JP3422728B2 - 高嵩密度洗剤組成物 - Google Patents

高嵩密度洗剤組成物

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JP3422728B2 JP17032299A JP17032299A JP3422728B2 JP 3422728 B2 JP3422728 B2 JP 3422728B2 JP 17032299 A JP17032299 A JP 17032299A JP 17032299 A JP17032299 A JP 17032299A JP 3422728 B2 JP3422728 B2 JP 3422728B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は洗剤組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】粒状洗剤は、消費者の利便性より、高嵩
密度化や低使用量化が強く指向されている。洗浄力を維
持して高嵩密度化や低使用量化を達成する手段の一つと
して、従来より洗剤粒子群と酵素含有粒子群を含有して
なる酵素含有洗剤組成物が知られている。しかし、該洗
剤は、該洗剤粒子群の溶解速度が低くなる傾向がある。
また、環境・エネルギー問題や経済性への対応に基づ
く、洗濯水の低温化、運転時間の短縮化等の近年の洗濯
機の傾向は、いずれも洗剤粒子の溶解速度の遅延の要因
となり、ひいては洗剤組成物の洗浄能力が著しく低下す
る。また洗濯終了時に粉末洗剤の溶け残りが衣類に残留
する心配が増大することが重大な課題として挙げられ
る。
【0003】これらの課題の解決を試みた従来の技術と
して、特開平5−247497号公報には、ゼオライト
含有のクラッチャースラリーを調製する際に、クエン酸
塩を添加して、噴霧乾燥して得られるビーズの強度を向
上させ、そのビーズに界面活性剤を塗布して、高い溶解
性特性を有する洗剤組成物の製造方法が開示されてい
る。特表平3−504734号公報には、ゼオライト4
5〜75重量%、石鹸1〜6重量%、ポリマー1〜12
重量%、硫酸ナトリウム0〜25重量%、ノニオン0〜
5重量%、水10〜24重量%を含有し、高い吸着能に
より界面活性剤を担持し、界面活性剤を担持された粒状
吸着剤は良好な洗濯機への分配性挙動を有する旨の記載
がある。特表平7−509267号公報には、150μ
m未満の粒子10重量%未満および1700μmより大
きい粒子10重量%未満を有するベース粉末に、規定さ
れた粒径範囲を有する、クエン酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム等の充填剤粒子を5〜20重量%の量で有す
る洗剤組成物とすることで、良好な洗濯機への分与性挙
動を有する旨の記載がある。しかしながら、これらは、
上述の技術的な課題を十分に解決し得るものではなく、
特に高速で溶解可能な高密度洗剤を意図する技術につい
ては全く開示されていない。
【0004】例えば特公昭50−22506号公報記載
の酵素含有粒子は、溶解性を向上させる試みがされてい
るが、平均粒径及び嵩密度が小さく、洗剤中で分級し易
いという問題や発塵量が多いという問題があった。特開
平7−289259号公報記載の酵素含有粒子は、発塵
量を低下させているものの、溶解性は十分とはいえなか
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、酵素
の作用を十分に発揮し得るよう、水への投入後素早く溶
解し得る高速溶解性の洗剤組成物、特に、短時間洗浄や
低温洗浄に最適な洗剤組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、界面活
性剤を含有する高嵩密度洗剤粒子群(以下、洗剤粒子群
という)であって、5℃の水に該洗剤粒子群を投入し以
下に示す攪拌条件にて60秒間攪拌してJIS Z 8
801規定の標準篩(目開き74μm)に供した場合、
式(1)で算出される該洗剤粒子群の溶解率が90%以
上である洗剤粒子群と、同条件での溶解率が85%以上
であり、水不溶性物質、水溶性バインダー及び酵素を含
有してなる酵素含有粒子群であり、その構造においてそ
の内部よりも表面近傍に水溶性バインダーが多く存在す
る構造を有する酵素含有粒子群とを含有してなる洗剤組
成物: 〔攪拌条件:1Lの硬水(71.2mgCaCO3
L、Ca/Mgのモル比7/3)に試料1gを投入し、
1Lビーカー(内径105mm)内で攪拌子(長さ35
mm、直径8mm)にて攪拌、回転数800rpm 式(1):溶解率(%)={1−(T/S)}×100 S:試料の投入重量(g)、T:上記攪拌条件にて得ら
れた水溶液を上記篩に供したときに、篩上の残存する試
料の溶残物の乾燥重量(g)。〕、並びに界面活性剤を
含有する高嵩密度洗剤粒子群であって、該高嵩密度洗剤
粒子群が、水に溶解する過程において粒径の1/10以
上の径の気泡を粒子内部から放出し得る洗剤粒子を含有
し、5℃の水に該洗剤粒子群を投入し前記攪拌条件にて
60秒間攪拌してJIS Z 8801規定の標準篩
(目開き74μm)に供した場合、式(1)で算出され
る該洗剤粒子群の溶解率が90%以上である洗剤粒子群
と、同条件での溶解率が85%以上である酵素含有粒子
群とを含有してなる洗剤組成物に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】洗剤粒子群の以下の方法で算出さ
れる溶解率は90%以上であり、94%以上が好まし
く、97%以上がより好ましい。
【0008】前述の試験攪拌条件をより具体的に説明す
る。5℃に冷却した71.2mgCaCO3 /Lに相当
する1Lの硬水(Ca/Mgのモル比7/3)を1Lビ
ーカー(内径105mm、高さ150mmの円筒型、例
えば岩城硝子社製1Lガラスビーカー)の中に満たし、
5℃の水温をウォーターバスにて一定に保った状態で、
攪拌子(長さ35mm、直径8mm、例えば型式:ADVA
NTEC社製、テフロンSA(丸型細型))にて水深に対す
る渦巻きの深さが略1/3となる回転数(800rp
m)で攪拌する。1.0000±0.0010gとなる
ように縮分・秤量した洗剤粒子群を攪拌下に水中に投入
・分散させ攪拌を続ける。投入から60秒後にビーカー
中の洗剤粒子群の分散液を、重量既知のJIS Z 8
801に規定の目開き74μmの標準篩(直径100m
m)で濾過し、篩上に残留した含水状態の洗剤粒子群を
篩と共に重量既知の開放容器に回収する。尚、濾過開始
から篩を回収するまでの操作時間を10±2秒とする。
回収した洗剤粒子群の溶残物を105℃に加熱した電気
乾燥機にて1時間乾燥し、その後、シリカゲルを入れた
デシケーター(25℃)内で30分間保持して冷却す
る。冷却後、乾燥した洗剤の溶残物と篩と回収容器の合
計の重量を測定し、式(1)によって洗剤粒子群の溶解
率(%)を算出する。
【0009】洗剤粒子群の嵩密度は500g/L以上、
好ましくは500〜1000g/L、より好ましくは6
00〜1000g/L、特に好ましくは650〜850
g/Lである。経済効率の観点から嵩密度は500g/
L以上が好ましく、溶解性の観点から1000g/L以
下が好ましい。
【0010】酵素含有粒子群の該溶解率は85%以上で
あり、88%以上が好ましく、90%以上がより好まし
く、95%以上が特に好ましい。酵素含有粒子群の溶解
率は、洗剤粒子群のそれと同じ方法で求める。
【0011】酵素含有粒子群の嵩密度は、非分級性の観
点から、好ましくは500〜1000g/L、より好ま
しくは600〜1000g/L、特に好ましくは700
〜950g/Lである。該酵素含有粒子群の平均粒径
は、高速溶解性、低発塵性、非分級性の観点から、好ま
しくは150〜500μm、より好ましくは150〜4
50μm、特に好ましくは200〜400μmである。
【0012】加えて、発塵性、溶解性の観点から125
〜710μmの粒子群が全体の80重量%以上を占める
酵素含有粒子が好ましく、90重量%以上を占める酵素
含有粒子がより好ましい。
【0013】酵素含有粒子の水分値としては、品質の観
点から10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより
好ましい。
【0014】洗剤組成物における洗剤粒子群及び酵素含
有粒子群の合計量は、界面活性剤及び酵素の作用を十分
発揮させる観点から組成物中の50〜100重量%、特
に70〜100重量%がより好ましい。これに、漂白剤
粒子群、柔軟剤粒子群、消泡剤粒子群、香料粒子群等を
加えても良い。両粒子群の配合比は、洗浄能力及び経済
性の観点から高嵩密度洗剤粒子群100重量部に対して
酵素含有粒子群0.2〜10重量部が好ましく、0.2
〜5重量部がより好ましい。本発明の組成物は、通常の
洗剤組成物に配合される公知の成分を任意成分として含
有していても良い。
【0015】このような溶解性の高い洗剤粒子群として
は、例えば以下の態様の高嵩密度洗剤粒子群が挙げられ
る。
【0016】洗剤粒子群の一つの態様として、平均粒径
が150〜500μm、好ましくは180〜500μ
m、より好ましくは180〜300μm、且つ710μ
m以上の粒子群及び125μm未満の粒子群の割合がそ
れぞれ洗剤粒子群の10重量%以下、好ましくは8重量
%以下、より好ましくは5重量%以下の洗剤粒子群が挙
げられる。
【0017】ここで、洗剤粒子群のペースト化による溶
解遅延の防止の観点から該平均粒径は150μm以上、
且つ125μm未満の粒子群の割合が該洗剤粒子群中に
10重量%以下が好ましい。洗剤粒子自身の溶解性の向
上の観点から該平均粒径は500μm以下、且つ710
μm以上の粒子群の割合が該洗剤粒子群中に10重量%
以下が好ましい。
【0018】本態様の洗剤粒子群の組成としては、界面
活性剤が5〜80重量%、水難溶性無機物が10〜50
重量%、水溶性ポリマーが1〜20重量%の組成が好ま
しい。界面活性剤の量が10〜60重量%がより好まし
く、20〜50重量%が特に好ましい。
【0019】かかる洗剤粒子群は、例えば、水難溶性無
機物の一部を除いた主成分を連続ニーダーを用いて捏和
・混合し、得られた捏和物と残部の水難溶性無機物とを
粉砕機に投入して粉砕することにより得ることができ
る。そして、得られた洗剤粒子群を篩い分けすることに
よって所定の平均粒径分布を有する洗剤粒子群を得るこ
とができる。なお、連続ニーダーとしては、例えば、栗
本鉄工所製KRC2型、粉砕機としてはホソカワミクロ
ン製DKASO6型等が好適例である。
【0020】他の態様の洗剤粒子群として、水難溶性無
機物と、水溶性ポリマー及び水溶性塩類からなる群より
選ばれる一種以上の水溶性成分とを含有してなる、界面
活性剤担持用ベース顆粒群(以下、ベース顆粒群とい
う)に界面活性剤が担持されてなる高嵩密度洗剤粒子群
が挙げられる。該洗剤粒子の平均粒径は、洗剤粒子のペ
ースト化による溶解遅延の防止、及び洗剤粒子自身の溶
解性の観点から150〜600μm、好ましくは150
〜500μm、より好ましくは180〜400μmであ
る。
【0021】ベース顆粒の組成中、水難溶性無機物は好
ましくは20〜90重量%、より好ましくは30〜75
重量%、特に好ましくは40〜70重量%である。水溶
性ポリマーは好ましくは2〜30重量%、より好ましく
は3〜20重量%、特に好ましくは5〜20重量%であ
る。水溶性塩類は好ましくは5〜78重量%、より好ま
しくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重
量%である。これらの範囲内において、スラリーを噴霧
乾燥することにより得られるベース顆粒の構造は、水溶
性ポリマー及び/又は水溶性塩類がベース顆粒の内部よ
りも表面近傍に多く偏在した構造となり得る。このよう
な偏在性を示すベース顆粒は、水中で表面近傍の水溶性
成分が速やかに溶解して、それにより洗剤粒子表面から
の洗剤粒子の崩壊を促進するという溶解挙動を示す。そ
のために、かかるベース顆粒群により高速溶解性が実現
され、溶解性に優れた洗剤粒子群を得ることができる。
【0022】ベース顆粒の構造の偏在性の確認は、次の
方法で確認することができる。まず、測定対象のベース
顆粒群と、該ベース顆粒群をメノウ乳鉢等で十分に粉砕
して均一な状態としたベース顆粒群粉砕物を用意する。
そして、ベース顆粒群の表面から約10μmまでの情報
が得られる条件で、両者をそれぞれフーリエ変換赤外分
光法(FT−IR)と光音響分光法(PAS)とを併用
する方法(「FT−IR/PAS」という。)により行
うことができる。これは、APPLIED SPECTROSCOPY vol.4
7 、1311-1316(1993) に記載のとおり、ベース顆粒の表
面から深さ方向における物質の分布状態を解析する方法
である。
【0023】偏在性構造を保持した状態で測定した場合
の水不溶性無機塩の特性ピークに対する相対面積強度
は、粉砕して均一な状態として測定した場合の水不溶性
無機塩の特性ピークに対する相対面積強度に対してその
比を求めると、水溶性塩類に関しては1.1以上、好ま
しくは1.3以上であり、水溶性ポリマーについては
1.3以上、好ましくは1.5以上である。
【0024】ベース顆粒に担持させる界面活性剤の量と
しては、洗浄力の点で、ベース顆粒群100重量部に対
して5〜80重量部が好ましく、5〜60重量部がより
好ましく、10〜60重量部がさらに好ましく、20〜
60重量部が特に好ましい。陰イオン界面活性剤を担持
させることにより、上記の偏在性を維持しつつ多量の界
面活性剤を配合することができる。
【0025】好ましくは洗剤粒子群は、水に溶解する過
程において粒径の1/10以上の径の気泡を粒子内部か
ら放出し得る洗剤粒子(以下、気泡放出洗剤粒子とい
う)を含有し、この気泡放出洗剤粒子は、水に溶解する
過程において、まず、粒子内部に少量の水が浸入すると
粒子内部から所定の大きさの気泡が放出され、次いで、
該粒子内部に大量の水が浸入することによって粒子自体
が崩壊(粒子の自己崩壊)し、表面近傍からの溶解のみ
ならず、粒子内部からの溶解及び崩壊が起こる。
【0026】このような溶解挙動は、気泡放出洗剤粒子
を水に溶解した場合に、該粒子の粒径の1/10以上、
好ましくは1/5以上、より好ましくは1/4以上、さ
らに好ましくは1/3以上の径の気泡(以下、所定の大
きさの気泡という)を放出する現象として、デジタルマ
イクロスコープや光学顕微鏡等で確認することができ
る。尚、気泡放出洗剤粒子は、水に静置状態にて溶解さ
せた場合、120秒以内に所定の大きさの気泡が発生す
ることが好ましく、60秒以内がより好ましく、45秒
以内がさらに好ましい。
【0027】気泡放出洗剤粒子群は洗剤粒子群に60重
量%以上含有されることが好ましく、80重量%以上が
より好ましい。
【0028】気泡径は次のように測定する。
【0029】ガラスシャーレ(内径50mm)の底面中
心に両面テープを装着する。高嵩密度洗剤粒子群を両面
テープ上に付着させる。先ずデジタルマイクロスコープ
を用いて得られる画像から個々の粒子についての円相当
径(αμm)を測定する。デジタルマイクロスコープと
しては例えばKEYENCE社製VH−6300を用い
ることができる。
【0030】続いてガラスシャーレに20℃のイオン交
換水を5mL注入し、測定対象の個々の粒子についての
溶解挙動を観察する。粒子内部から気泡が放出される場
合、気泡が粒子から離脱する瞬間の画像から気泡の円相
当径(βμm)を測定する。尚、粒子内部から複数個の
気泡が放出される場合にはそれぞれの気泡について測定
した円相当径の最大値をβμmとする。そして粒径に対
する気泡径の比(β/α)をそれぞれの粒子について求
める。
【0031】好ましい気泡放出洗剤粒子では、該粒子の
内部に粒径の1/10〜4/5の、好ましくは1/5〜
4/5の径の気孔が存在することが好ましい。
【0032】気孔径は次のように測定することができ
る。
【0033】選択された粒子を壊さない様にメス等で最
大粒径を含む面で切断する。切断面を走査型電子顕微鏡
(SEM)で観察し、切断粒子の切断面の円相当径(粒
径)(γμm)及び粒子内部で気孔の存在が確認された
場合には気孔の円相当径(気孔径)(δμm)を測定す
る。なお、複数個の気孔が確認される場合には、その中
で最も大きい気孔についての円相当径をδμmとする。
そして粒径に対する気孔径の比(δ/γ)を求める。
【0034】かかる洗剤粒子群は、例えば次のようにし
て調製することができる。
【0035】まず、ベース顆粒群を構成する成分を含有
するスラリーを調製する。次いで、スラリーを噴霧乾燥
に付してベース顆粒群を得る。噴霧乾燥により、ベース
顆粒を構成する成分のうちの水溶性成分が水分の蒸発に
伴ってベース顆粒表面に移動する。そのために、ベース
顆粒は偏在性を示すことになる。
【0036】次いで、得られたベース顆粒群と界面活性
剤とを、回分式や連続式の混合機に投入することにより
ベース顆粒群に界面活性剤を担持させることができる。
【0037】洗剤粒子群の流動性及び非ケーキング性の
観点から、表面被覆剤とを混合して表面改質を行っても
良い。
【0038】表面被覆剤としては、例えば、アルミノケ
イ酸塩、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、ベントナイ
ト、タルク、クレイ、非晶質シリカ誘導体、結晶性シリ
ケート化合物等のシリケート化合物、金属石鹸、粉末の
界面活性剤等の微粉体、カルボキシメチルセルロース、
ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ソーダ、アク
リル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩等のポリカ
ルボン酸塩等の水溶性ポリマー;脂肪酸が挙げられる。
【0039】次に、洗剤粒子群を構成する成分について
述べる。
【0040】水不溶性無機物としては、一次粒子の平均
粒径が0.1〜20μmのものが好ましい。具体的な物
質としては、結晶性又は非晶質のアルミノケイ酸塩、二
酸化ケイ素、水和ケイ酸化合物、パーライト、ベントナ
イト等の粘土化合物等が挙げられる。中でも金属イオン
封鎖能及び界面活性剤の吸油能の点で結晶性アルミノケ
イ酸塩が好ましい。
【0041】水溶性ポリマーとしては、カルボン酸系ポ
リマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、糖
類等が挙げられる。中でも金属イオン封鎖能、固体汚れ
・粒子汚れの分散能及び再汚染防止能の点で、分子量が
数千〜10万のカルボン酸系ポリマーが好ましい。特
に、アクリル酸−マレイン酸コポリマーの塩とポリアク
リル酸塩が好ましい。ここで、塩としてはナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。
【0042】水溶性塩類としては、炭酸塩、炭酸水素
塩、硫酸塩、亜硫酸塩、硫酸水素塩、塩酸塩、又はリン
酸塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、又はアミン
塩等の水溶性無機塩類や、クエン酸塩やフマル酸塩等の
低分子量の水溶性有機酸塩が挙げられる。該水溶性塩類
を配合することは、該水溶性塩類と水との反応で生じた
水和熱、溶解熱により、洗剤粒子から発生する気泡を熱
膨張させ、それにより粒子の崩壊性を促進できる点でよ
り好ましい。
【0043】界面活性剤としては、陰イオン界面活性
剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン界
面活性剤等が挙げられる。尚、これは、ベース顆粒に担
持させる界面活性剤としても用いられる。
【0044】陰イオン界面活性剤としては、高級アルコ
ール若しくはそのエトキシル化物の硫酸エステル塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸
塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩
若しくはそのエステル塩、又は脂肪酸塩が挙げられる。
特に、アルキル鎖の炭素数が10〜18(好ましくは1
2〜14)の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素
数が10〜20のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩
が好ましい。塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土
類金属塩、アンモニア塩、アルカノールアミン塩等が挙
げられる。
【0045】非イオン界面活性剤としては、高級アルコ
ールのエチレンオキシド(以下「EO」という)付加
物、若しくはEO/プロピレンオキシド(以下「PO」
という)付加物、脂肪酸アルカノールアミド、アルキル
ポリグリコシド等が挙げられる。特に炭素数が10〜1
6のアルコールのEO1〜10モル付加物が皮脂汚れの
除去、耐硬水性、生分解性の点、及び直鎖アルキルベン
ゼンスルホン酸塩との相性の点で好ましい。
【0046】洗剤粒子には、衣料用洗剤の分野で公知の
ビルダー、漂白剤(過炭酸塩、過ホウ酸塩、漂白活性化
剤等)、再汚染防止剤(カルボキシメチルセルロース
等)、柔軟化剤、還元剤(亜硫酸塩等)、蛍光増白剤、
抑泡剤(シリコーン等)、香料等を含有させることがで
きる。
【0047】洗剤粒子群の水分量は、該洗剤粒子群中1
0重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好まし
い。
【0048】次に、酵素含有粒子群を構成する成分につ
いて述べる。
【0049】酵素含有粒子群は、好ましくは水不溶性物
質45重量%以上、水溶性バインダー5〜40重量%、
及び酵素0.5〜30重量%を含有する。
【0050】水不溶性物質としては水に対して溶解性を
示さないか、若しくは僅かに示す物質であって、実質的
に酵素を失活させず、水溶性バインダーと反応せず、か
つ水中で分散する性質を示す物質であれば特に限定され
ない。かかる物質は無機物質又は有機物質のいずれでも
良いが、噴霧乾燥等の加熱を必要とする製法に使用され
る場合の熱に対する安定性の観点から、無機物質がより
好ましい。具体例としては、セルロースパウダー、ゼオ
ライト、タルク、クレー、アルミナ、カオリン、チタニ
ア、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられ、水中
での分散性の点でゼオライトやカオリン等が特に好まし
い。
【0051】水不溶性物質の大きさについては、酵素含
有粒子内部での分布の均一性の観点から一次粒子の平均
粒径が20μm以下が好ましい。該一次粒子の平均粒径
が小さくなるほど酵素含有粒子群が緻密となり、その緻
密化により粒子強度が向上して発塵性が抑制できること
から該一次粒子の平均粒径は10μm以下がより好まし
く、0.1〜5μmが特に好ましい。
【0052】酵素含有粒子群中の水不溶性物質の含有量
は、粉塵の発生を抑え、酵素含有粒子群に崩壊・分散性
を持たせ、酵素の速やかな溶出を促す観点から酵素含有
粒子群の45重量%以上であり、更に高速溶解性を高め
る観点から50重量%以上が好ましい。一方、発塵量抑
制と溶け残り防止の観点から該含量は酵素含有粒子群の
90重量%以下が好ましく、80重量%以下がより好ま
しく、70重量%以下が特に好ましい。したがって、高
速溶解性と低発塵性を同時に満たし、溶け残りを防止す
ることを考えると、該含量は酵素含有粒子群の50〜9
0重量%が好ましく、50〜80重量%がより好まし
く、50〜70重量%が特に好ましい。
【0053】水不溶性物質はそれぞれ単独でも、両物質
を併用しても良い。2種以上の水不溶性物質を組み合わ
せて用いる場合、粒径の異なる粒子や形状の異なる粒子
を配合することにより、酵素含有粒子群の構造を緻密化
又は強化して発塵性を抑制することも可能である。
【0054】水溶性バインダーとしては、粒子を構成す
る成分同士を結合させる能力を持ち、実質的に酵素を失
活させず、水中で速やかに溶解する性質を有するもので
あれば特に限定されない。例えば、ポリエチレングリコ
ール及びその誘導体、ポリビニルアルコール及びその誘
導体、水溶性セルロース誘導体、カルボン酸系ポリマ
ー、澱粉、糖類等が挙げられる(誘導体としては、エー
テル化合物等が挙げられる。)。生産性、高速溶解性の
観点からは、カルボン酸系ポリマー及び糖類が好まし
く、アクリル酸−マレイン酸コポリマーの塩、ポリアク
リル酸塩がより好ましい。塩としてはナトリウム塩、カ
リウム塩、アンモニウム塩が好ましい。
【0055】酵素含有粒子群中の水溶性バインダーの含
有量は、低発塵性の観点から酵素含有粒子群の5重量%
以上が好ましく、15重量%以上がより好ましい。高速
溶解性の観点から酵素含有粒子群の40重量%以下が好
ましく、30重量%以下がより好ましい。したがって、
低発塵性及び高速溶解性の観点から該含有量は酵素含有
粒子群の5〜40重量%が好ましく、15〜30重量%
がより好ましい。
【0056】水溶性バインダーは必要に応じて2種以上
配合することもできる。2種以上の異なった効果を持つ
水溶性バインダーを組み合わせることにより、その複合
効果を期待することもできる。例えば水中で速やかに溶
解するバインダーに、酵素の安定化能をもつバインダー
をさらに用いて組み合わせることによって、酵素含有粒
子の安定性をさらに付与することができる。
【0057】酵素としては、洗浄剤へ配合して洗浄効果
等を発揮する酵素であれば特に制限されない。例えば、
セルラーゼ、プロテアーゼ、ペクチナーゼ、アミラー
ゼ、リパーゼ、及びデキストラナーゼから選ばれる1種
以上が好ましく用いられる。
【0058】酵素含有粒子群中の酵素原末の含有量は、
酵素活性発現の観点から0.5重量%以上が好ましく、
2重量%がより好ましい。高速溶解性の観点から30重
量%以下が好ましく、25重量%以下がより好ましい。
したがって、酵素活性発現及び高速溶解性の観点から該
含有量は0.5〜30重量%が好ましく、2〜25重量
%がより好ましい。
【0059】酵素の使用形態としては、例えば、微生物
により生産された酵素を含有する培養物を濾過、濃縮し
た濃縮液の形で使用しても良く、濃縮液を乾燥して得ら
れた酵素粉末を使用しても良い。酵素濃縮液を用いる場
合、濾過によって分離しきれない糖類、無機塩類等が含
まれていても良い。
【0060】酵素含有粒子群には、前記の成分以外に、
その他の水溶性物質が含まれていても良い。例えば安定
化剤、賦形剤として塩化ナトリウム、塩化カルシウム、
塩化マグネシウム、芒硝等を配合することができる。か
かるその他の水溶性物質の量は、酵素、水溶性バインダ
ー、及び該水溶性物質の含有量の総和が酵素含有粒子群
の55重量%を超えない範囲が好ましい。特に、高速溶
解性及び低発塵性の観点からその他の水溶性物質の含有
量は酵素含有粒子群の15重量%以下が好ましく、10
重量%以下がより好ましい。
【0061】水不溶性物質、水溶性バインダー及びその
他の水溶性物質の好ましい組み合わせとしては、例え
ば、水不溶性物質としてゼオライト、水溶性バインダー
としてポリアクリル酸ナトリウムと糖類、その他の水溶
性物質として賦形剤である芒硝、といった組み合わせが
挙げられる。
【0062】酵素含有粒子には、製剤粒子の比活性を一
定に保つための希釈剤(例えば増量剤、充填剤等)、乾
燥促進剤、緩衝剤等を必要に応じて配合できる。着色
剤、安定剤等も適宜使用でき、更に、賦香剤、消香剤、
帯電防止剤等も使用できる。
【0063】酵素含有粒子の好ましい構造は、その内部
よりも表面近傍に水溶性バインダーが偏在する構造であ
る。これにより水中でまず水溶性バインダーが溶解した
後、水不溶性物質に水が接触するため、粒子自体が崩壊
し、水中に分散する。そのため、酵素の水中への溶出が
速やかに行われる。したがって、かかる構造を有する酵
素含有粒子であれば、粒径や嵩密度が大きくなっても速
やかに酵素を溶出させることができ、溶け残りもない。
加えて、酵素含有粒子表面近傍において、粒子を構成す
る成分同士を結合させるバインダーの量が多いため、更
に粒子強度が向上し、低発塵性が実現できる。
【0064】水溶性バインダーの偏在性は、ベース顆粒
と同じ方法で確認することができる。
【0065】前者の水溶性バインダーの量が、後者の水
溶性バインダーの量より多い場合、測定対象の酵素含有
粒子は酵素含有粒子の内部よりも表面近傍に水溶性バイ
ンダーが多く存在する構造を有するものである。
【0066】酵素含有粒子の表面から約10μmまでの
情報が得られる測定条件としては、例えば、分解能8c
-1、スキャン速度0.63cm/s、積算128回、
という条件が挙げられる。
【0067】使用する装置は、例えば、赤外分光光度計
としてBio−Rad Laboratories社製
FTS−60A/896型赤外分光光度計が、PASセ
ルとしてMTEC社製300型光音響検出器が挙げられ
る。
【0068】上記のように、酵素粒子群は、酵素が速や
かに溶出し、溶け残りが無く、粉塵の発生が抑制され、
非分級性を示す粒子群であるために有用である。
【0069】好ましい製法は、酵素含有粒子群の圧密化
による溶解性の低下を防ぐために、例えば水不溶性物
質、水溶性バインダー及び酵素を含むスラリーを乾燥さ
せて製造する方法が望ましい。偏在構造の粒子を得るた
めには、例えば、上記スラリーを乾燥させて粒子群を製
造した後、該粒子表面に水溶性バインダーを表面被覆す
る方法、上記スラリーを噴霧乾燥する方法等が挙げられ
る。特に、加熱乾燥の際、水の移動と共に表面近傍に水
溶性バインダーが多く集まるため、容易に上記構造の粒
子群を得ることができる噴霧乾燥法が好ましい。
【0070】噴霧乾燥法によって製造する場合、まず、
各成分を含有するスラリーを調製する。得られる酵素含
有粒子群の各成分の含有量は、スラリーの固形分中の各
成分の含有量に対応した値となる。本明細書において
「固形分」とは、水不溶性物質、水溶性バインダー、酵
素及びその他の水溶性物質をいう。
【0071】スラリー調製のための分散媒は、通常、水
が用いられる。
【0072】噴霧乾燥のためのスラリーの固形分含有量
を高めることは、得られる酵素含有粒子群の発塵性を低
減することができるため好ましい。高速溶解性と低発塵
との両立を考えると、スラリーの固形分含有量は40重
量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましい。
スラリー噴霧の容易さからは、該固形分含有量は60重
量%以下が好ましい。したがって、スラリーの固形分含
有量は40〜60重量%が好ましく、50〜60重量%
がより好ましい。
【0073】噴霧乾燥スラリーを調整する場合の水不溶
性物質、水溶性バインダー、酵素の配合順序は特に限定
はされないが、スラリー配合調整、発塵性の観点から最
適な順序が存在し、その順序に関しては配合物の物性に
よって異なるため、適宜最適化を行うことができる。例
えばゼオライト、ポリアクリル酸ナトリウム、糖類、芒
硝を用いた場合には、酵素、芒硝、糖類、ゼオライト、
ポリアクリル酸ナトリウムの順で配合するのが好まし
い。
【0074】調製されたスラリーを噴霧乾燥装置に供給
する。供給時のスラリーの温度については、実質的に酵
素が失活しない温度であるのが好ましい。酵素の安定性
及びスラリーの製造し易さの観点から10〜40℃が好
ましく、20〜30℃がより好ましい。
【0075】噴霧乾燥時の送風温度は140〜180℃
が好ましい。かかる温度範囲で噴霧乾燥を行うことは、
生産性が良好となり、実質的に酵素が失活しないため好
ましい。
【0076】更に噴霧乾燥によって得られた酵素含有粒
子群の発塵量の低減、保存安定性の向上等を目的に、上
記粒子の表面に、上記粒子の溶解性を損なわない成分か
らなる被覆剤を用いて被覆しても良い。被覆剤としては
水溶性の熱可塑性物質が挙げられ、具体的にはポリエチ
レングリコール及びその誘導体、脂肪酸等が挙げられる
(誘導体にはエーテル化合物等が挙げられる。)。特に
ポリエチレングリコール及びその誘導体が好ましく、そ
の分子量が2千〜1万のものがより好ましい。
【0077】具体的な被覆操作としては、例えば、かか
る被覆剤を熱溶融して、噴霧乾燥粒子の表面に被着させ
る態様が挙げられる。
【0078】本発明において規定される程度にまで溶解
性が高く、洗剤中での分級が抑制され、発塵製の低下さ
れた酵素含有粒子群は従来より知られておらず、当然の
ことながらかかる酵素含有粒子群を得る方法も知られて
いなかった。本発明において規定される程度にまで溶解
性の高い高嵩密度洗剤粒子群も従来より知られておら
ず、当然のことながらかかる洗剤粒子群を得る方法も知
られていなかった。
【0079】しかしながら、本明細書に記載のように、
特定の成分の存在するスラリーを噴霧乾燥する方法とい
った方法で溶解性が高く、洗剤中での分級が抑制され、
発塵製の低下された酵素含有粒子を得ることができる。
本明細書に記載のように、通常の方法により得られた洗
剤粒子群を所定の程度に篩い分けする方法や、特定の成
分の存在するスラリーを噴霧乾燥する方法といった方法
で溶解性の高い高嵩密度洗剤粒子群を得ることができ
る。
【0080】そのために、従来にはないアプローチから
酵素の作用を十分に発揮させることができ、洗浄力の向
上効果が奏される。
【0081】
【実施例】〔低発塵性〕低発塵性とは、酵素粒子群20
gに対する発塵量が1000mg以下のものを言う。こ
の発塵量は500mg以下がより好ましく、100mg
以下が更に好ましい。発塵量の基準値は酵素の種類によ
っても変化する。例えば、人体に対する影響の強いプロ
テアーゼ等の発塵量は100mg以下が好ましく、20
mg以下がより好ましい。
【0082】ここで、発塵量とは、上方が収束した形状
をもつ直径6.0cmの円筒中に直径2.0cm、重量
32.2gの粉砕ボール1を4個内蔵し、粉砕ボールを
回転数44rpmで回転させつつ、空気導入口4から空
気排出口5に向かって乾燥空気を20L/minで通気
して、気流に同伴される粒子を上方収束部においてフィ
ルター3で捕集する回転式ダストメータに、酵素粒子2
0gを入れ、20分間測定を行ったときの粉塵量とし
た。フィルター3は直径5.0cm、捕集粒径0.5μ
m、通気速度5cm/s時の圧力損失が0.42kPa
のものを用いた。
【0083】測定に用いる回転式ダストメータは特に限
定はされないが、例えば、図1に示す構造を持つような
回転式ダストメータ、例えばホイバッハ社製ダストメー
ターTYPE. IIIを使用することができる。
【0084】〔平均粒径〕JIS Z 8801の標準
篩を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによる重
量分率から求めた。
【0085】〔嵩密度〕JIS K 3362により規
定された方法で測定した。
【0086】〔非分級性〕着色した酵素粒子群1gを洗
浄剤粒子群(平均粒径400μm、嵩密度750g/
L)100gとブレンドした後、ミキサーで振動を与え
た。分級が発生しているかどうかについては目視によっ
て判断した。
【0087】<酵素含有粒子群の調製>表1に示す原料
と水から固形分含有量45重量%の噴霧乾燥スラリーを
調製した。加圧式のスプレーノズルを用いて、噴霧圧
2.5MPaで噴霧乾燥スラリーを噴霧した。向流式の
噴霧乾燥塔(直径3m、塔高10m)にて、送風量10
0m3 /min、送風温度150℃、スラリー噴霧量2
00kg/Hrで噴霧乾燥を行った。得られた粒子群か
ら篩を用いて710μm以上の粒子群と125μm未満
の粒子群を取り除き、水分値3.8重量%の、四種類の
粗酵素含有粒子群を得た。
【0088】
【表1】
【0089】ここでセルラーゼは、特開平6−3434
61号公報記載のアルカリセルラーゼであり、プロテア
ーゼは、特開平5−25492号公報記載のアルカリプ
ロテアーゼK−16である。糖類はマルトリッチ(昭和
産業(株)製、MR−25)を用いた。
【0090】得られた粗酵素含有粒子群5.0kgを、
ジャケットに60℃の温水を流した攪拌転動造粒機(深
江工業(株)製ハイスピードミキサー、FS−10型)
に投入し、主軸回転数240rpm、解砕羽根回転数2
700rpmにて攪拌した。攪拌しつつ、80℃で溶融
させたポリエチレングリコール(分子量6000)25
0gを被覆剤として投入した。被覆剤投入後、10分間
攪拌して粒子の表面被覆を行った。得られた粒子から、
篩を用いて1410μm以上の粒子群を取り除き、水分
値3.1重量%の酵素含有粒子群I〜IVを得た。
【0091】酵素含有粒子群I〜IV中の粒子は、その内
部よりも表面近傍に水溶性バインダーが多く偏在してい
た。表1に物性値を示す。
【0092】<酵素含有粒子群の比較例の調製>プロテ
アーゼ活性及びセルラーゼ活性を有する粗酵素(Bacill
us sp.由来)を含む水溶液(酵素粉末:7.5重量%)
に、水溶液中の酵素粉末100重量部に対して10重量
部となるようにラウリル硫酸ナトリウムを添加して酵素
水溶液を調製した。
【0093】該酵素水溶液を熱風温度150℃、排風温
度75℃で噴霧乾燥し、粉末状酵素製剤(粒径10〜5
0μm)を得た。次いで、ハイスピードミキサー(深江
工業(株)製、FS−5型)により造粒し、酵素含有粒
子群を調製した。得られた酵素含有粒子群の溶解率は8
0%であった。酵素含有粒子群の配合組成は次のとおり
である。
【0094】粉末状酵素製剤18重量部、核物質55重
量部、バインダー6.5重量部、酸化チタン2重量部、
硫酸ナトリウム18.5重量部。核物質は、粒径500
μm以下の粒子群を酵素含有粒子群中11重量%、粒径
700μm以上の粒子群を9重量%含む、平均粒径が6
10μmの塩化ナトリウムを用いた。バインダーは、ポ
リエチレングリコール6000(花王(株)製)を用い
た。
【0095】実施例1<洗剤組成物1の調製> 攪拌翼を有した混合槽に水を加え、水温が55℃に達し
た後に、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、蛍光染料
を添加した。これを15分間攪拌した後に、炭酸ナトリ
ウムを添加し、添加終了後に40重量%のアクリル酸−
マレイン酸コポリマー水溶液を添加した。これを更に1
5分間攪拌した後に、ゼオライトを添加した。これを3
0分間攪拌してスラリーを得た。このスラリーの最終温
度は60℃であった。
【0096】このスラリーを噴霧乾燥塔に供給し、噴霧
圧力25kg/cm2 で塔頂より噴霧を行うことにより
ベース顆粒群1を調製した。得られたベース顆粒群1の
組成は次のとおりである。
【0097】アクリル酸−マレイン酸コポリマー6重量
%、炭酸ナトリウム26重量%、硫酸ナトリウム22重
量%、亜硫酸ナトリウム1重量%、蛍光染料0.5重量
%、ゼオライト40重量%、水4.5重量%。
【0098】アクリル酸−マレイン酸コポリマーはナト
リウム塩(70モル%中和)であり、モノマー比はアク
リル酸/マレイン酸=3/7(モル比)であった。蛍光
染料としてはチノパールCBS-X (チバスペシャリティケ
ミカルス社製)を用いた。ゼオライトとしては4A型ゼ
オライト(東ソー(株)製)を用いた。
【0099】次いで、ベース顆粒群1に界面活性剤等を
添加することにより高嵩密度洗剤粒子群を得た。即ち、
非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤酸前駆体、ポ
リエチレングリコール、及びアルカリ水溶液を加熱混合
して70℃の活性剤混合液1を得た。組成は以下のとお
りである。非イオン界面活性剤20重量部、陰イオン界
面活性剤22重量部、ポリエチレングリコール2重量
部、水6重量部。次に、レディゲミキサー(松阪技研
(株)製、容量20L、ジャケット付き)に上記ベース
顆粒1を100重量部投入し、主軸(150rpm)の
攪拌を開始した。そこに、上記活性剤混合液1を3分間
で投入し、その後5分間攪拌を行った。更に、このミキ
サーに結晶性シリケート20重量部と非晶質アルミノケ
イ酸塩8重量部とゼオライト10重量部を投入し、表面
被覆を行った。
【0100】なお、非イオン界面活性剤は、炭素数12
〜16、平均EO付加モル数6.0のポリオキシエチレ
ンアルキルエーテルを用いた。陰イオン界面活性剤はド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた。ポリエ
チレングリコールは平均分子量8500のものを用い
た。結晶性シリケートは粉末SKS−6(ヘキストトク
ヤマ(株)製)を用いた。非晶質アルミノケイ酸塩は、
Al2 3 =29.6重量%、SiO2 =52.4重量
%、Na2 O=18.0重量%(1.0Na2 O・Al
2 3 ・3.1SiO2 )の組成のもの(原子吸光分析
及びプラズマ発行分析による)を用いた。その吸油能は
285mL/100g含水分量は11.2重量%であっ
た。
【0101】次いで、目開き1000μmの篩を用いて
洗剤粒子群を分級し、1000μm未満の粒径の高嵩密
度洗剤粒子群1を得た。高嵩密度洗剤粒子群1の物性を
表2に示す。
【0102】この高嵩密度洗剤粒子群1に酵素含有粒子
群I1.3重量%と香料0.2重量%を混合して洗剤組
成物1を得た。同様に比較例酵素含有粒子群を混合し
て、比較例洗剤組成物1を得た(比較例1)。洗剤組成
物の性能評価を表3に示す。
【0103】実施例2<洗剤組成物2の調製> 攪拌翼を有した混合槽に水を加え、水温が55℃に達し
た後に塩化ナトリウム(やき塩、日本製塩製)を添加し
て15分間攪拌し次工程に進み、40重量%のアクリル
酸−マレイン酸コポリマー水溶液に変えて40重量%の
ポリアクリル酸ナトリウム水溶液(平均分子量1000
0、花王製)を用いた以外はベース顆粒群1の調整と同
様にしてベース顆粒群2を調整した。
【0104】得られたベース顆粒群2の組成は次のとお
りである。塩化ナトリウム3重量%、ポリアクリル酸ナ
トリウム6重量%、炭酸ナトリウム26重量%、硫酸ナ
トリウム23重量%、亜硫酸ナトリウム1重量%、蛍光
染料0.5重量%、ゼオライト36.5重量%、水4重
量%。
【0105】次いで、ベース顆粒群2に界面活性剤等を
添加することにより高嵩密度洗剤粒子群を得た。即ち、
非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤酸前駆体、実
施例1と同じポリエチレングリコール、及びアルカリ水
溶液を加熱混合して70℃の活性剤混合液2を得た。組
成は以下のとおりである。ポリオキシエチレンアルキル
エーテル(実施例1と同じ非イオン界面活性剤)26重
量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム30重量
部、パルミチン酸ナトリウム1重量部、ポリエチレング
リコール(平均分子量8500)3重量部、水6重量
部。次に、レディゲミキサー(松阪技研(株)製、容量
20L、ジャケット付き)に上記ベース顆粒2を100
重量部投入し、主軸(150rpm)の攪拌を開始し
た。そこに、上記活性剤混合液2を3分間で投入し、そ
の後5分間攪拌を行った。更に、このミキサーに結晶性
シリケート(粉末SKS−6、ヘキストトクヤマ製)1
6重量部と非晶質アルミノケイ酸塩(トヨエスタ、東ソ
ー製)8重量部と4A型ゼオライト16重量部を投入
し、2分間攪拌を行い表面被覆を行った。
【0106】次いで、目開き1000μmの篩を用いて
洗剤粒子群を分級し、1000μm未満の粒径の高嵩密
度洗剤粒子群2を得た。高嵩密度洗剤粒子群2の物性を
表2に示す。
【0107】
【表2】
【0108】この高嵩密度洗剤粒子群2に酵素含有粒子
群II1.3重量%と香料0.2重量%を混合して洗剤組
成物2を得た。同様に比較例酵素含有粒子群を混合し
て、比較例洗剤組成物2を得た(比較例2)。洗剤組成
物の性能評価を表3に示す。
【0109】実施例3、4 同様にして、表3に記載の組み合わせにより洗剤組成物
3、4を調製した。
【0110】
【表3】
【0111】〔洗浄力の測定方法〕まず、特開平10−
168485号公報第14欄第6行に記載の方法に従
い、人工汚染布を調整した。
【0112】次いで、評価用洗剤水溶液1Lに10cm
×10cmの人工汚染布を5枚入れ、ターゴトメータに
て100rpmで洗浄した(洗浄条件:洗浄時間5分
間、洗浄剤濃度0.0667重量%、水の硬度4°D
H、水温10℃、水道水にてすすぎ5分間。)。
【0113】洗浄力は、本発明品と比較例との洗浄後の
汚染布を目視にて一対比較することにより行った。その
結果、本発明品は比較例よりも洗浄力が優っていること
が分かった。
【0114】
【発明の効果】本発明の洗剤組成物は酵素含有粒子群及
び高嵩密度洗剤粒子群の溶解性が格段に良いため、酵素
の作用を最大限に発揮させることができ、洗浄力を十分
発揮できる。洗剤中での分級を防止し、酵素の発塵量を
抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、発塵量の測定に用いる回転式ダストメ
ータの概略構成図である。図1の上図は正面図を、下図
はA−A線断面図をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1 粉砕ボール 3 フィルター 4 空気導入口 5 空気排出口 6 回転軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 弘 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究 所内 (72)発明者 山下 博之 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究 所内 (56)参考文献 特開 平8−325599(JP,A) 特開 平2−97388(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 17/00 C11D 3/04 C11D 3/37 C11D 3/386 C12N 9/98

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤を含有する高嵩密度洗剤粒子
    群であって、5℃の水に該洗剤粒子群を投入し以下に示
    す攪拌条件にて60秒間攪拌してJISZ 8801規
    定の標準篩(目開き74μm)に供した場合、式(1)
    で算出される該洗剤粒子群の溶解率が90%以上である
    洗剤粒子群と、同条件での溶解率が85%以上であり、
    水不溶性物質、水溶性バインダー及び酵素を含有してな
    る酵素含有粒子群であり、その構造においてその内部よ
    りも表面近傍に水溶性バインダーが多く存在する構造を
    有する酵素含有粒子群とを含有してなる洗剤組成物: 〔攪拌条件:1Lの硬水(71.2mgCaCO3
    L、Ca/Mgのモル比7/3)に試料1gを投入し、
    1Lビーカー(内径105mm)内で攪拌子(長さ35
    mm、直径8mm)にて攪拌、回転数800rpm 式(1):溶解率(%)={1−(T/S)}×100 S:試料の投入重量(g)、T:上記攪拌条件にて得ら
    れた水溶液を上記篩に供したときに、篩上の残存する試
    料の溶残物の乾燥重量(g)。〕。
  2. 【請求項2】 界面活性剤を含有する高嵩密度洗剤粒子
    群であって、該高嵩密度洗剤粒子群が、水に溶解する過
    程において粒径の1/10以上の径の気泡を粒子内部か
    ら放出し得る洗剤粒子を含有し、5℃の水に該洗剤粒子
    群を投入し以下に示す攪拌条件にて60秒間攪拌してJ
    IS Z 8801規定の標準篩(目開き74μm)に
    供した場合、式(1)で算出される該洗剤粒子群の溶解
    率が90%以上である洗剤粒子群と、同条件での溶解率
    が85%以上である酵素含有粒子群とを含有してなる洗
    剤組成物 〔攪拌条件:1Lの硬水(71.2mgCaCO 3
    L、Ca/Mgのモル比7/3)に試料1gを投入し、
    1Lビーカー(内径105mm)内で攪拌子(長さ35
    mm、直径8mm)にて攪拌、回転数800rpm 式(1):溶解率(%)={1−(T/S)}×100 S:試料の投入重量(g)、T:上記攪拌条件にて得ら
    れた水溶液を上記篩に供したときに、篩上の残存する試
    料の溶残物の乾燥重量(g)。〕。
  3. 【請求項3】 高嵩密度洗剤粒子群が、その構造におい
    てその内部よりも表面近傍に水溶性ポリマー及び/又は
    水溶性塩類が多く存在する偏在性を有する請求項1又は
    2記載の洗剤組成物。
  4. 【請求項4】 酵素含有粒子群が、水不溶性物質、水溶
    性バインダー及び酵素を含むスラリーを噴霧乾燥して得
    られたものである請求項1〜3いずれか記載の洗剤組成
    物。
  5. 【請求項5】 酵素含有粒子群の平均粒径が150〜5
    00μmである請求項1〜4いずれか記載の洗剤組成
    物。
  6. 【請求項6】 酵素含有粒子群において、125〜71
    0μmの粒子群が全体の80重量%以上を占める請求項
    1〜5いずれか記載の洗剤組成物。
  7. 【請求項7】 酵素含有粒子群中における水不溶性物質
    の含有量が45重量%以上である請求項1〜6いずれか
    記載の洗剤組成物。
  8. 【請求項8】 酵素含有粒子群中における水溶性バイン
    ダーの含有量が5〜40重量%である請求項1〜7いず
    れか記載の洗剤組成物。
  9. 【請求項9】 酵素含有粒子群中における酵素の含有量
    が0.5〜30重量%である請求項1〜8いずれか記載
    の洗剤組成物。
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