JP5294159B2 - 第10族金属の錯体を用いたノルボルネン型モノマーのモールド内付加重合 - Google Patents

第10族金属の錯体を用いたノルボルネン型モノマーのモールド内付加重合 Download PDF

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Description

発明の技術分野
本発明は、飽和した、高いガラス転移温度のポリマーを生成するために、付加重合を経て多環式オレフィンを重合できるニッケル触媒およびパラジウム触媒に関する。前記飽和ポリマーは、熱可塑性材料または熱硬化性材料として調製することができ、耐酸化性、高温での挙動が向上しており、そして開環メタセシス重合によって調製された環状ポリマーよりもエージング後の機械的特性が良好である。
発明の背景
開環メタセシス重合(ROMP)による熱硬化性シクロオレフィンポリマーの調製は、ポリマー技術においては比較的最近開発されたものである。アルキリデン錯体の存在下においてメタセシス重合可能な多環式オレフィン系モノマーを開環することによってポリオレフィンを反応射出成形(RIM)することは、多環式オレフィン化学の特に重要な態様である。例えば、Klosiewicz(米国特許出願第4,400,340号および4,520,181号)は、複数の反応性モノマーの流れを混合することによってポリジシクロペンタジエンを調製することができる方法について述べている。Klosiewiczは、1つの流れが「プロ触媒」を含み、そして第2の流れが「プロ触媒活性剤」または「活性剤」を含むという複流式反応射出成形法を経てジシクロペンタジエンからROMPポリマーを調製することを開示している。前記モノマー反応剤の流れは、プロ触媒と活性剤が活性メタセシス触媒を生成する混合ヘッド内で混合される。前記反応性触媒/モノマー混合物を直ちにモールドに射出すると、数秒以内にモールドの形に成品を成形しながら重合が起こる。このようなメタセシス触媒は、多環式オレフィンの重合においては非常に効果的であるが、出発モノマーの不飽和性はポリマー主鎖中に保持される。さらに、得られるポリマーは、下記反応式に示されるように、出発モノマーよりも1つ少ない環状単位を持つ繰返し単位を含有している。
Figure 0005294159
際立って対照的に、同じモノマーから形成されたにも関わらず、付加重合された多環式オレフィンは、ROMPポリマーとはっきりと区別できる。異なった(付加)機構のために、前記付加重合体は、下記反応式に示されるように、主鎖にC=C不飽和結合を持たない。
Figure 0005294159
多環式モノマーのROMPポリマーと付加重合体の構造における違いは、それらの特性、たとえば、熱特性、エージング後の機械的特性およびポリマーの表面特性において明白である。ノルボルネンの如き多環式オレフィンの付加型ポリマーは約350℃という高いTgを有する。ノルボルネンの不飽和ROMPポリマーは約35℃のTgを示し、また、主鎖の不飽和度が高いために、200℃を超える高温では十分な熱安定性を示さない。
ジシクロペンタジエンの開環メタセシスポリマーおよびコポリマーは、優れたガラス転移温度(Tg)と高い耐衝撃性を有することで知られている。しかしながら、Tg値が高いために、これらのポリマーは一旦成形されると溶融加工し難くなる。溶融物中での架橋は、ジシクロペンタジエンがポリマーまたはコポリマーを形成するために用いられるときに起こるように、開環したポリマーまたはコポリマーがぶら下がった不飽和5員環を含むときにもまた起こる。架橋ポリマーは非常に溶融加工し難い。これは、最終成品を供給するために溶融加工されなければならない溶液重合されたポリマーに対して重大な不都合をもたらすことになる。対照的に、塊状重合で調製されたポリマーおよびコポリマーに関しては、重合はモールド内であってかつ所望の形状内で起こるので、メルトフローの観点から、加工についての問題は少ない。そのような塊状重合されたポリマーおよびコポリマーについての溶融加工は通常必要とされない。従って、塊状重合は、最終成品に高い耐熱性が求められる場合に、有意な利点を与える。
Suld、Schneider、およびMyers(米国特許出願第4,100,338号)は、ニッケルアセチルアセトナートまたはニッケル−ホスフィン錯体およびアルキルアルミニウムクロライドの触媒系の存在下においてノルボルナジエンを重合して固体のポリマーを得る方法を開示している。彼らは、温度が上昇し過ぎた場合、モノマーをうまく重合させるには次に冷却が必要であると指摘している。通常、ポリノルボルナジエンは、100℃よりも低い温度で加工される。しかしがなら、一般に、最適な量の触媒系を用いたノルボルナジエンの重合は、急速な発熱量によっては特徴付けられない。
同様に、BrownscombeおよびWillis(米国特許出願第4,451,633号)は、第IV族金属含有成分および活性化水素化物およびハロゲン化物と、第I〜III族から選択される有機金属活性剤とを含むチーグラー‐ナッタ型配位触媒系の存在下において、オレフィンモノマー供給材料を重合した。この方法によって、従来の方法ではポリオレフィン粉末またはペレットから製造することが困難または不可能であったポリオレフィン成品を製造することができる。米国特許出願第4,451,633号に記載されるモノマー供給材料は、脂肪族および脂環式α−オレフィンと、(ある程度の不飽和結合を含有するポリマー成形品を製造する)他のジオレフィンを含む。
向上した耐熱性を有するポリマーは、コモノマーを用いることによって得ることができる。例えば、ジシクロペンタジエンの耐熱性は、DCPDを架橋コモノマーまたは塊状コモノマーと共重合させることによって高めることができる。しかしながら、耐熱性の向上は、耐衝撃性が低下するという犠牲を払った上で得られるものである。
SjardijnおよびSnel(米国特許出願第5,093,441号)は、上昇したガラス転移温度のように要求に合うように変えられた特性を示すコポリマーを供給するために、(シクロペンタジエンおよびノルボルネン、ノルボルナジエンおよびシクロオクタジエンの1:1ディールス‐アルダー付加物から生成される)とりわけ嵩高いノルボルネンに対して開環メタセシス重合を用いた。同様に、Hara、Endo、およびMera(欧州特許出願第287762 A2号)は、熱処理されたシクロオクタジエンおよびジシクロオクタジエンからメタセシスによって架橋度の高いコポリマーを調製した。
TsukamotoおよびEndo(特許出願、9−188714、1997)は、付加重合した固形物を生成するためにRIM工程でチーグラー型重合を経てエチリデンノルボルネンを重合した。開示されている触媒は、第IV族金属含有プロ触媒と、第III族金属含有活性剤を含む。
Nagaokaら(特開平8−325329)は、第10族の遷移金属化合物と助触媒の存在下において反応射出成形(RIM)を経てポリシクロオレフィンポリマーの重合に関する方法を説明している。不飽和結合を全く含有していない成形品は、重合性ノルボルネン官能基を1つだけ含有しているノルボルネン型モノマーから重合される。架橋ポリマー製品、または、第15族電子供与配位子(例えば、トリフェニルホスフィン)と第10族金属に配位結合したヒドロカルビル配位子の両方を含有するプロ触媒種についての説明または提案は無い。助触媒種は、有機アルミニウム、ルイス酸および各種ホウ酸塩を含めた無数の化合物から選択される。第1族、第2族および遷移金属の塩のみの使用は、説明も例示もされていない。従って、第15族電子供与配位子とヒドロカルビル配位子の両方の存在を必要とする第10族金属触媒種は考慮されない。さらに、第15族電子供与配位子を含む第10族金属プロ触媒と、弱配位アニオン塩活性剤と結合したヒドロカルビル配位子との重要な結合についての提案、暗示あるいは教示も無い。
Goodallら(米国特許出願第5,705,503号、5,571,881号、5,569,730号、および5,46,819号)は、第10族触媒系は、極性または非極性溶媒中において各種ノルボルネン誘導体から熱可塑性付加重合体を生成するのに有用であることを示した。前記触媒系は、第10族金属イオン源、ルイス酸、有機アルミニウム化合物、および弱配位アニオンを用いる。前記ポリマーのガラス転移温度は150℃〜350℃の範囲内である。「連鎖移動剤」が存在しない場合には、分子量(Mw)が1,000,000を超えるポリノルボルネンポリマーが生成される。分子量の低すぎるポリマーは、熱可塑性成品における利用が限られている。分子量の高すぎるポリマーは、溶液から注型できるのみであって、場合によっては、完全に不溶性となり、熱成形し難くなる。”溶融加工可能である”とは、ポリマーが、そのTgよりも高く、その分解温度よりも低い温度窓内で熱成形されるのに十分な流動性があることを意味する。多環式オレフィンモノマーを直接重合して直接ポリマー製品にする方法は開示されていない。
高い衝撃強さと高い弾性率とを有する熱硬化性ポリマーには、自動車、容器、器具、娯楽用品、およびパイプの如き製品においてエンジニアリングポリマーとして有用な使い途がある。
あらゆる良好な熱硬化性ポリマーは、少なくとも2つの条件を満たすべきである。前記ポリマーは、望ましい物理的特性を有しかつ容易な合成および成形に適しているべきである。多くのポリマーにとって最も望ましい物理的特性は、高い衝撃強さ、高い温度性能、および高い弾性率の組み合わせである。衝撃強さについての基準試験は、ノッチ付きアイゾッド衝撃試験、ASTM No.D−256である。非強化熱硬化性ポリマーが良好な衝撃強さを有するには、そのノッチ付きアイゾッド衝撃は、少なくとも1.5ft.lb./in.notchであるべきである。この良好な衝撃強さが周囲温度で少なくとも約150,000psiの弾性率と組み合わさることが望ましい。熱硬化性ポリマーの合成および形成における重要な要素の中には、前記ポリマーを硬化またはゲル化させるのに必要な条件が含まれる。多くの熱硬化性ポリマーは、反応剤が混合された後、硬化が終了する前に、かなりの時間、高い温度および圧力、または追加工程を必要とする。
熱硬化性ポリマーが高い衝撃強さを有することが好ましいだけでなく、合成および成形し易いことが望ましい。RIM法は、この2つ目の目的を、モールド内重合によって達成する。前記方法は、2以上の低粘度反応流れの混合を含む。混合された流れは、次にモールドに射出され、急速に硬化して固体の不融性の塊になる。RIMは、大型の複雑な物体を素早くかつ安価な装置で成形するのに特に適している。前記方法は低い圧力のみを必要とするので、モールドは安価でかつ容易に交換できる。さらに、出発材料は低い粘度を有するので大規模な押出機やモールドは必要なくかつエネルギー必要量は一般に利用されている射出成形や圧縮成形と比較して最小量である。
特定のポリマーと共に用いられるRIM系の場合、ある条件、すなわち、(1)各流れが安定していなければならずかつ周囲条件下において適当な貯蔵寿命を有さなければならない、(2)混合ヘッド内で硬化することなしに完全に流れを混合できなければならない、(3)モールドに射出されたときに、材料が急速に固体系へと硬化しなければならない、(4)あらゆる添加剤(例えば、充填剤、安定剤、顔料など)は、材料が硬化する前に添加されなければならない、という条件を満たさなければならない。従って、選択される添加剤は、重合反応の邪魔をするものであってはならない。
RIM法を発展させるとき、トレードオフが起こるに違いないことは理解できる。ポリマーが素早く硬化することは望ましいが、重合が速すぎてはならない。材料成分は、モールドに射出される前に混合ヘッド内で硬化してしまうほど反応性が高くてはいけない。しかしながら、一旦モールド内に射出されれば、ポリマーはできるだけ速く硬化すべきである。ポリマーが完全にゲル化するのに長い時間かかったり、追加工程を要したりすることは望ましくない。
第10族の遷移金属のカチオン触媒をアニオン種で安定化させることに関心が持たれている。ノルボルネン、他の炭化水素多環式オレフィン、架橋性多環式オレフィンおよび官能基を有するノルボルネンの重合用の触媒を提供することが望ましい。特に、幅広い様々な温度で安定であり、不純物の影響を受け難く、製造または使用が危険ではなく、安価であり、そして官能基を含有しているものも含む各種モノマーおよび溶媒と併用することができる弱配位アニオンを開発することが望ましい。ある非常に望ましい属性は、カチオン弱配位アニオンペア活性剤と得られる第10族遷移金属カチオン触媒の両方に対する炭化水素溶解性である。
衝撃強さや引張強さの如き他の特性は従来技術のものと同等のレベルに維持したままで、モノマーの残留量が非常に少なく、溶媒が無く、そして耐熱性、耐酸化性および耐劣化性が従来より高いレベルである多環式オレフィンポリマーが必要とされている。ジシクロペンタジエンの重合の場合、反応が実質的に定量的でない場合、熱硬化製品中に未反応のモノマーが残留し、成形品は不快な臭いを発する。この臭いは、重合製品が用いられる用途を著しく制限してしまう。
高転化、高架橋および高強化されたポリオレフィン成形品が、所望の成品形状を有するモールド内で、多環式モノマーを配位触媒と付加重合させることによって製造されたことはこれまでに無かった。
発明の概要
本発明は、2以上の部分付加重合触媒系を用いることによって、ノルボルネン型モノマーの付加重合単位を含む、高い耐衝撃強さおよび高い温度耐性のホモポリマーまたはコポリマーを製造するための方法を包含する。前記ポリマーは、高い弾性率と、優れた衝撃強さとを備えた、丈夫で硬質な材料である。曲げ率は、約150,000〜約300,000psiの範囲内であり、ノッチ付きアイゾッド衝撃強さは、少なくとも1.5ft.lb./in.notchである。
前記ポリマーは、ノルボルネン型モノマーを2部分付加重合触媒系と反応させることによって合成できる。前記触媒系の第1の部分は、付加重合プロ触媒、好ましくは、中性の(π−アリル)パラジウム(トリフラート)(トリアルキルフォスフィン)誘導体を含む。前記付加重合触媒系の第2の部分は、リチウムテトラキス(ヘキサフルオロプロポキシフェニル)アルミネート(LiAl(OC(CF32Ph)4)またはリチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの如き活性剤を含む。好ましい実施態様においては、前記2つの付加重合触媒系成分と、モノマーまたはコモノマーとが、少なくとも2つの独立した反応剤の流れのためのベースを形成し、前記流れはRIM装置のヘッドの中で混合されて反応性組成物を形成し、次にモールドに射出され、急速に硬化して丈夫で不融性の塊になる。充填剤、安定剤、着色剤および補強材の如き各種添加剤がポリマーの特性を改質するために添加され得る。
また、本発明は、少なくとも2種類の成分からなり、そしてそのうちの少なくとも一方が多環式モノマーである、反応性調合物の貯蔵安定性のある活性剤成分を提供する。
本発明の目的は、多環式繰返し単位からなり、モールド穴の形状内でポリマー製品を製造するための方法を提供することであり、前記方法は第10族配位触媒の存在下において多環式オレフィンモノマー供給材料を重合する工程を具備する。
本発明の他の目的は、多環式オレフィンの2以上の反応剤溶液を混合し、ニッケルまたはパラジウム触媒と活性剤を用いそれらを付加重合させることによって、熱可塑性または熱硬化性の重合物にオレフィンポリマーを成形するための方法を提供することである。
本発明のさらなる他の目的は、第10族金属を含有するプロ触媒と、弱配位アニオン系活性剤とを混合することによって単一成分付加重合触媒を調製するための方法を提供することである。加えて、本発明は、また、他のモノマーの流れと混合して1つの流れとなり、次にその混合物が固形物へと重合するモールド内へ移行するような好適な媒体中で、プロ触媒成分と活性剤成分から生成した予備成形触媒を用いて製品を得る方法を提供する。
本発明のさらなる他の目的は、多環式オレフィンを重合する際にさらに効果的な触媒を提供することである。
本発明のさらなる他の目的は、モノマーからポリマーへの高い転化率を実現できる多環式オレフィン重合用触媒を提供することである。
本発明のさらなる目的は、ヒドロカルビル配位子と第15族電子供与配位子を含有する第10族金属のプロ触媒を提供することである。
本発明の他の目的は、ヒドロカルビル配位子および弱配位アニオンの塩を有する第15族電子供与配位子を含有する第10族金属のプロ触媒を活性化することである。
従って、本発明のさらなる目的は、従来技術によるポリマーよりもより高いレベルの耐熱性と耐エージング性を有する一方で、従来技術によるポリマーの衝撃強さは維持したままであるポリマーを製造する張力環ポリシクロオレフィンを重合する触媒組成物を提供することである。
本発明のさらなる他の目的は、弱配位アニオン塩、ポリシクロオレフィンモノマーおよび少なくとも2つの重合性ノルボルネン部分を含有する多官能ポリシクロオレフィンモノマーと組み合わさった第10族金属プロ触媒を含有する反応混合物を提供することである。
本発明の他の目的は、重合時に発熱エネルギーを放出するモノマーを含有する反応混合物を提供することである。
本発明の他の目的は、(a)第10族の遷移金属の化合物、および(b)活性剤を含む触媒組成物の存在下において、トリエトキシシリルノルボルネン、ブチルノルボルネン、ノルボルネン、ジメタノテトラヒドロナフタレン(TDD)、およびこれらの混合物から選択されるポリシクロオレフィンを重合させることである。
本発明のさらなる目的は、優れた炭化水素およびモノマー溶解性を有する活性剤を提供することである。
発明の詳細な説明
反応射出成形(RIM)、樹脂移動成形(RTM)、液体射出成形(LIM)、注入成形、レイアップ法またはスプレーアップ法によってプラスチック成品を成型するために、重合されて実質的に完全にポリマーに転化するモノマーの反応性調合物が提供される。本発明の反応性調合物は、ポリシクロオレフィンモノマーと、前記モノマーを少なくとも90%の転化率で重合させる活性化された付加重合触媒系とを組み合わせて含有している。本発明は、このような反応性調合物の貯蔵安定性のある活性剤成分を提供する。貯蔵安定性のある活性剤成分が、分離して貯蔵されたプロ触媒成分と組み合わされる重合系が提供される。前記重合系の貯蔵安定性成分がモノマーと組み合わさると、反応混合物が得られる。好ましい実施態様においては、前記重合系は、反応射出成形(RIM)法、RTM法またはLIM法のための完全な供給材料として用いられることができる。本発明によって提供される貯蔵安定性成分内の多環式モノマーは、少なくとも1つのノルボルネン部分の存在によって特徴付けられる。
触媒系
本発明の触媒は、第10族金属のカチオン錯体と、下記式Iで表される弱配位カウンターアニオン錯体を含む。
[R’M(L’)X(L”)yb[WCA]d
ここでMは第10族の遷移金属を表し、R’はアニオンヒドロカルビル配位子を表し、L’は第15族の中性電子供与配位子を表し、L”は不安定中性電子供与配位子を表し、xは0、1または2(好ましくは1または2)であり、yは0、1または2であり、そしてbおよびdは、それぞれ、触媒錯体全体の電子電荷のバランスをとるためにカチオン錯体と弱配位カウンターアニオン錯体(WCA)とが用いられた回数を表す数字である。
前記弱配位カウンターアニオン錯体は、カチオン錯体に単に弱く配位結合しているだけのアニオンである。前記アニオンは、中性のルイス塩基、溶媒またはモノマーによって十分に置き換わり易い。さらに詳しくは、前記WCAアニオンは、カチオン錯体に対して安定化アニオンとして作用し、中性生成物を形成するためにカチオン錯体に移行することはない。前記WCAアニオンは、非酸化性、非還元性および非求核性であるという点で比較的不活性である。
アニオン性ヒドロカルビル配位子は、閉殻電子構造中の中心金属Mから離れたときに負の電荷を有するあらゆるヒドロカルビル配位子である。
中性電子供与体は、閉殻電子構造中の中心金属Mから離れたときに中性の電荷を有するあらゆる配位子である。
不安定中性電子供与配位子は、中心金属Mにそれほど強く結合していなく、前記金属Mから容易に脱離し、そして閉殻電子構造中の中心金属から離れたときに中性の電荷を有するあらゆる配位子である。
上記カチオン錯体において、Mは、ニッケル、パラジウムおよび白金から選択される第10族金属を表し、パラジウムが最も好ましい金属である。
R’の下に規定されるアニオンヒドロカルビル配位子の代表的なものとしては、水素、線状および分岐状C1〜C20アルキル、C5〜C10シクロアルキル、線状および分岐状C2〜C20アルケニル、C6〜C15シクロアルケニル、アリル配位子またはそのカノニカル形態、C6〜C30アリール、C6〜C30ヘテロ原子含有アリール、およびC7〜C30アラルキルが挙げられるが、前述したグループの各々は、場合によって、線状または分岐状C1〜C5アルキル、線状または分岐状C1〜C20ハロアルキル、線状または分岐状C2〜C5アルケニルおよびハロアルケニル、ハロゲン、硫黄、酸素、窒素、燐、および線状または分岐状C1〜C5アルキル、線状または分岐状C1〜C5ハロアルキルおよびハロゲンで場合によって置換したフェニルから好ましくは選択されるヒドロカルビル置換基および/またはヘテロ原子置換基で置換されていてもよい。
シクロアルキル配位子およびシクロアルケニル配位子は、単環式でも多環式でもよい。アリール配位子は、単環(例えば、フェニル)でも縮合環系(例えば、ナフチル)でもよい。さらに、シクロアルキル基、シクロアルケニル基およびアリール基のどれでも縮合環系を形成するために一緒に用いることができる。前記単環系、多環系およびアリール環系のそれぞれは、場合により、水素、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルコキシ、塩素、フッ素、ヨウ素および臭素から選択されるハロゲン、C5〜C10シクロアルキル、C6〜C15シクロアルケニル、およびC6〜C30アリールから独立に選択された置換基で単置換または複数置換されていてもよい。マルチシクロアルキル部分の例としては、ノルボルニル配位子が挙げられる。マルチシクロアルケニル部分の例としては、ノルボルネニル配位子が挙げられる。アリール配位子基の例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。説明のために、下記構造式Iは、R’が1,5−シクロオクタジエンから誘導されたシクロアルケニル配位子であるカチオン錯体を表す。構造式IIおよびIIIは、それぞれ、R’がマルチシクロアルキル配位子およびマルチシクロアルケニル配位子であるカチオン錯体を表す。構造式IIIにおいて、ノルボルネニル配位子はアルケニル基によって置換される。
Figure 0005294159
ここで、M、L’、L”、xおよびyは、上記において定義された通りである。
R’が環系を表すカチオン錯体の他の例を下記構造式IV〜IVcに示す。
Figure 0005294159
ここで、M、L’、L”、xおよびyは、上記において定義された通りである。
本発明の他の実施態様において、R’は、第10族金属と配位結合している末端基を含有しているヒドロカルビル配位子を表す。前記末端配位基含有ヒドロカルビル配位子は、式−Cd'2d'X→で表され、式中、d’は、ヒドロカルビル主鎖中の炭素原子の数を表す3〜10の間の整数であり、そしてX→は、第10族金属である中心金属に配位結合しているアルケニル含有部分またはヘテロ原子含有部分を表す。前記配位子並びに第10族金属は、メタラサイクルまたはヘテロ原子含有メタラサイクルを形成する。上記式のヒドロカルビル主鎖上のどの水素原子も、それぞれ独立して、以下に定義されるR1'、R2'およびR3'から選択される置換基によって置換することができる。
末端配位基含有ヒドロカルビルメタラサイクル実施態様のカチオン錯体は、下記に示す構造式Vによって表される。
Figure 0005294159
ここで、M、L’、L”、d’、xおよびyは、上記において定義された通りであり、そしてXは、−CHR4'=CHR4'、−OR4'、−SR4'、−N(R4'2、−N=NR4'、−P(R4'2、−C(O)R4'、−C(R4')=NR4'、−C(O)OR4'、−OC(O)OR4'および−OC(O)R4'から選択される基を表し、そしてR4'は、水素、ハロゲン、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、C5〜C10シクロアルキル、線状および分岐状C2〜C5アルケニル、線状および分岐状C2〜C5ハロアルケニル、置換および非置換C6〜C18アリール並びに置換および非置換C7〜C24アラルキルを表す。
置換末端基含有ヒドロカルビルメタラサイクルは、下記構造式Vaによって表すことができる。
Figure 0005294159
ここで、M、L’、L”、X、xおよびyは、上記において定義された通りであり、nは1〜8の整数を表し、そしてR1'、R2'およびR3'は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状または分岐状C2〜C5アルケニル、線状および分岐状C2〜C5ハロアルケニル、置換および非置換C6〜C30アリール、置換および非置換C7〜C30アラルキル、およびハロゲンを表す。R1'、R2'およびR3'は、いずれも、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換または非置換脂肪族C5〜C20単環状または多環状環系、置換または非置換脂肪族C6〜C10芳香族環系、置換または非置換脂肪族C10〜C20縮合芳香族環系、およびこれらを組み合わせたものを形成することができる。置換される場合、前記環は単一または複数の置換基を含有していてもよく、前記置換基は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルコキシ、および塩素、フッ素、ヨウ素および臭素から選択されるハロゲンから選択される。前記構造式Vaにおいて、nが0のとき、Xは、R2'置換基を含有している炭素原子と結合していることに注意すべきである。
置換基が一緒になって芳香族環系および脂肪族環系を表すという代表的な末端基含有ヒドロカルビルメタラサイクルカチオン錯体は、下記構造式VbおよびVcで示される。
Figure 0005294159
1'〜R3'のいずれかが一緒になって芳香族環系を形成することができるという末端基含有ヒドロカルビルメタラサイクルカチオン錯体の他の例は、下記構造式Vd〜Vgにおいて説明される。
Figure 0005294159
多環式脂肪族環系を含有するカチオン錯体の具体例は、下記構造式Vh、ViおよびVjによって説明される。
Figure 0005294159
前記構造式V〜Vjにおいて、n’は0〜5の整数であり、X、M、L’、L”、”a”、n、x、y、R1'およびR4'は、上記において定義された通りであり、そしてR5'およびR6'は、独立に、水素および線状および分岐状C1〜C10アルキルを表し、さらにR5'およびR6'は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、炭素原子を5〜15含有する飽和および不飽和環状基を形成することができる。
R’で表されるヘテロ原子含有アリール配位子の例としては、ピリジニル配位子およびキノリニル配位子が挙げられる。
カチオン錯体中のアリル配位子は、下記構造式で表すことができる。
Figure 0005294159
ここでR20'、R21'およびR22'は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、線状および分岐状C1〜C5アルキル、C5〜C10シクロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルケニル、C6〜C30アリール、C7〜C30アラルキルを表すが、これらの基は、それぞれ場合により、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、ハロゲン、および場合により線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキルおよびハロゲンで置換されていてもよいフェニルから選択される置換基で置換されていてもよい。R20'、R21'およびR22'の任意の2つが、単環状または多環状環を形成するために、それらが結合している炭素原子と一緒に結合できるが、前記環は、それぞれ場合により、線状または分岐状C1〜C5アルキル、線状または分岐状C1〜C5ハロアルキル、およびハロゲンで置換されていてもよい。本発明のカチオン錯体において好適なアリル配位子の例としては、アリル、2−クロロアリル、クロチル、1,1−ジメチルアリル、2−メチルアリル、1−フェニルアリル、2−フェニルアリルおよびβ−ピネニルを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
アリル配位子を含有する代表的なカチオン錯体を以下に示す。
Figure 0005294159
構造式VI、VIaおよびVIbにおいて、M、L’、L”、xおよびyは、上記において定義された通りである。
アリル配位子の他の例は、R.G.Guy and B.L.Shaw、Advances in Inorganic Chemistry and Radiochemistry、Vol.4、Academic Press Inc.、New York、1962;J.Birmingham、E.de Boer、M.L.H.Green、R.B.King、R.Koster、P.L.I.Nagy、G.N.Schrauzer、Advances in Organometallic Chemistry、Vol.2、Academic Press Inc.、New York、1964;W.T.Dent、R.Long and A.J.Wilkinson、J.Chem.Soc.、(1964)1585; and H.C.Volger、Rec.Trav.Chim.Pay Bas、88(1969)225に記載されており、それらの全文が本願明細書に引例として援用される。
L’で表される代表的な中性電子供与配位子としては、下記式で表されるアミン、ピリジン、有機リン含有化合物、アルシンおよびスチビンを挙げることができる。
E(R7'3
ここでEは、ヒ素またはアンチモンであり、そしてR7'は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C10アルキル、C5〜C10シクロアルキル、線状および分岐状C1〜C10アルコキシ、アリル、線状および分岐状C2〜C10アルケニル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールオキシ、アリールスルフィド(例えば、PhS)、C7〜C18アラルキル、環状エーテルおよびチオエーテル、トリ(線状および分岐状C1〜C10アルキル)シリル、トリ(C6〜C12アリール)シリル、トリ(線状および分岐状C1〜C10アルコキシ)シリル、トリアリールオキシシリル、トリ(線状および分岐状C1〜C10アルキル)シロキシ、およびトリ(C6〜C12アリール)シロキシから選択されるが、前記置換基は、それぞれ場合により、線状または分岐状C1〜C5アルキル、線状または分岐状C1〜C5ハロアルキル、C1〜C5アルコキシ、ハロゲン、およびこれを組み合わせたもので置換されていてもよい。代表的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、およびドデシルを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。代表的なシクロアルキル基としては、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。代表的なアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、およびイソプロポキシを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。代表的な環状エーテル基およびチオ環状エーテル基としては、それぞれ、フリルおよびチエニルを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。代表的なアリール基としては、フェニル、o−トリル、およびナフチルを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。代表的なアラルキル基としては、ベンジル、およびフェニルエチル(例えば、−CH2CH2PH)を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。代表的なシリル基としては、トリフェニルシリル、トリメチルシリル、およびトリエチルシリルを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。上記一般定義のように、前記基のそれぞれは、場合により、線状または分岐状C1〜C5アルキル、線状または分岐状C1〜C5ハロアルキル、およびハロゲンで置換されていてもよい。
代表的なピリジンとしては、ルチジン(2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−および3,5−置換されたものを含む)、ピコリン(2−、3−、または4−置換されたものを含む)、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、および2,4−ジ−t−ブチルピリジンが挙げられる。
代表的なアルシンとしては、トリフェニルアルシン、トリエチルアルシン、およびトリエトキシシリルアルシンが挙げられる。
代表的なスチビンとしては、トリフェニルスチビンおよびトリチオフェニルスチビンが挙げられる。
好適なアミン配位子は、式N(R8'3のアミンから選択されるが、前記式中のR8'は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C20アルキル、線状および分岐状C1〜C20ハロアルキル、置換および非置換C3〜C20シクロアルキル、置換および非置換C6〜C18アリール並びに置換および非置換C7〜C18アラルキルを表す。置換される場合、前記シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基は、単置換または複数置換されていてもよく、それらの置換基は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C12アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルコキシ、C6〜C12アリール並びに塩素、臭素およびフッ素から選択されるハロゲンから選択される。代表的なアミンとしては、エチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−オクチルアニリンおよびN,N−ジメチル−4−ヘキサデシルアニリンを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
有機リン含有配位子としては、ホスフィン、ホスファイト、ホスホナイト、ホスフィナイトおよび下記式のリン含有化合物が挙げられる。
P(R7'g[X’(R7'h3-g
ここでX’は酸素、窒素またはシリコンであり、R7'は上記において定義された通りであり、各R7'置換基は他から独立しており、gは0、1、2または3であり、そしてhは1,2または3であるが、ただし、X’がシリコン原子である場合hは3であり、X’が酸素原子である場合hは1であり、そしてX’が窒素原子である場合hは2である。gが0でありかつX’が酸素である場合、R7'のうちの任意の2つまたは3つと、それらが結合している酸素原子とを一緒にして、環状部分を形成することができる。gが3である場合、R7'のうちの任意の2つと、それらが結合しているリン原子とを一緒にして、下記式のホスファサイクルを表すことができる。
Figure 0005294159
ここでR7'は上記において定義された通りであり、そしてh’は4〜11の整数である。
代表的なホスフィン配位子としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−sec−ブチルホスフィン、トリ−i−ブチルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリアリルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリナフチルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリ(p−トリフルオロメチルフェニル)ホスフィン、トリス(トリフルオロメチル)ホスフィン、トリ(p−フルオロフェニル)ホスフィン、トリ(p−トリフルオロメチルフェニル)ホスフィン、アリルジフェニルホスフィン、ベンジルジフェニルホスフィン、ビス(2−フリル)ホスフィン、ビス(4−メトキシフェニル)フェニルホスフィン、ビス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホスフィン、t−ブチルビス(トリメチルシリル)ホスフィン、t−ブチルジフェニルホスフィン、シクロへキシルジフェニルホスフィン、ジアリルフェニルホスフィン、ジベンジルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、ジブチルホスフィン、ジ−t−ブチルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジ−i−ブチルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジメチル(トリメチルシリル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、ジフェニルプロピルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィン、ジフェニル(トリメチルシリル)ホスフィン、ジフェニルビニルホスフィン、ジビニルフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、(2−メトキシフェニル)メチルフェニルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホスフィン、トリス(3−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(2−フリル)ホスフィン、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メトキシプロピル)ホスフィン、トリス(2−チエニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、(+)−ネオメンチルジフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、ジフェニル(2−メトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニル(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、ビス(ペンタフルオロフェニル)フェニルホスフィンおよびトリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
また、前記ホスフィン配位子は、水溶性であるホスフィン化合物から選択することもできる。これにより、得られる触媒に水性媒体に対する溶解性が付与される。この種類の選択ホスフィンとしては、4−(ジフェニルホスフィン)安息香酸、および2−(ジフェニルホスフィン)安息香酸の如きカルボン酸置換ホスフィン、ナトリウム2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタンスルホナート、4,4’−(フェニルホスフィニデン)ビス(ベンゼンスルホン酸)ジカリウム塩、3,3’3”−ホスフィニダイントリス(ベンゼンスルホン酸)トリナトリウム塩、4−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−1,1−ジメチルピペリジニウムクロライド、4−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−1,1−ジメチルピペリジニウムヨード、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−N,N,N−トリメチルエタナミニウムクロライド、2,2’−(シクロヘキシルホスフィニデン)ビス(N,N,N−トリメチルエタナミニウム)ジクロライド、2,2’−(シクロヘキシルホスフィニデン)ビス(N,N,N−トリメチルエタナミニウム)ジヨードおよび2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−N,N,N−トリメチルエタナミニウムヨードの如きホスフィンの第4級アミン官能基を有する塩を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
ホスファイト配位子の例としては、トリメチルホスファイト、ジエチルフェニルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−n−プロピルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリ−n−ブチルホスファイト、トリ−sec−ブチルホスファイト、トリイソブチルホスファイト、トリ−t−ブチルホスファイト、ジシクロヘキシルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリ−p−トリルホスファイト、トリス(p−トリフルオロメチルフェニル)ホスファイト、ベンジルジエチルホスファイトおよびトリベンジルホスファイトを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
ホスフィナイト配位子の例としては、メチルジフェニルホスフィナイト、エチルジフェニルホスフィナイト、イソプロピルジフェニルホスフィナイトおよびフェニルジフェニルホスフィナイトを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
ホスホナイト配位子の例としては、ジフェニルフェニルホスホナイト、ジメチルフェニルホスホナイト、ジエチルメチルホスホナイト、ジイソプロピルフェニルホスホナイトおよびジエチルフェニルホスホナイトを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
代表的な不安定中性電子供与配位子(L”)としては、DMF、DMSO、シクロオクタジエン(COD)、水、塩素化アルカン、アルコール、エーテル、ケトン、ニトリル、アレーン、ホスフィンオキシド、有機カーボネートおよびエステルが挙げられる。
代表的な塩素化アルカンとしては、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、およびカーボンテトラクロライドを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
好適なアルコール配位子は、式R9'OHのアルコールから選択することができるが、前記式中のR9'は、線状および分岐状C1〜C20アルキル、線状および分岐状C1〜C20ハロアルキル、置換および非置換C3〜C20シクロアルキル、置換および非置換C6〜C18アリール、置換および非置換C7〜C18アラルキル並びに置換および非置換ノルボルネニルを表す。置換される場合、前記シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基およびノルボルネニル基は、単置換または複数置換されていてもよく、それらの置換基は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C12アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルコキシ、C6〜C12アリール並びに塩素、臭素およびフッ素から選択されるハロゲンから選択される。代表的なアルコール配位子としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、t−ブタノール、ネオペンタノール、フェノール、2,6−ジ−i−プロピルフェノール、4−t−オクチルフェノール、5−ノルボルネン−2−メタノール、およびドデカノールを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
好適なエーテル配位子およびチオエーテル配位子は、それぞれ、式(R10'−O−R10')のエーテルおよび式(R10'−S−R10')のチオエーテルから選択することができるが、前記式中のR10'は、独立に、線状および分岐状C1〜C10アルキル基、線状および分岐状C1〜C20ハロアルキル、置換および非置換C3〜C20シクロアルキル、置換および非置換C1〜C20アルコキシ、置換および非置換C6〜C18アリール並びに置換および非置換C6〜C18アラルキルを表す。置換される場合、前記シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基は、単置換または複数置換されていてもよく、それらの置換基は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C12アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルコキシ、C6〜C12アリール、および塩素、臭素およびフッ素から選択されるハロゲンから選択される。前記R10'を、それらが結合している酸素原子または硫黄原子と一緒にして、環状エーテルまたは環状チオエーテルを形成することができる。代表的なエーテルとしては、ジメチルエーテル、ジブチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジ−i−プロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジオクチルエーテル、1,4−ジメトキシエタン、THF、1,4−ジオキサンおよびテトラヒドロチオフェンを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
好適なケトン配位子は、式R11'C(O)R11'のケトンによって表されるが、前記式中のR11'は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C20アルキル、線状および分岐状C1〜C20ハロアルキル、置換および非置換C3〜C20シクロアルキル、置換および非置換C6〜C18アリール、および置換および非置換C6〜C18アラルキルを表す。置換される場合、前記シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基は、単置換または複数置換されていてもよく、それらの置換基は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C12アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルコキシ、C6〜C12アリール、および塩素、臭素およびフッ素から選択されるハロゲンから選択される。代表的なケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、およびベンゾフェノンンを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
ニトリル配位子は、式R12'CNで表されるが、前記式中のR12'は、水素、線状および分岐状C1〜C20アルキル、線状および分岐状C1〜C20ハロアルキル、置換および非置換C3〜C20シクロアルキル、置換および非置換C6〜C18アリール、および置換並びに非置換C6〜C18アラルキルを表す。置換される場合、前記シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基は、単置換または複数置換されていてもよく、それらの置換基は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C12アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルコキシ、C6〜C12アリール、および塩素、臭素およびフッ素から選択されるハロゲンから選択される。代表的なニトリルとしては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ベンジルシアニド、および5−ノルボルネン−2−カルボニトリルを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
アレーン配位子は、単一または複数の置換基を含有する置換および非置換C6〜C12アレーンから選択することができるが、これらの置換基は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C12アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルコキシ、C6〜C12アリール、および塩素、臭素およびフッ素から選択されるハロゲンから選択される。代表的なアレーンは、トルエン、ベンゼン、o−、m−、およびp−キシレン、メシチレン、フルオロベンゼン、o−ジフルオロベンゼン、p−ジフルオロベンゼン、クロロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、およびヘキサフルオロベンゼンを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
好適なトリアルキルホスフィンオキシド配位子およびトリアリールホスフィンオキシド配位子は、式P(O)(R13'3のホスフィンオキシドで表すことができるが、前記式中のR13'は、独立に、線状および分岐状C1〜C20アルキル、線状および分岐状C1〜C20ハロアルキル、置換および非置換C3〜C20シクロアルキル、線状および分岐状C1〜C20アルコキシ、線状および分岐状C1〜C20ハロアルコキシ、置換および非置換C6〜C18アリール、および置換並びに非置換C6〜C18アラルキルを表す。置換される場合、前記シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基は、単置換または複数置換されていてもよく、それらの置換基は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C12アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルコキシ、C6〜C12アリール、および塩素、臭素およびフッ素から選択されるハロゲンから選択される。代表的なホスフィンオキシドとしては、トリフェニルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、トリブチルホスフェート、およびトリス(2−エチルヘキシル)ホスフェートを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
代表的なカーボネートとしては、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
代表的なエステルとしては、エチルアセテートおよびi−アミルアセテートを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
WCAの説明
式Iの弱配位カウンターアニオン錯体[WCA]は、ボレートおよびアルミネート、ボレートベンゼンアニオン、カルボランアニオンおよびハロカルボランアニオンから選択することができる。
ボレートおよびアルミネート弱配位カウンターアニオンは、下記式IIおよびIIIで表される。
[M’(R24')(R25')(R26')(R27')]- II
[M’(OR28')(OR29')(OR30')(OR31')]- III
ここで、式IIにおいて、M’はホウ素またはアルミニウムであり、そしてR24'、R25'、R26'およびR27'は、独立に、フッ素、線状および分岐状C1〜C10アルキル基、線状および分岐状C1〜C10アルコキシ基、線状および分岐状C3〜C5ハロアルケニル基、線状および分岐状C3〜C12トリアルキルシロキシ基、C18〜C36トリアリールシロキシ基、置換および非置換C6〜C30アリール基並びに置換および非置換C6〜C30アリールオキシ基を表すが、ここで、R24'〜R27'が同時にアルコキシ基またはアリールオキシ基を表すことはできない。置換される場合、アリール基は、単置換または複数置換されていてもよく、それらの置換基は、独立に、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルコキシ、線状および分岐状C1〜C5ハロアルコキシ、線状および分岐状C1〜C12トリアルキルシリル、C6〜C18トリアリールシリル、および塩素、臭素およびフッ素から選択されるハロゲン、好ましくはフッ素、から選択される。式IIで表される代表的なボラートアニオンとしては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、テトラキス(2−フルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3−フルオロフェニル)ボレート、テトラキス(4−フルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,4,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、メチルトリス(パーフルオロフェニル)ボレート、エチルトリス(パーフルオロフェニル)ボレート、フェニルトリス(パーフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(1,2,2−トリフルオロエチレニル)ボレート、テトラキス(4−トリ−i−プロピルシリルテトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(4−ジメチル−t−ブチルシリルテトラフルオロフェニル)ボレート、(トリフェニルシロキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(オクチルオキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5−ビス[1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ボレート、テトラキス[3−[1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、およびテトラキス[3−[2,2,2−トリフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1−(トリフルオロメチル)エチル]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ボレートを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
式IIで表される代表的なアルミナートアニオンとしては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トリス(ノナフルオロビフェニル)フルオロアルミナート、(オクチルオキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、テトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)アルミネート、およびメチルトリス(ペンタフルオロフェニル)アルミネートを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
式IIIにおいて、M’はホウ素またはアルミニウムであり、そしてR28'、R29'、R30'およびR31'は、独立に、線状および分岐状C1〜C10アルキル基、線状および分岐状C1〜C10ハロアルキル基、C2〜C10ハロアルケニル基、置換および非置換C6〜C30アリール基並びに置換および非置換C7〜C30アラルキル基を表すが、ただし、R28'〜R31'のうちの少なくとも3つが、ハロゲン含有置換基を含有していなければならない。置換される場合、前記アリール基およびアラルキル基は単置換または複数置換されていてもよく、それらの置換基は、独立に、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルコキシ、線状および分岐状C1〜C10ハロアルコキシ、および塩素、臭素およびフッ素から選択されるハロゲン、好ましくはフッ素、から選択される。OR28'基およびOR29'基を一緒にして、−O−R32'−O−で表されるキレート性置換基を形成することができる。前記式において、酸素原子はM’に結合しており、そしてR32'は、置換および非置換C6〜C30アリール基並びに置換および非置換C7〜C30アラルキルから選択される2価の基である。前記酸素原子が、芳香族環のオルト位またはメタ位に、直接またはアルキル基を介して結合していることが好ましい。置換される場合、前記アリール基およびアラルキル基は単置換または複数置換されていてもよく、それらの置換基は、独立に、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルコキシ、線状および分岐状C1〜C10ハロアルコキシ、および塩素、臭素およびフッ素から選択されるハロゲン、好ましくはフッ素、から選択される。2価の基R32'の代表的な構造式を以下に示す。
Figure 0005294159
ここでR33'は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル並びに塩素、臭素およびフッ素から選択されるハロゲン、好ましくはフッ素、から選択され、R34'は、単一置換基であってもよく、または、各環の炭素原子上でとり得る原子価に依存して、各芳香環について4回まで用いられてもよい。そして、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルコキシ、線状および分岐状C1〜C10ハロアルコキシ並びに塩素、臭素およびフッ素から選択されるハロゲン、好ましくはフッ素、から選択され、そしてn”は、独立に、0〜6の整数を表す。n”が0の場合、式−O−R32'−O−中の酸素原子は、R32'で表される芳香環内の炭素原子に直接結合するということを理解するべきである。上記2価の構造式において、酸素原子、例えば、n”が0の場合、メチレン基または置換メチレン基、−(C(R33'2n"−、は、芳香族環のオルト位またはメタ位に位置していることが好ましい。式−O−R32'−O−の代表的なキレート基としては、2,3,4,5−テトラフルオロベンゼンジオレート(−OC64O−)、2,3,4,5−テトラクロロベンゼンジオレート(−OC6Cl4O−)、2,3,4,5−テトラブロモベンゼンジオレート(−OC6Br4O−)、およびビス(1,1’−バイテトラフルオロフェニル−2,2’−ジオレート)を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
式IIIで表される代表的なボラートアニオンおよびアルミナートアニオンとしては、[B(O2642-、[B(OC(CF32(CF3))4-、[B(OC(CF32H)4-、[B(OC(CF3)(CH3)H)4-、[Al(OC(CF32Ph)4-、[B(OCH2(CF3))4-、[Al(OC(CF3264−CH34-、[Al(OC(CF334-、[Al(OC(CF3)(CH3)H)4-、[Al(OC(CF32H)4-、[Al(OC(CF3264−4−i−Pr)4-、[Al(OC(CF3264−4−t−ブチル)4-、[Al(OC(CF3264−4−SiMe34-、[Al(OC(CF3264−4−Si−i−Pr34-、[Al(OC(CF3262−2,6−(CF32−4−Si−i−Pr34-、[Al(OC(CF3263−3,5−(CF324-、[Al(OC(CF3262−2,4,6−(CF334-、および[Al(OC(CF32654-を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
弱配位カウンターアニオンとして有用なボレートベンゼンアニオンは、下記式IVで表すことができる。
Figure 0005294159
ここでR34'は、フッ素、フッ化ヒドロカルビル、パーフルオロカルビル並びにフッ化および過フッ化エーテルから選択される。ここでおよび明細書全体に渡って使用されるように、ハロヒドロカルビルという語は、ヒドロカルビル基、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基上の少なくとも1つの水素原子が、塩素、臭素、ヨウ素およびフッ素から選択されるハロゲン原子で置換されていることを意味する。フルオロヒドロカルビルという語は、ヒドロカルビル基上の少なくとも1つの水素原子が、フッ素で置換されていることを意味する。ハロゲン化の程度は、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子(例えば、モノフルオロメチル基)で置換されている場合から、ヒドロカルビル基上のすべての水素原子がハロゲン原子(例えば、トリフルオロメチル(パーフルオロメチル)の如きパーハロカルビル)で置換されている「完全ハロゲン化」(過ハロゲン化)にまでわたることができる。フッ化ヒドロカルビルおよびパーフルオロカルビル基は、1〜24の炭素原子、より好ましくは1〜12の炭素原子、最も好ましくは6つの炭素原子を含有することが好ましく、そして線状、分岐状、環状、あるいは芳香族でもよい。前記フッ化ヒドロカルビル基およびパーフルオロカルビル基としては、フッ化および過フッ化線状および分岐状C1〜C24アルキル、フッ化および過フッ化C3〜C24シクロアルキル、フッ化および過フッ化C2〜C24アルケニル、フッ化および過フッ化C3〜C24シクロアルケニル、フッ化および過フッ化C6〜C24アリール並びにフッ化および過フッ化C7〜C24アラルキルを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。フッ化およびパーフルオロカルビルエーテル置換基は、式−(CH2mOR36'、または、式−(CH2mOR36'でそれぞれ表されるが、ここで、R36'は、上記において定義されたフッ化またはパーフルオロカルビルであり、mは0〜5の整数である。mが0の場合、エーテル部分中の酸素原子は、ボラートベンゼン環内のホウ素原子に直接結合していることに注意すべきである。
好ましいR34'基としては、例えば、トリフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロプロピル、パーフルオロイソプロピル、ペンタフルオロフェニルおよびビス(3,5−トリフルオロメチル)フェニルから選択されるフッ化および過フッ化ヒドロカルビル基の如き、本質的に電子脱離性であるものが挙げられる。
35'は、独立に、水素、ハロゲン、パーフルオロカルビル基、およびシリルパーフルオロカルビル基を表し、前記パーフルオロカルビルおよびシリルパーフルオロカルビルは上記において定義された通りである。好ましいハロゲン基は、塩素またはフッ素から選択されるが、フッ素が特に好ましい。R35'が水素、パーフルオロカルビル、および/またはシリルパーフルオロカルビルである場合、これらの基は、ボラートベンゼン環内のホウ素原子に対してオルト位またはパラ(より好ましくはパラ)位であるのが好ましい。
代表的なボレートベンゼンアニオンとしては、[1,4−ジヒドロ−4−メチル−1−(ペンタフルオロフェニル)]−2−ボラート、4−(1,1−ジメチル)−1,2−ジヒドロ−1−(ペンタフルオロフェニル)]−2−ボラート、1−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4−(ペンタフルオロフェニル)−2−ボラート、および1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロ−4−(ペンタフルオロフェニル)−2−ボラートを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
弱配位カウンターアニオンとして有用なカルボランアニオンおよびハロカルボランアニオンとしては、CB11(CH312 -、CB1112 -、1−C25CB1111 -、1−Ph3SiCB1111 -、1−CF3CB1111 -、12−BrCB1111 -、12−BrCB1111 -、7,12−Br2CB1110 -、12−ClCB1111 -、7,12−Cl2CB1110 -、1−H−CB1111 -、1−CH3−CB1111 -、1−CF3−CB1111 -、12−CB1111-、7,12−CB11112 -、7,9,12−CB11113 -、CB116Br6 -、6−CB99-、6,8−CB982 -、6,7,8−CB973 -、6,7,8,9−CB964 -、2,6,7,8,9−CB955 -、CB95Br5 -、CB116Cl6 -、CB1166 -、CB1166 -、CB1166 -、CB116Br6 -、6,7,9,10,11,12−CB1166 -、2,6,7,8,9,10−CB955 -、1−H−CB99 -、12−CB1111(C65-、1−C65−CB115Br6 -、CB11Me12 -、CB11(CF312 -、Co(B92112 -、CB11(CH312 -、CB11(C4912 -、CB11(C61312 -、Co(C29112 -、Co(Br32982 -およびドデカヒドロ−1−カルバドデカボラートを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
触媒の調製
式Iの触媒は、溶媒中で予備成形された単一成分触媒として調製することもできるが、重合される所望のモノマーに触媒前駆体成分を混合することによって現場で調製することもできる。
式Iの単一成分触媒は、適当な溶媒中に触媒前駆体を混合し、適当な温度条件下において反応させ、そして触媒生成物を単離することによって調製することができる。別の実施態様では、上記式によって説明される予備成形された触媒錯体を生成するために、第10族金属プロ触媒を、第15族電子供与化合物および/または不安定中性電子供与化合物、および適当な溶媒中の弱配位アニオンの塩と混合する。さらに別の実施態様では、第15族電子供与配位子を含有する第10族金属プロ触媒を、予備成形された触媒錯体を生成するために、適当な溶媒中の弱配位アニオンの塩と混合する。
触媒調製反応は、反応条件下では不活性である溶媒中で行われる。前記触媒調製反応に好適な溶媒の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびシクロヘキサンの如きアルカン溶媒およびシクロアルカン溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、カーボンテトラクロライド、エチルクロライド、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパンおよび1−クロロペンタンの如きハロゲン化アルカン溶媒、THFおよびジエチルエーテルの如きエーテル、ベンゼン、キシレン、トルエン、メシチレン、クロロベンゼンおよびo−ジクロロベンゼンの如き芳香族溶媒、フレオン(登録商標)112(Freon(登録商標)112)のごときハロカーボン溶媒およびこれらを混ぜ合わせたものを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。好ましい溶媒としては、ベンゼン、フルオロベンゼン、o−ジフルオロベンゼン、p−ジフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、o−、m−およびp−キシレン、メシチレン、シクロヘキサン、THFおよびジクロロメタンが挙げられる。
前記反応を行うための好適な温度範囲は、約−80℃〜約150℃であり、約−30℃〜約100℃が好ましく、約0℃〜約65℃がさらに好ましく、そして約10℃〜約40℃が最も好ましい。圧力は重要ではないが、使用される溶媒の沸点に依存することがあり、すなわち、前記溶媒を液相に維持するのに十分な圧力であればよい。反応時間は重要ではないが、数分から48時間にわたることもある。前記反応は、窒素またはアルゴンの如き不活性雰囲気下において行われることが好ましい。
前記反応は、前記プロ触媒を好適な溶媒に溶かし、適当な配位子と溶解したプロ触媒を有する所望の弱配位アニオンの塩とを混合しおよび場合により反応が終了するまで溶液を加熱することによって行ってもよい。予備成形された単一成分触媒は単離することもできるが、溶液中の予備成形触媒のアリコートを重合中間体に添加することによって直接使用することもできる。前記生成物の単離は、溶媒を蒸発させ、固形物を適当な溶媒で洗浄し、そして次に所望の生成物を再結晶させるといったような標準的な方法によって実現することができる。本発明の予備成形された単一成分触媒の調製に用いられる触媒成分のモル比は、プロ触媒成分に含有されている金属に基づく。好ましい実施態様においては、プロ触媒/第15族電子供与成分/WCA塩のモル比は、1:1〜10:1〜100であり、さらに好ましくは1:1〜5:1〜20であり、最も好ましくは1:1〜2:1〜5である。プロ触媒が第15族電子供与配位子および/または不安定中性電子供与配位子と結合している本発明の実施態様においては、(金属含有量に基づく)プロ触媒のWCA塩に対するモル比は、1:1〜100であり、好ましくは1:1〜200であり、さらに好ましくは1:1〜5である。
ある実施態様では、下記反応式(1)に示されるように、単一成分触媒生成物を生成するために、式[R’MA’]2の第10族金属プロ触媒二量体を、適当な溶媒中で、第15族電子供与化合物(L’)および好適な弱配位アニオンの塩と混合する。
(1) [R’MA’]2+xL’+yL”+[WCA]塩
→ [R’M(L’)x(L”)yb[WCA]d
式[R’MA’]2の好適なプロ触媒二量体としては、下記の組成物、すなわち、(アリル)パラジウムトリフルオロアセテート二量体、(アリル)パラジウムクロライド二量体、(クロチル)パラジウムクロライド二量体、(アリル)パラジウムヨード二量体、(β−ピネニル)パラジウムクロライド二量体、メタアリルパラジウムクロライド二量体、1,1−ジメチルアリルパラジウムクロライド二量体、(アリル)パラジウムアセテート二量体、[CH2C(CH3)CH2(C1010)Ni(O2CCF3)](挿入部分C1010はジシクロペンタジエンから誘導される)、[CH2C(CH3)CH2(C710)Ni(O2CCF3)]2(挿入部分C710はノルボルネンから誘導される)、[CH2C(CH3)CH2(C1322)Ni(O2CCF3)]2(挿入部分C1322はヘキシルノルボルネンから誘導される)、[CH2C(CH3)CH2(C1416)Ni(O2CCF3)]2(挿入部分C1010はノルボルナジエン二量体[NBD]2から誘導される)、[CH2C(CH3)CH2(C1515)Ni(O2CCF3)]2(挿入部分C1515はトリシクロペンタジエンから誘導される)、[CH2C(CH3)CH2(エキソ−C1220)Ni(O2CCF3)]2(挿入部分エキソ−C1220はエキソペンチルノルボルネンから誘導される)、および[CH2C(CH3)CH2(C1322)Ni(O2CCF3)]2(挿入部分C1322はヘキシルノルボルネンから誘導される)を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
他の実施態様では、下記反応式(2)に示されるように、単一成分触媒生成物を生成するために、式[R’M(L”)yA’]の結合した第10族金属プロ触媒を、適当な溶媒中で、第15族電子供与化合物(L’)および好適な弱配位アニオンの塩と混合する。
(2) [R’M(L”)yA’]+xL’+[WCA]塩
→ [R’M(L’)x(L”)yb[WCA]d
式[R’M(L”)yA’]の代表的なプロ触媒として、(COD)パラジウム(メチル)クロライドが挙げられるが、これに限定されるわけではない。
さらに他の実施態様では、下記反応式(3)に示されるように、単一成分触媒生成物を生成するために、第15族電子供与配位子(L’)を含有する式[R’M(L’)xA’]のプロ触媒を結合した第10族金属を、適当な溶媒中で、好適な弱配位アニオンの塩と混合する。
(3) [R’M(L’)xA’]+yL”+[WCA]塩
→ [R’M(L’)x(L”)yb[WCA]d
式[R’M(L’)xA’]の好適なプロ触媒として、下記の組成物、すなわち、(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)クロライド、(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフラート、(アリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)トリフラート、(アリル)パラジウム(トリシクロペンチルホスフィン)トリフラート、(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフルオロアセテート、(アリル)パラジウム(トリ−o−トリルホスフィン)クロライド、(アリル)パラジウム(トリ−o−トリルホスフィン)トリフラート、(アリル)パラジウム(トリ−o−トリルホスフィン)ナイトレート、(アリル)パラジウム(トリ−o−トリルホスフィン)アセテート、(アリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)トリフルイミド、(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフルイミド、(アリル)パラジウム(トリフェニルホスフィン)トリフルイミド、(アリル)パラジウム(トリナフチルホスフィン)トリフラート、(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)p−トリルスルホナート、(アリル)パラジウム(トリフェニルホスフィン)トリフラート、(アリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)トリフルオロアセテート、(アリル)プラチナ(トリシクロヘキシルホスフィン)クロライド、(アリル)プラチナ(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフラート、(1,1−ジメチルアリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)トリフルオロアセテート、(2−クロロアリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)トリフルオロアセテート、(クロチル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)トリフラート、(クロチル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフラート、(クロチル)パラジウム(トリシクロペンチルホスフィン)トリフラート、(メタアリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフラート、(メタアリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)トリフラート、(メタアリル)パラジウム(トリシクロペンチルホスフィン)トリフラート、(メタアリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)クロライド、(メタアリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)クロライド、(メタアリル)パラジウム(トリシクロペンチルホスフィン)クロライド、(メタアリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフルイミド、(メタアリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)トリフルイミド、(メタアリル)パラジウム(トリシクロペンチルホスフィン)トリフルイミド、(メタアリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフルオロアセテート、(メタアリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)トリフルオロアセテート、(メタアリル)パラジウム(トリシクロペンチルホスフィン)トリフルオロアセテート、(メタアリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)アセテート、(メタアリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)アセテート、(メタアリル)パラジウム(トリシクロペンチルホスフィン)アセテート、(メタアリル)ニッケル(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフラート、{2−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル−C,N−}−パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)クロライド、{[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル−C,N−}−パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフラート、(ヒドリド)パラジウムビス(トリシクロヘキシルホスフィン)クロライド、(ヒドリド)パラジウムビス(トリイソプロピルホスフィン)クロライド、(ヒドリド)パラジウムビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ナイトレート、(ヒドリド)パラジウムビス(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフルオロアセテート、(ヒドリド)パラジウムビス(トリイソプロピルホスフィン)トリフラート、(ヒドリド)パラジウムビス(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフラートおよび(ヒドリド)パラジウムビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ホルマートを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
前述の工程に好適に使用される他のプロ触媒成分としては、(Me2NCH264)Pd(O3SCF3)P(シクロヘキシル)3(すなわち、オルソ−メタレイテッドフェニルメチレンジメチルアミノパラジウムトリシクロヘキシルホスフィン)、(Me2NCH264)Pd(O3SCF3)P(i−Pr)3(すなわち、オルソ−メタレイテッドフェニルメチレンジメチルアミノパラジウムトリイソプロピルホスフィン)、(アリル)PdP(i−Pr)365、(アリル)Pd(PCy3)C65、(CH3)Pd(PMe32Cl、(C25)Pd(PMe32Cl、(Ph)Pd(PMe32Cl、(CH3)Pd(PMe32Br、(CH3)Pd(PMe2Ph)2Cl、(C25)Pd(PMe32Br、(C25)Pd(PMe32Br、(Ph)Pd(PMe32Br、(CH3)Pd(PMe3)NO3、(CH3)Pd(P(i−Pr)32(O3SCF3)、(η1−ベンジル)Pd(PEt32Cl、(アリル)Pd(PMe3)OC(O)CH2CH=CH2、(アリル)Pd(AsPh3)Cl、(アリル)Pd(PPh3)Cl、(アリル)Pd(SbPh3)Cl、(メチルアリル)Pd(PPh3)Cl、(メチルアリル)Pd(AsPh3)Cl、(メチルアリル)Pd(SbPh3)Cl、(メチルアリル)Pd(PBu3)Cl、および(メチルアリル)Pd(P[(OCH23]CH)Clが挙げられる。
他の実施態様では、ブレンステッド酸をベースとしたWCA塩の存在下で、下記式
Figure 0005294159
のプロ触媒を水素化することによって、または、活性触媒を生成するためのカルボニウム若しくはシリリウムをベースとしたWCA塩を用いた同等の反応によって、反応式4に示されるように形成される。
Figure 0005294159
本実施態様において、R’は、第10族金属である中心金属Mと一緒になってメタラサイクルを形成する式−(Cd2d)−の2価のヒドロカルビル配位子であり、d’は、2価のヒドロカルビル主鎖中の炭素原子の数を表しかつ3〜10の整数である。2価のヒドロカルビルの主鎖における任意の水素原子は、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、C5〜C10シクロアルキル、およびC6〜C10アリールで置換することができる。シクロアルキル部分およびアリール部分は、場合により、臭素、塩素、フッ素およびヨウ素から選択されるハロゲン、好ましくはフッ素、で置換されていてもよい。さらに、アルキル置換基のうちの任意の2つまたは3つは、それらが結合しているヒドロカルビル主鎖の炭素原子と一緒になって、脂肪族または芳香族環系を形成することができる。前記環は、単環、多環、または縮合環のいずれでもよい。水素化は、中心金属Mに配位した1価のヒドロカルビル配位子を有するカチオンを生成するために、ヒドロカルビル/中心金属の結合面の1つで起こる。
他の実施態様においては、第15族電子供与配位子(L’)を含有する式[R’M(L’)x(L”)yA’]の第10族金属が結合したプロ触媒と不安定な中性電子供与配位子(L”)が、下記の反応式(4)に示されるように単一成分の触媒生成物を生成するために、適当な溶媒中で好適な弱配位アニオンの塩と混合される。
(5) [R’M(L’)x(L”)yA’]+[WCA]塩
→ [R’M(L’)x(L”)yb[WCA]d
式[R’M(L’)x(L”)yA’]の好適なプロ触媒としては、下記の組成物、すなわち、[(アリル)Pd(NCCH3)P(i−Pr)3][B(O2−3,4,5,6−Cl462]、[(アリル)Pd(HOCH3)P(i−Pr)3][B(O2−3,4,5,6−Cl462]、[(アリル)Pd(HOCH3)P(i−Pr)3][B(O2−3,4,5,6−Br462]、[(アリル)Pd(HOCH3)P(i−Pr)3][B(O2642]、[(アリル)Pd(OEt2)(P(i−Pr)3)][BPh4]、[(アリル)Pd(OEt2)(P(i−Pr)3)][SbF6]、[(アリル)Pd(OEt2)(P(i−Pr)3)][BF4]、[(アリル)Pd(OEt2)(PCy3)][BF4]、[(アリル)Pd(OEt2)(PPh3)][BF4]、[(アリル)Pd(OEt2)(P(i−Pr)3)][PF6]、[(アリル)Pd(OEt2)(PCy3)][PF6]、[(アリル)Pd(OEt2)(PPh3)][PF6]、[(アリル)Pd(OEt2)(P(i−Pr)3)][ClO4]、[(アリル)Pd(OEt2)(PCy3)][ClO4]、[(アリル)Pd(OEt2)(PPh3)][ClO4]、[(アリル)Pd(OEt2)(P(i−Pr)3)][SbF6]、[(アリル)Pd(OEt2)(PCy3)][SbF6]、および[(アリル)Pd(OEt2)(PPh3)][SbF6]を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
上記反応式および式において、R’、M、L’、L”、[WCA]、b、d、x、およびyは上記において定義された通りであり、A’は以下に定義するアニオン脱離基であり、[WCA]塩は、弱配位アニオン[WCA]の金属塩であり、そしてここおよび明細書全体を通じて用いられる略記Me、Et、Ph、Pr、BuおよびCyは、それぞれ、メチル、エチル、フェニル、プロピル、ブチル、およびシクロヘキシルを意味する。
前述の第10族金属プロ触媒成分は市販されているし、または当該技術分野において周知の方法によって合成することもできる。
脱離基
A’は、WCA塩によって与えられる弱配位アニオンによって容易に置き換えることができるアニオン脱離基を表す。前記脱離基は、WCA塩のカチオンと共に塩を形成する。脱離基A’は、ハロゲン、ナイトレート、トリフラート(トリフルオロメタンスロホナート)、トリフルイミド(ビストリフルオロメタンスルホンイミド)、トリフルオロアセテート、トシラート、AlBr4 -、AlF4 -、AlCl4 -、AlF33SCF3 -、AsCl6 -、SbCl6 -、SbF6 -、PF6 -、BF4 -、ClO4 -、HSO4 -、アセテート、カーボネート、アルミネート、およびボレートから選択される。
他の実施態様において、前記脱離基は、ブロンステッド酸をベースとしたWCA塩が活性剤として用いられる場合、ヒドロカルビル基またはハロゲン化ヒドロカルビル基であってもよい。本実施態様では、前記活性剤は中性部分を形成する前記ヒドロカルビル基またはハロゲン化ヒドロカルビル基を水素化する。前記脱離基部分は、水素化物、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、C5〜C10シクロアルキル、およびC6〜C10アリールから選択されることが好ましい。シクロアルキル部分およびアリール部分は、場合により、臭素、塩素、フッ素およびヨウ素から選択されるハロゲン、好ましくはフッ素、で置換されていてもよい。本実施態様では、A’は中性部分A’Hを生成するために水素化される。メチル基およびペンタフルオロフェニル基は、本実施態様における脱離基の代表的な例である。
ハロゲン脱離基には、塩素、ヨウ素、臭素およびフッ素がある。前記アセテートとしては、式R38'C(O)O-の基が挙げられ、前記カーボネートとしては、式R38'OC(O)O-の基が挙げられるが、前記式中のR38'は、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル(好ましくはフッ素)、線状または分岐状C1〜C5アルケニル、C6〜C12アリールを表し、場合により、前記アセテートおよび前記カーボネートは、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキルおよびハロゲン(好ましくはフッ素)で単置換または独立に複数置換されていてもよい。
アルミネート脱離基およびボレート脱離基は、式M’(R39'4 -、M’(GR39'4 -、M’(−C≡CPh)4 -、または下記構造式で表すことができる。
Figure 0005294159
ここでGは、硫黄原子または酸素原子を表し、Phは、フェニルおよび以下に説明する置換フェニルを表し、そしてR39'は、独立に、線状および分岐状C1〜C10アルキル、線状および分岐状C1〜C10クロロアルキルまたはブロモアルキル、C5〜C10シクロアルキル、置換および非置換アリール、好ましくはフェニルおよび置換フェニル、置換および非置換C7〜C20アラルキル、好ましくはフェニルアルキルおよび置換フェニルアルキルを表す。「置換」とは、アリール基またはフェニル基が、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、塩素置換基、臭素置換基、およびこれを組み合わせたものを1つ以上含有していることを意味する。
代表的なアルミネート基としては、テトラフェノキシアルミナート、テトラキス(シクロヘキサノラート)アルミネート、テトラエトキシアルミナート、テトラメトキシアルミナート、テトラキス(イソプロポキシ)アルミネート、テトラキス(2−ブタノラート)アルミネート、テトラペンチルオキシアルミナート、テトラキス(2−メチル−2−プロパノラート)アルミネート、テトラキス(ノニルオキシ)アルミネート、ビス(2−メトキシエタノレート−O,O’)ビス(2−メトキシエタノレート−O’)アルミネート、テトラキス(フェニル)アルミネート、テトラキス(p−トリル)アルミネート、テトラキス(m−トリル)アルミネート、テトラキス(2,4−ジメチルフェニル)アルミネート、およびテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)アルミネートを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
代表的なボレート基としては、テトラフェニルボラート、テトラキス(4−メチルフェニル)ボレート、テトラキス(4−クロロフェニル)ボレート、テトラキス(4−ブロモフェニル)ボレート、テトラキス(2−ブロモ−4−クロロフェニル)ボレート、ブチルトリフェニルボラート、テトラキス(4−メトキシフェニル)ボレート、テトラキス(フェニルエチニル)ボレート、ビス(1,2−ベンゼンジオラート)ボレート、トリフェニル(フェニルエチニル)ボレート、ビス(テトラフルオロベンゼンジオラート)ボレート、ビス(テトラクロロベンゼンジオラート)ボレート、ビス(テトラブロモベンゼンジオラート)ボレート、ビス(1,1’−ビフェニル−2,2’−ジオラート)ボレート、テトラキス(チオフェノリル)ボレート、ビス(3,5−ジ−t−ブチルベンゼンジオラート)ボレート、テトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、テトラキス(p−トリル)ボレート、テトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、テトラキス(p−トリル)ボレート、テトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレートおよびテトラキス(m−トリル)ボレートを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
上記アニオン脱離基に加えて、A’は、式(R40'SO22CH-、(R40'SO23-、および(R40'SO22-のアニオンを含有する高フッ素化および過フッ素化アルキルスルホニルおよびアリールスルホニルから選択することもでき、前記式において、R40'は、独立に、線状および分岐状C1〜C20の高フッ素化および過フッ素化アルキル、C5〜C15の高フッ素化および過フッ素化シクロアルキル並びに高フッ素化および過フッ素化C6〜C22アリールを表す。場合により、前記アルキル基およびシクロアルキル基は、それぞれ、環状構造の鎖中にヘテロ原子を含有していてもよい。好ましいヘテロ原子としては、2価の(非過酸化性の)酸素(すなわち、−O−)、3価の窒素、および6価の硫黄が挙げられる。R40'の任意の2つが環を形成するために、一緒に用いられる。R40'がシクロアルキル置換基またはヘテロシクロアルキル置換基である場合、または、環を形成するために他のR40'基と一緒に用いられる場合、環構造は5または6の原子を含有していることが好ましく、そのうちの1または2がヘテロ原子でもよい。
上記式において、「高フッ素化」という用語は、アルキル部分、シクロアルキル部分およびアリール部分の炭素原子に結合している水素原子の少なくとも50%がフッ素原子で置換されていることを意味する。R40'で表されるアルキル部分、シクロアルキル部分およびアリール部分の3つの水素原子ごとに、そのうちの少なくとも2つがフッ素で置換されることが好ましい。4つの水素原子ごとに、そのうちの少なくとも3つの水素原子がフッ素で置換されることがさらに好ましく、そして過フッ素化部分を与えるために、R40'置換基の水素原子のすべてがフッ素で置換されることが最も好ましい。アリール環上のフッ素原子置換に加えて、あるいは、前記置換の代わりに、アリール基は、例えばトリフルオロメチルの如き線状および分岐状C1〜C10高フッ素化および過フッ素化アルキル基を含有することができる。水素原子がアルキル部分、シクロアルキル部分およびアリール部分に残っているような実施態様においては、残存している水素原子の一部または全部を、臭素原子および/または塩素原子で置換することができる。
上記式の代表的な高フッ素化および過フッ素化アルキルスルホニルおよびアリールスルホニル含有アニオンとしては、(C25SO22-、(C49SO22-、(CF3SO22-、(CF3SO2)(C49SO2)N-、((CF32NC24SO22-、(C65SO2)(CF3SO2)N-、(CF3SO2)(CHF2SO2)N-、(C25SO2)(CF3SO2)N-、(C37SO22-、((CF32(F)CSO22-、(C48(CF32NSO22N−、(C817SO23-、(CF3SO23-、(CF3SO22CH-、(C49SO23-、(CF3SO22(C49SO2)C-、((CF32NC24SO2)C(SO2CF32−、(3,5−ビス(CF3)C63)SO2N(SO2CF3-、(C65SO2)C(SO2CF32 -、および以下に例示される構造体を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
Figure 0005294159
脱離基として好適な他の高フッ素化および過フッ素化アルキルスルホニルおよびアリールスルホニルアニオンは、Turowsky and Seppelt、Inorganic Chemistry,1988,27,2135−2137,および米国特許出願第4,387,222号、4,505,997号、5,021,308号、5,072,040号、5,162,177号および5,273,840号に記載されており、これらの全文が本願明細書に引例として援用される。
WCA塩
本発明の処理に用いられる弱配位アニオンの塩は、式[C(L”)zb[WCA]dで表すことができる。前記式において、Cはプロトン(H+)、アルカリ土類金属カチオン、遷移金属カチオンまたは有機基含有カチオンを表し、L”およびWCAは上記において定義された通りであり、zは0〜8の整数であり、そしてbおよびdは、それぞれ、カチオン錯体と弱配位カウンターアニオン錯体(WCA)が塩錯体全体の電子電荷のバランスをとるための回数を表す。
アルカリ金属カチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムから選択される第1族金属が挙げられる。好ましい第1族金属カチオンは、リチウム、ナトリウムおよびカリウムである。
アルカリ土類金属カチオンとしては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムから選択される第2族金属が挙げられる。好ましい第2族金属カチオンは、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムがある。遷移金属カチオンは、亜鉛、銀およびタリウムから選択される。
有機基カチオンは、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、カルボニウムカチオンおよびシリリウムカチオン、すなわち、[NHR41' 3+、[NR41' 3+、[PHR41' 3]、[PR41' 4]、[R41' 3C]+、および[R41' 3Si]+、から選択される。前記式中のR41'は、独立に、ヒドロカルビル基、シリルヒドロカルビル基またはパーフルオロカルビル基を表していて、それぞれ1〜24の炭素原子、さらに好ましくは線状、分岐状または環状構造に配置した1〜12の炭素を含有する。「パーフルオロカルビル」とは、炭素原子と結合している水素原子のすべてがフッ素原子で置換されていることを意味する。代表的なヒドロカルビル基としては、線状および分岐状C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、線状および分岐状C2〜C20アルケニル、C3〜C20シクロアルケニル、C6〜C24アリール、C7〜C24アラルキルおよび有機金属カチオンを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。有機カチオンは、トリチル、トリメチルシリリウム、トリエチルシリリウム、トリス(トリメチルシリル)シリリウム、トリベンジルシリリウム、トリフェニルシリリウム、トリシクロヘキシルシリリウム、ジメチルオクタデシルシリリウムおよびトリフェニルカルベニウム(すなわち、トリチル)から選択される。上記カチオン錯体に加えて、[(C552Fe]+および[(C5(CH3))2Fe]+の如きフェロセニウムカチオンも、本発明のWCA塩におけるカチオンとして有用である。
式IIによって説明された弱配位アニオンを有するWCA塩の例としては、リチウムテトラキス(2−フルオロフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(2−フルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(2−フルオロフェニル)ボレート、タリウムテトラキス(2−フルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(3−フルオロフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(3−フルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(3−フルオロフェニル)ボレート、タリウムテトラキス(3−フルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(3−フルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(4−フルオロフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(4−フルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(4−フルオロフェニル)ボレート、タリウムテトラキス(4−フルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、タリウムテトラキス(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、2,6−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウム(ジエチルエーテル)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウム(ジエチルエーテル)2.5テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(3,4,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(1,2,2−トリフルオロエチレニル)ボレート、リチウムテトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、リチウムメチルトリス(パーフルオロフェニル)ボレート、リチウムフェニルトリス(パーフルオロフェニル)ボレート、リチウムトリス(イソプロパノール)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(メタノール)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(トルエン)銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(キシレン)銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(4−トリイソプロピルシリルテトラフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(4−ジメチル−t−ブチルシリルテトラフルオロフェニル)ボレート、タリウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、リチウム(トリフェニルシロキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ナトリウム(トリフェニルシロキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(3,4,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(1,2,2−トリフルオロエチレニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、ナトリウムメチルトリス(パーフルオロフェニル)ボレート、ナトリウムフェニルトリス(パーフルオロフェニル)ボレート、タリウムテトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、タリウムテトラキス(3,4,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、タリウムテトラキス(1,2,2−トリフルオロエチレニル)ボレート、タリウムテトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、ナトリウムメチルトリス(パーフルオロフェニル)ボレート、タリウムフェニルトリス(パーフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(3,4,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(1,2,2−トリフルオロエチレニル)ボレート、トリチルテトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、トリチルメチルトリス(パーフルオロフェニル)ボレート、トリチルフェニルトリス(パーフルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、銀(トルエン)テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、タリウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、リチウムヘキシルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムトリフェニルシロキシトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウム(オクチルオキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ナトリウム(オクチルオキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、カリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、カリウム(オクチルオキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、カリウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、マグネシウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、マグネシウム(オクチルオキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、マグネシウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、カルシウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、カルシウム(オクチルオキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、カルシウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、リチウムテトラキス[3,5−ビス[1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ボレート、ナトリウムテトラキス[3,5−ビス[1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ボレート、銀テトラキス[3,5−ビス[1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ボレート、タリウムテトラキス[3,5−ビス[1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ボレート、リチウムテトラキス[3−[1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、ナトリウムテトラキス[3−[1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、銀テトラキス[3−[1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、タリウムテトラキス[3−[1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、リチウムテトラキス[3−[2,2,2−トリフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1−(トリフルオロメチル)エチル]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、ナトリウムテトラキス[3−[2,2,2−トリフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1−(トリフルオロメチル)エチル]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、銀テトラキス[3−[2,2,2−トリフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1−(トリフルオロメチル)エチル]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、タリウムテトラキス[3−[2,2,2−トリフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1−(トリフルオロメチル)エチル]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、トリメチルシリリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルシリリウムエーテラートテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルシリリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(メシチル)シリリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリベンジルシリリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルシリリウムメチルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムメチルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルシリリウムメチルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリベンジルシリリウムメチルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルシリリウムテトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルシリリウムテトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリベンジルシリリウムテトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリメチルシリリウムテトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルシリリウムテトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリメチルシリリウムテトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、トリベンジルシリリウムテトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミネート、トリフェニルシリリウムメチルトリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミネート、トリエチルシリリウムテトラキス(1,2,2−トリフルオロエチニル)ボレート、トリシクロヘキシルシリリウムテトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、ジメチルオクタデシルシリリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(トリメチルシリル)シリリウムメチルトリ(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、2,2’−ジメチル−1,1’−ビナフチルメチルシリリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、2,2’−ジメチル−1,1’−ビナフチルメチルシリリウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トリチル(パーフルオロビフェニル)フルオロアルミナート、リチウム(オクチルオキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、リチウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)アルミネート、ナトリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、ナトリウム(オクチルオキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、ナトリウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)アルミネート、カリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、カリウム(オクチルオキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、カリウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)アルミネート、マグネシウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、マグネシウム(オクチルオキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、マグネシウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)アルミネート、カルシウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、カルシウム(オクチルオキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミネートおよびカルシウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル


)アルミネートを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
式IIIによって説明された弱配位アニオンを有するWCA塩の例としては、LiB(OC(CF334、LiB(OC(CF32(CH3))4、LiB(OC(CF32H)4、LiB(OC(CF3)(CH3)H)4、TlB(OC(CF334、TlB(OC(CF32H)4、TlB(OC(CF3)(CH3)H)4、TlB(OC(CF32(CH3))4、(Ph3C)B(OC(CF334、(Ph3C)B(OC(CF32(CH3))4、(Ph3C)B(OC(CF32H)4、(Ph3C)B(OC(CF3)(CH3)H)4、AgB(OC(CF334、AgB(OC(CF32H)4、AgB(OC(CF3)(CH3)H)4、LiB(O2642、TlB(O2642、Ag(トルエン)2B(O2642、Ph3CB(O2642、LiB(OCH2(CF324、[Li(HOCH34]B(O26Cl42、[Li(HOCH34]B(O2642、[Ag(トルエン)2]B(O26Cl42、LiB(O26Cl42、(LiAl(OC(CF32Ph)4)、(TlAl(OC(CF32Ph)4)、(AgAl(OC(CF32Ph)4)、(Ph3ClAl(OC(CF32Ph)4)、(LiAl(OC(CF3264−CH34)、(ThAl(OC(CF3264CH34)、(AgAl(OC(CF3264CH34)、(Ph3CAl(OC(CF3264CH34)、LiAl(OC(CF334、ThAl(OC(CF334、AgAl(OC(CF334、Ph3CAl(OC(CF334、LiAl(OC(CF3)(CH3)H)4、TlAl(OC(CF3)(CH3)H)4、AgAl(OC(CF3)(CH3)H)4、Ph3CAl(OC(CF3)(CH3)H)4、LiAl(OC(CF32H)4、TlAl(OC(CF32H)4、AgAl(OC(CF32H)4、Ph3CAl(OC(CF32H)4、LiAl(OC(CF3264−4−i−Pr)4、TlAl(OC(CF3264−4−i−Pr)4、AgAl(OC(CF3264−4−i−Pr)4、Ph3CAl(OC(CF3264−4−i−Pr)4、LiAl(OC(CF3264−4−t−ブチル)4、TlAl(OC(CF3264−4−t−ブチル)4、AgAl(OC(CF3264−4−t−ブチル)4、Ph3CAl(OC(CF3264−4−t−ブチル)4、LiAl(OC(CF3264−4−SiMe34、TlAl(OC(CF3264−4−SiMe34、AgAl(OC(CF3264−4−SiMe34、Ph3CAl(OC(CF3264−4−SiMe34、LiAl(OC(CF3264−4−Si−i−Pr34、TlAl(OC(CF3264−4−Si−i−Pr34、AgAl(OC(CF3264−4−Si−i−Pr34、Ph3CAl(OC(CF3264−4−Si−i−Pr34、LiAl(OC(CF3262−2,6−(CF32−4−Si−i−Pr34、TlAl(OC(CF3262−2,6−(CF32−4−Si−i−Pr34、AgAl(OC(CF3262−2,6−(CF32−4−Si−i−Pr34、Ph3CAl(OC(CF3262−2,6−(CF32−4−Si−i−Pr34、LiAl(OC(CF3263−3,5−(CF324、TlAl(OC(CF3263−3,5−(CF324、AgAl(OC(CF3263−3,5−(CF324、Ph3CAl(OC(CF3263−3,5−(CF324、LiAl(OC(CF3262−2,4,6−(CF334、TlAl(OC(CF3262−2,4,6−(CF334、AgAl(OC(CF3262−2,4,6−(CF334、Ph3CAl(OC(CF3262−2,4,6−(CF334、LiAl(OC(CF32654(LiWCA−H)、TlAl(OC(CF32654、AgAl(OC(CF32654およびPh3CAl(OC(CF32654を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。ボラートベンゼンの例としては、[1,4−ジヒドロ−4−メチル−1−(ペンタフルオロフェニル)]−2−ボリニルリチウム、[1,4−ジヒドロ−4−メチル−1−(ペンタフルオロフェニル)]−2−ボリニルトリフェニルメチリウム、4−(1,1−ジメチル)−1,2−ジヒドロ−1−(ペンタフルオロフェニル)−2−ボリニルリチウム、4−(1,1−ジメチル)−1,2−ジヒドロ−1−(ペンタフルオロフェニル)−2−ボリニルトリフェニルメチリウム、1−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4−(ペンタフルオロフェニル)−2−ボリニルリチウム、1−フルオロ−1,2−ジヒドロ−4−(ペンタフルオロフェニル)−2−ボリニルトリフェニルメチリウム、1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロ−4−(ペンタフルオロフェニル)−2−ボリニルリチウムおよび1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロ−4−(ペンタフルオロフェニル)−2−ボリニルトリフェニルメチリウムを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
WCAカルボラン塩およびWCAハロカルボラン塩の例としては、銀ドデカヒドロ−1−カルバドデカボラート、LiCB11(CH312、LiCB1112、(Me3NH)[CB1112]、(Me4N)[1−C25CB1111]、(Me4N)[1−Ph3SiCB1111]、(Me4N)[1−CF3CB1111]、Cs[12−BrCB1111]、Ag[12−BrCB1111]、Cs[7,12−Br2CB1110]、Cs[12−ClCB1111]、Cs[7,12−Cl2CB1110]、Cs[1−H−CB1111]、Cs[1−CH3−CB1111]、(i−Pr3)Si[1−CF3−CB1111]、Li[12−CB1111F]、Li[7,12−CB11112]、Li[7,9,12−CB11113]、(i−Pr3)Si[CB116Br6]、Cs[CB116Br6]、Li[6−CB99F]、Li[6,8−CB982]、Li[6,7,8−CB973]、Li[6,7,8,9−CB964]、Li[2,6,7,8,9−CB955]、Li[CB95Br5]、Ag[CB116Cl6]、Tl[CB116Cl6]、Ag[CB1166]、Tl[CB1166]、Ag[CB1166]、Tl[CB1166]、Ag[CB116Br6]、Tl[CB116Br6]、Li[6,7,9,10,11,12−CB1166]、Li[2,6,7,8,9,10−CB955]、Li[1−H−CB99]、Tl[12−CB1111(C65)]、Ag[1−C65−CB115Br6]、Li[CB11Me12]、Li[CB11(CF312]、Li[CB1166]、Li[CB95Br5]、Li[Co(B92112]、Li[CB11(CH312]、Li[CB11(C4912]、Li[CB11(C61312]、Na[Co(C29112]およびNa[Co(Br32982]を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。別のハルカルボラン塩が国際公開公報WO98/43983に開示されている。
モノマー
本発明の触媒は、環状繰返し単位を含むポリマーの調製に幅広く適している。多環式ポリマーは、式Iの触媒または上記プロ触媒成分の触媒量の存在下において、ポリシクロオレフィンモノマーのモールド内付加重合によって調製される。ここで述べるように、「ポリシクロオレフィン」モノマー、「多環式」モノマーおよび「ノルボルネン型」(NB)モノマーという用語は同義に用いられ、モノマーが下記に示されるように少なくとも1つのノルボルネン部分を含有していることを意味する。
Figure 0005294159
本発明の最も単純な多環式モノマーは、一般にノルボルネンと呼ばれるビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンという二環式モノマーである。「ノルボルネン型モノマー」という語は、モノマーがノルボルネン部分または置換ノルボルネン部分を少なくとも1つ包含する限りは、ノルボルネン、置換ノルボルネンおよびそれらの置換並びに非置換高級環状誘導体を包含することを意味する。置換ノルボルネンおよびその高級環状誘導体は、ぶら下がったヒドロカルビル置換基、または酸素原子を含有している、ぶら下がった置換官能基を含有する。ノルボルネン型モノマーは下記構造式によって表される。
Figure 0005294159
ここでaは単結合または二重結合を表し、R1〜R4は、独立に、ヒドロカルビル置換基または置換された官能基を表し、mは0〜5の整数であり、そしてaが二重結合である場合、R1およびR2のどちらか一方およびR3およびR4のどちらか一方は存在しない。
置換基がヒドロカルビル基、ハロヒドロカルビル基またはパーハロカルビル基である場合、R1〜R4は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C10アルキル、線状および分岐状C2〜C10アルケニル、線状および分岐状C2〜C10アルキニル、C4〜C12シクロアルキル、C4〜C12シクロアルケニル、C6〜C12アリールおよびC7〜C24アラルキルから選択されるヒドロカルビル基、ハロゲン化ヒドロカルビル基および過ハロゲン化ヒドロカルビル基を表し、R1およびR2またはR3およびR4は、アルキルデニル基を表すために一緒に用いられる。代表的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびデシルを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。代表的なアルケニル基としては、ビニル、アリル、ブテニル、およびシクロへキシルを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。代表的なアルキニル基としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、および2−ブチニルを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。代表的なシクロアルキル基としては、シクロペンチル置換基、シクロヘキシル置換基、およびシクロオクチル置換基を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。代表的なアリール基としては、フェニル、ナフチル、およびアントラセニルを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。代表的なアラル基としては、ベンジルおよびフェネチルを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。代表的なアルキルデニル基としては、メチリデニル基およびエチリデニル基を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
好ましいパーハロヒドロカルビニル基としては、過ハロゲン化フェニル基および過ハロゲン化アルキル基を挙げることができる。本発明において有用なハロゲン化アルキル基は、線状または分岐状でありかつ式CzX”2z+1を有する。前記式において、X”は、上記において説明したようにハロゲンであり、zは1〜10の整数から選択される。X”はフッ素であることが好ましい。好ましい過フッ素化置換基としては、パーフルオロフェニル、パーフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロプロピル、パーフルオロブチルおよびパーフルオロヘキシルが挙げられる。ハロゲン置換基に加えて、本発明のシクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基を、線状および分岐状C1〜C5アルキル基およびハロアルキル基、アリール基およびシクロアルキル基でさらに置換することもできる。
ぶら下がった基が置換された官能基である場合、R1〜R4は、独立に、−(CH2nC(O)OR5、−(CH2n−C(O)OR5、−(CH2n−OR5、−(CH2n−OC(O)OR5、−(CH2n−C(O)R5、−(CH2n−OC(O)OR5、−(CH2nSiR5、−(CH2nSi(R53、−(CH2nC(O)OR6、および基
Figure 0005294159
ここでnは、独立に、0〜10の整数を表し、R5は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C10アルキル、線状および分岐状C2〜C10アルケニル、線状および分岐状C2〜C10アルキニル、C5〜C12シクロアルキル、C6〜C14アリール、およびC7〜C24アラルキルを表す、
から選択される基を表す。R5の定義によって説明される代表的なヒドロカルビル基は、R1〜R4の定義により上記で確認されたものと同じである。R1〜R4により上記で説明したように、R5によって定義されるヒドロカルビル基は、ハロゲン化および過ハロゲン化されていてもよい。R6基は、−C(CH33、−Si(CH33、−CH(R7)OCH2CH3、−CH(R7)OC(CH33、または下記の環状基から選択される部分を表す。
Figure 0005294159
ここでR7は、水素または線状または分岐状(C1〜C5)アルキル基を表す。前記アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、t−ペンチルおよびネオペンチルが挙げられる。上記構造式において、環状基から突き出している単結合の線は、環状基が酸置換基に結合する位置を示している。R6基の例としては、1−メチル−1−シクロヘキシル、イソボルニル、2−メチル−2−イソボルニル、2−メチル−2−アダマンチル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラノイル、3−オキソシクロヘキサノニル、メバロン酸ラクトニル、1−エトキシエチルおよび1−t−ブトキシエチルが挙げられる。
また、R6基は、下記構造式で表されるジシクロプロピルメチル(Dcpm)およびジメチルシクロプロピルメチル(Dmcp)を表すこともできる。
Figure 0005294159
上記構造式VIIにおいて、R1およびR4は、これらが結合している2つの環の炭素原子と一緒になって、4〜30の環の炭素原子を含む置換または非置換脂環式基、または、6〜18の環の炭素原子を含む置換または非置換アリール基、またはこれらを組み合わせたものを表すことができる。脂環式基は単環式でも多環式でもよい。不飽和である場合、前記環状基は単一または複数の不飽和結合を含有していてもよいが、単一の不飽和結合を有する環状基が好ましい。置換される場合、前記環は単一または複数の置換基を含有しているが、これらの置換基は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルコキシ、ハロゲン、またはこれらを組み合わせたものから選択される。R1およびR4は、2価の架橋基−C(O)−Q−(O)C−を形成するために一緒に用いられることができ、これらが結合している2つの環の炭素原子と一緒に用いられる場合、5員環を形成する。前記式において、Qは酸素原子または基N(R8)を表し、R8は、水素、ハロゲン、線状および分岐状C1〜C10アルキル、およびC6〜C18アリールから選択される。代表的な構造式を以下に示す。
Figure 0005294159
ここでmは0〜5の整数である。
架橋ポリマーは、上記構造式VIIによって説明したノルボルネン型モノマーを多官能ノルボルネン型架橋モノマーと共重合させることによって調製することができる。「ノルボルネン型架橋モノマー」とは、前記架橋モノマーが少なくとも2つのノルボルネン型部分(ノルボルネン型二重結合)を含有しており、各官能基が本発明の触媒系の存在下において付加重合可能であることを意味している。架橋性モノマーとしては、縮合した多環式環系および連結多環式環系が挙げられる。縮合架橋性モノマーの例を下記構造式に示す。簡略のため、ノルボルナジエンを縮合多環式架橋性モノマーとして包含し、2つの重合可能なノルボルネン型二重結合を含有していると考える。
Figure 0005294159
ここでYはメチレン(−CH2−)基を表し、mは、独立に、0〜5の整数を表し、そしてmが0の場合、Yは単結合を表す。上記式で表される代表的なモノマーを以下に示す。
Figure 0005294159
連結多環式架橋性モノマーは、一般に、下記構造式VIIIで表される。
Figure 0005294159
ここでaは独立に単結合または二重結合を表し、mは独立に0〜5の整数を表し、R9は、2価のヒドロカルビル基および2価のエーテル基から選択される2価の基である。「2価」とは、基の各末端における遊離の価電子がノルボルネン型部分に結合していることを意味している。好ましい2価のヒドロカルビル基は、アルキレン基および2価の芳香族基である。前記アルキレン基は、式−(Cd2d)−で表される。前記式において、dはアルキレン鎖中の炭素原子の数を表し、1〜10の整数である。前記アルキレン基は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレンおよびデシレンの如き線状および分岐状(C1〜C10)アルキレンから選択されることが好ましい。分岐状アルキレン基を考慮する場合、アルキレン主鎖中の水素原子が線状または分岐状(C1〜C5)アルキル基で置換されるということを理解するべきである。
前記2価の芳香族基は、2価のフェニル基および2価のナフチル基から選択される。前記2価の芳香族基は、基−R10−O−R10−で表される。前記式において、R10は独立にR9と同じである。特定の連結多環式架橋性モノマーの例は、下記構造式VIIIa〜VIIIeのように示される。
Figure 0005294159
ポリシクロオレフィンモノマー組成物に用いられる多官能架橋性モノマーの量は、モノマー組成物全体の約0.25〜約99.75重量%であることが好ましい。
ヒドロカルビル置換されたノルボルネンモノマーおよび官能基で置換されたノルボルネンモノマーを調製するための経済的な経路はディールス‐アルダー反応に依存するものであり、下記反応式で一般に示される置換ノルボルネン型付加物を形成するために、CPDまたは置換CPDを高温で好適なジエノフィルと反応させる。
Figure 0005294159
ここでR1〜R4は、前述のように、独立に、水素、ヒドロカルビル、および/または官能基を表す。
他のノルボルネン型付加物は、好適なジエノフィルの存在下でジシクロペンタジエン(DCPD)の熱分解によって調製することができる。この反応は、下記に示されるような付加物を与えるために、最初にDCPDからCPDへの熱分解が起こり、続いてCPDとジエノフィルのディールス−アルダー付加が起こることによって進行する。
Figure 0005294159
ここでnはモノマー中の環状単位の数を表し、そしてR1〜R4は、前述のように、独立に、水素、ヒドロカルビル、および/または官能基を表す。ノルボルナジエンおよびその高級ディールス‐アルダー付加物は、以下に示すように、アセチレン系反応剤の存在下でCPDとDCPDの熱反応によって、同じ様に調製することができる。
Figure 0005294159
ここでn、R1およびR2は、上記において定義された通りである。
ノルボルナジエンは本発明において架橋剤として用いることができるが、高級同族体が好ましい。ノルボルナジエンは、各種二量化触媒を用いて、または、シクロペンタジエンと一緒に加熱することによって、高級同族体またはディールス-アルダー反応生成物に転化することができる。モノマーが架橋したノルボルナジエン二量体の場合には、下記に示すようなノルボルナジエン二量体の異性体混合物を生成するために、ノルボルナジエンが触媒作用によって結合するという他の合成が用いられる。
Figure 0005294159
ノルボルナジエンの二量化は、多数の触媒によって容易に行うことができ、最大6つの異性体の混合組成物が得られる(すなわち、Wu et al. 米国特許出願第5,545,790号)。好ましい異性体は、エキソ−トランス−エキソ、エンド−トランス−エンド、およびエキソ−トランス−エンド−1,4,4a,4b,5,8,8a,8b−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノビフェニレン(「ノルボルネン二量体」または「[NBD]2」)である。エキソ−トランス−エキソノルボルナジエン二量体が最も好ましい架橋剤である。ノルボルナジエン二量体をジシクロペンタジエンまたはシクロペンタジエンと一緒に加熱すると、ノルボルナジエン二量体の高級オリゴマーが得られる。他の架橋剤は、シクロペンタジエンと、例えばシクロオクタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンおよびトリシクロヘプタトリエンの如き2種類以上の反応性オレフィンを含有しているオレフィンとの反応によって調製される。
さらに好ましい架橋性モノマーとは、(2つの重合可能な二重結合を含有している)2種類の反応性ノルボルネン型部分を含有しているものである。好ましいモノマーの1つは、ディールス‐アルダー反応を介した5−(3−ブテニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンとシクロペンタジエンとの反応によって調製される5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(NBCH2CH2NB)である。5−(3−ブテニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの高級同族体、すなわち、2−(3−ブテニル)−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレンも、選択されるコモノマーである。同様に、1,4,4a,5,6,6a,7,10,10a,11,12,12a−ドデカヒドロ−1,4:7,10−ジメタノジベンゾ[a,e]シクロオクテンが、1,4,4a,5,6,9,10,10a−オクタヒドロ−1,4−メタノベンゾシクロオクテンとシクロペンタジエンの間のディールス‐アルダー反応において調製される。1,4,4a,5,6,9,10,10a−オクタヒドロ−1,4−メタノベンゾシクロオクテンの高級同族体、すなわち、1,4,4a,5,5a,6,7,10,11,11a,12,12a−ドデカヒドロ−1,4:5,12−ジメタノシクロオクタ[b]ナフタレンも、選択されるコモノマーである。シクロペンタジエンの対称および非対称三量体、すなわち、4,4a,4b,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノ−1H−フルオレンおよび3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−4,9:5,8−ジメタノ−1H−ベンズ[f]インデンも、それぞれ有用な架橋試薬である。他の好ましいモノマー、すなわち、1,4,4a,5,8,8a−ヘキサヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレンは、シクロペンタジエンとノルボルナジエンとの反応から得られる。ジビニルベンゼンと過剰のシクロペンタジエンは、対称架橋剤である5,5’−(1,4−フェニレン)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを形成する。
好ましい重合可能なノルボルネン型モノマーの例としては、ノルボルネン(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)、5−メチル−2−ノルボルネン、エチルノルボルネン、プロピルノルボルネン、イソプロピルノルボルネン、ブチルノルボルネン、イソブチルノルボルネン、ペンチルノルボルネン、ヘキシルノルボルネン、ヘプチルノルボルネン、オクチルノルボルネン、デシルノルボルネン、ドデシルノルボルネン、オクタデシルノルボルネン、トリメトキシシリルノルボルネン、ブトキシノルボルネン、p−トリルノルボルネン、メチリデンノルボルネン、フェニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、エキソ−ジシクロペンタジエン、エンド−ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロドデセン、ジメチルテトラシクロドデセン、エチルテトラシクロドデセン、エチリデニルテトラシクロドデセン、フェニルテトラシクロドデセン、シクロペンタジエンの四量体、プロペニルノルボルネン、5,8−メチレン−5a,8a−ジヒドロフルオレン、シクロヘキセニルノルボルネン、ジメタノヘキサヒドロナフタレン、エンド,エキソ−5,6−ジメトキシノルボルネン、エンド,エンド−5,6−ジメトキシノルボルネン、2,3−ジメトキシノルボルナジエン、5,6−ビス(クロロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリス(エトキシ)シリルノルボルネン、2−ジメチルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン、2,3−ビストリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン、5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6−,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロイソプロピル−6−(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、2,3,3,4,4,5,5,6−オクタフルオロトリシクロ[5.2.1.O]デシ−8−エン、5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−a−ナフチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、1,4,4a,9,9a,10−ヘキサヒドロ−9,10[1’,2’]−ベンゼノ−1,4−メタノアントラセン、インダニルノルボルネン(すなわち、CPDとインデンの反応生成物である1,4,4,9−テトラヒドロ−1,4−メタノフルオレン)、6,7,10,10−テトラヒドロ−7,10−メタノフルオランセン(すなわち、CPDとアセナフタレンの反応生成物)、1,4,4,9,9,10−ヘキサヒドロ−9,10[1’,2’]−ベンゼノ−1,4−メタノアントラセン、エンド,エンド−5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、エンド,エキソ−5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、エキソ,エキソ−5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、1,4,4,5,6,9,10,13,14,14−デカヒドロ−1,4−メタノベンゾシクロドデセン(すなわち、CPDと1,5,9−シクロドデカトリエンの反応生成物)、2,3,3,4,7,7−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン(すなわち、CPDとシクロペンテンの反応生成物)、1,4,4,5,6,7,8,8−オクタヒドロ−1,4−メタノナフタレン(すなわち、CPDとシクロヘキセンの反応生成物)、1,4,4,5,6,7,8,9,10,10−デカヒドロ−1,4−メタノベンゾシクロオクテン(すなわち、CPDとシクロオクテンの反応生成物)、および1,2,3,3,3,4,7,7,8,8−デカヒドロ−4,7−メタノシクロペント[a]インデンを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。モノマー反応混合物に多官能ノルボルネン型架橋モノマーを用いる重要性は2つある。すなわち、1)多官能ノルボルネン型モノマーは、ポリマー鎖を架橋することができるので、成形品の耐衝撃性、耐溶剤性および加熱ひずみ性を向上させることができるということ、および2)多官能ノルボルネン型モノマーは、重合の際に、単官能(重合可能なノルボルネン部分を1つだけ含有している)ノルボルネン型モノマーより多くエネルギーを発するので、重合反応の発熱温度が高くなるということである。
ノルボルネン型モノマーの反応射出成形(RIM)がうまくいくために極めて重要なのは、塊状重合の際中に発せられるエネルギーの量である。例えば、ポリジシクロペンタジエン反応射出成形系の場合、ジシクロペンタジエン(DCPD)の開環メタセシス重合(ROMP)の際に環張力を解放すると、約180℃の付随する重合発熱が起こる。現場で生成したポリマーの内部温度は、ポリDCPDのガラス転移温度(Tg=150℃)よりも高くなる。従って、DCPDをベースとしたRIM熱硬化型成形系の場合、この重合発熱および温度変位は、優れたモノマーからポリマーへの転化を与える。本発明において、付加重合ポリマー調合物の内部温度は、転化率を最大にするために、所望のポリマーのガラス転移温度(Tg)をわずかに超えるまで上昇することが好ましい。
ノルボルネン(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)の付加重合は、ノルボルネンの開環メタセシス重合よりも多くエネルギーを発生する、すなわち、−19.6kcal/mol(Ap)に対して−14.4kcal/mol(ROMP)であることは、実験的に(基本的な理論的方法、すなわち、分子の機械的計算法、溶液反応熱量測定法、およびバルク処理法によって)確認されている。さらに、置換されたノルボルネンは、もとのノルボルネンよりも、重合の際に発するエネルギーがわずかに少ないことが測定/確認されている。
重合エネルギーをできるだけ多く利用し、それによって反応を完了に至らせるために、モノマーの単位質量当たりの重合エンタルピーは、できるだけ高くなければならない。付加重合されたポリノルボルネンのガラス転移温度は、相当するROMPポリノルボルネンのそれよりもはるかに高いので、ポリマーの内部温度が、そのガラス転移温度またはそれを超えたぐらいの温度に達するように、付加重合におけるすべての重合エネルギーを解放することが望ましい。すなわち、モノマーの単位質量における二重結合濃度が高いほど、潜在的な重合発熱エネルギーが高いことが確認された。従って、ノルボルネンの二重結合に対して低い炭素比を示すモノマーを有することが望ましい。例えば、ノルボルネン中の二重結合対炭素原子の比は7である。ヘプチルノルボルネンの場合、この比率は14である。従って、重合するノルボルネンの質量からヘプチルノルボルネンの約2倍の内部温度に達することが予想される。付加重合の場合、形成されるポリマーの内部温度ができるだけ高い温度に達することができるということを確保するために、重合反応時間枠はできるだけ短くあるべきである。
本発明の方法では、約3〜約17の二重結合対炭素原の子比を有するモノマーを用いることが好ましく、前記比が約3.5〜約9であるモノマーを用いることがさらに好ましい。ノルボルネンの結合に対して低い炭素比を有するモノマーとしては、ノルボルナジエン(比率:3.5)、ジメタノヘキサヒドロナフタレン(TDD)(比率:6)、およびノルボルナジエン二量体(比率:7)が挙げられ、これらが本発明において好ましい。しかしながら、最終ポリマーのガラス転移温度も出発モノマーの本質を選択する上で重要であることに注意すべきである。
多環式オレフィンの重合において、ポリマーの最終温度が、形成されるポリマーのマトリックス内でのモノマーの流動性を許容するのに十分高くなるように条件が選択されなければならない。これは、通常、成形されるポリマーのガラス転移温度よりも上、しかし1℃〜100℃の範囲内である。通常好ましいのは、200℃〜300℃の範囲の重合発熱温度である。しかしながら、場合によっては、たとえモールド内の最高温度がポリマーのガラス転移温度よりも実質的に低くても、整合性のとれた成品が製造されることがある。
最も小さい多炭素環式多官能性ノルボルネン型モノマーは、3.5の重合可能な二重結合に対する炭素の比、すなわち、7つの炭素当り2つの二重結合を有するノルボルナジエンである。
RIMにおいて有用である多官能性ノルボルネン型モノマーは、ノルボルナジエンおよびその付加物から誘導することができる。これらのモノマーは二量体および三量体架橋剤、およびノルボルナジエンの異性化物、すなわち、
Figure 0005294159
である。
本願明細書において考慮される他のポリシクロオレフィンモノマーには、レイヤー米国特許出願第4,301,306号およびレイヤー米国特許出願第4,324,717号に開示されているモノマーが包含され、これらの特許出願には上記ノルボルネン構造が記載されている。
米国特許出願第4,426,502号のMinchakは、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン(対称および非対称シクロペンタジエン三量体)、テトラシクロドデセン、およびノルボルネン型基を含有している他のシクロオレフィンモノマーを包含する「ノルボルネン型モノマー」のための塊状重合法を開示している。ジシクロペンタジエンは、エチレンの製造において副生成物として容易に得られるという点で開環メタセシス重合されたポリマーを調製するのに用いられる一般的なシクロオレフィンモノマーである。このような塊状重合の場合、粘度が高すぎないという条件で、液体試薬が固体よりも扱いやすいということで好まれる。ジシクロペンタジエンは、塊状重合反応に用いるのに十分な純度である場合、周囲温度で固体であるという点で、その使用には問題がある。純度の高いジシクロペンタジエンの融点は、通常、約31℃〜32℃を超える温度である。ジシクロペンタジエンはわずかに加熱することで液体にすることができるが、この高い融解温度は工業的プロセスにおいて重大な不都合を呈示している。例えば、連続装置においては、ジシクロペンタジエンが固化するのを防ぐためにモノマー用の供給ラインを加熱しなければならない。さらに、モノマーを発送する場合、それらが届け先に到着したとき、重合工程での使用のためにモノマーを融解する上で、かなりの問題と出費が現実のものとなる。しかしながら、純度の高いジシクロペンタジエンは、有用な生成物を得るために塊状重合法にとって必要であることが分かっている。不純物は、しばしば液体ジシクロペンタジエン混合物を与えるだけでなく、また、重合を遅延させる。不活性溶媒または希釈剤を添加すると、未反応成分が衝撃特性を低下させるおよび/または最終成品から浸出してその成品をダメにしてしまうという点で、得られる成品に悪影響を与える。
同様に、ノルボルネンモノマー(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)も室温で固体であるため、RIM用途におけるその使用が減ってきていることに注意すべきである。さらに、ノルボルネンは、その比較的低い沸点と引火点とによって特徴付けられ、これらの物理的性質は、そのRIM処理の際に問題を起こすことがある。好ましいノルボルネンモノマーは、エンド立体異性体とエキソ立体異性体との混合物であり、その理由は、これらの材料は液体であることが多いからである。2種類以上の異なるモノマーを用いることが好ましい。成分を混合することは、単一モノマー成分を用いた場合と対照をなして、モノマー混合物の凝固点を低下させる。さらに、当該技術分野のいかなる当業者も、必要とされるポリマー特性を得るのに必要な好ましいノルボルネンモノマー組成物を決定することができる。このように、モノマー混合物は、幅広い処理条件下において使用することができる。固体のノルボルネン型モノマーを用いる場合、このモノマーを溶媒に溶かしたり、溶媒中で膨張させたり、または他のモノマーと共に混合することができる。さらに、固体のノルボルネン型モノマーは、前記モノマーを、融点まで、あるいはそれ以上の温度にまで加熱し、触媒系の成分の溶解させることによって効率的に付加重合させることができる。
ディールス‐アルダー反応によって調製されたノルボルネンモノマーは、出発ジエノフィルに依存して、様々な組成物においてエンド異性体またはエキソ異性体として得られる。ノルボルネンモノマーのエンド形態およびエキソ形態は、本質的に、ポリマーに等しく取り込まれる。しかしながら、ある特定の理由のために一方の異性体組成物が他方よりも好まれる場合、例えばモノマー組成物が室温で液体である場合には、次に反応モノマーは適当なルイス酸または固体酸の存在下で異性化されてもよい。芳香族基含有ノルボルネンのエンド形態は、芳香族基含有ノルボルネンの異性体混合物を生成し、エキソ異性体リッチなモノマー混合物を得るために固体酸触媒をエンド異性体と接触させることによって、エキソ形態に転移させることができる。その例が、T.Sagane、T.Toshihiro、Y.Tsuji、and Y.Toda in Eur.Pat.Appl 499226 A1 920819に記載されている。本願明細書ではその開示が引例として援用される。
モノマー純度
市販の環状オレフィンは、84%〜約99.9%にわたる様々な純度で入手することができるが、純度範囲の上方の純度は、蒸留、分解および改質、さらに異物および重合条件下において共重合しないオレフィンを除去する処理の結果である。
用いられるノルボルネン型モノマーは、少量の同様の炭化水素を含有していてもよいが、含有するのであれば、反応に悪影響を与えるものであってはならない。用いられるノルボルネン型モノマーが好ましからざる炭化水素を含有している場合、前記炭化水素は公知の手段で取り除くことができる。重合反応を妨げる可能性のある不純物をすべて取り除くことが好ましい。これらの処置がとられた後でも、モノマーがまだ不純物を含有していることがある。モノマーからポリマーへの転化をできるだけ完全なものにするために、モノマーの純度は、約90%よりも高いことが好ましく、約95%よりも高いことがさらに好ましく、約99%よりも高いことがさらにより好ましく、そして約99.5%よりも高いことが最も好ましい。
調合物の調整の際にその成分に混入してしまう水が、触媒成分の貯蔵安定性に悪影響を及ぼすことがある。水は、シクロオレフィンモノマー中、および、主に衝撃改質剤、可塑剤、難燃剤、発泡剤、内部離型剤、充填剤および補強剤である不活性配合剤中の不純物として調合物に混入し得る。プロ触媒か活性剤のどちらかを調合物に添加する前は、シクロオレフィンモノマーと不活性配合剤との混合物中の水の濃度は、約50ppmよりも低いことが好ましく、10〜0ppmであることがさらに好ましい。助触媒またはハロメタル活性剤を添加する前にシクロオレフィンモノマー中の水の濃度が50ppmよりも低いということを確実にするために、シクロオレフィンモノマーを共沸蒸留を経て乾燥させることができる。水と大部分のシクロオレフィンモノマーとが不均質な共沸混合物を形成するので、少量の部分的なシクロオレフィンモノマーを留出させることによって不純物である水の大部分が取り除かれる。共沸混合物(すなわち、留出したシクロオレフィンモノマーと水)をモレキュラーシーブを通過させて共沸混合物から水を除去し、そしてシクロオレフィンモノマーを上記成分に戻すことができる。
重合方法
おおざっぱな言い方をすれば、本発明の方法は、反応性モノマー組成物を形成するために複数の反応流れを混合することを含み、そして次に反応性モノマー組成物は重合が進行するモールドへ移される。各反応流れは、触媒系成分とキャリヤー液を含有する。反応流れを混合するとき、活性触媒が現場で形成される。前記キャリヤー液は、触媒系成分用または重合されるノルボルネン型モノマー用の溶媒でもよい。前記反応流れの少なくとも1つが、少なくとも一種類のノルボルネン型モノマーを含有していなければならない。本発明の1つの実施態様では、前述の式[R’ML’XA’]のプロ触媒を含む反応流れが、WCA活性剤塩成分を含む反応流れと混合される。次に、形成された反応組成物は、重合が起こるモールドへ移される。これらの反応流れの少なくとも一方、好ましくは両方が少なくとも一種類のノルボルネン型モノマーを含む。
他の実施態様では、前述の式[R’MA’]2のプロ触媒を含有する反応流れは、第2および/または第3の反応流れと混合される。前記第2の流れは第15族電子供与化合物を含み、第3の流れはWCA活性剤塩成分を含む。この実施態様では、2流体法が用いられるのであれば、第15族電子供与成分は、プロ触媒の流れまたは活性剤の流れの中に配置されることができる。これらの反応流れの少なくとも1つ、好ましくは全部が少なくとも一種類のノルボルネン型モノマーを含有している。次に、このようにして形成された反応性調合物は、重合が起こるモールドへ移される。
他の実施態様では、式Iの予備成形された単一成分触媒の溶液を含有する反応剤流れは、少なくとも一種類のノルボルネン型モノマーを含むモノマー流れと混合される。その後に、反応性組成物は、重合反応が終了するまで進行するモールドへ移される。本実施態様において、触媒成分に対して好適なキャリヤー溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびシクロヘキサンの如きアルカン溶媒およびシクロアルカン溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、カーボンテトラクロライド、エチルクロライド、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパンおよび1−クロロペンタンの如きハロゲン化アルカン溶媒、THFおよびジエチルエーテルの如きエーテル、ベンゼン、キシレン、トルエン、メシチレン、クロロベンゼンおよびo−ジクロロベンゼンの如き芳香族溶媒、Freon(登録商標)112の如きハロカーボン溶媒、およびこれらを混ぜ合わせたものを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。好ましい溶媒としては、ベンゼン、フルオロベンゼン、o−ジフルオロベンゼン、p−ジフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、o−、m−およびp−キシレン、メシチレン、クロロへキサン、THF、ジクロロメタン、液体ゴムおよび液体酸化防止剤が挙げられる。
一般に、上記実施態様を液体供給材料流れを用いて行う方法は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の反応射出成形(RIM)、樹脂移動成形(RTM)および他の工業用の塊状重合技術として、当該技術分野において公知である。
好ましい重合技術において、上記重合法は、RIM重合を経て実施することができる。RIM重合法では、重合されるモノマー中の第10族金属プロ触媒成分の流れと、活性剤を含有しているモノマー流れが、RIM装置の混合ヘッド内で混合され、その後直ちにモールドに射出されるとほぼ瞬時に重合が起こり、成形品が得られる。この場合、上記2種類の流れは、2つの独立した容器から供給される。モノマー溶液に基づいて2種類以上の成分をうまく処理することができるのは、これらの成分が貯蔵安定性がある、すなわち、活性種が存在しないときには自発重合を起こさない、粘度が変わらない、または反応性が経時劣化しない場合のみである。
本発明によって提供される重合系は、少なくとも2種類の貯蔵安定性成分を含む。これらの成分の組成は基本的にノルボルネン型モノマーであって、その一方はプロ触媒を含有しており、もう一方は活性剤を含有している。これらの貯蔵安定性調合物がRIM系内で混合されると、(選択された出発モノマーに基づいて)熱可塑性物または熱硬化性物のいずれか一方を調製することができるが、熱硬化性ポリマー物が好ましい。
あるいは、前記2種類の反応剤溶液を混合した後、反応性混合物は、米国特許出願第4,4,26,502号に記載されるように、数回に分けて予熱されたモールドに射出することもできる。前記特許出願は、本願明細書に、その全文が引例として援用される。
本発明は、反応剤流れのそれぞれがモノマーを含有しているという2反応物流体法に限定されるわけではない。状況によって、1つの流れだけにモノマーを含有させておくこと、または、3つ目の流れ(または複数の流れ)にさらに反応剤、調節剤または添加剤を含有させた3つ以上の流れを用いることが望ましい場合があることは当業者にとって明らかである。
モノマー対プロ触媒反応剤比
付加重合可能なモノマーの成形は、好ましくはモル基準で約100:1を超え、さらに好ましくは約200:1を超え、そしてさらに好ましくは約500:1を超える、モノマーのモル比対(NiおよびPdをベースとした)プロ触媒の比を用いて達成できる。ブチルノルボルネンの如きポリシクロオレフィンの場合、モノマーに対する(NiおよびPdをベースとした)プロ触媒の比は、好ましくは約100:1〜約1,000,000:1であり、さらに好ましくは100:1〜500,000:1であり、さらにより好ましくは100:1〜約25,000:1であり、そして最も好ましくは約500:1〜約25,000:1である。
WCA塩対プロ触媒反応剤比
付加重合可能なモノマーの成形は、好ましくはモル基準で約100:1〜0.5:1であり、さらに好ましくは約5:1〜1:1であり、最も好ましくは約2:1〜1:1である、(NiおよびPdをベースとした)プロ触媒対WCA塩活性剤のモル比を用いて達成することができる。
モノマー温度、成形温度および他の処理温度
付加重合による触媒の形成速度は初期温度に依存するので、ゲル化時間および硬化時間は、重合温度を調節することによって制御することができる。一般に、反応が行われる温度を上昇させると、反応速度も速くなる。温度を8℃上昇させるごとに、反応速度は約2倍になる。従って、より高い反応温度で制御した反応速度を維持するために、付加重合触媒系の活性を低くした調合物を用いてもよい。反応が行われる温度を上昇させると、ゲル化時間および硬化時間は減少する。
モノマーがモールドに投入されるとき、その温度は冷却温度から高温の間の温度でよい。一般に、これらの成分は、モールドに入れられる前に、それらの引火点を超えて加熱されることはないことは予想される。0℃よりも低い温度からモノマーの沸点までの温度を用いることができる。通常好ましいとされるのは、10℃〜300℃、好ましくは10℃〜200℃、最も好ましくは20℃〜100℃の範囲の供給温度である。
上記重合反応は発熱性であるため、重合中のモールド内の温度は、冷却されたモールドを用いるのでなければ、通常は供給材料の温度よりも高い。モールドの初期温度は、通常、−20℃〜約300℃、好ましくは約0℃〜約200℃、最も好ましくは20℃〜100℃の範囲内である。モールド内の温度分布は、モールドの形状、ヒートシンクまたは熱供給手段の如きモールドの特徴、触媒およびモノマーの反応性等のような要素に影響される。ある程度、好適な温度および熱交換条件の選択は、所定の系のモールド、供給材料および触媒に関する経験に基づいて行われなければならない。
重合反応が終了した後、成形物に、約100℃〜300℃の範囲の温度で、約15分〜24時間、好ましくは1〜2時間の間、さらに後硬化処理を行ってもよい。このような後硬化処理は、ガラス転移温度および加熱ひずみ温度を含むポリマー特性を改善することができる。さらに、後硬化処理は、試料を最終的に安定な寸法状態にさせるため、残留臭気を最小限に抑えるため、および最終的な物理的性質を改善するためには望ましいが、不可欠なものではない。本発明のRIM法は、ノルボルネン型熱可塑性ホモポリマー若しくはコポリマーまたは熱硬化性ノルボルネン型ホモポリマー若しくはコポリマーのいずれかを調製する。
モールド圧およびデイタンク圧
圧力は、モールド内のモノマーが液相または超臨界相に維持されるような圧力であるべきである。モールド内の好適な圧力は、用いられるモノマーおよび温度に依存するが、0〜2,500psiゲージの範囲内である。モールド圧は、通常、大気圧ぐらい〜1,000psi、好ましくは0〜100psi、最も好ましくは0〜15psiである。
充填時間
プロ触媒成分および活性剤成分をモールド内に射出した後、発熱性重合反応からの急速な発熱が始まる前に「誘導時間」とよばれる時間がある。工業用のRIM法では、この誘導時間は、モールドが一杯に埋まるのに十分なほど長い時間であるべきであり、通常は約2分間、好ましくは30秒よりも短い時間である。一旦重合が始まると、重合はかなり急速に起こり、通常は一分以内、好ましくは10秒以内で進行し、そして温度の急速な上昇を伴う。しかしながら、重合が完了するのに必要とされる時間は、モノマーおよび触媒の反応性とモールド内で維持される温度の関数である。実質的に完全な反応は、1秒ほどのわずかな時間で得られることもあるが、数時間にわたる期間をかけて得られることもある。付加重合熱硬化配合物の利点の1つは、ROMP調合物ほど速くゲル化しないことである。
これらの成分の流れは、慣用のRIM装置に完全に適合している。酸素によって抑制されることが知られているこれらの付加重合成分の場合、不活性ガス下で成分を保管することが必要かもしれないが、驚くべきことに、モールド自体を不活性ガスでガスシールする必要はない。上記流れは、RIM装置の混合ヘッド内で混合される。乱流混合は、工程が低分子量で、急速に拡散する成分を伴うので、実施しやすい。一般に、前記混合ヘッドは、直径が約0.032インチのオリフィスと、約400ft/secの噴射速度を有する。流れが混合された後、混合物をモールド内に射出すると、ポリノルボルネンポリマーが硬化するにつれて急速な発熱反応が起こる。混合された流れが射出された後、20〜30秒ほどの短い時間でモールドを開けることができる。この短い時間では、熱除去は完全ではなく、ポリマーは熱くて柔軟である。ポリマーは、熱いままで直ちに、または、冷めてからモールドから取り出すこともできる。ポリマーは冷えると硬質の固体になる。サイクル時間の合計は、0.5分間ほどの短い時間でもよい。
触媒生成の改質速度、触媒反応性の制御および重合作用
本発明は、比較的幅広い反応時間、温度、圧力、反応物質相および混合の条件下において実施することができる。条件の選択は、供給モノマーの反応性、触媒の活性および選択性並びに所望するポリマーの種類の関数である。
ゲル化時間および硬化時間の制御は、反応射出成形法および他の塊状重合法を実施する上で特に重要なことである。本発明におけるゲル化時間および硬化時間の制御は、いくつかの「内的(indigenous)」(生来または成分によって確立されるの意)要因または「外的(exogenous)」)(外来の添加剤または系に添加することのできる他の反応物質の意)要因から得られる。
触媒系の反応性を制御する群を抜いて最も単純な方法は、成形内的反応性制御剤にとって重要であるアリルパラジウム誘導体に結合しているリン配位子の性質を調製することによる。例えば、(π−アリル)パラジウムトリフラートトリシクロヘキシルホスフィンプロ触媒は、リチウムテトラキス(ヘキサフルオロフェニルプロポキシ)アルミネートの存在下において、対応する(π−アリル)パラジウムトリフラートトリイソプロピルホスフィンプロ触媒よりもさらにゆっくりと反応する。生成する触媒系のゲル化時間および硬化時間を制御するために、アリル置換基を変えてもよい。例として、クロチルパラジウムトリフラートトリイソプロピルホスフィンプロ触媒は、リチウムテトラキス(ヘキサフルオロフェニルプロポキシ)アルミネートの存在下において、対応する(π−アリル)パラジウムトリフラートトリイソプロピルホスフィンプロ触媒よりもさらにゆっくりと反応する。同様に、プロ触媒の脱離基(A’)の性質も、反応の速度に影響を与えることがある。(π−アリル)パラジウムトリフラートトリイソプロピルホスフィンの誘導体、すなわち(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)は、対応する(π−アリル)パラジウムトリフルイミドトリイソプロピルホスフィンプロ触媒、すなわち(π−アリル)Pd(N(Tf)2)(P(i−Pr)3)よりも、リチウムテトラキス(ヘキサフルオロフェニルプロポキシ)アルミネートの存在下でさらにゆっくりと活性化される。
同様に、上記系の所望のゲル化および硬化は、弱配位活性剤塩または活性剤の混合物を適切に選択すること(外的反応性制御)によって実現することができる。さらに、ゲル化および硬化の制御は、弱配位アニオン内の原子の数を変えてアニオンの大きさおよびその電荷分布を拡張することによって加減することができる。
本系におけるルイス塩基速度調整剤の使用は任意であり、すなわち、内的または「外的」な調整であり、その結果としてゲル化時間および硬化時間がさらに制御される。好適な外来速度調整剤としては、例えば、水、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−Me−THF)、ジエチルエーテル((C252O)、メチル−t−ブチルエーテル(CH3OC(CH33)、ジメトキシエタン(CH3OCH2CH2OCH3)、ジグライム(CH3OCH2OCH2OCH3)、トリメチルホスフィン(PMe3)、トリエチルホスフィン(PEt3)、トリブチルホスフィン(PBu3)、トリ(オルト−トリル)ホスフィン(P−o−トリル3)、トリ−t−ブチルホスフィン(P−t−Bu3)、トリシクロペンチルホスフィン(Pシクロペンチル3)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)、トリイソプロピルホスフィン(P(i−Pr)3)、トリオクチルホスフィン(P(オクチル)3)、トリフェニルホスフィン(PPh3)、トリ(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン(P(C653)、メチルジフェニルホスフィン(PMePh2)、ジメチルフェニルホスフィン(PMe2Ph)、トリメチルホスファイト(P(OMe)3)、トリエチルホスファイト(P(OEt)3)、トリイソプロピルホスファイト(P(O−i−Pr)3)、エチルジフェニルホスフィナイト(P(OEt)Ph2)、トリブチルホスファイト(P(OBu)3)、トリフェニルホスファイト(P(OPh)3)、ジエチルフェニルホスホナイト(P(OEt)2Ph)、トリベンジルホスフィン(P(CH2Ph)3)、2−シクロヘキサノンおよびトリフェニルホスフィンオキサイドが挙げられる。好ましい外来速度調整剤は、トリフェニルホスフィンおよびトリフェニルホスフィンオキサイドである。
モル基準で計算されたプロ触媒対調整剤の比は、好ましくは約0.001〜100であり、さらに好ましくは約0.01〜約10であり、そして最も好ましくは約0.1〜2.0である。
さらに、反応性に対する外的な制御は、ルイス塩基種を重合可能なモノマーに結合させることによって実現することができる。このようにして、調整剤が重合してポリマー構造に取り込まれることによって、系に重要な官能基を与えることになる。好適な官能基の例としては、エーテル、トリアルコキシシラン、エステル、カルボン酸、およびアルコールが挙げられる。具体例としては、トリエトキシシリルノルボルネン、ノルボルネンメタノールおよびブトキシノルボルネンが挙げられる。
他の供給材料成分
各種添加剤を、ノルボルネンポリマーの特性を調製するために含めることができる。本発明による成形品の作製は、例えば、溶媒、発泡剤、充填剤、繊維、顔料、染料、滑剤、酸化防止剤、オゾン分解防止剤、紫外線吸収剤、架橋剤、臭気吸収剤またはマスキング剤、難燃剤、光安定剤、可塑剤、発泡剤、表面平滑化用ウイスカー、強化剤、補強剤、衝撃改質剤およびポリマー改質剤並びに増粘剤の如き非干渉添加剤の存在下において行うことができる。重合時間が速いため、これらの添加剤は、多環式オレフィンがモールド内で硬化する前に添加されなければならない。これらの成分は、モールドに射出される前に、1つ以上の反応剤流れの構成成分として、あるいはモノマー中の液体または溶液として反応に加えられることが最も都合がよい。反応流れを入れる前に、充填剤を型穴に入れることもできるが、これは反応流れがこれらの充填剤の周りを容易に流動してモールド内の残った空間を埋めることができることが前提である。添加剤が触媒活性に影響を与えないことが不可欠である。
酸化防止剤およびオゾン分解防止剤としては、ゴムまたはプラスチック業界で用いられる酸化防止剤およびオゾン分解防止剤が挙げられる。「工業用酸化防止剤およびオゾン分解防止剤の指標、第4版(Index of Commercial Antioxidants and Antiozonants,Fourth Edition)」が、Goodyear Chemicals, The Goodyear Tire and Rubber Company, Akron, OH 44316から入手できる。酸化防止剤は、フェノール系、燐系、硫黄系、またはアミン系化合物を用いることができる。酸化防止剤は、単独で、好ましくは組み合わせて用いることができる、配合比は、ノルボルネンポリマーについて0.05重量部よりも多く、好ましくは0.5〜100重量部である。酸化防止剤は、ノルボルネニルフェノール系化合物である5−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−2−ノルボルネンの如きモノマーと共重合させてもよい(公開公報昭57−83522参照)。
慣用の製造されたオレフィンポリマーは、通常、安定化されていないポリマーが押出成形機などで融解して溶融物となる間に起こる酸化的分解反応に対する安定剤を含有する。本発明の方法では、使用前あるいは使用中に溶融されない最終形態における成品が得られるので、このような成品は、従来のポリオレフィンと同じ程度まで安定化させる必要はない。この目的のために選択される化合物は、重合反応を著しく妨げるべきではない。好適な安定剤は、下記の群、すなわち、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、Wingstay S(Goodyear)の如きスチレン化フェノール、2−および3−t−ブチル−4−メトキシフェノール、Wingstay C(Goodyear)の如きアルキル化ヒンダードフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−sec−ブチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、Cyanox 53およびPermanax WSOの如き各種ビスフェノール、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−(1−メチルシクロヘキシル)フェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ポリブチル化ビスフェノールA、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェノール)、1,1’−チオビス(2−ナフトール)、エチル酸化防止剤738の如きメチレン架橋ポリアルキルフェノール、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、Wingstay Lの如きp−クレゾールとジシクロペンタジエンとのブチル化反応生成物、テトラキス(メチレン−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート)メタン、すなわち、Irganox 1010、Ethanox 330の如き1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、すなわち、Goor−rite 3114、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、t−ブチルヒドロキノン、トリス(ノニルフェニルホスファイト)、ビス(2,4−ジ−t−ブチル)ペンタエリスリトール)ジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、Naugard 492の如き亜リン酸エステル化フェノールおよびビスフェノール、Irganox B215の如きホスファイト/フェノール酸化防止剤ブレンド、Irganox 1093の如きジ−n−オクタデシル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホナート、Irganox 259の如き1,6−ヘキサメチレンビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナート)、Irganox 1076の如きオクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンホスホナイト、ジフェニルアミン、および4,4’−ジメトキシジフェニルアミンから選択することができる。このような材料は、通常、ポリマーに対して約0.05%〜5%、さらに好ましくは0.1%〜1%の割合で用いられる。
本発明の方法は、特定の形態または繊維状の形態にある慣用の充填剤または補強成分、例えば、短く分断されたガラス繊維、カーボンファイバー、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、シリケート、雲母、タルク、クレー、バーミキュライトおよびアスベストの如きアルミノシリケート、および珪灰石の如きケイ酸カルシウムを用いて強化ポリマーを製造するのにも好適である。これらの化合物は、耐衝撃性をわずかに犠牲にするだけでポリマーの曲げ率を高めることができる。これらの充填剤は、表面の極性が高いにもかかわらず、添加しても重合速度に目に見えた影響を与えないということは驚くべきことである。好ましくは、このような充填剤の表面をシランカップリング剤で処理してもよい。約5〜75重量%の量で配合されてもよい。この比率だけでなく後述のすべての比率は、最終生成物の重量に基づく。表面特性が改質された充填剤を添加することが特に有利である。特定の状況において用いられる特定の充填剤の正確な量は容易に決定することができるものであり、操作者の好みに依存する。また、充填剤を添加すると、生成物の型縮み率が低くなる。150℃〜200℃で短い間後硬化処理を行った充填剤を添加していない生成物が約3.0〜約3.5%収縮するのに対し、20〜25重量%の充填剤を添加すると縮み率が1.5〜2%にまで下がり、33重量%の充填剤を添加すると縮み率がさらに約1%にまで低くなる。
本発明のいくつかの実施態様では、反応剤流れに対して可溶性である予備成形エラストマーをメタセシス触媒系に添加することによって、ポリマーの衝撃強さまたは他の機械的性質を向上させるだけでなく、成形性を補助する。エラストマーを選択する際に重要な要素とは、モノマーに溶解する能力である。エラストマーがモノマーにかなり容易に溶けるということを示しているという意味で、短い溶解時間が好ましいとされる。エラストマーを添加すると、曲げ率がわずかに低下するだけで、ポリマーの衝撃強さを5〜10倍に増やすことができる。エラストマーは、反応剤流れの一方または両方に、モノマーの重量に対して約1〜約15重量%の量で溶かされる。エラストマーの好ましい濃度範囲は、3〜10重量%である。エラストマーは、溶液粘度を過剰に高めることなしに、5〜10重量%の範囲で多環式オレフィン流れの一方または両方に溶かされることが可能である。室温における目標粘度範囲は、約100〜1,000cps、さらに好ましくは200〜500cpsである。エラストマーは、10℃〜100℃の間で多環式オレフィンモノマーと混和性であることが好ましい。好適なエラストマーの例としては、天然ゴム、ブチルゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロックゴム、ランダムスチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−スチレントリブロックゴム、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、エチレン−酢酸ビニルゴムおよびニトリルゴムが挙げられる。好ましいエラストマーとしては、ポリブタジエンDiene 55AC10(Firestone)、ポリブタジエンDiene 55AM5(Firestone)、Nordel(登録商標)1070 EPDMゴム(DuPont−Dow)、Polysar Butyl 301(Bayer)、ポリブタジエンTaktene 710(Bayer)、Ethylene−Octene Engage 8150(DuPont−Dow)、スチレン−ブタジエンKraton D1184(Shell)およびポリイソブチレンVistanex MML−140(Exxon)が挙げられる。各種極性エラストマーを用いることもできる。エラストマーの使用量は、その分子量によって決定され、得られる流れの粘度によって限定される。流れは、適当な混合ができなくなるような粘度になってはならない。多環式オレフィンのブルックフィールド粘度は、35℃では約5〜10cpsである。約100cps〜約1,000cpsの範囲で粘度を増加させると、混合された流れの型充填性が変化する。粘度が増加するとモールドからの漏れが少なくなり、そして固体の沈降速度が低下することによって充填剤の使用が簡略化される。エラストマーは流れの一方または両方に溶かすことができるが、両方に溶かすことが望ましい。これらの2つの流れがほぼ同じ粘度を有する場合、さらに均質な混合が得られる。
反応剤流れに対して本質的に不溶性である他の予備成形エラストマーは、反応射出成形された付加重合ノルボルネンモノマーの耐衝撃性を向上させるために用いることもできる。コアシェルポリマー粒子は、異なる物理的および/または化学的性質を有するコアとシェルとを有するポリマー粒子と定義することができる。エラストマー性コア−シェル粒子とは、粒子の少なくともコアが弾性材料からなることを意味する。エラストマー性コア−シェルポリマー粒子は、ROMP DCPDポリマーの如き、シクロオレフィンの成形熱可塑性ポリマーの衝撃特性を安定化させるのに用いることができることが分かった。例えば、PCT Int.Appl.,WO 9419385 Al 940901を参照されたい。2μmを超えない大きさのエラストマー性コア−シェル粒子は、モノマーの重量に対して0.5〜20重量%の量で、出発モノマー中に分散される。エラストマー性コア−シェル粒子の大きさは0.01〜2μmであり、さらに好ましくは0.1〜1μmである。本発明において好適に使用されるエラストマー性コア−シェル粒子の例としては、PARALOID EXL.の商標で市販されているもの、特にPARALOID EXL2300/3300エラストマー性コア−シェルポリマー系列および/またはPARALOID EXL2600/3600エラストマー性コア−シェルポリマー系列および/またはPARALOID KMエラストマー性コア−シェルポリマー系列および/またはPARALOID BTAエラストマー性コア−シェルポリマー系列が挙げられる。
添加化合物に対する感度は各系ごとに異なることがあるので、添加する化合物が反応を妨げる可能性があるかどうかを実験的に決定することが望ましい。
モノマーからポリマーへの転化
本発明を実施する際に、モノマーからポリマーへの転化は実質的に完全であること、すなわち、転化率が90%を上回る、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%であることが必須であり、その結果、モールドを完全に埋め尽くす凝集ポリマーの塊が得られる。
以下の実施例は、本発明のある組成物の調製法および使用法についての詳細な説明である。詳細な調製は、上記においてより一般的に説明された調製法の範囲内にあるものである、かつ、前記調整法を例示する役割を果たす。以下の実施例は、説明のためだけに示されるものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
重合の研究を説明した実施例では、下記の一般的な工程が実施された。すべての工程は、ブラウン不活性雰囲気乾燥ボックス若しくはそれと等価な装置内において、乾燥窒素あるいはアルゴン雰囲気中若しくは真空下で行われるか、またはSchlenk法を用いて行われた。Schlenk法は、The Manipulation of Air−Sensitive Compounds, Second Edition, D.F.Shriver and M.A.Drezdzon, John Wiley and Sons, Inc., New York, 1986に記載されている。すべての液体移動は、不活性雰囲気条件を維持するために、カニューレまたはシリンジで行われた。
用いられる市販されているまたは工業的に調製された多環式モノマーは、高純度であるべきである。好ましくは、多環式モノマーが触媒活性を低下させる不純物を全く含有しないぐらいにモノマーを精製するべきである。これは、使用前に、蒸留することによって、またはモノマーをBTSおよび3A分子カラムに通して残留した酸素と水分とをそれぞれ取り除くことによって実現することができる。出発材料をシリカゲルで処理して精製することによってモノマー酸化生成物を除去することが望ましい場合が多い。しかしながら、本発明の触媒は、適切なプロ触媒と活性剤が適切な濃度で用いられた場合に、純度のより低い多環式モノマーを重合することができる。
重合はアルゴンまたは窒素と接触させた試験管、血清小瓶、ガラス瓶、反応容器または他のモールド内で行った。一般に、触媒前駆体(「プロ触媒」)または活性剤を、溶液中またはモノマー中で、モノマー中の対応する成分に添加することによって重合を行った。これらの成分の混合は、渦式混合、磁石攪拌棒式混合、静的混合、機械式混合、またはインピンジメント混合によって行われた。ある実施例では、1:1混合用のMIXPAC Syetem 200 Pneumatic Dispenser (操作圧:73psi)が「A」ノルボルネン系RIM調合物と「B」ノルボルネン系RIM調合物の静的混合およびモノマーと触媒の混合物をモールドに移すのに用いられた。反応混合物は、周囲温度に維持されるか、または、加熱浴またはホットサーフェイスで一定温度で加熱された。ゲル化時間(tgel)は、混合物が流動性の塊から非流動性の塊に変化したときの初期粘度変化を観察することによって推定した。これは、重合している塊の粘度が増加することにより磁石攪拌棒が撹拌するのを止めるのを観察することによってしばしば明らかとなった。また、ゲル化点における重合温度(tgel)も記録した。特定の発熱温度、すなわちt100℃またはt200℃までの時間は、重合発熱が重合している塊の温度をその温度まで、または重合の最高温度(tTmax)まで上昇させたとき、記録された。重合の最高温度(tTmax)も記録した。ノルボルネン試料中の残留モノマーの量は、300℃における熱重量分析(TGA)によって得た。
下記実施例においてゲル化時間、硬化時間および残留モノマー量を測定することに加えて、膨潤度の測定も行われた。膨潤度は、ポリマー中の架橋の度合を示すものであり、すなわち、膨潤度が低いほど架橋度が高いことを示す。膨潤度は、ポリマー試料を重合容器から取り出し、慎重にそれをより小さい片に切断することによって決定された。バリを取り除き、各切片の重量を最近接ミリグラム値で読み取った。次に、これらの試料を多量のトルエン(ポリマー1グラム当たり50mlのトルエン)に投入し、加熱しながら16時間(一晩)還流させ、冷却した。その後、各試料をフラスコから取り出し、新しいトルエンを入れた小皿の中に置いた。これらの薄片を回収し、軽く叩いて乾燥させ、個々に質量を測定した。膨潤度は、下記式、すなわち、膨潤度(%)=(w2−w1)/w1×100%、ここでw1はノルボルネン試料の初期質量、w2は溶媒で膨張したノルボルネン試料の質量である、を用いて計算された。膨潤度はポリマー中の架橋の度合を示すものであるため、低い値が好ましい。
ポリマー試料の加熱ひずみ温度を測定するために使用したASTM法はASTM D648−95である。用いた浸漬媒体は、General ElectricシリコンオイルSF96−50であった。
モノマーからポリマーへの転化率は熱重量分析によって測定され、300℃での転化率を記録した。
モノマー1
5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの精製
5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(架橋剤)は、2−(3−ブテニル)−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレンとの混合物(63:37)として得られた。この混合物を冷却して所望の生成物を白色の結晶として沈殿させ、濾過して単離させた。このようにして得られた生成物の純度は92%であった。ヘキサン(生成物40gに対して20ml)で再結晶させると、純度が97.5%の生成物が得られた。
モノマー2
(ノルボルナジエンからのエキソ−トランス−エキソ−ノルボルナジエン二量体の調製)
「ビシクロヘプタジエンのオリゴマー(Oligomers of Bicycloheptadiene)」(米国特許出願第3,440,294号)にR.L.PruettおよびE.A.Rickによって説明されている方法と同様にしてノルボルナジエンを調製した。トルエンを還流させる際に、エキソ−トランス−エキソ−1,4:5,8−ドデカヒドロジメタノビフェニレン(ノルボルナジエン二量体)へのノルボルナジエンの好ましい二量化において、Ni(COD)2触媒を用いた。得られた混合生成物を高い純度が得られるまで蒸留し、エキソ−トランス−エキソ異性体を分別晶出によって他の異性体から分離させた。最も純度の高い生成物は、冷えたトルエン中での所望の生成物の再結晶によって得られた。最終生成物の純度は、98%を上回っていた。
モノマー3
1,2,3,4,4,5,8,8−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン(DMNまたはTDD)の調製
ノルボルナジエンをシクロペンタジエンと220℃で1:2のモル比で反応させた。次に、得られた生成物を真空下において蒸留すると純度が98%を上回るTDDが得られた。
モノマー4
エキソ−7−ペンチルノルボルネンの調製
−10℃まで冷却したメチルアクリレート(761g、8.84モル)を、557g、8.4モルのシクロペンタジエンに滴下した。発熱反応が0℃以下に維持されるように滴下をゆっくりと行うことが必要であった。得られた反応混合物を室温で一晩攪拌した。純粋なエキソ/エンド−ノルボルネンカルボン酸メチルエステルを蒸留する前に、減圧下において過剰なメチルアクリレートを取り除いた。1,603gの25重量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液の入った5Lのフラスコに、700.63gのエキソ/エンド−ノルボルネンカルボン酸メチルエステルを滴下した。次に、得られた混合物を90℃で48時間還流させた。その後、反応容器を0℃にまで冷やし、1.5リットルの冷水をゆっくりと加えた。次に、全反応容量が2リットルになるまで、蒸留によってメタノールを反応から取り除いた。さらに500mlの水を反応に加え、反応を一晩還流させた。その後、減圧下において残留メタノールを取り除いた。ノルボルネンカルボン酸のナトリウム塩と水との混合物を−10℃にまで冷却し、濃硫酸(206ml、3.71モル、1,000gの氷に添加)の冷たい水溶液を滴下することによって中和した。次に、水(500ml)を添加して反応をさらに希釈し、中和工程で発生した余分な熱を取り除いた。濃硫酸による反応混合物の中和を、溶液のpHが2(18MのH2SO4について約30ml)と判定されるまで続けた。この好ましいpHにおいて、所望のエキソを豊富に含む反応生成物を水相から取り出し、濁った層として分離させた。エキソ/エンド−ノルボルネンカルボン酸生成物を、ジエチルエーテルに抽出(250ml×3)することによって水層から分離させた。得られた溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させてからエーテルを取り除くと545.6gの粗生成物が得られた。エキソを豊富に含むカルボン酸を蒸留によって精製すると472gの55%エキソ/45%エンド−ノルボルネンカルボン酸が得られた。
この精製されたエキソを豊富に含むノルボルネンカルボン酸を5Lのフラスコに投入し、水酸化ナトリウム(1,472gの水に1.2当量、163.6g、4.09モル)の10%水溶液で中和した。反応は10℃よりも低い温度に維持された。室温において、ヨウ素(435g、1.71モル)、ヨウ化カリウム(350g)、重炭酸ナトリウム(91.26g、1.08モル)および水(1L)の溶液を、中和したノルボルネンカルボン酸混合物に添加した。反応を約50時間攪拌した。この時点で、I2、KIおよびNaHCO3の組成物は、ノルボルネンカルボン酸ナトリウムのエンド異性体とのみヨードラクトン化を起こす。従って、エンド異性体が、用いられる塩基条件下においてエーテルに対して可溶性になるのに対し、エキソ異性体は水相に残ったままである。反応は3×1,400mlに分け、各部分を5×200mlのジエチルエーテルで抽出した。その後、エキソ異性体のヨウ素含有水相を100gのチオ硫酸ナトリウムと反応させてヨウ素をヨウ化物に還元した。この水溶液を冷却し、濃硫酸(18Mの55.6ml、2.05モル)でpHが2になるまで酸性化した。反応混合物の色が、淡い琥珀色から濃い黄色に変わった。次に、純粋なエキソ−ノルボルネンカルボン酸を、8×200mlのジエチルエーテルを用いて水溶性混合物から抽出した。ジエチルエーテル相を、200mlの水の中で、チオ硫酸ナトリウム(62.05g、0.25モル)と共に一晩攪拌した。この工程によって、この時点で現れることの多い外来ヨウ素がすべて取り除かれた。次に、エーテル相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして溶媒を真空下で取り除いた。粗エキソ−ノルボルネンカルボン酸の収量は367gであった。このエキソ−ノルボルネンカルボン酸を蒸留によって精製した。
5Lのフラスコに、46gの水素化アルミニウムリチウムと、1,500mlのジエチルエーテルを入れた。エキソ−ノルボルネンカルボン酸の溶液をLiAlH4にゆっくりと添加し、2時間の間、反応温度を10℃よりも低い温度に維持した。その後、反応は室温まで加温され、次に2時間還流させた。その後、反応温度を0℃にまで下げ、そして温度を10℃よりも低い温度に保ちながら、水をゆっくりと滴下させることによって過剰のLiAlH4を分解した。次に、反応を室温で一晩攪拌した。そして、得られた反応混合物を0℃まで冷やし、水1リットル中の濃硫酸120mlをこの混合物に添加した。55mlの濃硫酸を混合物にさらに添加して、塩の完全に溶解させた。その後、エーテル層を分離し、水層を3×150mlのジエチルエーテルで抽出した。そして、エーテル層をブライン溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。ジエチルエーテルを蒸発させると、135gの実質的に純粋なエキソ−5−ノルボルネン−2−メタノールが得られた。
2リットルのフラスコに127gの純粋なエキソ−5−ノルボルネン−2−メタノールとピリジン(350g)を入れ、混合物を窒素で30分間パージした。反応を−10℃に冷却し、p−トルエンスルホニルクロライドをゆっくりと添加した。この添加の間、反応温度は0℃に保たれた。次に、反応を室温で約60時間攪拌した。その後、反応を(1,000gの濡れた氷中の)350mlの濃塩酸の溶液に添加した。すべての氷が溶けるまでの45分間、混合物を攪拌した。ベージュ色の沈殿物がこの時間の間に形成されかつこれを濾過によって集めた。その固体をジエチルエーテル(400ml)に溶かした。水相を2×100mlのジエチルエーテルで抽出した。すべてのエーテル相を混ぜ合わせ、500mlの飽和炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。エキソ−5−トシルアトメチル−2−ノルボルネンが、ベージュ色の沈殿物として単離された。
2Lのフラスコに、臭化リチウム(209g、2.4モル)と500mlの乾燥アセトンを入れた。臭化リチウムが溶けた後に、500mlのアセトン中のエキソ−5−トシルアトメチル−2−ノルボルネン(223.2g、0.8モル)を反応容器に加えた。そして、反応を65℃で一晩還流させた。次に、冷えた反応混合物を、400mlの蒸留水と500mlのジエチルエーテルとの混合物に添加した。アセトンエーテル相を水相から分離させ、水相を3×100mlのジエチルエーテルで洗浄した。ジエチルエーテル溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下でエーテルを取り除くことによってエキソ−5−ブロモメチル−2−ノルボルネン(153.7g)が単離された。純粋なエキソ−5−ブロモメチル−2−ノルボルネン(150.3g)が、42℃/0.07mmHgでの蒸留によって単離された。
250mlの三口フラスコに、CuCN(11.2g、0.125モル)と、75mlの乾燥テトラヒドロフランを入れた。反応容器を、トルエン/液体窒素冷却混合物中で、−78℃になるまで蒸留した。N−ブチルリチウム(100ml、ヘキサン中2.5M)を−78℃より低い温度に維持しながら添加した。この工程が終了するのに約3.5時間かかり、黄褐色の生成物が見られた。この反応混合物を−20℃まで加温し、反応混合物が均質になった。次に、この反応混合物を−78℃まで再び冷却し、エキソ−5−ブロモメチル−2−ノルボルネン(13.75g、0.0735モル)を約−60℃で添加した。このエキソ−5−ブロモメチル−2−ノルボルネンを添加した後に、反応を0℃まで加温し、3.5時間攪拌した。−10℃で、約5mlの9:1塩化アンモニウム(飽和):水酸化アンモニウム(濃縮)溶液をゆっくりと添加することによって反応を終了させた。合計で約100mlのNH4Cl/NH4OHを反応混合物に加えた。ジエチルエーテルを反応混合物に添加し、得られた溶液を銅の金属沈殿物を除去するために、Celite(登録商標)フィルタリングエイドを通して濾過した。琥珀色のジエチルエーテル相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、エーテルを蒸発させることによって、16.0gの粗エキソ−5−ペンチル−2−ノルボルネンが得られた。この生成物を、20℃、0.15mmHgで蒸留することによって、エキソ−5−ペンチル−2−ノルボルネンの純粋な試料(収率65%)が得られた。
モノマー5
エキソ−7−ヘプチルノルボルネンの調製
250mlの三口フラスコに、CuCN(8.96g、0.125モル)と、75mlの乾燥テトラヒドロフランを入れた。反応容器を、エタノール/液体窒素冷却混合物中で、−78℃になるまで蒸留した。冷却したN−ヘキシルリチウム(100ml、−10℃のヘキサン中2.5M)を−78℃より低い温度に維持しながら添加した。この工程が終了するのに約1時間かかり、淡い黄褐色の生成物が見られた。この反応混合物を−10℃まで加温すると、反応混合物が均質になった。次に、この反応混合物を−78℃まで再び冷却し、エキソ−5−ブロモメチル−2−ノルボルネン(11.0g)を約−70℃で添加した。このエキソ−5−ブロモメチル−2−ノルボルネンを添加した後に、反応を0℃まで加温し、3.5時間攪拌した。−10℃で、約5mlの9:1塩化アンモニウム(飽和):水酸化アンモニウム(濃縮)溶液をゆっくりと添加することによって反応を終了させた。反応を室温で18時間攪拌した。ジエチルエーテル(150ml)を反応混合物に添加し、得られた溶液を、銅の金属沈殿物を除去するために、Celite(登録商標)フィルタリングエイドを通して濾過した。淡い黄色のジエチルエーテル相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、エーテルを蒸発させることによって、12.2gの粗エキソ−5−ヘプチル−2−ノルボルネンが得られた。この生成物を、45℃、0.15mmHgで蒸留することによって、エキソ−5−ヘプチル−2−ノルボルネンの純粋な試料(収率70%)が得られた。
モノマー6
5−ブトキシ−2−ノルボルネンの調製
ジシクロペンタジエンをブチルビニルエーテルとともに加熱することによって、5−ブトキシ−2−ノルボルネンのディールス‐アルダー生成物が形成された。この生成物は真空蒸留によって精製された。
モノマー7
エキソ−,エキソ−5,6−ジメチルノルボルネンの調製
エンド−ナド酸無水物を熱異性化することによってエキソ−ナド酸無水物が形成された。純粋なエキソ−ナド酸無水物をVitride(登録商標)還元剤を用いて還元することによって、エキソ−,エキソ−5,6−ジメタノノルボルネンを生成した。この材料を、トルエンスルホニルクロライドを用いて、エキソ−,エキソ−5,6−ビストシラートジメチルノルボルネン生成物に転化させた。エキソ−,エキソ−5,6−ビストシラートジメチルノルボルネンをLiAlH4で還元することによって所望の生成物であるエキソ−,エキソ−5,6−ジメチルノルボルネンを生成した。
モノマー8
エキソ−,エキソ−5,6−ジフェニルノルボルネンの調製
エンド−ナド酸無水物を熱異性化することによってエキソ−ナド酸無水物が形成された。純粋なエキソ−ナド酸無水物をVitride(登録商標)還元剤を用いて還元することによって、エキソ−,エキソ−5,6−ジメタノノルボルネンを生成した。この材料を、トルエンスルホニルクロライドを用いて、エキソ−,エキソ−5,6−ビストシラートジメチルノルボルネン生成物に転化させた。エキソ−,エキソ−5,6−ビストシラートジメチルノルボルネンをアセトン中で臭化リチウムで還元することによって、エキソ−,エキソ−5,6−ビストシラートジメチルノルボルネンをエキソ−,エキソ−5,6−ジブロモメチルノルボルネンに転化させた。エキソ−,エキソ−5,6−ジブロモメチルノルボルネンをn−ブチルリチウムおよびシアン化銅と反応させることによって所望の生成物であるエキソ−,エキソ−5,6−ジフェニルノルボルネンを生成した。
プロ触媒1
(π−アリル)(トリシクロヘキシルホスフィン)(パーフルオロフェニル)パラジウム(II)の調製
0℃で5mlのTHF中で(アリル)(トリシクロホスフィン)パラジウム(II)クロライド(189mg)を攪拌した溶液に、5mlのTHF中のZn(C652(ジメトキシエタン)(100mg)の溶液を添加した。反応を室温で1時間攪拌し、真空下で溶媒を取り除いた。得られた固体を10mlのヘキサンで抽出し、濾過し、真空下で溶媒を取り除くことによって白い粉末として生成物(159mg、64%)が得られた。
プロ触媒2
(π−アリル)(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)クロライドの調製
THF中でπ−アリルパラジウムクロライド二量体(1.0g)を攪拌した溶液に、THF中のトリシクロヘキシルホスフィン(1.53g)を添加した。0.5時間攪拌した後、真空下で溶媒を取り除くことによって淡い黄色の粉末として生成物が得られた。
プロ触媒3
(π−アリル)(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)p−トリルスルホナートの調製
THF中の銀p−トルエンスルホナート(300mg)のスラリーに、THF中の(π−アリル)(トリシクロホスフィン)パラジウム(II)クロライド(500mg)を添加した。一晩攪拌した後、反応を濾過し、溶液を取り除くと、白色の泡が得られた。この泡をヘキサンで洗浄すると白色の粉末として生成物が得られた。
プロ触媒4
ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)(ヒドリド)パラジウム(II)クロライドの調製
20mlのメタノール中の(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)クロライド(2.0g)のスラリーに、20mlのメタノールで希釈されたメタノール中のナトリウムメトキシドの25重量%溶液を1.67g添加した。0.5時間後、(2−メトキシ−3−シクロオクテニル)パラジウムクロライド二量体を空気中での濾過によって白色の粉末として単離し、真空下で乾燥させた(1.67g、85%)。
25mlのメタノール中の(2−メトキシ−3−シクロオクテニル)パラジウムクロライド二量体(500mg)のスラリーに、トリシクロヘキシルホスフィン(1.0g)を固体として添加した。反応が均一になるまで攪拌した。攪拌を止め、溶液を−20℃の冷凍器の中で冷却した。生成物を空気中での濾過によって灰色の結晶性固体として単離し、真空下で乾燥させた(900mg、72%)。
プロ触媒5
ビス(トリイソプロピルホスフィン)(ヒドリド)パラジウム(II)クロライドの調製
25mlのメタノール中の(2−メトキシ−3−シクロオクテニル)パラジウムクロライド二量体(0.5g)のスラリーに、トリイソプロピルホスフィン(0.57g)を添加した。反応が均一になるまで攪拌した。攪拌を止め、溶液を−20℃の冷凍器の中で一晩冷却した。少量の黒い固体を空気中で濾別し、溶媒を真空下で取り除くと、粘り気のある黄色い固体が得られた。生成物をヘキサンで再結晶させ、真空下で乾燥させると、生成物が白色の固体として得られた。
プロ触媒6
ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)(ヒドリド)パラジウム(II)ナイトレートの調製
75ml中のエタノール中のトリシクロヘキシルホスフィン(4.86g)のスラリーに、−35℃で、固体としてパラジウム(II)ナイトレート(2.0g)を添加した。黄色い沈殿物が直ちに形成された。1.5時間後、トルエン(150ml)を添加し、反応を−5℃まで加温した。水素化ホウ素ナトリウム(0.33g)を25mlのエタノールに添加し、反応を室温まで加温させた。40時間後、反応を濾過し、溶媒を取り除くと、黄褐色の固体が得られた。この生成物を75mlエチルエーテルで洗浄しかつヘキサンで数回洗浄した。トルエン/ヘキサンから再結晶させると、黄褐色の結晶として生成物(3.3g、53%)が得られた。
プロ触媒7
(π−アリル)(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)トリフルオロメタンスルホナートの調製
THF中で(π−アリル)パラジウムクロライド二量体(1.0g)を攪拌した溶液に、THF中のトリシクロヘキシルホスフィン(1.53g)を添加した。0.5時間攪拌した後に、銀トリフルオロメタンスルホナート(1.4g)を、THF中の溶液として添加した。反応を1時間攪拌し、濾過し、溶媒を取り除くと、白色の粉末として生成物(2.8g、89%)が得られた。
プロ触媒8
ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)(ヒドリド)パラジウム(II)トリフルオロアセテートの調製
―30℃で、75mlエタノール中のパラジウム(II)トリフルオロアセテート(2.89g)のスラリーに、トリシクロヘキシルホスフィン(4.86g)を固体として添加した。得られた濃いオリーブグリーン色のスラリーを2時間攪拌し、0℃まで加温しかつ150mlのトルエンを添加した。25mlのエタノール中の水素化ホウ素ナトリウム(0.33g)を滴下し、反応を21時間攪拌した。反応を濾過し、真空下で溶媒を取り除くと、茶色の固体が得られた。ヘキサンで洗浄し、トルエン/ヘキサンから再結晶させると、灰色がかった白色の結晶性固体として生成物(1.25g、18%)が得られた。
プロ触媒9
ビス(トリイソプロピルホスフィン)(ヒドリド)パラジウム(II)トリフルオロメタンスルホナートの調製
5mlのエチルエーテル中のタリウムトリフルオロメタンスルホナート(38mg)の部分スラリーに、5mlのエチルエーテル中のビス(トリイソプロピルホスフィン)(ヒドリド)パラジウム(II)クロライド(50mg)を添加した。1時間後、反応を濾過し、溶媒を取り除くと、淡い黄色の固体として生成物が得られた。
プロ触媒10
ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)(ヒドリド)パラジウム(II)ホルマートの調製
10mlのエチルエーテル中のビストリシクロヘキシルホスフィンパラジウム(0)(200mg)のスラリーに、1mlのメタノール中のギ酸(30.4mg)を添加した。溶液は直ちに均一になった。1時間後、真空下で溶媒を取り除き、得られた白色の固体ヘキサンで洗浄し、乾燥させて生成物を得た。
プロ触媒11
(1,1−ジメチル−π−アリル(トリイソプロピルホスフィン)パラジウム(II)トリフルオロアセテートの調製
200mlのヘキサン中のトリフルオロ酢酸無水物(100g)に、3−メチル−2−ブテン−1−オール(37.2g)とピリジン(37.67g)の溶液をゆっくりと添加した。氷浴を用いて温度を20℃に保った。1.5時間攪拌した後、白色の沈殿物を濾別し、真空下で溶媒を取り除くと、いくぶん揮発性の液体として生成物である3−メチル−2−ブテニルトリフルオロアセテート(47g、60%)が得られた。
30mlのTHF中のビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(2.3g)と8mlのアセトニトリルの溶液に、3−メチル−2−ブテニルトリフルオロアセテート(0.80g)を添加した。20分後、溶液が濃い紫色から濃い緑色に変わった。真空下で溶媒を取り除くと、黒い、金属のように見える固体が得られた。水中の10%アセトニトリルを50ml用いて空気中で抽出し、濾過し、真空下で溶媒を取り除くと、(1,1−ジメチル−π−アリルパラジウム(II)トリフルオロアセテート二量体が黄色の固体(0.48g、42%)として得られた。
THF中の(1,1−ジメチル−π−アリルパラジウム(II)トリフルオロアセテート二量体(200mg)の溶液に、THF中のトリイソプロピルホスフィンを111mg添加した。0.5時間後、溶媒を取り除くと、粘り気のある黄色の固体が得られた。この生成物をヘキサンから再結晶させると黄色の固体が得られた。
プロ触媒12
(π−アリル)(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)トリフルオロメタンスルホナートの調製
THF中の(π−アリル)パラジウムクロライド二量体(0.5g)の溶液に、THF中のトリフェニルホスフィン(0.717g)を添加した。数分間攪拌した後に、銀トリフルオロメタンスルホナート(0.702g)を固体として添加した。反応を0.5時間攪拌し、塩化銀(AgCl)を濾別し、溶媒を取り除くと、淡い黄色の固体として生成物(1.32g、86%)が得られた。
プロ触媒13
(π−アリル)(トリイソプロピルホスフィン)パラジウム(II)トリフルオロメタンスルホナートの調製
25mlの塩化メチレン中の(π−アリル)パラジウムクロライド二量体(1.0g)の溶液に、5mlの塩化メチレン中のトリイソプロピルホスフィン(0.876g)をゆっくりと添加した。得られた淡い黄色の溶液を、25mlの塩化メチレン中の銀トリフルオロメタンスルホナート(1.4g)のスラリーにゆっくりと添加した。1.5時間攪拌した後に、塩化銀(AgCl)を濾別し、真空下で溶媒を取り除くと、淡い黄色の固体として生成物(2.4g、96%)が得られた。
プロ触媒14
(2−クロロ−π−アリル)(トリイソプロピルホスフィン)パラジウム(II)トリフルオロアセテートの調製
100mlのヘキサン中のトリフルオロ酢酸無水物(22.7g)に、20mlのヘキサン中の2−クロロ−2−プロペン−1−オール(10.0g)とピリジン(8.55g)の溶液をゆっくりと添加した。氷浴を用いて温度を10℃よりも低い温度に保った。室温で1.5時間攪拌した後、白色の沈殿物を濾別し、真空下で溶媒を取り除くと、いくぶん揮発性の液体として生成物である2−クロロ−2−プロペニルトリフルオロアセテート(5g、23%)が得られた。
25mlのTHF中のビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(2.3g)と8mlのアセトニトリルとの溶液に、5mlのTHF中の2−クロロ−2−プロペニルトリフルオロアセテート(0.90g)を添加した。20分後、溶液が濃い紫色から暗緑色に変わった。真空下で溶媒を取り除くと、黒い、金属のように見える固体が得られた。水中の10%アセトニトリルを25ml用いて空気中で抽出し、濾過し、真空下で溶媒を取り除くと、(2−クロロ−2−プロペニル)パラジウムトリフルオロアセテート二量体が黄色の固体(0.50g、40%)として得られた。
15mlの塩化メチレン中の(2−クロロ−2−プロペニル)パラジウムトリフルオロアセテート二量体(200mg)の溶液に、5mlの塩化メチレン中のトリイソプロピルホスフィンを103mg添加した。0.5時間後、溶媒を取り除くと、粘り気のある黄色の固体が得られた。この生成物をヘキサンから再結晶させると黄色の固体が得られた。
プロ触媒15
(Me2NCH264)Pd(O3SCF3)PCy3
オルト−メタレート化されたフェニルメチレンジメチルアミノパラジウムクロライド二量体(0.25g)をジクロロメタン(25ml)に溶かした。トリイソプロピルホスフィン(0.145g)をジクロロメタン(5ml)と混合し、パラジウム誘導体の溶液に添加した。室温で30分間攪拌した後に、この混合物を銀トリフラート(0.233g)のスラリーに添加しかつ暗所で攪拌した。溶液をCelite(登録商標)フィルタリングエイドで濾過することによって塩化銀沈殿物を取り除いた。溶媒を除去すると黄緑色のオイルが生成した。このオイルにヘキサンとFreon(登録商標)1,1,2とを添加すると、淡い黄色の固体((Me2NCH264)Pd(O3SCF3)P(i−Pr)3)が得られた。
プロ触媒16
(アリル)(トリイソプロピルホスフィン)パラジウム(II)トリフルオロアセテートの調製
20mlの塩化メチレン中のアリルパラジウムクロライド二量体(0.5g)の溶液に、5mlの塩化メチレン中のトリイソプロピルホスフィン(0.437g)をゆっくりと添加した。得られた淡い黄色の溶液を、15mlの塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸銀(0.604g)のスラリーにゆっくりと添加した。0.5時間攪拌した後に、AgClを濾別し、真空下で溶媒を取り除くと、淡い黄色の固体として生成物が得られた。
プロ触媒17
(アリル)(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウム(II)トリフルオロメタンスルホナートの調製
20mlの塩化メチレン中のアリルパラジウムクロライド二量体(0.5g)の溶液に、5mlの塩化メチレン中のトリシクロペンチルホスフィン(0.651g)をゆっくりと添加した。得られた淡い黄色の溶液を、15mlの塩化メチレン中のトリフルオロメタンスルホン酸銀(0.702g)のスラリーにゆっくりと添加した。0.5時間攪拌した後に、AgClを濾別し、真空下で溶媒を取り除くと、淡い黄色の固体として生成物(1.0g、68%)が得られた。
触媒18
[(π−アリル)Pd(P−i−Pr3)(NCCH3)][B(O262−3,5−CMe32]の調製
室温で、Li[B(O262−3,5−CMe32](1.0g、外来のアセトニトリルを含有)を、約50mlのトルエン中の(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)(1.0g)と反応させた。反応を一晩攪拌し続けた後、黄色の溶液を取り除いて乾燥させた。得られた生成物を20mlのヘキサンで洗浄し、黄色の固体を回収した。プロトン、燐およびフッ素NMR分光分析に基づいて、この生成物は、[(アリル)Pd(P(i−Pr)3)(NCCH3)][B(O262−3,5−CMe32]であると同定された。
触媒19
[(π−アリル)Pd(P−i−Pr3)(NCCH3)][B(O26Cl42]の調製
室温で、Li(HOMe)4[B(O26Cl42](0.58g)を、約20mlのアセトニトリル中の(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)(1.0g)と反応させた。反応を一晩攪拌し続けた後、黄色の溶液を取り除いてオレンジ色の溶液を得た。得られた生成物を最少量のジクロロメタンに再度溶かし、−32℃まで冷却した。形成された結晶を回収し、乾燥させた。プロトン、燐およびフッ素NMR分光分析に基づいて、この生成物は、[(π−アリル)Pd(P(i−Pr)3)(NCCH3)][B(O26Cl42]であると同定された。単X線測定によって、この構造体が[(π−アリル)Pd(P(i−Pr)3)(NCCH3)][B(O26Cl42]であることが確認された。この触媒の分子構造を図2に示す。
プロ触媒20
(クロチル)(トリイソプロピルホスフィン)パラジウム(II)トリフルオロメタンスルホナートの調製
20mlの塩化メチレン中のクロチルパラジウムクロライド二量体(0.5g)の溶液に、5mlの塩化メチレン中のトリイソプロピルホスフィン(0.407g)をゆっくりと添加した。得られた淡い黄色の溶液を、15mlの塩化メチレン中のトリフルオロメタンスルホン酸銀(0.652g)のスラリーにゆっくりと添加した。0.5時間攪拌した後に、AgClを濾別し、真空下で溶媒を取り除くと、淡い黄色の固体として生成物が得られた。
プロ触媒21
ビストリフルオロメタンスルホンイミド銀塩の調製、および(π−アリル)(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)ビストリフルオロメタンスルホンイミドの調製
15mlの水中のビストリフルオロメタンスルホンイミド(2.0g)の溶液に、炭酸銀(1.18g)を固体として添加した。得られた溶液を0.5時間の間ずっと65℃まで加熱し、濾過し、そして真空下で水を取り除いた。得られた生成物をエチルエーテルに溶かし、固体の不純物を取り除くために濾過した。真空下でエーテルを取り除くと、白色の固体、Ag[N(SO2CF32]として生成物が得られた。
3ml塩化メチレン中の50mgπ−アリルパラジウムクロライド二量体の攪拌溶液に、2ml塩化メチレン中の77mgトリシクロヘキシルホスフィンを添加した。5分間攪拌した後に、この溶液を、3ml塩化メチレン中の106mg銀ビストリフルオロメタンスルフィミドのスラリーに添加した。反応を30分間攪拌し、塩化銀を濾別し、溶媒を取り除くと、黄褐色の固体として生成物が得られた。
プロ触媒22
(π−アリル)(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ビストリフルオロメタンスルホンイミドの調製
3ml塩化メチレン中の50mgアリルパラジウムクロライド二量体の攪拌溶液に、2ml塩化メチレン中の72mgトリフェニルホスフィンを添加した。5分間攪拌した後に、この溶液を、3ml塩化メチレン中の106mg銀ビストリフルオロメタンスルフィミドのスラリーに添加した。反応を0.5時間攪拌し、塩化銀を濾別し、溶媒を取り除くと、黄褐色の泡が得られた。ヘキサン中で攪拌し続いて濾過をすると、黄色の固体として生成物が得られた。
プロ触媒23
(π−アリル)(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビストリフルオロメタンスルホンイミドの調製
3ml塩化メチレン中の250mgアリルパラジウムクロライド二量体の攪拌溶液に、2ml塩化メチレン中の326mgトリシクロペンチルホスフィンを添加した。5分間攪拌した後に、この溶液を、3ml塩化メチレン中の557mg銀ビストリフルオロメタンスルフィミドのスラリーに添加した。反応を0.5時間攪拌した後に、塩化銀を濾別し、溶媒を取り除くと、茶色のオイルが得られた。ヘキサン中で攪拌して続いて濾過をすると、淡い茶色の固体として生成物が得られた。
活性剤1
[(C18372NHCH3]B(C654の調製
50mlのヘキサン中の(C18372NCH3(0.50g)のスラリーに、エチルエーテル中の1M塩酸溶液を1.17ml添加した。直ちに、白色の沈殿物が形成された。1時間後、空気中で濾過して[(C18372NHCH3]Clを単離し、真空下で乾燥させた。
25mlのシクロヘキサン中の[(C18372NHCH3]Cl(0.05g)とLi(Et2O)2.5B(C654(0.076g)の溶液を2.5時間還流させた。この溶液を濾過してLiClを取り除き、溶媒を取り除くと茶色のオイルとして生成物が得られた。
活性剤2
LiWCA−H(リチウムテトラキス[ヘキサフルオロプロポキシフェニル]アルミネート)の調製
15mlのヘキサン中の水素化アルミニウムリチウム(0.0777g)のスラリーに、15mlのヘキサン中の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−フェニル−2−プロパノール(RfOH)(1.0g)を添加した。一晩攪拌した後に、この溶液をCelite(登録商標)で濾過し、溶媒を取り除くと、白色の固体として生成物(0.85g、85%)が得られた。
活性剤3
ブチルノルボルネン中のLiWCA−Hの調製
10gのブチルノルボルネン中の水素化アルミニウムリチウム(0.078g)のスラリーに、10gのブチルノルボルネン中の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−フェニル−2−プロパノール(1.0g)を添加した。一晩攪拌した後に反応を濾過すると、透明で、いくぶん粘り気のある溶液が得られた。
9.0gのブチルノルボルネン中の1.5mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P−i−Pr)3の溶液に、1.0gのブチルノルボルネン中の上記原液を75mg添加した。重合はゆっくりと進行した。上記原液をさらに0.25ml添加した。重合は直ちにゲル化しかつ210℃の温度に達した。
活性剤4
LiWCA−CH3fOH:LiAlH4=4:2の調製
100mlのヘキサン中の水素化アルミニウムリチウム(0.367g)のスラリーに、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(p−トリル)−イソプロパノール(5.0g)を添加した。一晩攪拌した後に、この溶液をCelite(登録商標)フィルタリングエイドで濾過し、溶媒を取り除くと、白色の固体として生成物(4.7g、91%)が得られた。
活性剤5
Li[(CH3(CH272O]2.5FABAの調製
10mlのエチルエーテル中のLiFABA(0.25g)の溶液に、n−オクチルエーテル(0.174g)を添加した。一晩攪拌した後に、溶媒を取り除くと茶色のオイルとして生成物が得られた。
活性剤6
LiWCA−HRfOH:LiAlH4=4:1.2の調製
2.0Lの(LiAlH4で乾燥させた)ヘキサン中の水素化アルミニウムリチウム(0.696g)のスラリーに、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−フェニル−2−プロパノール(14.9g)を添加した。反応を週末の間中攪拌し、濾過し、溶媒を取り除くと、白色の固体として生成物(14.0g、91%)が得られた。
活性剤7
LiWCA−HRfOH:LiAlH4=4:1.5の調製
80mlのヘキサン中の水素化アルミニウムリチウム(0.05g)のスラリーに、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−フェニル−2−プロパノール(0.86g)を添加した。反応を一晩攪拌した後に、濾過し、溶媒を取り除くと、白色の固体として生成物(0.63g、71%)が得られた。前述の反応をより大きな反応スケール(すなわち、水素化アルミニウムリチウム=2.34g、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−フェニル−2−プロパノール=40g)で再現することによって、LiWCA−Hが白色の結晶性生成物として単離された。収量は38g、収率は92%であった。
活性剤8
Li(HOCH32.5[B(C654]の調製
0.11gのエーテルを含まないLi[B(C654]をメタノール(4ml)に溶かすとオレンジ色の溶液が得られた。2時間攪拌した後に、真空下でメタノールを取り除くと、白色の固体としてLi(HOCH32.5[B(C654]が得られた。
活性剤9
Li(HO−i−Pr)3[B(C654]の調製
0.100gのLi(OEt22.5[B(C654]をイソプロパノール(5ml)に溶かすとオレンジ色の溶液が得られた。2時間攪拌した後に、真空下でイソプロパノールを取り除くと、白色の固体が得られた。プロトンNMR分析によって、配位ジエチルエーテルのすべてが置換されたことが示された。TGAおよびプロトンNMR分光分析を用いた内部基準測定に基づいて、この生成物がLi(HO−i−Pr)3[B(C654]であると確認された。
活性剤10
Li(HO−n−Pr)3[B(C654]の調製
0.100gのLi(OEt22.5[B(C654]をn−プロパノール(4ml)に溶かすとオレンジ色の溶液が得られた。15分間攪拌した後に、真空下で溶媒を取り除くと、灰色がかった白色の固体が得られた。プロトンNMR分析によって、配位ジエチルエーテルのすべてが置換されたことが示された。この生成物は、Li(HO−n−Pr)3[B(C654]として特徴付けられた。
活性剤11
Li(HO−t−Bu)3[B(C654]の調製
t−ブタノール(0.21ml)を、ジクロロメタン(10ml)に溶かした0.50gのLi(OEt22.5[B(C654]に溶かすと透明な無色の溶液が得られた。1時間攪拌した後に、真空下で溶媒を取り除くと、白色の固体が得られた。プロトンNMR分析によって、配位ジエチルエーテルのすべてが除去されたことが示された。この生成物は、Li(HO−t−Bu)3[B(C654]であるとして特徴付けられた。
活性剤12
混合アルミネート活性剤Li[OC(CF32654]/Li[OC(CF32H)4
Li[OC(CF32654](0.143g)とLi[OC(CF3244](0.100g)の混合物を、約5mlのFreon112に溶かした。室温で2時間攪拌した後、真空中で溶媒を取り除くと、白色の固体が得られた。
活性剤13
[Li(HOMe)4][B(O26Cl42]の調製
室温で、5.20gのトリメトキシボロン(B(OCH33)を、ドライボックス中で、メタノール中のリチウムメトキシド1M溶液50mlに滴下した。反応を室温で24時間攪拌し、次に真空下で溶媒を取り除くと、所望の生成物であるテトラメチルホウ酸リチウム、Li[B(OMe)4]、が定量的収量で得られた。
テトラクロロカテコール(2.95g)を、約20mlのジクロロメタンに溶かし/懸濁させた(材料のすべてが可溶というわけではなかった)。この材料を、約20mlのジクロロメタン中のテトラメトキシホウ酸リチウムLi[B(OMe)4](0.75g)の溶液に添加した(繰り返すが、材料のすべてが添加する前に可溶というわけではなかった)。混合すると、これらのすべての成分が溶けた。約30分後、白色の沈殿物が形成され始めた。この溶液を濾過し、得られた白色の固体を乾燥させた(40g)。残った紫色の溶液をほぼ乾燥するまでストリップすると、白色の沈殿物が残った。これを濾過して、白色の固体を回収した(1.3g)。溶液を−30℃の冷凍器に入れると、1時間後には結晶が成長していた。この溶液を一晩保管し、朝に回収した(1.18g)。Li(HOMe)4[B(O26Cl42]の合計収率は90%であった。質量スペクトルによって、すべての材料が同じ生成物であることが示されたはずである。熱重量測定(TGA)を用いてメタノール分子の数を測定し、単X線測定によって、この構造体がLi(HOMe)4[B(O26Cl42]であることが確認された。この活性剤の分子構造を図1に示す。
活性剤14
Li[B(O262−3,5−CMe32]の調製
3,5−ジ−t−ブチルカテコール(2.0g)とテトラメトキシホウ酸リチウムLi[B(OMe)4](0.61g)とを、アセトニトリル(30ml)中で室温で反応させた。これらの反応剤は溶媒に完全に溶解し、得られた溶液は、約15分後に緑色に変わり、約1時間後に青色に変わった。一晩攪拌した後に、得られた混合物を乾燥するまでストリップすると、青みがかった固体が得られた。この生成物は、プロトンNMRによって、かなり純粋なLi[B(O262−3,5−CMe32]であると特徴付けられ、非定量の溶媒化アセトニトリルを含有していることが分かった。
活性剤15
Li(溶媒)x[B(O26Br42]の調製
テトラブロモカテコール(1.0g)とテトラメトキシホウ酸リチウムLi[B(OMe)4](0.61g)を、アセトニトリル(30ml)中で室温で反応させた。これらの反応剤は溶媒に完全に溶解し、得られた溶液は、約15分後に緑色に変わり、約1時間後に青色に変わった。一晩攪拌した後に、得られた混合物を乾燥するまでストリップすると、灰色がかった白色の固体が得られた。この生成物は、プロトンNMRによって、かなり純粋なLi(HOMe)4[B(O26Br42]であると特徴付けられた。また、溶媒は溶媒和アセトニトリルを用いることもできた。
活性剤16
4−t−ブチル−N,N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニル−ボラートの調製
3mlの塩化メチレン中の4−t−ブチル−N,N−ジメチルアニリニウムクロライド(36.8mg)の溶液に、2mlの塩化メチレン中のLiFABAを添加した。0.5時間攪拌した後に、LiClを濾別し、真空下で溶媒を取り除くと、白色の泡が得られた。エチルエーテル/ヘキサンから再結晶させると、白色の結晶性固体として生成物が得られた。
活性剤17
リチウム(トリスパーフルオロフェニル)(ヘキシル)ボレートの調製
3ml塩化メチレン中の17mgトリスパーフルオロフェニルボロンの攪拌溶液に、ヘキシルリチウム(ヘキサン中の2.5M溶液13.3μl)を添加した。1時間攪拌した後に、1mlのエチルエーテルを添加し、数分間攪拌し、溶媒を取り除くと、無色のオイルとして生成物が得られた。
比較例1
ヘキシルノルボルネンの重合
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=2,000:1:1
トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(36mg)を、9gのへキシルノルボルネン中で攪拌した。この懸濁液に、1gのへキシルノルボルネン中のパラジウムビス(アセチルアセトネート)(Pd(アセチルアセトネート)2)(9mg)を添加した。得られた懸濁液を室温で3時間攪拌する間に、この溶液の粘度がわずかに増加した。室温で54時間攪拌した後に、硬い黄色のパック(puck)が得られた。TGAによる収率は98.0%であった。
実施例1
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(9.4mg)を1.0gのメチルノルボルネンに溶かした。成分B:5.0mgの(アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を、9.0gのメチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bとを55℃で高圧反応器中に射出し、圧力を900psiまで上昇させた。10分後、固体の目的物を反応器から取り出した。TGAによる収率は83.4%であった。
実施例2
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(9.8mg)を0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:3.0mgの(アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を、9.5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.0%であった。
実施例3
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(9.8mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンと0.50gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:3.3mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを55℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=40s、t100℃=50s、t200℃=55s、tTmax=110s、tgel=85℃、tTmax=257℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.4%であった。
実施例4
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:NaBArf(10.0mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンと0.50gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:4.1mgの(PCy32Pd(H)(NO3)を、9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを55℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=6min、t100℃=6:20min、t200℃=6:40min、tTmax=7:20min、tgel=85℃、tTmax=235℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.1%であった。
実施例5
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(11.2mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:3.2mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=2s、t200℃=5s、tTmax=15s、tTmax=216℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.2%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は133%であった。
実施例6
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(9.8mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンと0.50gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:4.1mgの(PCy32Pd(H)(NO3)を、9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを58℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=120s、t100℃=128s、t200℃=130s、tTmax=180s、tgel=86℃、tTmax=207℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.1%であった。
実施例7
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(9.8mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンと、0.50gの2.0%Kraton(登録商標)1726を含有するヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:3.3mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.0gの2.0%Kraton(登録商標)1726を含有するヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=10s、t100℃=15s、t200℃=19s、tTmax=45s、tgel=85℃、tTmax=211℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.9%であった。
実施例8
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(9.8mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンと、0.50gの2.0%Katon(登録商標)1101を含有するヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:3.3mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.0gの2.0%Kraton(登録商標)1101を含有するヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=20s、t100℃=24s、t200℃=26s、tTmax=60s、tgel=85℃、tTmax=211℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.8%であった。
実施例9
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(9.8mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:3.3mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.5gのヘキシルノルボルネンと0.90gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=15s、t100℃=20s、t200℃=33s、tTmax=140s、tgel=75℃、tTmax=210℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は89.1%であった。
実施例10
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.7mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=30s、t100℃=40s、t200℃=46s、tTmax=75s、tgel=85℃、tTmax=213℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.0%であった。
実施例11
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=5,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:DANFABA(N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)(9.0mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:6.7mgの(アリル)Pd(C65)PCy3を、9.5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=2:00min、t100℃=2:30min、t200℃=2:35min、tTmax=3:00min、tgel=75℃、tTmax=214℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.6%であった。
実施例12
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(11.3mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:3.2mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=26s、t100℃=29s、t200℃=34s、tTmax=55s、tgel=98℃、tTmax=208℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.2%であった。
実施例13
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.5gのヘキシルノルボルネンと0.90gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=22s、t100℃=38s、t200℃=75s、tTmax=105s、tgel=76℃、tTmax=203℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は88.2%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は66%であった。
実施例14
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6gの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.5gのヘキシルノルボルネンと1.0gのノルボルナジエン二量体に溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=13s、t100℃=24s、t200℃=40s、tTmax=75s、tgel=73℃、tTmax=203℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は88.2%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は42%であった。
実施例15
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.7gの2.0%Kraton(登録商標)1657を含有するヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=24s、t100℃=30s、t200℃=36s、tTmax=70s、tgel=80℃、tTmax=212℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.7%であった。
実施例16
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを80℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=15s、t100℃=15s、t200℃=26s、tTmax=55s、tgel=100℃、tTmax=224℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は90.8%であった。
実施例17
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを100℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=6s、t200℃=16s、tTmax=45s、tgel=130℃、tTmax=235℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は88.7%であった。
実施例18
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(96mg)を、13.97gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:31.7mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、186gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを100℃で混合し、15秒間攪拌し、そして得られた溶液を19×8cmのアルミニウム製の平なべに注いだ。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.0%であった。
実施例19
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを28℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=3:30min、t100℃=5:20min、tTmax=5:35、tgel=40℃、tTmax=174℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は98.1%であった。
実施例20
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.7mgの(アリル)Pd(O364CH3)PCy3を、9.5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:30min、t100℃=1:45min、t200℃=2:08min、tTmax=2:30min、tgel=80℃、tTmax=207℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.1%であった。
実施例21
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.9gの4.0%Kraton(登録商標)1657を含有するヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=26s、t100℃=35s、t200℃=44s、tTmax=80s、tgel=74℃、tTmax=205℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.8%であった。
実施例22
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、4.76gのヘキシルノルボルネンと4.56gのフェニルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:20min、t100℃=3:00min、t200℃=3:30min、tTmax=4:00min、tgel=74℃、tTmax=211℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は92.5%であった。
実施例23
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(2.5mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=55s、t100℃=75s、t200℃=90s、tTmax=110s、tgel=78℃、tTmax=209℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.9%であった。
実施例24
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(339mg)を、60gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:112mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、718gのヘキシルノルボルネンと75.1gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は89.4%であった。
実施例25
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=15,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(6.5mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:2.2mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.5gのヘキシルノルボルネンと0.90gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=15s、t100℃=25s、tTmax=60s、tgel=75℃、tTmax=197℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は89.4%であった。
実施例26
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(361mg)を、52.6gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:119mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、702gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bと60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=35s、t100℃=50s、t200℃=57s、tTmax=80s、tgel=80℃、tTmax=217℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.2%であった。
実施例27
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを40℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:40min、t100℃=2:15min、tTmax=2:45min、tgel=60℃、tTmax=190℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.14%であった。
実施例28
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを50℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:05min、t100℃=1:33min、t200℃=1:44min、tTmax=2:00min、tgel=67℃、tTmax=203℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.3%であった。
実施例29
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.7gの4.0%Kraton(登録商標)1657を含有するヘキシルノルボルネンと0.9gのテトラシクロドカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを50℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=44s、t100℃=1:23min、tTmax=2:30min、tgel=60℃、tTmax=191℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は89.3%であった。
実施例30
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.5gのヘキシルノルボルネンと1.2gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=20s、t100℃=40s、t200℃=43s、tTmax=75s、tgel=64℃、tTmax=209℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は92.5%であった。
実施例31
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(5.7mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.5gのヘキシルノルボルネンと0.60gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=15s、t100℃=23s、tTmax=42s、tgel=55℃、tTmax=197℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は93.3%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は71%であった。
実施例32
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(5.7mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.0gのヘキシルノルボルネンと1.2gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=14s、t100℃=22s、tTmax=50s、tgel=56℃、tTmax=197℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は90.8%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は83%であった。
実施例33
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、1.43gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.0gのヘキシルノルボルネンと1.2gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:45min、t100℃=3:20min、t175℃=3:30min、tTmax=4:00、tgel=55℃、tTmax=180℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は92.4%であった。
実施例34
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.5gのヘキシルノルボルネンと1.2gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=55s、t100℃=2:00min、tTmax=2:20min、tgel=54℃、tTmax=192℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は92.6%であった。
実施例35
モノマー:プロ触媒:活性剤:改質剤の反応剤比=20,000:1:2:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3と0.8mgのトリシクロヘキシルホスフィンを、9.5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:45min、t100℃=2:25min、tTmax=2:45min、tgel=62℃、tTmax=197℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.7%であった。
実施例36
モノマー:プロ触媒:活性剤:改質剤の反応剤比=20,000:1:2:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3と1.6mgのトリシクロヘキシルホスフィンを、9.5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを50℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=5:00min、t100℃=6:20min、tTmax=7:00min、tgel=64℃、tTmax=182℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.4%であった。
実施例37
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.5gのヘキシルノルボルネンと1.2gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は92.7%であった。
実施例38
モノマー:プロ触媒:活性剤:活性剤の反応剤比=20,000:1:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(2.4mg)とLiWCA−H(2.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:10min、t100℃=1:40min、tTmax=1:55min、tgel=68℃、tTmax=198℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.2%であった。
実施例39
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:5である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(12.2mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:20min、t100℃=1:50min、tTmax=2:15min、tgel=64℃、tTmax=193℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.8%であった。
実施例40
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.5gのヘキシルノルボルネンと0.6gのメチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:30min、t100℃=2:05min、t200℃=2:20min、tTmax=2:22min、tgel=62℃、tTmax=201℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.9%であった。
実施例41
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、1.27gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:2.0mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、10.3gのメチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを50℃で高圧反応器に射出し、圧力を900psiまで上昇させた。反応は下記反応パラメータによって示される。t100℃=40s、t200℃=42s、tTmax=1:40min、tTmax=250℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は84.8%であった。
実施例42
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=30,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.8mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.1mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=10s、t100℃=22s、t200℃=39s、tTmax=55s、tgel=65℃、tTmax=202℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.8%であった。
実施例43
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(5.7mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.8gのヘキシルノルボルネンと0.18gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=9s、t100℃=15s、t200℃=36s、tTmax=50s、tgel=60℃、tTmax=201℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は93.8%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は157%であった。
実施例44
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(5.7mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.5gのヘキシルノルボルネンと0.44gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=7s、t100℃=12s、t200℃=18s、tTmax=43s、tgel=60℃、tTmax=206℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は91.9%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は106%であった。
実施例45
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(5.7mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.8gのヘキシルノルボルネンと0.24gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=7s、t100℃=12s、t200℃=18s、tTmax=43s、tgel=60℃、tTmax=206℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.5%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は108%であった。
実施例46
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=60,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(1.9mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:0.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=30s、t100℃=55s、tTmax=1:30min、tgel=60℃、tTmax=199℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.6%であった。
実施例47
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(2.8mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.8gのヘキシルノルボルネンと0.24gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=14s、t100℃=21s、t200℃=35s、tTmax=50s、tgel=60℃、tTmax=202℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.8%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は108%であった。
実施例48
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=50,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(1.6mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:0.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.8gのヘキシルノルボルネンと0.24gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=48s、t100℃=1:55min、t150℃=2:13min、tTmax=2:45min、tgel=55℃、tTmax=187℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は93.8%であった。
実施例49
モノマー:プロ触媒:活性剤:改質剤の反応剤比=20,000:1:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(2.8mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3と0.8mgのトリシクロヘキシルホスフィンを、8.8gのヘキシルノルボルネンと0.24gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=2:00min、t100℃=7:30min、t150℃=8:30min、tTmax=10:00min、tgel=55℃、tTmax=166℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.5%であった。DMAによるTgは307℃であった。
実施例50
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(2.8mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.0gのヘキシルノルボルネンと0.61gのメチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=15s、t100℃=18s、t200℃=25s、tTmax=35s、tgel=68℃、tTmax=210℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.0%であった。DMAによるTgは245℃であった。
実施例51
モノマー:プロ触媒:活性剤:改質剤の反応剤比=20,000:1:1:0.1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(2.8mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3と0.08mgのトリシクロヘキシルホスフィンを、9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=16s、t100℃=25s、t200℃=40s、tgel=60℃、tTmax=200℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.7%であった。
実施例52
モノマー:プロ触媒:活性剤:改質剤の反応剤比=20,000:1:1:0.2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(2.8mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3と0.16mgのトリシクロヘキシルホスフィンを、9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=14s、t100℃=24s、t200℃=40s、tgel=60℃、tTmax=200℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.4%であった。
実施例53
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.9mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=24s、t100℃=32s、t200℃=37s、tTmax=50s、tgel=70℃、tTmax=218℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は88.8%であった。
実施例54
モノマー:プロ触媒:活性剤:改質剤の反応剤比=20,000:1:1:0.5である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(2.8mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3と0.40mgのトリシクロヘキシルホスフィンを、9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=20s、t100℃=33s、t200℃=44s、tTmax=52s、tgel=63℃、tTmax=202℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.4%であった。
実施例55
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(4.0mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:2.3mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、11.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で高圧反応器中に射出し、圧力を900psiまで上昇させた。反応は下記反応パラメータによって示される。t100℃=13s、t200℃=18s、tTmax=35、tTmax=218℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は89.0%であった。
実施例56
モノマー:プロ触媒:活性剤:改質剤の反応剤比=20,000:1:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(2.8mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3と0.8mgのトリシクロヘキシルホスフィンを、9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=15min、tgel=55℃。軟らかいゲルが得られた。
実施例57
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(2.8mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、7.0gのヘキシルノルボルネンと1.22gのメチルノルボルネンとに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=40s、t100℃=58s、tTmax=63s、tgel=42℃、tTmax=181℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.6%であった。DMAによるTgは248℃であった。
実施例58
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(2.8mg)を、1.0gの2.0%Kraton(登録商標)1726を含有するヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.0gの2.0%Kraton(登録商標)1726を含有するヘキシルノルボルネンと0.24gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=36s、t100℃=52s、tTmax=60s、tgel=37℃、tTmax=157℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.8%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は100%であった。DMAによるTgは292℃であった。
実施例59
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.0mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.7mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、6.5gのヘキシルノルボルネンと1.9gのメチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=55s、t100℃=1:16min、tTmax=63s、tgel=42℃、tTmax=181℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.6%であった。DMAによるTgは245℃であった。
実施例60
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(2.8mg)を、1.0gの2.0%Kraton(登録商標)1726を含有するヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、7.0gの2.0%Kraton(登録商標)1726を含有するヘキシルノルボルネンと、1.22gのメチルノルボルネンと、0.24gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=31s、t100℃=41s、tTmax=63s、tgel=44℃、tTmax=182℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.8%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は95%であった。DMAによるTgは277℃であった。
実施例61
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(36.2mg)を、10gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:20.7mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、116gのヘキシルノルボルネンと、3.1gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを23℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=2:00min、t100℃=3:15min、tTmax=4:30min、tgel=40℃、tTmax=176℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.2%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は133%であった。
実施例62
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(36.2mg)を、10gの2.0%Kraton(登録商標)1657を含有するヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:20.7mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、118gの2.0%Kraton(登録商標)1657を含有するヘキシルノルボルネンと3.1gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=45s、t100℃=1:25min、tTmax=2:10min、tgel=39℃、tTmax=186℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.4%であった。
実施例63
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(2.8mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.3mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=52s、t100℃=1:20min、tTmax=1:50min、tgel=45℃、tTmax=182℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は98.6%であった。
実施例64
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(9.8mg)を、0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:4.1mgの(PCy32Pd(H)(NO3)を、9.5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=5:00min、t100℃=6:10min、tTmax=6:30min、tgel=62℃、tTmax=192℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は98.0%であった。
実施例65
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(4.0mg)を、1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:2.3mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、11.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:40min、t100℃=2:02min、t200℃=2:08min、tTmax=2:30min、tgel=46℃、tTmax=212℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.2%であった。
実施例66
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(8.0mg)を、1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:4.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、11.0gのブチルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=40s、t100℃=45s、t200℃=47s、tTmax=50s、tgel=55℃、tTmax=208℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.0%であった。
実施例67
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(6.7mg)を、1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:3.8mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.8gのブチルボルネンと0.21gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=42s、t100℃=49s、t200℃=55s、tTmax=70s、tgel=50℃、tTmax=212℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は91.2%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は108%であった。
実施例68
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(6.7mg)を、1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:3.8mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.8gのブチルノルボルネンと0.24gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=55s、t100℃=1:05min、t200℃=1:09min、tTmax=1:20min、tgel=49℃、tTmax=208℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は92.8%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は91%であった。
実施例69
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(6.9mg)を、1.0gのシクロヘキセニルノルボルネンに溶かした。成分B:4.0mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、11.0gのシクロヘキセニルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:55min、t100℃=2:55min、tTmax=4:15min、tgel=60℃、tTmax=150℃。固体の脆い目的物が得られた。TGAによる収率は91.5%であった。
実施例70
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(2.8mg)を、1.0gの4.0%Kraton(登録商標)1657を含有するヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.2gの4.0%Kraton(登録商標)1657を含有するヘキシルノルボルネンと0.24gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:05min、t100℃=2:10min、tTmax=2:50min、tgel=38℃、tTmax=163℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.2%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は122%であった。
実施例71
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(4.9mg)を、1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.2gのヘキシルノルボルネンと、0.24gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンと、0.18gの2−(3−ブテニル)−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:15min、t100℃=1:55min、tTmax=2:05min、tgel=60℃、tTmax=200℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.7%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は123%であった。
実施例72
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(128mg)を、10gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:73mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、181gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応を数秒間攪拌してから8×18cmのアルミニウム製の平なべに注いだ。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.5%であった。DMAによるTgは304℃、HDTは80℃であった。この生成物の試料を、200℃/0.1torrの真空オーブンの中に20時間設置した。TGAによる残留モノマーは3.1%、HDTは210℃であった。
実施例73
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(134mg)を、10gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:77mgの(アリル)Pd(O3SCF)PCy3を、185gのブチルノルボルネンと5.7gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応を数秒間攪拌してから8×18cmのアルミニウム製の平なべに注いだ。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は91.9%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は82%であった。HDTは66℃であった。
この生成物の試料を、200℃/0.1torrの真空オーブンの中に20時間設置した。TGAによる残留モノマーは4.1%、HDTは204℃であった。この生成物の試料を、200℃/0.1torrの真空オーブンの中に96時間設置した。TGAによる残留モノマーは2.0%、一晩置いたトルエン中での膨張率は106%、そしてHDTは207℃であった。
実施例74
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(2.8mg)を、1.0gの4.0%Kraton(登録商標)1726を含有するヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.2gの4.0%Kraton(登録商標)1726を含有するヘキシルノルボルネンと0.24gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.1%であった。
実施例75
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(6.7mg)を、1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:3.8mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.0gのブチルノルボルネンと1.43gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=23s、t100℃=33s、tTmax=55s、tgel=43℃、tTmax=179℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は90.2%であった。
実施例76
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(5.7mg)を、1.0gの4.0%Kraton(登録商標)1726を含有するヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:3.2mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、9.2gの4.0%Kraton(登録商標)1726を含有するヘキシルノルボルネンと0.24gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=37s、t100℃=52s、t200℃=1:02min、tTmax=1:40min、tgel=40℃、tTmax=208℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.4%であった。
実施例77
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(4.5mg)を、1.0gのエチルノルボルネンに溶かした。成分B:2.8mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、10.0gのエチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:07min、t100℃=1:16min、t200℃=1:20min、tTmax=1:30min、tgel=50℃、tTmax=233℃。気泡を含有する固体の目的物が得られた。TGAによる収率は88.3%であった。
実施例78
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=5,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(13.4mg)を、1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:7.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.8gのブチルノルボルネンと0.24gの5,5’−(1,2−エタンジイル)ビスビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=33s、t100℃=34s、tTmax=36s、tgel=60℃、tTmax=217℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.0%であった。
実施例79
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(4.5mg)を、1.0gのエチルノルボルネンに溶かした。成分B:2.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、10.0gのエチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。重合瓶をクリンプキャップで密閉した。ほとんど気泡のない固体の目的物が得られた。TGAによる収率は89.5%であった。DMAによるTgは266℃であった。
実施例80
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(4.5mg)を、1.0gのエチルノルボルネンに溶かした。成分B:2.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、10.0gのエチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で圧力反応器に射出し、圧力を100psiまで高めた。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は92.6%であった。
実施例81
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(134mg)を、10gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:77mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、170gのブチルノルボルネンと21gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合し、8×18cmのアルミニウム製の平なべに注いだ。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は89.0%であった。HDTは70℃であった。
この生成物の試料を、200℃/0.1torrの真空オーブンの中で72時間、後硬化させた。TGAによる残留モノマーは5.0%であった。HDTは196℃であった。
実施例82
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(134mg)を、10gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:77mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、180gのブチルノルボルネンと10.5gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合し、8×18cmのアルミニウム製の平なべに注いだ。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は91.9%であった。HDTは99℃であった。
この生成物の試料を、200℃/0.1torrの真空オーブンの中で72時間、後硬化させた。TGAによる残留モノマーは3.9%であった。HDTは204℃であった。
実施例83
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(5.8mg)を0.85gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:5.2mgの(PCy32Pd(H)(O2CCF3)を、9.5gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=4:00min、t100℃=4:27min、t200℃=4:31min、tTmax=4:42min、tgel=68℃、tTmax=220℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.8%であった。
実施例84
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(5.8mg)を0.85gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:5.2mgの(PCy32Pd(H)(O2CCF3)を、9.5gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:13min、t100℃=1:23min、t200℃=1:27min、tTmax=1:48min、tgel=85℃、tTmax=232℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は93.3%であった。
実施例85
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(6.7mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:3.1mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bと25℃で混合した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は98.3%であった。
実施例86
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(11.6mg)を0.85gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:5.2mgの(PCy32Pd(H)(O2CCF3)を、9.5gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを63℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=48s、t100℃=54s、t200℃=59s、tTmax=1:05min、tgel=87℃、tTmax=235℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.6%であった。
実施例87
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.3mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=15s、t100℃=17s、t200℃=20s、tTmax=40s、tgel=45℃、tTmax=214℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.9%であった。
実施例88
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(6.7mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:3.1mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、8.8gのブチルノルボルネンと0.21gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=13s、t100℃=18s、t200℃=23s、tTmax=35s、tgel=40℃、tTmax=205℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.9%であった。
実施例89
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=40,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(1.7mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:0.8mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、8.8gのブチルノルボルネンと0.21gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=21s、t100℃=34s、t200℃=44s、tTmax=60s、tgel=40℃、tTmax=205℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は93.9%であった。
実施例90
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(6.7mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:3.8mgの(PCy32Pd(H)O3CCF3を、9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:05min、t100℃=1:14min、t200℃=1:17min、tTmax=1:30min、tgel=70℃、tTmax=222℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は93.5%であった。
実施例91
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(2.9mg)を0.85gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、9.5gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=3:20min、t100℃=5:10min、tTmax=5:45min、tgel=37℃、tTmax=190℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.8%であった。
実施例92
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(2.9mg)を0.85gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、9.5gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=41s、t100℃=52s、t200℃=56s、tTmax=1:02min、tgel=68℃、tTmax=220℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は93.8%であった。
実施例93
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を、1.0gの5.0%Kraton(登録商標)1726を含有するブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、9.5gの5.0%Kraton(登録商標)1726を含有するブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=17s、t100℃=23s、t200℃=35s、tTmax=60s、tgel=40℃、tTmax=203℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.0%であった。
実施例94
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(33.5mg)を50gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:15.3mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、50gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分BをMIXPACミキシングガンに装填し、10〜24スタティックミキサーを介して、窒素パージされたTeflon(登録商標)カップに射出した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.3%であった。
実施例95
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(50.3mg)を75gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:22.9mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、75gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分BをMIXPACミキシングガンに装填し、5〜18スタティックミキサーを介して、窒素パージされたTeflon(登録商標)カップに射出した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.5%であった。
実施例96
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(33.5mg)を、50gの5.0%Kraton(登録商標)1726を含有するブチルノルボルネンと3.5gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分B:13.3mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、50gの5.0%Kraton(登録商標)1726を含有するブチルノルボルネンと3.5gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分BをMIXPACミキシングガンに装填し、5〜18スタティックミキサーを介して、窒素パージされたTeflon(登録商標)カップに射出した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は92.0%であった。
実施例97
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(33.5mg)を、51.5gの5.0%Kraton(登録商標)1726を含有するブチルノルボルネンと1.4gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分B:13.3mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、51.5gの5.0%Kraton(登録商標)1726を含有するブチルノルボルネンと1.4gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分BをMIXPACミキシングガンに装填し、5〜18スタティックミキサーを介して、窒素パージされたTeflon(登録商標)カップに射出した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.4%であった。
実施例98
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=15s、t100℃=22s、t200℃=24s、tTmax=45s、tgel=40℃、tTmax=214℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.5%であった。
実施例99
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(33.5mg)を、50gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:15.3mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、50gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分BをMIXPACミキシングガンに装填し、10〜24スタティックミキサーを介して、窒素パージされたプラークモールドに85℃で射出した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.3%であった。
実施例100
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(48.8mg)を、75gの5.0%Kraton(登録商標)1726を含有するブチルノルボルネンと1.5gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分B:22.2mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、75gの5.0%Kraton(登録商標)1726を含有するブチルノルボルネンと1.5gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分BをMIXPACミキシングガンに装填し、5〜18スタティックミキサーを介して、窒素パージされたプラークモールドに85℃で射出した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.4%であった。
実施例101
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(2.8mg)を1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.3mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=40s、t100℃=60s、tTmax=1:20、tgel=40℃、tTmax=181℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は98.4%であった。
実施例102
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(98mg)を、75gの3.0%Diene55AC10(登録商標)を含有するブチルノルボルネンに溶かした。成分B:44.8mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、75gの3.0%Diene55AC10(登録商標)を含有するブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分BとをMIXPACミキシングガンに装填し、5〜18スタティックミキサーを介して、窒素パージされたプラークモールドに55℃で射出した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.6%であった。
実施例103
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(0.690g)を610gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:0.313gの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、610gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを、マイクロRIM装置の混合ヘッド内で、高圧流れとして35℃で混合した。4回の試験から4つの固体の目的物が得られた。TGAによる収率は、98.3%、97.6%、97.6%および97.8%であった。
実施例104
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:Li(Oct2O)2.5FABA(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=17s、t100℃=18s、t200℃=21s、tTmax=35s、tgel=55℃、tTmax=213℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.5%であった。
実施例105
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:2.0mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(o−tolyl)3を、9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=2:45min、t100℃=4:03min、tTmax=5:00min、tgel=37℃、tTmax=167℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は82.8%であった。
実施例106
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:2.4mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(ナフチル)3を、9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=35s、t100℃=50s、t200℃=60s、tTmax=1:30min、tgel=45℃、tTmax=209℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は91.1%であった。
実施例107
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:2.4mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PPh3を、9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=40s、t100℃=55s、tTmax=1:30min、tgel=40℃、tTmax=196℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.3%であった。
実施例108
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(1,1−ジメチルアリル)Pd(O2CCF3)P(i−pr)3を、9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:08min、t100℃=1:14min、t200℃=1:16min、tTmax=1:25min、tgel=55℃、tTmax=211℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.0%であった。
実施例109
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(33.5mg)を、51gの2.5%Nordel(登録商標)1070を含有するブチルノルボルネンに溶かした。成分B:15.3mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、51gの2.5%Nordel(登録商標)1070を含有するブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分BをMIXPACミキシングガンに装填し、8〜24スタティックミキサーを介して、Teflon(登録商標)カップに射出した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.9%であった。
実施例110
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(33.5mg)を、51gの2.5%Vistanex(登録商標)MML−140を含有するブチルノルボルネンに溶かした。成分B:15.3mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、51gの2.5%Vistanex(登録商標)MML−140を含有するブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分BをMIXPACミキシングガンに装填し、8〜24スタティックミキサーを介して、Teflon(登録商標)カップに射出した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.8%であった。
実施例111
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、8.8gのブチルノルボルネンと0.21gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=12s、t100℃=18s、t200℃=24s、tTmax=35s、tgel=45℃、tTmax=202℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.5%であった。
実施例112
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、8.5gのブチルノルボルネンと0.53gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=11s、t100℃=18s、t200℃=26s、tTmax=40s、tgel=45℃、tTmax=205℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は90.8%であった。
実施例113
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.0gのブチルノルボルネンと1.05gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=10s、t100℃=18s、tTmax=45s、tgel=40℃、tTmax=200℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は86.8%であった。
実施例114
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(6.8mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=8s、t100℃=10s、t200℃=13s、tTmax=25s、tgel=45℃、tTmax=213℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.4%であった。
実施例115
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(6.8mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を、8.8gのブチルノルボルネンと0.21gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bとを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=9s、t100℃=13s、t200℃=17s、tTmax=30s、tgel=45℃、tTmax=210℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は93.5%であった。
実施例116
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(1,1−ジメチルアリル)Pd(O2CCF3)PCy3を、8.8gのブチルノルボルネンと0.21gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=56s、t100℃=59s、t200℃=1:03min、tTmax=1:15min、tgel=40℃、tTmax=214℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.6%であった。
実施例117
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−CH3(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(1,1−ジメチルアリル)Pd(O2CCF3)PCy3を、8.8gのブチルノルボルネンと0.21gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=31s、t100℃=37s、t200℃=41s、tTmax=60s、tgel=40℃、tTmax=207℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は93.4%であった。
実施例118
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(2−クロロアリル)Pd(O2CCF3)P(i−pr)3を、9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=21s、t100℃=27s、t200℃=29s、tTmax=50s、tgel=45℃、tTmax=210℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.8%であった。
実施例119
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(34mg)を、50gの2.5%Vistanex(登録商標)MML−140を含有するブチルノルボルネンと1.3gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分B:15mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、50gの2.5%Vistanex(登録商標)MML−140を含有するブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分BをMIXPACミキシングガンに装填し、8〜24スタティックミキサーを介して、Teflon(登録商標)カップに射出した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.4%であった。
実施例120
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(34mg)を、50gの2.5%Nordel(登録商標)1070を含有するブチルノルボルネンと1.3gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分B:15mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、50gの2.5%Nordel(登録商標)1070を含有するブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分BをMIXPACミキシングガンに装填し、8〜24スタティックミキサーを介して、Teflon(登録商標)カップに射出した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は93.1%であった。
実施例121
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=500:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−CH3(0.11g)を9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かしかつ50℃まで加熱した。成分B:30mgの[(アリル)Pd(O2CCF3)]2を周囲温度で1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを混合すると、30秒以内に反応が重合し、160℃で暗い色になった。tTmax=225℃であった。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は98.4%であった。
実施例122
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=1,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−CH3(0.055g)を9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かし、50℃まで加熱した。成分B:15mgの[(アリル)Pd(O2CCF3)]2を周囲温度で1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを混合して、70℃まで加熱した。30秒以内に反応が重合し、180℃で暗い色になった。tTmax=215℃であった。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は98.1%であった。
実施例123
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=1,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−CH3(0.055g)を周囲温度で9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:15mgの[(アリル)Pd(O2CCF3)]2を周囲温度で1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを混合すると、明るい黄色の溶液が観察された。反応は15秒以内にゲル化しかつ30秒以内に重合した。tTmax=205℃であった。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は99.5%以上であった。
実施例124
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=1,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−CH3(0.055g)を周囲温度で8.0gのヘキシルノルボルネンと1.0gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分B:15mgの[(アリル)Pd(O2CCF3)]2を周囲温度で1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを混合すると、明るい黄色の溶液が観察された。反応は45秒以内にゲル化しかつ3分以内に重合した。tTmax=190℃であった。濃い黄色の固体の目的物が得られた。TGAによる収率は93.8%であった。
実施例125
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=1,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−CH3(0.055g)を周囲温度で9.0gのヘキシルノルボルネンと0.5gのノルボルナジエン二量体に溶かした。成分B:15mgの[(アリル)Pd(O2CCF3)]2を周囲温度で1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを混合しかつ55℃まで加熱した。明るい黄色の溶液が観察された。反応は15秒以内にゲル化しかつ2分以内に重合した。tTmax=210℃であった。濃い黄色の固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.5%であった。
実施例126
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=1,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(LiFABA)(0.049g)を9.0gのヘキシルノルボルネン中で攪拌した。このLiFABAは溶けなかった。成分B:15mgの[(アリル)Pd(O2CCF3)]2を周囲温度で1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bとを混ぜ合わせて、60℃で加熱した。明るい黄色の溶液が観察された。反応は直ちにゲル化し、最高到達反応温度は205℃と記録された。反応は2分以内に重合した。tTmax=210℃であった。光沢のある固体の目的物が得られた。TGAによる収率は91.2%であった。
実施例127
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=5,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(0.010g)を周囲温度で9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:15mgの[(アリル)Pd(O2CCF3)]2を周囲温度で1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを混合しかつゆっくりと加熱した。重合している塊が65℃に達したときに反応がゲル化した。白色の沈殿物が反応において観察された。反応は3分以内に重合した。tTmax=185℃であった。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は92.3%であった。
実施例128
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=1,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(0.048g)を9.0gのヘキシルノルボルネン中で撹拌しかつ60℃まで加熱した。このLiFABAは完全には溶けなかった。成分B:20mgの[(アリル)PdCl]2を周囲温度で1.0gのヘキシルノルボルネン中で攪拌しかつ60℃まで加熱した。同様に、[(アリル)PdCl]2のすべてが完全に溶けたわけではなかったが、黄色い溶液が得られた。成分Aと成分Bを混合すると、反応が45秒以内にゲル化した。反応は約150℃で黒くなり、150℃の最高重合発熱温度に達した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は89.6%であった。
実施例129
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=1,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(0.056g)を9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:10mgの[(アリル)PdCl]2を1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かしかつ50℃まで加熱した。[(アリル)PdCl]2のすべてが完全に溶けたわけではなかったが、部分的に黄色い溶液が得られた。成分Aと成分Bとを室温で混合したが、はっきりとした反応は起こらなかった。その後。この混合物に25mgのトリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)を添加し、加熱した。反応は直ちに明るいオレンジがかった黄色になり、発熱し始め、20秒でゲル化した。この重合塊は225℃の最高重合発熱温度に達した。PCy3の存在下では、ポリマーの温度がその重合発熱温度まで上昇しても、ポリマーが黒ずむことはなかった。固体のポリマー目的物が得られた。TGAによる収率は95.0%であった。
実施例130
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=1,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(0.056g)を9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:15mgの[(アリル)Pd(O2CCF3)]2と25mgのトリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)を1.0gのヘキシルノルボルネンと混合すると、白色のスラリーが形成された。成分Aと成分Bを室温で混合すると、直ちに黄色の溶液が形成された。重合は下記反応パラメータによって示される。tgel=9s、tTmax=225℃。反応溶液は2分以内に重合した。硬い黄色のポリマー目的物が得られた。TGAによる収率は98.5%であった。
実施例131
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=1,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(0.056g)と25mgのトリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)とを9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:15mgの[(アリル)Pd(O2CCF3)]2を1.0gのヘキシルノルボルネン中で攪拌した。成分Aと成分Bを室温で混合すると、直ちに黄色い綿状の物質が形成された。混合後の初めの2分間は反応は重合しなかった。重合は下記反応パラメータによって示される。tTmax=180℃。反応溶液は2分以内にゆっくりと重合した。固体のポリマー目的物が得られた。TGAによる収率は97.1%であった。
実施例132
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=1,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(0.056g)と[(アリル)Pd(O2CCF3)]2(15mg)を、3.0gのヘキシルノルボルネンと混合した。この懸濁液を室温で攪拌した。成分B:25mgのトリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)を7.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bとを室温で混合しかつ65℃まで加熱した。このプロ触媒と活性剤とのスラリーは、加熱されるにつれて、ゆっくりと溶解および反応した。反応溶液が重合して硬い黄色のパックが得られた。tTmax=205℃。TGAによる収率は96.4%であった。
実施例133
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=1,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(56mg)を9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:26mgの(アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのヘキシルノルボルネンに懸濁させた。成分Aと成分Bを混合すると、重合は30秒以内に終了した。tTmax=200℃。硬いオレンジ色のパックが得られた。TGAによる収率は98.5%であった。
実施例134
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=2,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(28mg)を8.5gのヘキシルノルボルネンと0.5gのノルボルナジエン二量体に溶かした。成分B:7mgの[(アリル)Pd(O2CCF3)]2を1.0gのメチルノルボルネンに懸濁させた。成分Aと成分Bを混合すると、溶液が黄色に変わり、20秒以内にゲル化した。重合発熱は200℃に達した。硬い黄色のパックが得られた。TGAによる収率は92.3%であった。
実施例135
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=1,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(0.59g)を95gのヘキシルノルボルネンと5gのノルボルナジエン二量体に溶かした。成分B:0.16gの[(アリル)Pd(O2CCF3)]2を5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを40℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=15s、tTmax=251℃。無臭の固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.4%であった。
実施例136
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=2,000:1:5である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(28mg)を9gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:3mgの[(アリル)Pd(O2CCF3)]2を5gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを周囲温度で混合すると、透明で無臭のパックが生成した。TGAによる収率は93.6%であった。
実施例137
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=2,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(56mg)を8.5gのヘキシルノルボルネンと0.5gのノルボルナジエン二量体に溶かした。成分B:10mgの[(アリル)PdCl]2を1.0gのメチルノルボルネンに懸濁させた。成分Aと成分Bを混合すると、溶液が黄色に変わった。重合によって硬い黄色のパックが生成した。TGAによる収率は93.0%であった。
実施例138
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:10である2成分重合系を調製した。成分A:Li[Al(OC(CF32H)4](20mg)を9.0gのブチルノルボルネンに溶かしかつ60℃まで加熱した。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を、1.0gのヘキシルノルボルネンに40℃で溶かした。成分Aと成分Bを混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=9s、t110℃=13s、t201℃=17s、tTmax=75s、tgel=69℃、tTmax=260℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.6%であった。
実施例139
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−CH3(12.0mg)を9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かしかつ50℃まで加熱した。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を周囲温度で1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=34s、t105℃=46s、t201℃=70s、tTmax=105s、tgel=67℃、tTmax=223℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.6%であった。
実施例140
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(12.0mg)を9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かしかつ50℃まで加熱した。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を周囲温度で1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=70s、t101℃=88s、t200℃=145s、tTmax=180s、tgel=68℃、tTmax=211℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.1%であった。
実施例141
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(12.0mg)を9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かしかつ50℃まで加熱した。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を周囲温度で1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=70s、t101℃=88s、t200℃=145s、tTmax=180s、tgel=68℃、tTmax=211℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.1%であった。
実施例142
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=1,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(56mg)を、8.5gのヘキシルノルボルネンと0.5gのエキソ−トランス−エキソ−ノルボルナジエン二量体に溶かしかつ50℃まで加熱した。成分B:15mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのヘキシルノルボルネンに40℃で溶かした。成分Aと成分Bを混合すると、反応は明るいオレンジ色に変わり、15秒以内にゲル化した。最大重合は245℃で測定された。固体のオレンジがかった黄色のパックが得られた。TGAによる収率は96.8%であった。
実施例143
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=2,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(28mg)を、8.5gのヘキシルノルボルネンと0.5gのエキソ−トランス−エキソ−ノルボルナジエン二量体に溶かしかつ55℃まで加熱した。成分B:7.5mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのヘキシルノルボルネンに40℃で溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合すると、反応混合物は直ちにオレンジ色に変わり、15秒以内にゲル化し、241℃の最高温度に達した。無臭の黄色のパックが得られた。TGAによる収率は95.7%であった。
実施例144
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(11.5mg)を9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:3mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを周囲温度で混合すると、反応混合物は直ちに黄色に変わり、30秒以内にゲル化し、251℃の最高温度に達した。無臭の黄色のパックが得られた。TGAによる収率は97.0%であった。
実施例145
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(5.5mg)を、7.5gのヘキシルノルボルネンと0.5gのエキソ−トランス−エキソ−ノルボルナジエン二量体に溶かしかつ55℃まで加熱した。成分B:7.5mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを周囲温度で混合すると、反応混合物は直ちに黄色に変わり、35秒でゲル化し、210℃の最高温度に達した。無臭の黄色のパックが得られた。TGAによる収率は93.2%であった。
実施例146
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(5.6mg)を、8.0gのヘキシルノルボルネンと1.0gの1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレンに溶かした。成分B:1.5mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を周囲温度で1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを周囲温度で混合すると、反応混合物は直ちに黄色に変わり、30秒以内にゲル化し、225℃の最高温度に達した。無臭の黄色のパックが得られた。TGAによる収率は88.3%であった。
実施例147
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(5.6mg)を9.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを周囲温度で混合すると、反応混合物は直ちに黄色に変わり、20秒以内にゲル化し、241℃の最高温度に達した。無臭のオレンジ色のパックが得られた。TGAによる収率は95.4%であった。
実施例148
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=15,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−CH3(45mg)を、115gのヘキシルノルボルネンと6gのエキソ−トランス−エキソ−ノルボルナジエン二量体に溶かした。成分B:24mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を6gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを周囲温度で混合すると、反応混合物は直ちに黄色に変わり、30秒以内にゲル化し、248℃の最高温度に達した。無臭の黄色のパックが得られた。TGAによる収率は96.2%であった。
実施例149
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(11mg)を、8.5gのヘキシルノルボルネンと0.5gのエキソ−トランス−エキソ−ノルボルナジエン二量体に溶かした。成分B:3.2mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのメチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを室温で混合すると、50秒以内にゲル化し、そして重合は242℃の内部温度に達した。
実施例150
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(11.5mg)を、7gのヘキシルノルボルネンと2gのエキソ−トランス−エキソ−ノルボルナジエン二量体に溶かした。成分B:3mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのメチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを28℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=12s、t104℃=30s、t201℃=42s、tTmax=95s、tgel=38℃、tTmax=220℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は89.0%であった。
実施例151
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(11.5mg)を9gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:3mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのメチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを29℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=28s、t100℃=40s、t200℃=45s、tTmax=85s、tgel=50℃、tTmax=247℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.4%であった。
実施例152
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(11.5mg)を9gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:3mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのメチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを29℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=28s、t100℃=40s、t200℃=45s、tTmax=85s、tgel=50℃、tTmax=247℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.4%であった。
実施例153
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=10,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(11.5mg)を7gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:3mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを31℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=18s、t118℃=28s、t214℃=31s、tTmax=75s、tgel=50℃、tTmax=268℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.4%であった。
実施例154
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(5.5mg)を7gのヘキシルノルボルネンと2gのノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを29℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=40s、t100℃=80s、t207℃=83s、tTmax=165s、tgel=41℃、tTmax=260℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は92.4%であった。
実施例155
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=50,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(6.8mg)を23gのヘキシルノルボルネンと6gのノルボルネンに溶かした。成分B:1.8mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを58℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=25s、t103℃=45s、t204℃=60s、tTmax=118s、tgel=70℃、tTmax=241℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は80.8%であった。
実施例156
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=50,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(6.8mg)を24gのヘキシルノルボルネンと5gのノルボルネンに溶かした。成分B:1.8mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを65℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=12s、t100℃=25s、t212℃=36s、tTmax=87s、tgel=72℃、tTmax=270℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は80.8%であった。
実施例157
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(13.6mg)を24gのヘキシルノルボルネンと5gのメチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.8mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのメチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=12s、t100℃=20s、t210℃=22s、tTmax=175s、tgel=71℃、tTmax=269℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は91.7%であった。
実施例158
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(13.6mg)を26gのヘキシルノルボルネンと3gのエキソ−トランス−エキソ−ノルボルナジエン二量体に溶かした。成分B:1.8mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのメチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=10s、t100℃=17s、t200℃=26s、tTmax=85s、tgel=66℃、tTmax=250℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は90.8%であった。
実施例159
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(8.0mg)を24gのヘキシルノルボルネンと5gのメチルノルボルネンに溶かした。成分B:4.5mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのメチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=14s、t101℃=20s、t199℃=28s、tTmax=120s、tgel=76℃、tTmax=288℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は86.0%であった。
実施例160
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(32mg)を117gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:17mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を3gのメチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=15s、t100℃=22s、t210℃=27s、tTmax=105s、tgel=73℃、tTmax=288℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は88.4%であった。
実施例161
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(32mg)を、117gのブチルノルボルネンと12gのエキソ−トランス−エキソ−ノルボルナジエン二量体に溶かした。成分B:17mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を3gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=10s、t106℃=18s、t200℃=23s、tTmax=127s、tgel=70℃、tTmax=278℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は89.4%であった。
実施例162
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(6.7mg)を29gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:3.6mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを70℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=10s、t100℃=12s、t206℃=17s、tTmax=100s、tgel=82℃、tTmax=272℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は90.4%であった。
実施例163
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=50,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.5mg)を29gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.8mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=30s、t100℃=41s、t205℃=56s、tTmax=90s、tgel=79℃、tTmax=260℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は93.5%であった。
実施例164
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.5mg)を27.5gのヘキシルノルボルネンと1.5gのエキソ−トランス−エキソ−ノルボルナジエン二量体に溶かした。成分B:3.4mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを80℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=6s、t104℃=10s、t205℃=20s、tTmax=80s、tgel=86℃、tTmax=250℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は92.5%であった。
実施例165
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(27mg)を117gのヘキシルノルボルネンに溶かした。この活性剤/モノマー溶液を、プロ触媒と混合する前に、真空下で脱気した。成分B:15mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を3gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=25s、t100℃=40s、t203℃=50s、tTmax=75s、tgel=74℃、tTmax=241℃。空隙の全くない固体のパックが得られた。
実施例166
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(27mg)を111gのヘキシルノルボルネンと1.5gのエキソ−トランス−エキソ−ノルボルナジエン二量体に溶かした。この活性剤/モノマー溶液を、プロ触媒と混合する前に、真空下で脱気した。成分B:15mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を3gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを70℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=9s、t106℃=16s、t204℃=24s、tTmax=140s、tgel=78℃、tTmax=267℃。空隙の全くない固体のパックが得られた。
実施例167
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(27mg)を9gのエキソ−ペンチルノルボルネンに溶かした。この活性剤/モノマー溶液を、プロ触媒と混合する前に、真空下で脱気した。成分B:1.3mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1gのエキソ−ペンチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=180s、t160℃=480s、tTmax=720s、tgel=86℃、tTmax=234℃。空隙の全くない固体のパックが得られた。TGAによる収率は89.4%であった。
実施例168
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(2.4mg)を9gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.3mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=7s、t140℃=10s、t208℃=13s、tTmax=60s、tgel=74℃、tTmax=260℃。空隙の全くない固体のパックが得られた。TGAによる収率は97.0%であった。
実施例169
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(2.4mg)を9gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.3mgの(Me2NCH264)Pd(O3SCF3)PCy3を1gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合すると、反応中間体が黄色に変わった。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=135s、t100℃=185s、t209℃=193s、tTmax=240s、tgel=71℃、tTmax=262℃。空隙の全くない固体のパックが得られた。TGAによる収率は94.4%であった。
実施例170
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:5である2成分重合系を調製した。成分A:Li(OEt22.5[B(C654](10mg)を0.7gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.2mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合すると、反応中間体が黄色に変わり、60秒以内に重合した。tTmax=220℃であった。空隙の全くない透明な固体のパックが得られた。TGAによる収率は95.0%であった。
実施例171
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:Li(OEt22.5[B(C654](10mg)を、8gのヘキシルノルボルネンと1gのブトキシノルボルネンに溶かした。成分B:1.2mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を1gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを50℃で混合すると、反応中間体が黄色に変わった。tgel=230s、t101℃=430s、tTmax=660s、tgel=70℃、tTmax=175℃。空隙の全くない透明な固体のパックが得られた。TGAによる収率は93.49%であった。
実施例172
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:Li(OEt22.5[B(C654](4mg)を、1gのトリエトキシシリルノルボルネンと8gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.3mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を1gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを55℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=180s、t100℃=270s、t208℃=345s、tTmax=375s、tgel=82℃、tTmax=261℃。空隙の全くない固体のパックが得られた。TGAによる収率は94.7%であった。
実施例173
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=35,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:Li(OEt22.5[B(C654](32mg)を、6gのトリエトキシシリルノルボルネンと111gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:15mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)PCy3を3gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。空隙の全くない透明な固体のスラブが得られた。TGAによる収率は96.5%であった。
実施例174
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:Na[B(C63−3,5−(CF324](4mg)を、1gのトリエトキシシリルノルボルネンと8gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:1.1mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを室温で混合すると、溶液は直ちに黄色に変わった。重合塊は244℃の最高内部温度に達した。空隙の全くない固体のパックが得られた。TGAによる収率は92.9%であった。
実施例175
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(9mg)を19gのゴム化ヘキシルノルボルネン(1重量%のEPDM)に溶かした。成分B:2.4mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1gのゴム化ヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを100℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=5s、t206℃=10s、tTmax=375s、tgel=110℃、tTmax=251℃。反応中、溶液の色が透明な黄色から濁った灰色がかった白色に変わった。固体のパックが得られた。TGAによる収率は91.8%であった。
実施例176
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(9mg)を、0.7gのトリエトキシシリルノルボルネンと19gのゴム化ヘキシルノルボルネン(1重量%のEPDM)に溶かした。成分B:2.5mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を0.3gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを53℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=285s、t103℃=390s、t203℃=465s、tTmax=525s、tgel=75℃、tTmax=216℃。固体のパックが得られた。TGAによる収率は90.0%であった。
実施例177
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:Li(OEt22.5[B(C654](9mg)を、1.0gのトリエトキシシリルノルボルネンと18gのゴム化ヘキシルノルボルネン(1重量%のEPDM)に溶かした。成分B:2.4mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=135s、t100℃=165s、t200℃=190s、tTmax=305s、tgel=94℃、tTmax=243℃。固体のパックが得られた。TGAによる収率は94.7%であった。
実施例178
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:[Ph3C][Al(OC(CF32654](7mg)を、1gのトリエトキシシリルノルボルネンと8gのヘキシルノルボルネンの中で攪拌した。この溶液を60℃まで加熱して活性剤を溶かした。成分B:2.4mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合した。固体のパックが得られた。
実施例179
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(9mg)を、2重量%のFirestone1107ポリブタジエンを含有する19.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分B:2.5mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を1.0gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを60℃で混合して、100℃の浴中で加熱した。固体のパックが得られた。TGAによる収率は92.9%であった。
実施例180
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(9mg)を、0.7gのトリエトキシシリルノルボルネンと19gのゴム化ヘキシルノルボルネン(1重量%のEPDM)に溶かした。成分B:2.5mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)PCy3を0.3gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを70℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=230s、t108℃=230s、t203℃=345s、tTmax=465s、tgel=108℃、tTmax=253℃。固体のパックが得られた。TGAによる収率は93.9%であった。
実施例181
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=25,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(2.4mg)を、0.7gのトリエトキシシリルノルボルネンと19gのゴム化ヘキシルノルボルネン(1重量%のEPDM)に溶かした。成分B:1.7mgの(π−アリル)Pd(O2CCF3)P(i−Pr)3を1gのヘキシルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを53℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=8s、tTmax=255℃。固体のパックが得られた。TGAによる収率は96.7%であった。
実施例182
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(4mg)を9gのエチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.9mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)P(i−Pr)3を3gのエチルノルボルネンに溶かした。この活性剤/モノマー溶液を、プロ触媒と混合する前に、真空下で脱気した。成分Aと成分Bを23℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=390s、t100℃=407s、t204℃=415s、tTmax=425s、tgel=51℃、tTmax=213℃。固体のパックが得られた。
実施例183
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を、8.5gのブチルノルボルネンと0.31gのノルボルナジエンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.1%であった。一晩置いたトルエン中での膨張率は158%であった。
実施例184
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.4mgの(アリル)Pd(O2CCF3)P(i−pr)3を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=4:00min、t100℃=4:37min、t200℃=4:40min、tTmax=5:00min、tgel=38℃、tTmax=210℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.7%であった。
実施例185
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(5.8mg)を0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.4mgの(アリル)Pd(O2CCF3)P(i−pr)3を9.5gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=20s、t100℃=23s、t200℃=24s、tTmax=30s、tgel=71℃、tTmax=222℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.4%であった。
実施例186
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(5.8mg)を0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.4mgの(アリル)Pd(P(i−pr)3)P(i−pr)3を9.5gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを空気に曝し、5分間攪拌し、25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=3:00min、t100℃=3:36min、tTmax=4:00min、tgel=40℃、tTmax=197℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.9%であった。
実施例187
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに部分的に溶かした。成分B:1.4mgの(アリル)Pd(O2CCF3)P(i−pr)3を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=17s、t100℃=21s、t200℃=22s、tTmax=40s、tgel=58℃、tTmax=222℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は92.3%であった。
実施例188
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を8.9gのブチルノルボルネンと0.10gのジシクロペンタジエンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=12s、t100℃=16s、t200℃=20s、tTmax=45s、tgel=40℃、tTmax=213℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.4%であった。
実施例189
LiWCA−H(3.4mg)と1.4mgの(アリル)Pd(O2CCF3)P(i−pr)3を1mlの塩化メチレン中で混合し、数分間攪拌した。これを10.0gのブチルノルボルネン(モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1)に25℃で添加した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:00min、t100℃=1:10min、t200℃=1:12min、tTmax=1:30min、tgel=40℃、tTmax=209℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.3%であった。
実施例190
LiFABA(5.8mg)と1.4mgの(アリル)Pd(O2CCF3)P(i−pr)3とを0.25mlの塩化メチレン中で混合し、数分間攪拌した。この溶液を10.0gのブチルノルボルネン(モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2)に45℃で添加した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=5s、t100℃=7s、t200℃=9s、tTmax=25s、tgel=60℃、tTmax=222℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は92.6%であった。
実施例191
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.8mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(シクロペンチル)3を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=23s、t100℃=29s、t200℃=30s、tTmax=50s、tgel=49℃、tTmax=217℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.3%であった。
実施例192
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(5.8mg)を0.71gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:1.8mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(シクロペンチル)3を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=29s、t100℃=36s、t200℃=38s、tTmax=60s、tgel=65℃、tTmax=226℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.2%であった。
実施例193
モノマー:プロ触媒:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:0.5:0.5:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:0.7mgの(アリル)Pd(O2CCF3)P(i−pr)3と0.8mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=23s、t100℃=30s、t200℃=34s、tTmax=50s、tgel=43℃、tTmax=207℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.9%であった。
実施例194
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.8mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(シクロペンチル)3を、8.5gのブチルノルボルネンと0.5gのブテニルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=15s、t100℃=19s、t200℃=21s、tTmax=40s、tgel=52℃、tTmax=221℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.7%であった。
実施例195
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.8mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(シクロペンチル)3を、8.0gのブチルノルボルネンと1.0gのブテニルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=23s、t100℃=26s、t200℃=29s、tTmax=40s、tgel=58℃、tTmax=223℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.4%であった。
実施例196
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=50,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(1.3mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:0.7mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(シクロペンチル)3を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=37s、t100℃=49s、t200℃=54s、tTmax=1:10min、tgel=44℃、tTmax=210℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.8%であった。
実施例197
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=100,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(5.0mg)を74gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:2.3mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを40℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=18s、t100℃=35s、t200℃=47s、tTmax=1:00min、tgel=58℃、tTmax=215℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は86.2%であった。
実施例198
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=100,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:LiFABA(8.7mg)を1.0gのトリエトキシシリルノルボルネンに溶かした。成分B:2.3mgの(アリル)Pd(O3SCF3)P(i−pr)3を74gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=27s、t100℃=52s、t200℃=60s、tTmax=1:10min、tgel=55℃、tTmax=216℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は89.3%であった。
実施例199
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.2mg)を1.0gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分B:1.4mgの(アリル)Pd(O3SCF3)(P−i−Pr)3を9.0gのテトラシクロドデカジエンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=18s、t100℃=27s、tTmax=50s、tgel=40℃、tTmax=163℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は89.7%であった。
実施例200
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Bの原液:15.3mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)を90.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと9.0gの成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=14s、t100℃=17s、t200℃=22s、tTmax=45s、tgel=50℃、tTmax=214℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.8%であった。
成分Bの原液をドライボックスに入れ、室温で4ヶ月間暗所に保管した。
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:9.0gの「熟成させた」原液。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=22s、t100℃=30s、t200℃=33s、tTmax=45s、tgel=40℃、tTmax=213℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.9%であった。
実施例201
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(クロチル)Pd(O3SCF3)(P(i−pr)3)を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=80s、t100℃=90s、t200℃=94s、tTmax=110s、tgel=38℃、tTmax=210℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.7%であった。
実施例202
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)と0.01gのDisperse Blue 14を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=14s、t100℃=19s、t200℃=21s、tTmax=45s、tgel=43℃、tTmax=212℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.6%であった。
実施例203
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)と0.01gのDisperse Red 1を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=11s、t100℃=14s、t200℃=17s、tTmax=30s、tgel=45℃、tTmax=211℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.6%であった。
実施例204
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)と0.1gのBHT−ノルボルネンを9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=11s、t100℃=14s、t200℃=17s、tTmax=30s、tgel=45℃、tTmax=214℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.8%であった。
実施例205
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)と0.05gのBHTを9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=13s、t100℃=17s、t200℃=19s、tTmax=45s、tgel=46℃、tTmax=215℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.1%であった。
実施例206
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:Li[B(C653(ヘキシル)](2.0mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=19s、t100℃=24s、tTmax=60s、tgel=45℃、tTmax=170℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は83.6%であった。
実施例207
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(π−アリル)Pd[N(SO2CF32](P(i−Pr)3)を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=45s、t100℃=58s、t200℃=66s、tTmax=90s、tgel=46℃、tTmax=212℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.6%であった。
実施例208
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(π−アリル)Pd[N(SO2CF32](P(i−Pr)3)を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=10s、t100℃=14s、t200℃=25s、tTmax=45s、tgel=64℃、tTmax=218℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は93.0%であった。
実施例209
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:Li[B(C653(ヘキシル)](2.0mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(π−アリル)Pd[N(SO2CF32](P(i−Pr)3)を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=21s、t100℃=28s、t200℃=35s、tTmax=60s、tgel=55℃、tTmax=190℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は88.4%であった。
実施例210
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:4−t−ブチル−N,N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート(2.9mg)を9.0gのブチルノルボルネンに懸濁させた。成分B:1.6mgの(アリル)Pd(C65)PCy3を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを45℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=4:30min、t100℃=5:30min、t200℃=5:42min、tTmax=5:55min、tgel=58℃、tTmax=211℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は92.0%であった。
実施例211
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:2.4mgの(アリル)Pd[N(SO2CF32]PPh3を9.0gのブチルノルボルネンに懸濁させた。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:25min、t100℃=2:00、tTmax=3:00、tgel=41℃、tTmax=191℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.8%であった。
実施例212
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.6mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)と0.05gのEthanox(登録商標)330を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=14s、t100℃=17s、t200℃=19s、tTmax=35s、tgel=43℃、tTmax=215℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は97.0%であった。
実施例213
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:2.2mgの(π−アリル)Pd[N(SO2CF32]P(シクロペンチル)3を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=15s、t100℃=20s、t200℃=24s、tTmax=60s、tgel=40℃、tTmax=217℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は96.6%であった。
実施例214
ポリブチルノルボルネンのタイルを、ブチルノルボルネンとブチルノルボルネンの1:1ブレンドを用いて、ミネソタ大学のMicro−RIM装置の混合ヘッドによってRIM成形した。20,000:1:1(BuNB:(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3):LiWCA−H)の反応剤比を用いた。このプラークに、F−1152プライマーと、F−2010ブラックベースコートと、F−3053クリアーコートとからなるU.S.Paintを塗布した。これらの塗料は、4:1のG3010触媒に対する塗料比を用いて混合された。それらはT003レジューサーを用いて体積で25%減らされた。
10〜15分の短い時間が、溶媒を除去するため塗布する合間に用いられた。クリアーコートの後、25分の短い時間が硬化する前に用いられた。用いた硬化時間は180(Fで30分であった。この試料はASTMクロスハッチ試験を用いて試験を行い、合格した。
実施例215
ポリブチルノルボルネンのタイルを、ブチルノルボルネンとブチルノルボルネンの1:1ブレンドを用いて、ミネソタ大学のMicro−RIM装置の混合ヘッドによってRIM成形した。20,000:1:1(BuNB:(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3):LiWCA−H)の反応剤比を用いた。このプラークに、F−1152プライマーと、F−2010ブラックベースコートと、F−3053クリアーコートとからなるU.S.Paintを塗布した。これらの塗料は、4:1のG3010触媒に対する塗料比を用いて混合された。それらはT003レジューサーを用いて体積で25%減らされた。
10〜15分の短い時間が、溶媒を除去するため塗布する合間に用いられた。クリアーコートの後、25分の短い時間が硬化する前に用いられた。用いた硬化時間は180゜Fで30分であった。
本実施例と実施例214との違いは、ポリプロピレンプライマーが1152プライマーの前に用いられたということである。使用されたポリプロピレンプライマーは「そのままで」、すなわち、触媒が添加されずかつ塗料は使用前に希釈されなかった。用いられたプライマーは、U.S.Paint製品V−3008である。
この試料はASTMクロスハッチ試験を用いて試験され、合格した。
実施例216
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.1mgの(アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)と0.4mgの(クロチル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを30℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=25s、t100℃=30s、t200℃=33s、tTmax=40s、tgel=50℃、tTmax=216℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.8%であった。
実施例217
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:0.7mgの(アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)と0.8mgの(クロチル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを30℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=58s、t100℃=1:05min、t200℃=1:08min、tTmax=1:30min、tgel=46℃、tTmax=216℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.8%であった。
実施例218
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:0.4mgの(アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)と1.1mgの(クロチル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを30℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=1:19min、t100℃=1:27min、t200℃=1:29min、tTmax=1:50min、tgel=49℃、tTmax=216℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.4%であった。
実施例219
モノマー:プロ触媒:活性剤:改質剤の反応剤比=20,000:1:1:0.1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)と0.09mgのPPh3を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを30℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=13s、t100℃=17s、t200℃=20s、tTmax=40s、tgel=45℃、tTmax=215℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.1%であった。
実施例220
モノマー:プロ触媒:活性剤:改質剤の反応剤比=20,000:1:1:0.5である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)と0.45mgのPPh3を9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを30℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=40s、t100℃=55s、t200℃=60s、tTmax=1:15min、tgel=49℃、tTmax=210℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.8%であった。
実施例221
モノマー:プロ触媒:活性剤:改質剤の反応剤比=20,000:1:1:0.1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)と0.09mgのPPh3Oを9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを30℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=21s、t100℃=25s、t200℃=28s、tTmax=40s、tgel=50℃、tTmax=214℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.2%であった。
実施例222
モノマー:プロ触媒:活性剤:改質剤の反応剤比=20,000:1:1:0.5である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)と0.45mgのPPh3Oを9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを30℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=50s、t100℃=1:02min、t200℃=1:05min、tTmax=1:30min、tgel=55℃、tTmax=214℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.9%であった。
実施例223
モノマー:プロ触媒:活性剤:改質剤の反応剤比=20,000:1:1:0.7である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)と0.65mgのPPh3Oを9.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを30℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=61s、t100℃=74s、t200℃=78s、tTmax=100s、tgel=50℃、tTmax=211℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.4%であった。
実施例224
Li(HOCH32.5[B(C654](0.0052g)をBuNB中で一晩攪拌した。(アリル)Pd(P(i−Pr)3)(O3SCF3)の溶液(5gのBuNB中の0.0015g)を添加した。反応は2分以内にゲル化し発熱して固体の目的物が生成した。
実施例225
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:Li(HO−i−Pr)3[B(C654](活性剤10)(2.8mg)を5gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)を5gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=130s、t100℃=160s、tTmax=175s、tgel=43℃、tTmax=206℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.1%であった。
実施例226
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1.5である2成分重合系を調製した。成分A:Li(HO−i−Pr)3[B(C654](活性剤10)(4.2mg)を5gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)を5gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを28℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=23s、tgel=47℃、tTmax=213℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.4%であった。
実施例227
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:2である2成分重合系を調製した。成分A:Li(HO−i−Pr)3[B(C654](活性剤10)(5.6mg)を5gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)を5gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを27℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=24s、t100℃=34s、tTmax=74s、tgel=49℃、tTmax=212℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.4%であった。
実施例228
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:Li[OC(CF32654]/Li[OC(CF32H]4](活性剤13)(2.9mg)を5gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)を5gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを30℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=67s、t100℃=81s、t200℃=90s、tTmax=100s、tgel=51℃、tTmax=207℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は93.1%であった。
実施例229
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:Li(OEt22.5[B(C654](0.05MのTHF溶液0.067mlを成分Bに添加した。成分B:1.5mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)を10gのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを28℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=72s、t210℃=90s、tTmax=95s、tgel=48℃、tTmax=212℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は95.4%であった。
実施例230
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:Li[OC(CF32654](0.0034g)を2重量%のDiene55AM5ブチルノルボルネン溶液1.5mlに溶かし、成分Bに添加した。成分B:1.5mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)を2重量%のDiene55AM5溶液9gに溶かした。成分Aと成分Bを27℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=30s、t131℃=60s、t187℃=75s、tTmax=90s、tgel=32℃、tTmax=192℃。固体の目的物が得られた。
実施例231
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:Li(HO−n−Pr)2.5[B(C654](活性剤11)(2.9mg)を5mlのブチルノルボルネンに溶かし、成分Bに添加した。成分B:1.5mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)を5mlのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを27℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=30s、t100℃=53s、tTmax=75s、tgel=42.4℃、tTmax=>201℃。固体の目的物が得られた。TGAによる収率は94.5%であった。
実施例232
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:Li(HO−t−Bu)3[B(C654](活性剤12)(2.9mg)を5mlのブチルノルボルネン中で30分間攪拌しそして成分Bに添加した。成分B:1.5mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)を5mlのブチルノルボルネンに溶かした。成分Aと成分Bを27℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=63s、t90℃=75s、tTmax=100s、tgel=45℃、tTmax=205℃。固体の目的物が得られた。
実施例233
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:Li[OC(CF32654](3.5mg)を1mlのブチルノルボルネンに溶かし、成分Bに添加した。成分B:1.5mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)を9.55gのブチルノルボルネンと0.66gのトリシクロペンタジエンに溶かした。成分Aと成分Bを27℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=30s、t121℃=40s、tTmax=75s、tgel=46℃、tTmax=208℃。固体の目的物が得られた。
実施例234
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:Li[OC(CF32654](3.5mg)を1mlのブチルノルボルネンに溶かし、成分Bに添加した。成分B:1.5mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)を9.05gのブチルノルボルネンと1.33gのトリシクロペンタジエンに溶かした。成分Aと成分Bを27℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=25s、t75℃=35s、t193℃=45s、tTmax=80s、tgel=42℃、tTmax=203℃。固体の目的物が得られた。
実施例235
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:Li[OC(CF32654](3.5mg)を1mlのブチルノルボルネンに溶かし、成分Bに添加した。成分B:1.5mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)を8.54gのブチルノルボルネンと1.99gのトリシクロペンタジエンに溶かした。成分Aと成分Bを27℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。tgel=25s、t98℃=30s、t196℃=40s、tTmax=60s、tgel=42℃、tTmax=202℃。固体の目的物が得られた。
実施例236
(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)(0.32g)とLi[B(O262−3,5−CMe32](活性剤15)をジクロロメタン中で16時間反応させた。反応を濾過し、乾燥するまでストリップすると、[(π−アリル)Pd(P(i−Pr)3)(溶媒)][B(O262−3,5−CMe32](溶媒は、アセトニトリル、メタノールまたはジクロロメタン)として特徴付けられる黄色の固体が生成した。重合実験の場合、この反応生成物は[(π−アリル)Pd(P(i−Pr)3)(B(O262−3,5−CMe32であると考えられ、10,000:1(BuNB:Pd)の反応剤モル比が用いられた。このようにして、(π−アリル)Pd(P(i−Pr)3)(B(O262−3,5−CMe32)(0.004g)をブチルノルボルネン(9g)に溶かし、100℃までゆっくりと加熱した。はっきりとした反応、すなわち、溶液の増粘化や自発的な重合発熱は起こらなかった。その後、ブチルノルボルネン(1g)に溶かしたLi[OC(CF32654)(3.5mg)を添加すると、直ちに重合発熱が起こり、205℃に達した。固体の目的物が回収された。TGAによる収率は86.3%であった。
実施例237
(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)(0.32g)をLi[B(O262−3,5−CMe32](活性剤15)とジクロロメタン中で16時間反応させた。反応を濾過し、乾燥するまでストリップすると、[(π−アリル)Pd(P(i−Pr)3)(メタノール)][B(O262−3,5−CMe32]として特徴付けられる黄色の固体が生成した。10,000:1(BuNB:Pd)の反応剤モル比が用いられた。このようにして、[(π−アリル)Pd(P(i−Pr)3)(メタノール)(B(O262−3,5−CMe32)(0.004g)をブチルノルボルネン(9g)に溶かし、45℃まで加熱した。はっきりとした反応、すなわち、溶液の増粘化や自発的な重合発熱は起こらなかった。その後、ブチルノルボルネン(1g)に溶かしたLi[OC(CF32654](3.5mg)を添加してもはっきりとした反応は起こらなかった。そして、この混合物を100℃まで加熱するとゲル化し、その後、混合物自身で重合発熱し、203℃に達した。固体の目的物が回収された。TGAによる収率は93.3%であった。
実施例238
(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)(0.32g)をLi[B(O262−3,5−CMe32](活性剤15)とジクロロメタン中で16時間反応させた。反応を濾過し、乾燥するまでストリップすると、[(π−アリル)Pd(P(i−Pr)3)(メタノール)][B(O262−3,5−CMe32]として特徴付けられる黄色の固体が生成した。10,000:1のBuNB:Pd反応剤モル比が用いられた。[(π−アリル)Pd(P(i−Pr)3)(メタノール)](B(O262−3,5−CMe32)(0.004g)を、ブチルノルボルネン(9g)を含有する20mlのトルエンに溶かした。この混合物を50℃まで加熱した。16時間後、この混合物をイソプロパノールに注ぎ込んだが、ポリマーは全く形成されなかった。
実施例239
(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)(0.32g)をLi[B(O26Cl42]とジクロロメタン中で16時間反応させた。反応を濾過し、乾燥するまでストリップすると、[(π−アリル)Pd(P(i−Pr)3)(NCCH3)][B(O26Cl42](溶媒は、アセトニトリル、メタノールまたはジクロロメタン)として特徴付けられる黄色の固体が生成した。重合実験の場合、この反応生成物は[(π−アリル)Pd(P(i−Pr)3)(NCCH3)(B(O262−3,5−CMe32)であると考えられ、10,000:1のBuNB:Pd反応剤モル比が用いられた。[(π−アリル)Pd(P(i−Pr)3)(NCCH3)](B(O262−3,5−CMe32)(0.005g)をブチルノルボルネン(9g)と20mlのトルエンに溶かし、この混合物を50℃で16時間加熱した。その後、反応中間体は実験の初期よりも高い粘度になっていた。この反応混合物をアセトンに注ぎ込んでポリマーを沈殿させた。得られたポリマーをトルエン(150ml)に再度溶かし、アセトン/イソプロパノールの1:3混合物中に再沈殿させて、2.04gのポリブチルノルボルネン(Mw=490,000、Mn=292,000、およびPDI=1.68)が得られた。
実施例240
[(π−アリル)Pd(P(i−Pr)3)(NCCH3)][B(O26Cl42](0.005g)を9gのブチルノルボルネンに溶かした。室温ではっきりとした反応が起こり、そして反応混合物をゆっくりと約100℃まで加熱すると混合物はゲル化し始め、180℃よりも高い重合発熱と硬質のポリマーをもたらす重合が起こった。これとは異なり、同一条件下で[(π−アリル)Pd(P(i−Pr)3)(NCCH3)](B(O262−3,5−CMe32)を用いた場合、反応は全く起こらなかった。
実施例241
[(π−アリル)Pd(P(i−Pr)3)(NCCH3)][B(O26Cl42](0.005g)を、10,000:1のBuNB:Pd反応剤モル比が用いられるように、9gのブチルノルボルネンに溶かした。初めは、はっきりとした反応は起こらなかった。その後、ブチルノルボルネン(1g)中のLi[Al(OC(CF32654](3.5mg)の溶液をパラジウムプロ触媒モノマー溶液に添加した。自発的な重合発熱が始まり、反応塊は重合して硬いパックになった。TGAによる収率は97.4%であった。
実施例242
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(Li[Al(OC(CF32654])(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)と0.1g(約15体積%)の3M K−1 Scotchlite Brand Glass Bubblesを9.0gのブチルノルボルネンに混合した。成分Aと成分Bを23℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。t100℃=23s、t200℃=28s、tTmax=40s、tTmax=211℃。固体の目的物が得られた。この目的物を水浴に落とすと浮いた。
実施例243
モノマー:プロ触媒:活性剤の反応剤比=20,000:1:1である2成分重合系を調製した。成分A:LiWCA−H(Li[Al(OC(CF32654])(3.4mg)を1.0gのブチルノルボルネンに溶かした。成分B:1.5mgの(π−アリル)Pd(O3SCF3)(P(i−Pr)3)と1.00g(約50体積%)の3M K−1 Scotchlite Brand Glass Bubblesを9.0gのブチルノルボルネンに混合した。成分Aと成分Bを25℃で混合した。反応は下記反応パラメータによって示される。t100℃=25s、tTmax=30s、tgel=45℃、tTmax=185℃。固体の目的物が得られた。この目的物を水浴に落とすと浮いた。
Li(HOCH34[B(O26Cl42]のOak Ridge Thermal Ellipsoid Plot(ORTEP)を表す。 [(アリル)PdP(i−Pr)3(NCCH3)][B(O26Cl42)]の(ORTEP)を表す。

Claims (26)

  1. ポリシクロオレフィンモノマー組成物のモールド内付加重合によってポリマー成品を製造するための方法であって、
    (a)反応混合物を形成するために複数の反応剤の流れを混合し、前記流れの少なくとも1つが第10族遷移金属のプロ触媒からなり、そして前記反応剤の流れの他の1つがカチオンと弱配位アニオンを含む活性剤塩からなり、ここで前記カチオンは、第1族元素のカチオンと、第2族の金属カチオンと、亜鉛、銀およびタリウムからなる群から選択される遷移金属カチオンからなる群から選択され、そして前記流れの少なくとも1つは、1つの重合可能なノルボルネン型部分を含有するポリシクロオレフィンモノマーを含有する工程と、
    (b)前記反応混合物を重合が起こるモールドに射出してモールドの形状にポリマー成品を形成する工程と、を備える方法。
  2. 前記ポリシクロオレフィンモノマー組成物が、多官能ポリシクロオレフィンを包含する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記カチオン中の前記第1族元素が、プロトン、リチウム、ナトリウムおよびカリウムからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記カチオン中の前記第2族の金属が、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第10族遷移金属のプロ触媒が、下記式
    [R’ML’xA’]
    ここでMは第10族の遷移金属を表し、R’はアニオン性ヒドロカルビル配位子を表し、L’は第15族の中性電子供与配位子を表し、A’はアニオン性脱離基を表し、そしてxは1または2である、
    の化合物から選択される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記反応剤の流れの少なくとも1つが第15族の電子供与配位子化合物を含有しており、そして前記第10族遷移金属のプロ触媒が、下記式
    [R’MA’]2
    ここでMは第10族の遷移金属を表し、R’はアリル配位子を表し、L’は第15族の中性電子供与配位子を表し、A’はイオン性脱離基を表す、
    の化合物から選択される、請求項1に記載の方法。
  7. Mが、ニッケル、パラジウムおよび白金からなる群から選択される、請求項5または6に記載の方法。
  8. R’は水素、線状および分岐状C1〜C20アルキル、線状および分岐状C2〜C20アルケニル、アリル配位子およびそのカノニカル形態、置換および非置換C5〜C10シクロアルキル、置換および非置換C6〜C15シクロアルケニル、置換および非置換C7〜C30アラルキル、置換および非置換C6〜C30アリール、C6〜C30ヘテロ原子含有アリール、ここで前記ヘテロ原子は硫黄、酸素、窒素並びにリンからなる群から選択され、前記置換された基内の置換基は、線状または分岐状C1〜C5アルキル、線状または分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状または分岐状C2〜C5アルケニル、ハロアルケニル、ハロゲンおよび場合により線状または分岐状C1〜C5アルキル、線状または分岐状C1〜C5ハロアルキルおよびハロゲンで置換されていてもよいフェニルからなる群から選択され、並びに下記式
    −Cd'2d'−、−Cd'2d'X→
    前記配位子の各々は第10族金属と一緒になってメタラサイクルまたはヘテロ原子含有メタラサイクルを形成し、ここでd’は3〜10の整数を表し、そしてX→は第10族中心金属に配位結合するアルケニルまたはヘテロ原子含有部分を表す、
    から選択されるヒドロカルビル含有配位子からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
  9. 前記アリル配位子が、下記式
    Figure 0005294159
    ここでR20'、R21'およびR22'は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、線状および分岐状C1〜C5アルキル、C5〜C10シクロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルケニル、C6〜C30アリール、C7〜C30アラルキルを表し、これらの基は、それぞれ、場合により線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、ハロゲン、並びに場合により線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキルおよびハロゲンで置換されていてもよいフェニルから選択される置換基で置換されていてもよく、R20'、R21'およびR22'のうちの任意の2つは、それらが結合している炭素原子と一緒に結合して単環状または多環状環を形成していてもよく、前記環の各々は、場合により線状または分岐状C1〜C5アルキル、線状または分岐状C1〜C5ハロアルキルおよびハロゲンで置換されていてもよい、
    によって表される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記第15族電子供与配位子が、アミン、ピリジン、アルシン、スチビンおよび有機リン含有化合物からなる群から選択される、請求項5または6に記載の方法。
  11. 前記有機リン含有配位子は、下記式
    P(R7'g[X’(R7'h3-g
    ここでX’は酸素、硫黄、窒素またはシリコンであり、gは0、1、2または3であり、そしてhは1,2または3であり、ただし、X’がシリコン原子である場合hは3であり、X’が酸素原子または硫黄原子である場合hは1であり、そしてX’が窒素原子である場合hは2であり、R7'は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C10アルキル、C5〜C10シクロアルキル、線状および分岐状C1〜C10アルコキシ、アリル、線状および分岐状C2〜C10アルケニル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールオキシ、C6〜C12アリールスルフィド、C7〜C18アラルキル、環状エーテルおよびチオエーテル、トリ(線状および分岐状C1〜C10アルキル)シリル、トリ(C6〜C12アリール)シリル、トリ(線状および分岐状C1〜C10アルコキシ)シリル、トリアリールオキシシリル、トリ(線状および分岐状C1〜C10アルキル)シロキシ並びにトリ(C6〜C12アリール)シロキシから選択され、ここでこれらの置換基は、それぞれ、場合により線状または分岐状C1〜C5アルキル、線状または分岐状C1〜C5ハロアルキル、C1〜C5アルコキシ、ハロゲン、およびこれらの組み合わせで置換されていてもよく、そしてgが0でありかつX’が酸素である場合、R7'のうちの任意の2つまたは3つは、それらが結合している酸素原子と一緒になって環状部分を形成することができ、gが3である場合、R7'のうちの任意の2つは、それらが結合しているリン原子と一緒になって下記式
    Figure 0005294159
    ここでR7'は上記において定義された通りであり、そしてh’は4〜11の整数である、
    のホスファサイクルを表すことができる、
    の化合物から選択される、請求項10に記載される方法。
  12. gが3であり、そしてR7'が、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C10アルキル、C5〜C10シクロアルキル、線状および分岐状C1〜C10アルコキシ、アリル、線状および分岐状C2〜C10アルケニル、C6〜C12アリール並びにC6〜C12アリールオキシからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記有機リン含有配位子が、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−sec−ブチルホスフィン、トリ−i−ブチルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリアリルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリナフチルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリ(p−トリフルオロメチルフェニル)ホスフィン、トリス(トリフルオロメチル)ホスフィン、トリ(p−フルオロフェニル)ホスフィン、トリ(p−トリフルオロメチルフェニル)ホスフィン、アリルジフェニルホスフィン、ベンジルジフェニルホスフィン、ビス(2−フリル)ホスフィン、ビス(4−メトキシフェニル)フェニルホスフィン、ビス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホスフィン、t−ブチルビス(トリメチルシリル)ホスフィン、t−ブチルジフェニルホスフィン、シクロへキシルジフェニルホスフィン、ジアリルフェニルホスフィン、ジベンジルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、ジブチルホスフィン、ジ−t−ブチルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジ−i−ブチルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジメチル(トリメチルシリル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、ジフェニルプロピルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィン、ジフェニル(トリメチルシリル)ホスフィン、ジフェニルビニルホスフィン、ジビニルフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、(2−メトキシフェニル)メチルフェニルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホスフィン、トリス(3−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(2−フリル)ホスフィン、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メトキシプロピル)ホスフィン、トリス(2−チエニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、(+)−ネオメンチルジフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、ジフェニル(2−メトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニル(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、ビス(ペンタフルオロフェニル)フェニルホスフィンおよびトリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンからなる群から選択されるホスフィンである、請求項11に記載の方法。
  14. 前記アニオン性脱離基が、ハロゲン、ナイトレート、トリフレート、トリフルイミドトリフルオロアセテート、トシレート、AlBr4 -、AlF4 -、AlCl4 -、AlF33SCF3 -、AsCl6 -、SbCl6 -、SbF6 -、PF6 -、BF4 -、ClO4 -、HSO4 -、カルボキシレート、アセテート、アセチルアセトネート、カーボネート、アルミネート、ボレート、ヒドロカルビル並びにヒドリド、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、C5〜C10シクロアルキル、C5〜C10シクロハロアルキル、C6〜C10アリールおよびC6〜C10ハロアリール、ここで前記シクロハロアルキル基およびハロアリール基は、臭素、塩素、フッ素およびヨウ素から選択されるハロゲン基で単置換または複数置換されている、から選択されるハロゲン化ヒドロカルビルからなる群から選択される、請求項5または6に記載の方法。
  15. 前記プロ触媒が、ビス(トリイソプロピルホスフィン)(ヒドリド)パラジウムクロライド、ビス(トリイソプロピルホスフィン)(ヒドリド)パラジウムナイトレート、ビス(トリイソプロピルホスフィン)(ヒドリド)パラジウムトリフレート、(アリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)クロライド、(メタアリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)クロライド、(クロチル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)クロライド、(アリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)トリフルオロアセテート、(1,1−ジメチル−π−アリル(トリイソプロピルホスフィン)パラジウムトリフルオロアセテート、(2−クロロアリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)トリフルオロアセテート、(アリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)トリフレート、(クロチル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)トリフレート、(メタアリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)トリフレート、(アリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)トリフルイミド、(メタアリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)トリフルイミド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)(ヒドリド)パラジウムクロライド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)(ヒドリド)パラジウムナイトレート、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)(ヒドリド)パラジウムトリフルオロアセテート、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)(ヒドリド)パラジウムホーメート、(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)クロライド、(メタアリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)クロライド、(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフルオロアセテート、(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフレート、(メタアリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフレート、(クロチル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフレート、(メタアリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフルイミド、(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)p−トリルスルホネート、(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフルイミド、(アリル)パラジウム(トリシクロペンチルホスフィン)クロライド、(メタアリル)パラジウム(トリシクロペンチルホスフィン)クロライド、(アリル)パラジウム(トリシクロペンチルホスフィン)トリフレート、(クロチル)パラジウム(トリシクロペンチルホスフィン)トリフレート、(メタアリル)パラジウム(トリシクロペンチルホスフィン)トリフレート、(アリル)パラジウム(トリシクロペンチルホスフィン)トリフルイミド、(メタアリル)パラジウム(トリシクロペンチルホスフィン)トリフルイミド、(アリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)C65、(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)C65、および[(アリル)パラジウム(HOCH3)(トリイソプロピルホスフィン)][B(O2−3,4,5,6−Cl462]からなる群の化合物から選択される、請求項1、5または14に記載の方法。
  16. 前記弱配位アニオンが、ボレート、アルミネート、ボラトベンゼンアニオン、カルボランアニオンおよびハロカルボランアニオンからなる群から選択される、請求項5または6に記載の方法。
  17. 前記弱配位アニオンが、下記式
    [M’(R24')(R25')(R26')(R27')]
    ここで、M’はホウ素またはアルミニウムであり、そしてR24'、R25'、R26'およびR27'は、独立に、フッ素、線状および分岐状C1〜C10アルキル基、線状および分岐状C1〜C10アルコキシ基、線状および分岐状C3〜C5ハロアルケニル基、線状および分岐状C3〜C12トリアルキルシロキシ基、C18〜C36トリアリールシロキシ基、置換および非置換C6〜C30アリール基並びに置換および非置換C6〜C30アリールオキシ基を表し、ここでR24'〜R27'は同時にアルコキシを表すことまたは同時にアリールオキシを表すことはできず、そして、前記アリール基およびアリールオキシ基は、置換される場合、単置換または複数置換され、そして、該置換基は、独立に、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルコキシ、線状および分岐状C1〜C5ハロアルコキシ、線状および分岐状C1〜C12トリアルキルシリル、C6〜C18トリアリールシリル並びに塩素、臭素およびフッ素から選択されるハロゲンから選択される、
    のボレートまたはアルミネートである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記ボレートが、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、テトラキス(2−フルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3−フルオロフェニル)ボレート、テトラキス(4−フルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,4,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、メチルトリス(パーフルオロフェニル)ボレート、エチルトリス(パーフルオロフェニル)ボレート、フェニルトリス(パーフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(1,2,2−トリフルオロエチレニル)ボレート、テトラキス(4−トリ−i−プロピルシリルテトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(4−ジメチル−t−ブチルシリルテトラフルオロフェニル)ボレート、(トリフェニルシロキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(オクチルオキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5−ビス[1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ボレート、テトラキス[3−[1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ボレートおよびテトラキス[3−[2,2,2−トリフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1−(トリフルオロメチル)エチル]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ボレートからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記アルミネートが、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トリス(ノナフルオロビフェニル)フルオロアルミネート、(オクチルオキシ)トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、テトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)アルミネートおよびメチルトリス(ペンタフルオロフェニル)アルミネートからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
  20. 弱配位アニオンが、下記式
    [M’(OR28')(OR29')(OR30')(OR31')]
    M’はホウ素またはアルミニウムであり、R28'、R29'、R30'およびR31'は、独立に、線状および分岐状C1〜C10アルキル基、線状および分岐状C1〜C10ハロアルキル基、C2〜C10ハロアルケニル基、置換および非置換C6〜C30アリール基並びに置換および非置換C7〜C30アラルキル基を表し、ただしR28'〜R31'のうちの少なくとも3つがハロゲン含有置換基を含有していなければならないものとし、OR28'およびOR29'は一緒になって−O−R32'−O−で表されるキレート性置換基を形成することができ、ここで、酸素原子はM’に結合しており、そしてR32'は、置換および非置換C6〜C30アリール並びに置換および非置換C7〜C30アラルキルから選択される2価の基であり、そして前記アリール基およびアラルキル基は、置換される場合、単置換または複数置換され、そして該置換基は、独立に、線状および分岐状C1〜C5アルキル、線状および分岐状C1〜C5ハロアルキル、線状および分岐状C1〜C5アルコキシ、線状および分岐状C1〜C5ハロアルコキシ、線状および分岐状C1〜C12トリアルキルシリル、C6〜C18トリアリールシリル並びに塩素、臭素およびフッ素から選択されるハロゲンから選択される、
    のボレートまたはアルミネートである、請求項16に記載の方法。
  21. 前記ボレートが、[B(O2642-、[B(OC(CF32(CH3))4-、[B(OC(CF32H)4-、[B(OC(CF3)(CH3)H)4-および[B(OCH2(CF3))4-からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記アルミネートが、[Al(OC(CF32Ph)4-、[Al(OC(CF3264−4−CH34-、[Al(OC(CF334-、[Al(OC(CF3)(CH3)H)4-、[Al(OC(CF32H)4-、[Al(OC(CF3264−4−i−Pr)4-、[Al(OC(CF3264−4−t−ブチル)4-、[Al(OC(CF3264−4−SiMe34-、[Al(OC(CF3264−4−Si−i−Pr34-、[Al(OC(CF3262−2,6−(CF32−4−Si−i−Pr34-、[Al(OC(CF3263−3,5−(CF324-、[Al(OC(CF3262−2,4,6−(CF334-および[Al(OC(CF32654-からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
  23. 前記活性剤塩が、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウム(ジエチルエーテル)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウム(ジエチルエーテル)2.5テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムトリス(イソプロパノール)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(メタノール)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(トルエン)銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、銀テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、トリス(トルエン)銀テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、タリウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、LiB(O2642、LiB(OC(CH3)(CF324、LiAl(OC(CF32Ph)4、LiAl(OC(CF3264CH34、LiAl(OC(CH3)(CF324、LiAl(OC(CF334、LiAl(OC(CF3264−4−i−Pr)4、LiAl(OC(CF3263−3,5−(CF324、LiAl(OC(CF3262−2,4,6−(CF334およびLiAl(OC(CF32654からなる群から選択される、請求項1、5または6に記載の方法。
  24. 前記ポリシクロオレフィンモノマー組成物が、下記式
    Figure 0005294159
    ここでaは単結合または二重結合を表し、mは0〜5の整数であり、aが二重結合である場合R1、R2のどちらか一方およびR3、R4のどちらか一方は存在せず、そしてR1〜R4は、独立に、水素、置換および非置換の線状および分岐状C1〜C10アルキル、線状および分岐状C1〜C10ハロアルキル、置換および非置換の線状および分岐状C2〜C10アルケニル、線状および分岐状C2〜C10ハロアルケニル、置換および非置換の線状および分岐状C2〜C10アルキニル、置換および非置換C4〜C12シクロアルキル、置換および非置換C4〜C12ハロシクロアルキル、置換および非置換C4〜C12シクロアルケニル、置換および非置換C4〜C12ハロシクロアルケニル、置換および非置換C6〜C12アリール、置換および非置換C6〜C12ハロアリール、置換および非置換C7〜C24アラルキルを表し、R1およびR2またはR3およびR4は一緒になってC1〜C10アルキリデニル基、−(CH2nC(O)NH2、−(CH2nC(O)Cl、−(CH2nC(O)OR5、−(CH2n−OR5、−(CH2n−OC(O)R5、−(CH2n−C(O)R5、−(CH2n−OC(O)OR5、−(CH2nSiR5、−(CH2nSi(OR53、−(CH2nC(O)OR6および基
    Figure 0005294159
    ここでnは、独立に、0〜10の整数を表し、そしてR5は、独立に、水素、線状および分岐状C1〜C10アルキル、線状および分岐状C2〜C10アルケニル、線状および分岐状C2〜C10アルキニル、C5〜C12シクロアルキル、C6〜C14アリールおよびC7〜C24アラルキルを表し、R6は、−C(CH33、−Si(CH33、−CH(R7)OCH2CH3、−CH(R7)OC(CH33、ジシクロプロピルメチル、ジメチルシクロプロピルメチルまたは下記の環状基
    Figure 0005294159
    ここでR7は、水素または線状若しくは分岐状(C1〜C5)アルキル基を表し、R1およびR4は、これらが結合している2つの環炭素原子と一緒になって、4〜30の環炭素原子を有する置換または非置換脂環式基、6〜18の環炭素原子を有する置換または非置換アリール基およびこれらの組み合わせを表すことができ、R1およびR4は一緒になって二価の架橋性基−C(O)−Q−(O)C−を形成することができ、そして、これらが結合している2つの環炭素原子と一緒になって5員環を形成することができ、Qは酸素原子または基N(R8)を表し、R8は、水素、ハロゲン、線状および分岐状C1〜C10アルキル並びにC6〜C18アリールから選択される、
    を表す、
    を表す
    の化合物から選択されるモノマーを包含する、請求項1、5または6に記載の方法。
  25. 前記ポリシクロオレフィン組成物が、下記式
    Figure 0005294159
    ここで、Yは(−CH2−)基を表し、mは独立に0〜5の整数を表し、そしてmが0の場合にYは単結合を表す、
    およびこれらの組み合わせから選択される多官能ポリシクロオレフィンモノマーを包含する、請求項24に記載の方法。
  26. 前記反応混合物が、水、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(オルト−トリル)ホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、エチルジフェニルホスフィナイト、トリブチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ジエチルフェニルホスホナイト、トリベンジルホスフィン、2−シクロヘキセノン、トリフェニルホスフィンオキサイドおよびこれの混合物からなる群から選択される速度調整剤をさらに含有する、請求項1、5または6に記載の方法。
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