JP3852140B2 - 1,2−ジオキセタン誘導体 - Google Patents
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- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D321/00—Heterocyclic compounds containing rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by groups C07D317/00 - C07D319/00
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般式(I)
【化2】
(式中、R1 は水素原子、メチル基又はフェニル基である。)で表される1,2−ジオキセタン誘導体に関する。本発明の1,2−ジオキセタン誘導体は化学発光基質として免疫測定等に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、1,2−ジオキセタン誘導体は種々合成されており、特公平5−21918号公報明細書及び特公平5−45590号公報明細書に記載されている3位にスピロアダマンチル基が結合した化合物並びに特開平8−165287号公報明細書及び特開平8−169885号公報明細書に記載されている化合物は化学発光基質として有用であることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような従来化合物は、非プロトン性溶媒中では高い発光効率を示すが、水ないしはプロトン性溶媒中においてその発光効率は極端に低いものとなってしまう。発光は励起状態のアニオンが基底状態に落ちる時に起きるが、水ないしはプロトン性溶媒中では前記励起状態のアニオンが水素結合、双極子−双極子相互作用等の溶媒による様々な影響を受け、励起状態から無輻射的に失活して発光効率が著しく低下する。
【0004】
従来の化合物を水ないしはプロトン性溶媒中で発光させた場合、前記した通り発光効率が極端に低下する。よって、従来化合物を、例えば臨床検査の分野において、免疫測定に採用しても測定条件がプロトン性媒体中であるため、実用に耐えうる程の強度を出すことが出来ない。そのため、測定時に発光を増強させる化合物(以下、エンハンサーと称する。)を共存させなければならなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、従来の化合物の持つ欠点を克服すべく鋭意検討した結果、前記一般式(I) で表される1,2−ジオキセタン誘導体を見出し本発明を完成したものである。本発明の1,2−ジオキセタン誘導体は、前記欠点であるプロトン性溶媒による影響を、特定の置換基を導入することによって大幅に減らした化合物であり、その結果水ないしはプロトン性溶媒中においてもエンハンサーを用いることなく、高い発光効率を示すことができる化合物である。
【0006】
本発明の前記一般式(I) で表される1,2−ジオキセタン誘導体は以下の反応式に従い製造することができる。
【化3】
(式中、R12はメチル基又はフェニル基である。本発明の前記一般式(I)で表される化合物は上記構造式(VII)及び上記一般式(XI)で表される化合物を合わせたものである。)
【0007】
(第1工程)
本工程は、リチウム化合物の存在下、前記構造式 (II) で表されるエステルと前記構造式(III) で表されるケトンとをマクマリー反応に付すことにより得られた前記構造式 (IV) で表される化合物を一般式(XII)
【化4】
(式中、R2 及びR3 はアルキル基又はアリール基である。)で表される化合物と反応させ、前記構造式(V) で表される化合物を製造するものである。
【0008】
本工程に用いることができるリチウム化合物としては、メチルリチウム、ブチルリチウム等のアルキルリチウム、金属リチウム等を例示することができる。
【0009】
反応を行うにあたっては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類を溶媒として用いることができる。
反応は−80℃〜0℃の範囲を選択することにより効率良く進行するものである。
【0010】
(第2工程)
本工程は、リチウム化合物の存在下、前記構造式 (IV) で表される化合物を一般式(XIII)
【化5】
(式中、R4 はメチル基又はフェニル基である。) で表される化合物と反応させ、一般式(VIII)で表される化合物を製造するものである。
【0011】
本工程に用いることができるリチウム化合物としては、メチルリチウム、ブチルリチウム等のアルキルリチウム、金属リチウム等を例示することができる。
【0012】
反応を行うにあたっては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類を溶媒として用いることができる。
反応は−80℃〜0℃の範囲を選択することにより効率良く進行するものである。
【0013】
(第3工程)
本工程は、酸化剤を用いて前記一般式(VIII)で表される化合物のヒドロキシル基を酸化し、前記一般式(IX)で表される化合物を製造するものである。
【0014】
本工程に用いることのできる酸化剤としては、二酸化マンガン、ピリジン三酸化硫黄を例示することができる。
【0015】
反応を行うにあたって、酸化剤として二酸化マンガンを用いたときには、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、ヘキサン等を溶媒として用いることができ、ピリジン三酸化硫黄を用いたときには、ジメチルスルホキシドを溶媒とすることができる。
【0016】
(第4工程)
本工程は、前記構造式 (V)又は前記一般式(IX)で表される化合物の脱保護反応を行い、前記構造式(VI)又は前記一般式 (X)で表される化合物を製造するものである。
【0017】
脱保護反応は、塩化リチウム、塩化ナトリウム等のハロゲン化アルカリ金属を用いて行うものである。
反応は、中性〜塩基性条件で行うことが好ましい。
【0018】
反応を行うにあたっては、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性有機溶媒を用いることができる。
反応は100℃〜180℃の範囲を選択することにより効率良く進行するものであり、溶媒の還流下に行うことが操作及び反応性の観点から好ましい。
【0019】
(第5工程)
本工程は、前記構造式(VI)又は前記一般式(X) で表される化合物を一重項酸素と反応させることにより、前記構造式(VII)又は前記一般式(XI)で表される化合物を製造するものである。
【0020】
本工程における一重項酸素との反応は、酸素雰囲気下、可視光照射を行うことにより達成されるものである。さらに、光増感剤を共存させることが反応を効率良く進行させる上で好ましい。
【0021】
本工程に用いることのできる光増感剤としては、メチレンブルー、ローズベンガル、テトラフェニルポルフィリン等を例示することができる。
【0022】
反応を行うにあたっては、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール等のアルコール等を溶媒として用いることができる。
また、反応は−80〜0℃の範囲を選択することにより効率良く進行するものである。
【0023】
【実施例】
以下、実施例及び参考例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0024】
(参考例1)
【化6】
三方コック及び風船を付けた冷却管と50mLの滴下漏斗を備えた500mLの三ッ口ナスフラスコを十分に乾燥させ三塩化チタン(4.8g,31mmol)をテトラヒドロフラン(80mL)に窒素雰囲気下加え、室温で約10分間攪拌した。次に水素化リチウムアルミニウム(0.61g,16.1mmol)を氷冷下加え、水素の発生がおさまった後約10分間攪拌し、その後トリエチルアミン(2.1mL,15mmol)を加えた。混合物を約15分間還流し、その還流下、テトラヒドロフラン(25mL)に溶解させた2−アダマンタノン(1.21g,8.0mmol)と4−ブロモ−3−メトキシ安息香酸メチル(990mg,4.0mmol)を20分かけて滴下させ、さらに還流を3時間行った。反応混合物を放冷後、蒸留水(300mL)を加え、酢酸エチル(200mL)により抽出した。有機層を蒸留水(200mL×2)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した後、残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=50:1)にかけ精製したところ無色油状物として1,1−(ビシクロ[3.3.1]ノナン−3,7−ジイル)−2−(5−ブロモ−3−メトキシフェニル)−2−メトキシエテン(化合物〔3〕)(1.23g,3.39mmol)を収率84.7%で得た。
【0025】
1HNMR(400MHz,CDCl3 );δ1.61〜2.17(m,12H),2.63(mp,1H,α−methyne),3.24(mp,1H,α−methyne) ,3.30(s,3H,OMe),3.89(s,3H,ArOMe),6.76〜7,49(m,3H,ArH)ppm
IR(KBr);2923,2847,1569,1457,1395,1247,1206,1095,1048,1026,866,822,795,764 cm-1
【0026】
(参考例2)
【化7】
減圧用連結管、三方コック及び風船を備えた25mLのナスフラスコに参考例1で合成した化合物〔3〕(1.48g,4.08mmol)を窒素雰囲気下でテトラヒドロフラン(4.5mL)に溶解させた。この混合物を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,3.30mL,5.29mmol)を加え、約5分間攪拌した後N−メチルホルムアニリド(0.77mL,6.25mmol)を加え、そのまま90分間攪拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム(100mL)に投じ酢酸エチル(100mL)で抽出、有機層を飽和塩化アンモニウム(50mL×2)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。得られた淡黄色油状物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)にかけ精製したところ、白色結晶として1,1−(ビシクロ[3.3.1]ノナン−3,7−ジイル)−2−(4−ホルミル−3−メトキシフェニル)−2−メトキシエチレン(化合物〔4〕)(1.08g,3.46mmol)を収率84.8%で得た。
【0027】
1HNMR(400MHz,CDCl3 );δ1.61〜1.99(m,12H),2.70(mp,1H,α−methyne),3.27(mp,1H,α−methyne),3.33(s,3H,OMe),3.93(s,3H,ArOMe),6.96〜6.98(mp,2H,ArH),7.78〜7.81(d,1H,J=7.82Hz,ArH),10.44(s,1H,formyl)ppm
IR(KBr);2907,2846,1676,1604,1459,1407,1288,1247,1206,1094,872,814 cm-1m.p.;92.5〜94.7℃
【0028】
(参考例3)
【化8】
三方コック及び冷却管を備えた10mL二口ナスフラスコに参考例2で合成した化合物〔4〕(180mg,0.58mmol)をジメチルホルムアミド(3mL)に溶解させ、さらに塩化リチウム(147mg,3.46mmol)を加え170〜180℃で7時間還流させた。系中に飽和塩化ナトリウム(50mL)を加え酢酸エチル(50mL)で抽出、有機層を飽和塩化ナトリウム(50mL×2)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。その後シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:1)により、白色結晶として1,1−(ビシクロ[3.3.1]ノナン−3,7−ジイル)−2−(4−ホルミル−3−ヒドロキシフェニル)−2−メトキシエチレン(化合物〔5〕)(136mg,0.41mmol)を収率79.0%で得た。
【0029】
1HNMR(400MHz,CDCl3 );δ1.76〜1.98(m,12H),2.72(mp,1H,α−methyne),3.26(mp,1H,α−methyne),3.32(s,3H,OMe),6.94〜7.02(m,2H,ArH),7.52〜7.54(d,1H,J=8.30Hz,ArH),9.87(s,1H,formyl),11.06(s,1H,OH)ppm
IR(KBr);2918,2846,1659,1624,1559,1448,1320,1227,1199,1173,1079,936,878,818,733 cm-1
m.p.;89.2〜90.1℃
【0030】
(実施例1)
【化9】
参考例3で合成した化合物〔5〕(86mg,0.29mmol)をジクロロメタン(5mL)中に溶解させ、さらにテトラフェニルポルフィリン(2mg)を増感剤として加え酸素雰囲気下に溶解させた。これを0℃でナトリウムランプ(940W)を外部照射しながら1時間攪拌した。その後、反応混合物を濃縮し、分取TLC(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製したところ、白色結晶として3,3−(ビシクロ[3.3.1]ノナン−3,7−ジイル)−4−(4−ホルミル−3−ヒドロキシフェニル)−4−メトキシ−1,2−ジオキセタン(化合物〔6〕)(37mg,0.11mmol)を収率38.6%で得た。
【0031】
1HNMR(400MHz,CDCl3 );δ1.03〜1.87(m,12H),2.15(mp,1H,α−methyne),3.04(mp,1H,α−methyne),3.23(s,3H,OMe),7.26〜7.66(m,3H,ArH),9.96(s,1H,formyl),11.05(s,1H,OH)ppm
IR(KBr);3650,3629,3447,2917,2858,1662,1289,1101,902,464 cm-1
m.p.;>250℃
【0032】
(参考例4)
【化10】
減圧用連結管と三方コック、及び風船を付けた10mLのナスフラスコに参考例1で合成した化合物〔3〕(286mg,0.79mmol)を窒素雰囲気下でテトラヒドロフラン(2.5mL)に溶解させた。この混合物を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,0.59mL,0.95mmol)を加え、約10分間攪拌した後、アセトアルデヒドを大過剰加え、そのまま1時間攪拌した。その後、系中に飽和塩化アンモニウム(100mL)を加え酢酸エチル(80mL)で抽出、有機層を飽和塩化アンモニウム(50mL×2)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。得られた淡黄色油状物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にかけ精製したところ、無色油状物として1,1−(ビシクロ[3.3.1]ノナン−3,7−ジイル)−2−(4−(1−ヒドロキシエチル)−3−メトキシフェニル)−2−メトキシエチレン(化合物〔7〕)(108mg,0.34mmol)を収率42.7%で得た。
【0033】
1HNMR(400MHz,CDCl3 );δ1.52〜1.54(d,3H,J=6.83Hz,Me),1.75〜1.98(m,12H),2.66(mp,1H,α−methyne),2.71〜2.72(d,1H,J=4.88Hz,OH),3.25(mp,1H,α−methyne),3.30(s,3H,OMe),3.86(s,3H,ArOMe),5.06〜5.11(pent,1H,J=6.02Hz,methyne),6.87〜6.90(m,2H,ArH),7.26〜7.29(m,1H,ArH)ppm
IR(KBr);3420,2906,2846,1654,1608,1570,1498,1458,1404,1241,1205,1165,1080,866,835,796 cm-1
【0034】
(参考例5)
【化11】
50mLのナスフラスコに参考例4で合成した化合物〔7〕(108mg,0.34mmol)をベンゼン(5mL)に溶解させ、さらに二酸化マンガン(1.03mg,11.85mmol)を加え、室温で6時間攪拌させた。TLCで反応進行を確認後、二酸化マンガンをセライトろ過により取り除き、濃縮後シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)により、白色結晶として2−(4−アセチル−3−メトキシフェニル)−1,1−(ビシクロ[3.3.1]ノナン−3,7−ジイル)−2−メトキシエチレン(化合物〔8〕)(65mg,0.20mmol)を収率59.0%で得た。
【0035】
1HNMR(400MHz,CDCl3 );δ1.77〜1.98(m,12H),2.63(s,3H,AcMe),2.69(mp,1H,α−methyne),3.26(mp,1H,α−methyne),3.32(s,3H,OMe),3.91(s,3H,ArOMe),6.92〜6.95(m,2H,ArH),7.71〜7.73(d,1H,J=7.82Hz,ArH)ppm
IR(KBr);3448,2906,2845,1671,1600,1404,1292,1241,1207,1178,1097 cm-1
m.p.;83.5〜84.2℃
【0036】
(参考例6)
【化12】
三方コック及び冷却管を備えた10mL二口ナスフラスコに参考例5で合成した化合物〔8〕(240mg,0.74mmol)をジメチルホルムアミド(5mL)に溶解させ、さらに塩化リチウム(231mg,5.45mmol)を加え170〜180℃で20時間還流させた。系中に飽和塩化アンモニウム(100mL)を加え酢酸エチル(100mL)で抽出、有機層を飽和塩化アンモニウム(50mL×2)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。その後シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン:エーテル=10:1:1)により、淡黄色結晶として2−(4−アセチル−3−ヒドロキシフェニル)−1,1−(ビシクロ[3.3.1]ノナン−3,7−ジイル)−2−メトキシエチレン(化合物〔9〕)(186mg,0.60mmol)を収率81.2%で得た。
【0037】
1HNMR(400MHz,CDCl3 );δ1.76〜1.99(m,12H),2.64(s,3H,acetyl),2.67(mp,1H,α- methyne),3.25(mp,1H,α−methyne),3.32(s,3H,OMe),6.89〜6.93(m,2H,ArH),7.71〜7.73(d,1H,J=8.30Hz,ArH),11.05(s,1H,OH)ppm
IR(KBr);3448,2915,2847,1638,1560,1374,1322,1228,1210,1097,1079,794 cm-1
m.p.;82.1〜83.5℃
【0038】
(実施例2)
【化13】
参考例6で合成した化合物〔9〕(136mg,0.44mmol)をジクロロメタン(8mL)中に溶解させ、さらにテトラフェニルポルフィリン(3mg)を増感剤として加え酸素雰囲気下に溶解させた。これを−78℃でナトリウムランプ(940W)を外部照射しながら90分間攪拌した。その後、反応混合物を濃縮し、再結晶(酢酸エチル:メタノール)で精製したところ、白色結晶として4−(4−アセチル−3−ヒドロキシフェニル)−3,3−(ビシクロ[3.3.1]ノナン−3,7−ジイル)−4−メトキシ−1,2−ジオキセタン(化合物〔10〕)(125m.3mg,0.36mmol)を収率83.4%で得た。
【0039】
1HNMR(400MHz,CDCl3 );δ1.05〜1.89(m,12H),2.18(mp,1H,α−metyne),2.68(s,3H,acetyl),3.03(mp,1H,α−metyne),3.23(s,3H,OMe),7.16〜7.82(m,3H,ArH),12.28(s,1H,OH)ppm
IR(KBr);3448,2919,2860,1648,1371,1321,1299,1176,1097,1070,1011,954 cm-1
Mass(m/z,%);344(M+ ,trace),312(24),278(4),194(60),179(100)
m.p.;104.2〜106.1℃
【0040】
(参考例7)
【化14】
減圧用連結管と三方コック、及び風船を付けた25mLのナスフラスコに参考例1で合成した化合物〔3〕(1.52g,4.19mmol)を窒素雰囲気下でテトラヒドロフラン(4.5mL)に溶解させた。この混合物を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,3.30mL,5.29mmol)を加え、約5分間攪拌した後、ベンズアルデヒド(0.73mL,6.61mmol)を加え、そのまま90分間攪拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム(100mL)に投じ酢酸エチル(100mL)で抽出、有機層を飽和塩化アンモニウム(50mL×2)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。得られた淡黄色油状物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)にかけ精製したところ、白色結晶として1,1−(ビシクロ[3.3.1]ノナン−3,7−ジイル)−2−(4−(1−ヒドロキシベンジル)−3−メトキシフェニル)−2−メトキシエチレン(化合物〔11〕(1.38g,3.69mmol)を収率88.1%で得た。
【0041】
1HNMR(400MHz,CDCl3 );δ1.77〜1.97(m,12H),2.65(mp,1H,α−metyne),3.02〜3.03(d,1H,J=5.37Hz,OH),3.24(mp,1H,α−metyne),3.30(s,3H,OMe),3.83(s,3H,ArOMe),6.06〜6.08(d,1H,J=4.88Hz,metyne),6.87〜7.44(m,8H,ArH)ppm
IR(KBr);3444,2923,1607,1570,1496,1457,1403,1244,1094,1041,874,735,699cm-1
【0042】
(参考例8)
【化15】
50mLのナスフラスコに参考例7で合成した化合物〔11〕(1.24g,3.32mmol)をヘキサン(12mL)に溶解させ、さらに二酸化マンガン(13.67g,0.157mmol)を加え、室温で26時間攪拌させた。二酸化マンガンをセライトろ過により取り除き、濃縮後シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)により、淡黄色油状物として4−[2,2−(ビシクロ[3.3.1]ノナン−3,7−ジイル)−1−メトキシエテニル]−2−メトキシベンゾフェノン(化合物〔12〕)(1.06g,2.85mmol)を収率85.8%で得た。
【0043】
1HNMR(400MHz,CDCl3 );δ1.80〜2.05(m,12H),2.75(mp,1H,α−methyne),3.29(mp,1H,α−methyne),3.36(s,3H,OMe),3.73(s,3H,ArOMe),6.97〜7.86(m,7H,ArH)ppm
IR(KBr);3448,2910,2847,1659,1604,1560,1450,1401,1319,1288,1244,1205,1151,1092,1079,1036,930,868,715 cm-1
m.p.;93.8〜95.1℃
【0044】
(参考例9)
【化16】
三方コック及び冷却管を備えた30mL二口ナスフラスコに参考例8で合成した化合物〔12〕(986mg,2.66mmol)をジメチルホルムアミド(10mL)に溶解させ、さらに塩化リチウム(699mg,16.49mmol)を加え170〜180℃で23時間還流させた。系中に飽和塩化アンモニウム(100mL)を加え酢酸エチル(100mL)で抽出、有機層を飽和塩化アンモニウム(50mL×2)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。その後シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)により、白色結晶として4−[2,2−(ビシクロ[3.3.1]ノナン−3,7−ジイル)−1−メトキシエテニル]−2−ヒドロキシベンゾフェノン(化合物〔13〕)(786mg,2.15mmol)を収率80.9%で得た。
【0045】
1HNMR(400MHz,CDCl3 );δ1.83〜1.99(m,12H),2.78(mp,1H,α−methyne),3.26(mp,1H,α−methyne),3.35(s,3H,OMe),6.85〜7.741(m,8H,ArH),12.16(s,1H,OH)ppm
IR(KBr);3447,2918,2846,1625,1607,1574,1559,1446,1335,1285,1267,1239,1088,945,705 cm-1
m.p.;87.2〜87.7℃
【0046】
(実施例3)
【化17】
参考例9で合成した化合物〔13〕(97mg,0.27mmol)をジクロロメタン(3mL)中に溶解させ、さらにテトラフェニルポルフィリン(1.5mg)を増感剤として加え酸素雰囲気下に溶解させた。これを−78℃でナトリウムランプ(940W)を外部照射しながら1時間攪拌した。その後、反応混合物を濃縮し、さらにTLC板分取(ヘキサン:ジクロロメタン=5:8)で精製したところ、淡黄色油状物として4−[4,4−(ビシクロ[3.3.1]ノナン−3,7−ジイル]−3−メトキシ−1,2−ジオキセタン−3−イル]−2−ヒドロキシベンゾフェノン(化合物〔14〕)(59mg,0.15mmol)を収率54.2%で得た。
【0047】
1HNMR(400MHz,CDCl3 );δ1.10〜1.91(m,12H),2.21(mp,1H,α−methyne),3.04(mp,1H,α−methyne),3.25(s,3H,OMe),about7.00〜7.71(brm,3H,ArH),12.01(s,1H,OH)ppm
IR(KBr);3448,2917,2857,1631,1577,1334,1300,1268,1245,1206,1175,1092,1071,942,926,709 cm-1
【0048】
(試験例1)
実施例2で得られた4−(4−アセチル−3−ヒドロキシフェニル)−3,3−(ビシクロ[3.3.1]ノナン−3,7−ジイル)−4−メトキシ−1,2−ジオキセタン(化合物〔9〕)の2.94×10-3M ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液1mLを、テトラブチルアンモニウムフルオライドの1.5×10-1M DMSO溶液2mLに25℃で加え、このときの発光を蛍光分析計で測定した。この結果を表1に示す。
【0049】
(試験例2)
実施例2で得られた4−(4−アセチル−3−ヒドロキシフェニル)−3,3−(ビシクロ[3.3.1]ノナン−3,7−ジイル)−4−メトキシ−1,2−ジオキセタン(化合物〔9〕)の3.12×10-3M メタノール溶液1mLを、水酸化セシウムの1.5×10-1M メタノール溶液2mLに25℃で加え、それらの発光を試験例1と同様に測定した。また、水酸化セシウムの1.5×10-1M メタノール溶液の代わりに水酸化セシウムを同濃度で含むメタノールと水の混合溶液(水の割合がそれぞれ50%及び97%の溶液)についても同様の操作を行い、測定を行った。これらの結果を表1に示す。
【0050】
(試験例3)
比較として3,3−(ビシクロ[3.3.1]ノナン−3,7−ジイル)−4−(3−ヒドロキシフェニル)−4−メトキシ−1,2−ジオキセタンについても試験例1及び試験例2と同様に測定を行った。その結果を表2に示す。
【0051】
【表1】
4−(4−アセチル−3−ヒドロキシフェニル)−3,3−(ビシクロ[3.3.1]ノナン−3,7−ジイル)−4−メトキシ−1,2−ジオキセタン(化合物〔9〕)の発光特性
【0052】
【表2】
3,3−(ビシクロ[3.3.1]ノナン−3,7−ジイル)−4−(3−ヒドロキシフェニル)−4−メトキシ−1,2−ジオキセタンの発光特性
【0053】
【発明の効果】
本発明の1,2−ジオキセタン誘導体(I) は、水ないしはプロトン性溶媒においてエンハンサーを用いることなく発光効率の高い安定な光を得ることができる。使用する場合には、エンハンサー自体及びエンハンサーを加える操作等を省くことができるため費用、時間等の節約をする事ができる。
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