JP5366610B2 - パラジクロロベンゼンの製造方法 - Google Patents
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Description
〔請求項1記載の発明〕
ベンゼン及びモノクロロベンゼンの少なくとも一方を原料として塩素ガスにより塩素化してパラジクロロベンゼンを製造する方法において、ゼオライトを含む触媒を内装した複数段を有する反応器のうち、初段の反応器に前記原料、塩素ガスを供給し、前段の反応生成物を未反応原料と生成物に分離し、未反応原料は前段の反応器に戻し、生成物を次段の反応器に供給し、次段以降の反応器には塩素ガスを供給し、最終段の反応生成物からパラジクロロベンゼンを得ることを特徴とするパラジクロロベンゼンの製造方法。
クロロメタン及びクロロエタンの少なくとも一種の冷却媒体を前記反応器の各段に導入し、前記冷却媒体を蒸発させて前記塩素化反応の温度上昇を抑制する請求項1記載のパラジクロロベンゼンの製造方法。
前記冷却媒体の蒸発ガス分は、反応器外で凝縮させその凝縮液を前記冷却媒体として再利用する請求項2記載のパラジクロロベンゼンの製造方法。
前記反応器内に前記ゼオライトを含む触媒を固定床として内装する請求項1〜3のいずれかに記載のパラジクロロベンゼンの製造方法。
前記ゼオライトを含む触媒が、ゼオライトがアルミナゾルを主成分とする成型基剤により成型されて得られる請求項1〜4のいずれかに記載のパラジクロロベンゼンの製造方法。
前記ゼオライトがプロトンタイプのゼオライトである請求項1〜5のいずれかに記載のパラジクロロベンゼンの製造方法。
前記ゼオライトがベータ型のゼオライトである請求項1〜6のいずれかに記載のパラジクロロベンゼンの製造方法。
前記ゼオライトがMFI型のゼオライトである請求項1〜6のいずれかに記載のパラジクロロベンゼンの製造方法。
前記原料、塩素ガス及び冷却媒体をダウンフローで流通させる請求項1〜8のいずれかに記載のパラジクロロベンゼンの製造方法。
前記塩素化反応を温度40〜130℃、圧力10atm以下で行う請求項1〜9のいずれかに記載のパラジクロロベンゼンの製造方法。
前述のように、塩化第二鉄などの均一系触媒では、p−DCBの選択性が低いばかりでなく、触媒の分離回収の装置的な負担が大きくなる。そこで、ゼオライト触媒を使用することで、p−DCBの選択性を高め、また、固体触媒として使用することにより、再利用を可能とした。
1)原料及び原料不純物:ベンゼン、塩素
2)溶剤・用役及びその不純物: クロロホルム、水
3)反応生成物:モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、塩化水素
以上の成分を考慮して、適宜の分離手段を組み合わせて、目的にパラジクロロベンゼンを得る。
Bz(C6H6)→MCB(C6H5Cl)→PDCB、MDCB、ODCB(p−C6H4Cl2、o−C6H4Cl2、m−C6H4Cl2→ TCB(C6H3Cl3)
PDCB合成反応システム:
C6H6 +Cl2 → C6H5Cl+HCl (1)
C6H5Cl +Cl2 → p−C6H4Cl2+HCl (2)
C6H5Cl +Cl2 → o−C6H4Cl2+HCl (3)
C6H5Cl +Cl2 → m−C6H4Cl2+HCl (4)
p−C6H4Cl2+Cl2 → C6H3Cl3+HCl (5)
o−C6H4Cl2+Cl2 → C6H3Cl3+HCl (6)
C6H3Cl3 +Cl2 → C6H2Cl4+HCl (7)
ベンゼンの塩素付加反応によるテトラクロロシクロヘキセン及びベンゼンヘキサクロライドの生成:
C6H6 + 2Cl2 → C6H6Cl4 (8)
C6H6 + 3Cl2 → C6H6Cl6 (9)
好ましくない副反応により生成するテトラクロロシクロヘキセン及びベンゼンヘキサクロライドは触媒の被毒物質となる可能性があり、触媒の劣化につながる可能性が懸念される。
本発明では、ゼオライトを含む触媒を使用する。このゼオライトとしては、小細孔径タイプのエリオナイト、オフレタイト、フェリエライト、中細孔径タイプのL型、ZSM−5(MFI)、MCM−22(MWW)、大細孔径タイプのベータ型 (BEA)、モルデナイト(MOR)、X型、T型(FAU)等が挙げられ、いずれも使用できる。好ましくは、中細孔径タイプの L型、ZSM−5(MFI)、MCM−22(MWW)、大細孔径タイプのベータ型 (BEA)、モルデナイト(MOR)、X型、T型(FAU) 、Y型(USY)が使用できる。
以下、アルミナを主成分とする成型基剤を用いない例におけるゼオライト触媒を開示する。本形態では、イオン交換サイトを金属カチオンで置換したゼオライトを使用する。
ゼオライト触媒は、固定床として使用し、原料、塩素ガス及び冷却媒体を流通させるのが望ましい。
反応器での反応生成物中には、副生物(炭化水素化合物)及び塩化水素が含まれている。塩化水素の沸点は−85℃であり、極めて液体回収が難しいので、水溶液として回収する。回収する塩化水素濃度はできるだけ高い方が望ましいが、35%HCl程度ならば容易に回収できる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の好適な実施の形態を示す。
10は反応器であり、実施の形態では2段構成である。原料たるベンゼン1は、必要により図示しない水分除去手段により予め水分が除去された後に、第1段の反応器10の塔頂から供給される。
図1のフローに従ってベンゼンを原料として塩素ガスにより塩素化してパラジクロロベンゼンを製造した。反応器内にBEAゼオライト触媒のシリカ成形体を固定床として内装した。
反応温度80℃、圧力1.8kg/cm2の条件で塩素化反応を行った。塩素化度としては約2.0とした。
得られたp−DCBの選択性は74.6%であり、高い選択性をもって、p−DCBを安定して製造できた。
従来法である均一系触媒塩化第二鉄FeCl3を用いた比較例を示す。反応装置としては、図9に示すように、ジャケット51及び攪拌機52付き完全混合型反応器50を使用し、これに塩素を供給ブロアから、ベンゼン及びFeCl3を供給し、冷却水ユニット53によりジャケット51を介して冷却しながら反応を行うものである。底部からの反応生成物は冷却後に液貯槽54に、頂部からのガス液成分は冷却後にガス液貯槽55に貯留した。
○ 触媒FeCl3濃度:0.0088触媒mol/ベンゼンmol
○ 原料塩素ガス供給速度:0.85mol/ベンゼンmol
○ 反応温度:80℃
図10から均一系触媒は反応が逐次及び併発的にも進行していることがわかる。この理由として、均一系触媒は拡散の抵抗がないため、ベンゼンとMono体、あるいはMono体とDi体が同時に反応したためだと考えられる。それ故、反応におけるDi体選択性は最大80%に留まる。
標準条件の反応温度80℃から70℃に下げて実験を行った。結果を図13に示す。反応温度を下げても、Para体選択性は変わらないことがわかる。
Claims (10)
- ベンゼン及びモノクロロベンゼンの少なくとも一方を原料として塩素ガスにより塩素化してパラジクロロベンゼンを製造する方法において、ゼオライトを含む触媒を内装した複数段を有する反応器のうち、初段の反応器に前記原料、塩素ガスを供給し、前段の反応生成物を未反応原料と生成物に分離し、未反応原料は前段の反応器に戻し、生成物を次段の反応器に供給し、次段以降の反応器には塩素ガスを供給し、最終段の反応生成物からパラジクロロベンゼンを得ることを特徴とするパラジクロロベンゼンの製造方法。
- クロロメタン及びクロロエタンの少なくとも一種の冷却媒体を前記反応器の各段に導入し、前記冷却媒体を蒸発させて前記塩素化反応の温度上昇を抑制する請求項1記載のパラジクロロベンゼンの製造方法。
- 前記冷却媒体の蒸発ガス分は、反応器外で凝縮させその凝縮液を前記冷却媒体として再利用する請求項2記載のパラジクロロベンゼンの製造方法。
- 前記反応器内に前記ゼオライトを含む触媒を固定床として内装する請求項1〜3のいずれかに記載のパラジクロロベンゼンの製造方法。
- 前記ゼオライトを含む触媒が、ゼオライトがアルミナゾルを主成分とする成型基剤により成型されて得られる請求項1〜4のいずれかに記載のパラジクロロベンゼンの製造方法。
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