JP6336835B2 - 免震構造および免震化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、既存建物を免震化する免震構造およびこの免震化方法に関する。
従来より、既存建物を免震化する免震レトロフィット工事が知られている。この免震レトロフィット工事は、既存建物の基礎部分や特定の階層の各既存柱に免震装置を設置し、外観、内装、設備などを損なうことなく、既存建物を免震建物に変更する方法である(特許文献1、2参照)。
この免震レトロフィット工事によれば、免震化することで、地震による強い揺れをゆっくりとした揺れに変えて加速度を抑えるので、免震化されたレベルより上の部分の補強は不要になるか、あるいは大幅に少なくできる、というメリットがある。
特許第5285850号公報 特開2013−32684号公報
上述のように、以上の免震レトロフィット工事では、各既存柱に免震装置を設置するので、免震装置の設置台数が多くなり、施工コストが増大する、という問題があった。
本発明は、免震装置の設置台数を削減できる免震構造および免震化方法を提供することを目的とする。
本発明者は、既存建物の免震化方法として、全ての既存柱の直下に免震装置を設けるのではなく、減衰装置を配置できるだけの間隔を空けて免震装置や減衰装置を設けることによって、少ない免震装置を用いた免震構造を実現できることに着眼し、免震装置および減衰装置を組み合わせた既存建物の免震構造を発明するに至った。
本発明の免震構造(例えば、後述の免震構造1)は、複数並んで設けられた既存杭(例えば、後述の既存杭11)と、当該複数の既存杭の上に設けられた最下階の複数の既存柱(例えば、後述の既存柱12)と、当該既存柱の柱脚部同士を連結する既存の基礎梁(例えば、後述の既存の基礎梁13)と、を備える既存建物(例えば、後述の既存建物2)を免震化する免震構造であって、前記複数の既存杭の杭頭部の一部が撤去されて、当該複数の既存杭の残る杭頭部に跨がって構築された耐圧盤(例えば、後述の耐圧盤20)と、前記既存の基礎梁を補強した基礎補強梁(例えば、後述の基礎補強梁30)と、前記複数の既存柱の少なくとも一部の直下でかつ前記基礎補強梁と前記耐圧盤との間に、減衰装置(例えば、後述の減衰装置48)を設置可能な間隔を空けて設けられた免震装置(例えば、後述の免震装置40)と、を備えることを特徴とする。
免震装置とは、既存建物を所定の振幅内で水平移動可能に支持する装置であり、減衰装置とは、既存建物の水平方向の加速度を減衰させる装置である。
減衰装置を設置可能な間隔とは、例えば、免震装置の軸径(積層ゴムの直径)の略5倍以上である。
また、耐圧盤は、建物の自重および積載荷重を地盤に伝えるものであり、地盤からの反力に耐えうるように強固に構築された鉄筋コンクリート造である。この耐圧盤は、最下階の床スラブとは別に構築されており、基礎スラブに地中梁が接合されたものでもよいし、基礎スラブのみとしてもよい。
この発明によれば、既存の基礎梁の下で杭頭部に跨がって耐圧盤を構築し、さらに、既存の基礎梁を基礎補強梁で補強して、この基礎補強梁と耐圧盤との間に免震装置を設けた。これにより、既存建物を免震化できる。
ここで、全ての既存柱の直下には免震装置を設けず、一部の既存柱の直下にのみ免震装置を設けた。つまり、免震装置を集約して配置した。これにより、免震装置の設置台数を削減して、施工コストを低減できる。
また、免震装置を集約して配置することにより、基礎梁は、免震装置を直下に設けない既存柱を丘立ち柱として支持することになる。本明細書において、丘立ち柱とは、既存柱の直下に、壁や柱などの躯体あるいは免震装置を設けるのではなく、隙間が形成されて、これにより、力学的に鉛直力の伝達が分断されている。
この基礎梁は、補強梁を付加して断面を増大させ、基礎梁のせん断耐力および曲げ剛性が増大させ、既存柱の固定度(回転拘束度)を高めることで、既存柱の直下に免震装置を設けない場合であっても、基礎梁によって上部構造を支持できるから、支持スパンを大きくできる。
さらに本発明の免震構造は、前記基礎補強梁は、前記免震装置に支持され、前記既存の基礎梁の両側面および/または下面に接合された長尺部材であり、当該長尺材部の内部に設けられた梁主筋は、既存の基礎スラブ(例えば、後述の既存の基礎スラブ14)に定着されていることを特徴とする。
基礎補強梁を設けることで、基礎補強梁で補強された基礎梁は、補強前の基礎梁に比べて、曲げ耐力および曲げ剛性がともに大きくなり、地震荷重が作用した際、建物の抵抗機構が変化する。したがって、新たに基礎補強梁が負担する曲げモーメントおよびせん断力を評価し、その後、耐震安全性を検証して、部材配筋等を設計する必要がある。よって、詳細な構造検討を踏まえて、構造設計を実施することになる。
しかしながら、この発明によれば、既存の基礎梁を補強する基礎補強梁を、既存の基礎梁と免震装置との間に配置して、双方を連結させる機能に限定させている。したがって、基礎補強梁を設けても、基礎梁のせん断抵抗機構が変化することはなく、簡易な接合構造でかつ既存の基礎梁の耐力および剛性を変化させないことで、新たな構造設計は不要となるから、施工コストを削減できる。
基礎補強梁と既存建物の最下階の床躯体は、各コンクリート躯体同士を当接させてもよいし、各コンクリート躯体同士の間に隙間を設けてもよい。
なお、耐圧盤と既存杭は、既存杭の杭周辺部にグラウト充填して接合し、一体とする。
また、本発明では、前記既存杭の残る杭頭部の一部と、前記耐圧盤とは、接合されていないことが好ましい。
既存杭の杭頭部と耐圧盤とを接合させると、既存建物の基礎構造による地震力に対する抵抗機構が変化するため、新たに構造設計を行う必要が生じる。
しかしながら、既存杭の杭頭部と耐圧盤とが接合されていない場合には、新たな構造設計が不要となり、施工コストを削減できる。
また、さらに本発明の免震化構造は、前記免震装置の軸径(例えば、後述の積層ゴム42の直径)は、前記既存柱の外径よりも大きいことを特徴とする。
柱間隔が約6m以内の場合、全ての柱の直下に免震装置を設けると、以下のような問題がある。
柱間隔が比較的狭いので、各柱が負担する軸力は低く、軸径の小さい免震装置しか設置できない。よって、各免震装置の限界変形率を200〜300%程度としても、免震層自体の限界変形量を大きく設定することはできないので、せん断力を免震層で吸収できず、既存建物に大きなせん断力が作用することになる。したがって、免震化により既存建物の長周期化は困難となるとともに、既存建物に補強が必要となる可能性が高い。
また、柱間隔が狭いので、免震装置間に減衰装置を配置することは困難となる。
そこで、柱間隔が約6m以内の場合には、全ての柱に直下に免震装置を設けるのではなく、免震装置を集約させる。これにより、免震装置に作用する圧縮軸力が大きくなるので、軸径の大きい免震装置を設置できる。よって、せん断力を免震層で吸収でき、既存建物に大きなせん断力が作用するのを防止できる。また、免震装置の安定性が増すとともに、浮き上がりを防止できる。
また、柱間隔が約6mを超える場合には、全ての柱の直下に免震装置を設けても、軸径の大きい免震装置を設置でき、少ない免震装置にて、上部建物に作用するせん断力を低減できる。
また、さらに本発明の免震化方法は、複数並んで設けられた既存杭と、当該複数の既存杭の上に設けられた最下階の複数の既存柱と、当該既存柱の柱脚部同士を連結する既存の基礎梁と、を備える既存建物を免震化する方法であって、前記複数の既存杭の杭頭部に跨がって耐圧盤を構築する工程(例えば、後述のステップS1、S2)と、前記既存の基礎梁に沿って当該既存の基礎梁を基礎補強梁として補強する工程(例えば、後述のステップS3)と、前記耐圧盤から前記既存の基礎梁を仮支持して、当該複数の既存杭の一部を撤去する工程(例えば、後述のステップS4、S5)と、前記複数の既存柱のうちの少なくとも一部の直下でかつ前記基礎補強梁と前記耐圧盤との間に、減衰装置を設置可能な間隔を空けて免震装置を設ける工程(例えば、後述のステップS6)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、耐圧盤から既存の基礎梁を仮支持して状態で、既存杭の一部を撤去するとともに、一部の既存柱の直下に免震装置を設けた。よって、既存杭を撤去して免震装置を据え付けるまでの工事期間中、仮支持材によって建物の水平移動を拘束して、既存建物の水平保有耐力を確保することが可能である。
本発明によれば、既存の基礎梁の下で杭頭部に跨がって耐圧盤を構築し、さらに、既存の基礎梁を基礎補強梁で補強して、この基礎補強梁と耐圧盤との間に免震装置を設けた。これにより、既存建物を免震化できる。ここで、全ての既存柱の直下には免震装置を設けず、一部の既存柱の直下にのみ免震装置を設けた。つまり、免震装置を集約して配置した。これにより、免震装置の設置台数を削減して、施工コストを低減できる。本発明は、細い柱が多数立設された既存建物の免震化に適している。
本発明の第1実施形態に係る免震構造により免震化の対象となる既存建物(改修前の建物)の基礎の縦断面図である。 図1のA−A断面図である。 前記実施形態に係る免震構造が適用されて免震化された既存建物(改修後の建物)の基礎の横断面図である。 図3のB−B断面図である。 図4のC−C断面図である。 前記実施形態に係る免震装置の縦断面図である。 前記実施形態に係る免震化方法のフローチャートである。 前記実施形態に係る免震化方法の手順を説明するための縦断面図(その1)である。 前記実施形態に係る免震化方法の手順を説明するための縦断面図(その2)である。 前記実施形態に係る免震化方法の手順を説明するための縦断面図(その3)である。 本発明の第2実施形態に係る免震構造が適用されて免震化された既存建物の基礎の縦断面図である。
本発明では、全ての既存柱に免震装置を設けるのではなく、一部の既存柱の直下のみに免震装置を配置し、残る既存柱は基礎梁に立設させるだけで、この既存柱の下に断絶空間を設けた既存建物の免震化構造である。
各既存柱は、既存の基礎梁を補強した補強後の基礎梁上から立設しており、補強後の基礎梁により大スパンを実現し、その大スパンの支承部のみに免震装置を配置する構成により、免震装置の数を減らすことを可能とした。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る免震構造1により免震化の対象となる既存建物2の基礎10の縦断面図である。図2は、図1のA−A断面図である。
既存建物2の基礎10は、複数並んで設けられた既存杭11と、これら複数の既存杭11の上に設けられた最下階の複数の既存柱12と、これら複数の既存杭11の杭頭同士を連結する既存の基礎梁13と、基礎梁13に沿って延びる既存の基礎スラブ14と、を備える。
ここで、既存杭11および既存柱12の間隔は、ここでは6m以内である。
また、既存の基礎梁13の上端には、最下階の既存床スラブ15が設けられ、基礎梁13の下端には、既存耐圧盤16が設けられる。
既存杭11の杭頭部は、既存耐圧盤16に接合され、既存柱12は、既存の基礎梁13から上方に延びている。
図3は、免震構造1が適用されて免震化された既存建物2の基礎10Aの横断面図である。図4は、図3のB−B断面図であり、図5は、図4のC−C断面図である。
免震構造1は、新設の耐圧盤20、基礎補強梁30、免震装置40、および減衰装置48を備える。
免震装置40は、既存柱12のうちの一部、ここでは、既存柱12Aの直下に位置しており、残る既存柱12の直下には設けられていない。よって、基礎梁13は、残る既存柱12を丘立ち柱として支持する。
これにより、免震装置40同士の間隔は、減衰装置48を設置可能な間隔となっているが、ここでは、免震装置の積層ゴム42の直径の略5倍である。
耐圧盤20は、鉄筋コンクリート造であり、複数の既存杭11の杭頭部の一部が撤去されて、これら複数の既存杭11の残る杭頭部に跨がって構築されている。
既存杭11の残る杭頭部と耐圧盤20とは、機械的には接合されていない状態である。
また、この耐圧盤20の上面のうち免震装置40が設置される部分には、鉄筋コンクリート造の下側免震基礎21が構築されている。
基礎補強梁30は、既存の基礎梁13の両側面および下面に接合された長尺材であり、既存の基礎梁13に沿って延びて、この既存の基礎梁13を補強するものである。この基礎補強梁30は、鉄筋コンクリート造であり、既存の基礎梁13の両側面および下面を覆う断面凹形状である。
既存の基礎梁13の両側面および下面には、アンカー17が打設されており、これにより、基礎補強梁30と既存の基礎梁13とは、強固に一体化されている。
この基礎補強梁30の上面と既存床スラブ15とは、当接しているが、機械的には接合されていない状態である。
また、基礎補強梁30の下面のうち免震装置40が設置される部分には、鉄筋コンクリート造の上側免震基礎31が構築されている。
図6は、免震装置40の縦断面図である。
免震装置40は、下側フランジ41と、この下側フランジ41の上に設けられた積層ゴム42と、この積層ゴム42の上に設けられた上側フランジ43と、を備える。
積層ゴム42は、鋼板とゴムとが交互に積層されたものである。この積層ゴム42の直径は、既存柱12の外径よりも大きくなっている。
上下のフランジ41、43には、周縁部に沿って所定間隔おきに、ボルトを挿通するためのボルト挿通孔44、45が設けられている。
下側免震基礎21の上面には、下側ベースプレート50が打ち込まれており、上側免震基礎31の下面には、上側ベースプレート51が打ち込まれている。
これらベースプレート50、51の周縁部には、円環状の所定間隔おきに、雌ねじ52、53が設けられている。
免震装置40の下側フランジ41は、下側ベースプレート50の上に載置される。この状態で、下側フランジ41のボルト挿通孔44にボルト46を挿通して、このボルト46を下側ベースプレート50の雌ねじ52に締め付けて固定する。これにより、免震装置40が下側免震基礎21に接合される。
また、免震装置40の上側フランジ43は、上側ベースプレート51に当接して配置される。この状態で、上側フランジ43のボルト挿通孔45にボルト47を挿通して、このボルト47を上側ベースプレート51の雌ねじ53に締め付けて固定する。これにより、免震装置40が上側免震基礎31に接合される。
図7は、本発明の免震化方法のフローチャートである。
ステップS1では、図8に示すように、既存の基礎梁13の下を掘削する。この掘削により、既存杭11の杭頭部および既存耐圧盤16が露出する。
ステップS2では、図8に示すように、新設の耐圧盤20を構築する。
ステップS3では、図9に示すように、既存の基礎梁13を基礎補強梁30として補強する。
具体的には、図5にも示すように、既存の基礎スラブ14および既存の基礎梁13のうち基礎補強梁30に接合される面には、目荒らし処理を施して、アンカー17を打設しておく。そして、基礎補強梁30として補強して、この基礎補強梁30と、既存の基礎スラブ14および既存の基礎梁13と、を一体化させる。この基礎補強梁30に設けられた梁主筋は、既存の基礎スラブ14に定着されている。
ステップS4では、図10に示すように、平面視で既存杭11の直上に、仮設支柱60を設置して、新設の耐圧盤20から基礎補強梁30を支持する。
ステップS5では、図10に示すように、既存杭11の杭頭部の一部、具体的には、既存杭11の杭頭部のうち新設の耐圧盤20よりも上側の部分を切断して、撤去する。これにより、基礎梁13から上の部分の荷重は、仮設支柱60を介して耐圧盤20に伝達される。
また、このとき、既存耐圧盤16を撤去するとともに、既存の基礎スラブ14の一部を撤去する。
ステップS6では、図10に示すように、既存柱12Aの直下でかつ基礎補強梁30と新設の耐圧盤20との間に、免震装置40を設置する。具体的には、耐圧盤20の上面に下側免震基礎21を構築するとともに、基礎補強梁30の下面に上側免震基礎31を設けて、免震装置40を設置する。
ステップS7では、仮設支柱60を撤去する。これにより、既存の基礎梁13から上の部分の荷重は、免震装置40を介して、耐圧盤20に伝達される。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)既存の基礎梁13の下で杭頭部に跨がって耐圧盤20を構築し、さらに、既存の基礎梁13を基礎補強梁30で補強して、この基礎補強梁30と耐圧盤20との間に免震装置40を設けた。これにより、既存建物を免震化できる。
ここで、全ての既存柱12の直下には免震装置を設けず、一部の既存柱12Aの直下にのみ免震装置40を設けた。つまり、免震装置40を集約して配置した。これにより、免震装置40の設置台数を削減して、施工コストを低減できる。
また、免震装置40を集約して配置することにより、基礎梁13は、残る既存柱12を丘立ち柱として支持することになる。
この基礎梁13は、基礎補強梁30を付加して断面を増大させ、基礎梁13のせん断耐力および曲げ剛性が増大させ、既存柱12の固定度(回転拘束度)を高めることで、既存柱12の直下に免震装置を設けない場合であっても、基礎梁13によって上部構造を支持できるから、支持スパンを大きくできる。
(2)既存の基礎梁13を補強する基礎補強梁30を、既存の基礎梁13と免震装置40との間に配置して、双方を連結させる機能に限定させている。したがって、基礎補強梁30を設けても、基礎梁13のせん断抵抗機構が変化することはなく、簡易な接合構造でかつ既存の基礎梁13の耐力および剛性を変化させないことで、新たな構造設計は不要となるから、施工コストを削減できる。
(3)既存杭11の杭頭部と耐圧盤20とを接合しないので、新たな構造設計が不要となり、施工コストを削減できる。
(4)軸径の大きい免震装置40を設置したので、せん断力を免震層で吸収でき、既存建物2に大きなせん断力が作用するのを防止できる。また、免震装置40の安定性が増すとともに、浮き上がりを防止できる。
〔第2実施形態〕
図11は、本発明の第2実施形態に係る免震構造1Aの断面図である。
本実施形態では、基礎補強梁30Aの構造が、第1実施形態と異なる。
すなわち、基礎補強梁30Aは、H形鋼からなり、既存の基礎梁13の下面に沿って延びている。また、このH形鋼である基礎補強梁30Aには、上下のフランジおよびウエブに接合されるスチフナ32が設けられている。
本実施形態によれば、上述の(1)〜(4)と同様の効果がある。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第1実施形態では、基礎補強梁30を鉄筋コンクリート造とし、第2実施形態では、基礎補強梁30AをH形鋼としたが、これに限らず、基礎補強梁をポストテンション方式のプレストレストコンクリート造としてもよい。
1、1A…免震構造
2…既存建物
10、10A…基礎
11…既存杭
12、12A…既存柱
13…既存の基礎梁
14…既存の基礎スラブ
15…既存床スラブ
16…既存耐圧盤
17…アンカー
20…新設の耐圧盤
21…下側免震基礎
30、30A…基礎補強梁
31…上側免震基礎
32…スチフナ
40…免震装置
41…下側フランジ
42…積層ゴム
43…上側フランジ
44、45…ボルト挿通孔
46、47…ボルト
50…下側ベースプレート
51…上側ベースプレート
52、53…雌ねじ
60…仮設支柱

Claims (3)

  1. 複数並んで設けられた既存杭と、当該複数の既存杭の上に設けられた最下階の複数の既存柱と、当該既存柱の柱脚部同士を連結する既存の基礎梁と、当該既存の基礎梁の上に設けられた既存床スラブと、を備える既存建物を免震化する免震構造であって、
    前記複数の既存杭の杭頭部の一部が撤去されて、当該複数の既存杭の残る杭頭部に跨がって構築された耐圧盤と、
    前記既存の基礎梁を補強した基礎補強梁と、
    前記複数の既存柱の一部の直下でかつ前記基礎補強梁と前記耐圧盤との間に、減衰装置を設置可能な間隔を空けて設けられた免震装置と、を備え
    前記基礎補強梁は、前記既存の基礎梁両側面および下面に接合されてかつ前記免震装置に支持された長尺部材であり、
    当該基礎補強梁の上面と前記既存床スラブとは接合されていないことを特徴とする免震構造。
  2. 複数並んで設けられた既存杭と、当該複数の既存杭の上に設けられた最下階の複数の既存柱と、当該既存柱の柱脚部同士を連結する既存の基礎梁と、当該既存の基礎梁の上に設けられた既存床スラブと、を備える既存建物を免震化する免震構造であって、
    前記複数の既存杭の杭頭部の一部が撤去されて、当該複数の既存杭の残る杭頭部に跨がって構築された耐圧盤と、
    前記既存の基礎梁を補強した基礎補強梁と、
    前記複数の既存柱の一部の直下でかつ前記基礎補強梁と前記耐圧盤との間に、減衰装置を設置可能な間隔を空けて設けられた免震装置と、を備え
    前記複数の既存柱のうち、免震装置が配置されていない残る既存柱は基礎梁上に立設されており、
    前記免震装置の軸径は、当該免震装置の直上の既存柱の外径よりも大きく、
    前記既存杭の杭頭部と前記耐圧盤とは接合されていないことを特徴とする免震構造。
  3. 複数並んで設けられた既存杭と、当該複数の既存杭の上に設けられた最下階の複数の既存柱と、当該既存柱の柱脚部同士を連結する既存の基礎梁と、当該既存の基礎梁の上に設けられた既存床スラブと、を備える既存建物を免震化する方法であって、
    前記複数の既存杭の杭頭部に跨がって耐圧盤を構築する工程と、
    前記既存の基礎梁の両側面および下面に長尺部材である基礎補強梁を接合して補強するとともに、当該基礎補強梁の上面と前記既存床スラブを接合しない工程と、
    前記耐圧盤から前記既存の基礎梁を仮支持して、当該複数の既存杭の一部を撤去する工程と、
    前記複数の既存柱の一部の直下でかつ前記基礎補強梁と前記耐圧盤との間に、減衰装置を設置可能な間隔を空けて免震装置を設ける工程と、を備えることを特徴とする免震化方法。
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