JP5319714B2 - 過酸化水素検出方法に用いるシグナリング化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、過酸化水素検出のための方法および化合物に関する。特に、本発明は、過酸化水素と反応して、検出可能な種を生成するシグナリング(signalling)化合物に関する。また、本発明は、過酸化水素を検出するためのアッセイ方法および過酸化物生成系を検出するためのアッセイ方法に関する。更に本発明は、ボロン酸とエステル化合物、特に蛍光シグナリング化合物、化学発光シグナリング化合物、ならびにジオキセタンシグナリング化合物に関する。
1.過酸化物の検出
過酸化水素ならびに関連過酸化物のアッセイ検出のために、多くの方法が知られている。
a.過酸化物の比色分析的検出 過酸化水素とペルオキシダーゼとを反応させて着色生成物を生成する化合物には、ABTS、4−アミノアンチピリン(Anal.Letters,26巻、87頁(1993年))および、ロイコクリスタル・バイオレットのような、ロイコ染料がある。色原体および遷移金属化合物を用いる過酸化水素の検出方法は数多く存在している。
b.過酸化物の蛍光検出 過酸化水素およびペルオキシダーゼと反応して、蛍光生成物を生ずる化合物には、2’,7’−ジクロロフルオレシン、ジヒドロローダミン123(Arch.Biochem.Biophys.,302巻(2号)、348〜55頁、(1993年))およびN−アセチルレゾルフィン(Chemical&Pharmaceutical Bulletin,49巻(3号)、294〜29頁、(2001年))などがある。
c.過酸化物の化学発光検出 アクリジニウムエステルおよびスルホンアミドは、アルカリ性pHのもと、過酸化水素と急速な酸化反応を生じ、化学発光の閃光を生ずる(例えば、米国特許第4,745,181号公報、同第4,946,958号公報、同第5,281,712号公報および同第5,468,646号公報)。ルシゲニン(9,9’−ビアクリジニウムジニトレート)は過酸化水素により酸化され、化学発光を生ずる(Maskiewicz等,J.Am.Chem.Soc.,101巻、5347〜5354頁(1979年))。
シュウ酸のエステルおよびアミドは、蛍光剤の存在下、過酸化水素と反応して化学発光を生ずる。この反応は、新規事項に使用される「光の棒」として知られた技術の基礎をなすものである。
アミン置換化合物のルミノールおよびイソルミノールを含む環式アシルヒドラジド、水酸基置換化合物および複素環式類似体は、過酸化水素や金属触媒と反応して、化学発光を生ずる。金属触媒には、ヘム、ヘキサシアノ鉄酸塩、Cu(II)およびCo(II)などの他の遷移金属イオンが含まれる。
米国特許第5,545,834号公報には、過酸化水素と、スピロアクリダン化合物との化学発光反応が記載されている。この反応は、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼの添加によって強化される。
d.過酸化物の酵素検出 ペルオキシダーゼ酵素、過酸化水素源および指示薬品の反応によるペルオキシダーゼ活性の検出のために、各種の薬剤が開発されている。従って、これらの薬剤は、また、過酸化水素検出にも役立つ。色、蛍光または化学発光は、適切な試薬の使用によって発生させることができる。化学発光基質には、アミノ基置換環状アシルヒドラジドで、例えば、既知のルミノールおよびイソルミノール(Anal.Chim.Acta,170、101〜107頁,(1985年))、複素環式アシルヒドラジド(M.Iiら、Biochem.Biophys.Res.Comm.,193巻(2号)、540〜5頁(1993年);米国特許第5,324,835号公報、ならびにY.Tominagaら、Tetrahedron Lett,36巻、8641〜4頁(1995年))、およびヒドロキシ置換フタルヒドラジド(米国特許第5,552,298号公報)などがある。
本出願人の、米国特許第5,491,072号公報、同第5,523,212号公報および同第5,593,845号公報には、過酸化物およびペルオキシダーゼと反応して発光する、化学発光性N−アルキルアクリダンカルボン酸誘導体が開示されている。本出願人の米国特許第5,922,558号公報には、化学発光性ペルオキシダーゼ基質として、電子リッチの二重結合を含有する化合物群が開示されている。
欧州特許明細書第0682254B1号公報には、過酸化水素を生成する酵素の結合対が用いられ、過酸化物が、アクリジニウムエステル化学発光によって検出される分析方法が開示されている。
3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸を含む、ペルオキシダーゼのための蛍光基質は、米国特許第6,040,150号公報に開示され、2−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸は、Zaitsu and Ohkuraにより、Anal.Biochem.,109巻、109〜113頁(1980年)に開示され、さらに、ホモバニリン酸とチラミン(Y.Liら、Anal.Chim.Acta,(340巻)、159〜168頁(1997年))、o−フェニレンジアミンおよびN,N’−ジシアノメチル−o−フェニレンジアミン(Liら、Microchem.J.,53巻(4号)、428〜436頁、(1996年))、p−アミノフェノールのアミドおよびカルバメート誘導体(M.Kawaguchiら、21世紀における生物発光および化学発光の将来展望、A.Rodaら、編集、Wiley&Sons,Chichester,508〜511頁(1999年))、3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノキサロンならびに関連誘導体(Liら、Anal.Chim.Acta,340巻(1−3号),159〜168頁(1997年))蛍光剤、ローダミンおよび他のキサンチン染料の還元形体品、ならびに後者のフッ素化誘導体(米国特許第6,162,931号公報)が開示されている。
ペルオキシダーゼのための色原体または色彩形成基質には、テトラメチルベンジジン、クロロフェノール・レッドおよび2,2’−アジノ−ビス−(3−エチルベンゾジチアゾリン−6−スルホン酸がある(Ngo,T.T.「固体一相イムノアッセイの免疫化学において」Butler,J.E.編集.,CRC:Boca Raton,1991年、85〜102頁)。
2.蛍光および着色ボロン酸センサー
検出方法に用いられるボロン酸置換基を含有する蛍光および着色化合物が、米国特許第4,496,722号公報および同第4,659,817号公報に開示されている。ボロン酸基は、ヒドロキシ、アミンまたはチオール基の対と配位結合し、蛍光または着色錯体を形成する。結合パートナーは、緩衝塩のような担体化合物か、または標識されるべき生物学的物質とすることができる。後者の代表的なものは、細胞の成分である。これらの方法は、基本的には本発明方法と異なり、未結合のボロン酸化合物でも、担体または細胞成分と結合した錯体と同程度に着色しているか、蛍光を発している。着色または蛍光は、これらの方法の進行中に生ずるものではない。
米国特許第4,496,772号公報および同第4,659,817号公報にも、過酸化物アッセイが開示されており、その中で、ボロン酸置換の蛍光または着色化合物が過酸化水素と反応して、ボロン酸基からの蛍光もしくは着色のレポーター部分が開裂される。検出は、遊離したレポーターを測定するために分離工程を要する。有機溶媒抽出、固体相からの取り出し、およびろ過が、レポーターたるボロン酸化合物から、遊離されたレポーターを分離する手段として示されている。再度言及するが、本発明方法とは対照的に、着色または蛍光は、この方法の進行中には生じない。
ヘモグロビンのような糖化血液タンパクの検出に用いられる着色もしくは蛍光のボロン酸錯体試薬は、米国特許第5,242,842号公報、同第5,506,144号公報および同第5,739,318号公報に開示されている。ボロン酸基は水酸基の対に配位結合して、着色または蛍光錯体を形成する。錯体は、未結合の錯体形成試薬から分離され、測定される。検出は、いかなる過酸化物をも含まない。この測定法は、分離を必要とする点と、未結合のボロン酸化合物が既に結合したタンパク質錯体と同程度に着色性もしくは蛍光性である点で本発明と異なっている。
PCTWO02/46752号公報には、適宜置換した蛍光剤と結合し、蛍光を消光するボロン酸−消光剤結合物(conjugate)を用いる、ポリヒドロキシル化合物、例えば、グルコースのアッセイが開示されている。消光剤のボロン酸基による蛍光剤との結合は、ボロン酸基との結合に対して競合するポリヒドロキシル化合物の存在で逆転する。
3.フェニルボロン酸ペルオキシダーゼ強化剤
米国特許第5,512,457号公報および同第5,629,168号公報には、過酸化水素によるルミノールのペルオキシダーゼ−触媒の化学発光酸化の強化剤として、フェニルボロン酸化合物が開示されている。そこで開示された方法においては、ボロン酸化合物は、ルミノールの酸化におけるペルオキシダーゼの反応を促進する。化学発光は、ルミノールの酸化形態から生じ、ボロン酸からは生じない。米国特許第5,723,295号公報および同第5,922,558号公報において、アリールボロン酸誘導体がアクリダン化合物の化学発光酸化におけるペルオキシダーゼ強化剤として開示されている。
過酸化水素の量を検出し、所望に応じて定量する方法にボロン酸もしくはボロン酸エステルシグナリング化合物を使用し、ここで、過酸化物は、それ自身では検出される特性を有していない前駆物質のシグナリング化合物から、検出可能なシグナルの生成を生じるものであることは、上述の方法には開示されていない。
本発明の目的は、検出される特性を有しないが、過酸化水素源と反応して、検出可能な特性を有する検出可能生成物を生成する、ボロン酸またはボロン酸エステルのシグナリング化合物を提供することにある。
本発明の目的は、過酸化水素源と反応して、着色、蛍光、化学発光または生物発光の生成物を生成する化合物を提供することにある。
また、本発明の目的は、過酸化水素源を検出する方法に使用されるシグナリング化合物を提供することにある。
更に、本発明の目的は、上記シグナリング化合物を使用することにより、過酸化水素を定量するシグナリング化合物を提供することにある。
また更に、本発明の目的は、酵素と、該酵素の基質との反応によって過酸化水素を生成し、上記化合物の使用によって生成した過酸化水素を検出する、酵素を検出するためのシグナリング化合物を提供することにある。
図1は、過酸化水素の量と、実施例10に記載した100μLの試薬によって15分間に放射された化学発光強度との関係のグラフである。用語S−Bの意味は、過酸化水素不在下での背景の化学発光(B)に関して補正した、過酸化水素の存在下における相対的光度単位(RLU)で表した化学発光シグナル(S)である。
図2は、実施例16による、グルコースオキシダーゼの量と、蛍光強度との関係のグラフである。各種量のグルコース・オキシダーゼを含むサンプルを、0.1Mのグルコースで30分間インキュベートした。生成した過酸化水素を、シグナリング化合物2−ナフチルボロン酸を含有する試薬によりアッセイし、蛍光化合物2−ナフトールを生成させた。
図3は、実施例17に記載されたように、グルコース量と蛍光との関係のグラフである。各種量のグルコースを含有するサンプルを、グルコースオキシダーゼと、シグナリング化合物2−ナフチルボロン酸とで室温でインキュベートした。30分後、蛍光を測定した。
図4は、ビス(ベンゾチアゾリル)ボロン酸エステルシグナリング化合物の、尿素過酸化物との反応前(A)および反応後(B)の蛍光スペクトルを示すグラフである。
図5は、pH9.3の0.3Mトリス緩衝剤中の、4−メチルクマリン−7−ボロン酸ピナコールエステルと、3mM尿素過酸化物との反応から、440nmでの蛍光の成長を示したグラフである。
好適実施形態
定義:
アルキル ― 分枝、直鎖または環状の、1〜20個の炭素原子を有し、H以外の1個またはそれ以上の置換基で置換され得る炭素水素基。ここで用いる、低級アルキルの語は、8個以下の炭素原子を含有するアルキル基をいう。
アルケニル ― 分枝、直鎖または環式の炭化水素基で、少なくとも1個のC−C二重結合と、2〜20個の炭素原子を有するもの。ここで用いる、低級アルケニル基とは、8個以下の炭素原子を有するアルケニル基をいう。
アルキニル ― 少なくとも1個のC−C三重結合を含有し、かつ、2〜20個の炭素原子を有する、分枝または直鎖の炭化水素基。ここで用いる低級アルキニルとは、8個以下の炭素原子を有するアルキニル基をいう。
アナライト ― アッセイによって、サンプル中におけるその存在または量を測定するべき物質。アナライトには、特異的結合親和力を有する特異的結合パートナーが存在する有機的乃至生物学的分子が含まれる。具体的なアナライトには制限はなく、シングルストランドまたはダブルストランドのDNA、RNA、DNA−RNA複合体、オリゴヌクレオチド、抗体、抗体断片、抗体−DNAキメラ、抗原、ハプテン、蛋白質、レクチン、アビジン、ストレプトアビジンおよびビオチンなどがある。他の具体的なアナライトには、また、加水分解酵素、加水分解酵素のインヒビターおよびジヒドロキシ芳香族化合物などがある。
アリール ― 1個以上の、H以外の置換基で置換され得る、1〜5個の炭素環式芳香環を有する芳香環含有基。
生物医学的分析 ― 重要なアナライトとしての生物学的起源のサンプルの分析。分析は、イムノアッセイ、ウェスタンブロット、ノーザンブロット、サザンブロット、DNAハイブリッド形成分析、DNAシーケンス分析、コロニーハイブリッド形成、遺伝子表示解析、高スループット薬品のスクリーニング、伝染病薬または病原菌の検出などとすることができる。
検出可能シグナル ― 現反応の反応生成物の測定によって得られる物理的特性。このシグナルは、化学発光または生物発光反応により生じた光、あるいは蛍光により生じた光であってもよい。シグナルは、色の生成または色の変化、あるいは紫外線もしくは赤外線の放射の吸収の変化であってもよい。シグナルはまた、生成物の分子量の測定あるいはNMRスペクトルの特定のシグナリングの測定であってもよい。
ハロゲン原子 ― フッ素、塩素、シュウ素またはヨウ素の原子。
ヘテロアリールまたはヘテロ芳香環状炭素原子の少なくとも1個が、窒素、酸素またはイオウ原子で置換されていて、かつ、1個以上の非H置換基で置換され得る、1〜5個の炭素環式芳香環を有する、芳香族環含有基である。
発光(ルミネセント) ― 電子が励起状態に励起されたとき、光放射し得る性質。光は、一重項励起状態からの崩壊の場合の蛍光か、あるいは、三重項励起状態からの崩壊の場合の燐光かのいずれかである。
過酸化物 ― O−O結合を含有する化合物で、好ましくは過酸化水素、または尿素過酸化物、過ホウ酸塩あるいは過炭酸塩のような過酸化水素の複合体である。
サンプル ― 1以上のアッセイすべきアナライトを含有するか、または含有すると思われる液体。化学発光反応の方法によって分析される代表的なサンプルは、血液、血漿、血清、尿、精液、唾液、細胞溶解物、組織抽出物などを含む生物学的サンプルである。他のタイプのサンプルには、溶媒、海水、工業用水のサンプル、食品サンプル、および汚泥や水質のような環境関係のサンプルがある。
過酸化水素源 ― 過酸化水素またはその塩、例えば過酸化ナトリウムもしくは過酸化カリウム、あるいは、尿素過酸化物、過ホウ酸塩および過炭酸塩のような複合形態での過酸化水素である化合物。
特異的結合対 ― 相互結合親和力を示す2物質。その例には、抗原−抗体、ハプテン−抗体または抗体−抗体対、補足的オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド、アビジン−ビオチン、ストレプトアビジン−ビオチン、ホルモン−レセプター、レクチン−炭水化物、IgG−蛋白質A、核酸−核酸結合蛋白質および核酸−抗核酸抗体などがある。
置換 ― 基に対し少なくとも1個の水素原子を、非水素原子の基によって置き換えることをいう。置換基に関しては、別に明示されていなければ、多くの置換場所が存在し得ることを意図するものであることに留意すべきである。
トリフレート ― トリフロロメタンスルホン酸エステルCFSO−。
本発明は、過酸化水素源と反応して、検出可能なシグナルを生成することのできる、検出可能化合物を生成するシグナリング化合物を使用する方法に関する。シグナリング化合物は、Sigと称するシグナリング部分に位置する、1個以上のボロン酸またはボロン酸エステル基を含有する。
Figure 0005319714
このシグナリング化合物において、Rは、いずれも相互に無関係に、水素原子、アルキルおよびアリール基から選択され、環を形成する直鎖または分枝のアルキレン鎖として、あるいは、芳香環として、相互に結合し得る。基Sigは、ホウ素含有基が、過酸化水素の反応によって水酸基と置換されるまで容易に検出されない。従って、シグナリング化合物の、過酸化水素との反応は、ホウ素含有置換基が水酸基で置換され、検出可能部分を創生するものである。生成物Sig−OHは、検出可能な性能の創生によって、出発シグナリング分子から容易に区別される。出発シグナリング分子そのものは、検出性能を持たないか、または、ごく弱い程度に持つのみなので、生成物は、容易に区別され、定量可能である。
Figure 0005319714
検出可能生成物は、水酸基−OHを有するプロトン化形態にて示されているが、検出可能生成物は、オキシアニオンとしての脱プロトン化形態で、あるいはプロトン化と脱プロトン化形態との平衡混合物として存在し得、また多くの場合、存在する。正確な形態は、反応pHや、電子の励起状態で酸度を増加することによりフェノールのような基をイオン化することが知られている、電子の励起の因子によって支配される。本発明の全実施形態において、両形態とも、検出可能生成物種の範囲内のものと考えられる。
更に、本発明は、シグナリング化合物を過酸化水素源と反応させ、検出可能な特性を有する検出可能生成化合物を生じさせ、その検出可能な特性を測定することによってその生成物を検出し、その検出可能生成物を過酸化水素と関連付けることを含む、過酸化水素の検出方法に関する。本発明の方法は、過酸化水素を含有することが既知であるか、または推定されるサンプル中の過酸化水素の量を測定する定量的な方法に用いることができる。この方法は、過酸化水素を含有することが既知であるか、または推定されるサンプルをシグナリング化合物と反応させて検出可能な生成化合物を生成し、検出可能な特性を測定することによって検出可能な生成化合物を検出し、この検出可能な生成物を過酸化水素の量と関連付ける工程を含む。
検出するのに用いることができ、従って、生成物をシグナリング化合物反応体から区別するのに役立つ検出可能な特性には、過酸化物と反応することにより変化する任意物理的性質が広く含まれ、色、または紫外線から可視光、赤外線への任意適当な波長の光の吸収や、蛍光、化学発光、生物発光、分子量があり、分子構造により直接影響される他の手段、核磁気共鳴周波数(NMR)、特にHおよび13C NMRがある。好ましい特性は、色、吸収、蛍光、化学発光および生物発光から選択され、生成される検出可能な生成分の量、または画分を定量することにより、過酸化水素の量を定量することを可能にするものである。生成化合物の検出可能な特性は、シグナリング化合物の特性と、少なくとも10の要因で異なることが好ましく、より好ましくは、少なくとも100の要因で、更に好ましくは、少なくとも1000の要因で異なることである。検出可能な特性の好ましいものは、蛍光、化学発光および生物発光から選択される。重要なことは、生成物の検出が、反応体シグナリング化合物の存在下で行われることであって、分離を必要としないことである。
過酸化水素源には、過酸化水素とその塩、例えば、ナトリウムまたはカリウムの過酸化物、および、複合体形態での過酸化物、例えば、尿素過酸化物、過ホウ酸塩、過炭酸塩ならびに過カルボン酸とそれらの塩などがある。過酸化水素の生物学的源は、過酸化水素が生体内で生成されることが知られているので、白血球およびある種の抗体内に存在している。過酸化水素源は、また、以下に述べるように、酵素生成システムを包含する。
本発明の方法に有用なシグナリング化合物は、Sigと称するシグナリング部分に位置する1個以上のボロン酸またはボロン酸エステル基を含む。その基、Sigは、上記に述べたように、検出される可能性のある任意の有機基であればよい。NMR分光学や、質量分光測定法のような技術による有機化合物の検出が、殆ど普遍性を有するため、Sigの基の特性には、本質的に任意の非高分子有機基が包含される。脂肪族、不飽和、芳香族および複素環式の基は、Sigの基として使用することができる。質量分光計の検出を用いる場合、検出可能な特性は生成物の分子量であり、それは勿論、出発シグナリング化合物の質量から、基R5とR6との性質に応じて、最小27質量単位から約200質量単位まで異なる。基Sigは測定の質量分析および分子イオンの検出能力により唯一制限される。約2000までの分子量を有するSigの基が、検出可能なものである。
NMR分光学による検出は、相当するシグナリング化合物から区別することができる、任意の反応生成物Sig−OHの検出を可能にする。この検出は、C−B結合がC−O結合に変化する炭素原子の共鳴振動数の13C NMR分析によって行い得る。変化のモニターは、最も簡便に、H−の減結合状態で行われるので、多くの場合、シグナルは一重項のピークとなる。検出は、C−BからC−Oへの結合変化を行う炭素原子上の、またはその近傍にある水素原子の共鳴振動数のH NMR分析によっても行い得る。近傍とは、C−BからC−Oへの結合変化のある炭素原子の、1〜3個以内の別の炭素原子か、あるいは他の原子に水素原子が置換されていることを意味する。本発明によって検出可能であり、かつ、過酸化水素の存在乃至量を検出する、定性または定量的な方法に有用な水素原子の数例を下記に示す。
Figure 0005319714
本発明に従って反応したときのNMR技術によって検出可能なシグナリング化合物は、Sig基が、約2000未満の分子量を持つ非高分子有機化合物であることが好ましい。Sig基は、検出される特定の核に化学的に類似してその検出を曖昧にする別の原子または基を含有しないことが望ましい。定量化は、NMRに基づく検出を用いて容易に達成される。過酸化水素を含有するサンプルは、少なくとも過酸化物の量と等しい量のシグナリング化合物と反応する。サンプル全体か、または、その既知の画分が分析され、反応生成物Sig−OHへの転化の程度が、その選択された特徴のある共鳴シグナリングの大きさから決定される。
Sigに関する基の好ましい部類は、置換および無置換の芳香族、またはヘテロ芳香環の基を含む。この部類のシグナリング化合物は、一般に、過酸化水素源との反応による生成物への転化の際、発色団あるいは蛍光団を持っており、従って、吸収または蛍光検出スキムとともに用いられる。
一群のシグナリング化合物は、過酸化水素源との反応によりフェノール性生成物のSig−OHに転化する際、化学発光を発生し得るようになるボロン酸あるいはボロン酸エステルを含む。化学発光生成物に転化される、本発明のシグナリング化合物の中に、1,2−ジオキセタン化合物の新規な同族がある。以前には知られていなかったボロン酸またはボロン酸エステル置換ジオキセタンは、化学式I、
Figure 0005319714
で表され、ここで、A〜Aは1〜20個の炭素原子を有する有機基であり、Arは芳香族またはヘテロ芳香環の基であって、AとA、AとA、またはAとArは結合して環を形成し得るものであり、またいずれのRも相互に無関係で、水素原子、アルキルおよびアリール基から選択され、環を形成する直鎖または分枝のアルキレン鎖として、または、芳香環として相互に結合し得る。これらの全ての基、A〜A、ArおよびRは、非水素原子で置換することができる。これらの化合物は、過酸化水素と反応して化学発光を生じることが、予期せずして発見された。
化学発光による過酸化水素の検出に用いられる、好ましい一群の1,2−ジオキセタン化合物は、化学式II
Figure 0005319714
で表され、ここで、Rは非水素原子で置換され得るもので、かつRまたはRと結合し得る、1〜20個の炭素原子を有する有機基であり、Rはハロゲン原子、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、カルボニル、カルボキシル、アミノおよびアルキルアミノ基から選択される更なる置換基を有し得る芳香族またはヘテロ芳香環の基であり、RとRとは、相互に無関係で3〜20個の炭素原子を有し、かつヘテロ原子で置換され得る非環式および環式の有機基から選択され、RとRとは、相互に無関係で、水素原子、アルキルおよびアリール基から選択され、環を形成する直鎖または分枝のアルキレン鎖として、あるいは芳香環として相互に結合し得る基である。化学式IIで表される化合物の他の群においては、RとRとは、ジオキセタン環にスピロ融合し、6〜20個の炭素原子を含有し、かつ、更なる非水素原子置換基を有し得る、環式または多環式のアルキルまたはアルケニル基で相互に結合する。好ましい多環式アルキル基は、置換または無置換のアダマンチル基である。
好ましい一群の化合物は、RR6とが両方とも水素原子であるボロン酸である。他の好ましい一群の化合物は、置換または無置換のフェニルおよび置換または無置換のナフチルから選択されるRの基を含有する。他の好ましい一群の化合物は、Rが非水素原子で置換されてもよい低級アルキル基である。他の好ましい一群の化合物は、RとRとがいずれも3〜20個の炭素原子を有する分枝のアルキルまたはシクロアルキル基である。他の好ましい一群の化合物は、RとRとが、スピロ融合多環式アルキルまたはアルケニル基として相互に結合しているものであり、更により好ましくは、アダマンチル基、あるいはハロゲン原子、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、カルボニル、カルボキシル、フェニル、置換フェニル、アミノおよびアルキルアミノ基から選択され、これらと共有結合する、1個以上の置換基を有する置換アダマンチル基である。
化学式IおよびIIで表されるジオキセタン化合物は、過酸化水素源との反応によって脱プロトン化状態のときに迅速に化学発光を生じる、対応する水酸基置換ジオキセタン、
Figure 0005319714
に転化される。多種類のものが本発明の方法で機能することが知られており、またこれらは、化学式Iで表される化合物群の範囲内に包含される。この認識は、ボロン酸またはボロン酸エステルのジオキセタン誘導体と過酸化物との反応によって水酸基置換ジオキセタンが生成すると、自然に分解し、脱プロトン化の際に発光するという認識に一部基づくものである。かかる開始可能(triggerable)なジオキセタンは多く知られている。本発明に従って反応し、化学発光を生ずる、化学式IとIIとで表される化合物の特別な実施形態は、過酸化水素によって既知の水酸基置換ジオキセタンへ転化するボロン酸またはボロン酸エステルのジオキセタンを含むものである。これらは制限されるものではなく、下記式、
Figure 0005319714
で表され、ここで、Rは環式または多環式のアルキルまたはアルケニル基であるもの、下記式、
Figure 0005319714
で表され、ここで、Yは、ハロゲン原子、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、カルボニル、カルボキシル、フェニル、置換フェニル、アミノおよびアルキルアミノ基から選択される置換基であるもの、下記式、
Figure 0005319714
で表され、ここで、Zはハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、カルボニル、カルボキシル、フェニル、置換フェニル、アミノおよびアルキルアミノ基から選択される置換基であるもの、下記式、
Figure 0005319714
で表され、ここで、nは1〜3の数であるもの、下記式、
Figure 0005319714
で表され、ここで、WはOまたはSであるもの、下記式、
Figure 0005319714
で表され、ここで、n=1または2であり、Rはアルキルおよびベンジルから選択され、R’はアルキル、フェニルおよび置換フェニル基から選択され、Tはそのいずれもが非水素原子で置換されてもよい、アルキル、シクロアルキルおよびポリシクロアルキル基から選択され、Akは非水素原子で置換されてもよい分枝のアルキルまたはシクロアルキル基であるもの、下記式、
Figure 0005319714
で表され、ここで、WはOまたはSであるもの、下記式、
Figure 0005319714
で表され、ここで、特に、基Rは、CH、CDまたはCHCFのような低級アルキル基またはハロゲン化アルキルであり、Yは4−クロロまたはHであるもの、下記式、
Figure 0005319714
で表され、ここで、WはOまたはSであるもの、および、上述のような、これらのボロン酸エステル誘導体である。
前述の構造のものに加えて、これらの化合物のボロン酸エステル類似体も、また本発明の実施に有用である。B(OH)基の代わりに、ジオキセタン化合物は、B(OR)の化学式で表され、ここでRは、アルキル、特に低級アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル基など、あるいは、フェニル基のようなアリール環の基を有することができる。基Rは、例えば、下記の環にて相互に結合することもできる。
Figure 0005319714
化学式Iで表されるシグナリング化合物の別の一群は、ジオキセタン環に対しイオウ原子で置換されたジオキセタン化合物を含むものである。これらは、特に制限されることなく、下記式、
Figure 0005319714
で表され、ここで、R、R、R、R、RおよびRは上記の通りであり、Rは環式または多環式のアルキルまたはアルケニル基で、そのいずれもが非水素原子で置換され得るものが含まれる。特に、化学式IIIで表されるシグナリング化合物は、式中、RはRまたはRと結合し得る1〜20個の炭素原子を有する有機基であり、Rはハロゲン原子、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、カルボニル、カルボキシル、アミノおよびアルキルアミノ基から選択される更なる置換基を有し得る芳香環またはヘテロ芳香環の基であり、RとRとは、相互に無関係に、3〜20個の炭素原子を有し、ヘテロ原子で置換され得る非環式または環式の有機基から選択され、RとRとは、相互に無関係に、水素原子、アルキルおよびアリール基から選択され、直鎖または環を形成する分枝のアルキレン鎖として、または芳香環として、相互に結合し得るものである。
好ましい実施形態には、特に制限されることなく、下記式、
Figure 0005319714
で表され、ここで、Yは水素原子、ハロゲン原子、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、カルボニル、カルボキシル、フェニル、置換フェニル、アミノおよびアルキルアミノ基から選択される置換基であるもの、下記式、
Figure 0005319714
で表され、ここで、Zは水素原子、ハロゲン原子、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、カルボニル、カルボキシル、フェニル、置換フェニル、アミノおよびアルキルアミノ基から選択される置換基であるものがある。
本発明の他の面は、過酸化水素との反応による化学発光発生方法において、上記の化合物を含むシグナリング化合物を使用することである。水溶液中での過酸化水素とこの化合物との反応は、反応がアルカリ性pHで行われる場合、容易に検出される化学発光を生ずる。この反応は、化学発光強化剤の存在下で、随時、行うことができる。
化学発光を生ずる好ましい方法においては、化合物IまたはIIを、pH約8以上のアルカリ性溶液中で過酸化物と反応させて、化学発光を生じさせ、この化学発光は過酸化水素と化合物IまたはIIとの反応により下記反応スキームに従い開始する。
Figure 0005319714
ボロン酸またはボロン酸エステル置換ジオキセタンと過酸化水素との反応は、炭素−ホウ素結合を炭素−酸素結合で置換することによってヒドロキシアリールまたはアリールオキシド置換ジオキセタン中間体を生成すると考えられる。フェノール性OH基が少なくとも部分的にイオン化される条件下では、ジオキセタンの分解は、発光を確かなものにする。塩基またアルカリ性pH開始(トリガー)されたヒドロキシアリール置換ジオキセタンの分解は、化学発光の技術分野においてよく知られている。かかる開始可能なジオキセタンで、各種の構造的な改変のあるサンプルは、例えば、米国特許第5,886,238号、第6,036,892号、第6,284,899号、第6,410,751号、第5,650,525号、第5,731,445号、第5,877,333号、第5,929,254号、第6,218,135号、第6,228,653号、第5,013,827号、第5,068,339号、第5,652,345号、第5,770,743号、第5,132,204号、第5,248,618号、第5,603,868号、第5,712,106号、第6,107,036号、第4,952,707号、第5,089,630号、第5,112,960号、第5,220,005号、第5,326,882号、第5,330,900号、第5,538,847号、第5,543,295号、第5,582,980号、第5,591,591号、第5,625,077号、第5,679,802号、第5,707,559号、第5,773,628号、第5,783,387号、第5,831,102号、第5,840,919号、第5,843,681号、第5,851,771号、第5,869,699号、第5,869,705号、第5,871,983号、第5,981,768号、第6,022,964号、第6,063,574号、第6,132,956号、第6,133,459号、第6,140,495号、第6,355,441号、および第6,461,876号公報に記載されている。これら全てのジオキセタンのボロン酸およびボロン酸エステル類似体は、本発明の範囲内にはいると考えられ、明らかに、本発明の開示部分として含まれる。
化学発光は、過酸化水素源との反応により、引き続いて、有機溶剤中での水酸イオンまたはフッ化物イオンのような強塩基と水酸基置換ジオキセタンとの反応により、上記シグナリング化合物から発生し得る。最強度の光発生のためには、DMSO、DMFおよびアセトニトリルのような、極性で非プロトン性の溶剤が好ましい。
本発明の、上記開始可能なジオキセタンシグナリング化合物の使用により、分子量の変化に基づき、上述のようなHまたは13C NMRにより、検出され得る検出可能生成物を生じ得る。更に、開始可能なジオキセタンシグナリング化合物の化学発光反応は、化学発光を生じる工程において生成物の更なる崩壊を招く結果となることが知られている。崩壊もしくは分裂の生成物もまた、上述のような分子量により、また、Hもしくは13C NMRによって検出および/または定量し得ることが知られている。化学発光反応によって検出され得る、後述の他の反応性生物もまた、崩壊反応または酸化二量化工程の結果として、その後の生成物を生じる。これらのその後生成物は、検出の基準として役立ち得る独特な分子量とNMR特性とを有している。
化学発光強化剤として有用な物質は、化学発光の技術分野において既に知られたものである。これらには、単独の、またはアルキルサルフェート塩やアルキルスルホネート塩のような陰イオン界面活性との組み合わせでの、四級オニウム塩がある。四級オニウム塩には、四級アンモニウムおよびホスホニウム塩、例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、米国特許第5,451,437号公報に記載されているようなジカチオン界面活性剤、米国特許第5,393,469号公報に記載されているような高分子ホスホニウム塩、米国特許第5,547,836号公報に記載されているような高分子混合物ホスホニウムおよびアンモニウム塩および高分子アンモニウム塩と添加物との混合物がある。
化学発光シグナリング化合物として有用なボロン酸置換ジオキセタンの合成の代表的な工程を下記に示す。
Figure 0005319714
本発明の他の化学発光シグナリング化合物は、下記式、
Figure 0005319714
で表され、ここで、ZはO、SおよびNRから選択され、RはHまたはSi(Rであり、RはC〜Cのアルキルまたはフェニル基であり、Xは1または2個のハロゲン原子置換基、好ましくはヨウ素原子、臭素原子または塩素原子である。上記シグナリング化合物と過酸化水素との反応は、ボロン酸(またはエステル)置換基を水酸基と置き換えるものである。水酸基置換インドール化合物は、周囲の酸素により自発的化学発光を進行させるものとして、例えば、米国特許第5,589,238号公報に記載されている。
Figure 0005319714
上記インドリル、ベンゾフラニルおよびベンゾチオフェニルボロン酸誘導体は、色を測定する実施形態において用いられるが、これはインジゴ類似の二量体が高度に着色されるためである。更に、前述の米国特許第5,589,238号公報および欧州特許明細書第0476930B1号公報には、この反応が、おそらく酸素の還元により更なる過酸化水素をも生成することが記載されている。本発明のインドリル、ベンゾフラニルまたはベンゾチオフェニルボロン酸シグナリング化合物を用いると、過酸化水素が反応中に循環するので、より高い感度で検出することができる。別の表現を用いれば、過酸化水素の各分子は、シグナリング化合物の多くの分子を検出可能な生成物に転化することができる。
本発明の他の化学発光シグナリング化合物は、下記式、
Figure 0005319714
で表わされ、ここで、LGは脱離基であり、R10とR11とは、水素原子、C〜Cのアルキル基またはアルキレン環として結合するものである。具体的なシグナリング化合物は、カルボン酸、エステルおよびチオエステルの誘導体を含む。
Figure 0005319714
上記構造式中、Rは無置換アルキルまたはアリール基の置換基であり、AMPはアデノシンモノホスフェートを示す。ボロン酸またはエステル部分と過酸化水素との反応は、ホタルルシフェリンとして知られている分子を生成する。この化合物は、ホタルルシフェラーゼ酵素と反応して、生物発光を生じることで知られている。分子酸素を伴う酸化工程により、強塩基で処理すると化学発光を生じることも知られている。
Figure 0005319714
脱離基がAMPエステルであり、かつルシフェラーゼ酵素を用いる実施形態は、過酸化水素源を検出するための生物発光法で本発明の使用を構成する。かかる方法は、
a)シグナリング化合物を過酸化水素源と反応させて、生物発光反応を行うことのできる検出可能生成物を生成し、
b)検出可能生成物を酵素および該酵素に対し任意の必要な共同因子と反応させて、生物発光を生じさせ、
c)生物発光を検出する、
ことを含むものである。
この反応は、異なる実験方法でも行うことができる。一方法として、カルボン酸前駆物質を、第一段階で過酸化物と反応させ、ボロン酸またはそのエステルを水酸基と置き換え、ルシフェリンを生成する。次いで、このようにして生成したルシフェリンを、生成物発光を誘発するための既知の技術条件に従わせ、緩衝液中でホタルルシフェラーゼ、Mg+2およびATPと反応させる。これら2つの工程は、最適pHが異なるため、各工程ごとに最適のpHで行うか、あるいは両反応に対して実施可能な単一のpHで行うことができる。他の反応方法としては、過酸化物反応をルシフェラーゼ/ATP反応と同時に行う。この目的のために同定される試薬は、米国特許第5,618,682号公報、第5,650,289号公報ならびに第5,814,471号公報に記載されている。
化学発光によって検出され得るシグナリング化合物の他の一群は、下記式、
Figure 0005319714
で表され、ここで、RとRとは上述の通りのものである。上記の化合物と過酸化水素源との反応は、ボロン酸またはそのエステル化合物を既知のヒドロキシアリールヒドラジド化合物に転化する。後者は、非プロトン溶剤中、強塩基との反応により、あるいはアルカリ水溶液中、更なる過酸化物との反応および遷移金属触媒またはペルオキシダーゼ酵素との随意反応により、化学発光反応することが知られている。
シグナリング化合物の他の群は、過酸化水素との反応により蛍光フェノール性生成物Sig−OHに転化されるボロン酸またはボロン酸エステルシグナリング化合物を含む。蛍光生成物に転化される本発明のシグナリング化合物中には、下記式、
Figure 0005319714
で表される置換および無置換のナフタレンボロン酸とそのエステル、ならびにアントラセン、フェナントレンおよびピレン同族体、下記式、
Figure 0005319714
で表わされるクマリンまたはウンベリンフェロン生成物を生成する生成物、下記式、
Figure 0005319714
で表されるベンゾチアゾールボロン酸およびそのエステルで、ここで、ZはC−C二重結合、三重結合または芳香環であり、nは1または2、Rはシアノ、イミンまたはカルボニル基であるもの、下記式、
Figure 0005319714
で表わされる構造を有し、またレゾルフィンおよびフルオレセインを含む他の蛍光剤を生ずる化合物がある。化学発光生成物を生じる上記のシグナリング化合物はまた、蛍光によっても検出し得ることは認識しておくべきことである。このような状況が起こるのは、化学発光反応における放射は、殆ど全ての場合、蛍光でもあるからである。
蛍光フェノール性生成物Sig−OHに転化する上記シグナリング化合物は、
a)シグナリング化合物を過酸化水素源と反応させて、蛍光による検出が可能な検出可能生成物Sig−OHを生成し、
b)第一波長光で検出可能生成物を照射し、
c)第一波長と異なる第二波長で、検出可能生成物から蛍光として放射される光を検出する、
ことを包含する、過酸化水素源を検出する方法に有用である。
シグナリング化合物の他の群は、過酸化水素との反応によって着色フェノール性生成物Sig−OHに転化される、ボロン酸またはボロン酸エステルシグナリング化合物を含む。着色生成物に転化される本発明のシグナリング化合物には、特に制限されることなく、下記式、
Figure 0005319714
で表わされる構造例がある。フェノール部分を有する他の多くの着色化合物が、比色定量的分析技術において知られている。これらの構造に基づくが、水酸基の代わりにボロン酸またはボロン酸エステル部分を含有するシグナリング化合物は、明らかに本発明の範囲内にあると考えられる。
着色フェノール性生成物Sig−OHに転化される上記シグナリング化合物は、
a)シグナリング化合物を過酸化水素源と反応させて、その着色により検出可能な検出生成物Sig−OHを生成し、
b)適当な波長または波長範囲での色の生成もしくは変化により、検出可能生成物の生成を検出する、
ことを包含する、過酸化水素源を検出する方法に有用である。
ここで述べたような、シグナリング化合物として有用なボロン酸およびボロン酸エステルは、一般に、ボロネート化薬剤とアリールハロゲン化物またはアリールトリフレートおよび金属触媒との反応によって調製される。
Figure 0005319714
金属触媒は、好適には、パラジウムに対する配位子として作用し得るリン化合物の存在下で用いられるパラジウム化合物である。炭素−ホウ素結合の生成を進めるのに有用な代表的パラジウム触媒には、合成有機化学の技術分野においてよく知られており、カルボン酸エステル、ハロゲンおよびケトンから選択される、化学変化を起こし易い配位子Lを有する2価の化合物PdLがあり、また、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、パラジウムビス(ジベンジリデンアセトン)Pd(dba)およびPd(dba)がある。
ホスフィン配位子には、PPh、PMe、PEt、Pt−Bu、Pt−BaMe、Pt−BuEt、P(シクロヘキシル)、BINAPおよび混合アルキルアリールホスフィン、例えば、DPPF、DPPBおよびDPPPがある。塩基には、KHPO、KCO、NaCO、CsCO、CsF、EtNおよびナトリウムt−ブトキシドのようなアルコキシド塩がある。この工程に有用な溶媒には、トルエン、ベンゼン、THF、DME、ジグリム、およびt−ブタノールおよびt−アミルアルコールなどのアルコール溶媒がある。
通常用いられるボロネート化剤には、トリメチルボレート、トリエチルボレートおよびトリイソプロピルボレートのようなトリアルキルボレート、ビス(ピナコラト)ジボロン、ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロンなどのジボロン化合物がある。
芳香族成分は、一般に、芳香族炭化水素の臭素化物、ヨウ素化物またはトリフレート誘導体であり、この芳香族炭化水素は、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンまたはピレンあるいは複素環式芳香族、例えば、ピリジン、キノリン、アクリジン、ピロール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、キサンテン、チオキサンテンおよびフェノチアジンであり、いずれも更に置換基を有していても、無置換であってもよい。
ボロン酸を合成する他の方法が知られている。アリールブロミド化合物をn−BuLiと、THF中、−78℃で反応させると、アリールリチウム化合物を生成し、これがトリメチルボレートまたは他のトリアルキルボレートとその場で反応して、アリールボロン酸エステルを生成する。アリールボロン酸への加水分解は、通常、トリメチルボレートを使用する場合、反応の進展中に起こる。
同様に、アリールボロン酸とそのエステルの合成方法において、上記のアリールリチウム中間体に代え、グリニャール試薬を利用することができる。エーテル溶媒中でのアリールグリニャール試薬とトリアルキルボレートとの反応により、アリールボロン酸エステルを生成する。
アリールボロン酸およびそのエステルもまた、水銀含有中間体を用いる工程において、芳香環化合物から調製することができる。有機水銀誘導体はアリールボロン酸に転化される(Q.Zhengら、Heterocycles,37巻、1761〜72頁(1994年);N.Gargら、J.Am.Chem.Soc.,124巻、13179頁(2002年))。例えば、インドール化合物とHg(OAc)との反応により、有機水銀Ar−Hg(OAc)を生成した。後者とボラン(BH−THF)との反応は、その後の加水分解により、インドール−3−ボロン酸を生成した。
アリールボロン酸エステルはまた、イシヤマらのJ.Am.Chem.Soc.,124巻、390〜1頁(2002年)に記載された方法に従って、アレーンから調製することができる。イリジウム触媒を用いる、アレーンとビピリジルもしくはフェナントロリン配位子およびジアルキルボランまたはジボロン化合物との反応により、アレーンの芳香環の直接的なボリル化が行われる。
本発明のシグナリング化合物と過酸化物との反応は溶液中、例えば、有機溶媒、あるいは水性緩衝剤、またはこれらの混合物の溶液中で実施される。反応溶液は、ビーズ、チューブ、薄膜もしくはミクロウェーブプレートのような固形支持体の表面と接触させることができる。酵素の使用を伴う反応は、緩衝剤中で行うのが好都合である。好適緩衝剤には、pHを約6から10の範囲に保持し得る、通常使用される緩衝剤の任意のもの、例えば、リン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、トリス(ヒドロキシメチルアミノ)メタン(略称「トリス」)、グリシン、トリシン、2−アミノ−2メチル−1−プロパノール(略称「221」)、ジエタノールアミンなどがある。これに関して、本発明を実施する好適な方法は、意図する用途により決定される。
シグナリング化合物と過酸化水素源との反応を行うに要する時間は、広い範囲に亘って変えることができる。アルカリ性溶液の条件下では、反応は迅速で、数分内に完了まで進行させることができる。過酸化物の酵素生成条件の下では、数時間の反応時間を使用することができる。反応が迅速に完了するとしても、より長い反応時間は有害ではない。逆に、全過酸化物の消費がなされない場合でも、短い反応時間を用いることができる。
蛍光または化学発光生成物を伴う実施形態では、光放射の検出を必要とする。本発明方法による放射光は、任意適当な既知の方法、例えば、ルミノメーター、X線フィルム、高速写真フィルム、CCDカメラ、シンチレーション計数管、化学光量計または視覚検査によって検出することができる。各検出手段は、異なるスペクトル感度を有する。人間の視覚は、緑色光に対して最適感度を有し、CCDカメラは赤色光に対して最高感度を示し、X線フィルムは紫外線から青色光または緑色光への感応が最高で、利用することができる。検出装置の選択は、用途やコスト、利便性の考慮により、また永久記録の作成の必要性によって支配される。
蛍光、化学発光もしくは生物発光により発光する本発明のシグナリング化合物は、代表的には100〜200nmの放射広域帯にわたって光を放射し、電磁気学的スペクトルの近紫外から可視領域における波長で最大強度を示す。最大強度である代表的な波長λmaxは350〜370nmの範囲内にある。共有結合で結合する蛍光体を有するシグナリング化合物は、この蛍光体の励起状態からより長い波長での放射をもたらす分子内エネルギー移動を生じることができると予想される。
その他の実施形態においては、発光エネルギーアクセプターを使用して、最大放射をより長い波長へシフトさせ(レッド−シフティング)かつ/または放射光の増量を行うことができる。レッド−シフティング放射のための各種技術は、化学発光反応およびアッセイの技術分野において既に知られている。共有結合した蛍光体は、その一例である。あるいはまた、蛍光剤を別種のものとして反応溶液に添加することができる。蛍光剤をシグナリング化合物に近接させるために、ポリマーに結合させるか、あるいは、ミセルまたはポリマーと会合させることができる。好適なエネルギー移動剤は、励起エネルギーを移動させる励起反応生成物のエネルギーレベルと重複する同レベルで励起状態を有し、またドナーの励起状態と重複する励起状態と同じか、または異なる蛍光励起状態を有する。一重項−一重項エネルギー移動を生じさせるのに有用なエネルギー移動剤は、蛍光の技術分野において、よく知られている。三重項−一重項エネルギー移動を生じさせるのに有用なエネルギー移動剤もまた当該技術分野において既知であり、通常、少なくとも1種の金属原子または他の、臭素またはヨウ素原子のような重い原子を有する。典型的な例は、9,10−ジブロモアントラセン(DBA)、DBAおよびRu(bpy) 2+のスルホン化誘導体である。蛍光エネルギー移動剤は、該移動剤の存在下と不存在下における過酸化物と上記シグナリング化合物との反応において生じる化学発光の強度又は波長を比較することにより、経験的に評価される。
着色物の生成を伴う実施形態では、色または光の吸収の検出を必要とする。この検出は、任意の好適な既知の手段とすることができる。最も単純なのは、色の発生または色の変化の目視的観察である。この目的には、写真フィルムまたはデジタルカメラも採用することができる。色の定量的測定を必要とする実施形態では、分光光度計測光法によって行なうことが最善である。検出装置の選択は、用途やコスト、利便性の考慮により、また永久記録の作成の必要性によって支配される。
本発明は、アッセイ法における過酸化水素の検出のための方法およびシグナリング化合物の使用を含むものである。本発明のシグナリング化合物と過酸化水素源との反応により、適当な手段、即ち、上記のような色、吸光度、蛍光または発光によって検出されるフェノール性生成物を生じる。このとき、シグナルの大きさは、存在する過酸化物の量に関係する。定量的な関係は、任意所定のシグナリング化合物と、既知濃度の過酸化物標準のセットとについての検量線を作図することによって容易に確立される。過酸化水素の検出のために使用されるものには、生物学的または細胞学的プロセスの監視や、過酸化水素を生成する抗体の検出、および過酸化物生成の溶媒中での過酸化物汚染の分析がある。本発明の数種のシグナリング化合物は、エーテル溶剤中に溶解したとき、例えば、p−ジオキサンは速やかに検出可能生成物を生じ、過酸化物汚染の存在を示す。
本発明の他の実施形態においては、オキシダーゼ酵素またはデヒドロゲナーゼ酵素のような、過酸化物を生成する酵素を検出するための方法の使用に関する。オキシダーゼ酵素類における各種酵素は、その基質を酸化する反応の副生成物として過酸化水素を生成することがよく知られている。既知のオキシダーゼ酵素には、ガラクトースオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、アミンオキシダーゼ、各種のアミノ酸オキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、ウリカーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、ラクテートデヒドロゲナーゼ、マレートデヒドロゲナーゼ、グリセラルデヒド−3−フォスフェートデヒドロゲナーゼ、グリセロールデヒドロゲナーゼおよびグルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼがある。実際には、オキシダーゼ酵素は、オキシダーゼ酵素の基質と反応して、過酸化水素を生成する。同時にか、または適当な時間の後に、蓄積した過酸化水素は、本発明のシグナリング化合物と反応し、フェノール性生成物を生成し、この生成物は、上述のような適切な手段で検出される。更に、オキシダーゼまたはデヒドロゲナーゼ酵素は、アナライトに関するアッセイにおいて、生物分子または特異的結合対の一員に対する結合物(conjugate)として存在し得る。
生物医学的分析およびその他の分析における本発明方法の重要な用途は、化学発光反応、蛍光反応、生物発光反応あるいは色形成反応によるアッセイ法において、アナライトの存在または量を検出するためのものである。一形態では、特異的結合対の一員に対する標識としてオキシダーゼまたはデヒドロゲナーゼ酵素を用いることが含まれている。一例は、酵素結合イムノアッセイ、例えば、いわゆる酵素結合免疫アッセイ法、即ち、ELISAである。かかるアッセイ法は、広くは2通りに部類される。競合アッセイは、特異的抗体と、アナライトおよびアナライト類似体、例えば、検出可能に標識化したアナライト分子との免疫学的結合を特徴とする。二つの抗体のうちその一つが標識化されている当該二つの抗体とアナライトとの順次の結合または同時結合によってサンドイッチアッセイが得られる。そのようにして形成された、検出可能に標識化された結合対は、本発明の化合物および方法によりアッセイされる。分析可能な標識がオキシダーゼ酵素である場合、それは直接検出される。分析可能な標識が他の特異的結合対の一員、例えば、ハプテンである場合には、オキシダーゼとその結合対との結合物を最初に反応させ、次いでオキシダーゼを本発明方法に従い検出する。測定は、溶液中の酵素標識化種により、あるいは当業界において通常用いられるようなビーズ、管、ミクロウェル、磁性粒子、試験小片、膜およびフィルターなどの固体表面もしくは支持体に付着された酵素標識化種により測定される。他の具体的用途は、ウェスタンブロッティング技術によるタンパク質の検出、およびサザンブロッティング、RNAのノーザンブロット分析およびDNA配列決定などを含む酵素標識化核酸プローブの使用による核酸の検出である。
アッセイにおいて形成されたオキシダーゼ標識化特異的結合対の検出は、オキシダーゼ酵素に関する基質を供給し、かつ、同時に、または逐次、本発明のシグナリング化合物を供給することにより行われる。オキシダーゼと、その基質との反応は、過酸化水素を生成する。過酸化水素は、シグナリング化合物と反応してフェノール性の生成物を生成し、この生成物は上記に述べたような、適当な手段によって検出される。
本方法は、アナライトを含有すると予想されるサンプルを、本発明のシグナリング化合物および過酸化水素源と接触させる工程と、定性的な方法で化学発光、蛍光、生物発光あるいは色の手段によってフェノール性生成物を検出する工程と、を包含する。定量化が望ましい場合には、生成したフェノール性生成物の量を、アナライトの量と関連付ける。検出可能なシグナルとアナライトの量との間の関係は、アナライトの既知量での検量線を作図することにより、容易に認識することができる。シグナリング化合物は、代表的には、約10−8Mから約10−2Mまでの濃度で用いられ、好ましくは約10−6Mと約10−3Mとの間の濃度で用いられる。本方法によって分析され得る代表的なサンプルは、体液、例えば、血液、血漿、血清、尿、精液、唾液、喀痰、脳脊髄液などである。
本発明にはまた、シグナリング化合物が、検出されるべき物質に対し標識付けするボロン酸の基とは異なる標識化基を含有する実施形態がある。標識化基は、式−L−RGで表わされる基を含み、ここで、Lは結合手であり、RGは反応性基である。
Figure 0005319714
基Lは、結合基であり、単結合または他の2価の基もしくは多価の基とすることができ、基RGは、シグナリング化合物を別の化合物に結合させ得る反応性基である。
結合基は、単結合、原子、あるいは原子の直鎖かまたは分枝鎖であり得、そのいくつかは環構造の部分とすることができる。この置換基は、通常、1個乃至約50個の非水素原子を、より通常には1個乃至約30個の原子を含有する。鎖を構造する原子は、C、O、N、S、P、Si、BおよびSe原子から、好ましくはC、O、N、PおよびS原子から選択される。ハロゲン原子は、鎖または環に対し置換基として存在し得る。結合置換基を含む代表的官能基には、アルキレン、アリレン、アルケニレン、エーテル、過酸化物、ケトンとしてのカルボニル、エステル、炭酸エステル、チオエステル、あるいはアミド基、アミン、アミジン、カルバメート、尿素、イミン、イミド、イミデート、カルボジイミド、ヒドラジン、ジアゾ、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、ホスホネートエステル、チオエーテル、ジスルフィド、スルホオキシド、スルホン、スルホネートエステル、サルフェートエステルおよびチオウレア基がある。
反応性基RGは、その存在により共有結合または物理的な力によって、他の分子への結合を促進する原子または基である。いくつかの実施形態においては、本発明のシグナリング化合物の、他の化合物への結合は、反応性の基からの1個以上の原子の減失を伴い、例えば、反応性の基が、ハロゲン原子またはトシラート基のような脱離基であり、かつシグナリング化合物が、求核置換反応によって他の化合物に結合する場合である。他の実施形態では、共有結合形成によるシグナリング化合物の他の化合物への結合は、付加反応、例えば、マイケル付加反応において、または反応性基がイソシアネートもしくはイソチオシアネート基である場合に生ずるような、反応性基内での結合の再編を伴うものである。更に他の実施形態においては、結合は共有結合形成を伴わず、むしろ物理的な力を伴い、その場合には、反応性基は不変のまま残ることになる。物理的な力とは引力、例えば、水素結合、静電気的またはイオン的引力、塩基スタッキングのような疎水的引力、ならびに特異的親和性相互作用、例えば、ビオチン−ストレプトアビジン相互作用、抗原−抗体相互作用およびヌクレオチド−ヌクレオチド相互作用を意味する。
Figure 0005319714
反応性基としてビオチン部分を有する上記構造のものは、非共有結合手段による特異的結合相互作用の可能な化合物を例示するものである。多くの特異的結合基および反応性基が、米国特許第6,126,870号公報に記載されている。
本発明にはまた、検出すべき物質に対し標識としてシグナリング化合物を提供する実施形態も含まれる。このことは、検出すべき物質と、標識化置換基を有する少なくとも1種のシグナリング化合物との結合物(コンジュゲート)を意味する。
本発明の種々の面をより詳細に説明するために、以下の実施例を示すが、これらはいずれの場合も本発明の範囲を制限するものではない。
実施例
1.ジオキセタンボロン酸の合成
Figure 0005319714
アルゴン雰囲気下、1Lの冷無水THF中で反応系にLiAlHを徐々に加えることにより、TiCl143.5gとLiAlH17.64gとの混合物を生成した。黒色の混合物が得られた。トリエチルアミン(130mL)を添加し、混合物を加熱・還流した。還流1時間後、200mLの無水THFに、20.62gの3−ブロモ安息香酸メチルと、44.02gのアダマンタノンとを溶解させた溶液を、30分間かけて滴下漏斗で添加した。反応混合物を冷却し、6Lの水と300mLのトリエチルアミンとを溶解させた溶液中に注意深く注いだ。混合物を、1Lの酢酸エチルで7回抽出・処理した。酢酸エチル抽出物を合わせて、NaSOで乾燥させ、濾過して蒸発・乾固して白色固体とした。固体をヘキサンで数回洗浄・処理した。ヘキサン溶液を合わせて、濃縮後、10〜50%CHCl/ヘキサンを用いてカラムクロマトグラフィにかけ、下記構造のアルケンを、収率67%で得た。
Figure 0005319714
分析値:H NMR(CDCl)δ1.74−1.97(m,12H),2.60(br s,1H),3.24(br s,1H),3.29(s,3H),7.18−7.26(m,2H),7.38−7.42(m,1H),7.47(s,1H).
アルゴン雰囲気下、10mLの無水THFと40mLの無水トルエンに、2.02gのブロモアルケンと1.68mLのホウ酸トリイソプロピルとを溶解させた溶液を生成した。溶液をドライアイス上で冷却し、2.91mLの2.5M n−BuLiを30分かけて加えた。褐色の溶液をドライアイス上でもう1時間撹拌し、室温に昇温して、一夜放置した。無色の溶液を5mLの水で急冷した。沈殿した下記化学式のボロン酸置換アルケンを、収率98%で得た。
Figure 0005319714
分析値:H NMR(CDCl)δ1.78−1.97(m,12H),2.67(br s,1H),3.26(br s,1H),3.30(s,3H),7.02(d,1H),7.20(t,1H),7.49−7.51(m,2H).
10μLの30%Hとサンプルとを反応させた結果、既知のヒドロキシアルケンに転化した。
Figure 0005319714
メチレンブルーを含有する25mLのメタノールに、ボロン酸置換アルケン(1.02g)を溶解させた溶液を氷浴で冷却した。これを、30分間、カプトン光学的遮断フィルターを通して、1000Wのナトリウム・ランプで照射しながら、酸素ガスを溶液中に泡立たせた。溶媒を蒸発させ、残渣を10〜30%のEtOAc/ヘキサンで、続いてアセトンを用いて、カラムクロマトグラフィによって精製した。ボロン酸置換ジオキセタンを収率68%で得た。
分析値:H NMR(CDOD)δ1.01−1.06(m,1H),1.22−1.29(m,1H),1.51−1.92(m,10H),2.15(br s,1H),3.04(br s,1H),3.22(s,3H),7.49−8.20(m,4H).
2.蛍光検出に用いるシグナリング化合物としてのベンゾチアゾールボロン酸誘導体の合成
Figure 0005319714
a)メタノール100mL中のHClガスを用いて、6.0gの酸のエステル化により、メチル・6−ヒドロキシベンゾチアゾール−2−カルボキシレートを調製した。濾過、空気乾燥、CHClとヘキサンとで洗浄し、反応物から生成物(5.05g,79%)を単離した。
分析値:H NMR(DMSO−d)δ3.94(s,3H),7.13(dd,1H),7.50(d,1H),8.01(d,1H).
エステル5.0gを、100mLのCHClと12mLのトリエチルアミン中で、アルゴン雰囲気下、13.0gのN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドと1時間還流して、反応させることによりエステルの水酸基をトリフレートエステルに転化した。反応混合物を冷却し、CHClで250mLに希釈し、20%のクエン酸水溶液、次いで水、飽和NaHCO水溶液で順次抽出した。有機層を蒸発、乾燥させた。生成物であるトリフレート(6.2g,76%)を、25〜100%のCHCl/ヘキサンを用いての、シリカゲル−カラムクロマトグラフィによって単離した。
分析値:H NMR(CDCl)δ4.12(s,3H),7.51(dd,1H),7.95(d,1H),8.32(d,1H).
80mLの無水アセトニトリル中、6.0gのトリフレート、5.4gのビス(ピナコラト)ジボロン、0.40gのPd(OAc)、0.93gのトリフェニルホスフィンおよび8.1gのCsFからなる反応混合物を、アルゴン雰囲気下で20分間還流した。混合物を冷却し、アセトニトリルで希釈して、セライトに通して濾過した。濾床をCH2ClとEtOAとで洗浄した。濾液を合わせ、乾燥シリカ上で吸着処理し、その物質を10〜30%の酢酸エチル/ヘキサンを用いてカラムクロマトグラフィにかけた。生成物2aを含有する集積留分を蒸発させ、ヘキサンで固形物を洗浄し、空気乾燥することにより生成物2aを得た(3.55g,60%)。
分析値:H NMR(CDCl)δ1.38(s, 12H),4.09(s,3H),7.98(d,1H),8.22(d,1H),8.47(s,1H).
b)シグナリング化合物2a(3.05g)を、100mLのメタノールに溶解させた。溶液に無水NHガスをバブルし、温度を上昇させた。バブリングを、10分間継続した。反応フラスコに蓋をして、溶液を一夜放置した。次いで溶媒を蒸発させてシグナリング化合物2bを、白色固体として2.91g、収率100%で得た。
分析値:H NMR(CDCl)δ1.38(s,12H),5.86(bs,1H),7.34(bs,1H),7.9(d,2H),8.08(d,2H),8.47(s,1H).
c)シグナリング化合物2bを、POClでニトリル2cに転化した。化合物2b(0.50g)を10mLのPOClに添加した。混合物をアルゴン雰囲気下、95℃で4時間撹拌した。混合物を冷却し、蒸発乾燥した。残渣をアセトニトリルに入れ、氷冷飽和NaHCO溶液に注いだ。褐色の固体が生成し、濾過によって収集し、水で洗浄し、空気乾燥した。化合物2cを、0.40g、収率85%で得た。
分析値:H NMR(CDCl)δ1.38(s,12H),8.04(d,1H),8.21(d,1H),8.46(s,1H).
3.蛍光検出に用いるシグナリング化合物としてのクマリンボロン酸エステル誘導体の合成
Figure 0005319714
7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン5.0gを、200mLのCHClと20mLのトリエチルアミン中で、アルゴン雰囲気下、5時間還流し、15.2gのN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドと反応させることによって、トリフレートエステルに転化させた。還流中に、3.0gのN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドを追加した。反応混合物を一夜冷却し、2×200mLの10%クエン酸で抽出し、更に水洗いした。有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させた。無色透明な油状物質を、エーテルから結晶化し、トリフレートエステルを8.72g、収率81%で得た。
分析値:H NMR(CDCl)δ2.47(s,3H),6.37(s,1H),7.23−7.29(m,2H),7.7(d,1H).
無水アセトニトリル30mL中、2.0gのトリフレート、2.47gのビス(ピナコラト)ジボロン、164mgのPd(OAc)、372mgのトリフェニルホスフィンおよび4.6mLのトリエチルアミンを含有する反応混合物を、アルゴン雰囲気下、4時間還流した。混合物を冷却し、アセトニトリルとともにシリカゲルに通して濾過した。濾液を乾燥シリカ上に吸着させ、その物質を0〜50%酢酸エチル/ヘキサンを用いてカラムクロマトグラフィにかけた。生成物が、不純物を含むことが判明したので、50〜100%CHCl/ヘキサンを用いて、第2のカラムにて処理した。生成物3aを得た(326mg、17%)。
分析値:H NMR(CDCl)δ1.37(s,12H),2.45(s,3H),6.33(s,1H),7.58(d,1H),7.70(d,1H),7.74(s,1H).
251mgのトリフレート、430.6mgのビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン、23mgのPd(Oac)、49mgのトリフェニルホスフィン、0.60mLのトリエチルアミンおよび15mLの無水アセトニトリルを含有する反応混合物を、アルゴン雰囲気下で、6時間還流し、一夜冷却した。混合物をアセトニトリルとともに、シリカゲルに通して濾過した。溶媒を蒸発させ、残渣を0〜50%CHCl/ヘキサンを用いて、カラムクロマトグラフィにかけた。不純物として少量のネオペンチルグルコールを含有する生成物3bを得た(79mg、36%)。
分析値:H NMR(CDCl)δ1.04(s,6H),3.80(s,4H),6.31(s,1H),7.57(d,1H),7.69(d,1H),7.74(s,1H).
4.蛍光検出に用いるシグナリング化合物としてのピレンボロン酸誘導体の合成
Figure 0005319714
30mLの無水THFに2−ブロモピレン1.03gを溶解させた溶液を、アルゴン雰囲気下、−78℃に冷却した。2.5Mのn−BuLiヘキサン溶液を1.50mL滴下・添加した結果、黄色沈殿が生じた。更に反応混合物を30分間、−78℃に維持した後、0.42mLのトリメチルボレートを滴下した。更に2時間、−78℃に保った後、反応混合物を室温にした。反応を5mLの水で止めた。CHClの添加により、ほぼ純粋な4aが381mgの沈殿として生成した。濾液を蒸発させ、残渣を20〜30%のEtOAc/ヘキサンを用いてクロマトグラフにかけ、更に76mgの4aの追加分を得た。分析値:H NMR(DMSO−d)δ7.90(d,1H),8.06−8.42(m,7H),9.00(d,1H).
アルゴン雰囲気下、30mLの無水DMSOに、4.00gの2−ブロモピレン、3.97gのビス(ピナコラト)ジボロン、4.19gのKOAcおよび0.29gのPd(dppf)Clを溶解させた溶液を調製し、85℃で約20時間加熱した。混合物を冷却し、200mLの水に注ぎ、3×100mLのCHClを用いて抽出した。合わせたCHCl抽出物を水洗し、NaSOで乾燥、蒸発させた。残渣を5〜30%の酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカのクロマトグラフにかけた。ボロネートエステル4bを、明るい黄色固体として3.61g(78%)得た。
分析値:H NMR(CDCl)δ1.49(s,12H),7.97−8.22(m,7H),8.54(d,1H),9.07(d,1H).
1.0gの化合物4bを、50%アセトン水溶液100mL中、1.96gのNaIO4、および0.52gのNHOAcと5日間撹拌し、反応させることによって、化合物4bを、化合物4aに転化した。溶液を濾過し、固形分を100mLのアセトンで洗浄し、濾液を合わせ、蒸発させた。30−100%酢酸エチル/ヘキサン、続く20%MeOH/EtOAcによるシリカゲル・クロマトグラフィにより、残渣から、化合物4aを収率86%で単離した。
5.蛍光検出に用いるシグナリング化合物としてのフェナントレンボロン酸誘導体の合成
Figure 0005319714
10mLの無水DMSOに、2.00gの9−ブロモフェナントレン、2.17gのビス(ピナコラト)ジボロン、2.29gのKOAcおよび0.19gのPd(dppf)Cl2を溶解させた溶液を、アルゴン雰囲気下、静置し、一夜、85℃に加熱した。混合物を冷却し、100mLの水に注ぎ、白い沈殿を発生させた。混合物を2×100mLのEtOAcを用いて抽出した。EtOAc抽出物を合わせ、水を用いて洗浄し(乳化!)、NaSOで乾燥し、蒸発させた。残渣を10%EtOAc/ヘキサンを用いてシリカでクロマトグラフにかけた。ボロネートエステル5bを、明るい黄色固体として、2.27g(96%)得られた。
分析値:H NMR(CDCl)δ1.46(s,12H),7.55−7.70(m,4H),7.94(d,1H),8.39(s,1H),8.66−8.73(m,2H),8.81−8.85(m,1H).
100mLの50%アセトン水溶液中、化合物5b、2.07gをNaIO 4.37gおよびNHOAc1.15gと6日間、撹拌しながら反応させることにより、化合物5aに転化させた。溶液を濾過し、固形分を50mLアセトンで洗浄し、濾液を合わせ、蒸発させた。30〜100%EtOAc/ヘキサンを用い、かつ、続いて20%MeOH/EtOAcを用いるシリカゲル−クロマトグラフィ、更に、CHClで固形生成物を洗浄することにより、残渣から化合物5a(1.06g、70%)を単離した。
分析値:H NMR(DMSO−d)δ7.64−7.74(m,4H),8.12(d,1H),8.45−8.92(m,2H),8.70(s,1H),9.36(d,1H).
6.蛍光検出に用いるシグナリング化合物としてのアントラセンボロン酸誘導体の合成
Figure 0005319714
10mLの無水DMSOに2.00gの9−ブロモアントラセン、2.17gのビス(ピナコラト)ジボロン、2.29gのKOAcおよび0.19gのPd(dppf)Cl2を溶解させた溶液をアルゴン雰囲気下に静置し、24時間、85℃に加熱した。混合物を冷却し、100mLの水に注ぎ、白色沈殿を生ぜしめた。混合物を3×100mLのEtOAcを用いて抽出した。合わせたEtOAc抽出物を水(2×100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発させた。残渣を、10〜25%EtOAc/ヘキサンを用いてシリカでクロマトグラフにかけた。ボロネート・エステル6を1.29g(54%)、白色個体として得た。
分析値:H NMR(CDCl)δ1.58(s,12H),7.41−7.51(m,4H),7.99(d,2H),8.44(d,2H),8.48(s,1H).
7.蛍光検出に用いるシグナリング化合物としてのビス(ベンゾチアゾール)ボロン酸誘
導体の合成
Figure 0005319714
100mLのメタノール中、2.0gの6−ブロモ−2−シアノベンゾチアゾールと、1.0mLの2−アミノチオフェノールをアルゴン雰囲気下、数日間攪拌した。濾過によって、白色固体を収集し、メタノール、2−プロパノールついでヘキサンを用いて順次洗浄した。空気乾燥して、2.71g(93%)の6−ブロモ−2,2’−ビス(ベンゾチアゾリル)を得た。
10mLの無水DMSO中、ブロミド(0.50g)、0.402gのビス(ピナコラト)ジボロン、0.424gのKOAc、および35.3mgのPd(dppf)Cl2を、アルゴン雰囲気下、静置し、一夜85℃に加熱した。混合物を冷却し、200mLの水に注いで、褐色の沈殿を生成させた。固形物を濾過によって収集し、水、2−プロパノール、ついでヘキサンを用いて、順次洗浄した。空気乾燥により、化合物7bを0.356g(63%)得た。
分析値:H NMR(CDCl)δ1.39(s,12H),7.47−7.59(m,2H),7.98(t,2H),8.13−8.18(m,2H),8.47(s,1H).
10mLの無水DMSO中、ブロミド(0.50g)、0.358gのビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン、0.424gのKOAcおよび35.3mgのPd(dppf)Clを、アルゴン雰囲気下に静置し、一夜85℃に加熱した。混合物を冷却し、濾過し、固形分をアセトンで洗浄した。この固形分を125mLのCHClに入れ、セライト充填剤を通して、残渣のPdを除去した。溶媒を蒸発して化合物7cを375mg得た(68%)。
分析値:H NMR(CDCl)δ1.06(s,6H),3.83(s,4H),7.46−7.59(m,2H),7.96−8.01(m,2H),8.12−8.18(m,2H),8.46(s,1H).
NMR分析のために試みたDO中への7cの溶解は、急激な加水分解を生起して、化合物7aを生成した。最初の反応からの濾液を200mLの水に注ぎ、褐色の沈殿を生成させた。固形分を濾過して収集し、2−プロパノールおよびヘキサンを用いて順次洗浄し、化合物7aを得た。
分析値:H NMR(DMSO−d)δ7.57−7.68(m,2H),8.02(d,1H),8.14−8.28(m,3H),8.34(s,1H),8.59(s,1H).
8.冷光検出に用いるシグナリング化合物としてのベンゾチアゾールボロン酸誘導体の合成
Figure 0005319714
25mLのメタノールに、390mgの化合物2cを溶解させた溶液を、アルゴンを用いてスパージした。NaHCOでpH8に調整した水5mLに、290mgのD−システイン塩化水素を溶解させた、アルゴンスパージ溶液を、ピペットで添加した。5mLの水を溶液に追加した。ニトリルとシステインの縮合が即時に生起したので、メタノールを蒸発させ、次いで残った溶液を、20%濃塩酸を用いて100mLに希釈した。白色沈殿を濾過して収集し、水洗いして風乾した。化合物8を381mg、収率91%で得た。
分析値:H NMR(CDCl)δ3.68−3.84(sextet,2H),5.46(t,1H),7.99(d,1H),8.12(d,1H),8.33(s,2H),8.54(s,1H).
9.インドールボロン酸シグナリング化合物の合成
Figure 0005319714
p−トルエンスルホニルクロリドと、トリエチルアミンとを用いる反応によって、3−ブロモインドールをp−トルエンスルホンアミド誘導体に転化する。代わりに、(MeSiOCHCHOCHCl)SEMClおよびNaHを用いる反応によって、SEM誘導体として、インドールを保護することができる。ピリジニウムトリブロミドまたはN−臭化コハク酸イミドを用いる反応によって、N保護インドールは、3位が臭素化される。脱酸素無水THF中で、t−BuLiを用いる−78℃での金属とハロゲンとの交換反応と、これに続く、トリメチルまたはトリイソプロピルボロン酸エステルとの反応および水性加水分解によって、N−保護の3−臭化インドール誘導体を、3−ボロン酸誘導体に転化する。最終的には、保護基は除去される。スルホンアミドは、エタノール中のKOHとの反応によって加水分解される;SEMの基は、CHCN中のLiBF、続くNaOH水溶液による処理により除去される。
10.ボロン酸置換ジオキセタン1を用いる過酸化水素の化学発光検出
実施例1のジオキセタンシグナリング化合物を、化学発光強化剤を含有する試薬組成物中で調製し、37℃で過酸化物と反応させた。溶液は、pH9.35の0.3Mトリス緩衝液中、1mMのジオキセタンと、1mg/mLの強化剤とを含有していた。尿素過酸化物を、最終濃度10−5Mとなるように添加した。
Figure 0005319714
CTAB−セチルトリメチルアンモニウムブロミド
Figure 0005319714
§−ポリ(ビニルベンジルトリブチルホスホニウムクロリド)コポリマー、米国特許第5,393,469号公報における化合物TB
‡−ポリ(ビニルベンジルトリブチル(トリオクチル)ホスホニウムクロリド)コポリマー、米国特許第5,393,469号公報参照
11.ボロン酸置換ジオキセタンを用いる過酸化水素の検出感度
pH9.35の0.3Mトリス緩衝液中、実施例1の、1mMのジオキセタンシグナリング化合物、および、米国特許第5,393,469号公報に記載の化合物TBで、1mg/mLのポリ(ビニルベンジルトリブチルホスホニウムクロリド)コポリマーを含有する試薬組成物(90μL)を、10mM〜1μMの範囲に亘って、各種濃度の過酸化物(10μL)と反応させた。3個組のサンプルにつき、4.5分後に、化学発光の強度を測定した。図1には、反応における過酸化物濃度の関数としての、補正した化学発光の強度プロットを示す。最終過酸化物濃度の1mMでの、反応溶液からのシグナリングは、ブランクの約3000倍であった。
12.2−ナフチルボロン酸を用いる過酸化水素の蛍光検出
1mMの2−ナフチルボロン酸溶液を、pH9.6の0.2M221緩衝液中に調製した。0.1Mの尿素過酸化物の貯蔵溶液を、非イオン化水にて調製した。過酸化物溶液の10倍あたりの連続希釈液を、1×10−9Mまで調製した。100μLの2−ナフチルボロン酸溶液と、100μLの各過酸化物希釈液とを含有する反応溶液を、1cmキュベットに調製した。生成物の蛍光の励起と放射の最大値は、夫々380nmと465nmとであった。
Figure 0005319714
13.2−ナフチルボロン酸を用いるグルコース・オキシダーゼの蛍光検出
3μLの水に4.5×10−14から1.5×10−17モルまでの酵素を含有するグルコース・オキシダーゼの希釈液を同型3個の白色マイクロウェル中に投入した。pH7.0の10mMのトリス緩衝液中のグルコース溶液(0.1Mの50μL)を、各ウェルに添加した。上記ウェルを25℃で30分間、保温した。次いで、実施例15の試薬、50μLを各ウェルに添加した。15分後に蛍光を測定した。図2に本試験の範囲にわたって、グルコース・オキシダーゼへの蛍光の直線的応答を示す。
14.2−ナフチルボロン酸を用いるグルコースの蛍光検出
3μLの水に5×10−8モルと5×10−11モルの間のグルコースを含有するグルコース希釈液を、同型3個の白色マイクロウェル中に投入した。次いで、3×10−7Mのグルコース・オキシダーゼを含有する実施例12の試薬、100μLを各ウェルに添加した。30分後に蛍光を測定した。図3に、本試験の範囲に亘って、グルコース・オキシダーゼへの蛍光の直線的応答を示す。
15.ビス(ベンゾチアゾリルボロン酸エステルを用いる過酸化水素の蛍光検出
pH9.6の0.2Mの2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール緩衝液中にビス(ベンゾチアゾリル)ボロン酸エステル7bを1mMで溶解させた溶液50μLを、過酸化水素を含有する水溶液を用いて処理した。
Figure 0005319714
図4に示した蛍光の励起と放射のスペクトルは、0.1μMの尿素過酸化物の添加の前後に、ジョビンイボン/スペックスフルオロスキャン分光蛍光計を用いて測定した。生成物の蛍光の励起と放射の極大値は、夫々、419nmと571nmとであった。
16.4−メチルクマリン−7−ボロン酸を用いる過酸化水素の蛍光検出
pH9.3の0.3Mトリス緩衝液中に4−メチルクマリン−7−ボロン酸ピナコールエステルを0.5mMで溶解させた溶液を50μL調製した。3mMの濃度となるように、尿素過酸化物を添加した。440nmにおける蛍光の増大は、図5に示されている。
Figure 0005319714
生成物の蛍光の励起と放射の最大値は、それぞれ360nmと440nmであった。
17.他の蛍光シグナリング化合物を用いる尿素過酸化物の蛍光分析的検出
工程:表に記載した各シグナリング化合物の0.1mM溶液をpH9.35の0.3Mトリス緩衝液で調製した。各溶液3mLずつを、1cmのキュベットに添加し、放射スペクトルを記録した。尿素過酸化物を各溶液に添加して、1mM濃度とし、得られた溶液を15分間反応させた。この時点並びに24時間後にも再度、放射スペクトルを記録した。いずれの場合も、フェノール性生成物の蛍光は、15分以内に最大強度に到達し、24時間一定に保たれた。
Figure 0005319714
出発時点のボロン酸またはそのエステルのシグナリング化合物は、測定条件では、殆ど蛍光を示さなかった。シグナリング化合物の、各対応するフェノール性生成物への転化で、極大放射波長が約100nmシフトした。
18.4−ニトロフェニルボロン酸を用いる過酸化水素の比色分析的検出
エタノールで4−ニトロフェニルボロン酸の20mM備蓄溶液を調製し、pH9.35の0.3Mトリス緩衝液で1:100に希釈して、0.2mMの実用的溶液Aを調製した。尿素過酸化物の1.0M備蓄溶液を、脱イオン水にて調製した。備蓄溶液から10倍毎の一連の希釈液を1×10−9Mに至るまで調製した。3.0mLの溶液Aと、10μLの各過酸化物希釈液とを含有する反応溶液を、1cmのキュベットに調製し、405nmでの吸光度を、時間の関数として各キュベットで測定した。
Figure 0005319714
19.ボロン酸置換化合物8を用いる過酸化水素の生物発光検出
化合物8と、過酸化水素との反応で、D−ルシフェリンを生成する。発生したD−ルシフェリンと、ATP、Mg+2塩、および、ルシフェラーゼとの反応で、特徴的な緑色の生物発光を生成した。
20.過酸化水素の化学発光/比色分析的二重検出
pH10の0.1Mジエタノールアミンの緩衝液で、実施例9のインドールボロン酸シグナリング化合物を0.1mMで含有する溶液を調製した。過酸化水素の1.0M貯蔵溶液を、脱イオン水にて調製した。10分の1毎の連続希釈液を、貯蔵溶液から、1×10−9Mに至るまで連続調製した。インドールボロン酸溶液2mLと、100μLの各過酸化物希釈液またはブランク用の水とを含有する反応溶液を1cmキュベットに調製した。100μL分別量をルミノメーターのチューブに移し、2分後、化学発光を測定した。反応溶液の吸光度を、好適な波長、例えば、600nmで測定した。
21.追加ジオキセタンボロン酸の合成
Figure 0005319714
ジオキセタン10a−bを、実施例1に記載と同様の方法によって調製した。既知の化合物5−クロロ−2−アダマンタノンおよびメチル4−クロロ−3−ブロモベンゾエート(2a用)またはメチル3−ブロモベンゾエート(2b用)を、TiClとLiAlH4とから調製した試薬で結合させた。ブロモアルケンを、THF中でB(Oi−Pr)およびn−BuLiと反応させ、続いて加水分解することによって、ボロン酸アルケンに転化させた。ボロン酸アルケンを、メチレンブルー感光剤で、O気流のもと、ナトリウムランプで照射することにより光酸化させ、ジオキセタン2aまたは2bを得た。
Figure 0005319714
ジオキセタン11aを、実施例1に記載した方法と同様の方法により調製した。既知のジイソプロピルケトンと、メチル3−ブロモベンゾエートとを、TiClとLiAlHとから調製した試薬を用いて結合させた。THF中で、B(Oi−Pr)と、n−BuLiとを用いて反応させ、続いて加水分解することによって、ブロモアルケンを、ボロン酸アルケンに転化させた。ボロン酸アルケンを、メチレンブルー感光剤で、O気流のもと、ナトリウムランプで照射することにより光酸化し、ジオキセタン11を得た。
Figure 0005319714
ジオキセタン11bを、下記の如く調製した。500mLのメタノールに、12.0gの3−ブロモ−4−クロロ安息香酸と1mLのHSOとを溶解させた溶液を9時間還流下加熱した。更に1mLのHSOを加え、TLC分析が、出発物質の酸の完全消費を示すまで、もう数時間還流を継続した。溶媒を蒸発させ、得られた黄色固体を100mLのCHClに入れ、水、飽和NaHCO、飽和食塩食塩水で順次抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させ、12.54gのエステルを薄黄色固体として得た。
分析値:H NMR(CDCl)δ3.928(s,3H),7.5(d,1H),7.9(d,1H),8.(d,1H).
2.00gのエステル、0.1637gのPd(dppf)Cl、2.240gのビス(ピナコラト)ジボロン、および2.36gのKOAcの混合物を、アルゴン雰囲気下に静置し、続いてこれに20mLの無水DMSOを添加した。混合物を更に、真空蒸発とアルゴンでのパージを繰返し実施した。混合物を一夜、85℃に加熱した。TLC分析(10%EtOAc/ヘキサン)は、出発物質が消費されたことを示した。反応混合物を、125mLの水に注ぎ、3×75mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を水洗いし、乾燥させ、蒸発乾固して、褐色油状物を得た。生成物を、更にヘキサン中の10〜30%の酢酸エチルを用いるシリカゲルクロマトグラフィ溶離によって精製した。下記構造、
Figure 0005319714
で示されるボロン酸エステル置換エステルを白色固体として、1.99g、収率84%で得た。
分析値:H NMR(CDCl)δ1.383(s,12H),3.916(s,3H),7.41−7.43(d,1H),7.97−8.01(t,1H),8.34(s,1H).
8.06gのTiClと、0.99gのLiAlHとの混合物を、アルゴン雰囲気下、100mLの冷却した無水THF中で、反応系へLiAlHを徐々に添加することにより生成させた。黒色の混合物を生成した。混合物を加熱して還流し、トリエチルアミン(7.5mL)を添加した。還流1時間後、20mLの無水THFに、前工程のエステル1.55gと、2,4−ジメチル−3−ペンタノン1.79gとを溶解させた溶液を滴下した。反応混合物を冷却し、1Lの水と70mLのトリエチルアミンとの溶液に、注意深く注いだ。混合物を3×400mLの酢酸エチルで抽出し、水層を廃棄した。酢酸エチル抽出物を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾燥して、無色油状物1.43gを得た。油状物を0〜1%の酢酸エチル/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィにかけ、生成物アルケンを含有する留分0.79gを得た。
分析値:H NMR(CDCl)δ0.91(d,6H),1.24(d,6H),1.38(s,12H),2.29−2.40(m,2H),3.17(s,3H),7.19−7.23(dd,1H),7.32(d,1H),7.55(d,1H).
Figure 0005319714
ボロン酸エステル置換アルケン(50.7mg)の溶液を、50.3mgのポリマー結合ローズベンガルを含有する10mLのCDODで、氷浴下にて20分間、光酸化した。カプトン光学的遮断フィルターを通して、1000Wのナトリウム・ランプで照射しながら、酸素ガスを溶液に通して泡立たせた。ビーズを濾別し、溶媒を蒸発させ、残渣を−20℃で貯蔵した。
分析値:H NMR(CDCl)δ0.91(d,6H),1.24(d,6H),1.38(s,12H),2.29−2.41(m,2H),3.17(s,3H),7.19−7.23(dd,1H),7.32(d,1H),7.55(d,1H).
Figure 0005319714
ジオキセタン12を、実施例1に記載したものと同様の方法によって調製した。既知の化合物、3−ブロモ−4−クロロ安息香酸を、酸触媒を用いて、2,2,2−トリフルオロエタノールでエステル化し、トリフルオロエチルエステルを調製した。アダマンタノンと、3−ブロモ−4−クロロ安息香酸2,2,2−トリフルオロエチルエステルを、TiClとLiAlHとから調製した試薬を用いて結合させる。ブロモアルケンを、THF中でB(Oi−Pr)およびn−BuLiと反応させ、続いて加水分解することによって、ボロン酸アルケンに転化させる。酸素気流下、メチレンブルー感光剤を用いて、ナトリウム・ランプでの照射により、ボロン酸アルケンを光酸化して、ジオキセン12を得る。
Figure 0005319714
ジオキセタン13を、後述の如く、欧州特許第0779293A1号公報に記載と同様の方法によって、調製する。簡潔に示せば、3−ブロモ安息香酸を、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−プロパンジオールを用いエステル化し、エステル(i)を生成する。アルコール性官能基を、ピリジニウム・クロロクロメート(PCC)を用いて酸化し、(ii)を生成する。TiCl/LiAlHを用いるケトンとエステル基の還元的結合により環状ビニルエーテル(iii)を生成する。前記のように、ボロン酸への転化はホウ酸トリイソプロピルを用い、かつ、続いて加水分解によってなされる。前記のように二重結合は光酸化されて、ジオキセタン13を生成する。
Figure 0005319714
Figure 0005319714
ジオキセタン14は、実施例1に記載したものと同様の方法によって調製する。既知のケトンであるトリシクロ[7.3.2.02,7]トリデセ−2,7−エン−13−オン(米国特許第6,461,876号公報)およびメチル4−クロロ−3−ブロモベンゾエートを、TiClとLiAlHとから調製された試薬を用いて結合させる。THF中、B(Oi−Pr)およびn−BuLiと反応させ、続く加水分解によって、ブロモアルケンを、ボロン酸アルケンに転化する。酸素気流下、メチレンブルー感光剤を用いて、ナトリウム・ランプで照射し、ボロン酸アルケンを光酸化し、ジオキセタン14を得る。
Figure 0005319714
ジオキセタン15は、実施例1に記載されたものと同様の方法によって調製される。既知の化合物、3−ブロモ−4−クロロ安息香酸を、2,2,2−トリフルオロエタノールで、酸触媒を用いてエステル化し、トリフルオロエチルエステルを調製する。アダマンタノンと3−ブロモ−4−クロロ安息香酸2,2,2−トリフルオロエチルエステルを、TiClとLiAlHとから調製した薬剤を用いて結合させる。ブロモアルケンは、THF中でB(Oi−Pr)およびn−BuLiと反応させ、続いて加水分解することにより、ボロン酸アルケンに転化される。メチレンブルー感光剤を用いて酸素気流下、ナトリウムランプで照射し、ボロン酸アルケンを光酸化させ、ジオキセタン15を得る。
22.冷光検出に用いるシグナリング化合物としてのベンゾチアゾールボロン酸誘導体の合成
Figure 0005319714
1.0gの化合物2cと620mgのDL−ペニシラミンとの溶液を、30mLTHFで調製した。これに2.0mLのトリエチルアミン加え、続いて3.0mLの水を添加した。溶液をアルゴンでスパージしながら1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をCHClに入れ、その溶液をMgSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させ、15aのトリエチルアミン塩を得た。CHClに残渣を入れ、遊離酸を遊離させ、溶液を5%のクエン酸水で洗浄し、次いで水洗いして、MgSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させた。化合物15aを1.34mg、収率92%で得た。
分析値:H NMR(CDCl)δ1.379(s,12H),1.581(s,3H),1.910(s,3H),4.970(s,1H),7.957(d,1H),8.140(d,1H),8.432(s,1H).
実施例8のように、ボロン酸エステルを、HCl水溶液で処理して、ボロン酸誘導体15bを生成する。
化合物15a(1.0g)と0.44gのカルボニルジイミダゾール(CDI)を、30mLの無水CHCNに添加した。反応物をアルゴン雰囲気下で1時間攪拌した後、0.5mLのチオフェノールを加えた。一夜、攪拌した後、黄色沈殿を濾過し、CHCNで洗浄し、空気乾燥して、0.86gの15cを生成した(70%)。
分析値:H NMR(CDCl)δ1.383(s,12H),1.577(s,3H),1.845(s,3H),4.939(s,1H),7.451(s,5H),7.962(d,1H),8.152(d,1H),8.440(s,1H).
フェノールとCDIとを用いるエステル化によって、15aのフェニルエステル調製しようとしたが、酸化生成物の代わりに(下記化合物を)生成した。
Figure 0005319714
この化合物は、蛍光のシグナリング化合物として有用である。
分析値:H NMR(CDCl)δ1.383(s,12H),2.482(s,3H),2.539(s,3H),7.954(d,1H),8.116(d,1H),8.420(s,1H).
23.ボロン酸エステル置換ジオキセタンによる過酸化水素検出の感度
pH9.35の0.3Mトリス緩衝液中、0.1mMの実施例21のジオキセタンシグナリング化合物11bと、強化剤を含まないか、または実施例10にある如き1mg/mLのプラス強化剤、TBもしくは3TB/TOとを含有する試薬組成物(90μL)を、1mMから0.1μMの過酸化物を含有する尿素過酸化物溶液10μLと反応させた。3個組のサンプルにつき、化学発光極大値における光強度を測定した。同様に、0.88mMのMgClを含有する、pH9.6の反応緩衝液0.2M221バッファー中、同様のジオキセタンと過酸化物濃度を用いて、感光度の検討を行った。これらの場合、試験の全範囲に亘って、直線的検量線が得られた。
24.その他のホウ素置換ジオキセタンを用いる化学発光の発生
各ジオキセタン10a、10b、11a、12、13、14、15(10−6モル)を、個別の過酸化水素(0.1mM)水溶液100μLに夫々添加した。水酸化ナトリウム溶液(0.1Mの10μL)を注入すると、各溶液から、即時に化学発光が発生した。別法として、過酸化水素と水酸化ナトリウムを、最初に混合し、アルカリ性過酸化物溶液にジオキセタン溶液を注入しても、化学発光を発生する。更に他の別法として、過酸化物溶液を、少なくとも9以上のpHを有する緩衝剤溶液で調製し、ジオキセタン溶液を、アルカリ性緩衝剤の過酸化物溶液に注入しても、化学発光が発生する。
上記に記載した技術内容と実施例は、本発明の説明に寄与するためのものであり、発明をこれに限定するものではない。特定の化合物についての変形や、細目が開示されていないと思われるものとしても、本発明の技術的精神や展望に立脚しているものは、本件発明に属する。本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲によってのみ制限されるものである。

Claims (24)

  1. 下記式I、
    Figure 0005319714
    で表され、ここで、基B(OR)が水酸基(−OH)またはその陰イオン(−O)によって置き換えられた場合、Sigは芳香環またはヘテロ芳香環を含み、更に芳香環またはヘテロ芳香環の基に結合するジオキセタン環を含み、かつ検出可能な特性によって検出され得るものであり、Bはホウ素原子であり、各Rは相互に無関係で、水素原子および低級アルキル基から選択され、かつ、五または六員環、あるいはアリーレン環を形成する直鎖または分枝のアルキレン鎖として相互に結合し得るものであり、式Iで表される化合物そのものは、検出可能な特性を有しないか、あるいは極めて弱い程度にしか有しないものであり、その検出可能な特性が、化学発光であることを特徴とする化合物I。
  2. R基が、双方とも水素原子である請求項1に記載の化合物。
  3. R基が結合して、下記式、
    Figure 0005319714
    から選択される環を形成する請求項1に記載の化合物。
  4. 下記式、
    Figure 0005319714
    で表され、ここで、A〜Aは、1〜20個の炭素原子を有する有機基、任意にN、OおよびS原子から選択されるヘテロ原子を有し得るものであり、Arは芳香環またはヘテロ芳香環の基であり、A〜AおよびArは、非水素原子で置換することができ、RとRとは相互に無関係に3〜20個の炭素原子を有する非環式および環式の有機基から選択され、ヘテロ原子で置換することができ、RとRとは相互に無関係に、水素原子および低級アルキル基から選択され、五または六員環もしくはアリーレン環を形成する直鎖または分枝のアルキレン鎖として相互に結合できる請求項1に記載の化合物。
  5. とA、またはAとAもしくはAとArが結合して環を形成する請求項4に記載の化合物。
  6. ジオキセタンが、下記式、
    Figure 0005319714
    で表され、ここで、Rは、RまたはRと結合し得る1〜20個の炭素原子を有する有機基であり、Rはハロゲン原子、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、カルボニル、カルボキシル、アミノおよびアルキルアミノ基から選択される更なる置換基を有し得る芳香環もしくはヘテロ芳香環の基であり、RとRは相互に無関係に、3〜20個の炭素原子を有する非環式および環式の有機基から選択され、ヘテロ原子で置換することができる請求項1に記載の化合物。
  7. とRとが、ジオキセタン環にスピロ融合し、6〜20個の炭素原子を有し、かつ、更なる非水素原子置換基を含むことができる環式または多環式のアルキル、あるいは環式または多環式のアルケニル基になるように相互に結合している請求項6に記載の化合物。
  8. とRとが相互に結合してアダマンチル基を形成し、該アダマンチル基が、ハロゲン原子、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、カルボニル、カルボキシル、フェニル、置換フェニル、アミノおよびアルキルアミノ基から選択される1個以上の置換基で置換され得る請求項7に記載の化合物。
  9. とRとがいずれも、3〜20個の炭素原子を有する分枝のアルキルまたはシクロアルキル基である請求項6に記載の化合物。
  10. シグナリング化合物が、下記式、
    Figure 0005319714
    で表され、ここで、Yが水素原子、ハロゲン原子、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、カルボニル、カルボキシル、フェニル、置換フェニル、アミノおよびアルキルアミノ基から選択される置換基である化合物である請求項6に記載の化合物。
  11. 下記式、
    Figure 0005319714
    で表される請求項8に記載の化合物。
  12. 下記式、
    Figure 0005319714
    で表される請求項8に記載の化合物。
  13. 下記式、
    Figure 0005319714
    で表される請求項8に記載の化合物。
  14. 下記式、
    Figure 0005319714
    で表される請求項8に記載の化合物。
  15. 下記式、
    Figure 0005319714
    で表される請求項9に記載の化合物。
  16. 下記式、
    Figure 0005319714
    で表される請求項9に記載の化合物。
  17. 下記式、
    Figure 0005319714
    で表される請求項6に記載の化合物。
  18. 下記式、
    Figure 0005319714
    で表される請求項7に記載の化合物。
  19. ジオキセタンが、下記式、
    Figure 0005319714
    で表され、ここで、Rは、RまたはRと結合し得る1〜20個の炭素原子を有する有機基であり、Rはハロゲン原子、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、カルボニル、カルボキシル、アミノおよびアルキルアミノ基から選択される更なる置換基を有し得る芳香環またはヘテロ芳香環の基であり、RとRは、相互に無関係に、3〜20個の炭素原子を有し、かつヘテロ原子で置換され得る非環式および環式の有機基から選択される請求項4に記載の化合物。
  20. 下記式、
    Figure 0005319714
    で表され、基B(OR)(OR)が水酸基(−OH)またはその陰イオン(−O)により置換される際、蛍光、化学発光または生物発光から選択される検出可能特性により検出され得、ここでBはボロン原子であり、RおよびRは相互に無関係に、水素原子および低級アルキル基から選択され、かつ五または六員環もしくはアリーレン環を形成する直鎖または分枝のアルキレン鎖として相互に結合し、R13は相互に無関係にシアノ、イミン、カルボニル、チアゾール、カルボニル置換チアゾールおよびベンゾチアゾール基から選択されるか、あるいは下記式、
    Figure 0005319714
    で表され、ここで、ZはC−C二重結合または三重結合あるいは芳香環、nは1または2であり、化合物自体は検出可能特性を有しないか、あるいは極めて弱い程にしか有しない化合物。
  21. 下記式、
    Figure 0005319714
    で表され、ここでLGは脱離基であり、R10およびR11は水素原子またはC〜Cアルキル基、RおよびRは相互に無関係に、水素原子および低級アルキル基から選択され、かつ、五または六員環もしくはアリーレン環を形成する直鎖または分枝のアルキレン鎖として相互に結合することができる請求項20に記載の化合物。
  22. 下記式、
    Figure 0005319714
    から選択される請求項20に記載の化合物。
  23. 脱離基がOH、OR12、SR12およびO−AMP基から選択され、R12が無置換アルキルまたはアリール基の置換基、AMPがアデノシンモノホスフェートである請求項21に記載の化合物。
  24. 下記式、
    Figure 0005319714
    から選択される請求項21に記載の化合物。
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