JP5300114B2 - 育苗箱 - Google Patents

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Description

本発明は、水稲又は園芸作物等の農作物に用いられる改善された育苗箱に関する。
現在、農薬製剤としては、粒剤、粉剤、乳剤、水和剤、フロアブル剤、粒状水和剤等が広く知られている。また近年は、農薬散布の省力化、減農薬が叫ばれており、また散布者への暴露量低減を考慮した製剤が求められている。
このような状況下、育苗箱での農薬処理が進展してきており、育苗箱に農薬を施用する処理としては、水和剤やフロアブルや乳剤等についてはそのまま又はその希釈液を散布し、また粒剤や粉剤等についてはそのまま散布することが行われている。
また、粒剤については、残効性付与のための農薬活性成分の徐放化が種々試みられているが、農薬活性成分が徐々に放出されるため、所期の薬効を得るためには、製剤中の農薬活性成分の配合量を多量にせざるを得なかった。一方、水和剤やフロアブルや乳剤等については、残効性が短く、薬害を生じやすく、作業者への農薬暴露の危険性も懸念される。そこで、農薬活性成分をアセトン、メタノール等の溶剤に溶解し、水溶性紙に含浸させ、これで育苗箱を処理する方法が提案されているが(特開昭64−19002号公報)、これは紙様物の敷設等の煩雑な作業を要するし、また溶剤が揮発しやすく使用時に十分な薬効が得られにくいなどの問題がある。
発明が解決しようとする課題
本発明は、このような事情の下、農薬処理において、少量の農薬活性成分で薬効を十分に奏させるとともに、安定した薬効を長期間持続させ、薬害を生じさせず、作業者への農薬暴露のおそれをなくした育苗箱を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
本発明者らは、前記課題について鋭意研究を重ねた結果、育苗箱において、その収容土壌を、農薬活性成分の特定溶剤での液状物を担持した粒状体を施用したものとするのが前記課題解決に資することを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
(1)農薬活性成分をホルムアミド、N‐メチルホルムアミド、N,N‐ジメチルホル
ムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、N,N‐ジエチルアセトアミド、ジメチルス
ルホキシド及び1,4‐ブタンスルトンの中より選ばれた少なくとも1種或いはそれを主
とする溶剤に溶解又は懸濁させた液状物を、珪砂、珪石、軽石、炭酸カルシウム、ベント
ナイト、タルク、珪藻土、アタパルジャイト、石膏又は陶石を破砕し、篩分けして得られ
る、粒径が0.1〜10mmの粒状物に担持した粒状体(但し、ゼオライトを含まない)
を施用した土壌を収容してなり、かつ、前記粒状体の施用量が土壌1m当り60〜60
0gの範囲にあることを特徴とする育苗箱、及び
(2)農薬活性成分をホルムアミド、N‐メチルホルムアミド、N,N‐ジメチルホルム
アミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、N,N‐ジエチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド及び1,4‐ブタンスルトンの中より選ばれた少なくとも1種或いはそれを主と
する溶剤に溶解又は懸濁させた液状物を、粉末状のクレー類、炭酸カルシウム、ベントナ
イト、タルク又は珪藻土を、CMC、PVA、アルファー化デンプン、デキストリン又は
キサンタンガムを結合剤とし、造粒して得られる、粒径が0.1〜10mmの粒状物に担
持した粒状体(但し、ゼオライトを含まない)を施用した土壌を収容してなり、かつ、前
記粒状体の施用量が土壌1m当り60〜600gの範囲にあることを特徴とする育苗箱

を提供するものである。
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい態様としては、
(3)農薬活性成分が、殺菌剤、殺虫剤及び植物成長調節剤の中より選ばれた少なくと
も1種のものである前記(1)又は(2)記載の育苗箱、
(4)農薬活性成分が難水溶性のものである前記(1)〜(3)のいずれか記載の育苗
箱、
(5)溶剤としてさらにラクトンを含有する前記(1)〜(4)のいずれかに記載の育
苗箱、
(6)溶剤としてさらにエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリン及びこれら各多価アルコールのエーテルの
中より選ばれた少なくとも1種を含有する前記(1)〜(4)のいずれかに記載の育苗箱

(7)粒状体の施用量が土壌1m当り120〜360gの範囲にある前記(1)〜(
6)のいずれかに記載の育苗箱、
が挙げられる。
本発明に用いられる農薬活性成分は、常温で固体あるいは液体のもの、また、水溶性あるいは難水溶性のものなど特に限定されないが、特に、N,N‐ジメチルアセトアミド、N,N‐ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドの中より選ばれた少なくとも1種の溶剤に溶解するもの、中でもさらに難水溶性のものが好適である。
農薬活性成分を例示すると、殺菌剤としては、3´‐イソプロポキシ‐2‐メチルベンズアニリド(メプロニル)、α,α,α‐トリフルオロ‐3´‐イソプロポキシ‐O‐トルアニリドフルトラニル、3,4,5,6‐テトラクロロ‐N‐(2,3‐ジクロロフェニル)フタルアミド酸(テクロフタラム)、1‐(4‐クロロベンジル)‐1‐シクロペンチル‐3‐フェニル尿素(ペンシクロン)、6‐(3,5‐ジクロロ‐4‐メチルフェニル)‐3(2H)‐ピリダジノン(ジクロメジン)、メチル=N‐(2‐メトキシアセチル)‐N‐(2,6‐キシリル)‐DL‐アラニナート(メタラキシル)、(E)‐4‐クロロ‐α,α,α‐トリフルオロ‐N‐(1‐イミダゾール‐1‐イル‐2‐プロポキシエチリデン)‐o‐トルイジン(トリフルミゾール)、〔5‐アミノ‐2‐メチル‐6‐(2,3,4,5,6‐ペンタヒドロキシシクロヘキシロキシ)テトラヒドロピラン‐3‐イル〕アミノ‐α‐イミノ酢酸(カスガマイシン)、バリダマイシン、3‐アリルオキシ‐1,2‐ベンゾイソチアゾール‐1,1‐ジオキシド(プロベナゾール)、ジイソプロピル‐1,3‐ジチオラン‐2‐イリデン‐マロナート(イソプロチオラン)、5‐メチル‐1,2,4‐トリアゾロ[3,4‐b]ベンゾチアゾール(トリシクラゾール)、1,2,5,6‐テトラヒドロピロロ[3,2,1‐ij]キノリン‐4‐オン(ピロキロン)、5‐エチル‐5,8‐ジヒドロ‐8‐オキソ[1,3]ジオキソロ[4,5‐g]キノリン‐7‐カルボン酸(オキソリニック酸)、(Z)‐2´‐メチルアセトフェノン=4,6‐ジメチルピリミジン‐2‐イルヒドラゾン‐4,5,6,7‐テトラクロロフタリド(フェリムゾン)、3‐(3,5‐ジクロロフェニル)‐N‐イソプロピル‐2,4‐ジオキソイミダゾリジン‐1‐カルボキサミド(イプロジオン)、1,4‐ビス‐(2,2,2‐トリクロル‐1‐ホルムアミドエチル)‐ピペラジン(トリホリン)などが、又、殺虫剤としては、2,3‐ジヒドロ‐2,2‐ジメチル‐7‐ベンゾ[b]フラニル=N‐ジブチルアミノチオ‐N‐メチルカルバマート(カルボスルファン)、エチル=N‐[2,3‐ジヒドロ‐2,2‐ジメチルベンゾフラン‐7‐イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ]‐N‐イソプロピル‐β‐アラニナート(ベンフラカルブ)、(RS)‐α‐シアノ‐3‐フェノキシベンジル=(RS)‐2,2‐ジクロロ‐1‐(4‐エトキシフェニル)シクロプロパンカルボキシラート(シクロプロトリン)、1‐ナフチル‐N‐メチルカルバマート(NAC)、O,O‐ジエチル‐O‐(3‐オキソ‐2‐フェニル‐2H‐ピリダジン‐6‐イル)ホスホロチオエート(ピリダフェンチオン)、O,O‐ジメチル‐O‐3,5,6‐トリクロロ‐2‐ピリジルホスホロチオエート(クロルピリホスメチル)、O,O‐ジメチル‐S‐(N‐メチルカルバモイルメチル)ジチオホスフェート(ジメトエート)、O,S‐ジメチル‐N‐アセチルホスホロアミドチオエート(アセフェート)、エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネート(EPN)、1,3‐ビス(カルバモイルチオ)‐2‐(N,N‐ジメチルアミノ)プロパン塩酸塩(カルタップ)、5‐ジメチルアミノ‐1,2,3‐トリチアンシュウ酸塩(チオシクラム)、S,S´‐2‐ジメチルアミノトリメチレン=ジ(ベンゼンチオスルホナート)(ベンスルタップ)‐2‐tert‐ブチルイミノ‐3‐イソプロピル‐5‐フェニル‐1,3,5,6‐テトラヒドロ‐2H‐1,3,5‐チアジアジン‐4‐オン(ブプロフェジン)、1,1´‐イミニオジ(オクタメチレン)ジグアニジニウム=トリアセタート(グアザチン)、(RS)‐α‐シアノ‐3‐フェノキシベンジル=(S)‐2‐(4‐ジフルオロメトキシフェニル)‐3‐メチルブチラート(フルシトリネート)、ジメチルエチルスルフィニルイソプロピルチオホスフェート(ESP)などが、また、植物成長調節剤としては、4´‐クロロ‐2´‐(α‐ヒドロキシベンジル)イソニコチンアニリド(イナベンフィド)、(2RS,3RS)‐1‐(4‐クロロフェニル)‐4,4‐ジメチル‐2‐(1H‐1,2,4‐トリアゾール‐1‐イル)ペンタン‐3‐オール(パクロブトラゾール)、(E)‐(S)‐1‐(4‐クロロフェニル)‐4,4‐ジメチル‐2‐(1H‐1,2,4‐トリアゾール‐1‐イル)ペンタ‐1‐エン‐3‐オール(ウニコナゾール)、6‐(N‐ベンジルアミノ)プリン(ベンジルアミノプリン)などがそれぞれ挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの農薬活性成分は単独で用いてもよいし、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、農薬活性成分を溶液や懸濁液等として液状とするのに用いられる溶剤は、ホルムアミド、N‐メチルホルムアミド、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、N,N‐ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド又は1,4‐ブタンスルトンを必須とし、しかも必須溶剤のみからなるか、或いは必須溶剤を主とする、好ましくは60質量%以上、中でも80質量%以上含むものである。これらの必須溶剤は単独で用いてもよいし、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。必須溶剤の中でもN,N‐ジメチルアセトアミド、N,N‐ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが好ましい。
また、上記溶剤として必須溶剤に加えさらにラクトンを含有するものや、このもの又は必須溶剤に加えエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン又はこれら各多価アルコールのエーテル、例えばエチレングリコールやジエチレングリコールのモノ‐メチル又はエチルエーテルなどを含有するものも用いられる。溶剤にラクトンを含有させることにより、常温固体の農薬活性成分を含有させても経時固結性を軽減防止して保存安定性を高めることができる。ラクトンとしては、例えばγ‐ブチロラクトン、δ‐バレロラクトン、ε‐カプロラクトン、γ‐バレロラクトン等が挙げられ、中でもγ‐ブチロラクトンが経時固結性の軽減防止や保存安定性向上の効果に優れるので好ましい。
本発明において、土壌に施用される粒状体は、前記農薬活性成分の液状物、例えば溶液や懸濁液等を担持したものであって、その粒径は好適には0.1〜10mmの範囲で選ばれる。通常、該液状物は担体、中でも、無機担体、特に鉱物担体に担持させるのがよい。
この担体の例としては、珪砂や、珪石、軽石、炭酸カルシウム、ベントナイト、タルク、珪藻土、ゼオライト、アタパルジャイト、石膏、陶石等を破砕し、篩分けして得られる粒状物や、粉末状のクレー類、炭酸カルシウム、ベントナイト、タルク、珪藻土等を、CMC、PVA、アルファー化デンプン、デキストリン、キサンタンガム等を結合剤とし、造粒して得られる粒状物などが挙げられる。
これらの担体のうち、珪砂、炭酸カルシウム、タルク、陶石等の吸油性を有しない担体すなわち非吸油性担体の場合は、前記農薬活性成分の溶液や懸濁液と担体を混合し、担体の表面を濡らし、次いでこれに、ホワイトカーボン、珪藻土等の吸油性を有する微粉末を添加し、混合することで担体に担持させることができる。吸油性を有する微粉末の配合量は、粒状体における農薬活性成分の溶液や懸濁液の量等により異なるが、通常、当該液量の1/5〜2倍の範囲で選ばれる。
また、軽石、ベントナイト、珪藻土、ゼオライト、アタパルジャイト、石膏、及び造粒して得られた担体等の吸油性を有する担体すなわち吸油性担体の場合は、農薬活性成分の溶液や懸濁液と担体を均一に混合することで担体に担持させることができる。
本発明の育苗箱は、前記粒状体を施用した土壌が育苗箱に収容されてなるものである。施用は好適には散布や混和を意味する。散布は、移植前、中でも特に移植数日前ないし当日に行ったものがよく、混和は、播種直前に床土や覆土に対し行ったものがよい。育苗箱としては、例えば移植水稲の育苗箱や、畑作物の幼苗を育てる育苗箱、或いはポット、セル苗トレーなどが挙げられる。散布量や混和量等の施用量は、土壌1m2当り、通常60〜600g、好ましくは120〜360gが適当である。
前記粒状体において、農薬活性成分は通常0.01〜50質量部、好適には0.1〜10質量部、溶剤は通常0.1〜50質量部、好ましくは0.5〜20質量部、担体は通常50〜99質量部、好ましくは70〜95質量部の範囲の割合で含有させるのがよい。
以下、本発明を実施例及び試験例にて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。なお、各例において、部は質量部を表す。
実施例1
水稲の籾を播種して2.5葉期にかかる30cm×60cm×3cmの育苗箱2個に、カルバリル4部をN,N‐ジメチルアセトアミド6部に溶解した液を、粒径が0.4mm〜1.2mmの珪砂85部に加え、混合したのち、さらにカープレックス#80(塩野義製薬社製ホワイトカーボン)5部を加え混合してなる粒状体をそれぞれ25g及び50g散布して所望の育苗箱を得た。
実施例2
実施例1の粒状体に代えて、ダイアジノン4部をN,N‐ジメチルアセトアミド6部に溶解した液を、粒径が0.4mm〜1.2mmの珪砂85部に加え、混合したのち、さらにカープレックス#1120(塩野義製薬社製ホワイトカーボン)5部を加え混合してなる粒状体を用いた以外は実施例1と同様にして所望の育苗箱を得た。
実施例3
実施例1の粒状体に代えて、カルバリル4部とトリシクラゾール2部をN,N‐ジメチルアセトアミド11部に溶解した液を、粒径が0.4mm〜1.2mmの軽石82部に加えて混合し、軽石に農薬活性成分のN,N‐ジメチルアセトアミド溶液を担持させてなる粒状体を用いた以外は実施例1と同様にして所望の育苗箱を得た。
実施例4
実施例1の粒状体に代えて、カルプロパミド2部を、N,N‐ジメチルホルムアミド4部とジメチルスルホキシド0.5部の混合溶剤に溶解した液を、粒径が0.15mm〜0.3mmの珪砂91部に加えて混合し、さらにカープレックス#80(塩野義製薬社製ホワイトカーボン)2.5部を加え混合してなる粒状体を用いた以外は実施例1と同様にして所望の育苗箱を得た。
実施例5
実施例1の粒状体に代えて、クレー85.4部とアルファー化デンプン2.6部を混合し、適量の水を加えて混練した後、1.5mmの穴をあけたプレートから押し出して造粒し、得られた造粒物を60℃の温風で乾燥して得た短径1.5mmの造粒担体に、メパニピリム2部をN,N‐ジメチルアセトアミド8部に溶解した液を加えて混合し、さらにカープレックス#80(塩野義製薬社製ホワイトカーボン)2部を加え混合してなる粒状体を用いた以外は実施例1と同様にして所望の育苗箱を得た。
比較例1
実施例1の粒状体に代えて、粒径が0.4mm〜1.2mmの珪砂85部にジイソデシルアジペート6部を加えて混合し、さらにカルバリル4部とカープレックス#80(塩野義製薬社製ホワイトカーボン)5部を加え混合してなる粒状体を用いた以外は実施例1と同様にして比較用育苗箱を得た。
比較例2
実施例1の粒状体に代えて、ダイアジノン4部を粒径が0.4mm〜1.2mmの珪砂94部に加えて混合し、さらにカープレックス#1120(塩野義製薬社製ホワイトカーボン)2部を加え混合してなる粒状体を用いた以外は実施例1と同様にして比較用育苗箱を得た。
比較例3
実施例1の粒状体に代えて、粒径が0.4mm〜1.2mmの珪砂84部にジイソデシルアジペート5部を加えて混合し、さらにカルバリル4部とトリシクラゾール2部とカープレックス#80(塩野義製薬社製ホワイトカーボン)5部を加え混合してなる粒状体を用いた以外は実施例1と同様にして比較用育苗箱を得た。
比較例4
実施例1の粒状体に代えて、粒径が0.15mm〜0.3mmの珪砂90部に、ジイソデシルアジペート2.5部とフェニルキシリールエタン2部の混合溶剤を混合し、さらにカルプロパミド2部とカープレックス#80(塩野義製薬社製ホワイトカーボン)3.5部を加え混合してなる粒状体を用いた以外は実施例1と同様にして比較用育苗箱を得た。
比較例5
実施例1の粒状体に代えて、メパニピリム2部、カープレックス#80(塩野義製薬社製ホワイトカーボン)2部、クレー93.4部及びアルファー化デンプン2.6部を混合し、適量の水を加えて混練した後、1.5mmの穴をあけたプレートから押し出して得た造粒物を60℃の温風で乾燥して得た短径1.5mmの粒状体を用いた以外は実施例1と同様にして比較用育苗箱を得た。
試験例1
ツマグロヨコバイに対する薬効・薬害試験
実施例1〜3、比較例1〜3の各育苗箱より、これらにおける散布処理の当日に、代かきをした四つの1/10000aポットに2株ずつ深度2cmで移植した。5日後及び30日後に金網で覆い、ツマグロヨコバイ3齢幼虫を5頭ずつポットに放してから48時間後に死虫率及び薬害を調べた。その結果を表1に示す。実施例の区では、何れの散布薬量でも処理後5日、30日で高い殺虫効果が得られ、また、薬害もなかったのに対し、比較例の区では低薬量区はもちろん高薬量区も殺虫効果は低く、また、処理後日数が経つに従い殺虫効果が低下した。
Figure 0005300114
試験例2
葉いもち病に対する効果試験
実施例3及び4、比較例3及び4の各育苗箱より、これらにおける散布処理の1日後、代かきをした四つの1/10000aポットに2株ずつ深度2cmで移植した。15日後及び30日後に、乾燥罹病葉上で形成させた分生胞子を蒸留水に懸濁し、ポット当たり4mlを葉面に散布して接種した。接種後、温室内の湿室で管理し、5日後に病斑数を調査して下記計算式より防除価を算出した。併せて、薬害も調査した。その結果を表2に示す。実施例の区では、何れの散布薬量でも処理後15日、30日で高い防除効果が得られ、また、薬害もなかったのに対し、比較例の区では低薬量区はもちろん高薬量区も防除効果が低く、またその効果を若干高めるのにも日数を要した。
防除価(%)=(1−処理区の平均病斑数/無処理区の平均病斑数)×100
Figure 0005300114
実施例6
実施例5で用いた育苗箱に代えて、温室内で育苗したきゅうり苗の子葉期にかかる128室(16×8)に区切られたセル苗トレー(54cm×27cm×5cm)を用いた以外は実施例5と同様にして所望の育苗箱を得た。
比較例6
比較例5で用いた育苗箱に代えて、温室内で育苗したきゅうり苗の子葉期にかかる128室(16×8)に区切られたセル苗トレー(54cm×27cm×5cm)を用いた以外は比較例5と同様にして比較用育苗箱を得た。
試験例3
きゅうり灰色カビ病に対する効果試験
実施例6、比較例6の育苗箱より、これらにおける散布処理の1日後に四つの直径12cmの素焼き鉢に1株ずつ移植した。移植14日後(処理15日後)に胞子懸濁液を染み込ませたペーパーディスクを葉面に乗せて接種した。接種後、湿室内で管理し、3日後に病斑直径を調査して下記計算式により防除価を算出した。併せて、薬害も調査した。その結果を表3に示す。参考例の区では何れの散布薬量でも高い防除効果が得られ、また、薬害もなかったのに対し、比較例の区では低薬量区はもちろん高薬量区も防除効果が低下した。
防除価(%)=(1−処理区の平均病斑直径/無処理区の平均病斑直径)×100
Figure 0005300114
発明の効果
本発明の育苗箱によれば、水稲及び畑作物等の農作物の育苗箱での農薬処理において、少量の農薬活性成分で薬効を十分に奏させるとともに、安定した薬効を長期間持続させ、薬害を生じさせず、作業者への農薬暴露のおそれをなくすことができる。

Claims (7)

  1. 農薬活性成分をホルムアミド、N‐メチルホルムアミド、N,N‐ジメチルホルムアミ
    ド、N,N‐ジメチルアセトアミド、N,N‐ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
    シド及び1,4‐ブタンスルトンの中より選ばれた少なくとも1種或いはそれを主とする
    溶剤に溶解又は懸濁させた液状物を、珪砂、珪石、軽石、炭酸カルシウム、ベントナイト
    、タルク、珪藻土、アタパルジャイト、石膏又は陶石を破砕し、篩分けして得られる、粒
    径が0.1〜10mmの粒状物に担持した粒状体(但し、ゼオライトを含まない)を施用
    した土壌を収容してなり、かつ、前記粒状体の施用量が土壌1m 当り60〜600gの
    範囲にあることを特徴とする育苗箱。
  2. 農薬活性成分をホルムアミド、N‐メチルホルムアミド、N,N‐ジメチルホルムアミ
    ド、N,N‐ジメチルアセトアミド、N,N‐ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
    シド及び1,4‐ブタンスルトンの中より選ばれた少なくとも1種或いはそれを主とする
    溶剤に溶解又は懸濁させた液状物を、粉末状のクレー類、炭酸カルシウム、ベントナイト
    、タルク又は珪藻土を、CMC、PVA、アルファー化デンプン、デキストリン又はキサ
    ンタンガムを結合剤とし、造粒して得られる、粒径が0.1〜10mmの粒状物に担持し
    た粒状体(但し、ゼオライトを含まない)を施用した土壌を収容してなり、かつ、前記粒
    状体の施用量が土壌1m 当り60〜600gの範囲にあることを特徴とする育苗箱。
  3. 農薬活性成分が、殺菌剤、殺虫剤及び植物成長調節剤の中より選ばれた少なくとも1種
    のものである請求項1又は2記載の育苗箱。
  4. 農薬活性成分が難水溶性のものである請求項1〜3のいずれかに記載の育苗箱。
  5. 溶剤としてさらにラクトンを含有する請求項1〜4のいずれかに記載の育苗箱。
  6. 溶剤としてさらにエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
    ル、プロピレングリコール、グリセリン及びこれら各多価アルコールのエーテルの中より
    選ばれた少なくとも1種を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の育苗箱。
  7. 粒状体の施用量が土壌1m当り120〜360gの範囲にある請求項1〜6のいずれ
    かに記載の育苗箱。
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