JP4067688B2 - 免震構造物の構築方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は地下階のある免震構造物の構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地下階のある免震構造物の構築方法は図7に示すような方法で行われている。これは支持杭28を打設して基礎スラブ29を構築し、該基礎スラブ29上の適宜箇所に免震アイソレータ30を設置し、これらの免震アイソレータ30上に地下階のスラブ31、梁32および上部躯体33を順打ち工法で構築している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような免震構造物の構築方法は、順打ち工法での施工に限られ、逆打ち工法での施工ができないため施工期間が長くなるという問題があった。
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、逆打ち工法により短期間で免震装置が設置できる免震構造物の構築方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するための免震構造物の構築方法は、地中に土留壁を構築するとともに、免震アイソレータの上部プレートに上部保護管を設け、該上部保護管と適宜間隔をもって下部保護管を下部プレートに設け、これらの上部保護管と下部保護管とがスライド管にスライド自在に嵌合されてなる免震装置が組み込まれた構真柱を、地中に打設した支持杭の頭部に設置し、前記構真柱に支持させながら地下階床および地下躯体を構築しつつ、該地下躯体上に上部躯体を構築することを特徴とする。
【0006】
請求項1の発明によれば、逆打ち工法により免震装置を改めて設置するための工程が省略できるので、工期の短縮を図ることができるとともにジャッキなどの支保工も省略できる。また下部躯体や上部躯体の構築に伴う荷重により免震アイソレータがスライド管に沿って偏芯せずに縮まる。
【0009】
また請求項2の発明が、請求項1において、前記上部保護管と下部保護管とスライド管とは、上部躯体が構築された後に撤去されることを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明によれば、免震アイソレータが上部躯体の構築中にその荷重を受けているので、上部躯体の構築後に上部保護管と下部保護管とスライド管とを撤去したとしても、免震アイソレータは何ら変形せずに上部躯体を支持する。
【0011】
請求項3の発明によれば、請求項1または2において、前記免震アイソレータには防火処理が予め施されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明によれば、免震構造物の構築中において防火処理を施す手間が省ける。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の免震構造物の構築方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。はじめに免震装置を組み込んだ構真柱について説明し、その後にこの構真柱を使用した免震構造物の構築方法について説明する。
【0014】
図1の(1)は構真柱の正面図、(2)は(1)の平面図、(3)は(1)のA−A線断面図、(3)は(1)の底面図、図2の(1)は免震装置に上部保護管などを設けた構真柱の断面図、(2)は(1)のB−B線断面図である。
【0015】
図1の構真柱1は免震装置2が予め組み込まれたものであり、該免震装置2はゴム層3と鉄板4とが交互に重なり合って形成された免震アイソレータ5である。免震アイソレータ5の上部プレート6には接合端部7を備えた鉄骨8が接合されているとともに、下部プレート9にはH形鋼10が十字状に接合され、該H形鋼10には基礎根入部用鉄骨11が連結プレート12を介して溶接されている。
【0016】
また図2は、免震アイソレータ5の上部プレート6に上部保護管13が設けられ、該上部保護管13と僅かな間隔をもって下部保護管14が下部プレート9に取り付けられ、これらの上部保護管13と下部保護管14とがスライド管16にスライド自在に嵌合された構真柱1であり、スライド管16の長孔17に上部保護管13のスライドピン18と、下部保護管14のスライドピン18aとが挿入されて、上部保護管13および下部保護管14とがスライド管16内をスライドできるようになっている。したがって、免震アイソレータ1は偏芯せずに縮まることができる。
【0017】
以下に、図2の構真柱を使用した免震構造物の構築方法を図3〜図6に基づいて説明する。はじめに、図3の(1)に示すように、地中に土留壁19を構築するとともに、免震アイソレータ5を組み込んだ構真柱1を、地中に打設した支持杭20の頭部に設置する。続いて同図の(2)に示すように、構真柱1の接合端部7間に梁21を架設して一階床22を構築し、これによって土留壁19を支持して地盤23を最終地下面まで掘削する。そして、同図の(3)および図4に示すように、上部躯体26を構築しつつ、最終地下面に基礎スラブ24および基礎梁24aを構築して地下躯体25の構築を完了する。このとき免震アイソレータ5は一階床下の中間層に設置された状態になるため、免震アイソレータ5には一階床22の荷重のみが作用する。
【0018】
次に、図4の(1)に示すように、地下躯体25と上部躯体26とを並行に構築すると、その荷重が免震アイソレータ5に作用するため、該免震アイソレータ5が偏芯せずに縮まる(図4の(2)参照)。これは上部保護管13と下部保護管14とがスライド管16で拘束されているため、スライドピン18、18aのねじを緩めることにより、これがガイドとなって上部保護管13を下側にスライドさせることができる。このような作業を各階の作業終了とともに実施することにより、順次免震アイソレータ5の変形を吸収することができる。
【0019】
したがって、免震アイソレータ5には上部躯体26の構築に伴う荷重が順次作用するため、図5のように上部躯体26の構築が完了したときには全荷重が作用しているため、免震アイソレータ5はこれ以上変形せずに上部躯体26を支持する。
【0020】
このように上部躯体26の構築が全て完了した後に、図6に示すように、上部保護管13と下部保護管14とスライド管16とを撤去して免震構造物27の構築を完了させる。なお免震アイソレータ5は防火処理(図示せず)を予め施してあるため、改めて施す必要はない。
【0021】
なお、上記図1の構真柱を使用した免震構造物の構築方法も上記とほぼ同様の方法で行う。
【0022】
【発明の効果】
逆打ち工法で、かつ免震装置を改めて設置するための工程が省略できるので、工期の短縮を図ることができるとともにジャッキなどのための支保工およびジャッキの使用も省略できる。
【0023】
下部躯体や上部躯体の構築に伴う荷重により免震アイソレータが偏芯せずにスライド管に沿って縮まる。
【0024】
免震アイソレータが上部躯体の構築中にその荷重を受けているので、上部躯体の構築後に上部保護管と下部保護管とスライド管とを撤去したとしても、免震アイソレータは何ら変形せずに上部躯体を支持する。
【0025】
免震構造部の構築中において防火処理を施す手間が省ける。
【0026】
建物の中間階に免震層を形成することできるので、免震ピットを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)は 構真柱の正面図、(2)は(1)の平面図、(3)は(1)のA−A線断面図、(4)は(1)の底面図、
【図2】(1)は免震装置に上部保護管などを設けた構真柱の断面図、(2)は(1)のB−B線断面図である。
【図3】(1)〜(3)は地下躯体の構築方法を示した断面図であり、(1)は免震アイソレータを組み込んだ構真柱を打設した断面図、(2)は1階床を構築した断面図、(3)は地下躯体を構築した断面図である。
【図4】(1)は地下躯体上に上部躯体を構築した断面図、(2)は免震アイソレータの拡大断面図である。
【図5】免震構造物の断面図である。
【図6】保護管などを撤去した免震アイソレータの拡大正面図である。
【図7】従来の免震構造物の構築方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 構真柱
2 免震装置
3 ゴム層
4 鉄板
5、30 免震アイソレータ
6 上部プレート
7 接合端部
8 鉄骨
9 下部プレート
10 I形鋼
11 基礎根入部用鉄骨
12 連結プレート
13 上部保護管
14 下部保護管
16 スライド管
17 長孔
18、18a スライドピン
19 土留壁
20、28 支持杭
21、32 梁
22 一階床
23 地盤
24、29 基礎スラブ
25 地下躯体
26、33 上部躯体
27 免震構造物
31 地下スラブ
Claims (3)
- 地中に土留壁を構築するとともに、免震アイソレータの上部プレートに上部保護管を設け、該上部保護管と適宜間隔をもって下部保護管を下部プレートに設け、これらの上部保護管と下部保護管とがスライド管にスライド自在に嵌合されてなる免震装置が組み込まれた構真柱を、地中に打設した支持杭の頭部に設置し、前記構真柱に支持させながら地下階床および地下躯体を構築しつつ、該地下躯体上に上部躯体を構築することを特徴とする免震構造物の構築方法。
- 前記上部保護管と下部保護管とスライド管とは、上部躯体が構築された後に撤去されることを特徴とする請求項1に記載の免震構造物の構築方法。
- 前記免震アイソレータには防火処理が予め施されていることを特徴とする請求項1または2に記載の免震構造物の構築方法。
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