JP6832048B2 - 免震装置と鋼管柱との接合構造および免震建物 - Google Patents

免震装置と鋼管柱との接合構造および免震建物 Download PDF

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本発明は、免震装置と鋼管柱との接合構造、および、この接合構造が適用された免震建物に関する。
従来より、免震装置が設けられた下部構造体と、この免震装置に水平移動可能に支持された上部構造体と、を備えた免震建物が知られている。上部構造体には、鋼管柱が打ち込まれており、この鋼管柱は、免震装置の上フランジに接合される。
特許文献1には、免震装置の上部プレートに筒体で構成された鋼管柱が接合された接合構造が示されている。この上部ベースプレートの中央部分には、鋼管柱の筒体に通じる貫通孔が設けられている。
特許文献2には、免震装置の上フランジに鋼管柱の下ダイヤフラムが接合された接合構造が示されている。
特許文献3には、免震装置の上側フランジプレートにプレキャストコンクリート製の上部基礎が接合され、この上部基礎の上に柱脚部が接合された免震構造が示されている。
特開2011−52432号公報 特開2015−96685号公報 特許第5232106号公報
免震装置と鋼管柱との接合部において、接合強度をより高めるとともに、鉛直荷重の伝達性能をより向上させることが要請されている。
本発明は、免震装置と鋼管柱との接合部において、接合強度を高めるとともに、鋼管柱に作用する圧縮力および曲げモーメントをスムーズに免震装置に伝達させる鋼管柱と免震装置の接合構造を提供することを課題とする。
本発明者らは、免震装置と鋼管柱の接合構造として、鋼管柱の柱脚部を拡径させ、その柱脚部の下端に設けたベースプレートを免震装置に取り付けられた上部フランジと面接触させ、双方をボルト接合させるとともに、ベースプレート上面の柱脚部の周囲に鉄筋コンクリート体を設けることで、簡便な接合方法でありながら高剛性で、かつ高耐力を有する免震装置と鋼管柱の接合構造を発明するに至った。
第1の発明の免震装置と鋼管柱との接合構造(例えば、後述の免震装置と鋼管柱との接合構造1)は、免震装置と鋼管柱との接合構造であって、免震装置(例えば、後述の免震装置10)と、当該免震装置の上に設けられた鋼管柱(例えば、後述の鋼管柱40)と、当該鋼管柱の柱脚部の周囲に形成された鉄筋コンクリート体(例えば、後述の上部基礎50)と、を備え、前記免震装置は、上端側に上フランジ(例えば、後述の上フランジ13)を備え、前記鋼管柱は、下端面にベースプレート(例えば、後述のベースプレート41)が設けられてかつ柱脚部が拡径された筒状の鋼管(例えば、後述の鋼管42)と、当該鋼管の内部にコンクリートが充填されて形成されたコンクリート体(例えば、後述のコンクリート体43)と、を備え、前記鋼管柱のベースプレートは、前記免震装置の上フランジに連結部材(例えば、後述の固定ボルト132および雌ねじ部45)で接合されることを特徴とする。
この発明によれば、鋼管柱の柱脚部のベースプレートを免震装置の上フランジに連結部材で接合するとともに、この鋼管柱の柱脚部を拡径させた。よって、従来のように柱径が一様な鋼管柱と比べて、鋼管の側面から連結部材までの距離が短くなり、ベースプレートに作用する面外力が低減されるため、ベースプレートを薄肉化できる。
また、鋼管柱の柱脚部の周囲に鉄筋コンクリート体を設けたので、鋼管柱と免震装置との接合部の剛性を高めて、接合強度を高めることができる。
また、鉄筋コンクリート体をベースプレートの上側に設けたので、ベースプレートの浮き上がりによる面外変形を低減できる。
また、鉄筋コンクリート体は、鋼管柱に必要な所定の耐火性能を確保するための耐火被覆材として機能する。
また、地震時に鋼管柱が水平方向に移動する際、鋼管柱の拡径された柱脚部と免震装置の上フランジとの間、および鋼管柱周囲の鉄筋コンクリート体と免震装置の上フランジとの間で、圧縮軸力とせん断力が伝達される。よって、鋼管柱に作用している鉛直荷重は、鋼管柱の内部だけでなく、鋼管柱の柱脚部周囲の鉄筋コンクリート体を介しても免震装置に伝達される。よって、鋼管柱と免震装置の接合部において、圧縮力やせん断力を局所的に作用させることなく、鉛直荷重を免震装置に一様に伝達でき、鉛直荷重の伝達性能を向上できる。
第2の発明の免震装置と鋼管柱との接合構造は、前記連結部材は、前記鉄筋コンクリート体に打ち込まれていることを特徴とする。
この発明によれば、連結部材を鉄筋コンクリート体に打ち込んだので、免震装置の上フランジを貫通する連結部材を鉄筋コンクリート体に固定でき、免震装置と鋼管柱とを強固に接合することができる。
第3の発明の免震建物は、中間階に免震装置が設けられた免震建物(例えば、後述の免震建物2)であって、免震装置が設けられた下部構造体(例えば、後述の下部構造体4)と、当該免震装置に水平移動可能に支持された上部構造体(例えば、後述の上部構造体5)と、を備え、前記下部構造体と前記上部構造体との間には、請求項1または2に記載の免震装置と鋼管柱との接合構造が設けられることを特徴とする。
この発明によれば、免震装置と鋼管柱との接合構造を備えた免震建物を実現できる。
本発明によれば、免震装置と鋼管柱との接合部において、接合強度を高めるとともに、鋼管柱の軸力伝達性能を向上できる、
本発明の参考例に係る免震装置と鋼管柱との接合構造が適用された建物の模式的な縦断面図である。 図1中破線Aで囲まれた免震装置と鋼管柱との部分の拡大図である(第1実施形態)。 図2のB−B断面図である(参考例)。 図2のC−C断面図である(参考例)。 図1中破線Aで囲まれた免震装置と鋼管柱との接合部分の拡大図である(実施形態)。 図5のD−D断面図である(実施形態)。 図5のE−E断面図である(実施形態)。
本発明は、免震装置と鋼管柱の接合構造として、鋼管柱の柱脚部を拡径させ、その柱脚部に接合されたベースプレートと免震装置の上フランジとを面接触させ、双方をボルト接合させるとともに、ベースプレート上面の柱脚部周囲にRC体を設けた接合部構造である。具体的には、免震装置と鋼管柱の接合構造としては、鋼管柱に接合されたベースプレートと、免震装置のフランジとを面接触にて接合させ、双方をボルト接合するとともに、ベースプレート上の柱脚部周囲に鉄筋コンクリート体を設けた参考例(図2〜図4)と、前記第1実施形態の接合構造に対して、さらに、鋼管柱のベースプレート上および鋼管内部の内ダイヤフラム(水平鋼板)上に、それぞれ補強リブを立設させて耐震補強した実施形態(図5〜図7)と、がある。また、参考例は、鋼管の内部にコンクリートのみが充填されたコンクリート充填鋼管柱(CFT柱)を対象とした免震装置と鋼管柱の接合構造であるが、実施形態は、鋼管の内部に柱主筋とせん断補強筋が配筋された鉄筋コンクリート充填鋼管柱(RCFT柱)を対象とする。
本発明の特徴は、免震装置と鋼管柱の接合面では、鋼管柱のベースプレートと免震装置のフランジが面接触で接合されることで、鋼管柱と免震装置の間で引張力が伝達されることはない。また、鋼管柱は、柱脚部で拡径させて、鋼管柱の外径サイズを免震支承部の外径サイズに近接するように拡大させることで、鋼管柱内に過大な圧縮応力を発生させることなく、鋼管柱が負担する鉛直荷重を免震装置に滑らかに伝達できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
参考例
図1は、本発明の参考例に係る免震装置と鋼管柱との接合構造1が適用された免震建物2の模式的な縦断面図である。本参考例では、鋼管柱としてCFT柱を対象とする。
免震建物2は、地上階が鉄骨造、地下1階が鉄骨鉄筋コンクリート造、地下2階以下が鉄筋コンクリート造となっている。
免震建物2の中間階ここでは3階床レベルには、免震装置10およびオイルダンパ3が設けられている。免震建物2の免震装置10よりも下側の部分を下部構造体4とし、免震装置10よりも上側の部分を上部構造体5とすると、免震建物2は、免震装置10が設けられた下部構造体4と、この免震装置10に水平移動可能に支持された上部構造体5と、を備える。
上部構造体5は、免震装置10により水平移動可能に支持されるとともに、オイルダンパ3により上部構造体5の急激な水平移動が緩和される。これにより、上部構造体5が免震化されている。
図2は、図1中破線Aで囲まれた部分の拡大図である。図3は、図2のB−B断面図であり、図4は、図2のC−C断面図である。
免震装置と鋼管柱との接合構造1は、図2に示すように、下部構造体4の一部である鋼管柱20と、この鋼管柱20の上に設けられた上述の免震装置10と、鋼管柱20の柱頭部の周囲に形成された鉄筋コンクリート体である下部基礎30と、免震装置10の上に設けられて上部構造体5の一部である鋼管柱40と、鋼管柱40の柱脚部の周囲に形成された鉄筋コンクリート体である上部基礎50と、を備える。
鋼管柱20は、上端面にベースプレート21が設けられてかつ柱頭部が拡径された矩形筒状の鋼管22と、この鋼管22の内部にコンクリートが充填されて形成されたコンクリート体23と、を備える。
鋼管柱20の柱頭部の側面には、H形鋼である鉄骨梁24が接合されている。
鋼管22の上端部は、上方に向かうに従って拡がる形状となっている。
ベースプレート21は、矩形状であり、このベースプレート21の下面で鋼管22の外側には、周縁部に沿って複数の雌ねじ部25が環状に配置されている。これら雌ねじ部25の下端には、定着板26が設けられている。
鋼管22の内部には、鉄骨梁24の下フランジと上フランジを延伸させた高さ位置に、板状の内ダイヤフラム(水平鋼板)27、28が設けられて、鋼管22の内周面に接合されている。
内ダイヤフラム27、28の中央部には、鋼管22内に充填されるコンクリートが分断されないように、矩形状または円形状の貫通孔29Aが設けられている。
下部基礎30は、鋼管柱20の柱頭部と鉄骨梁24との接合部分に設けられており、鋼管柱20の柱頭部を囲んでいる。この下部基礎30には、鋼管柱20の周囲に水平方向に所定間隔おきに設けられて上下方向に延びる複数の鉛直方向鉄筋31と、鉛直方向鉄筋31を囲んで鉛直方向に所定間隔おきに設けられて水平方向に延びる複数の水平方向鉄筋32と、が配筋されて打ち込まれている。
下部基礎30の下端面の高さ位置は、鋼管柱20の柱脚部の拡径が開始される高さ位置よりも下方であり、下部基礎30の上端面の高さ位置は、ベースプレート21の上端面に略等しくなっている。
また、鋼管柱20のベースプレート21に設けられた雌ねじ部25は、下部基礎30に打ち込まれている。
鋼管柱40は、下端面にベースプレート41が設けられてかつ柱脚部が拡径された矩形筒状の鋼管42と、この鋼管42の内部にコンクリートが充填されて形成されたコンクリート体43と、を備える。
鋼管柱40の柱脚部の側面には、H形鋼である鉄骨梁44が接合されている。
鋼管42の下端部は、下方に向かうに従って拡がる形状となっている。
ベースプレート41は、矩形状であり、このベースプレート41の上面で鋼管42の外側には、周縁部に沿って複数の連結部材としての雌ねじ部45が環状に配置されている。これら雌ねじ部45の上端には、定着板46が設けられている。
なお、鋼管42の下端側が拡径されているため、鋼管柱40の中間部および柱頭部では、図2に示すように、鋼管42の側面から雌ねじ部45までの距離がdであるが、鋼管柱40の柱脚部では、鋼管42の側面から雌ねじ部45までの距離がdより短いdとなっている。
上部基礎50は、鋼管柱40の柱脚部と鉄骨梁44との接合部分に設けられており、鋼管柱40の柱脚部を囲んで、鋼管柱40のベースプレート41の上に位置している。この上部基礎50には、鋼管柱40の周囲に水平方向に所定間隔おきに設けられて上下方向に延びる複数の鉛直方向鉄筋51と、鉛直方向鉄筋51を囲んで鉛直方向に所定間隔おきに設けられて水平方向に延びる複数の水平方向鉄筋52と、が配筋されて打ち込まれている。また、鋼管柱40のベースプレート41に設けられた雌ねじ部45は、上部基礎50に打ち込まれている。
上部基礎50の上端面の高さ位置は、鋼管柱40の柱脚部の拡径が開始する高さ位置より上方であり、上部基礎50の下端面の高さ位置は、ベースプレート41の下端面に略等しくなっている。
鋼管42の内部には、鉄骨梁44の上フランジと下ランジを延伸させた高さ位置に、板状の内ダイヤフラム(水平鋼板)47、48が設けられて、鋼管22の内周面に接合されている。
内ダイヤフラム47、48の中央部には、鋼管22内に充填されるコンクリートが分断されないように、矩形状または円形状の貫通孔49Aが設けられている。
免震装置10は、積層ゴム11と、この積層ゴム11の下に設けられた下フランジ12と、積層ゴム11の上に設けられた矩形板状の上フランジ13と、を備える。
積層ゴム11は、ゴムと鋼板とを交互に積層したものであり、弾性変形可能となっている。
下フランジ12には、環状に配置されたボルト挿通孔121が形成されている。固定ボルト122をこのボルト挿通孔121に挿通し、ベースプレート21の雌ねじ部25に螺合することで、免震装置10の下フランジ12がベースプレート21に接合される。
上フランジ13は、環状に配置されたボルト挿通孔131が形成されている。固定ボルト132をこのボルト挿通孔131に挿通し、ベースプレート41の雌ねじ部45に螺合することで、免震装置10の上フランジ13がベースプレート41に接合される。
参考例によれば、以下のような効果がある。
(1)鋼管柱40の柱脚部のベースプレート41を免震装置10の上フランジ13に固定ボルト132で接合するとともに、この鋼管柱40の柱脚部を拡径させた。よって、従来のように柱径が一様な鋼管柱と比べて、鋼管の外面から雌ねじ部45までの距離が短くなって寸法d2となり、ベースプレート41に作用する面外力が低減されるため、ベースプレート41を薄肉化できる。また、免震装置10の上フランジ13と面接触する鋼管柱40の柱脚部が拡径されているので、鋼管柱を拡径なしの一様な断面形状とした場合に比べて、鋼管柱40が負担する鉛直荷重によりベースプレート41に加わる圧縮応力が低減される。
また、鋼管柱40の柱脚部の周囲に上部基礎50を設けたので、鋼管柱40と免震装置10との接合強度を高めることができる。
(2)鋼管柱40の柱脚部を拡径させかつこの柱脚部の周囲に鉄筋コンクリート体である上部基礎50を設けたことで、鋼管柱40の水平断面積が大きくなって、鋼管柱40が負担する鉛直荷重が分散され、さらに、鋼管柱40のベースプレート41に面接合される上フランジ13を介して免震装置10に伝達される。このように、鋼管柱40の鉛直荷重が鋼管柱40の拡径部分と上部基礎50により分散されて免震装置10の上フランジ13に伝達されるため、局所的に過大な圧縮応力度や局部的な応力集中がベースプレート41に生じるのを低減できる。また、鋼管柱40の柱脚部を拡径するとともに、この柱脚部を覆うように上部基礎50を設けたことで、免震装置10と鋼管柱40の接合部が強固に一体化され、鋼管柱40と鉄骨梁24との柱梁接合部のせん断強度を高めることができる。さらに、免震装置10と鋼管柱40との接合構造の軸剛性、せん断剛性、および曲げ剛性を高めることができる。
(3)鉄筋コンクリート体である上部基礎50が、鋼管柱40に必要な所定の耐火性能を確保するための耐火被覆材として機能するため、新たに耐火被覆材を設置する必要はなく、優れた耐火性能を確保できる。
(4)鋼管柱40の拡径が開始する高さ位置を、上部基礎50の上端面より下方とし、鋼管柱40の拡径部分を鉄筋コンクリート体で覆うことで、鋼管柱40単体において水平断面積が最小化する鋼管柱40の拡径開始高さ位置を耐震補強して、耐震安全性を高めることができる。
また、地震時に鋼管柱40が水平方向に移動する際、鋼管柱40の拡径された柱脚部と免震装置10の上フランジ13との間、および鋼管柱40周囲の上部基礎50と免震装置01の上フランジ13との間で、圧縮軸力とせん断力が伝達される。よって、鋼管柱40の直下に、過大な局所的な圧縮応力を生じさせることなく、鋼管柱40が負担する鉛直荷重を免震装置10に伝達できる。
(5)雌ねじ部45を上部基礎50に打ち込んだので、免震装置10の上フランジ13を貫通する固定ボルト132を上部基礎50に固定でき、免震装置10と鋼管柱40とを強固に接合することができる。
〔実施形態〕
図5は、図1中破線Aで囲まれた免震装置と鋼管柱との接合部分の拡大図である。図6は、図5のD−D断面図であり、図7は、図5のE−E断面図である。
本実施形態の免震装置と鋼管柱の接合構造1Aでは、鋼管柱としてRCFT柱を対象とし、かつ鋼管柱の内外に外補強リブ70、80および内補強リブ71、81を設けた点が、参考例の免震装置と鋼管柱の接合構造1と異なる。
すなわち、外補強リブ70、80は、鋼管柱20、40のベースプレート21、41と鋼管22、42との間に設けられている。
外補強リブ70、80は、図5および図7に示すように、略台形状の平鋼材であり、ベースプレート21、41上に立設されて鋼管22、42の外周面に接合されている。この外補強リブ70、80は、ベースプレート21、41および鋼管22、42のそれぞれに溶接固定されている。
内補強リブ71、81は、鋼管22内部の内ダイヤフラム28、48上に設けられている。
内補強リブ71、81は、図5および図7に示すように、矩形状の平鋼材であり、内ダイヤフラム28、48上に立設されて鋼管22、42の内周面に接合されている。この内補強リブ71、81は、内ダイヤフラム28、48および鋼管22、42のそれぞれに溶接固定されている。
外補強リブ70、80および内補強リブ71、81は、断面矩形状の鋼管22、42の各側面に同数ずつ配置されている。なお、これに限らず、鋼管22、42が断面円環状である場合には、外補強リブおよび内補強リブを、鋼管の円形の壁面に沿って所定間隔おきに配置してもよい。
また、免震装置10に接合される鋼管柱20、40には、図5〜図7に示すように、柱主筋およびせん断補強筋が配筋されている。内ダイヤフラム27、28、47、48の四隅のそれぞれには、3つの貫通孔29Bが設けられており、これら貫通孔29Bには、柱主筋60が挿通されている。
柱主筋60の上端部つまり免震装置10側の端部には、柱主筋60のコンクリートに対する定着強度を高めるためにプレート61が設けられている。
なお、本実施形態では、1つの貫通孔29Bに1本の柱主筋60を挿通したが、これに限らず、大きな貫通孔を形成して、1つの貫通孔に複数本の柱主筋を挿通してもよい。また、本実施形態では、柱主筋60の下端部にプレート61を設けたが、これに限らず、フックを設けてもよい。
本実施形態によれば、上述の(1)〜(5)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(6)鋼管柱20、40のベースプレート21、41上に外補強リブ70,80を立設し、さらに、鋼管柱20、40の内ダイヤフラム28、48上に内補強リブ71、81を立設したので、鋼管柱20、40と鋼管柱20、40の柱脚部を覆う基礎30,50との密着性が確保される。また、鋼管柱20、40に地震荷重が作用した際には、補強リブ70、71、80、81が立設されたベースプレート21、41および内ダイヤフラム28、48によって、鋼管柱20、40とその鋼管柱20、40の内部に充填されたコンクリート体23、43との一体性を高めることができる。
(7)鋼管柱20、40のベースプレート21、41の上面および内ダイヤフラム28、48の上面のそれぞれに補強リブ70、71、80、81を設けたので、鋼管柱20、40と鉄骨梁24、44との接合部の剛性および耐力を増大できるうえに、免震装置10と鋼管柱20、40との接合部の剛性および耐力を増大できる。よって、鉛直荷重の伝達性能を向上できる。
また、鋼管柱20、40に接合された補強リブ70、71、80、81が鉄筋コンクリート造の基礎30、50に埋設されていることで、補強リブ70、71、80、81が付着抵抗材やせん断抵抗材となり、鋼管柱20、40と基礎30、50との一体性が高められ、免震装置10と鋼管柱20、40との接合構造のせん断強度を増大できる。
〔変形例〕
施形態の免震装置と鋼管柱の接合構造1Aの変形例として、鋼管柱20、40のベースプレート21、41の上面に立設される外補強リブ70、80、および、鋼管柱20、40の内ダイヤフラム28、48上に立設される内補強リブ71、81のうち、一方のみを設けてもよい。
この変形例によれば、鋼管柱20、40に外補強リブ70、80または内補強リブ71、81を設けるため、製作コストが低減され、かつ、補強リブの総数を削減して、鋼管柱20、40内部または外部に充填するコンクリートの充填性を高めることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記実施形態では、鋼管柱20、40を免震装置10の上側と下側にそれぞれ設置したが、これに限らず、鋼管柱を免震装置の上側および下側の一方のみに設置してもよい。また、上記実施形態では、免震装置10の上下に鋼管柱20、40を設けたが、これに限らず、免震装置10の上下の一方のみに鋼管柱を設け、他方を鉄筋コンクリート柱としてもよい。
また、上記実施形態では、補強リブ70、71、80、81を平鋼材としたが、これに限らず、補強リブにスタッドボルトを溶接してもよいし、補強リブを断面L字形状やC字形状の形鋼材としてもよい。
また、参考例は、鋼管柱をCFT柱としたが、これに限らず、鋼管柱をRCFT柱としてもよい。また、実施形態は、鋼管柱をRCFT柱としたが、これに限らず、内ダイヤフラムの四隅に柱主筋用の貫通孔を設けずに、鋼管柱をCFT柱としてもよい。
1、1A…免震装置と鋼管柱との接合構造 2…免震建物 3…オイルダンパ
4…下部構造体 5…上部構造体
10…免震装置 11…積層ゴム 12…下フランジ 13…上フランジ
20…鋼管柱 21…ベースプレート 22…鋼管 23…コンクリート体
24…鉄骨梁 25…雌ねじ部 26…定着板 27、28…内ダイヤフラム
29A、29B…貫通孔
30…下部基礎 31…鉛直方向鉄筋 32…水平方向鉄筋
40…鋼管柱 41…ベースプレート 42…鋼管 43…コンクリート体
44…鉄骨梁 45…雌ねじ部(連結部材) 46…定着板 47、48…内ダイヤフラム 49A、49B…貫通孔
50…上部基礎(鉄筋コンクリート体) 51…鉛直方向鉄筋 52…水平方向鉄筋
60…柱主筋 61…プレート 70、80…外補強リブ 71、81…内補強リブ
121…ボルト挿通孔 122…固定ボルト
131…ボルト挿通孔 132…固定ボルト(連結部材)

Claims (3)

  1. 免震装置と鋼管柱との接合構造であって、
    免震装置と、
    当該免震装置の上に設けられた鋼管柱と、
    当該鋼管柱の柱脚部の周囲に形成された鉄筋コンクリート体と、を備え、
    前記免震装置は、端側にフランジを備え、
    前記鋼管柱は、柱脚部が拡径された筒状の鋼管と、当該鋼管の一端面に接合されたベースプレートと、前記鋼管の内部に設けられた内ダイヤフラムと、前記ベースプレートの上面および/または前記内ダイヤフラムの上面に立設される補強リブと、前記鋼管の内部にコンクリートが充填されて形成されたコンクリート体と、を備え、
    前記鋼管柱のベースプレートは、前記免震装置のフランジに連結部材で接合され
    当該前記連結部材は、前記ベースプレートの上の前記鉄筋コンクリート体に埋設されることを特徴とする免震装置と鋼管柱との接合構造。
  2. 前記鋼管柱には、柱主筋およびせん断補強筋が配筋されており、
    前記柱主筋は、前記内ダイヤフラムに設けられた貫通孔に挿通されて、前記内ダイヤフラムの上下のコンクリート体に埋設されることを特徴とする請求項1に記載の免震装置と鋼管柱との接合構造。
  3. 中間階に免震装置が設けられた免震建物であって、
    免震装置が設けられた下部構造体と、
    当該免震装置に水平移動可能に支持された上部構造体と、を備え、
    前記下部構造体と前記上部構造体との間には、請求項1または2に記載の免震装置と鋼管柱との接合構造が設けられることを特徴とする免震建物。
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