JP5258062B2 - 感熱記録材料及びその製造方法 - Google Patents

感熱記録材料及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5258062B2
JP5258062B2 JP2009534465A JP2009534465A JP5258062B2 JP 5258062 B2 JP5258062 B2 JP 5258062B2 JP 2009534465 A JP2009534465 A JP 2009534465A JP 2009534465 A JP2009534465 A JP 2009534465A JP 5258062 B2 JP5258062 B2 JP 5258062B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
sensitive recording
protective layer
recording material
coating liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009534465A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009041744A1 (ja
Inventor
敬生 増田
貴仁 落合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2009534465A priority Critical patent/JP5258062B2/ja
Publication of JPWO2009041744A1 publication Critical patent/JPWO2009041744A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5258062B2 publication Critical patent/JP5258062B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/26Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
    • B41M5/40Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used characterised by the base backcoat, intermediate, or covering layers, e.g. for thermal transfer dye-donor or dye-receiver sheets; Heat, radiation filtering or absorbing means or layers; combined with other image registration layers or compositions; Special originals for reproduction by thermography
    • B41M5/42Intermediate, backcoat, or covering layers
    • B41M5/44Intermediate, backcoat, or covering layers characterised by the macromolecular compounds
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M2205/00Printing methods or features related to printing methods; Location or type of the layers
    • B41M2205/04Direct thermal recording [DTR]

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Description

本発明は、支持体上に、熱により発色する感熱記録層及びその保護層をこの順に設けた感熱記録材料及びその製造方法に関し、詳しくは保護層の耐水性に優れ、安定生産可能である感熱記録材料及びその製造方法に関するものである。
感熱記録材料は、一般に支持体上に熱により発色する感熱記録層を設けたものであり、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することにより、染料前駆体である電子供与性化合物と顕色剤である電子受容性化合物とが瞬時反応し記録画像が得られるものである。このような感熱記録材料は、比較的簡単な装置で記録が得られ、保守が容易なこと、騒音の発生がないこと等の利点があり、計測記録計、ファクシミリ、プリンター、コンピューターの端末機、ラベル印字機、乗車券、チケットの発券機等広範囲の分野に利用されている。
また、このような感熱記録材料も用途が多種多様化するにつれ、印刷加工される用途も多く出てきた。近年では市場から印刷加工に適した表面強度を持ち、印刷溶剤で地肌かぶりの様な地肌の発色を起こさないバリア性に優れた保護層を持つ感熱記録材料が強く望まれている。
さらに、最近は特に記録システムの発達により、感熱記録材料の使用環境はより過酷なものへと移っており、特に水分付着に曝される環境下での使用では、耐水性に優れた保護層を持つ感熱記録材料が強く望まれている。
感熱記録材料に、印刷加工に適した表面強度を与え且つ耐水性を改善し、さらに安定生産を可能にすることを目的として、様々な構成を有する保護層が提案されている。これらの方法の例としては、特開2000−15932号公報において、保護層に、バインダーとしてジアセトン変性ポリビニルアルコール及び架橋剤としてヒドラジン系化合物を用い、さらに塗液の増粘を抑制し安定性の高い塗液を得るために、水溶性有機アミンを添加することが提案されている。しかし、有機アミンの存在は耐水化に必要なバインダーと架橋剤との反応も抑制するため、保護層の耐水化速度が遅くなる。また、特許第3716736号公報において、保護層中にバインダーとしてジアセトン変性ポリビニルアルコールを、感熱記録層中に架橋剤としてヒドラジド系化合物を含有させることが提案されているが、保護層の耐水化は不十分であり、また感熱記録層用塗液の増粘、ヒドラジド系化合物による感熱記録層の発色阻害、塗液の段階で発色してしまう地肌かぶりの問題がある。また、特開2002−283717号公報において、保護層中にバインダーとして反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコール、架橋剤としてヒドラジド系化合物、保護層用塗液の安定性向上のために塩基性フィラーを含有させることが提案されているが、塩基性フィラーはポリビニルアルコールと架橋剤の反応を促進させる効果が無いので、保護層の耐水化速度が遅い。そのため、未だ塗液の安定性を保ち、且つ十分な表面強度、迅速な耐水化速度、高い耐水性を示す感熱記録材料が得られていないのが現状である。
本発明の目的は、保護層の耐水性に優れ、安定生産可能である感熱記録材料及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、前記目的を達成することができる感熱記録材料及び該感熱記録材料の製造方法を発明するに到った。即ち、
(1)本発明の感熱記録材料は、支持体上に、熱により発色する感熱記録層及び保護層をこの順に設けた感熱記録材料であって、前記保護層がポリビニルアルコール、架橋剤、顔料、アレニウス酸及び揮発性アミンを含んだ水性塗液の状態で該感熱記録層上に塗工、乾燥して得られることを特徴とする。保護層中にアレニウス酸を含有することで乾燥後に経時によるポリビニルアルコールと架橋剤との架橋反応を促進し、耐水化速度を速めることで、実用的な耐水性が発現するまでにかかる時間を短縮することができる。また保護層用水性塗液に揮発性アミンを含有することで、塗液の安定性を向上させることができ、且つより均一に架橋された被膜を形成することで、耐水性を強化することができる。
(2)また、前記保護層を設けた面の乾燥後の表面pHを6未満にすることで、経時における架橋反応を酸性表面でさらに促進し、耐水化速度を速めることができる。
(3)また、前記水性塗液のpHを7以上にすることで、塗液の安定性を強化することができ、且つ耐水性をさらに強化することができる。
(4)また、前記水性塗液のpHを8以上にすることで、塗液の安定性をさらに強化することができる。
(5)更には、前記水性塗液を作製する際、アレニウス酸、揮発性アミン、架橋剤をこの順に添加し、且つアレニウス酸添加後のpHを6未満、揮発性アミン添加後のpHを7以上とすることで、保護層の耐水化速度を速め、且つ耐水性と水性塗液の安定性をさらに強化することができる。
(6)また、前記ポリビニルアルコールをジアセトン変性ポリビニルアルコールとすることで、耐水性をさらに強化することができる。
(7)また、前記ジアセトン変性ポリビニルアルコールの重合度を500以上4,000未満とし、さらに鹸化度を80%以上98%未満とすることで、該水性塗液の安定性をさらに強化することができ、且つ優れたバリア性を得ることができる。
(8)また、前記架橋剤をヒドラジド系化合物とすることで、耐水化速度をさらに速め、且つ耐水性をさらに強化することができる。
(9)また、前記感熱記録層と支持体との間に少なくとも1層の下塗り層を有し、且つ該下塗り層に有機中空粒子を含有することで、保護層用水性塗液の塗工、乾燥過程で下塗り層への水分の浸透を抑制し、保護層中の水分を保つことで、より均一に架橋された被膜を形成することができ、耐水性をさらに強化し、且つ発色感度の向上も得ることができる。
(10)また、前記感熱記録層中に通常無色ないし淡色の染料前駆体を含有させ、且つ該染料前駆体を、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン及び3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン及び3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン及び3−(N−エチル−4−メチルフェニル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン及び3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−メチルフェニルアミノ)フルオランのうちの少なくとも1つとすることで、染料前駆体の疎水性により、保護層用水性塗液の塗工、乾燥過程で感熱記録層への水分の浸透を抑制し、保護層中の水分を保つことで、より均一に架橋された被膜を形成することができ、耐水性をさらに強化することができる。
(11)また、前記保護層中の顔料をカオリンとすることで、カオリンの持つ平板状構造が、保護層用水性塗液の塗工、乾燥過程で感熱記録層への水分の浸透を抑制し、保護層中の水分を保つことで、より均一に架橋された被膜を形成することができ、耐水性をさらに強化することができ、且つバリア性とスティッキング性の向上を得ることができる。
(12)また、前記顔料の分散剤としてアクリル系分散剤を用いることで、保護層用水性塗液中に含まれる顔料の分散安定性を向上させ、塗工、乾燥後に形成される保護層中に顔料を均一に分布させることで、バリア性をさらに強化することができ、且つ保護層の表面に存在する顔料は、アンチブロッキング剤として働くため、耐水性をさらに強化することができる。
(13)また、前記保護層に滑剤を含有させることで、塗工、乾燥後に形成される保護層の表面に存在する滑剤が、アンチブロッキング剤として働き、耐水性をさらに強化することができ、且つスティッキング性をさらに強化することができる。
(14)また、前記保護層に蛍光増白剤を含有させることで、白色度の向上を得ることができる。
(15)また、前記アレニウス酸をヒドロキシ酸類とすることで、乾燥後の優れた耐水化速度を保ち、且つ乾燥中にpHの下降が穏やかに進行するため、より均一に架橋された被膜を形成することができ、耐水性をさらに強化することができる。また、ヒドロキシ酸は人体に対する安全性が高く、入手しやすいため、工業生産をする上で有利である。
(16)また、前記支持体の感熱記録層を設ける側の表面pHを7未満にすることで、前記感熱記録材料の表面を酸性にしやすくなり、耐水化速度をさらに速めることができ、且つさらに良好な耐水性を得ることができる。
(17)また、前記支持体の感熱記録層を設ける側と反対側の面上に、バックコート層を設ける。
(18)また、前記支持体の感熱記録層を設ける側と反対側の面上に、粘着剤層を設ける。
(19)また、前記支持体の感熱記録層を設ける側と反対側の面上に、剥離紙を設ける。
(20)また、前記支持体の感熱記録層を設ける側と反対側の面上に、磁気記録層を設ける。
(21)更に、本発明は、支持体上に熱により発色する感熱記録層及びその保護層をこの順に設けた感熱記録材料の製造方法において、前記保護層がポリビニルアルコール、架橋剤、顔料、アレニウス酸及び揮発性アミンを含有し、且つ少なくともアレニウス酸、揮発性アミン、架橋剤をこの順に添加して作製した水性塗液を前記感熱記録層上に塗工、乾燥することを特徴とする感熱記録材料の製造方法に関する。
(22)前記の感熱記録材料の製造方法において、前記水性塗液が、アレニウス酸添加後のpHが6未満であり、揮発性アミン添加後のpHが7以上である。
(23)また、前記の感熱記録材料の製造方法において、前記水性塗液をエアナイフを用いて感熱記録層上に塗工する。
本発明をさらに具体的に説明する。本発明の感熱記録材料は、支持体上に熱により発色する感熱記録層と、該感熱記録層上に少なくとも1層の保護層を有するものである。
本発明の感熱記録材料を構成する保護層は、少なくともポリビニルアルコール、架橋剤、顔料、アレニウス酸を含有し、該アレニウス酸及び揮発性アミンを含んだ水性塗液の状態で該感熱記録層上に塗工、乾燥して形成するものである。
本発明で使用するアレニウス酸とは、水分存在下でプロトンを放出する物質を言う。具体的には、ヒドロキシ酸類である乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等、アルカン酸類である蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸等、二塩基酸類であるシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等、安息香酸類である安息香酸、サリチル酸等、無機酸類であるリン酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、過塩素酸、次亜塩素酸、塩酸等であり、これらを混合して使用しても良い。アレニウス酸を使用して保護層の表面pHを下げることで、ポリビニルアルコールと架橋剤との間の求核的な架橋反応を活性化させることができ、耐水化速度を速め、且つ耐水性を向上させることができる。使用するアレニウス酸は、本発明において特に限定されるものではないが、揮発性を有し、ポリビニルアルコールを分解させにくいことから、ヒドロキシ酸類が好ましい。揮発性が高いものは添加後の制御が難しく、ポリビニルアルコールを分解させやすいものは、耐水性の向上を阻害する。また、乾燥中にpHの下降が穏やかに生じるヒドロキシ酸類を使用すると、ポリビニルアルコールとの架橋反応がゆっくりと進行して、ポリビニルアルコール分子が満遍なく架橋され、より均一に架橋された被膜が形成されて、耐水性が向上する。ヒドロキシ酸類はまた人体に対する安全性が高く、入手しやすいため、工業生産をする上で有利である。
本明細書において耐水化速度とは、保護層用水性塗液の感熱記録層上への塗工、乾燥後から、得られた感熱記録材料が耐水性を発現するまでの時間を指し、耐水性が発現するまでに必要な時間が短いものを耐水化速度が速い、または良好であると定義する。
本発明で使用する揮発性アミンとは、60℃、1気圧下において気体状態にあるアミンを言う。具体的には、アンモニア、炭素数1〜3のアルキル基で置換された一級アミンであるメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン等であり、これらを混合して使用しても良い。揮発性アミンを使用することで、前記アレニウス酸の添加による水性塗液pH低下を抑制することができ、塗液中でのポリビニルアルコールと架橋剤との反応を抑制することができる。そのため、安定性の高い保護層用水性塗液を得ることができる。揮発性アミンは、保護層用水性塗液の感熱記録層上への塗工、乾燥過程で徐々に揮発し、乾燥後はポリビニルアルコールと架橋剤との反応の抑制をしない。結果、保護層用水性塗液の安定性が向上し、且つ塗工、乾燥後に経時による耐水性の向上が可能となる。更に、ポリビニルアルコールの架橋反応をゆっくりと進行させることでポリビニルアルコール分子が満遍なく架橋され、より均一に架橋された被膜が形成され、耐水性が向上するが、揮発性アミンを使用することで、架橋反応速度を適切な速度に調節することができ、耐水性のさらなる向上が可能となる。使用する揮発性アミンは、本発明において特に限定されるものではないが、揮発性、アレニウス酸との反応性からアンモニアが好ましい。塗工、乾燥過程で揮発し難いもの、もしくはアレニウス酸との反応によって安定な反応生成物を生成するものは、乾燥後もアレニウス酸の効果を抑制し続け、乾燥後の経時による耐水性の向上を阻害する。
本発明で使用する、アレニウス酸及び揮発性アミンを含有する保護層用水性塗液は、アレニウス酸及び揮発性アミンをそれぞれ単独で添加、又は混合して添加することで作製することができ、さらに中和塩又はその水溶液を用いても作製することができる。本発明で使用する中和塩とは、揮発性アミンとアレニウス酸との混合によって得られる化合物を言う。具体的には、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等であり、これらを混合して使用しても良い。中和塩を構成している揮発性アミンは、水に溶解した後に加熱することで水中から揮発するが、アレニウス酸は揮発しない。よって、中和塩を用いて作製された水性塗液は、アレニウス酸及び揮発性アミンを用いて作製された水性塗液と同様の効果を示す。また、中和塩を用いて作製する水性塗液は、揮発性アミンを使用してpHを調製しても良い。
ポリビニルアルコールと架橋剤との求核的な架橋反応は、酸性領域で促進するため、保護層を設けた面の乾燥後の表面pHを6未満と酸性条件にすることで、乾燥後において架橋反応を効果的に促進させ、経時によりさらなる耐水性の向上を得ることができる。
本明細書において保護層の表面pHは、J.TAPPI紙パルプ試験方法No.6−75の塗布法で定められた方法で、表面pH測定用の指示薬溶液であるC.R.(クレゾールレッド)、B.T.B.(ブロモチモールブルー)、B.C.P.(ブロモクレゾールパープル)、B.C.G.(ブロモクレゾールグリーン)、またはT.B.P.B.(テトラブロモフェノールブルー)を表面に薄く塗り、半乾きになった時の色相をpH標準変色表と比較して、決定されるものである。実際の測定には共立理化学研究所製MPC測定キットなどが使用される。
本発明における保護層用水性塗液のpHは7以上が好ましい。ポリビニルアルコールと架橋剤との求核的な架橋反応は、酸性領域で促進するため、水性塗液のpHを7以上にすることで、塗液中での架橋反応が抑制され、さらに安定性の高い保護層用水性塗液を得ることができる。pHが7未満の場合、塗液中で架橋反応が進行しやすく、塗液が増粘又はゲル化を生じやすい。pHが8以上の場合、塗液の安定性がさらに向上するため、より好ましい。さらに、保護層用水性塗液のpHが9未満の場合、感熱記録層上への、塗工、乾燥過程で感熱記録層の地肌かぶりが抑えられるため、より好ましい。pHが9以上の場合、塗工、乾燥過程で塗液に含まれる塩基性成分が感熱記録層を発色させやすく、地肌かぶりが生じやすい。
本明細書における保護層用水性塗液のpHは、JIS−Z−8802記載のガラス電極法を用いて測定したものである。実際の測定には、横河電機製モデルPH81パーソナルpHメータなどが使用される。
さらに、上述の保護層用水性塗液が、ポリビニルアルコール、顔料等を混合した母液に、アレニウス酸、揮発性アミン、架橋剤をそれぞれこの順に添加し作製されたものであり、且つアレニウス酸添加後のpHを6未満とし、揮発性アミン添加後のpHを7以上とすることで、保護層の耐水性をさらに高めるだけでなく、塗液の安定性をさらに向上させることができる。
アレニウス酸、揮発性アミン、架橋剤の添加順がこれ以外の場合、例えばアレニウス酸、架橋剤、揮発性アミンの順、又は架橋剤、アレニウス酸、揮発性アミンの順では、酸性状態で架橋剤とポリビニルアルコールが混合されるため、架橋反応が急激に進行し母液/保護層用水性塗液の粘度が上昇するため好ましくない。また、揮発性アミン、アレニウス酸、架橋剤の順、又は揮発性アミン、架橋剤、アレニウス酸の順、又は架橋剤、揮発性アミン、アレニウス酸の順では、架橋剤とポリビニルアルコールの混合が、酸性状態では行われないため、母液/保護層用水性塗液の急激な粘度上昇は起きず、塗液を安定に保つことが可能となるが、作業上、保護層用水性塗液のpHを7以上にするためには、揮発性アミンの添加をアレニウス酸の添加後に行うことが好ましい。
さらに、アレニウス酸添加後の母液のpHを6未満、好ましくは5未満とし、揮発性アミン添加後のpHを7以上、好ましくは8以上9未満とすることで、保護層用水性塗液の安定性及び保護層の耐水性がさらに向上する。アレニウス酸添加後のpHが6以上の場合、乾燥後の保護層表面の酸性の程度が不十分となりやすい。また揮発性アミン添加後のpHが7未満の場合、ポリビニルアルコールと架橋剤との架橋反応が塗液中で進行し、塗液の粘度が上昇してしまう。また、揮発性アミン添加後のpHが8以上9未満の場合、塗液の安定性がさらに良好となり、且つ感熱記録層上への塗工、乾燥過程での地肌かぶりも抑えられるため、より好ましい。
本発明において、保護層に使用するポリビニルアルコールとしては、無変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール等が挙げられ、これらを単独または組み合わせて使用することが出来る。中でも、ジアセトン変性ポリビニルアルコールを使用することで、耐水性をさらに向上させることができる。
さらに、前記ポリビニルアルコールの重合度は500以上4,000未満が好ましい。重合度を500以上にすることで、分子鎖が十分な長さを持ち、分子鎖同士の絡まりあいによって得られる塗液成分の保持力により、保護層用水性塗液の塗工、乾燥過程で、感熱記録層への塗液の浸み込みを抑制し、感熱記録層上に良好な被膜を形成することができる。500未満の場合、保持力が不十分となりやすく、塗工、乾燥過程で感熱記録層への浸み込みが多くなり、良好な被膜を形成しにくい。また、重合度を4,000未満にすることで、水に対する良好な溶解性を得ることができ、且つポリビニルアルコールと架橋剤との架橋反応による急激な増粘が抑えられるため、塗液の安定性をさらに向上させることができる。4,000以上の場合、水に対する溶解性が低下し、且つ架橋反応により急激な増粘を起こすため、塗液の安定性が低下する。さらに、重合度が1,000以上2,000未満の場合、感熱記録層上にさらに良好な被膜を形成でき、且つ塗液の安定性もさらに向上するため、より好ましい。該重合度は、JIS K6726で定める試験法によって測定することができる。
さらに、前記ポリビニルアルコールは鹸化度80%以上98%未満のものが好ましい。鹸化度を98%未満にすることで、ポリビニルアルコールの結晶性を下げ、保護層用水性塗液の乾燥過程で生じる被膜の体積収縮を抑えることができ、収縮による微小クラックの少ない均質な被膜を形成でき、良好なバリア性を得ることができる。鹸化度が98%以上の場合、結晶性が高くなり、乾燥過程での被膜の収縮が大きくなることで微小クラックを生じやすく、バリア性が低下しやすい。また、鹸化度を80%以上にすることで、水に対する溶解性が向上し、安定性の高い塗液を得ることができる。鹸化度が80%未満の場合、水に対する溶解性が低下しやすく、塗液の安定性が低下する。さらに、鹸化度が90%以上98%未満の場合、水に対するさらに良好な溶解性を持つことで、塗液の安定性がさらに向上し、且つ乾燥過程での被膜の体積収縮が抑えられ、良好なバリア性を得ることができるため、より好ましい。該鹸化度は、JIS K6726で定める試験法によって測定することができる。
本発明において、保護層に使用する架橋剤としては、ヒドラジド系化合物、グリオキサール、2,2−ジメトキシエタナール等のアルデヒド系化合物、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などのメチロール化合物、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂に代表されるエピクロルヒドリン残基を含む化合物、多官能エポキシ樹脂などのエポキシ化合物、多価イソシアナート化合物、ブロックイソシアナート化合物などのイソシアネート化合物、過硫酸塩、過酸化物等の酸化剤等が挙げられ、これらを単独または組み合わせて使用することが出来る。本発明では、特に前記ジアセトン変性ポリビニルアルコールに対する架橋剤として、ヒドラジド系化合物を使用する。具体的には、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジド等である。これらのヒドラジド系化合物は、前記ジアセトン変性ポリビニルアルコールが持つ架橋性カルボニル基との架橋反応により強固な結合を形成し、反応後に高い耐水性を示す。使用するヒドラジド系化合物は、本発明において特に限定されるものではないが、ジアセトン変性ポリビニルアルコールとの反応性からアジピン酸ジヒドラジドがより好ましい。ジアセトン変性ポリビニルアルコールとアジピン酸ジヒドラジドは、保護層を形成した後においても、保護層の表面pHを6未満とすることにより、空気中の水分により、架橋反応が促進され、経時により耐水性が向上し、更に架橋反応による変色なども引き起こさない。
本発明の保護層には、顔料としてケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシリカ等の無機顔料、メラミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、ポリエチレン、ナイロン、スチレン系プラスチック顔料、アクリル系プラスチック顔料、炭化水素系プラスチック顔料等の有機顔料を使用することができる。中でもカオリンを使用すると、カオリンの平板状構造が保護層用水性塗液の塗工、乾燥過程で感熱記録層上を密に覆い、感熱記録層への水分の浸透を抑え、乾燥過程で保護層中の水分を長く保つことで、架橋反応をゆっくりと進行させることができる。ポリビニルアルコールの架橋反応は、ゆっくりと進行することで分子が満遍なく架橋され、より均一に架橋された被膜を形成するため、耐水性がさらに向上する。また、カオリンはジアセトン変性ポリビニルアルコールとの相性が良く、優れたバリア性、スティッキング性を得ることができる。
本発明の保護用水性塗液中には、前記顔料の分散安定性を向上させるために分散剤として、アセチレンジオール系分散剤、アクリル系分散剤、ポリビニルアルコール系分散剤を含有することができる。該分散剤を使用することで、塗液中に含まれる顔料を均一に分布させることができ、塗工、乾燥過程で顔料の局在化を抑えられるため、乾燥過程で生じる被膜の体積収縮による歪を抑制でき、微小クラックの発生が低減するため、バリア性のさらなる向上を得ることができる。また、塗工、乾燥後に形成される保護層の表面に存在する顔料は、アンチブロッキング剤として機能するため、耐水性を向上させることができる。使用する分散剤は、本発明の効果において特に限定されるものではないが、前記カオリンの分散剤としては、相性が良く、より良好なバリア性を得ることができるアクリル系分散剤がより好ましい。
本発明の保護層には、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸アミド、パラフィン、ポリオレフィン、酸化ポリエチレン、カスターワックス等の滑剤を含有することができる。これらの滑剤を使用することで、塗工、乾燥後に形成する保護層の表面に存在する滑剤が、アンチブロッキング剤として機能するため、耐水性を向上させることができる。また、スティッキング性の向上も得ることができる。
本発明の保護層には、蛍光増白剤を含有することができ、ジアミノスチルベン系化合物が好ましく、中でもトリアジニルアミノスチルベン系化合物を使用することで、優れた白色度を得ることができる。
本発明の保護層に使用するポリビニルアルコール、架橋剤、顔料、アレニウス酸、揮発性アミンの添加量は、本発明の効果の範囲内であれば特に制限はされないが、次の範囲内が好ましく適用される。保護層の全固形分に対して、ポリビニルアルコールは40〜90質量%、顔料は5〜50質量%である。また、ポリビニルアルコールに対して、架橋剤は0.5〜30質量%である。アレニウス酸及び揮発性アミンは、pHに応じた添加量とするが、保護層用水性塗液の全固形分に対して、それぞれ0.00001〜20質量%の範囲内がより好ましい。
さらに保護層には、分散剤、滑剤、蛍光増白剤、さらには耐光性向上等の目的から、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、湿潤剤として、アニオン性、ノニオン性の高分子量のものを含む界面活性剤、消泡剤等が必要に応じて添加される。保護層の絶乾塗工量は0.2〜10g/mが好ましく、1〜5g/mがより好ましい。
本発明の感熱記録材料を構成する、感熱記録層に含有される通常無色ないし淡色の染料前駆体である電子供与性化合物は、一般に感圧記録材料や、感熱記録材料に用いられているものに代表される。
具体的な染料前駆体の例としては、下記(1)〜(5)のものを挙げることができる。
(1)トリアリールメタン系化合物:3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等、
(2)ジフェニルメタン系化合物:4,4−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等、
(3)キサンテン系化合物:ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−メチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−4−メチルフェニル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン等、
(4)チアジン系化合物:ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等、
(5)スピロ系化合物:3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3´−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等。
またこれらの染料前駆体は必要に応じて単独、もしくは2種以上混合して使用することができる。
また、使用する該染料前駆体を3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン及び3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン及び3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン及び3−(N−エチル−4−メチルフェニル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン及び3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−メチルフェニルアミノ)フルオランのうちの少なくとも1つとすることで、これらの化合物が示す疎水性から、保護層用水性塗液の塗工、乾燥過程において、感熱記録層への水分の浸透を抑え、乾燥過程で保護層中の水分を長く保ち、架橋反応をゆっくりと進行させることができる。ポリビニルアルコールの架橋反応は、ゆっくりと進行することでポリビニルアルコール分子が満遍なく架橋され、より均一に架橋された被膜を形成するため、耐水性をさらに向上させることができる。
本発明の感熱記録材料を構成する感熱記録層は、各発色成分を微粉砕して得られる各々の水性分散液と樹脂などを混合し、支持体上に塗工、乾燥することにより得られる。
感熱記録層には、顔料として、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシリカ等の無機顔料、メラミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、ポリエチレン、ナイロン、スチレン系プラスチック顔料、アクリル系プラスチック顔料、炭化水素系プラスチック顔料等の有機顔料を使用することができる。
感熱記録層には、スティッキング改良等の目的から、滑剤を添加することができる。具体例としては、保護層の説明中に示した滑剤と同様のものが好ましく使用される。
感熱記録層には、耐光性向上等の目的から、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、分散・湿潤剤として、アニオン性、ノニオン性の高分子量のものを含む界面活性剤、さらには蛍光染料、消泡剤等が必要に応じて添加される。感熱記録層の塗工量は、十分な熱応答性を得るためには、通常染料前駆体の絶乾塗工量で0.05〜2.0g/mが好ましく、0.1〜1.0g/mがより好ましい。
本発明の感熱記録材料を構成する、感熱記録層に含有される顕色剤である電子受容性化合物は、一般に感圧記録材料、または感熱記録材料で使用される酸性物質に代表されるが、特に限定されるものではない。例えば、フェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体、N,N−ジアリールチオ尿素誘導体、アリールスルホニル尿素誘導体、有機化合物の亜鉛塩などの多価金属塩、ベンゼンスルホンアミド誘導体、ウレアウレタン化合物等を挙げることができる。
以下に、感熱記録層に含有される電子受容性化合物の具体例を以下に挙げるが、必ずしもこれらの化合物に限定されるものではない。
4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−n−プロポキシジフェニルスルホン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−n−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−ベンジルオキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンモノアリルエーテル、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4´−メチルジフェニルスルホン、3,4,4´−トリヒドロキシジフェニルスルホン、4,4´−〔オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニレンスルホニル)〕ジフェノール、3,4,3´,4´−テトラヒドロキシジフェニルスルホン、2,3,4−トリヒドロキシジフェニルスルホン、3−フェニルスルホニル−4−ヒドロキシジフェニルスルホン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、
4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシアセトフェノン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、4,4´−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,3−ジクロロ−4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、ペンタエリスリトールテトラ(4−ヒドロキシ安息香酸)エステル、ペンタエリスリトールトリ(4−ヒドロキシ安息香酸)エステル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールの重縮合物と4−ヒドロキシ安息香酸との脱水縮合物、
N,N´−ジフェニルチオ尿素、4,4´−ビス[3−(4−メチルフェニルスルホニル)ウレイド]ジフェニルメタン、N−(4−メチルフェニルスルホニル)−N´−フェニル尿素、N−(ベンゼンスルホニル)−N´−[3−(4−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素、N−(4−トルエンスルホニル)−N−[3´−(4−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素、N−ブチル−4−(3−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート、ウレアウレタン化合物、
サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリド、サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ビス(α−メチルベンジル)サリチル酸、4−「2´−(4−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、3−(オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸あるいはこれらサリチル酸誘導体の金属塩(例えば亜鉛塩)、
N−(4−ヒドロキシフェニル)−4−トルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−4−トルエンスルホンアミド、N−フェニル−4−ヒドロキシベンゼンスルホンアミド。
本発明の感熱記録材料を構成する感熱記録層は、その熱応答性を向上させるために、熱可融性物質を含有させることができる。この場合、60〜180℃の融点を持つものが好ましく、特に80〜140℃の融点を持つものがより好ましく使用される。
具体的には、ステアリン酸アミド、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、N−ステアリル尿素、ベンジル−2−ナフチルエーテル、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、2,2´−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、α、α´−ジフェノキシ−o−キシレン、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル、アジピン酸ジフェニル、蓚酸ジベンジル、蓚酸ジ(4−メチルベンジルエステル)、蓚酸ビス(4−クロロベンジル)エステル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、ベンゼンスルホン酸フェニルエステル、ビス(4−アリルオキシフェニル)スルホン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、4−アセチルアセトフェノン、アセト酢酸アニリド類、脂肪酸アニリド類、等公知の熱可融性物質が挙げられるが、高級脂肪酸アミドを用いた場合には、滑剤としても機能するためより好ましい。
これらの化合物は単独もしくは2種以上併用して使用することもできる。また、十分な熱応答性を得るためには、感熱記録層の総固形分中、熱可融性物質が5〜50質量%を占めることが好ましい。
感熱記録層に用いられるバインダーとしては、通常の塗工で用いられる種々のバインダーを使用することができる。
具体的には、澱粉類、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、ポリアクリル酸のアルカリ塩、ポリマレイン酸のアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性バインダー、およびスチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン等の水分散性バインダー等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明における感熱記録材料は、必要に応じて支持体と感熱記録層の間に顔料あるいは樹脂等からなる下塗り層を1層以上設けることができる。本発明の感熱記録材料が下塗り層を設けたものである場合、その下塗り層の絶乾塗工量は、1〜30g/mが好ましく、3〜20g/mがより好ましい。
下塗り層に使用する顔料としては、一般的には焼成カオリンが使用されるが、それ以外にもケイソウ土、タルク、カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシリカ等の無機顔料、メラミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、ポリエチレン、ナイロン、スチレン系プラスチック顔料、アクリル系プラスチック顔料、炭化水素系プラスチック顔料等の有機顔料、有機中空粒子顔料が挙げられ、これらを単独または組み合わせて使用することができる。中でも、有機中空粒子顔料を使用すると、下塗り層の空隙率を上昇させることで、断熱性が増加し、高い発色感度を得ることができ、且つ体積当りの比表面積を減少させることで、保護層用水性塗液の塗工、乾燥過程において、下塗り層への水分の浸透を抑え、乾燥過程で保護層中の水分を長く保ち、架橋反応をゆっくりと進行させることができる。ポリビニルアルコールの架橋反応は、ゆっくりと進行することでポリビニルアルコール分子が満遍なく架橋され、より均一に架橋された被膜を形成するため、耐水性をさらに向上させることができる。
本発明における前記有機中空粒子顔料は、特に限定するものではないが、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリロニトリル等の単量体を主成分とする単独重合体、2種以上の単量体より成る共重合体等が挙げられる。これらの有機中空粒子としては、レーザー回折方式の粒度分布測定法による平均粒子径が0.1〜5.0μm、より好ましくは0.5〜2.0μmの樹脂粒子を使用することができる。また、有機中空粒子の中空率(粒子の樹脂部と空間部の合計容積に対する空間部の容積比率)は、20〜90%、より好ましくは40〜90%である。有機中空粒子は、例えば、ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)からローペイクシリーズ、JSR(株)からSXシリーズとして市販されており入手することができる。具体的には、ローペイクHP−91(平均粒子径1.0μm、中空率51%)、ローペイクOP−62(同0.4μm、同33%)、ローペイクOP−84J(同0.55μm、同20%)、SX8782(A)(同1.1μm、同55%)、SX8782(D)(同1.0μm、同51%)、SX866(B)(同0.3μm、同30%)等を挙げることができる。
本発明における前記下塗り層のバインダーとしては、感熱記録層の場合と同様に通常の塗工で使用される種々のバインダーを使用することができる。具体例に関しては、感熱記録層の説明中に示した。
本発明における感熱記録材料において使用する支持体としては、紙が主として使用されるが、紙の他に各種織布、不織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、蒸着シート、或いはこれらを貼り合わせ等で組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に使用することができる。
本発明における感熱記録材料において使用する支持体は特に限定されるものではないが、感熱記録層を設ける側の表面pHが7未満の支持体を使用することがより好ましい。pH7未満の支持体を使用することで、アレニウス酸を含んだ保護層を設けた際に、アレニウス酸の効果を阻害し難く、保護層の表面pHを6未満にしやすく、耐水化速度をさらに速めることができる。
本発明における、支持体の、感熱記録層及び保護層を設ける反対の面に、必要に応じてバックコート層を設けることができる。バックコート層は公知のものが使用でき、特に限定はされない。
本発明における、支持体の、感熱記録層及び保護層を設ける反対の面に、必要に応じて粘着剤層を設けることができる。粘着剤層は公知のものが使用でき、特に限定はされない。
本発明における、支持体の、感熱記録層及び保護層を設ける反対の面に、必要に応じて剥離紙を設けることができる。剥離紙は公知のものが使用でき、特に限定はされない。
本発明における、支持体の、感熱記録層及び保護層を設ける反対の面に、必要に応じて磁気記録層を設けることができる。磁気記録層は公知のものが使用でき、特に限定はされない。
以上、本発明の感熱記録材料について説明してきたが、以下、本発明の感熱記録材料の製造方法について説明する。
本発明の感熱記録材料の製造方法は、支持体上に、熱により発色する感熱記録層及びその保護層をこの順に設けてなるものであり、前記保護層がポリビニルアルコール、架橋剤、顔料、アレニウス酸及び揮発性アミンを含有し、且つ少なくともアレニウス酸、揮発性アミン、架橋剤をこの順に添加して作製した水性塗液を前記感熱記録層上に塗工、乾燥することを特徴とする。
本発明の感熱記録材料の製造方法は、保護層用水性塗液として、ポリビニルアルコール、顔料等を混合した母液に、アレニウス酸、揮発性アミン、架橋剤をそれぞれこの順で添加し作製されたものを用いることに特徴があり、前記3種の成分の添加順序を前記のように限定した理由は、上述したように、水性塗液中でポリビニルアルコールの架橋反応の進行を抑え、安定性に優れた水性塗液が得られるからである。
前記水性塗液は、アレニウス酸添加後のpHが6未満であり、揮発性アミン添加後のpHが7以上であることが好ましい。その理由は、上述したように、保護層の耐水性をさらに高めるだけでなく、塗液の安定性をさらに向上させることができるからである。
本発明の感熱記録材料の製造方法においては、必須の層として、感熱記録層、保護層が形成され、任意の層としてバックコート層、下塗り層が形成されるが、これらの層の形成方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の技術に従って形成することができる。具体的な例としては、フィルムプレス塗工、エアナイフ塗工、ロッドブレード塗工、バー塗工、ブレード塗工、グラビア塗工、カーテン塗工、Eバー塗工などの方法により塗液を塗工し、乾燥により各層を形成させることができる。また、平版、凸版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等によって各層を形成させても良い。中でも、保護層の形成には、塗液の粘度等による影響が少ないエアナイフ塗工が、より好ましい。
必要に応じて、下塗り層塗工後、感熱記録層塗工後、または保護層塗工後にスーパーカレンダー処理をし、画質を向上させることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。ただし、これらに限定されるものではない。なお以下に示す部、ならびに%はいずれも質量基準であり、塗工量は絶乾塗工量である。
実施例1
(1)下塗り層用塗液の作製
焼成カオリン〔BASF製:アンシレックス〕100部、50%スチレン/ブタジエン系ラテックス34部、13%澱粉水溶液48部および水200部からなる組成物を混合攪拌し、下塗り層用塗液を調製した。
(2)感熱記録層用塗液の作製
<分散液A>
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部を10%スルホン基変性ポリビニルアルコール水溶液20部、水60部の混合物中に分散し、ビーズミルで体積平均粒子径が1μmになるまで粉砕し、分散液Aを調製した。
<分散液B>
N−(4−トルエンスルホニル)−N´−[3−(4−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素20部を10%スルホン基変性ポリビニルアルコール水溶液20部と水60部の混合物中に分散し、ビーズミルで体積平均粒子径が1μmになるまで粉砕し、分散液Bを調製した。
<分散液C>
ベンジル−2−ナフチルエーテル20部を10%スルホン基変性ポリビニルアルコール水溶液20部、水60部の混合物中に分散し、ビーズミルで体積平均粒子径が1μmになるまで粉砕し、分散液Cを調製した。
前記の分散液を使用して、下記に示す配合で混合し、充分撹拌して感熱記録層用塗液を調製した。
分散液A 100部
分散液B 100部
分散液C 100部
30%軽質炭酸カルシウム水分散液 50部
10%カルボキシ変性ポリビニルアルコール水溶液
130部
40%ステアリン酸亜鉛水分散液 7部
水 60部
(3)保護層用水性塗液の作製
先ず、50%乳酸水溶液1部、25%アンモニア水溶液0.3部、及び水98部を混合し、アレニウス酸と揮発性アミンを混合した水溶液1を作製した。次いで、下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した。なお保護層用水性塗液のpHは6.8であった。
10%完全鹸化ポリビニルアルコール〔日本合成化学工業製:NM−11、重合度1100、鹸化度99.5%〕水溶液
150部
30%水酸化アルミニウム〔Martinswerk製:マーティフィンOL−107〕水分散液
13部
40%グリオキザール水溶液 2部
15%ポリアミドエピクロロヒドリン水溶液
6部
水溶液1 99.3部
(4)感熱記録材料の作製
坪量50g/mの中性の上質紙に、下塗り層用塗液の塗工量が9g/m、感熱記録層用塗液の塗工量が、染料前駆体の塗工量で0.5g/mとなるように順次塗工して下塗り層、及び感熱記録層を得た。その後、保護層用水性塗液の塗工量が2g/mとなるように感熱記録層上にバー塗工し乾燥した後、カレンダー処理を行って感熱記録材料を作製した。なお、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは6.2であった。
実施例2
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を以下の手順で作製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。先ず、50%乳酸水溶液3部、25%アンモニア水溶液0.9部、及び水95部を混合し、アレニウス酸と揮発性アミンを混合した水溶液2を作製した。次いで、下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した。なお保護層用水性塗液のpHは6.8であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.6であった。
10%NM−11水溶液 150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
40%グリオキザール水溶液 2部
15%ポリアミドエピクロロヒドリン水溶液 6部
水溶液2 98.9部
実施例3
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を以下の手順で作製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。先ず、50%乳酸水溶液3部、25%アンモニア水溶液1.1部、及び水95部を混合し、アレニウス酸と揮発性アミンを混合した水溶液3を作製した。次いで、下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した。なお保護層用水性塗液のpHは7.3であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.6であった。
10%NM−11水溶液 150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
40%グリオキザール水溶液 2部
15%ポリアミドエピクロロヒドリン水溶液 6部
水溶液3 99.1部
実施例4
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を以下の手順で作製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。先ず、50%乳酸水溶液3部、25%アンモニア水溶液1.3部、及び水95部を混合し、アレニウス酸と揮発性アミンを混合した水溶液4を作製した。次いで、下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.3であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.7であった。
10%NM−11水溶液 150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
40%グリオキザール水溶液 2部
15%ポリアミドエピクロロヒドリン水溶液 6部
水溶液4 99.3部
実施例5
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお乳酸水溶液添加後のpHは3.7であり、アンモニア水溶液添加後のpHは8.6であった。また、保護層用水性塗液のpHは8.3であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.7であった。
10%NM−11水溶液 150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 95部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
40%グリオキザール水溶液 2部
15%ポリアミドエピクロロヒドリン水溶液 6部
実施例6
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.3であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.6であった。
10%NM−11水溶液 150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 95部
40%グリオキザール水溶液 2部
15%ポリアミドエピクロロヒドリン水溶液 6部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
実施例7
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお乳酸水溶液添加後のpHは3.7であり、アンモニア水溶液添加後のpHは8.6であった。また、保護層用水性塗液のpHは8.5であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.8であった。
10%ジアセトン変性ポリビニルアルコール〔日本酢ビ・ポバール製:DF−17、重合度1,700、鹸化度98.5%〕水溶液
150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 85部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
8%ドデカン二酸ジヒドラジド水溶液 18部
実施例8
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.5であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.8であった。
10%ジアセトン変性ポリビニルアルコール〔日本酢ビ・ポバール製:DF−10、重合度1,000、鹸化度98.5%〕水溶液
150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 85部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
8%ドデカン二酸ジヒドラジド水溶液 18部
実施例9
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.5であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.8であった。
10%ジアセトン変性ポリビニルアルコール〔日本酢ビ・ポバール製:DF−30、重合度3,000、鹸化度98.5%〕水溶液
150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 85部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
8%ドデカン二酸ジヒドラジド水溶液 18部
実施例10
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.5であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.8であった。
10%ジアセトン変性ポリビニルアルコール〔日本酢ビ・ポバール製:DM−20、重合度2,000、鹸化度96.5%〕水溶液
150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 85部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
8%ドデカン二酸ジヒドラジド水溶液 18部
実施例11
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.5であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.8であった。
10%ジアセトン変性ポリビニルアルコール〔日本酢ビ・ポバール製:DM−17、重合度1,700、鹸化度96.5%〕水溶液
150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 85部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
8%ドデカン二酸ジヒドラジド水溶液 18部
実施例12
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.4であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.8であった。
10%DM−17水溶液 150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 85部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
8%アジピン酸ジヒドラジド水溶液 18部
実施例13
実施例1の(1)下塗り層用塗液の作製において、アンシレックス100部、水200部の代わりに、アンシレックス72.5部、27.5%有機中空粒子分散液〔ローム&ハース製:AF1055〕100部、及び水127.5部を用いて下塗り層用塗液を調製し、さらに実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.4であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.8であった。
10%DF−17水溶液 150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 85部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
8%アジピン酸ジヒドラジド水溶液 18部
実施例14
実施例1の(2)感熱記録層用塗液の作製<分散液A>において、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部の代わりに、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部を用いて分散液Aを調製し、さらに実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.4であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.8であった。
10%DF−17水溶液 150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 85部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
8%アジピン酸ジヒドラジド水溶液 18部
実施例15
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.3であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.6であった。
10%DF−17水溶液 150部
20%カオリン〔ヒューバー製:HG−90〕水分散液
20部
水 78部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
8%アジピン酸ジヒドラジド水溶液 18部
実施例16
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.3であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.6であった。
10%DF−17水溶液 150部
20%HG−90水分散液 20部
40%アクリル系分散剤〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製:ディスペックスA40〕
0.03部
水 78部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
8%アジピン酸ジヒドラジド水溶液 18部
実施例17
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.3であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.6であった。
10%DF−17水溶液 150部
20%HG−90水分散液 20部
ディスペックスA40 0.03部
30%ステアリン酸亜鉛水分散液 7部
水 71部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
8%アジピン酸ジヒドラジド水溶液 18部
実施例18
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.3であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.6であった。
10%DF−17水溶液 150部
20%HG−90水分散液 20部
蛍光増白剤〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製:チノパールMSP〕
0.2部
水 77.8部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
8%アジピン酸ジヒドラジド水溶液 18部
実施例19
実施例1の(1)下塗り層用塗液の作製において、アンシレックス100部、水200部の代わりに、アンシレックス72.5部、AF1055を100部、及び水127.5部を用いて下塗り層用塗液を調製し、さらに実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.3であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.6であった。
10%DM−17水溶液 150部
20%HG−90水分散液 20部
ディスペックスA40 0.03部
水 70.8部
30%ステアリン酸亜鉛水分散液 7部
チノパールMSP 0.2部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
8%アジピン酸ジヒドラジド水溶液 18部
実施例20
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.1であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは4.3であった。
10%DF−17水溶液 150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 76部
0.05%塩酸水溶液 0.3部
25%アンモニア水溶液 13部
8%ドデカン二酸ジヒドラジド水溶液 18部
実施例21
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製し、
10%DF−17水溶液 150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 85部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
8%ドデカン二酸ジヒドラジド水溶液 18部
さらに(4)感熱記録材料の作製において、坪量50g/mの中性の上質紙の代わりに、坪量50g/mであり、感熱記録層を設ける側の表面pHが5.8である酸性の上質紙を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.5であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.1であった。
実施例22
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製し、
10%DF−17水溶液 150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 85部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
8%アジピン酸ジヒドラジド水溶液 18部
さらに(4)感熱記録材料の作製において、坪量50g/mの中性の上質紙の代わりに、坪量50g/mであり、感熱記録層を設ける側の表面pHが8.2である塩基性の上質紙を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.4であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは6.2であった。
実施例23
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した、さらに(4)感熱記録材料の作製において、巻き取り状態の坪量50g/mの中性の上質紙に、下塗り層用塗液を塗工量が9g/m、感熱記録層用塗液を塗工量が染料前駆体の塗工量で0.5g/m、保護層用水性塗液を塗工量が2g/mになるように順次エアナイフ塗工/乾燥して下塗り層、感熱記録層、保護層を形成し、その後カレンダー処理を行い、保護層が外側になるように巻き上げ、感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは8.5であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.8であった。
10%DF−17水溶液 150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 85部
50%乳酸水溶液 3部
25%アンモニア水溶液 1.3部
8%ドデカン二酸ジヒドラジド水溶液 18部
実施例24
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合し、2時間攪拌して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは7.6であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは5.5であった。
10%DF−17水溶液 150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 87.5部
硫酸アンモニウム 1.8部
8%ドデカン二酸ジヒドラジド水溶液 18部
比較例1
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは3.2であった。
10%DM−17水溶液 150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 86.3部
50%乳酸水溶液 3部
8%アジピン酸ジヒドラジド水溶液 18部
比較例2
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは9.8であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは7.2であった。
10%DM−17水溶液 150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 88部
25%アンモニア水溶液 1.3部
8%アジピン酸ジヒドラジド水溶液 18部
比較例3
実施例1の(3)保護層用水性塗液の作製において、保護層用水性塗液を下記に示す配合、順番で混合して保護層用水性塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。なお保護層用水性塗液のpHは7.3であり、作製した感熱記録材料の塗工した保護層面の表面pHは6.9であった。
10%DM−17水溶液 150部
30%マーティフィンOL−107水分散液 13部
水 89.3部
8%アジピン酸ジヒドラジド水溶液 18部
以上の実施例1〜24、比較例1〜3で作製した感熱記録材料を下記の評価に供した。各々の結果において、実施例1〜6を表1に、実施例7〜12を表2に実施例13〜19を表3に、実施例20〜24、及び比較例1〜3を表4に示す。
[耐水化速度]
作製した各感熱記録材料それぞれについて、乾燥後直ちに23℃/65%RHの環境下に移し、24時間静置した後、5cm×5cmのサイズに2枚ずつ切り取り、感熱記録材料の保護層面上に水を1滴滴下し、その上に保護層面同士が接するように同じ感熱記録材料を重ね、3kgの重りで荷重をかけた状態で、23℃/65%RHの環境下で24時間静置した。その後、互いの感熱記録材料を剥離し、保護層同士の貼り付き程度より、手で感熱記録材料と感熱記録材料を剥がし、保護層同士の貼り付き程度より、耐水化速度を評価した。評価基準は以下の指標に従った。
◎:保護層面同士が自然に離れる。
○:保護層面同士は付着しているが、容易に剥離できる。
△:保護層面同士が付着し、剥離し難く、一部塗層ごと剥がれる。
×:保護層面同士が付着しており、剥離できない、もしくは剥離時に大半が塗層ごと剥がれる。
[耐水性]
作製した各感熱記録材料それぞれについて、乾燥後直ちに23℃/65%RHの環境下に移し、1週間静置した後、5cm×5cmのサイズに2枚ずつ切り取り、感熱記録材料の保護層面上に水を1滴滴下し、その上に保護層面同士が接するように同じ感熱記録材料を重ね、3kgの重りで荷重をかけた状態で、23℃/65%RHの環境下で24時間静置した。その後、互いの感熱記録材料を剥離し、保護層同士の貼り付き程度より、耐水性を評価した。評価基準は以下の指標に従った。
◎:保護層面同士が自然に離れる。
○:保護層面同士は付着しているが、容易に剥離できる。
△:保護層面同士が付着し、剥離し難く、一部塗層ごと剥がれる。
×:保護層面同士が付着しており、剥離できない、もしくは剥離時に大半が塗層ごと剥がれる。
[塗液安定性]
各保護層用水性塗液を、23℃/65%RHの環境下で作製後、同環境下で攪拌しながら、塗液がゲル化し、塗工が行えなくなるまでの日数を計測した。
[バリア性]
作製した各感熱記録材料それぞれについて、乾燥後直ちに23℃/65%RHの環境下に移し、24時間静置した後、保護層面上をトルエン4部、酢酸エチル6部の割合で混合した溶剤を5ml染み込ませた布で5回弱い力で擦り、処理後に感熱記録材料表面に生じる発色の度合いを評価した。評価基準は以下の指標に従った。
◎:発色しない。
○:ほとんど発色しない。
△:発色するが、溶剤の接触から発色まで時間がかかる。
×:溶剤の接触により即座に発色する。
[スティッキング性]
作製した各感熱記録材料それぞれについて、乾燥後直ちに23℃/65%RHの環境下に移し、1週間静置した後、ハンディーターミナルプリンタ〔キヤノン製:PREA CT−1〕を用いて、23℃/65%RHの環境下で各々テスト印字を行い、そのときの白い横筋状の印字抜け及びスティッキング音を評価した。評価基準は以下の指標に従った。
◎:印字抜けが生じず、スティッキング音が小さい。
○:印字抜けは生じないが、スティッキング音が大きい。
△:印字抜けが所々生じ、スティッキング音も大きい。
×:印字抜けが激しく生じ、スティッキング音も大きい。
[発色感度]
作製した各感熱記録材料それぞれについて、乾燥後直ちに23℃/65%RHの環境下に移し、1週間静置した後、印字テスト機〔大倉電気製:TH−PMD〕を用いて、ドット密度8ドット/mm、ヘッド抵抗1510Ωのサーマルヘッドを使用し、ヘッド電圧21V、パルス幅1.0msec、及び1.4msecで通電して印字した。各印字濃度を、反射濃度計〔グレタグマクベス製:RD−191〕を用いて評価した。評価基準は以下の指標に従った。
◎:パルス幅1.0msecで得られた画像部の反射濃度が1.2以上。
○:パルス幅1.0msecで得られた画像部の反射濃度が1.2未満、且つパルス幅1.4msecで得られた画像部の反射濃度が1.2以上。
△:パルス幅1.4msecで得られた画像部の反射濃度が1.2未満。
×:発色しない。
[白色度]
作製した各感熱記録材料それぞれについて、乾燥後直ちに23℃/65%RHの環境下に移し、1週間静置した後、分光式白度計〔日本電色工業製:PF−10〕を用いて評価した。評価基準は以下の指標に従った。
◎:白色度95以上。
○:白色度90以上95未満。
△:白色度85以上90未満。
×:白色度85未満。
Figure 0005258062
Figure 0005258062
Figure 0005258062
Figure 0005258062
表1〜4から分かるように、実施例1〜23は比較例1に比べ、塗液安定性に優れる。前者は、保護層用水性塗液に揮発性アミンであるアンモニア水溶液を添加している。
実施例1〜23は、比較例2、3に比べ耐水性、耐水化速度に優れる。前者は、保護層中にアレニウス酸である乳酸または塩酸を含有している。
表1から分かるように、実施例2〜6は、実施例1に比べ耐水化速度に優れる。前者は、形成される保護層の表面pHを6未満にしている。
実施例3〜6は実施例1、2に比べ、塗液安定性に優れる。前者は、保護層用水性塗液のpHを7以上にしている。
実施例4は実施例3に比べ、塗液安定性に優れる。前者は、保護層用水性塗液のpHを8以上にしている。
実施例5は実施例4に比べ、塗液安定性に優れる。前者は、保護層用水性塗液の作製に際し、アレニウス酸水溶液、アンモニア水溶液、架橋剤をこの順に添加している。
実施例6は実施例3〜5に比べ、塗液安定性に劣る。前者は、保護層用水性塗液の作製に際し、架橋剤、アレニウス酸水溶液、アンモニア水溶液をこの順に添加している。
表1、2から分かるように、実施例7〜12は実施例1〜6に比べ、耐水性に優れる。前者は、保護層中にジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有している。
表2から分かるように、実施例8は実施例7に比べ、塗液安定性に優れる。前者は、保護層中に重合度1,000、且つ鹸化度98.5%のジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有している。
実施例9は実施例7、8に比べ、バリア性に優れるが、塗液安定性に劣る。前者は、保護層中に重合度3,000、且つ鹸化度98.5%のジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有している。
実施例10〜12は実施例9に比べ、バリア性がほぼ等しく、塗液安定性に優れる。前者は、保護層中に鹸化度96.5%のジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有している。
実施例11は実施例10に比べ、塗液安定性に優れる。前者は、保護層中に重合度1,700、且つ鹸化度96.5%のジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有している。
実施例12は実施例7〜11に比べ、耐水化速度に優れ、良好な塗液安定性、及びバリア性を示す。前者は、保護層中に重合度1,700、且つ鹸化度96.5%のジアセトン変性ポリビニルアルコール、及びアジピン酸ジヒドラジドを含有している。
表2、3から分かるように、実施例13〜19は実施例7に比べ耐水化速度、及び塗液安定性に優れ、良好な耐水性を示す。実施例13〜19は、保護層用水性塗液の作製に際し、アレニウス酸水溶液、アンモニア水溶液、アジピン酸ジヒドラジドをこの順に添加しており、該保護層用水性塗液のpHは8以上である。また、形成された保護層の表面pHは6未満であり、且つ該保護層中にジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有している。
実施例13、14は実施例15〜18に比べ発色感度に優れる。前者のうち、実施例13は下塗り層中に有機中空粒子を含有しており、実施例14は感熱記録層中に3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを含有している。
実施例15〜18は実施例13、14に比べ、バリア性に優れる。前者は、保護層中にカオリンを含有している。
実施例16、17は実施例15に比べ、塗液安定性に優れる。前者は、保護層中にアクリル系分散剤を含有している。
実施例17は実施例13〜16に比べ、スティッキング性に優れる。前者は、保護層中に滑剤を含有している。
実施例18は実施例13〜17に比べ、白色度に優れる。前者は、保護層中に蛍光増白剤を含有している。
実施例19は実施例13〜18に比べ、良好な塗液安定性、バリア性、発色感度、スティッキング性、白色度を示す。前者は、下塗り層中に有機中空粒子を含有し、且つ保護層中にカオリン、アクリル系分散剤、滑剤、及び蛍光増白剤を含有している。
表2、4から分かるように、実施例20は実施例7に比べ、耐水化速度に優れるが、耐水性、及び塗液安定性に劣る。前者はアレニウス酸に無機酸を用いており、後者はヒドロキシ酸を用いている。
実施例21は実施例7に比べ、耐水化速度に優れる。前者は、支持体に感熱記録層を設ける側の表面pHが酸性を示す上質紙を用いている。
実施例22は実施例12に比べ、耐水化速度に劣る。前者は、支持体に感熱記録層を設ける側の表面pHが塩基性を示す上質紙を用いている。
実施例23は実施例7に比べ、耐水化速度、及びバリア性に優れる。前者は、保護層をエアナイフ塗工により形成している。
実施例24は実施例7に比べ、耐水化速度に優れるが、塗液安定性に劣る。前者は中和塩を用いており、後者はアレニウス酸と揮発性アミンを用いている。
本発明によって、迅速な耐水化速度を持ち、より高い耐水性を示し且つ塗液の優れた安定性による安定生産が可能な感熱記録材料を提供することができる。

Claims (22)

  1. 支持体上に、熱により発色する感熱記録層及びその保護層をこの順に設けた感熱記録材料において、前記保護層がポリビニルアルコール、架橋剤、顔料、アレニウス酸、及び揮発性アミンを含んだpH7が以上である水性塗液の状態で前記感熱記録層上に塗工、乾燥して得られることを特徴とする感熱記録材料。
  2. 前記保護層を設けた面の乾燥後の表面pHが6未満である請求項1記載の感熱記録材料。
  3. 前記水性塗液のpHが8以上である請求項1または2記載の感熱記録材料。
  4. 前記水性塗液が、アレニウス酸、揮発性アミン、架橋剤をこの順に添加して作製されたものであり、且つアレニウス酸添加後のpHが6未満であり、揮発性アミン添加後のpHが7以上である請求項1〜のいずれかに記載の感熱記録材料。
  5. 前記ポリビニルアルコールが、ジアセトン変性ポリビニルアルコールである請求項1〜のいずれかに記載の感熱記録材料。
  6. 前記ジアセトン変性ポリビニルアルコールの重合度が、500以上4,000未満であり、且つ鹸化度が80%以上98%未満である請求項記載の感熱記録材料。
  7. 前記架橋剤が、アジピン酸ジヒドラジドである請求項1〜のいずれかに記載の感熱記録材料。
  8. 前記感熱記録層と支持体との間に少なくとも1層の下塗り層を有し、且つ該下塗り層が有機中空粒子を含有する請求項1〜のいずれかに記載の感熱記録材料。
  9. 前記感熱記録層中に通常無色ないし淡色の染料前駆体を含有し、且つ該染料前駆体が、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン及び3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン及び3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン及び3−(N−エチル−4−メチルフェニル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン及び3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−メチルフェニルアミノ)フルオランのうちの少なくとも1つである請求項1〜のいずれかに記載の感熱記録材料。
  10. 前記保護層中の顔料が、カオリンである請求項1〜のいずれかに記載の感熱記録材料。
  11. 前記保護層が、顔料の分散剤としてアクリル系分散剤を含有する請求項1〜10のいずれかに記載の感熱記録材料。
  12. 前記保護層が、更に滑剤を含有する請求項1〜11のいずれかに記載の感熱記録材料。
  13. 前記保護層が、蛍光増白剤を含有する請求項1〜12のいずれかに記載の感熱記録材料。
  14. 該アレニウス酸が、ヒドロキシ酸類であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の感熱記録材料。
  15. 前記支持体の感熱記録層を設ける側の表面pHが7未満である請求項1〜14のいずれかに記載の感熱記録材料。
  16. 前記支持体の感熱記録層を設ける側と反対側の面上に、バックコート層を有する請求項1〜15のいずれかに記載の感熱記録材料。
  17. 前記支持体の感熱記録層を設ける側と反対側の面上に、粘着剤層を有する請求項1〜16のいずれかに記載の感熱記録材料。
  18. 前記支持体の感熱記録層を設ける側と反対側の面上に、剥離紙を有する請求項17記載の感熱記録材料。
  19. 前記支持体の感熱記録層を設ける側と反対側の面上に、磁気記録層を有する請求項1〜18のいずれかに記載の感熱記録材料。
  20. 支持体上に、熱により発色する感熱記録層及びその保護層をこの順に設けた感熱記録材料の製造方法において、前記保護層がポリビニルアルコール、架橋剤、顔料、アレニウス酸及び揮発性アミンを含有し、且つ少なくともアレニウス酸、揮発性アミン、架橋剤をこの順に添加して作製した水性塗液を前記感熱記録層上に塗工、乾燥することを特徴とする感熱記録材料の製造方法。
  21. 前記水性塗液が、アレニウス酸添加後のpHが6未満であり、揮発性アミン添加後のpHが7以上である請求項20記載の感熱記録材料の製造方法。
  22. 前記水性塗液を、エアナイフを用いて感熱記録層上に塗工する請求項20または21記載の感熱記録材料の製造方法。
JP2009534465A 2007-09-28 2008-09-29 感熱記録材料及びその製造方法 Active JP5258062B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009534465A JP5258062B2 (ja) 2007-09-28 2008-09-29 感熱記録材料及びその製造方法

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007253948 2007-09-28
JP2007253948 2007-09-28
JP2008198106 2008-07-31
JP2008198106 2008-07-31
PCT/JP2008/068121 WO2009041744A1 (ja) 2007-09-28 2008-09-29 感熱記録材料及びその製造方法
JP2009534465A JP5258062B2 (ja) 2007-09-28 2008-09-29 感熱記録材料及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009041744A1 JPWO2009041744A1 (ja) 2011-01-27
JP5258062B2 true JP5258062B2 (ja) 2013-08-07

Family

ID=40511612

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009534465A Active JP5258062B2 (ja) 2007-09-28 2008-09-29 感熱記録材料及びその製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8062994B2 (ja)
JP (1) JP5258062B2 (ja)
DE (1) DE112008002571B4 (ja)
WO (1) WO2009041744A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5621388B2 (ja) 2009-08-05 2014-11-12 株式会社リコー 感熱記録材料
JP5966595B2 (ja) * 2012-05-16 2016-08-10 株式会社リコー 感熱記録材料の製造方法
JP5900359B2 (ja) * 2013-01-17 2016-04-06 王子ホールディングス株式会社 感熱記録体
US10053597B2 (en) 2013-01-18 2018-08-21 Basf Se Acrylic dispersion-based coating compositions
EP3474073B1 (en) * 2017-10-17 2022-12-07 Agfa Offset Bv A method for making a printing plate

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002127601A (ja) * 2000-10-20 2002-05-08 Oji Paper Co Ltd 感熱記録体
JP2005335295A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Nippon Paper Industries Co Ltd 感熱記録体
JP2006082373A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Ricoh Co Ltd 感熱記録材料
JP2007230233A (ja) * 2006-02-03 2007-09-13 Ricoh Co Ltd 感熱記録材料及びその製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69810217T2 (de) * 1997-08-25 2003-11-06 Oji Paper Co., Ltd. Wärmeempfindliches Aufzeichnungsmaterial
JP4041585B2 (ja) 1998-07-06 2008-01-30 日本酢ビ・ポバール株式会社 感熱記録用材料およびその製造方法
EP1211094B8 (en) * 2000-12-04 2007-06-13 FUJIFILM Corporation Thermal recording material
JP4221163B2 (ja) * 2001-03-23 2009-02-12 株式会社リコー 感熱記録材料及びその製造方法
JP2003182235A (ja) * 2001-12-20 2003-07-03 Fuji Photo Film Co Ltd 感熱記録材料
US20070184978A1 (en) * 2006-02-03 2007-08-09 Shinji Takano Thermosensitive recording material and method of producing the same

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002127601A (ja) * 2000-10-20 2002-05-08 Oji Paper Co Ltd 感熱記録体
JP2005335295A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Nippon Paper Industries Co Ltd 感熱記録体
JP2006082373A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Ricoh Co Ltd 感熱記録材料
JP2007230233A (ja) * 2006-02-03 2007-09-13 Ricoh Co Ltd 感熱記録材料及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20110053769A1 (en) 2011-03-03
DE112008002571T5 (de) 2010-08-12
US8062994B2 (en) 2011-11-22
JPWO2009041744A1 (ja) 2011-01-27
WO2009041744A1 (ja) 2009-04-02
DE112008002571B4 (de) 2016-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2011122552A1 (ja) 感熱記録材料およびその製造方法
JP2012187849A (ja) 感熱記録材料
EP1844947A1 (en) Thermosensitive recording medium
JP5258062B2 (ja) 感熱記録材料及びその製造方法
JP5271361B2 (ja) 感熱記録材料及びその製造方法
JP4526396B2 (ja) 感熱記録材料
JP4943968B2 (ja) 感熱記録材料
JP2005262549A (ja) 感熱記録材料
JP2009214422A (ja) 感熱記録材料
JP2015083391A (ja) 感熱記録材料の製造方法
JP2007112043A (ja) 感熱記録材料
JP2010036419A (ja) 感熱記録材料
JP2009113438A (ja) 感熱記録材料
JP2011218721A (ja) 感熱記録材料
JP2012196853A (ja) 感熱記録材料
JP2008238507A (ja) 感熱記録材料
JP2005262714A (ja) 感熱記録材料
JP2010058307A (ja) 感熱記録材料
JP5616085B2 (ja) 感熱記録材料及びその製造方法
JP3060634B2 (ja) 感熱記録体
JP2003175671A (ja) 感熱記録材料
JP2009154464A (ja) 感熱記録材料
JP2008188832A (ja) 感熱記録材料
JP4299166B2 (ja) 感熱記録材料
JP2007111870A (ja) 感熱記録材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130417

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130419

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160502

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5258062

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250