JP6832048B2 - 免震装置と鋼管柱との接合構造および免震建物 - Google Patents
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特許文献3には、免震装置の上側フランジプレートにプレキャストコンクリート製の上部基礎が接合され、この上部基礎の上に柱脚部が接合された免震構造が示されている。
また、鋼管柱の柱脚部の周囲に鉄筋コンクリート体を設けたので、鋼管柱と免震装置との接合部の剛性を高めて、接合強度を高めることができる。
また、鉄筋コンクリート体は、鋼管柱に必要な所定の耐火性能を確保するための耐火被覆材として機能する。
〔参考例〕
図1は、本発明の参考例に係る免震装置と鋼管柱との接合構造1が適用された免震建物2の模式的な縦断面図である。本参考例では、鋼管柱としてCFT柱を対象とする。
免震建物2は、地上階が鉄骨造、地下1階が鉄骨鉄筋コンクリート造、地下2階以下が鉄筋コンクリート造となっている。
上部構造体5は、免震装置10により水平移動可能に支持されるとともに、オイルダンパ3により上部構造体5の急激な水平移動が緩和される。これにより、上部構造体5が免震化されている。
免震装置と鋼管柱との接合構造1は、図2に示すように、下部構造体4の一部である鋼管柱20と、この鋼管柱20の上に設けられた上述の免震装置10と、鋼管柱20の柱頭部の周囲に形成された鉄筋コンクリート体である下部基礎30と、免震装置10の上に設けられて上部構造体5の一部である鋼管柱40と、鋼管柱40の柱脚部の周囲に形成された鉄筋コンクリート体である上部基礎50と、を備える。
鋼管柱20の柱頭部の側面には、H形鋼である鉄骨梁24が接合されている。
ベースプレート21は、矩形状であり、このベースプレート21の下面で鋼管22の外側には、周縁部に沿って複数の雌ねじ部25が環状に配置されている。これら雌ねじ部25の下端には、定着板26が設けられている。
内ダイヤフラム27、28の中央部には、鋼管22内に充填されるコンクリートが分断されないように、矩形状または円形状の貫通孔29Aが設けられている。
また、鋼管柱20のベースプレート21に設けられた雌ねじ部25は、下部基礎30に打ち込まれている。
鋼管柱40の柱脚部の側面には、H形鋼である鉄骨梁44が接合されている。
ベースプレート41は、矩形状であり、このベースプレート41の上面で鋼管42の外側には、周縁部に沿って複数の連結部材としての雌ねじ部45が環状に配置されている。これら雌ねじ部45の上端には、定着板46が設けられている。
内ダイヤフラム47、48の中央部には、鋼管22内に充填されるコンクリートが分断されないように、矩形状または円形状の貫通孔49Aが設けられている。
積層ゴム11は、ゴムと鋼板とを交互に積層したものであり、弾性変形可能となっている。
上フランジ13は、環状に配置されたボルト挿通孔131が形成されている。固定ボルト132をこのボルト挿通孔131に挿通し、ベースプレート41の雌ねじ部45に螺合することで、免震装置10の上フランジ13がベースプレート41に接合される。
(1)鋼管柱40の柱脚部のベースプレート41を免震装置10の上フランジ13に固定ボルト132で接合するとともに、この鋼管柱40の柱脚部を拡径させた。よって、従来のように柱径が一様な鋼管柱と比べて、鋼管の外面から雌ねじ部45までの距離が短くなって寸法d2となり、ベースプレート41に作用する面外力が低減されるため、ベースプレート41を薄肉化できる。また、免震装置10の上フランジ13と面接触する鋼管柱40の柱脚部が拡径されているので、鋼管柱を拡径なしの一様な断面形状とした場合に比べて、鋼管柱40が負担する鉛直荷重によりベースプレート41に加わる圧縮応力が低減される。
また、鋼管柱40の柱脚部の周囲に上部基礎50を設けたので、鋼管柱40と免震装置10との接合強度を高めることができる。
図5は、図1中破線Aで囲まれた免震装置と鋼管柱との接合部分の拡大図である。図6は、図5のD−D断面図であり、図7は、図5のE−E断面図である。
本実施形態の免震装置と鋼管柱の接合構造1Aでは、鋼管柱としてRCFT柱を対象とし、かつ鋼管柱の内外に外補強リブ70、80および内補強リブ71、81を設けた点が、参考例の免震装置と鋼管柱の接合構造1と異なる。
外補強リブ70、80は、図5および図7に示すように、略台形状の平鋼材であり、ベースプレート21、41上に立設されて鋼管22、42の外周面に接合されている。この外補強リブ70、80は、ベースプレート21、41および鋼管22、42のそれぞれに溶接固定されている。
内補強リブ71、81は、図5および図7に示すように、矩形状の平鋼材であり、内ダイヤフラム28、48上に立設されて鋼管22、42の内周面に接合されている。この内補強リブ71、81は、内ダイヤフラム28、48および鋼管22、42のそれぞれに溶接固定されている。
なお、本実施形態では、1つの貫通孔29Bに1本の柱主筋60を挿通したが、これに限らず、大きな貫通孔を形成して、1つの貫通孔に複数本の柱主筋を挿通してもよい。また、本実施形態では、柱主筋60の下端部にプレート61を設けたが、これに限らず、フックを設けてもよい。
(6)鋼管柱20、40のベースプレート21、41上に外補強リブ70,80を立設し、さらに、鋼管柱20、40の内ダイヤフラム28、48上に内補強リブ71、81を立設したので、鋼管柱20、40と鋼管柱20、40の柱脚部を覆う基礎30,50との密着性が確保される。また、鋼管柱20、40に地震荷重が作用した際には、補強リブ70、71、80、81が立設されたベースプレート21、41および内ダイヤフラム28、48によって、鋼管柱20、40とその鋼管柱20、40の内部に充填されたコンクリート体23、43との一体性を高めることができる。
また、鋼管柱20、40に接合された補強リブ70、71、80、81が鉄筋コンクリート造の基礎30、50に埋設されていることで、補強リブ70、71、80、81が付着抵抗材やせん断抵抗材となり、鋼管柱20、40と基礎30、50との一体性が高められ、免震装置10と鋼管柱20、40との接合構造のせん断強度を増大できる。
実施形態の免震装置と鋼管柱の接合構造1Aの変形例として、鋼管柱20、40のベースプレート21、41の上面に立設される外補強リブ70、80、および、鋼管柱20、40の内ダイヤフラム28、48上に立設される内補強リブ71、81のうち、一方のみを設けてもよい。
この変形例によれば、鋼管柱20、40に外補強リブ70、80または内補強リブ71、81を設けるため、製作コストが低減され、かつ、補強リブの総数を削減して、鋼管柱20、40内部または外部に充填するコンクリートの充填性を高めることができる。
また、参考例は、鋼管柱をCFT柱としたが、これに限らず、鋼管柱をRCFT柱としてもよい。また、実施形態は、鋼管柱をRCFT柱としたが、これに限らず、内ダイヤフラムの四隅に柱主筋用の貫通孔を設けずに、鋼管柱をCFT柱としてもよい。
4…下部構造体 5…上部構造体
10…免震装置 11…積層ゴム 12…下フランジ 13…上フランジ
20…鋼管柱 21…ベースプレート 22…鋼管 23…コンクリート体
24…鉄骨梁 25…雌ねじ部 26…定着板 27、28…内ダイヤフラム
29A、29B…貫通孔
30…下部基礎 31…鉛直方向鉄筋 32…水平方向鉄筋
40…鋼管柱 41…ベースプレート 42…鋼管 43…コンクリート体
44…鉄骨梁 45…雌ねじ部(連結部材) 46…定着板 47、48…内ダイヤフラム 49A、49B…貫通孔
50…上部基礎(鉄筋コンクリート体) 51…鉛直方向鉄筋 52…水平方向鉄筋
60…柱主筋 61…プレート 70、80…外補強リブ 71、81…内補強リブ
121…ボルト挿通孔 122…固定ボルト
131…ボルト挿通孔 132…固定ボルト(連結部材)
Claims (3)
- 免震装置と鋼管柱との接合構造であって、
免震装置と、
当該免震装置の上に設けられた鋼管柱と、
当該鋼管柱の柱脚部の周囲に形成された鉄筋コンクリート体と、を備え、
前記免震装置は、一端側にフランジを備え、
前記鋼管柱は、柱脚部が拡径された筒状の鋼管と、当該鋼管の一端面に接合されたベースプレートと、前記鋼管の内部に設けられた内ダイヤフラムと、前記ベースプレートの上面および/または前記内ダイヤフラムの上面に立設される補強リブと、前記鋼管の内部にコンクリートが充填されて形成されたコンクリート体と、を備え、
前記鋼管柱のベースプレートは、前記免震装置のフランジに連結部材で接合され、
当該前記連結部材は、前記ベースプレートの上の前記鉄筋コンクリート体に埋設されることを特徴とする免震装置と鋼管柱との接合構造。 - 前記鋼管柱には、柱主筋およびせん断補強筋が配筋されており、
前記柱主筋は、前記内ダイヤフラムに設けられた貫通孔に挿通されて、前記内ダイヤフラムの上下のコンクリート体に埋設されることを特徴とする請求項1に記載の免震装置と鋼管柱との接合構造。 - 中間階に免震装置が設けられた免震建物であって、
免震装置が設けられた下部構造体と、
当該免震装置に水平移動可能に支持された上部構造体と、を備え、
前記下部構造体と前記上部構造体との間には、請求項1または2に記載の免震装置と鋼管柱との接合構造が設けられることを特徴とする免震建物。
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