JP6441029B2 - 地下施設増設方法 - Google Patents

地下施設増設方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6441029B2
JP6441029B2 JP2014225171A JP2014225171A JP6441029B2 JP 6441029 B2 JP6441029 B2 JP 6441029B2 JP 2014225171 A JP2014225171 A JP 2014225171A JP 2014225171 A JP2014225171 A JP 2014225171A JP 6441029 B2 JP6441029 B2 JP 6441029B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
existing
foundation
pile
new
temporary support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014225171A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016089480A (ja
Inventor
俊久 石田
俊久 石田
賢 越山
賢 越山
耕治 川越
耕治 川越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2014225171A priority Critical patent/JP6441029B2/ja
Publication of JP2016089480A publication Critical patent/JP2016089480A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6441029B2 publication Critical patent/JP6441029B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、地下施設増設方法に関する。
既存建物に地下階を増設する場合や、既存建物を既設基礎体下で免震化する場合には、増設する地下階や免震装置等の新設地下施設の下方に新設基礎体を増設し、既設基礎体の作用荷重を新設基礎体に受け替える必要がある。
例えば、特許文献1には、既設杭の周囲に複数の仮設杭を配置した後、既設杭の杭頭部周辺を掘削して作業ピットを形成し、上部構造の自重を仮設杭に受け替えた後に、既設基礎体と既設杭との間に免震装置を設置する方法が開示されている。
また、特許文献2には、既設基礎体の下方を掘削して既設杭の杭頭部を露出させ、露出した杭頭部を削孔して設置孔を形成し、この設置孔内に設置した仮受け支柱と仮受けジャッキで既設杭に作用する力を受ける方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、既設基礎体の下方を掘削するとともに掘削底にフラットスラブを形成し、このフラットスラブに立設した仮受けジャッキにより既設基礎体を支持した状態で既設杭の上端部を撤去し、既設杭の上部を巻き込んだ状態で支柱を形成した後、この支柱と既設基礎体との間に免震装置を設置する方法が開示されている。
特開2013−181322号公報 特許第5485085号公報 特許第2819008号公報
特許文献1に記載の方法では、複数の仮設杭の施工が必要なため、工期短縮化の妨げになる場合があった。
また、特許文献2に記載の方法は、既設杭が仮受け支柱を設置するために必要な杭径を有していない場合には、施工できない。
また、特許文献3に記載の方法を一つの柱の荷重を一つの杭で支える構造に適用する場合には、柱の荷重を受け替えるための仮設の受桁を柱の直下に設置するのが困難なため、既設基礎体を大幅に補強する必要がある。
このような観点から、本発明は、比較的簡易かつ短期間に施工をすることが可能な地下施設増設方法を提案することを課題とする。
本発明は、既設杭と既設基礎体とを備える既存建物に新設地下施設を増設する地下施設増設方法であって、前記既設基礎体の下方を掘削して前記既設杭の杭頭部を露出させる掘削工程と、前記既設基礎体の下方に新設基礎体を形成する基礎体新設工程と、前記杭頭部の上部に貫通孔を形成する削孔工程と、前記貫通孔に受桁を挿通するとともに、前記新設基礎体に立設させた仮支持材により前記受桁の両端部を支持する受桁設置工程と、前記既設杭の軸力を、前記受桁を介して前記仮支持材に受け替える第一の受替工程と、前記既設杭の露出部分を撤去する既設杭撤去工程と、前記新設基礎体と前記既設基礎体との間に新設地下施設を増設する地下施設増設工程と、前記仮支持材の軸力を、前記新設地下施設に受け替える第二の受替工程と、前記仮支持材を撤去する仮支持材撤去工程とを備えていることを特徴としている。
かかる地下施設増設方法によれば、既設杭に形成した貫通孔に受け桁を設けて、既設杭の軸力を受け替えるため、一つの柱の荷重を一つの杭で支える場合であっても、大幅な補強工事を要することなく、既設杭の軸力を受け替えることができる。
また、受桁を挿通可能な杭径の既設杭を有した既存建物であれば適用することが可能である。
さらに、比較的簡易な仮受け構造(受桁および仮支持材)を採用しているため、施工期間の短縮化を図ることもできる。
前記既設杭の露出部分にアンカーを植設するアンカー植設工程を備えていて、前記基礎体新設工程では、前記アンカーを巻き込んだ状態で前記新設基礎体を形成すれば、新設基礎体がアンカーを介して既設杭に連結されるため、仮支持材により受け替えた軸力を新設基礎体を介して既設杭に伝達することができる。
前記掘削工程において、前記既設杭の周囲が他の領域よりも低くなるように掘削してピットを形成し、前記アンカー植設工程において、前記ピット内で前記アンカーを植設してもよい。
また、前記仮支持材としてジャッキを使用するのが望ましい。
本発明の地下施設増設方法によれば、比較的簡易かつ短期間で既存建物に地下施設を増設することが可能となる。
第一の実施形態の掘削工程およびアンカー植設工程を示す断面図である。 同基礎体新設工程を示す断面図である。 (a)および(b)は同削孔工程、受桁設置工程および第一の受替工程を示す断面図、(c)は(b)の部分拡大図である。 (a)および(b)は同既設杭撤去工程を示す断面図である。 (a)および(b)は同補強梁増設工程を示す断面図、(c)は(b)の部分拡大図である。 同地下施設増設工程および第二の受替工程を示す断面図である。 同仮支持材撤去工程を示す断面図である。 (a)は第二の実施形態の既設杭と既設基礎体を示す断面図、(b)は同斜視図である。 (a)は第二の実施形態の掘削工程およびアンカー植設工程を示す断面図、(b)は同基礎体新設工程、同削孔工程、受桁設置工程および第一の受替工程を示す断面図、(c)は(b)の部分拡大図である。 同地下施設増設工程および第二の受替工程を示す断面図である。 同仮支持材撤去工程を示す断面図である。
<第一の実施形態>
第一の実施形態では、既設杭1と既設基礎体2とを備える既存建物について、免震装置(新設地下施設)を増設して免震化改修を行う場合を例示する。
本実施形態の地下施設増設方法は、掘削工程と、アンカー植設工程と、基礎体新設工程と、削孔工程と、受桁設置工程と、第一の受替工程と、既設杭撤去工程と、補強梁増設工程と、地下施設増設工程と、第二受け替え工程と、仮支持材撤去工程とを備えている。
掘削工程は、図1に示すように、既設基礎体2の下方を掘削して作業空間3を形成し、既設杭1の杭頭部(上部)10を露出させる工程である。
掘削工程では、既設杭1の周囲を他の領域よりも低くなるように掘削してピット31を形成する。すなわち、杭頭部10の周囲の床付け面は、後記する新設基礎体4の下面(床付け面)よりも低いところに位置している。
本実施形態では、既設杭1の中心軸の延長線上に既設柱21が形成されている既存建物について説明するが、既設杭1と既設柱21との位置関係は限定されない。
なお、作業空間3の高さ(掘削深さ)は限定されるものではない。また、ピット31の形状(深さや平面積等)は限定されるものではないが、後記するアンカー5を植設することが可能な大きさを有している。ピット31は、必要に応じて形成すればよい。
作業空間3の掘削が完了したら、床付け面(ピット31の床付け面も含む)に砕石32を敷き均すとともに、捨てコンクリート(均しコンクリート)33を打設する。
なお、砕石32および捨てコンクリート33の層厚は、適宜設定すればよい。また、砕石32および捨てコンクリート33は、必要に応じて施工すればよい。
アンカー植設工程は、図1に示すように、杭頭部10に複数本のアンカー5を植設する工程である。
本実施形態では、ピット31内において、アンカー5を杭頭部10に植設する。アンカー5は、後記する新設基礎体4内に埋め込むことが可能であれば、必ずしもピット31内に配置する必要はない。
本実施形態では、縦方向に5段のアンカー5が設けられている。また、アンカー5は、杭頭部10の周方向に対しても所定の間隔をあけて複数本設けられている。
なお、アンカー5の本数や配設ピッチは限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
基礎体新設工程は、図2に示すように、既設基礎体2の下方に、新設基礎体4を形成する工程である。
新設基礎体4は、図示しない鉄筋を配筋した後、コンクリートを打設することにより形成する。
コンクリートは、ピット31内にも打設する。新設基礎体4は、複数本のアンカー5を巻き込んだ状態で形成する。
なお、新設基礎体4の厚さは限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
また、鉄筋の配筋ピッチや鉄筋径も適宜設定すればよい。また、鉄筋は必要に応じて配筋すればよく、省略してもよい。
削孔工程は、図3の(a)〜(c)に示すように、杭頭部10の上部に貫通孔11を形成する工程である。
貫通孔11は、既設杭1の軸方向と直交する向きに形成する。本実施形態では、矩形状の貫通孔11の上面が既設基礎体1の下面に接するように貫通孔11を形成する。
なお、貫通孔11の形状は矩形に限定されるものではなく、例えば円形であってもよい。また、貫通孔11の大きさは、後記する受桁6を挿通することが可能であれば限定されない。
受桁設置工程は、図3の(a)〜(c)に示すように、貫通孔11を利用して受桁6を設置する工程である。
受桁6は、図3の(a)に示すように、貫通孔11に挿通する。受桁6の両端部は、新設基礎体4に立設された仮支持材7に載置する。
本実施形態の受桁6は、図3の(c)に示すように、横方向に並設された一対の桁材61,61により形成されている。
本実施形態では桁部材61として、上下のフランジと両フランジを連結するウェブとからなるI形鋼を採用する。
なお、桁部材61を構成する材料限定されるものではなく、例えばH形鋼や溝型鋼等であってもよい。また、受桁6は、一対(2本)の桁部材61により形成する必要はなく、1本の桁部材61であってもよいし、3本以上の桁部材を組み合わせていてもよい。
桁部材61同士は、必要に応じて互い固定してもよい。
各桁部材61は、上側のフランジが既設基礎体2の下面に当接した状態で配設する。本実施形態では、受桁6の上面(フランジの上面)と既設基礎体2との間に間詰材62が介設されているが、受桁6は既設基礎体2に直接接していてもよい。なお、間詰材62を構成する材料は限定されるものではなく、例えばグラウトを使用すればよい。
仮支持材7は、新設基礎体4と受桁6との間に介設されており、受桁6を下方から支持している。本実施形態では、仮支持材7を新設基礎体4の増厚部分(ピット31の上方)に配置する。
本実施形態では、仮支持材7として、ジャッキを採用している。なお、仮支持材7の構成はジャッキに限定されるものではなく、例えば仮設の支柱であってもよいし、ジャッキと支柱とを組み合わせたものであってもよい。
第一の受替工程は、図3の(a)および(b)に示すように、既設基礎体2を、受桁6を介して仮支持材7で支持する工程である。
本実施形態では、仮支持材7を伸長させることで、受桁6の上面を既設基礎体2に押し付ける。こうして、既設杭1に作用する力(既設基礎体2)を仮支持材7に受替える。
既設杭撤去工程は、図4の(a)および(b)に示すように、既設杭1の露出部分(杭頭部10)を撤去する工程である。
本実施形態では、作業空間3の床付け面よりも上側の部分、すなわち、ピット31の上面よりも上側に位置する部分を撤去する。
杭頭部10の撤去方法は限定されるものではなく、例えば、ブレーカー等で破砕してもよいし、コンクリートカッター等で切削してもよい。
杭頭部10の撤去に伴い、新設基礎体4に形成された凹部41には、コンクリートを充填(打設)する。このとき、凹部41には、必要に応じて鉄筋を配筋しておく。
補強梁増設工程は、図5の(a)〜(c)に示すように、補強梁8を形成する工程である。
補強梁8は、既設基礎体2の下面に沿って鉄筋および型枠を設置し、当該型枠内にコンクリートを打設することにより形成する。
本実施形態では、複数の補強梁8を、上部構造の柱21の中心位置を交点とする格子状に形成する。
補強梁8は、受桁6を巻き込んだ状態で形成する。なお、本実施形態では、受桁6の下側のフランジが補強梁8の下面から露出しているが、補強梁8は、受桁6の全体を巻き込むように形成してもよい。
補強梁8は、必ずしも格子状に形成する必要はない。
また、本実施形態では、既設基礎体2の下面に沿って補強梁8を形成することで既設基礎体2を補強するが、補強梁8に代えて、既設基礎体2を増厚させてもよい。また、補強梁8の部材高や位置は限定されるものではない。さらに、補強梁8は、必要な強度を有した材料で形成することで、既設基礎体2の剛性や耐力を上げるための補強であればよく、例えば鋼材等で形成してもよい。
地下施設増設工程は、図6に示すように、既設基礎体2と新設基礎体4との間に免震装置(新設地下施設)9を増設する工程である。
免震装置9は、免震装置本体9aと、上部コンクリート9bと、下部コンクリート9cとを備えている。本実施形態の免震装置本体9aは、積層ゴムにより構成されているが、免震装置9の構造は限定されなく、例えばすべり支承を採用してもよい。
上部コンクリート9bは、免震装置本体9aと補強梁8との間に介設される鉄筋コンクリート部材であって、補強梁8の下面に形成する。
なお、上部コンクリート9bは、既設基礎体2の下面に形成してもよい。
下部コンクリート9cは、免震装置本体9aと新設基礎体4との間に介設される鉄筋コンクリート部材であって、新設基礎体4の上面に形成する。
下部コンクリート9cは、凹部41にコンクリートを打設する際に、当該コンクリートの打設部分と一体に形成してもよい。
第二の受替工程は、既設基礎体2を免震装置(新設地下施設)9で支持する工程である。
ジャッキである仮支持材7を収縮すると、仮支持材7に作用する力が免震装置9に受け替えられるため、免震装置9により既設基礎体2を支持する状態となる。
仮支持材撤去工程は、図7に示すように、仮支持材7を撤去する工程である。
すなわち、仮支持材7に作用する力(既設基礎体2)が免震装置9に受け替えたら、仮支持材7を撤去する。
本実施形態の地下施設増設方法によれば、仮設杭を施工することなく、免震装置9を配設することができるため、工期短縮化および施工費の低減化を図ることができる。
既設杭1に形成した貫通孔11に受け桁6を設けて、既設杭1に作用する軸力を受け替えるため、既存建物が一つの柱21の荷重を一つの杭1で支える構造であっても、大幅な補強工事を要することなく、既設杭1の軸力を免震装置9に受け替えることができる。
また、本実施形態の地下施設増設方法は、受桁6を挿通可能な杭径の既設杭1を有した既存建物であれば適用することが可能である。
また、比較的簡易な仮受け構造(受桁6および仮支持材7)を採用しているため、施工期間の短縮化を図ることもできる。
新設基礎体4は、アンカー5を介して既設杭1に連結されているため、仮支持材7により受け替えた軸力を新設基礎体4を介して既設杭1に伝達することができる。
既設杭1の頭部10を、新設基礎体4の下面よりも下の位置で切断することで、既設基礎体2の下方に版状の新設基礎体4を形成することができる。
また、仮支持材7としてジャッキを使用することで、既設杭1に作用する力(既設基礎体2)の受け替え(第一受替え工程および第二受替え工程)を容易に行うことができる。
また、免震装置9を、既設杭1の中心軸の延長線上に設置するため、既設杭1同士の間隔が狭く、免震装置9を既設杭1同士の間に設置することができない場合であっても、既存建物に免震化改修を行うことができる。
<第二の実施形態>
第二の実施形態では、図8の(a)および(b)に示す既設杭1と既設基礎体2とを備える既存建物について、免震装置(新設地下施設)を増設して免震化改修を行う場合を例示する。
本実施形態の既設基礎体2は、基礎梁22、耐圧盤23およびフーチング24とを備えている。なお、既設基礎体2の構成は限定されるものではなく、例えば、版状部材であってもよい。
基礎梁22は、既設杭1の中心軸の延長線上において交差するように形成された、鉄筋コンクリート製の格子状部材である。なお、基礎梁22の構成は限定されない。
耐圧盤23は、既設杭1の上端と基礎梁22の下面との間に介設された鉄筋コンクリート製の盤状部材である。なお、耐圧盤23の構成は限定されない。
フーチング24は、耐圧盤23上に形成されていて、既設柱21の下端が接続された鉄筋コンクリート製部材である。なお、フーチング24の構成は限定されない。
第二の実施形態の地下施設増設方法は、掘削工程と、アンカー植設工程と、基礎体新設工程と、削孔工程と、受桁設置工程と、第一の受替工程と、既設杭撤去工程と、地下施設増設工程と、第二受け替え工程と、仮支持材撤去工程とを備えている。
掘削工程は、図9の(a)に示すように、既設基礎体2の下方を掘削して作業空間3を形成し、既設杭1の杭頭部(上部)10を露出させる工程である。
掘削工程の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
アンカー植設工程は、図9の(a)に示すように、杭頭部10に複数本のアンカー5を植設する工程である。
アンカー植設工程の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
基礎体新設工程は、図9の(b)に示すように、既設基礎体2の下方に、新設基礎体4を形成する工程である。
基礎体新設工程の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
削孔工程は、図9の(b)および(c)に示すように、杭頭部10の上部に貫通孔11を形成する工程である。
貫通孔11は、既設杭1の軸方向と直交する向きに形成する。本実施形態では、矩形状の貫通孔11の上面が既設基礎体1の下面に接するように貫通孔11を形成する。
なお、貫通孔11の形状は矩形に限定されるものではなく、例えば円形であってもよい。また、貫通孔11の大きさは、後記する受桁6を挿通することが可能であれば限定されない。
受桁設置工程は、図9の(b)および(c)に示すように、貫通孔11を利用して受桁6を設置する工程である。
受桁6は、図9の(b)に示すように、貫通孔11に挿通する。受桁6の両端部は、新設基礎体4に立設された仮支持材7に載置する。
本実施形態の受桁6には、図9の(c)に示すように、上下のフランジと両フランジを連結するウェブとからなるI形鋼を採用する。
なお、受桁6を構成する材料限定されるものではなく、例えばH形鋼や溝型鋼等であってもよい。また、受桁6は、複数の桁部材を組み合わせて構成してもよい。
受桁6は、上側のフランジが既設基礎体2の下面に当接した状態で配設する。本実施形態では、受桁6の上面(フランジの上面)と既設基礎体2との間に間詰材62が介設されているが、受桁6は既設基礎体2に直接接していてもよい。なお、間詰材62を構成する材料は限定されるものではなく、例えばグラウトを使用すればよい。
仮支持材7は、新設基礎体4と受桁6との間に介設されており、受桁6を下方から支持している。本実施形態では、仮支持材7を新設基礎体4の増厚部分(ピット31の上方)に配置する。
本実施形態では、仮支持材7として、ジャッキを採用している。なお、仮支持材7の構成はジャッキに限定されるものではなく、例えば仮設の支柱であってもよいし、ジャッキと支柱とを組み合わせたものであってもよい。
第一の受替工程は、図9の(b)に示すように、既設基礎体2を、受桁6を介して仮支持材7で支持する工程である。
本実施形態では、仮支持材7を伸長させることで、受桁6の上面を既設基礎体2に押し付ける。こうして、既設杭1に作用する力(既設基礎体2)を仮支持材7に受替える。
既設杭撤去工程は、既設杭1の露出部分(杭頭部10)を撤去する工程である。
本実施形態では、作業空間3の床付け面よりも上側の部分、すなわち、ピット31の上面よりも上側に位置する部分を撤去する。
なお、既設杭撤去工程の詳細は、第一の実施係他で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
地下施設増設工程は、図10に示すように、既設基礎体2と新設基礎体4との間に免震装置(新設地下施設)9を増設する工程である。
免震装置9は、免震装置本体9aと、上部コンクリート9bと、下部コンクリート9cとを備えている。本実施形態の免震装置本体9aは、積層ゴムにより構成されているが、免震装置9の構造は限定されなく、例えばすべり支承を採用してもよい。
上部コンクリート9bは、既設基礎体2と免震装置本体9aとの間に介設される鉄筋コンクリート部材であって、既設基礎体2(耐圧盤23)の下面に、受桁6を巻き込んだ状態で形成する。
下部コンクリート9cは、免震装置本体9aと新設基礎体4との間に介設される鉄筋コンクリート部材であって、新設基礎体4の上面に形成する。
第二の受替工程は、既設基礎体2を免震装置(新設地下施設)9で支持する工程である。
ジャッキである仮支持材7を収縮すると、仮支持材7に作用する力が免震装置9に受け替えられるため、免震装置9により既設基礎体2を支持する状態となる。
仮支持材撤去工程は、図11に示すように、仮支持材7を撤去する工程である。
すなわち、仮支持材7に作用する力(既設基礎体2)が免震装置9に受け替えたら、仮支持材7を撤去する。
本実施形態の地下施設増設方法によれば、第一の実施形態の地下施設増設方法と同様の作用効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、新設地下施設として、免震装置を設置する場合について説明したが、新設地下施設は、例えば、新設の地下階等、免震装置に限定されるものではない。
また、既存建物の構成や使用目的等も限定されるものではない。
また、既設基礎体の上面に補強梁を形成することや既設基礎体を増厚することにより、既設基礎体を補強してもよい。
1 既設杭
10 杭頭部
11 貫通孔
2 既設基礎体
3 地下空間
31 ピット
4 新設基礎体
5 アンカー
6 受桁
7 仮支持材
8 補強梁
9 免震装置(新設地下施設)

Claims (4)

  1. 既設杭と既設基礎体とを備える既存建物に新設地下施設を増設する地下施設増設方法であって、
    前記既設基礎体の下方を掘削して前記既設杭の杭頭部を露出させる掘削工程と、
    前記既設基礎体の下方に新設基礎体を形成する基礎体新設工程と、
    前記杭頭部の上部に貫通孔を形成する削孔工程と、
    前記貫通孔に受桁を設置するとともに、前記新設基礎体に立設させた仮支持材により前記受桁の両端部を支持する受桁設置工程と、
    前記既設基礎体を、前記受桁を介して前記仮支持材で支持する第一の受替工程と、
    前記既設杭の露出部分を撤去する既設杭撤去工程と、
    前記新設基礎体と前記既設基礎体との間に新設地下施設を増設する地下施設増設工程と、
    前記既設基礎体を、前記新設地下施設で支持する第二の受替工程と、
    前記仮支持材を撤去する仮支持材撤去工程と、を備えていることを特徴とする、地下施設増設方法。
  2. 前記既設杭の露出部分にアンカーを植設するアンカー植設工程を備えており、
    前記基礎体新設工程では、前記アンカーを巻き込んだ状態で前記新設基礎体を形成することを特徴とする、請求項1に記載の地下施設増設方法。
  3. 前記掘削工程において、前記既設杭の周囲が他の領域よりも低くなるように掘削してピットを形成し、
    前記アンカー植設工程において、前記ピット内で前記アンカーを植設することを特徴とする、請求項2に記載の地下施設増設方法。
  4. 前記仮支持材としてジャッキを設置することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の地下施設増設方法。
JP2014225171A 2014-11-05 2014-11-05 地下施設増設方法 Active JP6441029B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014225171A JP6441029B2 (ja) 2014-11-05 2014-11-05 地下施設増設方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014225171A JP6441029B2 (ja) 2014-11-05 2014-11-05 地下施設増設方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016089480A JP2016089480A (ja) 2016-05-23
JP6441029B2 true JP6441029B2 (ja) 2018-12-19

Family

ID=56019147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014225171A Active JP6441029B2 (ja) 2014-11-05 2014-11-05 地下施設増設方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6441029B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2819008B2 (ja) * 1995-04-19 1998-10-30 東洋建設株式会社 既存建物の免震化構法
US5782043A (en) * 1996-11-19 1998-07-21 Duncan; C. Warren Seismic correction system for retrofitting structural columns
JP2002309593A (ja) * 2001-04-11 2002-10-23 Taisei Corp 既存建物の免震工法
JP3586835B2 (ja) * 2001-08-27 2004-11-10 株式会社竹中工務店 既築の建造物への免震装置の設置方法
JP2010265595A (ja) * 2009-05-12 2010-11-25 Takenaka Komuten Co Ltd 構造物の解体工法
JP5485085B2 (ja) * 2010-09-06 2014-05-07 清水建設株式会社 既存杭の軸力受け替え方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016089480A (ja) 2016-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101070426B1 (ko) 마이크로 파일을 이용한 개량형 언더피닝 공법
KR100967497B1 (ko) 지하 구조물 구축공법
KR20190022132A (ko) 각형강관과 합성된 프리캐스트 콘크리트 기둥을 활용한 pc 탑다운공법
KR20090090742A (ko) 영구 스트럿을 이용한 상향식 지하구조물 구축공법
KR101187170B1 (ko) 마이크로파일로 전달하는 경사기둥과 기초부 연장 기둥을 라멘골조로 이용한 수직하향증축 시공방법
JP2012112121A (ja) 直接基礎下地盤の掘削方法及び既設建物の免震化方法
JP3850785B2 (ja) 本設基礎杭を利用したケーソン沈設方法
JP6441030B2 (ja) 地下施設増設方法
JP5228862B2 (ja) 地下構造、地下構造の構築方法
JP2014118756A (ja) 免震建物およびその施工方法
JP6228836B2 (ja) 逆巻き工法
JP2023011057A (ja) 基礎構造及び基礎構築方法
JP6441029B2 (ja) 地下施設増設方法
JP4228308B2 (ja) 既存床の補強工法および既存建物の免震化工法
JP2019218795A (ja) 基礎杭と基礎スラブの接合構造
KR100967496B1 (ko) 지하 구조물 구축장치
JP6334970B2 (ja) 基礎の仮支持方法
JP6083788B2 (ja) 基礎の仮支持方法
JP6938198B2 (ja) 施工方法
JP5852475B2 (ja) 杭基礎の改築方法
JP6326279B2 (ja) 杭基礎構造物の免震化改修方法
JP6529241B2 (ja) 建物基礎構造、及び建物基礎構造の構築方法
JP6827256B2 (ja) 建物の建替え方法
JP6534026B2 (ja) 免震建物及びその施工方法
JP6000414B2 (ja) 杭基礎の改築方法および杭基礎構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170824

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180612

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6441029

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150