線管電圧を周期的に変動させる。例えばX線管電圧kV1の周期はΔtであり、X線管電圧kV2,kV3の周期もΔtとなるように、X線管電圧制御を行い、X線データ収集を行う。この時にX線管電圧レファレンスチャネルによりX線管電圧情報は収集できるものとする。ある一定ビュー角度間隔で同一のX線管電圧でのX線投影データが収集できることがわかる。
この時の処理の流れを図27に示す。
図27は、ビュー方向にX線管電圧を周期的に変化させた場合の画像再構成のフローチャートである。
ステップB61においては、X線データ収集系を1回転させ、被検体HBのX線投影データをX線管電圧を変化させながらX線データ収集を行う。X線データ収集中にはX線管電圧情報をX線管電圧レファレンスチャネルで収集する。
ステップB62においては、同じX線管電圧αkVのビューを抽出する。
ステップB63においては、X線管電圧αkVの断層像を画像再構成する。
ステップB64においては、全ビューを用いた断層像を画像再構成する。
ステップB65においては、全ビューを用いた断層像とX線管電圧αkVの断層像の差画像を求める。
ステップB66においては、差画像は誤差範囲内かを判断し、YESであればステップB67へ行き、NOであればステップB68へ行く。例えば差画像の全画素がある一定値幅以内、例えばCT値±10HU(Hounsfield Unit)以内に入れば良いとか、ある定められた関心領域内の画素が、ある一定値幅以内に入れば良いなどのような判断を用いて、差画像が誤差範囲以内かを判断する。
ステップB67においては、断層像を表示する。
ステップB68においては、差画像の断層像を再投影処理して、差画像のX線投影データを求める。
ステップB69においては、差画像のX線投影データをデータ変換し、全ビューのX線投影データに加算する。その後、ステップB64へ戻る。
このように、X線管電圧αの断層像を収束の目標として繰り返しX線投影データを修正していくことで、ある断層像に収束する。
ステップB62,ステップB63においては、ある一定ビュー間隔で得られるX線管電圧αkVのX線投影データが、ある一定ビュー数分あれば、ステップB63で画像再構成される断層像は収束の目標となりうる断層像となる。全ビューが100ビューであればX線管電圧αkVのX線投影データが200ビューもあれば収束の目標となる断層像は画像再構成できる。つまり、5ビュー周期ぐらいにΔtがなるようにX線データ収集すれば良いことになる。
また、ステップB68における差画像の断層像を再投影処理して差画像のX線投影データを求める際には、ステップB69において加算するX線投影データが図28(b)のように等間隔平行X線ビームであれば、再投影処理においても図17,図18のように等間隔平行に再投影処理を行えば良い。
X線管電圧80kVとX線管電圧140kVを1ビューおきに交互にX線管電圧を変化させると図24(a)のようになる。360度フルスキャンにおいてNビューのX線投影データがあると、X線管電圧80kVのX線投影データがN/2ビュー、X線管電圧140kVのX線投影データがN/2ビューとなり、N/2ビューずつで画像再構成されたX線管電圧80kVとX線管電圧140kVの断層像はNビューで画像再構成した場合に比べ、周辺部で多少のエリアジングが起きるかもしれないが、この後、再投影処理を行うことを考えれば問題のない画質として扱える。または、N/2ビューずつのX線投影データをビュー方向に補間して、X線管電圧80kVとX線管電圧140kVの各々NビューずつのX線投影データを画像再構成しても、この後、再投影処理を行うことを考えれば問題のない画質として扱える。
また、図24(b)のように数ビューおきに交互にX線管電圧をX線管電圧80kV、X線管電圧140kVと変化させた場合、5ビューまたは10ビュー程度であれば、その5ビューまたは10ビューの間をビュー方向に補間した後に画像再構成を行っても、この後に再投影処理を行うことを考えれば問題のない画質として扱える。
また、再投影処理において加算するX線投影データが図28(a)のように不等間隔平行X線ビームであれば、再投影処理においても図28(c)および(d)のように不等間隔平行に再投影処理を行えば良い。
また、加算するX線投影データがファンビームであれば、再投影処理においてもファンビーム再投影処理を行えば良い。なおこの時の再投影処理の方向は、等間隔平行ビーム、不等間隔平行ビーム、ファンビームいずれの時でもX線データ収集時のビュー数分の方向だけ再投影処理を行うとビュー数が合って良い。このようにして、デュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIを用いずにX線管電圧を変化させたX線投影データから、ある一定のX線管電圧の断層像が画像再構成できる。
このデュアルエネルギー撮影においても第一実施例と同様に、スカウト像より被検体HBの各z方向座標位置のプロファイル面積s、楕円率eなどの幾何学的特徴量を得ることができる。デュアルエネルギー撮影の水等価画像、脂肪等価画像、造影剤等価画像、骨等価画像は、図11(a)に示すような各プロファイル面積s、楕円率eにおける各等価画像の最適なデュアルエネルギー撮影の加重加算係数を各z方向座標位置において求めているが、第二実施例のようにスキャン中にあるビューからも同様に、各等価画像の最適なデュアルエネルギー撮影の加重加算係数を各z方向座標位置において求めることができる。
また、第二実施例のように、あるスキャンデータのX線投影データから各等価画像の最適なデュアルエネルギー撮影の加重加算係数を各z方向座標位置において求めることができる。
また、第三実施例のようにヘリカルスカウトスキャンの断層像の再投影データ、またはヘリカルスキャンのX線投影データからも同様に、各等価画像の最適なデュアルエネルギー撮影の加重加算係数を各z方向座標位置において求めることができる。
<<第五実施例>>
第一実施例ないし第四実施例においては、撮影中の被検体HBのスカウト像、またはスカウト像のX線投影データ、またはスキャンのX線投影データ、またはヘリカルスカウトスキャンの断層像の再投影データ、またはヘリカルスカウトスキャンのX線投影データより、各z方向座標位置の被検体HBのプロファイル曲線を求めた。そして、被検体HBの各z方向座標位置の幾何学的特徴量を求めて、各z方向座標位置のデュアルエネルギー撮影の画像再構成に用いられる加重加算係数を求めていた。
本実施例においては、人間の体型は、あらかじめ身長、体重、年令、性別ごとに各部位、つまり、各z方向座標位置のプロファイル面積、楕円率を各z方向座標位置において統計的に求めて記憶装置7に記憶しておく。このようにして、第四幾何学特徴特定部37−4は、身長、体重、年令、性別である程度、各部位、各z方向座標位置のプロファイル面積、楕円率は予測できる。
これらの被検体HBの幾何学的特徴量により、第一実施例ないし第四実施例と同様にデュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIを画像再構成する際に加重加算処理の加重加算係数を最適化して、より良い画質のデュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIを得ることができる。
図29は、撮影条件設定時に身長、体重、年令、性別を入力して、各z方向座標位置の幾何学的特徴パラメータであるプロファイル面積、楕円率を求めて、各z方向座標位置のデュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIを画像再構成する加重加算係数を用いてデュアルエネルギー撮影の最適な断層像を求める処理を示したフローチャートである。
ステップD61では、撮影条件設定画面において、もしくは被検体HBデータとしてあらかじめ被検体HBの身長、体重、年令、性別を入力する。
ステップD62では、第四幾何学特徴特定部37−4は、身長、体重、年令、性別ごとのプロファイル面積、楕円率のデータベースを用いて、被検体HBの身長、体重、年令、性別よりデュアルエネルギー撮影するz方向範囲のプロファイル面積、楕円率を求める。そして、係数決定部38は各z方向座標位置のデュアルエネルギー撮影の加重加算係数を決定する。
ステップD63では、X線管電圧80kVでX線データ収集する。
ステップD64では、X線管電圧80kVで画像再構成する。
ステップD65では、X線管電圧140kVでX線データ収集する。
ステップD66では、X線管電圧140kVで画像再構成する。
ステップD67では、X線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像より、デュアルエネルギー撮影した断層像として、水等価断層像、脂肪等価断層像、骨等価断層像、造影剤等価断層像を画像再構成する
ステップD68では、X線管電圧80kVの断層像、X線管電圧140kVの断層像、水等価断層像、脂肪等価断層像、骨等価断層像、造影剤等価断層像を表示する。
これにより、最適なデュアルエネルギー撮影の断層像M−CSIを得ることができる。
また、第五実施例においても、第四実施例のように低いX線管電圧と高いX線管電圧との切り替えを行うことができる。
以上のX線CT装置100において、本発明のX線CT装置、またはX線CT撮影方法によれば、多列X線検出器または、フラットパネルX線検出器に代表されるマトリクス構造の二次元X線エリア検出器を持ったX線CT装置のコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンまたはヘリカルスキャンまたは可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンの被検体HBの断面における原子の分布に関連したX線吸収係数におけるX線管電圧依存情報を表わす二次元分布断層像、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像の画質を最適化するX線CT装置を実現できる効果がある。
本実施形態においては、デュアルエネルギー撮影の場合に低いX線管電圧80kVと高いX線管電圧140kVを用いているが、他のX線管電圧を用いても同様にデュアルエネルギー撮影を行うことはできる。また、本実施形態においては、デュアルエネルギー撮影の場合に造影剤等価画像、骨等価画像、水等価画像、脂肪等価画像を用いているが、他の物質の等価画像も同様に求めることはできる。
本実施形態では、低いX線管電圧として80kVを、高いX線管電圧として140kVを用いているが、他のX線管電圧値でも同様の効果を出すことができる。また、本実施形態では、抽出したい原子、強調したい原子として骨や石灰化部分のカルシウム、造影剤に含まれるヨウ素を用いているが、他の原子を抽出したり、強調したりする場合でも同様の効果を出すことができる。なお、本実施形態における画像再構成法は、従来公知のフェルドカンプ法による三次元画像再構成法でもよい。さらに、他の三次元画像再構成方法でもよい。または二次元画像再構成でも良い。
また、本実施形態では、X線CT装置のX線自動露出機構を用いていない場合について記載しているが、X線CT装置のX線自動露出機構を用いた場合についても同様に効果を出すことができる。つまり、スカウト像より各z方向座標位置の被検体HBのプロファイル面積および楕円率などの幾何学的特徴量を求め、そのz方向におけるプロファイル面積および楕円率などの変化により、各z方向座標位置のX線管電流を調整し、各z方向座標位置における断層像の画像ノイズを一定する。これをX線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像の各々に対して各々のX線管電圧に目標となる画像ノイズ指標値を定めることで、X線管電圧80kVの断層像もX線管電圧140kVの断層像も各z方向座標位置において一定の画像ノイズになる。このため、これらのX線管電圧80kVの断層像とX線管電圧140kVの断層像の加重加算処理により画像再構成されるデュアルエネルギー撮影の断層像もz方向に一定の画像ノイズにすることができる。
本実施形態は、走査ガントリ20が傾斜していない場合について記載しているが、走査ガントリ20が傾斜した、いわゆるチルト・スキャンの場合でも同様な効果を出すことができる。また、本実施形態は、生体信号にX線データ収集が同期しない場合について記載しているが、生体信号、特に、心拍信号に同期させても同様な効果を出すことができる。
また、本実施形態では、二次元X線エリア検出器を持ったX線CT装置について書かれているが、一列のX線検出器のX線CT装置においても同様の効果を出せる。なお、本実施形態においては、撮影テーブル10のクレードル12をz方向に動かすことにより、ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャンを実現している。また、コンベンショナルスキャンまたはシネスキャンの各z方向スキャン位置の間の移動を実現している。しかし、走査ガントリ20または走査ガントリ20内の回転部15を撮影テーブル10のクレードル12に対して動かすことによっても、相対的に同様な効果を得ることができる。
また、本実施形態では、列ごとに係数の異なった列方向(z方向)フィルタの係数を各チャネルの前処理された、またはビームハードニング補正されたX線投影データの列方向に重畳することにより、画質のばらつきを調整することによって、各列において均一なスライス厚とし、アーチファクトを抑制し、ノイズ低減された画質を実現している。これには、様々なz方向フィルタ係数が考えられるが、いずれにおいても同様の効果を出すことができる。
本実施形態では、医用X線CT装置を元について記載されているが、産業用X線CT装置、または、他の装置と組み合わせたX線CT−PET装置,X線CT−SPECT装置などにおいても利用できる。
本発明の実施形態にかかるX線CT装置100を示すブロック図である。 X線管21および多列X線検出器24の鳥瞰図を示す図である。 X線管電圧情報が付加されたX線投影データDを示す図である。 本実施形態のX線CT装置についての動作の概要を示すフローチャートである。 画像空間におけるX線吸収係数のX線管電圧依存情報の断層像の求め方を示す図である。 投影データ空間におけるX線吸収係数のX線管電圧依存情報の断層像の求め方を示す図である。 (a)は、差画像の画像ノイズを示す図であり、(b)は、X線吸収係数のX線管電圧依存性を示す図である。 スカウト像より被検体の幾何学的特徴により各z方向座標位置のデュアルエネルギー撮影の断層像の画質を最適化するフローチャートである。 (a)から(c)は、スカウト像画像再構成の例1から例3を示した図である。また(d)は(b)のスカウト像の画像再構成のフローチャートである。 プロファイル曲線から求められる被検体HBの幾何学的特徴量を示す図である。 各々の大きさまたは各々の楕円率のファントムを示す図である。 各ファントムにおける加重加算係数の調整のフローチャートである。 (a)は、被検体HBの幾何学的特徴量におけるデュアルエネルギー撮影の係数変化を示す図である。(b)は、被検体HBのN個の幾何学的特徴量におけるデュアルエネルギー撮影の係数のN+1次元曲面を示す図である。 (a)は、被検体の上下方向の位置ずれを90度方向のスカウト像より判断する場合を示す図である。(b)は、二方向のスカウト像より幾何学的特徴パラメータを用いる場合を示すフローチャートである。 X線管21のエネルギーの切り替えについて説明する図である。 スキャン中に収集されるX線投影データを用いて、被検体の幾何学的特徴量を求めデュアルエネルギー撮影を行うフローチャートである。 0度方向および90度方向のスカウト像の画像再構成方法を示す概念図である。 θ方向スカウト像の画像再構成処理例のフローチャートと、その概念図である。 別のθ方向スカウト像の画像再構成処理例のフローチャートと、その概念図である。 さらに別のθ方向スカウト像の画像再構成処理例のフローチャートである。 デュアルエネルギー撮影のヘリカルスカウトスキャンのデータ収集、画像再構成の処理のフローチャートである。 X線管電圧80kVとX線管電圧140kVとの断層像より120kV相当のプロファイル曲線を求める場合を示す図である。 X線管電圧80kVとX線管電圧140kVとの断層像より120kV相当のプロファイル曲線および幾何学的特徴量を求めるフローチャートである。 ビューごとまたは複数ビューごとにX線管電圧を切換える場合を示す図である。 フルスキャンの場合におけるスキャン中にX線管電圧を切り換えた場合の画像再構成の処理を示したフローチャートである。 (a)は、一回目と二回目のフルスキャンの各ビューの対応を示す図である。(b)は、ビュー方向のX線管電圧の変化を示す図である。 ビュー方向にX線管電圧を周期的に変化させた場合の画像再構成のフローチャートである。 (a)は、ファンパラメータ変換したX線投影データを示す図であり、(b)は、等間隔化処理されたX線投影データを示す図である。(c)は、θ方向に回転した断層像を再投影間隔の密度を変化させた再投影処理を示す図であり、(d)θ方向分だけx方向にずらした断層像を再投影間隔の密度を変化させた再投影処理を示す図である。 統計的データに基いた被検体の特徴パラメータ量より、デュアルエネルギー撮影の画像再構成を行うフローチャートである。 (a)は、従来の部位が変化しても係数W1,W2が一定のデュアルエネルギー撮影を示す図である。(b)は、プロファイル面積の違いを示す図であり、(c)は、同じプロファイル面積で楕円率の違いを示す図である。
符号の説明
1 … 操作コンソール
2 … 入力装置
3 … 中央処理装置
5 … データ収集バッファ
6 … モニタ
7 … 記憶装置
12 … クレードル
15 … 回転部
20 … 走査ガントリ
21 … X線管
22 … X線コントローラ
23 … コリメータ
24 … 多列X線検出器または二次元X線エリア検出器
25 … データ収集装置(DAS)
26 … 回転部コントローラ
28 … ビーム形成X線フィルタ
29 … 制御コントローラ
30 … スリップリング
33 … ビームハードニング処理部
34 … 画像再構成部
35 … デュアルエネルギー像再構成部
38 … 係数決定部
D … 投影データ
T … 断層像
M−CSI … デュアルエネルギー像

Claims (8)

  1. 第1エネルギースペクトルを有するX線と、前記第1エネルギースペクトルとは異なる第2エネルギースペクトルを有するX線とを被検体に照射するX線照射部と、
    前記被検体に照射された前記第1エネルギースペクトルの第1エネルギー投影データと前記第2エネルギースペクトルの第2エネルギー投影データとを収集するX線データ収集部と、
    前記第1エネルギー投影データもしくはこの第1エネルギー投影データを画像再構成した第1エネルギー断層像と、前記第2エネルギー投影データもしくはこの第2エネルギー投影データを画像再構成した第2エネルギー断層像とを、所定の加重加算係数を用いた加重加算処理を行って、デュアルエネルギー断層像を画像再構成するデュアルエネルギー像画像再構成部と、
    前記第1エネルギースペクトル及び第2エネルギースペクトルのX線に基づく一又は二方向のそれぞれの投影データを用いて、前記第1エネルギースペクトル及び前記第2エネルギースペクトルとは異なるX線を照射した場合に相当するX線に基づくプロファイル面積を求め、当該プロファイル面積に基づいて、前記被検体の体軸方向の複数位置ごとの幾何学的特徴を特定する幾何学的特徴特定部と、
    前記体軸方向の複数位置ごとの幾何学的特徴に応じて、前記体軸方向の複数位置ごとのデュアルエネルギー断層像を得るときに使用する前記加重加算係数を決定する係数決定部とを備えることを特徴とするX線断層撮影装置。
  2. 前記幾何学的特徴は、プロファイル面積および楕円率に基づくものであることを特徴とする請求項1に記載のX線断層撮影装置。
  3. 前記X線データ収集部は、360度のフルスキャンを2スキャン分、または180度+ファン角からなるハーフスキャンを2スキャン分行うことにより前記第1エネルギー投影データおよび前記第2エネルギー投影データを収集することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線断層撮影装置。
  4. 前記2スキャン分のフルスキャンは、前記第1エネルギースペクトルを有するX線によるフルスキャンと、前記第2エネルギースペクトルを有するX線によるフルスキャンとからなり、前記2スキャン分のハーフスキャンは、前記第1エネルギースペクトルを有するX線によるハーフスキャンと、前記第2エネルギースペクトルを有するX線によるハーフスキャンとからなることを特徴とする請求項に記載のX線断層撮影装置。
  5. 前記360度のフルスキャンは、前記第1エネルギースペクトルを有するX線と前記第2エネルギースペクトルを有するX線とを交互複数回に切り替え、前記180度+ファン角からなるハーフスキャンは、前記第1エネルギースペクトルを有するX線と前記第2エネルギースペクトルを有するX線とを交互に複数回切り替えるによるハーフスキャンとからなることを特徴とする請求項に記載のX線断層撮影装置。
  6. 前記X線照射部は、前記第1エネルギー投影データおよび前記第2エネルギー投影データを交互に複数回切り替えて、360度のフルスキャンを1スキャン分行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線断層撮影装置。
  7. 前記第1エネルギー投影データおよび前記第2エネルギー投影データのうち足りない投影データ分に対して補間処理を行うことを特徴とする請求項に記載のX線断層撮影装置。
  8. 前記第1エネルギースペクトル及び第2エネルギースペクトルが、それぞれ80kV及び140k VのX線管電圧により得られるものであり、前記第1エネルギースペクトル及び前記第2エネルギースペクトルとは異なるX線を照射した場合に相当するX線は、120kVのX線管電圧によるX線に相当するものであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のX線断層撮影装置。
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