JP5368700B2 - 複合粉体 - Google Patents

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Description

本発明は複合粉体に関し、詳しくは、アルカリ金属ケイ酸塩の保存安定性を向上させた複合粉体、及びそれを含有してなるゼオライト配合洗浄剤組成物に関する。
アルカリ金属ケイ酸塩は、カチオン交換能を有するイオン交換体であり、古くから洗浄剤用のビルダー等に利用されている。その特徴はアルミノケイ酸塩系の洗浄剤用ビルダーであるゼオライトと異なり、水に対して溶解性を持つことである。このため洗浄後のすすぎ性が良好で、衣類への残留性が低い等の利点がある。またアルカリ緩衝能を有している点もゼオライトにはない機能である。このようなことから、近年Caイオン交換能にすぐれたケイ酸塩の開発が活発になっている。
しかしその反面、アルカリ金属ケイ酸塩の特徴である水への溶解性は、空気中の水分を吸収したり、炭酸ガスを吸収することによりイオン交換能が低下したり、高温多湿条件下で長期間保存した場合に固化したり、洗浄剤組成物中の成分、特にゼオライトと合一化し、粒径が大きくなり水不溶物を形成する原因ともなり、アルカリ金属ケイ酸塩には保存による性能低下の問題がある。
この点を改善すべく、特許文献1には、特定のSiO2/Na2Oモル比を有する結晶性ケイ酸ナトリウムに、炭酸ナトリウムや硫酸ナトリウム等の吸湿性物質を含有させることで、固結を防止を図った粒状物が記載されている。しかしながら、この粒状物を洗剤ビルダーとして使用するため、水中(特に低温)に投入すると炭酸ナトリウムや硫酸ナトリウムの水和結晶が生成し、溶解性が低下することが判明した。
一方、洗濯性能を改善するために、粘土鉱物を洗浄剤組成物に配合することが知られている。例えば、特許文献2には、洗浄性能、耐ケーキング性等の向上を目的とし、(A)界面活性剤含有造粒物及び(B)粘土鉱物含有粒子を含有し、見かけ密度300〜1000g/Lである洗浄剤組成物が開示されている。しかしながら、特許文献2で用いている粘土鉱物含有粒子の平均粒径が500〜2000μmと大きいため、前記2成分が単に混合しているだけで、効果的な複合形態をとることができない。
また、特許文献3には、耐ケーキング性、溶解性等の向上を目的とし、(a)ベース洗浄剤粒子、(b)平均粒径1〜300nmの下地処理剤及び(c)平均粒径0.1〜10μmのゼオライト、層状粘土鉱物等の表面改質剤を含有してなり、(a)ベース洗浄剤粒子の表面上に(b)下地処理剤を含有する下地層が形成され、該下地層上に(c)表面被覆剤が被覆されてなる洗浄剤粒子が開示されている。しかしながら、ゼオライト等では保存安定性の改善効果が十分でなく、また表面改質剤の含有量が少ないため効果的な複合形態をとることができない。
このため、従来技術の洗浄剤組成物の保存安定性について更なる改善が望まれている。
特開平10−291817号公報 特開2005−120162号公報 特開2005−171149号公報
本発明は、アルカリ金属ケイ酸塩の保存安定性を向上させた複合粉体、及びそれを含有してなるゼオライト配合洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、アルカリ金属ケイ酸塩粒子を、特定粒径の粘土鉱物粒子と複合化することにより、上記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は次の(1)及び(2)を提供する。
(1)平均粒径が1〜200μmのアルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)25〜90質量%、及び平均粒径が0.01〜50μmの粘土鉱物粒子(B)10〜75質量%を含有してなる、平均粒径が1〜1000μmの複合粉体。
(2)前記(1)の複合粉体を含有するゼオライト配合洗浄剤組成物。
本発明によれば、アルカリ金属ケイ酸塩の保存安定性を向上させた複合粉体、及びそれを含有してなるゼオライト配合洗浄剤組成物を提供することができる。
本発明の複合粉体は、平均粒径が1〜200μmのアルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)(以下、単に「粒子(A)」ともいう)、25〜90質量%、及び平均粒径が0.01〜50μmの粘土鉱物粒子(B)10〜75質量%を含有してなり、平均粒径が1〜1000μmであることを特徴とする。
以下、複合粉体及びゼオライト配合洗浄剤組成物の各成分について説明する。
[アルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)]
本発明において、粘土鉱物粒子(B)と複合粉体を形成する粒子(A)は、平均粒径が1〜200μmの結晶質又は非晶質のアルカリ金属ケイ酸塩粒子であり、好ましくは下記式(1)で表される組成を有する。
xM2O・ySiO2・zMeO (1)
(式中、MはNa及び/又はKを示し、MeはCa及び/又はMgを示し、y/x=0.5〜4.0、z/x=0〜1.0、MeO中のMg/Ca=0〜10である。)
かかる粒子(A)はイオン交換能を有し、その値は特に限定されないが、Caイオン交換能は好ましくは10〜250mg/g、より好ましくは50〜250mg/g、特に好ましくは120〜250mg/gである。Caイオン交換能がこの範囲であれば、例えば、洗剤用に利用する場合でも少量で効力を発揮するため、コンパクト洗剤に好適に用いることができる点で好ましい。
ここで、Caイオン交換能は、試料0.04gを精秤し、塩化カルシウム溶液(濃度はCaCO3として100ppm)100mL中に加え、20℃で10分間攪拌した後、得られた液体を0.2μmのフィルターでろ過し、ろ液10mL中に含まれるCa量(CaCO3換算量)をEDTA滴定により定量することにより測定できる。
アルカリ金属ケイ酸塩は、イオン交換能、保存安定性を一段と向上させる観点から、上記式(1)において、y/x=1.0〜4.0であるものが好ましい。
このような組成のアルカリ金属ケイ酸塩として、例えば、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、粉末1号ケイ酸ナトリウム、粉末2号ケイ酸ナトリウム等が挙げられる。また、特にイオン交換能の高いものとして、特開平8−26717号公報、特公平1−41116号公報に記載の結晶質アルカリ金属ケイ酸塩が挙げられる。
更に高いイオン交換能を有する好適なアルカリ金属ケイ酸塩としては、上記式(1)において、y/x=1.0〜2.1、z/x=0〜1.0のものが挙げられる。かかる組成の非晶質アルカリ金属ケイ酸塩は、8質量%以下の含水量を持つものが好ましく、特開2000−34496号公報の実施例に記載のビルダー等が挙げられる。
また結晶質のアルカリ金属ケイ酸塩としては、特許第2525318号明細書に記載の合成無機ビルダー等が好適であり、より具体的には、[Na2O・SiO2]、[Na2O・2SiO2]等が挙げられる。
また、本発明においては、カリウムを含有するアルカリ金属ケイ酸塩(A)を用いることにより、その保存安定性を一段と向上させることができる。その好適例としては、上記式(1)において、y/x=1.4〜2.1、z/x=0.001〜1.0、M2O中のK/Na=0.09〜1.11で表されるもの等が挙げられる。このような結晶質アルカリ金属ケイ酸塩の具体例としては、[0.78Na2O・0.252K2O・1.8SiO2・0.054CaO・0.00095MgO]等が挙げられる。
これらの中では、比較的保存安定性が高い結晶性のアルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)がより好ましい。
(粒子(A)の製造)
アルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)を製造するには、M2O成分、SiO2成分、MeO成分の原料を、前記式(1)で表される所望のx、y、zとなるように所定の量比で混合した後、(i)通常300〜1300℃、好ましくは500〜1000℃、より好ましくは600〜900℃の範囲で焼成して結晶化させる方法、(ii)一旦1100℃〜1600℃で溶融してガラス化物を得た後焼成する方法、(iii)溶融後水ガラス化し焼成する方法等を採用することができる。また、焼成後、必要に応じて、ボールミル、ローラーミル等の粉砕機を用いて粉砕し、所定の粒度に調製することができる。
2O成分の原料としては、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、Na2SO4等が挙げられ、SiO2成分としては、ケイ石、ケイ砂、クリストバライト石、カオリン、タルク、溶融シリカ、ケイ酸ソーダ等が挙げられ、MeO成分の原料として、CaCO3、Ca(OH)2、MgCO3、Mg(OH)2,MgO、ドロマイト等が挙げられる。
原料としての粒子(A)の平均粒径は、分散性と保存安定性、及びイオン交換速度と水への分散性の観点から、好ましくは1〜200μm、より好ましくは5〜100μm、更に好ましくは7〜50μmである。
上記の粒子(A)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[粘土鉱物粒子(B)]
本発明で用いられる粘土鉱物粒子(B)に特に制限はなく、天然品でも合成品でもよく、その形態は、パウダー状及び粒状のいずれであってもよい。粘土鉱物粒子(B)を粘土造粒物とした場合は、造粒時等に使用した凝集剤や添加物等を含んだものを意味する。
粘土鉱物粒子(B)としては、タルク、パイロフィライト、スメクタイト(サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト等)、バーミキュライト、雲母(金雲母、黒雲母、チンワルド雲母、白雲母、パラゴナイト、セラドナイト、海緑石等)、緑泥石(クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、ペナンタイト、スドーアイト、ドンバサイト等)、脆雲母(クリントナイト、マーガライト等)、スーライト、蛇紋石(アンチゴライト、リザーダイト、クリソタイル、アメサイト、クロンステダイト、バーチェリン、グリーナライト、ガーニエライト等)、カオリン(カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト等)等が挙げられる。
これらの中では、複合粉体の水中での分散性を向上させる観点から、タルク、スメクタイト、膨潤性雲母、バーミキュライト、クリソタイル、カオリン等が好ましく、スメクタイトがより好ましく、モンモリロナイトが更に好ましい。
モンモリロナイトは、下記式(2)で表される粘土鉱物を主成分とするものであり、式(2)で表される粘土鉱物は、全体の好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、特に好ましくは98質量%以上である。
[MgaAlb(Si254(OH)4X-・MeX+ (2)
(式中、a、b及びxは、それぞれ0<a≦6、0<b≦4、x=12−(2a+3b)であり、MeX+は、Na、K、Li、Ca、Mg及びNH4から選ばれる少なくとも1種の金属又はアンモニウムの電荷平衡カチオンである。MeX+は、同形のイオン置換の結果として導入され、同形イオン置換度はモンモリロナイトの膨潤における重要な因子である層電荷の大きさを決定する。)
式(2)で表される化合物は、例えば、中心8面体層の2個のAl3+イオンを3個のMg2+イオンで置換してもよいし、部分的に1個のMg2+イオンを1個のAl3+イオンで置換し、構造中に過剰の負電荷が残留していてもよい。負電荷の過剰残留は、4面体層のSi4+イオンをAl3+イオンで置換する場合にも生じうる。
また、溶解性の観点から、前記カチオンのうち、アルカリ金属イオン(Naイオン、Kイオン、Liイオンの合計)とアルカリ土類金属イオン(Caイオン、Mgイオンの合計)とのモル比〔(Naイオン+Kイオン+Liイオン)/(Caイオン+Mgイオン)〕は1.0以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、2.0以上が更に好ましい。アルカリ金属イオンの比率が高い粘土鉱物を得るには、天然品であれば産地を選択すればよいし、粘土造粒物を製造する場合は、アルカリ金属塩を添加して調製することが可能であり、合成品であれば公知の方法により任意に調製が可能である。
原料としての粘土鉱物粒子(B)の平均粒径は、分散性と保存安定性、及びイオン交換速度と水への分散性の観点から、好ましくは0.01〜50μm、より好ましくは0.1〜30μm、更に好ましくは1〜20μmである。
上記の平均粒径を有する粘土鉱物粒子(B)は、市販品から適宜選択することができる。市販品の中には、バインダー成分を添加し、造粒された顆粒タイプのものも存在するが、バインダー成分は本発明の効果を損なわない限り添加されていてもよい。
上記の粘土鉱物粒子(B)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[アルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)と粘土鉱物粒子(B)の複合化]
本発明の複合粉体においては、その平均粒径が1〜1000μmであり、粒子(A)の平均粒径は1〜200μmであり、粘土鉱物粒子(B)の平均粒径は0.01〜50μmであるが、粒子(A)の平均粒径よりも粘土鉱物粒子(B)の平均粒径が小さい方が、複合粉体の形態が、粒子(A)の表面に粘土鉱物粒子(B)が接触した形態になりやすくなるため好ましい。
なお、複合粉体の平均粒径、複合粉体における粒子(A)及び粘土鉱物粒子(B)の平均粒径の測定は、実施例に記載の方法により行うことができる。
複合粉体の製造方法としては、以下の(i)〜(iii)等の方法が挙げられる。
(i)粒子(A)と粘土鉱物粒子(B)をそれぞれ個別に予め所定の粒径に粉砕しておき、次いで両者を混合機によって混合して複合化する方法。
(ii)粒子(A)と粘土鉱物粒子(B)を粉砕機に添加し、粉砕しながら混合する方法。
(iii)造粒装置により粒子(A)と粘土鉱物粒子(B)を混合して造粒する方法。
この場合、粒子(A)や粘土鉱物粒子(B)の粉砕前の平均粒径としては、得られる複合粉体が所定の範囲内の大きさに収まるのであれば特に限定されないが、前記の範囲であることが好ましい。
(混合装置)
本発明の複合粉体の製造に用いられる混合装置としては、(1)混合槽内部に攪拌軸を有し、この軸に攪拌羽根を取り付けて、粉末の混合を行う形式のミキサー:例えば、深江工業株式会社製のハイスピードミキサー、ヘンシェルミキサー等、(2)粉体投入口を備えた竪型シリンダーと混合ブレードを備えたメインシャフトよりなり、メインシャフトは上部軸受けによって支えられ、排出側がフリーになっている構造の連続ミキサー:例えば、株式会社パウレック製のフレキソミックスミキサー等、(3)攪拌ピンを有した円盤の上部に原料を投入し、この円盤を高速回転させて、せん断作用によって混合を行う連続ミキサー:例えば、株式会社粉研パウテックス製のフロージェットミキサー、太平洋機工株式会社製のスパイラルピンミキサー等が挙げられる。
(粉砕装置)
粒子(A)と粘土鉱物粒子(B)を複合化させた後、粒度を制御するために粉砕処理することが好ましい。用いることのできる粉砕装置は特に限定されない。
例えば、化学工学便覧(改訂5版)(日本化学会編、丸善株式会社発行)826〜838頁に記載の粉砕機等が用いられ。具体例としては、(1)圧力や打撃力により粉砕する装置:例えばジョークラッシャー、ジャイレトリクラシャー、ロールクラッシャー、ロールミル等、(2)高速回転するローター周辺に打撃板が固定され、ローターと打撃板とによるせん断力等によって処理物を粉砕する装置:例えばハンマーミル、インパクトクラッシャー、ピンミル等、(3)リング上にロール又はボールが押しつけられつつ回転し、その間で処理物をすりつぶして粉砕する装置:例えばリングローラーミル、リングボールミル、遠心ローラーミル、ボールベアリングミル等、(4)円筒形の粉砕室を備え、その粉砕室の中に粉砕媒体としてボールやロッドを入れて回転もしくは振動させることにより処理物を粉砕する粉砕装置:例えばボールミル、振動ミル、遊星ボールミル等、(5)円筒形の粉砕室を備え、その粉砕室にボール又はビーズ等の粉砕媒体を入れ、この媒体に挿入したディスク型やアニュラー型の攪拌機構による、せん断、摩擦作用によって処理物を粉砕する装置:例えばタワーミル、アトライター、サンドミル等が挙げられる。
これらの中では、前記(3)〜(5)のローラーやボールを媒体にして粉体同士に圧縮やせん断力を付与する粉体装置がメカノケミカル反応を助長し、微粉体を形成するのに好ましく、特に前記(4)及び(5)のボール媒体ミルによる複合化が好ましい。
ボール媒体ミルとしては、粉砕効率が高く、生産性の観点から、遊星ボールミルが特に好ましい。処理方法としては、バッチ式、連続式のいずれも採用しうる。
ボールの材質に特に制限はなく、例えばスチール、クロム合金等の高硬度金属、アルミナ、ジルコニア、ジルコン、チタニア等の高硬度セラミックス、ガラス、超高分子量ポリエチレン、ナイロン等の高分子材料等が挙げられる。
粒子(A)及び粘土鉱物粒子(B)を微粒化するための剪断力や衝突力、粉砕力の大きさは、ボールの比重が大きくなるのに伴い大きくなることから、比較的比重が大きく、耐摩耗性の高いアルミナ、ジルコニア、チタニア等の高硬度セラミックスがより好ましい。
ボールの外径は、好ましくは1〜100mm、より好ましくは3〜50mm、特に好ましくは6〜30mmである。ボールの外径が上記の範囲であれば、所望の粉砕力が得られるともに、粒子(A)及び粘土鉱物粒子(B)を効率的に複合化させることができる。
ボールの充填率は、ボール媒体ミルの機種により異なるが、好ましくは10〜97%、より好ましくは20〜90%、より好ましくは25〜80%である。充填率がこの範囲内であれば、粒子(A)及び粘土鉱物粒子(B)とボールとの接触頻度が向上するとともに、ボールの動きを妨げずに、粉砕効率を向上させることができる。ここで充填率とは、ボール媒体ミルの攪拌部の容積に対するボールの見かけの体積をいう。
ボール媒体ミルの処理時間は、ボール媒体ミルの種類、ボールの種類、大きさ及び充填率等により一概に決定できないが、粒子(A)の表面に、粘土鉱物粒子(B)を均一に2個以上接触して存在する形態を効率的に達成する観点から、例えば0.5〜100分間が好ましく、1〜30分間がより好ましい。処理温度は、通常5〜50℃、好ましくは10〜45℃である。
本発明の複合粉体を混合処理で調製する際、粘土鉱物粒子(B)の粒径が、アルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)の10分の1以下である場合、(A)の表面に(B)が被覆する形態をとりやすくなる。このような形態の複合粉体は、アルカリ金属珪酸塩(A)の保存安定性を高める効果が高く好ましい。このような粒子形態を積極的に形成させる混合装置としては、奈良機械株式会社製のハイブリダイザー、ホソカワミクロン株式会社製のメカノフュージョン、ノビルタ等が挙げられる。
上記の混合、粉砕、表面処理をこの順に行って得られる複合粉体の平均粒径は、分散性と保存安定性の観点から、2〜200μmが好ましく、3〜100μmがより好ましく、5〜50μmが特に好ましい。
本発明においては、上記で得られた複合粉体を更に造粒することもできる。
ここで、「造粒」とは粉状の原料から、ほぼ均一な形状と大きさをもつ粒子の集合体(平均粒径200〜1000μm)を作る操作である。
用いることができる造粒装置としては、深江パウテック株式会社製のハイスピードミキサー、ハイフレックスグラル、株式会社パウレック製のバーチカルグラニュレーター、太平洋機工株式会社製のアペックスグラニュレーター、プロシェアミキサー、株式会社徳寿工作所製のジュリアミキサー、株式会社マツボー製のレディゲミキサー、日本アイリッヒ株式会社製のインテンシブミキサー、不二パウダル株式会社製のマルメライザー、ペレッターダブル、株式会社ダルトン製のツインドームグラン、ファインディスクペレッター、新東工業株式会社製のブリケッタ、ホソカワミクロン株式会社製のブリケッティングマシン、フロイント産業株式会社製やターボ工業株式会社製のローラーコンパクター等が挙げられる。
これらの中では、連続的に乾式造粒が可能であるローラーコンパクターが好ましい。ローラーコンパクターは、フィードスクリューを備えたフィードホッパーとロールプレス、グラニュレーター(粉砕・整粒機)等により構成され、同速度で回転する2個のロール間で、粉末原料を圧縮して高密度の板状成型物(フレーク)をつくり、グラニュレーターで解砕して数mm以下の顆粒を成型する乾式破砕造粒装置である。造粒時、フレークにかかる荷重は、ロール圧、ロール幅、ロールへの粉末のくい込み量等で変化するため、これらの因子を所望の粒子強度のものが得られるように調節することができる。
例えば、ロール圧としては40〜500Kg/cm2、好ましくは50〜300Kg/cm2が用いられる。より具体的には、例えば、フロイント産業株式会社製のローラーコンパクター「TF−MINE」を用いた場合、ロール圧として50〜200Kg/cm2が好ましく、80〜150Kg/cm2がより好ましく、フィード速度としては、50〜200g/分が好ましい。
造粒の際には、複合粉体の粉体強度を高める目的で、分散性を阻害しない範囲でバインダーを加えることもできる。
バインダーとしては、公知の水溶性バインダー又は非水溶性バインダーを用いることができる。水溶性バインダーとしては、澱粉、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ガゼイン、カルボキシメチルセルロース、リグニンスルホン酸カルシウム、カルボキシメチルスターチ、リン酸エステルナトリウム、ケイ酸ナトリウム、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリビニールアルコール、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、各種界面活性剤が挙げられる。
また、非水溶性バインダーとしては、メタケイ酸アルミン酸ナトリウム、消石灰、石膏、セメント、にかわ等が挙げられる。これらの中では、顆粒強度向上と分散性を両立させる観点から、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、メタケイ酸アルミン酸ナトリウムが好ましく、ポリアクリル酸ナトリウム、メタケイ酸アルミン酸ナトリウムがより好ましい。
上記の複合粉体の製造装置の中では、水不溶分を低減する観点から、アルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)と粘土鉱物粒子(B)とをボールミル処理により、粉砕、複合化する方法、及びローラーコンパクターにより圧縮造粒する方法が好ましい。
[複合粉体の形態]
本発明の複合粉体の形態は特に限定されないが、粒子(A)の表面に粘土鉱物粒子(B)を接触して存在させ、粒子(A)同士が直接接触しにくくさせる観点から、粒子(A)の表面に粘土鉱物粒子(B)が好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上、特に好ましくは4個以上存在する形態であることが望ましい。
例えば、粒子(A)と粘土鉱物粒子(B)とが互いに緊密に接触した集合体の形態(形態A)、粒子(A)が単独粒子として存在し、その表面に粘土鉱物粒子(B)が2個以上接触して存在する形態(形態B)が挙げられる。形態Bの場合、粘土鉱物粒子(B)の粒径は粒子(A)の粒径より小さい方が好ましい。とりわけ、形態Bにおいて、粒子(A)の粒子表面を粘土鉱物粒子(B)が実質的に被覆した形態が特に好ましい。
また、複合粉体が顆粒である場合、その粒子形状は、保存安定性(耐吸湿性)を高める観点から、表面積が小さいことが好ましい。具体的には、球状であることが好ましく、表面が平滑であることが好ましい。さらに、顆粒中の(A)成分と(B)成分は均一に分散し、各々が交互に接触した形態で顆粒を形成していることが保存安定性を高めるうえで好ましい。
例えば、平滑性や球形度を上げる為には、不二パウダル株式会社製のマルメライーザー、株式会社パウレック製の湿式・乾式整粒機コーミル等の処理装置を用いることができる。
複合粉体中の粒子(A)の含有量は、洗浄性能及び保存安定性の観点から、25〜90重量%が好ましく、40〜80重量%がより好ましく、50〜75重量%が特に好ましい。
複合粉体中の粘土鉱物粒子(B)の含有量は、複合粉体の分散性及び洗浄性能の観点から、10〜75重量%が好ましく、20〜60重量%がより好ましく、25〜50重量%が特に好ましい。
複合粉体における粒子(A)の平均粒径は、分散性と保存安定性、及びイオン交換速度と水への分散性の観点から、好ましくは21〜200μmであり、より好ましくは3〜100μmであり、特に好ましくは5〜50μmである。
複合粉体における粘土鉱物粒子(B)の平均粒径は、同様の観点から、0.01〜50μmであり、好ましくは0.1〜30μmであり、より好ましくは1〜20μmである。
複合粉体における粒子(A)の平均粒径に対する粘土鉱物粒子(B)の平均粒径の比〔粒子(A)/粘土鉱物粒子(B)〕は、好ましくは5.0〜100であり、より好ましくは6〜50であり、特に好ましくは7〜30である。
得られる複合粉体の平均粒径は、分散性と保存安定性の観点から、1〜1000μmであり、混合、粉砕処理により複合粉体を得る場合は、2〜200μmが好ましく、3〜100μmがより好ましく、5〜50μmが特に好ましい。また、ローラーコンパクター等を用いて、更に造粒する場合は、200〜1000μmが好ましく、250〜800μmがより好ましく、280〜500μmが特に好ましい。
複合粉体における、粒子(A)と粘土鉱物粒子(B)の平均粒径は、走査電子顕微鏡(SEM)による定方向接線径(フェレー径)の平均値とする。SEMによる観察は、粒子(A)と粘土鉱物粒子(B)との区別や、これらの接触状態を容易に確認することができるため好ましい。
本発明の複合粉体は溶解率が高く、かつ粒子強度の高いものが好ましい。粘土鉱物は粘土ハンドブック・第二版(技報堂出版株式会社1994年)P139の記載の通り、アルカリによって分散性が向上する。本発明の複合粉体中にはアルカリ剤である粒子(A)が含まれる。これによって粘土鉱物粒子(B)の分散性が著しく向上することで複合粉体の溶解率が高まるものと考えられる。溶解率(%)は、実施例に記載の測定方法で、90%以上が好ましい。粒子強度は12以上が好ましく、20以上がより好ましく、30以上が更に好ましい。
本発明の複合粉体は、溶解性の観点から、実施例に記載の測定方法による水不溶分量が少ないものが好ましい。水不溶分量(%)は、実施例に記載の測定方法で、7%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、4%以下が更に好ましい。
本発明における水不溶分が低減するのは、粒子(A)と粘土鉱物粒子(B)を複合化することで、粒子(A)同士の密着によるA粒子の合一による粗大粒子化が防止されると共に、ゼオライトとの合一化が防止されることで水不溶分の発生が抑制されるためであると考えられる。また、アルカリ剤である粒子(A)によって粒子(B)の分散性が向上することで、複合粉体の分散性が向上し、これが水不溶分を低減化できる理由の一つであると考えられる。
[その他の成分]
本発明では、複合に用いられる特定のアルカリ金属珪酸塩粒子(A)、及び粘土鉱物粒子(B)以外のアルカリ金属珪酸塩が含まれていてもよい。その割合はアルカリ金属珪酸塩粒子(A)とその他のアルカリ金属珪酸塩の合計量に対して、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
[ゼオライト配合洗浄剤組成物]
本発明のゼオライト配合洗浄剤組成物は、本発明の前記複合粉体を含有してなることを特徴とし、該洗浄剤組成物中にゼオライトを好ましくは1〜60質量%、より好ましくは3〜50質量%、更に好ましくは5〜40質量%配合したものである。
本発明の複合粉体は保存安定性の高い、水溶性のイオン交換体であるため、特に洗剤用のビルダーとして好適である。洗剤用のビルダーとして利用する場合、予め複合粉体を調製し、洗剤に添加してもよく、また予め調製した複合粉体を必要に応じて他の洗剤配合物と混合して洗剤粒子を形成させてもよい。
本発明のゼオライト配合洗浄剤組成物中の複合粉体の含有量は、特に限定されないが、有効なビルダー性能を発現させる観点から、ゼオライト配合洗浄剤組成物の1質量%以上が好ましく、ゼオライト配合洗浄剤組成物のpHを適正範囲にする観点から、30質量%以下が好ましい。
本発明におけるゼオライト配合洗浄剤組成物は、前記複合粉体の他に、通常添加される洗剤成分、例えば、各種の界面活性剤、ビルダー、酵素、漂白剤(過炭酸塩、過ホウ酸塩、漂白活性化剤等)、再汚染防止剤(カルボキシメチルセルロース等)、柔軟化剤、還元剤(亜硫酸塩等)、蛍光増白剤、抑泡剤(シリコーン等)香料等を含有することができる。
陰イオン性界面活性剤としては、高級アルコール又はそのエトキシレート化物の硫酸エステルの塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステルの塩又は脂肪酸塩等が挙げられる。ここで、塩としてはNa塩、K塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールのエチレンオキサイド付加物、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルポリグリコシド等が挙げられる。
ビルダーとしては、本発明の複合粉体及びゼオライトの他に、炭酸塩、結晶性ケイ酸塩、非晶質アルミノケイ酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩等の無機ビルダーやニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アクリル酸(共)重合体等の有機ビルダーが挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物の用途は特に限定されず、衣料用洗剤、食器用洗剤、住居用洗剤、自動車用洗剤、身体用洗剤、歯ミガキ、金属用洗浄剤等として好適に用いられる。
また、本発明の複合粉体はカチオン交換体であるので、重金属等のイオン交換を行う機能を有するため、排水処理剤や水処理剤等にも利用できる。また、重金属又は貴金属触媒用の担体や塩基性触媒としても利用することができる。
下記の実施例及び比較例における、平均粒径、水不溶分量、溶解性、粒子強度は以下の方法により、測定ないし算出した。
(1)原料としての粒子(A)、(B)の平均粒径の測定
(i)200μm以上の平均粒径の測定
目開き125μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm、1000μm、1400μm、2000μmの9段の篩と受け皿を用いて、受け皿上に目開きの小さな篩から順に積み重ね、最上部の2000μmの篩の上から100gの顆粒を添加し、蓋をしてロータップ型ふるい振とう機(株式会社平工製作所製、タッピング156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け5分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留した粒子の質量を測定し、各篩上の粒子の質量割合(%)を算出した。受け皿から順に目開きの小さな篩上の粒子の質量割合を積算していき合計が50%となる粒径を平均粒径とした。
(ii)200μm未満の平均粒径の測定
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、「LA920」)を用いて、エタノールを分散媒として、超音波3分照射後の粒度分布を相対屈折率1.5で測定したときの体積中位粒径(D50)の値を平均粒径とした。
(2)複合粉体における粒子(A)、(B)の平均粒径の測定
複合粉体における、粒子(A)と粘土鉱物粒子(B)の平均粒径は、電解放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM;株式会社日立製作所製、S−4000)を用いて、目的粒子50個以上を観察できる倍率に調整し、30個の定方向接線径(フェレー径)を測定し、その平均値を平均粒径とした。粒子(A)と粘土鉱物粒子(B)の判別が困難な場合は、粘土鉱物粒子(B)に含まれるAlを元素分析(EDS分析)して特定した。
(3)水不溶分量の測定
複合粉体3gとゼオライト4A(ゼオビルダー社製)12gを混合した。混合粉体10gを量り採り、温度40℃、湿度80%の条件で12時間保存した。その後、温度60℃で3時間乾燥したものを乳鉢で粉砕し粉末状にした。この粉末のアルカリ金属ケイ酸塩0.2g含有相当量を秤量し、5℃の水1L中に投入し10分間攪拌した。その後400メッシュ(18μm)の金網を通し、105℃で30分間乾燥し、金網上の残分を秤量し、(金網上の残量÷1×100)の値を水不溶分量(%)とした。
(4)溶解性の測定
5℃にした71.2mg CaCO3/リットルに相当する1リットルの硬水(Ca/Mgのモル比=7/3)を1リットルビーカー(内径105mm、高さ150mmの円筒型、例えば岩城硝子株式会社製)の中に満たし、5℃の水温をウオーターバスにて一定に保った状態で、攪拌子(長さ35mm、直径8mm、例えば型式:ADVANTEC社製、テフロン(登録商標)丸型細型)にて水深に対する渦巻きの深さが略1/3となる回転数(800rpm)で攪拌する。0.8333±0.0010gとなるように秤量したサンプルを攪拌下に水中に投入・分散させ攪拌を続ける。投入から60秒後にビーカー中の洗浄剤組成物分散液を質量既知のJIS Z 8801(ASTM No.200に相当)規定の目開き74μmの標準篩(直径100mm)で濾過し、篩上に残留した含水状態の洗浄剤組成物を篩と共に質量既知の開放容器に回収する。尚、濾過開始から篩を回収するまでの操作時間を10±2秒とする。回収した洗浄剤組成物の溶残物を105℃に加熱した電気乾燥機にて1時間乾燥し、その後、シリカゲルを入れたデシケーター(25℃)内で30分間保持して冷却する。冷却後、乾燥した洗浄剤組成物の溶残物と篩と回収容器の合計の質量を測定し、次式によって洗浄剤組成物の溶解率(%)を算出する。
溶解率(%)={1−(T/S)}×100
S:ゼオライト配合洗浄剤組成物の投入質量(g)
T:上記攪拌条件にて得られた水溶液を上記篩に供したときに、篩上の残存するゼオライト配合洗浄剤組成物の溶残物の乾燥質量(g)
(5)粒子強度
目開き250μm、355μmの2段の篩と受け皿を用いて、受け皿上に250μmの篩を積み重ね、その上に355μmの目開きの篩を重ね、複合粉体10gをふるった。250μmの篩上に残った粒子(250μm〜355μmの範囲の粒子)のうち、15粒を全自動、全自動粒体硬度計BHT−500(株式会社セイシン企業製)を用いて圧壊強度を測定し、得られた圧壊強度の平均値を粒子強度とした。
実施例1(複合粉体の調製)
粒子(A)として、平均粒径52μmのアルカリ金属ケイ酸塩粒子(Na2O・2SiO2)(トクヤマシルテック株式会社製、プリフィード粉末)14gと、粒子(B)として、平均粒径10μmのモンモリロナイト(黒崎白土工業株式会社製)6gを混合して合計量を20gとし、遊星ボールミル(フリッチュ社製「P−5」、容量500mlのアルミナ製のポッドに12mmΦのアルミナ製ボールを19個投入)を用いて、6000rpmで5分間粉砕し、複合粉体を得た。
得られた複合粉体の平均粒径は13μm、アルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)の平均粒径は11.8μm、粘土鉱物粒子(B)の平均粒径は1.5μm、平均粒径の比〔粒子(A)/粒子(B)〕は7.9であった。結果を表1に示す。
実施例2〜3及び比較例1
実施例1において、粒子(A)と粒子(B)の割合を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、複合粉体を得た。得られた複合粉体の物性を表1に示す。
比較例2〜5
実施例1において、粒子(B)に代えて、平均粒径100μmの炭酸ナトリウム(株式会社トクヤマ製、ソーダ灰ライト)又は平均粒径165μmの硫酸ナトリウム(四国化成工業株式会社製、中性ボウ硝)を用いて、表1に示す割合(合計量20g)とした以外は、実施例1と同様の操作を行って、複合粉体を得た。得られた複合粉体の物性を表1に示す。
実施例4
粒子(A)として、平均粒径52μmのアルカリ金属ケイ酸塩粒子(Na2O・2SiO2)(トクヤマシルテック株式会社製、プリフィード粉末)700gと、粒子(B)として、平均粒径10μmのモンモリロナイト(黒崎白土工業株式会社製)300gを混合して合計量を1000gとし、この混合粉末をローラーコンパクター(TF−MINI フロイント産業製)を用いて、ローラー圧80kg/cm2で圧縮造粒した。得られた複合粉体の物性を表1に示す。
得られた複合粉体の平均粒径は508μm、アルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)の平均粒径は37μm、粘土鉱物粒子(B)の平均粒径は3.3μm、平均粒径の比〔粒子(A)/粒子(B)〕は11.2であった。結果を表1に示す。
実施例5及び比較例6
実施例4において、配合割合を表1に示すように変えた以外は、実施例4と同様の操作を行って、複合粉体を得た。得られた複合粉体の物性を表1に示す。
比較例7〜8
実施例5において、粒子(B)に代えて、平均粒径100μmの炭酸ナトリウム(株式会社トクヤマ製、ソーダ灰ライト)又は平均粒径165μmの硫酸ナトリウム(四国化成工業株式会社製、中性ボウ硝)を用いた以外は、実施例5と同様の操作を行って、複合粉体を得た。得られた複合粉体の物性を表1に示す。
実施例6
粒子(A)として、平均粒径52μmのアルカリ金属ケイ酸塩粒子(Na2O・2SiO2)(トクヤマシルテック株式会社製、プリフィード粉末)700gと、粒子(B)として、平均粒径10μmのモンモリロナイト(黒崎白土工業株式会社製)290g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学工業株式会社製、ノイシリンUFL2)10gを混合して合計量を1000gとし、この混合粉末をローラーコンパクター(フロイント産業株式会社製、TF−MINI)を用いて、ローラー圧80kg/cm2で圧縮造粒した。得られた複合粉体の物性を表1に示す。
実施例7
実施例6において、粒子(A)、粒子(B)及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリン)の割合を表1に示すように変えた以外は、実施例6と同様の操作を行って、複合粉体を得た。得られた複合粉体の物性を表1に示す。
Figure 0005368700
表1から、本発明の複合粉体を用いた実施例1〜7は、本発明の複合粉体を含有しない比較例1〜8に比べて水不溶分量が非常に少ないことが分かる。
本発明により、アルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)と粘土鉱物粒子(B)を複合化することでアルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)同士の密着を防ぎ水不溶分が低減化できる。また、複合粉体の造粒物は粒子強度が高く、ゼオライト配合洗浄剤組成物中で崩壊することがなく、ゼオライトとの接触を防止できるため、水不溶分の形成を抑制できると考えられる。
製造例1〜4(洗剤粒子の調製)
表2に示す割合で各成分を配合して、粉状の洗剤粒子a〜dを調製した。
表2に記載の成分の詳細は、以下のとおりである。
・LAS−Na:アルキル基の炭素数12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
・α−SFE:α−スルホ脂肪酸(パーム油由来)エチルエステルナトリウム
・非イオン性界面活性剤:炭素数10〜14の1級アルコールにEOを平均8モル付加させたもの
・脂肪酸ナトリウム:炭素数14〜18のアルキル基を有する脂肪酸ナトリウム
・ゼオライト:ゼオビルダー社製「ゼオビルダー」(4A型、平均粒径3.5μm)
・AA/MAポリマー:アクリル酸−マレイン酸コポリマー(ナトリウム塩(70モル%中和)であり、モノマー比はアクリル酸/マレイン酸=3/7(モル比)、平均分子量70000)
・PEG:ポリエチレングリコール(質量平均分子量8500)
・蛍光染料:チバガイギー社製「チノパールCBS−X」と住友化学工業株式会社製「ホワイテックスSA」とを1/1(質量比)で配合
Figure 0005368700
実施例8〜11(ゼオライト配合洗浄剤組成物の調製)
製造例1〜4で得られた洗剤粒子a〜d 100質量部に、実施例1で得られた複合粉体7.5質量部を混合し、ゼオライト配合洗浄剤組成物(組成物中のゼオライト含有量:28質量%)を得た。
得られた洗浄剤組成物のうち12gを量り採り、温度50℃、湿度70%の条件で4日間保存した。その後、温度25℃、湿度50%で2日間保存した。得られた粉末0.83gを秤量し、5℃の水1L中に投入し10分間攪拌した。その後200メッシュの金網を通し、105℃で30分間乾燥し、金網残分を秤量し、〔金網残量÷0.83×100〕を水不溶分量(%)とした。結果を表3に示す。
実施例12〜15(ゼオライト配合洗浄剤組成物の水不溶分の測定)
実施例8〜11において、実施例1で得られた複合粉体の代わりに、実施例4で得られた複合粉体を用いた以外は、実施例8〜11と同様の操作を行って、ゼオライト配合洗浄剤組成物を得た。結果を表3に示す。
比較例9〜14
実施例8において、実施例1で得られた複合粉体の代わりに、比較例で得られた結晶性シリケート粒子7.5質量部を混合した以外は、実施例8と同様の操作を行って、ゼオライト配合洗浄剤組成物を得た。結果を表3に示す。
Figure 0005368700
表3から、本発明の複合粉体を含有するゼオライト配合洗浄剤組成物(実施例8〜15)は、本発明の複合粉体を含有しないゼオライト配合洗浄剤組成物(比較例9〜14)に比べて水不溶分量が非常に少なく、保存安定性に優れていることが分かる。

Claims (6)

  1. 平均粒径が5〜100μmのアルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)25〜90質量%、及び平均粒径が1〜20μmの粘土鉱物粒子(B)10〜75質量%を含有してなる、平均粒径が5〜50μmの複合粉体であって、粘土鉱物粒子(B)がスメクタイト粒子であり、複合粉体の形態が、アルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)の表面に、粘土鉱物粒子(B)が2個以上接触して存在する形態であり、アルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)の平均粒径に対する粘土鉱物粒子(B)の平均粒径の比〔アルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)/粘土鉱物粒子(B)〕が5.0〜100である、複合粉体
  2. アルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)が、下記式(1)で表される組成を有する、請求項1に記載の複合粉体。
    xM 2 O・ySiO 2 ・zMeO (1)
    (式中、MはNa及び/又はKを示し、MeはCa及び/又はMgを示し、y/x=0.5〜4.0、z/x=0〜1.0、MeO中のMg/Ca=0〜10である。)
  3. 粘土鉱物粒子(B)がモンモリロナイト粒子である、請求項1又は2に記載の複合粉体。
  4. アルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)と粘土鉱物粒子(B)とをボール媒体ミルにより、粉砕、複合化したものである、請求項1〜3のいずれかに記載の複合粉体。
  5. アルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)と粘土鉱物粒子(B)とを混合後、造粒したものである、請求項1〜4のいずれかに記載の複合粉体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の複合粉体を含有するゼオライト配合洗浄剤組成物。
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