JP2008279153A - X線ct装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 X線CT装置は、X線管(21)が第1X線管電圧の第1X線と第2X線管電圧の第2X線とを発生するように制御するX線管制御部(22)と、被検体(HB)を透過した第1X線及び第2X線を検出し第1X線投影データ及び第2X線投影データを出力するX線データ収集部(25)と、第1X線投影データ及び第2X線投影データを収集する条件として、第1X線投影データのデータ収集積分時間と第2X線投影データのデータ収集積分時間とを制御したX線データ収集条件を設定するX線データ収集条件設定部(31)と、X線データ収集条件設定部で設定されたX線データ収集条件を用いて収集された第1X線投影データ及び第2X線投影データに基づいて、デュアルエネルギー撮影の断層像の画像再構成を行うデュアルエネルギー画像再構成手段(38)と、を備える。
【選択図】 図8
Description
メディカルレビュー社 THE BONE 1996.9 V0l.10 No.3 P145〜P149 CT値による骨塩定量法(QCT)−その原理と方法− メディカルレビュー社 THE BONE 1996.9 V0l.10 No.4 P129〜P134 CT値による骨塩定量法(QCT)−臨床応用−
このため、高速なX線管電圧切り換えとともにヘリカルスキャンで高速にデュアルエネルギー撮影を行いたいという要望は高い。その一方で、デュアルエネルギー撮影は高いX線管電圧と低いX線管電圧との断層像又はX線投影データを加重加算処理して画像再構成処理を行うため、加重加算処理した断層像又はX線投影データの画質が低くなる可能性があるという技術的問題があった。
特に、X線CT装置によって、造影剤を強調するデュアルエネルギー撮影を行った場合は、求める三次元画像の画質が低くなりやすい。
この構成により、第1の観点のX線CT装置は、デュアルエネルギー撮影を行うことで、X線の管電圧特性の異なるCT値の近い物質を強調することができる。例えば、骨と造影剤のCT値が近い場合でも骨と造影剤のX線管電圧特性が異なるため分離して片方を強調することができる。この際に、第1及び第2X線管電圧の断層像又はX線投影データのノイズをほぼ等しく、又は加重加算係数の絶対値の比を一定の比に調整することができ、デュアルエネルギー撮影した断層像の画質を向上、つまりノイズの増加を押えることができる。
この第3の観点によれば、第1及び第2X線管電圧の各々の断層像又はX線投影データのノイズを最適化するために、第1及び第2X線管電圧におけるX線データ収集の積分時間を制御する。そして第1及び第2X線管電圧における断層像又はX線投影データのノイズをほぼ等しく又は一定の比にすることができる。
第4の観点によれば、第1及び第2X線管電圧の断層像又はX線投影データのノイズを最適化するために、第1及び第2X線管電圧におけるX線データ収集のビュー数を調整して制御する。そして第1及び第2X線管電圧の断層像又はX線投影データのノイズをほぼ等しくするか、又は一定の比にすることができる。
第5の観点によれば、デュアルエネルギー撮影した断層像の画質を向上、つまりノイズの増加を押えることができる。
第6の観点のX線データ収集条件設定部は、第1X線投影データ及び第2X線投影データを収集する際のX線管電流を制御する。
この第6の観点によれば、第1及び第2X線管電圧の断層像又はX線投影データのノイズを最適化するために、第1及び第2X線管電圧におけるX線管電流を異なる値にすることで、複数のX線管電圧の各々の断層像又はX線投影データのノイズをほぼ等しくするか、又は一定の比にすることができる。これにより、デュアルエネルギー撮影された断層像の画質、ノイズを最適化できる。
第7の観点のX線CT装置は、第3の観点において、X線データ収集部の1ビューのX線データ収集時間は一定であるとする。
第7の観点によれば、第1及び第2X線管電圧におけるX線データ収集のビュー数を制御する際に、図12のように各X線データ収集ビューの1ビューの積分時間は一定にしてビュー数の制御を行うことができる。このようにして、第1及び第2X線管電圧の断層像又はX線投影データのノイズを最適化するために、第1及び第2X線管電圧の断層像又はX線投影データのノイズをほぼ等しくするか、又は一定の比にすることができる。
この第8の観点によれば、X線管電圧の切り換えはできれば高速なほど被検体の体動、脈動、心拍、呼吸などの動きに影響されない。つまり、1ビューごと又は数ビューごとにX線管電圧の切り換えを行うことにより、断層像の特に周辺領域でのアーチファクトの発生や空間分解能の劣化を防ぐことができる。
この第9の観点によれば、1ビューごと又は数ビューごとに第1X線管電圧と第2X線管電圧とに切り換えるため、画像再構成手段が第1X線投影データと第2X線投影データとを抽出する。そして、それぞれのX線投影データから断層像を画像再構成を行う。
第10の観点によれば、画像再構成手段が、第1X線投影データ及び第2X線投影データを求める際に、補間処理を行うことでアーチファクトを低減することができる。
図1は、本発明の一実施例にかかるX線CT装置100の構成ブロック図である。このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
X線データ収集条件設定部31は、X線管21の管電圧が異なる場合に異なるX線管電圧のX線投影データのノイズが等しくなる又は一定の比になるようにX線データ収集条件を設定する。具体的には、X線データ収集条件設定部31は、X線制御部22にX線管電圧及びX線管電流を設定する。また、それぞれのX線管電圧に対応し、データ収集装置25のX線収集の積分時間又はビュー数などの条件を設定する。
前処理部37は、データ収集装置25で収集された生データに対して、チャネル間の感度不均一を補正し、またX線強吸収体、主に金属部による極端な信号強度の低下又は信号脱落を補正するX線量補正等の前処理を実行する。
デュアルエネルギー画像再構成部39は、低いX線エネルギースペクトルの投影データ及び高いX線エネルギースペクトルの投影データから、原子の分布に関連したX線管電圧依存情報の二次元分布断層像、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像を画像再構成する。
図2は、本実施例のX線CT装置100についての動作の概要を示すフローチャートである。
ステップP1では、被検体HBをクレードル12に乗せ、位置合わせを行う。ここでは、クレードル12の上に乗せられた被検体HBは各部位の基準点に走査ガントリ20のスライス中心位置を合わせる。そして、スカウト像(スキャノ像)収集を行う。スカウト像撮影では、X線管21と多列X線検出器24とを固定させ、クレードル12を直線移動させながらX線検出器データのデータ収集動作を行う。ここでは、スカウト像は通常0度,90度のビュー角度位置で撮影される。図2中の右側は、0度で胸部付近を撮影したスカウト像41の例である。このスカウト像41上から断層像の撮影位置を計画できる。
ステップP5では、ビームハードニング補正を行う。ここでは、前処理された投影データD(view,row,ch)に対して、ビームハードニング補正を行う。この時、検出器の各j列に独立したビームハードニング補正を行うことができるため、X線収集条件で各X線管21の管電圧が異なっていれば、列ごとの検出器のX線エネルギー特性の違いを補正できる。
ステップP8では、画像再構成部38が三次元逆投影処理を行う。ここでは、再構成関数重畳処理した投影データD(view,row,ch)に対して、三次元逆投影処理を行い、逆投影データD3(X,y,z)を求める。画像再構成される画像はz軸に垂直な面である。Xy平面に三次元画像再構成される。以下の再構成領域PはXy平面に平行なものとする。
ステップP10では、画像再構成された断層像を表示する。断層像の例として、図2の右側に断層像Gを示す。
ステップP11では、デュアルエネルギー画像再構成部39がデュアルエネルギー画像GCSの表示を行う。ここでは、デュアルエネルギー画像再構成部39は、高いエネルギースペクトルのX線投影データに加重加算係数を乗じた値から、高いエネルギースペクトルのX線投影データを差分して、デュアルエネルギー画像GCSを画像再構成する。
次に、上述のステップP3からステップP9の断層像撮影について、詳述する。
(連続デュアルエネルギー撮影方法)
まず、高速スキャンが可能なX線CT装置100において、より短時間デュアルエネルギー撮影を行う例を以下に示す。図3(a)は、連続したスキャンでX線管電圧を切り換える場合を示した図で、(b)は、連続したスキャンで、X線管電圧を切り換える間にX線オフISD(Inter Scan Delay)がある場合を示す図である。
ハーフスキャンH−Scanは、X線ファンビームのファン角を60度とすると、180度+ファン角=240度分、つまり2/3回転分のX線投影データを収集することになる。例えば、図3(a)に示すように、X線データ収集系の回転速度が0.35秒/回転であれば、ハーフスキャンの撮影時間は0.46秒、フルスキャンの撮影時間は0.7秒となる。撮影時間がこのように1秒以下であれば、被検体の体動はかなり押さえることができる。なお、この場合は、X線管電圧を撮影時間t1とt2との間において、撮影時間よりもかなり短い時間で、又は無視できる短い時間でX線管電圧を切り換えているものとする。
この時にデータ収集装置25は1スキャン目と2スキャン目を同一ビュー角度より収集開始する。このため、Δtの間はX線投影データ収集を中止し、X線管電圧を上げ2スキャン目のX線投影データ収集を行うようにすれば、データ収集装置25は同一ビュー角度でX線投影データ収集を開始できる。なお、この場合、撮影時間t1,t2はハーフスキャンの場合としてビュー角度は240度になる。
この時の1スキャン目、X線オフしたISD期間、2スキャン目を合わせた撮影時間T=t1+t2+Δtは0.58秒となり、被検体の体動もかなり押さえることができる。
さらに、図4(a)はX線管電圧をビューごとに切り換えるデュアルエネルギー撮影を示す。データ収集装置25は、例えば奇数ビューでX線管電圧80kVのX線投影データを収集し、偶数ビューでX線管電圧140kVのX線投影データを収集する。又は、データ収集装置25は、図4(b)に示すように、複数の連続したビューごとにX線管電圧80kVと、X線管電圧140kVとのX線投影データ収集を交互に繰り返しても良い。
この場合、画像再構成時に各々のX線管電圧のX線投影データに分離し再度組合わせたX線投影データを用いて画像再構成を行うことができる。そして、X線管電圧が第1のX線管電圧から第2のX線管電圧に切換わる時に過渡的なX線管電圧値を取るが、この部分のX線投影データは限られた種類のX線管電圧の補正データからは充分にビームハードニング補正などの補正が行えない可能性があり、アーチファクトが発生する可能性がある。このため、過渡的なX線管電圧の部分はX線投影データを収集を行わないようにすれば補正がうまく行えないX線投影データはなくなり、アーチファクトのないデュアルエネルギー撮影の断層像が得られる。
または、上記のように、この過渡的なX線管電圧の部分を画像再構成に使用しないで捨ててしまうと被検体への無駄被曝となってしまうので、これを避けるためにビームハードニング補正などを充分行い、過渡的なX線管電圧のX線投影データを断層像画像再構成に使用することで、無駄被曝なくデュアルエネルギー撮影ができる。
その画像再構成されるデュアルエネルギー断層像やスカウト像の造影剤等価画像、カルシウム等価画像の作成方法は、以下のようになる。
図5は、投影データ空間におけるデュアルエネルギー撮影の画像再構成方法の概要を示す図である。デュアルエネルギー画像再構成部39は、低いX線管電圧のX線投影データD−Lowに加重加算係数w1を乗算し、同様に高いX線管電圧のX線投影データD−Highに加重加算係数w2を乗算し、定数C1とともに加重加算処理し、デュアルエネルギー断層像GCSを作成する。また、デュアルエネルギー画像再構成部39は、画像空間、断層像空間おいても投影データ空間と同様に加重加算処理することでデュアルエネルギー断層像GCSを得ることができる。これら加重加算係数w1,w2及び定数C1は、抽出したい原子、強調したい原子、表示上で消したい原子又は部位により定まる。
図6は、画像空間を用いたデュアルエネルギー撮影の画像再構成方法の概要を示す図である。デュアルエネルギー画像再構成部39は、画像再構成部38により得られた低いX線管電圧の断層像に加重加算係数w1を乗算し、同様に高いX線管電圧の断層像に加重加算係数w2を乗算し、定数C1とともに加重加算処理し、デュアルエネルギー断層像を作成する。次に、デュアルエネルギー画像再構成部39は、上記投影データ空間の加重加算処理と同様に加重加算処理することでデュアルエネルギー断層像を得ることができる。
例えば、デュアルエネルギー画像再構成部39はCT値の近い骨、石灰化を構成するカルシウム成分(Ca成分)と、ヨウ素を主成分とする造影剤(Iodine成分)を分離するために、カルシウム成分を表示上で消すと、つまり画素値を0にすると造影剤成分が抽出され、強調して表示することができる。また反対に、デュアルエネルギー画像再構成部39は造影剤成分を表示上で消すと、つまり画素値を0にするとカルシウム成分が抽出され、骨や石灰化の部分を強調して表示することができる。
上記のようにして、デュアルエネルギー画像再構成部39は断層像空間でも投影データ空間でも、デュアルエネルギー断層像を作成することができる。このような処理をすることで、デュアルエネルギー画像再構成部39は造影剤等価画像、カルシウム等価画像を作成することができる。
デュアルエネルギー断層像やスカウト像を求める過程の加重加算係数のうちの1つが負数(マイナス)になる場合など、元の複数のX線管電圧の断層像に比べ、S/Nが悪化し画像ノイズが増え、デュアルエネルギー撮影の断層像の方の画質が悪くなる場合がある。このため、元の複数のX線管電圧のX線データ収集条件は被検体の被曝を考慮しつつ、デュアルエネルギー撮影の断層像の画像ノイズも考慮して決めなければならない。
一般的に図7(a)に示すように、画像ノイズがn1、信号がs1、S/N比がn1/s1である低いX線管電圧の断層像G−Lowと、画像ノイズがn2、信号がs2、S/N比がn2/s2である高いX線管電圧の断層像G−Highとの差画像を求めると、差画像のS/N比SNSubは以下の(数式1)のようになる。
なお、相加相乗平均の定理より、以下の(数式2)が成り立つ。
以下、実施例を用いて、デュアルエネルギー断層像の画質を最適化する方法について説明する。
本実施例は、高いX線管電圧と低いX線管電圧とを切り換えて各X線データ収集を行い、それぞれの断層像又はX線投影データを加重加算処理することで、デュアルエネルギー撮影を行う。例えば、本実施例は、X線管電圧80kVとX線管電圧140kVとをビューごとに高速に切り換えて実施する。この場合の加重加算処理は、画像再構成を行ってデュアルエネルギー断層像のある物質を消すように、つまり、ある物質の等価画像を作るように画像再構成を行う。
この場合は、データ収集装置25は、X線管電圧80kVとX線管電圧140kVとの断層像又はX線投影データのノイズをほぼ同じにしてX線データ収集することができない。すなわち、データ収集装置25は、この撮影法では、ある物質の等価画像を得るために、加重加算係数の絶対値の比にしてX線データ収集をすることができない。
ステップD1では、X線管電圧80kVをX線データ収集の積分時間t1で、X線管電圧140kVをX線データ収集の積分時間t2ビューごとに切り換えながらヘリカルスキャンを行うように、X線収集条件設定部31がデータ収集装置25に収集条件を設定する。
ステップD2では、画像再構成部38は、X線管電圧80kVのビューを抽出し、X線管電圧80kVのヘリカルスキャンのX線投影データを組み合わせる。
ステップD3では、画像再構成部38は、X線管電圧140kVのビューを抽出し、X線管電圧140kVのヘリカルスキャンのX線投影データを組み合わせる。
ステップD4では、画像再構成部38は、X線管電圧80kVの断層像を画像再構成する。
ステップD5では、画像再構成部38は、X線管電圧140kVの断層像を画像再構成する。
ステップD7では、デュアルエネルギー撮影の断層像であるカルシウム強調断層像及び造影剤強調断層像をモニター6に表示する。
尚、図9のフローチャートにおいては、ステップD2、ステップD4とステップD3、ステップD5とが並行して処理されるように示されているが、上記フローにおいてはこれに限らず、ステップD2、ステップD3、ステップD4、ステップD5の順、又はステップD4、ステップD5、ステップD2、ステップD3、ステップD4の順等、処理可能な順番を含むものである。
ステップD4,ステップD5においては、画像再構成部38は、N/2ビューの低いX線管電圧のX線投影データD−Low、N/2ビューの高いX線管電圧のX線投影データD−Highをそのまま画像再構成してもよい。
その1つ目は、補間処理のボケを避けたビュー方向の加重加算処理の逆重畳フィルタ(De-Convolution Filter)がある。
例えば、X線投影データは、高いX線管電圧のX線投影データD1high(view,row,ch)において、view=2,4,…2k,…Nの偶数ビューだけデータが存在し、view=1,3,…2k−1,…N−1の奇数ビューにおいてデータが存在しないとする。ただしkは自然数とする。ビュー方向の補間処理では、以下の(数式11)のようにして奇数ビューを求めることができる。
D1high(2k−1,row,ch)=
(w1・D1high(2k−2,row,ch)
+w2・D1high(2k,row,ch)
+w3・D1high(2k+2,row,ch))/(w1,w2,w3)
...(数式5)
D1high(2k−1,row,ch)=
(w1・D1high(2k−4,row,ch)
+w2・D1high(2k−2,row,ch)
+w3・D1high(2k,row,ch)
+w4・D1high(2k+2,row,ch))/(w1,w2,w3,w4)
...(数式6)
デュアルエネルギー画像再構成部39は、各X線管電圧のX線データ収集時の積分時間を調整して、デュアルエネルギー撮影における各X線管電圧のX線投影データ又は断層像のノイズをほぼ一定、又はほぼ一定の比にしてデュアルエネルギー断層像の画質を最適化することができる。
上記実施例1でのデータ収集装置25においては、X線データ収集のデータ積分時間を複数種類持つとデータ収集装置25のデータのオーバーフロー、オフセットノイズの影響などの点で設計が複雑になる。一方、実施例2では、これを避けるためにデータ収集装置25側は常に1種類のデータ積分時間であるが、X線データ収集を積分時間の倍数で収集することで、積分時間を長くしたのと同等のX線投影データのノイズ改善を行う。
ステップD11では、X線管電圧80kVのX線データ収集をn1ビュー行い、X線管電圧140kVのX線データ収集をn2ビュー行い、切り換えながらヘリカルスキャンを行うように、X線収集条件設定部31がデータ収集装置25に収集条件を設定する。
ステップD12では、画像再構成部38は、X線管電圧80kVのビューを抽出し、X線投影データを組み合わせる。
ステップD13では、画像再構成部38は、X線管電圧140kVのビューを抽出し、X線投影データを組み合わせる。
ステップD14では、画像再構成部38は、X線管電圧80kVの断層像を画像再構成する。
ステップD15では、画像再構成部38は、X線管電圧140kVの断層像を画像再構成する。
ステップD16では、デュアルエネルギー画像再構成部39は、X線管電圧80kVとX線管電圧140kVとの断層像を加重加算処理し、カルシウム強調断層像及び造影剤強調断層像を画像再構成する。
ステップD17では、デュアルエネルギー撮影の断層像であるカルシウム強調断層像及び造影剤強調断層像を表示する。
尚、図11のフローチャートにおいては、ステップD2、ステップD4とステップD3、ステップD5とが並行して処理されているように示されているが、上記フローはこれに限らず、ステップD2、ステップD3、ステップD4、ステップD5の順、又はステップD4、ステップD5、ステップD2、ステップD3、ステップD4の順等、処理可能な順番を含むものである。
図12は、データ収集装置25によってX線管電圧ごとのビュー数を変えたX線データ収集を示す図である。図13は、X線データ収集の積分時間を一定にした場合のX線投影データの分離及び組み合わせを示す図である。
ステップD11のn1ビュー及びn2ビューは、図12においてn1=2,n2=1となっており、各ビューのX線データ収集積分時間はt2で一定である。この場合のX線投影データの分離及び組み合わせを図13に示す。
ステップD12及びステップD13においては、画像再構成部38は、X線管電圧80kVのX線投影データ2N/3ビューを抽出して組み合わせ、X線管電圧140kVのX線投影データN/3ビューを抽出して組み合わせる。
ステップD14及びステップD15において、画像再構成部38は、各X線投影データのビュー方向を考慮して、各X線管電圧の2N/3ビューのX線投影データ、N/3ビューのX線投影データのままで画像再構成を行っても良い。
これにより、デュアルエネルギー断層像はX線管電圧80kVのX線投影データもX線管電圧140kVのX線投影データもNビューでX線投影データを画像再構成するので、大きな撮影領域の周辺部分においてもエリアジングアーチファクトを防げる。
ステップD15,ステップD16のデュアルエネルギー撮影によるカルシウム強調断層像、造影剤強調断層像の画像再構成、及び画像表示は、実施例1と同様である。
このようにして、デュアルエネルギー画像再構成部39は、各X線管電圧のX線データ収集を行う際に、一定時間の積分時間でビュー数を調整してデュアルエネルギー撮影することで、各投影データ及び各断層像のノイズをほぼ等しいか、一定の比にしてデュアルエネルギー断層像の画質を最適にすることができる。
本実施例においては、実施例1と同様にビューごとにX線管電圧80kVとX線管電圧140kVを高速に切り換えるとともにX線管電流を変化させて撮影する。
X線収集条件設定部31は、X線制御部22及びデータ収集装置25に収集条件を設定する。図14に示すように、X線管電圧80kVのX線データ収集のデータ積分時間t1とX線管電流X1と、X線管電圧140kVのX線データ収集のデータ積分時間t2とX線管電流X2を変化させ、それぞれのX線管電圧のX線投影データ及び断層像のノイズをほぼ等しく、又は一定の比になるようにする。また、データ積分時間t1、t2は、そのデータ収集ビュー数n1、n2と置き換えることもできる。
ステップD21では、X線収集条件設定部31の設定に従い、X線制御部22及びデータ収集装置25が、X線管電圧80kVのX線データ収集をn1ビュー及びX線管電流をX1と設定する。また、X線制御部22及びデータ収集装置25は、X線管電圧140kVのX線データ収集をn2ビュー及びX線管電流をX2と設定する。そしてヘリカルスキャンが行われる。
例えば図14に示すように、X線データ収集ビューは、n1=2ビュー、n2=1ビューとなっている。また、ステップD21は、X線管電圧80kVのX線データ収集の積分時間をt1、X線管電流X1、X線管電圧140kVのX線データ収集の積分時間をt2、X線管電流X2でX線データ収集を行っても良い。
ステップD21以降の処理は図11の抽出再構成処理と同様に行える。
なお、この時のデュアルエネルギーのスカウト像とは、ヘリカルスカウトスキャンによるz方向に連続した断層像を再構成したスカウト像を意味し、のデュアルエネルギー撮影された断層像をある方向に再投影処理又はMIP(MaXimum
Intensity ProjeCTion)処理することで、石灰化の部分が撮影計画時に見ることができるスカウト像のことを指す。
本実施例では、ヘリカルスキャンの場合について記載しているが、ヘリカルピッチを可変しながらスキャンする可変ピッチヘリカルスキャン、往復しながらスキャンするヘリカルシャトルスキャンの場合についても同様に効果を出すことができる。
また、上述の実施例において説明したデュアルエネルギー断層像の画質を最適化する方法において、画質を最適化しきれない時は、X線投影データ空間における空間フィルタ、または断層像空間における空間フィルタ、または再構成関数のような画像再構成上の画像処理の変数でさらに画質を調整することもできる。即ち、複数のX線管電圧の各々の断層像またはX線投影データの画質を最適化するために、複数のX線管電圧のX線投影データのうち少なくとも1つのX線投影データにX線投影データ空間の空間フィルタを重畳して、複数のX線管電圧の各々のX線投影データのノイズをほぼ等しく、またはある一定の比になるようにして画像再構成を行う。または複数のX線管電圧の各々のX線投影データに重畳する再構成関数の空間周波数帯域を調整して再構成関数を重畳した各々のX線投影データのノイズがほぼ等しく、またはある一定の比になるようにできる。これにより、デュアルエネルギー撮影された断層像の画質を最適化できる。或いは、複数のX線管電圧の各々のX線投影データから画像再構成された断層像のうち少なくとも1つの断層像に断層像空間の空間フィルタを重畳して、複数のX線管電圧の各々の断層像のノイズをほぼ等しく、またはある一定の比になるようにして画像再構成を行うことができる。
2 … 入力装置
3 … 中央処理装置 (31 … X線収集条件設定部、37 … 前処理部、38 … 画像再構成部38、39 … デュアルエネルギー画像再構成部)
5 … データ収集バッファ
6 … モニター
7 … 記憶装置
10 … 撮影テーブル
12 … クレードル
15 … 回転部
20 … 走査ガントリ
21 … X線管
22 … X線管制御部
23 … コリメータ
24 … 多列X線検出器
25 … データ収集装置(DAS)
26 … 回転部コントローラ
27 … 走査ガントリ傾斜コントローラ
28 … ビーム形成X線フィルタ
29 … ガントリ制御部
Claims (10)
- X線管が少なくとも第1X線管電圧の第1X線とこの第1X線管電圧とは異なる第2X線管電圧の第2X線とを発生するように制御するX線管制御部と、
被検体を透過した前記第1X線及び前記第2X線による第1X線投影データ及び第2X線投影データを収集するX線データ収集部と、
前記第1X線投影データ及び第2X線投影データを収集する条件として、前記第1X線投影データのデータ収集積分時間と前記第2X線投影データのデータ収集積分時間とがそれぞれ制御されたX線データ収集条件を設定するX線データ収集条件設定部と、
前記X線データ収集条件設定部で設定されたX線データ収集条件を用いて収集された前記第1X線投影データ及び前記第2X線投影データに基づいて、デュアルエネルギー撮影の断層像の画像再構成を行うデュアルエネルギー画像再構成手段と、
を備えることを特徴とするX線CT装置。 - 前記X線収集条件設定部は、前記第1X線投影データのデータ収集積分時間と前記第2X線投影データのデータ収集積分時間とがそれぞれ異なる時間となるようなX線データ収集条件を設定することを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
- 前記X線データ収集条件設定部は、X線データ収集条件として、前記第1X線投影データ及び第2X線投影データのそれぞれの積分時間を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のX線CT装置。
- 前記X線データ収集条件設定部は、X線データ収集条件として、前記第1X線投影データ及び第2X線投影データのそれぞれのビュー数を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のX線CT装置。
- 前記X線データ収集条件設定部は、前記第1X線投影データのノイズと前記第2X線投影データのノイズを略同等又は略一定の比となるように、前記X線収集条件を設定することを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載のX線CT装置。
- 前記X線データ収集条件設定部は、前記第1X線管電圧及び第2X線管電圧のそれぞれのX線管電流をさらに制御することを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項に記載のX線CT装置。
- 前記X線データ収集部の1ビューのX線データ収集時間は一定であることを特徴とする請求項4に記載のX線CT装置。
- 前記X線管制御部は、X線管の電圧を1ビューごと又は数ビューごとに前記第1X線管電圧と前記第2X線管電圧とに切り換えることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項記載のX線CT装置。
- 前記第1X線管電圧と前記第2X線管電圧とに切り換える際に、前記第1X線管電圧のビューを抽出し組み合わせるとともに前記第2X線管電圧のビューを抽出し組み合わせて、前記第1X線投影データ及び第2X線投影データを求めて断層像を画像再構成する画像再構成手段を備えることを特徴とする請求項8に記載のX線CT装置。
- 前記画像再構成手段は、前記第1X線管電圧及び第2X線管電圧のビューを抽出し組み合わせた際に補間処理を行い、前記第1X線投影データ及び第2X線投影データを求めることを特徴とする請求項9に記載のX線CT装置。
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