JP4764646B2 - ビニル系モノマー重合用担持型触媒組成物および該組成物を用いたビニル系モノマーの重合への使用 - Google Patents

ビニル系モノマー重合用担持型触媒組成物および該組成物を用いたビニル系モノマーの重合への使用 Download PDF

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本発明は、周期律表第10族の元素とホスフィン配位子を含有するビニル系モノマー重合用担持型触媒組成物、およびそれを用いたビニル系モノマーのイソタクチック重合方法に関する。
ポリマーの高機能化の手段として、重合体の高次構造制御という方法がある。例えば、ビニル系モノマーの立体規則性重合法により得られるシンジオタクチシチーまたはイソタクチシチーに富むポリマーは、アタクチックポリマーに比べて強度、耐熱性等の点でより優れている。
ビニル系モノマーの付加重合法としては、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、配位重合等が知られている。ラジカル重合法は重合可能なモノマーの適用範囲が広く、α−オレフィン、スチレン誘導体等の炭化水素系モノマーのみならず、エステル基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の官能基を有するモノマーでも重合可能である。
しかしながらラジカル重合法では立体規則性の制御に限界があり、特殊な溶媒を用いる必要がある、極低温での重合が必須である等の操作の煩雑さを伴い、簡便かつ温和な条件下で立体規則性を制御することは困難である。
一方、カチオン重合法、アニオン重合法およびチーグラー・ナッタ触媒またはメタロセン触媒を用いる重合に代表される配位重合は、立体規則性の制御が比較的容易ではあるものの、重合可能なモノマーの適用範囲が狭いという欠点がある。
特に、ビニルエステル系単量体について遷移金属触媒を用いて立体規則性制御重合をしようとする試みが幾つかなされており、例えば、工業化学雑誌,第65巻,74頁,1962年(非特許文献1)、Z.Anorg.Allorg.Chem.,第629巻,781頁,2003年(非特許文献2)、Polym.Prepr.Jpn.,第46巻,1311頁,1997年(非特許文献3)等の報告がされている。これらの報告には5〜10%の収率でポリマーが得られると記載されるのみで、いずれも生成ポリマーの立体規則性を明らかにしていないが、これまでの均一系遷移金属触媒によるイソ特異性重合の発現機構から、イソタクチシチ−の高いポリ酢酸ビニルは得られていないと推測される。
また、特開平3−296505号(特許文献1)には、ロジウム化合物を触媒に用いたエチレン−酢酸ビニル共重合体の製造方法が報告されている。この方法により得られるエチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル含量は、0.001〜50%にコントロールすることが可能であると記載されているが、酢酸ビニルの単独重合体およびエチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル連鎖の長さおよびその立体規則性は不明である。
特開平3−296505号公報 工業化学雑誌,第65巻,74頁,1962年 Z.Anorg.Allorg.Chem.,第629巻,781頁,2003年 Polym.Prepr.Jpn.,第46巻,1311頁,1997年
従って、本発明の課題は上記のような従来技術の問題点を解決し、より温和な条件下でビニル系モノマーからイソタクチシチ−が高く、品質、物性等が良好なポリマーを製造するための重合用触媒組成物、およびイソタクチシチ−の高いポリマーの製造方法を提供することにある。
すなわち本発明は、重合体のイソタクチシチーがメソ2連子(m)で50%以上となるビニル系モノマーのイソタクチック重合用担持型触媒組成物であって、下記式(I)、(II)および(III):
Figure 0004764646
(式中、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ、置換基を有してもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または置換基を有してもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を表し、X、X、XおよびXはそれぞれ、水素、置換基を有してもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、ハロゲン、アセトキシ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、ニトロ基、カルボニル、置換基を有してもよいトリフルオロメタンスルホニル基、またはパークロロを表し、MおよびMはそれぞれ周期律表第10族の元素を表す。)で示される金属化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属化合物を含む成分Aを含有し、該成分Aを無機または有機担体に担持させた、前記イソタクチック重合用担持型触媒組成物に関する。
また本発明は、(a)周期律表第1、2、11、12、13、15および16族から選ばれた少なくとも1種の元素、(b)置換基を有してもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基および/または置換基を有してもよい炭素数6〜40の芳香族炭化水素基ならびに(c)過塩素酸基、からなる3つの群のうちの少なくとも2つの群からそれぞれ1種以上選ばれた、元素および/または基を有する化合物を含む成分Bをさらに含有する、前記イソタクチック重合用担持型触媒組成物に関する。
さらに本発明は、M1および/またはM2の金属がパラジウムである、前記イソタクチック重合用担持型触媒組成物に関する。
また本発明は、R、R、R、R、RおよびRが、置換基を有してもよいtert−ブチル基、置換基を有してもよいシクロヘキシル基、置換基を有してもよいビフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいアントリル基、置換基を有してもよいフェナントリル基、または置換基を有してもよいトリル基である、前記重合用担持型触媒組成物に関する。
さらに本発明は、X、X、XおよびXがそれぞれ、水素、置換基を有してもよいメチル基、臭素、塩素、ヨウ素、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいトリフルオロメタンスルホニル基、またはパークロロである前記重合用担持型触媒組成物に関する。
また本発明は、成分Bが有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物、トリフルオロメタンスルホン酸塩、過塩素酸塩、有機亜鉛化合物、有機ホウ素化合物、ホウ酸塩、または有機アルミニウム化合物である、前記重合用担持型触媒組成物に関する。
さらに本発明は、重合用担持型触媒組成物の、ビニル系モノマーのイソタクチック重合への使用に関する。
また本発明は、ビニル系モノマーが、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルエーテル、ビニルエステル、エチレン、α−オレフィン、スチレン誘導体およびジエン誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種である、前記ビニル系モノマーのイソタクチック重合への使用に関する。
さらに本発明は、ビニル系モノマーが酢酸ビニルである、前記ビニル系モノマーのイソタクチック重合への使用に関する。
以上のとおり、本発明の重合用触媒組成物によれば、より温和な条件下でビニル系モノマーを重合でき、かつイソタクチシチ−が高く、品質、物性等が良好なポリマーを製造することができる。得られるポリマーは、高強度高弾性率材料、耐熱性材料等に有用である。
本発明の重合用担持型触媒組成物に含まれる成分Aは、下記式(I)、(II)および(III)で示される金属化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属化合物を含有する。該金属化合物は1金属原子当り一つのホスフィン配位子を有する。金属化合物の金属MおよびMはそれぞれ、周期律表第10族のニッケル、パラジウムまたは白金であり、特にパラジウムが好ましい。
Figure 0004764646
式中、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ、置換基を有してもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または置換基を有してもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を表す。上記炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基等の直鎖、分枝鎖または環状の脂肪族炭化水素基が挙げられ、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、フルオレニル基、アズレニル基等が挙げられる。また、これらの基の置換基としては、上記の炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、上記の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリロキシ基、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、アセトキシ基、ニトロ基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基等の官能基等が挙げられる。これらの置換基はさらに置換基を有していてもよい。
、R、R、R、RおよびRの好ましい例としては、置換基を有してもよいtert−ブチル基、置換基を有してもよいシクロヘキシル基、置換基を有してもよいビフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいアントリル基、置換基を有してもよいフェナントリル基、置換基を有してもよいo−トリル基、m−トリル基またはp−トリル基等が挙げられる。
、X、XおよびXはそれぞれ、水素、置換基を有してもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、ハロゲン、アセトキシ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、ニトロ基、カルボニル、置換基を有してもよいトリフルオロメタンスルホニル基、またはパークロロを表す。ここで、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基および炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としては、上記R〜Rで挙げた脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基が挙げられる。またこれらの基の置換基としては、上記の炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、上記の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリロキシ基、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、アセトキシ基、ニトロ基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基等の官能基等が挙げられる。また、これらの置換基はさらに置換基を有していてもよい。X、X、XおよびXの好ましい例としては、水素、置換基を有してもよいメチル基、置換基を有してもよいフェニル基、1−アセトキシプロピル基、塩素、臭素、ヨウ素、カルボニル、置換基を有してもよいトリフルオロメタンスルホニル基、パークロロ等が挙げられる。
また、式(I)、(II)および(III)において示される実線は、それぞれ共有結合、イオン結合および配位結合のいずれかを表す。
式(I)、(II)および(III)で示される金属化合物としては、例えば下記の構造で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004764646
式(I)、(II)および(III)で示される金属化合物の具体例としては、(トリtert−ブチルホスフィン)ジクロロパラジウム、(トリtert−ブチルホスフィン)クロロメチルパラジウム、(トリtert−ブチルホスフィン)ジメチルパラジウム、(トリtert−ブチルホスフィン)ジブロモパラジウムダイマー、(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロパラジウム、(トリシクロヘキシルホスフィン)クロロメチルパラジウム、(トリシクロヘキシルホスフィン)ジメチルパラジウム、[(ジtert−ブチル)ビフェニル]ホスフィンジクロロパラジウム、[(ジtert−ブチル)ビフェニル]ホスフィンクロロメチルパラジウム、[(ジtert−ブチル)ビフェニル]ホスフィンジメチルパラジウム、(トリo−トリルホスフィン)ジクロロパラジウム、(トリo−トリルホスフィン)クロロメチルパラジウム、(トリo−トリルホスフィン)ジメチルパラジウム等が挙げられる。
上記成分Aを無機または有機担体に担持することが、ビニル系モノマーのイソタクチック重合を行う上で有用である。無機担体としては、無機物、金属の酸化物、ハロゲン化物等が挙げられる。例えば、活性炭、アルミナ、シリカ、アルミナ−シリカ、ゼオライト、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化銅、塩化鉄等が例示される。さらには、反応によって無機担体となりうるものも使用できる。例えば、金属マグネシウムとアルコールとの反応物等が挙げられる。
有機担体としては、有機溶媒に不溶な高分子化合物、イオン交換樹脂等が挙げられる。例えば、ポリスチレンビーズ、シクロデキストリン、Amberlyst、Nafion、Dowex、Sephadex、シリカゲル等が挙げられる。
上記成分Aを無機または有機担体に担持する方法は、触媒製造技術分野で通常用いる方法を利用することができる。例えば、上記成分Aと無機担体とを不活性ガス雰囲気下、ボールミルや振動ミル中で共粉砕する方法や、上記成分Aの溶液に無機または有機担体を浸漬した後乾燥担持する方法、上記成分Aが有する配位子を有機担体と化学的に結合させる方法等が挙げられる。無機または有機担体への上記成分Aの担持量は、特に限定されないが0.001〜30wt%程度が好ましい。
成分Bは、(a)周期律表第1、2、11、12、13、15および16族から選ばれた少なくとも1種の元素、(b)置換基を有してもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基および/または置換基を有してもよい炭素数6〜40の芳香族炭化水素基ならびに(c)過塩素酸基、からなる3つの群のうちの少なくとも2つの群からそれぞれ1種以上選ばれた、元素および/または基を有する化合物を含む。置換基を有してもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基および置換基を有してもよい炭素数6〜40の芳香族炭化水素基は、上記のR〜Rにおけるこれらの基と同義である。
成分Bに含まれる化合物としては、アルキルリチウム、アルキルナトリウム、アルキルマグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸塩、過塩素酸塩、アルキル亜鉛、アルキルホウ素、ホウ酸塩、アルキルアルミニウム等が挙げられる。具体例としては、メチルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ブチルナトリウム、ブチルエチルマグネシウム、臭化メチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、臭化ブチルマグネシウム、臭化フェニルマグネシウム、塩化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、塩化ブチルマグネシウム、塩化フェニルマグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸銀、過塩素酸銀、過塩素酸トリフェニルメチル、ジエチル亜鉛、トリスペンタフルオロフェニルホウ素、トリス(トリフルオロメチル)ホウ素、テトラキスペンタフルオロフェニルホウ酸トリフェニルメチル、テトラキス[3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸トリフェニルメチル、テトラキス[3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸ナトリウム、テトラキス[3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸ビス(ジエチルエーテル)、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシド、エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシド、水素化ジイソプロピルアルミニウム、メチルアルミニウムビス(2,6−ジtert−ブチルフェノキシド)、メチルアルミニウムビス(2,6−ジtert−ブチル−4−メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス(2,6−ジtert−ブチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス(2,6−ジtert-ブチル−4−メチルフェノキシド)、メチルアルミニウムビス{2−(N−フェニルイミノ)フェノキシド}、イソブチルアルミニウムビス{2−(N−フェニルイミノ)フェノキシド}、ジメチルアルミニウム{2−(N−フェニルイミノ)フェノキシド}、ジメチルアルミニウム(N,N’−ジイソプロピルアセトアミジナート)、ジメチルアルミニウム(N,N’−ジシクロヘキシルアセトアミジナート)、ジメチルガリウム(N,N’−ジイソプロピルアセトアミジナート)、ジメチルガリウム(N,N’−ジシクロヘキシルアセトアミジナート)、酸素原子や窒素原子を介して2個以上のアルミニウムが結合したアルミノキサン化合物等が挙げられる。中でもトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、アルミノキサン化合物等が好ましい。成分Bは、これらの化合物の1種又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明で用いるビニル系モノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸フェニル等のメタクリル酸エステル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、n−プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、2−エチルへキサン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸イソプロペニル等のビニルエステル、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等のα−オレフィン、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のスチレン誘導体が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合条件は特に限定されないが、ビニル系モノマーと不活性溶媒との混合溶液を用いるのが好ましい。この不活性溶媒は、重合を阻害しないものであればいかなる溶媒でも使用できるが、特に炭素数4〜20の脂肪族炭化水素、例えばイソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等、芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン等、炭素数1〜20のハロゲン化脂肪族炭化水素、例えばクロロホルム、塩化メチレン、四塩化水素、ジブロモエタン、テトラクロロエタン等、ハロゲン化芳香族炭化水素、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等、炭素数3〜20の脂肪族エステル、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸2−エチルへキシル、酢酸フェニル、ヘキサン酸エチル等、または芳香族エステル、例えば安息香酸メチル、安息香酸エチル等が適当である。
上記ビニル系モノマーとしてビニルエステルを用い、単独重合またはエチレン系モノマー、プロピレン系モノマー等と共重合する場合、得られるポリビニルエステルまたはその共重合体は、常法に従って鹸化し、ポリビニルアルコールまたはその共重合体に変換してもよい。
本発明の実施にあたり、成分Aはビニル系モノマーと不活性溶媒を含有する混合溶液1Lあたり周期律表第10族の金属原子0.001〜2.5モルに相当する量で使用するのが好ましく、条件によりさらに高い濃度で使用することもできる。
成分Bは、成分Aの種類等により適宜濃度を変更し得るが、ビニル系モノマーと不活性溶媒を含有する混合溶液1Lあたり、通常周期表第1、2、11、12または13族の金属原子0.02〜50モルの濃度で使用する。触媒組成物の成分B/成分Aのモル比は特に限定されないが、通常0〜1000であり、好ましくは0〜500であり、より好ましくは0.1〜100である。
本発明における重合操作は、通常の単一の重合条件で行う一段重合のみならず、複数の重合条件下で行う多段重合においても行うことができる。
本発明における重合温度は特に限定されないが、通常−100℃〜100℃であり、好ましくは−30℃〜80℃である。
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、合成例、実施例および比較例に用いた測定方法は次の通りである。
(成分Aの同定)
核磁気共鳴装置(日本電子(株)製、JNM-ECP-500)を用い、1H NMR、13C NMR、31P NMRを測定した。また、元素分析装置(YANACO社製、CHN CORDER MT-6)を用い、炭素、水素含量を測定した。
(イソタクチシチー(二連子))
ポリ酢酸ビニルは常法に従ってアルカリ鹸化してPVAへと変換し、核磁気共鳴装置(JEOL社製、JNM-LAMBDA-400)によりプロトンNMRを測定し、三連子(mm/mr/rr)の割合(%)を求め、次式からイソタクチシチー(二連子)(m)(%)を算出した。
イソタクチシチー(二連子)(m)=mm+(mr/2)
(重合体の分子量)
カラム(東ソー(株)製、TSKgelGMHHR−MおよびTSKgelG2000HHR)および示差屈折率計(東ソー(株)製、RI−8020)を備えたゲル浸透クロマトグラフ(東ソー(株)製)により、40℃、テトラヒドロフラン溶媒中で、ビニルエステル系重合体の重量平均分子量(Mw)および分散度〔重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)〕をポリスチレン換算で求めた。
合成例1
[成分Aの調製]
(トリtert-ブチルホスフィン)クロロメチルパラジウム((tBu)3PPd(Me)Cl)の合成
アルゴン置換したシュレンクフラスコに(tBu)3P (411 mg, 2.03 mmol) と(cod)Pd(Me)Cl (539 mg, 2.03 mmol)を投入した。この混合物に室温で塩化メチレン(1 mL)を加え、5分間撹拌した。反応溶液をヘキサン(25 mL)に滴下し、生成した沈殿物を濾別、乾燥して標記の錯体を得た(収量:560 mg, 収率: 77%)。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) 1.49 (d, J = 13 Hz, 27H), 1.75 (d, J = 0.8 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3, 125 MHz) -1.90, 31.8, 39.8; 31P NMR (CDCl3, 202 MHz) 70.1; Anal. calcd. for C13H30ClPPd: C, 43.47; H, 8.42. Found: C, 43.47; H, 8.29.
合成例2
[成分Aの調製]
[2-ビフェニル(ジtert-ブチル)]ホスフィンクロロメチルパラジウム((biphenyl) (tBu)2PPd(Me)Cl)の合成
アルゴン置換したシュレンクフラスコに(biphenyl)(tBu)2P (2.16 g, 7.22 mmol) と(cod)Pd(Me)Cl (1.85 g, 6.98 mmol)を投入した。この混合物に室温で塩化メチレン(10 mL)を加え、5分間撹拌した。反応溶液をヘキサン(100 mL)に滴下し、生成した沈殿物を濾別、乾燥して標記の錯体を得た(収量:2.91 g, 収率:92%)。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) 1.47 (d, J = 14Hz, 18H), 1.55 (d, J = 2Hz, 3H), 6.80-6.83 (m, 1H), 7.15 (d, J = 7.5Hz, 2H), 7.36-7.40 (m, 2H), 7.50(t, J = 7.8Hz, 2H), 7.75 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.92-7.95 (m, 1H); 13C NMR (CDCl3, 125 MHz) -0.71, 31.3, 38.5, 126.1, 126.2, 130.4, 131.0, 130.4, 131.9, 133.2, 133.6, 134.5, 149.2; 31P NMR (CDCl3, 202 MHz) 62.4; Anal. calcd. for C21H30ClPPd: C, 55.40; H, 6.64. Found: C, 55.15; H, 6.77.
合成例3
[成分Aの調製]
(トリo-トリルホスフィン)クロロメチルパラジウム((o-Tolyl)3PPd(Me)Cl)の合成
アルゴン置換した20 mLシュレンクフラスコに(o-Tolyl)3P (660 mg, 2.17 mmol) と(cod)PdMeCl (574 mg, 2.17 mmol)を投入した。この混合物に室温で塩化メチレン(1 mL)を加え、5分間撹拌した。反応溶液をヘキサン(25 mL)に滴下し、生成した沈殿物を濾別、乾燥して標記の錯体を得た(収量:907 mg, 収率:91%)。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) 0.35-0.65 (br, 3H), 1.45-3.55 (br, 9H), 6.95-7.65 (br, 12H); 13C NMR (CDCl3, 125 MHz) 0.33, 31.8, 23.7, 125.7, 127.9, 130.9, 143.3; 31P NMR (CDCl3, 202 MHz) 36.2; Anal. calcd. for C22H25ClPPd: C, 57.28; H, 5.24. Found: C, 57.00; H, 5.33.
合成例4
[担持型触媒の調製]
(tBu)3PPd(Me)Clを無機担体の塩化マグネシウムに担持させた。すなわち、内容積100 mLのガラス製シュレンクチューブにアルゴン雰囲気下、(tBu)3PPd(Me)Cl (18.0 mg, 0.05 mmol)g、塩化マグネシウム(1.0 g)およびトルエン(5.0 mL)を仕込み24時間撹拌した。その後、トルエンを減圧留去することにより(tBu)3PPd(Me)Clを担体上に担持させた。得られた塩化マグネシウム担持(tBu)3PPd(Me)Cl触媒中のパラジウム含率は、0.05 mmol/gであった。
合成例5
[担持型触媒の調製]
(biphenyl) (tBu)2PPd(Me)Clを無機担体の塩化マグネシウムに担持させた。すなわち、内容積100 mLのガラス製シュレンクチューブにアルゴン雰囲気下、(biphenyl) (tBu)2PPd(Me)Cl(22.8 mg, 0.05 mmol)、塩化マグネシウム(1.0 g)およびトルエン5.0 mLを仕込み24時間撹拌した。その後、トルエンを減圧留去することにより(biphenyl) (tBu)2PPd(Me)Clを担体上に担持させた。得られた塩化マグネシウム担持(biphenyl) (tBu)2PPd(Me)Cl触媒中のパラジウム含率は、0.05 mmol/gであった。
合成例6
[担持型触媒の調製]
(o-Tolyl)3PPd(Me)Clを無機担体の塩化マグネシウムに担持させた。すなわち、内容積100 mLのガラス製シュレンクチューブにアルゴン雰囲気下、(o-Tolyl)3PPd(Me)Cl(23.1 mg, 0.05 mmol)、塩化マグネシウム(1.0 g)およびトルエン5.0 mLを仕込み24時間撹拌した。その後、トルエンを減圧留去することにより(o-Tolyl)3PPd(Me)Clを担体上に担持させた。得られた塩化マグネシウム担持(o-Tolyl)3PPd(Me)Cl触媒中のパラジウム含率は、0.05 mmol/gであった。
合成例7
[担持型触媒の調製]
ジブロモビス(トリ-t-ブチルホスフィノ)ジパラジウム([(tBu)3PPdBr]2)を無機担体の塩化マグネシウムに担持させた。すなわち、内容積100 mLのガラス製シュレンクチューブにアルゴン雰囲気下、[(tBu)3PPdBr]2 (19.4 mg, 0.025 mmol)、塩化マグネシウム(1.0 g)とトルエン5.0 mLを仕込み24時間撹拌した。その後、トルエンを減圧留去することにより[(tBu)3PPdBr]2を担体上に担持させた。得られた塩化マグネシウム担持[(tBu)3PPdBr]2触媒中のパラジウム含率は、0.05 mmol/gであった。
実施例1
酢酸ビニルの重合
アルゴン置換した100 mLシュレンクフラスコにトルエン(10 ml)を装入し、合成例4の塩化マグネシウム担持(tBu)3PPd(Me)Cl触媒(1.0g)とメチルアルミノキサン (アルミニウム原子換算で 2.00 mmol) を加え、さらに酢酸ビニル(10.0 mL, 108 mmol) を加えて室温で24時間撹拌した。24時間後、反応溶液を0.1M塩酸水溶液100 ml中に投入し、クロロホルムで生成物を抽出し、ポリ酢酸ビニルを得た (収量:1.09 g, 収率:11.7 %)。Mn =11,100; Mw /Mn = 2.32。m=51.0%。
実施例2
酢酸ビニルの重合
アルゴン置換した100 mLシュレンクフラスコにトルエン(10 ml)を装入し、 合成例5の塩化マグネシウム担持(biphenyl) (tBu)2PPd(Me)Cl触媒(1.0 g)とメチルアルミノキサン (アルミニウム原子換算で 2.00 mmol) を加え、さらに酢酸ビニル(10.0 mL, 108 mmol) を加えて室温で24時間撹拌した。24時間後、反応溶液を0.1M塩酸水溶液100 ml中に投入し、クロロホルムで生成物を抽出し、ポリ酢酸ビニルを得た (収量:733 mg, 収率:7.8 %)。Mn = 8,200; Mw /Mn = 2.50。m=51.0%。
実施例3
酢酸ビニルの重合
アルゴン置換した100 mLシュレンクフラスコにトルエン(10ml)を装入し、合成例6塩化マグネシウム担持(o-Tolyl)3PPd(Me)Cl触媒(1.0g)とメチルアルミノキサン (アルミニウム原子換算で 2.00 mmol) を加え、さらに酢酸ビニル(10.0 mL, 108 mmol) を加えて室温で24時間撹拌した。24時間後、反応溶液を0.1M塩酸水溶液100 ml中に投入し、クロロホルムで生成物を抽出し、ポリ酢酸ビニルを得た (収量:439 mg, 収率:4.7 %)。Mn = 14,700; Mw /Mn = 2.72。m=51.0%。
実施例4
酢酸ビニルの重合
アルゴン置換した100 mLシュレンクフラスコにトルエン(10 ml)を装入し、 合成例5の塩化マグネシウム担持(biphenyl) (tBu)2PPd(Me)Cl触媒(1.0 g) とトリイソブチルアルミニウム ( 1.00 mmol) を加え、さらに酢酸ビニル(10.0 mL, 108 mmol) を加えて室温で24時間撹拌した。24時間後、反応溶液を0.1M塩酸水溶液100 ml中に投入し、クロロホルムで生成物を抽出し、ポリ酢酸ビニルを得た (収量:155 mg, 収率: 1.7 %)。Mn = 4,600; Mw /Mn = 2.65。m=51.0%。
実施例5
酢酸ビニルの重合
アルゴン置換した100 mLシュレンクフラスコにトルエン(10 ml)を装入し、 合成例5の塩化マグネシウム担持(biphenyl) (tBu)2PPd(Me)Cl触媒(1.0 g)とジエチルアルミニウムクロリド (1.00 mmol) を加え、さらに酢酸ビニル(10.0 mL, 108 mmol) を加えて室温で24時間撹拌した。24時間後、反応溶液を0.1M塩酸水溶液100ml中に投入し、クロロホルムで生成物を抽出し、ポリ酢酸ビニルを得た (収量:261 mg, 収率:3.0 %)。Mn =6,700; Mw /Mn = 2.42。m=53.0%。
実施例6
酢酸ビニルの重合
アルゴン置換した100 mLシュレンクフラスコにトルエン(10 ml)を装入し、 合成例7の塩化マグネシウム担持[(tBu)3PPdBr]2触媒(1.0 g) とメチルアルミノキサン (アルミニウム原子換算で 2.00 mmol) を加え、さらに酢酸ビニル(10.0 mL, 108 mmol) を加えて室温で24時間撹拌した。24時間後、反応溶液を0.1M塩酸水溶液100 ml中に投入し、クロロホルムで生成物を抽出し、ポリ酢酸ビニルを得た (収量:1.76 g, 収率:18.9 %)。Mn = 19,300; Mw /Mn = 1.97。m=50.0%。
比較例1
酢酸ビニルの重合
アルゴン置換した100 mLシュレンクフラスコにトルエン(10 ml)を装入し、和光純薬工業(株)製V-70 (15.4 mg, 0.05 mmol) を加え、さらに酢酸ビニル(10.0 mL, 108 mmol) を加えて室温で24時間撹拌した。24時間後、反応溶液を濃縮し、ポリ酢酸ビニルを得た (626 mg, 6.7 %)。Mn = 22,400; Mw /Mn = 1.92
また、アルゴン置換した100 mLシュレンクフラスコにトルエン(10 ml)を装入し、和光純薬工業(株)製V-70 (15.4mg, 0.05 mmol) を加え、さらに酢酸ビニル(10.0 mL, 108 mmol) を加えて50℃で24時間撹拌した。24時間後、反応溶液を濃縮しポリ酢酸ビニルを得た (収量:1.88 g, 収率:20.1 %)。Mn = 12,400; Mw /Mn = 2.12、m=44.5%
比較例2
酢酸ビニルの重合
アルゴン置換した100 mLシュレンクフラスコにトルエン(10 ml)を装入し、 (tBu)3PPd(Me)Cl (18.0 mg, 0.05 mmol) とメチルアルミノキサン (アルミニウム原子換算で 2.00 mmol) を加え、さらに酢酸ビニル(10.0 mL, 108 mmol) を加えて室温で24時間撹拌した。24時間後、反応溶液を0.1M塩酸水溶液100 ml中に投入し、クロロホルムで生成物を抽出し、ポリ酢酸ビニルを得た (収量:3.92 g, 収率:42.0 %)。Mn = 12,300;Mw /Mn = 1.85。m=45.0%
比較例3
(biphenyl)(tBu)2PPd(Me)Clを用いた酢酸ビニルの重合
アルゴン置換した100 mLシュレンクフラスコにトルエン(10 ml)を装入し、(biphenyl)(tBu)2PPd(Me)Cl (22.8 mg, 0.05 mmol) とメチルアルミノキサン (アルミニウム原子換算で 5.00 mmol) を加え、さらに酢酸ビニル(10.0 mL, 108 mmol) を加えて室温で24時間撹拌した。24時間後、反応溶液を0.1M塩酸水溶液100ml中に投入し、クロロホルムで生成物を抽出し、ポリ酢酸ビニルを得た (収量:1.81 g, 収率:19.4 %)。Mn =8,400; Mw /Mn = 1.94。m=45.0%
比較例4
(o-Tolyl)3PPd(Me)Clを用いた酢酸ビニルの重合
アルゴン置換した100 mLシュレンクフラスコにトルエン(10 ml)を装入し、(o-Tolyl)3PPd(Me)Cl (23.1 mg, 0.05 mmol) とメチルアルミノキサン (アルミニウム原子換算で 2.00 mmol) を加え、さらに酢酸ビニル(10.0 mL, 108 mmol) を加えて室温で24時間撹拌した。24時間後、反応溶液を0.1M塩酸水溶液100 ml中に投入し、クロロホルムで生成物を抽出し、ポリ酢酸ビニルを得た (収量:1.32 g, 収率:14.1 %)。Mn = 10,500; Mw/Mn = 2.04。m=45.7%
実施例1〜6と比較例1〜4との比較から明らかなように、本発明の重合用担持型触媒組成物を用いると、温和な条件下でイソタクチシチーの高いポリマーを製造できることがわかる。

Claims (6)

  1. 重合体のイソタクチシチーがメソ2連子(m)で50%以上となるビニル系モノマーのイソタクチック重合用担持型触媒組成物であって、下記式(I)、(II)および(III):
    Figure 0004764646
    (式中、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ、置換基を有してもよいtert−ブチル基、置換基を有してもよいシクロヘキシル基、置換基を有してもよいビフェニル基、または置換基を有してもよいトリル基を表し、X、X、XおよびXはそれぞれ、水素、置換基を有してもよいメチル基、ハロゲンを表し、MおよびMパラジウムである。)で示される金属化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属化合物を含む成分Aを含有し、該成分Aを塩化マグネシウムに担持させた、前記イソタクチック重合用担持型触媒組成物。
  2. (a)周期律表第1、2、11、12、13、15および16族から選ばれた少なくとも1種の元素、(b)置換基を有してもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基および/または置換基を有してもよい炭素数6〜40の芳香族炭化水素基ならびに(c)過塩素酸基、からなる3つの群のうちの少なくとも2つの群からそれぞれ1種以上選ばれた、元素および/または基を有する化合物を含む成分Bをさらに含有する、請求項1に記載のイソタクチック重合用担持型触媒組成物。
  3. 成分Bが有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物、トリフルオロメタンスルホン酸塩、過塩素酸塩、有機亜鉛化合物、有機ホウ素化合物、ホウ酸塩、または有機アルミニウム化合物である、請求項に記載の重合用担持型触媒組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の重合用担持型触媒組成物の、ビニル系モノマーのイソタクチック重合への使用。
  5. ビニル系モノマーが、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルエーテル、ビニルエステル、α−オレフィン、スチレン誘導体およびジエン誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項に記載のビニル系モノマーのイソタクチック重合への使用。
  6. ビニル系モノマーが酢酸ビニルである、請求項に記載のビニル系モノマーのイソタクチック重合への使用。
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