JPH1046190A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

洗浄剤組成物

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JPH1046190A
JPH1046190A JP8207354A JP20735496A JPH1046190A JP H1046190 A JPH1046190 A JP H1046190A JP 8207354 A JP8207354 A JP 8207354A JP 20735496 A JP20735496 A JP 20735496A JP H1046190 A JPH1046190 A JP H1046190A
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JP
Japan
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acid
alkali metal
metal salt
alkali
composite
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Application number
JP8207354A
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Inventor
Kuniaki Maejima
邦明 前島
Kazuyo Takahashi
一世 高橋
Yoshiro Kaneda
嘉郎 金田
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いイオン交換能を有する洗浄剤用ビルダー
に基づく高い洗浄力を有する洗浄剤組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 粉末法X線回折パターンにおいて、炭酸
アルカリの結晶質粒子と珪酸アルカリの実質的な非晶質
粒子とからなる複合体であって、該複合体はSiO2
2O(ただしMはNa、KまたはLiを表す):CO2
=(1.7〜2.5):1:(0.25〜2.0)のモ
ル比を有し、かつ吸湿率が5重量%以下である複合アル
カリ金属塩を、ビルダー成分として含有することを特徴
とする洗浄剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄剤ビルダーと
して特定の複合アルカリ金属塩を有効成分として含有す
る洗浄剤組成物に関するものであり、さらに詳しくは本
発明は、結晶質炭酸アルカリと実質的に非晶質の珪酸ア
ルカリとの複合アルカリ金属塩を洗浄剤ビルダーとして
含有してなる洗浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水軟化作用を有する洗浄剤ビルダーとし
て、トリポリリン酸ナトリウムに代わり、現在合成ゼオ
ライト(ゼオライトA)が専ら用いられている。近時、
ゼオライトAに代替できる洗浄用ビルダーとして結晶性
層状珪酸ナトリウム、主として二珪酸ナトリウム(δ−
Na2Si25)が開発され、実用化されている。二珪
酸ナトリウムの特徴は、ゼオライトAが不溶性粒子であ
るのに対し、洗濯時間内に溶解しうる可溶性粒子である
と共にMg2+交換能が高いことにあると言われている。
【0003】結晶性層状珪酸ナトリウム(例えばNa2
Si25)は、理論的にはゼオライトA以上のカチオン
交換能を有することから、これを配合した洗剤の使用に
おいて、高い硬水軟化能力が期待されているが、実際に
は、水溶性のためゼオライトと同等以上のイオン交換能
を発揮することができない。また、粒子が水溶性である
ことは、洗濯物への粒子付着がない点では有利であるけ
れども、上記の問題もさることながら、吸湿性が強いと
いうことから、粉末洗剤の固結をおこし、洗濯水への分
散及び溶解性が悪くなる欠点もある。
【0004】これらの欠点を解決するために下記のよう
ないくつかの提案がなされている。例えば、CaやMg
を珪酸アルカリに導入して変性する方法(特開平7−3
30325号公報)がある。しかし、この方法では耐吸
湿性は改善されるものの、イオン交換能の改善にはさし
たる影響がなく、また、硬水中のCa2+やMg2+を除去
するビルダー中にこれらを予め導入する考え方は矛盾が
あり、本質的な解決には至ってない。
【0005】次に、二珪酸ナトリウムの如き結晶性層状
珪酸ナトリウムと少なくとも1種の酸とを、9〜13の
pHで攪拌下に反応させた生成物に、過酸化水素溶液を
添加して洗浄剤用ビルダーを製造する方法が知られてい
る(特開平6−183723号公報、特開平6−183
724号公報)。この方法では酸としてCO2ガスを用
いた場合、カネマイトと過炭酸ソーダが生成するが、カ
ネマイト結晶はイオン交換能が小さく、ゼオライトA以
上の水軟化能力は期待できない。
【0006】さらに、特開平4−275400号公報に
は、炭酸ナトリウムの如き粒状担体にモル比SiO2
2Oが1.6〜3.5の珪酸アルカリ水溶液を吸着又
は/及び吸収させた複合アルカリ金属塩を洗浄剤用ビル
ダーとすることも開示されている。しかしながら、未だ
優れたイオン交換能を有する洗浄剤用ビルダーは開発さ
れていない。
【0007】最近、洗浄剤はコンパクト化が急速に展開
されている。この理由は、汚染衣料に付着した脂肪分や
タンパク質成分の強力な分解酵素の開発や活性剤ビルダ
ーやその配合に係わる技術開発の成果が主であるが、そ
の背景には物流の合理化および消費者からの要請が大き
い。しかしながら、コンパクト化が進行すればするほど
使用量が少量で洗浄力が高いことが不可欠となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、高いイオン交換能を有する洗浄剤用ビルダーに基
づく高い洗浄力を有する洗浄剤組成物を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、洗剤成分
の高性能化、特に洗浄剤用ビルダーについて鋭意研究を
重ねた結果、層状構造が壊れた珪酸アルカリと炭酸アル
カリとからなる複合アルカリ金属塩を洗浄剤用ビルダー
として含有した洗浄剤組成物が、優れた洗浄能力を有す
ることを知見し本発明を完成することができた。
【0010】即ち本発明は、粉末法X線回折パターンに
おいて、炭酸アルカリの結晶質粒子と珪酸アルカリの実
質的な非晶質粒子とからなる複合体であって、該複合体
はSiO2:M2O(ただしMはNa、KまたはLiを表
す):CO2=(1.7〜2.5):1:(0.25〜
2.0)のモル比を有し、かつ吸湿率が5重量%以下で
ある複合アルカリ金属塩を、ビルダー成分として含有す
ることを特徴とする洗浄剤組成物を提供するものであ
る。
【0011】また本発明は、複合アルカリ金属塩は、M
HCO3(ただしMはNa、KまたはLiを表す)で表
される結晶性炭酸アルカリ金属塩と、SiO2:M2O=
(1.7〜2.5):1のモル比を有する結晶性層状珪
酸アルカリを炭酸化して層状結晶構造を実質的に非晶質
化した珪酸アルカリ金属塩との混合粒子である前記の洗
浄剤組成物を提供するものである。
【0012】さらに本発明は、複合アルカリ金属塩は、
カチオン交換容量(CEC)が少なくとも200mg−
CaO/gの値を有する前記の洗浄剤組成物を提供する
ものである。
【0013】さらにまた本発明は、複合アルカリ金属塩
を有効成分として含有する洗剤ビルダーの配合量が、洗
浄剤組成物中、5〜60重量%である前記の洗浄剤組成
物を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る洗浄剤組成物の特徴とする複合アルカリ金
属は、炭酸アルカリと珪酸アルカリとの複合塩の粉体で
ある。この粉体のX線回折分析によれば、炭酸アルカリ
は結晶質粒子であり、多くの場合、炭酸水素アルカリの
結晶性粒子として確認することができる。一方、珪酸ア
ルカリは実質的に非晶質粒子である。ここに実質的に非
晶質粒子というのは、下記式
【0015】
【化1】結晶化度(S)%=(I2/I1)×100 (式中、I1は結晶性層状珪酸アルカリの最高X線回折
線強度、I2は結晶性珪酸アルカリの炭酸化後の最高X
線回折線強度を表す)
【0016】で示される結晶化度が50%以下、好まし
くは30%以下の非晶質性を意味する。
【0017】次に、本発明で用いる複合アルカリ金属塩
は、従来公知の炭酸アルカリと水ガラスから得られる非
晶質珪酸アルカリとの単なる混合物ではない。即ち、結
晶性層状珪酸アルカリを炭酸化して複合体に転換させた
ものであることが、1つの大きな特徴である。
【0018】したがって、後記のようにカチオン交換能
が著しく優れていると共に、耐吸湿性の物性をもつ粒子
により構成することにより、単なる混合物による複合体
と識別することができる。
【0019】かかる複合体のSiO2:M2O:CO2
モル比は、多くの場合(1.7〜2.5):1:(0.
25〜2.0)の範囲にあり、好ましくは(1.8〜
2.2):1:(0.5〜2.0)の範囲にある。ま
た、炭酸アルカリと珪酸アルカリの量的指標となるSi
2/CO2のモル比は、多くの場合1.0〜10、好ま
しくは1.0〜3.0の範囲にある。この理由は10よ
り大きくなると実質的に非晶質の珪酸アルカリを構成で
きないため、カチオン交換能や耐吸湿性といった物性が
不十分で、複合アルカリ金属塩としての特性に利点が得
られないからである。一方、このモル比を1.0より小
さくすることは工業的に難しく、かつ物性的改善も飽和
するためである。
【0020】また、洗浄剤組成物のビルダーとして本発
明で用いる複合アルカリ金属塩は、上記条件の他、吸湿
率が重要な要件となる。ここで、吸湿率とは、試料1.
0gを100mLビーカーに秤量し、相対湿度80%の
恒温恒湿内に静置保存し、5時間後の重量増加率を示
す。本発明の洗浄剤組成物では、多くの場合この吸湿率
が5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。この
理由は、吸湿率が5重量%とより大きくなると粉末洗剤
の固結を起こしやすくなり、洗濯水への分散が悪くなる
傾向があるからである。
【0021】かかる複合アルカリ金属塩は、特にその製
造遍歴に限定はないが、好ましくは、結晶性層状珪酸ア
ルカリを水分の存在下で炭酸ガスを導入して炭酸アルカ
リの結晶粒子を析出すると共に、珪酸アルカリの結晶性
層状構造を不規則化してX線回折的に実質的な非晶質粒
子となるまで炭酸化反応を行わせて得られるものがよ
い。
【0022】一例を挙げると、SiO2/M2O(MはN
a、KまたはLiを表す)のモル比1.7〜2.5の範
囲にある二珪酸ナトリウム、二珪酸カリウム等のカチオ
ン交換能が大きい結晶性層状珪酸アルカリ粉末を出発原
料とすることが好ましく、この出発原料の結晶性層状珪
酸アルカリは、必要に応じ、ホウ素やアルミニウム等の
成分で結晶格子の一部を置換して変性させたものであっ
てもよい。また、塩基度を調整するため、必要に応じ苛
性アルカリや水ガラスから誘導される他の非晶質珪酸ア
ルカリや、メタ珪酸アルカリ、オルソ珪酸アルカリの如
き他の珪酸アルカリを適宜補助原料として使用したもの
であっても差し支えない。尤も、このような補助原料は
主原料たる層状珪酸アルカリの製造工程中で、処理する
ことが望ましい。
【0023】次いで、この結晶性層状珪酸アルカリに水
分の存在下で炭酸ガスを導入して炭酸化反応を行わせ
る。この際、炭酸化は5〜50kPaの水蒸気を含有す
る炭酸ガスで行うことが好ましい。この理由は、水蒸気
圧が上記範囲より高くなりすぎると、例えば二珪酸アル
カリを炭酸化する場合、アルカリ水溶液が生成し、珪酸
塩を溶解して元の水ガラスとなるので好ましくない。一
方、水蒸気圧が低すぎると反応が進まず時間がかかり過
ぎるので好ましくない。
【0024】また、炭酸化は層状構造をもつ結晶性珪酸
アルカリを実質的に非晶質化するまで反応を行う。多く
の場合、含水炭酸ガスが実質的に吸着飽和に達するまで
反応を行うことが、安定した組成のものを得る上でとく
に重要である。
【0025】かくして得られる結晶性珪酸アルカリは、
規則的層状構造が不規則となって、実質的に非晶質化す
ると共に、炭酸アルカリの結晶粒子、好ましくはMHC
3(MはNa、KまたはLiを示す)の炭酸水素アル
カリの結晶が生成して、複合アルカリ金属塩に転換す
る。
【0026】このような複合アルカリ金属塩は、高い硬
水軟化能を有しかつ耐吸湿性の優れたものであるので、
本発明の洗浄剤組成物におけビルダーとして最適なもの
となる。
【0027】本発明で使用する複合アルカリ金属塩の粒
径は、多くの場合1mm以下、好ましくは0.5mm以
下である。この理由は、粒度が1mmより大きくなる
と、洗濯水に対する分散性が悪くなる共に、排水中に沈
殿物として残りやすくなるばかりでなく、カチオン交換
能が劣る傾向があるためである。
【0028】この複合アルカリ金属塩を洗浄剤ビルダー
として使用する場合には、必要に応じゼオライトA、二
珪酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン
酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、各種アミノ
酸ナトリウム、ホスホン酸ナトリウム類、炭酸ナトリウ
ム、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム等から選ば
れた1種または2種以上の他の公知のビルダー成分と併
用しても差し支えない。この場合、上記複合アルカリ金
属塩:上記公知ビルダー成分は、重量比で30:1〜
1:3の範囲であることが好ましい。
【0029】また、上記複合アルカリ金属塩を有効成分
として含有する洗剤ビルダーの配合量は、洗浄剤組成物
中、通常、5〜60重量%、好ましくは10〜30重量
%である。
【0030】本発明の洗浄剤組成物には、上記複合アル
カリ金属塩および他のビルダーの以外の成分として、界
面活性剤、泡安定剤、泡抑制剤、カルシウムの錯化剤も
しくは沈澱剤、柔軟付与剤、アルカリ剤又は電解質、漂
白剤、漂白剤活性剤、再沈着防止剤、腐蝕防止剤、殺菌
性物質、酵素、酵素安定剤、増白剤、着色剤、蛍光剤等
の公知の添加剤を含有することができる。なお、カルシ
ウムの錯化剤もしくは沈澱剤は、ビルダー成分としても
有効である。
【0031】本発明で用いることができる界面活性剤の
種類は、広く公知の陰イオン界面活性剤、非イオン界面
活性剤または陽イオン界面活性剤を用いればよい。
【0032】陰イオン界面活性剤としては、例えばスル
ホネート系、スルフェート系、カルボキシレート系等も
のが挙げられる。スルホネート系界面活性剤としては、
炭素原子数が9〜15のアルキルベンゼンスルホネート
類、炭素原子数12〜16のアルキルスルホネート類、
アルケンおよびヒドロキシアルカンスルホネート、ジス
ルホネート、αーオレフィンスルホネート等が挙げられ
る。スルフェート系界面活性剤としては、獣脂脂肪アル
コール、オレインアルコール、ラウリルアルコール、ミ
リスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルア
ルコール等の第一アルコールおよび/または炭素原子数
10〜20のオキソアルコール等の第二アルコールの硫
酸モノエステル、ヒドロキシカルボン酸、アミノカルボ
ン酸、ヒドロキシスルホン酸、アミノスルホン酸、アル
キルスルホコハク酸、スルホコハク酸エステル、スルホ
コハク酸アルコール等が挙げられる。また、ラウリル
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヤシ
油、パーム核油、獣脂脂肪酸等の石鹸も挙げることがで
きる。
【0033】非イオン界面活性剤としては、脂肪アルコ
ール、アルキルフェノール、脂肪酸、脂肪アミン、脂肪
酸アミド、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロ
ック共重合体、ポリエチレン化カルボン酸アミド、アミ
ノキシド、スルホキシド系のものも用いることができ
る。
【0034】陽イオン界面活性剤としては、例えば炭素
原子数8〜18個のアルキレンオキシドを有する第1級
アルコールから誘導された液状のエトキシル化および/
またはプロポキシル化アルコール、炭素原子数12〜1
8個のヤシ油脂肪アルコール、オレイルアルコールなど
の天然由来の直鎖アルコール基を有するもの、エチレン
オキシド基を2〜8個含有する炭素原子数9〜18個の
アルコール類、一般式、RO(Gr)n(式中、Rは炭
素原子数8〜22の直鎖または2ーメチル分岐の第1級
脂肪族基、Grは炭素原子数5〜6個を有するグルコー
ス単位、nは1〜10のオリゴマー化度を表す)で表さ
れるアルキルグリコシド等が挙げられる。これらの化合
物の1種または2種以上で、またこれら化合物はナトリ
ウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、モノー、ジー又
はトリエタノールアミン等の有機酸塩として存在しても
差し支えない。
【0035】界面活性剤の起泡能力は、用いる界面活性
剤の組み合わせにより調整することができ、泡の減少は
非界面活性剤である有機物質を添加することにより調整
することもできる。泡安定剤としては、スルホネートま
たはスルフェート系の界面活性剤では、カルボキシル
系、スルホベタイン系及びアルキルアミド系の非イオン
界面活性剤、とくに脂肪アルコールまたは高級末端位ジ
オールが望ましい。
【0036】低い起泡能力が要求されるような場合に
は、例えばスルフェートおよび/またはスルホネートと
非イオン活性剤および/または石鹸との組み合わせによ
り起泡能力を抑えることができる。なお、石鹸の場合に
は、脂肪酸塩の飽和度および炭素鎖長と共に、起泡能力
は減少するので、より低い起泡能力が要求される場合に
は、炭素原子数18〜24個の脂肪酸を高い含有率で含
有させればよい。
【0037】非界面活性剤の抑泡剤としては、水に不溶
な有機化合物、例えば融点が100℃以下のパラフィン
またはハロゲン化パラフィン、炭素原子数が18以上の
脂肪族カルボン酸エステルが挙げられる。特に弱い起泡
作用を有する非イオン活性剤は毛管作用があるポリエチ
レングリコールエーテルのプロピレンオキシド付加生成
物やポリプロピレングリコールおよびアルキレンジアミ
ン、もしくは炭素原子数1〜10のアルキルポリプロピ
レングリコールのエチレンオキシド付加生成物である。
通常、これら抑泡剤は、水に溶解または分散する粒状の
担体に固定して用いるのが好ましい。
【0038】これら界面活性剤の配合量は、洗浄剤組成
物に対して、通常5〜60重量%、好ましくは10〜5
0重量%である。
【0039】カルシウムの錯化剤もしくは沈澱剤として
は、無機塩であれば例えば、ピロリン酸塩、トリリン酸
塩、高級ポリリン酸塩が挙げられる。有機化合物として
は、例えばポリカルボン酸、ヒドロキシモノカルボン
酸、ヒドロキシポリカルボン酸、アミノカルボン酸、カ
ルボキシアルキルエーテル、多陰イオン重合体、とくに
重合体のカルボン酸、およびホスホン酸が挙げられ、多
くの場合これらは、水溶性の塩として使用する。
【0040】ポリカルボン酸の具体例としては、例えば
マレイン酸、メチレンマロン酸、シトラコン酸、メサコ
ン酸、イタコン酸等が挙げられる。ヒドロキシモノおよ
びポリカルボン酸の具体例としては、例えばグリコール
酸、乳酸、リンゴ酸、タルトロン酸、メチルタルトロン
酸、グルコン酸、グリセリン酸、クエン酸、酒石酸、サ
リチル酸、グルカン酸等が挙げられる。アミノカルボン
酸としては、例えばグリシン、グルシルグリシン、アラ
ニン、アスパラギン、グルタミン酸、アミノ安息香酸、
イミノジまたはトリ酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢
酸、エチレンジアミンテトラ酢酸等が挙げられる。カル
ボキシアルキルエーテルとしては、例えば2,2ーオキ
シジ琥珀酸、エーテルポリカルボン酸、とくにカルボキ
シメチルエーテル基を有するカルボン酸が望ましい。重
合体のカルボン酸への移行体としては糖、澱粉およびセ
ルロースのカルボキシメチルエーテル等が挙げられる。
【0041】リン含有有機錯化剤の種類としては、アル
カンポリホスホン酸、アミノアルカンポリホスホン酸、
ヒドロキシアルカンポリホスホン酸、アミノアルカンポ
リカルボン酸、ヒドロキシアルカンカルボン酸等が挙げ
られ、例えばアミノアルキレンホスホン酸、エチレンジ
アミンテトラアルキレンホスホン酸、アルキルメタン−
1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸または、2−ヒ
ドロキシホスホノ酢酸などが代表的な化合物として挙げ
られる。このうちアミノアルキレンホスホン酸として
は、例えば、ニトリロトリスチレンホスホン酸、ニトリ
ロトリスプロピレンホスホン酸、ニトリロジエチルメチ
レンホスホン酸、ニトリロプロピルビスメチレンホスホ
ン酸等が挙げられる。エチレンジアミンテトラアルキレ
ンホスホン酸としては、例えば、エチレンジアミンテト
ラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラエチレ
ンホスホン酸、エチレンジアミンテトラプロピレンホス
ホン酸等が挙げられる。アルキレン−1−ヒドロキシ−
1,1−ジホスホン酸としては、例えば、メタン−1−
ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒド
ロキシ−1,1−ジホスホン酸、プロパン−1−ヒドロ
キシ−1,1−ジホスホン酸等が挙げられる。ポリカル
ボン酸としては、例えば1−ホスホノエタン1,2−ジ
カルボン酸、2−ホスホノプロパン−2,3−ジカルボ
ン酸、2−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン
酸等が挙げられる。上記錯化剤は、ナトリウム塩又はカ
リウム塩として用いるのが望ましい。
【0042】また、これらカルシウムの錯化剤もしくは
沈澱剤の化合物は、一般的にビルダーとして有用で、カ
ルシウムの錯化剤もしくは沈殿剤として機能する以上の
量を添加しても本発明では差し支えない。洗剤ビルダー
に対するこれら錯化剤の配合量は、通常30:1〜1:
1で、洗浄剤組成物としては、通常1〜20重量%であ
る。
【0043】アルカリ剤または無機電解質としては、例
えば無機電解質であれば、珪酸、炭酸、硫酸のアルカリ
金属塩等が挙げられ、一方、有機系のものであれば、ト
リエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノ
ールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノ
ールアミン類が挙げられる。配合量は、洗浄剤組成物と
して、多くの場合2〜15重量%、好ましくは5〜14
重量%である。
【0044】漂白剤としては、水中でH22を放出する
化合物、活性塩素化合物の何れであってもよい。水中で
22を放出する化合物としては、例えば過ホウ酸ナト
リウム・四水和物(NaBO2・H22・3H2O)およ
び過ホウ酸ナトリウム・一水和物(NaBO2・H
22)、過ホウ砂(Na247・4H22)等が挙げ
れる。またこれらの化合物は他の活性担体、過酸化水素
物、例えばペルオキシ炭酸塩(Na2CO3・1.5H2
2)、ペルオキシピロリン酸塩、クエン酸の過酸化水
素物、尿素の過酸化物、メラニンの過酸化物、カロ酸塩
(KHSO5)、過安息香酸塩、およびペルオキシフタ
ル酸塩により一部又は完全に代替してもよい。本発明で
はとくにペルオキシ化合物漂白剤を用いる場合には、安
定剤と併用して用いてもよい。安定剤の種類としては、
例えば珪酸マグネシウム(MgO:SiO2=4:1〜
1:4、好ましくは2:1〜1:2)、アルカリ土類金
属珪酸塩等が挙げられる。
【0045】本発明では、60℃以下の温度において、
より漂白作用を向上させる目的で、ペルオキシ化合物中
のH22を効率よく放出させる活性剤を用いても差し支
えない。この種の活性剤の種類は、H22と有機過酸を
形成する特定のN−アシル化合物、O−アシル化合物、
特にアセチル化合物、プロピオニル化合物、ベイゾイル
化合物、炭酸エステル、ピロリン酸エステル等が挙げら
れ、特にN,N,N’,N’−テトラアセチルエチレン
ジアミンまたは1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソ
ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアミンの化合物が好ま
しい。
【0046】一方、活性塩素化合物の種類は、無機化合
物又は有機化合物の何れであってもよい。無機系の塩素
化合物としては、アルカリ金属次亜塩素酸塩で、通常オ
ルトリン酸、ピロリン酸等の縮合リン酸塩、アルカリ珪
酸塩等の付加化合物で使用することができる。有機系の
塩素化合物としては、例えば塩素原子1個又は2個が窒
素原子に結合したジクロルシアヌル酸、トリクロルシア
ヌル酸またはこの塩、塩素化アルキルグアニド、塩素化
アルキルビグアニド、塩素化ヒダントイン及び塩素化メ
ラミン等のNークロル化合物が挙げられる。
【0047】水中でH22を放出する化合物の配合量
は、洗浄剤組成物として通常、5〜25重量%、好まし
くは10〜20重量%、活性塩素化合物の配合量は、通
常1〜10重量%、好ましくは3〜8重量%である。
【0048】さらに本発明の洗浄剤組成物には所望によ
り、洗浄中に媒体から分離した汚れ物質を処理液中に懸
濁して保持して灰色化および変色化を防止する再沈着防
止剤を含有させてもよい。再沈着防止剤としては、有機
の水溶性コロイドで、例えば重合体カルボン酸の水溶性
塩、グルー、ゼラチン、デンプン、セルロース、エーテ
ルカルボン酸、エーテルスルホン酸、デンプンの酸性硫
酸エステルの塩、酸性基を有する水溶性のポリアミド、
可溶性デンプン製剤、分解したデンプン、アルデヒドデ
ンプン、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。再沈着
防止剤の配合量は、洗浄剤組成物として0.1〜5重量
%である。
【0049】本発明の洗浄剤組成物において、脂肪分や
タンパク質の汚れに対して、酵素を含有させることによ
り、より一層の洗浄効果を期待すことができる。本発明
で用いることができる酵素は、例えばプロテアーゼ、カ
ルボヒドラーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、アミラー
ゼ、オキシドレダクターゼ、カタラーゼ、ペルオキシダ
ーゼ、ウレアーゼ、イソメラーゼ、リアーゼ、トランス
フエラーゼ、イソメラーゼ、リアーゼ、トランスフエラ
ーゼ、デスモラーゼ、ヌクレアーゼ等が挙げられ、とく
に、アルカリ、ペルオキシ化合物、陰イオン界面活性剤
及び高温域(70℃まで)に対して比較的に安定に作用
するプロテアーゼおよびアミラーゼが特に有利に用いら
れる。これらの酵素は、担体に吸着させたり、殻形成物
質中に封入したりして用いることが望ましく、酵素の配
合量は洗浄剤組成物として、0.2〜2重量%である。
【0050】さらに上記酵素と共に、酵素安定剤を併用
して用いてもよい。酵素安定剤の種類は、例えばギ酸ナ
トリウム及び、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ砂、アルカリ
金属ホウ酸塩、オルトホウ酸、メタホウ酸、ピロホウ酸
及びその塩等のホウ素化合物が挙げられ、その配合量は
通常0.5〜1重量%である。
【0051】本発明において、繊維の洗浄を目的とする
場合には、所望により増白剤を添加することができる。
木綿を洗浄の対象とする場合、増白剤の種類としては、
例えば4,4’−ビス(2−アニリノ−4−モルホリノ
−1,3,5−トリアジン−6−イル−アミノ)−スチ
ルベン−2,2’−ジスルホン酸およびこのアルカリ金
属塩、4,4’−ビス(2−アニリノ−4−ジエタノ−
ルアミノ−1,3,5−トリアジン−6−イル−アミ
ノ)−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸およびこの
アルカリ金属塩、4,4’−ビス(2−アニリノ−4−
メチルアミノ−1,3,5−トリアジン−6−イル−ア
ミノ)−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸およびこ
のアルカリ金属塩、4,4’−ビス(2−アニリノ−2
−メトキシエチルアミノ−1,3,5−トリアジン−6
−イル−アミノ)−スチルベン−2,2’−ジスルホン
酸及びこのアルカリ金属塩等のジアミノスチルベンジス
ルホン酸の誘導体またはこのアルカリ金属塩等が挙げら
れる。ポリアミド繊維を対象とする場合、例えば1−
(p−スルファモイルフェニル)−3−(p−クロルフ
ェニル)−2−ピラゾリン、1−(p−メトキシカルボ
ニルフェニル)−3−(p−クロルフェニル)−2−ピ
ラゾリン、1−(2−メトキシエトキシカルボニルフェ
ニル)−3−(p−クロルフェニル)−2−ピラゾリ
ン、1−(p−アセチルアミノフェニル)−3−(p−
クロルフェニル)−2−ピラゾリン、1−(p−ビニル
スルホニルフェニル)−3−(p−クロルフェニル)−
2−ピラゾリン等の1,3−ジアリ−ル−2−ピラゾリ
ン化合物、4−メチル−7−ジメチルアミノクマリン、
4−メチル−7−ジエチルアミノクマリン等の置換アミ
ノクマリン化合物、1−(2−ベンズイミダゾリル)−
2−(1−ヒドロキシエチル−2−ベンズイミダゾリ
ル)エチレンおよび1−エチル−3−フェニル−7−ジ
エチルアミノカルボスチリル等が挙げられる。ポリエス
テル繊維を対象とする場合、例えば2,5−ジ−(2−
ベンズオキサゾイル)チオフェン、1,2−ジ−(5−
メチル−2−ベンズオキサゾリル)エチレン、4,4’
−ビス(4−クロル−3−スルホスチリル)−ジフェニ
ル等が挙げられる。これら増白剤の配合量は通常0.1
〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.3重量%であ
る。
【0052】本発明の洗浄剤組成物は、通常公知の製造
方法、例えば噴霧乾燥法、スプレーミックス法、破砕造
粒法、無機ビルダー含有ビーズに含浸する方法、高密度
粒状洗剤の製造方法、錠剤型、フレーク状、棒状などの
洗剤の製造方法、バッチ式混合法、連続式混合法などの
製造方法により製造することができる。例えば、その一
例を挙げると、任意のビルダ−を含む非加熱成分と洗剤
活性化合物の少なくとも一部を含むスラリ−を噴霧乾燥
し、得られた粉末をミキサ−等で圧縮し、その後漂白剤
や酵素といった成分を添加することにより製造すること
ができる。
【0053】
【作用】本発明に係る洗浄剤組成物は、洗剤ビルダーと
して特定の複合アルカリ金属を用いることを特徴とす
る。かかる複合アルカリ金属塩は、例えばNa2Si2
5の如き層状結晶構造の珪酸アルカリを炭酸化して得ら
れるものである。即ち、ゼオライトAより硬水軟化能が
大きいとされる二珪酸ナトリウム(Na2Si25、分
子量182)は2個のNaが1個のCaとイオン交換す
る。従って、理論交換容量はCaO(分子量56)で約
300mg/gを有するが、実際にはその溶解性のた
め、この値の半分程度しか能力を示さない。
【0054】Na2Si25を水分の存在化に炭素化す
ると下記の如く反応が進行し、得られる反応生成物は
(生成物分子量244)は2個のCaを捕捉でき、その
理論固定量は460mg/gとなって、Na2Si25
の1.5倍となる。
【0055】
【化2】Na2Si25 + H2O + CO2 → Na
HSi25 + NaHCO3
【0056】同様に、K2Si25の理論交換容量は2
60mg−CaO/gで、その炭酸化生成物(KHSi
25+KHCO3)は460mg−CaO/gで前者の
約1.6倍のカチオン捕捉能が理論的にあって、軟水硬
化能が大きい。このように本発明に用いられる複合アル
カリ金属塩は、カチオン交換容量(CEC)が、実際に
おいても少なくとも200mg−CaO/gの値を有す
るものである。
【0057】この複合アルカリ金属塩の特徴の1つは、
Na2Si25やK2Si25の欠点の1つである水溶性
が炭酸化によるアルカリの中和で抑制され、粉体固結性
が改善され、原体の層状構造が不規則化していることに
よる。このことはX線回折パターンを見れば確認するこ
とができる。この複合アルカリ金属塩はNaHCO3
KHCO3の回折パターンを示すが、原体の回折パター
ンやNaHSi25またはKHSi25の回折パターン
を全く示さないか、或いは結晶化度が低いものを示す。
これは、層間での炭酸塩結晶の成長などが珪酸構造を壊
しているものと考えられるが、このような不規則化した
珪酸構造がイオン交換能の活性化に役立っていると考え
られる。
【0058】第2の特徴は、硬水軟化の速度が極めて速
いことである。この原因は、炭酸根と硬水成分の反応速
度が極めて速いことによるものではない。なぜなら炭酸
根による場合では、通常、硬水軟化能力の半分が初期に
発現した後、珪酸塩の硬化がでるという2段階の現象を
示す。ところが、この複合アルカリ金属塩は、瞬時にし
て全部の硬水軟化能力を発現する。このことから察する
と、前記した結晶構造の不規則化はイオン交換に有利に
働くような新しい構造、例えば層間距離が拡大された構
造を意味しているものと推測される。また、遊離のアル
カリ成分も中和された適度の塩基度を有することから、
界面活性剤の機能をより好ましく発揮させるものと考え
られる。
【0059】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 <複合アルカリ金属塩(A)の調製>3号珪酸ソーダ
(日本化学工業(株)製:SiO2=29.0%、Na
O=9.5%、SiO2/Na2Oのモル比=3.15)
10kgを容器に仕込み、攪拌下にフレーク苛性ソーダ
(旭ガラス(株)製:NaOH=99.5%)740g
を投入し、80℃に加熱して溶解した。この珪酸ソーダ
をテフロン製バットに入れ、熱風温度300℃で乾燥
し、1mm以下に粉砕し、粉末状の珪酸ソーダをニッケ
ル製容器にとり、電気炉を用いて750℃の温度で3時
間焼成し結晶化をおこなった。この珪酸ソーダを1mm
以下に粉砕した。この珪酸ソーダのSiO2/Na2Oの
モル比は1.97であり、粉末法X線回折パターンは、
δ−Na2Si25であった。
【0060】この結晶性層状珪酸ソーダ100gを攪拌
機付きの容器に仕込み、攪拌を行い、40℃の温水を通
過させたCO2ガスを容器内に100mL/分で導入し
た。このときの水蒸気分圧は7kPaであった。珪酸ソ
ーダは160gまで重量が増加し、これ以上のガス導入
を続けても変化がなくなった。得られた複合アルカリ金
属塩の粉末回折パータンは図1に示したNaHCO3
あって、δ−Na2Si25は痕跡を示すだけで、層状
結晶構造が壊れたことが確認された。また、化学分析に
よる複合アルカリ金属塩のモル比は、SiO2:Na
2O:CO2が1.97:1.0:1.25であった。
【0061】<複合アルカリ金属塩の物性評価> ・カチオン交換能(CEC) 上記で得られた複合アルカリ金属塩(A)を0.1gを
精秤し、NH4Cl緩衝液2mLを添加した塩化カルシ
ウム水溶液(濃度CaCO3として500ppm)10
0mL中に加え、25℃で10分間攪拌した後、孔サイ
ズ0.2μmのメンブランフィルター(アドバンテック
社、ニトロセルロース製)を用いて濾過し、その濾過液
10mLに含まれるCa量をEDTA滴定方法により測
定した。その結果、上記で得られた複合アルカリ金属塩
(A)のCECは316mg−CaO/gであった。
【0062】・吸湿性 上記で得られた複合アルカリ金属塩(A)1.0gを1
00mLビーカーに精秤し30℃で、相対湿度80%の
恒温恒湿内に静置保存し、5時間保存後の重量増加を精
秤し、保存粉体の重量増加率(%)を求めたところ、
0.3重量%であった。
【0063】(実施例1)上記で得られた複合アルカリ
金属塩(A)を洗浄剤ビルダーとして、表1に示す組成
の洗浄剤組成物を調合した。次いで、これらの洗浄組成
物は、スラリーを100℃で乾燥し、破砕造粒すること
により製造した。
【0064】(比較例1)上記で得られた複合アルカリ
金属塩(A)の中間生成物である結晶質珪酸ソーダのδ
−Na2SiO5を洗剤ビルダーとして、実施例1と同様
な操作方法で表1に示す組成の洗浄剤組成物を調製し
た。
【0065】(比較例2)ゼオライト4Aを洗剤ビルダ
ーとして、実施例1と同様な操作方法で表1に示す組成
の洗浄剤組成物を調製した。
【0066】
【表1】
【0067】<洗浄力の評価> ・洗濯試料(泥汚れ汚染布) 園芸用赤玉土を120±5℃で2時間乾燥後粉砕、10
0メッシュパスのものを15gを100mLのパークレ
ンに分散し、日本油化学協会指定布60番をこの液に接
触、ブラッシングし、分散液を除去した後、過剰付着汚
れを除去し、洗濯試料とした。
【0068】<洗浄条件及び評価方法>評価用洗浄水溶
液250mLに、5cm×5cmの綿の泥汚れ汚染布
(洗濯試料)を2枚入れ、スリーワンモーターにて10
0rpmで下記の表2の条件で洗浄した。
【0069】
【表2】
【0070】洗浄力は洗浄前の原布および洗浄前後の汚
染布の440nmにおける反射率を自己色彩計にて測定
し、次式により洗浄力(%)を求めた。その結果を表3
に示した。なお、この洗浄力は、2枚の試料の平均値
(布の表裏2ヶ所の平均値)とした。
【0071】
【数1】
【0072】
【表3】
【0073】<複合アルカリ金属塩(B)の調製>珪酸
カリ(日本化学工業(株)製:SiO2=28.96
%、K2O=21.75%、SiO2/K2Oのモル比
2.09)10kgを容器に仕込み、攪拌下にフレーク
苛性カリ(旭硝子(株)製:KOH=99.5%)11
2gを投入し、80℃に加熱して溶解した。この珪酸カ
リをスプレードライヤーにて出口熱風温度110℃で乾
燥し、粉末状の珪酸カリとした。次いで、粉末状の珪酸
カリをニッケル製容器にとり、電気炉を用いて650℃
の温度で1時間焼成し結晶化を行った。この結晶性層状
珪酸カリを1mm以下に粉砕した。この結晶性層状珪酸
カリのSiO2/K2Oのモル比は2.0であり、粉末回
折パターンは、K2SiO5であった。
【0074】この結晶性層状珪酸カリ100gを攪拌機
付きの容器に仕込み攪拌を行い、50℃の温水中を通過
させたCO2ガスを容器に100mL/分で導入した。
なお、このときの水蒸気分圧は12kPaであった。珪
酸カリは148gまで重量が増加し、これ以上ガス導入
を続けても変化がなくなった。得られた複合アルカリ金
属塩(B)の粉末法X線回折パターンは、図2に示すよ
うにKHCO3であって、K2Si25は痕跡を示すだけ
で、層状結晶構造が壊れたことが確認された。また、化
学分析による複合アルカリ金属塩(B)のモル比は、S
iO2:K2O:CO2が2.0:1.0:1.5であっ
た。上記の条件で、カチオン交換能と吸湿性を測定した
ところ、カチオン交換能は273mg−CaO/g、吸
湿性は0.5重量%であった。
【0075】(実施例2)上記で得られた複合アルカリ
金属塩(B)を洗浄剤ビルダーとして、表4に示す組成
の洗浄剤組成物を調合した。次いで、この組成物は、ス
ラリーを噴霧乾燥し、破砕造粒することにより製造し
た。
【0076】(比較例3)上記で得られた複合アルカリ
金属塩(B)の中間生成物である結晶質層状珪酸カリの
2SiO5を洗浄剤ビルダーとして、実施例2と同様な
操作方法で表4に示す組成の洗浄剤組成物を調製した。
【0077】
【表4】
【0078】実施例1および比較例1〜2と同じ洗濯試
料(泥汚れ汚染布)を調製し、同様な操作および条件で
洗浄力を評価した。その結果を表5に示した。
【0079】
【表5】
【0080】(実施例3〜4)上記で得られた複合アル
カリ金属塩(A)を洗浄剤ビルダーとして、表6に示す
組成の洗浄剤組成物を調合した。次いで、これらの洗浄
組成物は、スラリーを噴霧乾燥した後、酵素粒を添加し
て、破砕造粒することにより製造した。
【0081】(比較例4〜5)ゼオライト4Aと二珪酸
ナトリウムを洗浄剤ビルダーとして、実施例3〜4と同
様の操作で表6に示す組成の洗浄剤組成物を調製した。
【0082】
【表6】
【0083】<洗浄力の評価> ・洗濯試料(皮脂汚れ汚染布)
【0084】皮脂汚れ汚染布の組成 綿実油 60重量% コレステロール 10重量% オレイン酸 10重量% パルミチン酸 10重量% 液体および固体パラフィン 10重量%
【0085】5cm×5cm木綿布に2gの上記組成よ
り成る皮脂組成より皮脂汚れを均一に塗布した。
【0086】・洗浄条件および評価方法 評価用洗浄水溶液1Lに5cm×5cmの綿の泥汚れ汚
染布(洗濯試料)を5枚入れ、ターゴトメーターにて1
00rpmで下記表7の条件で洗浄した。
【0087】
【表7】
【0088】洗浄力は、上記同様に洗浄前の原布及び洗
浄前後の汚染布の440nmにおける反射率を自己色彩
計にて測定し、その結果を表8に示した。なお、この洗
浄力は、5枚の試料の平均値とした。
【0089】
【表8】
【0090】
【発明の効果】本発明の洗浄剤組成物は、カルシウムイ
オン交換能が極めて高い、層状構造の壊れた珪酸アルカ
リと炭酸アルカリの結晶質粒子とからなる複合アルカリ
金属塩を洗剤ビルダーして含有しているので、高い洗浄
力効果が期待でき、工業用または民生用洗浄剤組成物と
しての利用価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた複合アルカリ金属塩の粉末
法X線回折パターンを示す図である。
【図2】実施例2で得られた複合アルカリ金属塩の粉末
法X線回折パターンを示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末法X線回折パターンにおいて、炭酸
    アルカリの結晶質粒子と珪酸アルカリの実質的な非晶質
    粒子とからなる複合体であって、該複合体はSiO2
    2O(ただしMはNa、KまたはLiを表す):CO2
    =(1.7〜2.5):1:(0.25〜2.0)のモ
    ル比を有し、かつ吸湿率が5重量%以下である複合アル
    カリ金属塩を、ビルダー成分として含有することを特徴
    とする洗浄剤組成物。
  2. 【請求項2】 複合アルカリ金属塩は、MHCO3(た
    だしMはNa、KまたはLiを表す)で表される結晶性
    炭酸アルカリ金属塩と、SiO2:M2O=(1.7〜
    2.5):1のモル比を有する結晶性層状珪酸アルカリ
    を炭酸化して層状結晶構造を実質的に非晶質化した珪酸
    アルカリ金属塩との混合粒子である請求項1に記載の洗
    浄剤組成物。
  3. 【請求項3】 複合アルカリ金属塩は、カチオン交換容
    量(CEC)が少なくとも200mg−CaO/gの値
    を有する請求項1または2に記載の洗浄剤組成物。
  4. 【請求項4】 複合アルカリ金属塩を有効成分として含
    有する洗剤ビルダーの配合量が、洗浄剤組成物中、5〜
    60重量%である請求項1に記載の洗浄剤組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000003948A1 (fr) * 1998-07-17 2000-01-27 Kao Corporation Poudre composite
JP2009084121A (ja) * 2007-10-01 2009-04-23 Kao Corp 複合粉体

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WO2000003948A1 (fr) * 1998-07-17 2000-01-27 Kao Corporation Poudre composite
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