JP2015107921A - ピペラジン及びトリエチレンジアミンの製造法 - Google Patents

ピペラジン及びトリエチレンジアミンの製造法 Download PDF

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Yasutake Wakabayashi
保武 若林
柳瀬 学
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Abstract

【課題】 ピペラジンをより選択的且つ高収率で得られるピペラジン及びトリエチレンジアミンの製造法を提供する。
【解決手段】 ジエチレントリアミンをBEA構造を有するゼオライトと接触させて反応させ、工程(1)で得られた反応生成物をMFI構造を有するゼオライトと接触させて反応させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ピペラジン及びトリエチレンジアミンの製造法に関する。
ピペラジン、トリエチレンジアミン等のピペラジン類は医農薬中間体、有機合成用触媒、化学吸着剤、又は抗菌剤として有用な化合物である。
ピペラジン類の合成法としては、ゼオライトを触媒として使用し、エチレンジアミン類から、ピペラジンをトリエチレンジアミンと同時に製造する方法が知られている。
例えば、未処理のペンタシルゼオライトを使用してポリエチレンポリアミン又はエタノールアミンからトリエチレンジアミン及びピペラジンの混合物の製造する方法(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)が知られている。また、酸性度の低いペンタシル型のゼオライト(具体的には、アルカリ金属イオンを含有するか又はゼオライト骨格のアルミニウムが鉄により同形的に置換されているペンタシル型のゼオライト)を触媒とし、エチレンジアミンからトリエチレンジアミン及びピペラジンを製造する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、本件出願人も、500℃〜950℃の温度にて焼成し、次いで、無機酸で接触処理された、アルミナに対するシリカのモル比が12以上の結晶性アルミノシリケートから成る触媒と、エチレンジアミン類とを接触させることにより、トリエチレンジアミン類及びピペラジン類を製造する方法を既に特許出願している(例えば、特許文献3参照)。
これらの方法は、触媒として、MFI構造を有するペンタシル型のゼオライト、例えばZSM−5を使用する技術であるが、主生成物として得られるのはトリエチレンジアミンであり、ピペラジンの収率はトリエチレンジアミンに比べ低かった。ピペラジンを主生成物として得ようとした場合、原料の転化率を低くする必要があり、生産性に問題があった。
特開平01−143864号公報 特開平03−133971号公報 特開2000−344776号公報
Journal of Catalysis,144,556,1993
本発明は、上記した背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、ピペラジンをより選択的且つ高収率で得られるピペラジン及びトリエチレンジアミンの製造法を提供することにある。
本発明者らは、ピペラジン及びトリエチレンジアミンの製造法について鋭意検討を重ねた結果、特定のゼオライトを触媒とすることでジエチレントリアミンから選択性よくピペラジン及びトリエチレンジアミンが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下に示すとおりのピペラジン及びトリエチレンジアミンの製造法である。
[1]ジエチレントリアミンをBEA構造を有するゼオライトと接触させて反応させる工程(1)、及び工程(1)で得られた反応生成物をMFI構造を有するゼオライトと接触させて反応させる工程(2)を含むピペラジン及びトリエチレンジアミンの製造法。
[2]BEA構造を有するゼオライトが、β型ゼオライト、β型メタロアルミノシリケート、及びβ型メタロシリケートからなる群より選ばれる少なくとも1種である上記[1]に記載の製造法。
[3]BEA構造を有するゼオライトが、プロトン型のゼオライト、金属イオン交換されたゼオライト、金属を担持したゼオライト、金属を含浸させたゼオライトの群から選ばれる少なくとも1種のゼオライトである上記[1]又は[2]に記載の製造法。
[4]工程(1)における反応温度が、200〜500℃の範囲である上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の製造法。
[5]工程(1)における反応生成物が、ピペラジン、トリエチレンジアミン、及びエチレンジアミンを含む上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の製造法。
[6]MFI構造を有するゼオライトが、プロトン型のゼオライト、金属イオン交換されたゼオライト、金属を担持したゼオライト、及び金属を含浸させたゼオライトの群から選ばれる少なくとも1種のゼオライトである上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の製造法。
[7]工程(2)における反応温度が、200℃〜400℃の範囲である上記[1]乃至[6]のいずれかに記載の製造法。
[8]工程(2)における反応生成物が、ピペラジンを主成分として含む上記[1]乃至[7]のいずれかに記載の製造法。
本発明の製造法は、安価な原料を利用し、ピペラジンをより選択的且つ高収率で得られるため、経済性、生産性に優れ、工業的に有用な方法である。本発明の製造法によれば、ジエチレントリアミンから、ピペラジン及びトリエチレンジアミンを、ピペラジンを主成分として(ピペラジンの収率が、トリエチレンジアミントリエチレンジアミンの収率以上である)得ることができる。
また、本発明の製造法は、簡便な方法で実施することができ、安全性、操作性にも優れるため、工業的に極めて有用である。
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のピペラジン及びトリエチレンジアミンの製造法は、ジエチレントリアミンをBEA構造を有するゼオライトと接触させて反応させる工程(1)、及び工程(1)で得られた反応生成物をMFI構造を有するゼオライトと接触させて反応させる工程(2)を含むことをその特徴とする。
まず、本発明の工程(1)について説明する。
本発明の工程(1)では、BEA構造を有するゼオライトが触媒として用いられる。
本発明において、BEA構造を有するゼオライトとしては、国際ゼオライト学会で定義される構造コードBEAに属する骨格構造を有するゼオライトであれば、特に限定するものではないが、例えば、β型ゼオライト、β型ゼオライトの骨格のアルミニウムの代わりに他の金属種又は半金属種をゼオライト骨格に導入した、BEA型メタロアルミノシリケート又はBEA型メタロシリケート等が挙げられる。
本発明において、β型ゼオライトのSiO/Al(モル比)は特に限定するものではないが、例えば、25以上、より好ましくは40〜200の範囲であれば、触媒活性値がある程度高く、しかも、触媒活性の耐熱性に優れているので好ましい。
本発明において、BEA型メタロアルミノシリケート又はBEA型メタロシリケートとしては、特に限定するものではないが、例えば、ゼオライト骨格中のアルミニウムを、ホウ素、ガリウム、チタン、鉄、クロム、及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種で同形置換した、BEA構造を有するゼオライトが挙げられる。これらのうち、ゼオライト骨格中のアルミニウムを鉄で同形置換したBEA構造を有するゼオライトである、β型鉄シリケートが好ましい。
また、本発明において、β型鉄シリケートとしては、例えば、特開2011−148677号公報に開示された、乾燥重量に対するフッ素の含有率が400ppm以下、走査型電子顕微鏡観察において結晶粒子が双四角錐台形状である鉄の全部又は一部をβ骨格構造中に含有するβ型鉄シリケートが好適なものとして挙げられる。当該β型鉄シリケートは、例えば、SiO/Al(モル比)が300以上、乾燥重量に対して少なくとも5.5重量%以上の鉄を含有するものである。そして、当該β型鉄シリケートは、例えば、鉄、シリカ、アルミナ、SDA(構造指向剤)からなる原料混合物であって、特に(SDA/SiO)モル比が0.1〜0.35の組成物を水熱結晶化することによって製造することができる。
本発明において、BEA構造を有するゼオライトを2種以上組み合わせる場合、その種類及び比率は任意に変えることができる。
本発明において、BEA構造を有するゼオライトに従来公知の方法で前処理を実施してもよい。例えば、当該ゼオライトのイオン交換サイトがプロトンで置換されたプロトン型のゼオライトが挙げられる。
本発明において、BEA構造を有するゼオライトは、通常、プロトン型として用いられるが、イオン交換法、吸着法等の公知の方法で水素イオンを各種金属イオンでイオン交換したゼオライト、含浸法等の公知の方法で金属を含浸したゼオライト、蒸発乾固法、共沈法等の公知の方法で金属を担持したゼオライト等を使用することができる。
イオン交換、含浸、又は担持する金属としては、特に限定するものではないが、例えば、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cs、Ba、W、Pt、Au、La、Ce、Yb等が挙げられる。これらの中でも、コスト、反応性、及び安全性の観点から、Li、Na、Mg、K、Ca、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ag、Cs、Ba、La、及びCeからなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。
本発明において、BEA構造を有するゼオライトの形態は、反応形式に応じて自由に選択できる。例えば、連続反応に用いるときは成型体、回分反応に用いるときは粉末又は成型体を使用することが好ましい。成型体の形状は、例えば、球状、円柱状、円筒状、顆粒状、不定形等から自由に選択できる。成型方法には、例えば、打錠成型、押し出し成型、転動造粒、噴霧乾燥等、種々の方法があるが、特に限定されない。また、成型する際には、粘土、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ等の公知の結合剤(バインダー)を用いることができる。
本発明において、工程(1)の反応を行う際には、ジエチレントリアミンを希釈剤で希釈して反応することが好ましい。希釈剤としては特に限定するものではないが、例えば、窒素ガス、水素ガス、アンモニアガス、水蒸気、炭化水素等の不活性ガス、水、不活性な炭化水素等の不活性溶媒が挙げられる。本発明においては、これらのうち単独又は複数を用いて原料を希釈し、反応を進行させることが好ましい。希釈剤の使用量は、特に限定するものではないが、原料のジエチレントリアミンに対して、0.1〜50重量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは5〜30重量%である。ジエチレントリアミンが0.1重量%未満ではピペラジン類の生産性が低下するおそれがあり、50重量%を超えるとピペラジン及びトリエチレンジアミンの選択性が低下する場合がある。
本発明において、工程(1)の反応における希釈剤は、ジエチレントリアミンと同時に反応器内に導入してもよく、予めジエチレントリアミンを希釈剤に溶解させた後に、原料溶液として反応器に導入してもよい。
本発明において、工程(1)の反応は200〜500℃の温度範囲で実施することが好ましく、250〜400℃の温度範囲で実施することがより好ましい。200℃未満でも反応は進行するが、十分な反応速度が得られない場合あり、温度を下げる利点は少ない。また、500℃を越える温度で反応させると原料及び反応生成物が分解するおそれがあり、ピペラジン及びトリエチレンジアミンの選択率が低下するおそれがある。
本発明において、工程(1)の反応は、常圧〜50MPaの圧力範囲で実施することが好ましく、0.1〜5MPaの圧力範囲で実施することがより好ましい。50MPaを越える圧力で反応させても、特別な相乗効果はなく、安全面では工業的に不利となる。
本発明において、工程(1)で供給するジエチレントリアミンの量は、用いるゼオライト1kgに対して1時間当たり、通常0.01〜10kgの範囲であり、好ましくは0.05〜5kgの範囲である。0.01kgより少ない場合には、ピペラジン及びトリエチレンジアミンの生産性が低下するおそれがあり、10kgを超えるとピペラジン及びトリエチレンジアミンの選択性が低下するおそれがある。
本発明において、工程(1)の反応は、気相反応、又は液相反応で行うことができる。反応様式は、回分式、半回分式、又は固定床のいずれの方法によって実施してもよい。使用する反応器は、例えば、槽型、管型等のいずれの形状でもよい。
本発明において、工程(1)における反応生成物と使用する触媒との分離には、ろ過、デカンテーション等の固体と液体とを分離する一般的な方法を用いることができる。また、蒸留等、公知の方法により反応生成物を触媒とを分離することもできる。反応生成物と触媒との分離操作が不要な固定床で実施することが好ましい。
次に、本発明の工程(2)について説明する。
本発明の工程(2)では、MFI構造を有するゼオライトが触媒として用いられる。MFI構造を有するゼオライトとしては、国際ゼオライト学会で定義される構造コードMFIに属する骨格構造を有するゼオライトであれば、特に限定するものではないが、例えば、ZSM−5が好適に用いられる。
本発明において、MFI構造を有するゼオライトのSiO/Al(モル比)は特に限定するものではないが、例えば、12以上、より好ましくは40〜5000の範囲であれば、触媒寿命を長く、且つ触媒活性を高く維持でき、より経済的であり好ましい。
本発明において、MFI構造を有するゼオライトに従来公知の方法で前処理を実施してもよい。例えば、ゼオライトのイオン交換サイトがプロトンで置換されたプロトン型のゼオライトが挙げられる。
本発明において、MFI構造を有するゼオライトは、通常、プロトン型として用いられるが、イオン交換法、吸着法等の公知の方法で水素イオンを各種金属イオンでイオン交換したゼオライト、含浸法等の公知の方法で金属を含浸したゼオライト、蒸発乾固法、共沈法等の公知の方法で金属を担持したゼオライト等を使用することができる。
イオン交換、含浸、又は担持する金属としては、特に限定するものではないが、例えば、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cs、Ba、W、Pt、Au、La、Ce、Yb等が挙げられる。これらの中でも、コスト、反応性、及び安全性の観点から、Li、Na、Mg、K、Ca、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ag、Cs、Ba、La、及びCeからなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。
本発明において、上記のゼオライトの形態は、反応形式に応じて自由に選択できる。例えば連続反応に用いるときは成型体、回分反応に用いる時は粉末又は成型体を使用することができる。成型体の形状も球状、円柱状、円筒状、顆粒状、不定形等自由に選択できる。成型方法は打錠成型、押し出し成型、転動造粒、噴霧乾燥等種々の方法があるが、特に限定されない。また、成型する際には、粘土、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ等の公知の結合剤(バインダー)を用いることができる。
本発明において、工程(2)の反応を行う際には、工程(1)で得られた反応生成物を希釈剤で希釈してもよいし、希釈しなくてもよい。希釈剤としては特に限定するものではないが、窒素ガス、水素ガス、アンモニアガス、水蒸気、炭化水素等の不活性ガス、水、不活性な炭化水素等の不活性溶媒が挙げられる。本発明においては、これらのうち単独あるいは複数を用いて工程(1)で得られた反応生成物を希釈し、反応を進行させることができる。これらの希釈剤は任意の量で使用でき、特に限定されない。工程(1)の反応において予め希釈剤で希釈されたジエチレントリアミンを反応させて得られた反応生成物をそのまま工程(2)の原料として用いることが簡便であり、より好ましい。
本発明において、工程(2)の反応における希釈剤は、工程(1)で得られた反応生成物と同時に反応器内に導入してもよく、工程(1)で得られた反応生成物を予め希釈剤に溶解させた後に、原料溶液として反応器に導入してもよい。
本発明において、工程(2)の反応は、200〜500℃の温度範囲で実施することが好ましく、さらに250〜400℃の温度範囲で実施することが好ましい。200℃未満でも反応は進行するが、十分な反応速度が得られない場合あり、温度を下げる利点は少ない。また500℃を越える温度で反応させると原料及び生成物が分解するおそれがあり、ピペラジン類の選択率が低下することがある。
本発明において、工程(2)の反応は、常圧〜50MPaの圧力範囲で実施することが好ましく、さらに0.1〜5MPaの圧力範囲で実施することが好ましい。50MPaを越える圧力で反応させても、特別な効果は無く、安全面で工業的に不利となる。
本発明において、工程(2)で供給する、工程(1)で得られた反応生成物の量は、希釈剤を除いて、用いるゼオライト1kgに対し1時間当たり、通常0.01〜10kgの範囲、好ましくは0.05〜5kgの範囲である。0.01kgより少ない場合、ピペラジンの生産性が低下するおそれがあり、10kgを超えるとピペラジン及びトリエチレンジアミンの選択性が低下するおそれがある。
本発明において、工程(2)の反応は気相反応、液相反応で行うことができる。反応様式は回分式、半回分式、又は固定床のいずれの方法によって実施してもよい。使用する反応器は、例えば、槽型、管型等のいずれの形状でもよい。
本発明において、工程(2)における反応生成物と使用する触媒との分離には、ろ過、デカンテーション等の固体と液体とを分離する一般的な方法を用いることができる。また、蒸留等、公知の方法により反応生成物を触媒とを分離することもできる。反応生成物と触媒との分離操作が不要な固定床で実施することが好ましい。
本発明において、工程(2)における反応生成物中に含まれるピペラジン及びトリエチレンジアミンと希釈剤とを分離する方法は特に限定されないが、蒸留等の公知の方法を用いることができる。分離された希釈剤は工程(1)と工程(2)の両方又はいずれか一方の希釈剤として用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
また、本実施例における原料の転化率、生成物の収率はガスクロマトグラフ分析で確認した。ガスクロマトグラフ分析はガスクロマトグラフGC−2014(島津製作所製)を用い、カラムにはDB−5(アジレント・テクノロジー社製)、検出器にはFIDを用いた。
実施例1 (ピペラジン及びトリエチレンジアミンの合成)
工程(1):
β型鉄シリケート(SiO/Al=800、SiO/Fe=27)を、特開2011−148677号公報の実施例1に記載の方法に準じて製造した。
すなわち、3号珪酸ソーダ、98%硫酸、水及び硝酸鉄九水和物を混合し、生成したゲルを固液分離し、純水により洗浄した。洗浄後のゲルに所定量の水、35%TEAOH及び48%NaOHを加えて十分に撹拌混合した。この反応混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、回転条件下150℃で90時間加熱してβ型鉄シリケートを結晶化した。
得られたβ型鉄シリケートを、加圧成型器で成型後、乳鉢で破砕、篩で分級し、3.5メッシュの成型体として、直径15mmのガラス反応管に20ml充填し、その上下部にそれぞれセラミックス製ラシヒリング(直径3mm×長さ3mm×厚さ1mm)を詰め、触媒層とした。
触媒層の温度を320℃に保ち、上部より原料の10%ジエチレントリアミン水溶液を0.34ml/分の速度で滴下した。得られた反応混合ガスをコンデンサーで冷却し、反応生成物を得た。生成物を分析した結果、ジエチレントリアミンの転化率は100%であり、ピペラジンの収率は42モル%、トリエチレンジアミンの収率は12モル%、エチレンジアミンの収率は25モル%であった。
工程(2):
直径15mmガラス反応管に、加圧成型器で成型後、乳鉢で破砕、篩で分級し、3.5メッシュの成型体としたZSM−5(東ソー社製、HSZ−860HOA、SiO/Alモル比=70)を20ml充填し、その上下部にそれぞれセラミックス製ラシヒリング(直径3mm×長さ3mm×厚み1mm)を詰めた。触媒層の温度を260℃に保ち、上部より工程(1)で得られた組成の水溶液を0.34ml/分の速度で滴下した。得られた反応混合ガスをコンデンサーで冷却し、反応生成物を得た。生成物を分析した結果、エチレンジアミンの転化率は80%、ピペラジンの収率は51モル%、トリエチレンジアミンの収率は20モル%、エチレンジアミンの残存量は6モル%であった。
実施例2 (ピペラジン及びトリエチレンジアミンの合成)
工程(2):
ZSM−5(東ソー社製、HSZ−860HOA、SiO/Alモル比=70)の代わりにZSM−5(東ソー社製、HSZ−840HOA、SiO/Alモル比=40)を用いたこと、触媒層の温度を280℃にしたこと以外は、実施例1に記載の工程(2)の方法と同様の操作により反応生成物を得た。生成物を分析した結果、エチレンジアミンの転化率は71%、ピペラジンの収率は49モル%、トリエチレンジアミンの収率は14モル%であった。
実施例3 (ピペラジン及びトリエチレンジアミンの合成)
工程(2):
ZSM−5(東ソー社製、HSZ−860HOA、SiO/Alモル比=70)の代わりにZSM−5(東ソー社製、HSZ−850HOA、SiO/Alモル比=50)を用いたこと、触媒層の温度を270℃にしたこと以外は、実施例1に記載の工程(2)の方法と同様の操作により反応生成物を得た。生成物を分析した結果、エチレンジアミンの転化率は93%、ピペラジンの収率は48モル%、トリエチレンジアミンの収率は21モル%であった。
実施例4 (ピペラジン及びトリエチレンジアミンの合成)
工程(2):
ZSM−5(東ソー社製、HSZ−860HOA、SiO/Alモル比=70)の代わりにZSM−5(東ソー社製、HSZ−830HOA、SiO/Alモル比=28)を用いたこと、触媒層の温度を280℃にしたこと以外は、実施例1に記載の工程(2)の方法と同様の操作により反応生成物を得た。生成物を分析した結果、エチレンジアミンの転化率は92%、ピペラジンの収率は48モル%、トリエチレンジアミンの収率は20モル%であった。
実施例5 (ピペラジン及びトリエチレンジアミンの合成)
工程(2):
ZSM−5(東ソー社製、HSZ−860HOA、SiO/Alモル比=70)の代わりに公知の方法でNaイオン交換したNa型ZSM−5(東ソー社製、HSZ−830HOA、SiO/Alモル比=28)を用いたこと、触媒層の温度を270℃にしたこと以外は、実施例1に記載の工程(2)の方法と同様の操作により反応生成物を得た。生成物を分析した結果、エチレンジアミンの転化率は93%、ピペラジンの収率は50モル%、トリエチレンジアミンの収率は19モル%であった。
実施例6〜9 (ピペラジン及びトリエチレンジアミンの合成)
工程(2)の条件を表1に示す触媒及び反応条件とする以外は、実施例1に記載の方法と同様の操作により反応混合物を得た。結果を表1に併せて示す。
Figure 2015107921
比較例1 (ピペラジン及びトリエチレンジアミンの合成)
工程(2):
ZSM−5(東ソー社製、HSZ−860HOA、SiO/Alモル比=70)の代わりにβ型ゼオライト(東ソー社製、HSZ−930HOA、SiO/Alモル比=27)を用いたこと、触媒層の温度を290℃にしたこと以外は、実施例1に記載の方法と同様の操作により反応生成物を得た。生成物を分析した結果、エチレンジアミンの転化率は47%、ピペラジンの収率は40モル%、トリエチレンジアミンの収率は12モル%、エチレンジアミンの残存量は14モル%であった。
比較例2 (ピペラジン及びトリエチレンジアミンの合成)
工程(2):
触媒層の温度を320℃にしたこと以外は、比較例1に記載の方法と同様の操作により反応生成物を得た。生成物を分析した結果、エチレンジアミンの転化率は100%、ピペラジンの収率は34モル%、トリエチレンジアミンの収率は12モル%であり、ピペラジン及びトリエチレンジアミンの収率が低下した。

Claims (8)

  1. ジエチレントリアミンをBEA構造を有するゼオライトと接触させて反応させる工程(1)、及び工程(1)で得られた反応生成物をMFI構造を有するゼオライトと接触させて反応させる工程(2)を含むピペラジン及びトリエチレンジアミンの製造法。
  2. BEA構造を有するゼオライトが、β型ゼオライト、β型メタロアルミノシリケート、及びβ型メタロシリケートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の製造法。
  3. BEA構造を有するゼオライトが、プロトン型のゼオライト、金属イオン交換されたゼオライト、金属を担持したゼオライト、金属を含浸させたゼオライトの群から選ばれる少なくとも1種のゼオライトであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製造法。
  4. 工程(1)における反応温度が、200〜500℃の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の製造法。
  5. 工程(1)における反応生成物が、ピペラジン、トリエチレンジアミン、及びエチレンジアミンを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の製造法。
  6. MFI構造を有するゼオライトが、プロトン型のゼオライト、金属イオン交換されたゼオライト、金属を担持したゼオライト、及び金属を含浸させたゼオライトの群から選ばれる少なくとも1種のゼオライトであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の製造法。
  7. 工程(2)における反応温度が、200℃〜400℃の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の製造法。
  8. 工程(2)における反応生成物が、ピペラジンを主成分として含むことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の製造法。
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