JP5285590B2 - 建物形成方法 - Google Patents
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本発明は、多数の階層を備える地上コア部と、前記地上コア部から側方に張り出す状態に形成される張出部と、前記地上コア部を免震装置を介して支持する地下構造部とを備えた建物本体を、逆打ち工法によって形成する建物形成方法に関する。
従来、この種の逆打ち工法としては、以下のような手順をとるのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
(1)地下構造部施工位置の外周部に山留め壁を形成すると共に、所定の柱施工位置に構真柱を設置する。
(2)地下の一次掘削の後、構真柱の柱頭部に免震装置を設置すると共に、その上に最上段の山留め支保工の一部となる本設床梁を設置する。本設床梁は、両端側に仮設梁を連結して一連の仮設山留め支保工として機能させる。
(3)前記本設床梁の上に地上構造部を形成する一方で、地下では、地下構造部の上の部分から下方の部分へと建設を進める。
(1)地下構造部施工位置の外周部に山留め壁を形成すると共に、所定の柱施工位置に構真柱を設置する。
(2)地下の一次掘削の後、構真柱の柱頭部に免震装置を設置すると共に、その上に最上段の山留め支保工の一部となる本設床梁を設置する。本設床梁は、両端側に仮設梁を連結して一連の仮設山留め支保工として機能させる。
(3)前記本設床梁の上に地上構造部を形成する一方で、地下では、地下構造部の上の部分から下方の部分へと建設を進める。
また、建設される建物が、図7に示すように、アスペクト比の大きな地上コア部8を備えているような場合、地震時の横揺れで大きな転倒モーメントが作用し、それに伴って免震装置1Bには引抜力が作用する危険性がある。この現象を防止するものとして、地上コア部8の下部にのみ免震装置1Bを設置し、その地上コア部8の側方には、重量によって前記引抜力に対抗させるための張出部9を設けることが考えられる。
この張出部9の重量は、前記地上コア部8の外周部の柱Pbに流れ、その下方に位置する免震装置1Bに対する軸力として作用するから、地震時の引抜力を低減させることができる。
この張出部9の重量は、前記地上コア部8の外周部の柱Pbに流れ、その下方に位置する免震装置1Bに対する軸力として作用するから、地震時の引抜力を低減させることができる。
上述した従来の建物形成方法によれば、地上構造部の建設を進めるに伴って、地上コア部8の重量は、柱Pbから免震装置1Bを介して構真柱3へと伝達されるから、特に、最上段の山留め支保工4に対する悪影響は無い。しかし、張出部9の重量は、図7に示すように、最上段の山留め支保工4に対して作用するから、特に、張出部9の柱9bの下端部分に応力が集中して作用する。この傾向は、地上構造部1Cの建設が進むにつれて顕著に表れる。従って、張出部9そのものは、最終的には、地上コア部8の上層階から吊り支持される構造を採用するにしても、それまでの建設途上においては、最上段の山留め支保工4に大きな曲げ力を作用させるから、山留め支保工4を、大断面の設計にする必要があり、不経済なものとなる問題点がある。
また、この問題を回避するために、建設途上において、地上コア部8から張出部9を吊り支持するように仮設吊り材20を設置することも考えられるが、その設置手間や、最終的な撤去手間、及び、仮設吊り材が設置されていることによる他の作業の手待ち等を考慮すると、やはり経済的な問題や工程的な問題が残る。
また、この問題を回避するために、建設途上において、地上コア部8から張出部9を吊り支持するように仮設吊り材20を設置することも考えられるが、その設置手間や、最終的な撤去手間、及び、仮設吊り材が設置されていることによる他の作業の手待ち等を考慮すると、やはり経済的な問題や工程的な問題が残る。
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、張出部の重量によって免震装置に引抜力が作用し難い建物を、逆打ち工法によって形成するにあたり、過大設計とならないように経済的に施工を進めることができる建物形成方法を提供するところにある。
本発明の第1の特徴構成は、多数の階層を備える地上コア部と、前記地上コア部から側方に張り出す状態に形成される張出部と、前記地上コア部を免震装置を介して支持する地下構造部とを備えた建物本体を、逆打ち工法によって形成する建物形成方法であって、逆打ち工法における最上段の山留め支保工の一部となる本設床梁を設置すると共に、その本設床梁の両端側に仮設梁を連結して一連の山留め支保工を構築し、前記本設床梁の上方に前記地上コア部と前記張出部とを形成するに伴って、上方からの軸力を下方へ伝達させない非伝達部を、前記張出部の柱に形成し、前記非伝達部の非伝達状態を維持しながら最上階の前記張出部まで形成した後、前記非伝達部の上下の柱を荷重伝達できる状態に連結するところにある。
本発明の第1の特徴構成によれば、上方からの軸力を下方へ伝達させない非伝達部を、前記張出部の柱に形成し、前記非伝達部の非伝達状態を維持しながら最上階の前記張出部まで形成した後、前記非伝達部の上下の柱を荷重伝達できる状態に連結するから、地上構造部の建設過程においては、張出部のうち前記非伝達部より上方に建設される部分の荷重を、その下方に位置する最上段の山留め支保工に作用させずに施工を進めることができる。従って、前記張出部の柱下端や、最上段の山留め支保工に、前記非伝達部より上方の張出部からの過大な荷重が作用するのを防止できるようになり、最小限で経済的な断面設計を行うことができる。
また、前記非伝達部より上方の張出部は、建設が進むにつれて、自重によって下方に撓むものの、それぞれの階層において地上コア部に支持されているから、特定の階層に応力が集中することもなく、経済的な断面設計ができる。
更には、最終的に非伝達部の上下の柱を連結することで、張出部の柱が上下に一体となって荷重分担をすることができ、地上構造部全体として、より安定した応力状態を維持することができる。
また、前記非伝達部より上方の張出部は、建設が進むにつれて、自重によって下方に撓むものの、それぞれの階層において地上コア部に支持されているから、特定の階層に応力が集中することもなく、経済的な断面設計ができる。
更には、最終的に非伝達部の上下の柱を連結することで、張出部の柱が上下に一体となって荷重分担をすることができ、地上構造部全体として、より安定した応力状態を維持することができる。
本発明の第2の特徴構成は、前記非伝達部は、前記本設床梁の上に前記張出部の低階層部分を形成した後、その張出部の柱の一部に形成するところにある。
前記張出部は、力学的には地上コア部に支持されて張り出す状態に形成されるものであるが、その建設途中(特に、建設の初期の段階)においては、柱の下端部を支持部上に載置して施工を進められれば、施工工程の短縮化を図ることができる。
本発明の第2の特徴構成によれば、張出部の低階層部分を形成する際(地上構造部の建設の初期の段階)に、本設床梁の上に張出部の柱を載置した状態で施工を進めることができるから、張出部の低階層部分における施工効率を向上させることができる。また、本設床梁を含む山留め支保工に作用する鉛直荷重は、前記張出部の低階層部分の荷重に限られるので、過大なものにはならず、山留め支保工への悪影響は防止できる。
張出部の低階層部分の施工が完了すれば、それより上方の階層部分の施工においては、既に形成されている低階層部分の上に、柱を立設させながら建設を進めることができるので、地上構造部全体としても、施工効率を向上させることができる。但し、低階層部分の施工が完了した時点で、張出部の柱の一部に前記非伝達部を形成するから、実質的には、上述した第1の特徴構成がもたらす作用効果を損なうことがない。
本発明の第2の特徴構成によれば、張出部の低階層部分を形成する際(地上構造部の建設の初期の段階)に、本設床梁の上に張出部の柱を載置した状態で施工を進めることができるから、張出部の低階層部分における施工効率を向上させることができる。また、本設床梁を含む山留め支保工に作用する鉛直荷重は、前記張出部の低階層部分の荷重に限られるので、過大なものにはならず、山留め支保工への悪影響は防止できる。
張出部の低階層部分の施工が完了すれば、それより上方の階層部分の施工においては、既に形成されている低階層部分の上に、柱を立設させながら建設を進めることができるので、地上構造部全体としても、施工効率を向上させることができる。但し、低階層部分の施工が完了した時点で、張出部の柱の一部に前記非伝達部を形成するから、実質的には、上述した第1の特徴構成がもたらす作用効果を損なうことがない。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
図1は、本発明の建物形成方法によって形成した免震建物Bを示すものである。
免震建物Bは、その建物本体1を、複数階層の地下構造部1Aと、地下構造部1Aの上に免震装置1Bを介して支持された多数階層の地上構造部1Cとを備えて構成してある。
免震建物Bは、その建物本体1を、複数階層の地下構造部1Aと、地下構造部1Aの上に免震装置1Bを介して支持された多数階層の地上構造部1Cとを備えて構成してある。
前記地下構造部1Aは、逆打ち工法によって形成してある。支持杭となる構真台柱2、及び、構真柱3を設置した後、地盤掘削工程と躯体形成工程とを繰り返して、地下一階部分から順次、下方階部分に施工を進めて全体を形成してある。
尚、地下構造部1Aの施工段階で必要となる最上段の山留め支保工4に関しては、地上構造部1Cの1階の本設床梁5と、その本設床梁5の両端側に連結した仮設梁6とで構成されている。この仮設梁6は、地下構造部1Aの建設が終了するまでの過程で撤去される。
尚、地下構造部1Aの施工段階で必要となる最上段の山留め支保工4に関しては、地上構造部1Cの1階の本設床梁5と、その本設床梁5の両端側に連結した仮設梁6とで構成されている。この仮設梁6は、地下構造部1Aの建設が終了するまでの過程で撤去される。
前記免震装置1Bは、所謂、積層ゴム支承7で構成してあり、図2に示すように、矩形の金属製上パネル7Aと、矩形の金属製下パネル7Cとを設けると共に、両パネル間に、ゴム等からなる弾性層と鋼板等からなる剛性層とを交互に多数積層して円柱状に成形した積層ゴム7Bを一体的に設けて構成してある。この積層ゴム支承7によれば、前記剛性層どうしが水平方向に相対変位するに伴う前記弾性層の変形で、地震時の建物の振動周期を長周期化することができる。
尚、当該実施形態の免震建物Bにおいては、図1に示すように、前記積層ゴム支承7は、後述する地上コア部8を直下で支持している柱Paの地下1階部分に設置してある。
尚、当該実施形態の免震建物Bにおいては、図1に示すように、前記積層ゴム支承7は、後述する地上コア部8を直下で支持している柱Paの地下1階部分に設置してある。
前記地上構造部1Cは、平面のほぼ中央部分に形成されている地上コア部8と、前記地上コア部8から外方に張り出す状態に形成された張出部9とを備えて構成してある。因みに、地上コア部8は、SRC造であり、張出部9は、S造である。
地上コア部8の最上階には、前記張出部9を吊り支持するための斜材8aが設けてある。前記張出部9は、地上コア部8から側方に張り出した片持ち梁9aと、張出部9の外周部に配置されている柱9bを吊り支持する前記斜材8aとによって、安定した状態に支持されている。
また、地上構造部1C全体の荷重は、前記地上コア部8の柱Pbから前記免震装置1Bを介して地下構造部1Aに伝達されている。
当該地上構造部1Cは、アスペクト比が大きいから、本来であれば、地震による転倒モーメントによって、免震装置1Bに引抜力が作用する可能性があるが、前記張出部9の重量を地上コア部8の柱Pbに伝達されるようにしてあることで、引抜力を打ち消すことができ、免震装置1Bに悪影響が及ばない状態で所定の免震機能を発揮できるよう考慮されている。
前記張出部9の1階の鉄骨柱9bには、図3に示すような連結・切り離し自在なスリット(非伝達部に相当)Sが、予め形成してあり、最上階までの建設が完了するに伴って前記スリットS部分を溶接して(図3(b)参照)、一体の柱9bとして構成してある。
このスリットSは、柱9bを前記山留め支保工4の上に立設するにあたっては、図3(a)に示すように、スリットSの上下に各別に形成されたブラケット10にわたって連結鉄材11を取り付けて一体の状態にしておき、低階層部分の建設の後、前記連結鉄材11を撤去して、スリットSで上下の柱どうしの縁が切れるように利用される。
スリットSの間隔寸法は、張出部9の建設に伴う重量増加で、片持ち状態の張出部9に生じる最大撓み量(柱9bの最大降下量)を超えるように設定してある。即ち、地上構造部1Cを最上階まで建設した状態においても、前記スリットSで上下の柱9bが当接しないように設定されている。
従って、前記張出部9の柱9b下端部や、その部分を支持する最上段の山留め支保工4に、前記スリットSより上方の張出部9からの過大な荷重が作用するのを防止できるようになる。
地上コア部8の最上階には、前記張出部9を吊り支持するための斜材8aが設けてある。前記張出部9は、地上コア部8から側方に張り出した片持ち梁9aと、張出部9の外周部に配置されている柱9bを吊り支持する前記斜材8aとによって、安定した状態に支持されている。
また、地上構造部1C全体の荷重は、前記地上コア部8の柱Pbから前記免震装置1Bを介して地下構造部1Aに伝達されている。
当該地上構造部1Cは、アスペクト比が大きいから、本来であれば、地震による転倒モーメントによって、免震装置1Bに引抜力が作用する可能性があるが、前記張出部9の重量を地上コア部8の柱Pbに伝達されるようにしてあることで、引抜力を打ち消すことができ、免震装置1Bに悪影響が及ばない状態で所定の免震機能を発揮できるよう考慮されている。
前記張出部9の1階の鉄骨柱9bには、図3に示すような連結・切り離し自在なスリット(非伝達部に相当)Sが、予め形成してあり、最上階までの建設が完了するに伴って前記スリットS部分を溶接して(図3(b)参照)、一体の柱9bとして構成してある。
このスリットSは、柱9bを前記山留め支保工4の上に立設するにあたっては、図3(a)に示すように、スリットSの上下に各別に形成されたブラケット10にわたって連結鉄材11を取り付けて一体の状態にしておき、低階層部分の建設の後、前記連結鉄材11を撤去して、スリットSで上下の柱どうしの縁が切れるように利用される。
スリットSの間隔寸法は、張出部9の建設に伴う重量増加で、片持ち状態の張出部9に生じる最大撓み量(柱9bの最大降下量)を超えるように設定してある。即ち、地上構造部1Cを最上階まで建設した状態においても、前記スリットSで上下の柱9bが当接しないように設定されている。
従って、前記張出部9の柱9b下端部や、その部分を支持する最上段の山留め支保工4に、前記スリットSより上方の張出部9からの過大な荷重が作用するのを防止できるようになる。
次に、当該免震建物Bの形成方法について説明する。
[1]山留め壁12、構真台柱2、構真柱3、免震装置B、最上段の山留め支保工4を設置する(図4参照)。山留め支保工4に関しては、本設床梁5と、その両端に取り付けた仮設梁6とで構成する。
[2]地下構造部1Aの施工を進めると共に、本設床梁5の上に、地上構造部1Cの低層階層部分を構築する(図5参照)。この際、張出部9の柱9bのスリットSは、連結鉄材11によって連結しておく。
尚、前記仮設梁6は、地下構造部1Aの建設状況に応じて、山留め支保工4が必要なくなった時点で撤去する。
[3]前記連結鉄材11をブラケット10から取り外して、前記スリットSを、上方からの軸力が下方へ伝達しない非伝達状態にした後、それ以後の地上構造部1Cの建設を開始する(図6参照)。建設過程においては、スリットSの隙間寸法を適宜計測し、張出部9の撓み量の管理を並行して行う。
[4]地下構造部1Aの全階、及び、地上構造部1Cの最上階までの建設が完了した後、前記スリットSにおいて、上下の柱9bどうしを溶接で連結する。
以上の工程によって、当該免震建物Bが形成される(図1参照)。
[1]山留め壁12、構真台柱2、構真柱3、免震装置B、最上段の山留め支保工4を設置する(図4参照)。山留め支保工4に関しては、本設床梁5と、その両端に取り付けた仮設梁6とで構成する。
[2]地下構造部1Aの施工を進めると共に、本設床梁5の上に、地上構造部1Cの低層階層部分を構築する(図5参照)。この際、張出部9の柱9bのスリットSは、連結鉄材11によって連結しておく。
尚、前記仮設梁6は、地下構造部1Aの建設状況に応じて、山留め支保工4が必要なくなった時点で撤去する。
[3]前記連結鉄材11をブラケット10から取り外して、前記スリットSを、上方からの軸力が下方へ伝達しない非伝達状態にした後、それ以後の地上構造部1Cの建設を開始する(図6参照)。建設過程においては、スリットSの隙間寸法を適宜計測し、張出部9の撓み量の管理を並行して行う。
[4]地下構造部1Aの全階、及び、地上構造部1Cの最上階までの建設が完了した後、前記スリットSにおいて、上下の柱9bどうしを溶接で連結する。
以上の工程によって、当該免震建物Bが形成される(図1参照)。
本実施形態の建物形成方法によれば、前記張出部9の柱9b下端や、最上段の山留め支保工4に、前記スリットSより上方の張出部9からの過大な荷重が作用するのを防止でき、最小限で経済的な断面設計を行うことができる。
更には、最終的にスリットSの上下の柱9bを連結することで、張出部9の柱9bが上下に一体となって荷重分担をすることができ、地上構造部1C全体として、より安定した応力状態を維持することができる。
尚、張出部9の低層階の建設時には、前記スリットSを一時的に連結しておくから、本設床梁5の上に張出部9の柱9bを載置した状態で施工を進めることができ、施工工程の単純化により、張出部9の低階層部分における施工効率を向上させることができる。
更には、最終的にスリットSの上下の柱9bを連結することで、張出部9の柱9bが上下に一体となって荷重分担をすることができ、地上構造部1C全体として、より安定した応力状態を維持することができる。
尚、張出部9の低層階の建設時には、前記スリットSを一時的に連結しておくから、本設床梁5の上に張出部9の柱9bを載置した状態で施工を進めることができ、施工工程の単純化により、張出部9の低階層部分における施工効率を向上させることができる。
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉 前記免震建物Bは、先の実施形態で説明した建物本体構造に限るものではなく、例えば、平面形状は、中央部に地上コア部8が配置されているもの以外にも、平面内の何れかの方向に偏芯させてあるものであってもよい。また、地下構造部1A、地上構造部1C共に、先に説明した階層数に限るものではない。
また、構造形式に関しては、地上コア部8がSRC造で、張出部9がS造というように、建物本体1が、部分的に異なる構造形式を用いるものに限るものではなく、例えば、全て同じ構造形式を採用するものであってもよい。更には、SRC造、S造に限るものではなく、他の構造形式、例えばRC造であってもよい。
〈2〉 前記地上構造部1Cは、先の実施形態では、最上階部分に、地上コア部8から張出部9を吊り支持する斜材8aを設けた構造を説明したが、この構造に限るものではなく、例えば、他の階にも、斜材8aを設ける構造であったり、斜材8aを設置しない構造であってもよい。
〈3〉 前記非伝達部Sは、先の実施形態で説明したスリットSに限るものではなく、例えば、実質的に軸力が伝達しない程度の変形能を備えた材料を、上下の柱9b間に設置して構成してあってもよい。具体的には、スプリングや、弾性変形自在な合成樹脂等を、上下の柱9b間に介在させて非伝達部Sを構成してあってもよい。
また、非伝達部Sは、先の実施形態で説明した地上構造部1Cの1階の柱9bに形成してあることに限らず、例えば、2階や3階等の低階層部の柱9bに形成してあってもよい。
更には、低階層部の建設時に、非伝達部Sを一時的に連結することに限らず、地上構造部1Cの建設の当初から、前記非伝達部Sを前記非伝達状態に保つものであってもよい。
また、構造形式に関しては、地上コア部8がSRC造で、張出部9がS造というように、建物本体1が、部分的に異なる構造形式を用いるものに限るものではなく、例えば、全て同じ構造形式を採用するものであってもよい。更には、SRC造、S造に限るものではなく、他の構造形式、例えばRC造であってもよい。
〈2〉 前記地上構造部1Cは、先の実施形態では、最上階部分に、地上コア部8から張出部9を吊り支持する斜材8aを設けた構造を説明したが、この構造に限るものではなく、例えば、他の階にも、斜材8aを設ける構造であったり、斜材8aを設置しない構造であってもよい。
〈3〉 前記非伝達部Sは、先の実施形態で説明したスリットSに限るものではなく、例えば、実質的に軸力が伝達しない程度の変形能を備えた材料を、上下の柱9b間に設置して構成してあってもよい。具体的には、スプリングや、弾性変形自在な合成樹脂等を、上下の柱9b間に介在させて非伝達部Sを構成してあってもよい。
また、非伝達部Sは、先の実施形態で説明した地上構造部1Cの1階の柱9bに形成してあることに限らず、例えば、2階や3階等の低階層部の柱9bに形成してあってもよい。
更には、低階層部の建設時に、非伝達部Sを一時的に連結することに限らず、地上構造部1Cの建設の当初から、前記非伝達部Sを前記非伝達状態に保つものであってもよい。
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
1 建物本体
1A 地下構造部
4 最上段の山留め支保工
5 本設床梁
6 仮設梁
8 地上コア部
9 張出部
9b 張出部の柱
B 免震建物
S スリット(非伝達部に相当)
1A 地下構造部
4 最上段の山留め支保工
5 本設床梁
6 仮設梁
8 地上コア部
9 張出部
9b 張出部の柱
B 免震建物
S スリット(非伝達部に相当)
Claims (2)
- 多数の階層を備える地上コア部と、前記地上コア部から側方に張り出す状態に形成される張出部と、前記地上コア部を免震装置を介して支持する地下構造部とを備えた建物本体を、逆打ち工法によって形成する建物形成方法であって、
逆打ち工法における最上段の山留め支保工の一部となる本設床梁を設置すると共に、その本設床梁の両端側に仮設梁を連結して一連の山留め支保工を構築し、
前記本設床梁の上方に前記地上コア部と前記張出部とを形成するに伴って、上方からの軸力を下方へ伝達させない非伝達部を、前記張出部の柱に形成し、
前記非伝達部の非伝達状態を維持しながら最上階の前記張出部まで形成した後、前記非伝達部の上下の柱を荷重伝達できる状態に連結する建物形成方法。 - 前記非伝達部は、前記本設床梁の上に前記張出部の低階層部分を形成した後、その張出部の柱の一部に形成する請求項1に記載の建物形成方法。
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