JP5271361B2 - 感熱記録材料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱記録材料及びその製造方法に関するものである。
感熱記録材料は、一般に支持体上に電子供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体、ならびに電子受容性化合物を主成分とする感熱記録層を設けたものであり、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することにより、染料前駆体である電子供与性化合物と顕色剤である電子受容性化合物とが瞬時反応し記録画像が得られるものである。このような感熱記録材料は、比較的簡単な装置で記録が得られ、保守が容易なこと、騒音の発生がないこと等の利点があり、計測記録計、ファクシミリ、プリンター、コンピューターの端末機、ラベル印字機、乗車券、チケットの発券機等広範囲の分野に利用されている。特に近年は、ガス、水道、電気料金等の領収書、金融機関のATMの利用明細書、各種レシート、宝くじ、POSシステム用の感熱記録ラベルあるいは感熱記録タグ等にも感熱記録材料が用いられるようになっている。
このように感熱記録材料の用途が多種多様化するにつれ、印刷加工される用途も多くなってきており、近年では市場から印刷加工に適した表面強度を持ち、印刷溶剤で地肌かぶりの様な地肌の発色を起こさない溶剤バリア性に優れた保護層を持つ感熱記録材料が強く望まれている。更に、最近は特に記録システムの発達により、感熱記録材料の使用環境はより過酷になってきており、屋外や高湿度下等の水分付着に曝される環境下では、感熱記録材料同士が水ブロッキングしてしまうこともあり、耐水性の優れた保護層を持つ感熱記録材料も同様に強く要望されている。また、その使用(印字)頻度も多くなってきており、オートカッターを備えた印字装置では、カッティングによる塗工層(感熱記録層、保護層等)の粉落ちが、装置における感熱記録材料の搬送性等に重大な影響を及ぼすこともあり、粉落ちの少ない感熱記録材料も望まれている。
感熱記録材料の保護層に、印刷加工に適した表面強度を与え、且つ印刷溶剤による地肌の発色を起こさない優れた溶剤バリア性を付与する方法として、保護層樹脂及び感熱記録層樹脂に変性ポリビニルアルコール系樹脂等を用いた様々な構成が提案されている。例えば特許文献1では、感熱記録層及び保護層中に、バインダーとしてポリビニルアルコールモノマー成分とエチレンモノマー成分とのランダム共重合体を使用することで、高い表面強度を付与しているが、反面、保護層の溶剤バリア性が不十分であり、更に耐水性も不足している。また、特許文献2では、感熱記録層及び保護層中に、バインダーとしてエチレン単位を有し且つシラノール基を有するPVAを使用することで、優れた表面強度及び溶剤バリア性を付与しているが、バインダーが親水性の高いシラノール基を持つため、保護層の耐水性が悪化している。
また、感熱記録材料の保護層に優れた耐水性を付与する方法としては、保護層樹脂として、アクリル系樹脂または変性ポリビニルアルコール系樹脂を用いた様々な構成が提案されている。アクリル系樹脂として、例えば特許文献3では、コアにアクリル系共重合体、シェルに(メタ)アクリルアミド共重合体を持つコアシェル型水性エマルションを使用することで、保護層に高い耐水性を付与している。しかしながら、感熱記録材料の保護層に使用されるアクリル系樹脂には、熱ヘッドに対する耐性を持たせるため、ガラス転移点の高いものが使用されるので、自ずと硬くて脆い保護層となり、カッティングの粉落ちが発生しやすく、表面強度も印刷加工に適さない。一方、変性ポリビニルアルコール系樹脂を使用した保護層としては、例えば特許文献4及び特許文献5では、耐水性ジアセトン変性ポリビニルアルコールと架橋剤を用いているが、これら従来の方法では、表面の耐水性は良好であるが、下層との結着が弱く耐水ブロキング性が不十分である上に、カッティングによる粉落ちが発生しやすい。また、例えば特許文献6で、変性ポリビニルアルコールとしてアセトアセチル変性ポリビニルアルコール等が使用され、環境温度/水分を調整することで耐水性を改良しているが、粉落ちが多く、更に保護層が赤黄味に着色してしまう。
以上のように、従来の表面強度を追求する方法では、塗層の親水性が高くなりやすく、耐水性の点で不十分であり、また耐水性を追求する方法では、塗層が硬くて脆くなりやすく、表面強度及びカッティング時の粉落ちという点で不十分であった。
特開平9−66666号公報 特開2004−106229号公報 特開平5−69665号公報 特開平11−314457号公報 特開2002−283717号公報 特開平9−164763号公報
本発明の目的は、これらの問題を解決し、印刷加工に適した表面強度及び溶剤バリア性を持つと共に、耐水ブロッキング性に優れ、且つカッティング時の粉落ちの少ない感熱記録材料及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、上記課題を解決することができる感熱記録材料を発明するに到った。即ち、支持体上に、熱により発色する感熱記録層及び保護層をこの順に設けた感熱記録材料において、感熱記録層がエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有し、且つ保護層がジアセトン変性ポリビニルアルコール及び架橋剤を含有する感熱記録材料である。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、ジアセトン変性ポリビニルアルコールとの親和性が高く、強靭に結着するため、感熱記録層と保護層との界面において、両者が強靭に結着することで、層間の接着強度が高まり、印刷適性に優れた高い表面強度を得ることができる。また、保護層中にジアセトン変性ポリビニルアルコール及び架橋剤を含有することで、ジアセトン変性基を介した架橋反応が生じ、表面の耐水性が良化する。これと共に、保護層中のジアセトン変性ポリビニルアルコールが、感熱記録層中のエチレン−ビニルアルコール共重合体と強固に結着することで強靭な被膜が形成され、溶剤バリア性及び耐水ブロッキング性に優れた保護層を得ることができる。更に、保護層と感熱記録層とが強靭に結着し、且つ保護層中で形成される被膜が、強固でありつつ柔軟性も併せ持つため、カッティング時の粉落ちの少ない感熱記録材料を得ることができる。
また、本発明者らは、感熱記録材料の製造において、支持体上に形成された感熱記録層上に、ジアセトン変性ポリビニルアルコール及び架橋剤を含有する保護層用塗液を塗工して乾燥させた積層体を、その全体(支持体上に感熱記録層及び保護層を有する積層体全体)の含水率が6%以上12%未満の状態で保持することにより、耐水ブロッキング性がより向上し、かつ粉落ちがより少ない感熱記録材を製造できることを見出した。ジアセトン変性ポリビニルアルコールと架橋剤との架橋反応は、水分を介することで、塗工、乾燥後も保護層中で偏ることなく均一に進行しやすくなり、着色もなく高い耐水性と強靭さを兼ね備えることができ、結果、耐水ブロッキング性を強化することができ、且つ粉落ちを抑制することができる。
更に、感熱記録材料は、支持体上に形成された感熱記録層上に、ジアセトン変性ポリビニルアルコール及び架橋剤を含有する保護層用塗液を塗工して乾燥させた積層体を、その全体(支持体上に感熱記録層及び保護層を有する積層体全体)の含水率が6%以上8%未満の状態で24時間以上、もしくは、その全体の含水率が9%以上11%未満の状態で1時間以上保持して製造されたものであることにより、耐水ブロッキング性のより優れた、且つより粉落ちの少ない感熱記録材料となる。
本発明においては、感熱記録層中に、上記エチレン−ビニルアルコール共重合体を、感熱記録層中の全固形分に対して15質量%以上含有することで、感熱記録層と保護層との界面において、エチレン−ビニルアルコール共重合体とジアセトン変性ポリビニルアルコールとがより効果的に結着し、これにより感熱記録層と保護層との結着を促進し、表面強度を更に強化することができ、且つ粉落ちを更に抑制することができる。
また、上記エチレン−ビニルアルコール共重合体の平均重合度を500以上4,000未満とし、更に鹸化度を90%以上99%未満とすることで、感熱記録層中に含有されるエチレン−ビニルアルコール共重合体が、感熱記録層自体の強度を向上させ、更に保護層との界面にて、ジアセトン変性ポリビニルアルコールと更に効果的に結着し、感熱記録層と保護層との結着をより促進し、表面強度を更に強化することができ、且つ粉落ちを更に抑制することができる。
本発明においては、上記保護層中にカオリンを含有することで、カオリンの持つ平板状構造が、感熱記録層と保護層との結着に効果的に作用し、エチレン−ビニルアルコール共重合体とジアセトン変性ポリビニルアルコールとの接触を促進させることで、保護層の表面強度をより向上させることができる。また、カオリンを保護層中に含有することにより、保護層用塗液の塗工及び乾燥過程において感熱記録層への水分の浸透が抑制され、保護層中の水分が保たれることで、より均一に架橋された被膜を形成することができ、溶剤バリア性及び耐水ブロッキング性を更に強化することができ、且つ粉落ちを更に抑制することができる。
上記保護層中にカオリン及びシリカを含有することで、カオリンによる表面強度の向上に加え、シリカが保護層に形成される被膜の柔軟性を向上させることで、粉落ちを更に抑制することができる。また、シリカは高い吸水性を持つため、水ブロッキングの発生要因である、感熱記録材料上に付着した水分を吸収することができ、耐水ブロッキング性を更に強化することができる。
以上説明したように、本発明によって、印刷適性に優れた高い表面強度及び溶剤バリア性を持ち、着色がなく、耐水ブロッキング性に優れ、且つカッティング時の粉落ちの少ない感熱記録材料及びその製造方法を提供することができる。
本発明の内容を更に具体的に説明する。
本発明の感熱記録材料は、支持体上に熱により発色する感熱記録層と、この感熱記録層上に少なくとも1層の保護層を有するものである。
本発明に係る感熱記録層は、少なくともエチレン−ビニル共重合体を含有し、且つ保護層は、少なくともジアセトン変性ポリビニルアルコール及び架橋剤を含有するものである。エチレン−ビニルアルコール共重合体とジアセトン変性ポリビニルアルコールは非常に相性が良く、互いに強く結着する。理由は不明であるが、恐らく共に分子内に親水性部位と疎水性部位を有し、これらが相互に結着することで界面での結着力が強まるためだと思われる。そのため、感熱記録層中にエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有し、更に保護層中にジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有することで、感熱記録層と保護層との界面での結着が強靭となり、感熱記録材料として優れた表面強度を得ることができ、且つカッティング時の粉落ちを抑制することができる。
本発明における保護層は、ジアセトン変性ポリビニルアルコールと架橋剤を含有することから、通常、ジアセトン変性ポリビニルアルコールと架橋剤との架橋反応生成物を含有するものである。ジアセトン変性ポリビニルアルコールと架橋剤との架橋反応生成物を含有する保護層を有する感熱記録材料は、本発明の好ましい態様の1つである。
本発明の感熱記録材料は、例えば、支持体上に、エチレン−ビニル共重合体を含有する感熱記録層用塗液、及びジアセトン変性ポリビニルアルコール及び架橋剤を含有する保護層用塗液を、順に塗工及び乾燥することにより製造される。このように製造された支持体上に感熱記録層及び保護層を有する積層体を、本発明の感熱記録材料として用いることができる。本発明の感熱記録材料の製造方法において、好ましくは、支持体上に形成された感熱記録層上に保護層用塗液を塗工して乾燥させた後、得られる支持体上に感熱記録層及び保護層を有する積層体を、その全体(支持体上に感熱記録層及び保護層を有する積層体全体)の含水率が6%以上12%未満の状態で保持する。
このような、支持体上に、熱により発色する感熱記録層及び保護層を順次設けた感熱記録材料の製造方法において、支持体上に形成された感熱記録層上にジアセトン変性ポリビニルアルコール及び架橋剤を含有する保護層用塗液を塗工して乾燥させる工程、及び得られる支持体上に感熱記録層及び保護層を有する積層体を、その全体の含水率が6%以上12%未満の状態で保持する工程を含む感熱記録材料の製造方法も、本発明の1つである。このような製造方法は、本発明の感熱記録材料の製造方法として好適である。
本発明における保護層は、上述したように、ジアセトン変性ポリビニルアルコール及び架橋剤を含有する水性塗液を、感熱記録層上に塗工して乾燥させた後、支持体及び各層を含む全体としての含水率を6%以上12%未満の状態で保持して製造されたものであることが好ましい。ジアセトン変性ポリビニルアルコールと架橋剤は、水性塗液中では架橋反応の進行は遅いが、感熱記録層上に塗工、及び乾燥する過程で、互いに接触して反応が進行する。しかし、乾燥の最終段階では、それぞれ固体化するため、反応が進行しにくくなって十分な耐水性が得られなかったり、もしくは反応が偏った場所で進行し、局所的に硬くて脆くなったりしてしまう場合がある。乾燥後においても、架橋反応を層内で均一に進行させるには、ある程度の水分を介在させる必要があり、支持体及び各層を含む全体としての含水率が非常に重要となる。更に、ジアセトン基と架橋剤との反応は、他の変性基と架橋剤の反応に比べ、水分の介在が、より支配的に寄与し、反応をマイルド且つ均一に進行させると見られる。更に、ジアセトン基はアセトアセチル基のような架橋反応による赤黄着色が全くないことも特徴的であり、全体として白色性にも優れる。
本発明の感熱記録材料の製造において、上述したように保護層を塗工及び乾燥後に、支持体上に感熱記録層及び保護層が形成された積層体全体の含水率を6%以上12%未満の状態で保持することにより、上記の架橋反応を乾燥後も保護層中で均一に進行させることができる結果、更なる耐水性と柔軟性を兼ね備えた保護層を得ることができ、耐水ブロッキング性がより優れ、且つ粉落ちがより少ない感熱記録材料を製造することができる。含水率6%未満の場合は、水分の介在が不十分となるおそれがあり、結果として耐水ブロッキング性が劣化し、粉落ちが多くなるおそれがある。一方、乾燥後の含水率が12%以上の場合は、感熱印字における印字品位が劣化してしまうおそれがあり、更に、含水率12%以上の状態で保持することは産業上困難であり、またロールトゥロールの製造においては、表裏間の水ブロッキングが発生してしまうおそれがある。前記積層体全体の含水率は、6%以上11%未満とすることがより好ましい。前記積層体全体の含水率の下限値は、より好ましくは6.5%である。
本発明において、保護層の塗工、及び乾燥後の支持体及び各層を含む積層体全体としての含水率を6%以上12%未満に保持する保持時間は、本発明の効果を奏することになる限りにおいて特に限定はされないが、1時間以上が好ましい。更に、含水率を6%以上8%未満の状態で24時間以上保持した場合、もしくは9%以上11%未満の状態で1時間以上保持した場合が特に好ましく、耐水ブロッキング性及び粉落ちにおいて、より優れた感熱記録材料が得られる。また、含水率を8%以上の状態で24時間以上保持した場合は、巻き緩みが生じやすくなる場合があるため、耐水ブロッキング性及び粉落ちに優れた感熱記録材料は得られるものの、生産性が若干劣る場合がある。含水率を9%未満の状態で1時間以上24時間未満保持した場合は、耐水ブロッキング性及び粉落ちに優れた感熱記録材料が得られるが、より長時間保持したものほど良好な性能を示し、24時間以上の保持でほぼ一様の性能を示す。含水率を保持する際の温度は特に限定はされないが、本発明においては、15〜35℃程度が好ましい。この温度範囲であると、架橋反応が均一に進行するため好ましい。温度が高すぎると架橋反応が急激に進むため、粉落ちが悪化してしまう場合があり、一方温度が低すぎると、十分な耐水ブロッキング性が発現するのに時間がかかる場合がある。
また、感熱記録材料の製造における上記含水率は、感熱記録層に対しても有効に作用し、中でもエチレン−ビニルアルコール共重合体に作用することで、形成される被膜がより強靭になり、より柔軟性を備えた感熱記録層を得ることができると共に、上記ジアセトン変性ポリビニルアルコールとの結着もより促進されることで、より表面強度に優れ、且つ粉落ちがより少ない感熱記録材料となる。
本発明における含水率とは、感熱記録材料の製造において、支持体上に感熱記録層及び保護層を塗工及び乾燥後の、支持体及び各層を含む積層体全体としての、水分の含有率のことであり、JIS P8127に定める方法及びこれにより標準化された測定器(近赤外含水率計等)によって測定することができる。
本発明において、上記積層体の含水率を6%以上12%未満の状態で保持する方法としては、特に限定はされないが、例えば、感熱記録材料がシート状の場合は、保管環境条件の相対湿度を調節することによりシート全体の平衡含水率を保持したり、また、巻き取られたロール状の場合は、任意の方法で巻き取り前の含水率を調節した後ロール状態にすることでロール内部の含水率を保持したりすることができる。また、密閉包装等により含水率を保持することも可能である。
産業上、感熱記録材料はロールトゥロールで製造されることが多く、その場合には通常、感熱記録層及び保護層を塗工及び乾燥させた後、得られる感熱記録材料(積層体)を巻き取ってロール状態とする。巻き取り時の積層体の含水率は、乾燥時の乾燥条件等を調節することによりコントロールでき、その含水率は、経時の巻緩み等を考慮して通常4〜5%の範囲に調整されるが、本発明においては含水率6%以上12%未満に調整することで、積層体を所定含水率の状態で保持することができる。巻緩み等に対処する場合は、一定時間保持後、再度乾燥してから巻き直しても良いし、小巻加工後は巻緩みの問題が発生しにくいことから、含水率6%以上12%未満の状態で小巻状態にしても良い。
本発明におけるエチレン−ビニルアルコール共重合体とは、ポリビニルアルコールの主鎖骨格に、エチレンユニットを導入したものを指す。エチレン−ビニルアルコール共重合体の、重合度、鹸化度、エチレンユニットの導入率は、本発明の効果を奏することになる限り特に限定されるものではないが、溶解性、塗工性、被膜の耐水性、層強度等から、エチレンユニットの導入率が1〜20モル%のものが好ましく、中でも5〜10モル%のものが、良好な溶解性、層強度及び被膜の耐水性を持つため、より好ましい。
感熱記録層中に含有されるエチレン−ビニルアルコール共重合体は、感熱記録層中に含有される全固形分に対して15質量%以上であることが好ましく、更に好ましくは17質量%以上25質量%未満である。含有量を15質量%以上にすることで、感熱記録層の保護層と接する界面に、十分な量のエチレン−ビニルアルコール共重合体を露出させることができ、これが保護層中に含有されるジアセトン変性ポリビニルアルコールと強靭に結着するため、優れた表面強度を持ち、且つ粉落ちを更に抑えた感熱記録材料を得ることができる。また、17質量%以上にすることで、界面に更に多くのエチレン−ビニルアルコール共重合体を露出させることができ、ジアセトン変性ポリビニルアルコールとの更に強靭な結着を得ることができ、感熱記録材料の表面強度を更に強化することができ、且つ粉落ちを更に抑えることができる。エチレン−ビニルアルコール共重合体が、感熱記録層中に含有される全固形分に対して25質量%以上の場合、感熱記録層の発色感度が低下する場合がある。また、15質量%未満の場合、表面強度が低下する場合があり、粉落ちも悪化する場合がある。
更に、上記エチレン−ビニルアルコール共重合体の平均重合度は500以上4,000未満が好ましい。平均重合度を500以上にすることで、分子鎖が十分な長さを持ち、分子鎖同士の絡まり合いによって得られる被膜の強度が向上することで、感熱記録層自体の強度を向上させることができる。また、平均重合度を4,000未満にすることで、水に対する良好な溶解性を得ることができ、感熱記録層中に均一にエチレン−ビニルアルコール共重合体を分布させることができるため、層中での歪みが少なくなり、感熱記録層自体の強度を向上させることができる。更に、平均重合度が1,000以上2,000未満の場合、感熱記録層自体の強度が更に向上し、感熱記録材料の表面強度を更に強化させることができるため、より好ましい。平均重合度が500未満の場合、感熱記録層自体の強度が低下しやすいため、良好な表面強度が得られない場合がある。また、平均重合度が4,000以上の場合、水に対する溶解性が低下しやすく、溶液粘度も増加しやすいため、塗工がし難くなる場合がある。上記平均重合度は、JIS K6726で定める試験法によって測定することができる。
更に、上記エチレン−ビニルアルコール共重合体は鹸化度90%以上99%未満であることが好ましく、保護層により良好な溶剤バリア性を与え、且つ表面強度及び耐水ブロッキング性をより向上させ、更に粉落ちをより抑えることができる。更に、好ましくは鹸化度95%以上99%未満であり、表面強度及び耐水ブロッキング性を更に向上させ、且つ粉落ちを更に抑制することができる。理由は不明であるが、恐らく鹸化度を90%以上にすることで、エチレン−ビニルアルコール共重合体の結晶性が上がり、乾燥により高密度な被膜を形成できるため、保護層用塗液を塗工して乾燥する際に、塗液の感熱記録層への不必要な浸透を抑えることができ、保護層に良好な溶剤バリア性を与えることができると思われる。また、結晶性が増加することで、被膜の強度及び耐水ブロッキング性も向上するため、保護層を設けた後の、表面強度及び耐水ブロッキング性も向上されると思われる。鹸化度が95%以上の場合、更に高い結晶性を持つため、保護層に更に良好な溶剤バリア性を与え、且つ表面強度及び耐水ブロッキング性を更に向上させることができる。鹸化度が99%以上の場合、結晶性が高くなるため、形成する被膜の柔軟性が低下する場合があり、硬く脆い被膜となる場合があるため、粉落ちが増加する場合がある。更に、鹸化度が90%未満の場合、水に対する溶解性が低下し、完全に溶解させるためには長時間の加熱及び攪拌が必要となる場合があり、感熱記録材料の生産性を低下させるため、製造において不利な場合がある。上記鹸化度は、JIS K6726で定める試験法によって測定することができる。
感熱記録層に含有される通常無色ないし淡色の染料前駆体である電子供与性化合物は、一般に感圧記録材料や、感熱記録材料に用いられているものに代表されるが、特に限定されるものではない。
具体的な染料前駆体の例としては、
(1)トリアリールメタン系化合物:3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等、
(2)ジフェニルメタン系化合物:4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等、
(3)キサンテン系化合物:ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−メチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン等、
(4)チアジン系化合物:ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等、
(5)スピロ系化合物:3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等を挙げることができる。またこれらの染料前駆体は必要に応じて単独、もしくは2種以上混合して使用することができる。
感熱記録層に含有される顕色剤である電子受容性化合物には、一般に感圧記録材料、または感熱記録材料で使用される酸性物質等を使用できるが、特に限定されるものではない。例えば、フェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体、N,N′−ジアリールチオ尿素誘導体、アリールスルホニル尿素誘導体、有機化合物の亜鉛塩等の多価金属塩、ベンゼンスルホンアミド誘導体、ウレアウレタン化合物等を挙げることができる。
以下に、感熱記録層に含有される電子受容性化合物の具体例を挙げるが、必ずしもこれらの化合物に限定されるものではない。これらの化合物は単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−n−プロポキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−n−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンモノアリルエーテル、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、3,4,4′−トリヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−〔オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニレンスルホニル)〕ジフェノール、3,4,3′,4′−テトラヒドロキシジフェニルスルホン、2,3,4−トリヒドロキシジフェニルスルホン、3−フェニルスルホニル−4−ヒドロキシジフェニルスルホン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、α−{4−[(ヒドロキシフェニル)スルホニル]フェニル}−ω−ヒドロキシポリ(重合度n=1〜7)(オキシエチレンオキシエチレンオキシ−p−フェニレンスルホニル−p−フェニレン)、
4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシアセトフェノン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、ペンタエリスリトールテトラ(4−ヒドロキシ安息香酸)エステル、ペンタエリスリトールトリ(4−ヒドロキシ安息香酸)エステル、N−ブチル−4−〔3−(p−トルエンスルホニル)ウレイド〕ベンゾエート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールの重縮合物と4−ヒドロキシ安息香酸との脱水縮合物、
N,N′−ジフェニルチオ尿素、4,4′−ビス[3−(4−メチルフェニルスルホニル)ウレイド]ジフェニルメタン、N−(4−メチルフェニルスルホニル)−N′−フェニル尿素、N−(ベンゼンスルホニル)−N′−[3−(4−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素、N−(4−トルエンスルホニル)−N′−[3−(4−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素、ウレアウレタン化合物、
サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリド、サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ビス(α−メチルベンジル)サリチル酸、4−[2′−(4−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、3−(オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸あるいはこれらサリチル酸誘導体の金属塩(例えば亜鉛塩)、
N−(4−ヒドロキシフェニル)−4−トルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−4−トルエンスルホンアミド、N−フェニル−4−ヒドロキシベンゼンスルホンアミド等である。
感熱記録層には、その熱応答性を向上させるために、熱可融性物質を増感剤として含有させることができる。この場合、60〜180℃の融点を持つものが好ましく、特に80〜140℃の融点を持つものがより好ましく使用される。
具体的には、ステアリン酸アミド、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、N−ステアリル尿素、ベンジル−2−ナフチルエーテル、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、α,α′−ジフェノキシ−o−キシレン、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル、アジピン酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(4−メチルベンジル)エステル、シュウ酸ビス(4−クロロベンジル)エステル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、ベンゼンスルホン酸フェニルエステル、ビス(4−アリルオキシフェニル)スルホン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、4−アセチルアセトフェノン、ジフェニルスルホン、アセト酢酸アニリド類、脂肪酸アニリド類、等公知の熱可融性物質が挙げられるが、高級脂肪酸アミドを用いた場合には、滑剤としても機能するためより好ましい。
これらの化合物は単独もしくは2種以上併用して使用することもできる。また、十分な熱応答性を得るためには、感熱記録層の総固形分中、増感剤が5〜50質量%を占めることが好ましい。
更に、感熱記録層には、スティッキング性の向上等の目的から、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸アミド、パラフィン、ポリオレフィン、酸化ポリエチレン、カスターワックス等の滑剤;耐光性の向上等の目的から、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤;分散の向上や塗布性改良等の目的から、アニオン性、ノニオン性の高分子量のものを含む界面活性剤;更には各種顔料、蛍光増白剤、色味調整剤、消泡剤等を必要に応じて添加しても良い。また、感熱記録層の含水率を一定時間保持するために、保湿剤を添加することも好ましい。保湿剤とは、23℃65%における平衡含水率の高いものや、水分を含んだ状態から乾燥しにくいもの等であり、具体例としては、尿素、エチレン尿素、チオ尿素等の尿素化合物;ブドウ糖、麦芽糖、ショ糖等の糖類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のジオール類及び、吸湿性シリカ等が挙げられ、またこれらを他の樹脂等に坦持させたものを用いることもできる。
本発明に係る感熱記録層は、単層でも2層以上に分けて設けても良い。感熱記録層を2層以上にする場合は、それぞれの感熱記録層成分等は異なっていても良いが、少なくとも保護層と接する感熱記録層にはエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有することが好ましい。
本発明に係る感熱記録層は、各発色成分を微粉砕して得られる各々の水性分散液と、エチレン−ビニルアルコール共重合体及び必要に応じその他の樹脂等の水性液とを混合して製造される感熱記録層塗液を用いて、従来公知の技術に従って形成することができる。具体的な形成方法としては、フィルムプレス塗工、エアナイフ塗工、ロッドブレード塗工、バー塗工、ブレード塗工、グラビア塗工、カーテン塗工、Eバー塗工等の方法により塗液を塗工し、乾燥により形成させることができる。また、平版、凸版、フレキソ、グラビア、スクリーン等の方式による各種印刷機等によって形成させても良い。特に、感熱記録層を2層以上にする場合は、逐次に塗工及び乾燥を行っても良いし、それぞれ塗工した後に乾燥させても良く(ウェット・オン・ウェット)、更には同時に塗工し乾燥しても良い(スライドカーテン塗工による多層同時塗工)。感熱記録層の塗工量は、十分な熱応答性を得るためには、染料前駆体の絶乾塗工量で0.05〜2g/mが好ましく、0.1〜1g/mがより好ましい。乾燥条件は、感熱記録層が発色しない条件で適宜調整すればよい。
本発明において、保護層に使用するジアセトン変性ポリビニルアルコールは、本発明の効果の範囲において特に限定するものではないが、良好な水溶性及び被膜の耐水ブロッキング性から変性率1〜10モル%のものが好ましい。また、平均重合度は500以上4,000未満が好ましい。平均重合度を500以上にすることで、分子鎖が十分な長さを持ち、分子鎖同士の絡まり合いによって得られる塗液成分の保持力により、保護層用塗液の塗工及び乾燥過程で、感熱記録層への塗液の浸み込みを抑制し、感熱記録層上により良好な被膜を形成することができ、且つ含水率の効果も十分に発揮させることができる。平均重合度が500未満の場合、保持力が不十分となりやすく、塗工及び乾燥過程で感熱記録層への浸み込みが多くなり、良好な被膜を形成しにくい場合がある。また、平均重合度を4,000未満にすることで、水に対する良好な溶解性を得ることができ、且つジアセトン変性ポリビニルアルコールと架橋剤との架橋反応による急激な増粘が抑えられるため、塗液の安定性を更に向上させることができる。また、平均重合度が4,000以上の場合、水に対する溶解性が低下し、且つ架橋反応により急激な増粘を起こす場合があり、塗液の安定性が低下する場合がある。平均重合度が1,000以上2,000未満の場合、感熱記録層上に更に良好な被膜を形成でき、且つ塗液の安定性も更に向上するため、より好ましい。上記平均重合度は、JIS K6726で定める試験法によって測定することができる。
更に、本発明で用いるジアセトン変性ポリビニルアルコールは鹸化度が80%以上98%未満のものが好ましい。鹸化度を98%未満にすることで、ジアセトン変性ポリビニルアルコールの結晶性を下げ、保護層用塗液の乾燥過程で生じる被膜の体積収縮を効果的に抑えることができ、収縮による微小クラックの少ない均質な被膜を形成できるため、より良好な溶剤バリア性を得ることができ、且つ被膜の柔軟性を向上させることで、粉落ちをより抑制することができる。鹸化度が98%以上の場合、微小クラックを生じやすくなり、溶剤バリア性が低下しやすく、且つ被膜の柔軟性が低下し、硬く脆い被膜となる場合があることで粉落ちが増加しやすい場合がある。また、鹸化度を80%以上にすることで、水に対する溶解性が向上し、安定性の高い塗液を得ることができる。鹸化度が80%未満の場合、水に対する溶解性が低下しやすく、塗液の安定性が低下する場合がある。更に、鹸化度が90%以上98%未満の場合、水に対する更に良好な溶解性を持つことで、塗液の安定性が更に向上し、且つ乾燥過程での被膜の体積収縮が効果的に抑えられ、良好な溶剤バリア性を得ることができるため、より好ましい。上記鹸化度は、JIS K6726で定める試験法によって測定することができる。本発明において、保護層中のジアセトン変性ポリビニルアルコールの含有量は、保護層の全固形分に対して、40〜90質量%が好ましく、50〜80質量%が特に好ましい。
本発明に係る保護層には、少なくともジアセトン変性ポリビニルアルコールと共に架橋剤を用いる。本発明に係る架橋剤としては、ヒドラジド系化合物;グリオキザール、2,2−ジメトキシエタナール等のアルデヒド系化合物;尿素樹脂;メラミン樹脂、フェノール樹脂等のメチロール化合物;ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂に代表されるエピクロルヒドリン残基を含む化合物;多官能エポキシ樹脂等のエポキシ化合物;多価イソシアナート化合物、ブロックイソシアナート化合物等のイソシアネート化合物;過硫酸塩、過酸化物等の酸化剤等を使用することができ、これらを単独または組み合わせて使用することができる。
本発明に係る架橋剤としては、ジアセトン変性ポリビニルアルコールが持つ架橋性カルボニル基との架橋反応により、強固な結合を形成し、反応後に高い耐水性を示すため、ヒドラジド系化合物が好ましく用いられる。ヒドラジド系化合物の具体例としては、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、ポリ(メタ)アクリル酸ヒドラジド等が挙げられる。これらのうち、特にアジピン酸ジヒドラジドが好ましい。ジアセトン変性ポリビニルアルコールとアジピン酸ジヒドラジドは、保護層を形成した後に、含水率6%以上で架橋反応が進行しやすく、経時により耐水ブロッキング性が向上しやすく、更に架橋反応による変色等も引き起こさない。
使用する架橋剤量は、ジアセトン変性ポリビニルアルコールに対して、0.5〜30質量%が好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。架橋剤の添加量がこの範囲であると、架橋反応が均一に進むため、保護層の溶剤バリア性が向上し、且つ粉落ちが抑制され、しかも高い耐水ブロッキング性が得られる。さらに、均一な被膜が形成される。架橋剤の含有量が少ないと、架橋反応の局在が緩和され、溶剤バリア性が向上し、且つ粉落ちが抑制されるが、耐水ブロッキング性が不十分となりやすい。逆に、含有量が多いと、十分な耐水ブロッキング性は得られるが、架橋反応が過剰に発生し、被膜が不均一になりやすいため、溶剤バリア性が悪化しやすく、且つ粉落ちが多くなる。
本発明に係る保護層には、顔料としてケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシリカ等の無機顔料;メラミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、ポリエチレン、ナイロン、スチレン系プラスチック顔料、アクリル系プラスチック顔料、炭化水素系プラスチック顔料等の有機顔料を使用することができ、これらを単独または組み合わせて使用することができる。
中でもカオリンを使用すると、保護層の表面強度及び溶剤バリア性等がより向上するため好ましい。また、カオリンは、エチレン−ビニルアルコール共重合体とジアセトン変性ポリビニルアルコールの両方と相性が良く、更に平板状構造を有するため、保護層用塗液の塗工及び乾燥過程で感熱記録層上を密に覆い、感熱記録層と保護層との接触面積を増加させ、且つ界面にて、感熱記録層中のエチレン−ビニルアルコール共重合体及び保護層中のジアセトン変性ポリビニルアルコールの両方と強靭に結着するため、感熱記録材料の表面強度を更に強化することができる。また、同時に保護層用塗液の塗工及び乾燥過程で、感熱記録層への水分の浸透も抑えることができ、乾燥過程で保護層中の水分を長く保つことで、架橋反応をゆっくりと進行させることができる。ジアセトン変性ポリビニルアルコールの架橋反応は、ゆっくりと進行することで分子が満遍なく架橋され、より均一に架橋された被膜を形成するため、耐水ブロッキング性及び溶剤バリア性が更に向上する。本発明の保護層に含有される顔料の添加量は、本発明の効果を奏することになる限り特に制限されないが、保護層の全固形成分に対して5〜50質量%が好ましく、15〜50質量%がより好ましい。
本発明における上記カオリンは、本発明の効果の範囲において特に限定するものではないが、レーザー回折方式の粒度分布測定法による平均粒子径が0.1〜3μmのものが好ましく、更に0.2〜0.6μmのものがより好ましい。平均粒子径を0.2〜0.6μmにすることで、感熱記録層上が更に密に覆われ、エチレン−ビニルアルコール共重合体とジアセトン変性ポリビニルアルコールとの強靭な結着が更に促進され、感熱記録材料の表面強度を更に強化することができる。また、カオリンのアスペクト比は5〜50が好ましく、更に10〜30がより好ましい。アスペクト比を10〜30にすることで、感熱記録層上が更に密に覆われ、エチレン−ビニルアルコール共重合体とジアセトン変性ポリビニルアルコールとの強靭な結着が更に促進され、感熱記録材料の表面強度を更に強化することができ、且つ高いアスペクト比により保護層表面がより平滑になることで、印字時の発色感度及び飽和濃度を向上させることができる。更に、感熱記録層をより密に覆うと、保護層用塗液の塗工及び乾燥過程において、感熱記録層への保護層用塗液の水分の浸透を更に抑えることができ、より均一に架橋した被膜を形成させられるため、耐水ブロッキング性及び溶剤バリア性を更に向上させることができる。
本発明におけるアスペクト比とは、粉体を電子顕微鏡で撮影し、ランダムに抽出した粒子100個についての「直径/厚さ」の平均値であり、アスペクト比の値が大きい程、扁平度合いが大きいことになる。
本発明に係る保護層には、顔料として上記カオリンと共に、非晶質シリカ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシリカ等のシリカを使用することが好ましい。カオリンとシリカを併用することで、耐水ブロッキング性を更に向上させ、且つカッティング時の粉落ちを更に抑制することができる。シリカは、高い吸水性を持つため、水ブロッキング発生の原因となる、保護層表面に付着する水分を吸収することができるため、水ブロッキングの発生自体を抑制し、耐水ブロッキング性を更に向上させる。また、カオリンとは粒子形が異なるため、併用することでカオリンの不必要な配向を抑えることができ、保護層の柔軟性を向上させることで、カッティング時の粉落ちを更に抑制することができる。シリカを単独で使用した場合、及びカオリン以外の顔料と併用した場合は、乾燥過程で感熱記録層上を密に覆うことができない場合があるため、溶剤バリア性及び表面強度が十分に向上しない場合がある。本発明におけるカオリンとシリカの添加量の割合は、本発明の効果の範囲内であれば特に制限されないが、カオリンに対して、シリカ10〜100質量%が好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。
本発明における上記シリカは、本発明の効果の範囲において特に限定するものではないが、レーザー回折方式の粒度分布測定法による平均粒子径0.01〜5μmのものが好ましく、更に0.02〜1μmのものがより好ましい。平均粒子径を0.02〜1μmにすることで、保護層中のカオリンの不必要な配向をより効果的に抑えることができ、保護層の柔軟性を更に向上させることで、カッティング時の粉落ちを更に抑制することができる。
更に、保護層には、感熱記録層と同様、スティッキング性の向上等の目的から、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸アミド、パラフィン、ポリオレフィン、酸化ポリエチレン、カスターワックス等の滑剤;耐光性の向上等の目的から、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤;分散の向上や塗布性改良等の目的から、アニオン性、ノニオン性の高分子量のものを含む界面活性剤;更には蛍光増白剤、色味調整剤、消泡剤等を必要に応じて添加しても良い。また、保護層の含水率を一定時間保持するために、保湿剤を添加することも好ましい。
本発明に係る保護層は、単層でも2層以上に分けて設けても良い。保護層を2層以上にする場合は、それぞれの保護層成分等は異なっていても良いが、少なくとも感熱記録層と接する保護層にはジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有することが好ましい。
本発明に係る保護層は、通常、ジアセトン変性ポリビニルアルコール及び架橋剤の水性液と、必要に応じ顔料等を微粉砕して得られる水分散液及びその他の添加剤等の水性液とを混合して保護層用塗液とし、感熱記録層と同様に従来公知の技術に従って形成することができる。架橋剤はジアセトン変性ポリビニルアルコールと混合液中でも作用するので、できるだけ塗液調整の最後の方に添加することが好ましい。また、保護層を2層以上にする場合は、逐次に塗工及び乾燥を行っても良いし、それぞれ塗工した後乾燥しても良く、更には同時に塗工し乾燥しても良い。同様に、感熱記録層と保護層をそれぞれ塗工した後乾燥しても良く、同時に塗工し乾燥しても良い。保護層の絶乾塗工量は、0.2〜10g/mが好ましく、1〜5g/mがより好ましい。乾燥条件は、感熱記録層が発色しない条件で適宜調整すればよい。
本発明に係る支持体としては、紙、各種織布、不織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、蒸着シート、あるいはこれらを貼り合わせ等で組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に使用することができる。中でも、含水率を容易にコントロールできることから、中性紙、酸性紙等の紙が特に好ましく用いられる。
本発明における感熱記録材料は、発色感度を高める等、必要に応じて支持体と感熱記録層の間に中間層を1層以上設けることができる。また、支持体を挟んで感熱記録層等の反対面(裏面)には、磁気記録層、帯電防止層、粘着層等のバックコート層を1層以上設けることもできる。
また、支持体及び任意の層には、顔料としてケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシリカ等の無機顔料;メラミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、ポリエチレン、ナイロン、スチレン系プラスチック顔料、アクリル系プラスチック顔料、炭化水素系プラスチック顔料等の有機顔料及び有機中空顔料を接着剤と共に使用することができる。
特に、中間層に用いる顔料としては、焼成カオリン及び/または有機中空顔料が好ましく、高い断熱性による優れた熱応答性を持った感熱記録材料を得ることができる。更に、有機中空顔料を用いた場合、中空部位に空気を含むことでより高い断熱性が得られると共に、顔料形状が球形に近いため、層の柔軟性を損なうことなく密に配列することができ、高い強度と柔軟性を兼ね備えた中間層を得ることができるため、更に優れた熱応答性及び表面強度示し、且つより粉落ちを抑えた感熱記録材料を得ることができる。
本発明における有機中空顔料とは、顔料内部に閉空間が存在する樹脂顔料を指し、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリロニトリル等の単量体を主成分とする単独重合体、前記の単量体2種以上より成る共重合体等を指す。本発明に用いる有機中空顔料は、本発明の効果の範囲において特に限定されるものではないが、レーザー回折方式の粒度分布測定法による平均粒子径が0.1〜5μmのものが好ましく、更に0.5〜2μmのものがより好ましい。また、これら有機中空顔料の含有量は、中間層の全固形分に対して3〜80質量%が好ましい。
また、中間層等の任意の層には、接着剤として任意の樹脂が使用される。具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、スルホン変性等の変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、オキシベンゾイルポリエステル、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩またはアンモニウム塩、その他各種ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、感熱記録層においてエチレン−ビニルアルコール共重合体と共に、また保護層においてジアセトン変性ポリビニルアルコールと共に用いても良い。
本発明において、支持体及び任意の層には上記顔料や樹脂の他に、分散の向上や塗布性改良等の目的から、低級アルコール、セロソルブ等の水溶性有機溶剤;アニオン性またはノニオン性の高分子量のものを含む界面活性剤;更には蛍光増白剤、色味調整剤、消泡剤等を必要に応じて添加しても良い。また、感熱記録材料の含水率を一定時間保持するために、保湿剤を添加することもできる。
中間層や各種バックコート層の形成方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の技術に従って形成することができる。具体的な例としては、フィルムプレス塗工、エアナイフ塗工、ロッドブレード塗工、バー塗工、ブレード塗工、グラビア塗工、カーテン塗工、Eバー塗工等の方法により塗液を塗工し、乾燥させることにより各層を形成させることができる。また、平版、凸版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等によって各層を形成させても良い。更に、各層は逐次に塗工及び乾燥を行っても良いし、各層をそれぞれ塗工した後乾燥しても良く、更には各層を同時に塗工し乾燥しても良い。中間層の絶乾塗工量は、1〜30g/mが好ましく、3〜20g/mがより好ましい。また、バックコート層の絶乾塗工量は、それぞれの層に求める機能等により適宜選定される。
必要に応じて、中間層塗工後、感熱記録層塗工後、保護層塗工後、またはバックコート層塗工後にスーパーカレンダー処理により印字画質を向上させることができる。
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明する。ただし、これらに限定されるものではない。なお以下に示す部、ならびに%はいずれも質量基準であり、塗工量は絶乾塗工量である。
参考例1
(1)中間層用塗液の作製
焼成カオリン〔BASF製:商品名アンシレックス〕50部、固形分濃度27.5%の有機中空顔料分散液〔ローム&ハース製:商品名ローペイクHP91〕200部、50%のスチレン/ブタジエン系ラテックス40部、10%の酸化澱粉水溶液50部及び水100部からなる組成物を混合攪拌し、中間層用塗液を調製した。
(2)感熱記録層用塗液の作製1
下記の(A)、(B)、(C)の混合液を、それぞれダイノーミル(WAB製サンドミル)で体積平均粒子径1μm以下となるように粉砕し、各分散液を得た。
(A)染料前駆体分散液
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 30部
2.5%スルホン変性ポリビニルアルコール水溶液 69部
1%アセチレングリコール系界面活性剤水溶液 1部
(B)電子受容性化合物分散液
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン 30部
2.5%スルホン変性ポリビニルアルコール水溶液 69部
1%アセチレングリコール系界面活性剤水溶液 1部
(C)顔料・増感剤分散液
水酸化アルミニウム〔昭和電工製:商品名ハイジライトH42〕 50部
ベンジル−2−ナフチルエーテル 30部
2.5%スルホン変性ポリビニルアルコール水溶液 199部
1%アセチレングリコール系界面活性剤水溶液 1部
(3)感熱記録層用塗液の作製2
次に、JIS K6726に準じて測定した粘度平均重合度380、鹸化度99.1%のエチレン−ビニルアルコール共重合体固形物を、水分散後90℃で2時間攪拌し、10%水溶液として水溶液(A)を調整した。
(4)感熱記録層用塗液の作製3
次に、(A)、(B)、(C)の各分散液及び、水溶液(A)に、更に下記のものを混合、攪拌して感熱記録層用塗液を調製した。
(A)染料前駆体分散液 100部
(B)電子受容性化合物分散液 100部
(C)顔料・増感剤分散液 280部
30%ステアリン酸亜鉛水分散液〔中京油脂製:商品名ハイドリンZ−7−30〕 25部
40%メチロールステアリン酸アミド水分散液 25部
20%パラフィンワックス水分散液 25部
水溶液(A) 220部
水 100部
(5)保護層用塗液の作製
下記に示す配合にて混合して保護層用塗液を調製した。
10%ジアセトン変性ポリビニルアルコール〔日本酢ビ・ポバール製:商品名DM−17〕水溶液 50部
30%水酸化アルミニウム〔昭和電工製:商品名ハイジライトH42〕水分散液 10部
30%ステアリン酸亜鉛水分散液〔中京油脂製:商品名ハイドリンZ−7−30〕 6部
5%アジピン酸ジヒドラジド水溶液 10部
水 50部
(6)感熱記録材料の作製
坪量66g/mの中性の上質紙ロールに、中間層用塗液の固形分塗工量が5g/m、感熱記録層用塗液の固形分塗工量が染料前駆体の塗工量で0.5g/m、保護層用塗液の固形分塗工量が3g/mとなるようにそれぞれの層をエアナイフコーター及びエアフローティング式乾燥機にて塗工及び乾燥し、カレンダー処理を行って感熱記録材料を作製した。なお、カレンダー後巻き取り直前の感熱記録材料の含水率を非接触式近赤外含水率計にてオンラインで測定し、フィードバックを得ることによって乾燥条件(エア温度及びエア量)を調節し、巻き取り時の含水率が5.5%になるように調整し、その状態でロールを密封し1時間保持した。
実施例1
参考例1の(6)感熱記録材料の作製において、巻き取り時の含水率が6.5%になるように乾燥条件を調整し、その状態でロールを密封し1時間保持した以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
実施例2
参考例1の(6)感熱記録材料の作製において、巻き取り時の含水率が11%になるように乾燥条件を調整し、その状態でロールを密封し1時間保持した以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
実施例3
参考例1の(6)感熱記録材料の作製において、巻き取り時の含水率が6.5%になるように乾燥条件を調整し、その状態でロールを密封し24時間保持した以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
実施例4
参考例1の(6)感熱記録材料の作製において、巻き取り時の含水率が10%になるように乾燥条件を調整し、その状態でロールを密封し1時間保持した以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
参考例2
参考例1の(4)感熱記録層用塗液の作製3において、各分散液、水溶液、及び水を下記の配合で混合及び攪拌して感熱記録層用塗液を調製した以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
(A)染料前駆体分散液 100部
(B)電子受容性化合物分散液 100部
(C)顔料・増感剤分散液 280部
30%ステアリン酸亜鉛水分散液〔中京油脂製:商品名ハイドリンZ−7−30〕 25部
40%メチロールステアリン酸アミド水分散液 25部
20%パラフィンワックス水分散液 25部
水溶液(A) 330部
水 50部
参考例3
参考例1の(3)感熱記録層用塗液の作製2において、JIS K6726に準じて測定した粘度平均重合度380、鹸化度99.1%のエチレン−ビニルアルコール共重合体固形物の代わりに、JIS K6726に準じて測定した粘度平均重合度500、鹸化度98%のエチレン−ビニルアルコール共重合体固形物を用いた以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
参考例4
参考例1の(3)感熱記録層用塗液の作製2において、JIS K6726に準じて測定した粘度平均重合度380、鹸化度99.1%のエチレン−ビニルアルコール共重合体固形物の代わりに、JIS K6726に準じて測定した粘度平均重合度4,000、鹸化度98%のエチレン−ビニルアルコール共重合体固形物を用いた以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
参考例5
参考例1の(3)感熱記録層用塗液の作製2において、JIS K6726に準じて測定した粘度平均重合度380、鹸化度99.1%のエチレン−ビニルアルコール共重合体固形物の代わりに、JIS K6726に準じて測定した粘度平均重合度1,700、鹸化度89%のエチレン−ビニルアルコール共重合体固形物を用いた以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
参考例6
参考例1の(3)感熱記録層用塗液の作製2において、JIS K6726に準じて測定した粘度平均重合度380、鹸化度99.1%のエチレン−ビニルアルコール共重合体固形物の代わりに、JIS K6726に準じて測定した粘度平均重合度1,700、鹸化度98%のエチレン−ビニルアルコール共重合体固形物を用いた以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
参考例7
参考例1の(5)保護層用塗液の作製において、30%水酸化アルミニウム〔昭和電工製:商品名ハイジライトH42〕水分散液10部の代わりに、30%カオリン〔ヒューバー製:商品名HG90〕水分散液10部を用いた以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
参考例8
参考例1の(5)保護層用塗液の作製において、30%水酸化アルミニウム〔昭和電工製:商品名ハイジライトH42〕水分散液10部の代わりに、30%カオリン〔ヒューバー製:商品名HG90〕水分散液7部と30%シリカ〔水澤化学工業製:商品名ミズカシルP527〕水分散液3部を用いた以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
実施例5
参考例1の(3)感熱記録層用塗液の作製2において、JIS K6726に準じて測定した粘度平均重合度380、鹸化度99.1%のエチレン−ビニルアルコール共重合体固形物の代わりに、JIS K6726に準じて測定した粘度平均重合度1,700、鹸化度98%のエチレン−ビニルアルコール共重合体固形物を用い、(4)感熱記録層用塗液の作製3において、各分散液、水溶液、及び水を下記の配合で混合、攪拌して感熱記録層塗液を調製し、
(A)染料前駆体分散液 100部
(B)電子受容性化合物分散液 100部
(C)顔料・増感剤分散液 280部
30%ステアリン酸亜鉛水分散液〔中京油脂製:商品名ハイドリンZ−7−30〕 25部
40%メチロールステアリン酸アミド水分散液 25部
20%パラフィンワックス水分散液 25部
水溶液(A) 330部
水 50部
且つ(5)保護層用塗液の作製において、保護層用塗液の代わりに、実施例10にて作製した保護層用塗液と同一のものを用い、(6)感熱記録材料の作製において、巻き取り時の含水率が6.5%になるように調整し、その状態でロールを密封し24時間保持した以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例1
参考例1の(3)感熱記録層用塗液の作製2において、JIS K6726に準じて測定した粘度平均重合度380、鹸化度99.1%のエチレン−ビニルアルコール共重合体固形物の代わりに、ジアセトン変性ポリビニルアルコール〔日本酢ビ・ポバール製:商品名DM−17〕固形物を用いた以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例2
比較例1の感熱記録材料の作製において、巻き取り時の含水率が6.5%になるように調整し、その状態でロールを密封し1時間保持した以外は、比較例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例3
参考例1の(3)感熱記録層用塗液の作製2において、JIS K6726に準じて測定した粘度平均重合度380、鹸化度99.1%のエチレン−ビニルアルコール共重合体固形物の代わりに、ジアセトン変性ポリビニルアルコール〔日本酢ビ・ポバール製:商品名DM−17〕固形物を用い、且つ(5)保護層用塗液の作製において、10%ジアセトン変性ポリビニルアルコール〔日本酢ビ・ポバール製:商品名DM−17〕水溶液50部の代わりに、JIS K6726に準じて測定した粘度平均重合度380、鹸化度99.1%のエチレン−ビニルアルコール共重合体の10%水溶液50部を用いた以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例4
比較例3の感熱記録材料の作製において、巻き取り時の含水率が6.5%になるように調整し、その状態でロールを密封し1時間保持した以外は、比較例3と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例5
参考例1の(4)感熱記録層用塗液の作製3において、水溶液(A)250部及び水100部の代わりに、20%アクリル系樹脂〔三井化学製:商品名バリアスターB1000〕水分散液125部及び水225部を用いた以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例6
比較例5の感熱記録材料の作製において、巻き取り時の含水率が6.5%になるように調整し、その状態でロールを密封し1時間保持した以外は、比較例5と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例7
参考例1の(5)保護層用塗液の作製において、10%ジアセトン変性ポリビニルアルコール〔日本酢ビ・ポバール製:商品名DM−17〕水溶液50部の代わりに、JIS K6726に準じて測定した粘度平均重合度380、鹸化度99.1%のエチレン−ビニルアルコール共重合体の10%水溶液50部を用いた以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例8
比較例7の感熱記録材料の作製において、巻き取り時の含水率が6.5%になるように調整し、その状態でロールを密封し1時間保持した以外は、比較例7と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例9
参考例1の(5)保護層用塗液の作製において、10%ジアセトン変性ポリビニルアルコール〔日本酢ビ・ポバール製:商品名DM−17〕水溶液50部及び水50部の代わりに、20%アクリル系樹脂〔三井化学製:商品名バリアスターB1000〕水分散液25部及び水75部を用いた以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例10
比較例9の感熱記録材料の作製において、巻き取り時の含水率が6.5%になるように調整し、その状態でロールを密封し1時間保持した以外は、比較例9と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例11
比較例7の感熱記録材料の作製において、巻き取り時の含水率が13%になるように調整し、その状態でロールを密封し1時間保持した以外は、比較例7と同様にして感熱記録材料を作製した。
以上の実施例1〜5、参考例1〜8及び比較例1〜10で作製した各感熱記録材料について、各保持時間後に恒湿室にて密封状態を解いてそれぞれの含水率が5%になるように調整しながら巻き直した後、下記の評価を行った。比較例11に関しては、巻き直す際に作製した感熱記録材料が表裏でブロッキングを生じており、評価を行うことができなかった。これらの結果を表1に示す。
〔耐水ブロッキング性〕
作製した各感熱記録材料それぞれについて、5cm×5cmのサイズに2枚ずつ切り取り、感熱記録材料の保護層面上に水を2滴滴下し、その上に保護層面同士が接するように同じ感熱記録材料を重ね、3kgの重りで荷重をかけた状態で、40℃/90%RHの環境下で24時間静置した。その後、互いの感熱記録材料を剥離し、保護層同士の貼り付き程度より耐水性を評価した。更に、剥離後のサンプルを、130℃のオーブンに10分間入れて、全面を発色させ、貼り付きにより生じた塗層剥がれ(白抜け)の程度を目視にて評価した。評価基準は以下の指標に従った。
◎:保護層同士の貼り付きがなく容易に剥離でき、塗層剥がれ(白抜け)が全くない。
◎△:保護層同士に少し貼り付きがあるが、塗層剥がれが全くない。
○:保護層同士に少し貼り付きがあるが、塗装剥がれがほとんどない。
△:保護層同士が貼り付き、塗装が若干剥がれ実用に適さない。
×:保護層同士が貼り付き、塗層の大半が剥がれる。
〔粉落ち〕
作製した各感熱記録材料をそれぞれ、オートカッターが装備された感熱プリンター(セイコーエプソン製:型番TM−T88II)にて、印字−カッティングを1000回繰り返し、プリンター内部(ロール紙装填部付近)に発生した粉落ちを集め取りその重量を測定し評価した。評価基準は以下の指標に従った。
◎:粉落ち量が、1mg未満。
◎△:粉落ち量が、1mg以上5mg未満。
○:粉落ち量が、5mg以上10mg未満。
△:粉落ち量が、10mg以上50mg未満。
×:粉落ち量が、50mg以上。
〔溶剤バリア性〕
作製した各感熱記録材料それぞれについて、保護層面上をトルエン4部、及び酢酸エチル6部の割合で混合した溶剤を5ml染み込ませた布で5回弱い力で擦り、処理後に感熱記録材料表面に生じる発色の度合いを評価した。評価基準は以下の指標に従った。
◎:発色しない。
○:ほとんど発色しない。
△:発色するが、溶剤の接触から発色まで時間がかかる。
×:溶剤の接触により即座に発色する。
〔表面強度〕
作製した各感熱記録材料それぞれについて、ピッキングテスト用インキ(DIC製:商品名FINE INK ピッキングテスト TV.30)を使用して、RI印刷適性試験機(IHI機械システム製:RI−1型)を用いて、回転数100rpm、インキ量0.4ccにて表面強度を評価した。評価基準は以下の指標に従った。
◎:塗層ムケが観察されない。
◎△:塗層ムケが殆ど観察されない。
○:塗層ムケが少し観察されるが、実用に問題は無い。
△:塗層ムケがある。
×:塗層ムケが非常に多い。
〔感熱印字〕
作製した各感熱記録材料それぞれについて、大倉電機製ファクシミリ試験機 型番TH−PMDを用いて印字した。ドット密度8ドット/mm、ヘッド抵抗1685Ωのサーマルヘッドを使用し、印加電圧20ボルトで、印加パルス幅1.0msec及び1.4msecで黒ベタ及び文字を印字した。印字濃度をマクベスRD−918型反射濃度計(ビジュアルフィルター)(マクベス製)にて測定した。評価基準は以下の指標に従った。
◎:パルス幅1.0msecで得られた画像部の反射濃度が1.2以上。
○:パルス幅1.0msecで得られた画像部の反射濃度が1.2未満、且つパルス幅1.4msecで得られた画像部の反射濃度が1.2以上。
△:パルス幅1.4msecで得られた画像部の反射濃度が1.2未満。
×:発色しない。
Figure 0005271361
表1から明らかなように、実施例1〜5及び参考例1〜8は、比較例1〜6に比べ、耐水ブロッキング性、溶剤バリア性、表面強度及び感熱印字(感度)に優れ、且つカッティング時の粉落ちが少ない感熱記録材料であった。前者は、感熱記録層中にエチレン−ビニルアルコール共重合体、保護層中にジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有しているが、後者は少なくとも感熱記録層中にエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有していない。また、比較例7及び8は、実施例1〜5及び参考例1〜8に比べ、溶剤バリア性に劣り、且つ耐水ブロッキング性に劣った。前者は、保護層中にジアセトン変性ポリビニルアルコールの代わりにエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有している。比較例9及び10は、実施例1〜5及び参考例1〜8に比べ、溶剤バリア性、表面強度及び感度に劣り、且つ粉落ちに劣った。前者は、保護層中にジアセトン変性ポリビニルアルコールの代わりにアクリル系樹脂を含有している。
実施例1及び2は、感熱記録層中の含水率を6%以上12%未満の状態で保持したものであり、参考例1に比べ、より優れた耐水ブロッキング性を示し、且つより粉落ちの少ない結果を示した。また、実施例3及び4は、感熱記録材料の含水率を6%以上8%未満の状態で24時間以上保持したものか、9%以上11%未満の状態で1時間以上保持したものであり、実施例1及び2に比べ、更に優れた耐水ブロッキング性を示し、且つ更に粉落ちの少ない結果を示した。
参考例2は、感熱記録層中にエチレン−ビニルアルコール共重合体を15質量%以上含有したものであり、参考例1に比べ、より優れた表面強度を示し、且つより粉落ちの少ない結果を示した。参考例3、5及び6は、感熱記録層中に平均重合度が500以上4,000未満であるエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有したものであり、参考例1に比べ、より優れた表面強度を示し、且つより粉落ちの少ない結果を示した。参考例3、4及び6は、感熱記録層中に鹸化度が90%以上99%未満であるエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有したものであり、参考例1に比べ、より優れた表面強度を示し、且つより粉落ちの少ない結果を示した。参考例6は、感熱記録層中に平均重合度が1,000以上2,000未満であり、且つ鹸化度が95%以上99%未満であるエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有したものであり、参考例3に比べ、更に優れた表面強度を示し、且つ更に粉落ちの少ない結果を示した。
参考例7は、保護層中にカオリンを含有したものであり、実施例1〜4及び参考例1〜6に比べ、より優れた溶剤バリア性及び感度を示した。参考例8は、保護層中にカオリン及びシリカを含有したものであり、参考例7に比べ、より優れた耐水ブロッキング性を示し、且つより粉落ちの少ない結果を示した。実施例5は、感熱記録層中に平均重合度が1,000以上2,000未満であり、且つ鹸化度が95%以上99%未満であるエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有し、さらに感熱記録層中にエチレン−ビニルアルコール共重合体を15質量%以上含有したものであり、且つ保護層中にカオリン及びシリカを含有し、且つ感熱記録材料の含水率を6%以上8%未満の状態で24時間以上保持したものであり、参考例8に比べ、より優れた表面強度及び溶剤バリア性を示した。

Claims (8)

  1. 支持体上に、熱により発色する感熱記録層及び保護層をこの順に設けた感熱記録材料において、該感熱記録層がエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有し、且つ該保護層がジアセトン変性ポリビニルアルコール及び架橋剤を含有し、支持体上に形成された感熱記録層上に保護層用塗液を塗工して乾燥させた積層体を、その全体の含水率が6%以上12%未満の状態で1時間以上保持して製造されたものであることを特徴とする感熱記録材料。
  2. 上記感熱記録材料が、支持体上に形成された感熱記録層上に保護層用塗液を塗工して乾燥させた積層体を、その全体の含水率が6%以上8%未満の状態で24時間以上、もしくは含水率が9%以上11%未満の状態で1時間以上保持して製造されたものであることを特徴とする請求項1記載の感熱記録材料。
  3. 感熱記録層中の上記エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が、感熱記録層の全固形分に対して、15質量%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の感熱記録材料。
  4. 上記エチレン−ビニルアルコール共重合体の平均重合度が、500以上4,000未満であり、且つ鹸化度が90%以上99%未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録材料。
  5. 上記保護層中に、カオリンを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感熱記録材料。
  6. 上記保護層中に、さらにシリカを含有することを特徴とする請求項記載の感熱記録材料。
  7. 支持体上に、熱により発色する感熱記録層及び保護層を順次設けた感熱記録材料の製造方法において、支持体上に形成された感熱記録層上にジアセトン変性ポリビニルアルコール及び架橋剤を含有する保護層用塗液を塗工して乾燥させる工程、及び得られる支持体上に感熱記録層及び保護層を有する積層体を、その全体の含水率が6%以上12%未満の状態で1時間以上保持する工程を含むことを特徴とする感熱記録材料の製造方法。
  8. 乾燥後の積層体を、その全体の含水率が6%以上8%未満の状態で24時間以上、もしくは含水率が9%以上11%未満の状態で1時間以上保持することを特徴とする請求項記載の感熱記録材料の製造方法。
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