[着色感光性組成物]
本発明にかかる着色感光性組成物(以下、「感光性組成物」とも記す。)は、(A)重合性基材成分、(B)光重合開始剤、及び(C)有彩色の着色剤を少なくとも含有する。以下、本発明の感光性組成物に含有される各成分について詳細に説明する。
<(A)重合性基材成分>
(A)重合性基材成分(以下、「(A)成分」とも記す。)は、感光性組成物に光重合性と膜形成能とを付与する成分である。(A)重合性基材成分は、(B)光重合開始剤により重合可能な成分を含み、且つ膜形成可能な感光性組成物を調製可能な成分であれば特に限定されない。(A)重合性基材成分は、典型的には、光重合性化合物、又は光重合性化合物と樹脂とを含む。光重合性化合物は、低分子化合物であってもよく、樹脂のような高分子化合物であってもよい。
(A)重合性基材成分は、光重合性の点から、重合体でない低分子量の光重合性化合物(以下、「光重合性モノマー」とも記す。)、及び/又はエチレン性不飽和基を含む樹脂を含むのが好ましい。
また、(A)重合性基材成分が樹脂を含む場合、アルカリ現像性の観点から、アルカリ可溶性樹脂を含むのが好ましい。アルカリ可溶性樹脂は、エチレン性不飽和基を含んでいてもよい。エチレン性不飽和基を含む(構成単位中の置換基としてエチレン性不飽和基を含む)アルカリ可溶性樹脂は、光重合性とアルカリ現像性との双方の観点から好ましい。
以下、(A)成分に含まれる好適な成分である、エチレン性不飽和基を含む樹脂と、光重合性モノマーと、アルカリ可溶性樹脂とについて順に説明する。
[エチレン性不飽和基を含む樹脂]
エチレン性不飽和基を含む樹脂としては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、カルドエポキシジアクリレート等が重合したオリゴマー類;多価アルコール類と一塩基酸又は多塩基酸とを縮合して得られるポリエステルプレポリマーに(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ポリオールと2個のイソシアネート基を持つ化合物とを反応させた後、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノール又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾール型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエステル、脂肪族又は脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。さらに、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂に多塩基酸無水物を反応させた樹脂を好適に用いることができる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
また、エチレン性不飽和基を含む樹脂としては、エポキシ化合物と不飽和基含有カルボン酸化合物との反応物を、さらに多塩基酸無水物と反応させることにより得られる樹脂や、不飽和カルボン酸に由来する単位を含む重合体に含まれるカルボキシ基の少なくとも一部と、脂環式エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ)アクリル酸エポキシアルキルエステルとを反応させることにより得られる樹脂(以下、まとめて「エチレン性不飽和基を有する構成単位を含む樹脂」という)を好適に用いることができる。
エチレン性不飽和基を有する構成単位におけるエチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましい。
エチレン性不飽和基を有する構成単位を含む樹脂は、後述のその他のモノマー(A1me)やポリマー(A3)で挙げた単量体(化合物)を他の構成単位として含んでいてもよい。
その中でも、エチレン性不飽和基を有する構成単位を含む樹脂又は下記一般式(a1)で表される化合物が好ましい。この一般式(a1)で表される化合物は、それ自体が、光硬化性が高い点で好ましい。
上記一般式(a1)中、Xは、下記一般式(a2)で表される基を表す。
上記一般式(a2)中、R
1aは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、又はハロゲン原子を表し、R
2aは、それぞれ独立に水素原子、又はメチル基を表し、Wは、単結合、又は下記構造式(a3)で表される基を表す。なお、一般式(a2)、及び構造式(a3)において「*」は、2価の基の結合手の末端を意味する。
上記一般式(a1)中、Yはジカルボン酸無水物から酸無水物基(−CO−O−CO−)を除いた残基を表す。ジカルボン酸無水物の例としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸等が挙げられる。
また、上記一般式(a1)中、Zは、テトラカルボン酸二無水物から2個の酸無水物基を除いた残基を表す。テトラカルボン酸二無水物の例としては、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。さらに、上記一般式(a1)中、aは、0〜20の整数を表す。
エチレン性不飽和基を含む樹脂の酸価は、樹脂固形分で、10〜150mgKOH/gであることが好ましく、70〜110mgKOH/gであることがより好ましい。酸価を10mgKOH/g以上とすることにより、現像液に対する十分な溶解性が得られるので好ましい。また、酸価を150mgKOH/g以下とすることにより、十分な硬化性を得ることができ、表面性を良好にすることができるので好ましい。
また、エチレン性不飽和基を含む樹脂の質量平均分子量は、1000〜40000であることが好ましく、2000〜30000であることがより好ましい。質量平均分子量を1000以上とすることにより、良好な耐熱性、膜強度を得ることができるので好ましい。また、質量平均分子量を40000以下とすることにより、良好な現像性を得ることができるので好ましい。
感光性組成物中の、エチレン性不飽和基を含む樹脂の含有量は、感光性組成物の固形分の質量に対して、40質量%以下が好ましく、35〜10質量%がより好ましく、30〜20質量%が特に好ましい。また、(A)重合性基材成分中の、エチレン性不飽和基を含む樹脂の含有量は、80質量%以下が好ましく、75〜20質量%がより好ましく、70〜40質量%が特に好ましい。
[光重合性モノマー]
光重合性モノマーには、単官能モノマーと多官能モノマーとがある。以下、単官能モノマー、及び多官能モノマーについて順に説明する。
単官能モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート(すなわち、トリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、又はヘキサメチレンジイソシアネート等と2−ビドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物)、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドメチレンエーテル、多価アルコールとN−メチロール(メタ)アクリルアミドとの縮合物等の多官能モノマーや、トリアクリルホルマール等が挙げられる。これらの多官能モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
感光性組成物中の光重合性モノマーの含有量は、感光性組成物の固形分の質量に対して、40質量%以下が好ましく、30〜5質量%がより好ましく、25〜10質量%が特に好ましい。また、(A)重合性基材成分中の、光重合性モノマーの含有量は、80質量%以下が好ましく、60〜10質量%がより好ましく、50〜20質量%が特に好ましい。
[アルカリ可溶性樹脂]
アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ可溶性を示す樹脂である。本明細書において、アルカリ可溶性を示す樹脂とは、樹脂濃度20質量%の樹脂溶液(溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)により、膜厚1μmの樹脂膜を基板上に形成し、濃度0.05質量%のKOH水溶液に1分間浸漬した際に、膜厚0.01μm以上溶解するものをいう。
アルカリ可溶性樹脂は、従来から種々の感光性組成物に配合されている樹脂から適宜選択できる。好適なアルカリ可溶性樹脂としては、主鎖に環構造を有する構成単位を含有するポリマーや、(メタ)アクリル酸のような不飽和カルボン酸を含む単量体の重合体である、不飽和結合を有する単量体の重合体が挙げられる。なお、本明細書において、主鎖に環構造を有する構成単位を含有するポリマーは、不飽和結合を有する単量体の重合体は、含まれないものとする。
以下、主鎖に環構造を有する構成単位を含有するポリマーと、不飽和結合を有する単量体の重合体とについて説明する。
(主鎖に環構造を有する構成単位を含有するポリマー)
主鎖に環構造を有する構成単位を含有するポリマーを、所定の環構造を有するとともに所定のアルカリ可溶性を備える樹脂であれば特に限定されない。主鎖に環構造を有する構成単位を含有するポリマーの好適な例として、マレイミド由来の構成単位(以下、「構成単位(A2a)」ともいう。)を含有するポリマー(以下、「ポリマー(A2)」ともいう。)及び下記式(A−1)で表される構成単位(以下、「構成単位(A1a)」ともいう。)を含有するポリマー(以下、「ポリマー(A1)」ともいう。)を挙げることができる。
ポリマー(A2)が有するマレイミド由来の構成単位(A2a)としては、マレイミド骨格を有するモノマーを重合して得られるものであれば特に限定されない。マレイミド骨格を有するモノマーとしては、例えば、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
特に、主鎖に環構造を有する構成単位(A1a)を含有するポリマー(A1)を含む感光性組成物は、現像液に対する溶解性が良好である。
式(A−1)中、環Aは、1個の酸素原子を環構成原子として有する炭素数4〜6の飽和脂肪族環式基である。環Aは、好ましくは、1個の酸素原子を環構成原子として有する炭素数4又は5の飽和脂肪族環式基であり、より好ましくは、テトラヒドロフラン環又はテトラヒドロピラン環であり、さらに好ましくは、下記式(A−3)で表される構成単位(以下、「構成単位(A1a1)」ともいう。)におけるテトラヒドロピラン環又は下記式(A−4)で表される構成単位(以下、「構成単位(A1a2)」ともいう。)におけるテトラヒドロフラン環である。
主鎖に上記式(A−1)で表される構成単位を含有するポリマー(ポリマー(A1))は、通常、主鎖に上記式(A−1)で表される構成単位(構成単位(A1a))を複数個含有する。複数の構成単位(A1a)において、各構成単位(A1a)に含有される環Aはポリマー(A1)を構成する一の主鎖において相互に同一であってもよいし異なっていてもよい。具体的には、ポリマー(A1)を構成する一の主鎖は、該主鎖に含有される上記式(A−1)で表される構成単位として、例えば、上記式(A−3)で表される構成単位のみを有するものであってもよいし、上記式(A−4)で表される構成単位のみを有するものであってもよいし、上記式(A−3)で表される構成単位と上記式(A−4)で表される構成単位とを併有するものであってもよい。
上記式(A−1)、式(A−3)及び式(A−4)において、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又は−COORであり、Rはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基である。R1及びR2は、−COORであることが好ましい。上記式(A−1)で表される構成単位を含有するポリマー(ポリマー(A1))を構成する一の主鎖が複数個の環Aを含有する場合、各環Aに結合する−COORはそれぞれ独立であり、−COORとして同一又は異なる基が各環Aに結合していてもよい。
R1及びR2で表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はない。炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状又は分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。
R1及びR2が炭化水素基である場合、炭化水素基の炭素原子数は8以下が好ましい。炭素原子数が8以下の炭化水素基としては、酸や熱で脱離しにくいことから、炭化水素基が有する方末端が自由な結合手が、1級炭素原子又は2級炭素原子と結合している炭化水素基が好ましい。このような炭化水素基としては、炭素原子数が1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましい。
このような炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等が挙げられ、メチル基が好ましい。
上記式(A−1)で表される構成単位(構成単位(A1a))を含有するポリマー(ポリマー(A1))を構成する一の主鎖に構成単位(A1a)が複数個含有される場合、各構成単位(A1a)に結合しているR1及びR2は、各構成単位(A1a)間で同一であってもよいし異なっていてもよい。
該各構成単位(A1a)間で同一又は異なる環Aが含有される場合、R1及びR2は結合する各環Aの種類に依存することなく相互に独立である。
具体的には、ポリマー(A1)を構成する一の主鎖に、上記式(A−3)で表される構成単位(構成単位(A1a1))が複数個含有される場合、各構成単位(A1a1)におけるR1及びR2は各構成単位(A1a1)間で同一であってもよいし異なっていてもよい。
ポリマー(A1)を構成する一の主鎖に、上記式(A−4)で表される構成単位(構成単位(A1a2))が複数個含有される場合、各構成単位(A1a2)におけるR1及びR2は各構成単位(A1a2)間で同一であってもよいし異なっていてもよい。
さらに、ポリマー(A1)を構成する一の主鎖に、上記式(A−3)で表される構成単位(構成単位(A1a1))と上記式(A−4)で表される構成単位(構成単位(A1a2))とが含有される場合、各構成単位(A1a1)におけるR1及びR2と各構成単位(A1a2)におけるR1及びR2とは同一であってもよいし異なっていてもよい。
上記式(A−3)で表される構成単位(構成単位(A1a1))は、下記式(A−5)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(ar1)」ともいう。)の一部であってよい。上記式(A−4)で表される構成単位(構成単位(A1a2))は、下記式(A−6)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(ar2)」ともいう。)の一部であってよい。
(式(A−5)及び式(A−6)中、R
1及びR
2はそれぞれ独立に上記と同様である。)
上記式(A−5)及び(A−6)で表される各繰り返し単位を与えるモノマーとしては、例えば、下記式で表される1,6−ジエン類が挙げられる。
(上記式中、Rはそれぞれ独立に上記と同様である。)
主鎖に上記式(A−1)で表される構成単位(構成単位(A1a))を含有するポリマー(ポリマー(A1))を与えるモノマー組成物中、構成単位(A1a)を含有する繰り返し単位(上述の構成単位(A1a1)及び構成単位(A1a2)を含み得る。)を与えるモノマー(A1ma)の含有割合は、モノマー組成物中のモノマーの全量に対して、好ましくは1質量%〜60質量%であり、より好ましくは5質量%〜50質量%であり、特に好ましくは10質量%〜40質量%である。
ポリマー(A1)は、好ましくは、側鎖に酸基を有する繰り返し単位(A1b)を有する。ポリマー(A1)が側鎖に酸基を有する繰り返し単位(A1b)を有していれば、アルカリ現像性に優れる感光性組成物を得ることができる。側鎖に酸基を有する繰り返し単位(A1b)を構成することとなるモノマー(A1mb)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、イタコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート等のカルボキシル基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマー等が挙げられる。なかでも好ましくは(メタ)アクリル酸である。
ポリマー(A1)を与えるモノマー組成物中、側鎖に酸基を有する繰り返し単位(A1b)を構成することとなるモノマー(A1mb)の含有割合は、モノマー組成物中のモノマーの全量に対して、好ましくは1質量%〜50質量%であり、より好ましくは5質量%〜40質量%であり、さらに好ましくは10質量%〜35質量%である。
好ましくは、ポリマー(A1)は、側鎖に炭素二重結合を有する繰り返し単位(A1c)を有する。側鎖に炭素二重結合を有する繰り返し単位(A1c)は、側鎖に酸基を有する繰り返し単位(A1b)の酸基の一部又は全部(好ましくは、一部)を反応点として、炭素二重結合を有する化合物を付加することにより、得ることができる。
側鎖に酸基を有する繰り返し単位(A1b)の酸基がカルボキシル基である場合、炭素二重結合を有する化合物として、エポキシ基と二重結合とを有する化合物、イソシアネート基と二重結合とを有する化合物等が用いられ得る。エポキシ基と二重結合とを有する化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。イソシアネート基と二重結合とを有する化合物としては2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。側鎖に酸基を有する繰り返し単位(A1b)の酸基がカルボン酸無水物基である場合、炭素二重結合を有する化合物として、水酸基と二重結合とを有する化合物が用いられ得る。水酸基と二重結合とを有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリマー(A1)は、上記モノマー(A1ma)、モノマー(A1mb)及び/又はモノマー(A1mc)と共重合可能なその他のモノマー(A1me)由来のその他の繰り返し単位(A1e)をさらに有し得る。
その他のモノマー(A1me)としては、例えば、側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する繰り返し単位をさらに有するものであってもよい。側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する繰り返し単位としては、例えば、下記式で表される繰り返し単位が挙げられる。
上記式中、R7、R8及びR9はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、好ましくは水素原子である。R10は、炭素数が1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数が2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基又は炭素数が6〜20の芳香族炭化水素基であり、好ましくは水素原子、炭素数が1〜20の直鎖状のアルキル基、炭素数が2〜20の直鎖状のアルケニル基又は炭素数が6〜20の芳香族炭化水素基であり、より好ましくは炭素数が1〜10の直鎖状のアルキル基又は炭素数が6〜12の芳香族炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数が1〜5の直鎖状のアルキル基、フェニル基又はビフェニル基であり、特に好ましくはメチル基、フェニル基又はビフェニル基である。なお、アルキル基、アルケニル基及び芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。AOは、オキシアルキレン基を表す。AOで表されるオキシアルキレン基の炭素数は2〜20であり、好ましくは2〜10であり、より好ましくは2〜5であり、さらに好ましくは2である。側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する繰り返し単位は1種又は2種以上のオキシアルキレン基を含み得る。xは0〜2の整数を表す。yは0又は1を表す。nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2以上であり、好ましくは2〜100であり、より好ましくは2〜50であり、さらに好ましくは2〜15である。
側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する繰り返し単位は、側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有するモノマーにより構成される。該モノマーとしては、例えば、下記式で表されるモノマーが挙げられる。
(上記式中、R
7、R
8、R
9、R
10、AO、x、y及びnは、上記で説明した通りである。)
上記側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有するモノマーとしては、例えば、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート(EO2モル)、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO4モル)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO9モル)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO13モル)、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO4―17モル)、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート(PO5モル)、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート(EO2モル)等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で、又は2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも好ましくは、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート(EO2モル)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO9モル)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO13モル)である。さらに好ましくは、エトキシ化o−フェニルフェノールアクリレート(EO2モル)、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(EO9モル)、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(EO13モル)である。なお、本明細書において、例えば「EO2モル」、「PO5モル」等の表記は、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表す。
その他のモノマー(A1me)としては、また、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデシルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシプロピレングリコール、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリロイルモルホリン(モルホリノ(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−トリフェニルメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;ブタジエン、イソプレン等のブタジエン又は置換ブタジエン化合物;エチレン、プロピレン、塩化ビニル、アクリロニトリル等のエチレン又は置換エチレン化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル類等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で、又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
ポリマー(A1)を与えるモノマー組成物中、その他の繰り返し単位(A1e)を与えるモノマー(A1me)の含有割合は、モノマー組成物中のモノマーの全量に対して、好ましくは0質量%〜55質量%であり、より好ましくは5質量%〜50質量%であり、さらに好ましくは10質量%〜45質量%である。
ポリマー(A1)は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。ポリマー(A1)としては、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリマー(A1)の質量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)溶媒によるゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)で測定した値として、好ましくは3,000〜200,000であり、より好ましくは3,500〜100,000であり、さらに好ましくは4,000〜50,000である。このような範囲であれば、耐熱性を確保し、且つ、塗膜形成に適切な粘度を有する感光性組成物を得ることができる。
ポリマー(A1)は、ポリマー(A1)を与えるモノマー組成物を、任意の適切な方法で重合して得ることができる。重合方法としては、例えば、溶液重合法が挙げられる。
ポリマー(A1)を与えるモノマー組成物は、任意の適切な溶媒を含み得る。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で、又は2種以上組み合わせて用いてもよい。上記モノマー組成物を重合する際の重合濃度は、好ましくは5質量%〜90質量%であり、より好ましくは5質量%〜50質量%であり、さらに好ましくは10質量%〜50質量%である。
ポリマー(A1)を与えるモノマー組成物は、任意の適切な重合開始剤を含み得る。重合開始剤としては、例えば、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物等が挙げられる。重合開始剤の含有割合は、モノマー組成物中の全モノマー100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜15質量部、より好ましくは0.5質量部〜10質量部である。
ポリマー(A1)を溶液重合法により重合する際の重合温度は、好ましくは40℃〜150℃であり、より好ましくは60℃〜130℃である。
側鎖に炭素二重結合を有する繰り返し単位(A1c)を有するポリマー(A1)を得る場合、上記重合後、得られたポリマーに上記炭素二重結合を有する化合物を付加する。炭素二重結合を有する化合物を付加する方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば、重合禁止剤及び触媒の存在下で、炭素二重結合を有する化合物を、側鎖に酸基を有する繰り返し単位(A1b)の酸基の一部又は全部(好ましくは、一部)に反応させて付加することにより、側鎖に炭素二重結合を有する繰り返し単位(A1c)を形成させることができる。
上記炭素二重結合を有する化合物の付加量は、上記重合後のポリマー(すなわち、炭素二重結合を有する化合物を付加する前のポリマー)100質量部に対して、好ましくは5質量部以上であり、より好ましくは10質量部以上であり、さらに好ましくは15質量部以上であり、特に好ましくは20質量部以上である。このような範囲であれば、露光感度に優れる感光性組成物を得ることができる。このような感光性組成物を用いれば、緻密な硬化塗膜を形成しやすく、基板密着性にも優れたパターンが得られる傾向にある。また、炭素二重結合を有する化合物の付加量が上記範囲であれば、炭素二重結合を有する化合物の付加により水酸基が十分に生成され、アルカリ現像液に対する溶解性に優れる感光性組成物を得ることができる。上記炭素二重結合を有する化合物の付加量の上限は、上記重合後のポリマー(すなわち、炭素二重結合を有する化合物を付加する前のポリマー)100質量部に対して、好ましくは170質量部以下であり、より好ましくは150質量部以下であり、さらに好ましくは140質量部以下である。炭素二重結合を有する化合物の付加量が上記範囲内であれば、感光性組成物の保存安定性及び溶解性を維持することができる。
重合禁止剤としては、例えば、6−tert−ブチル−2,4−キシレノール等のアルキルフェノール化合物が挙げられる。触媒としては、例えば、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン等の3級アミンが挙げられる。
(不飽和結合を有する単量体の重合体)
不飽和結合を有する単量体の重合体(以下、「ポリマー(A3)」ともいう。)をアルカリ可溶性樹脂として用いる場合、当該アルカリ可溶性樹脂は、従来から種々の感光性組成物に配合されている不飽和結合を有する単量体の重合体から適宜選択できる。ポリマー(A3)は、単独重合体であっても共重合体であってもよい。
ポリマー(A3)としては、(a1)不飽和カルボン酸と、不飽和カルボン酸の他の共重合成分との共重合体を用いることもできる。好適な共重合成分としては、破壊強度や基板との密着性に優れる着色膜を与える感光性組成物を得やすいことから、(a2)エポキシ基含有不飽和化合物が挙げられる。
(a1)不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸;これらジカルボン酸の無水物;等が挙げられる。これらの中でも、共重合反応性、得られる樹脂のアルカリ溶解性、入手の容易性等の点から、(メタ)アクリル酸及び無水マレイン酸が好ましい。これらの(a1)不飽和カルボン酸は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(a2)エポキシ基含有不飽和化合物としては、(a2−I)脂環式エポキシ基を有する不飽和化合物と、(a2−II)脂環式エポキシ基を持たない不飽和化合物とが挙げられ、(a2−I)脂環式エポキシ基を有する不飽和化合物が好ましい。
(a2−I)脂環式エポキシ基を有する不飽和化合物において、脂環式エポキシ基を構成する脂環式基は、単環であっても多環であってもよい。単環の脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、多環の脂環式基としては、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等が挙げられる。これらの(a2−I)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的に、(a2−I)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物としては、例えば下記式(a2−1)〜(a2−16)で表される化合物が挙げられる。これらの中でも、現像性を適度なものするためには、下記式(a2−1)〜(a2−6)で表される化合物が好ましく、下記式(a2−1)〜(a2−4)で表される化合物がより好ましい。
なお、下記式(a2−1)〜(a2−16)で表される化合物において、異性体が存在する場合には、下記式はいずれの異性体をも表すものとし、特定の異性体に限定されるものではない。特に、(a2−2)(a2−3)においては、いずれの異性体であっても好ましい。
上記式中、R11は水素原子又はメチル基を示し、R12は炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、R13は炭素数1〜10の2価の炭化水素基を示し、nは0〜10の整数を示す。R12としては、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。R13としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、フェニレン基、シクロヘキシレン基、−CH2−Ph−CH2−(Phはフェニレン基を示す)が好ましい。
(a2−II)脂環式基を有さないエポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エポキシアルキルエステル類;α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸6,7−エポキシヘプチル等のα−アルキルアクリル酸エポキシアルキルエステル類;等が挙げられる。これらの中でも、共重合反応性、硬化後の樹脂の強度等の点から、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、及び6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレートが好ましい。これらの(a2−II)脂環式基を有さないエポキシ基含有不飽和化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(a1)不飽和カルボン酸に対する共重合成分としては、(a3)エポキシ基を有さない脂環式基含有不飽和化合物も好ましい。
(a3)脂環式基含有不飽和化合物としては、脂環式基を有する不飽和化合物であれば特に限定されない。脂環式基は、単環であっても多環であってもよい。単環の脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、多環の脂環式基としては、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等が挙げられる。これらの(a3)脂環式基含有不飽和化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的に、(a3)脂環式基含有不飽和化合物としては、例えば下記式(a3−1)〜(a3−7)で表される化合物が挙げられる。これらの中では、現像性の良好な感光性組成物を得やすいことから、下記式(a3−3)〜(a3−8)で表される化合物が好ましく、下記式(a3−3)、(a3−4)で表される化合物がより好ましい。
上記式中、R21は水素原子又はメチル基を示し、R22は単結合又は炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、R23は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。R22としては、単結合、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。R23としては、例えばメチル基、エチル基が好ましい。
(a2)エポキシ基含有不飽和化合物、及び(a3)エポキシ基を有さない脂環式基含有不飽和化合物以外の共重合成分としては、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類等が挙げられる。これらの化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(メタ)アクリレート;クロロエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N−アリール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−アリール(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アリル化合物としては、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等のアリルエステル類;アリルオキシエタノール;等が挙げられる。
ビニルエーテル類としては、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロロフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロロフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテル等のビニルアリールエーテル;等が挙げられる。
ビニルエステル類としては、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート、ビニルジクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフエニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロロ安息香酸ビニル、テトラクロロ安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニル等が挙げられる。
スチレン類としては、スチレン;メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン等のアルキルスチレン;メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン等のアルコキシスチレン;クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルスチレン、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレン等のハロスチレン;等が挙げられる。
ポリマー(A3)に占める上記(a1)不飽和カルボン酸由来の構成単位の割合は、1〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。
ポリマー(A3)の質量平均分子量(Mw:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のポリスチレン換算による測定値。本明細書において同じ。)は、2000〜200000であることが好ましく、5000〜30000であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、感光性組成物の膜形成能、露光後の現像性のバランスをとりやすい傾向がある。
ポリマー(A3)は公知のラジカル重合法により製造することができる。すなわち、各化合物、ならびに公知のラジカル重合開始剤を重合溶媒に溶解した後、加熱撹拌することにより製造することができる。
また、ポリマー(A3)としては、上記(a1)不飽和カルボン酸に由来する構成単位と、後述する(B)光重合性モノマーとの重合可能部位を有する構成単位とを少なくとも有する共重合体(A4)、又は上記(a1)不飽和カルボン酸に由来する構成単位と、上記(a2)エポキシ基含有不飽和化合物に由来する構成単位と、後述する光重合性モノマー(B)との重合可能部位を有する構成単位とを少なくとも有する共重合体(A5)を含む樹脂も好適に使用できる。
共重合体(A4)及び共重合体(A5)は、エチレン性不飽和基を含むアルカリ可溶性樹脂に該当する。
ポリマー(A3)が共重合体(A4)、又は共重合体(A5)を含む場合、感光性組成物の基板への密着性、感光性組成物の硬化後の破壊強度が高い傾向にある。
共重合体(A4)、及び共重合体は(A5)、共重合成分に関して他の化合物として記載される、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類等をさらに共重合させたものであってもよい。
(B)光重合性モノマーとの重合可能部位を有する構成単位は、(B)光重合性モノマーとの重合可能部位としてエチレン性不飽和基を有するものが好ましい。共重合体(A4)については、上記(a1)不飽和カルボン酸の単独重合体に含まれるカルボキシル基の少なくとも一部と、上記(a2)エポキシ基含有不飽和化合物とを反応させることにより、調製することができる。また、共重合体(A5)は、上記(a1)不飽和カルボン酸に由来する構成単位と、上記(a2)エポキシ基含有不飽和化合物に由来する構成単位とを有する共重合体におけるエポキシ基の少なくとも一部と、(a1)不飽和カルボン酸とを反応させることにより、調製することができる。
なお、共重合体(A4)及び共重合体(A5)のような(B)光重合性モノマーとの重可能部位を有する構成単位を含む樹脂は、それ単独で、(A)重合性基材成分として好適に使用することができる。
共重合体(A4)、及び共重合体(A5)の質量平均分子量は、2000〜50000であることが好ましく、5000〜30000であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、感光性組成物の膜形成能、露光後の現像性のバランスがとりやすい傾向がある。
以上説明した、アルカリ可溶性樹脂は、主鎖に環構造を有する構成単位を含有するポリマーと、不飽和結合を有する単量体の重合体とを、組み合わせて含んでいてもよい。また、アルカリ可溶性樹脂は、主鎖に環構造を有する構成単位を含有するポリマー、及び不飽和結合を有する単量体の重合体とともに、これらの樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。
アルカリ可溶性樹脂が、主鎖に環構造を有する構成単位を含有するポリマーと、不飽和結合を有する単量体の重合体とを、組み合わせて含む場合、両者の混合比は特に限定されない。主鎖に環構造を有する構成単位を含有するポリマーの質量と、不飽和結合を有する単量体の重合体の質量との合計に対する、主鎖に環構造を有する構成単位を含有するポリマーの質量の比率は、1〜99質量%が好ましく、10〜90質量%がより好ましく、30〜70質量%が特に好ましい。
感光性組成物中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は、感光性組成物の固形分の質量に対して、40質量%以下が好ましく、30〜10質量%がより好ましく、25〜15質量%が特に好ましい。また、(A)重合性基材成分中の、アルカリ可溶性樹脂の含有量は、80質量%以下が好ましく、60〜20質量%がより好ましく、50〜30質量%が特に好ましい。
感光性組成物中のアルカリ可溶性樹脂として、エチレン性不飽和基を含む(構成単位中の置換基としてエチレン性不飽和基を含む)アルカリ可溶性樹脂を含む場合は、感光性組成物の固形分の質量に対して、60質量%以下が好ましく、45〜10質量%がより好ましく、50〜15質量%が特に好ましい。また、(A)重合性基材成分中の、アルカリ可溶性樹脂の含有量は、100質量%であってもよく、100〜30質量%が好ましい。
<(B)光重合開始剤>
感光性組成物は、下記式(1)で表される化合物(B1)(以下、化合物(B1)とも記す。)を含む(B)光重合開始剤(以下、「(B)成分」とも記す。)を含有する。本発明の感光性組成物は、化合物(B1)を(B)光重合開始剤として含んでいるため、非常に感度に優れる。このため、本発明の感光性組成物を用いることで、低露光量で所望する形状のパターンを形成することが可能である。
また、感光性組成物が(B)光重合開始剤として化合物(B1)を含むことにより、基板への密着性が良好であり、異物をほとんど含まず、所望する色相である着色膜を形成することが出来る。
(R
b1は水素原子、ニトロ基又は1価の有機基であり、R
b2及びR
b3は、それぞれ、置換基を有してもよい鎖状アルキル基、置換基を有してもよい環状有機基、又は水素原子であり、R
b2とR
b3とは相互に結合して環を形成してもよく、R
b4は1価の有機基であり、R
b5は、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜11のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基であり、wは0〜4の整数であり、vは0又は1である。)
式(1)中、Rb1は、水素原子、ニトロ基又は1価の有機基である。Rb1は、式(1)中のフルオレン環上で、−(CO)v−で表される基に結合する6員芳香環とは、異なる6員芳香環に結合する。式(1)中、Rb1のフルオレン環に対する結合位置は特に限定されない。化合物(B1)が1以上のRb1を有する場合、化合物(B1)の合成が容易であること等から、1以上のRb1のうちの1つがフルオレン環中の2位に結合するのが好ましい。Rb1が複数である場合、複数のRb1は同一であっても異なっていてもよい。
Rb1が有機基である場合、Rb1は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、種々の有機基から適宜選択される。Rb1が有機基である場合の好適な例としては、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、飽和脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基、飽和脂肪族アシルオキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいベンゾイルオキシ基、置換基を有してもよいフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトキシ基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよいナフトイルオキシ基、置換基を有してもよいナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、置換基を有してもよいヘテロシクリルカルボニル基、1、又は2の有機基で置換されたアミノ基、モルホリン−1−イル基、及びピペラジン−1−イル基等が挙げられる。
Rb1がアルキル基である場合、アルキル基の炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜6がより好ましい。また、Rb1がアルキル基である場合、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。Rb1がアルキル基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、及びイソデシル基等が挙げられる。また、Rb1がアルキル基である場合、アルキル基は炭素鎖中にエーテル結合(−O−)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルキル基の例としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、プロピルオキシエトキシエチル基、及びメトキシプロピル基等が挙げられる。
Rb1がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜6がより好ましい。また、Rb1がアルコキシ基である場合、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。Rb1がアルコキシ基である場合の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、イソノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、及びイソデシルオキシ基等が挙げられる。また、Rb1がアルコキシ基である場合、アルコキシ基は炭素鎖中にエーテル結合(−O−)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルコキシ基の例としては、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、プロピルオキシエトキシエトキシ基、及びメトキシプロピルオキシ基等が挙げられる。
Rb1がシクロアルキル基又はシクロアルコキシ基である場合、シクロアルキル基又はシクロアルコキシ基の炭素原子数は、3〜10が好ましく、3〜6がより好ましい。Rb1がシクロアルキル基である場合の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基等が挙げられる。Rb1がシクロアルコキシ基である場合の具体例としては、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、及びシクロオクチルオキシ基等が挙げられる。
Rb1が飽和脂肪族アシル基又は飽和脂肪族アシルオキシ基である場合、飽和脂肪族アシル基又は飽和脂肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、2〜21が好ましく、2〜7がより好ましい。Rb1が飽和脂肪族アシル基である場合の具体例としては、アセチル基、プロパノイル基、n−ブタノイル基、2−メチルプロパノイル基、n−ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロパノイル基、n−ヘキサノイル基、n−ヘプタノイル基、n−オクタノイル基、n−ノナノイル基、n−デカノイル基、n−ウンデカノイル基、n−ドデカノイル基、n−トリデカノイル基、n−テトラデカノイル基、n−ペンタデカノイル基、及びn−ヘキサデカノイル基等が挙げられる。Rb1が飽和脂肪族アシルオキシ基である場合の具体例としては、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、n−ブタノイルオキシ基、2−メチルプロパノイルオキシ基、n−ペンタノイルオキシ基、2,2−ジメチルプロパノイルオキシ基、n−ヘキサノイルオキシ基、n−ヘプタノイルオキシ基、n−オクタノイルオキシ基、n−ノナノイルオキシ基、n−デカノイルオキシ基、n−ウンデカノイルオキシ基、n−ドデカノイルオキシ基、n−トリデカノイルオキシ基、n−テトラデカノイルオキシ基、n−ペンタデカノイルオキシ基、及びn−ヘキサデカノイルオキシ基等が挙げられる。
Rb1がアルコキシカルボニル基である場合、アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2〜20が好ましく、2〜7がより好ましい。Rb1がアルコキシカルボニル基である場合の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、sec−ブチルオキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、sec−ペンチルオキシカルボニル基、tert−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、イソオクチルオキシカルボニル基、sec−オクチルオキシカルボニル基、tert−オクチルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基、イソノニルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基、及びイソデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
Rb1がフェニルアルキル基である場合、フェニルアルキル基の炭素原子数は、7〜20が好ましく、7〜10がより好ましい。また、Rb1がナフチルアルキル基である場合、ナフチルアルキル基の炭素原子数は、11〜20が好ましく、11〜14がより好ましい。Rb1がフェニルアルキル基である場合の具体例としては、ベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、及び4−フェニルブチル基が挙げられる。Rb1がナフチルアルキル基である場合の具体例としては、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基、2−(α−ナフチル)エチル基、及び2−(β−ナフチル)エチル基が挙げられる。Rb1が、フェニルアルキル基、又はナフチルアルキル基である場合、Rb1は、フェニル基、又はナフチル基上にさらに置換基を有していてもよい。
Rb1がヘテロシクリル基である場合、ヘテロシクリル基は、1以上のN、S、Oを含む5員又は6員の単環であるか、かかる単環同士、又はかかる単環とベンゼン環とが縮合したヘテロシクリル基である。ヘテロシクリル基が縮合環である場合は、環数3までのものとする。ヘテロシクリル基は、芳香族基(ヘテロアリール基)であっても、非芳香族基であってもよい。かかるヘテロシクリル基を構成する複素環としては、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、キノキサリン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。Rb1がヘテロシクリル基である場合、ヘテロシクリル基はさらに置換基を有していてもよい。
Rb1がヘテロシクリルカルボニル基である場合、ヘテロシクリルカルボニル基に含まれるヘテロシクリル基は、Rb1がヘテロシクリル基である場合と同様である。
Rb1が1又は2の有機基で置換されたアミノ基である場合、有機基の好適な例は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜21の飽和脂肪族アシル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよい炭素原子数7〜20のフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよい炭素原子数11〜20のナフチルアルキル基、及びヘテロシクリル基等が挙げられる。これらの好適な有機基の具体例は、Rb1と同様である。1、又は2の有機基で置換されたアミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、n−ヘプチルアミノ基、n−オクチルアミノ基、n−ノニルアミノ基、n−デシルアミノ基、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、n−ブタノイルアミノ基、n−ペンタノイルアミノ基、n−ヘキサノイルアミノ基、n−ヘプタノイルアミノ基、n−オクタノイルアミノ基、n−デカノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、α−ナフトイルアミノ基、及びβ−ナフトイルアミノ基等が挙げられる。
Rb1に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合の置換基としては、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜7の飽和脂肪族アシル基、炭素原子数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜7の飽和脂肪族アシルオキシ基、炭素原子数1〜6のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、モルホリン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基等が挙げられる。Rb1に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合、その置換基の数は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されないが、1〜4が好ましい。Rb1に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基が、複数の置換基を有する場合、複数の置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
以上説明した基の中でも、Rb1としては、ニトロ基、又はRb6−CO−で表される基であると、感度が向上する傾向があり好ましい。Rb6は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、種々の有機基から選択できる。Rb6として好適な基の例としては、炭素原子数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、及び置換基を有してもよいヘテロシクリル基が挙げられる。Rb6として、これらの基の中では、2−メチルフェニル基、チオフェン−2−イル基、及びα−ナフチル基が特に好ましい。
また、Rb1が水素原子であると、透明性が良好となる傾向があり好ましい。なお、Rb1が水素原子であり且つRb4が後述の式(R4−2)で表される基であると透明性はより良好となる傾向がある。
式(1)中、Rb2及びRb3は、それぞれ、置換基を有してもよい鎖状アルキル基、置換基を有してもよい環状有機基、又は水素原子である。Rb2とRb3とは相互に結合して環を形成してもよい。これらの基の中では、Rb2及びRb3として、置換基を有してもよい鎖状アルキル基が好ましい。Rb2及びRb3が置換基を有してもよい鎖状アルキル基である場合、鎖状アルキル基は直鎖アルキル基でも分岐鎖アルキル基でもよい。
Rb2及びRb3が置換基を持たない鎖状アルキル基である場合、鎖状アルキル基の炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6が特に好ましい。Rb2及びRb3が鎖状アルキル基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、及びイソデシル基等が挙げられる。また、Rb2及びRb3がアルキル基である場合、アルキル基は炭素鎖中にエーテル結合(−O−)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルキル基の例としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、プロピルオキシエトキシエチル基、及びメトキシプロピル基等が挙げられる。
Rb2及びRb3が置換基を有する鎖状アルキル基である場合、鎖状アルキル基の炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6が特に好ましい。この場合、置換基の炭素原子数は、鎖状アルキル基の炭素原子数に含まれない。置換基を有する鎖状アルキル基は、直鎖状であるのが好ましい。
アルキル基が有してもよい置換基は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。置換基の好適な例としては、シアノ基、ハロゲン原子、環状有機基、及びアルコキシカルボニル基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらの中では、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。環状有機基としては、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基、ヘテロシクリル基が挙げられる。シクロアルキル基の具体例としては、Rb1がシクロアルキル基である場合の好適な例と同様である。芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、及びフェナントリル基等が挙げられる。ヘテロシクリル基の具体例としては、Rb1がヘテロシクリル基である場合の好適な例と同様である。Rb1がアルコキシカルボニル基である場合、アルコキシカルボニル基に含まれるアルコキシ基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、直鎖状が好ましい。アルコキシカルボニル基に含まれるアルコキシ基の炭素原子数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましい。
鎖状アルキル基が置換基を有する場合、置換基の数は特に限定されない。好ましい置換基の数は鎖状アルキル基の炭素原子数に応じて変わる。置換基の数は、典型的には、1〜20であり、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましい。
Rb2及びRb3が環状有機基である場合、環状有機基は、脂環式基であっても、芳香族基であってもよい。環状有機基としては、脂肪族環状炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロシクリル基が挙げられる。Rb2及びRb3が環状有機基である場合に、環状有機基が有してもよい置換基は、Rb2及びRb3が鎖状アルキル基である場合と同様である。
Rb2及びRb3が芳香族炭化水素基である場合、芳香族炭化水素基は、フェニル基であるか、複数のベンゼン環が炭素−炭素結合を介して結合して形成される基であるか、複数のベンゼン環が縮合して形成される基であるのが好ましい。芳香族炭化水素基が、フェニル基であるか、複数のベンゼン環が結合又は縮合して形成される基である場合、芳香族炭化水素基に含まれるベンゼン環の環数は特に限定されず、3以下が好ましく、2以下がより好ましく、1が特に好ましい。芳香族炭化水素基の好ましい具体例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、及びフェナントリル基等が挙げられる。
Rb2及びRb3が脂肪族環状炭化水素基である場合、脂肪族環状炭化水素基は、単環式であっても多環式であってもよい。脂肪族環状炭化水素基の炭素原子数は特に限定されないが、3〜20が好ましく、3〜10がより好ましい。単環式の環状炭化水素基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基、及びアダマンチル基等が挙げられる。
Rb2及びRb3がヘテロシクリル基である場合、ヘテロシクリル基は、1以上のN、S、Oを含む5員又は6員の単環であるか、かかる単環同士、又はかかる単環とベンゼン環とが縮合したヘテロシクリル基である。ヘテロシクリル基が縮合環である場合は、環数3までのものとする。ヘテロシクリル基は、芳香族基(ヘテロアリール基)であっても、非芳香族基であってもよい。かかるヘテロシクリル基を構成する複素環としては、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、キノキサリン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。
Rb2とRb3とは相互に結合して環を形成してもよい。Rb2とRb3とが形成する環からなる基は、シクロアルキリデン基であるのが好ましい。Rb2とRb3とが結合してシクロアルキリデン基を形成する場合、シクロアルキリデン基を構成する環は、5員環〜6員環であるのが好ましく、5員環であるのがより好ましい。
Rb2とRb3とが結合して形成する基がシクロアルキリデン基である場合、シクロアルキリデン基は、1以上の他の環と縮合していてもよい。シクロアルキリデン基と縮合していてもよい環の例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピラジン環、及びピリミジン環等が挙げられる。
以上説明したRb2及びRb3の中でも好適な基の例としては、式−A1−A2で表される基が挙げられる。式中、A1は直鎖アルキレン基であり、A2は、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、環状有機基、又はアルコキシカルボニル基である挙げられる。
A1の直鎖アルキレン基の炭素原子数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましい。A2がアルコキシ基である場合、アルコキシ基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、直鎖状が好ましい。アルコキシ基の炭素原子数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましい。A2がハロゲン原子である場合、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子がより好ましい。A2がハロゲン化アルキル基である場合、ハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子がより好ましい。ハロゲン化アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、直鎖状が好ましい。A2が環状有機基である場合、環状有機基の例は、Rb2及びRb3が置換基として有する環状有機基と同様である。A2がアルコキシカルボニル基である場合、アルコキシカルボニル基の例は、Rb2及びRb33が置換基として有するアルコキシカルボニル基と同様である。
Rb2及びRb3の好適な具体例としては、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、及びn−オクチル基等のアルキル基;2−メトキシエチル基、3−メトキシ−n−プロピル基、4−メトキシ−n−ブチル基、5−メトキシ−n−ペンチル基、6−メトキシ−n−ヘキシル基、7−メトキシ−n−ヘプチル基、8−メトキシ−n−オクチル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシ−n−プロピル基、4−エトキシ−n−ブチル基、5−エトキシ−n−ペンチル基、6−エトキシ−n−ヘキシル基、7−エトキシ−n−ヘプチル基、及び8−エトキシ−n−オクチル基等のアルコキシアルキル基;2−シアノエチル基、3−シアノ−n−プロピル基、4−シアノ−n−ブチル基、5−シアノ−n−ペンチル基、6−シアノ−n−ヘキシル基、7−シアノ−n−ヘプチル基、及び8−シアノ−n−オクチル基等のシアノアルキル基;2−フェニルエチル基、3−フェニル−n−プロピル基、4−フェニル−n−ブチル基、5−フェニル−n−ペンチル基、6−フェニル−n−ヘキシル基、7−フェニル−n−ヘプチル基、及び8−フェニル−n−オクチル基等のフェニルアルキル基;2−シクロヘキシルエチル基、3−シクロヘキシル−n−プロピル基、4−シクロヘキシル−n−ブチル基、5−シクロヘキシル−n−ペンチル基、6−シクロヘキシル−n−ヘキシル基、7−シクロヘキシル−n−ヘプチル基、8−シクロヘキシル−n−オクチル基、2−シクロペンチルエチル基、3−シクロペンチル−n−プロピル基、4−シクロペンチル−n−ブチル基、5−シクロペンチル−n−ペンチル基、6−シクロペンチル−n−ヘキシル基、7−シクロペンチル−n−ヘプチル基、及び8−シクロペンチル−n−オクチル基等のシクロアルキルアルキル基;2−メトキシカルボニルエチル基、3−メトキシカルボニル−n−プロピル基、4−メトキシカルボニル−n−ブチル基、5−メトキシカルボニル−n−ペンチル基、6−メトキシカルボニル−n−ヘキシル基、7−メトキシカルボニル−n−ヘプチル基、8−メトキシカルボニル−n−オクチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、3−エトキシカルボニル−n−プロピル基、4−エトキシカルボニル−n−ブチル基、5−エトキシカルボニル−n−ペンチル基、6−エトキシカルボニル−n−ヘキシル基、7−エトキシカルボニル−n−ヘプチル基、及び8−エトキシカルボニル−n−オクチル基等のアルコキシカルボニルアルキル基;2−クロルエチル基、3−クロル−n−プロピル基、4−クロル−n−ブチル基、5−クロル−n−ペンチル基、6−クロル−n−ヘキシル基、7−クロル−n−ヘプチル基、8−クロル−n−オクチル基、2−ブロモエチル基、3−ブロモ−n−プロピル基、4−ブロモ−n−ブチル基、5−ブロモ−n−ペンチル基、6−ブロモ−n−ヘキシル基、7−ブロモ−n−ヘプチル基、8−ブロモ−n−オクチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、及び3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−n−ペンチル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられる。
Rb2及びRb3として、上記の中でも好適な基は、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、2−メトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−フェニルエチル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、及び3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−n−ペンチル基である。
Rb4の好適な有機基の例としては、Rb1と同様に、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、飽和脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基、飽和脂肪族アシルオキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいベンゾイルオキシ基、置換基を有してもよいフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトキシ基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよいナフトイルオキシ基、置換基を有してもよいナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、置換基を有してもよいヘテロシクリルカルボニル基、1、又は2の有機基で置換されたアミノ基、モルホリン−1−イル基、及びピペラジン−1−イル基等が挙げられる。これらの基の具体例は、Rb1について説明したものと同様である。また、Rb4としてはシクロアルキルアルキル基、芳香環上に置換基を有していてもよいフェノキシアルキル基、芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基、も好ましい。フェノキシアルキル基、及びフェニルチオアルキル基が有していてもよい置換基は、Rb1に含まれるフェニル基が有していてもよい置換基と同様である。
有機基の中でも、Rb4としては、アルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又はシクロアルキルアルキル基、芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1〜4のアルキル基が特に好ましく、メチル基が最も好ましい。置換基を有していてもよいフェニル基の中では、メチルフェニル基が好ましく、2−メチルフェニル基がより好ましい。シクロアルキルアルキル基に含まれるシクロアルキル基の炭素原子数は、5〜10が好ましく、5〜8がより好ましく、5又は6が特に好ましい。シクロアルキルアルキル基に含まれるアルキレン基の炭素原子数は、1〜8が好ましく、1〜4がより好ましく、2が特に好ましい。シクロアルキルアルキル基の中では、シクロペンチルエチル基が好ましい。芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基に含まれるアルキレン基の炭素原子数は、1〜8が好ましく、1〜4がより好ましく、2が特に好ましい。芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基の中では、2−(4−クロロフェニルチオ)エチル基が好ましい。
また、Rb4としては、−A3−CO−O−A4で表される基も好ましい。A3は、2価の有機基であり、2価の炭化水素基であるのが好ましく、アルキレン基であるのが好ましい。A4は、1価の有機基であり、1価の炭化水素基であるのが好ましい。
A3がアルキレン基である場合、アルキレン基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、直鎖状が好ましい。A3がアルキレン基である場合、アルキレン基の炭素原子数は1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が特に好ましい。
A4の好適な例としては、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、及び炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基が挙げられる。A4の好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−ナフチルメチル基、及びβ−ナフチルメチル基等が挙げられる。
−A3−CO−O−A4で表される基の好適な具体例としては、2−メトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、2−n−プロピルオキシカルボニルエチル基、2−n−ブチルオキシカルボニルエチル基、2−n−ペンチルオキシカルボニルエチル基、2−n−ヘキシルオキシカルボニルエチル基、2−ベンジルオキシカルボニルエチル基、2−フェノキシカルボニルエチル基、3−メトキシカルボニル−n−プロピル基、3−エトキシカルボニル−n−プロピル基、3−n−プロピルオキシカルボニル−n−プロピル基、3−n−ブチルオキシカルボニル−n−プロピル基、3−n−ペンチルオキシカルボニル−n−プロピル基、3−n−ヘキシルオキシカルボニル−n−プロピル基、3−ベンジルオキシカルボニル−n−プロピル基、及び3−フェノキシカルボニル−n−プロピル基等が挙げられる。
以上、R
b4について説明したが、R
b4としては、下記式(R4−1)又は(R4−2)で表される基が好ましい。
(式(R4−1)及び(R4−2)中、R
b7及びR
b8はそれぞれ有機基であり、pは0〜4の整数であり、R
b7及びR
b8がベンゼン環上の隣接する位置に存在する場合、R
b7とR
b8とが互いに結合して環を形成してもよく、qは1〜8の整数であり、rは1〜5の整数であり、sは0〜(r+3)の整数であり、R
b9は有機基である。)
式(R4−1)中のRb7及びRb8についての有機基の例は、Rb1と同様である。Rb7としては、アルキル基又はフェニル基が好ましい。Rb7がアルキル基である場合、その炭素原子数は、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましく、1が最も好ましい。つまり、Rb7はメチル基であるのが最も好ましい。Rb7とRb8とが結合して環を形成する場合、当該環は、芳香族環でもよく、脂肪族環でもよい。式(R4−1)で表される基であって、Rb7とRb8とが環を形成している基の好適な例としては、ナフタレン−1−イル基や、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−5−イル基等が挙げられる。上記式(R4−1)中、pは0〜4の整数であり、0又は1であるのが好ましく、0であるのがより好ましい。
上記式(R4−2)中、Rb9は有機基である。有機基としては、Rb1について説明した有機基と同様の基が挙げられる。有機基の中では、アルキル基が好ましい。アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。アルキル基の炭素原子数は1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。Rb9としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が好ましく例示され、これらの中でも、メチル基であることがより好ましい。
上記式(R4−2)中、rは1〜5の整数であり、1〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましい。上記式(R4−2)中、sは0〜(r+3)であり、0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0が特に好ましい。上記式(R4−2)中、qは1〜8の整数であり、1〜5の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましく、1又は2が特に好ましい。
式(1)中、Rb5は、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜11のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基である。Rb5がアルキル基である場合に有してもよい置換基としては、フェニル基、ナフチル基等が好ましく例示される。また、Rb1がアリール基である場合に有してもよい置換基としては、炭素原子数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が好ましく例示される。
式(1)中、Rb5としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、フェニル基、ベンジル基、メチルフェニル基、ナフチル基等が好ましく例示され、これらの中でも、メチル基又はフェニル基がより好ましい。
(B)成分である光重合開始剤の含有量は、感光性組成物の固形分の合計100質量部に対して0.001〜30質量部であることが好ましく、0.1〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部がさらに好ましい。
また、(B)成分である光重合開始剤の含有量は、(A)成分と(B)成分との総和に対し、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜30質量%であることがより好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましい。
化合物(B1)の含有量は、例えば(B)成分全体に対して1〜100質量%の範囲であればよく、好ましくは50質量%以上であり、70〜100質量%であることがより好ましい。
(B)成分における化合物(B1)は単独で用いても2種以上用いてもよく、2種以上使用する場合、以下の(i)〜(iii)が好ましい。
(i)Rb1が水素原子である化合物とRb1がニトロ基である化合物との組み合わせ
(ii)Rb4が式(R4−1)である化合物とRb4が式(R4−2)である化合物との組み合わせ
(iii)Rb4が式(R4−1)又は式(R4−2)である化合物とRb4が炭素原子数1〜4のアルキル基である化合物
中でも、感度及び硬化物の透過率等の特性向上の点で、上記(i)の組み合わせが好ましく、上記(i)と、(ii)又は(iii)とを満たす組み合わせがより好ましい。
上記(i)〜(iii)の組み合わせによる各化合物の配合比(質量比)は、目的の感度等の特性に合わせて適宜調整すればよく、例えば、1:99〜99:1が好ましく、10:90〜90:10がより好ましく、30:70〜70;30がさらに好ましい。
化合物(B1)の製造方法は特に限定されない。化合物(B1)は、好ましくは、下式(2)で表される化合物に含まれるオキシム基(=N−OH)を、=N−O−COR
b5で表されるオキシムエステル基に変換する工程を含む方法により製造される。R
b5は、式(1)中のR
b5と同様である。
(R
b1、R
b2、R
b3、R
b4、v、及びwは、式(1)と同様である。wは0〜4の整数であり、vは0又は1である。)
このため、上記式(2)で表される化合物は、化合物(B1)の合成用中間体として有用である。
オキシム基(=N−OH)を、=N−O−CORb5で表されるオキシムエステル基に変換する方法は特に限定されない。典型的には、オキシム基中の水酸基に、−CORb5で表されるアシル基を与えるアシル化剤を反応させる方法が挙げられる。アシル化剤としては、(Rb5CO)2Oで表される酸無水物や、Rb5COHal(Halはハロゲン原子)で表される酸ハライドが挙げられる。
化合物(B1)は、vが0である場合、例えば、下記スキーム1に従って合成することができる。スキーム1では、下記式(1−1)で表されるフルオレン誘導体を原料として用いる。Rb1がニトロ基又は1価の有機基である場合、式(1−1)で表されるフルオレン誘導体は、9位をRb2及びRb3で置換されたフルオレン誘導体に、周知の方法によって、置換基Rb1を導入して得ることができる。9位をRb2及びRb3で置換されたフルオレン誘導体は、例えば、Rb2及びRb3がアルキル基である場合、特開平06−234668号公報に記載されるように、アルカリ金属水酸化物の存在下に、非プロトン性極性有機溶媒中で、フルオレンとアルキル化剤とを反応させて得ることができる。また、フルオレンの有機溶媒溶液中に、ハロゲン化アルキルのようなアルキル化剤と、アルカリ金属水酸化物の水溶液と、ヨウ化テトラブチルアンモニウムやカリウムtert−ブトキシドのような相間移動触媒とを添加してアルキル化反応を行うことで、9,9−アルキル置換フルオレンを得ることができる。
式(1−1)で表されるフルオレン誘導体に、フリーデルクラフツアシル化反応により、−CO−Rb4で表されるアシル基を導入し、式(1−3)で表されるフルオレン誘導体が得られる。を、−CO−Rb4で表されるアシル基を導入するためのアシル化剤は、ハロカルボニル化合物であってもよく、酸無水物であってもよい。アシル化剤としては、式(1−2)で表されるハロカルボニル化合物が好ましい。式(1−2)中、Halはハロゲン原子である。フルオレン環上にアシル基が導入される位置は、フリーデルクラフツ反応の条件を適宜変更したり、アシル化される位置の他の位置に保護及び脱保護を施したりする方法で、選択することができる。
次いで、得られる式(1−3)で表されるフルオレン誘導体中の−CO−Rb4で表される基を、−C(=N−OH)−Rb4で表される基に変換し、式(1−4)で表されるオキシム化合物を得る。−CO−Rb4で表される基を、−C(=N−OH)−Rb4で表される基に変換する方法は特に限定されないが、ヒドロキシルアミンによるオキシム化が好ましい。式(1−4)のオキシム化合物と、下式(1−5)で表される酸無水物((Rb5CO)2O)、又は下記一般式(1−6)で表される酸ハライド(Rb5COHal、Halはハロゲン原子。)とを反応させて、下記式(1−7)で表される化合物を得ることができる。
なお、式(1−1)、(1−2)、(1−3)、(1−4)、(1−5)、(1−6)、及び(1−7)において、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、及びRb5は、式(1)と同様である。
また、スキーム1において、式(1−2)、式(1−3)、及び式(1−4)それぞれに含まれるRb4は、同一であっても異なってもいてもよい。つまり、式(1−2)、式(1−3)、及び式(1−4)中のRb4は、スキーム1として示される合成過程において、化学修飾を受けてもよい。化学修飾の例としては、エステル化、エーテル化、アシル化、アミド化、ハロゲン化、アミノ基中の水素原子の有機基による置換等が挙げられる。Rb4が受けてもよい化学修飾はこれらに限定されない。
化合物(B1)は、vが1である場合、例えば、下記スキーム2に従って合成することができる。スキーム2では、下記式(2−1)で表されるフルオレン誘導体を原料として用いる。式(2−1)で表されるフルオレン誘導体は、スキーム1と同様の方法によって、式(1−1)で表される化合物に、フリーデルクラフツ反応によって−CO−CH2−Rb4で表されるアシル基を導入して得られる。アシル化剤としては、式(1−8):Hal−CO−CH2−Rb4で表されるカルボン酸ハライドが好ましい。次いで、式(2−1)で表される化合物中の、Rb4とカルボニル基との間に存在するメチレン基をオキシム化して、下式(2−3)で表されるケトオキシム化合物を得る。メチレン基をオキシム化する方法は特に限定されないが、塩酸の存在下に下記一般式(2−2)で表される亜硝酸エステル(RONO、Rは炭素数1〜6のアルキル基。)を反応させる方法が好ましい。次いで、下記式(2−3)で表されるケトオキシム化合物と、下記式(2−4)で表される酸無水物((Rb5CO)2O)、又は下記一般式(2−5)で表される酸ハライド(Rb5COHal、Halはハロゲン原子。)とを反応させて、下記式(2−6)で表される化合物を得ることができる。なお、下記式(2−1)、(2−3)、(2−4)、(2−5)、及び(2−6)において、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、及びRb5は、一般式(1)と同様である。
vが1である場合、化合物(B1)を含有する感光性組成物を用いて形成されるパターン中での異物の発生をより低減できる傾向がある。
また、スキーム2において、式(1−8)、式(2−1)、及び式(2−3)それぞれに含まれるRb4は、同一であっても異なってもいてもよい。つまり、式(1−8)、式(2−1)、及び式(2−3)中のRb4は、スキーム2として示される合成過程において、化学修飾を受けてもよい。化学修飾の例としては、エステル化、エーテル化、アシル化、アミド化、ハロゲン化、アミノ基中の水素原子の有機基による置換等が挙げられる。Rb4が受けてもよい化学修飾はこれらに限定されない。
化合物(B1)の好適な具体例としては、以下の化合物1〜化合物41が挙げられる。
感光性組成物は、必要に応じ、式(1)で表される化合物以外の光重合開始剤(B2)(以下、開始剤(B2)とも記す。)を含んでいてもよい。他の光重合開始剤の具体例としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、O−アセチル−1−[6−(2−メチルベンゾイル)−9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンオキシム、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ−2−エチルヘキシル安息香酸、4−ジメチルアミノ−2−イソアミル安息香酸、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、ベンジルジメチルケタール、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、チオキサンテン、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2−イソプロピルチオキサンテン、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンヒドロペルオキシド、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン(すなわち、ミヒラーズケトン)、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン(すなわち、エチルミヒラーズケトン)、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス−(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス−(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス−(9−アクリジニル)プロパン、p−メトキシトリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン等が挙げられる。これらの中でも、オキシム系の光重合開始剤を用いることが、感度の面で特に好ましい。これらの光重合開始剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
開始剤(B2)としては、下記式(B−1)で表される化合物が挙げられる。
上記式(B−1)中、Rb10は、炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、又は置換基を有してもよいカルバゾリル基を示す。aは、0又は1である。Rb11は、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、又は置換基を有してもよいフェニル基を示す。Rb12は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。
Rb11が炭素数1〜10のアルキル基である場合、アルキル基は直鎖であっても分岐鎖であってもよい。この場合、アルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜5がより好ましい。
Rb11が、置換基を有してもよいフェニル基である場合、置換基の種類は本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。フェニル基が有していてもよい置換基の好適な例としては、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、飽和脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基、飽和脂肪族アシルオキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいベンゾイルオキシ基、置換基を有してもよいフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトキシ基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよいナフトイルオキシ基、置換基を有してもよいナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、アミノ基、1、又は2の有機基で置換されたアミノ基、モルホリン−1−イル基、及びピペラジン−1−イル基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基等が挙げられる。Rb11が、置換基を有してもよいフェニル基であり、フェニル基が複数の置換基を有する場合、複数の置換基は同一であっても異なっていてもよい。
フェニル基が有する置換基がアルキル基である場合、その炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましく、1〜3が特に好ましく、1が最も好ましい。また、アルキル基は、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。フェニル基が有する置換基がアルキル基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、及びイソデシル基等が挙げられる。また、アルキル基は炭素鎖中にエーテル結合(−O−)を含んでいてもよい。この場合、フェニル基が有する置換基としては、例えば、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基が挙げられる。フェニル基が有する置換基がアルコキシアルキル基である場合、−Rb13−O−Rb14で表される基が好ましい。Rb13は、炭素数1〜10の直鎖でも分岐鎖であってもよいアルキレン基である。Rb14は、炭素数1〜10の直鎖でも分岐鎖であってもよいアルキル基である。Rb13の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。Rb14の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましく、1が最も好ましい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルキル基の例としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、プロピルオキシエトキシエチル基、及びメトキシプロピル基等が挙げられる。
フェニル基が有する置換基がアルコキシ基である場合、その炭素数は、1〜20が好ましく、1〜6がより好ましい。また、アルコキシ基は、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。フェニル基が有する置換基がアルコキシ基である場合の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、イソノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、及びイソデシルオキシ基等が挙げられる。また、アルコキシ基は炭素鎖中にエーテル結合(−O−)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルコキシ基の例としては、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、2−メトキシ−1−メチルエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、プロピルオキシエトキシエトキシ基、及びメトキシプロピルオキシ基等が挙げられる。
フェニル基が有する置換基がシクロアルキル基、又はシクロアルコキシ基である場合、その炭素数は、3〜10が好ましく、3〜6がより好ましい。フェニル基が有する置換基がシクロアルキル基である場合の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基等が挙げられる。フェニル基が有する置換基がシクロアルコキシ基である場合の具体例としては、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、及びシクロオクチルオキシ基等が挙げられる。
フェニル基が有する置換基が飽和脂肪族アシル基、又は飽和脂肪族アシルオキシ基である場合、その炭素数は、2〜20が好ましく、2〜7がより好ましい。フェニル基が有する置換基が飽和脂肪族アシル基である場合の具体例としては、アセチル基、プロパノイル基、n−ブタノイル基、2−メチルプロパノイル基、n−ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロパノイル基、n−ヘキサノイル基、n−ヘプタノイル基、n−オクタノイル基、n−ノナノイル基、n−デカノイル基、n−ウンデカノイル基、n−ドデカノイル基、n−トリデカノイル基、n−テトラデカノイル基、n−ペンタデカノイル基、及びn−ヘキサデカノイル基等が挙げられる。フェニル基が有する置換基が飽和脂肪族アシルオキシ基である場合の具体例としては、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、n−ブタノイルオキシ基、2−メチルプロパノイルオキシ基、n−ペンタノイルオキシ基、2,2−ジメチルプロパノイルオキシ基、n−ヘキサノイルオキシ基、n−ヘプタノイルオキシ基、n−オクタノイルオキシ基、n−ノナノイルオキシ基、n−デカノイルオキシ基、n−ウンデカノイルオキシ基、n−ドデカノイルオキシ基、n−トリデカノイルオキシ基、n−テトラデカノイルオキシ基、n−ペンタデカノイルオキシ基、及びn−ヘキサデカノイルオキシ基等が挙げられる。
フェニル基が有する置換基がアルコキシカルボニル基である場合、その炭素数は、2〜20が好ましく、2〜7がより好ましい。フェニル基が有する置換基がアルコキシカルボニル基である場合の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、sec−ブチルオキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、sec−ペンチルオキシカルボニル基、tert−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、イソオクチルオキシカルボニル基、sec−オクチルオキシカルボニル基、tert−オクチルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基、イソノニルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基、及びイソデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
フェニル基が有する置換基がフェニルアルキル基である場合、その炭素数は、7〜20が好ましく、7〜10がより好ましい。またフェニル基が有する置換基がナフチルアルキル基である場合、その炭素数は、11〜20が好ましく、11〜14がより好ましい。フェニル基が有する置換基がフェニルアルキル基である場合の具体例としては、ベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、及び4−フェニルブチル基が挙げられる。フェニル基が有する置換基がナフチルアルキル基である場合の具体例としては、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基、2−(α−ナフチル)エチル基、及び2−(β−ナフチル)エチル基が挙げられる。フェニル基が有する置換基がフェニルアルキル基、又はナフチルアルキル基である場合、置換基は、フェニル基又はナフチル基上にさらに置換基を有していてもよい。
フェニル基が有する置換基がヘテロシクリル基である場合、ヘテロシクリル基は、1以上のN、S、Oを含む5員又は6員の単環であるか、かかる単環同士、又はかかる単環とベンゼン環とが縮合したヘテロシクリル基である。ヘテロシクリル基が縮合環である場合は、環数3までのものとする。かかるヘテロシクリル基を構成する複素環としては、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、及びキノキサリン等が挙げられる。フェニル基が有する置換基がヘテロシクリル基である場合、ヘテロシクリル基はさらに置換基を有していてもよい。
フェニル基が有する置換基が1又は2の有機基で置換されたアミノ基である場合、有機基の好適な例は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜20の飽和脂肪族アシル基、炭素数2〜20の飽和脂肪族アシルオキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよい炭素数11〜20のナフチルアルキル基、及びヘテロシクリル基等が挙げられる。これらの好適な有機基の具体例としては、フェニル基が有する置換基について上記したものと同様のものが挙げられる。1、又は2の有機基で置換されたアミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、n−ヘプチルアミノ基、n−オクチルアミノ基、n−ノニルアミノ基、n−デシルアミノ基、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、n−ブタノイルアミノ基、n−ペンタノイルアミノ基、n−ヘキサノイルアミノ基、n−ヘプタノイルアミノ基、n−オクタノイルアミノ基、n−デカノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、α−ナフトイルアミノ基、β−ナフトイルアミノ基、及びN−アセチル−N−アセチルオキシアミノ基等が挙げられる。
フェニル基が有する置換基に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合の置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7の飽和脂肪族アシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜7の飽和脂肪族アシルオキシ基、炭素数1〜6のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、モルホリン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基等が挙げられる。フェニル基が有する置換基に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合、その置換基の数は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されないが、1〜4が好ましい。フェニル基が有する置換基に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基が、複数の置換基を有する場合、複数の置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
以上、Rb11が置換基を有してもよいフェニル基である場合の置換基について説明したが、これらの置換基の中では、アルキル基又はアルコキシアルキル基が好ましい。
Rb11が置換基を有してもよいフェニル基である場合、置換基の数と、置換基の結合位置とは、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。Rb11が、置換基を有してもよいフェニル基である場合、塩基の発生効率に優れる点で、置換基を有してもよいフェニル基は、置換基を有していてもよいo−トリル基であるのが好ましい。
Rb10は、炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、又は置換基を有してもよいカルバゾリル基である。Rb10が置換基を有してもよいカルバゾリル基である場合、カルバゾリル基上の窒素原子は、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。
Rb10において、フェニル基、又はカルバゾリル基が有する置換基は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。フェニル基、又はカルバゾリル基が、炭素原子上に有してもよい好適な置換基の例としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルコキシ基、炭素数2〜20の飽和脂肪族アシル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20の飽和脂肪族アシルオキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよいフェニルチオ基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいベンゾイルオキシ基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトキシ基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよいナフトイルオキシ基、置換基を有してもよい炭素数11〜20のナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、置換基を有してもよいヘテロシクリルカルボニル基、アミノ基、1、又は2の有機基で置換されたアミノ基、モルホリン−1−イル基、及びピペラジン−1−イル基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基等が挙げられる。
Rb10がカルバゾリル基である場合、カルバゾリル基が窒素原子上に有してもよい好適な置換基の例としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜20の飽和脂肪族アシル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素数11〜20のナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、及び置換基を有してもよいヘテロシクリルカルボニル基等が挙げられる。これらの置換基の中では、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、エチル基が特に好ましい。
カルバゾリル基が有してもよい置換基の具体例について、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、飽和脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基、飽和脂肪族アシルオキシ基、置換基を有してもよいフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、及び1、又は2の有機基で置換されたアミノ基に関しては、Rb11が、置換基を有してもよいフェニル基である場合の、フェニル基が有する置換基の例と同様である。
Rb10において、カルバゾリル基が有する置換基に含まれるフェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合の置換基の例としては、炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数2〜7の飽和脂肪族アシル基;炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;炭素数2〜7の飽和脂肪族アシルオキシ基;フェニル基;ナフチル基;ベンゾイル基;ナフトイル基;炭素数1〜6のアルキル基、モルホリン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基、及びフェニル基からなる群より選択される基により置換されたベンゾイル基;炭素数1〜6のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基;炭素数1〜6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基;モルホリン−1−イル基;ピペラジン−1−イル基;ハロゲン;ニトロ基;シアノ基が挙げられる。カルバゾリル基が有する置換基に含まれるフェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合、その置換基の数は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されないが、1〜4が好ましい。フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基が、複数の置換基を有する場合、複数の置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
Rb10が置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基である場合、アルキル基は直鎖であっても分岐鎖であってもよい。この場合、アルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜5がより好ましい。
Rb10において、アルキル基又はフェニル基が有する置換基は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。
アルキル基が炭素原子上に有してもよい好適な置換基の例としては、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルコキシ基、炭素数2〜20の飽和脂肪族アシル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20の飽和脂肪族アシルオキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよいフェニルチオ基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいベンゾイルオキシ基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトキシ基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよいナフトイルオキシ基、置換基を有してもよい炭素数11〜20のナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、置換基を有してもよいヘテロシクリルカルボニル基、アミノ基、1又は2の有機基で置換されたアミノ基、モルホリン−1−イル基、及びピペラジン−1−イル基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基等が挙げられる。
フェニル基が炭素原子上に有してもよい好適な置換基の例としては、アルキル基が炭素原子上に有してもよい好適な置換基として上記で例示した基に加えて、炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。
アルキル基又はフェニル基が有してもよい置換基の具体例について、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、飽和脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基、飽和脂肪族アシルオキシ基、置換基を有してもよいフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、及び1又は2の有機基で置換されたアミノ基に関しては、Rb11が置換基を有してもよいフェニル基である場合の、フェニル基が有する置換基の例と同様である。
Rb10において、アルキル基又はフェニル基が有する置換基に含まれるフェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合の置換基の例としては、炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数2〜7の飽和脂肪族アシル基;炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;炭素数2〜7の飽和脂肪族アシルオキシ基;フェニル基;ナフチル基;ベンゾイル基;ナフトイル基;炭素数1〜6のアルキル基、モルホリン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基、及びフェニル基からなる群より選択される基により置換されたベンゾイル基;炭素数1〜6のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基;炭素数1〜6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基;モルホリン−1−イル基;ピペラジン−1−イル基;ハロゲン;ニトロ基;シアノ基が挙げられる。アルキル基又はフェニル基が有する置換基に含まれるフェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合、その置換基の数は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されないが、1〜4が好ましい。フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基が、複数の置換基を有する場合、複数の置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
式(B−1)で表される化合物の塩基発生効率の点から、R
b10としては、下記式(B−2):
で表される基、又は下記式(B−3):
で表される基が好ましい。
式(B−2)中、Rb15は、1価の有機基であり、Rb16は、1価の有機基又はニトロ基(ただし、b=0の場合)であり、bは0又は1である。式(B−3)中、Rb17は、1価の有機基、アミノ基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基からなる群より選択される基であり、AはS又はOであり、cは0〜4の整数である。
式(B−2)におけるRb15は、本発明の目的を阻害しない範囲で、種々の有機基から選択できる。Rb15の好適な例としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜20の飽和脂肪族アシル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素数11〜20のナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、及び置換基を有してもよいヘテロシクリルカルボニル基等が挙げられる。
Rb15の中では、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、エチル基が特に好ましい。
式(B−2)におけるRb16は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、種々の有機基から選択できる。Rb16として好適な基の具体例としては、炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、及び置換基を有してもよいヘテロシクリル基が挙げられる。Rb16として、b=1の場合これらの基の中では置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいチエニル基、及び置換基を有してもよいフラニル基がより好ましく、2−メチルフェニル基、ナフチル基、チエニル基及びフラニル基が特に好ましい。b=0の場合はニトロ基が好ましい。
Rb15又はRb16に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合の置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7の飽和脂肪族アシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜7の飽和脂肪族アシルオキシ基、炭素数1〜6のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、モルホリン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基等が挙げられる。Rb15又はRb16に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合、その置換基の数は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されないが、1〜4が好ましい。Rb15又はRb16に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基が、複数の置換基を有する場合、複数の置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
式(B−3)におけるRb17が有機基である場合、Rb17は、本発明の目的を阻害しない範囲で、種々の有機基から選択できる。式(B−3)においてRb17が有機基である場合の好適な例としては、炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数2〜7の飽和脂肪族アシル基;炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;炭素数2〜7の飽和脂肪族アシルオキシ基;フェニル基;ナフチル基;ベンゾイル基;ナフトイル基;炭素数1〜6のアルキル基、モルホリン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基、及びフェニル基からなる群より選択される基により置換されたベンゾイル基;炭素数1〜6のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基;炭素数1〜6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基;モルホリン−1−イル基;ピペラジン−1−イル基;ハロゲン;ニトロ基;シアノ基;2−メチルフェニルカルボニル基;4−(ピペラジン−1−イル)フェニルカルボニル基;4−(フェニル)フェニルカルボニル基が挙げられる。
Rb17の中では、ベンゾイル基;ナフトイル基;炭素数1〜6のアルキル基、モルホリン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基、及びフェニル基からなる群より選択される基により置換されたベンゾイル基;ニトロ基が好ましく、ベンゾイル基;ナフトイル基;2−メチルフェニルカルボニル基;4−(ピペラジン−1−イル)フェニルカルボニル基;4−(フェニル)フェニルカルボニル基がより好ましい。
また、式(B−3)において、cは、0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0又は1であるのが特に好ましい。cが1である場合、Rb17の結合する位置は、Rb17が結合するフェニル基が−A−と結合する結合手に対して、パラ位であるのが好ましい。
Rb12は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基である。置換基を有していてもよいフェニル基である場合、フェニル基が有していてもよい置換基は、Rb10が置換基を有していてもよいフェニル基である場合と同様である。Rb12としては、メチル基、エチル基、又はフェニル基が好ましく、メチル基又はフェニル基がより好ましい。
上記式(B−1)で表されるオキシムエステル化合物は、aが0である場合、例えば、以下に説明する方法により合成できる。まず、Rb10−CO−Rb11で表されるケトン化合物を、ヒドロキシルアミンによりオキシム化して、Rb10−(C=N−OH)−Rb11で表されるオキシム化合物を得る。次いで、得られたオキシム化合物を、Rb12−CO−Hal(Halはハロゲンを示す)で表される酸ハロゲン化物や、(Rb12CO)2Oで表される酸無水物によりアシルして、aが0である上記式(B−1)で表されるオキシムエステル化合物が得られる。
また、上記式(B−1)で表されるオキシムエステル化合物は、aが1である場合、例えば、以下に説明する方法により合成できる。まず、Rb10−CO−CH2−Rb11で表されるケトン化合物を、塩酸の存在下に亜硝酸エステルと反応させ、Rb10−CO−(C=N−OH)−Rb11で表されるオキシム化合物を得る。次いで、得られたオキシム化合物を、Rb12−CO−Hal(Halはハロゲンを示す)で表される酸ハロゲン化物や、(Rb12CO)2Oで表される酸無水物によりアシルして、aが1である上記式(B−1)で表されるオキシムエステル化合物が得られる。
上記式(B−1)で表される化合物としては、下記式(B−4)で表される化合物が挙げられる。
上記式(B−4)中、a及びRb10は上記の通りである。Rb18は、1価の有機基、アミノ基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基からなる群より選択される基であり、dは0〜4の整数であり、Rb19は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。
上記式(B−4)中、Rb18は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、有機基である場合、種々の有機基から適宜選択される。Rb18の好適な例としては、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、飽和脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基、飽和脂肪族アシルオキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいベンゾイルオキシ基、置換基を有してもよいフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトキシ基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよいナフトイルオキシ基、置換基を有してもよいナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、アミノ基、1又は2の有機基で置換されたアミノ基、モルホリン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基等が挙げられる。dが2〜4の整数である場合、Rb18は同一であっても異なっていてもよい。また、置換基の炭素数には、置換基がさらに有する置換基の炭素数を含まない。
Rb18がアルキル基である場合、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜6がより好ましい。また、Rb18がアルキル基である場合、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。Rb18がアルキル基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、及びイソデシル基等が挙げられる。また、Rb18がアルキル基である場合、アルキル基は炭素鎖中にエーテル結合(−O−)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルキル基の例としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、プロピルオキシエトキシエチル基、及びメトキシプロピル基等が挙げられる。
Rb18がアルコキシ基である場合、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜6がより好ましい。また、Rb18がアルコキシ基である場合、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。Rb18がアルコキシ基である場合の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、イソノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、及びイソデシルオキシ基等が挙げられる。また、Rb18がアルコキシ基である場合、アルコキシ基は炭素鎖中にエーテル結合(−O−)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルコキシ基の例としては、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、プロピルオキシエトキシエトキシ基、及びメトキシプロピルオキシ基等が挙げられる。
Rb18がシクロアルキル基又はシクロアルコキシ基である場合、炭素数3〜10が好ましく、炭素数3〜6がより好ましい。Rb18がシクロアルキル基である場合の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基等が挙げられる。Rb18がシクロアルコキシ基である場合の具体例としては、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、及びシクロオクチルオキシ基等が挙げられる。
Rb18が飽和脂肪族アシル基又は飽和脂肪族アシルオキシ基である場合、炭素数2〜20が好ましく、炭素数2〜7がより好ましい。Rb18が飽和脂肪族アシル基である場合の具体例としては、アセチル基、プロパノイル基、n−ブタノイル基、2−メチルプロパノイル基、n−ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロパノイル基、n−ヘキサノイル基、n−ヘプタノイル基、n−オクタノイル基、n−ノナノイル基、n−デカノイル基、n−ウンデカノイル基、n−ドデカノイル基、n−トリデカノイル基、n−テトラデカノイル基、n−ペンタデカノイル基、及びn−ヘキサデカノイル基等が挙げられる。Rb18が飽和脂肪族アシルオキシ基である場合の具体例としては、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、n−ブタノイルオキシ基、2−メチルプロパノイルオキシ基、n−ペンタノイルオキシ基、2,2−ジメチルプロパノイルオキシ基、n−ヘキサノイルオキシ基、n−ヘプタノイルオキシ基、n−オクタノイルオキシ基、n−ノナノイルオキシ基、n−デカノイルオキシ基、n−ウンデカノイルオキシ基、n−ドデカノイルオキシ基、n−トリデカノイルオキシ基、n−テトラデカノイルオキシ基、n−ペンタデカノイルオキシ基、及びn−ヘキサデカノイルオキシ基等が挙げられる。
Rb18がアルコキシカルボニル基である場合、炭素数2〜20が好ましく、炭素数2〜7がより好ましい。Rb18がアルコキシカルボニル基である場合の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、sec−ブチルオキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、sec−ペンチルオキシカルボニル基、tert−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、イソオクチルオキシカルボニル基、sec−オクチルオキシカルボニル基、tert−オクチルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基、イソノニルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基、及びイソデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
Rb18がフェニルアルキル基である場合、炭素数7〜20が好ましく、炭素数7〜10がより好ましい。またRb18がナフチルアルキル基である場合、炭素数11〜20が好ましく、炭素数11〜14がより好ましい。Rb18がフェニルアルキル基である場合の具体例としては、ベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、及び4−フェニルブチル基が挙げられる。Rb18がナフチルアルキル基である場合の具体例としては、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基、2−(α−ナフチル)エチル基、及び2−(β−ナフチル)エチル基が挙げられる。Rb18が、フェニルアルキル基、又はナフチルアルキル基である場合、Rb18は、フェニル基、又はナフチル基上にさらに置換基を有していてもよい。
Rb18がヘテロシクリル基である場合、ヘテロシクリル基は、1以上のN、S、Oを含む5員又は6員の単環であるか、かかる単環同士、又はかかる単環とベンゼン環とが縮合したヘテロシクリル基である。ヘテロシクリル基が縮合環である場合は、環数3までのものとする。かかるヘテロシクリル基を構成する複素環としては、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、及びキノキサリン等が挙げられる。Rb18がヘテロシクリル基である場合、ヘテロシクリル基はさらに置換基を有していてもよい。
Rb18が1又は2の有機基で置換されたアミノ基である場合、有機基の好適な例は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜20の飽和脂肪族アシル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよい炭素数11〜20のナフチルアルキル基、及びヘテロシクリル基等が挙げられる。これらの好適な有機基の具体例は、Rb18と同様である。1又は2の有機基で置換されたアミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、n−ヘプチルアミノ基、n−オクチルアミノ基、n−ノニルアミノ基、n−デシルアミノ基、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、n−ブタノイルアミノ基、n−ペンタノイルアミノ基、n−ヘキサノイルアミノ基、n−ヘプタノイルアミノ基、n−オクタノイルアミノ基、n−デカノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、α−ナフトイルアミノ基、及びβ−ナフトイルアミノ基等が挙げられる。
Rb18に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合の置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7の飽和脂肪族アシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜7の飽和脂肪族アシルオキシ基、炭素数1〜6のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、モルホリン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基等が挙げられる。Rb18に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合、その置換基の数は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されないが、1〜4が好ましい。Rb18に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基が、複数の置換基を有する場合、複数の置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
Rb18の中では、化学的に安定であることや、立体的な障害が少なく、オキシムエステル化合物の合成が容易であること等から、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、及び炭素数2〜7の飽和脂肪族アシル基からなる群より選択される基が好ましく、炭素数1〜6のアルキルがより好ましく、メチル基が特に好ましい。
Rb18がフェニル基に結合する位置は、Rb18が結合するフェニル基について、フェニル基とオキシムエステル化合物の主骨格との結合手の位置を1位とし、メチル基の位置を2位とする場合に、4位、又は5位が好ましく、5位がより好ましい。また、dは、0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0又は1が特に好ましい。
上記式(B−4)におけるRb19は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。Rb19としては、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
式(B−1)で表される化合物として好適な化合物の具体例を以下に示す。
化合物(B1)と組み合わせて使用されるオキシム系の光重合開始剤としては、例えば、前述の特許文献1に記載された下記構造式(a)〜(d)で表される化合物も好ましく使用できる。
(B)光重合開始剤が、化合物(B1)と、開始剤(B2)とを組み合わせて含む場合、(B)光重合開始剤中の化合物(B1)の含有量は、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、10質量%以上が特に好ましい。
(B)光重合開始剤が化合物(B1)と開始剤(B2)からなる場合、質量比((B1):(B2))は、0.1:99.9〜99.9:0.1が好ましく、1:99〜99:1がより好ましく、10:90〜90:10が特に好ましい。
(B)成分である光重合開始剤の含有量は、感光性組成物の固形分の質量に対して0.1〜50質量%が好ましく、1〜45質量%がより好ましい。上記範囲内とすることにより、十分な耐熱性、耐薬品性を得るとともに、膜形成能を向上させ、光硬化不良を抑制することができる。
<(C)着色剤>
感光性組成物は、(C)有彩色の着色剤(以下、「(C)成分」とも記す。)を含む。有彩色から選択される異なる数種の色相を組み合わせてカラーフィルタを構成することにより、カラー画像を表示可能な表示素子を得ることができる。
感光性組成物が、前述の(B)光重合開始剤と、(C)有彩色の着色剤とを組み合わせて含むことにより、膜形成時の着色膜の変色が抑制され、所望する色相の着色膜を形成することができる。
従来から、広く使用されているカラーフィルタの例としては、RGB(レッド、グリーン、ブルー)の原色系フィルタや、CMYG(シアン、マゼンタ、イエロー、グリーン)系の補色系のフィルタが挙げられる。
(C)成分としては、着色膜をカラーフィルタとして使用する場合における、カラーフィルタの耐光性及び耐候性の点から、有機顔料が好ましい。有機顔料は、特に限定されないが、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists社発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを用いることが好ましい。
なお、(C)成分は、色相調整の目的で、黒、白等の無彩色の着色剤を少量含んでいてもよい。
C.I.ピグメントイエロー1(以下、「C.I.ピグメントイエロー」は同様であり、番号のみを記載する。)、3、11、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、55、60、61、65、71、73、74、81、83、86、93、95、97、98、99、100、101、104、106、108、109、110、113、114、116、117、119、120、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、166、167、168、175、180、185;
C.I.ピグメントオレンジ1(以下、「C.I.ピグメントオレンジ」は同様であり、番号のみを記載する。)、5、13、14、16、17、24、34、36、38、40、43、46、49、51、55、59、61、63、64、71、73;
C.I.ピグメントバイオレット1(以下、「C.I.ピグメントバイオレット」は同様であり、番号のみを記載する。)、19、23、29、30、32、36、37、38、39、40、50;
C.I.ピグメントレッド1(以下、「C.I.ピグメントレッド」は同様であり、番号のみを記載する。)、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、50:1、52:1、53:1、57、57:1、57:2、58:2、58:4、60:1、63:1、63:2、64:1、81:1、83、88、90:1、97、101、102、104、105、106、108、112、113、114、122、123、144、146、149、150、151、155、166、168、170、171、172、174、175、176、177、178、179、180、185、187、188、190、192、193、194、202、206、207、208、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、243、245、254、255、264、265;
C.I.ピグメントブルー1(以下、「C.I.ピグメントブルー」は同様であり、番号のみを記載する。)、2、15、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66;
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン37、ピグメントグリーン58、ピグメントグリーン59、ピグメントグリーン60;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラウン26、C.I.ピグメントブラウン28;
C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7。
(C)成分は染料を用いてもよい。染料を用いる場合、単独でも使用可能であるが、顔料と組み合わせることがより好ましい。使用できる染料としては、例えば、ブリリアントグリーン、アリザリングリーン、メチルグリーン、ファストグリーン、ブリリアントブルー、ブリリアントクレシルブルー、パテントブルー、フェノールブルー、テトラブロモフェノールブルー、ブロモフェノールブルー、メチレンブルー、ソルベントブルー35を挙げることができるが、これに限定はされない。
(C)成分は、再結晶法、再沈殿法、溶剤洗浄法、昇華法、真空過熱法又はこれらの組み合わせにより精製されていてもよい。
感光性組成物中の(C)成分の含有量は、透明性及び色純度に優れる画素を形成する点から、感光性組成物の(C)成分以外の固形分に対して10〜200質量%であることが好ましく、50〜150質量%であることがより好ましい。
なお、(C)成分である着色剤は、分散剤を用いて適当な濃度で分散させた分散液とした後、感光性組成物に添加することが好ましい。公知の分散剤としては、ポリマー分散剤が好ましく、例えば、アクリル系共重合体分散剤、ポリウレタン系分散剤、ポリエステル系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリアリルアミン系分散剤等が挙げられる。中でもポリウレタン系分散剤が好ましい。これらポリマー分散剤を使用すると、(C)成分の分散性及び分散安定性を改善し、色相、コントラスト比、耐熱性を向上させることができる。
本発明に係る感光性組成物の(C)成分について、RGBのレッドにおいては、C.I.ピグメントレッド254等のジケトピロロピロール系顔料を含む2種以上であることが好ましい。ジケトピロロピロール系顔料は、(C)成分全体の40質量%以上とすることが好ましく、60〜99質量%がより好ましく、70〜90質量%がさらに好ましい。ジケトピロロピロール系顔料に組み合わせる他の(C)成分は、顔料又は染料であってよい。他の(C)成分として、C.I.ピグメントイエロー139等のイソインドリン系黄色顔料等が好ましい。
RGBのブルー及びグリーンにおいては、C.I.ピグメントグリーン36、58又はC.I.ピグメントブルー15:3、15:4、15:6等のフタロシアニン系顔料を含むことが好ましい。フタロシアニン系顔料は、(C)成分全体の10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよい。2種以上組み合わせる場合、フタロシアニン系顔料は、(C)成分全体の30〜99質量%がより好ましく、40〜97質量%がさらに好ましい。
フタロシアニン系顔料系顔料に組み合わせる他の(C)成分は、顔料又は染料であってよい。
ブルーの場合は、他の(C)成分として、C.I.ピグメントバイオレット23等のジオキサジン系紫顔料、又は染料(染料について好ましくはローダミンB等のブルー系のキサンテン系染料又ベーシックブルー7等のブルー系のトリアリールメタン系染料)が好適に挙げられる。他の(C)成分は複数種用いてもよい。当該組み合わせる他の(C)成分の比率は例えば1〜50質量%であり、1〜25質量%が好ましい。
グリーンの場合は、グリーン系のフタロシアニン系顔料系顔料に組み合わせる他の(C)成分として、C.I.ピグメントイエロー150等のニッケル錯体系黄色顔料、上記ブルー系のフタロシアニン系顔料又は染料(染料について好ましくは、ブリリアントグリーン等のグリーン系のトリアリールメタン系染料)等が好適に挙げられる。他の(C)成分は複数種用いてもよい。当該組み合わせる他の(C)成分の比率は例えば1〜70質量%であり、1〜50質量%が好ましい。
<その他の成分>
本発明に係る感光性組成物には、必要に応じて、各種の添加剤を加えてもよい。具体的には、溶剤、増感剤、硬化促進剤、光架橋剤、光増感剤、分散助剤、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、熱重合禁止剤、消泡剤、界面活性剤等が例示される。
本発明に係る感光性組成物に使用される溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル部炭酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、蟻酸n−ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記溶剤の中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、3−メトキシブチルアセテートは、上述の(A)成分及び(B)成分に対して優れた溶解性を示すとともに、上述の(C)成分の分散性を良好にすることができるため好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートを用いることが特に好ましい。溶剤は、感光性組成物の用途に応じて適宜決定すればよいが、一例として、感光性組成物の固形分の合計100質量部に対して、50〜900質量部程度が挙げられる。
本発明に係る感光性組成物に使用される熱重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノエチルエーテル等を挙げることができる。また、消泡剤としては、シリコーン系、フッ素系等の化合物を、界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン等の化合物を、それぞれ例示できる。
[感光性組成物の調製方法]
本発明に係る感光性組成物は、上記の各成分を全て撹拌機で混合することにより調製される。なお、調製された感光性組成物が均一なものとなるようフィルタを用いて濾過してもよい。
各成分を混合する順番は特に限定されない。例えば、光重合性モノマーと、(C)光重合開始剤との混合物に、他の成分を配合して感光性組成物を調製してもよい。また、樹脂と(C)光重合開始剤との混合物に、他の成分を配合して感光性組成物を調製してもよい。
[パターン形成方法]
本発明の感光性組成物を用いてパターンを形成するには、まず、ロールコータ、リバースコータ、バーコータ等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコータ等の非接触型塗布装置を用いて、基板上に感光性組成物を塗布する。
次いで、塗布された感光性組成物を乾燥させて塗膜を形成させる。乾燥方法は、特に限定されず、例えば、(1)ホットプレートにて80〜120℃、好ましくは90〜100℃の温度にて60〜120秒間乾燥させる方法、(2)室温にて数時間〜数日間放置する方法、(3)温風ヒータや赤外線ヒータ中に数十分間〜数時間入れて溶剤を除去する方法等が挙げられる。
次いで、この塗膜に、ネガ型のマスクを介して、紫外線、エキシマレーザー光等の活性エネルギー線を照射して部分的に露光する。照射するエネルギー線量は、感光性組成物の組成によっても異なるが、例えば30〜2000mJ/cm2程度が好ましい。既に説明したように、本発明に係る感光性組成物を用いれば、感度に優れるため、液晶表示ディスプレイパネルの生産性を向上させることができる。
次いで、露光後の膜を、現像液により現像することによって所望の形状にパターニングする。現像方法は、特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法等を用いることができる。現像液としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機系のものや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、4級アンモニウム塩等の水溶液が挙げられる。
次いで、現像後のパターンに対して200〜250℃程度でポストベークを行うことが好ましい。
このようにして形成されたパターンは、例えば、液晶表示ディスプレイ等のような表示装置におけるカラーフィルタとして好適に用いることができる。このようなカラーフィルタや、当該カラーフィルタを備える表示装置も本発明の1つである。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
以下、実施例、及び比較例では、下記の化合物6、化合物7、化合物9〜11、及び化合物20と、下記の比較化合物1及び比較化合物2とを光重合開始剤として用いた。
化合物6、化合物7、化合物9〜11、及び化合物20は、以下の合成例1〜合成例7に従って得たものを用いた。
〔合成例1〕
(9,9−ジ−n−プロピルフルオレンの合成)
フルオレン6.64g(40mmol)を27mLのTHFに溶解させた。得られた溶液に、カリウムtert−ブトキシド0.12g(1.1mmol)、1−ブロモプロパン12.30g(100mmol)、及び濃度50質量%の水酸化ナトリウム水溶液27mLを、窒素雰囲気下で徐々に添加した。得られた混合物を、80℃で3時間撹拌して反応を行った。反応後の混合物に、酢酸エチル33g及び水33gを加えた後、有機層と水層とに分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、ロータリーエバポレーターを用いて有機層から溶媒を除去して、9,9−ジ−n−プロピルフルオレン8.32g(収率83%)を得た。
〔合成例2〕
(化合物6の合成)
9,9−ジ−n−プロピルフルオレン4.10g(16.37mmol)と、(2−メチルフェニル)酢酸塩化物3.04g(18.00mmol)とを、塩化アルミニウム2.62gの存在下に、ジクロロメタン溶媒、50ml中で、氷冷下で1時間反応させた。反応混合物を氷水にあけ、有機層を分液した。回収した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレートした。残渣を酢酸エチル/ヘキサン=1/2の溶離液でシリカゲルカラム精製して、2−(2−メチルフェニル)アセチル−9,9−ジ−n−プロピルフルオレン5.95g(15.55mmol)を得た。2−(2−メチルフェニル)アセチル−9,9−ジ−n−プロピルフルオレン5.95g(15.55mmol)と、濃塩酸1.60g(15.55mmol)とを、亜硝酸イソブチル2.42g(23.33mmol)の存在下に、ジメチルホルムアミド溶媒25ml中で、氷冷下で3時間反応させた。反応液をエバポレートし、残渣に酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレートして、下記構造の2−[2−メチルフェニル(ヒドロキシイミノ)アセチル]−9,9−ジ−n−プロピルフルオレン4.80g(11.67mmol)を得た。
2−[2−メチルフェニル(ヒドロキシイミノ)アセチル]−9,9−ジ−n−プロピルフルオレンの1H−NMRの測定結果は以下の通りであった。
1H−NMR(600MHz,CDCl3,ppm):8.60(bs,1H),8.15(d,1H),8.14(s,1H),7.76−8.00(m,2H),7.26−7.53(m,7H),2.35(s,3H),1.98−2.01(m,4H),0.63−0.67(m,10H)
2−[2−メチルフェニル(ヒドロキシイミノ)アセチル]−9,9−ジ−n−プロピルフルオレン4.80g(11.67mmol)と、無水酢酸1.43g(13.42mmol)と、トリエチルアミン1.36g(13.42mmol)と、ジメチルホルムアミド溶媒45.00mlとを混合し、35℃で3時間撹拌した。室温まで冷却後、反応液に酢酸エチルを加え、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレートした。残渣を酢酸エチル/ヘキサン=2/1の溶離液でシリカゲルカラム精製して、化合物6、4.76g(10.50mmol、収率72%)を得た。化合物6の1H−NMRの測定結果は以下の通りであった。
1H−NMR(600MHz,CDCl3,ppm):8.25(d,1H),8.22(s,1H),7.83(d,1H),7.81(dd,1H),7.33−7.40(m,3H),7.26−7.33(m,4H),2.35(s,3H),2.14(s,3H),1.95−2.07(m,4H),0.63−0.66(m,10H).
〔合成例3〕
(化合物7の合成)
(2−メチルフェニル)酢酸塩化物3.04g(18.00mmol)を、3−シクロヘキシルプロピオン酸塩化物3.14g(18.00mmol)に変えることの他は、合成例2と同様にして、中間体である下記構造の2−[シクロヘキシルメチル(ヒドロキシイミノ)アセチル]−9,9−ジ−n−プロピルフルオレンと、化合物7、4.96g(10.80mmol、収率75%)とを得た。
2−[シクロヘキシルメチル(ヒドロキシイミノ)アセチル]−9,9−ジ−n−プロピルフルオレンの1H−NMRの測定結果は以下の通りであった。
1H−NMR(600MHz,CDCl3,ppm):8.80(bs,1H),7.90−7.98(m,2H),7.70−7.80(m,2H),7.30−7.40(m,3H),2.72(d,2H),1.88−2.02(m,4H),1.54−1.80(m,6H),0.95−1.28(m,5H),0.67−0.77(m,10H)
化合物7の1H−NMRの測定結果は以下の通りであった。
1H−NMR(600MHz,CDCl3,ppm):8.08−8.14(m,2H),7.70−7.79(m,2H),7.32−7.40(m,3H),2.78(d,2H),2.28(s,3H),1.88−2.10(m,4H),1.53−1.78(m,6H),1.00−1.30(m,5H),0.60−0.77(m,10H).
〔合成例4〕
(化合物9の合成)
(2−メチルフェニル)酢酸塩化物3.04g(18.00mmol)を3−シクロペンチルプロピオン酸塩化物2.89g(18.00mmol)に変えることの他は、合成例2と同様にして、化合物9、4.46g(10.02mmol、収率72%)を得た。化合物9の1H−NMRの測定結果は以下の通りであった。
1H−NMR(600MHz,CDCl3,ppm):8.06−8.12(m,2H),7.71−7.78(m,2H),7.31−7.40(m,3H),2.52(d,2H),2.27(s,3H),1.89−2.19(m,5H),1.48−1.80(m,6H),1.19−1.26(m,2H),0.61−0.77(m,10H).
〔合成例5〕
(化合物10の合成)
(2−メチルフェニル)酢酸塩化物3.04g(18.00mmol)を(α−ナフチル)酢酸塩化物3.68g(18.00mmol)に変えることの他は、合成例2と同様にして、化合物10、5.29g(10.80mmol、収率78%)を得た。化合物10の1H−NMRの測定結果は以下の通りであった。
1H−NMR(600MHz,CDCl3,ppm):8.26(d,1H),8.24(s,1H),7.82(d,1H),7.82(dd,1H),7.30−7.70(m,10H),2.14(s,3H),1.94−2.05(m,4H),0.62−0.66(m,10H).
〔合成例6〕
(化合物11の合成)
(2−メチルフェニル)酢酸塩化物3.04g(18.00mmol)を1,1’−ビフェニル−2−酢酸塩化物4.15g(18.00mmol)に変えることの他は、合成例2と同様にして、化合物11、5.36g(10.40mmol、収率73%)を得た。化合物11の1H−NMRの測定結果は以下の通りであった。
1H−NMR(600MHz,CDCl3,ppm):8.22(d,1H),8.19(s,1H),7.84(d,1H),7.83(dd,1H),7.20−7.45(m,12H),2.15(s,3H),1.94−2.07(m,4H),0.63−0.66(m,10H).
〔合成例7〕
(化合物20の合成)
9,9−ジ−n−プロピルフルオレン4.10g(16.37mmol)と、フェニル酢酸塩化物2.78g(18.00mmol)とを、塩化アルミニウム2.62gの存在下に、ジクロロメタン溶媒、50ml中で、氷冷下で1時間反応させた。反応混合物を氷水にあけ、有機層を分液した。回収した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレートした。残渣を酢酸エチル/ヘキサン=1/2の溶離液でシリカゲルカラム精製して、2−フェニルアセチル−9,9−ジ−n−プロピルフルオレンを得た。2−フェニルアセチル−9,9−ジ−n−プロピルフルオレン5.73g(15.55mmol)と、濃塩酸1.60g(15.55mmol)とを、亜硝酸イソブチル2.42g(23.33mmol)の存在下に、ジメチルホルムアミド溶媒25ml中で、氷冷下で3時間反応させた。反応液をエバポレートし、残渣に酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレートして、下記構造の2−[フェニル(ヒドロキシイミノ)アセチル]−9,9−ジ−n−プロピルフルオレンを得た。
2−[フェニル(ヒドロキシイミノ)アセチル]−9,9−ジ−n−プロピルフルオレンの1H−NMRの測定結果は以下の通りであった。
1H−NMR(600MHz,CDCl3,ppm):8.05(s,1H),7.76−7.92(m,2H),7.75(m,2H),7.61(m,2H),7.30−7.41(m,5H),1.92−2.05(m,4H),0.58−0.70(m,10H).
2−[フェニル(ヒドロキシイミノ)アセチル]−9,9−ジ−n−プロピルフルオレン4.64g(11.67mmol)と、無水酢酸1.43g(13.42mmol)と、トリエチルアミン1.36g(13.42mmol)と、ジメチルホルムアミド溶媒45.00mlとを混合し、35℃で3時間撹拌した。室温まで冷却後、反応液に酢酸エチルを加え、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレートした。残渣を酢酸エチル/ヘキサン=2/1の溶離液でシリカゲルカラム精製して、化合物20、4.44g(10.10mmol、収率69%)を得た。化合物20の1H−NMRの測定結果は以下の通りであった。
1H−NMR(600MHz,CDCl3,ppm):7.97(s,1H),7.87(dd,1H),7.74−7.79(m,4H),7.72−7.80(m,1H),7.35−7.52(m,5H),1.95−2.03(m,4H),1.94(s,3H),0.58−0.65(m,10H).
実施例、及び比較例では、(A)重合性基材成分として、以下のA1〜A4を用いた。
A1:下式のエチレン性不飽和基を含むアルカリ可溶性樹脂。
A2:下記合成例8で得られた主鎖に環構造を有する構成単位を含有するポリマー。
A3:下記合成例9で得られた主鎖に環構造を有する構成単位を含有するポリマー。
A4:上記式(a2−2)において、R11がメチル基であるモノマー/メタクリル酸/トリシクロデシルメタクリレート=72/18/10(質量比)、質量平均分子量14000)のアルカリ可溶性樹脂(ただし、上記式(a2−2)において、R11がメチル基であるモノマーは、メタクリル酸3,4−エポキシトリシクロ−[5.2.1.02,6]デカン−8(又は9)−イルの異性体混合物からなる)。
A5:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光重合性モノマー)。
〔合成例8〕
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを用いた。反応槽に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を仕込み、窒素置換した後、撹拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで上げた。
他方、モノマー槽にジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート(MD)40質量部、メタクリル酸(MAA)32質量部、メタクリル酸メチル(MMA)68質量部、メタクリル酸シクロヘキシル(CHMA)60質量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(PBO)2.6質量部、PGMEA40質量部を混合した。
また、連鎖移動剤槽にn−ドデシルメルカプタン5.2質量部、PGMEA27質量部を混合した。
反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー槽及び連鎖移動剤槽から反応槽への滴下を開始し、重合を開始させた。温度を90℃に保ちながら、モノマー槽及び連鎖移動剤槽からの滴下をそれぞれ135分かけて行った。滴下が終了して60分後に昇温を開始して、反応槽の内温を110℃まで上げた。3時間、110℃を維持したあと、反応槽の内容物を室温まで冷却し、A2の溶液を得た。
〔合成例9〕
ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート(MD)40質量部を、N−ベンジルマレイミド40質量部に変更することの他は、合成例8と同様にして、A3の溶液を得た。
実施例、及び比較例では、(C)有彩色の着色剤として、以下のC1〜C9を、表1に記載の質量比で用いた。(C)有彩色の着色剤は、固形分濃度20質量%の分散液として用いた。着色剤の分散液は、分散液の質量に対して2質量%のアクリル樹脂系高分子分散剤(商品名:DisperBYK2001、ビックケミー社製)を含む。さらに、分散液に含まれる溶剤は、3−メトキシブチルアセテートと、プロピレングリコールモノメチルアセテートとの混合溶剤(質量比6:4)である。
C1:C.I.ピグメントレッド254
C2:C.I.ピグメントイエロー139
C3:C.I.ピグメントブルー15:6
C4:C.I.ピグメントバイオレット23
C5:C.I.ピグメントグリーン36
C6:C.I.ピグメントイエロー150
C7:ローダミンB(染料、東京化成工業製)
C8:ベーシックブルー7(染料、東京化成工業製)
C9:ブリリアントグリーン(染料、和光純薬工業製)
実施例、及び比較例では、溶剤として、3−メトキシブチルアセテートと、シクロヘキサノンと、プロピレングリコールモノメチルアセテートとの混合溶媒を用いた。上記(C)有彩色の着色剤が含む溶剤の質量を考慮したうえで、組成物中の全体の溶剤組成比を、3−メトキシブチルアセテート:シクロヘキサノン:プロピレングリコールモノメチルアセテート=3:3:4に調整した。
〔実施例1〜36、及び比較例1〜9〕
表1に記載の種類及び量の(A)重合性基材成分と、表1に記載の種類の(B)光重合開始剤5質量部と、表1に記載の種類及び質量比であり総量50質量部の(C)有彩色の着色剤とを、溶剤中に固形分濃度が15質量%になるように均一に分散・溶解させて、各実施例及び比較例の感光性組成物を得た。
なお、実施例25及び26では、光重合開始剤として、1質量部の化合物6と、4質量部の比較化合物2とを組み合わせて用いた。
各実施例及び比較例の感光性組成物について、以下の方法に従って、パターン剥がれの有無、ポストベークによる着色の評価、異物量の評価を行った。各感光性組成物の評価結果を表2に記す。
[パターン剥離評価]
実施例1〜36、及び比較例1〜9の感光性組成物それぞれについて、以下の手順にて、パターン剥離の評価を行った。
まず、感光性組成物をガラス基板(10cm×10cm)にスピン塗布し、90℃にて120秒間加熱することにより、ガラス基板の表面に膜厚2.0μmの塗布膜を形成した。その後、塗布膜を、露光量50、又は200mJ/cm2で露光した。露光後の膜を、26℃の0.04質量%KOH水溶液で30〜50秒間現像後、30μm寸法・マトリックス形状のパターンを備える着色膜を得た。
得られたパターンについて、顕微鏡を用いて剥離の有無を観察した。パターンの剥離の有無を表2に記す。
[着色評価]
実施例1〜36、及び比較例1〜9の感光性組成物それぞれについて、以下の手順にて、着色評価を行った。
まず、感光性組成物をガラス基板(10cm×10cm)にスピン塗布し、90℃にて120秒間加熱することにより、ガラス基板の表面に1.0μmの塗布膜を形成した。その後、塗布膜を、露光量200mJ/cm2で露光した。露光後の膜を、26℃の0.04質量%KOH水溶液で30〜50秒間現像後、230℃―30分間でポストベークを行った。瞬間マルチ測光システム(MCPD−3000:大塚電子株式会社製)を用いて、ポストベーク前後の塗布膜の380nm〜780nm波長域の透過率の差の絶対値ΔYを測定した。ΔYの値に基づいて、以下の基準に従って着色を評価した。着色評価の結果を表2に記す。
○:ΔYの値が0.5以下
△:ΔYの値が0.5超0.7以下
×:ΔYの値が0.7超
[異物評価]
実施例1〜36、及び比較例1〜9の感光性組成物それぞれについて、以下の手順にて、異物評価を行った。
まず、感光性組成物をガラス基板(680mm×880mm)にスピン塗布し、90℃にて120秒間加熱することにより、ガラス基板の表面に膜厚2.0μmの塗布膜を形成した。その後、塗布膜を、露光量90mJ/cm2で露光した。露光後の膜を、26℃の0.04質量%KOH水溶液で30〜50秒間現像を行い、6μmマトリックスパターンを備える着色膜を得た。
得られた着色膜について、TAKANO社製の外観検査装置を用いて100μm径以上の異物の個数を測定した。異物の個数に基づいて、以下の基準に従って評価した。異物の評価結果を表2に記す。
◎:異物数0
○:異物数1又は2
△:異物数3〜5
×:異物数6以上
表1及び表2によれば、一般式(1)で表されるオキシムエステル化合物を光重合開始剤として含み、且つ有彩色の着色剤を含む実施例の感光性組成物を用いると、基板から剥離し難く、変色の少ない所望の色相を有し、異物の少なく着色膜を形成できることが分かる。
他方、比較例によれば、有彩色の着色剤を含む感光性組成物に、式(1)以外の構造の光重合開始剤を配合する場合、膜形成時の加熱により着色膜が変色しやすく、着色膜中の異物量が多く、着色膜の基板からの剥離が生じやすいことが分かる。