JP6991299B2 - 免震建物 - Google Patents

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本発明は、コンクリート充填鋼管柱と鉄筋コンクリート(以降、RCと呼ぶ)造の免震基礎部との間に複数の免震装置が設置された免震建物に関する。
日本は地震の多い国であり、地震対策として、数多くの免震建物が建設されている。免震建物では、建物と基礎との間に免震装置を設置し、建物を地盤と切り離すことで、地震の揺れが直接、建物に加わらないようにした建物構造である。
例えば、特許文献1には、構造物を複数個の積層ゴム支承体によって支持することで、構造物に作用する地震荷重を遮断する構造物の支持構造が開示されている。
また、特許文献2には、免震基礎部と、上部構造体を構成するプレキャストコンクリート造柱の柱脚部との間に、免震装置を設けた免震構造が開示されている。
特許文献1、2に開示されたような免震構造を高層建物に適用する場合、柱の下方に配置される免震装置には、大きな耐荷重性能が要求される。
このような、大きな耐荷重性能が要求される場所に、複数の免震装置が設けられることがある。例えば、特許文献3には、上部構造体(免震建屋)の下面に設けられる上部ペデスタルと、基礎の上面に設けられる下部ペデスタルとの間に、複数の免震装置を備える免震構造物が開示されている。
特許文献3に開示された免震構造物では、上部ペデスタル、及び下部ペデスタルにおいては、それぞれ、その外周部にペデスタル鋼板が設置されているとともに、免震装置の上下のベースプレートと、上部ペデスタル、下部ペデスタルのペデスタル鋼板とは、ボルトにより一体に接合されている。このため、組立の際には、下部ペデスタルのペデスタル鋼板上に、複数の免震装置を載せてボルト接合した後、これら複数の免震装置上に上部ペデスタルのペデスタル鋼板を乗せてボルト接合する。複数の免震装置の金属製の上部ベースプレートと、下部ペデスタルのペデスタル鋼板とを接合する場合、下部ペデスタルのペデスタル鋼板上に複数の免震装置を取り付けた状態で、複数の免震装置の上部ベースプレートの上面は、高い寸法精度で同一平面内に位置することが要求される。複数の免震装置の間で上部ベースプレートの高さが異なっていたり、1つの免震装置の上部ベースプレートに対して他の免震装置の上部ベースプレートが傾いていると、複数の免震装置の上部ベースプレート上に上部ペデスタルのペデスタル鋼板を載せたときに、上部ベースプレートとペデスタル鋼板との間に隙間が生じるためである。このため、下部ペデスタルのペデスタル甲板上に複数の免震装置を取り付けた後に、複数の免震装置の上部ベースプレートの上面を研削する等して、複数の免震装置の上部ベースプレートの上面が同一平面内に位置するような加工を施して設置精度を確保する必要があり、手間がかかる。
特開平6-66045号公報 特開2011-12464号公報 特開2012-158912号公報
本発明の目的は、高層建物用の免震構造として、大規模な特殊サイズの免震装置を使用することなく、容易に設置精度を確保可能な免震構造を備えた免震建物を提供することである。
本発明者らは、数少ない柱本数で建物荷重を支える免震建物として、コンクリート充填鋼管柱を複数の免震装置で支持させることで、其々のコンクリート充填鋼管柱が負担する鉛直荷重を増大されることが可能となり、柱本数を減らして長スパン化された柱梁架構が実現できる点に着眼して、本発明に至った。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の免震建物は、コンクリート充填鋼管柱の下方に複数の免震装置が設置された免震建物であって、前記コンクリート充填鋼管柱を構成する鋼管は、筒状体が大口径に拡幅された柱脚拡幅部を有し、当該柱脚拡幅部の下端に柱脚ベースプレートが接合されており、前記免震装置は、当該免震装置ごとに、該免震装置を構成する上端フランジと各免震装置に対応する免震上部ベースプレートがボルト締結されているとともに、前記柱脚ベースプレートの鉛直下方にはコンクリート体を介在させて複数の前記免震装置が配置されていることを特徴とする。
このような構成によれば、コンクリート充填鋼管柱と、RC造の免震基礎部との間に複数の免震装置を配置して、建物の上部構造体と免震基礎部とを連結させる。これにより、大規模な特殊サイズの免震装置を使用することなく、免震装置に加わる圧縮面圧力を低減し、かつ優れたせん断剛性を備えた免震構造を実現できる。
また、コンクリート充填鋼管柱を複数の免震装置で支持させることで、個々の免震装置が小径化されるため、免震装置どうしの設計クリアランス量を小さくできる。
また、コンクリート充填鋼管柱の柱脚拡幅部においては、鋼管本体に比べて柱断面積が増大されて、1本のコンクリート充填鋼管柱を複数の免震装置で支持させることで、コンクリート充填鋼管柱が負担している圧縮軸力を個々の免震装置に分散して伝達できる。
また、柱脚ベースプレートの鉛直下方にはコンクリート体を介在させて複数の免震装置が配置されているため、複数の免震装置が柱脚ベースプレートに直接接合される免震構造に比べて、免震構造の水平設置精度を容易に確保することができる。







本発明の一態様においては、本発明の免震建物では、前記免震装置は、当該免震装置ごとに、該免震装置を構成する上端フランジと免震上部ベースプレートをボルト締結するとともに、前記免震上部ベースプレートと前記柱脚ベースプレートの間には、前記免震上部ベースプレート上に設置された高さ調整手段と、当該免震上部ベースプレート上に形成された前記コンクリート体が設けられ、前記柱脚ベースプレートは、前記高さ調整手段と前記コンクリート体により支持されていることを特徴とする。
このような構成によれば、単体のコンクリート充填鋼管柱を複数の免震装置で支持する免震構造では、個々の免震装置は、上端フランジと、各免震装置に対応する免震上部ベースプレートをボルト締結して固定されるとともに、各免震装置に対応する免震上部ベースプレートと、その上方に配置されるコンクリート充填鋼管柱の柱脚ベースプレートとの間が、高さ調整手段とコンクリート体で支持されている。コンクリート充填鋼管柱を支持する複数の免震装置は、個々の免震装置ごとに異なる免震上部ベースプレートに接合される。このため、複数の免震装置は、他の免震装置の設置精度の影響を受けることなく配置することができる。よって、本実施形態の免震構造では、複数の免震装置の全てが1枚の免震上部ベースプレートに接合される免震構造に比べて、複数の免震装置で単体のコンクリート充填鋼管柱を支える免震構造の水平設置精度を容易に確保することができる。
本発明の一態様においては、本発明の免震建物では、前記柱脚拡幅部には、第1の鋼製梁および/または第2の鋼製梁が接合されており、当該柱脚拡幅部の断面内部には、前記第1の鋼製梁および/または前記第2の鋼製梁を形成する上端フランジ及び下端フランジの各延長線上に複数の平鋼材が溶接されていることを特徴とする
このような構成によれば、コンクリート充填鋼管柱が第1の鋼製梁、または第2の鋼製梁と接合される柱脚拡幅部の断面内部においては、鋼製梁の上端フランジ及び下端フランジの延長線上に複数の平鋼材を溶接することにより、大口径化された柱脚拡幅部を複数のダイヤフラムで補剛し、剛性を高めることで、柱脚拡幅部に生じる変形量を低減し、損傷を防止することができる。
本発明によれば、高層建物用の免震構造として、大規模な特殊サイズの免震装置を使用することなく、市場製品の免震装置を組み合わせて、容易に設置精度を確保することができる。よって、柱本数が数少なく、かつ長スパン化された柱梁架構を備えた免震建物を実現できる。
本実施形態による柱直下に複数の免震装置が配置された免震建物の構成を示す正面図である。 図1の免震建物の免震装置設置構造の要部を示す図であり、免震基礎部と上部構造体の柱の柱脚拡幅部との間に設けた免震装置を含む断面図である。 建物の上部構造体の構成を示す平断面図である。 免震装置を上方から見た図であり、図2のA-A矢視図である。 免震装置設置構造を示す、下部フーチング上に免震装置を設置した状態を示す断面図である。 免震装置設置構造を示す、免震装置上に鋼管を設置した状態を示す断面図である。
本発明は、数少ない柱本数で建物荷重を支える免震建物として、コンクリート充填鋼管柱とRC造の免震基礎部との間に複数の免震装置が設置された免震建物である。本実施形態の免震建物では、図1~6に示すように、柱脚拡幅部を備えたコンクリート充填鋼管柱とRC造の免震基礎部との間に、コンクリート体を介在させて免震装置が2個並列に設置されている。
本実施形態では、其々の免震装置ごとに、免震上部ベースプレートと、免震下部ベースプレートが接合され、建物躯体(コンクリート充填鋼管柱、またはRC造の免震基礎部)と連結されている。また、変形例では、1枚の免震下部ベースプレート上に複数の免震装置が配置されるとともに、免震装置の上部側においては、其々の免震装置ごとに、免震上部ベースプレートが設置されている。
以下、添付図面を参照して、本発明による免震構造を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
図1に、上部構造体の柱直下に複数の免震装置が配置された免震建物の構成を示す正面図を示す。免震建物1は、免震基礎部10と上部構造体20との間に、免震装置設置構造80を備えている。
免震基礎部10は、地盤G中に構築された基礎杭(図示無し)上に支持されている。免震基礎部10は、鉄筋コンクリート(RC)造で、複数本の下部柱11と、互いに隣接する下部柱11どうしの間に架設された下部梁12と、を備えている。
上部構造体20は、免震基礎部10上に支持されている。上部構造体20は、上下方向に複数階、例えば29階を有している。上部構造体20は、免震基礎部10の下部柱11上に設けられた複数本の柱21と、最下層よりも上方の各層において互いに隣接する柱21の間に架設された梁25とを備えている。
図2に、図1に示す免震建物の免震装置設置構造80の要部を示す。具体的には、図2は、免震基礎部と上部構造体の柱の柱脚拡幅部との間に設けた免震装置を含む断面図である。
図2に示されるように、柱21は、上下方向に連続する筒状の鋼管22と、鋼管22内にコンクリートが充填されて形成されたコンクリート体23と、を有するコンクリート充填鋼管造である。
上部構造体20において、最下層に位置する梁30は、鉄骨鉄筋コンクリート造であり、鋼管22に接合された梁鉄骨31と、梁鉄骨31の周囲に配筋された図示しない鉄筋と、これら梁鉄骨31及び鉄筋(図示無し)の周囲を覆うように設けられたコンクリート部32と、を一体に備えている。上部構造体20の最下層において、互いに直交する梁(第1の鋼製梁)30Aと梁(第2の鋼製梁)30Bは、その設置高さが互いに異なるように形成されている。これにより、図2において左右方向に延びる梁30Aに対し、図2において紙面に直交する方向に延び、梁30Aに直交する梁30Bは、その上端フランジ38が、梁30Aの上端フランジ36と下端フランジ37との間に位置するよう設けられている。また、梁30Bの下端フランジ39は、梁30Aの下端フランジ37よりも下方に位置している。
このような構成により、後に説明するコンクリート充填鋼管柱21の柱脚拡幅部60を挟んで配置される第1の鋼製梁30Aと、その第1の鋼製梁30Aと交差方向に配置される第2の鋼製梁30Bが設けられている。柱脚拡幅部60の断面内部には、第1の鋼製梁30Aの上端フランジ36及び下端フランジ37の延長線上に、後に説明する上部ダイヤフラム(平鋼材)61と下部ダイヤフラム(平鋼材)62が溶接されるとともに、第1の鋼製梁30Aより梁成(高さ)が低い第2の鋼製梁30Bの上端フランジ38及び下端フランジ39の延長線上に第2上部ダイヤフラム(平鋼材)63と第2下部ダイヤフラム(平鋼材)64が溶接されている。
建物の上部構造体の構成を示す平断面図を図3に示す。
図1、図3に示されるように、免震基礎部10と上部構造体20との間には、免震基礎部10と上部構造体20との水平方向の相対変位を減衰するため、複数の積層ゴム装置40、オイルダンパー45が設けられている。
積層ゴム装置40は、免震建物1の上部構造体20を構成する複数本の柱21の下端部に形成された上部フーチング28と、免震基礎部10に形成された下部フーチング13との間に設けられている。
オイルダンパー45は、上部構造体20の最下部に位置する梁30と、免震基礎部10の下部梁12との間に設けられている。
また、図2、図3に示されるように、上部構造体20において免震建物1の中央部に位置する柱21Cと、その鉛直下方に位置する免震基礎部10の下部柱11Cとの間には、複数の免震装置50が設けられている。
図2に示されるように、複数の免震装置50の鉛直上方に位置する柱21Cは、その柱脚部21bに、鋼管22が下方に向けて拡幅するように形成された柱脚拡幅部60が形成されている。柱脚拡幅部60は、最下層の梁30Aの上端フランジ36が接合される位置から下端フランジ37が接合される位置に向かって、その径方向寸法が下方に向けて、例えば直径3000mm程度まで漸次拡幅するように形成されている。柱脚拡幅部60は、梁30Aの下端フランジ37が接合される位置から梁30Bの下端フランジ39が接合される位置よりも下方に延び、一定径を有する筒状部60tを一体に有している。
柱脚拡幅部60は、上部ダイヤフラム(平鋼材)61と、下部ダイヤフラム(平鋼材)62と、第2上部ダイヤフラム(平鋼材)63と、第2下部ダイヤフラム(平鋼材)64とを備えている。
上部ダイヤフラム61は、梁30Aの上端フランジ36を延伸させた水平位置、すなわち上端フランジ36と同じ高さに設けられている。下部ダイヤフラム62は、梁30Aの下端フランジ37と同じ高さに設けられている。第2上部ダイヤフラム63は、上部ダイヤフラム61と下部ダイヤフラム62との間に設けられ、梁30Bの上端フランジ38と同じ高さに設けられている。第2下部ダイヤフラム64は、梁30Bの下端フランジ39と同じ高さに設けられている。これらの上部ダイヤフラム61、下部ダイヤフラム62、第2上部ダイヤフラム63、第2下部ダイヤフラム64は、それぞれ柱脚拡幅部60の内部で、水平面内に位置するよう設けられるとともに、その外周端部が、柱脚拡幅部60の外周面から水平方向外方に突出するよう設けられている。また、上部ダイヤフラム61、下部ダイヤフラム62、第2上部ダイヤフラム63、第2下部ダイヤフラム64は、それぞれ、柱脚拡幅部60の内部に、上下に貫通してコンクリート打設時にコンクリートが流れる貫通孔(図示無し)が形成されている。
また、図2、図4(a)に示されるように、柱脚拡幅部60の筒状部60tの下端には、柱脚ベースプレート65が設けられている。柱脚ベースプレート65は、水平面内に位置し、筒状部60tに対し水平方向外側と水平方向内側とに突出するよう形成されている。柱脚ベースプレート65には、筒状部60tの内側に開口部65hが形成されている。
柱21Cの下端部に形成された上部フーチング28Cは、例えば4000mm×2000mm程度で、柱21Cの柱脚拡幅部60の筒状部60tおよび柱脚ベースプレート65よりも大きく、複数の免震装置50の全体を覆う外形寸法で形成されている。
また、免震基礎部10の上面には、上部フーチング28Cと対向する位置に、上部フーチング28Cと同じ平面積を有した下部フーチング13Cが形成されている。
各免震装置50は、板状の下部取付フランジ51と、下部取付フランジ51の鉛直上方に間隔をあけて配置された板状の上部取付フランジ(上端フランジ)52と、これら下部取付フランジ51と上部取付フランジ52との間に設けられた積層ゴム部53と、を有している。積層ゴム部53は、例えば、1800mm×1800mm程度の大きさで、金属板53mと板状のゴム部53rとを上下方向に交互に積層して形成されている。積層ゴム部53は、その中央部には空洞53hが形成され、外周面には積層ゴム部53を覆うゴム製の被覆部53wが形成されている。
各免震装置50の上端面に設けられた上部取付フランジ52は、免震上部ベースプレート56に、ボルト58Aにより接合されている。免震上部ベースプレート56は、平面視矩形状の鋼板からなり、柱21Cの柱脚部21bに設けられた柱脚ベースプレート65の鉛直下方に間隔をあけて配置されている。免震上部ベースプレート56の上面側には、上方に向かって突出するスタッド59Aが複数本設けられ、上部フーチング28Cを構成するコンクリートに埋設されている。このようにして、柱21Cの鉛直下方に設けられた複数の免震装置50の上部取付フランジ52は、それぞれ異なる免震上部ベースプレート56に接合されている。
また、各免震装置50の下端面に設けられた下部取付フランジ51は、免震下部ベースプレート57に、ボルト58Bにより接合されている。免震下部ベースプレート57は、平面視矩形状の鋼板からなり、免震基礎部10に形成された下部フーチング13Cの上面に埋設されている。免震下部ベースプレート57の下面側には、下方に向かって突出するスタッド59Bが複数本設けられ、下部フーチング13Cを構成するコンクリートに埋設されている。このようにして、柱21Cの鉛直下方に設けられた複数の免震装置50の下部取付フランジ51は、それぞれ異なる免震下部ベースプレート57に接合されている。
ここで、複数の免震装置50において、一方の免震装置50が接合された免震上部ベースプレート56、免震下部ベースプレート57と、他方の免震装置50が接合された免震上部ベースプレート56、免震下部ベースプレート57とは、それぞれ別体であればよい。すなわち一方の免震装置50が接合された免震上部ベースプレート56、免震下部ベースプレート57と、他方の免震装置50が接合された免震上部ベースプレート56、免震下部ベースプレート57とは、互いに接していても良いし、互いに間隔をあけて配置されていても良い。
また、これら複数の免震装置50がそれぞれ接合された免震上部ベースプレート56と、前記柱21Cの柱脚部21bに設けられた柱脚ベースプレート65との間には、高さ調整手段90が設けられている。高さ調整手段90は、図4に示すように無収縮モルタル層、またはモルタルブロック70と、連結ボルト92で構成され、柱脚ベースプレートを支持するものである。
モルタルブロック70は、例えば直方体状で、免震上部ベースプレート56の上面に、筒状部60tの鉛直下方に位置するよう設けられている。このようなモルタルブロック70は、柱脚部21bの柱脚拡幅部60の筒状部60tの周方向に間隔をあけて、複数が設けられている。これにより、柱21Cを構成する鋼管22は、免震上部ベースプレート56上に、複数のモルタルブロック70によって支持されている。
連結ボルト92は、下端部が免震装置50の上部取付フランジ52と連結された免震上部ベースプレート56の雌ねじ部56hに勘合され、上端部は柱脚ベースプレート65に設けられた貫通孔を貫通して上方に突出し、当該柱脚ベースプレートを挟んで65、上下方向からナット91が締結されている。また、連結ボルト92もモルタルブロック70と同様に、柱脚ベースプレート65の下面側にほぼ均等に複数が配置されている。
柱脚拡幅部60を構成するコンクリート体23は、モルタルブロック70の間を介して、上部フーチング28Cを構成するコンクリートと一体となっている。
このような免震構造を備えた免震建物1においては、柱21Cと免震基礎部10との間に複数の免震装置50を介在させることで、免震装置を1台のみ設ける場合に比較し、免震装置50に加わる圧縮面圧力が低減される。
また、柱21Cの柱脚部21bにおいて鋼管22の柱脚拡幅部60によって柱断面積を増大させて、複数の免震装置50に連結させることで、柱21Cが負担している圧縮軸力を、複数の免震装置50に分散して伝達させる。
次に、上記したような柱21Cと免震基礎部10との間に複数の免震装置50を設置する方法について説明する。
図5と図6に、免震装置と、当該免震装置を挟んだ下方側の建物躯体(免震基礎部)と上方側の建物躯体(柱の柱脚拡幅部)との構成を示す免震装置設置構造80に関する断面図を示す。図5は下部フーチング上に免震装置を設置した状態であり、図6は免震装置上に鋼管を設置した状態を示す。
図5に示されるように、免震基礎部10の下部フーチング13Cを形成するときに、スタッド59Bを備えた免震下部ベースプレート57を、図示しない金具等で、免震基礎部10を構成する鉄筋等に支持させる。このとき、免震下部ベースプレート57は、免震装置50の数に合わせて設置する。そして、形成すべき免震基礎部10に合わせて型枠(図示無し)を組み立て、型枠の内側にコンクリートを打設する。これにより、免震基礎部10の下部フーチング13Cが形成され、下部フーチング13Cの上面に免震下部ベースプレート57が設置される。下部フーチング13Cを構成するコンクリートが所定の強度を発現したら、型枠を解体撤去する。
次に、各免震下部ベースプレート57上に、それぞれ免震装置50を載せ、免震装置50の下部取付フランジ51と免震下部ベースプレート57とをボルト58Bで一体に接合する。
この後、設置された複数の免震装置50の上部取付フランジ52上に、免震上部ベースプレート56を載せる。さらに、免震上部ベースプレート56上に複数の無収縮モルタル層またはモルタルブロック70と連結ボルト92を設置し、図6に示されるように、鋼管22を建て込み、無収縮モルタル層またはモルタルブロック70上に柱脚拡幅部60を載置する。その際、無収縮モルタル層やモルタルブロック70の天端レベルが、鋼管22の所定高さになるように調整しておく。次に、鋼管22の建入れ(傾き)を調整した後、連結ボルト92にナット91を勘合して締め付けて、上下のナット91で鋼管22に接合された柱脚ベースプレート56を挟み込んで、鋼管22の建入れを固定する。その後、上部構造体20の上部フーチング28Cを形成する型枠(図示無し)を組み立て、型枠の内側にコンクリートを打設する。上部フーチング28Cを構成するコンクリートが所定の強度を発現したら、型枠を解体撤去する。
このようにして、柱21Cと免震基礎部10との間に複数の免震装置50を介在させた免震構造の施工を行うことができる。
上述したような免震構造によれば、コンクリート充填鋼管柱21Cの下方に複数の免震装置50が設置され、コンクリート充填鋼管柱21Cを構成する鋼管22は、筒状体が大口径に拡幅された柱脚拡幅部60を有し、柱脚拡幅部60の下端に柱脚ベースプレート65が接合されており、柱脚ベースプレート65の鉛直下方にはコンクリート体を介在させて複数の免震装置50免震装置50が配置されている。
このような構成によれば、柱21Cと、RC造の免震基礎部10との間に複数の免震装置50を配置して、免震建物1の上部構造体20と免震基礎部10とを連結させる。これにより、大規模な特殊サイズの免震装置50を使用することなく、免震装置50に加わる圧縮面圧力を低減し、かつ優れたせん断剛性を備えた免震構造を実現できる。
また、コンクリート充填鋼管柱21Cの柱脚拡幅部60においては、鋼管22本体に比べて柱断面積が増大されて、1本のコンクリート充填鋼管柱21Cを複数の免震装置50で支持させることで、コンクリート充填鋼管柱21Cが負担している圧縮軸力を個々の免震装置50に分散して伝達できる。
また、柱21Cを複数の免震装置50で支持させることで、個々の免震装置50が小径化されるため、免震装置50どうしの設計クリアランス量を小さくできる。
また、柱脚ベースプレート65の鉛直下方にはコンクリート体を介在させて複数の免震装置50が配置されているため、複数の免震装置50が柱脚ベースプレート65に直接接合される免震構造に比べて、免震構造の水平設置精度を容易に確保することができる。
その結果、大規模な特殊サイズの免震装置50を使用することなく、市場製品の免震装置50を組み合わせて、容易に設置精度を確保することが可能となる。
また、免震装置50は、免震装置50ごとに、免震装置50を構成する上端フランジ52と免震上部ベースプレート56をボルト締結するとともに、免震上部ベースプレート56と柱脚ベースプレート65の間には、免震上部ベースプレート56上に設置された高さ調整手段90と、免震上部ベースプレート56上に形成されたコンクリート体23が設けられ、柱脚ベースプレート65は、高さ調整手段90とコンクリート体23により支持されている。
このような構成によれば、単体のコンクリート充填鋼管柱21Cを複数の免震装置50で支持する免震構造では、個々の免震装置50は、上端フランジ52と、各免震装置50に対応する免震上部ベースプレート56をボルト締結して固定されるとともに、各免震装置50に対応する免震上部ベースプレート56と、その上方に配置されるコンクリート充填鋼管柱21Cの柱脚ベースプレート65との間が、高さ調整手段90とコンクリート体23で支持されている。コンクリート充填鋼管柱21Cを支持する複数の免震装置50は、個々の免震装置50ごとに異なる免震上部ベースプレート56に接合される。このため、複数の免震装置50は、他の免震装置50の設置精度の影響を受けることなく配置することができる。よって、本実施形態の免震構造では、複数の免震装置50の全てが1枚の免震上部ベースプレート56に接合される免震構造に比べて、複数の免震装置50で単体のコンクリート充填鋼管柱21Cを支える免震構造の水平設置精度を容易に確保することができる。
また、柱脚拡幅部60には、第1の鋼製梁30Aおよび/または第2の鋼製梁30Bが接合されており、柱脚拡幅部60の断面内部には、第1の鋼製梁30Aおよび/または第2の鋼製梁30Bを形成する上端フランジ36、38及び下端フランジ37、39の各延長線上に複数の平鋼材61、62、63、64が溶接されている。
このような構成によれば、コンクリート充填鋼管柱21Cが第1の鋼製梁30A、または第2の鋼製梁30Bと接合される柱脚拡幅部60の断面内部においては、鋼製梁30A、30Bの上端フランジ36、38及び下端フランジ37、39の延長線上に複数の平鋼材61、62、63、64を溶接することにより、大口径化された柱脚拡幅部60を複数のダイヤフラムで補剛し、剛性を高めることで、柱脚拡幅部60に生じる変形量を低減し、損傷を防止することができる。
また、免震装置50に接合された免震上部ベースプレート56上に高さ調整手段90を設置しているため、この無収縮モルタル層、またはモルタルブロック70と、連結ボルト92を使用して鋼管22を容易に精度良く建て込むことができる。また、高さ調整手段90を、平面視で、鋼管22本体より外側に配置する柱脚ベースプレート65に配置したので、柱脚ベースプレート65や免震上部ベースプレート56に過大な面外曲げモーメントを生じさせることなく、鋼管22に作用する軸力(圧縮力、引張力)を圧縮軸剛性に優れた無収縮モルタル層、或いはモルタルブロック70、及び連結ボルト92を介して免震装置50に伝達できる。よって、鋼管22と免震装置50が高さ調整手段を介して強固に接合される。
(その他の変形例)
上記実施形態では、柱21Cと下部柱11Cとの間に、免震装置50を2個設けるようにしたが、免震装置50は3以上設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、免震装置50を、免震建物1の中央部に位置する柱21Cと下部柱11Cとの間に設けるようにしたが、免震建物1の中央部以外に設けられた柱21と下部柱11との間に免震装置50を設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、柱脚拡幅部60に設けられた上部ダイヤフラム61、下部ダイヤフラム62、第2上部ダイヤフラム63、第2下部ダイヤフラム64の外周端部は、それぞれ柱脚拡幅部60の外周面から水平方向外方に突出するよう設けたが、これらを柱脚拡幅部60の外周面から突出しない構成とすることもできる。
また、上記実施形態では、複数の免震装置50において、その上端面、下端面の双方を、其々異なる免震ベースプレート56,57に接合するようにしたが、複数の免震装置50の上端面のみを、其々異なる免震上部ベースプレート56と接合させ、複数の免震装置50の下端面のみを、1枚の大判サイズの免震下部ベースプレート57に接合させてもよい。複数の免震装置50を同一の免震下部ベースプレート57上に設置することで、免震装置50が複数であっても高さ調整が比較的容易である。
また、上記実施形態では、コンクリート充填鋼管柱21Cに接合される第1の鋼製梁30Aは、H形状の鋼材を心材とする鉄骨鉄筋コンクリート造の梁であったが、コンクリートを伴わないH形状の鋼材梁単体であってもよい。また、第1の鋼製梁30AがH形状の鋼材梁単体の場合には、柱脚拡幅部60の剛性や固定度を確保する点と、免震上部ベースプレート56や免震上部ベースプレート57に設けられるスタッドを固定する点からも、柱脚拡幅部60の外周部は鉄筋コンクリート造で構築されていることが好ましい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
1 免震建物 56h 雌ねじ部
10 免震基礎部 57 免震下部ベースプレート
20 上部構造体 60 柱脚拡幅部
21C 柱(コンクリート充填鋼管柱)60t 筒状部
21b 柱脚部 61 上部ダイヤフラム(平鋼材)
22 鋼管 62 下部ダイヤフラム(平鋼材)
23 コンクリート体 63 第2上部ダイヤフラム(平鋼材)
30A 梁(第1の鋼製梁) 64 第2下部ダイヤフラム(平鋼材)
36 上端フランジ 65 柱脚ベースプレート
37 下端フランジ 70 モルタルブロック
38 上端フランジ 80 免震装置設置構造
39 下端フランジ 90 高さ調整手段
40 積層ゴム装置 91 ナット
50 免震装置 92 連結ボルト
56 免震上部ベースプレート G 地盤

Claims (2)

  1. コンクリート充填鋼管柱の下方に複数の免震装置が設置された免震建物であって、
    前記コンクリート充填鋼管柱を構成する鋼管は、筒状体が大口径に拡幅された柱脚拡幅部を有し、当該柱脚拡幅部の下端に柱脚ベースプレートが接合されており、
    前記免震装置は、当該免震装置ごとに、該免震装置を構成する上端フランジと各免震装置に対応する免震上部ベースプレートがボルト締結されているとともに、
    前記柱脚ベースプレートの鉛直下方にはコンクリート体を介在させて複数の前記免震装置が配置されていることを特徴とする免震建物。
  2. 前記免震上部ベースプレートと前記柱脚ベースプレートとの間には、高さ調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の免震建物。
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