JP5897967B2 - 硬化性樹脂の製造方法、硬化性組成物および感光性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂の製造方法、硬化性組成物および感光性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性樹脂の製造方法、硬化性樹脂組成物、感光性樹脂組成物、それを硬化して得られる硬化物及びカラーフィルタ、液晶表示パネルおよび有機ELディスプレイパネルに関する。
より詳しくは、いわゆるネガ感光性レジストとして、各種電子情報材料の分野で用いられ、特に電子情報材料分野におけるカラー液晶表示パネルやカラー撮像管素子、有機ELディスプレイパネル等に用いられるカラーフィルターの画素、オーバーコート、フォトリソスペーサーの製造に好適に使用することができる硬化性樹脂組成物、感光性樹脂組成物およびその硬化物に関する。
硬化性樹脂は、塗工形成された膜に光や熱でエネルギーを与えることによって形態変化し、例えば、光が当てられた部分が硬化し、その他の部分が溶解性を示す等の特性をもつものである。このような特性を利用して、ディスプレイ用の光学部材やその他の電子機器の回路基板等を製造するために用いられ、いわゆるIT技術の発展にともなって、その重要性が益々増している有用な工業材料である。このような硬化性樹脂が使用される重要な部材の一つにカラーフィルターが挙げられる。カラーフィルターは、カラー液晶表示装置やカラー撮像管素子に不可欠な部材であり、色を分離するための微細な着色樹脂層を有する。カラーフィルター形成用感光性樹脂組成物としては種々のものが提唱されているが、現在の主流は、アクリル系の感光性樹脂組成物とし、アルカリ現像型レジストとすることであり、これは、微細加工における製版特性を左右する成分としてアルカリ可溶性樹脂を必須成分として含むのが通常である。
硬化性樹脂は、様々な工業分野で用いられている材料であるが、電子情報材料の分野において、中でもアルカリ現像型レジストに好適に用いることができるものである。
この分野においては、例えば、カラーフィルター用途の場合、感光性が良く、アルカリに
対する現像速度が速く、パターン形状、密着性能など、カラーフィルターを作製する際の
製版性に寄与する基本性能や、耐溶剤性能や耐熱性、透明性など、カラーフィルターの信
頼性や分光特性に寄与する基本性能に優れることが求められることになる。すなわち、硬化性樹脂は、カラーフィルターを作製する際の製版性やカラーフィルター自体の性能に大きく影響することになり、これらの特性を充足させ、向上するための開発研究が活発になされているところである。
従来の硬化性樹脂としては、特定の構造を有する(メタ)アクリル酸エステル(a)、(メタ)アクリル酸(b)及び(a)以外の(メタ)アクリル酸エステル(c)から得られる共重合体(A)の一部の酸基にエポキシ基含有不飽和化合物(d)を付加させて得られる変性共重合体(B)からなる活性エネルギー線硬化性樹脂が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この活性エネルギー線硬化性樹脂においては、高精細なパターンを正確に形成する優れたパターン形成性が求められているところ、パターン形成性を充足させつつ、それによるレジストパターンの倒壊を防ぐために、レジストパターン自体の機械強度を高めることを実現しようとするものである。
特開2009−203320号公報(第1−2頁)
上述したように、硬化性樹脂は、塗膜形成性及び現像液溶解性を付与することによってレジストをアルカリ現像型レジストたらしめる成分であり、かつ硬化性、密着性、耐熱性、乾燥再溶解性など、様々な性能を左右する成分である。
ところで、特許文献1においては、活性エネルギー線硬化性樹脂が液晶ディスプレイ用カラーフィルターもしくはブラックマトリックス用顔料レジストの成分として用いられることが記載されているが、常温での保存安定性が悪く、保管において粘度が上昇し、長期保管するには冷蔵あるいは冷凍保管が必要である欠点があった。特に粘度の上昇は、硬化性樹脂の合成時の分子量に大きく依存し、重量平均分子量が大きいほど、粘度の上昇も大きいものであった。樹脂の冷蔵・冷凍保管や輸送には過大な設備が必要であり、工業的には非常に不利である。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、硬化性、密着性、製版性に優れ、かつ、常温において長期保管が可能であり、液晶パネル等の製造において好適に使用することができる硬化性脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者は、酸基を有する重合体と、酸基と結合しうる基および重合性二重結合を有する化合物を反応させた硬化性樹脂の保管中に粘度上昇が起こる現象について種々検討を行った。その結果、粘度上昇は、側鎖の重合性二重結合のラジカル反応による架橋反応ではないため重合禁止剤の量や種類を変えても効果はなかった。
本発明者らは、鋭意検討の結果、側鎖二重結合の部分のエステル交換による架橋が進行して粘度が上昇することを見出した。特に、酸基と、酸基と結合しうる基を反応させるために使用する触媒として用いられるアミン化合物やホスフィン化合物などの塩基性物質、またはそのハロゲン化物塩が、エステル交換反応の触媒としても作用することに起因すると考えられる。
このエステル交換反応は、アミン化合物やホスフィン化合物などの塩基性触媒、またはそのハロゲン化物塩を使用する限り、抑制することはできない。
しかし、触媒を使用しなければ、反応速度が極めて遅くなり、実用的な反応時間で反応を完結させることができず、工業的に極めて不利である。
本発明者は、酸基含有重合体をラジカル重合させる際に、一般的に用いられるメルカプタン化合物ではなく、分子内に2個以上のカルボキシル基と1個以上のメルカプト基を有する化合物を連鎖移動剤として使用した場合、酸基と結合しうる基および重合性二重結合を有する化合物を反応させる際にアミン化合物やホスフィン化合物を使用せずとも、十分に反応が進行することを見出した。さらに、得られた硬化性樹脂は、保存安定性に極めて優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、分子内に2個以上のカルボキシル基と1個以上のメルカプト基を有する化合物の存在下にラジカル重合で得られた酸基含有重合体と、酸基と結合しうる基および重合性二重結合を有する化合物を反応させるとを特徴とする硬化性樹脂の製造方法、硬化性樹脂組成物、感光性樹脂組成物、およびその硬化物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明は、分子内に2個以上のカルボキシル基と1個以上のメルカプト基を有する化合物の存在下にラジカル重合で得られた酸基含有重合体と、酸基と結合しうる基および重合性二重結合を有する化合物を反応させることを特徴とする硬化性樹脂(A)の製造方法、硬化性樹脂組成物、および感光性樹脂組成物である。硬化性樹脂(A)は、1種であってもよく、2種以上含んでいてもよい。

上記硬化性樹脂の重量平均分子量は、15000以上40000以下が好ましく、20000以上35000以下がさらに好ましい。重量平均分子量が15000未満であると、硬化性樹脂を塗膜にした場合の強度が低下したり、硬化物の耐溶剤性や耐アルカリ性が低下する恐れがある。また、重量平均分子量が40000を超えると、現像速度が遅くなりすぎたり、粘度が高くなりすぎたり、アルカリ可溶性が低下する恐れがある。

上記硬化性樹脂の重量平均分子量は、例えば、ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液として、HLC−8120GPC(東ソー社製)、カラム TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法により求めることができる

本発明の酸基含有重合体は、分子内に2個以上のカルボキシル基と1個以上のメルカプト基を有する化合物の存在下に、酸基含有単量体と、それと共重合可能な単量体をラジカル重合反応させて得られたものである。
分子内に2個以上のカルボキシル基と1個以上のメルカプト基を有する化合物としては、2−メルカプトプロパン二酸、2−メルカプトブタン二酸(別名;チオリンゴ酸)、2−メルカプトペンタン二酸、3−メルカプトペンタン二酸、2−メルカプトヘキサン二酸、3−メルカプトヘキサン二酸等があげられるが、中でもチオリンゴ酸が反応性や工業的入手の容易さから特に好ましい。特に、チオリンゴ酸のDL混合物(DL−チオリンゴ酸)が工業的入手の容易さから最も好ましい。

上記分子内に2個以上のカルボキシル基と1個以上のメルカプト基を有する化合物の使用量は、使用する単量体の種類や量、重合温度、重合濃度等の重合条件、目標とする重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、単量体成分100質量%に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。
さらに、必要に応じ、他のメルカプタン化合物を併用してもよい。

酸基含有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ビニル安息香酸などが好ましい。特に、工業的入手の容易さや、反応性の高さから、アクリル酸、メタクリル酸が特に好ましい。酸基含有単量体の共重合割合は、5〜80質量%が好ましく、10〜60質量%が更に好ましく、15〜50質量%が最も好ましい。
酸基含有単量体と共重合可能なその他単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル単量体、N−置換マレイミド単量体、ジアルキル−2,2‘−(オキシジメチレン)ジアクリレート単量体単位、芳香族ビニル単量体、等が好適に使用される。
(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエスエル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トリル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリセロール等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく使用される。中でも、硬化性樹脂の溶媒やアルカリに対する溶解性をコントロールしやすく工業的入手も容易な、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリセロール等が好ましい。(メタ)アクリル酸エステルの共重合割合としては、20〜90質量%が好ましく、30〜80質量%が更に好ましい。
上記N置換マレイミド単量体単位としては、N―ベンジルマレイミド、N―シクロヘキシルマレイミド、N―フェニルマレイミドが好ましく、着色の少なさや顔料分散性に優れる点で、特にN―ベンジルマレイミドが最も好ましい。
上記ジアルキル−2,2‘−(オキシジメチレン)ジアクリレート単量体単位としては、ジメチル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレートが、着色の少なさや顔料分散性、工業的入手の容易さから好ましい。
N置換マレイミド単量体単位および/またはジアルキル−2,2‘−(オキシジメチレン)ジアクリレート単量体単位の共重合量としては、0.1〜40質量%が好ましく、0.5〜30質量%が更に好ましい。これらの単量体単位の共重合量が0.1質量%未満であると、耐熱性や顔料分散性が劣る恐れがあり、40質量%を超えると、ガラス転移点が高くなりすぎ、溶媒に溶解しにくくなる恐れがある。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物が好ましい。中でも、樹脂の耐熱着色性や耐熱分解性の点で、スチレン、ビニルトルエンが好ましい。
その他、アルカリ可溶性や顔料分散性の調節を目的として、N―ビニルピロリドン、N―ビニルイミダゾール、N―ビニルカルバゾール等の含窒素単量体等が好適に使用される。これら、含窒素単量体単位の共重合量は、20質量%未満が好ましい。含窒素単量体の共重合割合が20質量%を超えると、熱着色しやすくなったり、粘度が高くなりすぎたり、保存安定性が悪くなったりする。好ましくは10質量%未満である。

上記単量体成分の重合方法としては、バルク重合、溶液重合、乳化重合等の通常用いられ
る重合方法を用いることができ、目的、用途に応じて適宜選択すればよいが、溶液重合が
工業的に有利で、分子量等の構造調整も容易であるため好ましい。また、上記単量体成分
の重合機構としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合等の機構に
基づいた重合方法を用いることができるが、ラジカル重合機構に基づく重合方法が、工業
的にも有利であるため好ましい。
上記重合反応における重合開始方法としては、熱や電磁波(赤外線、紫外線、X線等)、
電子線等の活性エネルギー源から重合開始に必要なエネルギーを単量体成分に供給すれば
よく、さらに重合開始剤を併用すれば重合開始に必要なエネルギーを大きく下げることが
可能となり、また、反応制御が容易となるため好ましい。
また、上記単量体成分を重合して得られる重合体の分子量を制御する方法としては、重合
開始剤の量や種類、重合温度、連鎖移動剤の種類や量の調整等により制御できる。
上記単量体成分を溶液重合法により重合する場合、重合に使用する溶媒としては、重合反
応に不活性なものであれば特に限定されるものではなく、重合機構、使用する単量体の種
類や量、重合温度、重合濃度等の重合条件に応じて適宜設定すればよいが、後に感光性樹
脂組成物とする際に溶剤を用いる場合には、該溶剤を含む溶媒を単量体成分の溶液重合に
用いることが効率的で好ましい。
上記溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、s−ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール
等のグリコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等のグリコールモノエーテル類;エチレ
ングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコ
ールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコ
ールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル
類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレング
リコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プ
ロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピ
レングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリ
コールモノエーテルのエステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプ
ロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシ
プロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチ
ル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアルキルエステル類;アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トル
エン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、オ
クタン等の脂肪族炭化水素類等が好適に挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの溶媒の中では、得られる重合体の溶解性、塗膜を形成する際の表面平滑性、人体
及び環境への影響の少なさ、工業的入手のし易さから、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、乳酸エチルがより好ましい。
上記溶媒の使用量としては、上記単量体成分100質量%に対して、50〜500質量%
であることが好ましく、より好ましくは、100〜300質量%である。
上記単量体成分をラジカル重合機構により重合する場合、熱によりラジカルを発生する重
合開始剤を併用するのが工業的に有利で好ましい。そのような重合開始剤としては、熱エ
ネルギーを供給することによりラジカルを発生するものであれば特に限定されるものでは
なく、重合温度や溶媒、重合させる単量体の種類等の重合条件に応じて、適宜選択すれば
よい。
上記重合開始剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベン
ゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、アゾビスイソブチロニトリル、1,1’
−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、過酸化
水素、過硫酸塩等の通常重合開始剤として使用される過酸化物やアゾ化合物等が挙げられ
、これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、重合開始剤とともに遷移
金属塩等の還元剤を併用してもよい。
上記重合開始剤の使用量は、使用する単量体の種類や量、重合温度、重合濃度等の重合条
件、目標とする重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、上記単量体成分100質量%に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
上記単量体成分をラジカル重合機構により、重合開始剤を用いて重合する際の重合温度と
しては、使用する単量体の種類や量、重合開始剤の種類や量等に応じて適宜設定すればよ
いが、50〜150℃が好ましく、70〜120℃がより好ましい。また、重合時間も同
様に適宜設定することができるが、1〜5時間が好ましく、2〜4時間がより好ましい。
次に、本発明で用いられる、酸基と反応しうる基および重合性二重結合を有する化合物について説明する。
酸基と結合しうる基としては、例えば、ヒドロキシ基、エポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。これらの中でも、変成処理反応の速さ、耐熱性、透明性の点からはエポキシ基が好ましい。
重合性二重結合を有する基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、メタリル基等が挙げられ、上記単量体はこれら1種のみを有していても、2種以上有していてもよい。これらの中では、反応性の点でアクリロイル基、メタクリロイル基が好ましい。

上記酸基と結合しうる基および重合性二重結合基を有する化合物はこれら1種のみを有していても、2種以上有していてもよい。
上記エポキシ基及び重合性二重結合基を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリ
ル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸β−エ
チルグリシジル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、(メ
タ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、ビニルシクロヘキセンオキ
シド等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、酸との反応性の高さ、二重結合の反応性の高さ、工業的入手の容易さ名などの点で、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)が好ましく、(メタ)アクリル酸グリシジルが最も好ましい。
上記酸と結合しうる基としてエポキシ基を有する単量体を用いる場合、上記重合体のカルボキシル基とエポキシ基を反応させる工程は、良好な反応速度を確保し、かつゲル化を防ぐために、50〜160℃の温度範囲で行うことが好ましく、70〜140℃で行うことがより好ましい。更に好ましくは90〜130℃で行うことである。
上記カルボキシル基とエポキシ基を反応させる工程において、本発明の目的である保存安定性の向上に影響を与えない範囲で、反応速度を向上するために、触媒として通常使用されるエステル化あるいはエステル交換用触媒を用いることができる。これらの中ではアミンやホスフィン等の塩基性触媒および/またはそのハロゲン化物塩が特に好ましい。
上記塩基性触媒としては、例えば、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリ−
n−オクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等の3級アミン、およびこれらのハロゲン化物塩;テトラメチル尿素等の尿素化合物;テトラメチルグアニジン等のアルキルグアニジン;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド化合物;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の3級ホスフィン等およびこれらのハロゲン化物塩を挙げることができる。これらの触媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
これらの中では、反応性、取扱い性やハロゲンフリーの点で、ジメチルベンジルアミン、
トリエチルアミンなどの3級アミン、テトラメチル尿素、トリフェニルホスフィンが好ましい。中でも、反応性の高さや工業的入手の容易性、液晶汚染性の低さから、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミンが好ましい。
上記触媒の使用量は、出来るだけ少ない方がよく、本発明において用いられる単量体成分と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物との合計質量100質量%に対して、0.1質量%未満であることが好ましい。より好ましくは0.05質量%未満であることが更に好ましく、実質的に含まないことが最も好ましい。これら塩基性触媒の量が0.1質量%以上である場合、硬化性樹脂の保存安定性が低下するおそれがある。

上記カルボキシル基とエポキシ基を反応させる工程は、ゲル化を防ぐために、重合禁止剤
を添加し、分子状酸素含有ガスの存在下で行うことが望ましい。分子状酸素含有ガスとし
ては、通常、窒素等の不活性ガスで希釈された空気或いは酸素ガスが用いられ、反応容器
内に吹き込まれる。
重合禁止剤としては、通常使用されるラジカル重合性化合物用の重合禁止剤を用いること
ができ、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、
t−ブチルハイドロキノン、メトキノン、6−t−ブチル−2,4−キシレノール、2,
6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2
,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系禁止
剤、有機酸銅塩やフェノチアジンを挙げることができる。これらの重合禁止剤は、単独で
使用しても、2種類以上混合して使用してもよい。
これらの中では、低着色、重合防止能力の点でフェノール系禁止剤が好ましく、入手性、
経済性から、中でも2,2‘−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)
、メトキノン、6−t−ブチル−2,4−キシレノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノ
ールが好ましい。
上記重合禁止剤の使用量としては、充分な重合防止効果の確保、及び感光性樹脂組成物と
したときに硬化性の点から、本発明において用いられる単量体成分と、酸基と結合し得る
官能基及び重合性二重結合を有する化合物との合計質量100質量%に対して、0.00
1〜1.0質量%用いることが好ましい。より好ましくは0.005〜0.5質量%とな
るように用いることである。
本発明で用いられる(A)硬化性樹脂は、二重結合当量が300〜10000であることが好ましい。より好ましくは、350〜5000であり、更に好ましくは、400〜2000である。このような範囲とすることにより、本発明において用いられる硬化性樹脂に
含まれる重合体の充分な保存安定性と、本発明の硬化性、特に感光性樹脂組成物とした場合の感度やパターン形状等における良好な製版特性とを更に高いレベルで両立することが期待できる。
なお、二重結合当量とは、重合体の二重結合1molあたりの重合体溶液の固形分の重量
である。ここでいう重合体溶液の固形分の重量とは、上記単量体成分の構成成分の重量と
重合禁止剤の重量とを合計したものである。重合体溶液の固形分の重量を重合体の二重結
合量で除することにより、求めることが可能である。重合体の二重結合量は、投入した酸
基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物の量から求めることができる。

本発明の硬化性樹脂(A)は、酸価が30〜200mgKOH/gであるものが好ましい。上記重合体の酸価をこのような範囲とすることにより、本発明の硬化性樹脂組成物を感光性樹脂組成物として使用した場合に充分なアルカリ可溶性が発現し、特にアルカリ現像型レジストに用いる場合、良好な製版性を発揮することができる。上記重合体の酸価としては、40〜180mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは、40〜150mgKOH/gであり、更に好ましくは、50〜120mgKOH/gである。
上記重合体の酸価は、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、商品名:COM−555)により、重合体溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分から固形分酸価を計算することで求めることが可能である。ここで、重合体溶液の固形分は、次のようにして求めることができる。重合体溶液をアルミカップに約1gはかり取り、アセトン約3gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させる。そして、熱風乾燥機(エスペック株式会社製、商品名:PHH−101)を用い、真空下160℃で3時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、重量を測定する。その重量減少量から、重合体溶液の固形分を算出する。

本発明の硬化性樹脂(A)は、更にラジカル重合性化合物(B)を配合することで、硬化性樹脂組成物として好適に使用できる。本発明で用いられるラジカル重合性化合物(B)としては、公知の単官能性ラジカル重合性化合物、多官能性ラジカル重合化合物が使用され特に制限はない。
上記単官能性のラジカル重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(
メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プ
ロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アク
リル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸s−アミル、(
メタ)アクリル酸t−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2
−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(
メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル、(メタ)
アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(
メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボル
ニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(
メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、
(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、
(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メ
タ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ
)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル
酸β−エチルグリシジル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチ
ル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、α−ヒドロキシメチルアクリル
酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の
(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、ビニル安息香
酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メ
サコン酸等の不飽和多価カルボン酸類;コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)
、コハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)等の不飽和基とカルボキシル基の間
が鎖延長されている不飽和モノカルボン酸類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽
和酸無水物類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレン等の
芳香族ビニル類;メチルマレイミド、エチルマレイミド、イソプロピルマレイミド、シク
ロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、ベンジルマレイミド、ナフチルマレイミド
等のN置換マレイミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエ
ン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステ
ル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウ
リルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、
エトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリ
エチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロ
キシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカ
プロラクタム、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルアセトア
ミド等のN−ビニル化合物類;(メタ)アクリル酸イソシアナトエチル、アリルイソシア
ネート等の不飽和イソシアネート類;等が挙げられる。
上記多官能性のラジカル重合性化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキ
サンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキシドジ(メ
タ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ
)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(
メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(
メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリ
レート、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プ
ロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオ
キシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド
付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジトリメチロールプロパン
テトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート等の多官能(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジビニルエーテル、ジ
エチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロ
ピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジ
オールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジビニルエーテル、ビス
フェノールFアルキレンオキシドジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニル
エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエー
テル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニ
ルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキシド付加トリ
メチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパ
ンテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエー
テル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の多官能ビ
ニルエーテル類;(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビ
ニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)
アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5−ビニロキシペンチル
、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチ
ルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(
メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロ
キシエトキシエトキシエトキシ)エチル等のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エ
ステル類;エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル
、ブチレングリコールジアリルエーテル、ヘキサンジオールジアリルエーテル、ビスフェ
ノールAアルキレンオキシドジアリルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジ
アリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジトリメチロールプロパ
ンテトラアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラ
アリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアリルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリアリルエー
テル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、エチレン
オキシド付加ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジペン
タエリスリトールヘキサアリルエーテル等の多官能アリルエーテル類;(メタ)アクリル
酸アリル等のアリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;トリ(アクリロイルオキシエ
チル)イソシアヌレート、トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アル
キレンオキシド付加トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオ
キシド付加トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等の多官能(メタ)ア
クリロイル基含有イソシアヌレート類;トリアリルイソシアヌレート等の多官能アリル基
含有イソシアヌレート類;トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートと(メタ)アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の水酸基含有(メタ)アクリル
酸エステル類との反応で得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート類;ジビニルベン
ゼン等の多官能芳香族ビニル類;等が挙げられる。
上記ラジカル重合性化合物の中でも、硬化性の観点から、多官能性のラジカル重合性化合物が好ましい。更に、上記多官能性のラジカル重合性化合物の中でも、反応性、経済性、
入手性等から、多官能(メタ)アクリレート類、多官能ウレタン(メタ)アクリレート類
、(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート類等の、(メタ)アクリロイル基を有す
る多官能性単量体がより好ましい。更に好ましくは、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレートである。
上記(メタ)アクリロイル基を有する多官能性単量体を商品名で例示すると、KAYAR
AD R−526、NPGDA、PEG400DA、MANDA、R−167、HX−2
20、HX−620、R−551、R−712、R−604、R−684、GPO−30
3、TMPTA、THE−330、TPA−320、TPA−330、PET−30、T
−1420(T)、DPHA、DPHA−2C、D−310、D−330、DPCA−2
0、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DN−0075(以上、日本
化薬社製);アロニックスM−203S、M−208、M−211B、M−215、M−
220、M−225、M−270、M−240、M−309、M−310、M−321、
M−350、M−360、M−370、M−313、M−315、M−325、M−32
7、M−306、M−305、M−451、M−450、M−408、M−403、M−
400、M−402、M−404、M−406、M−405、M−510、M−520(
以上、東亞合成社製);ライトアクリレート3EG−A、4EG−A、9EG−A、DC
P−A、BP−4EA、BP−4PA、HPP−A、PTMGA−250、G201PT
MP−A、TMP−6EO−3A、TMP−3EO−A(以上、共栄社化学社製)、ライ
トエステルEG、2EG、3EG、4EG、9EG、G101P、G201P、BP−2
EM、BP−6EM、TMP(以上、共栄社化学社製)、ビスコート295、300、3
60、GPT、3PA、400(以上、大阪有機化学工業社製)等が挙げられる。
これらの中でも、TMPTA、DPHAが好適に用いられる。
上記ラジカル重合性化合物の分子量は、目的、用途に応じて適宜設定すればよいが、2000以下が取扱いの面で好ましい。
また、上記ラジカル重合性化合物(B)の使用量としては、用いるラジカル重合性化合物や硬化性樹脂の種類、目的、用途に応じて適宜設定すればよいが、良好な硬化性を得るためには、硬化性樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、3〜80質量%用いることが好ましい。より好ましくは5〜70質量%であり、更に好ましくは10〜60質量%である。また、硬化性樹脂(A)とラジカル重合性化合物(B)の重量比(A)/(B)=0.2〜5が好ましく、0.5〜3が更に好ましい。

本発明の硬化性樹脂組成物は、溶剤を含むことが好ましい。溶剤は、粘度を下げ取扱い性を向上する、乾燥により塗膜を形成する、色材の分散媒とする、等のために使用する、感光性樹脂組成物中の各成分を溶解、或いは分散できる低粘度の有機溶媒である。
上記溶剤としては、通常使用するものを使用することができ、目的、用途に応じて適宜選
択すればよく、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、s−ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロ
ピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン,ジオキサン等の環状エーテル
類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等のグリコールモノエ
ーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル
、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、
プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグ
リコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルア
セテート等のグリコールモノエーテルのエステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロ
ピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロ
ピオン酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチ
ル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシ
プロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアルキルエステル類;ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類
;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、シ
クロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記溶剤の使用量としては、目的、用途、好ましい粘度等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、本発明の硬化性樹脂組成物100質量%に対して、10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜80質量%である。

本発明の硬化性樹脂組成物は、更に光重合開始剤(C)を配合して、感光性樹脂組成物として好適に使用できる。
光重合開始剤(C)としては公知のラジカル重合性光重合開始剤が使用でき、特に制限はないが、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−〔(4−メチルフェニル)メチル〕−1−〔4−(4−モルホリニル)フェニル〕−1−ブタノン等のアルキルフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2
−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2
−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2
−(4−エトキシカルボキニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−ト
リアジン等のハロメチル化トリアジン系化合物;2−トリクロロメチル−5−(2’−ベ
ンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2
’−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、4−オキサジアゾール、
2−トリクロロメチル−5−フリル−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチル化オ
キサジアゾール系化合物;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’
−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェ
ニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−
ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,
2’−ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4
−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン,1−〔9−エチ
ル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−ア
セチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(η5−2,4−シクロペンタジ
エン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フ
ェニル)チタニウム等のチタノセン系化合物;p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチ
ルアミノ安息香酸等の安息香酸エステル系化合物;9−フェニルアクリジン等のアクリジ
ン系化合物;等を挙げることができる。

上記重合性光重合開始剤とともに、光増感剤や光ラジカル重合促進剤を使用することにより、感度や硬化性を向上することができる。このような光増感剤や光ラジカル重合促進剤としては、例えば、キサンテン色素、クマリン色素、3−ケトクマリン系化合物、ピロメテン色素等の色素系化合物;4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等のジアルキルアミノベンゼン系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等のメルカプタン系水素供与体等が挙げられる。
上記重合性光重合開始剤の添加量としては、目的、用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、硬化性、分解物の悪影響、経済性のバランスの点から、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、0.1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜25質量%であり、更に好ましくは1〜20質量%である。
上記光増感剤、光ラジカル重合促進剤の添加量総量としては、目的、用途に応じて適宜設
定すればよく、特に限定されないが、硬化性、分解物の悪影響、経済性のバランスの点か
ら、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、0.001〜20質量
%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜15質量%であり、さらに好ましく
は0.05〜10質量%である。

本発明の硬化性樹脂組成物および感光性樹脂組成物は、各用途の要求特性に応じて、上述した成分の他、フィラー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール等の熱硬化性樹脂、多官能チオール化合物等の硬化助剤、耐熱向上剤、現像助剤、可塑剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、艶消し剤、消泡剤、レベリング剤、帯電防止剤、スリップ剤、表面改質剤、揺変化剤、揺変助剤、シラン系やアルミニウム系、チタン系等のカップリング剤、キノンジアジド化合物、多価フェノール化合物、カチオン重合性化合物、酸発生剤等の成分が配合されても良い。以下に、本発明の感光性樹脂組成物をカラーフィルター用レジストとして使用する場合に好適なその他の成分について説明する。

更に本発明の感光性樹脂組成物は、色材(D)を配合することで、特にカラーフィルタの画素形成用の着色感光性樹脂組成物として好適に使用できる、色材としては、顔料、及び染料が好適に使用される。
上記顔料としては、通常有機系顔料として使用されるものを使用することができ、特に制限されないが、例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、多環式顔料(キナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、チオインジゴ系、アントラキノン系、キノフタロン系、金属錯体系、ジケトピロロピロール系等)、染料レーキ系顔料等が好適に挙げられる。また、使用できる顔料の色としては黄色、赤色、紫色、青色、緑色、褐色、黒色、白色やアゾ系染料が挙げられる。
上記顔料は、目的、用途に応じて、ロジン処理、界面活性剤処理、樹脂系分散剤処理、顔料誘導体処理、酸化皮膜処理、シリカコーティング、ワックスコーティング等の表面処理がなされていてもよい。顔料の具体的例としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12
、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー
15、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエ
ロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメント
イエロー55、C.I.ピグメントイエロー60、C.I.ピグメントイエロー61、C.I.ピグメ
ントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー71、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピ
グメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.
I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97
、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロ
ー101、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー106、C.I.ピグメ
ントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、
C.I.ピグメントイエロー113、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロ
ー116、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー119、C.I.ピグメ
ントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー126、C.I.ピグメントイエロー127、
C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロ
ー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメ
ントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー152、C.I.ピグメントイエロー153、
C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロ
ー156、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメ
ントイエロー175;
C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38;
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピ
グメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメント
レッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド1
0、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド14
、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、
C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド21、C.
I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.
ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド37、C.I.ピ
グメントレッド38、C.I.ピグメントレッド40、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグ
メントレッド42、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.
I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド4
9:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメン
トレッド52:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピ
グメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド57:2、C.I.ピグメントレッド58:
2、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレ
ッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピ
グメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.
ピグメントレッド90:1、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド101、
C.I.ピグメントレッド102、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド10
5、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108、C.I.ピグメントレッド
112、C.I.ピグメントレッド113、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレ
ッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメン
トレッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグ
メントレッド151、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.
ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、
C.I.ピグメントレッド174、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド17
6、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド
179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレ
ッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメン
トレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグ
メントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.
ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、
C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド22
6、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド
245、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレ
ッド264、C.I.ピグメントレッド265;
C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1
、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブル
ー15:6、C.I.ピグメントブルー60;C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグ
リーン36;C.I.ピグメントグリーン58等が上げられる。これらは単独で使用してもよく、又、2種類以上を組み合わせて使用することが出来る。
また、染料としては、例えば、特開2010−9033号公報、特開2010−211198号公報、特開2009−51896号公報、特開2008ー50599号公報に記載されている有機染料を使用することができる。これら染料や顔料は、単独で使用しても良く、又、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。更に、顔料と染料を組み合わせて使用することも出来る。特に、カラーフィルタの赤色、青色、緑色画素を形成する場合、青と紫、緑と黄色などの色材を組み合わせて求める色特性を発揮させる手法が好適に使用される。

上記顔料や染料の使用量は、目的、用途に応じて、適宜設定することができるが、本発明のネガ型感光性樹脂組成物中に、該感光性樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、3〜70質量%含まれていることが好ましい。このような含有量であることにより、本発明の効果をより顕著に奏することが可能となる。より好ましくは、5〜60質量%であり、更に好ましくは、10〜50質量%である。
<分散剤>
本発明の硬化性樹脂組成物および/または感光性樹脂組成物が顔料を含む場合、分散剤を配合することがこのましい。分散剤とは、顔料への相互作用部位と分散媒(溶剤やバインダー樹脂)への相互作用部位とを有し、顔料の分散媒への分散を安定化する働きを持つものであり、一般的には、樹脂型分散剤(高分子分散剤)、界面活性剤(低分子分散剤)、色素誘導体に分類される。このような分散剤としては、通常使用される分散剤を使用することができる。
上記樹脂型分散剤としては、例えば、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン
酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸アミン塩、ポリカルボ
ン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミ
ノアマイドリン酸塩、水素基含有ポリカルボン酸エステル、ポリ(低級アルキレンイミン
)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその
塩、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸
エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、ポリエステル系、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/ポリプロピ
レンオキサイド付加物等が挙げられる。
また、上記樹脂型分散剤の構造としては、主鎖が顔料への相互作用部位を有するアンカー
鎖で、グラフト鎖が分散媒への相互作用性を有する相溶性鎖であるようなグラフト構造の
樹脂や、アンカー鎖と相溶性鎖がブロック構造になっている樹脂が、特に好ましく用いら
れる。
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキル
ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウ
リル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸ナトリウム、
ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテ
ル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレ
ート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサ
イド付加物当のカチオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキ
ルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤;等が挙げられる。
上記色素誘導体は、官能基を色素に導入した構造の化合物であり、該官能基としては、例
えば、スルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、ジアルキルアミノ基、水酸基、
カルボキシル基、アミド基、フタルイミド基等が挙げられ、母体となる色素の構造として
は、例えば、アゾ系、アントラキノン系、キノフタロン系、フタロシアニン系、キナクリ
ドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、インダンスレン系
、ペリレン系、ジケトピロロピロール系等が挙げられる。
上記分散剤の商品名を挙げると、以下のようなものが挙げられる。ただし、上記分散剤と
してはこれらに限定されるものではない。
例えば、EFKA−46、47,48、745、1101、1120、1125、400
8、4009、4046、4047、4520、4540、4550、6750、401
0、4015、4020、4050、4055、4060、4080、4300、433
0、4400、4401、4402、4403、4406、4800、5010、504
4、5244、5054、5055、5063、5064、5065、5066、121
0、2150、KS860、KS873N、7004、1813、1860、1401、
1200、550、EDAPLAN470、472、480、482、K−SPERSE
131、1525070、5207(以上、エフカアディティブズ(EFKA ADDI
TIVES)社製)、Anti−Terra−U、Anti−Terra−U100、A
nti−Terra−204、Anti−Terra−205、Anti−Terra−
P、Disperbyk−101、102、103、106、108、109、110、
111、112、151、160、161、162、163、164、166、182、
P−104、P−104S、P105、220S、203、204、205、2000、
2001、9075、9076、9077(以上、ビックケミー社製)、SOLSPER
SE3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000
、20000、22000、24000、24000GR、26000、28000(以
上、日本ルーブリゾール社製)、Disperlon7301、325、374、234
、1220、2100、2200、KS260、KS273N、152MS(以上、楠本
化成社製)、アジスパーPB−711、821、822、880、PN−411、PA−
111(以上、味の素ファインテクノ社製)、KPシリーズ(信越化学工業社製)、ポリ
フローシリーズ(共栄社化学社製)、メガファックシリーズ(ディーアイシー(DIC)
社製)、ディスパーエイドシリーズ(サンノプコ社製)等が挙げられる。
これらの分散剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
上記分散剤の使用量は、目的、用途に応じて、適宜設定すればよいが、分散安定性、耐久性(耐熱性、耐光性、耐候性等)や透明性のバランスを取るためには、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、0.01〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜50質量%であり、更に好ましくは0.5〜40質量%である。
<耐熱向上剤>
本発明の硬化性樹脂組成物および感光性樹脂組成物は、耐熱性や強度向上のために、N−(アルコキシメチル)メラミン化合物、2個以上のエポキシ基やオキセタニル基を有する化合物を添加することができる。特に、フォトスペーサー用レジスト、保護膜用透明レジストや層間絶縁膜用レジストとする場合には、これらの使用が好ましい。
<レベリング剤>
本発明の硬化性樹脂組成物および感光性樹脂組成物は、レベリング性向上のために、レベリング剤を添加することができる。レベリング剤としては、フッ素系、シリコン系の界面活性剤が好ましい。
<カップリング剤>
本発明の硬化性樹脂組成物および感光性樹脂組成物は、密着性向上のために、カップリング剤を添加することができる。カップリング剤としては、シラン系のカップリング剤が好ましく、例えば、エポキシ系、メタクリル系、アミノ系のシランカップリング剤が挙げられ、中でもエポキシ系のシランカップリング剤が好ましい。
<現像助剤>
本発明の硬化性樹脂組成物および感光性樹脂組成物は、現像性向上のために、例えば、(メタ)アクリル酸、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、コハク酸、テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類;無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロフタル酸無水物、トリメリット酸無水物等のカルボン酸無水物類;等を現像助剤として添加することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物および感光性樹脂組成物は、構成成分を各種の混合機や分散機を用いて混合分散することによって調製することができるが、特に本発明の硬化性樹脂組成物および感光性樹脂組成物が顔料を含む場合、顔料の分散処理工程を経て製造される。上記顔料の分散処理工程としては、例えば、まず、有機系顔料、分散剤、バインダー樹脂、溶剤とを各所定量秤量し、ペイントコンディショナー、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ニーダー、ブレンダー等の分散機を用い、顔料を微粒子分散させて液状の色材分散液(ミルベース)とする。好ましくは、ロールミル、ニーダー、ブレンダー等で混練分散処理をしてから、0.01〜1mmのビーズを充填したビーズミル等のメディアミルで微分散処理をする。得られたミルベースに、別途攪拌混合しておいた、ラジカル重合性化合物、光重合開始剤、バインダー樹脂、溶剤、レベリング剤等を含む透明レジスト液を加えて混合、均一な分散溶液とし、感光性樹脂組成物を得る。得られた硬化性樹脂組成物および感光性樹脂組成物は、フィルター等によって、濾過処理をして微細なゴミを除去するのが望ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物および感光性樹脂組成物をカラーフィルター、液晶パネル等として形成する場合には、まず、該組成物を基板上に塗布することとなる。該組成物を塗布する基板としては、ガラス板の他、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスルホン、環状オレフィンの開環重合体やその水素添加物等の熱可塑性プラスチックシート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性プラスチックシートが挙げられる。これらの中でも、耐熱性の点から、ガラス板又は耐熱性プラスチックシートが好ましい。また、上記基板には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤等による薬品処理等を行ってもよい。
すなわち、上記硬化性樹脂組成物および感光性樹脂組成物を熱および/または光で硬化して得られる硬化物もまた、本発明の1つである。
本発明の硬化性樹脂組成物および感光性樹脂組成物を基板に塗布する方法としては、スピン塗布、スリット塗布、ロール塗布、流延塗布等が挙げられ、本発明の組成物においてはいずれの方法も好ましく用いることができる。
基板に塗布した後の塗膜の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオー
ブン等を用いて行う。乾燥条件は、含まれる溶媒成分の沸点、硬化成分の種類、膜厚、乾
燥機の性能等に応じて適宜選択されるが、通常、50〜160℃の温度で、10秒から3
00秒間行う。
上記感光性樹脂組成物を硬化させる際の露光は、所定のパターンマスクを介して塗膜に活
性光線を照射する工程を含む。活性光線の光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロ
ゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、
中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源、アルゴンイオン
レーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレ
ーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が使用される。露光機の方式としては、プロ
キシミティー方式、ミラープロジェクション方式、ステッパー方式が挙げられるが、プロ
キシミティー方式が好ましく用いられる。
露光を行った後、現像液により現像処理し、未露光部分を除去しパターンを形成する。現
像液としては、本発明の感光性樹脂組成物を溶解するものであればいかなるものも用いる
ことができるが、通常、有機溶媒やアルカリ性の水溶液が用いられる。現像液としてアル
カリ性の水溶液を用いる場合には、現像後、さらに水で洗浄することが好ましい。アルカ
リ性の水溶液には、アルカリ剤の他、必要に応じ界面活性剤、有機溶媒、緩衝剤、染料、
顔料等を含有させることができる。アルカリ剤としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム
、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リ
ン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機のアルカ
リ剤;トリメチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等のアミン類が挙げられ、
これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシ
エチレンアルキルエステル類、ソルビタン酸アルキルエステル類、モノグリセリドアルキ
ルエステル類等のノニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナ
フタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸
エステル塩類等のアニオン性界面活性剤;アルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面
活性剤等が挙げられ、これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
上記有機溶媒としては、例えば、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコ
ール等のアルコール類が挙げられ、これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。現
像処理は、通常10〜50℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音
波現像等の方法で行われる。
現像後、通常、150〜250℃の温度で5〜60分間、ホットプレート、コンベクショ
ンオーブン、高周波加熱機等の加熱機器を用いて加熱し、熱硬化処理を施す。
本発明は、上述の構成よりなり、硬化性、感光性、密着性、製版性に優れ、かつ保存安定性にも優れ、カラーフィルター、液晶パネル等の光学部材の製造において好適に使用することができる硬化性樹脂組成物および感光性樹脂組成物である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限
定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「
質量%」を意味するものとする。
以下の実施例及び比較例において、各種物性等は以下のようにして測定した。
<重量平均分子量>
ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液としてHLC−8220GP
C(東ソー社製)、カラム TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)による
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて重量平均分子量を測定した。
<固形分>
重合体溶液をアルミカップに約1gはかり取り、アセトン約3gを加えて溶解させた後、
常温で自然乾燥させた。そして、熱風乾燥機(エスペック株式会社製、商品名:PHH−
101)を用い、真空下160℃で3時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、重量を測
定した。その重量減少量から、重合体溶液の固形分を計算した。
<酸価>
樹脂溶液3gを精秤し、アセトン90g/水10g混合溶媒に溶解し、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、商品名:COM−555)により、重合体溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分から固形分1g当たりの酸価を求めた。

(実施例1)
(硬化性樹脂溶液1の合成)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)500部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)200部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてメタクリル酸シクロヘキシル 216部、メタクリル酸メチル 40部、ベンジルマレイミド 40部、メタクリル酸 104部、パーブチルO(商品名、日本油脂社製)8部、PGMEA 28部、滴下系2としてDL−チオリンゴ酸 1.6部、PGME 20部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続した。一旦室温まで冷却したのち、メタクリル酸グリシジル 66部、重合禁止剤としてアンテージW400(川口化学社製)0.7部を加え、酸素濃度 7%に調整した酸素窒素混合ガスをバブリングしながら120℃に昇温し、14時間反応を継続したのち室温に冷却し、硬化性樹脂溶液1を得た。
得られた硬化性樹脂溶液1について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は28,000、固形分濃度は37.5%、固形分当たりの酸価は100mgKOH/gであった。また、未反応のメタクリル酸グリシジル濃度をガスクロマトグラフィーにより測定し、メタクリル酸グリシジルの反応率を算出したところ、95%であった。
E型粘度計で測定した25℃での粘度は、1300mPa・sであった。

硬化性樹脂溶液1を、40℃に設定したオーブンに入れ、2か月経過後の粘度を測定したところ、1330mPa・sであった。6か月経過後の粘度は、1390mPa・sであった。

(比較例1)
DL−チオリンゴ酸にかえて、n−ドデシルメルカプタン 1.0部を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、メタクリル酸グリシジルの反応率を求めたところ、反応12時間の時点での反応率は60%と、多量にメタクリル酸グリシジルが残存していた。更に120℃で反応を継続したところ、徐々に粘度が上昇し、反応開始から22時間の時点で、攪拌が不可能となり反応の継続ができなかった。

(比較例2)
メタクリル酸グリシジルの投入時に、トリエチルアミン 1.2部を添加した以外は比較例1と同様の操作を行った。反応時間12時間の時点でメタクリル酸グリシジルの反応率を求めたところ98%であったため、室温まで冷却し、比較硬化性樹脂溶液1を得た。
得られた比較硬化性樹脂溶液1の重量平均分子量は28,000、固形分濃度は37.6%、固形分当たりの酸価は100mgKOH/g、粘度は1300mPa・sであった。
比較硬化性樹脂溶液1を、40℃に設定したオーブンに入れ、2か月経過後の粘度を測定したところ、1800mPa・s、6か月経過後の粘度は2500mPa・sと、実施例1と比較して大幅な粘度上昇がみられた。

(実施例2)
(硬化性樹脂溶液2の合成)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)400部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)170部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてビニルトルエン 190部、パーブチルO8部、滴下系2としてベンジルマレイミド 60部、アクリル酸 150部、PGMEA 168部、滴下系3としてDL−チオリンゴ酸 1.6部、PGME 80部を準備し、滴下系2を3.5時間、滴下系1および3を4時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続した。一旦室温まで冷却したのち、メタクリル酸グリシジル 197部、重合禁止剤としてアンテージW400(川口化学社製)0.9部を加え、酸素濃度 7%に調整した酸素窒素混合ガスをバブリングしながら115℃に昇温し、14時間反応を継続したのち室温に冷却し、硬化性樹脂溶液2を得た。メタクリル酸グリシジルの反応率は96%であった。
得られた硬化性樹脂溶液2について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は28,000、固形分濃度は37.0%、固形分当たりの酸価は80mgKOH/gであった。
E型粘度計で測定した25℃での粘度は、900mPa・sであった。

硬化性樹脂溶液2を、40℃に設定したオーブンに入れ、2か月経過後の粘度を測定したところ、910mPa・s、6か月経過後の粘度は920mPa・sであった。

(比較例2)
DL−チオリンゴ酸にかえて、n−ドデシルメルカプタン 1.4部を使用し、メタクリル酸グリシジル投入時に、同時にトリエチルアミン 1.2部を添加した以外は、実施例2と同様の操作を行い、比較硬化性樹脂溶液2を得た。メタクリル酸グリシジルの反応率は97%であった。合成直後の粘度は950mPa・sであったが、40℃2か月保持後の粘度は1200mPa・s、6か月保持後の粘度は2200mPa・sと、合成直後と比較して大幅に粘度が上昇した。

(実施例3)
40℃で2カ月保存した硬化性樹脂溶液1 10部、重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 3.70部、光重合開始剤としてイルガキュア369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5部、溶媒としてPGMEA 10部、PGME 10部を混合し、感光性樹脂組成物1を得た。
次いで、10cm角のガラス基板上にスピンコートし、90℃3分間プリベークを行い、乾燥膜厚2μmの薄膜を作成した。

<現像性の評価>
次いで100〜5μmのライン&スペースのフォトマスクを介して100mJ/cm2の露光を行い、スピン現像機(アクテス社製、商品名:ADE−3000S)を用いて0.05% KOH水溶液で30秒間現像を行い、得られたパターンをレーザー顕微鏡にて観察を行った所、パターン剥離は見られず、未露光部に残渣もみられず非常に良好なパターンが形成されていた。

<溶媒再溶解性の評価>
感光性樹脂組成物1を用いて10cm角のガラス基板上にスピンコートし、90℃で3分間プリベークを行い、乾燥膜厚5μmの薄膜を作成した。次いで、ガラス基板を25℃のPGMEAにつけ、完全に溶解するまでの時間を測定した所、25秒であった。


(比較例3)
硬化性樹脂溶液1のかわりに、40℃で2カ月保存した比較硬化性樹脂溶液1を使用した以外は、実施例3と同様の操作を行い、感光性樹脂溶液を得た。現像性の評価を行ったところ、現像時間30秒では十分なパターンが形成できず、未露光部に残渣が見られた。現像時間を45秒にすることで、ようやく完全なパターンが形成され、未露光部の残渣がなくなった。よって、現像速度が遅くなっていた。また、溶媒再溶解性(完全溶解時間)は、45秒と、大幅に遅くなった。
すなわち、比較例3では、硬化性樹脂の保存安定性が悪く、40℃保管時に高分子量化・粘度上昇が起こり、現像速度、溶媒再溶解速度が大幅に遅くなる結果となった。
本発明の硬化性樹脂、硬化性樹脂組成物、および感光性樹脂組成物は、保存安定性に優れ、かつアルカリ現像性、密着性に優れ、電子情報分野の部材を形成するためのレジスト、例えばソルダーレジスト、エッチングレジスト、層間絶縁材料、めっきレジスト、カラーフィルター用レジストに好適であり、現像性、液晶の低汚染性にも優れることから、特にカラーフィルターの画素(着色層)、スペーサー、保護膜等の形成用として好適である。

Claims (9)

  1. 硬化性樹脂(A)を製造する方法であって、
    該製造方法は、
    分子内に2個以上のカルボキシル基と1個以上のメルカプト基を有する化合物の存在下で、少なくとも酸基含有単量体をラジカル重合させる重合工程、並びに、
    該重合工程で得た酸基含有重合体と、酸基と結合しうる基及び重合性二重結合を有する化合物(i)とを反応させる工程を含み、
    該反応によって、酸基含有重合体が有する酸基と、化合物(i)が有する酸基と結合しうる基とがエステル結合を形成し、
    該化合物(i)が有する酸基と結合しうる基は、ヒドロキシル基、エポキシ基又はオキセタニル基であることを特徴とする硬化性樹脂(A)の製造方法。
  2. 硬化性樹脂(A)の重量平均分子量が15000以上40000以下であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂(A)の製造方法。
  3. 前記酸基含有重合体及び酸基含有単量体は、酸基としてカルボキシル基を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化性樹脂(A)の製造方法。
  4. 前記酸基含有重合体は、酸基含有単量体単位と、N−置換マレイミド単量体単位及び/又はジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート単量体単位とを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂(A)の製造方法。
  5. 硬化性樹脂(A)の二重結合当量が300〜5000であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂(A)の製造方法。
  6. 硬化性樹脂組成物の製造方法であって、
    該製造方法は、硬化性樹脂(A)の製造工程と、該工程で得た硬化性樹脂(A)ラジカル重合性化合物(B)を配合する工程とを含み、
    該硬化性樹脂(A)の製造工程は、
    分子内に2個以上のカルボキシル基と1個以上のメルカプト基を有する化合物の存在下で、少なくとも酸基含有単量体をラジカル重合させる重合工程、並びに、
    該重合工程で得た酸基含有重合体と、酸基と結合しうる基及び重合性二重結合を有する化合物(i)とを反応させる工程を含み、
    該反応によって、酸基含有重合体が有する酸基と、化合物(i)が有する酸基と結合しうる基とがエステル結合を形成し、
    該化合物(i)が有する酸基と結合しうる基は、ヒドロキシル基、エポキシ基又はオキセタニル基であることを特徴とする硬化性樹脂組成物の製造方法
  7. 請求項に記載の方法で得られた硬化性樹脂組成物に、更に、光重合開始剤(C)を配合することを特徴とする感光性樹脂組成物の製造方法
  8. 請求項に記載の方法で得られた硬化性樹脂組成物及び/又は請求項に記載の方法で得られた感光性樹脂組成物を基板上に光及び/又は熱により硬化させることを特徴とする硬化物の製造方法
  9. 基板上に請求項6に記載の方法で得られた硬化性樹脂組成物及び/又は請求項7に記載の方法で得られた感光性樹脂組成物の硬化物形成することを特徴とするカラーフィルタ、液晶パネル又は有機ELディスプレイパネルの製造方法
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