JP5150463B2 - 免震用廻り縁、免震用エキスパンション及び免震天井改修工法 - Google Patents

免震用廻り縁、免震用エキスパンション及び免震天井改修工法 Download PDF

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Description

本発明は、免震用廻り縁、免震用エキスパンション及び免震天井改修工法、に関する。詳しくは、軽量鉄骨天井下地が組まれた天井の免震用廻り縁、免震用エキスパンション及び免震天井改修工法に関する。
近日の各地の地震被害を見ると天井が落下して多くの被害が出ている。特に、多くの人を収容できる大きな建築物であり、天井面積も大きな建築物において、天井落下の被害が顕著である。
ここで、建築物は、構造体と内装仕上とから成る。まず、構造体というのは動きに対して、強度を維持させる部分と、柔軟性を持つ部分との構成によって作られている。例えば、鉄骨の建築物(S造)の構造体はラーメン構造が主流である。このラーメン構造は、強度のある梁柱の接合部分を一体化し強度を高め、その各部材の接合部分はボルト締付けにより施工され建築物の動きを吸収できる構造である。
そして、建築物には、地震荷重や風荷重に対しての変形量が存在する。特に、耐震免震構造の建築物は変形量が更に増大する。この変形量は、構造体においては上記の柔軟性を持つ部分によって吸収されることとなる。
しかし、内装仕上における天井というのは、強度を維持する構成を有するものの、柔軟性について対応した構成は有していない。よって、建築物の変形量を吸収する構造体に対して、柔軟性を持たず強度のみを追求した天井ではやはり落下の可能性は避けられないと考えられる。
次に、地震の揺れは、震源地を中心に放射状に揺れが広がり地面は波のように動く。そして、住宅などの接地面積の少ない建築物では、地面全体と同じ動きをすると考えられる。しかし、大型店舗や公共の大型建築物などの接地面積の大きい建築物では、地面の波のような動きに影響を受ける可能性がある。また、接地面積の少ない建築物であっても、地質の境目に建つ建築物では、上記影響を受ける可能性がある。
そして、この影響を受けることで、建築物の天井が落下する。
すなわち、接地面積の大きい建築物等は、地震の波のような動きに対して左右前後の壁はそれぞれ違う動きをする。
まず、左右の壁であるが、例えば、断面的に外壁を見て右方向から地震が来たとすると、最初に右側の壁面が動く。波状の揺れに対して右側の壁には、地面を支点として左へ傾く力が発生する。そのカは、接地している部分を伝わり左の壁を左に傾ける力となります。次に、右壁は、波状の揺れに対して地面を支点に右へ傾ける力が発生する。同じように、その力は、接地している部分を伝わり左の壁を右へ傾ける力が発生する。このように、右の壁は、波状の揺れに対して左右に力を発生させそれを繰り返す。その力を右壁からの力とする。一方、左側の壁にも同様の理屈があてはまり、その力を左壁からのカとする。
すると、左右の壁はそれぞれ地面からの力をスタートとして対面の壁に作用することとなる。作用する速度と地震の波状の大きさ及び速度が同じならば建築物は安定した横揺れをする。
しかし、そのバランスが崩れると左右の壁はバラバラな動きを始め、あるタイミングで両方の壁が内側へ傾く力が発生すると、天井が圧縮された形となり、天井仕上材であるボードのジョイント部分や、天井下地材である軽量鉄骨のジョイント部分など弱い所から崩壊し落下することとなる。そして、この崩壊は天井ほぼ全体に広がる。それは軽量鉄骨の構造上、火災が起きた時には消火の方法として、わざと天井を落とせるように構造されているからである。
次に、前後の壁であるが、やはり前壁の力と後壁の力とが、内外へと同じ動きをすると平面的に見て地面を支点に上下に弧を描く様な力が発生する。そして、それぞれの壁が内側へ傾くと楕円状の力の動きによって、天井の前後中心あたりに圧縮する力が生まれ、天井は崩壊し落下することとなる。
このような壁からの圧縮する力による天井の崩壊を防止する技術として、主天井下地1を建物躯体Rの四側壁面Wから離れて位置するように天井スラブSから吊り下げた状態に設ける技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−133440号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、主天井下地1四側壁面Wと主天井下地1との隙間があるので、平常時においては主天井下地1の位置が安定せず、また、地震時においては、その隙間の幅以上に、四側壁面Wが変位した場合や、四側壁面Wと主天井下地1とが互いに相反する方向に変位した場合には、四側壁面Wと主天井下地1とが衝突することとなり、やはり崩壊し落下することとなる。
また、従来、多数の建築物において、躯体に軽量鉄骨天井下地が組まれた天井を設置しているが、このような天井の多くは、地震時に崩壊することを防止する措置が採られていない。
本発明は、天井全体を一体化するとともに、天井に柔軟性を持たせることで、平常時の天井下地の位置を安定させるとともに、地震時の天井の崩壊を防止することである。
(1) 建築物の天井下地が組まれた天井の端部に設けられる免震用廻り縁であって、
前記建築物の立ち上がり面に取り付けられる垂直部と、
前記天井の下方において、前記垂直部から略水平方向に延出し、前記天井の端部と前記立ち上がり面と隙間の幅より長い幅で形成された水平部と、
前記水平部の上部において、前記隙間に設置される変位吸収部とを備え、
前記変位吸収部は、
前記垂直部に一端側が接する第1部材と、
前記第1部材の他端側が、一方の端部からスライド可能に挿入され、他方の端部が前記天井の端部に対面して設けられる第2部材と、
前記第1部材の一端側と前記第2部材の他方の端部との間に設けられる弾性部材と、を備える免震用廻り縁。
(1)に記載の発明によれば、免震用廻り縁は、建築物の立ち上がり面に取り付けられる垂直部と、天井(例えば、既存の建築物の天井)の下方において、垂直部から略水平方向に延出し、天井の端部と立ち上がり面と隙間の幅より長い幅で形成された水平部と、水平部の上部において、隙間に設置される変位吸収部とを備えた。そして、変位吸収部は、弾性部材を介して、第1部材がスライド可能に挿入された第2部材を備えた。
これにより、立ち上がり面と下地との間に変位吸収部を設けたので、大きな隙間ができることがない。また、変位吸収部において、例えば、地震時において立ち上がり面が変位したとしても、この変位を弾性部材で吸収し、地震による外力を減衰してから、天井に伝えることができる。
よって、天井全体を一体化するとともに、天井に柔軟性を持たせることで、平常時の天井下地の位置を安定させるとともに、地震時の天井の崩壊を防止できる。
なお、本発明における建築物の立ち上がり面には、躯体壁、柱、梁、並びに、フカシ壁、柱、梁、及び、これらに取り付けられた建材(例えば、廻り縁)の立ち上がり面を含む。
また、既存の建築物の天井の一部を解体し、本発明に係る免震用廻り縁を設置することが好適ではあるが、本発明は、このような既存の建築物の改修に限らず、新築の建築物における天井下地が組まれた天井の免震機能を備えた廻り縁として用いることもできる。
(2)(1)に記載の免震用廻り縁を用いた免震天井改修工法であって、
前記立ち上がり面まで前記天井が設けられた前記建築物において、前記立ち上がり面から前記変位吸収部を配置可能な幅まで、前記天井の一部を解体する天井端部解体工程と、
前記水平部が前記天井の下端に配置されるように、前記垂直部を前記立ち上がり面に取り付ける免震用廻り縁設置工程と、を備える免震天井改修工法。
(2)に記載の発明によれば、立ち上がり面まで天井が設けられた建築物において、立ち上がり面から変位吸収部を配置可能な幅まで、天井の一部を解体し、水平部が天井の下端に配置されるように、垂直部を前記立ち上がり面に取り付ける。
これにより、既存の建築物においても(1)と同様の作用効果を奏することができる。
(3)建築物の天井下地が組まれた天井の中間部に設けられる免震用エキスパンションであって、
前記中間部は、第1天井端部と、第2天井端部と、前記第1天井端部と前記第2天井端部との間に形成された振動吸収空間とからなり、
前記第1天井端部に一端側が接続される第1支持部材と、
前記第2天井端部に一端側が接続される第2支持部材と、
前記第1支持部材の他端側が、一方の端部からスライド可能に挿入され、前記第2支持部材の他端側が、他方の端部からスライド可能に挿入される中間変位吸収部とを備え、
前記中間変位吸収部は、
その内部略中央に仕切り部が設けられ、
前記第1支持部材の他端側と前記仕切り部との間に設けられる第1弾性部材と、
前記第2支持部材の他端側と前記仕切り部との間に設けられる第2弾性部材と、
を備える免震用エキスパンション。
(3)に記載の発明によれば、免震用エキスパンションは、建築物の天井下地が組まれた天井の、第1天井端部と第2天井端部との間に形成された振動吸収空間とからなる中間部に設けられ、第1支持部材の他端側が、一方の端部からスライド可能に挿入され、第2支持部材の他端側が、他方の端部からスライド可能に挿入される中間変位吸収部を備え、この中間変位吸収部に、第1支持部材の他端側と仕切り部との間に設けられる第1弾性部材と、第2支持部材の他端側と仕切り部との間に設けられる第2弾性部材と、を設けた。
これにより、例えば、天井平米数が多い場合や、立ち上がり面一面辺りの距離が長い場合においても、天井を分割し、この分割した天井を免震用エキスパンションにより一体化し、この免震用エキスパンションにより、地震時の天井の水平変位を吸収・減衰できる。
よって、天井全体を一体化するとともに、天井下地に柔軟性を持たせることで、平常時の天井下地の位置を安定させるとともに、地震時の天井の崩壊を防止できる。
なお、既存の建築物の天井の一部を解体して中間部を形成し、本発明に係る免震用エキスパンションを設置することが好適ではあるが、本発明は、このような既存の建築物の改修に限らず、新築の建築物において、予め振動吸収空間を形成し免震用エキスパンションを設置することもできる。
(4)(3)に記載の免震用エキスパンションを用いた免震天井改修工法であって、
前記天井が設けられた前記建築物において、前記中間変位吸収部の幅より大きい幅で、前記天井の一部を解体し、前記中間部を形成する天井中間部形成工程と、
前記第1天井端部に前記第1支持部材の一端側を接続し、前記第2天井端部に前記第2支持部材の一端側を接続する支持部材取付工程と、
前記中間変位吸収部の一方の端部に前記第1支持部材の他端側を挿入し、前記中間変位吸収部の他方の端部に前記第2支持部材の他端側を挿入する中間変位吸収部取付工程と、を備える免震天井改修工法。
(4)に記載の発明によれば、天井が設けられた建築物において、中間変位吸収部の幅より大きい幅で、天井の一部を解体し、第1天井端部と第2天井端部との間に形成された振動吸収空間とからなる中間部を形成し、第1天井端部に第1支持部材の一端側を接続し、記第2天井端部に第2支持部材の一端側を接続し、中間変位吸収部の一方の端部に第1支持部材の他端側を挿入し、中間変位吸収部の他方の端部に第2支持部材の他端側を挿入する。
これにより、既存の建築物においても(3)と同様の作用効果を奏することができる。
本発明によれば、天井全体を一体化するとともに、天井に柔軟性を持たせることで、平常時の天井下地の位置を安定させるとともに、地震時の天井の崩壊を防止できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図1は、本発明の実施形態に係る免震天井システム100の見上げ図である。
免震天井システム100は、壁200に囲まれた部屋において、天井全体を一体となるように形成されている。なお、本実施形態では、免震天井システム100は、壁200に直接囲まれた部屋に適用しているが、これに限らず、壁200に設けられたフカシ壁囲まれた部屋においても適用できる。
免震天井システム100は、既存の野縁受け300と、野縁400と、天井ボード500の一部を解体し、免震用廻り縁1と、免震用廻り縁ジョイント2と、免震用エキスパンション5と、を設置したものである。
免震用廻り縁1には、I型免震用廻り縁1I及びL型免震用廻り縁1Lがあり、免震用廻り縁1同士の連結部分には、免震用廻り縁ジョイント2が設置される。I型免震用廻り縁1I、L型免震用廻り縁1Lは、壁200に取り付けられている。I型免震用廻り縁1Iは、壁200の平面部分に用いられる。L型免震用廻り縁1Lは、壁200のコーナー部分に用いられる。
免震用エキスパンション5は、天井の長辺方向及び短辺方向に互いに略直交するように設けられている。なお、免震用エキスパンション5は、長辺方向又は短辺方向のいずれか一方に設けることもできる。
野縁受け300は、上階スラブ(図示なし)から吊られたボルト600(図13参照)にセットされたハンガーナットに取り付けられている。野縁受け300は、いわゆるチャンネルバーであり、略900mm間隔で取り付けられている。
また、野縁受け300は、壁200から後述する変位吸収部13を配置可能な幅(例えば、150mm〜200mm程度)まで、解体されている。
野縁400は、野縁受け300に取り付けられている。野縁400は、いわゆるダブルバーであり、略300mm間隔で取り付けられている。野縁400は、部屋の大きさ等により、いわゆるシングルバーであってもよい。
また、野縁400は、壁200から後述する変位吸収部13を配置可能な幅(例えば、150mm〜200mm程度)まで、解体されている。
天井ボード500は、野縁400に取り付けられている。
また、天井ボード500は、壁200から後述する変位吸収部13を配置可能な幅(例えば、150mm〜200mm程度)まで、解体されている。
(免震用廻り縁1の構成)
図2は、本発明の実施形態に係る免震用廻り縁1の斜視図である。
図3は、本発明の実施形態に係る免震用廻り縁1の断面図である。
図2及び図3を用いて、免震用廻り縁1の構成を説明する。
免震用廻り縁1は、廻り縁本体11と、幕板12と、変位吸収部13と、補強部14(図5,6参照)を備える。本実施形態において、免震用廻り縁1は、アルミで形成されているが、本発明はアルミに限定されず、鉄、ステンレス、木材等他の材料を用いることができる。
廻り縁本体11は、垂直部111と、垂直部111の中間部から略水平方向に延出する水平部112とを備える。すなわち、廻り縁本体11は、断面形状が略T字状に形成されている。
廻り縁本体11は、垂直部111の水平部112が延出した部分より下部において、ビス15にて壁200に取り付けられる。
また、廻り縁本体11は、後述する水平部112のチリ部112aの先端が既存の天井ボード500の下端近傍又は接するように配置され、壁200に取り付けられる。
垂直部111には、水平部112が延出した部分より下部において、幕板12と係合するための垂直部爪111aが2か所、僅かに弾性変形可能に形成されている。
水平部112は、天井ボード500の端部と壁200と隙間の幅より長い幅(例えば、200mm〜250mm程度)で形成されている。
水平部112の上面側には、変位吸収部13が設置され、この変位吸収部13の水平方向の移動を規制する突起113が設けられている。
また、水平部112の先端部分には、上方に向けてチリ部112aが形成されている。チリ部112aを設けたことで、天井ボード500との取り合いの仕上げが容易になるとともに、水平部112の歪みを防止できる。
幕板12は、垂直部111の水平部112が延出した部分より下部を覆うように設置されている。すなわち、幕板12は、廻り縁本体11を壁200に取り付けるビス15を隠す機能を有する。
幕板12には、上下端部に幕板爪122が僅かに弾性変形可能に形成され、垂直部111の2つの垂直部爪111aと係合する。
変位吸収部13について、図4を用いて説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る変位吸収部13の分解斜視図である。
変位吸収部13は、第1部材131と、第2部材132と、2つの弾性部材133とを備える。
第1部材131は、1面が開放された箱状体に形成され、廻り縁本体11の水平部112に設置されたときにはこの開放された1面の対向面が垂直部111に接する。
第1部材131の側面には、後述する第2部材132の第2部材爪132aと係合する第1部材爪131aが形成されている。
第2部材132は、1面が開放された箱状体に形成され、この開放された1面側から、第1部材131の開放された1面側が、スライド可能に挿入される。また、第2部材132の開放された1面の対向面は、変位吸収部13が廻り縁本体11の水平部112に設置され、免震用廻り縁1が壁200に取り付けられたときは、天井ボード500が貼られた野縁400又は野縁受け300の端部に対面する。
第2部材132の側面には、第1部材131の第1部材爪131aと係合する第2部材爪132aが形成されている。
すなわち、第2部材132の開放された1面側から、第1部材131の開放された1面側が1度挿入されると、第1部材131の第1部材爪131aと第2部材爪132aとが係合し、第2部材132から第1部材131が抜けなくなる。
弾性部材133は、第1部材131と第2部材132との対向面の間に設けられている。なお、本実施形態において、弾性部材133は、バネ部材を用いているが、本発明はこれに限らず、弾性変形する部材であれば、ゴム素材、油圧装置等を用いることができる。
また、上述のとおり、免震用廻り縁1には、I型免震用廻り縁1I及びL型免震用廻り縁1Lがある。
図5は、本発明の実施形態に係るI型免震用廻り縁1Iの部分斜視図である。
I型免震用廻り縁1Iは、下面視略I字状に形成され、I型免震用廻り縁1I同士は、壁200の変位を吸収するために、所定の間隔(例えば、10mm)を空けて取り付けられ、この間隔を設けられた部分には、免震用廻り縁ジョイント2が設けられている。
I型免震用廻り縁1Iには、垂直部111の壁200に取り付けられると反対側の面と、水平部112の上面とに亘って補強部14が形成されている。補強部14は、水平部112の変位吸収領域112bを避けた部分に取り付けられている。
免震用廻り縁ジョイント2は、ジョイント平面部21と、ジョイントチリ部22とを備える。免震用廻り縁ジョイント2は、下面視略I字状であって、免震用廻り縁1の垂直部111と水平部112のチリ部112aとの内法寸法より僅かに小さい幅で形成されている。すなわち、免震用廻り縁ジョイント2は、免震用廻り縁1の水平部112の変位吸収領域112bにおいて、スライド可能に設置される。
図6は、本発明の実施形態に係るL型免震用廻り縁1Lの部分斜視図である。
L型免震用廻り縁1Lは、形状が下面視略I字状に形成されている以外は、I型免震用廻り縁1Iと同一に構成されている。
(免震用廻り縁1を用いた免震天井改修工法)
まず、壁200まで、天井(野縁受け300、野縁400、及び天井ボード500)が設けられた建築物において、壁200から変位吸収部13を配置可能な幅(例えば、150mm〜200mm程度)まで、上記天井の一部を解体する。
次に、廻り縁本体11の水平部112の上面側に、変位吸収部13を設置し、免震用廻り縁1を組み立てる。
次に、免震用廻り縁1を、水平部112のチリ部112aの先端が天井ボード500の下端近傍又は接するように配置し、垂直部111においてビス15により壁200に取り付ける。
(免震用エキスパンション5の構成)
図7は、本発明の実施形態に係る免震用エキスパンション5の斜視図である。
図8は、本発明の実施形態に係る免震用エキスパンション5の断面図である。
図9は、本発明の実施形態に係る免震用エキスパンション5の部分断面図である。
図7,8及び9を用いて、免震用エキスパンション5の構成を説明する。
免震用エキスパンション5は、建築物の既存の天井(野縁受け300、野縁400、及び天井ボード500)を長辺方向及び短辺方向に互いに略直交するように分断する中間部501に設けられる。
中間部501は、既存の上記天井の一部を解体することにより形成された部分であり、第1天井端部501aと、第2天井端部501bと、第1天井端部501aと第2天井端部501bとの間に形成された所定の幅(例えば、300mm〜400mmであり、好ましくは略340mm)を有する振動吸収空間501cとからなる。
免震用エキスパンション5は、第1支持部材51と、第2支持部材52と、中間変位吸収部53とを備える。本実施形態において、免震用エキスパンション5は、アルミで形成されているが、本発明はアルミに限定されず、鉄、ステンレス、木材等他の材料を用いることができる。
第1支持部材51は、第1支持部本体511と、第1カバー部512とを備える。
第1支持部本体511は、所定の幅(例えば、250mm〜350mmであり、好ましくは略300mm)を有して上記天井の長辺方向又は短辺方向に延びる板状に形成されている。
第1支持部本体511は、一端側が第1天井端部501aの天井ボード500及び野縁400にビス55により所定間隔で2か所止めされている。
第1支持部本体511には、他端側に後述する中間変位吸収部53の第1弾性部材の一端に当接するバネ受け部511aが形成されている。また、第1支持部本体511には、後述する第1カバー部512の第1カバー部爪512bと係合する第1支持部本体爪511bが2つ形成されている。
第1カバー部512は、第1支持部本体511を覆うように設置されている。すなわち、第1カバー部512は、第1支持部本体511を第1天井端部501aに取り付けるビス55を隠す機能を有する。
第1カバー部512には、後述する中間変位吸収部53の化粧プレートチリ部532aと係合する第1カバー部突起512aが端部に形成されている。また、第1カバー部512には、第1カバー部爪512bが僅かに弾性変形可能に2つ形成され、第1支持部本体511の2つの第1支持部本体爪511bと係合する。
第2支持部材52は、第2支持部本体521と、第2カバー部522とを備える。
第2支持部本体521は、所定の幅(例えば、250mm〜350mmであり、好ましくは略300mm)を有して上記天井の長辺方向又は短辺方向に延びる板状に形成されている。
第2支持部本体521は、一端側が第2天井端部501bの天井ボード500及び野縁400にビス55により所定間隔で2か所止めされている。
第2支持部本体521には、他端側に後述する中間変位吸収部53の第2弾性部材の一端に当接するバネ受け部521aが形成されている。また、第2支持部本体521には、後述する第2カバー部522の第2カバー部爪522bと係合する第2支持部本体爪521bが2つ形成されている。
第2カバー部522は、第2支持部本体521を覆うように設置されている。すなわち、第2カバー部522は、第2支持部本体521を第2天井端部501bに取り付けるビス55を隠す機能を有する。
第2カバー部522には、後述する中間変位吸収部53の化粧プレートチリ部532aと係合する第2カバー部突起522aが端部に形成されている。また、第2カバー部522には、第2カバー部爪522bが僅かに弾性変形可能に2つ形成され、第2支持部本体521の2つの第2支持部本体爪521bと係合する。
中間変位吸収部53は、プレート部531と、化粧プレート部532と、仕切り部533と、第1弾性部材534と、第2弾性部材535とを備える。
プレート部531と化粧プレート部532とは、所定の幅(例えば、200mm〜300mmであり、好ましくは略240mm)を有して上記天井の長辺方向又は短辺方向に延びる板状に形成されている。
プレート部531と化粧プレート部532とは、互いに対向して配置され、対向した面の略中央に配置された仕切り部533により連結されている。すなわち、プレート部531と化粧プレート部532との間には、仕切り部533により仕切られ2つの空間が形成されている。一方の空間には、第1支持部材51の他端側がスライド可能に挿入され、他方の空間には、第2支持部材52の他端側がスライド可能に挿入される。
化粧プレート部532の幅方向の両端部には、化粧プレートチリ部532aが形成されている。一方の端部に形成された化粧プレートチリ部532aは、第1支持部材51の第1カバー部突起512aと係合する。また、他方の端部に形成された化粧プレートチリ部532aは、第2支持部材52の第1カバー部突起512aと係合する。すなわち、第1支持部材51及び第2支持部材52は、中間変位吸収部53に1度挿入されると、上記空間の範囲でスライド可能であるが、中間変位吸収部53から抜けなくなる。
第1弾性部材534は、第1支持部材51の他端側と仕切り部533との間に設けられる。
第2弾性部材535は、第2支持部材52の他端側と仕切り部533との間に設けられる。
なお、本実施形態において、第1弾性部材534及び第2弾性部材535は、バネ部材を用いているが、本発明はこれに限らず、弾性変形する部材であれば、ゴム素材、油圧装置等を用いることができる。
(免震用エキスパンション5を用いた免震天井改修工法)
まず、天井(野縁受け300、野縁400、及び天井ボード500)が設けられた建築物において、この天井の野縁受け300、野縁400に沿って、中間変位吸収部53の幅より大きい幅(例えば、300mm〜400mmであり、好ましくは略340mm)で、上記天井の一部を解体し、中間部501を形成する。すなわち、第1天井端部501aと、第2天井端部501bと、と振動吸収空間501cを形成する。このとき、必要に応じて、第1天井端部501aと、第2天井端部501bに野縁400を追加して設置し、補強することもできる。
次に、第1天井端部501aに、第1支持部材51の第1支持部本体511の一端側を接続し、第2支持部材52の第2支持部本体521の一端側を接続する。そして、第1支持部本体511に第1カバー部512を設置し、第2支持部本体521に第2カバー部522を設置する。
次に、中間変位吸収部53の一方の端部に第1支持部材51の他端側を挿入し、中間変位吸収部53の他方の端部に第2支持部材52の他端側を挿入する。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
本発明の実施形態に係る免震天井システムの見上げ図である。 本発明の実施形態に係る免震用廻り縁の斜視図である。 本発明の実施形態に係る免震用廻り縁の断面図である。 本発明の実施形態に係る変位吸収部の分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るI型免震用廻り縁の部分斜視図である。 本発明の実施形態に係るL型免震用廻り縁の部分斜視図である。 本発明の実施形態に係る免震用エキスパンションの斜視図である。 本発明の実施形態に係る免震用エキスパンションの断面図である。 本発明の実施形態に係る免震用エキスパンションの部分断面図である。
符号の説明
1 免震用廻り縁
11 廻り縁本体
111 垂直部
112 水平部
12 幕板
13 変位吸収部
131 第1部材
132 第2部材
133 弾性部材
5 免震用エキスパンション
51 第1支持部材
52 第2支持部材
53 中間変位吸収部
533 仕切り部
534 第1弾性部材
535 第2弾性部材

Claims (4)

  1. 建築物の天井下地が組まれた天井の端部に設けられる免震用廻り縁であって、
    前記建築物の立ち上がり面に取り付けられる垂直部と、
    前記天井の下方において、前記垂直部から略水平方向に延出し、前記天井の端部と前記立ち上がり面と隙間の幅より長い幅で形成された水平部と、
    前記水平部の上部において、前記隙間に設置される変位吸収部とを備え、
    前記変位吸収部は、
    前記垂直部に一端側が接する第1部材と、
    前記第1部材の他端側が、一方の端部からスライド可能に挿入され、他方の端部が前記天井の端部に対面して設けられる第2部材と、
    前記第1部材の一端側と前記第2部材の他方の端部との間に設けられる弾性部材と、を備える免震用廻り縁。
  2. 請求項1に記載の免震用廻り縁を用いた免震天井改修工法であって、
    前記立ち上がり面まで前記天井が設けられた前記建築物において、前記立ち上がり面から前記変位吸収部を配置可能な幅まで、前記天井の一部を解体する天井端部解体工程と、
    前記水平部が前記天井の下端に配置されるように、前記垂直部を前記立ち上がり面に取り付ける免震用廻り縁設置工程と、を備える免震天井改修工法。
  3. 建築物の天井下地が組まれた天井の中間部に設けられる免震用エキスパンションであって、
    前記中間部は、第1天井端部と、第2天井端部と、前記第1天井端部と前記第2天井端部との間に形成された振動吸収空間とからなり、
    前記第1天井端部に一端側が接続される第1支持部材と、
    前記第2天井端部に一端側が接続される第2支持部材と、
    前記第1支持部材の他端側が、一方の端部からスライド可能に挿入され、前記第2支持部材の他端側が、他方の端部からスライド可能に挿入される中間変位吸収部とを備え、
    前記中間変位吸収部は、
    その内部略中央に仕切り部が設けられ、
    前記第1支持部材の他端側と前記仕切り部との間に設けられる第1弾性部材と、
    前記第2支持部材の他端側と前記仕切り部との間に設けられる第2弾性部材と、
    を備える免震用エキスパンション。
  4. 請求項3に記載の免震用エキスパンションを用いた免震天井改修工法であって、
    前記天井が設けられた前記建築物において、前記中間変位吸収部の幅より大きい幅で、前記天井の一部を解体し、前記中間部を形成する天井中間部形成工程と、
    前記第1天井端部に前記第1支持部材の一端側を接続し、前記第2天井端部に前記第2支持部材の一端側を接続する支持部材取付工程と、
    前記中間変位吸収部の一方の端部に前記第1支持部材の他端側を挿入し、前記中間変位吸収部の他方の端部に前記第2支持部材の他端側を挿入する中間変位吸収部取付工程と、を備える免震天井改修工法。
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