JP5570733B2 - X線ct装置 - Google Patents

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本発明は、デュアルエネルギー撮影(Dual Energy Scan)が可能なX線CT装置において、被曝低減・画質改善を実現する技術に関する。
従来のX線CT装置の断層像はCT値(Hounsfield number)を用いて画像再構成することが知られている。また、高いX線管電圧を用いてX線管より発生させたX線と低いX線管電圧を用いてX線管より発生させたX線とを用いて得られたそれぞれのCT値に基づき画像を得る技術(以下、デュアルエネルギー撮影と呼ぶ。)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、従来のX線CT装置では、単一のX線管電圧を用いた撮影においてCTDI(CT Dose Index)値、DLP(Dose Length Product)値などのX線線量値の表示を行うことにより、撮影条件設定時に被曝管理を行うことが知られている。
特開2002−325756号公報
しかしながら、デュアルエネルギー撮影においては、複数のエネルギーのX線を用いるため、従来の単一のX線管電圧を用いたX線線量値を求める方法では、X線線量値を求めることができないことから、撮影条件設定時にX線線量値を表示できずに、操作者は、被曝を考慮した最適な撮影条件の設定を行うことができないという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、デュアルエネルギー撮影の撮影条件設定の際に被曝を考慮した最適な撮影条件の設定を行うことが可能なX線CT装置を提供することにある。
本発明の第1の観点のX線CT装置は、第1X線管電圧によるX線と、前記第1X線管電圧とは異なる第2X線管電圧によるX線とを少なくとも1ビューごとに切り換えて被検体に照射するX線照射部と、前記被検体に照射した前記第1X線管電圧によるX線の第1エネルギー投影データ及び前記第2X線管電圧によるX線の第2エネルギー投影データを収集するX線データ収集部と、前記第1エネルギー投影データと前記第2エネルギー投影データとに基づいて、デュアルエネルギー撮影の断層像を画像再構成するデュアルエネルギー画像再構成部と、前記第1X線管電圧によるX線と前記第2X線管電圧によるX線とを少なくとも1ビューごとに被検体に照射した場合のX線線量の予測値を算出し表示する撮影条件設定部と、を備える。
第2の観点のX線CT装置は、第1の観点のX線CT装置において、前記撮影条件設定部が、前記第1X線管電圧によるX線と前記第2X線管電圧によるX線とを少なくとも1ビューごとに被検体に照射した場合のX線線量の予測値を、前記第1X線管電圧によるX線に基づくX線線量値と前記第2X線管電圧によるX線に基づくX線線量値とを、前記第1エネルギー投影データと前記第2エネルギー投影データのビューの割合に基づく加重係数を用いた加重加算により算出するものである。
第3の観点のX線CT装置は、第1または第2の観点のX線CT装置において、前記撮影条件設定部が、前記第1X線管電圧によるX線と前記第2X線管電圧によるX線とを少なくとも1ビューごとに被検体に照射した場合のX線線量の予測値を、前記第1X線管電圧によるX線のX線管電流及び/又は前記第2X線管電圧によるX線のX線管電流の設定値からのずれを補正して算出するものである。
第4の観点のX線CT装置は、第1から第3の観点のいずれかのX線CT装置において、前記撮影条件設定部が、前記第1X線管電圧によるX線と前記第2X線管電圧によるX線とを少なくとも1ビューごとに被検体に照射した場合のX線線量の予測値を、前記第1X線管電圧及び/又は前記第2X線管電圧の設定値からのずれを補正して算出するものである。
第5の観点のX線CT装置は、第1の観点のX線CT装置において、前記撮影条件設定部が、前記第1X線管電圧によるX線と前記第2X線管電圧によるX線とを少なくとも1ビューごとに被検体に照射した場合のX線線量の予測値を、前記第1X線管電圧によるX線に基づくX線線量値と、前記第2X線管電圧によるX線に基づくX線線量値と、前記第1X線管電圧によるX線と前記第2X線管電圧によるX線との切り替え区間のX線に基づくX線線量値とを、前記第1エネルギー投影データ、前記第2エネルギー投影データ、及び前記切り替え区間の投影データのビューの割合に基づく加重係数を用いた加重加算により算出するものである。
第6の観点のX線CT装置は、第1から第5のいずれかの観点のX線CT装置において、前記X線照射部が、前記第1X線管電圧によるX線と、前記第2X線管電圧によるX線とを、1または数ビューごとに複数回切り換えて被検体に照射するものである。
第7の観点のX線CT装置は、第1から第6のいずれかの観点のX線CT装置において、前記X線線量の予測値が、CTDI(CT Dose Index)、DLP(Dose Length Product)、及びX線線量情効率の何れか一つである。
第8の観点のX線CT装置は、第1から第7のいずれかの観点のX線CT装置において、前記撮影条件設定部が、前記X線線量の予測値を、あらかじめ撮影しておいたスカウト像上に表示する。
第9の観点のX線CT装置は、第9の観点のX線CT装置において、前記撮影条件設定部が、前記X線線量の予測値を、前記X線線量の予測値が、あらかじめ指定しておいたX線線量の閾値を超えことを表示する。
本発明のX線CT装置によれば、第1X線管電圧によるX線と第2X線管電圧によるX線とを少なくとも1ビューごとに被検体に照射した場合のX線線量の予測値を算出し表示することができることから、デュアルエネルギー撮影の撮影条件設定の際に、被曝を考慮した最適な撮影条件の設定が可能となる。
本発明の実施形態にかかるX線CT装置100を示すブロック図である。 実施形態のX線CT装置100についての動作の概要を示すフローチャートである。 (a)は、三次元逆投影処理におけるxy平面における再構成領域Pを示す図である。 (b)は、三次元逆投影処理におけるyz平面における再構成領域Pを示す図である。 (c)は、画素列をX線透過方向にX線検出器平面へ投影する場合を示す図である。 (a)は、アクリルファントムの形状を示す図である。 (b)は、CTDI100をグラフ表示で示す図である。 (a)は、間隔の空いたコンベンショナルスキャンの概念図である。 (b)は、ヘリカルスキャンの概念図である。 (c)は、シネスキャンの概念図である。 (a)は、1列のX線検出器SSPがX線線量分布DPより大きい場合を示す図である。 (b)は、多列X線検出器SSPがX線線量分布DPより狭い範囲の場合を示す図である。 (c)は、X線線量分布DPが多列X線検出器SSPより広い範囲の場合を示す図である。 (a)は、ビューごとでX線管電圧を切り換えるデュアルエネルギー撮影を示す図である。 (b)は、非対称なビュー数でX線管電圧を切り換えるデュアルエネルギー撮影を示す図である。 (c)は、複数ビューごとでX線管電圧を切り換えるデュアルエネルギー撮影を示す図である。 操作者がX線線量情報で撮影条件を最適化するフローチャートである。 (a)は、充分にX線管電圧kVの切り換え時間がある場合でのDfast(n1,n2)を示す図である。 (b)は、X線管電圧kVの設定値PVと実測値AMとのずれを示す図である。 (c)は、過渡的なX線管電圧値が支配的になってくる場合を示す図である。 (d)は、X線管電圧kVの切り換え周波数sビュー/秒と補正係数f(s)との関係を示す図である。 2ビューおきにX線管電圧kVを切り換えた場合のX線投影データの補間処理を示す図である。 (a)は、画像空間におけるデュアルエネルギー断層像を画像再構成する概念図である。 (b)は、X線投影データ空間におけるデュアルエネルギー断層像を画像再構成する概念図である。 (a)は、X線線量情報とその上限値(閾値)THとから、最適な撮影条件の設定を行うフローチャートである。 (b)は、スカウト像上にCTDI値の上限値(閾値)THを超えた部分をカラー表示CLする場合を示す図である。 X線自動露出制御とX線線量情報とから最適な撮影条件を設定するフローチャートである。 (a)は、スキャンとスキャンとの間にISDを持つデュアルエネルギー撮影を示す図である。 (b)は、スキャンとスキャンとの間にタイムラグ(Time lag)のないデュアルエネルギー撮影を示す図である。 (a)は、2つのX線データ収集系を用いるX線CT装置を示す図である。 (b)は、3つのX線データ収集系を用いるX線CT装置を示す図である。
<X線CT装置100の全体構成>
図1は、本発明の実施例にかかるX線CT装置100の構成ブロック図である。このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付けるキーボード又はマウスなどの入力装置2と、前処理、画像再構成処理、後処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で収集したX線検出器データを収集するデータ収集部5とを具備している。さらに、操作コンソール1は、X線検出器データを前処理して求められた投影データから画像再構成した断層像を表示するモニタ6と、プログラムやX線検出器データや投影データやX線断層像を記憶する記憶装置7とを具備している。撮影条件の入力はこの入力装置2から入力され、記憶装置7に記憶する。撮影テーブル10は、被検体HBを乗せて走査ガントリ20の開口部に出し入れするクレードル12を具備している。クレードル12は撮影テーブル10に内蔵するモータで昇降及び被検体HBの体軸方向(z軸方向)に直線移動する。
走査ガントリ20は、X線管21と、X線制御部22と、多列X線検出器24と、データ収集装置25(DAS:Data Acquisition System)とを具備している。X線管21と被検体HBとの間には、コリメータ23、ビーム形成X線フィルタ28及びX線フィルタ31が配置されている。さらに、走査ガントリ20は、被検体HBの体軸の回りに回転するX線管21など有する回転部15の回転制御を行う回転制御部26と、制御信号などを操作コンソール1や撮影テーブル10とやり取りするガントリ制御部29とを具備している。X線制御部22はX線管21へのX線管電圧やX線管電流mAを制御する。
ビーム形成X線フィルタ28は撮影中心である回転中心に向かうX線を多くし、周辺部でX線量を少なくするフィルタである。このため、円形又は楕円形に近い被検体HBの体表面の被曝を少なくできるようになっている。
中央処理装置3は、X線コリメータ制御部、前処理部33、画像再構成部34、デュアルエネルギー画像再構成部35、撮影条件設定部36及びX線自動露出制御部37を有している。
前処理部33は、データ収集装置25で収集された生データに対して、チャネル間の感度不均一を補正し、またX線強吸収体、主に金属部による極端な信号強度の低下又は信号脱落を補正するX線量補正等の前処理を実行し、ビームハードニング補正を行う。
画像再構成部34は、前処理部33で前処理された投影データを受け、その投影データに基づいて画像を再構成する。投影データは、周波数領域に変換する高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)がなされて、それに再構成関数Kernel(j)を重畳し、逆フーリエ変換する。そして、画像再構成部34は、再構成関数Kernel(j)を重畳処理した投影データに対して、三次元逆投影処理を行い、被検体HBの体軸方向(z軸方向)ごとに断層像(xy平面)を求める。画像再構成部34は、この断層像を記憶装置7に記憶させる。
デュアルエネルギー画像再構成部35は、低いX線管電圧kV1の投影データ及び高いX線管電圧kV2の投影データから、所定物質(原子)の分布に関連したX線管電圧依存情報の二次元分布断層像、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像を画像再構成する。デュアルエネルギー撮影の断層像として、水等価画像、脂肪等価画像、造影剤等価画像及び骨等価画像などを得ることができる。
撮影条件設定部36は、CTDI(CT Dose Index)値又はDLP(Dose Length Product)値などのX線線量情報を予測してモニタに表示させたり、スカウト像SCなどとともにX線線量情報を表示させたりする。操作者はそれらの表示に基づいて入力装置2を介して必要な設定を行う。
X線自動露出制御部37は、デュアルエネルギー撮影の撮影条件設定時に画質の目標値に沿うように自動で被検体に照射されるX線を制御する。
<X線CT装置100の動作フローチャート>
図2は、本実施例のX線CT装置100についての動作の概要を示すフローチャートである。
ステップP1では、被検体HBをクレードル12に乗せ、位置合わせを行う。ここでは、クレードル12の上に乗せられた被検体HBは各部位の基準点に走査ガントリ20のスライスライト中心位置を合わせる。そして、スカウト像収集を行う。スカウト像撮影では、X線管21と多列X線検出器24とを固定させ、クレードル12を直線移動させながらX線検出器データのデータ収集動作を行う。ここでは、スカウト像SCは通常0度,90度のビュー角度位置で撮影する。図2中の右側は、0度で胸部付近を撮影したスカウト像SCの例である。このスカウト像SC上から断層像の撮影位置を計画できる。
ステップP2では、スカウト像SC上に撮影する断層像の位置、大きさを表示させながら撮影条件設定を行う。スカウト像SC中に示した点線は、断層像画像の位置である。本実施例では、コンベンショナルスキャン、ヘリカルスキャン、可変ヘリカルスキャン、又はヘリカルシャトルスキャンなどの複数のスキャンパターンを有している。
コンベンショナルスキャンとは、クレードル12をz軸方向に所定の間隔で移動するごとにX線管21及び多列X線検出器24を回転させてX線投影データを取得するスキャン方法である。ヘリカルスキャンとは、ガントリ回転部15が一定速度で回転しながらクレードル12を一定速度で移動させ、X線投影データを収集する撮影方法である。いわゆるヘリカルピッチHPが一定のスキャンである。可変ピッチヘリカルスキャンとは、ガントリ回転部が一定速度で回転しながらクレードル12を加速、減速させ、X線投影データを収集する撮影方法である。ヘリカルシャトルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にガントリ回転部15を回転させながらクレードル12を加速・減速させて、z軸の正方向又は負方向に往復移動させてX線投影データを収集するスキャン方法である。
断層像の撮影条件設定においては、X線制御部22の自動露出機構を用いることにより、被検体HBの被曝を最適化することもできる。
ヘリカルピッチHPとは、X線多列検出器の1列分の幅Ddと1回転あたりのクレードル12の移動距離Cdとの比であり、HP=Cd/Ddで求めることができる。すなわち、ヘリカルピッチ1の場合はガントリ回転部が1回転すると、クレードル12がX線多列検出器の1列分の幅だけ移動することになる。可変ヘリカルピッチにおいてはクレードル12の移動距離Cdが加速、減速により変化するため、同時にヘリカルピッチHPも変動する。
ステップP3ないしステップP9では、断層像撮影を行う。ステップP3において、X線データ収集を行う。ここでヘリカルスキャンによってデータ収集を行う場合には、X線管21と多列X線検出器24とを被検体HBの回りに回転させ、かつ、撮影テーブル10上のクレードル12を直線移動させながら、X線検出器データのデータ収集動作を行う。そして、ビュー角度viewと、検出器列番号jと、チャネル番号iとで表すX線検出器データD0(view,j,i)(j=1〜ROW,i=1〜CH)にz軸座標の位置情報Ztable(view)を付加させる。このようにヘリカルスキャンにおいては、一定速度の範囲のX線検出器データ収集を行う。このz軸座標の位置情報はX線投影データ(X線検出器データ)に付加させても良いし、また別ファイルとしてX線投影データと関連付けて用いても良い。ヘリカルシャトルスキャン時にX線投影データを三次元画像再構成する場合に、このz軸座標の位置情報は用いられる。
ステップP4では、X線検出器データD0(view,j,i)に対して前処理を行い、投影データに変換する。具体的には、オフセット補正を行い、対数変換を行い、X線線量補正を行い、そして感度補正を行う。
ステップP5では、前処理部33がビームハードニング補正を行う。ここでは、前処理した投影データD1(view,j,i)に対して、ビームハードニング補正を行う。この時、検出器のj列ごとに独立したビームハードニング補正を行うことができるため、撮影条件で各ガントリ回転部15の管電圧が異なっていれば、列ごとの検出器のX線エネルギー特性の違いを補正できる。本実施例では、被検体HBのプロファイル面積、楕円率などに応じて、ビームハードニング補正の処理を変更する。
ステップP6において、画像再構成部34はzフィルタ重畳処理を行う。ここでは、ビームハードニング補正した投影データD11(view,j,i)に対して、z軸方向(列方向)のフィルタをかけるzフィルタ重畳処理を行う。すなわち、各ビュー角度における前処理後、ビームハードニング補正した投影データD11(view,j,i)に対し、例えば列方向フィルタサイズが5列のフィルタをかける。
ステップP7において、画像再構成部34は再構成関数重畳処理を行う。すなわち、X線投影データを周波数領域に変換するフーリエ変換(Fourier Transform)を行い、再構成関数を掛け、逆フーリエ変換する。
ステップP8において、画像再構成部34は三次元逆投影処理を行う。ここでは、再構成関数重畳処理した投影データD3(view,j,i)に対して、三次元逆投影処理を行い、逆投影データD3(x,y,z)を求める。画像再構成する画像はz軸に垂直な面である。以下の再構成領域はxy平面に平行なものとする。
ステップP9において、画像再構成部34は後処理を行う。逆投影データD3(x,y,z)に対して画像フィルタ重畳、CT値変換などの後処理を行い、断層像を得る。
ステップP10において、モニタ6は画像再構成した断層像を表示する。断層像の例として、図2の右側に断層像TMを示す。
ステップP11では、デュアルエネルギー像MTMの表示を行う。ここでは、デュアルエネルギー画像再構成部35が高いX線管電圧で得た高エネルギー投影データもしくはこの高エネルギー投影データを画像再構成した高エネルギー断層像に加重加算係数を乗じた値から、低いX線管電圧で得た低エネルギー投影データもしくはこの低エネルギー投影データを画像再構成した低エネルギー断層像を減算し、デュアルエネルギー像MTMを画像再構成する。
〈三次元逆投影処理〉
上記のステップP8においての三次元逆投影処理はコーンビームCBを用いたヘリカル方式のスキャンにおいての画像再構成時に重要な処理方法となる。図3(a)ないし(c)は再構成領域上のラインをX線透過方向への投影を示す概念図である。その図3(a)はxy平面、図3(b)はyz平面、図3(b)はxz平面を示している。
三次元逆投影処理は、例えば、図3(a)に示すように、xy平面に平行な512×512画素の正方形の領域を再構成領域Pとし、y=0のx軸に平行な画素列L0,y=63の画素列L63,y=127の画素列L127,y=191の画素列L191,y=255の画素列L255,y=319の画素列L319,y=383の画素列L383,y=447の画素列L447,y=511の画素列L511を列にとる。図3(b)はこれらの画素列をyz平面で表示した場合である。そして、図3(c)はこれらの画素列L0〜L511をX線透過方向にX線検出器平面へ投影したラインT0〜T511を示している。投影データDr(view,x,y)は画素列L0〜L511の投影データを抽出することで得ることができる。ただし、x,yは断層像の各画素(x,y)に対応する。
X線透過方向は、幾何学的位置によりX線検出器データD0(view,j,i)のz座標z(view)がクレードル12の位置Ztable(view)としてX線検出器データに添付されるため、正確に求めることができる。
さらに、三次元逆投影処理は、投影データDr(view,x,y)にコーンビーム再構成加重加算係数を乗算することで投影データD2(view,x,y)を作成する。このコーンビーム再構成加重加算係数はコーン角アーチファクトを低減することができる。
次に、三次元逆投影処理は、あらかじめクリアしておいた逆投影データD3(x,y)に、投影データD2(view,x,y)の全ビューの対応画素を加算する。
以上の三次元逆投影処理は、図3(a)に示すように画像再構成領域Pを512×512画素の正方形として説明したものであるが、直径512画素の円形の領域としてもよい。
<デュアルエネルギー撮影でのX線線量値の予測値の算出>
撮影条件設定時のX線線量値としては、撮影条件ごとにz方向の長さ1cm当たりのX線線量CTDI(CT Dose Index)、z方向の撮影範囲の全X線線量DLP(Dose Length Product)、X線線量情効率等がある。このときCTDIの単位はmGyで表し、DLPの単位はmGy・cmで表す。
まず、X線線量値を予測に用いられるファントムのX線線量の測定及びX線線量値の計算について説明する。
1回のコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)におけるCTDIwは円柱状のアクリルファントムにCTプローブを挿入して測定する。図4(a)に示すようにアクリルファントムにはCTプローブの挿入用の穴A、B、C及びDが空いている。アクリルファントムには直径16cmの頭部測定用と、直径32cmとの腹部測定用とが用いられる。
CTDIの計算方法は以下の(数式1)に表す。スライス厚hの断層像のz方向に分布している線量分布D(z)をz方向に(−∞,+∞)の範囲での全X線線量を求める。
...(数式1)
図4(b)に示すように、X線線量Dとz方向に10cmの長さの範囲[−5cm,+5cm]とで求められたCTDI値は、(数式2)のようにCTDI100と呼ばれる。
...(数式2)
このCTDI100に対してCTDIwは図4(a)に示すように、アクリルファントムの中央部[A]のCTDI100,centerの測定値と、周辺部[B、C、D、E]のCTDI100,peripheralの平均値とに加重係数を付けて求めることができる。その計算式は(数式3)に示す。
...(数式3)
図5(a)は、間隔の空いたコンベンショナルスキャンの例を示す図である。通常の1回のコンベンショナルスキャンにおけるCTDIの測定はこれで行えるが、図5(a)に例示すような一定間隔で撮影を行うコンベンショナルスキャンや、図5(b)に例示すようなヘリカルスキャン、図5(c)に例示するようなシネスキャンの場合には、z方向の撮影の密度を考慮したCTDIvolがそれぞれ以下の(数式4),(数式5)又は(数式6)のように定められている。
...(数式4)
...(数式5)
...(数式6)
ただし、Table_Incrementはクレードル12のz方向の移動距離。Total_Slice_Thicknessは撮影領域中心におけるX線ビーム幅、又は全スライス厚の合計値。Helical_PitchはヘリカルスキャンにおけるX線データ収集系の1回転中にクレードル12がz方向に進む距離に対する撮影領域中心におけるX線ビーム幅の比であるヘリカルピッチ。RotationはシネスキャンにおけるX線照射中のX線データ収集系の回転数とする。CTDI値としてはCTDIvolが一般的に用いられている。
ヘリカルスキャンにおいては、1回転でX線ビーム幅×ヘリカルピッチ分の範囲にX線が照射され、その範囲を画像再構成するため、コンベンショナルスキャンのCTDIをヘリカルピッチで割った値がCTDIvolとなる。この場合、z方向の位置にかかわらずヘリカルスキャンのCTDIvol値は一定の値となる。
シネスキャンにおいては、複数回転数のX線がX線ビーム幅のz方向の範囲に照射するために、コンベンショナルスキャンのCTDIwを複数回転数分かけた値がCTDIvolとなる。
また、撮影の全X線照射線量を示すDLPは以下の(数式7)のように求めることができる。
...(数式7)
但し、Exposure_Lengthは撮影のz方向の長さで、図5(a),図5(b)又は図5(c)に各々の場合のExposure_Lengthを示している。また、X線線量効率(Dose Efficiency)は以下の(数式8)のように求めることができる。
...(数式8)
図6は、X線検出器とX線線量分布DPとの関係を示す図である。
通常、1列のX線検出器を用いたX線CT装置では、図6(a)のようにデータ収集に用いるX線検出器のスライス感度プロファイルSSP(Slice Sensitivity Profile)の方がX線線量分布DPより大きい場合のX線線量効率は100%となる。例えば、図6(b)のようにX線線量分布DPより狭い範囲を用いた多列X線検出器24の場合のX線線量効率は90%以下になる場合もある。また、図6(c)のようにX線線量分布DPよりz方向に広い範囲を用いた多列X線検出器24の場合のX線線量効率は90%以上の値になる場合もある。
通常、CTDI値は各X線管電圧、例えば80kV,120kV,140kVというように各X線管電圧において、あるスライス厚、あるX線管電流値、ある撮影時間のX線線量値を持っておき、それに対して実際のスライス厚、X線管電流値、撮影時間の条件に対応する補正をかけてその撮影条件のCTDI値とする。
次に少なくとも1ビューごとでX線管電圧を切り換えるデュアルエネルギー撮影におけるX線線量の予測値であるCTDI値の求め方について説明する。
尚、少なくとも1ビューごとでX線管電圧を切り換えるデュアルエネルギー撮影は、例えば、図7(a),図7(b)、図7(c)に示されるように、ビューごと又は数ビューごとにX線管電圧kVが切り換えられる。
撮影条件設定部36は、ビュー数をn1+n2ビューおきに低いX線管電圧kV1をn1ビュー、高いX線管電圧kV2をn2ビュー切り換えながらX線データ収集を行う場合のCTDI値をDfast(n1,n2)とし、上述の方法を用いて求めた、撮影条件と同じビーム形成X線フィルタ、スライス厚、及びX線管電流値の、低いX線管電圧kV1のCTDI値をD80、高いX線管電圧kV2のCTDI値をD140とすると、Dfast(n1,n2)は、D80とD140とをビュー数の割合に基づく加重係数を用いた加重加算により、(数式9)のように、算出することができる。この概念図を図8(a)に示す。
...(数式9)
但し、この方法は、撮影条件設定部36は充分にX線管電圧kVの切り換え時間がある場合、例えば、1回転のX線投影データのビュー数が多くない場合又は1回転の回転速度が速くない場合において有効であり、より切り換え周期が短いほどそのX線管電圧kVの過渡状態におけるX線管電圧kVの応答性による影響も無視できなくなる。例えば、図8(b)はX線管電圧kVの設定値PVと実測値AMとのずれを示す。これらを考慮したCTDI値の計算方法を下記に示す。
X線制御部22はX線管電圧kVを低いX線管電圧kV1と高いX線管電圧kV2とで高速に切り換えた場合に、X線管電流mAが制御しきれずにX線管電流mAの設定値Asetに対してX線管電流mAがずれてAmesになる場合がある。この場合に撮影条件設定部36は以下の(数式10)のようにX線管電流mAの補正項を付ければ良い。なお、Aset80は低いX線管電圧kV1におけるX線管電流mAの設定値、Ames80はその実測値、Aset140は高いX線管電圧kV2におけるX線管電流mAの設定値及びAmes140はその実測値とする。
...(数式10)
さらに、X線制御部22はX線管電圧kVの切り換え時間を上記より高速にする場合に、図8(b)に示すように設定したX線管電圧値に達するまでの遅れ時間が無視できなくなり、過渡的なX線管電圧値が支配的になってくる。また、X線制御部22は図8(c)のようにX線管電圧kVが設定値に達するまでの応答時間よりも短い周期でX線管電圧kVを切り換えた場合に、実測値が高いX線管電圧kV2の設定値の140kVまで上がり切らず、また、低いX線管電圧kV1の設定値の80kVまで下がり切らないという現象が起きてしまう。この場合の現象は1回転のX線投影データのビュー数が多くなった場合又は1回転の回転速度が速くなった場合に起きやすい。
通常、X線線量はX線管電圧kVの2乗から3乗に比例するので高いX線管電圧kV1のビューが短いほど、1回のスキャンにおけるX線線量が少なくなる。このため、補正係数f(s)は図8(d)で示すようにX線管電圧kVの切り換え周波数sビュー/秒に依存して少なくなる。X線線量は補正係数f(s)を用いて(数式9),(数式10)を補正する必要がある。低いX線管電圧kVの補正係数はf80(s)とし、高いX線管電圧の補正係数をf140(s)とすると、(数式9)は以下の(数式11)に補正される。
...(数式11)
また、(数式10)は以下の(数式12)のように補正される。
...(数式12)
このようにして、撮影条件設定部36はn1+n2ビューおきに低いX線管電圧kV1のn1ビューと高いX線管電圧kV2のn2ビューとを切り換えながらX線データ収集を行う場合のCTDI値であるDfast(n1,n2)を求めることができる。またビーム形成X線フィルタが異なる場合においても撮影条件設定部36はビーム形成X線フィルタごとに上記を同様に行えば良い。
さらに、撮影条件設定部36はz方向の撮影範囲にDfast(n1,n2)を加算することで、DLP値を求めることができる。
このようにして、操作者はデュアルエネルギー撮影の各部位の被曝X線線量を知ることができ、必要に応じて撮影条件を変更することで、適切な撮影条件を設定することができる。
尚、上記数式9、10、11、12において、ビュー数n1、n2は、ビュー方向の角度に置き換えることができる。
<撮影条件の最適化>
図9はビューごと又は数ビューごとにX線管電圧kVを切り換えるデュアルエネルギー撮影において操作者がX線線量情報で撮影条件を最適化するフローチャートを示す。以下の低いX線管電圧kV1は80kVとし、高いX線管電圧kV2は140kVとする。
ステップD1において、操作者はスカウト像撮影を行う。
ステップD2において、操作者は本スキャンの撮影条件設定を行い、撮影条件設定部36は予測したX線線量値Dfast(n1,n2)を表示する。
ステップD3において、操作者は適正な被曝線量かを判断し、YESであればステップD4へ行き、NOであればステップD5へ行く。
ステップD4において、ガントリ制御部29はビューごと又は数ビューごとにX線管電圧kVを切り換えるデュアルエネルギー撮影を行う。
ステップD5おいて、操作者は撮影条件の変更を行う。
<デュアルエネルギー画像再構成方法>
ステップD4においての、ビューごと又は数ビューごとのデュアルエネルギー撮影後の画像再構成は以下のように行う。
デュアルエネルギー撮影で収集したX線投影データは低いX線管電圧kV1のX線投影データと高いX線管電圧kV2のX線投影データに分けて抽出し、各X線管電圧のX線投影データの抜けているビューを隣り合うX線投影データを用いて補間処理又は加重加算処理を行って求める。
図10は、X線管電圧kVを切り換えた場合のX線投影データの補間処理を示す図である。
例えば、低いX線管電圧kV1のX線投影データをD80(view,row,ch)、高いX線管電圧kV2のX線投影データをD140(view,row,ch)、元のX線投影データをD(view,row,ch)とすると、図10のように2ビューおきにX線管電圧kVを切り換えた場合に以下のような補間処理で求めることができる。
...(数式13)
...(数式14)
...(数式15)
...(数式16)
このように2点で補間処理を行っても良いし、又は3点の加重加算処理を行っても良い。
次に、デュアルエネルギー画像再構成部35は補間処理、加重加算処理した低いX線管電圧kV1と高いX線管電圧kV2のX線投影データとを画像再構成し断層像を得る。デュアルエネルギー画像再構成部35はこの断層像を用いデュアルエネルギー比による断層像を求める。これは実効質量数に関連した断層像となる。
例えば、デュアルエネルギー画像再構成部35は低いX線管電圧kV1の断層像の各画素値G80(x、y)と、高いX線管電圧kV2の断層像の各画素値G140(x,y)とにより、以下の(数式17)に示すデュアルエネルギー比Z(x,y)を各画素について求める。
...(数式17)
このデュアルエネルギー比Z(x,y)は、物質ごと又は元素ごとで傾きが異なる。この傾きは実効質量数に比例した数を表しているため、デュアルエネルギー比Z(x、y)は実効質量数に比例すると言える。このため、各々の物質の傾き方向における各々の範囲で各々の物質又は元素に分類できる。つまり、実効質量数に比例した値のデュアルエネルギー比Z(x、y)から成分分布、組成分布情報の画像を得ることができる。
図11は、画像空間又はX線投影データ空間におけるデュアルエネルギー断層像を画像再構成する概念図である。
デュアルエネルギー画像再構成部35は、補間処理及び加重加算処理した低いX線管電圧kV1のX線投影データと高いX線管電圧kV2のX線投影データとを画像再構成し、低いX線管電圧kV1の断層像と高いX線管電圧kV2の断層像とを求める。図11(a)は、画像空間におけるデュアルエネルギー断層像を画像再構成する概念図を示す。
デュアルエネルギー画像再構成部35は造影剤等価画像であるカルシウム強調画像、カルシウム等価画像である造影剤強調画像の画像再構成を行う。
例えば、任意の物質Mの等価画像GM(x,y)は図11(a)に示すように低いX線管電圧kV1の断層像G80(x,y)と高いX線管電圧kV2の断層像G140(x,y)とに加重加算係数w1,w2を用いて以下の(数式18)のように加重加算処理することで得ることができる。この任意の物質Mの等価画像とは、任意の物質Mの画素値が“0”になるように、加重加算係数w1,w2を調整した画像である。またCはバイアス値(ゲタばき?)を調整する定数とする。
...(数式18)
ただし、w1=−w2の時は以下の(数式19)の通りとする。
...(数式19)
また通常、w2は負の数になるので以下の(数式20)のように書くこともできる。
...(数式20)
ただし、k=1の場合はの(数式19)の通りとなる。
このようにして、低いX線管電圧kV1の断層像G80(x,y)と高いX線管電圧kV2の断層像G140(x,y)との加重加算処理でデュアルエネルギー撮影の断層像の1つである、任意の物質Mの等価画像が得られる。なお、この時の任意の物質Mは骨又は石灰化(カルシウム)と造影剤とを求めれば良い。
図11(b)は上記の画像空間における加重加算処理と同様に、X線投影データ空間において加重加算処理し、そのX線投影データを画像再構成することで、任意の物質Mの等価画像を得ることを示す。この場合も同様に、デュアルエネルギー画像再構成部35は造影剤等価画像、骨等価画像又は石灰化(カルシウム)等価画像を得ることができる。
なお、デュアルエネルギー画像再構成部35はこれらの造影剤等価X線投影データ、骨等価X線投影データ又は石灰化(カルシウム)等価X線投影データを投影データ空間上でビームハードニング補正することで、X線吸収係数が水と傾向の異なる造影剤、骨又は石灰化(カルシウム)などもビームハードニング補正することができる。このため、デュアルエネルギー画像再構成部35は断層像としてもデュアルエネルギー撮影の断層像としてもビームハードニングを緩和することができる。
例えば、任意の物質Mの等価X線投影データをRM(view,row,ch)とすると、低いX線管電圧kV1のX線投影データR80(view,row,ch)に加重加算係数w1を乗算し、高いX線管電圧kV2のX線投影データR140(view,row,ch)に加重加算係数w2を乗算し、定数Cとともに加重加算処理を行うことで、任意の物質Mの等価X線投影データを求めることができる。この処理を以下の(数式21)に示す。
...(数式21)
なお、低いX線管電圧kV1のX線投影データ、高いX線管電圧kV2のX線投影データは加重加算処理する前に前処理とビームハードニング補正とをすでに処理したX線投影データを用いる。
このようにして得られた、任意の物質Mの等価X線投影データをzフィルタ重畳処理、再構成関数重畳処理、三次元逆投影処理又は後処理を行うことで、任意の物質Mの等価画像を得ることができる。なお、zフィルタ重畳処理は等価X線投影データを求める前に行っておいても良い。
このようにして、低いX線管電圧kV1のX線投影データと高いX線管電圧kV2のX線投影データをX線投影データ空間において加重加算処理したX線投影データを画像再構成処理して、任意の物質Mの等価画像を求めることもできる。
なお、本実施例においては、図7(a)のようにビューごとにX線管電圧kVを切り換えたり、図7(b)のように低いX線管電圧kV1と高いX線管電圧kV2とを等しくない非対称なビュー数によりX線管電圧kVを切り換えたり、又は図7(c)のように数ビューおきにX線管電圧kVを切り換えたりしてデュアルエネルギー撮影を行っている。これらのデュアルエネルギー撮影方法は、拍動による体動、呼吸による体動、心拍による体動に対して、ロバスト(robust)なデュアルエネルギー撮影方法となる。しかし、頭部など体動の少ない部位においては図7(a),図7(b)に示すように、フルスキャンF−Scan又はハーフスキャンH-ScanごとのでX線管電圧を切り換える撮影方法でもデュアルエネルギー撮影を行うことができる。
<デュアルエネルギー撮影でのX線線量値の算出の他の例>
上記の例は、X線管電圧80kVと140kVとを用いてCTDIを求めたが、あらかじめX線管電圧80kV,140kV以外に、過渡的なX線管電圧値である100kV,120kVのCTDI値を求める、それらを用いてデュアルエネルギー撮影のX線線量値を求めることもできる。
例えば、撮影条件設定部36は低いX線管電圧kV1、高いX線管電圧kV2、又は過渡管電圧より、X線管電圧80kV,100kV,120kV又は140kVの線型加重加算係数W80、W100、W120、及びW140を求める。次に、撮影条件設定部36はW80・CTDI80+W100・CTDI100+W120・CTDI120+W140・CTDI140を計算することで、低いX線管電圧kV1と高いX線管電圧kV2とをビューごと又は数ビューごとで切り換えた場合のCTDI値を求めることができる。
<撮影条件の最適化の他の例1>
本例においては、デュアルエネルギー撮影においてあらかじめ撮影したスカウト像SC上に、撮影範囲を設定したときにX線線量の閾値(上限値)THを超えた部分に色付け表示(カラー表示)することで、操作者に注意を促し、より最適な撮影条件を設定できる例を示す。この場合も撮影条件設定部36はCTDI値、DLP値を求めて、数値又はグラフ表示を行う。
図12(a)はデュアルエネルギー撮影のX線線量値とその閾値THとを表示することでより最適な撮影条件の設定を行うフローチャートを示す。
ステップD21おいて、操作者はスカウト撮影を行う。
ステップD22おいて、操作者は本スキャンの撮影条件設定を行い、撮影条件設定部36はあらかじめ登録しておいたプロトコル(protocol)よりX線線量の閾値を設定する。例えば、プロトコルは年齢、体重又は撮影部位ごとにあらかじめX線線量の閾値の推奨値を設定しておくことができる。
ステップD23おいて、撮影条件設定部36はスカウト像上にX線線量情報であるCTDI値のグラフ表示、数値表示、DLP値の数値表示を行い、CTDI値の閾値THを超えた部分をカラー表示CLする。例えば、図12(b)で示すように、撮影条件設定部36はモニタ6上にCTDI値の閾値THを超えた部分を赤色又は点滅表示することで、操作者に必要な撮影条件なのか又は設定の変更が可能な撮影条件なのかの注意を促す。
ステップD24おいて、撮影条件設定部36は適正なX線線量かを判断し、YESであればステップD25へ行き、NOであればステップD26へ行く。
ステップD25おいて、ガントリ制御部29は本スキャンを行い、1ビューごと又は数ビューごとに低いX線管電圧kV1と高いX線管電圧kV2とを切り換えながらX線データ収集を行う。
ステップD26おいて、操作者は撮影条件の変更を行う。また必要であればCTDI値の閾値DHの変更を行う。その後、ステップD22へ戻る。
<撮影条件の最適化の他の例2>
本例は、デュアルエネルギー撮影の撮影条件設定時に画質の目標値を定めて、その目標値に沿うように自動でX線を制御するX線自動露出制御部37を用いることで、z方向の撮影範囲の各位置における撮影条件を定める。さらに、操作者はそのX線自動露出制御部37が定めた撮影条件のCTDI値、DLP値を検証することができる実施例を示す。
図13はデュアルエネルギー撮影においてX線自動露出制御部37を用い、さらにX線線量情報を求めることで最適な撮影条件を設定することができるフローチャートを示す。
ステップD41おいて、操作者はスカウト撮影を行う。
ステップD42おいて、操作者は本スキャンの撮影条件設定を行い、X線自動露出制御も設定する。X線自動露出制御部37にはデュアルエネルギー断層像の画質の目標である画像ノイズ指標値を入力する。例えば、画像ノイズ指標値は、断層像の各画素におけるCT値の標準偏差又はデュアルエネルギー撮影の断層像の各画素におけるCT値の標準偏差を設定する。
ステップD43おいて、撮影条件設定部36はスカウト像SCのz方向の各位置におけるプロファイルデータの幾何学的特徴量を求めて、各位置の最適なX線管電圧kVを求めデュアルエネルギー撮影の撮影条件を設定する。撮影条件設定部36はあらかじめ求めてあるプロファイルデータの幾何学的特徴量と最適なX線管電流mAとの関係より、z方向の各位置における断層像撮影又はデュアルエネルギー撮影における最適なX線管電流mAを求める。この時用いるスカウト像SCはスカウト像SCのX線投影データでもよい。また、プロファイルデータの幾何学的特徴量としては、プロファイル面積、プロファイルエリアを楕円近似した時の楕円の長径と短径、楕円率、プロファイルの幅、プロファイルの最大値及び最大値に続く大きな値又はいくつかの平均値などが考えられる。
ステップD44おいて、X線自動露出制御部37は低いX線管電圧kV1のX線管電流が上限値又は高いX線管電圧kV2のX線管電流が上限値を超えているかを判断し、YESであればステップD45へ行き、NOであればステップD46へ行く。
ステップD45おいて、ヘリカルピッチを小さくする。X線自動露出制御部37はヘリカルピッチを小さくすることで実効的なX線管電流mAを大きくする効果がある。また、CTDI値も増加する。
ステップD46おいて、操作者は本スキャンの撮影条件を確定し、撮影条件設定部36はCTDI値、DLP値及びX線利用効率を求めて表示する。
ステップD47おいて、操作者は適正なX線線量値かを判断し、YESであればステップD48へ行き、NOであればステップD49へ行く。操作者は設定された各撮影条件のCTDI値、DLP値などをチェックし、適正なX線線量か否かを判断するが、実施例2のようにあらかじめプロトコルで推奨の閾値を設定しておく方法でも良い。
ステップD48おいて、ガントリ制御部29は本スキャンを行い、1ビューごと又は数ビューごとに低いX線管電圧kV1と高いX線管電圧kV2とを切り換えながらX線データ収集を行う。
ステップD49おいて、撮影条件の変更を行う。
以上のX線CT装置100において、高速にX線管電圧を切り換えるデュアルエネルギー撮影においてX線線量情報を求めることができ、被曝低減と画質と被曝の最適化とを実現する効果がある。
尚、上記実施例は、ビューごと又は数ビューごとのデュアルエネルギー撮影について説明したが、頭部など体動の少ない部位においては図14(a),図14(b)に示すように、フルスキャンF−Scan又はハーフスキャンH-ScanごとのでX線管電圧を切り換える撮影方法でもデュアルエネルギー撮影を行うことができる。
図14(a)に示される方法は、ISD(Inter Scan Delay)の存在するスキャンでX線管電圧kVを切り換える方法であり、CTDI値は、数式9に基づく方法で算出することができる。デュアルエネルギー撮影、図14(b)に示される方法は、スキャンとスキャンとの間でX線管電圧kVの切り換え時間が無く過渡管電圧の発生するおそれのあることから、例えば数式10のように補正係数を用いて、或いは、過渡的なX線管電圧値のX線線量値を用いた上述の方法で、CTDI値を求めることができる。
さらに、複数のX線管21及び多列X線検出器24を用いるデュアルエネルギー撮影に適用することもできる。
図15(a)には2つのX線管21(第1X線管21−1,第2X線管21−2)及び多列X線検出器24(第1多列X線検出器24−1,第2多列X線検出器24−2)を持つX線CT装置、図15(b)には3つのX線管21(第1X線管21−1,第2X線管21−2,第3X線管21−3)及び多列X線検出器24(第1多列X線検出器24−1,第2多列X線検出器24−2,第3多列X線検出器24−3)を持つX線CT装置を示す。これらのX線CT装置においては、X線データ収集系ごとで異なるX線管電圧を出力する場合と各X線データ収集系がX線管電圧を切り換えて出力する場合とがある。いずれの場合も、撮影条件設定部36はあるz方向の1cm単位長さあたりにどれだけのX線投影データのビューが通り、それらのビューのX線線量を加算することによりCTDI値を求めることができる。また、DLP値はCTDI値をz方向の長さ方向に加算することで求めることができる。
また、上記実施例では、ヘリカルスキャンによるデュアルエネルギー撮影の主に説明してきたが可変ピッチヘリカルスキャン又はヘリカルシャトルシャトルであってもよい。なお、本実施例における画像再構成法は、従来公知のフェルドカンプ法による三次元画像再構成法でもよい。さらに、他の三次元画像再構成方法でもよい。
また、上記実施例は、走査ガントリ20が傾斜していない場合について記載しているが、走査ガントリ20が傾斜した、いわゆるチルト・スキャンの場合でも同様な効果を出すことができる。X線自動露出制御部37は、X線管電流、ヘリカルピッチ、走査ガントリ回転速度などを変更することでX線自動露出制御を行うこともできる。
また、上記実施例では、多列X線検出器について書かれているが、フラットパネルX線検出器又は1列のX線検出器のX線CT装置においても同様の効果を出せる。なお、本実施例においては、撮影テーブル10のクレードル12をz方向に動かしているが、走査ガントリ20又は走査ガントリ20内のガントリ回転部15をクレードル12に対して動かすことによっても、相対的に同様な効果を得ることができる。
1 … 操作コンソール
2 … 入力装置
3 … 中央処理装置 (32 … 前処理部,34 … 画像再構成部,35 … デュアルエネルギー画像再構成部, 36 … 撮影条件設定部,37 … ラベリング部, 38 … 排他処理部)
5 … データ収集部
6 … モニタ表示部
7 … 記憶装置
10 … 撮影テーブル
12 … クレードル
15 … ガントリ回転部
20 … 走査ガントリ
21 … X線管 (21−1 … 第1X線管,21−2 … 第2X線管,21−3 … 第3X線管)
22 … X線制御部22
23 … コリメータ23
24 … 多列X線検出器24 (24−1 … 第1多列X線検出器,24−2 … 第2多列X線検出器,24−3 … 第3多列X線検出器)
25 … データ収集装置(DAS)
26 … 回転制御部
28 … ビーム形成X線フィルタ
29 … ガントリ制御部

Claims (7)

  1. 第1X線管電圧によるX線と、前記第1X線管電圧とは異なる第2X線管電圧によるX線とを少なくとも1ビューごとに切り換えて被検体に照射するX線照射部と、

    前記被検体に照射した前記第1X線管電圧によるX線の第1エネルギー投影データ及び前記第2X線管電圧によるX線の第2エネルギー投影データを収集するX線データ収集部と、

    前記第1エネルギー投影データと前記第2エネルギー投影データとに基づいて、デュアルエネルギー撮影の断層像を画像再構成するデュアルエネルギー画像再構成部と、

    前記第1X線管電圧と前記第2X線管電圧とを少なくとも1ビューごとに複数回切り換えて、前記第1X線管電圧によるX線と前記第2X線管電圧によるX線とを被検体に照射した場合のX線線量の予測値を算出し表示する撮影条件設定部と、

    を備え、
    前記撮影条件設定部は、前記X線線量の予測値を、前記第1X線管電圧によるX線に基づくX線線量値と前記第2X線管電圧によるX線に基づくX線線量値との、前記切り換えられる第1X線管電圧と第2X線管電圧とのビューの割合に基づく加重係数を用いた加重加算により算出する

    ことを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記撮影条件設定部は、前記X線線量の予測値を、前記第1X線管電圧によるX線に基づくX線線量値と前記第2X線管電圧によるX線に基づくX線線量値との、前記切り換えられる第1X線管電圧と第2X線管電圧とのビューの割合に基づく加重係数と、前記切り換えに伴うX線管電流及び/またはX線管電圧の設定値からのずれを補正する補正係数とを用いた加重加算により、算出する

    ことを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記撮影条件設定部は、前記第1X線管電圧によるX線と前記第2X線管電圧によるX線とを少なくとも1ビューごとに被検体に照射した場合のX線線量の予測値を、前記第1X線管電圧によるX線に基づくX線線量値と、前記第2X線管電圧によるX線に基づくX線線量値と、前記第1X線管電圧によるX線と前記第2X線管電圧によるX線との切り替え区間のX線に基づくX線線量値とを、前記第1エネルギー投影データ、前記第2エネルギー投影データ、及び前記切り替え区間の投影データのビューの割合に基づく加重係数を用いた加重加算により算出するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記第1X線管電圧によるX線に基づくX線線量値と前記第2X線管電圧によるX線に基づくX線線量値とは、前記X線CT装置を用いて収集したファントムの投影データに基づきそれぞれ算出された値であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  5. 前記X線線量の予測値が、CTDI(CT Dose Index)及びDLP(
    Dose Length Product)の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  6. 前記撮影条件設定部は、前記X線線量の予測値を、あらかじめ撮影しておいたスカウト像上に表示することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  7. 前記撮影条件設定部は、前記X線線量の予測値を、前記X線線量の予測値が、あらかじめ指定しておいたX線線量の閾値を超えことを表示することを特徴とする請求項6に記載のX線CT装置。
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