JP5337276B1 - 逆打ち工法用免震装置支持ユニット及びそれを使用した免震構造物の施工方法 - Google Patents

逆打ち工法用免震装置支持ユニット及びそれを使用した免震構造物の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】免震構造物を逆打ち工法により構築する方法において、地中に先行して挿入されている構真柱の周りにコンクリートを打設して地下区間(下部構造)の柱を完成させる場合に、構真柱の頂部に設置される免震装置の水平方向と鉛直方向の設置精度を確保する。
【解決手段】地中に構真柱2を挿入した後、構真柱2の頂部上に免震装置6を設置し、免震装置6上に上部構造7を構築する逆打ち工法による免震構造物の構築に使用される免震装置支持ユニット4を、免震装置6の底面が固定されるベースプレート41と、ベースプレート41の片面に固定され、構真柱2の頂部に接合されるブラケット42と、ブラケット42の外周部に固定され、構真柱2の頂部の周囲に一体化する下部継手部材21にレベル調整可能に連結され、ベースプレート41のレベルを調整する上部継手部材43から構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は免震構造物を逆打ち工法により構築する場合に、構真柱の地中への挿入後、構真柱の頂部に設置される免震装置の水平方向と鉛直方向の設置精度を確保するために使用される免震装置支持ユニットと、それを使用して免震装置の設置精度を確保しながら免震構造物の少なくとも下部構造を構築する免震構造物の施工方法に関するものである。
逆打ち工法により免震構造物を構築する方法では、構真柱の地中への挿入後、地盤面上に露出する構真柱の頂部(天端)上に免震装置を設置し、免震装置上に上部構造を構築することが行われる。この場合、構真柱の頂部寄りの区間は地盤から露出することで、水平方向の変形(変位)に対して地盤から水平方向に拘束されない状態に置かれるため、免震装置の設置時、あるいは上部構造の構築時に構真柱の頂部が水平方向に変位する可能性がある。構真柱の頂部に水平変位が生ずれば、上部構造の設置(構築)状態に施工誤差を残すことになり、上部構造、あるいは免震装置、もしくは構真柱を含む下部構造に水平方向の残留変形を生じさせることになる。
また各構真柱が挿入される地点の地盤条件の差等に起因し、複数本の構真柱の頂部の天端のレベルにばらつきが生ずる可能性があり、各構真柱の天端のレベルに差が生ずれば、各構真柱上に設置される免震装置が負担すべき軸方向圧縮力が均等にならなくなる。この結果、免震装置に接合される構真柱と上部構造の柱の負担(軸方向力)にも差が生ずる可能性があるため、免震装置と上部構造の柱、あるいは下部構造の構真柱に鉛直方向の残留変形を生じさせることになる。
構真柱頂部の水平方向の変位に対しては隣接する構真柱の頂部間につなぎ梁式に水平材を架設し、頂部を拘束することにより防止、あるいは抑制することができると考えられる(特許文献1参照)。水平材は構真柱の挿入時の地盤面上に敷設される。
特開2008−303587号公報(請求項1、段落0015、図2〜図4)
但し、構真柱の頂部間に水平材を架設する方法は構真柱がそのまま地下の柱として使用される場合にのみ有効であり、構真柱の周りにコンクリートを打設し、地下区間の柱を鉄筋コンクリート造柱として完成させる場合には、コンクリートの打設時に水平材を撤去(回収)しなければならないため、水平材は構真柱の拘束手段としての役目を果たせなくなる。この場合、水平材の撤去後から上部構造構築時までの期間は構真柱の拘束手段が不在になるため、構真柱の頂部に水平変位を生じさせる可能性がある。
本発明は上記背景より、免震構造物を逆打ち工法により構築する方法において、地中に先行して挿入されている構真柱の周りにコンクリートを打設して地下区間(下部構造)の柱を完成させる場合に、構真柱の頂部に設置される免震装置の水平方向と鉛直方向の設置精度を確保することが可能な逆打ち工法用免震装置支持ユニットとそれを使用した免震構造物の施工方法を提案するものである。
請求項1に記載の発明の逆打ち工法用免震装置支持ユニットは、地中に構真柱を挿入した後、その構真柱の頂部上に免震装置を設置し、その免震装置上に上部構造を構築する逆打ち工法による免震構造物の構築に使用される免震装置支持ユニットであり、
前記免震装置の底面が固定されるベースプレートと、このベースプレートの片面に固定され、前記構真柱の頂部に接合されるブラケットと、このブラケットの外周部に固定され、前記構真柱の頂部の周囲に一体化する下部継手部材にレベル調整可能に連結され、前記ベースプレートのレベルを調整する上部継手部材とを備えることを構成要件とする。
免震装置支持ユニットはブラケットを下に向け、ベースプレートを上に向けた状態で、地中に挿入済みの構真柱の天端上に載置され、その状態で上部継手部材が構真柱に一体化している下部継手部材に連結されることで、ブラケットの下端が構真柱の天端に突き当たった状態で、もしくは後述するレベル調整の結果として構真柱の天端から上昇した状態で構真柱の天端上に固定される。ベースプレートの上面は免震装置を受けるため、水平面をなした状態に調整される。「地中に挿入」の「地中」には構真柱を直接、支持する杭が含まれる。
「構真柱の頂部」は構真柱の天端を含む部分(区間)を指し、免震装置が設置される「構真柱の頂部上」は「構真柱の頂部」の上(上方)の部分を指す。実際には構真柱の天端上に免震装置支持ユニットが載置されるため、免震装置は免震装置支持ユニットの上、すなわちベースプレートの上面上に載置される。構真柱の天端上には免震装置支持ユニットのブラケットが載置され、ブラケットは構真柱の頂部の一部になる。「ブラケットが構真柱の頂部に接合される」とは、ブラケットが構真柱の天端に載置されながら、天端を含む頂部において下部継手部材と上部継手部材とで接合されることを言う。
構真柱の下部継手部材に免震装置支持ユニットの上部継手部材を連結し、免震装置支持ユニットを構真柱に固定する際には、各構真柱の地中への挿入後に発生し得る天端のレベルのばらつきを解消し、全構真柱の天端のレベルを揃えるために、各免震装置支持ユニットのレベル(鉛直方向の高さ)を調整することが行われる(請求項4)。
免震装置支持ユニットのレベルは請求項1で言うベースプレートのレベルであり、このレベルを調整することは免震装置のレベル、すなわち上部構造のレベルを調整することでもある。請求項4では地中に挿入された構真柱の頂部上に免震装置支持ユニットを設置し、免震装置支持ユニットのレベルを調整しながら、下部継手部材に免震装置支持ユニットの上部継手部材を連結することが行われる。
各免震装置支持ユニットのレベル調整は原則として全構真柱の中で、最も上(高いレベル)に位置する構真柱以外の、相対的に下(低いレベル)に位置する構真柱上に載置される免震装置支持ユニットに対し、ブラケットの下面と構真柱の天端との間の距離を調整することにより行われる。地中への挿入が完了した複数本の構真柱の天端のレベルに施工誤差、地盤条件等に起因するばらつきが発生した場合に、全免震装置支持ユニットのレベルを揃えようとするとき、天端が最も低いレベルに位置する構真柱以外の構真柱上に載置される免震装置支持ユニットのレベルを、最も低いレベルに位置する構真柱上の免震装置支持ユニットのレベルに揃えることができないことによる。「原則として」とは、最も上(高いレベル)に位置する構真柱上の免震装置支持ユニットをレベル調整することもある趣旨である。
そこで、全免震装置支持ユニットのレベル調整は、複数本の構真柱の内、最も高いレベルに位置する構真柱の上に載る免震装置支持ユニットのレベルを基準にし、それより低いレベルに位置する構真柱上に載る免震装置支持ユニットをジャッキ等により上昇させ、最も高いレベルに位置する構真柱上の免震装置支持ユニットのレベルに揃えることにより行われる。
天端が最も高いレベルに位置する構真柱以外の構真柱上の免震装置支持ユニットのレベル調整は、構真柱の天端上と免震装置支持ユニットのブラケットの下面との間にフィラープレート等の充填材を介在させ、ベースプレートを嵩上げすることにより行われ、全構真柱上の免震装置支持ユニットのベースプレートのレベル(鉛直方向の高さ)が揃えられる。充填材には空隙への充填後に硬化するモルタル、接着剤等、充填時に流動性のある材料が使用されることもある。
構真柱の天端上とブラケット下面との間への充填材の介在により構真柱の天端とブラケットの下面とは面で接触した状態になり、ブラケットと構真柱の一部に応力を集中させることなく、両者間の接触している全面での軸方向力の伝達が可能になる。免震装置支持ユニットのレベル調整はベースプレートの上面が水平面を保ったまま行われる。
天端が最も高いレベルに位置する構真柱以外の構真柱上に載置される免震装置支持ユニットのレベル調整時に、あるいはレベル調整後に、構真柱の下部継手部材と免震装置支持ユニットの上部継手部材が互いに連結され、免震装置支持ユニットが構真柱の頂部(天端)に接合(固定)される(請求項4)。免震装置支持ユニットのレベル調整には免震装置支持ユニットの昇降を伴うため、下部継手部材と上部継手部材は基本的には鉛直方向の面をなした状態で、互いに重なり得る位置に、または同一面内に固定される。
免震装置支持ユニットが構真柱の頂部(天端)に接合(固定)された状態では、ブラケットが構真柱の一部になるため、原則としてブラケットは構真柱と同一の断面形状で、同一寸法(断面積)に形成される。但し、ブラケットと構真柱の接合部分に断面の急変箇所がなければ、部分的な応力の集中は生じないため、ブラケットは断面積がベースプレート側から構真柱側へかけて次第(連続的)に変化するような形状に形成されることもある。
下部継手部材と上部継手部材の連結は例えば両継手部材に跨って重なる連結材を各継手部材にボルト、ピン等を用いて接合するか、両継手部材の双方に、鉛直方向に跨るボルト状の軸部材を挿通、もしくは螺合させることにより、あるいは両継手部材間に軸方向に伸縮する油圧シリンダ(ジャッキ)等の荷重支持装置を備えた昇降装置を架設することにより両継手部材間の間隔の調整、すなわち免震装置支持ユニットのレベル調整が可能な状態に接合される。
連結作業に油圧シリンダ等を持つ昇降装置を用いる場合、昇降装置は免震装置支持ユニットを支持したまま昇降させるジャッキの機能を兼ねる利点がある。但し、下部継手部材と上部継手部材は何らかの手段によって両者間の間隔の調整が自在で、互いに接合可能であれば、全ベースプレートのレベルを揃えた状態に保持できるため、下部継手部材と上部継手部材の形態と接合方法は問われない。
各免震装置支持ユニットのレベル(鉛直方向の高さ)を調整する請求項4の方法によれば、免震装置支持ユニットが上部継手部材において構真柱の下部継手部材との連結(接合)時に、もしくは連結後に下部継手部材との間の間隔、すなわち鉛直方向のレベルの調整が行われることで、全免震装置支持ユニットのベースプレートのレベルを同一に揃えることが可能になる。
各免震装置支持ユニットのレベル調整が個別に行われることで、各構真柱の天端のレベルに差が発生している場合においても、全免震装置支持ユニットのベースプレートのレベルを揃えた状態で、全免震装置を免震装置支持ユニット上に載置することが可能になる。この結果、各構真柱の施工誤差を解消した状態で、全免震装置とその上に構築される上部構造の鉛直方向の設置精度を確保することが可能であり、各免震装置の上に構築され、支持される上部構造の各部の鉛直方向のレベルを統一し、上部構造を水平面上に構築することが可能になる。全免震装置と上部構造の鉛直方向の設置精度が確保されることで、免震装置と上部構造の柱、及び下部構造の構真柱に鉛直方向の残留変形を発生させることが回避される。
請求項4の方法で言える利点はその方法に使用される免震装置支持ユニットの単体の発明である請求項1にも言え、請求項1の免震装置支持ユニットは各構真柱の天端のレベルにばらつきが生じている場合にも全構真柱上に載置される免震装置の鉛直方向のレベルを統一し(鉛直方向の設置精度を確保し)、上部構造を水平に構築することを可能にする。従って地中に先行して挿入されている構真柱の周りにコンクリートを打設して地下区間(下部構造)の柱を完成させる場合に、構真柱の頂部に設置される免震装置の鉛直方向の設置精度を確保することを可能にする。
前記のように構真柱の周囲には図5−(d)に示すように構真柱を被覆し、地下区間(下部構造)の柱を構成するコンクリート柱が構築されることがあることから、構真柱に接合される免震装置支持ユニットのブラケットの周囲には、コンクリート柱に連続し、免震構造物の上部構造に連結される頂部コンクリートが一体化していることもある(請求項2)。ブラケットはベースプレートの片面に固定されるため(請求項1)、頂部コンクリートはベースプレートの片面側に一体化する。
頂部コンクリートはベースプレートの片面側のブラケットの一部を包囲し、これを被覆する形でベースプレートとブラケットに一体化する。頂部コンクリートはベースプレートを堰板として生コンクリートを充填することにより、もしくはプレキャストコンクリートをベースプレートとブラケットに接合することによりベースプレートとブラケットに一体化する。
請求項2で言う「頂部コンクリートがコンクリート柱に連続する」とは、頂部コンクリートの水平断面がコンクリート柱の水平断面に揃えられることを言い、断面積が同一である場合とブラケットの軸方向(鉛直方向)に連続的に変化する場合を含む。頂部コンクリートは構真柱周りのコンクリート柱との連続性を確保することで、免震装置と構真柱との間での断面積の急変箇所をなくし、上部構造からの荷重を円滑に下部構造の柱に伝達する働きをする。
また請求項2で言う「頂部コンクリートが上部構造に連結される」とは、免震装置支持ユニット(構真柱頂部)の水平変位を上部構造に拘束させるために、図5−(c)に示すように免震装置支持ユニットの頂部コンクリートと上部構造のいずれかの部分とが連結されることを言う。免震装置支持ユニットと上部構造は両者間に軸方向力を負担する連結部材が架設されることにより連結される。免震装置支持ユニット(構真柱頂部)の水平変位を上部構造に拘束させることは、構真柱の周囲にコンクリート柱を構築するときに、構真柱の周囲にその水平変位を拘束する拘束部材を不在にせざるを得ない場合に、その拘束部材が果たしていた役割を上部構造に交代させる目的で行われる。
頂部コンクリートは免震装置支持ユニットのベースプレート上に載置される免震装置の上に構築される上部構造と免震装置支持ユニットを、前記連結部材を介して連結する機能を果たすことで、構真柱の周囲から拘束部材が不在になっている期間中、免震装置支持ユニットと免震装置の水平変位を上部構造に拘束させる働きをする。
「免震装置の水平変位」は例えば免震装置の平面上の中心が構真柱の中心(上部構造の柱の中心)から水平方向に変位することを言い、主に構真柱頂部の水平変形、または水平変位によって発生することを言う。構真柱の水平変形は構真柱自身が曲げ変形、もしくはせん断変形を起こすことを言い、水平変位は構真柱の地中への挿入時に、あるいは挿入後の免震装置支持ユニットの設置時に想定される施工誤差として発生する。以下では構真柱の水平変形を含めて水平変位と言う。免震装置の水平変位を上部構造に拘束させることは、免震装置上に上部構造が構築されるまでの間、構真柱の頂部の水平変位を拘束している、図3−(d)に示す拘束部材、または後述の反力受けに入れ替わるように行われる。
請求項2では免震装置の水平変位を上部構造に拘束させるために頂部コンクリートを使用することで、地中に先行して挿入されている構真柱の周りにコンクリートを打設して地下区間(下部構造)の柱を完成させる場合において、構真柱の周りで構真柱の水平変位を拘束する役目を果たす拘束部材を不在にせざるを得ない場合にも、構真柱の頂部に設置される免震装置の水平方向の設置精度を確保することが可能になる。
構真柱の周りにコンクリートを打設して地下区間(下部構造)の柱を完成させる場合には、前記した通り、図5−(d)に示すように構真柱の周囲に構真柱の水平変位を拘束するために設置、もしくは構築されている拘束部材を不在にしなければならないため、拘束部材の不在期間中の上部構造の構築時に構真柱の頂部に水平変位が生ずる可能性がある。それに対し、請求項2では拘束部材を不在にする以前に免震装置を上部構造に拘束させることで、拘束部材の存否に関係なく、免震装置が接合されている構真柱の頂部の水平変位を拘束することが可能になり、拘束部材の存否に関係なく構真柱頂部(免震装置)の水平方向の施工誤差を解消することが可能になる。
免震装置の水平変位を上部構造に拘束させることは、地中に挿入された構真柱の頂部上に免震装置支持ユニットを設置し、免震装置支持ユニットのベースプレート上に免震装置を設置し、免震装置の水平変形を拘束した状態で、免震装置上に、免震構造物を構成する上部構造の一部を設置し、免震装置支持ユニットを上部構造の一部に連結することにより行われる(請求項5)。上部構造の一部に連結される免震装置支持ユニットは請求項2では頂部コンクリートであるが、必ずしも頂部コンクリートである必要はなく、免震装置支持ユニットはブラケットにおいて上部構造に連結されることもある。
免震装置の水平変形は免震装置自体がせん断変形するか相対変形する等、水平方向に変形することを言い、前記した構真柱の水平変位(水平変形)に伴う「免震装置の水平変位」と区別される。免震装置の水平変形は例えば図5−(a)に示すように免震装置支持ユニットと上部構造に接合されるための上下のフランジをボルト等の拘束材によって互いに連結することにより拘束され、その状態は免震装置支持ユニット上への免震装置の設置時から上部構造の完成までの間、保持される。
構真柱の水平変位に起因する免震装置の水平変位は上部構造と免震装置支持ユニットとの間、特に上部構造と頂部コンクリートとの間に、圧縮力と引張力を負担し得る連結部材を架設することにより上部構造に拘束させられる。頂部コンクリートは構真柱の周りに構築されるコンクリート柱に連続することから、表面(周面)がブラケットの表面より外周側へ寄った位置にあるため、免震装置支持ユニットが頂部コンクリートにおいて上部構造に連結される場合には、連結部材をブラケットとの干渉を回避しながら、上部構造との間に架設し易い利点がある。
連結部材の架設状態は少なくとも免震装置上に上部構造の少なくとも一部の構築、もしくは設置後から、構真柱の周りにコンクリート柱を構築するまでの間、維持される。連結部材の架設時、頂部コンクリートには連結部材の端部が連結されるためのガセットプレート等のプレートが固定されるが、プレートは頂部コンクリートの一体化時に予め埋設されることもある。
請求項5では免震装置の水平変位を上部構造に拘束させることで、構真柱頂部を直接、拘束する拘束部材が不在の場合にも、免震装置(構真柱の頂部)の水平変位を拘束することができるため、地中に先行して挿入されている構真柱の周りにコンクリートを打設して地下区間(下部構造)の柱を完成させる場合において、構真柱の頂部に設置される全免震装置とその上に構築される上部構造の水平方向の設置精度を確保することが可能である。全免震装置と上部構造の水平方向の設置精度が確保されることで、免震装置と上部構造の柱、及び下部構造の構真柱に水平方向の残留変形を発生させることが回避される。
免震装置支持ユニットを上部構造の一部に連結する請求項5では主に頂部コンクリートにおいて連結部材を介して上部構造に連結されるため、請求項5の方法で言える利点はその方法に使用され、頂部コンクリートが一体化した免震装置支持ユニットの単体の発明である請求項2にも言える。但し、免震装置支持ユニットと上部構造との間に連結部材を架設する上では、必ずしもブラケット周りに頂部コンクリートが一体化している必要はないため、免震装置の水平方向の設置精度が確保されることは、請求項5の方法に使用される免震装置支持ユニットの単体の発明である請求項1にも言える。
構真柱の周りにコンクリート柱を構築する以前には、構真柱上への免震装置支持ユニットの設置に先立ち、もしくは設置と並行して例えば構真柱の頂部の周囲に反力受けを設置、もしくは構築し、この反力受けを地盤に定着させた状態で、反力受けに反力を取りながら構真柱の頂部の水平位置を調整することによって構真柱の頂部の水平位置を調整(修正)することが可能である(請求項3)。反力受けが設置、もしくは構築される「構真柱の頂部の周囲」は主に地盤を指すが、地盤面上に配置(敷設)される仮設部材を指すこともある。
反力受けに反力を取ることは、図3−(b)に示すように例えば反力受けを鉛直方向等に貫通するアンカーの地盤への貫入により行われる。反力を取りながらの構真柱頂部の水平位置の調整は、例えば油圧ジャッキ、アクチュエータ等の加力装置を反力受けに固定し、位置の調整、あるいは修正を必要とする方向に加力装置から構真柱の頂部に水平力を与えることにより行われる。構真柱の水平方向への位置調整は水平二方向に必要になることもあるため、加力装置は基本的に水平の二方向に向けて配置される。
加力装置による構真柱頂部の水平位置の調整後は、図3−(d)に示すようにその後の構真柱頂部の水平変位を拘束する拘束部材が構真柱頂部の周囲に設置、もしくは構築される。拘束部材は構真柱の周囲(周面)と反力受けとの間に架設されることで、反力受けからの反力を受けながら、構真柱頂部の水平変位を拘束する。加力装置は構真柱頂部の水平位置の調整後、上部構造の構築時(連結部材の架設時)まで残されることで、拘束部材に代わって構真柱の頂部の水平変位を拘束する役目を兼ねることも可能である。
請求項3では構真柱の周囲に反力受けを設置、もしくは構築し、反力受けを地盤に定着させた状態で、反力受けに反力を取りながら構真柱の頂部の水平位置を調整することで、構真柱の地中への挿入状態で構真柱の頂部に水平方向に施工誤差が存在している場合にも、その誤差を解消するための修正が可能である。従って水平方向の誤差を解消した状態で構真柱の頂部の周りに、上部構造の構築開始時までの間の構真柱の頂部の水平変位を拘束するための拘束部材を設置、もしくは構築することが可能になる。このことは、請求項3の方法に使用される免震装置支持ユニットの単体の発明である請求項1にも言える。
前記のように構真柱を被覆するコンクリート柱の構築時には拘束部材を撤去、もしくは解体しなければならないため(図5−(d))、免震装置を上部構造に拘束させるまでの期間、すなわち免震装置の上に上部構造の構築を開始する以前には、反力受けと拘束部材が組み合わせられることで、免震装置(構真柱の頂部)の水平変位を拘束する役目を果たすことになる(図5−(a)〜(c))。
請求項1、もしくは請求項2の免震装置支持ユニットを使用した請求項3〜5の方法は工程の相違するそれぞれ独立した施工内容を対象にするため、請求項3〜5に記載の施工方法は任意に組み合わせられて遂行されることもあり、請求項3の方法から請求項5の方法までの全工程が漏れなく順次、遂行されることもある。
免震装置支持ユニットは免震装置の底面が固定されるベースプレートと、ベースプレートの片面に固定され、構真柱の頂部に接合されるブラケットと、ブラケットの外周部に固定され、構真柱頂部の周囲の下部継手部材にレベル調整可能に連結される上部継手部材とを備えることで、構真柱の天端に対する自らのレベルが調整された状態で構真柱上に固定される。
この結果、各構真柱の天端のレベルにばらつきが生じている場合にも全構真柱上に載置される免震装置の鉛直方向のレベルを統一し、上部構造を水平に構築することが可能である。従って地中に先行して挿入されている構真柱の周りにコンクリートを打設して地下区間(下部構造)の柱を完成させる場合に、構真柱の頂部に設置される免震装置と上部構造の鉛直方向の設置精度を確保することができる。
免震装置支持ユニットは免震装置の水平変位を上部構造に拘束させる方法に使用されるため、構真柱の頂部を直接、拘束する拘束部材が不在の場合にも、免震装置(構真柱の頂部)の水平変位を拘束部材に代わって上部構造に拘束させることができる。従って地中に先行して挿入されている構真柱の周りにコンクリートを打設して地下区間(下部構造)の柱を完成させる場合において、構真柱の頂部に設置される免震装置と上部構造の水平方向の設置精度を確保することができる。
(a)〜(d)は免震装置支持ユニットの製作手順例を示した縦断面図である。 (a)〜(c)は地中への杭の構築から、杭への構真柱の挿入までの施工手順例を示した縦断面図である。 (a)〜(d)は図2−(c)に示す構真柱の挿入後から、構真柱周りへの拘束部材の構築(設置)までの施工手順例を示した縦断面図である。 (a)〜(d)は図3−(d)に示す拘束部材の構築(設置)後から、免震装置支持ユニット上への免震装置の設置までの施工手順例を示した縦断面図である。 (a)〜(d)は図4−(d)に示す免震装置の設置後から、免震装置上への上部構造の構築までの施工手順例を示した縦断面図である。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1−(a)〜(d)は地中に構真柱2を挿入した後、構真柱2の頂部上に免震装置6を設置し、免震装置6上に上部構造7を構築する逆打ち工法による免震構造物の構築に使用される免震装置支持ユニット(以下、ユニット)4の製作手順例を示している。構真柱2は後述のように地中に構築され、あるいは地中に先行して形成された削孔中に構築され、構真柱2を支持するコンクリート杭、地盤改良杭等の杭1中に挿入される。
ユニット4は免震装置6の底面が固定されるベースプレート41と、ベースプレート41の片面に固定され、構真柱2の頂部に接合されるブラケット42と、ブラケット42の外周部に固定され、構真柱2の頂部の周囲に一体化する下部継手部材21にレベル調整可能に連結され、ベースプレート41が支持する免震装置6のレベルを調整する上部継手部材43とを備える。
ユニット4のブラケット42の周囲には、構真柱2の周囲に構築されるコンクリート柱3に連続し、上部構造7に連結される頂部コンクリート44がベースプレート41の片面側に一体化していることもある。コンクリート柱3は図5−(d)に二点鎖線で示している。
ユニット4は図1−(a)、図4−(a)に示すようにベースプレート41を上に向けた状態で構真柱2上に載置されるが、頂部コンクリート44を一体化させる場合には、頂部コンクリート44の充填のし易さを含めたユニット4の製作のし易さから、図1−(b)〜(d)に示すようにベースプレート41を下に向けてその上にブラケット42を固定し、ブラケット42の周囲に頂部コンクリート44を一体化させる、という要領で製作される。ブラケット42は構真柱2の断面形状に合わせ、例えば鉛直面をなすプレート42a、42bを水平の二方向に組み合わせ、互いに溶接等により一体化させた形で組み立てられる。図面ではプレート42a、42bをフランジ付きの十字形断面形状に組み合わせているが、H形断面、閉鎖形断面その他の形状に組み合わせられることもある。
図1−(a)はベースプレート41にブラケット42が溶接等により固定され、ブラケット42の周面、例えばブラケット42のフランジ部分の表面に上部継手部材43が固定されている状態を示しているが、ベースプレート41にブラケット42を一体化させるまでは、ベースプレート41を上に向けておくか否かは問われない。ベースプレート41の片面である構真柱2側の面には頂部コンクリート44の一体性を確保するためのスタッドボルト等のせん断力伝達部材45が溶接等により固定されている。
上部継手部材43は構真柱2の下部継手部材21と対になった状態で直接、もしくは後述の連結材53を用いて間接的に互いに連結されるため、上部継手部材43と下部継手部材21は同一、もしくは類似の形状に形成される。また上部継手部材43は構真柱2に対し、鉛直方向の距離が調整された状態で下部継手部材21に連結されるため、図示するように鉛直方向を向いて固定されることが合理的である。
下部継手部材21と上部継手部材43は双方に跨って組み込まれる、または外付けの図4に示す油圧ジャッキ等の昇降装置5によって両者間の間隔が調整された状態で、互いに接合可能な形態であれば、下部継手部材21と上部継手部材43の形態は問われない。
図面(図4)では下部継手部材21と上部継手部材43に板状のプレートを使用し、両面が鉛直面をなした状態で、構真柱2とブラケット42の外周面に溶接等により突設している。また下部継手部材21と上部継手部材43の、ブラケット42の水平断面上の中心寄りに、互いに連結材53を介してボルト等によって連結されるための連結部21a、43aを形成し、ブラケット42の中心から遠い外周側には昇降装置5が連結可能で、軸方向に互いに間隔調整可能な調整部21b、43bを形成している。
図4に示す例では、図4−(c)に示すように下部継手部材21と上部継手部材43の調整部21b、43bに跨る軸部51、51と、軸部51、51間に架設され、両軸部51、51の軸方向の間隔を調整する油圧シリンダ(ジャッキ)52とを有し、両軸部51、51が軸方向(鉛直方向)に相対移動自在な昇降装置5を調整部21b、43b間に跨設している。この昇降装置5の油圧シリンダ52の伸縮により両軸部51、51を軸方向(鉛直方向)に相対移動させ、下部継手部材21と上部継手部材43間の距離を調整している。
ブラケット42が固定されたベースプレート41は図1−(b)に示すように平坦な水平面を持つ例えば仮設の水平版8上、もしくは地盤面上に載せられ、上方を向いたベースプレート41のブラケット42側の面上に、頂部コンクリート44の引張補強のための鉄筋46が配筋される。一部の鉄筋46はコンクリート柱3との連結のために屈曲させられて鉛直方向に向けられ、その屈曲した鉄筋46に、コンクリート柱3の内部に配筋される、図示しない主筋との連結(継手)のためのカプラー、スリーブ等の継手部材47が接続される。コンクリート柱3の主筋の継手部材47との連結は図5−(d)に示す構真柱2周りの地盤の掘削後、ねじ継手により、もしくは継手部材47への挿入と充填材の充填等により行われる。
鉄筋46の配筋後、ベースプレート41の周囲に頂部コンクリート44の充填領域を区画する堰板48が組み立てられ、水平版8上の堰板48の内側に頂部コンクリート44が充填される。図1−(c)では(d)に示すようにベースプレート41の免震装置6側の面が、ユニット4の使用状態での頂部コンクリート44の上面と面一になるよう、ベースプレート41の周囲から外周側へ距離を置いた位置に堰板48を配置しているが、必ずしもその必要はない。図1−(d)のように堰板48がベースプレート41の周囲から距離を置いた位置に配置される場合、頂部コンクリート44の水平版8側の表面(免震装置6側の面)はベースプレート41を埋め込む形で仕上げられる。頂部コンクリート44の硬化後、堰板48が脱型されてユニット4が完成する。
頂部コンクリート44のベースプレート41とブラケット42への一体化により完成した図1−(d)に示すユニット4は構真柱2の地中への挿入後、図4−(a)に示すように構真柱2の天端上に、図1−(a)に二点鎖線で示すようにベースプレート41を上に向けた状態で載置される。構真柱2の地中への挿入に先立ち、構真柱2が挿入されるべき地盤中には構真柱2を地中に定着させるための杭1が構築される。
図2−(a)〜(c)は地中への杭1構築の手順例を示す。ここでは場所打ちコンクリート杭の構築要領で杭1を構築しているが、構真柱2の挿入時に流動性を維持し、挿入後に硬化する杭1を構築することができれば、杭1構築の施工方法は問われず、地盤改良杭も使用される。図2ではアースドリル工法等により杭1の挿入箇所を先掘りし、削孔を形成した後(図2−(a))、削孔内への鉄筋籠の挿入とトレミー管を通じてのコンクリートの打設により場所打ちコンクリート杭を構築し(図2−(b))、水平方向の変位を拘束する地上のガイドを通じて構真柱2を杭1中に挿入している。
構真柱2の杭1への挿入後、杭1が支持力を発揮(発現)した時点で、構真柱2頂部の水平方向の位置調整が行われ、その状態で構真柱2の頂部が拘束部材12によって拘束される。構真柱2頂部の拘束に先立ち、図3−(a)に示すように構真柱2の天端より、油圧ジャッキ等の加力装置11による構真柱2頂部の水平方向の位置調整が可能な深度まで地盤が掘削される。
図3では(a)に示すように構真柱2の天端から数100mm、例えば500mm程度、下方まで構真柱2が挿入された領域全体の地盤を掘削し、更に(b)〜(d)に示すように構真柱2頂部の周囲の地盤を数100mm、例えば300mm程度、下方まで掘削し、天端から約800mm程度、構真柱2の頂部を地盤から露出させている。この場合、構真柱2の天端から800mm下方までの区間が水平方向の位置調整のために変形、あるいは変位可能になる。構真柱2の頂部を地盤面から露出させる区間の長さは構真柱2の全長と成(幅)による構真柱2の曲げ剛性に応じて決められる。
図3−(a)に示す地盤全面の掘削に続き、(b)に示すように構真柱2周囲の、拘束部材12を設置、もしくは構築するための、平面上の一定範囲の領域を除き、地盤面上に構真柱2の水平方向の位置調整をするときの反力を受ける反力受け9が設置、もしくは構築され、アンカー(地盤アンカー)10等によって地盤に定着される。反力受け9は無筋コンクリート、もしくは鉄筋コンクリート(プレキャストコンクリートを含む)、あるいは鋼材から構成される。構真柱2の水平方向の位置調整は水平の二方向に行われるため、反力受け9は水平二方向に、もしくは面状(スラブ状)に設置、もしくは構築される。
構真柱2の周囲と反力受け9との間に確保される、拘束部材12設置のための領域は加力装置11の全長と伸縮量から、数100mm、例えば300mm程度が適切である。反力受け9の厚さは加力装置11に地盤から反力を与えられる程度の剛性を持ちながら、後述する構真柱2周りのコンクリート柱3の構築時に解体されることを見込み、100mm〜数100mm程度が妥当である。
構真柱2周囲への反力受け9の設置、もしくは構築と地盤への定着後、図3−(c)に示すように構真柱2を挟んで対向する反力受け9、9間に油圧ジャッキ、アクチュエータ等の加力装置11が設置され、固定される。反力受け9上面の、加力装置11の後方には加力装置11の反力を地盤に伝達するための、山形鋼等を用いた受け材91が固定され、加力装置11は受け材91に係止し、地盤からの反力を受けた状態で反力受け9に仮固定される。
反力受け9に加力装置11が仮固定された図3−(c)に示す時点で、水平二方向の加力装置11の伸縮により構真柱2頂部に水平力を付与することによりその水平二方向の位置調整が行われ、位置調整後、図3−(d)に示すように構真柱2周囲と反力受け9との間に拘束部材12が設置、もしくは構築され、構真柱2の水平変位が拘束される。拘束部材12も反力受け9と同様、鉄筋コンクリートや鋼材から構成される。
構真柱2の拘束後、図4−(a)に示すように図1−(d)で完成しているユニット4がブラケット42を下に向けた状態で、構真柱2の天端上に載置される。その状態でブラケット42の上部継手部材43が構真柱2の下部継手部材21に対し、(b)に示すように昇降装置5により高さ方向にレベル調整され、レベル調整後、(c)に示すように下部継手部材21に連結され、固定される。
ブラケット42、すなわちユニット4のレベル調整は地中(杭1)への挿入が完了した時点での全構真柱2の天端のレベルを揃える目的で、原則として全構真柱2の内、天端が最も高いレベルに位置する構真柱2以外の構真柱2上に載置されているユニット4に対して行われる。但し、天端が最も高いレベルに位置する構真柱2の天端が目標の設計深度より下にある場合には、その構真柱2上のユニット4に対してもレベル調整が行われることがある。天端が最も高いレベルに位置する構真柱2が複数本、ある場合、その複数本の構真柱2上のユニット4のレベル調整は基本的には必要ない。
ユニット4のレベル調整は前記のように上部継手部材43の調整部43bと下部継手部材21の調整部21bとに跨って昇降装置5を架設し、昇降装置5の軸部51、51を油圧シリンダ52により軸方向に伸縮(相対移動)させることにより、ユニット4の上昇(嵩上げ)として行われる。上昇させたユニット4のブラケット42と構真柱2の天端との間にはフィラープレート、モルタル等の充填材が充填される。モルタル等、充填時に流動性を有している材料は伸縮性のない袋内に充填される。
ユニット4のレベル調整後、図4−(d)に示すように上部継手部材43の連結部43aと下部継手部材21の連結部21a間にプレート等の連結材53を跨設し、連結材53を両連結部43a、21aにボルト等により接合し、上部継手部材43と下部継手部材21を互いに連結することによりユニット4の構真柱2への固定が完了する。
ユニット4の構真柱2への固定後、図4−(d)に示すようにユニット4のベースプレート41上に免震装置6が設置され、その下部フランジ61においてボルト等によりベースプレート41に固定される。免震装置6の本体63には積層ゴム支承、滑り支承、弾性滑り支承、転がり支承等が使用され、本体63の上面と下面にそれぞれベースプレート41と上部構造7に接合されるための下部フランジ61と上部フランジ62が固定される。
ユニット4上への免震装置6の設置後、免震装置6上に上部構造7が構築されるが、上部構造7の構築に先立ち、免震装置6自体の水平変形を拘束するために、下部フランジ61と上部フランジ62との間には図5−(a)に示すようにボルト、棒鋼、PC鋼材等、棒状、あるいは板状等の拘束材64が架設され、下部フランジ61と上部フランジ62が互いに連結されることにより両フランジ61、62間の相対移動が拘束される。
免震装置6の水平変形が拘束された状態で、図5−(b)に示すように免震装置6の上部フランジ62上に上部構造7の一部を構成する構造体ユニット71が設置され、その内の柱71aが免震装置6の上部フランジ62に固定される。柱71aの底面には上部フランジ62との接合のためのベースプレート71bが固定されており、ベースプレート71bが上部フランジ62にボルト等により接合される。ここでは構造体ユニット71として、構真柱2の延長線上に位置し、上部構造7(地上階)の柱になる鉄骨の柱71aと、その柱71aの周囲に突設される梁71cの一部(ブラケット)を一体化させたユニットを使用しているが、ユニットの形態は特に問われない。
免震装置6上に上部構造7(構造体ユニット71)を設置した後には、上部構造7の完成に伴い、上部構造7の剛性が増大するため、上部構造7は構真柱2に免震装置6を通じて接合されることで、上部構造7の完成前に構真柱2の水平変位を拘束していた拘束部材12に代わる役目を持ち得ることになる。
そこで、構真柱2の水平変位を上部構造7(構造体ユニット71)に拘束させるために、図5−(c)に示すように構真柱2に一体化しているユニット4と構造体ユニット71との間に連結部材13を架設し、構真柱2と上部構造7を、ユニット4を介して一体化させることが行われる。構真柱2と上部構造7の一体化により、構真柱2が水平方向に変位しようとするときに、構真柱2との対比で圧倒的に水平剛性の大きい上部構造7が構真柱2と一体的に挙動しようとすることで、構真柱2の水平変位を阻止する働きをすることになる。
ユニット4と構造体ユニット71との間に連結部材13を架設するために、図5−(b)に示すようにユニット4のいずれかの部分、例えば頂部コンクリート44と構造体ユニット71の梁(ブラケット)71cに、連結部材13を連結するためのガセットプレート14、15がそれぞれ固定される。
図示するように頂部コンクリート44の周面にガセットプレート14を固定することには、ユニット4の中でブラケット42の水平断面上の中心から最も遠い位置にガセットプレート14を固定でき、上部構造7(構造体ユニット71)との間の連結部材13を他の部位との干渉を回避しながら架設し易い利点がある。但し、ガセットプレート14は頂部コンクリート44の上面の他、ブラケット42の周面に固定されることもある。
連結部材13は構真柱2の水平方向への変位時に圧縮力と引張力を交互に受けるため、基本的には圧縮力と引張力に対する抵抗力を有する鋼材(形鋼)等の材料が使用され、水平二方向に向け、構真柱2の水平断面上の中心に関して放射方向に架設される。
連結部材13は各構真柱2に付き、放射方向に架設され、構真柱2の中心に関して水平一方向の両側に架設されることで、水平一方向のいずれかの側の連結部材13が圧縮力を受けるときに、他方の側の連結部材13は引張力を受ける。このことから、上部構造7を支持する複数本の構真柱2が集合することで、複数本の構真柱2(連結部材13)の全体としては、連結部材13は圧縮力と引張力のいずれかを負担できればよいこともある。上部構造7が構真柱2に対していずれかの側に相対移動しようとするときには、その側に位置する連結部材13が引張力を負担することで、上部構造7の相対移動を阻止しようとすることができ、構真柱2を挟んで対になる側の連結部材13が圧縮力を負担することで、上部構造7の相対移動を阻止しようとすることができるため、対になる連結部材13、13が交互に引張力か圧縮力を負担すればよいことによる。
連結部材13の架設状態を示す図5−(c)では構造体ユニット71を構成する鉄骨の柱71aと梁71cの周囲をコンクリート71dで被覆し、上部構造7を鉄骨鉄筋コンクリート造にしているが、上部構造7の構造種別は特に問われず、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の場合もある。また図5−(c)では1本の構真柱2上に鉄骨鉄筋コンクリート造の構造体ユニット71が載置されているように示されているが、少なくとも(d)に示す、拘束部材12の解体時には構造体ユニット71は梁71cの軸方向である水平二方向に連続し、上部構造7の例えば1層分の骨組みが完成した状態にある。
ユニット4の頂部コンクリート44と構造体ユニット71との間に連結部材13を架設した図5−(c)、(d)の状態では、構真柱2の頂部が水平方向に変位しようとするときに、前記のように上部構造7がその変位を拘束しようとするため、構真柱2周りの拘束部材12が不在になっても構真柱2の水平変位が防止されることになる。
構真柱2の水平方向の変位が上部構造7に拘束された状態になった後、構真柱2の周りにコンクリート柱3を構築する場合には、図5−(d)に示すように構真柱2周りの拘束部材12と反力受け9が解体、撤去され、構真柱2の周りの地盤が深度方向に掘削され、二点鎖線で示すコンクリート柱3が構築される。コンクリート柱3は構真柱2の全長に亘って構築され、杭1に連続する。コンクリート柱3の構築によりユニット4の頂部コンクリート44がコンクリート柱3に連続する。
コンクリート柱3の構築により構真柱2が水平剛性を確保し、水平変位(水平変形)が拘束されるため、ユニット4と上部構造7との間に架設されている連結部材13の撤去が可能になる。
1……杭、
2……構真柱、
21……下部継手部材、21a……連結部、21b……調整部、
3……コンクリート柱、
4……免震装置支持ユニット、
41……ベースプレート、42……ブラケット、42a、42b……プレート、
43……上部継手部材、43a……連結部、43b……調整部、
44……頂部コンクリート、45……せん断力伝達部材、46……鉄筋、47……継手部材、48……堰板、
5……昇降装置、51……軸部、52……油圧シリンダ、53……連結材
6……免震装置、61……下部フランジ、62……上部フランジ、63……本体、64……拘束材、
7……上部構造、71……構造体ユニット、71a……柱、71b……ベースプレート、71c……梁、
8……水平版、
9……反力受け、91……受け材、10……アンカー、
11……加力装置、12……拘束部材、
13……連結部材、14、15……ガセットプレート。

Claims (5)

  1. 地中に構真柱を挿入した後、その構真柱の頂部上に免震装置を設置し、その免震装置上に上部構造を構築する逆打ち工法による免震構造物の構築に使用される免震装置支持ユニットであり、
    前記免震装置の底面が固定されるベースプレートと、このベースプレートの片面に固定され、前記構真柱の頂部に接合されるブラケットと、このブラケットの外周部に固定され、前記構真柱の頂部の周囲に一体化する下部継手部材にレベル調整可能に連結され、前記ベースプレートのレベルを調整する上部継手部材とを備えることを特徴とする逆打ち工法用免震装置支持ユニット。
  2. 前記ブラケットの周囲に、前記構真柱の周囲に構築されるコンクリート柱に連続し、前記免震構造物の上部構造に連結される頂部コンクリートが一体化していることを特徴とする請求項1に記載の逆打ち工法用免震装置支持ユニット。
  3. 請求項1、もしくは請求項2に記載の免震装置支持ユニットを使用して逆打ち工法により免震構造物の、少なくとも前記免震装置以下の下部構造を構築する施工方法であり、
    下部継手部材が一体化した構真柱の地中への挿入後、前記免震装置支持ユニットの設置に先立ち、もしくは設置と並行して前記構真柱の頂部の周囲に反力受けを設置、もしくは構築し、この反力受けを前記地盤に定着させた状態で、前記反力受けに反力を取りながら前記構真柱の頂部の水平位置を調整することを特徴とする免震構造物の施工方法。
  4. 請求項1、もしくは請求項2に記載の免震装置支持ユニットを使用して逆打ち工法により免震構造物の、少なくとも前記免震装置以下の下部構造を構築する施工方法であり、
    地中に挿入された前記構真柱の頂部上に前記免震装置支持ユニットを設置し、前記免震装置支持ユニットのレベルを調整しながら、前記下部継手部材に前記免震装置支持ユニットの前記上部継手部材を連結することを特徴とする免震構造物の施工方法。
  5. 請求項1、もしくは請求項2に記載の免震装置支持ユニットを使用して逆打ち工法により免震構造物の、少なくとも前記免震装置以下の下部構造と前記免震構造物を構成する上部構造の一部を構築する施工方法であり、
    地中に挿入された前記構真柱の頂部上に前記免震装置支持ユニットを設置し、前記免震装置支持ユニットの前記ベースプレート上に前記免震装置を設置し、前記免震装置の水平変形を拘束した状態で、前記免震装置上に、前記上部構造の一部を設置し、前記免震装置支持ユニットを前記上部構造の一部に連結して前記構真柱の水平変位を拘束することを特徴とする免震構造物の施工方法。
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