JP2000309797A - 高嵩密度洗剤粒子群 - Google Patents

高嵩密度洗剤粒子群

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JP2000309797A JP2000047096A JP2000047096A JP2000309797A JP 2000309797 A JP2000309797 A JP 2000309797A JP 2000047096 A JP2000047096 A JP 2000047096A JP 2000047096 A JP2000047096 A JP 2000047096A JP 2000309797 A JP2000309797 A JP 2000309797A
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Osamu Yamaguchi
修 山口
Hiroshi Nakamatsu
弘 中松
Hiroyuki Saijo
宏之 西條
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】如何なる洗濯条件でも洗浄性及び溶解性、特に
ペースト化抑制効果に優れ、且つ蛍光染料のむら付きが
少ない高嵩密度洗剤粒子群及びその製造方法、並びに該
高嵩密度洗剤粒子群を含有してなる洗浄剤組成物を提供
すること。 【解決手段】界面活性剤及びビフェニル型蛍光染料を含
有し、平均粒径が150 〜500 μm、嵩密度が500g/L以上
の高嵩密度洗剤粒子群であって、710 μm以上の粒径の
粒子及び125 μm未満の粒径の粒子がそれぞれ該洗剤粒
子群全体の10重量%以下である、10℃における電気伝導
度法による95%溶解時間が90秒以下である高嵩密度洗剤
粒子群、並びに水難溶性無機物、ビフェニル型蛍光染料
並びに水溶性ポリマー及び水溶性塩類から選ばれた一種
以上の水溶性成分を含有してなるベース顆粒に界面活性
剤が担持されてなる、平均粒径が150 〜700 μm、嵩密
度が500g/L以上であり、10℃における電気伝導度法によ
る95%溶解時間が90秒以下である高嵩密度洗剤粒子群。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高嵩密度洗剤粒子
群、その製造方法及び該高嵩密度洗剤粒子群を含有して
なる洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年上市されている洗濯機は、『洗濯を
簡単に済ませてしまいたい』という消費者ニーズに対応
し、大容量化(一度に多くの衣類が洗える)傾向にあ
り、また洗濯時間に短時間洗濯モードの設定等がなされ
ている。更に『衣類を大切に洗いたい』というニーズに
対し、弱攪拌モードの設定が行われ、衣類いたみの軽減
を訴求している。加えて、環境・エネルギーや経済性へ
の対応から、節水、低温洗濯、運転時間の短縮への潮流
がある。
【0003】この潮流は、いずれも洗濯機の仕事量(機
械力×時間の意)を低下させる方向であり、その結果洗
剤粒子の溶解速度の低下によって洗浄力の劣化が生じ、
洗濯終了時に粉末洗剤の溶け残り、洗剤粒子の衣類残留
量が増大することがある。
【0004】また、粉末洗剤の流動性、外観を向上さ
せ、微粉の発生を抑える目的で、平均粒子径を大きくし
た高嵩密度洗剤粒子群が知られている。しかし、粉末洗
剤組成物の高密度化は、輸送効率の向上や使用者の簡便
性に大きな利点をもたらした反面、洗剤粒子の圧密化に
より溶解性に対する懸念が高まった。即ち、該洗剤粒子
群は低嵩密度洗剤粒子群に比べて溶解時間が長い為、水
温や攪拌力等の洗濯条件によっては洗浄力の低下や溶け
残りが生じるおそれがあった。
【0005】例えば、特開平5−247497号公報に
は、ゼオライト含有のクラッチャースラリーを調製する
際に、クエン酸塩を添加して、噴霧乾燥して得られるビ
ーズの強度を向上させ、そのビーズに界面活性剤を塗布
して、高い溶解性特性を有する、平均粒径の大きい高嵩
密度洗剤粒子群を含有してなる洗剤組成物が開示されて
いるが、低水温域での溶解性、洗浄性及び蛍光染料を含
有する場合におけるそのむら付き防止性の点で未だ満足
のいくものではなかった。
【0006】一方、特表平7−509267号公報に
は、150μm未満の粒子10重量%未満及び1700
μmより大きい粒子10重量%未満を有するベース粉末
に、クエン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の充填
剤粒子を有する洗剤組成物が開示されているが、洗濯機
の仕事量が低い場合における洗剤組成物の溶解性や分散
性に関する課題を十分に解決するものではなかった。
【0007】特に、蛍光染料を含有する洗剤粒子群にお
いては、蛍光染料のむら付きが生じるおそれがあり、中
でも水溶性が高いビフェニル型蛍光染料を用いる場合
は、低温での染着性に優れるものの、洗剤が一度ペース
ト化すると該蛍光染料のむら付きの度合いも著しいもの
であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、如何
なる洗濯条件でも洗浄性及び溶解性、特にペースト化抑
制効果に優れ、且つ蛍光染料のむら付きが少ない高嵩密
度洗剤粒子群及びその製造方法、並びに該高嵩密度洗剤
粒子群を含有してなる洗浄剤組成物を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
〔1〕界面活性剤及びビフェニル型蛍光染料を含有し、
平均粒径が150〜500μm、嵩密度が500g/L
以上の高嵩密度洗剤粒子群であって、710μm以上の
粒径の粒子及び125μm未満の粒径の粒子がそれぞれ
該洗剤粒子群全体の10重量%以下である、10℃にお
ける電気伝導度法による95%溶解時間が90秒以下で
ある高嵩密度洗剤粒子群、〔2〕水難溶性無機物、ビフ
ェニル型蛍光染料並びに水溶性ポリマー及び水溶性塩類
から選ばれた一種以上の水溶性成分を含有してなるベー
ス顆粒に界面活性剤が担持されてなる、平均粒径が15
0〜700μm、嵩密度が500g/L以上であり、1
0℃における電気伝導度法による95%溶解時間が90
秒以下である高嵩密度洗剤粒子群、〔3〕前記〔1〕又
は〔2〕記載の高嵩密度洗剤粒子群を含有してなる洗浄
剤組成物、並びに〔4〕界面活性剤及びビフェニル型蛍
光染料を含有する未分級の洗剤粒子群に分級操作及び/
又は粒度調整操作を施す工程を有する高嵩密度洗剤粒子
群の製造方法に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の高嵩密度洗剤粒子群(以
下、単に洗剤粒子群ともいう)のJIS K3362に
より規定された嵩密度は500g/L以上、好ましくは
500〜1000g/L、より好ましくは600〜10
00g/L、特に好ましくは650〜850g/Lであ
る。
【0011】また、本発明の洗剤粒子群の、10℃にお
ける電気伝導度法による95%溶解時間は、90秒以
下、好ましくは85秒以下、より好ましくは80秒以下
である。本発明は、95%溶解時間が90秒以下という
高速溶解性の洗剤粒子群である点に一つの大きな特徴が
あり、このような高速溶解性に優れた洗剤粒子群を用い
ることで、如何なる洗濯条件でも洗剤の洗浄性に優れ、
且つペースト化も抑制された洗濯を行うことができると
いう優れた効果が発現される。ここで、該95%溶解時
間とは、後述の実施例に記載の方法により測定される時
間をいう。
【0012】また、洗剤粒子群の水分量は、20重量%
以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、5重
量%以下が特に好ましい。
【0013】本発明の洗剤粒子群としては、例えば、以
下の態様の粒子群が好ましい。 1)態様1 本態様の洗剤粒子群は陰イオン界面活性剤、非イオン界
面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン界面活性剤等の界
面活性剤、及びビフェニル型蛍光染料を含有する。界面
活性剤の含有量は、洗浄力、生産性、ケーキング防止及
び流動性の観点から洗剤粒子の5〜80重量%が好まし
く、10〜60重量%がより好ましい。また、ビフェニ
ル型蛍光染料の含有量は洗剤粒子の0.01〜1重量%
が好ましく、0.05〜0.75重量%がより好まし
く、0.05〜0.5重量%が特に好ましい。該ビフェ
ニル型蛍光染料の効果の点で0.01重量%以上が好ま
しく、衣類への染着効率及び経済性の点で1重量%以下
が好ましい。また、本態様の洗剤粒子群は、木綿等に対
する染着性及び非イオン洗剤系での染着性の点で、スチ
ルベン型蛍光染料を含有していても良い。
【0014】ここで、ビフェニル型蛍光染料の全蛍光染
料中における含有量は、むら付き防止の観点から、60
重量%以上が好ましく、70重量%がより好ましく、8
0重量%以上が特に好ましい。
【0015】さらに、本態様の洗剤粒子群には、ビルダ
ー等の衣料用洗剤の分野で公知の成分が適宜含有されて
いても良い。
【0016】本態様の洗剤粒子群の平均粒径は、ペース
ト化による溶解速度の遅延防止及び洗剤粒子の溶解性向
上の観点から150〜500μmであり、180〜40
0μmが好ましく、200〜300μmがより好まし
い。
【0017】特に、本態様の洗剤粒子群は、低水温や低
攪拌洗浄条件での溶解性及び洗浄性の点で、その平均粒
径が150〜500μmであり、710μm以上の粒径
の粒子が、洗剤粒子の溶解性の観点から、洗剤粒子群全
体の10重量%以下、好ましくは8重量%以下、より好
ましくは5重量%以下、特に好ましくは0重量%、及び
洗剤粒子の分散性、流動性及びペースト化抑制の観点か
ら125μm未満の粒径の粒子が10重量%以下、好ま
しくは8重量%以下、より好ましくは5重量%以下、更
に好ましくは2重量%以下、特に好ましくは0重量%の
洗剤粒子群である。特に、溶解性の観点から、1000
μm以上の粒径の粒子が洗剤粒子群全体の5重量%以
下、好ましくは3重量%以下、更に好ましくは2重量%
以下、特に好ましくは0重量%であることが望ましく、
180μm未満の粒径の粒子が洗剤粒子群全体の15重
量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは
5重量%以下、特に好ましくは3重量%以下であること
が望ましい。該粒径分布は、例えば、それぞれの篩の目
開きが装置上部から下部に向かって2000μm、14
10μm、1000μm、710μm、500μm、3
55μm、250μm、180μm及び125μmであ
る9段の篩と、目開きが125μmの篩を通り抜ける粒
子を受ける、最下部にある受け皿とからなる分級装置を
用いて分級することにより求めることができる。
【0018】また、前記平均粒径は、メジアン径であ
り、JIS Z 8801の標準篩を用いて5分間振動
させた後、篩目のサイズによる重量分率から測定する。
具体的に、平均粒径は、重量50%径として、上記の分
級装置を用いて測定できる。即ち、分級操作後、微粒か
ら粗粒に向けて、順番に重量頻度を積算し、積算の重量
頻度が50%以上となる最初の篩の目開きをaμmと
し、またaμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmと
した時、受け皿からaμmの篩までの重量頻度の積算を
c%、またaμmの篩上の重量頻度をd%とした場合、
下記式(I)に従って求めることができる。 Dp=10A (I) ただし、A=〔50−(c−d/(log b−log
a)×log b)〕/〔d/(log b−log
a)〕
【0019】かかる態様の洗剤粒子群は、例えば水難溶
性無機物の一部を除いた主成分(界面活性剤、ビフェニ
ル型蛍光染料等)を連続ニーダーを用いて捏和・混合
し、得られた捏和物と残部の水難溶性無機物とを粉砕機
に投入して粉砕することにより得ることができる。ここ
で、ビフェニル型蛍光染料は、約1〜100倍量の界面
活性剤水溶液等に溶解/分散させて用いることが好まし
い。そして、得られた洗剤粒子群を篩い分け(分級)す
ることによって所定の平均粒径分布を有する洗剤粒子群
を得ることができる。なお、連続ニーダーとしては、例
えば、栗本鉄工所製KRC2型、粉砕機としてはホソカ
ワミクロン製DKASO6型等が好適例である。
【0020】また、本態様の洗剤粒子群は、界面活性剤
及びビフェニル型蛍光染料を含有する未分級の洗剤粒子
群(以下、ベース洗剤粒子群ともいう。ここで、ベース
洗剤粒子群には、分級操作及び/又は粒度調整操作を複
数回施して得られた分級粒子群も含む。)に分級操作及
び/又は粒度調整操作等を施すことにより得ることもで
きる。
【0021】ここで、ベース洗剤粒子群の製法の一形態
としては、界面活性剤及びビフェニル型蛍光染料を含有
する原料組成物から噴霧乾燥粒子を得て、これを高嵩密
度化する方法等を用いることができる。この方法として
は、例えば噴霧乾燥粒子群を縦型又は横型ミキサーによ
り攪拌造粒して高嵩密度化する方法等が挙げられる。そ
の例として、特開昭61−69897号公報記載の噴霧
乾燥粒子を攪拌造粒する方法や、特開昭62−1699
00号公報記載の乾燥粒子を成型化した後に解砕造粒す
る方法や、省エネルギーの観点から、噴霧乾燥塔を用い
ない方法として、特開平3−33199号公報記載の高
速ミキサー中で、陰イオン界面活性剤の酸前駆体を粒状
固体アルカリ剤で乾式中和後、液体バインダーの添加に
より粒状化する方法等を用いることができる。
【0022】また、その他の製法の一形態としては、特
開平10−176200号公報に記載の、非イオン界面
活性剤及びラメラ配向可能な陰イオン界面活性剤の酸前
駆体にアルカリ剤の混合物を中和可能な温度以上で攪拌
造粒機で転動させながら造粒する方法等を用いることが
できる。
【0023】次いで、ベース洗剤粒子群を粒度調整し
て、本発明の洗剤粒子群を得ることができる。即ち、洗
剤粒子群は、ベース洗剤粒子群に少なくとも1段の分級
操作を行った後、ベース洗剤粒子群の投入量に対して、
篩上の分級粒子群、及び篩下の分級粒子群の各重量頻度
を測定し、各分級粒子群をブレンドして得ることができ
る。
【0024】また、分級操作は、1段操作でもよく、必
要に応じて2段以上の操作でも良い。例えば、粒子1個
当りの高速溶解性の点から、1段目の分級操作で粗粒、
例えば710μm以上の粒径の粒子を分別し、低温分散
性の点から、2段目の分級操作で、微粒、例えば125
μm未満の粒径の粒子を分別し、該微粒の一部又は全部
に対して造粒操作を施し、再度ベース洗剤粒子群に供し
て、所望の洗浄剤組成物を得ることができる。分級方法
として、円形/矩形の振動篩、これに超音波振動子を取
り付けた超音波振動篩、風力分級機/遠心力分級機等を
用いる方法等が挙げられる。また、ブレンド方法として
は、V型混合機等のバッチ式又は連続式のブレンド方法
等を用いることができる。
【0025】尚、分級・粒度調整工程における各分級操
作後の重量頻度測定は、必須ではなく、必要に応じて省
略することができる。例えば、実際の製造工程における
1段分級操作において、微粒を分別除去した後の篩上の
分級粒子群が、分級操作後の重量頻度測定は省略し、篩
上の分級粒子群をそのまま製品とすることができる。同
様に、粗粒についても、分級操作後の重量頻度測定は省
略し、篩下の分級粒子群をそのまま製品とすることがで
きる。尚、このような操作を多段に組合わせることも可
能である。
【0026】また、ベース洗剤粒子群のうち粒度調整に
用いなかった余剰のベース洗剤粒子群を造粒及び/又は
解砕等した後、再度ベース洗剤粒子群として用いること
で、高収率で洗剤粒子群を得ることができる。即ち、微
粒のように、1個粒子当りの溶解性は良好であるが、粒
子間接点数の増加により洗浄液中の分散性の低下が懸念
される粒子群は、造粒操作等の粒径増大処理(以下、微
粒造粒操作ともいう)を施した後、ベース洗剤粒子群と
して再利用できる。本発明の洗剤粒子群は、特に125
μm未満の粒径の粒子の重量頻度の低減が重要であり、
本操作により経済的な製造となる。一方、1個粒子当り
の溶解性が劣る余剰の粗粒は解砕操作等の小粒径化手段
(以下、粗粒解砕操作ともいう)を施した後、ベース洗
剤粒子群として再利用できる。
【0027】以下に、微粒造粒操作及び粗粒解砕操作を
例示する。微粒造粒操作に関しては、余剰の微粒は、微
粒のままベース洗剤粒子群の製造過程に添加することに
より回収して再利用しても良い。また、別の回収方法と
して、例えば、縦型/横型攪拌造粒機中で圧密造粒する
方法、押出し造粒機等を用いる押出し成形法、ブリケッ
ティング等の圧縮成形法等により回収しても良い。ま
た、成形時にはバインダーを添加することもできる。
【0028】粗粒解砕操作に関しては、余剰の粗粒は、
例えば解砕により、小粒径化によってベース洗剤粒子群
として再利用ができる。粗粒の解砕機として、ハンマク
ラッシャー等の衝撃破砕機、アトマイザー、ピンミル等
の衝撃粉砕機、フラッシュミル等のせん断粗砕機等が挙
げられる。これらは、1段操作でも良く同種又は異種粉
砕機の多段操作でも良い。尚、この操作を行う際、機内
付着抑制剤又は粉砕面改質処理剤として微粉末を添加す
ることが好ましい。微粉末は、アルミノケイ酸塩、二酸
化ケイ素、ベントナイト、タルク、クレイ、無定型シリ
カ誘導体等の無機粉体が好ましく、特に結晶質又は非晶
質のアルミノケイ酸塩が好ましい。また、ソーダ灰、芒
硝等の無機塩類の微粉末も用いられる。なお、これらの
微粉末は、洗剤粒子群の表面被覆剤としても好適に用い
られる。
【0029】また、解砕処理を施した粒子群の流動性向
上のため、表面被覆剤を添加して粒子群表面に被覆定着
させ、さらに平滑化させることを目的として、表面改質
工程を設けることもできる。例えば回転円筒機、攪拌機
内に組成物を回分的又は連続的に供給し、転動又は攪拌
処理する。
【0030】上記微粒造粒操作と粗粒解砕操作との組み
合わせにより、余剰の分級粒子群から高収率に経済的に
洗剤粒子群を製造することができる。また、酵素、色
素、香料等を、分級・粒度調整工程後に配合できる。
【0031】2)態様2 本態様の洗剤粒子群の平均粒径は、ペースト化による溶
解遅延の防止及び洗剤粒子の溶解性の向上の点で、15
0〜700μmであり、180〜600μmが好まし
く、180〜500μmがより好ましい。平均粒径は態
様1と同様の方法で測定する。
【0032】本態様の洗剤粒子群はベース顆粒に界面活
性剤が担持されてなる構造である。ベース顆粒は1)水
難溶性無機物、2)ビフェニル型蛍光染料並びに3)水
溶性ポリマー及び水溶性塩類から選ばれた一種以上の水
溶性成分を含有してなり、特に水溶性ポリマー及び水溶
性塩類のいずれをも含有してなるベース顆粒が、溶解性
の点でより好ましい。
【0033】ベース顆粒の組成中、水難溶性無機物は好
ましくは20〜90重量%、より好ましくは30〜75
重量%、特に好ましくは40〜70重量%である。水溶
性ポリマーは好ましくは2〜30重量%、より好ましく
は3〜20重量%、特に好ましくは5〜20重量%であ
る。水溶性塩類は好ましくは5〜78重量%、より好ま
しくは5〜77重量%、さらに好ましくは10〜70重
量%、特に好ましくは20〜60重量%である。ビフェ
ニル型蛍光染料は好ましくは0.01〜1重量%、より
好ましくは0.05〜0.75重量%、特に好ましくは
0.05〜0.5重量%である。これらの範囲内であれ
ば、ベース顆粒の構造は水溶性ポリマー及び/又は水溶
性塩類がベース顆粒の内部よりも表面近傍に多く偏在し
た構造となる(ベース顆粒の偏在性)。かかるベース顆
粒は、水中で表面近傍の水溶性成分が速やかに溶解し
て、それにより洗剤粒子表面からの洗剤粒子の崩壊を促
進するという溶解挙動を示すために、高速溶解性が実現
され、さらに溶解性に優れた洗剤粒子群を得ることがで
きる。したがって、本態様においては、ベース顆粒がか
かる偏在性を有することが好ましい。
【0034】ベース顆粒の構造の偏在性の確認は、例え
ば、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)や光音響分
光法(PAS)を併用する方法(FT−IR/PAS)
を用いて行うことができる。これは、APPLIED SPECTROS
COPY vol.47 、1311-1316(1993) に記載に従って、ベー
ス顆粒の表面から深さ方向における物質の分布状態を解
析する方法である。
【0035】また、本態様の洗剤粒子群に含有される洗
剤粒子において、前記のようなベース顆粒の偏在性によ
る溶解機構とは別に、あるいは前記のベース顆粒の偏在
性と共に洗剤粒子内部から気泡を放出することによる高
速溶解性が認められる。
【0036】即ち、本態様におけるベース顆粒に界面活
性剤を担持させた洗剤粒子(以下、気泡放出洗剤粒子と
いう)は、水に溶解する過程において粒子径の1/10
以上の径の気泡を粒子内部から放出し得る粒子であって
もよい。この気泡放出洗剤粒子は、水に溶解する過程に
おいて、まず、粒子内部に少量の水が浸入すると粒子内
部から所定の大きさの気泡が放出され、次いで、該粒子
内部に大量の水が浸入することによって粒子自体が崩壊
(粒子の自己崩壊)し、表面近傍からの溶解のみなら
ず、粒子内部からの溶解及び崩壊が起こる。
【0037】このような溶解挙動は、気泡放出洗剤粒子
を水に溶解した場合に、該粒子の粒子径の1/10以
上、好ましくは1/5以上、より好ましくは1/4以
上、さらに好ましくは1/3以上の径の気泡(以下、所
定の大きさの気泡という)を放出する現象として、デジ
タルマイクロスコープや光学顕微鏡等で確認することが
できる。これに対して従来の高嵩密度洗剤粒子では、発
生する殆どの気泡の大きさは洗剤粒子径の1/10未満
に過ぎず、粒子自体を自己崩壊させるには至らない。そ
のため本態様の気泡放出洗剤粒子のような十分な高速溶
解性が得られない。尚、気泡放出洗剤粒子は、水に静置
状態にて溶解させた場合、120秒以内に所定の大きさ
の気泡が発生することが好ましく、この時間は60秒以
内がより好ましく、45秒以内がさらに好ましい。
【0038】気泡放出洗剤粒子は、所定の大きさの気泡
を放出可能な気孔(単数個でも複数個でもよい)を有し
ていれば良く、特に、粒子の形態、構造に限定されな
い。例えば、気泡放出洗剤粒子は、単核性洗剤粒子であ
っても良く、単核性以外、例えば単核性のベース顆粒を
凝集させた多核性洗剤粒子であっても良いが、単核性で
あることが、溶解速度を飛躍的に高める観点から好まし
い。ここで「単核性洗剤粒子」とは、1個の洗剤粒子の
中に1個のベース顆粒を核として有する洗剤粒子をい
う。また、気泡放出洗剤粒子は、洗剤粒子群に60重量
%以上含有されることが好ましく、80重量%以上がよ
り好ましい。
【0039】気泡径は次のように測定する。ガラスシャ
ーレ(内径50mm)の底面中心に両面テープを装着す
る。洗剤粒子群を両面テープ上に付着させる。先ずデジ
タルマイクロスコープを用いて得られる画像から個々の
粒子についての円相当径(αμm)を測定する。デジタ
ルマイクロスコープとしては例えばKEYENCE社製
VH−6300を用いることができる。
【0040】続いてガラスシャーレに20℃のイオン交
換水を5mL注入し、測定対象の個々の粒子についての
溶解挙動を観察する。粒子内部から気泡が放出される場
合、気泡が粒子から離脱する瞬間の画像から気泡の円相
当径(βμm)を測定する。尚、粒子内部から複数個の
気泡が放出される場合にはそれぞれの気泡について測定
した円相当径の最大値をβμmとする。そして粒子径に
対する気泡径の比(β/α)をそれぞれの粒子について
求める。
【0041】好ましい気泡放出洗剤粒子では、該粒子の
内部に粒子径の1/10〜4/5の、好ましくは1/5
〜4/5の径の気孔が存在することが望ましい。
【0042】気孔径は次のように測定することができ
る。選択された粒子を壊さない様にメス等で最大粒子径
を含む面で切断する。切断面を走査型電子顕微鏡(SE
M)で観察し、切断粒子の切断面の円相当径(粒子径)
(γμm)及び粒子内部で気孔の存在が確認された場合
には気孔の円相当径(気孔径)(δμm)を測定する。
なお、複数個の気孔が確認される場合には、その中で最
も大きい気孔についての円相当径をδμmとする。そし
て粒子径に対する気孔径の比(δ/γ)を求める。
【0043】また、高速溶解性を発現させる最も好まし
い態様としては、前記のような偏在性を有する気泡放出
洗剤粒子が挙げられ、該粒子は単核性洗剤粒子のみなら
ず、多核性洗剤粒子であってもよい。
【0044】本態様においてベース顆粒に担持させる界
面活性剤としては、態様1に記載のものと同様の界面活
性剤が挙げられる。
【0045】ベース顆粒に担持させる界面活性剤の量と
しては、洗浄力の点で、ベース顆粒100重量部に対し
て5〜80重量部が好ましく、5〜60重量部がより好
ましく、10〜60重量部がさらに好ましく、20〜6
0重量部が特に好ましい。ベース顆粒に陰イオン界面活
性剤を担持させることにより、上記の偏在性を維持しつ
つ多量の界面活性剤を配合することができる。
【0046】木綿に対する染着性、及び非イオン洗剤系
での染着性の点で、ベース顆粒は更にスチルベン型蛍光
染料を含有しても良い。ベース顆粒中の該成分の含有量
は、染着効率及び経済性の点でベース顆粒の0.01〜
1重量%が好ましく、0.05〜0.5重量%がより好
ましい。
【0047】本態様の洗剤粒子群の調製には、まず、ベ
ース顆粒を構成する成分を含有するスラリーを調製す
る。ここで、ビフェニル型蛍光染料は約1〜100倍量
の界面活性剤水溶液等に溶解/分散させて用いることが
好ましい。次いで、スラリーを噴霧乾燥に付してベース
顆粒を得る。噴霧乾燥により、ベース顆粒を構成する成
分のうちの水溶性成分が水分の蒸発に伴ってベース顆粒
表面に移動する。
【0048】次いで、得られたベース顆粒と界面活性剤
とを混合機に投入することにより、ベース顆粒に界面活
性剤を担持させて、洗剤粒子群を得ることができる。噴
霧乾燥や担持処理の条件について、特に限定はない。得
られた洗剤粒子群をさらに態様1と同様にして分級・粒
度調整したり、酵素、色素、香料等を配合してもよい。
【0049】次に、本発明の洗剤粒子群を構成する成分
について述べる。陰イオン界面活性剤としては、高級ア
ルコールの硫酸エステル塩、高級アルコールのエトキシ
ル化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン
酸塩、α−スルホ脂肪酸塩若しくはそのアルキルエステ
ル塩、又は脂肪酸塩等が挙げられる。特に、炭素数が1
0〜18の、より好ましくは12〜14の直鎖アルキル
ベンゼンスルホン酸塩、炭素数が10〜20のα−スル
ホ脂肪酸アルキルエステル塩が好ましい。
【0050】非イオン界面活性剤としては、高級アルコ
ールのエチレンオキシド(以下「EO」という)付加
物、若しくはEO/プロピレンオキシド(以下「PO」
という)付加物、脂肪酸アルカノールアミド、アルキル
ポリグリコシド等が挙げられる。特に炭素数が10〜1
6のアルコールのEO1〜10モル付加物が皮脂汚れの
除去、耐硬水性、生分解性の点、及び直鎖アルキルベン
ゼンスルホン酸塩との相性の点で好ましい。
【0051】両性界面活性剤としては、アルキルジメチ
ルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミノプロピルベタイン
等が、陽イオン界面活性剤としては、モノ(又はジ)長
鎖アルキル型第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0052】ビフェニル型蛍光染料としては、チノパー
ルCBS−X、AMS−GX(チバガイギー)等が挙げ
られる。ビフェニル型蛍光染料は、スチルベン型蛍光染
料に比べて低温での溶解性が高い。スチルベン型蛍光染
料としては、ホワイテックスSA、ホワイテックス4B
M(住友化学工業(株)製)、Kayaphor FB (日本化薬
(株)製)、Blankophor RKH766 (Bayer 社製)等が挙
げられる。
【0053】水難溶性無機物としては、一次粒子の平均
粒径が0.1〜20μmのものが好ましく、結晶性又は
非晶質のアルミノケイ酸塩、二酸化ケイ素、水和ケイ酸
化合物、パーライト、ベントナイト等の粘土化合物等が
挙げられる。中でも金属イオン封鎖能及び界面活性剤の
吸油能の点で結晶性アルミノケイ酸塩が好ましい。
【0054】水溶性ポリマーとしては、カルボン酸系ポ
リマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、糖
類等が挙げられる。中でも金属イオン封鎖能、固体汚れ
・粒子汚れの分散能及び再汚染防止能の点で、分子量が
数千〜10万のカルボン酸系ポリマーが好ましい。特
に、アクリル酸−マレイン酸コポリマーの塩とポリアク
リル酸塩が好ましい。
【0055】水溶性塩類としては、炭酸塩、炭酸水素
塩、硫酸塩、亜硫酸塩、硫酸水素塩、塩酸塩、又はリン
酸塩等の水溶性無機塩類や、クエン酸塩やフマル酸塩等
の水溶性有機酸塩が挙げられる。該水溶性塩類を配合す
ることは、該水溶性塩類と水との反応で生じた水和熱、
溶解熱により、洗剤粒子から発生する気泡を熱膨張さ
せ、それにより粒子の崩壊性を促進できる点でより好ま
しい。
【0056】本発明の洗剤粒子群には、衣料用洗剤の分
野で公知のビルダー、漂白剤(過炭酸塩、過ホウ酸塩、
漂白活性化剤等)、再汚染防止剤(カルボキシメチルセ
ルロース等)、柔軟化剤、還元剤(亜硫酸塩等)、抑泡
剤(シリコーン等)、香料等を含有させることができ
る。
【0057】また、粒子の流動性及び非ケーキング性向
上の観点から、本発明の高嵩密度洗剤粒子群と表面被覆
剤とを混合して表面改質を行っても良い。
【0058】表面被覆剤としては、アルミノケイ酸塩、
ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、ベントナイト、タル
ク、クレイ、非晶質シリカ誘導体、結晶性シリケート化
合物等のシリケート化合物、金属石鹸、粉末の界面活性
剤等の微粉体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチ
レングリコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸と
マレイン酸のコポリマー又はその塩等のポリカルボン酸
塩等の水溶性ポリマー;脂肪酸が挙げられる。
【0059】このような構成を有する本発明の高嵩密度
洗剤粒子群は、如何なる洗濯条件でも洗浄性及び溶解
性、特にペースト化抑制効果に優れ、且つ蛍光染料のむ
ら付きが少ないものである。
【0060】また、本発明は、上記高嵩密度洗剤粒子群
を含有してなる洗浄剤組成物に関する。該洗剤粒子群の
含有量は、洗浄剤組成物としての溶解性及び洗浄性の点
で洗浄剤組成物の50重量%以上が好ましく、80重量
%以上がより好ましい。
【0061】本発明の洗浄剤組成物には、上記洗剤粒子
群以外の成分、例えば界面活性剤やビルダー等の公知の
洗浄剤基剤、漂白剤(過炭酸塩、過ホウ酸塩、漂白活性
化剤等)、再汚染防止剤(カルボキシメチルセルロース
等)、柔軟化剤、還元剤(亜硫酸塩等)、抑泡剤(シリ
コーン等)、香料等を含有させることもできる。
【0062】本発明の洗浄剤組成物は、例えば、前記洗
剤粒子群及び洗剤粒子群以外の成分を添加、混合するこ
とにより製造することができる。このようにして得られ
た洗浄剤組成物を用いることで、いかなる洗濯条件で
も、洗剤粒子がペースト化することなく、蛍光染料のむ
ら付きが少なく、さらに洗浄性に優れた洗濯を効率良く
行うことができるという効果が発現される。
【0063】
【実施例】実施例1 攪拌翼を有した1m3 の混合槽に水501kgを加え
た。水温が55℃に達した後に、50重量%のドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液48kg、40重
量%のアクリル酸−マレイン酸コポリマー(ナトリウム
塩)水溶液75kgを添加した。15分間攪拌した後
に、炭酸ナトリウム132kg、硫酸ナトリウム72k
g、亜硫酸ナトリウム9kg、蛍光染料3kgを添加し
た。更に15分間攪拌した後にゼオライト300kgを
添加し、30分間攪拌してスラリーを得た(最終温度は
60℃)。
【0064】このスラリーを噴霧乾燥塔に供給し、塔頂
より噴霧を行ってベース顆粒を得た。ベース顆粒の組成
は次のとおりである。ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム4重量%、アクリル酸−マレイン酸コポリマー
(ナトリウム塩)5重量%、炭酸ナトリウム22重量
%、硫酸ナトリウム12重量%、亜硫酸ナトリウム1.
5重量%、蛍光染料0.5重量%、ゼオライト50重量
%、水5重量%。
【0065】アクリル酸−マレイン酸コポリマーとして
はナトリウム塩(70モル%中和)、モノマー比がアク
リル酸/マレイン酸=7/3(モル比)のものを用い
た。蛍光染料としては、ビフェニル型蛍光染料であるチ
ノパールCBS−X(チバガイギー社製)と、スチルベ
ン型蛍光染料であるホワイテックスSA(住友化学工業
(株)製)とを1/1の重量比で混合したものを用い
た。ゼオライトとしては4A型ゼオライト、平均粒子径
3μm(東ソー製)のものを用いた。
【0066】該ベース顆粒をFT−IR/PASにて解
析した結果、顆粒内側はゼオライトの比率が高いこと、
水溶性ポリマー及び水溶性塩類は粒子表面近くに多く存
在した被覆型の粒子構造を有していること、即ち該ベー
ス顆粒は偏在性を有することが確認された。
【0067】レディデミキサー(松坂技研(株)製、容
量20L、ジャケット付)に上記のようにして得られた
ベース顆粒100重量部を投入し、主軸(150rp
m)とチョッパー(4000rpm)の攪拌を開始し
た。そこに、アルキル基の炭素数12〜16、平均EO
付加モル数7.0のポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル15重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
15重量部、ポリエチレングリコール(平均分子量85
00)2重量部及び水5重量部を加熱混合して得られた
70℃の混合液を3分間で投入し、その後5分間攪拌を
行い洗剤粒子群を得た。さらに、結晶性シリケート(S
KS−6、平均粒径50μm)15重量部と非晶質アル
ミノケイ酸塩3重量部とを投入し表面被覆を行った。な
お、非晶質アルミノケイ酸塩は、Al2 3 =29.6
重量%、SiO2 =52.4重量%、Na2 O=18.
0重量%(1.0Na2 O・Al2 2 ・3.10Si
2 )の組成のものであって、そのCaイオン捕捉能は
185CaCO3 mg/g、吸油能は285mL/10
0g、含有水分量は11.2重量%であった。次いで、
9段の篩と受け皿とからなる分級装置を用いて洗剤粒子
群を分級した。得られた洗剤粒子群の物性を表1に示
す。
【0068】なお、洗剤粒子群の95%溶解時間は、次
のようにして測定した。即ち、内径105mmの円柱状
の1Lビーカーに10℃の蒸留水1Lを入れ、電気伝導
度計をセットした。全長35mm、直径7.5mmの円
柱状攪拌子を用いて550rpmにて攪拌を行った。1
0℃の試料1gを水の渦中心に投入し、この時点を0秒
として、10秒間隔で電気伝導度を測定した。継続して
2分以上測定値が上昇しなくなった値を100%溶解値
として95%溶解値を算出した。そしてその値に至るま
でに要する時間を95%溶解時間とした。
【0069】また、粒子内部に粒子径の2/5〜3/5
の気孔が存在する洗剤粒子が確認された。また、洗剤粒
子群を水に溶解した際に粒子径の2/5〜3/5の気泡
の放出が確認された。気孔及び気泡の確認は、前記のと
おりに行った。
【0070】
【表1】
【0071】得られた洗剤粒子群100重量部に、酵素
0.5重量部と香料0.5重量部を混合して洗浄剤組成
物を得た。酵素はセルラーゼK(特開昭63−2646
99号公報記載のもの)とリポラーゼ100T(ノボ社
製)とを3:1の重量比で混合したものを用いた。
【0072】得られた洗浄剤組成物を用いて溶解性、洗
浄性及び蛍光染料のむら付き防止性を評価した。即ち、
溶解性は、95%溶解時間で評価した。該95%溶解時
間は、前記と同様に測定した。洗浄性の評価のための試
験は、特開平10−168485号公報の第14欄第6
行以降に記載の方法に従って実施した。蛍光染料のむら
付き防止性については、紫外線ランプ照射後の洗濯物の
むら付き状態を評価した。
【0073】その結果、本発明品の10℃における電気
伝導度法による95%溶解時間は80秒であり、市販さ
れている高嵩密度洗浄剤組成物の該溶解時間は102秒
であった。また、本発明品の洗浄力は上記市販洗剤と同
等以上であり、蛍光染料のむら付き防止性は本発明品の
方が格段に優れていた。上記市販洗剤について、その洗
剤粒子群の嵩密度は741g/Lであり、洗剤粒子群の
平均粒径は544μm、710μm以上の粒径の洗剤粒
子及び125μm未満の粒径の洗剤粒子は洗剤粒子群全
体のそれぞれ25.6重量%、4.0重量%であった。
【0074】実施例2 実施例1において、チノパールCBS−Xとホワイテッ
クスSAとの重量比を5/1にする以外は、同様にして
洗剤粒子群を得た後に、この洗剤粒子群の各粒子の含有
量を表2に記載のように変えて、洗剤粒子群を得た。得
られた洗剤粒子群の物性を表2に示す。さらに、洗剤粒
子群に実施例1と同様に酵素と香料を混合して洗浄剤組
成物を得た。
【0075】実施例3 以下のようにして洗剤粒子群を製造した。まず、LAS
−Na(C12−14)14重量部、SFE−Na(パ
ーム油由来)10重量部、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル(C12、EO6モル)5重量部、ポリエチレ
ングリコール(分子量8500)1重量部、4A型ゼオ
ライト10重量部、アクリル酸−マレイン酸コポリマー
(分子量70000)3重量部、脂肪酸ナトリウム(牛
脂由来)8重量部、1号ケイ酸ナトリウム1重量部、炭
酸ナトリウム14重量部、硫酸ナトリウム5重量部、亜
硫酸ナトリウム1重量部、蛍光染料0.3重量部及び水
3.2部からなる固形分50重量%スラリーを調製し、
噴霧乾燥して噴霧乾燥組成物を得た。これに、結晶性シ
リケート3重量部及び炭酸ナトリウム10重量部をリボ
ンミキサーに投入して混合を行った。得られた混合物を
前押し出し式2軸型押し出し造粒機(ペレッターダブ
ル:不二パウダル(株)製)で直径が10mmの円柱状
に押し出し成形して圧密化した。得られたペレット状物
を、4A型ゼオライト5重量部とともにフラッシュミル
(不二パウダル(株)製)で粉砕造粒して表面被覆を行
った。この造粒物から粗大物を取り除いた後、Vブレン
ダーに移し、4A型ゼオライト5重量部を混合して洗剤
粒子群を得た。洗剤粒子群の95%溶解時間等の物性を
表2に示す。この洗剤粒子群に、酵素1.3重量部と香
料0.2重量部を混合して洗浄剤組成物を得た。
【0076】ここで、アクリル酸−マレイン酸コポリマ
ーはナトリウム塩(70モル%中和)であり、モノマー
比はアクリル酸/マレイン酸=7/3(モル比)を用い
た。蛍光染料としてはチノパールCBS−Xとチノパー
ルAMS−GX(チバガイギー社製)の重量比5/1混
合物を用いた。ゼオライトとしては4A型ゼオライト、
平均粒子径3μm(東ソー(株)製)を用いた。結晶性
シリケートは粉末SKS−6(クラリアントトクヤマ社
製)を粉砕し平均粒径50μmとしたものを用いた。酵
素は、セルラーゼK(特開昭63−264699号公報
記載のもの)とリポラーゼ100T(ノボ社製)とを
3:1の重量比で混合したものを用いた。
【0077】比較例1、2 実施例3で得られた洗剤粒子群の各粒度の粒子の含有量
を表2に記載のように変えて、洗剤粒子群を得た。得ら
れた洗剤粒子群の物性を表2に示す。さらに洗剤粒子群
に実施例3と同様に酵素と香料を混合して洗浄剤組成物
を得た。
【0078】実施例2、3及び比較例1、2で得られた
洗浄剤組成物について、蛍光染料のむら付き防止性を調
べ、その結果を表2に示す。なお、むら付き防止性は、
実施例1に記載の方法と同様にして行った。表中、
「○」はむら付きが全く見られないこと、「△」はむら
付きが少し見られたこと、「×」はむら付きが多量に見
られたことを示す。また、実施例2及び3で得られた洗
浄剤組成物は、共に比較例1、2で得られたものに比べ
て溶解性及び洗浄性に優れていた。
【0079】
【表2】
【0080】表2の結果より、実施例2、3で得られた
洗剤粒子群は、いずれも比較例1、2で得られた洗剤粒
子群に比べ、95%溶解時間が90秒以下で、且つ蛍光
染料のむら付きが少なく、且つペースト化抑制効果に優
れたものであることがわかる。また、実施例2、3で得
られた洗浄剤組成物は、いずれも比較例1、2で得られ
た洗浄剤組成物に比べ、洗浄性に優れたものであること
がわかる。
【0081】
【発明の効果】本発明の高嵩密度洗剤粒子群は、溶解性
が良好であり、蛍光染料のむら付きが少なく、特にペー
スト化抑制効果に優れているため低温洗浄条件であって
も洗浄力を十分に発揮できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤及びビフェニル型蛍光染料を
    含有し、平均粒径が150〜500μm、嵩密度が50
    0g/L以上の高嵩密度洗剤粒子群であって、710μ
    m以上の粒径の粒子及び125μm未満の粒径の粒子が
    それぞれ該洗剤粒子群全体の10重量%以下である、1
    0℃における電気伝導度法による95%溶解時間が90
    秒以下である高嵩密度洗剤粒子群。
  2. 【請求項2】 ビフェニル型蛍光染料の全蛍光染料中に
    おける含有量が60重量%以上である請求項1記載の高
    嵩密度洗剤粒子群。
  3. 【請求項3】 水難溶性無機物、ビフェニル型蛍光染料
    並びに水溶性ポリマー及び水溶性塩類から選ばれた一種
    以上の水溶性成分を含有してなるベース顆粒に界面活性
    剤が担持されてなる、平均粒径が150〜700μm、
    嵩密度が500g/L以上であり、10℃における電気
    伝導度法による95%溶解時間が90秒以下である高嵩
    密度洗剤粒子群。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の高嵩密度洗
    剤粒子群を含有してなる洗浄剤組成物。
  5. 【請求項5】 界面活性剤及びビフェニル型蛍光染料を
    含有する未分級の洗剤粒子群に分級操作及び/又は粒度
    調整操作を施す工程を有する高嵩密度洗剤粒子群の製造
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003056928A1 (fr) * 2001-12-28 2003-07-17 The Nisshin Oillio, Ltd. Compositions de graisse et d'huile permettant de reduire les lipides sanguins
JP2012126840A (ja) * 2010-12-16 2012-07-05 Kao Corp ゼオライト複合粒子群
JP2013155211A (ja) * 2012-01-26 2013-08-15 Asahi Kasei Chemicals Corp 粒状洗浄剤、及びその製造方法、並びに成形機の洗浄方法

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