JP5268256B2 - ビニルピロリドン系重合体溶液とその製造方法、及び、ビニルピロリドン系重合体の取り扱い方法 - Google Patents

ビニルピロリドン系重合体溶液とその製造方法、及び、ビニルピロリドン系重合体の取り扱い方法 Download PDF

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Description

本発明は、フィケンチャー法によるK値が低いビニルピロリドン系重合体の高濃度溶液とその製造方法、及び、この高濃度溶液を利用したビニルピロリドン系重合体の取り扱い方法に関する。
ビニルピロリドン系重合体を各種用途に用いる場合には、溶液として利用されることが多いのであるが、これまでは、貯蔵や輸送の際の容積面での有利性から、一旦粉体の状態にして貯蔵や輸送を行い、使用時に溶媒に溶解させて溶液とする方法を採用するのが通常であった。しかし、例えば50重量%以上の高濃度の溶液であれば、粉体と同等か嵩比重によってはそれ以上の容積面での有利性が得られると考えられる。したがって、高濃度溶液として取り扱うことが、使用時に再度溶解させる必要もなく、しかも貯蔵や輸送の際に容積面で粉体と同等かそれ以上の有利性が得られる点で、最も望ましい形態であると言える。
このように高濃度溶液としての取り扱いを実現するためには、高濃度のビニルピロリドン系重合体溶液を得ることができる重合方法を確立する必要がある。しかし、フィケンチャー法によるK値(以下、単に「K値」と称することもある。)が低い、言い換えれば分子量が低いビニルピロリドン系重合体の高濃度溶液を重合で得ることは容易ではなかった。すなわち、例えば、水溶液中のN−ビニルピロリドンの重合は、従来は大抵、コスト的に有利であることから開始剤として過酸化水素を用いて行われており、分子量が低いポリビニルピロリドンを得るには、過酸化水素濃度を高めれば良いことが知られている。ところが、この重合反応を30重量%を超えるような高いモノマー濃度で行うと、反応による発熱の制御が難しく安全性が確保できなくなり、発熱を制御するべく流入法で行うと、過酸化水素の強力なグラフト作用が不所望な分子量増大をもたらすことになり、得られるポリビニルピロリドンのK値が高くなるのである。また、高濃度の過酸化水素を用いた重合反応で得られたポリビニルピロリドンは、着色が生じやすいものとなるという問題もある。
そこで、N−ビニルピロリドンの低分子量(低K値)ホモポリマーの高濃度水溶液を得る方法として、開始剤としての過酸化水素を用いて水性媒体中でラジカル溶液重合を行うにあたり、アルカノール類や亜硫酸塩のような硫酸を結合形で含む水溶性化合物を重合調節剤として用いる技術が提案されている(特許文献1参照)。
なお、高濃度のビニルピロリドン系重合体溶液を得る方法として、重合で得られた低濃度溶液を蒸留等によって濃縮することも考えられるが、蒸留等により加熱されることにより着色が生じる等品質の劣化が起こること、生産性やコスト面で不利となること、等の不利益を招くことになる。
特開平11−71414号公報
しかしながら、特許文献1の技術においては、充分に分子量(K値)が低い重合体を生成させるために、アルカノール類や亜硫酸塩のような硫酸を結合形で含む水溶性化合物を相当多く用いる必要がある。そのため、特許文献1において開示されているポリビニルピロリドン高濃度水溶液は、アルカノール類や亜硫酸塩を多量に含有するものであったが、アルカノール類を多く含有する重合体溶液は、アルカノール類の毒性が問題となり、例えば、経口薬や注射剤等の医薬品用途での使用が制限され、また、亜硫酸塩を多く含有する重合体溶液も、その強熱残分が非常に高く、医薬品用途等、強熱残分を規定(0.1%以下)している日本薬局方に縛られる用途には使用できないこととなる。
なお、アルカノール類を多く含有する重合体溶液については、重合後にアルカノール類を留去する工程を設けることにより、その含有量を低減させることも可能であるが、アルカノール類を留去することに伴い生産性やコスト面で不利となることは勿論、アルカノール類を留去する際の加熱等により着色が生じるという別の問題を招くことになる。この着色の問題は、従来公知の亜硫酸塩により着色を抑制することができるという知見を利用して回避可能であり、特許文献1においても、亜硫酸塩を併用して着色の少ない重合体溶液を得ている例が開示されてはいるが、着色を充分に防ぐだけの亜硫酸塩を用いて得られた重合体溶液は、前述した強熱残分の問題を有することになる。
このように、特許文献1に記載の技術で得られた高濃度の重合体溶液は、医薬品用途や着色が問題となる用途等、特定の用途では使用が制限されるものであった。医薬品用途や着色が問題となる用途等にも用いうる低K値のビニルピロリドン系重合体については、これまで高濃度溶液として得られた報告はなされておらず、したがって、そのような特定用途に用いるビニルピロリドン系重合体を高濃度溶液として取り扱うことも実現できないのが現状であった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、低K値のビニルピロリドン系重合体の高濃度溶液であって、医薬品用途や着色が問題となる用途を含めあらゆる用途において用いうるビニルピロリドン系重合体溶液とその製造方法、及び、これを利用したビニルピロリドン系重合体の取り扱い方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、N−ビニルピロリドンを必須とする単量体成分を重合するにあたり、該単量体成分と特定量の過酸化水素と特定量のアンモニアとを特定量の銅触媒を含む水系溶媒中に逐次添加して特定温度で重合反応させるようにすれば、残存するN−ビニルピロリドン量、アルカノール類の濃度、強熱残分、及びJIS−K3331に準じた50%濃度での色相(APHA)が各々特定範囲を満足する、K値60以下のビニルピロリドン系重合体の濃度40〜60重量%の高濃度溶液を容易に得ることができることを見出し、このような溶液が上記課題を一挙に解決しうることを確認して、本発明を完成した。
すなわち、本発明にかかるビニルピロリドン系重合体溶液は、フィケンチャー法によるK値が60以下であるビニルピロリドン系重合体の濃度40〜60重量%の溶液であって、N−ビニルピロリドンがビニルピロリドン系重合体に対して10ppm以下、アルカノール類の濃度が100ppm以下、強熱残分が0.1重量%以下、JIS−K3331に準じた50%濃度での色相(APHA)が280以下である、ことを特徴とする。
本発明にかかるビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法は、フィケンチャー法によるK値が60以下であるビニルピロリドン系重合体の濃度40〜60重量%の溶液を製造する方法であって、N−ビニルピロリドンを必須とする単量体成分と過酸化水素とアンモニアとを銅触媒を含む水系溶媒中に逐次添加して55〜90℃で重合反応させることとし、N−ビニルピロリドンに対して、アンモニアの使用量は0.1〜0.37重量%となる量とする。
本発明にかかるビニルピロリドン系重合体の取り扱い方法は、フィケンチャー法によるK値が60以下であるビニルピロリドン系重合体を、上記本発明のビニルピロリドン系重合体溶液として取り扱うこととする。
以下、本発明にかかるビニルピロリドン系重合体溶液とその製造方法、及び、ビニルピロリドン系重合体の取り扱い方法について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔ビニルピロリドン系重合体溶液〕
本発明において、ビニルピロリドン系重合体とは、N−ビニルピロリドン由来の下記一般式(1)で表される構造単位を有する化合物であり、具体的には、ポリビニルピロリドン及び/又はビニルピロリドン共重合体を意味する。なお、本発明において、ビニルピロリドン系重合体は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
Figure 0005268256
上記ビニルピロリドン共重合体は、上記一般式(1)で表される構造単位のほかに、例えば、〔ビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法〕の項で後述するN−ビニルピロリドンと共重合可能な単量体由来の構造単位を有することができる。このN−ビニルピロリドンと共重合可能な単量体由来の構造単位は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
上記ビニルピロリドン共重合体においては、各構造単位の割合は特に限定されないが、N−ビニルピロリドン由来の上記一般式(1)で表される構造単位の割合が、全構造単位に対して80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。N−ビニルピロリドン由来の構造単位の割合が80モル%未満であると、N−ビニルピロリドンに由来する種々の特性を充分に発揮し得えない恐れがある。
本発明におけるビニルピロリドン系重合体は、フィケンチャー法によるK値が60以下であり、好ましくは48以下、より好ましくは42以下、更に好ましくは40以下である。K値が60を超えると、高濃度水溶液の場合、粘度の上昇に伴い取り扱いが困難になる傾向がある。なお、本発明において、K値とは、ビニルピロリドン系重合体を、ビニルピロリドン系重合体が溶解する任意の溶媒に10重量%以下の濃度で溶解させ、その溶液の粘度を25℃において毛細管粘度計によって測定し、これらの測定値を用いてフィケンチャー式により示される値である。フィケンチャー式は以下の通りである。
(logηrel)/C=〔(75K02)/(1+1.5K0C)〕+K0
K=1000K0
但し、Cは、溶液100mL中のビニルピロリドン系重合体のg数を示し、ηrelは、溶媒に対する溶液の粘度を示す。
本発明におけるビニルピロリドン系重合体は、分子量分布(Mw/Mn)が2.1以下であることが好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が2.1を超えると、例えば、分散剤として使用した場合に、分散安定性が低下するといった問題を生じる恐れがある。
本発明のビニルピロリドン系重合体溶液は、上記ビニルピロリドン系重合体の濃度40〜60重量%の溶液である。このように濃度40重量%以上の高濃度溶液であることにより、本発明のビニルピロリドン系重合体溶液をそのまま取り扱う(貯蔵、輸送する)ことで、溶液としての使用時に再度溶解させる必要がなく、しかも貯蔵や輸送の際に容積面で粉体と同等かそれ以上の有利性を得ることができる。ただし、濃度60重量%を超えると、粘度上昇が大きくなり、取り扱いにくくなるという不利益がある。好ましくは40〜60重量%、より好ましくは49〜60重量%、更に好ましくは50〜60重量%である。更に、輸送や貯蔵の際の容積面で粉体と同等以上の有利性を出すために50重量%以上が好ましい。
本発明のビニルピロリドン系重合体溶液は、N−ビニルピロリドンの含有量がビニルピロリドン系重合体に対して10ppm以下であるものである。N−ビニルピロリドンがビニルピロリドン系重合体に対して10ppmを超えると、例えば、医薬品等日本薬局方の規定に縛られる用途に使用できないこととなる。なお、ここで「10ppm以下」とは、N−ビニルピロリドンを含有しないこと、すなわち「0ppm」を含む概念である。
本発明のビニルピロリドン系重合体溶液は、溶液中のアルカノール類の濃度が100ppm以下であるものである。溶液中のアルカノール類の濃度は、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下であるのがよく、最も好ましくは0ppm、すなわちアルカノール類を全く含有しないことがよい。アルカノール類の濃度が100ppmを超えると、その毒性が問題となり、例えば、経口薬や注射剤等の医薬品用途での使用が制限されることとなる。
本発明のビニルピロリドン系重合体溶液は、強熱残分が0.1重量%以下であるものである。強熱残分が0.1重量%を超えると、例えば医薬品等日本薬局方の規定に縛られる用途に使用できないこととなる。上記強熱残分の測定は、日本薬局方に記載されている強熱残分試験法に従い行うものとする。
本発明のビニルピロリドン系重合体溶液は、JIS−K3331に準じた50%濃度での色相(APHA)が280以下であるものである。該色相(APHA)は好ましくは200以下であるのがよい。50%濃度、すなわち、ビニルピロリドン系重合体の濃度が50重量%であるときの色相(APHA)が280を超えると、着色が著しくなり、例えば、化粧品用途、塗料用途、インク用途等着色や発色が問題となる用途に使用できないこととなる。なお、上記色相(APHA)は、JIS−K3331に準じ、本発明のビニルピロリドン系重合体溶液におけるビニルピロリドン系重合体の濃度が50重量%である場合はそのまま、本発明のビニルピロリドン系重合体溶液におけるビニルピロリドン系重合体の濃度が50重量%を超える場合は50重量%に希釈して、測定するものとする。
本発明のビニルピロリドン系重合体溶液は、水系溶媒を含有するものである。水系溶媒としては、例えば、〔ビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法〕の項で後述するものが挙げられる。水系溶媒は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
本発明のビニルピロリドン系重合体溶液は、後述する本発明の製造方法により容易に得ることができるものであり、通常は、重合反応で得られた重合液そのものを本発明のビニルピロリドン系重合体溶液とすればよい。ただし、これに限定はされず、例えば、前述したビニルピロリドン系重合体の濃度の範囲内であれば、重合反応で得られた重合液を適宜希釈したものを本発明のビニルピロリドン系重合体溶液としてもよい。
〔ビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法〕
本発明のビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法は、フィケンチャー法によるK値が60以下であるビニルピロリドン系重合体の濃度40〜60重量%の溶液を製造する方法である。ビニルピロリドン系重合体に関する説明は、前述した通りである。
本発明のビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法においては、N−ビニルピロリドンを必須とする単量体成分と過酸化水素とアンモニアとを銅触媒を含む水系溶媒中に逐次添加して55〜90℃で重合反応させる。
上記単量体成分は、N−ビニルピロリドンのほかに、N−ビニルピロリドンと共重合可能な単量体を含有するものであってよい。N−ビニルピロリドンと共重合可能な単量体としては、特に限定されることなく、具体的には、例えば、1)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;2)(メタ)アクリルアミド、及び、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体類;3)(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の塩基性不飽和単量体;4)ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルオキサゾリドン等のビニルアミド類;5)(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体;6)無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和酸無水物類;7)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;8)ビニルエチレンカーボネート及びその誘導体;9)スチレン及びその誘導体;10)(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル及びその誘導体;11)ビニルスルホン酸及びその誘導体;12)メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;13)エチレン、プロピレン、オクテン、ブタジエン等のオレフィン類;等が挙げられる。これら単量体のうち、N−ビニルピロリドンとの共重合性等の点からは、1)〜8)が特に好適である。N−ビニルピロリドンと共重合可能な単量体は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
上記単量体成分に占めるN−ビニルピロリドンの割合は、特に限定されないが、単量体成分に対して80モル%以上が好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。単量体成分に占めるN−ビニルピロリドンの割合が80モル%未満であると、得られる重合体溶液がN−ビニルピロリドンに由来する種々の特性を充分に発揮し得えないものとなる恐れがある。
上記単量体成分の使用量は、重合反応によって生じるビニルピロリドン系重合体の濃度が40〜60重量%となるように、適宜設定すればよい。
本発明のビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法においては、上記過酸化水素の使用量は、上記単量体成分中のN−ビニルピロリドンに対して、0.4〜7重量%であることが好ましい。より好ましくは0.55〜6重量%、更に好ましくは0.6〜4重量%である。過酸化水素の使用量が0.4重量%未満であると、分子量が増大し、生成するビニルピロリドン系重合体のK値が60を超えてしまうこととなり、一方、7重量%を超えると、得られる重合体溶液が着色の生じやすいものとなる。なお、上記過酸化水素としては、通常、過酸化水素水等を使用することができる。
本発明のビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法においては、上記アンモニアの使用量を、上記単量体成分中のN−ビニルピロリドンに対して、0.1〜0.37重量%、好ましくは0.15〜0.3重量%とすることが重要である。アンモニアの使用量が0.1重量%未満であると、重合速度が著しく低下することとなり、一方、0.37重量%を超えると、得られる溶液の粘度が高くなったり、グラフト反応のような副反応が生じやすくなる。なお、副反応の生じやすさについては、後述する分子量分布の測定により判断することが好ましい。上記重合反応におけるビニルピロリドン系重合体の分子量分布の測定値は、2.1以下であることが好ましい。2.1を超えると、種々の用途において好適に用いることができないおそれがある。
なお、上記アンモニアとしては、通常、アンモニア水等を使用することができる。
本発明のビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法においては、上記銅触媒の使用量を、該触媒に含まれる銅イオン量が上記単量体成分中のN−ビニルピロリドンに対して20〜300ppbとすることが好ましい。より好ましくは100〜300ppb、更に好ましくは100〜200ppbである。銅触媒の使用量が20ppb未満であると、重合速度が著しく低下し、分解等の副反応が進行することとなり、一方、300ppbを超えて用いても、使用量を増やしたことに見合うだけの効果は得られず、経済的に不利となる。
上記銅触媒としては、例えば、硫酸銅、塩化銅、硝酸銅、酢酸銅、重合反応に不活性である水溶性銅錯体のような塩等を用いることができる。銅触媒は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
基本的に銅触媒は、重合装置を簡便にするため初期に水と混合しておいて特に問題ないが、銅触媒量が多くなると重合初期の発熱を抑制するため、銅触媒をその他の原料と同時に滴下してもかまわない。銅触媒をその他の原料と同時に滴下しても得られる物の物性に差はない。
上記水系溶媒としては、水を単独で用いることが好ましいが、水のほかに、適宜有機溶媒を含有させることもできる。水と含有させることのできる有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類;グリコールエーテル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ポリエチレングリコール等のエーテル類;ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピリジン、モルホリン、2−アミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等のアミン類;等が挙げられる。これら有機溶媒は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。なお、これら有機溶媒をも含有させる場合には、これら有機溶媒の含有量が水系溶媒中の100ppm以下となるようにすることが好ましい。
前水系溶媒の使用量は、重合反応によって生じるビニルピロリドン系重合体の濃度が40〜60重量%となるように、適宜設定すればよい。
本発明のビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法において、重合反応は、上記単量体成分と上記過酸化水素と上記アンモニアとを、上記銅触媒を含む水系溶媒中に逐次添加することにより行う。本発明は、前述したようにビニルピロリドン系重合体の濃度が40〜60重量%である高濃度溶液を得ようとするものであるので、各原料を一括して添加するようにすると、反応により多大な発熱が生じ、安全性を損なうこととなるが、本発明の製造方法においては、逐次添加して反応を進行させることにより、反応により生じる発熱の問題を回避し、安全な製造を可能とするのである。具体的には、逐次添加とは、連続的な添加(例えば、一定時間をかけて滴下する態様)であってもよいし、断続的な添加(例えば、各原料(単量体成分、過酸化水素、アンモニア)を複数回に分けて投入する態様)であってもよいし、両者を組み合わせた添加であってもよい。なお、単量体成分と過酸化水素とアンモニアは、各々別々に逐次添加することが望ましいが、適宜あらかじめ混合して逐次添加するようにしてもよい。
N−ビニルピロリドン、過酸化水素、及び、アンモニアの逐次添加後、必要に応じて任意にアンモニアを0.01〜1.0%添加してもよく、添加することで残存するモノマーの低減を促進することができる。添加方法としては、特に限定されず、一括添加でも、連続滴下でもよい。好ましい範囲としては0.01〜0.7%、より好ましくは、0.05〜0.5%である。
本発明のビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法において、上記重合反応は55〜90℃で行うことが重要である。詳しくは、重合反応は、単量体成分、過酸化水素、アンモニア及び銅触媒の全てが水系溶媒中に存在することとなった時点から開始するのであり、該重合開始時点から反応系内(水系溶媒)の温度を上記範囲に維持することが重要となる。重合反応を55℃未満の温度で行うと、分子量が増大する傾向があり、生じる重合体のK値を60以下にとどめることができなくなり、一方、90℃を超える温度で行うと、原料モノマーや生成した重合体の分解反応が促進されて、着色を生じたりすることとなる。なお、上記重合反応の大部分を55〜90℃で行うことが好ましい。
上記重合反応においては、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、例えば、連鎖移動剤、助触媒、pH調節剤、緩衝剤等を用いることもできる。また、上記重合反応において、もしくは上記重合反応ののちに、例えば、酸化防止剤、加工安定剤、可塑剤、分散剤、充填剤、老化防止剤、顔料、硬化剤等の得られた重合溶液の物性や性能を向上させるための各種添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有させることもできる。
〔ビニルピロリドン系重合体の取り扱い方法〕
本発明のビニルピロリドン系重合体の取り扱い方法は、フィケンチャー法によるK値が60以下であるビニルピロリドン系重合体を、上記本発明のビニルピロリドン系重合体溶液として取り扱うものである。上記本発明のビニルピロリドン系重合体溶液のような高濃度溶液として取り扱うことで、溶液としての使用時に再度溶解させる必要がなく、しかも貯蔵や輸送の際に容積面で粉体と同等かそれ以上の有利性を得ることができる。
なお、本発明で言う「取り扱い」とは、例えば、貯蔵、輸送等、製造されてから使用されるまでのあらゆる段階での動作を意味するものであり、本発明のビニルピロリドン系重合体の取り扱い方法は、具体的には、例えば、タンクローリー等で貯蔵、輸送する場合、ドラム等に収納して貯蔵、輸送する場合、製造現場から使用現場までの間をパイプ輸送する場合等において、ビニルピロリドン系重合体を上記本発明のビニルピロリドン系重合体溶液の状態としておくものである。
本発明によれば、低K値のビニルピロリドン系重合体の高濃度溶液であって、医薬品用途や着色が問題となる用途を含めあらゆる用途において用いうるビニルピロリドン系重合体溶液を容易に得ることができる。そして、このようなビニルピロリドン系重合体溶液をそのまま取り扱う(貯蔵、輸送)ことで、溶液としての使用時に再度溶解させる必要がなく、しかも貯蔵や輸送の際に容積面で粉体と同等かそれ以上の有利性を得ることができる。
以下に、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下では、特に断りのない限り、「重量部」を単に「部」と、「重量%」を単に「%」と記すものとする。
実施例で得られた水溶液の物性は、下記の方法で測定した。
<濃度>
得られた水溶液を約2g精秤し(このときの重量をx(g)とする)、150℃で1時間乾燥させ、乾燥後の不揮発分をポリビニルピロリドンとみなし、その重量を測定し(この乾燥後の重量をy(g)とする)、下記式により算出した。
濃度(%)=(y/x)×100
<K値>
得られた水溶液をポリビニルピロリドンの濃度が1%となるよう希釈し、該希釈溶液の粘度を25℃において毛細管粘度計によって測定して、得られた測定値から、前述したフィケンチャー式に基づき求めた。
<強熱残分>
日本薬局方の強熱残分試験法に従い、得られた水溶液を約1g精秤し(このときの重量をx(g)とする)、加熱乾燥したのち、得られた残渣に濃硫酸を添加し、灰化させた。得られた灰分をさらに500℃で加熱したのち、放冷し、その重量を測定し(このときの重量をy(g)とする)、下記式により算出した。
強熱残分(ppm)=(y/x)×100
<色相(50%APHA)>
JIS−K3331に従い、不揮発分50%に調整した水溶液のAPHAを測定した。
<残存N−ビニルピロリドン量>
液体クロマトグラフィーを用い235nmの吸収強度で定量分析を行い、水溶液中に存在するN−ビニルピロリドンの量を求め、濃度から算出したポリビニルピロリドン量に対するN−ビニルピロリドン量をppmで表した。
<分子量分布測定>
島津製作所製のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、カラムとしてShodex社製の「LF804(商品名)」と「KD801(商品名)」を使用して、溶離液としてDMF、1%KBrを添加し、流量0.8mL/min、カラム温度40℃で分子量分布(Mw/Mn)を測定した。
〔実施例1〕
硫酸銅0.00023部(N−ビニルピロリドンに対する銅触媒量は、200ppb)と水426.3部とを反応容器に仕込み、80℃まで昇温した。次いで、80℃を維持しながら、N−ビニルピロリドン450部、25%アンモニア水3.6部(N−ビニルピロリドンに対するアンモニア量は、0.2%)、及び35%過酸化水素水15部を、別々にそれぞれ180分間かけて滴下した。滴下終了後、35%過酸化水素水4.5部(N−ビニルピロリドンに対する過酸化水素の量は、2.9%)を5回に均等に分けて1時間間隔で添加し、5回目の添加後、さらに80℃で1時間保持して、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。得られたポリビニルピロリドン水溶液の物性を測定したところ、濃度が50%、K値が30、強熱残分が1ppm以下、色相(50%APHA)が160、残存N−ビニルピロリドン量がポリビニルピロリドンに対して10ppm以下であった。なお、製造時にアルカノール類は使用していないので、得られたポリビニルピロリドン水溶液のアルカノール類の濃度は0ppmである。分子量分布を測定したところ2.0であった。
〔実施例2〕
実施例1における水の量を330.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。得られたポリビニルピロリドン水溶液の物性を測定したところ、濃度が56%、K値が33、強熱残分が1ppm以下、色相(50%APHA)が160、残存N−ビニルピロリドン量がポリビニルピロリドンに対して10ppm以下であった。なお、製造時にアルカノール類は使用していないので、得られたポリビニルピロリドン水溶液のアルカノール類の濃度は0ppmである。分子量分布を測定したところ2.0であった。
〔実施例3〕
硫酸銅0.00023部(N−ビニルピロリドンに対する銅触媒量は、200ppb)と水384.3部とを反応容器に仕込み、60℃まで昇温した。次いで、60℃を維持しながら、N−ビニルピロリドン450部、25%アンモニア水3.6部(N−ビニルピロリドンに対するアンモニア量は、0.2%)、及び35%過酸化水素水57部を、別々にそれぞれ180分間かけて滴下した。滴下終了後、80℃で5時間保持したのち、35%過酸化水素水4.5部(N−ビニルピロリドンに対する過酸化水素の量は、2.9%)を5回に均等に分けて1時間間隔で添加し、5回目の添加後、さらに80℃で1時間保持して、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。得られたポリビニルピロリドン水溶液の物性を測定したところ、濃度が50%、K値が15、強熱残分が1ppm以下、色相(50%APHA)が160、残存N−ビニルピロリドン量がポリビニルピロリドンに対して10ppm以下であった。なお、製造時にアルカノール類は使用していないので、得られたポリビニルピロリドン水溶液のアルカノール類の濃度は0ppmである。なお、分子量分布を測定したところ1.8であった。反応時間は13時間であった。
〔実施例4〕
硫酸銅0.00023部(N−ビニルピロリドンに対する銅触媒量は、200ppb)と水432.7部とを反応容器に仕込み、80℃まで昇温した。次いで、80℃を維持しながら、N−ビニルピロリドン450部、25%アンモニア水3.6部(N−ビニルピロリドンに対するアンモニア量は、0.2%)、及び35%過酸化水素水8.6部を、別々にそれぞれ180分間かけて滴下した。滴下終了後、35%過酸化水素水4.5部(N−ビニルピロリドンに対する過酸化水素の量は、2.9%)を5回に均等に分けて1時間間隔で添加し、5回目の添加後、さらに80℃で1時間保持して、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。得られたポリビニルピロリドン水溶液の物性を測定したところ、濃度が50%、K値が40、強熱残分が1ppm以下、色相(50%APHA)が150、残存N−ビニルピロリドン量がポリビニルピロリドンに対して10ppm以下であった。なお、製造時にアルカノール類は使用していないので、得られたポリビニルピロリドン水溶液のアルカノール類の濃度は0ppmである。分子量分布を測定したところ2.1であった。
〔実施例5〕
水426.3部を反応容器に仕込み、80℃まで昇温した。次いで、80℃を維持しながら、N−ビニルピロリドン450部、25%アンモニア水3.6部(N−ビニルピロリドンに対するアンモニア量は、0.2%)、硫酸銅0.00023部(N−ビニルピロリドンに対する銅触媒量は、200ppb)、及び35%過酸化水素水9.5部を、別々にそれぞれ180分間かけて滴下した。滴下終了後、35%過酸化水素水4.5部(N−ビニルピロリドンに対する過酸化水素の量は、2.9%)を5回に均等に分けて1時間間隔で添加し、5回目の添加後、さらに80℃で1時間保持して、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。得られたポリビニルピロリドン水溶液の物性を測定したところ、濃度が50%、K値が30、強熱残分が1ppm以下、色相(50%APHA)が160、残存N−ビニルピロリドン量がポリビニルピロリドンに対して10ppm以下、分子量分布が2.0であった。なお、製造時にアルカノール類は使用していないので、得られたポリビニルピロリドン水溶液のアルカノール類の濃度は0ppmである。分子量分布を測定したところ2.0であった。
〔実施例6〕
水426.3部を反応容器に仕込み、60℃まで昇温した。次いで、60℃を維持しながら、N−ビニルピロリドン450部、25%アンモニア水3.6部(N−ビニルピロリドンに対するアンモニア量は、0.2%)、硫酸銅0.00023部(N−ビニルピロリドンに対する銅触媒量は、200ppb)、及び35%過酸化水素水57部を、別々にそれぞれ180分間かけて滴下した。前記原料の逐次滴下終了後、25%アンモニア水9.0部(N−ビニルピロリドンに対するアンモニア水の量は、0.5%)を180分かけて滴下した。反応開始から、6時間後、35%過酸化水素水2.4部(N−ビニルピロリドンに対する過酸化水素の量は、6.2%)を添加後、さらに60℃で1時間保持して、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。得られたポリビニルピロリドン水溶液の物性を測定したところ、濃度が50%、K値が15、強熱残分が1ppm以下、色相(50%APHA)が160、残存N−ビニルピロリドン量がポリビニルピロリドンに対して10ppm以下であった。なお、製造時にアルカノール類は使用していないので、得られたポリビニルピロリドン水溶液のアルカノール類の濃度は0ppmである。分子量分布を測定したところ2.0であった。本実施例における反応時間は7時間であり、実施例3における反応時間13時間と比較して大きく短縮することができた。
〔比較例1〕
硫酸銅0.00023部(N−ビニルピロリドンに対する銅触媒量は、200ppb)と水426.3部とを反応容器に仕込み、95℃まで昇温した。次いで、95℃を維持しながら、N−ビニルピロリドン450部、25%アンモニア水3.6部(N−ビニルピロリドンに対するアンモニア量は、0.2%)、及び35%過酸化水素水15部を、別々にそれぞれ180分間かけて滴下した。滴下終了後、35%過酸化水素水4.5部(N−ビニルピロリドンに対する過酸化水素の量は、2.9%)を5回に均等に分けて1時間間隔で添加し、5回目の添加後、さらに95℃で1時間保持して、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。得られたポリビニルピロリドン水溶液の物性を測定したところ、濃度が50%、K値が30、強熱残分が0.1%以下、色相(50%APHA)が330、残存N−ビニルピロリドン量がポリビニルピロリドンに対して10ppm以下であった。なお、製造時にアルカノール類は使用していないので、得られたポリビニルピロリドン水溶液のアルカノール類の濃度は0ppmである。分子量分布を測定したところ2.0であった。
〔比較例2〕
硫酸銅0.00023部(N−ビニルピロリドンに対する銅触媒量は、200ppb)と水426.3部とを反応容器に仕込み、100℃まで昇温した。次いで、100℃を維持しながら、N−ビニルピロリドン450部、25%アンモニア水3.6部(N−ビニルピロリドンに対するアンモニア量は、0.2%)、及び35%過酸化水素水15部(N−ビニルピロリドンに対する過酸化水素の量は、2.9%)を、別々にそれぞれ180分間かけて滴下した。滴下終了後、35%過酸化水素水4.5部を5回に均等に分けて1時間間隔で添加し、5回目の添加後、亜硫酸ナトリウム2.5部を添加して、さらに100℃で1時間保持して、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。得られたポリビニルピロリドン水溶液の物性を測定したところ、濃度が50%、K値が30、強熱残分が0.2%以上、色相(50%APHA)が160、残存N−ビニルピロリドン量がポリビニルピロリドンに対して10ppm以下であった。なお、製造時にアルカノール類は使用していないので、得られたポリビニルピロリドン水溶液のアルカノール類の濃度は0ppmである。分子量分布を測定したところ2.0であった。
〔比較例3〕
硫酸銅0.00023部(N−ビニルピロリドンに対する銅触媒量は、200ppb)と水426.3部とを反応容器に仕込み、60℃まで昇温した。次いで、60℃を維持しながら、N−ビニルピロリドン450部、25%アンモニア水10.8部(N−ビニルピロリドンに対するアンモニア量は、0.6%)、及び35%過酸化水素水57部(N−ビニルピロリドンに対する過酸化水素の量は、6.2%)を、別々にそれぞれ180分間かけて滴下した。滴下終了後、80℃で5時間保持した後、35%過酸化水素水4.5部を5回に均等に分けて1時間間隔で添加し、5回目の添加後、さらに80℃で1時間保持して、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。得られたポリビニルピロリドン水溶液の物性を測定したところ、濃度が50%、K値が19、強熱残分が1ppm以下、色相(50%APHA)が160、残存N−ビニルピロリドン量がポリビニルピロリドンに対して100ppm以上であった。なお、製造時にアルカノール類は使用していないので、得られたポリビニルピロリドン水溶液のアルカノール類の濃度は0ppmである。分子量分布を測定したところ2.2であった。
本発明にかかるビニルピロリドン系重合体溶液とその製造方法、及びこれを利用したビニルピロリドン系重合体の取り扱い方法は、例えば、化粧品用途;崩壊剤、溶解補助剤、錠剤の結合剤、ヨウ素との複合体等の医薬品・医薬品用添加剤用途;再汚染防止剤、色移り防止剤等の洗剤添加剤用途;金属微粒子や有機/無機顔料等の分散剤、粘接着剤、フォトレジストやインク用添加剤、導電性層や固体電解質等の工業用途;等のあらゆる用途に好ましく適用することができ、とりわけ、K値60以下のビニルピロリドン系重合体を溶液として使用する用途であって、着色や強熱残分が問題となる用途において有用である。

Claims (1)

  1. フィケンチャー法によるK値が60以下であるビニルピロリドン系重合体の濃度40〜60重量%の溶液を製造する方法であって、
    N−ビニルピロリドンを必須とする単量体成分と過酸化水素とアンモニアとを銅触媒を含む水系溶媒中に逐次添加して55〜90℃で重合反応させることとし、
    N−ビニルピロリドンに対して、アンモニアの使用量は0.1〜0.37重量%となる量とし、過酸化水素の使用量は0.4〜7重量%となる量とし、
    銅触媒の使用量は、該銅触媒に含まれる銅イオン量がN−ビニルピロリドンに対して20〜300ppbとなる量とし、
    該銅触媒は、硫酸銅、塩化銅、硝酸銅、酢酸銅のいずれかである
    ことを特徴とするビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法。
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