JP4299166B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

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Description

本発明は感熱記録材料に関し、特に、画像部及び非画像部の耐光保存性に優れた感熱記録材料に関するものである。
感熱記録材料は一般に、支持体上に電子供与性の無色ないし淡色の染料前駆体(以下、ロイコ染料ともいう)と電子受容性の顕色剤とを主成分とする感熱記録層を設けたものであり、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱する事により、染料前駆体と顕色剤とが瞬時反応し記録画像が得られる。
このような感熱記録材料は、比較的簡単な装置で記録が得られ、保守が容易な事、騒音の発生が小さい事などの利点があり、計測記録計、ファクシミリ、プリンター。コンピューターの端末機、乗車券の自動販売機などの広範囲な分野に利用されている。特に近年は、ガス、水道、電気料金等の領収書、金融機関のATMの利用明細書、レシート、ポスター、ラベル、カード等にも用いられて、そのニーズは大きく拡大している。
このように感熱記録材料の用途、需要が多種多様に拡大する中、屋外での使用による太陽光、あるいは屋内での使用においても、窓越しの太陽光や蛍光灯等の室内光に対し、画像部または非画像部(以下、地肌とも言う)の耐光保存性が要求されるようになっている。即ち、光に長時間曝されても地肌の変色や画像の退色が小さい感熱記録材料が要望されている。
感熱記録材料の耐光保存性を向上するために、紫外線吸収剤を含有させる事が提案されており、その中でも特にベンゾトリアゾール化合物を含有させる事が提案されている。しかしながら、これらのベンゾトリアゾール化合物の多くは、融点が100℃前後であり、高い結晶性、昇華性を有しているため、その融点近くでの環境下での使用や、長期間の保存においてベンゾトリアゾール化合物の蒸散、結晶化もしくはブリードアウトが起こり、十分な紫外線吸収性能を発揮する事ができないという問題が起こる。更に、結晶化やブリードアウトによる紫外線吸収性能の低下を補うため、大量の紫外線吸収剤を含有させ、その耐光保存性を向上させる方法もあるが、ブリードアウトした紫外線吸収剤で感熱記録材料の表面が粉吹き状態になったり、またサーマルヘッドに紫外線吸収剤が付着して印字障害が生じる場合があった。また、有機溶剤への溶解性が高いために、可塑剤や油などと接触すると、非画像部の汚れ(以下、地肌カブリとも言う)が生じたり、記録画像が退色したりするなどの問題があった。
一方、1分子中に2個のベンゾトリアゾール骨格を有する特定のビスベンゾトリアゾール化合物を、感熱記録層中やその上層に設けた保護層中に含有させ、ブリードアウトや地肌カブリ等の問題を改善する事が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。また、本出願人らも可逆感熱記録材料ではあるが、イソシアネート化合物と反応し架橋しうる紫外線吸収剤として特定のビスベンゾトリアゾール化合物を提案した(例えば、特許文献5)。これらビスベンゾトリアゾール化合物が有する紫外線吸収能力を得るためには、ビスベンゾトリアゾール化合物が微粒子化した状態で感熱記録層中や保護層中に存在する必要がある。しかしながら、これらビスベンゾトリアゾール化合物は非常に高い結晶性を有しているため、分散等の微粒子化工程において凝集や増粘などが起こる事がある。また、このように分散性が悪いと、感熱記録材料の透明性及び光沢性が低下(感熱記録材料が透過材料の場合はそのヘイズ度が増大)し、光沢ムラが生じる等の問題があった。
特許第3313835号公報 特開平8−248664号公報 特開平9−142019号公報 特開2000−263943号公報 特開2001−30630号公報
本発明の課題は、特に日光、蛍光灯に長時間曝された場合にも、画像部の退色及び非画像部の変色が防止された優れた耐光保存性を有し、且つ地肌カブリが無く、耐薬品性にも優れた感熱記録材料を提供する事を課題とする。
本発明者らは、無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤とを含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料において、鋭意検討をした結果、ある特定の結晶型を有するビスベンゾトリアゾール化合物を紫外線吸収剤として用いる事により、上記の課題を解決出来る事を見出し、本発明に至った。
即ち、上記課題に対して、本発明の(1)「支持体上に無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤とを含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料において、該感熱記録層中にCu−Kα線による粉末X線回折法によるブラッグ角(2θ±0.2°)が6.1°、11.3°、12.2°及び18.9°にピークを示し、12.2°または18.9°の何れかのピークが最大ピークとなるX線回折図により特徴づけられる結晶型である2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]を紫外線吸収剤として含有させる事を特徴とする感熱記録材料」によって達成される。
また、上記課題に対して、本発明の(2)「支持体上に無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤とを含有する感熱記録層及びこの層より上に一層以上の保護層を設けた感熱記録材料において、該保護層の一層以上にCu−Kα線による粉末X線回折法によるブラッグ角(2θ±0.2°)が6.1°、11.3°、12.2°及び18.9°にピークを示し、12.2°または18.9°の何れかのピークが最大ピークとなるX線回折図により特徴づけられる結晶型である2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]を紫外線吸収剤として含有させる事を特徴とする感熱記録材料」によって達成される。
また、上記課題に対して、本発明の(3)「支持体上に無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤とを含有する感熱記録層と、該感熱記録材料を設けた支持体の裏面に一層以上のバックコート層を設けた感熱記録材料において、該バックコート層の何れか一層以上にCu−Kα線による粉末X線回折法によるブラッグ角(2θ±0.2°)が6.1°、11.3°、12.2°及び18.9°にピークを示し、12.2°または18.9°の何れかのピークが最大ピークとなるX線回折図により特徴づけられる結晶型である2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]を紫外線吸収剤として含有させる事を特徴とする前記第(1)項1または第(2)項に記載の感熱記録材料」によって達成される。
本発明によれば、特に日光、蛍光灯に長時間曝された場合にも、画像部の退色及び非画像部の変色が防止された優れた耐光保存性を有し、且つ地肌カブリが無く、耐薬品性にも優れた感熱記録材料が提供される。
以下、本発明の感熱記録材料について詳しく説明する。本発明に用いられる2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]は、合成時の晶析方法により、いくつかの結晶型を有しており、各々の結晶型はCu−Kα線による粉末X線回折法において、X線回折スペクトルを測定する事に特徴づけられる。
粉末X線回折法の測定条件は次の通りである。
装置名 :理学電機製X線回折装置RAD−Cシステム
X線管球 :Cu
管電圧 :40.0kV
管電流 :30.0mA
走査角度 :1.0〜40.0deg
走査速度 :3.0deg/分
ステップ角度:0.01deg
スリット :DS 1,RS 0.3,SS 1
図1は、ブラッグ角(2θ)が6.1°、11.3°、12.2°及び18.9°に中間強度のピークを示す結晶型AのX線回折スペクトルである。
図2は、ブラッグ角(2θ)が7.6°及び13.2°に強いピークを示す結晶型BのX線回折スペクトルである。
なお、ブラッグ角(2θ)において±0.2°の誤差は許容されるものとする。
これらX線回折スペクトルは2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]の各結晶型を明確に示しいる。2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]の各結晶型は、通常は何れも淡い黄色粉末状態であり、肉眼で見ただけでは、どの結晶型なのか識別する事は困難であるが、得られた結晶をX線回折スペクトルを測定する事によって判別する事が出来る。
本発明に用いられる2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]は、結晶型AのX線回折スペクトルを示すものが好ましい。なお、この結晶型は、分散等の微粒子化工程においてピーク強度は変化するものの、その結晶型は変化せずに保持される。
本発明に用いられる2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]の使用量は、要求される性能及び記録適性、無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体や電子受容性顕色剤の種類や量によっても変わるため、特に限定されるものではないが、感熱記録層に含有させる場合は、電子供与性染料前駆体に対して1〜1000質量%、好ましくは5〜500質量%が使用され、保護層あるいはバックコート層に含有させる場合は、層を構成する総固形分に対して1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%である。
2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]は単独で使用できるが、必要に応じて、本発明における感熱記録材料の好ましい特性を損なわない範囲で、光安定化剤を併用してもよい。光安定化剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素の消光剤、スーパーオキシドアニオンの消光剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2′−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4′−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ヘプトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−3,6−ジクロロ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−3,6−ジクロロ−4−エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メチルアクリルオキシ)プロポキシベンゾフェノンなどのべンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシ)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5−エトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、カルボキシルフェニルサリシレート、メチルフェニルサリシレート、ドデシルフェニルサリシレートなどのサルチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤、あるいはp−メトキシベンジリデンマロン酸ジメチルエステル、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、3,5−ジ−tert−ブチル−p−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等がある。
酸化防止剤、老化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、スチレン化フェノール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビスフェノール、2,6−ビス(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス−[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタン、パラヒドロキシフェニル−3−ナフチルアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、チオビス(β−ナフトール)、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンズイミダゾール、アルドール−2−ナフチルアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ジラウリル−3,3′チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、トリス(4−ノニルフェノール)ホスファイト等がある。
一重項酸素の消光剤としては、カロテン類、色素類、アミン類、フェノール類、ニッケル錯体類、スルフィド類等があるが、例えば、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、β−カロテン、1,3−シクロヘキサジエン、2−ジエチルアミノメチルフラン、2−フェニルアミノメチルフラン、9−ジエチルアミノメチルアントセン、5−ジエチルアミノメチル−6−フェニル−3,4−ジヒドロキシピラン、ニッケルジメチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−o−エチルホスホナート、ニッケル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−o−ブチルホスホナート、ニッケル[2,2′−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)](n−ブチルアミン)、ニッケル[2,2′−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)](2−エチルヘキシルアミン)、ニッケルビス[2,2′−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)]、ニッケルビス[2,2′−スルホンビス(4−オクチルフェノラート)]、ニッケルビス(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル−N−n−ブチルアルドイミン)、ニッケルビス(ジチオベンジル)、ニッケルビス(ジチオビアセチル)等があるが、これらの例が本発明を限定するものではない。また、これらは単独、あるいは2種以上併用して使用する事ができる。
本発明における電子受容性顕色剤としては、感熱記録材料に用いられる酸性物質に代表される。例えば、フェノール性化合物、芳香族カルボン酸誘導体、N,N′−ジアリールチオ尿素誘導体、アリールスルホニル尿素誘導体、有機化合物の亜鉛塩などの多価金属塩を挙げることができる。
具体的な例を挙げれば次の通りである。すなわち、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスルホン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、4−ヒドロキシ−4′−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ジ−〔2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,3−ジ−〔2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,4−ジ−〔2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、4,4′−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、N,N′−ジフェニルチオ尿素、N−(4−メチルフェニルスルホニル)−N′−フェニル尿素、サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリド、サリチル酸、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4−[2′−(4−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸あるいはこれらサリチル酸誘導体の金属塩等、
4,4′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4,4′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニル尿素等の特開平7−47772号公報、特開平7−149050号公報、特開平10−44618号公報記載の尿素誘導体、N−(3−スルホニルアミノフェニル)−N′−フェニルウレア、N−(4−スルホニルアミノフェニル)−N′−フェニルウレア等の特開平7−304727号公報、特開平10−315634号公報、特開平11−170706号公報記載の尿素誘導体、N−ベンゼンスルホニル−p−(フェニルウレイン)ベンズアミド、N−ベンゼンスルホニル−p−(フェニルチオウレイレン)ベンズアミド、N−フェニル−N′−(p−ベンゾイルアミノスルホニル)フェニルウレア、N−フェニル−N′−(p−ベンゾイルアミノスルホニル)フェニルチオウレア等、特開平10−315634号公報、特開平11−208123号公報記載の尿素誘導体、3−(フェニルカルバモイルスルファモイル)カルバニリド、3−(フェニルカルバモイルスルファモイル)チオカルバニリド、2−(フェニルカルバモイルスルファモイル)カルバニリド、2−(フェニルカルバモイルスルファモイル)チオカルバニリド、4−(フェニルカルバモイルスルファモイル)カルバニリド、4−(フェニルカルバモイルスルファモイル)チオカルバニリド、N−(3−(N′−メチルチオウレイド)フェニルスルホニル)−N′−フェニルウレア等の特開平11−245524号公報、特開平11−254836号公報、特開平11−263067号公報記載の尿素誘導体、4,4′−ビス(2−(フェニルカルバモイルアミノ)フェニル)スルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4,4′−ビス(4−(フェニルカルバモイルアミノ)フェニル)スルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等、特開平11−263071号公報記載の尿素誘導体、特開平11−198528号公報、特開平11−198533号公報、特開平11−227327号公報記載のイソシアナートアダクト体化合物等を挙げることができる。また、これらの電子受容性化合物は必要に応じて単独、或いは二種以上併用して使用することができる。
また、一般的な有機溶剤対して不溶または難溶性のフェノール性化合物及び有機ホスホン酸化合物を用いても良い。
具体的な例を挙げれば次の通りである。すなわち、N−n−オクタデシル−(p−ヒドロキシ)ベンズアミド、N−n−オクタデシル−2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、N−n−オクタデシル−3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、N−n−オクタデシル−6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサンアミド、N−n−オクタデシル−p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンズアミド、p−ヒドロキシ−n−オクタデカンアニリド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−n−オクタデカンアミド、p−(p′−ヒドロキシ)フェニル−n−オクタデカンアニリド、N−(p−ヒドロキシ)フェニル−N′−n−オクタデシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]カルバミン酸−n−オクタデシル、N−n−オクタデシルカルバミン酸−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−オクタデカノイルアミン、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−オクタデカノイルアミン、N−(p−ヒドロキシベンゾイル)−N′−n−ドコシルヒドラジン、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−p−ヒドロキシフェニル−N´−n−オクタデシルオキサミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N´−n−テトラデシルオキサミド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル]−N´−n−オクタデシルオキサミド、N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピル]−N´−n−オクタデシルオキサミド、等、
N−n−オクタデシル−2−(p−ヒドロキシフェノキシ)アセトアミド、N−n−オクタデシル−3−(p−ヒドロキシフェノキシ)プロパンアミド、N−n−オクタデシル−6−(p−ヒドロキシフェノキシ)ヘキサンアミド、N−n−デシル−11−(p−ヒドロキシフェノキシ)ウンデカンアミド、N−n−オクタデシル−p−(p−ヒドロキシフェノキシ)ベンズアミド、N−(p−ヒドロキシフェノキシ)メチル−n−オクタデカンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェノキシ)エチル]−n−オクタデカンアミド、N−[p−(p−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]−n−オクタデカンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェノキシ)エチル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[2−(3,4−ジヒドロキシフェノキシ)エチル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[6−(p−ヒドロキシフェノキシ)ヘキシル]−N′−n−デシル尿素、N−[10−(p−ヒドロキシフェノキシ)デシル]−N′−n−デシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェノキシ)エチル]カルバミン酸−n−オクタデシル、N−[p−(p−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]カルバミン酸−n−ドデシル、N−n−オクタデシルカルバミン酸−[2−(p−ヒドロキシフェノキシ)エチル]、N−[2−(p−ヒドロキシフェノキシ)アセト]−N′−n−ドデカノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェノキシ)アセト]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェノキシ)プロピオノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェノキシ)プロピオノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェノキシ)ヘキサノ]−N′−n−テトラデカノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェノキシ)ヘキサノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェノキシ)ヘキサノ]−N′−(p−n−オクチルベンゾ)ヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェノキシ)ウンデカノ−N′−n−ドデカノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェノキシ)ウンデカノ−N′−n−テトラデカノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェノキシ)ウンデカノ−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェノキシ)エチル]−N′−n−テトラデシルオキサミド、N−[3−(p−ヒドロキシフェノキシ)プロピル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェノキシ)プロピル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−[11−(p−ヒドロキシフェノキシ)ウンデシル]−N′−n−デシルオキサミド等、
(N−n−オクタデカノイル)グリシン−2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルアミド、(N−n−テトラデカノイル)グリシン−2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルアミド、N−(p′−ヒドロキシベンジリデン)−N′−オクタデシルアミノカルボニルエチレンジアミン、N−(p′−ヒドロキシベンジリデン)−N′−オクタデシルアミノカルボニルテトラメチレンジアミン、N−(p′−ヒドロキシベンジリデン)−N′−オクタデカノイルエチレンジアミン、1−(p′−ヒドロキシベンジリデン)−4−オクタデシルセミカルバジド、1−(p′−ヒドロキシベンジリデン)−4−オクタデカノイルヒドラジド、(N−n−オクタデカノイル)−β−アラニン−2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−6−(n−オクタデカノイルアミノ)−n−ヘキサン酸アミド、[N−(p−ヒドロキシフェニル)−6−(N−オクタデシルカルバモイル)アミノ]ヘキサンアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)−3−(n−オクタデカノイルアミノ)プロパンアミド、N−[5−(p−ヒドロキシフェニル)カルバモイル]ペンタノ−N′−(n−オクタデカノ)ヒドラジド、N−{5−[N−(4−ヒドロキシフェニル)カルバモイル]ペンチル}−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−(n−オクタデシル)−N′−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン−1,6−ジアミド等、
ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、α−ヒドロキシテトラデシルホスホン酸、α−ヒドロキシルヘキサデシルホスホン酸、α−ヒドロキシオクタデシルホスホン酸、α−ヒドロキシエイコシルホスホン酸、α−ヒドロキシテトラコシルホスホン酸等を挙げることができる。また、これらの電子受容性化合物は必要に応じて単独、或いは二種以上併用して使用することができる。
無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体に対する電子受容性顕色剤の使用量は、5〜5000質量%、好ましくは10〜3000質量%である。
本発明に用いられる無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体としては一般に感圧記録紙や感熱記録紙等に用いられる公知な化合物に代表されるが、特に制限されるものではない。具体的な例としては、例えば下記に挙げるものなどがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)トリアリールメタン系化合物
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,7−ジアザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−7−アザフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−4−アザフタリド等。
(2)ジフェニルメタン系化合物
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等。
(3)キサンテン系化合物
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェノキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等、
(4)チアジン系化合物
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等。
(5)スピロ系化合物
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等が挙げられるが、前記無色ないし淡色の染料前駆体は単独でも、或いは2種以上を併用して使用する事ができる。
本発明の感熱記録材料を構成する感熱記録層は、その熱応答性を向上させるために、熱可融性物質を含有させることができる。この場合、60℃〜180℃の融点を持つものが好ましく、特に80℃〜140℃の融点を持つものがより好ましく用いられる。
具体的な例としては、ステアリン酸アミド、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、N−ステアリル尿素、ベンジル−2−ナフチルエーテル、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、α、α′−ジフェノキシキシレン、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル、アジピン酸ジフェニル、蓚酸ジベンジル、蓚酸ジ(4−クロルベンジル)エステル、蓚酸ジ(4−メチルベンジル)エステル、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、ベンゼンスルホン酸フェニルエステル、ビス(4−アリルオキシフェニル)スルホン、4−アセチルアセトフェノン、アセト酢酸アニリド類、脂肪酸アニリド類、等公知の熱可融性物質が挙げられる。これらの化合物は単独、或いは二種以上併用して使用することもできる。また、十分な熱応答性を得るためには、感熱記録層の総固形分中、熱可融性物質が5〜50重量%を占めることが好ましい。
本発明における感熱記録材料の製造方法の具体例としては、各成分を支持体上に塗布して感熱記録層を形成する方法が挙げられる。各成分を感熱記録層に含有させるための塗工液作製方法としては、各々の化合物を単独で溶媒に溶解もしくは分散媒に分散してから混合する方法、各々の化合物を混ぜ合わせてから溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法、各々の化合物を加熱溶解し均一化した後冷却し、溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。分散時には必要なら分散剤を用いてもよい。水を分散媒として使う場合の分散剤としてはポリビニルアルコール等の水溶性高分子や各種の界面活性剤が利用できる。水系の分散の際は、エタノール等の水溶性有機溶媒を混合してもよい。この他に炭化水素類に代表される有機溶媒が分散媒の場合は、レシチンや燐酸エステル類等を分散剤に用いてもよい。
また、感熱記録層の強度を向上する等の目的でバインダー樹脂を感熱記録層中に添加する事も可能である。バインダー樹脂の具体例としては、ポリビニルアルコール、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/マレイン酸共重合体、塩化ビニル/アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン/塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、各種ポリエステル、各種ポリアミド、各種ポリアクリル酸エステル、各種ポリメタクリル酸エステル、アクリレート/メタクリレート共重合体、シリコーン樹脂、ニトロセルロース、ポリプロピレン、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、エチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、尿素−ホルマリン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、ポリオール樹脂、あるいはイソシアネート系の架橋剤で硬化されたポリオール樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
最近になって、プリペイドカード、ストアドカードといった付加価値の高い感熱記録材料が用いられる事が多くなり、それに伴い、耐熱性、耐水性、更に接着性といった高耐久品が要求されるようになってきている。このような要求に対しては、硬化性樹脂は特に好ましく、硬化性樹脂としては、例えば熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂を適用する場合は架橋剤を含む液を塗工、成膜した後に熱により架橋させて用いる。熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、尿素樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びポリオール樹脂等が挙げられる。またこれらの熱硬化性樹脂に使用される硬化剤は、有機酸類、アミン類、イソシアネート類、エポキシ類、フェノール類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電子線及び硬化線樹脂に用いられるモノマーとしては、アクリル系に代表される単官能性モノマー、二官能モノマー、多官能モノマー等が挙げられるが、特に紫外線架橋の際には光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。
本発明における可逆性感熱記録材料に用いられる支持体としては、紙、各種不織布、織布、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン等の合成樹脂フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂をラミネートした紙、合成紙、金属箔、ガラス等、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いる事が出来るが、これらに限定されるものではなく、これらは不透明、半透明あるいは透明のいずれであってもよい。地肌を白色その他の特定の色に見せるために、白色顔料や有色染顔料や気泡を支持体中または表面に含有させてもよい。特にフィルム類等水性塗布を行う場合で支持体の親水性が小さく感熱記録層の塗布困難な場合は、コロナ放電等による表面の親水化処理やバインダーに用いるのと同様の水溶性高分子類を、支持体表面に塗布するなどの易接着処理してもよい。
本発明における感熱記録材料の層構成は、感熱記録層のみであってもよい。必要に応じて、感熱記録層上に保護層を設ける事もまた、感熱記録層と支持体の間に水溶性高分子や白色ないし有色染顔料や中空粒子のいずれか1つ以上を含む中間層を設ける事も出来る。この場合、保護層及び/または中間層は2層ないしは3層以上の複数の層から構成されていてもよい。感熱記録層も各成分を一層ずつに含有させたり層別に配合比率を変化させたりして2層以上の多層にしてもよい。更に、感熱記録層中及び/または他の層及び/または感熱記録層が設けられている面と反対側の面に、電気的、光学的、磁気的に情報が記録可能な材料を含んでもよい。また、感熱記録層が設けられている面と反対側の面に紫外線遮蔽、ブロッキング防止、カール防止、帯電防止を目的としてバックコート層を設ける事も出来る。
さらに、本発明の感熱記録層上に設ける中間層あるいは保護層、または裏面のバックコート層を形成する材料としては、水溶性高分子、ラテックス類、重合性化合物、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂等がある。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、メタアクリル酸エステル、アクリル酸オリゴマ−、アクリル酸エステルオリゴマ−、エチレン性不飽和結合を有するポリアクリレート系化合物等が挙げられる。また必要に応じて、エポキシ化合物、尿素誘導体、ビニル化合物等の架橋剤、リン酸系、スルホン酸系、ポリアミド系、アミン系等の硬化剤等を添加することができる。必要であれば、保護層、中間層あるいはバックコート層が、2層ないしは3層以上の複数の層から構成されていてもよい。
なお、本発明における各層を支持体上に積層し感熱記録材料を形成する方法は特に制限されるものではなく、従来公知の技術により形成する事が出来る。例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター等の塗抹装置、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等を用いる事が出来る。更に通常の乾燥工程の他、紫外線照射または電子線照射により各層を保持させる事が出来る。これらの方法により、1層ずつあるいは多層同時に塗布、印刷することができる。
感熱記録層は、各成分を微粉砕して得られる各々の分散液を混合し、支持体上に塗布乾燥する方法、各成分を溶媒に溶解して得られる各々の溶液を混合し、支持体上に塗布乾燥する方法などにより得る事が出来る。乾燥条件は水等の分散媒ないし溶媒によっても異なる。この他に各成分を混合し加熱して可融分を溶融し熱時塗布する方法もある。
感熱記録層及び/または保護層及び/または中間層及び/またはバックコート層には、顔料として、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシリカ等の無機顔料、メラミン樹脂フィラー、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、ポリエチレンパウダー、ナイロンパウダー等の有機顔料を使用することができる。
また、感熱記録層及び/または保護層及び/または中間層及び/またはバックコート層には、ヘッド摩耗防止、スティッキング防止等の目的から、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、パラフィン、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン、カスターワックスなどの滑剤、分散・湿潤剤として、アニオン性、ノニオン性の高分子量のものを含む界面活性剤、更には蛍光染料、消泡剤、レベリング剤等が必要に応じて添加される。
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の部数や百分率は質量基準である。
実施例1
<分散性試験>
結晶型Aである2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]100部、バインダー樹脂として塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイド社製、商品名VYHH)100部、分散媒としてトルエン200部及び2−ブタノン200部と共にペイントコンディショナーで12時間粉砕し、分散液を作製した。得られた分散液を24時間放置した後、厚さ100μmの透明ポリエチレンテレフタレート(以下、透明PET)シートに層形成後の厚さが2μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥してサンプルシートを得た。
比較例1
実施例1で使用した結晶型Aである2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]を結晶型Bである2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]に変更した以外は、実施例1と同様に分散液を作製し、また、サンプルシートを得た。
試験1(粘度1=分散直後の粘度)
実施例1及び比較例1で得た分散直後の分散液を東機産業製B型粘度型を用いて60rpmで測定開始1分後の粘度を測定した。その結果を表1に示す。
試験2(粘度2=分散後、24時間放置後の粘度)
実施例1及び比較例1で得た分散液を24時間放置した後、東機産業製B型粘度型を用いて60rpmで測定開始1分後の粘度を測定した。その結果を表1に示す。
試験3(透明性試験)
実施例1及び比較例1で得たサンプルシートのヘイズを日本電色工業製濁度計(NDH−300A)を用いて測定した。その結果を表1に示す。
試験4
実施例1及び比較例1で得たサンプルシートの塗布面を目視で観察し、下記のレベルで評価した。結果を表1に示す
◎:塗布面が均一であり、凝集物も確認されない。
○:塗布面に微量の凝集物が確認される。
×:塗布面にムラがあり、凝集物が多く確認される。
Figure 0004299166
(1)感熱塗工液の調製
<分散液の調製>
以下の方法により、分散液A〜Eを調製した。
<A液調製>
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン200gを10%スルホン基変性ポリビニルアルコール水溶液200g、水600gの混合物中に分散し、ビーズミルで平均粒子径が1μmになるまで粉砕した。
<B液調製>
4−ヒドロキシ−4′−イソプロピルオキシジフェニルスルホン200gを10%スルホン基変性ポリビニルアルコール水溶液200gと水600gの混合物中に分散し、ビーズミルで平均粒子径が0.7μmになるまで粉砕した。
<C液調製>
結晶型Aである2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]200gを10%スルホン基変性ポリビニルアルコール水溶液200g、水600gの混合物中に分散し、ビーズミルで平均粒子径が0.7μmになるまで粉砕した。
<D液調製>
ベンジル−2−ナフチルエーテル200gを10%スルホン基変性ポリビニルアルコール水溶液200g、水600gの混合物中に分散し、ビーズミルで平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕した。
<E液調製>
水酸化アルミニウム200gを1%ポリアクリル酸ナトリウム塩水溶液200g、水600gの混合物中に分散し、ホモミキサーで10分間攪拌した。
実施例2
(2)感熱記録材料の作製
A液30部、B液70部、C液 10部、D液100部、E液50部、40%ステアリン酸亜鉛分散液10部、10%完全鹸化PVA水溶液40部を混合し、感熱塗工液濃度が15%水溶液になるように添加水を加え、充分撹拌して感熱記録層塗工液を調製した。得られた感熱塗工液をコロナ処理を施した厚さ188μmの白色ポリエチレンテレフタレート(以下、白色PET)に、層形成後の厚さが5μmとなる様に塗布し、80℃で3分乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行い感熱記録材料を作製した。
実施例3
A液調製において、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランの代わりに、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを使用した以外は、実施例2と同様にして感熱記録材料を得た。
実施例4
B液調製において、4−ヒドロキシ−4′−イソプロピルオキシジフェニルスルホンの代わりに、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用した以外は、実施例2と同様にして感熱記録材料を得た。
実施例5
B液調製において、4−ヒドロキシ−4′−イソプロピルオキシジフェニルスルホンの代わりに、4−ヒドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホンを使用した以外は、実施例2と同様にして感熱記録材料を得た。
比較例2
C液調製において、結晶型Aである2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]の代わりに2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールを使用した以外は、実施例2と同様にして感熱記録材料を得た。
比較例3
C液調製において、結晶型Aである2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]の代わりに2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールを使用した以外は、実施例2と同様にして感熱記録材料を得た。
試験5(発色濃度=熱応答性)
実施例2〜5及び比較例2〜3で得た感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧21ボルトの条件で印字した。得られた発色画像と未印字の地肌部の光学濃度を濃度計マクベスRD918を用いて各々測定した。その結果を表2に示す。
試験6(耐光性試験)
印字試験において得た発色画像と未印字の地肌をキセノンアークウェザオメーター(アトラス社製)を用いて、340nmにおける放射照度が0.39W/m2である光を、40℃、相対湿度90%の条件下で24時間照射した。発色画像及び未印字の地肌の光学濃度を濃度計マクベスRD918を用いて各々測定した。発色画像は数値が大きいほど画像保存性に優れ、地肌は数値が小さいほど変色が少なく優れている。その結果を表2に示す。
Figure 0004299166
実施例6
(3)感熱塗工液の作製
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン4部、N−(p−ヒドロキシ)フェニル−N′−n−オクタデシル尿素16部、バインダー樹脂として塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイド社製、商品名VYHH)16部、溶媒としてトルエン80部、メチルエチルケトン80部と共にビーズミルで24時間粉砕して感熱塗工液を作製した。
(4)保護層塗工液の作製
結晶型Aである2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]10部、ポリエステルポリオール樹脂(日本ポリウレタン工業社製、商品名ニッポラン800)20部、溶媒としてトルエン100部、メチルエチルケトン100部と共にビーズミルで48時間粉砕して保護層分散液を作製した。得られた分散液にポリイソシアネート化合物40部(日本ポリウレタン工業社製コロネートL)、保護層塗工液を作製した。
(5)感熱記録材料の作製
(3)で作製した感熱塗工液を厚さ188μmの白色PETシートに、層形成後の厚さが8μmとなる様に塗布し、乾燥後、その上に(4)で作製した保護層塗工液を層形成後の厚さが2μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥後、さらに50℃にて24時間加温し、感熱記録材料を作製した。
実施例7
(6)感熱塗工液の作製
N−(p−ヒドロキシ)フェニル−N′−n−オクタデシル尿素の代わりに、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ドコサノヒドラジドを使用した以外は実施例6の(4)と同様にして感熱塗工液を作製した。
(7)感熱記録材料の作製
(6)で作製した感熱塗工液を厚さ188μmの白色PETシートに、層形成後の厚さが8μmとなる様に塗布し、乾燥後、その上に(4)で作製した保護層塗工液を層形成後の厚さが2μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥後、さらに50℃にて24時間加温し、感熱記録材料を作製した。
実施例8
(8)感熱塗工液の作製
N−(p−ヒドロキシ)フェニル−N′−n−オクタデシル尿素の代わりに、N−[11−(p−ヒドロキシフェノキシ)ウンデカノ−N′−n−ドデカノヒドラジドを使用した以外は実施例6の(4)と同様にして感熱塗工液を作製した。
(9)感熱記録材料の作製
(8)で作製した感熱塗工液を厚さ188μmの白色PETシートに、層形成後の厚さが8μmとなる様に塗布し、乾燥後、その上に(4)で作製した保護層塗工液を層形成後の厚さが2μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥後、さらに50℃にて24時間加温し、感熱記録材料を作製した。
実施例9
(10)感熱塗工液の作製
N−(p−ヒドロキシ)フェニル−N′−n−オクタデシル尿素の代わりに、[N−(p−ヒドロキシフェニル)−6−(N−オクタデシルカルバモイル)アミノ]ヘキサンアミドを使用した以外は実施例6の(4)と同様にして感熱塗工液を作製した。
(2)感熱記録材料の作製
(10)で作製した感熱塗工液を厚さ188μmの白色PETシートに、層形成後の厚さが8μmとなる様に塗布し、乾燥後、その上に(4)で作製した保護層塗工液を層形成後の厚さが2μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥後、さらに50℃にて24時間加温し、感熱記録材料を作製した。
実施例10
(11)感熱塗工液の作製
N−(p−ヒドロキシ)フェニル−N′−n−オクタデシル尿素の代わりに、n−オクタデシルホスホン酸を使用した以外は実施例6の(4)と同様にして感熱塗工液を作製した。
(12)感熱記録材料の作製
(11)で作製した感熱塗工液を厚さ188μmの白色PETシートに、層形成後の厚さが8μmとなる様に塗布し、乾燥後、その上に(4)で作製した保護層塗工液を層形成後の厚さが2μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥後、さらに50℃にて24時間加温し、感熱記録材料を作製した。
比較例4
(13)保護層塗工液の作製
結晶型Aである2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]の代わりに、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールを使用した以外は実施例6の(4)と同様にして保護層塗工液を作製した。
(14)感熱記録材料の作製
実施例6の(3)で作製した感熱塗工液を厚さ188μmの白色PETシートに、層形成後の厚さが8μmとなる様に塗布し、乾燥後、その上に(13)で作製した保護層塗工液を層形成後の厚さが2μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥後、さらに50℃にて24時間加温し、感熱記録材料を作製した。
比較例5
(15)保護層塗工液の作製
結晶型Aである2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]の代わりに、2,2′−メチレンビス[4−tert−オクチル−6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]を使用した以外は実施例6の(4)と同様にして保護層塗工液を作製した。
(16)感熱記録材料の作製
実施例10の(11)で作製した感熱塗工液を厚さ188μmの白色PETシートに、層形成後の厚さが8μmとなる様に塗布し、乾燥後、その上に(15)で作製した保護層塗工液を層形成後の厚さが2μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥後、さらに50℃にて24時間加温し、感熱記録材料を作製した。
試験7(発色濃度=熱応答性)
実施例6〜10及び比較例4〜5で得た感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字した。得られた発色画像と未印字の地肌部の光学濃度を濃度計マクベスRD918を用いて各々測定した。その結果を表3に示す。
試験8(耐光性試験)
印字試験において得た発色画像と未印字の地肌をキセノンアークウェザオメーター(アトラス社製)を用いて、340nmにおける放射照度が0.39W/m2である光を、40℃、相対湿度90%の条件下で24時間照射した。発色画像及び未印字の地肌の光学濃度を濃度計マクベスRD918を用いて各々測定した。発色画像は数値が大きいほど画像保存性に優れ、地肌は数値が小さいほど変色が少なく優れている。その結果を表3に示す。
Figure 0004299166
実施例11
(17)感熱塗工液の作製
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン4部、N−(p−ヒドロキシ)フェニル−N′−n−オクタデシル尿素16部、バインダー樹脂として塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイド社製、商品名VYHH)16部、溶媒としてトルエン80部、メチルエチルケトン80部と共にビーズミルで24時間粉砕して感熱塗工液を作製した。
(18)保護層兼バックコート層塗工液の作製
結晶型Aである2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]10部、ポリエステルポリオール樹脂(日本ポリウレタン工業社製、商品名ニッポラン800)20部、溶媒としてトルエン100部、メチルエチルケトン100部と共にビーズミルで48時間粉砕して保護層分散液を作製した。得られた分散液にポリイソシアネート化合物40部(日本ポリウレタン工業社製コロネートL)、保護層兼バックコート層塗工液を作製した。
(19)感熱記録材料の作製
(17)で作製した感熱塗工液を厚さ100μmの透明ポリエチレンテレフタレート(以下、透明PET)シートに、層形成後の厚さが8μmとなる様に塗布し、乾燥後、その上に(18)で作製した保護層兼バックコート層塗工液を層形成後の厚さが2μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥した。その後、感熱記録層を設けた透明PETの裏面に、(18)で作製した保護層兼バックコート層塗工液を層形成後の厚さが2μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥後、さらに50℃にて24時間加温し、感熱記録材料を作製した。
実施例12
(20)感熱塗工液の作製
N−(p−ヒドロキシ)フェニル−N′−n−オクタデシル尿素の代わりに、オクタデシルホスホン酸を使用した以外は実施例11の(16)と同様にして感熱塗工液を作製した。
(21)感熱記録材料の作製
(20)で作製した感熱塗工液を厚さ100μmの透明PETシートに、層形成後の厚さが8μmとなる様に塗布し、乾燥後、その上に(18)で作製した保護層兼バックコート層塗工液を層形成後の厚さが2μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥した。その後、感熱記録層を設けた透明PETの裏面に、(18)で作製した保護層兼バックコート層塗工液を層形成後の厚さが2μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥後、さらに50℃にて24時間加温し、感熱記録材料を作製した。
比較例6
(22)保護層兼バックコート層塗工液の作製
結晶型Aである2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]の代わりに、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールを使用した以外は実施例11の(18)と同様にして保護層塗工液を作製した。
(23)感熱記録材料の作製
実施例11の(17)で作製した感熱塗工液を厚さ100μmの透明PETシートに、層形成後の厚さが8μmとなる様に塗布し、乾燥後、その上に(22)で作製した保護層兼バックコート層塗工液を層形成後の厚さが2μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥した。その後、感熱記録層を設けた透明PETの裏面に、(22)で作製した保護層兼バックコート層塗工液を層形成後の厚さが2μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥後、さらに50℃にて24時間加温し、感熱記録材料を作製した。
比較例7
(24)保護層兼バックコート層塗工液の作製
結晶型Aである2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]の代わりに、2,2′−メチレンビス[4−tert−オクチル−6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]を使用した以外は実施例11の(18)と同様にして保護層塗工液を作製した。
(25)感熱記録材料の作製
実施例12の(20)で作製した感熱塗工液を厚さ100μmの透明PETシートに、層形成後の厚さが8μmとなる様に塗布し、乾燥後、その上に(24)で作製した保護層兼バックコート層塗工液を層形成後の厚さが2μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥した。その後、感熱記録層を設けた透明PETの裏面に、(24)で作製した保護層兼バックコート層塗工液を層形成後の厚さが2μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥後、さらに50℃にて24時間加温し、感熱記録材料を作製した。
比較例8
(26)感熱記録材料の作製
実施例12の(20)で作製した感熱塗工液を厚さ100μmの透明PETシートに、層形成後の厚さが8μmとなる様に塗布し、乾燥後、その上に(24)で作製した保護層兼バックコート層塗工液を層形成後の厚さが2μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥後、さらに50℃にて24時間加温し、感熱記録材料を作製した。
試験9(発色濃度=熱応答性)
実施例11〜12及び比較例6〜8で得た感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字した。得られた発色画像と未印字の地肌部の光学濃度を濃度計マクベスRD918を用いて各々測定した。その結果を表4に示す。
試験10(耐光性試験)
印字試験において得た発色画像と未印字の地肌をキセノンアークウェザオメーター(アトラス社製)を用いて、340nmにおける放射照度が0.39W/m2である光を、40℃、相対湿度90%の条件下で24時間照射した。発色画像及び未印字の地肌の光学濃度を濃度計マクベスRD918を用いて各々測定した。発色画像は数値が大きいほど画像保存性に優れ、地肌は数値が小さいほど変色が少なく優れている。その結果を表4に示す。
Figure 0004299166
表1の結果から、本発明における結晶性Aである2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]は分散性に優れており、増粘や凝集の起こらない特徴を有している。また、表2の結果から、感熱記録層に結晶性Aである2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]を添加した系において、画像部/地肌部ともに耐光保存性が優れている。さらに、表3あるいは表4の結果から、感熱記録層の上に設けた層中、あるいは支持体が透明基材の場合は、更に感熱記録層の裏面側に設けた層中にも結晶性Aである2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]に添加した系においても、画像部/地肌部ともに耐光保存性が優れている。以上の結果から、光に長時間曝された場合でも、画像部の退色及び非画像部の変色が防止された優れた耐光保存性を有する感熱記録材料を提供する事が出来た。
本発明の活用例として、従来用途に加え、屋外で使用され、耐光性が要求されるようなるチケット・タグといった用途が挙げられる。
結晶型AのX線回折スペクトルである。 結晶型BのX線回折スペクトルである。

Claims (3)

  1. 支持体上に無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤とを含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料において、該感熱記録層中にCu−Kα線による粉末X線回折法によるブラッグ角(2θ±0.2°)が6.1°、11.3°、12.2°及び18.9°にピークを示し、12.2°または18.9°の何れかのピークが最大ピークとなるX線回折図により特徴づけられる結晶型である2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]を紫外線吸収剤として含有させる事を特徴とする感熱記録材料。
  2. 支持体上に無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤とを含有する感熱記録層及びこの層より上に一層以上の保護層を設けた感熱記録材料において、該保護層の一層以上にCu−Kα線による粉末X線回折法によるブラッグ角(2θ±0.2°)が6.1°、11.3°、12.2°及び18.9°にピークを示し、12.2°または18.9°の何れかのピークが最大ピークとなるX線回折図により特徴づけられる結晶型である2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]を紫外線吸収剤として含有させる事を特徴とする感熱記録材料。
  3. 支持体上に無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤とを含有する感熱記録層と、該感熱記録層を設けた支持体の裏面に一層以上のバックコート層を設けた感熱記録材料において、該バックコート層の何れか一層以上にCu−Kα線による粉末X線回折法によるブラッグ角(2θ±0.2°)が6.1°、11.3°、12.2°及び18.9°にピークを示し、12.2°または18.9°の何れかのピークが最大ピークとなるX線回折図により特徴づけられる結晶型である2,2′−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]を紫外線吸収剤として含有させる事を特徴とする請求項1または請求項2に記載の感熱記録材料。
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