JP2007009450A - パネル工法建築物の免震装置および免震構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 パネル工法建築物において、基本的な壁パネルの施工作業性や機能を損なうことなく、建築物に高い免震機能を付与することができる免震装置および免震構造を提供する。
【解決手段】 基礎構造10の上に壁パネル20を立設して構築されるパネル工法建築物において、基礎構造10の上端と壁パネル20の下端との間に配置される免震装置50であり、基礎構造10に固定される基礎固定部52と、基礎固定部52に固定され弾力的に変形する吸震弾性体60と、吸震弾性体60の上に配置され基礎固定部52に対して水平方向に移動可能に支持され壁パネル20が固定されるパネル固定部54とを備えてなる。
【選択図】 図2
【解決手段】 基礎構造10の上に壁パネル20を立設して構築されるパネル工法建築物において、基礎構造10の上端と壁パネル20の下端との間に配置される免震装置50であり、基礎構造10に固定される基礎固定部52と、基礎固定部52に固定され弾力的に変形する吸震弾性体60と、吸震弾性体60の上に配置され基礎固定部52に対して水平方向に移動可能に支持され壁パネル20が固定されるパネル固定部54とを備えてなる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、パネル工法建築物の免震装置および免震構造に関し、詳しくは、工業化住宅などの建築に利用されているパネル工法建築物において、地震による振動を減衰あるいは吸収させる免震装置と、このような免震装置を用いて構築される免震構造とを対象にしている。
工業化住宅の建築工法として、パネル工法が知られている。
一般的なパネル工法では、地盤に施工された布基礎などの基礎構造の上に、矩形板状の壁パネルを立て並べて取り付けることで、建築物の壁構造を構築する。通常の建築物における柱梁構造を使用しなくても、複数枚の壁パネルで構築された壁構造自体が、建築物の上部構造の荷重を支持し負荷を受け持つ。また、在来工法の建築物では、基礎構造の上面に沿って土台柱を設け、この土台柱の上に柱や壁、床などの構造を構築していくが、パネル工法では、土台柱を使用せず、基礎構造の上に土台金物を介して壁パネルが取り付けられる。床構造や天井構造、屋根構造なども、それぞれを構成するパネルを組み立てたり壁パネルで構成された壁構造に取り付けたりして構築することができる。パネル工法で使用する壁パネルなどは、予め工場などで生産しておき、建築現場では搬入された壁パネルなどを組み立て固定していくだけで建築物の構築が完了する。作業性が良く、しかも、品質性能の安定した信頼性の高い建築物を経済的に構築できる方法として、広く普及している。
一般的なパネル工法では、地盤に施工された布基礎などの基礎構造の上に、矩形板状の壁パネルを立て並べて取り付けることで、建築物の壁構造を構築する。通常の建築物における柱梁構造を使用しなくても、複数枚の壁パネルで構築された壁構造自体が、建築物の上部構造の荷重を支持し負荷を受け持つ。また、在来工法の建築物では、基礎構造の上面に沿って土台柱を設け、この土台柱の上に柱や壁、床などの構造を構築していくが、パネル工法では、土台柱を使用せず、基礎構造の上に土台金物を介して壁パネルが取り付けられる。床構造や天井構造、屋根構造なども、それぞれを構成するパネルを組み立てたり壁パネルで構成された壁構造に取り付けたりして構築することができる。パネル工法で使用する壁パネルなどは、予め工場などで生産しておき、建築現場では搬入された壁パネルなどを組み立て固定していくだけで建築物の構築が完了する。作業性が良く、しかも、品質性能の安定した信頼性の高い建築物を経済的に構築できる方法として、広く普及している。
これとは別に、住宅などの比較的に小規模な建築物における地震対策が求められている。高層ビルなどの大型建築物では、建築物の地下で地盤との間に、バネやゴムなどの弾性材料による吸震機能を利用した免震装置を設置することが行われている。しかし、このような大型建築物に採用されている大掛りな免震装置は、住宅の建築構造に組み込むことは難しい。
そこで、戸建て住宅などへの設置に適した免震技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、在来工法で建築される戸建て住宅において、基礎構造と、基礎構造の上に施工される土台柱との間に、矩形板状をなす免震ゴムを、基礎構造の長さ方向に沿って間隔をあけて取り付けておく技術が示されている。免震ゴム同士の中間で、基礎構造と土台柱との間にできる隙間を、通気空間として利用している。
特開2001−355350号公報
そこで、戸建て住宅などへの設置に適した免震技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、在来工法で建築される戸建て住宅において、基礎構造と、基礎構造の上に施工される土台柱との間に、矩形板状をなす免震ゴムを、基礎構造の長さ方向に沿って間隔をあけて取り付けておく技術が示されている。免震ゴム同士の中間で、基礎構造と土台柱との間にできる隙間を、通気空間として利用している。
前記した特許文献1の技術では、土台柱の上に構築された住宅の上部構造は、通常の在来工法により柱と柱間を塞ぐ壁構造などで一体的に構築されている。土台柱より上方の住宅全体が、常に一体となって運動する剛体であるとみなせる。
この状態では、住宅の全体に配置された複数の免震ゴムに均等に荷重が加わり難くなる。住宅の重心位置や重量配分の偏りなどによって、一部の免震ゴムのみに過大な負荷が加わり易い。地震による基礎構造の震動に対して、一部の免震ゴムだけで過大な震動エネルギーを吸収しなければならなくなる。局部的に免震ゴムの損傷や破損が生じ易い。しかも、免震ゴムが損傷して震動エネルギーが吸収できなくなった個所では、基礎構造の震動が土台柱にそのまま伝達される。土台柱と一体である上部構造の全体にも震動が伝達されるため、免震機能が有効に果たせなくなる。
この状態では、住宅の全体に配置された複数の免震ゴムに均等に荷重が加わり難くなる。住宅の重心位置や重量配分の偏りなどによって、一部の免震ゴムのみに過大な負荷が加わり易い。地震による基礎構造の震動に対して、一部の免震ゴムだけで過大な震動エネルギーを吸収しなければならなくなる。局部的に免震ゴムの損傷や破損が生じ易い。しかも、免震ゴムが損傷して震動エネルギーが吸収できなくなった個所では、基礎構造の震動が土台柱にそのまま伝達される。土台柱と一体である上部構造の全体にも震動が伝達されるため、免震機能が有効に果たせなくなる。
住宅の上部構造を支持する土台柱は、基礎構造に対してアンカーボルトなどで固定される。そうすると、土台柱と基礎構造との間に免震ゴムが存在していても、基礎構造の震動がアンカーボルトなどを介して、そのまま土台柱に伝達されてしまう。この場合も、住宅全体の土台柱は一体物であるから、一部のアンカーボルトで基礎構造から土台柱へと震動が伝達されてしまうと、土台柱および上部構造の全体に震動が伝達されてしまう。
前記したパネル工法建築物に特許文献2の免震技術を適用すると、土台柱を使用しなければならないため、パネル工法の利点が損なわれ、前記した在来工法建築物と同じ問題が発生する。
前記したパネル工法建築物に特許文献2の免震技術を適用すると、土台柱を使用しなければならないため、パネル工法の利点が損なわれ、前記した在来工法建築物と同じ問題が発生する。
本発明の課題は、パネル工法建築物において、基本的な壁パネルの施工作業性や機能を損なうことなく、建築物に高い免震機能を付与することができる免震装置および免震構造を提供することである。
本発明にかかるパネル工法建築物の免震装置は、基礎構造の上に壁パネルを立設して構築されるパネル工法建築物において、前記基礎構造の上端と前記壁パネルの下端との間に配置される免震装置であり、前記基礎構造に固定される基礎固定部と、前記基礎固定部に固定され弾力的に変形する吸震弾性体と、前記吸震弾性体の上に配置され前記基礎固定部に対して水平方向に移動可能に支持され前記壁パネルが固定されるパネル固定部とを備えてなる。
〔パネル工法建築物〕
パネル工法建築物は、基礎構造の上に壁パネルを立設して構築される。
〔パネル工法建築物〕
パネル工法建築物は、基礎構造の上に壁パネルを立設して構築される。
基本的に、免震構造を備えていない通常のパネル工法建築物と同じ材料や構造を備えた建築物でよい。
パネル工法建築物は、通常の戸建て住宅のほか、小規模な集合住宅や工場、商用施設、公共施設などにも適用される。平屋のほか2階建などの複層建築物にも適用できる。
〔基礎構造〕
通常のパネル工法建築物における基礎構造と共通する材料、構造、施工方法が適用できる。
一般的な住宅の基礎構造としては、住宅の外周に沿って、地盤に一部が埋設された状態で構築される鉄筋コンクリート壁体からなる布基礎が知られている。
パネル工法建築物は、通常の戸建て住宅のほか、小規模な集合住宅や工場、商用施設、公共施設などにも適用される。平屋のほか2階建などの複層建築物にも適用できる。
〔基礎構造〕
通常のパネル工法建築物における基礎構造と共通する材料、構造、施工方法が適用できる。
一般的な住宅の基礎構造としては、住宅の外周に沿って、地盤に一部が埋設された状態で構築される鉄筋コンクリート壁体からなる布基礎が知られている。
基礎構造は、建築物の外周に沿って構築されるだけでなく、建築物の内部構造に対応する仕切り状に配置される基礎構造もある。
基礎構造の上端は、通常、幅の狭い帯状の平坦面である。場所によって高さの異なる個所や凹み、凸部、段差などが存在する場合もある。平面形状は、建築物の外周に沿った枠状あるいは内部を仕切る格子状などをなす。
パネル工法建築物における基礎構造では、土台金物の設置に利用されるアンカーボルトが、適宜間隔で基礎構造に埋め込まれていることがある。アンカーボルトの上端が、基礎構造の上面から少し突出した状態になる。土台金物を位置決めしたり固定したりするためのボルト穴や植え込みボルト、ナット、金具などが設けられていることもある。免震装置の設置に、これらアンカーボルトなどの土台金物の取り付け構造をそのまま利用することができる。
基礎構造の上端は、通常、幅の狭い帯状の平坦面である。場所によって高さの異なる個所や凹み、凸部、段差などが存在する場合もある。平面形状は、建築物の外周に沿った枠状あるいは内部を仕切る格子状などをなす。
パネル工法建築物における基礎構造では、土台金物の設置に利用されるアンカーボルトが、適宜間隔で基礎構造に埋め込まれていることがある。アンカーボルトの上端が、基礎構造の上面から少し突出した状態になる。土台金物を位置決めしたり固定したりするためのボルト穴や植え込みボルト、ナット、金具などが設けられていることもある。免震装置の設置に、これらアンカーボルトなどの土台金物の取り付け構造をそのまま利用することができる。
〔壁パネル〕
通常のパネル工法建築物において、基礎構造の上に、土台金物を介して立設される壁パネルと共通する技術が適用できる。ストレススキンパネルあるいは耐力壁パネルなどと呼ばれる技術が利用できる。
壁パネルには、建築物の外周に沿って配置される外壁パネルのほか、建築物の内部における間仕切りとなる仕切り壁パネルもある。
壁パネルの形状は、基本的には平坦な矩形板状であるが、建築物の構造によっては、矩形の一部が切り欠かれた形状や、曲面板状、屈曲板状などをなすものもある。
通常のパネル工法建築物において、基礎構造の上に、土台金物を介して立設される壁パネルと共通する技術が適用できる。ストレススキンパネルあるいは耐力壁パネルなどと呼ばれる技術が利用できる。
壁パネルには、建築物の外周に沿って配置される外壁パネルのほか、建築物の内部における間仕切りとなる仕切り壁パネルもある。
壁パネルの形状は、基本的には平坦な矩形板状であるが、建築物の構造によっては、矩形の一部が切り欠かれた形状や、曲面板状、屈曲板状などをなすものもある。
壁パネルの基本構造は、形鋼材などを枠状に組み立てて構成される矩形状の枠体に、断熱材層や壁材層、防音材層など、壁に要求される種々の機能を果たす材料層が貼り付けられたり埋め込まれたりして構築される。窓や出入り口などを設ける個所では開口が設けられる。配管やダクト、配線などが設置されていたり、各種の住宅設備の取付構造が設けられていたりすることもある。
壁パネルには、土台金物との連結に使用されるボルト孔や切り欠き、連結片などが設けられる。これらの連結構造を免震装置の取り付けに利用することができる。壁パネルには、壁パネル同士の連結、壁パネルと床パネルや屋根パネルなどとの連結に使用される連結構造も設けられる。
壁パネルには、土台金物との連結に使用されるボルト孔や切り欠き、連結片などが設けられる。これらの連結構造を免震装置の取り付けに利用することができる。壁パネルには、壁パネル同士の連結、壁パネルと床パネルや屋根パネルなどとの連結に使用される連結構造も設けられる。
〔免震装置〕
基礎構造と壁パネルとを連結し、基礎構造から壁パネルへ伝達される地震の震動あるいはエネルギーを遮断あるいは軽減する機能を有する。
免震装置は、基礎構造の上面と壁パネルの下面との間に配置される。壁パネルを基礎構造に取り付ける取付構造としての機能も果たす。
免震装置は、通常のパネル工法建築物において、壁パネルを基礎構造に取り付けるのに使用されていた土台金物に置き換えて使用することができる。全ての土台金物を免震装置に置き換えることもできるし、目的の免震機能が発揮できれば一部の土台金物だけを免震装置に置き換えることもできる。
基礎構造と壁パネルとを連結し、基礎構造から壁パネルへ伝達される地震の震動あるいはエネルギーを遮断あるいは軽減する機能を有する。
免震装置は、基礎構造の上面と壁パネルの下面との間に配置される。壁パネルを基礎構造に取り付ける取付構造としての機能も果たす。
免震装置は、通常のパネル工法建築物において、壁パネルを基礎構造に取り付けるのに使用されていた土台金物に置き換えて使用することができる。全ての土台金物を免震装置に置き換えることもできるし、目的の免震機能が発揮できれば一部の土台金物だけを免震装置に置き換えることもできる。
免震装置の形状や寸法、取付構造は、土台金物と共通させておくことができる。逆に、免震装置の構造に合わせて、免震装置と共に用いる土台金物の形状寸法を設定しておくこともできる。
免震装置は、基礎構造に固定される基礎固定部と、壁パネルに固定される壁パネル固定部と、基礎固定部と壁パネル固定部とを連結し弾力的に変形する吸震弾性体とを備える。
〔基礎固定部〕
基礎構造の上端に配置される。基礎構造に固定され、地震の際には基礎構造と一体に運動する。建築物の上部構造を支持できるように、鋼材などの十分な構造強度を有する材料で構成される。
免震装置は、基礎構造に固定される基礎固定部と、壁パネルに固定される壁パネル固定部と、基礎固定部と壁パネル固定部とを連結し弾力的に変形する吸震弾性体とを備える。
〔基礎固定部〕
基礎構造の上端に配置される。基礎構造に固定され、地震の際には基礎構造と一体に運動する。建築物の上部構造を支持できるように、鋼材などの十分な構造強度を有する材料で構成される。
基礎固定部には、基礎構造の上面に載置される基礎固定部材を設けておくことができる。基礎固定部材には、基礎構造のアンカーボルトなどが挿通されるボルト孔を備えておくことができる。基礎固定部材のボルト孔にアンカーボルトが挿通されアンカーボルトを介して基礎固定部材が基礎構造に固定される。
基礎固定部には、吸震弾性体による吸震機能を阻害しない状態で、吸震弾性体を支持したり固定したりする手段を備えておくことができる。具体的には、基礎固定部材の上面に吸震弾性体を囲んだり吸震弾性体と係合する凹凸部分を設けておいたりできる。基礎固定部は、吸震弾性体の全体を固定するのではなく、吸震弾性体の下部など吸震機能に悪影響のない部分で固定することが望ましい。
基礎固定部には、吸震弾性体による吸震機能を阻害しない状態で、吸震弾性体を支持したり固定したりする手段を備えておくことができる。具体的には、基礎固定部材の上面に吸震弾性体を囲んだり吸震弾性体と係合する凹凸部分を設けておいたりできる。基礎固定部は、吸震弾性体の全体を固定するのではなく、吸震弾性体の下部など吸震機能に悪影響のない部分で固定することが望ましい。
基礎固定部部材に、吸震弾性体の下方外周を囲み、さらに外方に屈曲して延びたあと下方に屈曲して延び全体が鉤状をなす鉤状張出片を有することができる。鉤状張出片は、吸震弾性体の固定機能を果たすとともに、パネル固定部の鉤状張出片と協働して、吸震弾性体を外部環境から保護する機能を果たすことができる。
〔吸震弾性体〕
免震装置のおける免震機能を果たす。
基本的には、通常の建築物における免震装置に利用されている吸震ゴムや免震ゴムなどと共通する材料や製造技術が適用できる。弾力的に変形して震動を吸収するのに有効な粘弾性特性に優れたゴム材料や樹脂材料が使用できる。ゴムなどの弾性材料に、繊維布や樹脂シート、金属板などの非弾性材料を積層したりした複合材料も使用できる。
〔吸震弾性体〕
免震装置のおける免震機能を果たす。
基本的には、通常の建築物における免震装置に利用されている吸震ゴムや免震ゴムなどと共通する材料や製造技術が適用できる。弾力的に変形して震動を吸収するのに有効な粘弾性特性に優れたゴム材料や樹脂材料が使用できる。ゴムなどの弾性材料に、繊維布や樹脂シート、金属板などの非弾性材料を積層したりした複合材料も使用できる。
吸震弾性体の形状は、基礎固定部およびパネル固定部との固定ができ、壁パネルを含む住宅の上部構造を支持できるとともに、免震機能を果たすための弾性変形が可能な形状であればよい。基本的には柱状あるいは盤状をなしている。基礎固定部およびパネル固定部に固定するための凹凸形状や、基礎固定部あるいはパネル固定部の部材を収容するための空間などを備えておくことができる。
吸震弾性体の水平断面積を、一つの免震装置で負担する住宅の分割荷重を支持できるように設定できる。住宅の全体荷重を、住宅に設置する吸震弾性体の全数で割れば、一つの免震装置で負担すべき荷重が判る。負担荷重と吸震弾性体の強度などの材料特性から、吸震弾性体の水平断面積を決定することができる。例えば、住宅全体で合計10個所に吸震弾性体を配置する場合、1個所の吸震弾性体当たり25〜400cm2の水平断面積に設定できる。吸震弾性体の単位面積当たりの荷重を、弾性体の材料や構造、負担すべき荷重などの条件に合わせて適切に設定すればよい。例えば、パネル端部のみに配置する場合は、吸震弾性体の単位面積当たりの荷重を120〜7.5kg/cm2に設定できる。荷重負担個所をモジュールピッチ毎に設定した場合は、吸震弾性体の単位面積当たりの荷重を40〜2.5kg/cm2に設定できる。
吸震弾性体の水平断面積を、一つの免震装置で負担する住宅の分割荷重を支持できるように設定できる。住宅の全体荷重を、住宅に設置する吸震弾性体の全数で割れば、一つの免震装置で負担すべき荷重が判る。負担荷重と吸震弾性体の強度などの材料特性から、吸震弾性体の水平断面積を決定することができる。例えば、住宅全体で合計10個所に吸震弾性体を配置する場合、1個所の吸震弾性体当たり25〜400cm2の水平断面積に設定できる。吸震弾性体の単位面積当たりの荷重を、弾性体の材料や構造、負担すべき荷重などの条件に合わせて適切に設定すればよい。例えば、パネル端部のみに配置する場合は、吸震弾性体の単位面積当たりの荷重を120〜7.5kg/cm2に設定できる。荷重負担個所をモジュールピッチ毎に設定した場合は、吸震弾性体の単位面積当たりの荷重を40〜2.5kg/cm2に設定できる。
吸震弾性体と基礎固定部あるいはパネル固定部との固定は、接着あるいはボルト締結などの通常の建築部材における固定手段が採用できる。
吸震弾性体は、その下端を基礎固定部に固定され、その上端をパネル固定部に固定された状態で、その中間に基礎固定部およびパネル固定部の何れにも拘束されず自由に変形できる領域を有していることが望ましい。この自由変形領域で震動エネルギーを効率的に吸収することができる。基礎固定部およびパネル固定部に拘束されない領域の高さは、要求性能や免震構造全体の構造条件などに合わせて適切に設定すればよく、例えば、2〜10cmの範囲に設定できる。
吸震弾性体は、その下端を基礎固定部に固定され、その上端をパネル固定部に固定された状態で、その中間に基礎固定部およびパネル固定部の何れにも拘束されず自由に変形できる領域を有していることが望ましい。この自由変形領域で震動エネルギーを効率的に吸収することができる。基礎固定部およびパネル固定部に拘束されない領域の高さは、要求性能や免震構造全体の構造条件などに合わせて適切に設定すればよく、例えば、2〜10cmの範囲に設定できる。
〔パネル固定部〕
吸震弾性体の上に配置され、壁パネルが固定される。さらに、基礎固定部に対して水平方向に移動可能に支持される。
パネル固定部には、パネル固定部に壁パネルを固定するための構造として、壁パネルの下端に固定され断面矩形枠状をなす取付枠材を設けておくことができる。取付枠材は、ボルト締結などの手段で壁パネルと固定される。
パネル固定部には、壁パネルに加えて床パネルを取り付けることができる。通常のパネル工法建築物における床パネルの取付手段と同様の技術が採用できる。鋼板片などで形成された床パネル取付部材が利用できる。パネル固定部に床パネルも取り付けられていれば、壁パネルと床パネルを含む住宅の上部構造の全体に対する免震機能を良好に発揮させることが可能になる。
吸震弾性体の上に配置され、壁パネルが固定される。さらに、基礎固定部に対して水平方向に移動可能に支持される。
パネル固定部には、パネル固定部に壁パネルを固定するための構造として、壁パネルの下端に固定され断面矩形枠状をなす取付枠材を設けておくことができる。取付枠材は、ボルト締結などの手段で壁パネルと固定される。
パネル固定部には、壁パネルに加えて床パネルを取り付けることができる。通常のパネル工法建築物における床パネルの取付手段と同様の技術が採用できる。鋼板片などで形成された床パネル取付部材が利用できる。パネル固定部に床パネルも取り付けられていれば、壁パネルと床パネルを含む住宅の上部構造の全体に対する免震機能を良好に発揮させることが可能になる。
パネル固定部には、吸震弾性体の上端に配置されるパネル固定部材を設けておくことができる。パネル固定部材は、前記した取付枠材および床パネル取付部材の下方に配置され、吸震弾性体を挟んで、基礎固定部材と対向することになる。
パネル固定部は、基礎固定部に対して水平方向に移動可能に支持する。移動可能な範囲は、地震の際における基礎構造とパネル固定部より上方の住宅構造との相対的移動量に対応して設定される。大地震に対応するには、移動可能な範囲を大きく設定すればよい。具体的には、要求性能などによって適切に設定すればよく、例えば、移動可能量を2〜20mmの範囲に設定できる。
パネル固定部は、基礎固定部に対して水平方向に移動可能に支持する。移動可能な範囲は、地震の際における基礎構造とパネル固定部より上方の住宅構造との相対的移動量に対応して設定される。大地震に対応するには、移動可能な範囲を大きく設定すればよい。具体的には、要求性能などによって適切に設定すればよく、例えば、移動可能量を2〜20mmの範囲に設定できる。
移動可能に支持する手段としては、通常の建築構造や機械装置における部材同士の移動を許容するための機構が採用できる。例えば、パネル固定部を基礎固定部にボルト締結で取り付ける場合、ボルト軸とボルト孔との間に隙間あるいは余裕空間を設けておけば、両者間の相対的な水平方向の運動が許容される。ボルト頭やナットと、取付面との間に面方向の相対移動を許容する座金や滑り面を設けておくことができる。
パネル固定部は、基礎固定部そのものに支持させてもよいし、基礎固定部と一体となった吸震弾性体の下方部分に対して支持させておいてもよい。
パネル固定部に、取付枠材、床パネル取付部材およびパネル固定部材を有する場合、取付枠材から吸震弾性体までを、締め付けボルトで締結することができる。取付枠材、床パネル取付部材、パネル固定部材および吸震弾性体の上部に、締め付けボルトの外径よりも十分に大きな貫通孔を設けておけば、締め付けボルトと取付枠材などとの間における水平方向の相対運動が十分に可能である。
パネル固定部は、基礎固定部そのものに支持させてもよいし、基礎固定部と一体となった吸震弾性体の下方部分に対して支持させておいてもよい。
パネル固定部に、取付枠材、床パネル取付部材およびパネル固定部材を有する場合、取付枠材から吸震弾性体までを、締め付けボルトで締結することができる。取付枠材、床パネル取付部材、パネル固定部材および吸震弾性体の上部に、締め付けボルトの外径よりも十分に大きな貫通孔を設けておけば、締め付けボルトと取付枠材などとの間における水平方向の相対運動が十分に可能である。
パネル固定部材には、基礎固定部材の鉤状張出片に対応する鉤状張出片を設けることができる。具体的には、鉤状張出片として、吸震弾性体の上端に沿って外方に延び、さらに基礎固定部材の張出片との間に間隔をあけて対向し全体が基礎固定部材の張出片とは逆の鉤状をなす鉤状張出片が採用できる。
基礎固定部材の鉤状張出片とパネル固定部材の鉤状張出片とが互いに間隔をあけて対向することで、基礎固定部とパネル固定部との間に配置された吸震弾性体が、免震装置の外部に直接に露出することがなくなる。外部からの水や埃その他の異物が侵入することを防いで、吸震弾性体を保護し、吸震弾性体の免震機能を長期間にわたって良好に発揮させることが可能になる。しかも、地震の際に、基礎固定部に対してパネル固定部が相対的に移動しても、互いに衝突することがなく、吸震弾性体を良好に保護した上で、免震機能を損なうことが防げる。
基礎固定部材の鉤状張出片とパネル固定部材の鉤状張出片とが互いに間隔をあけて対向することで、基礎固定部とパネル固定部との間に配置された吸震弾性体が、免震装置の外部に直接に露出することがなくなる。外部からの水や埃その他の異物が侵入することを防いで、吸震弾性体を保護し、吸震弾性体の免震機能を長期間にわたって良好に発揮させることが可能になる。しかも、地震の際に、基礎固定部に対してパネル固定部が相対的に移動しても、互いに衝突することがなく、吸震弾性体を良好に保護した上で、免震機能を損なうことが防げる。
〔免震機能〕
地震が発生すると、地盤に埋設された基礎構造が震動する。基礎構造の震動は、基礎固定部から吸震弾性体を経てパネル固定部に伝達されようとするが、吸震弾性体によって効率的に吸収され、パネル固定部よりも上方の住宅構造への震動の伝達が阻止される。
吸震弾性体による震動エネルギーの吸収作用を果たすには、基礎構造および基礎固定部さらには吸震弾性体の下部と、吸震弾性体の上部からパネル固定部よりも上方の住宅構造は、相対的に別個の運動を行なう必要がある。パネル固定部が基礎固定部に対して水平方向に移動可能に支持されていれば、上記のような運動が許容され、吸震弾性体の免震機能を良好に発揮させることができる。なお、地震の震動のうち、垂直方向の震動は、吸震弾性体の厚み方向における伸縮運動によって吸収することができる。
地震が発生すると、地盤に埋設された基礎構造が震動する。基礎構造の震動は、基礎固定部から吸震弾性体を経てパネル固定部に伝達されようとするが、吸震弾性体によって効率的に吸収され、パネル固定部よりも上方の住宅構造への震動の伝達が阻止される。
吸震弾性体による震動エネルギーの吸収作用を果たすには、基礎構造および基礎固定部さらには吸震弾性体の下部と、吸震弾性体の上部からパネル固定部よりも上方の住宅構造は、相対的に別個の運動を行なう必要がある。パネル固定部が基礎固定部に対して水平方向に移動可能に支持されていれば、上記のような運動が許容され、吸震弾性体の免震機能を良好に発揮させることができる。なお、地震の震動のうち、垂直方向の震動は、吸震弾性体の厚み方向における伸縮運動によって吸収することができる。
免震装置は、土台柱などを介して住宅の上部構造の全体を支持するのではなく、免震装置が設置された個所の壁パネルを支持するだけである。隣接して施工された壁パネル同士は、互いにある程度の範囲で別個に運動できる。したがって、住宅に設置された複数の免震装置は、壁パネル毎に独立して免震機能を発揮する。住宅全体の荷重や負荷が1個所の免震装置だけに集中して加わることがなく、免震装置の許容能力を超えるような過大な負荷は生じ難い。
本発明にかかる免震構造は、パネル工法建築物を構成する壁パネルと基礎構造との間に、免震装置の吸震弾性体が存在している。地震による基礎構造の震動エネルギーが、壁パネルに伝達される前に吸震弾性体で効率的に吸収される。壁パネルを含む住宅の上部構造には震動エネルギーが伝達されず、室内の内装や家具、設備機器などが転倒したり損傷したりすることが有効に防止できる。
基礎構造に壁パネルを取付固定するための通常の土台金物と同様の取付形態で免震構造を構成することができるので、基本的な住宅の構造や設計に大きな変更を及ぼすことなく、有効な免震機能を付与することができる。
基礎構造に壁パネルを取付固定するための通常の土台金物と同様の取付形態で免震構造を構成することができるので、基本的な住宅の構造や設計に大きな変更を及ぼすことなく、有効な免震機能を付与することができる。
図1、2に示す実施形態は、本発明の免震構造を、一般的な戸建て住宅に適用した場合を示す。
〔パネル工法住宅〕
図1は、パネル工法住宅の基本的な構造を模式的に示している。実際に建築される住宅の構造を簡略化して模式的に示している。
地盤に基礎構造10が施工される。基礎構造10は、鉄筋コンクリートで構築されており、いわゆる布基礎と呼ばれる構造を有している。住宅の外周に沿って枠状に配置され、住宅の内部側にも適宜の仕切り枠状に配置されている。
〔パネル工法住宅〕
図1は、パネル工法住宅の基本的な構造を模式的に示している。実際に建築される住宅の構造を簡略化して模式的に示している。
地盤に基礎構造10が施工される。基礎構造10は、鉄筋コンクリートで構築されており、いわゆる布基礎と呼ばれる構造を有している。住宅の外周に沿って枠状に配置され、住宅の内部側にも適宜の仕切り枠状に配置されている。
基礎構造10の上面に、土台柱などを設けることなく、外壁パネル20を並べて立設することで外壁が構築される。外壁パネル20は、型鋼材などで枠組みが構成され、断熱層や防水層、外装面材などの外壁を構成する部材が複合一体化されている。配線用や配管用の通路などが設けられる場合もある。外壁パネル20のなかには、窓や出入り口になる開口を有するものも含まれる。
外壁パネル20は、基礎構造10に対してボルト締結などで固定される。従来の一般的なパネル工法住宅では、基礎構造10の上に土台金物を取り付け、土台金物の上に外壁パネル20を取り付ける。図1では、基礎構造10の上に免震装置50が設置され、免震装置50の上に外壁パネル20が取り付けられる。免震装置50は、従来における土台金物の代わりあるいは土台金物に付加される構造になる。外壁パネル20自体は、従来の一般的な外壁パネルと同様の構造を備えており、下端辺には取付用のボルト孔なども有する。
外壁パネル20は、基礎構造10に対してボルト締結などで固定される。従来の一般的なパネル工法住宅では、基礎構造10の上に土台金物を取り付け、土台金物の上に外壁パネル20を取り付ける。図1では、基礎構造10の上に免震装置50が設置され、免震装置50の上に外壁パネル20が取り付けられる。免震装置50は、従来における土台金物の代わりあるいは土台金物に付加される構造になる。外壁パネル20自体は、従来の一般的な外壁パネルと同様の構造を備えており、下端辺には取付用のボルト孔なども有する。
隣接する外壁パネル20同士も、互いの側辺を上下の複数個所でボルト締結することなどで固定される。締結金具を挟んで固定される場合もある。外壁パネル20同士は側辺の全長で一体接合されているのではなく、ボルト締結個所などで部分的に固定されていることになる。そのため、外壁パネル20同士が、ボルトの伸縮やボルトと取付孔との隙間などで許容される一定範囲で、互いに別個の動きをすることが可能になっている。外壁の角部分では、外壁パネル20同士が角度を有して交差する状態で、前記同様の連結金具やボルト締結などで連結固定される。
外壁パネル20の内側空間には床パネル40が施工される。床パネル40も、基本的な構造は外壁パネル20と共通している。形鋼材などで構成された枠組みに床面材や断熱材、吸音材などが複合一体化されている。床パネル40は、壁パネル20に対して取り付けられており、直接に基礎構造10に取り付けられているものではない。
外壁パネル20の内側空間には床パネル40が施工される。床パネル40も、基本的な構造は外壁パネル20と共通している。形鋼材などで構成された枠組みに床面材や断熱材、吸音材などが複合一体化されている。床パネル40は、壁パネル20に対して取り付けられており、直接に基礎構造10に取り付けられているものではない。
外壁パネル10の上部には、屋根構造30が施工される。屋根構造30も、外壁パネル20や床パネル40と同様のパネル構造を採用することができる。
以上の構造を有する住宅において、免震装置50は、地盤から基礎構造10に伝達される地震の震動やエネルギーが、外壁パネル20および床パネル40、屋根構造30を含む上部構造部分まで伝達されるのを遮断あるいは低減させる。
〔免震構造〕
図2は、免震装置50に関連する部分の詳細構造を示している。
免震装置50は、基礎固定部材52、パネル固定部材54、締め付けボルト56、吸震弾性体60を有する。
以上の構造を有する住宅において、免震装置50は、地盤から基礎構造10に伝達される地震の震動やエネルギーが、外壁パネル20および床パネル40、屋根構造30を含む上部構造部分まで伝達されるのを遮断あるいは低減させる。
〔免震構造〕
図2は、免震装置50に関連する部分の詳細構造を示している。
免震装置50は、基礎固定部材52、パネル固定部材54、締め付けボルト56、吸震弾性体60を有する。
免震装置50を設置する基礎構造10の上部は垂直な壁状をなしている。基礎構造10に埋め込まれたアンカーボルト12の上端が、基礎構造10の平坦な上面から上方に延びている。
<基礎固定部>
基礎構造10の上面には、基礎固定部材52が配置される。基礎固定部材52は、鋼板をプレス成形してなるものである。基礎構造10の上面に当接し、アンカーボルト12が挿通される貫通孔を有する水平板状をなすとともに、左右の両端に鉤状張出片53を有する。鉤状張出片53は、基礎構造10の両端で垂直方向に延びたあと水平方向に屈曲して張り出し、さらに下方に屈曲して垂れ下がるように延び、全体が鉤状をなしている。アンカーボルト12の上端にナットをねじ込むことで、基礎固定部材52を基礎構造10に不動状態で強固に固定することができる。
<基礎固定部>
基礎構造10の上面には、基礎固定部材52が配置される。基礎固定部材52は、鋼板をプレス成形してなるものである。基礎構造10の上面に当接し、アンカーボルト12が挿通される貫通孔を有する水平板状をなすとともに、左右の両端に鉤状張出片53を有する。鉤状張出片53は、基礎構造10の両端で垂直方向に延びたあと水平方向に屈曲して張り出し、さらに下方に屈曲して垂れ下がるように延び、全体が鉤状をなしている。アンカーボルト12の上端にナットをねじ込むことで、基礎固定部材52を基礎構造10に不動状態で強固に固定することができる。
図示を省略しているが、基礎構造10の長さ方向において、基礎固定部材52を複数本のアンカーボルト12に固定しておけば、基礎固定部材52が水平面内で移動することなく確実に位置決め固定できる。アンカーボルト12とは別に、ボルト締結などの手段で基礎固定部材52を位置決め固定することもできる。
<吸震弾性体>
基礎固定部材52の上部で鉤状張出片53の内側には、吸震弾性体60が嵌め込まれた状態で装着されている。吸震弾性体60は、粘弾性特性あるいは吸震機能に優れたゴム材料などのブロックからなる。吸震弾性体60の中央には、アンカーボルト12と、アンカーボルト12にねじ込まれたナットが収容される貫通空間を有する。吸震弾性体60は、基礎固定部材52の上端から鉤状張出片53の上面に沿って鉤状張出片53の外周端まで延びている。吸震弾性体60は基礎固定部材52に対して接着などの手段で強力に接合されており、一体となって運動する。
<吸震弾性体>
基礎固定部材52の上部で鉤状張出片53の内側には、吸震弾性体60が嵌め込まれた状態で装着されている。吸震弾性体60は、粘弾性特性あるいは吸震機能に優れたゴム材料などのブロックからなる。吸震弾性体60の中央には、アンカーボルト12と、アンカーボルト12にねじ込まれたナットが収容される貫通空間を有する。吸震弾性体60は、基礎固定部材52の上端から鉤状張出片53の上面に沿って鉤状張出片53の外周端まで延びている。吸震弾性体60は基礎固定部材52に対して接着などの手段で強力に接合されており、一体となって運動する。
<パネル固定部>
吸震弾性体60の上面には、パネル固定部材54が一体接合されている。パネル固定部材54は、基礎固定部材52と同様の鋼板などで構成されている。吸震弾性体60の上面に沿う水平面状をなし、両端に鉤状張出片55を有している。鉤状張出片55は、吸震弾性体60の外周端から少し外側まで延びたあと垂直下方に屈曲して延び、さらに内向きの水平方向に屈曲して延びたあと、上向きの垂直方向に屈曲して延びている。パネル固定部材54の鉤状張出片55が、基礎固定部材52の鉤状張出片53に対して、外側から巻き込むように間隔をあけて対向している。ほぼ同じ形の鉤形状が互いに逆向きに組み合わされた状態である。鉤状張出片53と鉤状張出片55との対面間隔は、外部から異物などが侵入し難い程度に狭いとともに、地震の際に、パネル固定部材54の鉤状張出片55と基礎固定部材52の鉤状張出片53とが相対的に運動しても、互いに衝突しない程度の広さに設定されている。
吸震弾性体60の上面には、パネル固定部材54が一体接合されている。パネル固定部材54は、基礎固定部材52と同様の鋼板などで構成されている。吸震弾性体60の上面に沿う水平面状をなし、両端に鉤状張出片55を有している。鉤状張出片55は、吸震弾性体60の外周端から少し外側まで延びたあと垂直下方に屈曲して延び、さらに内向きの水平方向に屈曲して延びたあと、上向きの垂直方向に屈曲して延びている。パネル固定部材54の鉤状張出片55が、基礎固定部材52の鉤状張出片53に対して、外側から巻き込むように間隔をあけて対向している。ほぼ同じ形の鉤形状が互いに逆向きに組み合わされた状態である。鉤状張出片53と鉤状張出片55との対面間隔は、外部から異物などが侵入し難い程度に狭いとともに、地震の際に、パネル固定部材54の鉤状張出片55と基礎固定部材52の鉤状張出片53とが相対的に運動しても、互いに衝突しない程度の広さに設定されている。
パネル固定部材54の上面には、鋼板からなり断面がL字形に屈曲された床パネル取付片42が配置されている。床パネル取付片42の垂直片には床パネル40の端面が配置され、取付ボルト44で固定されている。
床パネル取付片42の上面には、型鋼材からなり断面が矩形枠状をなすパネル取付枠22を介して外壁パネル20が配置されている。外壁パネル20とパネル取付枠22とは、取付ボルト24で一体接合されている。
パネル取付枠22の下辺中央から、床パネル取付片42およびパネル固定部材54を貫通して、締め付けボルト56が挿通されている。締め付けボルト56は、吸震弾性体60の下部に形成された雌ねじに、ねじ込まれている。締め付けボルト56が、パネル取付枠22、床パネル取付片42、パネル固定部材54および吸震弾性体60を一体的に連結する。
床パネル取付片42の上面には、型鋼材からなり断面が矩形枠状をなすパネル取付枠22を介して外壁パネル20が配置されている。外壁パネル20とパネル取付枠22とは、取付ボルト24で一体接合されている。
パネル取付枠22の下辺中央から、床パネル取付片42およびパネル固定部材54を貫通して、締め付けボルト56が挿通されている。締め付けボルト56は、吸震弾性体60の下部に形成された雌ねじに、ねじ込まれている。締め付けボルト56が、パネル取付枠22、床パネル取付片42、パネル固定部材54および吸震弾性体60を一体的に連結する。
吸震弾性体60は、締め付けボルト56をねじ込んだ雌ねじ部分よりも上方では、吸震弾性体60の中央空間と締め付けボルト56との間に十分な隙間があいている。締め付けボルト56の挿通個所では、パネル取付枠22、床パネル取付片42およびパネル固定部材54にも、締め付けボルト56の外径よりも十分に大きな貫通空間が設けられている。
以上に説明した免震装置50は、図1に示すように、住宅の外壁の構成する各外壁パネル20の下端辺において、左右の両端に配置されている。免震装置50が、各外壁パネル20を基礎構造10に取付固定するための土台金具としての機能を果たしている。
例えば、住宅の壁パネル20および床パネル40よりも上方の構造部分全体の重量が30tの場合、住宅全体で10個所に免震装置50を設置し、免震装置50における吸震弾性体60の水平断面が15cm角であれば、単位面積当たりの荷重は13kg/cm2になり、免震装置50で住宅の荷重を十分に支持することができ、免震機能も良好に発揮することができる。
以上に説明した免震装置50は、図1に示すように、住宅の外壁の構成する各外壁パネル20の下端辺において、左右の両端に配置されている。免震装置50が、各外壁パネル20を基礎構造10に取付固定するための土台金具としての機能を果たしている。
例えば、住宅の壁パネル20および床パネル40よりも上方の構造部分全体の重量が30tの場合、住宅全体で10個所に免震装置50を設置し、免震装置50における吸震弾性体60の水平断面が15cm角であれば、単位面積当たりの荷重は13kg/cm2になり、免震装置50で住宅の荷重を十分に支持することができ、免震機能も良好に発揮することができる。
〔免震機能〕
地震が発生すると、免震構造が施工された住宅の地盤が震動する。震動は地盤に固定されている基礎構造10に伝達される。基礎構造10から外壁パネル20や床パネル40などの上方の構造部分に地震の震動がそのまま伝達されれば、住宅の構造部材が損傷したり、住宅内の家具や設備機器の転倒が発生したりする。
図2において、基礎構造10および基礎固定部材52と、パネル固定部材54から上方の外壁パネル10および床パネル40を含む構造部分とは、実質的に吸震弾性体60のみを介して連結されている。地震の震動が基礎構造10から外壁パネル10などへ直接には伝達され難い。
地震が発生すると、免震構造が施工された住宅の地盤が震動する。震動は地盤に固定されている基礎構造10に伝達される。基礎構造10から外壁パネル20や床パネル40などの上方の構造部分に地震の震動がそのまま伝達されれば、住宅の構造部材が損傷したり、住宅内の家具や設備機器の転倒が発生したりする。
図2において、基礎構造10および基礎固定部材52と、パネル固定部材54から上方の外壁パネル10および床パネル40を含む構造部分とは、実質的に吸震弾性体60のみを介して連結されている。地震の震動が基礎構造10から外壁パネル10などへ直接には伝達され難い。
吸震弾性体60には、上部構造部分の重量が全て負荷されている状態である。吸震弾性体60よりも上方の構造部分は、全体の重量に対応する慣性を有している。吸震弾性体60は、衝撃力や振動が加わったときに粘弾性的挙動を行ない、基礎構造10から伝達された衝撃や振動のエネルギーを効率的に吸収することができる。吸震弾性体60よりも上方の構造部分には、地震の震動あるいはエネルギーが大幅に減衰されて伝達される。
その結果、大きな地震が発生しても、住宅の居住空間である、吸震弾性体60よりも上方の構造部分には大きな震動エネルギーは伝達されず、家具や設備機器が倒れたり損傷したりすることが有効に阻止できる。
その結果、大きな地震が発生しても、住宅の居住空間である、吸震弾性体60よりも上方の構造部分には大きな震動エネルギーは伝達されず、家具や設備機器が倒れたり損傷したりすることが有効に阻止できる。
特に、免震装置60において、吸震弾性体60は、上面側のパネル固定部材54と、下面側の基礎固定部材52との間で、周囲を全く拘束されていない厚み方向の領域が存在することが重要である。この領域が、周囲を拘束されずに自由に水平方向に歪んだり膨張収縮したり厚み方向に伸縮したりすることができ、震動エネルギーを効率的に吸収することができる。
なお、締め付けボルト56は、吸震弾性体60の下方部分に固定され、パネル取付枠22の内部でパネル取付枠22の内底面に当接している。例えば、地震の水平方向の震動で締め付けボルト56が水平方向に運動しても、締め付けボルト56のねじ軸と、パネル取付枠22、床パネル取付片42、パネル固定部材54および吸震弾性体60における貫通空間の内周壁との間には、十分な隙間あるいは空間が設けられているので、締め付けボルト56の座金とパネル取付枠22との間で水平方向の滑りが生じるだけで、震動が上方の外壁パネル20まで伝達されることはない。地震の垂直方向の震動は、吸震弾性体60が厚み方向に弾力的に変形することで吸収することができる。
なお、締め付けボルト56は、吸震弾性体60の下方部分に固定され、パネル取付枠22の内部でパネル取付枠22の内底面に当接している。例えば、地震の水平方向の震動で締め付けボルト56が水平方向に運動しても、締め付けボルト56のねじ軸と、パネル取付枠22、床パネル取付片42、パネル固定部材54および吸震弾性体60における貫通空間の内周壁との間には、十分な隙間あるいは空間が設けられているので、締め付けボルト56の座金とパネル取付枠22との間で水平方向の滑りが生じるだけで、震動が上方の外壁パネル20まで伝達されることはない。地震の垂直方向の震動は、吸震弾性体60が厚み方向に弾力的に変形することで吸収することができる。
基礎固定部材52の鉤状張出片53と、パネル固定部材54の鉤状張出片55との間における隙間も重要である。地震の震動によって、両鉤状張出片53,55が相対的に水平方向および垂直方向に運動したり傾いたり捻れたりすることが起こっても、両者が衝突したり擦れあったりすることはない。
図1に示すように、1枚の外壁パネル20に対して、下端辺の左右に免震装置50が配置され、免震装置50、50の中間では、外壁パネル20の下端辺と基礎構造10の状面との間に隙間があいていることも重要である。これによって、左右の免震装置50、50における吸震弾性体60の変形挙動あるいは震動エネルギーの吸収作用が別個に発揮されることで、全体としての震動吸収性能が向上する。地震の震動で基礎構造10が傾いても、外壁パネル20は水平状態を維持することができる。地震による基礎構造10側の複雑な運動に速やかに対応して、震動エネルギーを迅速に吸収することができる。例えば、外壁パネル20の下端面が全長で基礎構造10の上面に当接した状態であったり、免震装置50が、外壁パネル20の下端面の全長にわたるものであったりした場合、基礎構造10が傾くような運動は、免震装置50で吸収され難く、そのまま外壁パネル20に伝達されて外壁パネル20も傾いてしまうことになる。
図1に示すように、1枚の外壁パネル20に対して、下端辺の左右に免震装置50が配置され、免震装置50、50の中間では、外壁パネル20の下端辺と基礎構造10の状面との間に隙間があいていることも重要である。これによって、左右の免震装置50、50における吸震弾性体60の変形挙動あるいは震動エネルギーの吸収作用が別個に発揮されることで、全体としての震動吸収性能が向上する。地震の震動で基礎構造10が傾いても、外壁パネル20は水平状態を維持することができる。地震による基礎構造10側の複雑な運動に速やかに対応して、震動エネルギーを迅速に吸収することができる。例えば、外壁パネル20の下端面が全長で基礎構造10の上面に当接した状態であったり、免震装置50が、外壁パネル20の下端面の全長にわたるものであったりした場合、基礎構造10が傾くような運動は、免震装置50で吸収され難く、そのまま外壁パネル20に伝達されて外壁パネル20も傾いてしまうことになる。
住宅を構成する複数枚の外壁パネル20が、それぞれ独立した免震装置50によって免震作用を受けるので、一部の外壁パネル20に過大な負荷が加わって損傷するようなことが起こり難い。外壁パネル20同士は、互いの連結個所である程度の動きが許容されるので、隣接する外壁パネル20間で過大な負荷や歪みが生じることもない。
個々の免震装置50は、その上方の外壁パネル20とそれに支持される荷重とが加わるだけなので、住宅の重量による荷重や負荷が、複数個の免震装置50にほぼ均等に分割されて加わる。一部の免震装置50のみに過大な負荷が加わることがない。過大な負荷で、吸震弾性体60が損傷したり破壊されたりすることが防止できる。
個々の免震装置50は、その上方の外壁パネル20とそれに支持される荷重とが加わるだけなので、住宅の重量による荷重や負荷が、複数個の免震装置50にほぼ均等に分割されて加わる。一部の免震装置50のみに過大な負荷が加わることがない。過大な負荷で、吸震弾性体60が損傷したり破壊されたりすることが防止できる。
〔免震装置の変更例〕
図3に示す免震装置50あるいは免震構造は、前記実施形態と基本的には共通しているが、一部の構造が異なる。共通点の説明は省略し、相違点を主にして説明する。
基礎構造10の上面にはアンカーボルト12が突出している。基礎構造10の上面に基礎固定部材58が配置される。基礎固定部材58は、両端が上方に屈曲して延びている。
基礎固定部材58の上面には、垂直柱状の吸震弾性体60が配置されている。吸震弾性体60の下端部分は、基礎固定部材58の上方への屈曲部分で両側から囲まれて固定された状態になっている。吸震弾性体60の中央には、アンカーボルト12が挿通され、アンカーボルト12と吸震弾性体60の内周面との間に十分な間隔をあける貫通空間が設けられている。
図3に示す免震装置50あるいは免震構造は、前記実施形態と基本的には共通しているが、一部の構造が異なる。共通点の説明は省略し、相違点を主にして説明する。
基礎構造10の上面にはアンカーボルト12が突出している。基礎構造10の上面に基礎固定部材58が配置される。基礎固定部材58は、両端が上方に屈曲して延びている。
基礎固定部材58の上面には、垂直柱状の吸震弾性体60が配置されている。吸震弾性体60の下端部分は、基礎固定部材58の上方への屈曲部分で両側から囲まれて固定された状態になっている。吸震弾性体60の中央には、アンカーボルト12が挿通され、アンカーボルト12と吸震弾性体60の内周面との間に十分な間隔をあける貫通空間が設けられている。
吸震弾性体60の上端には、断面L字形の床パネル取付片42が配置されている。床パネル取付片42の中央には、アンカーボルト12が挿通される貫通孔を有し、アンカーボルト12と貫通孔の内周面との間には十分な間隔を設けている。床パネル取付片42の垂直片にはボルト締結などで床パネル40が取付固定されている。
床パネル取付片42の上面には、断面矩形枠状のパネル取付枠22が配置され、パネル取付枠22の上面にボルト締結などで外壁パネル20が取り付けられている。
アンカーボルト12の上端は、パネル取付枠22の下端辺を貫通して上方に延びている。パネル取付枠22の内側で、アンカーボルト12にナット14がねじ込まれることで、パネル取付枠22、床パネル取付片42、吸震弾性体60、基礎固定部材58までが基礎構造10に対して垂直方向に締め付けられる。
床パネル取付片42の上面には、断面矩形枠状のパネル取付枠22が配置され、パネル取付枠22の上面にボルト締結などで外壁パネル20が取り付けられている。
アンカーボルト12の上端は、パネル取付枠22の下端辺を貫通して上方に延びている。パネル取付枠22の内側で、アンカーボルト12にナット14がねじ込まれることで、パネル取付枠22、床パネル取付片42、吸震弾性体60、基礎固定部材58までが基礎構造10に対して垂直方向に締め付けられる。
<免震機能>
前記実施形態と同様に、基礎固定部材58と床パネル取付片42との間に存在する吸震弾性体60が、基礎構造10から外壁パネル20および床パネル40に伝達される震動エネルギーを吸収して、免震作用を発現する。
吸震弾性体60には、基礎固定部材58と床パネル取付片42との間で、周囲を全く拘束されていない領域が存在するので、水平方向、垂直方向およびこれらが組み合わせられた複合的な震動に対しても、良好な免震機能を発揮することができる。
アンカーボルト12の外周面と、パネル取付枠22や床パネル取付片42あるいは吸震弾性体60の中央空間の内周面との間には、水平方向に余裕がある。地震の震動で、基礎構造10およびアンカーボルト12が水平方向に移動しても、ナット14の座金とパネル取付枠22の内底面との間で滑りが生じることで、パネル取付枠22や床パネル取付片42あるいは吸震弾性体60の上面近くの部分は、移動せずに静止したままになる。吸震弾性体60の下部と上部との間の弾性変形によって、震動エネルギーは効率的に吸収されることになる。
前記実施形態と同様に、基礎固定部材58と床パネル取付片42との間に存在する吸震弾性体60が、基礎構造10から外壁パネル20および床パネル40に伝達される震動エネルギーを吸収して、免震作用を発現する。
吸震弾性体60には、基礎固定部材58と床パネル取付片42との間で、周囲を全く拘束されていない領域が存在するので、水平方向、垂直方向およびこれらが組み合わせられた複合的な震動に対しても、良好な免震機能を発揮することができる。
アンカーボルト12の外周面と、パネル取付枠22や床パネル取付片42あるいは吸震弾性体60の中央空間の内周面との間には、水平方向に余裕がある。地震の震動で、基礎構造10およびアンカーボルト12が水平方向に移動しても、ナット14の座金とパネル取付枠22の内底面との間で滑りが生じることで、パネル取付枠22や床パネル取付片42あるいは吸震弾性体60の上面近くの部分は、移動せずに静止したままになる。吸震弾性体60の下部と上部との間の弾性変形によって、震動エネルギーは効率的に吸収されることになる。
上記実施形態は、前記図2の実施形態に比べて、より簡略された構造であるが、基本的な免震機能は十分に発揮できる。製造および施工のコストを低減することができる。
本発明の免震構造は、例えば、パネル工法住宅の施工に利用される。基礎構造の上部に壁パネルを施工する際に、免震装置を装着しておくだけで、地震が地盤から住宅の上部構造へと伝達されるのを効率的に遮断あるいは低減することができる。しかも、住宅の全体構造や施工作業を大きく変更することなく、簡単に施工できる。大掛りな免震構造が設置し難い小規模な建築物である住宅にも、優れた免震機能を付与することが可能になる。
10 基礎構造
12 アンカーボルト
20 外壁パネル
40 床パネル
42 床パネル取付片
50 免震装置
52、58 基礎固定部材
53 鉤状張出片
54 パネル固定部材
55 鉤状張出片
56 締め付けボルト
60 吸震弾性体
12 アンカーボルト
20 外壁パネル
40 床パネル
42 床パネル取付片
50 免震装置
52、58 基礎固定部材
53 鉤状張出片
54 パネル固定部材
55 鉤状張出片
56 締め付けボルト
60 吸震弾性体
Claims (4)
- 基礎構造の上に壁パネルを立設して構築されるパネル工法建築物において、前記基礎構造の上端と前記壁パネルの下端との間に配置される免震装置であり、
前記基礎構造に固定される基礎固定部と、
前記基礎固定部に固定され弾力的に変形する吸震弾性体と、
前記吸震弾性体の上に配置され前記基礎固定部に対して水平方向に移動可能に支持され前記壁パネルが固定されるパネル固定部と
を備えてなるパネル工法建築物の免震装置。 - 前記基礎構造が、基礎構造に埋め込まれ端部が基礎構造の上部に突出するアンカーボルトを有し、
前記基礎固定部が、前記基礎構造の上面に載置され前記アンカーボルトが挿通されアンカーボルトを介して基礎構造に固定される基礎固定部材を有し、
前記パネル固定部が、前記壁パネルの下端に固定される取付枠材と、取付枠材の下部に配置され前記建築物の床面を構成する床パネルを取り付ける床パネル取付部材と、床パネル取付部材の下部に配置され前記基礎固定部材と対向するパネル固定部材とを有し、
前記吸震弾性体が、その下端を前記基礎固定部材に固定され、その上端を前記パネル固定部材に固定され、その中間に基礎固定部材およびパネル固定部材の何れにも拘束されず自由に変形できる領域を有してなり、
前記取付枠材と前記床パネル取付部材と前記パネル固定部材とを前記吸震弾性体に対して水平方向に移動可能に締結する締め付けボルトをさらに備える
請求項1に記載のパネル工法建築物の免震装置。 - 前記基礎固定部材が、前記吸震弾性体の下方外周を囲み、さらに外方に屈曲して延びたあと下方に屈曲して延び全体が鉤状をなす鉤状張出片を有し、
前記パネル固定部材が、前記吸震弾性体の上端に沿って外方に延び、さらに前記基礎固定部材の張出片との間に間隔をあけて対向し全体が前記基礎固定部材の張出片とは逆の鉤状をなす鉤状張出片を有する
請求項2に記載のパネル工法建築物の免震装置。 - 基礎構造の上に壁パネルを立設して構築されるパネル工法建築物における免震構造であって、
前記壁パネルが、その下端と前記基礎構造の上端との間に、前記請求項1〜3の何れかに記載の免震装置を介して、基礎構造に取り付けられてなる
パネル工法建築物の免震構造。
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JP2005188858A JP2007009450A (ja) | 2005-06-28 | 2005-06-28 | パネル工法建築物の免震装置および免震構造 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2005
- 2005-06-28 JP JP2005188858A patent/JP2007009450A/ja not_active Withdrawn
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