JP5260015B2 - 複合粉体 - Google Patents
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Description
しかしその反面、アルカリ金属ケイ酸塩の特徴である水への溶解性は、空気中の水分を吸収したり、炭酸ガスを吸収することによりイオン交換能が低下する原因ともなり、アルカリ金属ケイ酸塩には保存による性能低下の問題がある。
特許文献3には、金属硫酸塩を固溶して含む珪酸ナトリウムカレットを粉砕して、耐吸湿性を向上させた、特定のSiO2/Na2Oモル比と比表面積を有する非晶質珪酸ナトリウム・金属硫酸塩複合粉末の製造方法が開示されている。しかしながら、この方法は、1000℃以上の高温でケイ酸塩と硫酸アルカリを溶融させる必要があり、エネルギー負荷が高く、また結晶性ケイ酸塩には適用できないため汎用性に乏しいという欠点がある。
また、特許文献4には、アルカリ金属ケイ酸塩粒子と平均粒径が0.01〜50μmの水溶性塩粒子からなる、保存安定性を向上させ複合粉体が開示されているが、更なる改善が望まれる。
(1)リチウム塩又はリチウム水酸化物とそれ以外の水溶性塩との混合水溶液を、噴霧造粒して得られる複合粒子。
(2)平均粒径が1〜500μmのアルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)、及びリチウム塩又はリチウム水酸化物とそれ以外の水溶性塩との混合水溶液を噴霧造粒して得られる複合粒子(B)を含む複合粉体であって、粒子(A)が、下記式(1)で表される組成を有し、〔粒子(A)/複合粒子(B)〕の質量比が1/9〜99/1である複合粉体。
xM2O・ySiO2・zMeO (1)
(式中、MはNa及び/又はKを示し、MeはCa及び/又はMgを示し、y/x=0.5〜4.0、z/x=0〜1.0、MeO中のMg/Ca=0〜10である。)
(3)前記(1)の複合粉体を含有してなる洗剤組成物。
xM2O・ySiO2・zMeO (1)
(式中、MはNa及び/又はKを示し、MeはCa及び/又はMgを示し、y/x=0.5〜4.0、z/x=0〜1.0、MeO中のMg/Ca=0〜10である。)
以下、複合粒子、複合粉体及び洗剤組成物の各成分について説明する。
本発明において、複合粒子(B)と複合粉体を形成する粒子(A)は、平均粒径が1〜500μmの結晶質又は非晶質のアルカリ金属ケイ酸塩粒子であり、下記式(1)で表される組成を有する。
xM2O・ySiO2・zMeO (1)
(式中、MはNa及び/又はKを示し、MeはCa及び/又はMgを示し、y/x=0.5〜4.0、z/x=0〜1.0、MeO中のMg/Ca=0〜10である。)
かかる粒子(A)はイオン交換能を有し、その値は特に限定されないが、Caイオン交換能は好ましくは10〜250mg/g、より好ましくは50〜250mg/g、特に好ましくは120〜250mg/gである。Caイオン交換能がこの範囲であれば、例えば、洗剤用に利用する場合でも少量で効力を発揮するため、コンパクト洗剤に配合できる点で好ましい。
Caイオン交換能は、試料0.04gを精秤し、塩化カルシウム溶液(濃度はCaCO3として100ppm)100mL中に加え、20℃で10分間攪拌した後、得られた液体を0.2μmのフィルターでろ過し、ろ液10mL中に含まれるCa量(CaCO3換算量)をEDTA滴定により定量することにより測定できる。
このような組成のアルカリ金属ケイ酸塩として、例えば、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、粉末1号ケイ酸ナトリウム、粉末2号ケイ酸ナトリウム等が挙げられる。また、特にイオン交換能の高いものとして、特開平8−26717号公報、特公平1−41116号公報に記載の結晶質アルカリ金属ケイ酸塩が挙げられる。
また結晶質のアルカリ金属ケイ酸塩としては、特許第2525318号明細書に記載の合成無機ビルダー等が好適であり、より具体的には、[Na2O・SiO2]、[Na2O・2SiO2]等が挙げられる。
また、本発明においては、カリウムを含有するアルカリ金属ケイ酸塩(A)を用いることにより、その保存安定性を一段と向上させることができる。その好適例としては、上記式(1)において、y/x=1.4〜2.1、z/x=0.001〜1.0、M2O中のK/Na=0.09〜1.11で表されるもの等が挙げられる。このような結晶質アルカリ金属ケイ酸塩の具体例としては、[0.78Na2O・0.252K2O・1.8SiO2・0.054CaO・0.00095MgO]等が挙げられる。
これらの中では、比較的保存安定性が高い結晶性のアルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)がより好ましい。
アルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)を製造するには、M2O成分、SiO2成分、MeO成分の原料を、前記式(1)で表される所望のx、y、zとなるように所定の量比で混合した後、(i)通常300〜1300℃、好ましくは500〜1000℃、より好ましくは600〜900℃の範囲で焼成して結晶化させる方法、(ii)一旦1100℃〜1600℃で溶融してガラス化物を得た後焼成する方法、(iii)溶融後水ガラス化し焼成する方法等を採用することができる。また、焼成後、必要に応じて、ボールミル、ローラーミル等の粉砕機を用いて粉砕し、所定の粒度に調製することができる。
M2O成分の原料としては、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、Na2SO4等が挙げられ、SiO2成分としては、ケイ石、ケイ砂、クリストバライト石、カオリン、タルク、溶融シリカ、ケイ酸ソーダ等が挙げられ、MeO成分の原料として、CaCO3、Ca(OH)2、MgCO3、Mg(OH)2,MgO、ドロマイト等が挙げられる。
粒子(A)の平均粒径は、分散性と保存安定性の観点から1μm以上であり、5μm以上がより好ましく、7μm以上が特に好ましい。また、その上限は、イオン交換速度及び水への分散性の観点から500μm以下であり、200μm以下がより好ましく、50μm以下が特に好ましい。
上記の粒子(A)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明における複合粒子(B)は、リチウム塩又はリチウム水酸化物とそれ以外の水溶性塩との混合水溶液を、噴霧造粒して得られるものである。
複合粒子(B)は、粒子(A)と複合粉体を形成するが、この際、粒子(A)の表面に接触して存在し、粒子(A)同士が接触しないようにするスペーサーの役割を果たすと考えられる。
(リチウム塩又はリチウム水酸化物)
本発明におけるリチウム塩に特に制限はないが、OH- 、SO4 2- 、NO3 - 、CO3 2- 、Cl- 、及びCH3COO- から選ばれる1種のアニオン成分から構成されるものが好ましい。具体的には、リチウムを含む硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、塩化物、酢酸塩が好ましく、硫酸塩がより好ましい。アルカリ金属ケイ酸塩の保存安定性をより向上させるリチウム塩としては、硫酸リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウム、塩化リチウム等が挙げられる。これらの中では、炭酸リチウム、硫酸リチウム一水和物(Li2SO4・H2O)が特に好ましい。
本発明におけるリチウム水酸化物としては、水酸化リチウムが特に好ましい。
上記のリチウム塩は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明における前記それ以外の水溶性塩としては、化学便覧基礎編I(改訂3版)(日本化学会編、丸善株式会社発行)159〜165頁に記載のNa塩、140〜146頁に記載のK塩、156〜159頁記載のアンモニウム塩、及び149〜151頁に記載のMg塩の中で、リチウム塩と反応して、20℃の水100gに対する溶解量が5g以下の難溶解性塩を形成しないものである。
これらの中では、Na+ 、K+ 、NH4 + 及びMg2+ から選ばれる1種のカチオン成分と、SO4 2- 、NO3 - 、CO3 2- 、Cl- 、及びCH3COO- から選ばれる1種のアニオン成分とから構成される塩、すなわち硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、塩化物、酢酸塩が好ましく、硫酸塩がより好ましい。そして、リチウム塩と相まって、アルカリ金属ケイ酸塩の保存安定性をより向上させる水溶性金属塩としては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム等が好ましく、特に硫酸ナトリウム(ボウ硝)(Na2SO4・10H2O)、無水硫酸ナトリウム(無水ボウ硝)が好ましい。
上記の水溶性塩は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
複合粒子(B)は、リチウム塩又はリチウム水酸化物(以下、「リチウム塩等」ともいう)とそれ以外の水溶性塩(以下、単に「水溶性塩」ともいう)との混合水溶液を噴霧造粒することにより得ることができる。噴霧造粒することにより、リチウム塩と水溶性塩からなる実質的に球状の複合(集合体)粒子とし、粒子(A)の表面に、得られた複合粒子(B)を均一に多数個接触して存在させ易くすることができる。
噴霧造粒法としては、「特許庁公報 周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)」(平成10年3月26日、特許庁発行)記載の噴霧乾燥法等が挙げられる。
噴霧造粒に先立って、リチウム塩と水溶性塩とを水と混合し、造粒用の混合水溶液(以下、「スラリー」ともいう)を調製する。
スラリーは、ポンプ送液が可能で非硬化性のものであればよい。スラリーの温度は、通常10〜80℃、好ましくは20〜70℃であり、その水分量は、ポンプ送液性、生産性の観点から、通常5〜70質量%、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは15〜55質量%である。
スラリーの形成方法に特に制限はない。例えば、(i)最初に水の全て、又は殆ど全てを混合槽に加え、水温が設定温度に到達した後に、必要に応じて界面活性剤等を添加した後、水溶性塩を添加し、リチウム塩等を添加する方法、(ii)混合効率を向上させる目的で、当該成分を2回以上に分割して添加する方法、(iii)両成分を予め混合した後に水性媒体中に添加する方法、(iv)両成分添加後に、粘度やスラリー水分調整のために水を添加する方法等が挙げられる。用いるリチウム塩等の溶解度が5g/100mL以下である場合は、(i)の方法を用いることが好ましい。また、最終的に均質なスラリーを得るために、スラリー中に全成分を添加した後に、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上混合する。
噴霧乾燥塔としては、熱効率や噴霧乾燥粒子の粒子強度向上の観点から、向流塔が好ましい。微粒化ノズルとしては、圧力噴霧ノズル(液体圧力)、2流体噴霧ノズル(気体圧力)、4流体噴霧ノズル(気体圧力)、回転円盤式(回転数の変化)のいずれも採用しうるが、所望の平均粒径を得る観点から、噴霧液滴をミスト状に噴霧できる2流体噴霧ノズルや4流体噴霧ノズルが特に好ましい。
噴霧乾燥粒子の水分は、噴霧乾燥塔に供給されるガスの温度、ガスの送風量を調節することによって、調節することができる。供給されるガスとしては、一般に熱媒体用として用いられる空気、窒素等を使用することができる。供給ガスの温度は、生産性、操作性、安全性の観点から、好ましくは200〜360℃、より好ましくは220〜340℃、特に好ましくは240〜320℃である。噴霧乾燥後の噴霧乾燥粒子は、気流乾燥器、流動層乾燥器、回転乾燥器等を用いて、さらに乾燥することもできる。
複合粒子(B)の平均粒径は特に限定されないが、複合粒子(B)同士の凝集を抑える観点から0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.1μm以上が特に好ましく、粒子(A)と密に接触させる観点から50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下が特に好ましい。
前記のとおり、粒子(A)の平均粒径は1〜500μmであり、複合粒子(B)の平均粒径は好ましくは0.01〜50μmであるが、粒子(A)の平均粒径よりも複合粒子(B)の平均粒径が小さい方が、得られる複合粉体の形態が、粒子(A)の表面に複合粒子(B)が接触した形態になりやすくなるため好ましい。
なお、粒子(A)、複合粒子(B)、複合粉体の平均粒径は実施例に記載の方法により測定することができる。
複合粉体の製造方法としては、以下の(i)〜(iv)等の方法が挙げられる。
(i)粒子(A)と複合粒子(B)をそれぞれ個別に予め所定の粒径に粉砕しておき、次いで両者を混合機によって混合して複合化する方法。
(ii)粒子(A)と複合粒子(B)を粉砕機に添加し、粉砕しながら混合する方法。
(iii)表面処理装置により粒子(A)表面に複合粒子(B)を被着させる方法。
(iv)造粒装置により粒子(A)と複合粒子(B)を混合して造粒する方法。
この場合、粒子(A)や複合粒子(B)の粉砕前の平均粒径としては、得られる複合粉体が所定の範囲内の大きさに収まるのであれば特に限定されない。
混合・粉砕時の温度は、両成分が粒子で存在する限り特に限定されず、室温程度であればよい。具体的には、5〜40℃が好ましく、10〜30℃がより好ましい。また、混合・粉砕処理時間も特に限定されず、例えば、360分間以下が好ましく、2〜60分間がより好ましい。連続粉砕機を用いれば一瞬で粉砕複合することもできる。
粉砕装置としては、化学工学便覧(改訂5版)(日本化学会編、丸善株式会社発行)826〜838頁に記載の粉砕機等が用いられ。具体例としては、(1)圧力や打撃力により粉砕する装置:例えばジョークラッシャー、ジャイレトリクラシャー、ロールクラッシャー、ロールミル等、(2)高速回転するローター周辺に打撃板が固定され、ローターと打撃板とによるせん断力等によって処理物を粉砕する装置:例えばハンマーミル、インパクトクラッシャー、ピンミル等、(3)リング上にロール又はボールが押しつけられつつ回転し、その間で処理物をすりつぶして粉砕する装置:例えばリングローラーミル、リングボールミル、遠心ローラーミル、ボールベアリングミル等、(4)円筒形の粉砕室を備え、その粉砕室の中に粉砕媒体としてボールやロッドを入れて回転もしくは振動させることにより処理物を粉砕する粉砕装置:例えばボールミル、振動ミル、遊星ボールミル等、(5)円筒形の粉砕室を備え、その粉砕室にボール又はビーズ等の粉砕媒体を入れ、この媒体に挿入したディスク型やアニュラー型の攪拌機構による、せん断、摩擦作用によって処理物を粉砕する装置:例えばタワーミル、アトライター、サンドミル等が挙げられる。
ボールミルとしては、転動ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル等が挙げられる。これらの中では、粉砕効率が高く、生産性の観点から、遊星ボールミルが特に好ましい。処理方法としては、バッチ式、連続式のいずれも採用しうる。
ボールの材質に特に制限はなく、例えばスチール、クロム合金等の高硬度金属、アルミナ、ジルコニア、ジルコン、チタニア等の高硬度セラミックス、ガラス、超高分子量ポリエチレン、ナイロンなどの高分子材料等が挙げられる。
粒子(A)及び複合粒子(B)を微粒化するための剪断力や衝突力、粉砕力の大きさは、ボールの比重が大きくなるのに伴い大きくなることから、比較的比重が大きく、耐摩耗性の高いアルミナ、ジルコニア、チタニア等の高硬度セラミックスがより好ましい。
ボールの外径は、好ましくは1〜100mm、より好ましくは3〜50mm、特に好ましくは6〜30mmである。ボールの外径が上記の範囲であれば、所望の粉砕力が得られるともに、粒子(A)及び複合粒子(B)を効率的に複合化させることができる。
ボールの充填率は、ボールミルの機種により異なるが、好ましくは10〜97%、より好ましくは20〜90%、より好ましくは25〜80%である。充填率がこの範囲内であれば、粒子(A)及び複合粒子(B)とボールとの接触頻度が向上するとともに、ボールの動きを妨げずに、粉砕効率を向上させることができる。ここで充填率とは、ボールミルの攪拌部の容積に対するボールの見かけの体積をいう。
ボールミルの処理時間は、ボールミルの種類、ボールの種類、大きさ及び充填率等により一概に決定できないが、粒子(A)の表面に、複合粒子(B)を均一に2個以上接触して存在する形態を効率的に達成する観点から、例えば0.5〜100分間が好ましく、1〜30分間がより好ましい。処理温度は、通常5〜50℃、好ましくは10〜45℃である。
本発明の複合粉体の形態は特に限定されないが、粒子(A)の表面に複合粒子(B)を接触して存在させ、粒子(A)同士が直接接触しにくくさせる観点から、複合粒子(B)は粒子(A)の表面に好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上、特に好ましくは4個以上存在する形態であることが望ましい。例えば、粒子(A)と複合粒子(B)とが互いに緊密に接触した集合体の形態(形態A)、粒子(A)が単独粒子として存在し、その表面に複合粒子(B)が2個以上接触して存在する形態(形態B)が挙げられる。形態Bの場合、複合粒子(B)の粒径は粒子(A)の粒径より小さい方が好ましい。とりわけ、形態Bにおいて、複合粒子(B)が粒子(A)の粒子表面を実質的に被覆した形態が特に好ましい。
ここで、〔粒子(A)/複合粒子(B)〕の質量比は、イオン交換能の観点から、1/9以上であり、保存安定性の観点から99/1以下である。該質量比は、好ましくは3/7〜9/1であり、より好ましくは5/5〜8/2である。
複合粉体の大きさは、粒子(A)と複合粒子(B)のそれぞれが前記所定の平均粒径を有していれば特に限定されないが、例えば、1〜800μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。分散性と保存安定性の観点から1μm以上が好ましく、イオン交換速度及び水への分散性の観点から800μm以下が好ましい。
また、複合粉体の水不溶分量(%)は、溶解性の観点から、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下であり、結晶相保存率(%)は、保存安定性の観点から、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上である。なお、水不溶分量(%)及び結晶相保存率(%)は、実施例記載の方法により測定することができる。
本発明の洗剤組成物は、本発明の前記複合粉体を含有してなることを特徴とする。
本発明の複合粉体は保存安定性の高い、水溶性のイオン交換体である。そのため特に洗剤用のビルダーとして好適である。洗剤用のビルダーとして利用する場合、予め複合粉体を調製し、洗剤に添加してもよく、また予め調製した複合粉体を必要に応じて他の洗剤配合物と混合して洗剤粒子を形成させてもよい。
本発明の洗剤組成物中の複合粉体の含有量は、特に限定されないが、有効なビルダー性能を発現させる観点から、洗剤組成物の1質量%以上が好ましく、洗剤組成物のpHを適正範囲にする観点から、30質量%以下が好ましい。
本発明における洗剤組成物は、前記複合粉体の他に、通常添加される洗剤成分、例えば、各種の界面活性剤、ビルダー、酵素、漂白剤(過炭酸塩、過ホウ酸塩、漂白活性化剤等)、再汚染防止剤(カルボキシメチルセルロース等)、柔軟化剤、還元剤(亜硫酸塩等)、蛍光増白剤、抑泡剤(シリコーン等)香料等を含有することができる。
非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールのエチレンオキサイド付加物、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルポリグリコシド等が挙げられる。
ビルダーとしては、本発明の複合粉体の他に、炭酸塩、結晶性アルミノケイ酸塩、非晶質アルミノケイ酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩等の無機ビルダーやニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アクリル酸(共)重合体等の有機ビルダー等のナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩等が挙げられる。
本発明の洗剤組成物の用途は特に限定されず、衣料用洗剤、食器用洗剤、住居用洗剤、自動車用洗剤、身体用洗剤、歯ミガキ、金属用洗浄剤等として好適に用いられる。
また、本発明の複合粉体はカチオン交換体であるので、重金属等のイオン交換を行う機能を有するため、排水処理剤や水処理剤等にも利用できる。また、重金属又は貴金属触媒用の担体や塩基性触媒としても利用することができる。
(平均粒径)
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、「LA920」)を用いて、エタノールを分散媒として、超音波3分照射後の粒度分布を相対屈折率1.5で測定したときの体積中位粒径(D50)の値を平均粒径とした。
(水不溶分量)
複合粉体3gとゼオライト4A(ゼオビルダー社製)12gを混合した。混合粉体10gを量り採り、温度40℃、湿度80%の条件で12時間保存した。その後、温度60℃で3時間乾燥したものを乳鉢で粉砕し粉末状にした。この粉末のアルカリ金属ケイ酸塩0.2g含有相当量を秤量し、5℃の水1L中に投入し10分間攪拌した。その後400メッシュの金網を通し、105℃で30分間乾燥し、金網上の残分を秤量し、(金網上の残量÷1×100)の値を水不溶分量(%)とした。
(結晶相保存率)
複合粉体2gを量り採り、温度40℃、湿度80%の条件で12時間保存した。その後、温度60℃で3時間乾燥したものを乳鉢で粉砕し粉末状にした。得られた保存後の複合粉体と保存前の複合粉体をそれぞれX線回折装置(株式会社リガク製、「RINT2500VPC」)を用いて回折パターンの測定を行った。得られた回折パターンのうち、格子定数d=3.96オングストローム付近に現れるピーク強度の保存前後の値を用いて、下記の計算式に基づき結晶相保存率を算出した。
結晶相保存率(%)=保存後の強度(cps)/保存前の強度(cps)×100
平均粒径52μmの結晶性シリケート粒子(A)(Na2O・2SiO2)(トクヤマシルテック株式会社製、プリフィード粉末)20gを遊星ボールミル(フリッチュ社製「P−5」、容量500mlのアルミナ製のポッドに12mmΦのアルミナ製ボールを19個投入)を用いて6000rpmで5分間粉砕し、平均粒径13μmの粉体を得た。得られた粉体の水不溶分量を表1に示す。
(1)複合粒子(B−1)の調製
イオン交換水200gに硫酸ナトリウム(四国化成株式会社製)47.5gと硫酸リチウム一水和物(和光純薬工業株式会社製)2.5gを溶解させた。得られた水溶液を、噴霧乾燥機(東京理化器械株式会社製「SD−1000」)を用いて、熱風温度128℃、排風温度75〜85℃で噴霧乾燥し、平均粒径10μmの複合粒子(B−1)を得た。
(2)粒子(A)と複合粒子(B−1)の複合化
表1に示す割合で、前記結晶性シリケート粒子(A)と粒子(B−1)の合計量が20gとなるよう計量し、前記遊星ボールミルを用いて6000rpmで5分間粉砕し、平均粒径13μmの複合粉体を得た。得られた複合粉体の水不溶分量を表1に示す。
表1に示す割合で、前記結晶性シリケート粒子(A)と硫酸ナトリウム(四国化成株式会社製)粒子(B−2)の合計量が20gとなるよう計量し、前記遊星ボールミルを用いて6000rpmで5分間粉砕し、平均粒径13μmの複合粉体を得た。得られた複合粉体の水不溶分量を表1に示す。
実施例2において、硫酸ナトリウムと硫酸リチウム一水和物の代わりに、硫酸ナトリウムと炭酸リチウム(日本化学工業株式会社製「炭酸リチウムS」)を用いた以外は、実施例2と同様の方法で、平均粒径10μmの複合粉体を得た。得られた複合粉体の水不溶分量を表2に示す。
実施例6(複合粉体の調製)
実施例2において、硫酸ナトリウムと硫酸リチウム一水和物の代わりに、硫酸ナトリウムと水酸化リチウム一水和物(和光純薬工業株式会社製)を用いた以外は、実施例2と同様の方法で、平均粒径10μmの複合粉体を得た。得られた複合粉体の水不溶分量を表2に示す。
比較例5
表2に示す割合で、前記結晶性シリケート粒子(A)と炭酸リチウム(日本化学工業株式会社製、炭酸リチウムS)粒子の合計量が20gとなるよう計量し、前記遊星ボールミルを用いて6000rpmで5分間粉砕し、平均粒径10μmの複合粉体を得た。得られた複合粉体の水不溶分量を表2に示す。
比較例6
表2に示す割合で、前記結晶性シリケート粒子(A)と水酸化リチウム一水和物(和光純薬工業株式会社製)粒子の合計量が20gとなるよう計量し、前記遊星ボールミルを用いて6000rpmで5分間粉砕し、平均粒径10μmの複合粉体を得た。得られた複合粉体の水不溶分量を表2に示す。
(1)複合粒子(B−2)の調製
表3に示す割合で、硫酸ナトリウム(四国化成株式会社製)と炭酸リチウム(日本化学工業株式会社製「炭酸リチウムS」)の合計量が50gとなるよう計量し、イオン交換水200gに溶解させた。得られた水溶液を、前記噴霧乾燥機を用いて、熱風温度128℃、排風温度75〜85℃で噴霧乾燥し、平均粒径10μmの複合粒子(B−2)を得た。
(2)粒子(A)と複合粒子(B−2)の複合化
表3に示す割合で、前記結晶性シリケート粒子(A)と複合粒子(B−2)の合計量が20gとなるよう計量し、前記遊星ボールミルを用いて6000rpmで5分間粉砕し、平均粒径10μmの複合粉体を得た。得られた複合粉体の水不溶分量を表3に示す。
表4に示す割合で各成分を配合して、粉状の洗剤粒子a〜dを調製した。
表4に記載の成分の詳細は、以下のとおりである。
・LAS−Na:アルキル基の炭素数12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
・α−SFE:α−スルホ脂肪酸(パーム油由来)エチルエステルナトリウム
・非イオン性界面活性剤:炭素数10〜14の1級アルコールにEOを平均8モル付加させたもの
・脂肪酸ナトリウム:炭素数14〜18のアルキル基を有する脂肪酸ナトリウム
・ゼオライト:ゼオビルダー社製「ゼオビルダー」(4A型、平均粒径3.5μm)
・AA/MAポリマー:アクリル酸−マレイン酸コポリマー(ナトリウム塩(70モル%中和)であり、モノマー比はアクリル酸/マレイン酸=3/7(モル比)、平均分子量70000)
・PEG:ポリエチレングリコール(重量平均分子量8500)
・蛍光染料:チバガイギー社製「チノパールCBS−X」と住友化学工業株式会社製「ホワイテックスSA」とを1/1(重量比)で配合
製造例2〜5で得られた洗剤粒子a〜d 100重量部に、実施例9で得られた複合粉体7.5重量部を混合した。そのうち12gを量り採り、温度50℃、湿度70%の条件で4日間保存した。その後、温度25℃、湿度50%で2日間保存した。得られた粉末0.67gを秤量し、5℃の水1L中に投入し10分間攪拌し、洗剤組成物を調製した。その後200メッシュの金網を通し、105℃で30分間乾燥し、金網残分を秤量し、金網残量÷0.67×100を水不溶分量(%)とした。結果を表5に示す。
比較例7〜10
実施例11〜14において、実施例9で得られた複合粉体の代わりに、製造例1で得られた結晶性シリケート粒子7.5重量部を混合した以外は、実施例11〜14と同様の方法で洗剤組成物を調製した。結果を表5に示す。
Claims (6)
- 平均粒径が1〜500μmのアルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)、及びリチウム塩又はリチウム水酸化物とそれ以外の水溶性塩との混合水溶液を噴霧造粒して得られる複合粒子(B)を含む複合粉体であって、粒子(A)が、下記式(1)で表される組成を有し、〔粒子(A)/複合粒子(B)〕の質量比が1/9〜99/1であり、複合粒子(B)におけるそれ以外の水溶性塩が、Na + 、K + 、NH 4 + 及びMg 2+ から選ばれる1種のカチオン成分と、SO 4 2- 、NO 3 - 、CO 3 2- 、Cl - 、及びCH 3 COO - から選ばれる1種のアニオン成分とから構成されるものである、複合粉体。
xM2O・ySiO2・zMeO (1)
(式中、MはNa及び/又はKを示し、MeはCa及び/又はMgを示し、y/x=0.5〜4.0、z/x=0〜1.0、MeO中のMg/Ca=0〜10である。) - 式(1)において、y/x=1.0〜4.0である、請求項1に記載の複合粉体。
- アルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)が結晶性である、請求項1又は2に記載の複合粉体。
- リチウム塩が、OH- 、SO4 2- 、NO3 - 、CO3 2- 、Cl- 、及びCH3COO- から選ばれる1種のアニオン成分から構成される、請求項1〜3のいずれかに記載の複合粉体。
- リチウム塩又はリチウム水酸化物が、硫酸リチウム、水酸化リチウム、及び炭酸リチウムから選ばれる1種以上の無水物又は水和物である、請求項1〜4のいずれかに記載の複合粉体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の複合粉体を含有してなる洗剤組成物。
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