JP7335143B2 - 段差を有する床スラブ付き鉄骨梁 - Google Patents

段差を有する床スラブ付き鉄骨梁 Download PDF

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Description

本発明は、梁の上部にコンクリート床スラブが存在し、該コンクリート床スラブと梁が接合されている床スラブ付鉄骨梁に関し、特に床スラブに段差が設けられた段差を有する床スラブ付き鉄骨梁に関するものである。
鋼構造建物では地震時に横座屈と呼ばれる現象によって鉄骨梁が梁材軸直交方向に変形して、所定の耐力や変形能力を発揮しない恐れがあるため、通常、小梁又は孫梁を鉄骨梁間に配置して、鉄骨梁の材軸直交方向の移動を拘束することで横座屈を防止する。
その際、小梁又は孫梁に接合してあるアングル等の部材と鉄骨梁の下フランジとを接合することで、下フランジの構面外変形も拘束することが通例である。
鉄骨梁が頭付きスタッドを介してコンクリート床スラブと接合されている従来の形態を図11、図12に示す。
従来の床スラブ付き鉄骨梁41は、両端部が柱3に剛接合されたH形断面の鉄骨梁5と、鉄骨梁5の上部に頭付きスタッド51を介して接合されたコンクリート床スラブ13とを有するものであって、鉄骨梁5の側面にはガセットプレート49が設けられ、小梁45が鉄骨梁5の上部においてガセットプレート43とボルト接合され、アングル47が小梁45の下部に設けたガセットプレート43と鉄骨梁5の側面のガセットプレート49の下部とに跨るように接合されている。これによって鉄骨梁5の横座屈による構面外変形が拘束される。
また、コンクリート床スラブ13には、固定荷重や積載荷重に対してひび割れが生じないよう鉄筋31が設けられている。またコンクリート打設のためのデッキプレート25が鉄骨梁5の上フランジ7にかけるようにして設けられる。
鉄骨梁5のウェブ19は柱3に溶接接合されるか、柱3に溶接接合されたシヤプレート21と高力ボルト接合される。
図11、図12に示す例は、コンクリート床スラブ13における鉄骨梁5の梁材軸直交方向両側が共に鉄骨梁5の上フランジ7上にある場合であるが、コンクリート床スラブ13が梁材軸直交方向の両側で段差を有する場合がある。このように、コンクリート床スラブ13に段差が設けられ、コンクリート床スラブ13の梁材軸直交方向の一方側のみが鉄骨梁5の上フランジ7と同じ高さに位置し、他方側のコンクリート床スラブ13の下面が鉄骨梁5の上フランジ7の上面よりも鉛直上方に位置する場合の従来の形態を図13、図14に示す。
図13、図14に示す態様の場合、図14に示すように、鉄骨梁5の上フランジ7におけるコンクリート床スラブ13が上方に位置する側の側面に、アングル23(又は溝形鋼)が溶接接合され、アングル23(又は溝形鋼)にデッキプレート25をかけてコンクリート29を打設することで、コンクリート床スラブ13の梁材軸直交方向の一方側のみが、鉄骨梁5の上フランジ7よりも上方に位置する構造となる。このとき、頭付きスタッド51の高さはコンクリート床スラブ13の厚さに対して決定されるのが一般的で、段差高さに合わせて調整されることはない。
昨今、非特許文献1に示すように、鉄骨梁が頭付きスタッドを介してコンクリート床スラブと接合されている場合、上フランジの構面外変形が拘束され、横座屈防止用の小梁、孫梁、アングルを省略できるという考え方が広まっている。
このような考えの下、特許文献1では、鉄骨梁に接合されているコンクリート床スラブのねじれ剛性を鉄骨梁のねじれ剛性の10倍とすることで横座屈補剛材がなくても横座屈を防止できる設計法が提案されている。
また、特許文献2では、鉄骨梁の上部及び前記鉄骨梁の材軸直交水平方向の一方側にのみ連続して存在する床スラブと、前記鉄骨梁上面に配置された頭付きスタッドを介して接合された鉄骨梁において、前記頭付きスタッドの梁材軸直交水平方向のせん断耐力を補強するための補強鉄筋を設けることが提案されている。特許文献2では、このようにすることで、前記頭付きスタッドと前記床スラブのコンクリート縁部までの距離が短い場合でも、前記頭付きスタッドが十分な耐力を有し、前記床スラブによって上フランジの材軸直交方向水平変位が十分拘束されるとしている。
さらに、特許文献3では、特許文献2と同様に、床スラブが鉄骨梁の上部及び前記鉄骨梁の材軸直交水平方向の一方側にのみ連続して存在する床スラブ付き鉄骨梁において、引抜に対する頭付きスタッドの投影面積ついて規定している。
特許第5885911号公報 特開2018-135668号公報 特開2018-204425号公報
日本建築学会「各種合成構造設計指針・同解説,2010」
前述の通り、コンクリート床スラブ13によって鉄骨梁5の構面外変形を拘束することで横座屈防止用の小梁45、孫梁、アングル47を省略できる考え方が広まっており、そのためには鉄骨梁5の上フランジ7の構面外変形が十分拘束されていることが必須となる。
しかし、図13、図14に示したように段差を有するコンクリート床スラブ13が設けられた従来の形態では、頭付きスタッド51とコンクリート床スラブ13の縁部との距離が近い。このため、横座屈補剛部材を省略した場合、地震時に鉄骨梁5が横座屈によって構面外に変形しようとする力に対して、頭付きスタッド51が十分な耐力を有しておらず、頭付きスタッド接合部が破壊して、鉄骨梁5が十分な変形能力を発揮できない恐れがある。この際、頭付きスタッド接合部では、頭付きスタッド51とコンクリート床スラブ13の縁部の間に位置するコンクリート29がコーン状に破壊する。
この点、特許文献1では、横座屈補剛部材が無い場合でも鉄骨梁の上フランジの構面外変形を十分拘束するための床スラブの必要性能について述べている。しかし、床スラブが段差形状の場合には言及されておらず、また床スラブと鉄骨梁を接合する頭付きスタッドについては規定していない。
また、特許文献2では建物外周部のような床スラブが鉄骨梁の材軸直交水平方向の一方側にのみ連続する場合、頭付きスタッドと床スラブの縁部までの距離が短くなり頭付きスタッドの耐力が低下する恐れがあることに対して、鉄筋による頭付きスタッド周辺の補強について述べている。よって、この考えを、段差を有する床スラブに適用することも考えられる。
しかし、頭付きスタッドに補強鉄筋を設けるのは実施工において多大な手間を要してしまう。
特許文献3では、床スラブが鉄骨梁の材軸直交水平方向の一方側にのみ連続する場合は、ねじれ変形が大きくなるため頭付きスタッドが引き抜かれるような破壊が生じる恐れがあることに対して、引抜に対して頭付きスタッドが十分な量配置されるように、必要な投影面積を規定している。
ただし、鉄骨梁近辺を境として床スラブに段差が設けられ、鉄骨梁の材軸直交水平方向の一方と他方で床スラブの高さ方向位置が異なる場合、頭付きスタッドと床スラブの縁部までの距離が短くなり頭付きスタッドの耐力が低下する恐れはある。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、床スラブに段差がある場合であっても、横座屈防止用の小梁、孫梁等を設けることなく、横座屈による鉄骨梁の上フランジの構面外変形を拘束して十分な変形能力を確保できる段差を有する床スラブ付き鉄骨梁を提供することを目的としている。
(1)本発明に係る段差を有する床スラブ付き鉄骨梁は、両端部が柱に剛接合されると共に横座屈補剛部材が設けられていないH形断面の鉄骨梁と、該鉄骨梁の上フランジの全長に亘って設けられた頭付きスタッドを介して接合されたコンクリート床スラブとを有し、前記コンクリート床スラブにおける梁材軸直交方向の一方側の下面が、前記鉄骨梁の上フランジ上面と同じ高さに位置し、前記コンクリート床スラブにおける梁材軸直交方向の他方側の下面が前記鉄骨梁の上フランジ上面よりも鉛直上方に位置するように構成された段差を有する床スラブ付き鉄骨梁であって、
前記頭付きスタッドは、その頂部が、前記コンクリート床スラブにおける前記他方側の下面よりも上方に位置するように設置されていることを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記鉄骨梁の上フランジ上面と前記コンクリート床スラブにおける前記他方側の下面との鉛直方向距離が150mm以内であり、かつ前記頭付きスタッドの頂部と前記コンクリート床スラブにおける前記他方側の下面との鉛直方向距離が50mm以上であることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記頭付きスタッドの高さが、下面が前記鉄骨梁の上面と同じ高さに位置する側の前記コンクリート床スラブの厚さよりも大きいことを特徴とするものである。
本発明によれば、頭付きスタッドの頂部が、鉄骨梁の上フランジ上面よりも鉛直上方に位置する側のコンクリート床スラブにおける下面よりも上方に位置するように設置したことにより、コンクリート床スラブが段差を有することにより頭付きスタッドと床スラブ縁までの距離が短い場合であっても、鉄骨梁の上フランジの構面外変形を拘束するだけの十分な性能を有する頭付きスタッド接合部を実現できる。これによって、補強鉄筋の配筋等の多大な手間を要することなく、横座屈補剛部材が設けられていない段差を有するコンクリート床スラブ付き鉄骨梁を実現できる。
本発明の実施の形態に係る段差を有する床スラブ付き鉄骨梁の説明図である。 図1の矢視A-A断面図である。 本発明の実施の形態に係る段差を有する床スラブ付き鉄骨梁の他の態様の説明図である(その1)。 本発明の実施の形態に係る段差を有する床スラブ付き鉄骨梁の他の態様の説明図である(その2)。 実施例における従来例に対応する試験体Aの説明図である。 図5の矢視B-B図である。 実施例における本発明例に対応する試験体Bの説明図である。 図7の矢視B-B図である。 実施例で用いた載荷装置の説明図である。 実施例の試験結果を示すグラフである。 従来の床スラブ付き鉄骨梁の説明図である。 図11の矢視A-A断面図である。 従来の段差を有する床スラブ付き鉄骨梁の説明図である。 図13の矢視A-A断面図である。
本実施の形態に係る床スラブ付き鉄骨梁を図1、図2に基づいて説明する。なお、図1、図2において、従来例を示した図11~図14と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態に係る段差を有する床スラブ付き鉄骨梁1は、両端部が柱3に剛接合されると共に横座屈補剛部材が設けられていないH形断面の鉄骨梁5と、鉄骨梁5の上フランジ7の全長に亘って設けられた頭付きスタッド11を介して接合された段差を有するコンクリート床スラブ13とを有するものであり、鉄骨梁5の上フランジ7および下フランジ9を繋ぐようにガセットプレート15が設けられている。
以下、各構成を詳細に説明する。
<柱>
柱3の種類は特に限定されないが、例えば溶接組立箱形断面柱、角形鋼管柱、H形断面柱、CFT柱、RC柱、SRC柱などが該当する。
柱3には、鉄骨梁5の上下フランジ7、9から伝達される力を柱3に伝達するためにダイアフラム17という鋼板が設けられる。ダイアフラム17には、柱3との接合形式によって、通しダイアフラム形式、内ダイアフラム形式、外ダイアフラム形式に分けられる。
<鉄骨梁>
鉄骨梁5は、H形断面を有し、設計基準強度で235N/mm2以上、440N/mm2以下の鋼材で構成されている。設計基準強度440N/mm2越えの鋼材については、高強度ゆえに伸びが小さく、地震時の変形能力に乏しくなるため、梁には不適である。鉄骨梁5のサイズとしてはJIS G3192記載の小断面のH形鋼や最大梁せい1000mmの外法一定H形鋼、さらには溶接組立H形断面部材で梁せい1000mmを越えるような大断面のものが該当する。この中でも梁せいが1000mmを越えるような大断面部材や、設計基準強度355N/mm2以上の高強度鋼によるH形断面部材では、下フランジ9の構面外変形を抑えるためのアングル47等の補剛部材が必要となることが多い。
本実施の形態の鉄骨梁5は、図11~図14に示した従来例のように、構面外変形を拘束することを目的とした小梁45やアングル47は設けられていない。
鉄骨梁5の両端部は柱3に剛接合されるが、この場合、鉄骨梁5の上下フランジ7、9は柱3もしくは柱3に設けられたダイアフラム17と溶接接合される。上下フランジ7、9がダイアフラム17と接合される場合、ダイアフラム17の形式によって、以下のような態様で接合される。
内ダイアフラム形式では柱3の内部にダイアフラム17が設けられるため、鉄骨梁5の上下フランジ7、9は柱3に接合される。通しダイアフラム形式と外ダイアフラム形式では、鉄骨梁5の上下フランジ7、9はダイアフラム17に溶接接合される。
鉄骨梁5のウェブ19は柱3に溶接接合されたシヤプレート21と高力ボルト接合されるか、あるいは柱3に溶接接合される。
鉄骨梁5の上フランジ7の側面のうち、段差によってコンクリート床スラブ13が上方に位置する側にのみ、アングル23(又は溝形鋼)が溶接接合される。アングル23(又は溝形鋼)は鉄骨梁5の上フランジ7と断続すみ肉溶接によって接合され、柱3とは接合されない。
鉄骨梁5の上フランジ7とアングル23(又は溝形鋼)にコンクリート床スラブ13のコンクリート打設用のデッキプレート25が溶接接合され、その上にコンクリート床スラブ13が設けられる。
デッキプレート25には捨て型枠用のフラットデッキ、コンクリート29と一体となって挙動する波形の合成デッキ、鉄筋が溶接された鉄筋トラス付き捨て型枠デッキなどがある。
なお、床スラブ付き鉄骨梁1には横座屈補剛部材としての小梁45やアングル47等は設けられておらず、コンクリート床スラブ13のたわみ防止やデッキプレートを設置するための小梁27が接合されている。そして、小梁27の端部を接合するために、ウェブ19の側面にガセットプレート15が溶接接合されている。
<コンクリート床スラブ>
コンクリート床スラブ13は、鉄骨梁5の上フランジ7の直上の近傍において段差が形成された段差を有するコンクリート床スラブ13である。
より詳細には、段差を有するコンクリート床スラブ13は、コンクリート床スラブ13における梁材軸直交方向の一方側の下面が、鉄骨梁5の上フランジ7上面と同じ高さに位置し、コンクリート床スラブ13における梁材軸直交方向の他方側の下面が鉄骨梁5の上フランジ7上面よりも鉛直上方に位置するように構成されている。
コンクリート床スラブ13はコンクリート29の内部に鉄筋31が配設された鉄筋コンクリート構造であり、コンクリート床スラブ13の段差部分では、段差の上下で鉄筋31が連続するように配筋される。
コンクリート29には普通コンクリート、軽量コンクリートが用いられ、鉄筋31には異形鉄筋、丸鋼鉄筋、溶接金網が用いられる。また工場で製作したプレキャストコンクリート板を現場で兼用型枠として用いるハーフPCスラブや、中空部を含むボイドスラブも該当する。
<頭付きスタッド>
頭付きスタッド11は、鉄骨梁5の上フランジ7の全長に亘って溶接接合されており、図2に示すように、その頂部が、段差によって梁材軸直交方向において一方側よりも上方にある側のコンクリート床スラブ13の下面よりも上方に位置するように高さの高い頭付きスタッド11を用いている。
これによって、地震時における鉄骨梁5の上フランジ7の構面外変形によって、頭付きスタッド11とコンクリート床スラブ13の縁部の間のコンクリート29がコーン状に破壊した場合でも、頭付きスタッド11の頂部付近は、健全なコンクリート29に埋設された状態となる。このため、急激な耐力劣化を防ぐことができ、鉄骨梁5に十分な変形能力が期待できるだけの頭付きスタッド11の接合部の性能を維持することができる。
なお、頭付きスタッド11は、十分な耐力が期待できる、軸部の直径が16mm以上のものが望ましい。また、頭付きスタッド11の配置形状は1列配置、2列以上の複数列配置、千鳥配置などが挙げられる。
また、頭付きスタッド11の頂部の位置に関しては、図3に示すように、段差によって梁材軸直交方向において一方側よりも上方にある側の床スラブの下面よりも50mm以上上方に位置するよう頭付きスタッド11の高さを規定し、さらに鉄骨梁5の上面と、段差によって上方側に位置するコンクリート床スラブ13の下面との鉛直方向距離を150mm以内とするのが好ましい。
これによって、地震時の頭付きスタッド接合部の性能維持がより確実なものとなる。
また、図4に示すように、頭付きスタッド11の高さが、段差によってかさ上げされない側のコンクリート床スラブ13の厚さ以上となるようにしてもよい。
頭付きスタッド11の高さをコンクリート床スラブ13の厚さ以上とすることで、図4に示す段差部からひび割れが生じた場合でも、頭付きスタッド11の存在により、上下のコンクリート床スラブ13が分離するような破壊を防止することができる。
本発明の効果を確認するために、図5~図8に示す段差を有する床スラブ付き鉄骨梁の頭付きスタッド接合部を模した試験体を用いた要素実験を実施した。
試験体は2体で、図5、図6に示す試験体Aが従来例に相当し、図7、図8に示す試験体Bが本発明例に相当する。
2つの試験体A、Bは共に、高さ150mmの段差を設け、頭付きスタッド11、51は軸部直径19mmのものを1本設けた。また、鉄骨梁5の上フランジ7側面に設けるアングル23や溝形鋼は、デッキプレート25をかけるための部材であって構造部材ではないため、試験体では省略した。
また、コンクリート29は普通コンクリートとし、異形鉄筋をスラブ配筋として埋設した。さらに、コンクリート床スラブ13の厚さは段差の上下とも150mmとした。
そして、従来の形態を模擬した試験体Aでは、頭付きスタッド51を100mmとし、発明例を模擬した試験体Bでは、頭付きスタッド11の高さを200mmとして、段差高さよりも50mm高くした。
これらの試験体に対して、図9に示す載荷装置を用いて、鉄骨梁5の上フランジ7の構面外変形を想定して、単調に強制水平変位を加えた。
図10は試験結果を示すグラフであり、縦軸が荷重[kN]を、横軸が載荷点の水平変位[mm]をそれぞれ示している。
試験体Aでは、段差部のコンクリート縁と頭付きスタッド51との間のコンクリート29がコーン状に破壊することで、耐力が大きく低下したのに対し、試験体Bでは段差部のコンクリート縁と頭付きスタッド11との間のコンクリート29がコーン状に破壊した後も耐力が大きく低下することはなく、十分な耐力を維持し続けた。
これは、前述のようにコンクリート縁と頭付きスタッド11との間のコンクリート29が破壊しても、頭付きスタッド11の頂部付近が健全なコンクリート29に埋設された状態のため、急激な耐力低下を防止することができことによる。
以上の結果から、頭付きスタッド11の高さを段差高さよりも高くすることで、頭付きスタッド接合部は梁材軸直交水平変位に対して十分な性能を維持することができ、それによって頭付きスタッド接合部付近に鉄筋31等の補強部材を設けなくても、鉄骨梁5が必要な変形能力を発揮するだけの上フランジ拘束効果を確保することができることが実証された。
1 床スラブ付き鉄骨梁
3 柱
5 鉄骨梁
7 上フランジ
9 下フランジ
11 頭付きスタッド
13 コンクリート床スラブ
15 ガセットプレート
17 ダイアフラム
19 ウェブ
21 シヤプレート
23 アングル
25 デッキプレート
27 小梁
29 コンクリート
31 鉄筋
<従来例>
41 床スラブ付き鉄骨梁
43 ガセットプレート
45 小梁
47 アングル
49 ガセットプレート(鉄骨梁)
51 頭付きスタッド

Claims (3)

  1. 両端部が柱に剛接合されると共に横座屈補剛部材が設けられていないH形断面の鉄骨梁と、該鉄骨梁の上フランジの全長に亘って設けられた頭付きスタッドを介して接合されたコンクリート床スラブとを有し、
    該コンクリート床スラブは、該コンクリート床スラブにおける梁材軸直交方向の一方側の下面が、前記鉄骨梁の上フランジ上面と同じ高さに位置し、前記コンクリート床スラブにおける梁材軸直交方向の他方側の下面が前記鉄骨梁の上フランジ上面よりも鉛直上方に位置するように構成された段差を有する床スラブであって、
    前記頭付きスタッドは、その頂部が、前記コンクリート床スラブにおける前記他方側の下面よりも上方に位置するように設置されていることを特徴とする段差を有する床スラブ付き鉄骨梁。
  2. 前記鉄骨梁の上フランジ上面と前記コンクリート床スラブにおける前記他方側の下面との鉛直方向距離が150mm以内であり、かつ前記頭付きスタッドの頂部と前記コンクリート床スラブにおける前記他方側の下面との鉛直方向距離が50mm以上であることを特徴とする請求項1記載の段差を有する床スラブ付き鉄骨梁。
  3. 前記頭付きスタッドの高さが、下面が前記鉄骨梁の上面と同じ高さに位置する側の前記コンクリート床スラブの厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の段差を有する床スラブ付き鉄骨梁。
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