JP4332354B2 - 酸基含有重合体およびその用途 - Google Patents

酸基含有重合体およびその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光硬化性樹脂組成物のバインダー樹脂として好適に用いることができる新規な酸基含有重合体と、該酸基含有重合体を用いた光硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、前記酸基含有重合体は良好な露光感度および塗膜強度の塗膜を得ることができるとともに、優れた顔料分散性をも発揮しうるものであり、該酸基含有重合体を用いた前記光硬化性樹脂組成物は、例えば液晶表示素子や固体撮像素子等に用いられるカラーフィルターの作製に有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、液晶表示素子や固体撮像素子等に用いられるカラーフィルターの作製には顔料分散法が汎用されている。該顔料分散法は、バインダー樹脂、ラジカル重合性化合物、光重合開始剤および顔料等からなる光硬化性樹脂組成物を用いるものであるが、顔料を使用するため光や熱などに安定であると同時に、フォトリソ法によってパターニングするため位置精度が良好であり、大画面・高精細カラーディスプレイ用カラーフィルターの作製に好適な方法である。
前記顔料分散法に用いる光硬化性樹脂組成物は、露光部の塗膜を硬化させる光硬化性と未露光部の塗膜をアルカリ現像するためのアルカリ可溶性とを有していることが必要であり、露光感度や塗膜強度が高いことが要望される。これに加えて、前記樹脂組成物が粒子状の顔料を含有する場合には、さらに良好な顔料分散性を備えていることが求められる。顔料の分散性が不充分であると、経時的に凝集を起こして塗布性を損なうこととなったり、粘度上昇を起こしたりすると同時に、このような樹脂組成物を用いてカラーフィルターを作製した場合、露光感度やアルカリ現像性に悪影響を及ぼし、色純度や寸法精度に問題を生じたり、消偏作用のため表示コントラスト比が著しく劣化することとなったりするといった問題を招くことになるからである。しかし、一般に、顔料は有機溶媒や高分子化合物等に対する分散性や混和性が悪く、前記樹脂組成物の主成分であるバインダー樹脂も通常、顔料に対する分散媒能は低い。
【0003】
そこで、顔料の分散性を向上させて前記問題を解決する手段として、前記光硬化性樹脂組成物に界面活性剤や顔料誘導体等の分散剤を多量に配合する試みがなされており、例えば、分散剤として有機色素誘導体を用いる方法が提案されている(特許文献1等参照)。しかしながら、分散剤は、通常、感光性基を有さないので光硬化性を備えておらず、このため、樹脂組成物中に光硬化性を持たない材料が多量に存在することとなり、露光感度を低下させるといった問題を招くこととなる。さらに、分散剤が酸基を有するものである場合、樹脂組成物としてのアルカリ可溶性が大きくなりすぎるため、アルカリ現像時に露光部に存在する分散剤が溶出し易くなり、塗膜の基材に対する密着性やパターン形状に悪影響を及ぼすという大きな問題を招くことになる。
【0004】
したがって、光硬化性樹脂組成物における顔料分散能は、分散剤によって付与するのではなく、樹脂組成物の主成分であるバインダー樹脂自体によって発現させるようにすることが望ましく、顔料分散能をも備えたバインダー樹脂が要望されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−199403号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、アルカリ現像が可能で露光感度および塗膜強度に優れた塗膜を得ることができ、しかも良好な顔料分散性を有する新規な酸基含有重合体と、該酸基含有重合体を用いた光硬化性樹脂組成物とを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、酸基を有する単量体由来の構成単位を有する酸基含有重合体がN−ビニル−2−ピロリドン由来の構成単位をも有するものであると、露光感度を低下させる原因となる分散剤を多量に要することなく良好な顔料分散性を発現させることができ、さらに、前記酸基含有重合体が側鎖にラジカル重合性二重結合を有するものであると、顔料分散性をさらに向上させることができると同時に露光感度および塗膜強度に極めて優れた塗膜を得ることができること、を見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明にかかる酸基含有重合体は、(メタ)アクリル酸由来の構成単位とともにN−ビニル−2−ピロリドン由来の構成単位をも含み、側鎖には、(メタ)アクリル酸グリシジルによって導入されたラジカル重合性二重結合を有する。
本発明にかかる光硬化性樹脂組成物は、バインダー樹脂、ラジカル重合性化合物、光重合開始剤および顔料を必須成分とする光硬化性樹脂組成物であって、前記バインダー樹脂が前記本発明の酸基含有重合体である、ことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の酸基含有重合体は、酸基を有する単量体由来の構成単位とともにN−ビニル−2−ピロリドン由来の構成単位をも含むものである。
前記酸基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸やイタコン酸などのカルボキシル基を有する単量体、りん酸基を有する単量体、スルホン酸基を有する単量体、フェノール基を有する単量体等が挙げられる。これらの中でも特に、(メタ)アクリル酸が好ましい。これら酸基を有する単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0010】
前記酸基を有する単量体由来の構成単位の含有割合は、本発明の酸基含有重合体の全構成単位中、5〜70重量%、好ましくは10〜50重量%であるのがよい。5重量%未満であると、アルカリ可溶性が不足して現像性が低下する恐れがあり、一方、70重量%を越えると、アルカリ可溶性が過剰になるとともに、溶媒溶解性もしくは他の成分との相溶性の低下や粘度の増大を招きやすく、現像性、得られる塗膜の透明性、作業性が低下することがある。
前記N−ビニル−2−ピロリドン由来の構成単位の含有割合は、本発明の酸基含有重合体の全構成単位中、1〜50重量部、好ましくは3〜30重量部、さらに好ましくは5〜20重量部であるのがよい。1重量%未満であると、顔料に対する分散性が不充分となり、硬化して得られる塗膜の表面平滑性や光透過性が低下する恐れがあり、一方、50重量%を越えると、得られる塗膜が脆くなり基板への密着性が低下すると同時に、酸基を有する単量体由来の構成単位と塩を形成しやすくなるため、アルカリ可溶性が低下したり、溶媒溶解性もしくは他の成分との相溶性や粘度の増大を招いたりする傾向があり、現像性、得られる塗膜の透明性、作業性が低下することがある。
【0011】
本発明の酸基含有重合体は、前記N−ビニル−2−ピロリドン由来の構成単位と前記酸基を有する単量体由来の構成単位のほかに、(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位をも含むことが好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。これらの中でも特に、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジルなどのエステル基の炭素数が少ないものが好ましい。これら(メタ)アクリル酸エステルは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0012】
前記(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位の含有割合は、特に制限されないが、前記2−ビニルピロリドン由来の構成単位および前記酸基を有する単量体由来の構成単位の含有割合が前述した範囲になるようにするのがよい。
本発明の酸基含有重合体は、さらに必要に応じて、前記N−ビニル−2−ピロリドンまたは前記酸基を有する単量体と共重合可能な他の単量体由来の構成単位を含んでいてもよい。
前記共重合可能な他の単量体としては、具体的には、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メチルビニルケトン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等が挙げられる。これらの中でも特に、耐熱性の点からは、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリルが好ましい。これら共重合可能な他の単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0013】
前記共重合可能な他の単量体由来の構成単位の含有割合は、特に制限されないが、本発明の酸基含有重合体の全構成単位中30重量%以下であるのが好ましい。
本発明の酸基含有重合体は、側鎖にラジカル重合性二重結合を有するものであることが重要である。側鎖にラジカル重合性二重結合を有することにより、顔料分散性をさらに向上させることができると同時に、得られる塗膜の露光感度および塗膜強度をも向上させることができる。具体的には、例えば、(メタ)アクリロイル基、p−ビニルフェニル基、(メタ)アリル基等の置換基を側鎖に有するものが挙げられ、これらの置換基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。このようなラジカル重合性二重結合を有する置換基は、例えば、エポキシ基と二重結合とを有する単量体(a)によって導入するようにすればよい。
【0014】
前記エポキシ基と二重結合とを有する単量体(a)としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチルなどの(メタ)アクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類;(メタ)アクリレートの脂環エポキシ誘導体;(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル;等を挙げられ、これらの中でも特に、(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましい。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の酸基含有重合体が有するラジカル重合性二重結合の量は、0.2〜10mmol/gであることが好ましく、0.5〜5mmol/gであることがさらに好ましい。二重結合の量が少ないと、露光感度が不足する場合があり、また硬化後の強度が低下する傾向がある。一方、二重結合の量が多すぎると、保存安定性が悪くなる傾向がある。二重結合の量は、実施例で後述するように、内部標準物質とともに1H−NMR測定を行ない、内部標準物質のピークと二重結合のピークの積分比を定量することにより、測定することができる。
【0015】
本発明の酸基含有重合体は、例えば、i)N−ビニル−2−ピロリドンと前記酸基を有する単量体とを必須とし、必要に応じて前記(メタ)アクリル酸エステルおよび/または前記共重合可能な他の単量体を含む単量体成分を重合し、得られた重合体(I)にエポキシ基と二重結合とを有する単量体(a)を付加させる方法、ii)N−ビニル−2−ピロリドンとエポキシ基と二重結合とを有する単量体(a)とを必須とし、必要に応じて前記(メタ)アクリル酸エステルおよび/または前記共重合可能な他の単量体を含む単量体成分を重合し、得られた重合体(II)に前記酸基を有する単量体を付加させ、その後さらに飽和または不飽和の多塩基酸無水物(b)を付加させる方法、等により得ることができる。
【0016】
前記i)の方法において重合体(I)を得る際の単量体成分中に占める各単量体の使用割合は、N−ビニル−2−ピロリドン/酸基を有する単量体/(メタ)アクリル酸エステル/共重合可能な他の単量体=3〜30(好ましくは5〜20)/10〜50/0〜80/0〜30(重量比)となるようにするのが好ましい。一方、前記ii)の方法において重合体(II)を得る際の単量体成分中に占める各単量体の割合は、N−ビニル−2−ピロリドン/エポキシ基と二重結合とを有する単量体(a)/(メタ)アクリル酸エステル/共重合可能な他の単量体=3〜30(好ましくは5〜20)/5〜80/0〜80/0〜30(重量比)となるようにするのが好ましい。
【0017】
前記i)の方法における重合体(I)または前記ii)の方法における重合体(II)を得る際の重合方法については、特に制限はなく、溶液重合法など従来公知の方法を採用することができる。
前記i)の方法における重合体(I)または前記ii)の方法における重合体(II)を得る際の重合反応の条件等は、特に制限されないが、例えば、反応温度は50〜150℃、反応時間は0.5〜24時間とするのがよい。また、前記単量体成分の投入方法は、特に制限されず、全量一括仕込みしてもよいし、一部を一括仕込みし残りを滴下しても良いし、全量を滴下しても良いが、発熱量の制御の点で、一部を一括仕込みし残りを滴下するか、あるいは全量を滴下するのが好ましい。なお、前記単量体成分と、後述する重合開始剤や連鎖移動剤の投入後、必要に応じて熟成を行うことが好ましい。
【0018】
前記i)の方法における重合体(I)または前記ii)の方法における重合体(II)を得る際の重合においては、必要に応じて、溶媒を用いることができる。溶媒としては、特に制限はなく、例えば、通常のラジカル重合反応で使用されるものを用いることができる。具体的には、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。これらの中でも、エーテル類、ケトン類、エステル類が好ましく、特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートが好ましい。なお、重合で用いる溶媒と後述の希釈剤として用いる溶媒とは同種であることが好ましい。これら溶媒は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。溶媒の使用量は、特に制限されないが、例えば、反応原料全量の5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは30〜75重量%とするのがよい。
【0019】
前記i)の方法における重合体(I)または前記ii)の方法における重合体(II)を得る際の重合においては、必要に応じて、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;等が挙げられる。これらの中でも、分解温度、入手のし易さ、取扱い易さ等の点からは、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)が好ましい。これら重合開始剤は1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。重合開始剤の使用量は、用いる単量体の組み合わせや反応条件などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。なお、重合開始剤の投入方法は、特に制限されず、全量一括仕込みしてもよいし、一部を一括仕込みし残りを滴下してもよく、全量を滴下してもよい。また、前記単量体成分とともに滴下すると、反応の制御が容易となるので好ましく、さらに単量体成分滴下後も添加すると、残存モノマーを低減できるので好ましい。
【0020】
前記i)の方法における重合体(I)または前記ii)の方法における重合体(II)を得る際の重合においては、必要に応じて、分子量調整の目的で、連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデカンチオールなどのチオール系連鎖移動剤や、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられるが、好ましくは、連鎖移動効果が高く、残存モノマーを低減でき、入手も容易なn−ドデカンチオールがよい。
前記重合体(I)および重合体(II)の重量平均分子量は、それぞれ、1,000〜150,000であることが好ましく、より好ましくは2,000〜60,000、さらに好ましくは3,000〜40,000であるのがよい。
【0021】
前記i)の方法において、前記重合体(I)に前記エポキシ基と二重結合とを有する単量体(a)を付加する際の該単量体(a)の使用量は、特に制限されないが、前記重合体(I)に対して5〜90重量%、好ましくは10〜70重量%とするのがよい。前記エポキシ基と二重結合を有する単量体の使用量が少なすぎると、露光感度や塗膜強度の向上効果が小さくなり、一方、多すぎると、付加反応時にゲル化し易く、得られる本発明の重合体の粘度の増大を招き、作業性が低下すると同時に、分子量が大きくなりすぎて、現像性の低下をもたらす恐れがある。
【0022】
前記ii)の方法において、前記重合体(II)に前記酸基を有する単量体を付加する際の該単量体の使用量は、特に制限されないが、前記重合体(II)に対して5〜70重量%、好ましくは10〜50重量%とするのがよい。前記酸基を有する単量体の使用量が少なすぎると、露光感度や塗膜強度の向上効果が小さくなり、一方、多すぎると、付加反応時にゲル化し易く、得られる本発明の重合体の粘度の増大を招き、作業性が低下すると同時に、分子量が大きくなりすぎて、現像性の低下をもたらす恐れがある。
前記ii)の方法において、前記酸基を有する単量体を付加した後さらに付加する前記飽和または不飽和の多塩基酸無水物(b)としては、例えば、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物等の三塩基酸以上の酸無水物;等が挙げられる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
【0023】
前記ii)の方法において、前記飽和または不飽和の多塩基酸無水物(b)を付加する際の該酸無水物(b)の使用量は、特に制限されないが、該酸無水物(b)を付加する前の重合体に対して5〜70重量%、好ましくは10〜50重量%とするのがよい。前記飽和または不飽和の多塩基酸無水物(b)の使用量が少なすぎると、アルカリ可溶性が不足して、現像性が低下する恐れがあり、一方、多すぎると、アルカリ可溶性が過剰になるとともに、溶媒溶解性もしくは他の成分との相溶性の低下や粘度の増大を招きやすく、現像性、得られる塗膜の透明性、作業性が低下することがある。
【0024】
前記i)の方法において前記エポキシ基と二重結合とを有する単量体(a)を付加する際の付加反応、および、前記ii)の方法において前記酸基を有する単量体や前記飽和または不飽和の多塩基酸無水物(b)を付加する際の付加反応については、特に制限はないが、反応温度は50℃〜150℃が好ましく、80℃〜140℃がさらに好ましく、90℃〜120℃が最も好ましい。50℃未満であると、付加反応が充分進行しない恐れがあり、一方、150℃を超えると、付加反応時にゲル化が起こりやすい。また、反応時間は0.5〜24時間が好ましく、1〜15時間がさらに好ましい。また、付加反応を行う場合には、上記脱水・脱アルコールのための操作を行っておくことが好ましい。
【0025】
前記付加反応に際しては、必要に応じて、触媒を使用することができる。触媒としては、公知のものを用いればよく、特に制限されないが、例えば、付加させる化合物がエポキシ基を有する場合には、トリエチルアミン等のアミン系化合物が好ましい。触媒の使用量は、被付加体である重合体に対し、0.01〜30重量%が好ましく、0.05〜5重量%がさらに好ましく、0.1〜2重量%が最も好ましい。触媒の使用量が少なすぎると、付加反応が充分進行しない恐れがあり、一方、多すぎると、重合体が着色したり、触媒が溶解せず沈殿したりする恐れがある。
【0026】
前記付加反応に際しては、禁止効果のあるガスを反応系中に導入したり、禁止剤を添加したりしてもよい。禁止効果のあるガスを反応系中に導入したり、禁止剤を添加したりすることにより、付加反応時のゲル化を防ぐことができる。禁止効果のあるガスとしては、系内物質の爆発範囲に入らない程度の酸素を含むガス、例えば、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガス、酸素/アルゴン=5/95(v/v)混合ガス、空気等が挙げられる。禁止効果のあるガスの導入方法および導入量は、特に制限されず、反応器の形態や付加反応の温度、付加させる化合物の量などに応じ、適宜設定すればよい。禁止剤としては、公知のものを使用することができ、特に制限はされないが、例えば、ヒドロキノン、メトキノン、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、フェノチアジン等が挙げられる。これら禁止剤は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。使用する禁止剤の量としては、被付加体である重合体と付加させる化合物の合計に対して0.005〜5重量%が好ましく、0.03〜3重量%がさらに好ましく、0.05〜1.5重量%が最も好ましい。禁止剤の量が少なすぎると、禁止効果が充分でない場合があり、一方、多すぎると、露光感度が低下する恐れがある。また、禁止効果のあるガスと禁止剤とを併用すると、使用する禁止剤の量を低減できたり、禁止効果を高めたりすることができるので、より好ましい。
【0027】
本発明の酸基含有重合体の重量平均分子量は、3,000〜200,000であることが好ましく、より好ましくは5,000〜150,000、さらに好ましくは7,000〜100,000であるのがよい。重量平均分子量が大きすぎると、アルカリ可溶性や他の化合物との相溶性が低下し、現像性や得られる塗膜の透明性が低下する傾向がある。一方、重量平均分子量が小さすぎると、アルカリ可溶性が強すぎたり硬化性が低下したりするため、現像性や硬化した塗膜の強度が低下する傾向がある。
本発明の酸基含有重合体の酸価は、5〜200mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは10〜170mgKOH/g、さらに好ましくは20〜150mgKOH/gであるのがよい。本発明の酸基含有重合体は比較的親水性が高いので、ある程度酸価が小さくても現像性を確保することができるが、前記範囲よりも小さすぎると、アルカリ可溶性が不足して現像性を損なうことがある。一方、酸価が前記範囲よりも大きすぎると、アルカリ可溶性が強すぎて現像性が低下する傾向がある。
【0028】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、バインダー樹脂を必須成分とするものであり、該バインダー樹脂は前述した本発明の酸基含有重合体であることが重要である。これにより、本発明の樹脂組成物は、アルカリ現像が可能で、良好な顔料分散性を有し、塗膜強度および露光感度にも優れた光硬化性樹脂組成物となる。
前記バインダー樹脂の含有量は、樹脂組成物中2〜50重量%、好ましくは4〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%であるのがよい。バインダー樹脂の含有量が前記範囲を外れると、塗膜強度が低下したり、現像性が低下する恐れがある。
【0029】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光重合反応による硬化を可能とするため、ラジカル重合性化合物を必須成分とするものである。前記ラジカル重合性化合物としては、オリゴマーとモノマーがあり、ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、不飽和ポリエステル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、側鎖に二重結合を持つアクリル系重合体等が挙げられ、ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルベンゼンホスホネート等の芳香族ビニル系モノマー;酢酸ビニル、アジピン酸ビニル等のビニルエステルモノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)−メチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系モノマー;(ジ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート等の多官能性(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系モノマー;トリアリルシアヌレート;等が挙げられる。これらの中でも、露光感度および光硬化後の塗膜物性を考慮すると、多官能(メタ)アクリレートが特に好ましい。これらラジカル重合性化合物は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0030】
前記ラジカル重合性化合物の含有量は、前記バインダー樹脂100重量部に対して5〜500重量部、好ましくは20〜300重量部、さらに好ましくは10〜200重量部であるのがよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光重合反応による硬化を可能とするため、光重合開始剤を必須成分とするものである。前記光重合開始剤としては、公知のものを使用でき、具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1;アシルホスフィンオキサイド類およびキサントン類;等が挙げられる。これら光重合開始剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0031】
前記光重合開始剤の含有量は、前記ラジカル重合性化合物100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは5〜30重量部、さらに好ましくは5〜20重量部であるのがよい。光重合開始剤が前記範囲よりも少ないと、光照射時間を増やさなければならなかったり、充分な強度が得られなかったりする。一方、光重合開始剤が前記範囲よりも多いと、経済的に不利になるばかりか、塗膜が着色したり、強度が低下したりする恐れがある。
本発明の光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、前記光重合開始剤とともに、熱重合開始剤をも含有させることができる。前記熱重合開始剤としては、公知のものを使用でき、具体的には、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;等が挙げられる。前記熱重合開始剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜設定すればよい。
【0032】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、顔料を必須成分とするものである。前記顔料としては、具体的には、カラーインデックスCI(The Society ofDyers and Colourists 出版)でピグメント(pigment)に分類されている有機化合物、例えば、C.I.Pigment Yellow 24、C.I.Pigment Yellow 31、C.I.pigment Yellow 53、C.I.Pigment Yellow 83、C.I.Pigment Yellow 136、C.I.PigmentOrange 43、C.I.Pigment Red 105、C.I.Pigment Red 176、C.I.Pigment Red 177、C.I.Pigment Violet 14、C.I.Pigment Vilolet 29、C.I.Pigment Blue 15、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Pigment Blue 28、C.I.Pigment Green 15、C.I.Pigment Green 25、C.I.Pigment Green 36、C.I.Pigment Brown 28、C.I.Pigment Black 1、C.I.Pigment Black 7、カーボンブラックなどの有機顔料;鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモンなどの金属酸化物または複合酸化物などの無機顔料;等が挙げられる。これら顔料は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。なお、前記顔料は、本発明の効果を発揮するうえでは粒子状のものが適しているが、これに限定されるものではない。
【0033】
前記顔料の含有量は、光硬化性樹脂組成物中の固形分100重量部に対して0.1〜200重量部、好ましくは1〜150重量部、さらに好ましくは10〜120重量部、最も好ましくは30〜110重量部であるのがよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、希釈剤により希釈されていてもよい。希釈剤としては、前記ラジカル重合性化合物または適当な溶媒を用いることができる。溶媒としては、特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。希釈剤の使用量は、樹脂組成物を使用する際の最適粘度に応じて適宜設定すればよいが、例えば、樹脂組成物100重量部に対して5〜500重量部とすることが好ましい。
【0034】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、前記顔料の分散性をさらに向上させるため、分散剤を含んでいてもよい。分散剤としては、例えば、界面活性剤が好ましい。界面活性剤としては、具体的には、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテルなどのポリエチレングリコールアルキルエーテル類;ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテルなどのポリエチレングリコールアリールエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレートなどのポリエチレングリコールジエステル類;BM−1000(ビーエム・ヘビー社製)などのフッ素系界面活性剤;オルガノシロキサンポリマー系などのカチオン系界面活性剤;アニオン性高分子高分子不飽和ポリカルボン酸などのアニオン系界面活性剤;等が挙げられる。また、顔料の中間体、高分子分散剤なども好適である。特に、母体となる有機色素に置換基を導入した有機色素の誘導体が好ましい。母体となる有機色素としては、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ぺリレン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、金属錯塩系等が挙げられる。置換基としては、水酸基、カルボキシル基、スルホン基、カルボンアミド基、スルホンアミド基等が挙げられる。前記分散剤の使用量は、前記顔料100重量部に対し、通常0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部、最も好ましくは1〜10重量部であるのがよい。
【0035】
本発明の光硬化性樹脂組成物には、さらに必要に応じて、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、硫酸バリウム等の充填材、染料、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、増感剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重合抑制剤、増粘剤等の公知の添加剤を含有するものであってもよい。また、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシヌレートなどのエポキシ樹脂、ジシアンジアミド、イミダゾール化合物などのエポキシ硬化剤、あるいはジオキサゾリン化合物等を含有するものであってもよい。これらの添加量は、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜設定すればよい。
【0036】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、フォトレジスト材料として有用であり、とりわけ、カラーフィルタの作製に好適に用いることができるものである。さらに詳しくは、カラーフィルタとは、画像のカラー化に必要な、透明基板上に少なくとも3原色(一般に、赤(R)・緑(G)・青(B))の微細な画素とそれらを区切るブラックマトリクスを有する光学フィルタであり、3原色(RGB)画素、樹脂ブラックマトリックス、保護膜、柱状スペーサー等の部材から構成されるが、本発明の光硬化性樹脂組成物は、これら構成部材の中でも、3原色(RGB)画素および樹脂ブラックマトリックスに適したものである。
【0037】
本発明の光硬化性樹脂組成物を用いたカラーフィルタの構成部材は、例えば、3原色(RGB)画素を形成する場合には赤・緑・青の各3原色の顔料を、樹脂ブラックマトリックスを形成する場合には黒色の顔料を、それぞれ含有した本発明の光硬化性樹脂組成物を用い、下記1)〜3)の工程を行うことにより形成することができる。
1)本発明の光硬化性樹脂組成物を、ガラス、好ましくは無アルカリガラスなどの基板上にスピンコート法、スプレー法など公知の方法でコートし、乾燥し、塗膜を作製する。コート法としてはスピンコート法が好ましく用いられる。乾燥条件としては、室温〜120℃、好ましくは60℃〜100℃の温度、10秒〜60分、好ましくは30秒から10分、常圧または真空下で加熱乾燥する方法が好ましい。
【0038】
2)その後、所望の断面形状に応じた開口を設けたフォトマスク(パターニングフィルム)を、上記塗膜の上に接触状態でまたは非接触状態で載せ、光を照射し、硬化させる。本発明において、光とは、可視光のみならず、紫外線、X線、電子線などの放射線を意味するが、紫外線が最も好ましい。紫外線源としては、一般に高圧水銀ランプが好適に使用される。
3)光照射後、溶剤、水、アルカリ水溶液などで現像を行う。これらのなかで、アルカリ水溶液が、環境への負荷が少なく高感度の現像を行うことができるため好ましい。アルカリ成分としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等が好ましい。アルカリの濃度としては、0.01〜5重量%が好ましく、0.05〜3重量%が好ましく、0.1〜1重量%が最も好ましい。アルカリ濃度が低すぎると、樹脂組成物の溶解性が不足する恐れがあり、一方、高すぎると、溶解力が高すぎて現像性に劣る場合がある。さらに、前記アルカリ水溶液には、界面活性剤を添加してもよい。本発明の光硬化性樹脂組成物からなる塗膜は、露光前であってもタックフリー性に優れているので、フォトマスクを接触状態で載置していても、容易に剥離することができ、パターンの再現を正確に行うことができる。
【0039】
カラーフィルタの構成部材を形成する際には、前記1)〜3)の工程後、さらに加熱して(ポストベーク)硬化を進行させ、かつ残存している溶剤を完全に除去させることが好ましい。これにより、露光で硬化しなかった樹脂組成物中のラジカル重合性二重結合を硬化させて非常に強固な架橋体とすることができ、塗膜強度をさらに向上させることができる。ポストベークの際の硬化温度としては120〜300℃が好ましく、150〜250℃がさらに好ましく、180〜230℃が最も好ましい。前記硬化温度が高すぎると、画素が着色したり、熱分解により塗膜の平滑性を損なう恐れがあり、一方、低すぎると、硬化の進行が少なく、塗膜強度の向上効果が不充分となる。なお、ポストベークは、各部材形成における現像後に行っても良いし、全ての部材を形成した後に行ってもよい。
【0040】
カラーフィルタは、前述のような各構成部材の形成方法にて、基板上にまず樹脂ブラックマトリックスを形成し、次に、R、G、Bの各画素を順じ形成し、次いで、RGB画素を保護するための保護膜を形成し、さらに、カラーフィルタが液晶用カラーフィルタである場合には、柱状スペーサーを形成することによって、作製することができる。なお、前記保護膜は、顔料を含有しない公知の熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を使用して前記1)〜3)の工程を行うことにより形成することもでき、前記柱状スペーサーは、スペーサーを形成すべき面に顔料を含有しない公知の光硬化性樹脂を所望のスペーサーの高さとなるような厚みに塗工して前記1)〜3)の工程を行うことにより形成することができる。
【0041】
【実施例】
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
(実施例1−1)
温度計、攪拌機、ガス導入管、冷却管及び滴下槽導入口を備えた反応槽に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート700gを仕込み、窒素置換した後、加熱して90℃まで昇温した。他方、滴下槽に、N−ビニル−2−ピロリドン30g、メタクリル酸63g、メタクリル酸ベンジル120g、メタクリル酸メチル87g、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬製「V601」)15gを攪拌混合したものを準備した。反応槽の温度が90℃になった後、同温度を保持しながら、滴下槽から3時間かけて滴下を開始し、重合を行った。滴下終了後30分間90℃を保った後、110℃まで昇温し、3時間熟成を行った。
【0042】
その後、ガス導入管の窒素を酸素/窒素混合ガス(酸素/窒素=5/95vol%)に変え、禁止剤として2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学(株)製「アンテージw−400」)0.5g、触媒としてトリエチルアミン1.1gを添加し、攪拌混合した後、付加化合物としてグリシジルメタクリレート(GMA)49.5gを添加し、110℃まで昇温して付加反応を行い、10時間後、GC分析による残存GMA量が0.1重量%以下になったところで反応を終了し、側鎖にラジカル重合性二重結合を有する本発明の酸基含有重合体のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を下記のようにして分析したところ、重量平均分子量は18,600、酸価は70mgKOH/g、樹脂固形分は31.4重量%、ラジカル重合性二重結合量は0.99mmol/gであった。
【0043】
(重量平均分子量)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(昭和電工(株)製「Shodex GPC System−21H」使用)にて、ポリスチレン換算で測定した。
(酸価)
ポリマー溶液0.5〜1gに、アセトン80mlおよび水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(平沼産業(株)製「COM−555」)を用いて滴定し、溶液の酸価を測定した。
【0044】
他方、ポリマー溶液1.0gにアセトン2mlを加えて溶解させた溶液を、常温で自然乾燥させ、さらに5時間減圧乾燥(160℃/5mmHg)した後、デシケータ内で放冷し、重量を測定した。その後、再び上記と同様に、アセトンを加えて溶解させ、自然乾燥、減圧乾燥して重量を測定する操作を恒量になるまで繰り返し、重量減少量から、ポリマー溶液の樹脂固形分(不揮発分)を計算した。
そして、溶液の酸価と溶液の樹脂固形分からポリマーの酸価を計算した。
(ラジカル重合性二重結合量)
ポリマー溶液1.5gにアセトン2mlを加えて溶解させ、常温で自然乾燥させ、さらに1時間減圧乾燥(70℃/5mmHg)を行う操作を3回繰り返してポリマー溶液から溶媒を除去した。
【0045】
上記のようにして得られたサンプル200mg、内部標準物質としてクロロホルム30〜40mg、NMR溶媒としてジメチルスルホキシド−d6約3gをスクリュー管にはかり取り、振り混ぜてよく溶解させ、NMR装置(バリアン(株)製、GEMINI2000)にて1H-NMR測定を行った。得られたNMRチャートにおけるC=Cピーク(δ5.6〜6.2、2H)とクロロホルムピーク(δ8.3、1H)の積分比と、ポリマー重量、クロロホルム重量から、ポリマー1gあたりのC=C量(mmol/g)を計算した。
(実施例1−2)
温度計、攪拌機、ガス導入管、冷却管及び滴下槽導入口を備えた反応槽に、3−メトキシブチルアセテート560gを仕込み、窒素置換した後、加熱して90℃まで昇温した。他方、滴下槽(A)に、N−ビニル−2−ピロリドン40g、グリシジルメタクリレート(GMA)156g、メタクリル酸ベンジル204g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂製「パーブチルO」)8gを攪拌混合したものを準備し、滴下槽(B)に、n−ドデカンチオール40g、3−メトキシブチルアセテート40gを攪拌混合したものを準備した。反応槽の温度が90℃になった後、同温度を保持しながら、滴下槽(A)および滴下槽(B)からそれぞれ3時間かけて滴下を開始し、重合を行った。滴下終了後30分間90℃を保った後、110℃まで昇温し、3時間熟成を行った。
【0046】
その後、ガス導入管の窒素を酸素/窒素混合ガス(酸素/窒素=5/95vol%)に変え、禁止剤として2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学(株)製「アンテージw−400」)0.9g、触媒としてトリエチルアミン1.8gを添加し、攪拌混合した後、付加化合物としてアクリル酸80gを添加し、110℃まで昇温して16時間付加反応を行った。次いで、同温度を維持しながら、付加化合物として無水フタル酸100gを添加し、4時間付加反応を行い、側鎖にラジカル重合性二重結合を有する本発明の酸基含有重合体のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を実施例1−1と同様に分析したところ、重量平均分子量は4,800、酸価は75mgKOH/g、樹脂固形分は46.5重量%、ラジカル重合性二重結合量は0.89mmol/gであった。
【0047】
(比較例1−1)
温度計、攪拌機、ガス導入管、冷却管及び滴下槽導入口を備えた反応槽に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート700.4gを仕込み、窒素置換した後、加熱して90℃まで昇温した。他方、滴下槽に、メタクリル酸27.6g、メタクリル酸ベンジル160g、メタクリル酸メチル112.6g、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬製「V601」)15gを攪拌混合したものを準備した。反応槽の温度が90℃になった後、同温度を保持しながら、滴下槽から3時間かけて滴下を開始し、重合を行った。滴下終了後30分間90℃を保った後、110℃まで昇温し、3時間熟成を行い、比較用の酸基含有重合体のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を実施例1−1と同様に分析したところ、重量平均分子量は9,600、酸価は69mgKOH/g、樹脂固形分は26.8重量%であった。
【0048】
(比較例1−2)
温度計、攪拌機、ガス導入管、冷却管及び滴下槽導入口を備えた反応槽に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート609.8gを仕込み、窒素置換した後、加熱して90℃まで昇温した。他方、滴下槽に、メタクリル酸68g、メタクリル酸ベンジル175g、メタクリル酸メチル85.4g、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬製「V601」)16.4gを攪拌混合したものを準備した。反応槽の温度が90℃になった後、同温度を保持しながら、滴下槽から3時間かけて滴下を開始し、重合を行った。滴下終了後30分間90℃を保った後、110℃まで昇温し、3時間熟成を行った。
【0049】
その後、ガス導入管の窒素を酸素/窒素混合ガス(酸素/窒素=5/95vol%)に変え、禁止剤として2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学(株)製「アンテージw−400」)0.6g、触媒としてトリエチルアミン1.1gを添加し、攪拌混合した後、付加化合物としてグリシジルメタクリレート(GMA)54.2gを添加し、110℃まで昇温して付加反応を行い、8時間後、GC分析による残存GMA量が0.1重量%以下になったところで反応を終了し、側鎖にラジカル重合性二重結合を有する比較用の酸基含有重合体のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を実施例1−1と同様に分析したところ、重量平均分子量は14,500、酸価は70mgKOH/g、樹脂固形分は35.1重量%、ラジカル重合性二重結合量は0.99mmol/gであった。
【0050】
(比較例1−3)
温度計、攪拌機、ガス導入管、冷却管及び滴下槽導入口を備えた反応槽に、3−メトキシブチルアセテート576gを仕込み、窒素置換した後、加熱して90℃まで昇温した。他方、滴下槽(A)に、N−ビニル−2−ピロリドン40g、メタクリル酸40g、メタクリル酸ベンジル160g、メタクリル酸メチル160g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂製「パーブチルO」)8gを攪拌混合したものを準備し、滴下槽(B)に、n−ドデカンチオール16g、3−メトキシブチルアセテート24gを攪拌混合したものを準備した。反応槽の温度が90℃になった後、同温度を保持しながら、滴下槽(A)および滴下槽(B)からそれぞれ3時間かけて滴下を開始し、重合を行った。滴下終了後30分間90℃を保った後、110℃まで昇温し、3時間熟成を行い、比較用の酸基含有重合体のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を実施例1−1と同様に分析したところ、重量平均分子量は9,200、酸価は66mgKOH/g、樹脂固形分は39.5重量%であった。
【0051】
(実施例2−1)
実施例1−1で得られたポリマー溶液を樹脂固形分で3.3重量部と、カーボンブラック(デグサ社製「Special Black250」)16.3重量部と、分散剤(ビックケミー社製「BYK−182」)0.8重量部とに、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて固形分濃度が20重量%となるように調整して、カーボンブラック分散液を得た。
次に、前記カーボンブラック分散液100重量部に対して、トリメチロールプロパントリアクリレート2.7重量部と、2,4−ジエチルチオキサントン0.4重量部と、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン0.5重量部とを加え、スターラーにて攪拌して溶解させた後、10μmのメンブランフィルターで濾過して、光硬化性樹脂組成物を得た。そして、得られた光硬化性樹脂組成物を下記のようにして評価した。結果を表1に示す。
【0052】
<分散性>
光硬化性樹脂組成物の分散性は、その調製原料としたカーボンブラック分散液の分散性をもって評価した。すなわち、カーボンブラック分散液に対して重量比で2倍量のジルコニアビーズ(1.0mmφ)を加え、ペイントシェーカーで4時間分散処理を行った後、回転数を変えて粘度測定を行う揺変性試験および粒子径測定を行い、分散性の評価を行った。なお、揺変性試験における粘度測定は、粘度計(トキメック社製「TV−20型粘度計コーンプレートタイプ」)を用い、ローターNo.1°34'×R24で、測定時間1分後の粘度を測定するようにした。また、粒子径測定は、光散乱光度計(大塚電子社製「ダイナミック光散乱光度計DLS−700」)を用いて動的光散乱法で測定を行い、ヒストグラム法解析で粒子径を算出した。
【0053】
<レジスト特性>
光硬化性着色樹脂組成物を、5cm×5cmのガラス基板上にスピンコート法により塗工した後、100℃で5分間乾燥させ、厚さ1μmの均一な乾燥塗膜を形成した。該乾燥塗膜に所定のパターンのフォトマスクを介し超高圧水銀灯で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させた。次に、0.1%水酸化カリウム水溶液を現像液として現像を行った。現像後、純水で洗浄した後、180℃でポストベークを40分間行って硬化を完結させ、サンプルを作製した。
以上のサンプル作製に際して以下の評価を行った。
【0054】
(塗布性) 塗布、乾燥後の乾燥塗膜を目視にて観察し、塗布ムラがなく均一な塗膜である場合を○、塗布ムラが認められる場合を×、とした。
(露光感度) 20μm幅のラインアンドスペースを形成するパターンをマスク寸法通りに形成するのに要する露光量(適正露光量)をもって露光感度の評価とした。適正露光量が小さいほど、露光感度に優れると言える。
(現像性) 20μm幅のラインアンドスペースを形成するパターンを用いて適正露光量で露光したときに現像に要する時間が、30秒以下である場合を○、60秒以下である場合を△、60秒を超える場合を×、とした。
【0055】
(解像力) 画像形成できる最小レジストパターンサイズをもって解像力を評価した。すなわち、再現可能なレジストパターンが、10μm幅以下のラインアンドスペースの場合を○、15μm幅以下のラインアンドスペースの場合を△、16μm幅以上のラインアンドスペースの場合を×、とした。
(密着性) 得られたサンプルの硬化塗膜(レジストパターン画像部)に、カッターで1mm角の碁盤目状の切り込みをつけ、その上に粘着テープ(セロテープ(登録商標))を密着させた後、剥離したときに、硬化塗膜の剥離が全く認められない場合を○、一部でも剥離が認められる場合を×、とした。
【0056】
(遮光性) 得られたサンプルの硬化塗膜(レジストパターン画像部)の光学濃度(OD値)をマクベス濃度計(コルモルグン社製「TR−927」)で測定した。OD値は、物質が光を吸収する程度を表す値であり、OD値が大きいほど色材の濃度が高いと言える。
(実施例2−2および比較例2−1〜2−3)
実施例1−1で得たポリマー溶液の代わりに、表1に示す実施例または比較例で得たポリマー溶液を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。そして、実施例2−1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
Figure 0004332354
【0058】
(実施例3−1)
実施例1−1で得られたポリマー溶液を樹脂固形分で6重量部と、C.I.Pigment Green 36を4重量部と、C.I.Pigment Yellow 136を2重量部と、分散剤(ビックケミー社製「BYK−164」)を1重量部とに、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて固形分濃度が20重量%となるように調整して、緑色顔料分散液を得た。
次に、前記緑色顔料分散液100重量部に対して、トリメチロールプロパントリアクリレート2.7重量部と、2,4−ジエチルチオキサントン0.4重量部と、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン0.5重量部と、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを固形分濃度が12重量%となるように加え、スターラーにて攪拌して溶解させた後、10μmのメンブランフィルターで濾過して、光硬化性樹脂組成物を得た。そして、得られた光硬化性樹脂組成物を下記のようにして評価した。結果を表2に示す。
【0059】
<分散性・保存安定性>
光硬化性樹脂組成物の分散性は、その調製原料とした緑色顔料分散液の分散性をもって評価した。すなわち、緑色顔料分散液に対して重量比で2倍量のジルコニアビーズ(1.0mmφ)を加え、ペイントシェーカーで4時間分散処理を行った後、回転数を変えて粘度測定を行う揺変性試験および粒子径測定を行い、分散性の評価を行った。また、得られた緑色顔料分散液を40℃で30日間放置した後にも同様に揺変性試験を行い、保存安定性を評価した。なお、揺変性試験における粘度測定は、実施例2−1における分散性の評価の場合と同様にして行った。
【0060】
<レジスト特性>
光硬化性着色樹脂組成物を用い、実施例2−1におけるレジスト特性の評価の場合と同様にしてサンプルを作製した。そして、該サンプル作製に際して以下の評価を行った。
(塗布性) 塗布、乾燥後の乾燥塗膜を目視にて観察し、塗布ムラがなく均一な塗膜である場合を○、塗布ムラが認められる場合を×、とした。
(露光感度) 20μm幅のラインアンドスペースを形成するパターンをマスク寸法通りに形成するのに要する露光量(適正露光量)をもって露光感度の評価とした。適正露光量が小さいほど、露光感度に優れると言える。
【0061】
(現像性) 20μm幅のラインアンドスペースを形成するパターンを用いて適正露光量で露光したときに現像に要する時間が、30秒以下である場合を○、60秒以下である場合を△、60秒を超える場合を×、とした。
(密着性) 得られたサンプルの硬化塗膜(レジストパターン画像部)に、カッターで1mm角の碁盤目状の切り込みをつけ、その上に粘着テープ(セロテープ(登録商標))を密着させた後、剥離したときに、硬化塗膜の剥離が全く認められない場合を○、一部でも剥離が認められる場合を×、とした。
(コントラスト) 得られたサンプルの硬化塗膜(レジストパターン画像部)を2枚の偏向板の間に置き、偏向軸が平行のときの輝度(平行輝度)と偏向軸が垂直のときの輝度(垂直輝度)を測定し、その比(平行輝度/垂直輝度)をコントラストとした。
【0062】
(実施例3−2および比較例3−1〜3−3)
実施例1−1で得たポリマー溶液の代わりに、表2に示す実施例または比較例で得たポリマー溶液を用いたこと以外は、実施例3−1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。そして、実施例3−1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
Figure 0004332354
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、アルカリ現像が可能で露光感度および塗膜強度に優れた塗膜を得ることができ、しかも良好な顔料分散性を有する新規な酸基含有重合体と、該酸基含有重合体を用いた光硬化性樹脂組成物とを提供することができる。

Claims (3)

  1. (メタ)アクリル酸由来の構成単位とともにN−ビニル−2−ピロリドン由来の構成単位をも含み、側鎖には、(メタ)アクリル酸グリシジルによって導入されたラジカル重合性二重結合を有する、酸基含有重合体。
  2. 前記N−ビニル−2−ピロリドン由来の構成単位の含有割合が、酸基含有重合体の全構成単位中、1〜50重量部である、請求項1に記載の酸基含有重合体。
  3. バインダー樹脂、ラジカル重合性化合物、光重合開始剤および顔料を必須成分とする光硬化性樹脂組成物であって、前記バインダー樹脂が請求項1または2に記載の酸基含有重合体である、ことを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
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