JP5270327B2 - 車両用ディスクブレーキのキャリパボディ製造方法 - Google Patents

車両用ディスクブレーキのキャリパボディ製造方法 Download PDF

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本発明は、車両用ディスクブレーキのキャリパボディ製造方法及びキャリパボディに関し、詳しくは、ピストンを収容するシリンダ孔をそれぞれ備えた一対の作用部をディスクロータの外周側を跨ぐブリッジ部で連結したモノコック構造のピストン対向型のキャリパボディの製造方法及びキャリパボディに関する。
従来、シリンダ孔を備えた作用部と反力爪を備えた反作用部とをブリッジ部で連結したピンスライド型のディスクブレーキのキャリパボディを重力鋳造にて製造する方法としては、キャリパボディ鋳造型の作用部のシリンダ孔底部形成部分に湯口部を設け、該湯口部を鉛直方向上方、反作用部の反力爪形成部分を鉛直方向下方にそれぞれ向けてキャビティを形成し、前記湯口から前記キャビティに溶湯を注入して前記キャリパボディを鋳造したものがある(例えば、特許文献1参照。)。また、近年、シリンダ孔をそれぞれ備えた一対の作用部をディスクロータの外周側を跨ぐブリッジ部で一体に連結したモノコック構造のピストン対向型のキャリパボディも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
また、近年、デザイン性や乗車フィーリングの向上等に伴ってホイールが大径化(タイヤが偏平化)する傾向があり、車両の外部からキャリパボディの外面がはっきりと見える構造となることが多く、この外部から見える外面に、例えば自動車メーカや車種等のロゴをキャリパボディに直接印刷したり、ロゴを印刷したステッカーを接着剤を用いて貼着して美観の向上を図るものがあった(例えば、特許文献3参照。)。
特開2001−124117号公報 特開2005−163820号公報 特開2000−74104号公報
上述の特許文献2に記載されているようなモノコック構造のピストン対向型のキャリパボディを、特許文献1のように重力鋳造にて安価に製造しようとすると、キャリパボディの形状がピストン対向型のキャリパボディよりも複雑になることから、湯流れ性を良くするように考慮しなければならない。
また、上述の特許文献3に記載されるものでは、鋳造する際に発生するパーティングラインが、キャリパボディを車両に取り付けた際のデザイン上主要な部分に現れ、美観が低下していた。さらに、このパーティングラインが発生した外面にメーカや車種等のロゴを印刷する際には、切削や研磨等の表面加工を施して平坦面としてから印刷を施したり、ステッカーを貼着しなければならないことから、手間が掛かりコストが嵩む虞があった。
そこで本発明は、鋳造により安価に製造することができるとともに、品質及び生産性の向上を図ることができる模様を鋳型で形成することができ
るモノコック構造ピストン対向型の車両用ディスクブレーキのキャリパボディ製造方法及びキャリパボディを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の車両用ディスクブレーキのキャリパボディ製造方法は、ピストンを収容する複数のシリンダ孔をそれぞれ備えた一対の作用部を、ディスクロータの外周側を跨ぐブリッジ部で、それぞれの作用部に備えた複数のシリンダ孔を対向させて一体に連結したキャリパボディを重力鋳造法によって製造する車両用ディスクブレーキのキャリパボディ製造方法において、キャリパボディ鋳造型の一方の作用部の複数のシリンダ孔底部形成部分に湯口部を設けるとともに、該湯口部は、その断面積が前記一方の作用部の複数のシリンダ孔底面の総面積よりも大きく、且つ、前記一方の作用部の複数のシリンダ孔が前記湯口部の内側に配置されるように形成されるとともに、前記湯口部を鉛直方向上方、他方の作用部のシリンダ孔底部形成部分を鉛直方向下方にそれぞれ向けてキャビティを形成し、前記湯口部は、前記キャビティの前記一対の作用部を連結する連結部の少なくとも一部は、前記湯口部の内側に配置されるように形成され、湯口が形成されない他方の作用部のディスク周方向両側部にディスク半径方向の車体取付ボルトの挿通部を備え、前記湯口部から前記キャビティに溶湯を注入して鋳造することを特徴としている。
さらに、前記キャリパボディ鋳造型は、前記キャリパボディの他方の作用部の少なくともシリンダ孔底部側を形成する下型と、該下型の鉛直方向上方で水平方向に分割可能な少なくとも2つの上型とを備えていることを特徴とし、前記下型で前記他方の作用部を形成すると共に、前記上型は水平方向に2分割される第1上型と第2上型とを有し、前記第1上型で前記キャリパボディのブリッジ部側を、前記第2上型で前記キャリパボディの反ブリッジ部側をそれぞれ形成しても良く、前記下型の前記他方の作用部の外面を形成する鋳造面に、鋳出し又は鋳抜き形状を設け、鋳造後の前記キャリパボディの他方の作用部の外面に、前記鋳出し形状又は鋳抜き形状を形成することもできる。また、前記下型は、ディスク半径方向の車体取付ボルトの挿通部を形成するとともに、該挿通部の外周面の少なくとも一部に肉盗部を形成することもできる。
本発明の車両用ディスクブレーキのキャリパボディ製造方法によれば、モノコック構造のピストン対向型のキャリパボディを鋳造により精度良く安価に製造することができる。また、湯口部を備えた一方の作用部のシリンダ孔形成部分から、他方の作用部のシリンダ孔形成部分に溶湯を良好に流すことができ、品質及び生産性の向上を図ることができる。
さらに、湯口部の断面積が一方の作用部のシリンダ孔底面の総面積よりも大きく、且つ、いずれのシリンダ孔も湯口部の内側に配置すれば、モノコック構造の多ポットピストン対向型のキャリパボディであっても湯流れ性を良くすることができ、品質及び生産性の向上を図ることができると共に安価に提供できる。また、湯口部を、前記キャビティの前記一対の作用部を連結する連結部の少なくとも一部が、前記湯口部の内側に配置されるように形成すれば、断面積の小さいブリッジ部の湯流れ性の向上を図ることができる。さらに、湯口部が形成されない他方の作用部に車体取付ボルトの挿通部を備えていれば、キャリパボディを車体に取り付けた際に、外部から見え難い車体側に湯口部が、外部から見える外側に他方の作用部がそれぞれ配置されることから、キャリパボディの形状を鋳型で形成することができ、ラジアルマウントタイプのモノコック構造ピストン対向型のキャリパボディのデザイン性やレイアウト性を向上させることができる。
また、前記キャリパボディ鋳造型は、前記キャリパボディの他方の作用部の少なくともシリンダ孔底部側を形成する下型と、該下型の鉛直方向上方で水平方向に分割可能な少なくとも2つの上型とで構成され、さらには、前記下型で前記他方の作用部を形成すると共に、前記上型は水平方向に分割される第1上型と第2上型とを有していることにより、車両の外部から見える他方の作用部のデザイン上主要な部分、例えばメーカや車種等のロゴが形成される箇所にパーティングラインが発生することがなく、見栄えが良くなる。さらに、下型の前記他方の作用部の外面を形成する鋳造面に、鋳出し形状又は鋳抜き形状を備えているものでは、キャリパボディ鋳造時に、他方の作用部の外面に鋳出し又は鋳抜きによってロゴ等の模様や肉盗部を同時に形成することができ、切削や研磨等の表面加工の必要がなく、デザイン性や生産性を向上させることができる。
図1乃至10図は本発明の車両用ディスクブレーキのキャリパボディの第1形態例を示す図で、図1は図3のI-I断面図、図2は図4のII-II断面図、図3はディスクブレーキの正面図、図4はディスクブレーキの平面図、図5はキャリパボディの鋳造状態を示す説明図、図6は鋳造後のキャリパボディの断面平面図、図7は鋳造後のキャリパボディの断面側面図、図8は下型の平面図、図9は鋳造後のキャリパボディの正面図、図10は鋳造後のキャリパボディの背面図である。なお、矢印Aは車両前進時に車輪と一体に回転するディスクロータの回転方向とし、以下で述べるディスク回出側及びディスク回入側とは車両前進時におけるものとする。
図1乃至図4に示されるように、本形態例のディスクブレーキ1は、車輪と一体に回転するディスクロータ2と、該ディスクロータ2の一側部で車体に取り付けられるキャリパボディ3と、ディスクロータ2の両側部に配設されるキャリパボディ3の作用部3a,3b間に、ディスクロータ2を挟んで対向配置される摩擦パッド4,4とを備えている。
キャリパボディ3は、一対の作用部3a,3bを、ディスクロータ2の外周側を跨ぐディスク回入側及び回出側のブリッジ部3c,3dと中央部のブリッジ部3eとで一体に連結したモノコック構造の4ポットピストン対向型に形成されている。作用部3a,3bには、2個ずつのシリンダ孔3fが対向してそれぞれ形成され、ディスク回入側と回出側とにはトルク受部3h,3iがそれぞれ設けられている。また、ディスク回入側及び回出側の各ブリッジ部3c,3dと、中央のブリッジ部3eとの間には、ディスクロータ2と摩擦パッド4との摺接で発生した制動熱を外部へ放出したり、摩擦パッド4の摩耗具合をキャリパボディ3の外部から視認するための天井開口部3j,3jが形成されている。各シリンダ孔3fには、ピストン5が軸線方向に移動可能な状態でそれぞれ収容され、シリンダ孔3fとピストン5との間に液圧室6がそれぞれ画成されている。
シリンダ孔3fの開口側には、ディスクロータ2を挟むようにしてライニング4aと裏板4bとからなる摩擦パッド4がそれぞれ対向配置されている。裏板4bのディスク半径方向外側には吊下げ片4cが突設され、該吊下げ片4cを中央のブリッジ部3eのディスク半径方向内側面に形成した収容凹部3kに収容し、ディスクロータ外周を跨いでディスク軸方向に掛け渡されるハンガーピン7を前記吊下げ片4cに挿通させることにより、摩擦パッド4は前記トルク受部3h,3iの間でディスク軸方向に移動可能となっている。
他方の作用部3bのディスク回入側及び回出側には、車体取付ボルトの挿通部3m,3mが形成され、該挿通部3m,3mにディスク半径方向の取付ボルト挿通孔3n,3nが設けられており、この取付ボルト挿通孔3n,3nに挿通した取付ボルトを車体側に設けられているキャリパ取付部に螺着することにより、キャリパボディ3が車体に取り付けられる。
各作用部3a,3b内には、隣接する液圧室6同士を連通させるための液圧室側連通部3p,3pが形成される。また、キャリパボディ3のディスク回出側には、一方の作用部3aから他方の作用部3bのディスク回出側の液圧室6に向けて第1液通孔8が、他方の作用部3bから、一方の作用部3aのディスク回出側の液圧室6に向けて第2液通孔9がそれぞれ穿設され、これら第1液通孔8と第2液通孔9とを内部で交差させている。第1液通孔8の外面開口部にはユニオン孔10が、第2液通孔9にはブリューダ孔がそれぞれ形成され、ユニオン孔10にはブレーキホースのユニオンボルトが、ブリューダ孔にはブリューダスクリュ11がそれぞれ螺着される。
このようなキャリパボディ3を重力鋳造するキャリパボディ鋳造型12は、図5に示すように、下型12aと、該下型12aの鉛直方向上方で水平方向に2分割された第1上型12bと第2上型12cと、中子(図示せず)とを有している。
図6を合わせて参照して、一方の作用部3aのシリンダ孔底部形成部分には、湯口部13が設けられるとともに、該湯口部13を鉛直方向上方、挿通部3m,3mを備えた他方の作用部3bのシリンダ孔底部形成部分を鉛直方向下方にそれぞれ向けてキャビティが形成され、湯口部13からキャビティに前記溶湯が注入されて鋳造される。湯口部13は、その断面積が一方の作用部3aのシリンダ孔3f,3fの底面の総面積よりも大きく、且つ、双方のシリンダ孔3f,3fが湯口部13よりも寸法B1だけ内側にそれぞれ配置されるように形成されるとともに、前記キャビティの一方の作用部3aと他方の作用部3bとを連結する連結部3gの一部である内壁面が、湯口部13よりも寸法B2だけ内側にそれぞれ配置されるように形成されており、連結部3gの少なくとも一部が湯口部13よりも内側に配置されるように形成されている。
下型12aは、キャリパボディ3の他方の作用部3bを鋳造するもので、図8に示すように、他方の作用部3bを鋳造する鋳造面12dには、作用部3bの外面3qをデザインする凹凸部を備えると共に、ロゴ17を鋳出すための凹状の鋳出し形状12eを備えている。さらに、下型12aにおける鋳造面12dの車体取付ボルトの挿通部3m,3mを形成する部分には、該挿通部3m,3mの外周面等の肉盗部3r,3rを形成するための凸状の鋳抜き形状12f,12fを備えている。
第1上型12bはキャリパボディ3のブリッジ部側半体3sを、第2上型12cはキャリパボディ3の反ブリッジ部側半体(シリンダ孔側半体)3tをそれぞれ鋳造するもので、第1上型12bと第2上型12cとの付き合わせ部分に湯道半体がそれぞれ形成され、第1上型12bと第2上型12cとを付き合わせた際に、前記湯口部13に湯を導く湯道が形成される。
鋳造後のキャリパボディ3は、図6,図7及び図10に示されるように、前記連結部3gを切削加工して、前記ブリッジ部3c,3d,3eや天井開口部3j,3jやトルク受部3h,3iが形成され、一方の作用部3aのシリンダ孔底部側に、キャリパボディ鋳造時に湯口部13を切削加工した加工部14が平面状に形成されているとともに、該加工部14の面積は、各シリンダ孔3fの底面の面積よりも大きく、且つ、双方のシリンダ孔3f,3fが加工部14の内側に配置されるように形成される。また、この加工部14は、トルク受部3h,3iの少なくとも一部が加工部14の内側に配置されるように形成されている(図10の2点鎖線参照)。このトルク受け部3h,3iは連結した状態に鋳造され、鋳造後にロータ溝3uと共に切削加工して形成される。
さらに、鋳造後のキャリパボディ3は、シリンダ孔3fや前記ロータ溝3u及びトルク受部3h,3i等に適宜仕上げ加工が施され、隣り合うシリンダ孔3fの底部には、シリンダ孔3f,3f間の仕切壁3vに液圧室側連通部3pが形成されるとともに、前記第1液通孔8と第2液通孔9とが穿設される。さらに、各シリンダ孔3fには、ピストンシール15を嵌着するピストンシール溝3wとダストシール16を嵌着するダストシール溝3xとが加工される。
本形態例のキャリパボディ3は、このように鋳造されることから、モノコック構造のピストン対向型のキャリパボディ3を鋳造により精度良く安価に製造することができる。また、湯口部13を備えた一方の作用部3aのシリンダ孔形成部分から、他方の作用部3bのシリンダ孔形成部分に溶湯を良好に流すことができるとともに、断面積の小さいブリッジ部3c,3d,3eの湯流れ性の向上を図ることができ、品質及び生産性の向上を図ることができる。さらに、車体取付ボルトの挿通部3mを備えた他方の作用部3bをキャリパボディ鋳造型12の下方に配置することから、キャリパボディ3を車体に取り付けた際に、外部から見え難い車体側に湯口部13が、外部から見えるデザイン上主要な外側部分に他方の作用部3bがそれぞれ配置されることから、キャリパボディの形状を鋳型で形成することができ、キャリパボディ3のデザイン性やレイアウト性を向上させることができる。また、ブリッジ部3c,3d,3eが分割され、天井開口部3j,3jを設けていることから、湯流れ性やキャリパボディ3の強度を確保しながら、キャリパボディ3の軽量化を図ることができ、さらに、加工部14が平面状に形成されることから、キャリパボディを容易に加工することができる。
さらに、他方の作用部3bの外面3qには、下型12aによってデザイン用の凹凸やロゴ17が形成されると共に、挿通部3m,3mの両端を除く外周に肉盗部3r,3rが形成される。また、パーティングラインは、車体取付時に外部から見える他方の作用部3bのロゴ17が形成される箇所のようなデザイン上主要な部分には現れない。
このように、車体の外部から見えるデザイン上主要な部分である他方の作用部3bの外面3qは、下型12aによってデザイン用の凹凸やロゴ17が形成され、仕上げ加工や切削加工等を要しないので、安価にデザイン性の向上を図ることができる。また、挿通部3m,3mの外周面等の肉盗部3r,3rは、下型12aの鋳抜き形状12f,12fによって形成することができるので、切削加工をすることなくキャリパボディ3の軽量化を図ることができ、さらに、ボルト挿通部を従来ではアンダーカット形状となっていた形状とすることもでき、デザイン性を向上させることができる。また、他方の作用部3bのロゴ17が形成される箇所にはパーティングラインが現れないことから、パーティングラインの後処理をすることなく見栄えの良いキャリパボディ3を製造することができる。
図11及び図12は、本発明の第2形態例を示すもので、図11は図12のXI-XI断面図、図12はディスクブレーキの平面図である。なお、第1形態例と同様の構成要素を示すものには、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本形態例のディスクブレーキ20は、二系統式の構造を備えたもので、キャリパボディ21は、一対の作用部21a,21bを、ディスクロータ2の外周側を跨ぐディスク回入側と回出側のブリッジ部21c,21dと中央部のブリッジ部21eとで一体に連結したモノコック構造の6ポットピストン対向型に形成されている。作用部21a,21bには、ディスク周方向中央部に大径シリンダ孔21fが、ディスク回入側と回出側とに小径シリンダ孔21g,21hが対向してそれぞれ形成され、ディスク回入側の小径シリンダ孔21gには小径の第1ピストン22が、中央の大径シリンダ孔21fには大径の第1ピストン23がそれぞれ収容され、ディスク回出側の小径シリンダ孔21hには小径の第2ピストン24が収容されている。また、他方の作用部21bのディスク回出側とディスク回入側とには、ディスク半径方向の車体取付ボルトの挿通部21i,21iが形成されている。
前記第1ピストン22,23とディスクロータ2との間には第1摩擦パッド25が配置され、前記第2ピストン24とディスクロータ2との間には、第2摩擦パッド26が配置されると共に、各作用部21a,21bの大径シリンダ孔21fとディスク回出側の小径シリンダ孔21hとの間には、ディスクロータ2方向にトルク受部21jがそれぞれ突設され、該トルク受部21jに前記第1摩擦パッド25のディスク回出側面と第2摩擦パッド26のディスク回入側面とがそれぞれ当接している。このトルク受け部21j,21jは連結した状態に鋳造され、鋳造後にロータ溝3uと共に切削加工して形成される。また、ディスク回入側と回出側のブリッジ部21c,21dと、中央のブリッジ部21eとの間には、ディスク回入側と回出側とに第1天井開口部21kと、第2天井開口部21mとが形成されている。
このキャリパボディ21も、一方の作用部21aのシリンダ孔底部形成部分に湯口部27が設けられるとともに、該湯口部27を鉛直方向上方、挿通部21i,21iを備えた他方の作用部21bのシリンダ孔底部形成部分を鉛直方向下方にそれぞれ向けてキャビティが形成され、湯口部27からキャビティに溶湯が注入されて鋳造される。湯口部27は、その断面積が一方の作用部21aの小径のシリンダ孔21g,21hの底面と大径のシリンダ孔21fの底面の総面積よりも大きく、且つ、各シリンダ孔21f,21g,21hが湯口部27の内側に配置されるように形成されるとともに、前記キャビティのブリッジ部形成部分の少なくとも一部が、湯口部27の内側に配置されるように形成されている。
本形態例のキャリパボディ21では、シリンダ孔21fとシリンダ孔21hの間に、トルク受部21jを突設することから、ディスク周方向に複数の摩擦パッド24,25を配置しても、一方の作用部21aから他方の作用部21bへブリッジ部21c,21d,21eだけでなくトルク受け部21jも連結部分として溶湯を流すことができるため、より湯流性の向上を図ることができ、摩擦パッド24,25のトルクを良好に受けることができる。
なお、本発明は、前記形態例に限定されるものではなく、種々の多ポットピストン対向型のモノコック構造のキャリパボディにも適用することができ、摩擦パッドの数も任意であり、トルク受部も摩擦パッドの数に応じて適宜設ければ良い。さらに、鋳造時に形成するシリンダ孔の下孔や開口部の下孔の形成方法及び、トルク受け部の形成方法や仕上げ加工の方法は任意である。また、一方の作用部に取付ボルト挿通孔を備えた挿通部を設けても良く、さらに、ラジアルマウント型のキャリパボディに限るものではなく、キャリパボディの車体への取付構造は任意である。
図3のI-I断面図である。 図4のII-II断面図である。 本発明の第1形態例を示すディスクブレーキの正面図である。 同じくディスクブレーキの平面図である。 同じくキャリパボディの鋳造状態を示す説明図である。 同じく鋳造後のキャリパボディの断面平面図である。 同じく鋳造後のキャリパボディの断面側面図である。 同じく下型の平面図である。 同じく鋳造後のキャリパボディの正面図である。 同じく鋳造後のキャリパボディの背面図である。 本発明の第2形態例を示すキャリパボディの断面正面図である。 同じくキャリパボディの平面図である。
符号の説明
1…ディスクブレーキ、2…ディスクロータ、3…キャリパボディ、3a,3b…作用部、3c,3d,3e…ブリッジ部、3f…シリンダ孔、3g…連結部、3h,3i…トルク受部、3j…天井開口部、3k…収容凹部、3m…挿通部、3n…取付ボルト挿通孔、3p…液圧室側連通部、3q…他方の作用部の外面、3r…肉盗部、3s…ブリッジ部側半体、3t…反ブリッジ部側半体、3u…ロータ溝、3v…仕切壁、3w…ピストンシール溝、3x…ダストシール溝、4…摩擦パッド、4a…ライニング、4b…裏板、4c…吊下げ片、5…ピストン、6…液圧室、7…ハンガーピン、8…第1液通孔、9…第2液通孔、10…ユニオン孔、11…ブリューダスクリュ、12…キャリパボディ鋳造型、12a…下型、12b…第1上型、12c…第2上型、12d…鋳造面、12e…鋳出し形状、12f…鋳抜き形状、13…湯口部、14…加工部、15…ピストンシール、16…ダストシール、17…ロゴ、20…ディスクブレーキ、21…キャリパボディ、21a,21b…作用部、21c,21d,21e…ブリッジ部、21f,21g,21h…シリンダ孔、21i…挿通部、21j…トルク受部、21k,21m…天井開口部、22,23…第1ピストン、24…第2ピストン、25…第1摩擦パッド、26…第2摩擦パッド、27…湯口部

Claims (5)

  1. ピストンを収容する複数のシリンダ孔をそれぞれ備えた一対の作用部を、ディスクロータの外周側を跨ぐブリッジ部で、それぞれの作用部に備えた複数のシリンダ孔を対向させて一体に連結したキャリパボディを重力鋳造法によって製造する車両用ディスクブレーキのキャリパボディ製造方法において、
    キャリパボディ鋳造型の一方の作用部の複数のシリンダ孔底部形成部分に湯口部を設けるとともに、
    該湯口部は、その断面積が前記一方の作用部の複数のシリンダ孔底面の総面積よりも大きく、且つ、前記一方の作用部の複数のシリンダ孔が前記湯口部の内側に配置されるように形成されるとともに
    記湯口部を鉛直方向上方、他方の作用部のシリンダ孔底部形成部分を鉛直方向下方にそれぞれ向けてキャビティを形成し、
    前記湯口部は、前記キャビティの前記一対の作用部を連結する連結部の少なくとも一部は、前記湯口部の内側に配置されるように形成され、
    湯口が形成されない他方の作用部のディスク周方向両側部にディスク半径方向の車体取付ボルトの挿通部を備え、
    前記湯口部から前記キャビティに溶湯を注入して鋳造する
    ことを特徴とする車両用ディスクブレーキのキャリパボディ製造方法。
  2. 前記キャリパボディ鋳造型は、前記キャリパボディの他方の作用部の少なくともシリンダ孔底部側を形成する下型と、該下型の鉛直方向上方で水平方向に分割可能な少なくとも2つの上型とを備えていることを特徴とする請求項1記載の車両用ディスクブレーキのキャリパボディ製造方法。
  3. 前記下型で前記他方の作用部を形成するとともに、前記上型は水平方向に2分割される第1上型と第2上型とを有し、前記第1上型で前記キャリパボディのブリッジ部側を、前記第2上型で前記キャリパボディの反ブリッジ部側をそれぞれ形成することを特徴とする請求項2記載の車両用ディスクブレーキのキャリパボディ製造方法。
  4. 前記下型の前記他方の作用部の外面を形成する鋳造面に、鋳出し又は鋳抜き形状を設け、鋳造後の前記キャリパボディの他方の作用部の外面には、前記鋳出し形状又は鋳抜き形状が形成されることを特徴とする請求項2又は3記載の車両用ディスクブレーキのキャリパボディ製造方法。
  5. 前記下型は、ディスク半径方向の車体取付ボルトの挿通部を形成するとともに、該挿通部の外周面の少なくとも一部に肉盗部を形成することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項記載の車両用ディスクブレーキのキャリパボディ製造方法。
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