JP5451417B2 - N−ビニル環状ラクタム重合体の製造方法 - Google Patents

N−ビニル環状ラクタム重合体の製造方法 Download PDF

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本発明は、N−ビニル環状ラクタム重合体の製造方法、それによって得られるアルカリ可溶性樹脂及びその用途に関する。より詳しくは、いわゆる感光性レジストとして、電子情報材料の他、コーティング剤、接着剤、粘着剤、封止剤、塗料、インク、レンズ、成型材料等の各種の分野で用いられ、特に電子情報材料分野におけるカラー液晶表示パネルやカラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルターの製造に好適に使用することができるN−ビニル環状ラクタム重合体を製造する方法に関する。更には、それによって得られるN−ビニル環状ラクタム重合体を含むアルカリ可溶性樹脂、感光性樹脂組成物、感光性着色樹脂組成物、それらの硬化物及び光学部材に関する。
感光性樹脂は、塗工形成された膜に光を当てることによって形態変化し、例えば、光が当てられた部分が硬化し、その他の部分が溶解性を示す等の特性を持つものである。このような特性を利用して、ディスプレイ用の光学部材やその他の電子機器の回路基板等を製造するために用いられ、いわゆるIT技術の発展にともなって、その重要性が益々増している有用な工業材料である。このような感光性樹脂が使用される重要な部材の一つにカラーフィルターが挙げられる。カラーフィルターは、カラー液晶表示装置やカラー撮像管素子に不可欠な部材であり、色を分離するための微細な着色樹脂層を有する。カラーフィルター形成用感光性樹脂組成物としては種々のものが提唱されているが、現在の主流は、アクリル系の感光性樹脂組成物とし、アルカリ現像型レジストとすることであり、これは、微細加工における製版特性を左右する成分としてアルカリ可溶性樹脂を必須成分として含むのが通常である。
アルカリ可溶性樹脂は、様々な工業分野で用いられている材料であるが、電子情報材料の分野において、中でもアルカリ現像型レジストに好適に用いることができるものである。この分野においては、例えば、カラーフィルター用途の場合、感光性が良く、アルカリに対する現像速度が速く、パターン形状、密着性能など、カラーフィルターを作製する際の製版性に寄与する基本性能や、耐溶剤性能や耐熱性、透明性など、カラーフィルターの信頼性や分光特性に寄与する基本性能に優れることが求められることになる。すなわち、アルカリ可溶性樹脂は、カラーフィルターを作製する際の製版性やカラーフィルター自体の性能に大きく影響することになり、これらの特性を充足させ、向上させるための開発研究が活発になされているところである。
従来のアルカリ可溶性の感光性樹脂としては、特定の構造を有する(メタ)アクリル酸エステル(a)、(メタ)アクリル酸(b)及び(a)以外の(メタ)アクリル酸エステル(c)から得られる共重合体(A)の一部の酸基にエポキシ基含有不飽和化合物(d)を付加させて得られる変性共重合体(B)からなる活性エネルギー線硬化性樹脂が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この活性エネルギー線硬化性樹脂においては、高精細なパターンを正確に形成する優れたパターン形成性が求められているところ、パターン形成性を充足させつつ、それによるレジストパターンの倒壊を防ぐために、レジストパターン自体の機械強度を高めることを実現しようとするものである。
特開2009−203320号公報(第1−2頁)
ところで、アルカリ可溶性樹脂の製法においては、単量体成分の重合工程において、水系溶媒(水を主体とする溶媒)中での重合又は非プロトン系溶媒(非水系溶媒)中での重合による方法を用いることができるが、非プロトン系溶媒を用いる方が単量体成分の選択の幅が広がり、種々の用途への適応や性能向上において有利である。また、非プロトン系溶媒を用いることは多くの単量体の選択ができ、生産性の面においても有利であり、アルカリ現像型レジストの場合、カラーフィルターの製造工程においては、非プロトン系溶媒が用いられるのが通常である。
本発明者の検討によれば、カラーフィルター用等のアルカリ現像型レジストの調製において、製版性等の特性を発現させるために必須である(メタ)アクリル系単量体に加えて、アルカリ現像型レジストとしての特性を向上させるためにビニルピロリドン等のN−ビニル環状ラクタム化合物を単量体成分として非水系溶媒中で共重合するに際し、分子量を制御するために連鎖移動剤を用いる場合、これによって充分な分子量制御ができないという課題が見出された。不充分な分子量制御の結果、分子量の不揃いな共重合体となってしまい、これがこの共重合体を含む感光性樹脂組成物の性能の低下にまで繋がってしまうことになる。これに対して、連鎖移動剤の使用量を増加させることなく分子量制御を容易に行うことができれば、製版性やカラーフィルター等における性能に優れ、種々の用途に好適に適応できるアルカリ可溶性樹脂を提供することが可能となる。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、感光性、アルカリ現像性、密着性、製版性を有するために、カラーフィルターや液晶パネル等の製造において好適に使用することができる感光性樹脂組成物に好適に用いられるアルカリ可溶性樹脂を製造する方法において、非プロトン系溶媒を用いて分子量制御を容易に行うことができる製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、(メタ)アクリル系単量体とN−ビニル環状ラクタム化合物とを含む単量体成分を共重合してアルカリ可溶性樹脂を製造する方法について種々の検討を行ったところ、連鎖移動剤を用いて分子量制御を行う際に、重合系に使用する溶媒が共重合体の分子量や分子量分布に大きく影響することに着目した。そして、非プロトン系溶媒を用いた重合系において、該溶媒中に水酸基含有化合物を共存させることにより、分子量制御を充分に行うことが可能となり、分子量のばらつきが少なく、分子量分布の狭い重合体を製造することができることを見出し、上記課題を見事に解決することができることに想到したものである。通常、水系溶媒中での重合においては問題とはならないが、非プロトン系溶媒中での重合においては、N−ビニル環状ラクタム化合物が連鎖移動剤を失活させ、分子量を制御する機能が低下するものと推察される。この場合に、水系溶媒に性質が近い溶媒として水酸基含有化合物を共存させると、水系溶媒中におけるのと同様に連鎖移動剤の失活が抑制されるものと考えられる。N−ビニル環状ラクタム化合物を共重合させる重合系において、非プロトン系溶媒を用いる場合には、連鎖移動剤が失活して充分に分子量制御ができなくなること、それを抑制するための有効な手段として水酸基含有化合物を共存させればよいことは、従来においては知られていなかった。特に、水系溶媒に性質が近い溶媒として水酸基含有化合物を共存させれば、非プロトン系溶媒中で分子量制御を充分に行うことができるようになるということは、従来技術からは予測し得なかったことである。また、それによって性能に優れたアルカリ可溶性樹脂を容易に製造できるようになったことは、アルカリ現像型レジストが種々の技術分野において用いられる有用な化学製品であることを考えれば、本願発明の製造方法における上記作用効果は際立って優れたものであるといえる。
更に、水酸基含有化合物の分子量範囲が設定された形態や側鎖二重結合含有重合体を得る工程を含む形態等が好適であることを見出し、本発明に到達したものである。アルカリ可溶性樹脂を側鎖二重結合含有重合体として製造する場合、水酸基含有化合物を用いて分子
量制御を行うことと相まって、側鎖二重結合がアルカリ可溶性樹脂の硬化に寄与することによる製版特性やカラーフィルター等としての性能向上を更に高めることが可能となる。
すなわち本発明は、(メタ)アクリル系単量体とN−ビニル環状ラクタム化合物とを含む単量体成分を重合してN−ビニル環状ラクタム重合体を製造する方法であって、上記製造方法は、非プロトン系溶媒中で、連鎖移動剤及び水酸基含有化合物の共存下に単量体成分を重合する工程を含むN−ビニル環状ラクタム重合体の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明のN−ビニル環状ラクタム重合体の製造方法は、(メタ)アクリル系単量体とN−ビニル環状ラクタム化合物とを含む単量体成分を重合してN−ビニル環状ラクタム重合体を製造する方法であるが、(メタ)アクリル系単量体及びN−ビニル環状ラクタム化合物をそれぞれ1種含むものであってもよく、2種以上含んでいてもよい。また単量体成分は、(メタ)アクリル系単量体及びN−ビニル環状ラクタム化合物を含むものである限り、その他の成分を含んでいてもよい。
ただし、上記単量体成分100質量%に対して、(メタ)アクリル系単量体と、N−ビニル環状ラクタム化合物とを合わせた合計割合が、50〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは、60〜100質量%であり、更に好ましくは、70〜100質量%である。
上記製造方法は、非プロトン系溶媒中で、連鎖移動剤及び水酸基含有化合物の共存下に上記単量体成分を重合する工程を含むものである。上述したように、単量体成分にN−ビニル環状ラクタム化合物が含まれている場合、非プロトン系溶媒を用いた製造方法では、得られる重合体の分子量を制御することができず、分子量の不揃いな重合体が合成されてしまう。水系溶媒中においては、N−ビニル環状ラクタム化合物は連鎖移動剤と反応しないため、連鎖移動剤によって得られる重合体の分子量を制御することが可能であることから、本発明における課題は、非プロトン系溶媒中での重合反応に特有の課題であるということができる。ただし、水系溶媒では、単量体成分に含めて(メタ)アクリル系単量体と共重合させる単量体の選択肢が非常に限られたものとなってしまうため、性能の優れた種々の用途に適用することのできるアルカリ可溶性の感光性樹脂を製造する上では、(メタ)アクリル系単量体と共重合させる単量体の選択肢が限られない非プロトン系溶媒を用いることのメリットが大きく、ここに非プロトン系溶媒を用いる技術的意義がある。
なお、本発明のN−ビニル環状ラクタム重合体の製造方法は、非プロトン系溶媒中で、連鎖移動剤及び水酸基含有化合物の共存下に単量体成分を重合する工程を含む限り、その他の工程を含んでいてもよい。
上記重合工程は、単量体成分の重合反応時に、連鎖移動剤及び水酸基含有化合物が非プロトン系溶媒中に存在する限りにおいて、連鎖移動剤、水酸基含有化合物の反応系中への投入方法は共に制限されず、反応前から反応系中に加えておいてもよく、反応開始後に連続的又は断続的に投入していってもよい。
上記水酸基含有化合物は、分子内に水酸基を1個又は複数個有する化合物であればよく、分子量が30〜140であることが好ましい。水酸基含有化合物の分子量がこのような範囲であると、単量体成分を重合し、重合体が得られた後、水酸基含有化合物を蒸留等により揮発させて重合体を精製する場合に、水酸基含有化合物が充分に揮発し、重合体の精製度を上げることが可能となる。水酸基含有化合物の分子量としては、40〜135であることがより好ましく、50〜130であることが更に好ましい。
なお、(メタ)アクリル系単量体として水酸基を有しているものを用いる場合には、(メタ)アクリル系単量体は共重合反応する単量体原料であるので、重合反応の進行に伴い反応系中における量は減少していく一方であることから、重合反応の全般に渡って連鎖移動
剤の失活を充分に防ぐためには、該水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体の他に、共重合しない水酸基含有化合物を共存させて重合反応を行うことが好ましい。すなわち、本発明における上記水酸基含有化合物としては、重合性不飽和結合を有しないものであることが好ましく、水酸基含有(メタ)アクリル系単量体を含まないことが好ましい。
上記水酸基含有化合物としては、例えば、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等が挙げられる。これらの中でも、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルがより好ましく、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルが更に好ましい。
これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記水酸基含有化合物の使用量としては、上記単量体成分100質量%に対して、10〜1000質量%であることが好ましい。このような範囲であると、反応溶液中のN−ビニル環状ラクタム化合物と連鎖移動剤とが反応して連鎖移動剤を失活させてしまうのを充分に抑制することが可能となる。より好ましく、20〜500質量%であり、更に好ましくは、50〜200質量%である。
上記連鎖移動剤は、通常、得られる重合体の分子量分布の増大やゲル化を抑制することを目的として通常用いられる化合物を本発明においても用いることができる。
上記連鎖移動剤としては、例えば、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸等のメルカプトカルボン酸類;メルカプト酢酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、3−メルカプトプロピオン酸n−オクチル、3−メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、3−メルカプトプロピオン酸ステアリル、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)等のメルカプトカルボン酸エステル類;エチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、1,2−ジメルカプトエタン等のアルキルメルカプタン類;2−メルカプトエタノール、4−メルカプト−1−ブタノール等のメルカプトアルコール類;ベンゼンチオール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオール、2−ナフタレンチオール等の芳香族メルカプタン類;トリス〔(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル〕イソシアヌレート等のメルカプトイソシアヌレート類;2−ヒドロキシエチルジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド等のジスルフィド類;ベンジルジエチルジチオカルバメート等のジチオカルバメート類;α−メチルスチレンダイマー等の単量体ダイマー類;四臭化炭素等のハロゲン化アルキル類等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの中では、入手性、架橋防止能、重合速度低下の度合いが小さい等の点で、メルカプトカルボン酸類、メルカプトカルボン酸エステル類、アルキルメルカプタン類、メルカプトアルコール類、芳香族メルカプタン類、メルカプトイソシアヌレート類等のメルカプト基を有する化合物が好ましく、アルキルメルカプタン類、メルカプトカルボン酸類、メルカプトカルボン酸エステル類がより好ましい。特に好ましくは、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、メルカプト酢酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸メチル、
n−ドデシルメルカプタンである。
上記連鎖移動剤の使用量は、使用する単量体の種類や量、重合温度、重合濃度等の重合条件、目標とする重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、重量平均分子量が数千〜数万の重合体を得るには、上記単量体成分100質量%に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
上記N−ビニル環状ラクタム化合物としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等が挙げられる。これらの中でも、入手のし易さ、取り扱いの点から、N−ビニルピロリドンが好ましい。すなわち、上記N−ビニル環状ラクタム化合物がN−ビニルピロリドンを含むこともまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
また、上記N−ビニル環状ラクタム化合物の使用量は、上記単量体成分100質量%に対して、1〜40質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。更に好ましくは、5〜20質量%である。
上記(メタ)アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸、直鎖状又は分岐状炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、水酸基含有エステル構造を有する(メタ)アクリル酸エステル、エーテル基含有エステル構造を有する(メタ)アクリル酸エステル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エステル類、及び、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチルからなる群より選択される少なくとも1種の(メタ)アクリル系単量体を用いることが好ましい。
上記直鎖状又は分岐状炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が好適である。
上記脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル等が好適である。
上記芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル等が好適である。
上記水酸基含有エステル構造を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等が好適である。
上記エーテル基含有エステル構造を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸β−エチルグリシジル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル等が好適である。
上記α−ヒドロキシメチルアクリル酸エステル類としては、例えば、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル等が好適である。
上記(メタ)アクリル系単量体としては、上述したものの中でも、耐熱性や貯蔵安定性、入手性の観点から、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等が好ましく、特に、反応性が高く、また溶媒への溶解性が高く、更に工業的に入手が容易である、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジルがより好ましい。更に好ましくは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル(メタ)アクリル酸ベンジルである。最も好ましくは、メタクリル酸、メタクリル酸シクロヘキシルである。
なお上述のように、上記(メタ)アクリル系単量体が(メタ)アクリル酸を含むこともまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記(メタ)アクリル系単量体の含有量は、上記単量体成分100質量%に対して、99〜60質量%であることが好ましい。このような範囲であった場合に、重合して得られるN−ビニル環状ラクタム重合体を含むアルカリ可溶性樹脂のアルカリ可溶性をより適したものとすることができる。より好ましくは、98〜70質量%であり、更に好ましくは、95〜80質量%である。
ここで特に、本発明の製造方法により得られるN−ビニル環状ラクタム重合体を用いてアルカリ可溶性樹脂とする場合に、該アルカリ可溶性樹脂のアルカリ可溶性をより適度なものとしたり色材分散性により優れたものとしたりするためには、上記(メタ)アクリル系単量体として、(メタ)アクリル酸、及び、(メタ)アクリル酸以外のその他の(メタ)アクリル系単量体を用いることが好ましい。該(メタ)アクリル酸以外のその他の(メタ)アクリル系単量体としては、上記(メタ)アクリル系単量体のうち(メタ)アクリル酸を除いたものと同様のものを用いることができる。それらの組み合わせの中でも、(メタ)アクリル酸と、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルとの組み合わせがより好ましく、特に好ましくは、メタクリル酸と、メタクリル酸シクロヘキシルとの組み合わせである。
また、上記(メタ)アクリル系単量体として、(メタ)アクリル酸と、(メタ)アクリル酸以外のその他の(メタ)アクリル系単量体とを組み合わせて用いる場合には、上記単量体成分において、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸以外のその他の(メタ)アクリル系単量体、及び、N−ビニル環状ラクタム化合物の含有比は、5/94/1〜50/10/40であることが好ましい。より好ましくは、10/88/2〜40/30/30であり、更に好ましくは、15/80/5〜30/50/20である。
更に、上記単量体成分は、必要に応じて、他の不飽和基含有単量体を含んでいてもよい。上記他の不飽和基含有単量体としては、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のアクリルアミド類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和酸無水物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレン等の芳香族ビニル類;メチルマレイミド、エチルマレイミド、イソプロピルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、ベンジルマレイミド、ナフチルマレイミド等のN置換マレイミド類;ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム等の重合体分子鎖の片末端にアクリロイル基を有するマクロモノマー類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシ
ルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル化合物類;アクリル酸イソシアナトエチル、アリルイソシアネート等の不飽和イソシアネート類等が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
これらの中でも、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル類;シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、ベンジルマレイミド等のN置換マレイミド類;ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリカプロラクトン等の重合体分子鎖の片末端にアクリロイル基を有するマクロモノマー類が好ましく、スチレン、ビニルトルエン、ベンジルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドがより好ましい。更に好ましくは、スチレン、ベンジルマレイミドである。
上記単量体成分の重合方法としては、バルク重合、溶液重合、乳化重合等の通常用いられる重合方法を用いることができ、目的、用途に応じて適宜選択すればよいが、溶液重合が工業的に有利で、分子量等の構造調整も容易であるため好ましい。また、上記単量体成分の重合機構としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合等の機構に基づいた重合方法を用いることができるが、ラジカル重合機構に基づく重合方法が、工業的にも有利であるため好ましい。
上記重合反応における重合開始方法としては、熱や電磁波(赤外線、紫外線、X線等)、電子線等の活性エネルギー源から重合開始に必要なエネルギーを単量体成分に供給すればよく、さらに重合開始剤を併用すれば重合開始に必要なエネルギーを大きく下げることが可能となり、また、反応制御が容易となるため好ましい。
上記単量体成分を溶液重合法により重合する場合、重合に使用する溶媒としては、重合反応に不活性なものであれば特に限定されるものではなく、重合機構、使用する単量体の種類や量、重合温度、重合濃度等の重合条件に応じて適宜設定すればよいが、後に感光性樹脂組成物とする際に溶剤を用いる場合には、該溶剤を含む溶媒を単量体成分の溶液重合に用いることが効率的で好ましい。
上記溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン,ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールモノエーテルのエステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアルキルエステル類;アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等が好適に挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの溶媒の中では、得られる重合体の溶解性、塗膜を形成する際の表面平滑性、人体及び環境への影響の少なさ、工業的入手のし易さから、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルがより好ましい。
上記溶媒の使用量としては、上記単量体成分100質量%に対して、20〜500質量%であることが好ましく、より好ましくは、50〜200質量%である。
上記単量体成分をラジカル重合機構により重合する場合、熱によりラジカルを発生する重合開始剤を併用するのが工業的に有利で好ましい。そのような重合開始剤としては、熱エネルギーを供給することによりラジカルを発生するものであれば特に限定されるものではなく、重合温度や溶媒、重合させる単量体の種類等の重合条件に応じて、適宜選択すればよい。
上記重合開始剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、過酸化水素、過硫酸塩等の通常重合開始剤として使用される過酸化物やアゾ化合物等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、重合開始剤とともに遷移金属塩やアミン類等の還元剤を併用してもよい。
上記重合開始剤の使用量は、使用する単量体の種類や量、重合温度、重合濃度等の重合条件、目標とする重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、重量平均分子量が数千〜数万の重合体を得るには、上記単量体成分100質量%に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
上記単量体成分をラジカル重合機構により、重合開始剤を用いて重合する際の重合温度としては、使用する単量体の種類や量、重合開始剤の種類や量等に応じて適宜設定すればよいが、50〜200℃が好ましく、70〜150℃がより好ましい。また、重合時間も同様に適宜設定することができるが、0.5〜10時間が好ましく、1〜6時間がより好ましい。
本発明においては、上記単量体成分を重合して得られるN−ビニル環状ラクタム重合体は、側鎖二重結合含有重合体であることが好ましい。より好ましくは、上記側鎖二重結合含有重合体は、上記単量体成分を重合して得られる重合体を、更に、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物と反応させて得られるものであることである。
すなわち、本発明のN−ビニル環状ラクタム重合体の製造方法は、重合工程により得られる重合体と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物とを反応させて側鎖二重結合含有重合体を得る工程を含むこともまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
なお、上記酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物の投入量は、上記反応によって得られる側鎖二重結合含有重合体の二重結合当量及び酸価が後述するような好ましいものとなるよう適宜設定することができるが、例えば、上記単量体成分を重合し
て得られる重合体の酸基数100mol%に対して、20〜90mol%であることが好ましい。より好ましくは、30〜80mol%である。
上記側鎖二重結合含有重合体を得る工程としては、(メタ)アクリル系単量体及びN−ビニル環状ラクタム化合物を含む上記単量体成分を重合した後に、得られた重合体と、該重合体のカルボン酸と反応し得る官能基X及び重合性二重結合基を有する単量体とを反応させる2段階の工程を含むことが好ましい。
上記重合性二重結合基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、メタリル基等が挙げられ、上記単量体はこれら1種のみを有していても、2種以上有していてもよい。これらの中では、反応性の点でアクリロイル基、メタクリロイル基が好ましい。
また、上記官能基Xとしては、例えば、ヒドロキシ基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基等が挙げられる。これらの中でも、変成処理反応の速さ、耐熱性、透明性の点からはエポキシ基が好ましい。
上記官能基X及び重合性二重結合基を有する単量体はこれら1種のみを有していても、2種以上有していてもよい。
上記エポキシ基及び重合性二重結合基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸β−エチルグリシジル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、ビニルシクロヘキセンオキシド等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記官能基Xとしてエポキシ基を有する単量体を用いる場合、上記重合体のカルボキシル基とエポキシ基を反応させる工程は、良好な反応速度を確保し、かつゲル化を防ぐために、50〜160℃の温度範囲で行うことが好ましく、70〜140℃で行うことがより好ましい。更に好ましくは90〜130℃で行うことである。
上記カルボキシル基とエポキシ基を反応させる工程において、反応速度を向上するために、触媒として通常使用されるエステル化あるいはエステル交換用塩基性触媒及び酸性触媒を用いることができ、中でも副反応が少なくなるため、塩基性触媒が好ましい。
上記塩基性触媒としては、例えば、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等の3級アミン;テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩;テトラメチル尿素等の尿素化合物;テトラメチルグアニジン等のアルキルグアニジン;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド化合物;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の3級ホスフィン;テトラフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホニウム塩等を挙げることができる。これらの触媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
これらの中では、反応性、取扱い性やハロゲンフリーの点で、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、テトラメチル尿素、トリフェニルホスフィンが好ましい。
上記触媒の使用量としては、本発明において用いられる単量体成分と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物との合計質量100質量%に対して、0.01〜5.0質量%用いることが好ましい。より好ましくは0.1〜3.0質量%となるように用いることである。
上記カルボキシル基とエポキシ基を反応させる工程は、ゲル化を防ぐために、重合禁止剤を添加し、分子状酸素含有ガスの存在下で行うことが望ましい。分子状酸素含有ガスとし
ては、通常、窒素等の不活性ガスで希釈された空気或いは酸素ガスが用いられ、反応容器内に吹き込まれる。
重合禁止剤としては、通常使用されるラジカル重合性化合物用の重合禁止剤を用いることができ、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、メトキノン、6−t−ブチル−2,4−キシレノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系禁止剤、有機酸銅塩やフェノチアジンを挙げることができる。これらの重合禁止剤は、単独で使用しても、2種類以上混合して使用してもよい。
これらの中では、低着色、重合防止能力の点でフェノール系禁止剤が好ましく、入手性、経済性から、中でも2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、メトキノン、6−t−ブチル−2,4−キシレノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノールが好ましい。
上記重合禁止剤の使用量としては、充分な重合防止効果の確保、及び、後に感光性樹脂組成物としたときの硬化性の点から、本発明において用いられる単量体成分と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物との合計質量100質量%に対して、0.001〜1.0質量%用いることが好ましい。より好ましくは0.005〜0.5質量%となるように用いることである。
上記官能基Xとしてエポキシ基を有する単量体を用いる場合、上記側鎖二重結合含有重合体を得る方法としては、例えば、本発明において用いられる単量体成分を重合した後、得られた重合体と、上記エポキシ基及び重合性二重結合基を有する単量体とを反応させる際に、該重合体のカルボキシル基の量を該単量体の量より過剰にする方法、本発明において用いられる単量体成分を重合した後、得られた重合体と、上記エポキシ基及び重合性二重結合基を有する単量体とを反応させた後に、更に多塩基酸無水物基を有する化合物を反応させる方法等が挙げられる。
上記多塩基酸無水物基を有する化合物としては、具体的には、例えば、無水コハク酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
上記側鎖二重結合含有重合体は、二重結合当量が300〜10000であることが好ましい。より好ましくは、350〜5000であり、更に好ましくは、400〜2000である。このような範囲とすることにより、本発明の感光性樹脂組成物中での重合体の充分な保存安定性と、本発明の感光性樹脂組成物の感度やパターン形状等における良好な製版特性とを更に高いレベルで両立することが期待できる。
なお、二重結合当量とは、重合体の二重結合1molあたりの重合体溶液の固形分の重量である。ここでいう重合体溶液の固形分の重量とは、上記単量体成分の構成成分の重量と重合禁止剤の重量とを合計したものである。重合体溶液の固形分の重量を重合体の二重結合量で除することにより、求めることが可能である。重合体の二重結合量は、投入した酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物の量から求めることができる。
本発明の製造方法により得られるN−ビニル環状ラクタム重合体は、酸価が20〜500mgKOH/gであることが好ましい。上記重合体の酸価をこのような範囲であると、本発明の感光性樹脂組成物が充分なアルカリ可溶性を発現し、特にアルカリ現像型レジスト
に用いる場合、良好な製版性を発揮することができる。上記重合体の酸価としては、40〜400mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは、60〜300mgKOH/gであり、更に好ましくは、80〜200mgKOH/gである。
上記重合体の酸価は、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、商品名:COM−555)により、重合体溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分から固形分酸価を計算することで求めることが可能である。ここで、重合体溶液の固形分は、次のようにして求めることができる。重合体溶液をアルミカップに約1gはかり取り、アセトン約3gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させる。そして、熱風乾燥機(エスペック株式会社製、商品名:PHH−101)を用い、真空下160℃で3時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、重量を測定する。その重量減少量から、重合体溶液の固形分を算出する。
なお、上記重合体が高分子量である場合には、酸価が高い方が良好な製版性が得られ、低分子量である場合には酸価が低くても良好な製版性が得られる傾向がある。
上記N−ビニル環状ラクタム重合体の重量平均分子量は、目的、用途に応じて適宜設定すればよいが、良好な製版性を得るためには、2000〜250000、好ましくは3000〜100000、更に好ましくは4000〜50000である。
上記重合体の重量平均分子量、数平均分子量は、例えば、ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液として、HLC−8120GPC(東ソー社製)、カラム TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法により求めることができる。
また、上記N−ビニル環状ラクタム重合体の分子量分布は、1.1〜4.0であることが好ましい。分子量分布がこのような範囲である場合には、N−ビニル環状ラクタム重合体の分子量が充分に制御されているということができ、N−ビニル環状ラクタム重合体を含む感光性樹脂組成物が良好な感光性、アルカリ現像性、密着性、製版性等の性能を示すことに寄与することができる。分子量分布としては、1.3〜3.5であることがより好ましく、1.5〜3.0であることが更に好ましい。特に好ましくは、1.7〜2.2である。
なお、上記重合体の分子量分布は、上述のように測定することができる重合体の重量平均分子量を数平均分子量で除した値を表している。
本発明はまた、上記製造方法により得られるN−ビニル環状ラクタム重合体を含むアルカリ可溶性樹脂でもある。
上記アルカリ可溶性樹脂は、N−ビニル環状ラクタム重合体を含む限り、その他のアルカリ可溶性樹脂成分を含んでいてもよいが、上記アルカリ可溶性樹脂固形分100質量%に対して、N−ビニル環状ラクタム重合体を50質量%以上含むことが好ましい。より好ましくは70質量%以上である。
本発明はまた、上記アルカリ可溶性樹脂、ラジカル重合性化合物、及び、光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物でもある。
上記感光性樹脂組成物においては、本発明のアルカリ可溶性樹脂を、該感光性樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、20〜80質量%含まれていることが好ましい。このような含有量であることにより、本発明の効果をより顕著に奏することが可能となる。より好ましくは、30〜70質量%であり、更に好ましくは、35〜65質量%である。
なお、「全固形分」とは、溶媒以外の全ての成分を意味する。
上記ラジカル重合性化合物は、電磁波(赤外線、紫外線、X線等)、電子線等の活性エネルギー線の照射等により重合するラジカル重合性不飽和基を有する低分子化合物であり、本発明の感光性樹脂組成物をより硬化性に優れたものとすることが可能となる。ラジカル
重合性化合物は、ラジカル重合性不飽和基を同一分子内にひとつだけ有する単官能性のラジカル重合性化合物と、2個以上有する多官能性のラジカル重合性化合物に分類することができる。
このようなラジカル重合性化合物としては、通常使用されるものを使用することができ、特に制限されず、目的、用途に応じて1種または2種以上を適宜選択すればよい。
上記単官能性のラジカル重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸s−アミル、(メタ)アクリル酸t−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸β−エチルグリシジル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和多価カルボン酸類;コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)等の不飽和基とカルボキシル基の間が鎖延長されている不飽和モノカルボン酸類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和酸無水物類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレン等の芳香族ビニル類;メチルマレイミド、エチルマレイミド、イソプロピルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、ベンジルマレイミド、ナフチルマレイミド等のN置換マレイミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル化合物類;(メタ)アクリル酸イソシアナトエチル、アリルイソシアネート等の不飽和イソシアネート類;等が挙げられる。
上記多官能性のラジカル重合性化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキ
サンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類;(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5−ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル等のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ブチレングリコールジアリルエーテル、ヘキサンジオールジアリルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジアリルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル等の多官能アリルエーテル類;(メタ)アクリル酸アリル等のアリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等の多官能(メタ)ア
クリロイル基含有イソシアヌレート類;トリアリルイソシアヌレート等の多官能アリル基含有イソシアヌレート類;トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートと(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類との反応で得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル類;等が挙げられる。
上記ラジカル重合性化合物の中でも、硬化性の観点から、多官能性のラジカル重合性化合物が好ましい。更に、上記多官能性のラジカル重合性化合物の中でも、反応性、経済性、入手性等から、多官能(メタ)アクリレート類、多官能ウレタン(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート類等の、(メタ)アクリロイル基を有する多官能性単量体がより好ましい。更に好ましくは、多官能(メタ)アクリレート類、多官能ウレタン(メタ)アクリレート類である。
上記(メタ)アクリロイル基を有する多官能性単量体を商品名で例示すると、KAYARAD R−526、NPGDA、PEG400DA、MANDA、R−167、HX−220、HX−620、R−551、R−712、R−604、R−684、GPO−303、TMPTA、THE−330、TPA−320、TPA−330、PET−30、T−1420(T)、DPHA、DPHA−2C、D−310、D−330、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DN−0075(以上、日本化薬社製);アロニックスM−203S、M−208、M−211B、M−215、M−220、M−225、M−270、M−240、M−309、M−310、M−321、M−350、M−360、M−370、M−313、M−315、M−325、M−327、M−306、M−305、M−451、M−450、M−408、M−403、M−400、M−402、M−404、M−406、M−405、M−510、M−520(以上、東亞合成社製);ライトアクリレート3EG−A、4EG−A、9EG−A、DCP−A、BP−4EA、BP−4PA、HPP−A、PTMGA−250、G201PTMP−A、TMP−6EO−3A、TMP−3EO−A(以上、共栄社化学社製)、ライトエステルEG、2EG、3EG、4EG、9EG、G101P、G201P、BP−2EM、BP−6EM、TMP(以上、共栄社化学社製)、ビスコート295、300、360、GPT、3PA、400(以上、大阪有機化学工業社製)等が挙げられる。
上記ラジカル重合性化合物の分子量は、目的、用途に応じて適宜設定すればよいが、2000以下が取扱いの面で好ましい。
また、上記ラジカル重合性化合物の使用量としては、用いるラジカル重合性化合物やバインダー樹脂の種類、目的、用途に応じて適宜設定すればよいが、良好な製版性を得るためには、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、3〜90質量%用いることが好ましい。より好ましくは5〜80質量%であり、更に好ましくは10〜70質量%である。
上記光重合開始剤は、電磁波や電子線等の活性エネルギー線の照射により重合開始ラジカルを発生させるものであり、通常使用されるものを1種又は2種以上使用することができる。また、必要に応じて通常使用される光増感剤、光ラジカル重合促進剤等を1種又は2種以上添加してもよい。
上記光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフ
ェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−〔(4−メチルフェニル)メチル〕−1−〔4−(4−モルホリニル)フェニル〕−1−ブタノン等のアルキルフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボキニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル化トリアジン系化合物;2−トリクロロメチル−5−(2’−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−フリル−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール系化合物;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン系化合物;p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸等の安息香酸エステル系化合物;9−フェニルアクリジン等のアクリジン系化合物;等を挙げることができる。
上記光重合開始剤とともに、光増感剤や光ラジカル重合促進剤を使用することにより、感度や硬化性を向上することができる。このような光増感剤や光ラジカル重合促進剤としては、例えば、キサンテン色素、クマリン色素、3−ケトクマリン系化合物、ピロメテン色素等の色素系化合物;4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等のジアルキルアミノベンゼン系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等のメルカプタン系水素供与体等が挙げられる。
上記光重合開始剤の添加量総量としては、目的、用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、硬化性、分解物の悪影響、経済性のバランスの点から、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、0.1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜25質量%であり、更に好ましくは1〜20質量%である。
上記光増感剤、光ラジカル重合促進剤の添加量総量としては、目的、用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、硬化性、分解物の悪影響、経済性のバランスの点から、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、0.001〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜15質量%であり、さらに好ましくは0.05〜10質量%である。
本発明の感光性樹脂組成物はまた、溶剤を含むことが好ましい。溶剤は、粘度を下げ取扱い性を向上する、乾燥により塗膜を形成する、色材の分散媒とする、等のために使用する
、感光性樹脂組成物中の各成分を溶解、或いは分散できる低粘度の有機溶媒或いは水である。
上記溶剤としては、通常使用するものを使用することができ、目的、用途に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン,ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等のグリコールモノエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールモノエーテルのエステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアルキルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、水等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記溶剤の使用量としては、目的、用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、本発明の感光性樹脂組成物100質量%に対して、10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜80質量%である。
本発明の感光性樹脂組成物は、各用途の目的や要求特性に応じて、上述した成分の他、着色剤(色材)、フィラー、本発明において用いられるアルカリ可溶性樹脂以外のバインダー樹脂、分散剤、耐熱向上剤、現像助剤、可塑剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、艶消し剤、消泡剤、レベリング剤、帯電防止剤、スリップ剤、表面改質剤、揺変化剤、揺変助剤、シラン系やアルミニウム系、チタン系等のカップリング剤、キノンジアジド化合物、多価フェノール化合物、カチオン重合性化合物、酸発生剤等の成分が配合されても良い。
中でも、着色剤を配合したものはアルカリ現像型のカラーレジスト用途として好適に用いることができるものである。このような、上記感光性樹脂組成物、及び、着色剤を含む感光性着色樹脂組成物もまた、本発明の1つである。
上記着色剤としては、通常使用される顔料や染料が使用できるが、耐久性の点から顔料(
有機顔料、無機顔料)が好ましい。
上記有機顔料としては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、多環式顔料(キナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、チオインジゴ系、アントラキノン系、キノフタロン系、金属錯体系、ジケトピロロピロール系等)、染料レーキ系顔料等が挙げられる。
上記無機顔料としては、白色・体質顔料(酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、クレー、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)、有彩顔料(黄鉛、カドミニウム系、クロムバーミリオン、ニッケルチタン、クロムチタン、黄色酸化鉄、ベンガラ、ジンククロメート、鉛丹、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロム、バナジン酸ビスマス等)、黒色顔料(カーボンブラック、ボーンブラック、グラファイト、鉄黒、チタンブラック等)、光輝材顔料(パール顔料、アルミ顔料、ブロンズ顔料等)、蛍光顔料(硫化亜鉛、硫化ストロンチウム、アルミン酸ストロンチウム等)が挙げられる。
また、使用できる顔料の色としては黄色、赤色、紫色、青色、緑色、褐色、黒色、白色やアゾ系染料が挙げられる。
上記染料としては、例えば、特開2003−270428号公報や特開平9−171108号公報、特開2008ー50599号公報等に記載されているような、通常使用される染料を使用することができる。
これら着色剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記着色剤の平均粒子径としては、目的、用途に応じて、適宜適当なものを使用することができるが、特にカラーフィルター用着色レジストのような透明性が要求される場合は、0.1μm以下の小さい平均粒子径が好ましく、塗料などの隠蔽性が必要とされる場合は、0.5μm以上の大きい平均粒子径が好ましい。
また、上記着色剤は、目的、用途に応じて、ロジン処理、界面活性剤処理、樹脂系分散剤処理、顔料誘導体処理、酸化皮膜処理、シリカコーティング、ワックスコーティング等の表面処理がなされていてもよい。
上記着色剤の使用量は、目的、用途に応じて、適宜設定することができるが、着色力と分散安定性とのバランスの観点から、上記着色剤は、本発明の感光性着色樹脂組成物中に、該感光性着色樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、3〜70質量%含まれていることが好ましい。より好ましくは、5〜60質量%であり、更に好ましくは、10〜50質量%である。
以下においては、本発明の感光性樹脂組成物又は感光性着色樹脂組成物をカラーフィルター用レジストとして使用する場合に好適なその他の成分について説明する。
<本発明のアルカリ可溶性樹脂以外のバインダー樹脂>
カラーフィルター用レジストの多様な特性のバランス調整や、レジストの低コスト化等のために、本発明のアルカリ可溶性樹脂以外のバインダー樹脂を使用することができる。このようなバインダー樹脂としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸/芳香族ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル/芳香族ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体/N置換マレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/芳香族ビニル/N置換マレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル/ポリスチレンマクロモノマー共重合体等の(メタ)アクリル酸共重合体;(メタ)アクリル酸共重合体の側鎖にラジカル重合性不飽和基を導入したもの;エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を付加しさらに多塩基酸無水物を反応させたようなビニルエステル型のアルカリ可溶性樹脂等が挙げられる。
上記バインダー樹脂の使用量は、本発明のアルカリ可溶性樹脂の特徴が損なわれない程度
であれば、目的、用途に応じて、適宜設定すればよいが、本発明の感光性樹脂組成物又は感光性着色樹脂組成物に含まれる全バインダー樹脂中の本発明のアルカリ可溶性樹脂の割合が5質量%以上となるようにするのが好ましく、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。
<分散剤>
分散剤とは、着色剤への相互作用部位と分散媒(溶剤やバインダー樹脂)への相互作用部位とを有し、着色剤の分散媒への分散を安定化する働きを持つものであり、一般的には、樹脂型分散剤(高分子分散剤)、界面活性剤(低分子分散剤)、色素誘導体に分類される。このような分散剤としては、通常使用される分散剤を使用することができる。
上記樹脂型分散剤としては、例えば、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水素基含有ポリカルボン酸エステル、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエステル系、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
また、上記樹脂型分散剤の構造としては、主鎖が着色剤への相互作用部位を有するアンカー鎖で、グラフト鎖が分散媒への相互作用性を有する相溶性鎖であるようなグラフト構造の樹脂や、アンカー鎖と相溶性鎖がブロック構造になっている樹脂が、特に好ましく用いられる。
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物当のカチオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤;等が挙げられる。
上記色素誘導体は、官能基を色素に導入した構造の化合物であり、該官能基としては、例えば、スルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、ジアルキルアミノ基、水酸基、カルボキシル基、アミド基、フタルイミド基等が挙げられ、母体となる色素の構造としては、例えば、アゾ系、アントラキノン系、キノフタロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系等が挙げられる。
上記分散剤の商品名を挙げると、以下のようなものが挙げられる。ただし、上記分散剤としてはこれらに限定されるものではない。
例えば、EFKA−46、47,48、745、1101、1120、1125、4008、4009、4046、4047、4520、4540、4550、6750、4010、4015、4020、4050、4055、4060、4080、4300、4330、4400、4401、4402、4403、4406、4800、5010、5044、5244、5054、5055、5063、5064、5065、5066、121
0、2150、KS860、KS873N、7004、1813、1860、1401、1200、550、EDAPLAN470、472、480、482、K−SPERSE131、1525070、5207(以上、エフカアディティブズ(EFKA ADDITIVES)社製)、Anti−Terra−U、Anti−Terra−U100、Anti−Terra−204、Anti−Terra−205、Anti−Terra−P、Disperbyk−101、102、103、106、108、109、110、111、112、151、160、161、162、163、164、166、182、P−104、P−104S、P105、220S、203、204、205、2000、2001、9075、9076、9077(以上、ビックケミー社製)、SOLSPERSE3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、20000、22000、24000、24000GR、26000、28000(以上、日本ルーブリゾール社製)、DISPERLON(ディスパロン)DA−7301、325、374、234、1220、2100、2200、KS260、KS273N、152MS(以上、楠本化成社製)、アジスパーPB−711、821、822、880、PN−411、PA−111(以上、味の素ファインテクノ社製)、KPシリーズ(信越化学工業社製)、ポリフローシリーズ(共栄社化学社製)、メガファックシリーズ(ディーアイシー(DIC)社製)、ディスパーエイドシリーズ(サンノプコ社製)等が挙げられる。
これらの分散剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
上記分散剤の使用量は、目的、用途に応じて、適宜設定すればよいが、分散安定性、耐久性(耐熱性、耐光性、耐候性等)や透明性のバランスを取るためには、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、0.01〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜50質量%であり、更に好ましくは0.5〜40質量%である。
<耐熱向上剤>
本発明の感光性樹脂組成物又は感光性着色樹脂組成物は、耐熱性や強度向上のために、N−(アルコキシメチル)メラミン化合物、2個以上のエポキシ基やオキセタニル基を有する化合物を添加することができる。特に、フォトスペーサー用レジスト、保護膜用透明レジストや層間絶縁膜用レジストとする場合には、これらの使用が好ましい。
<レベリング剤>
本発明の感光性樹脂組成物又は感光性着色樹脂組成物は、レベリング性向上のために、レベリング剤を添加することができる。レベリング剤としては、フッ素系、シリコン系の界面活性剤が好ましい。
<カップリング剤>
本発明の感光性樹脂組成物又は感光性着色樹脂組成物は、密着性向上のために、カップリング剤を添加することができる。カップリング剤としては、シラン系のカップリング剤が好ましく、例えば、エポキシ系、メタクリル系、アミノ系のシランカップリング剤が挙げられ、中でもエポキシ系のシランカップリング剤が好ましい。
<現像助剤>
本発明の感光性樹脂組成物又は感光性着色樹脂組成物は、現像性向上のために、例えば、(メタ)アクリル酸、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、コハク酸、テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類;無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロフタル酸無水物、トリメリット酸無水物等のカルボン酸無水物類;等を現像助剤として添加することができる。
本発明の感光性樹脂組成物又は感光性着色樹脂組成物は、構成成分を各種の混合機や分散機を用いて混合分散することによって調製することができるが、特に本発明の感光性着色樹脂組成物は着色剤を含むため、着色剤の分散処理工程を経て製造される。上記着色剤の
分散処理工程としては、例えば、まず、着色剤、分散剤、バインダー樹脂、溶剤とを各所定量秤量し、ペイントコンディショナー、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ニーダー、ブレンダー等の分散機を用い、着色剤を微粒子分散させて液状の色材分散液(ミルベース)とする。好ましくは、ロールミル、ニーダー、ブレンダー等で混練分散処理をしてから、0.01〜1mmのビーズを充填したビーズミル等のメディアミルで微分散処理をする。得られたミルベースに、別途攪拌混合しておいた、ラジカル重合性化合物、光重合開始剤、バインダー樹脂、溶剤、レベリング剤等を含む透明レジスト液を加えて混合、均一な分散溶液とし、感光性着色樹脂組成物を得る。着色剤を含まない感光性樹脂組成物についても着色剤を用いない以外は上述した方法と同様の方法により感光性樹脂組成物を得ることができる。得られた感光性樹脂組成物又は感光性着色樹脂組成物は、フィルター等によって、濾過処理をして微細なゴミを除去するのが望ましい。
本発明の感光性樹脂組成物又は感光性着色樹脂組成物をカラーフィルター、液晶パネル等として形成する場合には、まず、該組成物を基板上に塗布することとなる。該組成物を塗布する基板としては、ガラス板の他、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスルホン、環状オレフィンの開環重合体やその水素添加物等の熱可塑性プラスチックシート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性プラスチックシートが挙げられる。これらの中でも、耐熱性の点から、ガラス板又は耐熱性プラスチックシートが好ましい。また、上記基板には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤等による薬品処理等を行ってもよい。
すなわち、上記感光性樹脂組成物、又は、感光性着色樹脂組成物を硬化して得られる硬化物、及び、該硬化物が基板上に形成されてなる光学部材もまた、本発明の1つである。
本発明の感光性樹脂組成物又は感光性着色樹脂組成物を基板に塗布する方法としては、スピン塗布、スリット塗布、ロール塗布、流延塗布等が挙げられ、本発明の組成物においてはいずれの方法も好ましく用いることができる。
基板に塗布した後の塗膜の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いて行う。乾燥条件は、含まれる溶媒成分の沸点、硬化成分の種類、膜厚、乾燥機の性能等に応じて適宜選択されるが、通常、50〜160℃の温度で、10秒から300秒間行う。
上記感光性樹脂組成物又は感光性着色樹脂組成物を硬化させる際の露光は、所定のパターンマスクを介して塗膜に活性光線を照射する工程を含む。活性光線の光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が使用される。露光機の方式としては、プロキシミティー方式、ミラープロジェクション方式、ステッパー方式が挙げられるが、プロキシミティー方式が好ましく用いられる。
露光を行った後、現像液により現像処理し、未露光部分を除去しパターンを形成する。現像液としては、本発明の感光性樹脂組成物又は感光性着色樹脂組成物を溶解するものであればいかなるものも用いることができるが、通常、有機溶媒やアルカリ性の水溶液が用いられる。現像液としてアルカリ性の水溶液を用いる場合には、現像後、さらに水で洗浄することが好ましい。アルカリ性の水溶液には、アルカリ剤の他、必要に応じ界面活性剤、有機溶媒、緩衝剤、染料、着色剤等を含有させることができる。アルカリ剤としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機のアルカリ剤;トリメチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等のアミン類が挙げられ、これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタン酸アルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類等のアニオン性界面活性剤;アルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤等が挙げられ、これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
上記有機溶媒としては、例えば、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール等のアルコール類が挙げられ、これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。現像処理は、通常10〜50℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法で行われる。
現像後、通常、150〜250℃の温度で5〜60分間、ホットプレート、コンベクションオーブン、高周波加熱機等の加熱機器を用いて加熱し、熱硬化処理を施す。
本発明は、上述の構成よりなり、感光性、アルカリ現像性、密着性、製版性に優れているために、カラーフィルターや液晶パネル等の光学部材の製造において好適に使用することができる感光性樹脂組成物に好適に用いられるN−ビニル環状ラクタム重合体を製造する方法である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
以下の実施例及び比較例において、分子量は以下のようにして測定し、分散度は以下のようにして求めた。
<分子量測定>
ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液としてHLC−8120GPC(東ソー社製)、カラム TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて重量平均分子量、数平均分子量を測定した。
<分散度>
分散度は、下記式により求めた。
(分散度)=(重量平均分子量)/(数平均分子量)
<樹脂溶液の合成>
(実施例1−1)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)188部とイソプロピルアルコール(IPA)188部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてメタクリル酸 76部、メタクリル酸シクロヘキシル 190部、パーブチルO(商品名、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、日油社製)6部、滴下系2としてビニルピロリドン 30部、PGMEA 65部、IPA 65部、滴下系3としてn−ドデシルメルカプタン 9部、PGMEA 26部、IPA 26部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、常圧留去にてIPAを除去することで温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続し、樹脂溶液1を得た。
得られた樹脂溶液1について分子量を測定したところ、重量平均分子量は8,400であり、分散度は2.0であった。
(実施例1−2)
滴下系3をn−ドデシルメルカプタン 16部、PGMEA 22部、IPA 22部とした以外は、実施例1−1と同様に反応を行い、樹脂溶液2を得た。
得られた樹脂溶液2について分子量を測定したところ、重量平均分子量は5,400であり、分散度は1.7であった。
(実施例1−3)
用いる水酸基含有化合物をIPAではなく、プロパノールとした以外は、実施例1−1と同様に反応を行い、樹脂溶液3を得た。
得られた樹脂溶液3について分子量を測定したところ、重量平均分子量は9,000であり、分散度は2.1であった。
(実施例1−4)
滴下系3をn−ドデシルメルカプタン 16部、PGMEA 22部、プロパノール 22部とした以外は、実施例1−3と同様に反応を行い、樹脂溶液4を得た。
得られた樹脂溶液4について分子量を測定したところ、重量平均分子量は6,000であり、分散度は1.8であった。
(実施例1−5)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、PGMEA 188部とオクタノール188部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてメタクリル酸76部、メタクリル酸シクロヘキシル190部、パーブチルO(商品名、日油社製)6部、滴下系2としてビニルピロリドン30部、PGMEA65部、オクタノール部65部、滴下系3としてn−ドデシルメルカプタン9部、PGMEA26部、オクタノール26部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続し、樹脂溶液5を得た。
得られた樹脂溶液5について分子量を測定したところ、重量平均分子量は11,500であり、分散度は2.2であった。
(実施例1−6)
滴下系3をn−ドデシルメルカプタン 16部、PGMEA 22部、オクタノール 22部とした以外は、実施例1−5と同様に反応を行い、樹脂溶液6を得た。得られた樹脂溶液6について分子量を測定したところ、重量平均分子量は8,000であり、分散度は2.0であった。
(実施例1−7)
用いる水酸基含有化合物をオクタノールではなく、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)とした以外は、実施例1−5と同様に反応を行い、樹脂溶液7を得た。得られた樹脂溶液7について分子量を測定したところ、重量平均分子量は10,500であり、分散度は2.1であった。
(実施例1−8)
滴下系3をn−ドデシルメルカプタン 16部、PGMEA 22部、PGME 22部とした以外は、実施例1−7と同様に反応を行い、樹脂溶液8を得た。
得られた樹脂溶液8について分子量を測定したところ、重量平均分子量は9,000であり、分散度は1.9であった。
(比較例1−1)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、PGMEA 377部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてメタクリル酸 76部、メタクリル酸シクロヘキシル 190部、パーブチルO 6部、滴下系2としてビニルピロリドン 30部、PGMEA 130部、滴下系3としてn−ドデシルメルカプタン 9部、PGMEA 52部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続し、樹脂溶液9を得た。
得られた樹脂溶液9について分子量を測定したところ、重量平均分子量は15,100であり、分散度は2.4であった。
(比較例1−2)
滴下系3をn−ドデシルメルカプタン 16部、PGMEA 44部とした以外は、比較例1−1と同様に反応を行い、樹脂溶液10を得た。
得られた樹脂溶液10について分子量を測定したところ、重量平均分子量は12,200であり、分散度は2.3であった。
実施例1−1〜1−8及び比較例1−1〜1−2の結果を表1に示す。なお、表1中の略号は、以下の通りである。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
IPA:イソプロピルアルコール
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
また連鎖移動剤の量は、単量体成分100質量%に対する質量割合で表されている。
Figure 0005451417
上記実施例及び比較例の結果から、以下のことが分かった。
(メタ)アクリル系単量体とN−ビニル環状ラクタム化合物とを単量体成分として非プロトン系溶媒中で共重合する場合において、連鎖移動剤と共に水酸基含有化合物を系中に共存させることによって、得られる重合体の分散度を低くすることができることが分かった。このことから、分子量のばらつきが少なく、分子量分布の狭い重合体が得られていると言え、重合体の分子量を制御することができるようになったことが分かる。
なお、上記実施例においては、(メタ)アクリル系単量体としてメタクリル酸及びメタクリル酸シクロヘキシルが、N−ビニル環状ラクタム化合物としてN−ビニルピロリドンが、非プロトン系溶媒としてPGMEAが、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタンが、水酸基含有化合物としてIPA、プロパノール、オクタノール、又は、PGMEが用い
られているが、(メタ)アクリル系単量体とN−ビニル環状ラクタム化合物とを単量体成分として非プロトン系溶媒中で共重合反応を行う場合において、N−ビニル環状ラクタム化合物が連鎖移動剤を失活させる機構、及び、そこに水酸基含有化合物を共存させることで連鎖移動剤の失活を防ぐことが可能となる機構は、全て同様であることから、上記実施例、比較例の結果より、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮することができるといえる。
(実施例1−9)
実施例1−1にて得られた樹脂溶液1 872部に、メタクリル酸グリシジル 50部、触媒としてトリエチルアミン 1部、重合禁止剤として2,2’−メチレンビス(4−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)(商品名「アンテージW400」、川口化学工業社製)0.5部を追加し、窒素、酸素混合ガス(酸素濃度7%)をバブリングしながら115℃に昇温した後、6時間反応を継続することで樹脂溶液11を得た。
得られた樹脂溶液11について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は10,000、分散度は2.2であって、真空下160℃にて乾燥させて得られた固形分濃度は36.2%、滴定法により求めた固形分当たりの酸価は95mgKOH/gであった。
なお、上記固形分濃度及び酸価は、以下のようにして求めた。
<固形分濃度>
樹脂溶液をアルミカップに約0.3gはかり取り、アセトン約2gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させた。そして、真空乾燥機(東京理化器械株式会社製、商品名:VOS−301SD)を用い、真空下160℃で1.5時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、重量を測定した。その重量減少量から、樹脂溶液の固形分濃度を計算した。
<酸価>
樹脂溶液1gを精秤し、アセトン90g/水10g混合溶媒に溶解し、チモールブルーを指示薬として、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、商品名:COM−555)により、樹脂溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分から固形分1g当たりの酸価を求めた。
<感光性着色組成物の調製>
(実施例2)
樹脂溶液11 1.4部、PGMEA 7.6部、分散剤としてDISPARLON(ディスパロン)DA−7301(商品名、楠本化成社製)0.46部、色材としてC.I.ピグメントグリーン36(商品名「Monastral Green 6Y−CL」,Heubach社製)0.8部、及び、C.I.ピグメントイエロー150(Yellow
Pigment E4GN−GT,Lanxess社製)0.5部を混合し、ペイントシェーカーにて3時間分散した後、樹脂溶液6 3.4部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 1.2重量部、PGMEA 10.4部を混合し、再度ペイントシェーカーにて1.5時間分散した。得られた分散液に光重合開始剤としてイルガキュア907(商品名、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.2重量部を混合することで感光性着色組成物1を得た。
<現像性および表面平滑性の評価>
得られた感光性着色組成物1を、ガラス基板上にスピンコートし、100℃で3分間乾燥し、膜厚2.0μmの塗膜1を形成した。
塗膜1を、UV露光装置(製品名「TME−150RNS」、Topcon社製)により、ライン幅15μmのラインアンドスペースのフォトマスクを介して、50mJ/cmのUV光を露光し、スピン現像機(製品名「ADE−3000S」、アクテス社製)を用いて、0.05%の水酸化カリウム水溶液で20秒間現像を行ったところ、パターン形状は非常に良好で、未露光部の残渣も認められず、現像性も良好であった。

Claims (4)

  1. (メタ)アクリル系単量体とN−ビニル環状ラクタム化合物とを含む単量体成分を重合してN−ビニル環状ラクタム重合体を製造する方法であって、
    該製造方法は、非プロトン系溶媒中で、連鎖移動剤及び水酸基含有化合物の共存下に単量体成分を重合する工程を含み、
    該連鎖移動剤が、メルカプト基を有する化合物であり、
    該水酸基含有化合物が、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、及び、3−メトキシブタノールからなる群より選択される少なくとも1種である
    ことを特徴とするN−ビニル環状ラクタム重合体の製造方法。
  2. 前記水酸基含有化合物は、分子量が30〜140であることを特徴とする請求項1に記載のN−ビニル環状ラクタム重合体の製造方法。
  3. 前記N−ビニル環状ラクタム化合物は、N−ビニルピロリドンを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のN−ビニル環状ラクタム重合体の製造方法。
  4. 前記(メタ)アクリル系単量体が、(メタ)アクリル酸を含み、
    記重合工程により得られる重合体と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物とを反応させて側鎖二重結合含有重合体を得る工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のN−ビニル環状ラクタム重合体の製造方法。
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