JP2008299211A - カラーフィルタ用硬化性組成物、カラーフィルタ、及びその製造方法 - Google Patents

カラーフィルタ用硬化性組成物、カラーフィルタ、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】着色剤を高濃度に含有する場合であっても高感度で硬化し、良好なパターン形成性を有し、支持体との密着性に優れた着色パターンを形成しうるカラーフィルタ用硬化性組成物、解像力及び支持体との密着性に優れた着色パターンを備えたカラーフィルタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】下記(1)、(2)、(3)及び(4)の各成分を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色硬化性組成物。
(1)側鎖に脂環式(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル共重合体、及び、(メタ)アクリロイル基を0.001〜0.20eq/g有し且つ酸価が10~150である共重合体から選択される少なくとも1種のアルカリ可溶性樹脂
(2)少なくとも、ビイミダゾール化合物、チオール化合物、及び増感色素を含む光重合開始系
(3)エチレン性不飽和二重結合を少なくとも一つ以上有する重合性モノマー又はオリゴマー
(4)着色剤
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタを作製するのに好適なカラーフィルタ用硬化性組成物、カラーフィルタ、及びその製造方法に関する。
カラーフィルタは液晶ディスプレイに不可欠な構成部品である。液晶ディスプレイは、CRTと比較すると、コンパクトであり、且つ、性能面では同等以上であることから、テレビ画面、パソコン画面、その他の表示装置としてCRTに置き換わりつつある。また、近年では、液晶ディスプレイの開発の動向は、画面が比較的小面積であった従来のモニター用途から、画面が大型で高度な画質が求められるTV用途に向かいつつある。
従来、カラーフィルタの製造方法においては、顔料分散法が最も広範に採用されている。顔料分散法を用いたカラーフィルタ製造方法では、例えば、ガラス基板などの透明支持体上にブラックマトリックスを形成し、次いで、赤色等の顔料を分散させた着色硬化性組成物をスピンコート法などにより全面に塗布し、マスクを介して露光する。露光後に現像すると、赤色の画素が得られる。青色、緑色の画素についても同様の手法によって形成することにより、3色の画素が形成される。
また、カラーフィルタについては、これまで以上に広い色再現性があることが要求されている。カラーフィルタの色再現性を向上させるためには、着色層における着色剤含有量を高めて高色純度化する必要がある。また、基板サイズの大型化に伴い、カラーフィルタの生産性の向上が要求されている。カラーフィルタの生産性向上には、露光工程におけるスピードアップも必要である。このためには、低露光量化が要求される。
しかしながら、カラーフィルタ製造において、カラーレジスト中の着色剤含有量の増加は、硬化性組成物中の固形分中に占める光重合開始剤および光重合性モノマーの含有量が制限されてしまい、充分な感度が得られずパターン形成性が低下するという問題がある。また、露光工程における低露光量化もパターン形成性を低下させる。パターン形成性の低下は、得られたカラーフィルタにおけるパターンの欠落や欠損、表面荒れなどの原因となり、延いては液晶パネルの表示不良等の問題を招来する。
このような問題に対して、光重合開始剤、モノマー、重合性基を有する樹脂、エポキシ樹脂、等を組み合わせてなるカラーフィルタ用重合性組成物が開示されている(特許文献1、2参照。)。しかしながら、これらの文献に開示されるカラーフィルタ用重合性組成物は、特に紫外域の吸収が大きく、露光感度が低い緑色画素の形成においてパターン形成性に劣るという問題があった。
特開平11−326624号公報 特開2000−338322号公報
本発明は、前記従来における諸問題を考慮しなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、着色剤を高濃度に含有する場合であっても高感度で硬化し、良好なパターン形成性を有し、支持体との密着性に優れた着色パターンを形成しうるカラーフィルタ用硬化性組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、解像力及び支持体との密着性に優れた着色パターンを備えたカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタの製造方法を提供することにある。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> 下記(1)、(2)、(3)及び(4)の各成分を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色硬化性組成物。
(1)側鎖に脂環式(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル共重合体、及び、(メタ)アクリロイル基を0.001〜0.20eq/g有し且つ酸価が10〜150である共重合体から選択される少なくとも1種のアルカリ可溶性樹脂
(2)少なくとも、ビイミダゾール化合物、チオール化合物、及び増感色素を含む光重合開始系
(3)エチレン性不飽和二重結合を少なくとも一つ以上有する重合性モノマー又はオリゴマー
(4)着色剤
<2> 前記(メタ)アクリロイル基を0.001〜0.20eq/g有し且つ酸価が10〜150である共重合体が、下記一般式(1−1)で表される化合物、下記一般式(1−2)で表される化合物、又は下記一般式(1−3)で表される化合物であることを特徴とする前記<1>に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物。
Figure 2008299211
一般式(1−1)、(1−2)、又は(1−3)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、炭素数1〜18個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルキル基又はアルコキシ基を含むフェニル基、炭素数6〜12個のアリール基、又は炭素数7〜12個のアラルキル基を表す。Rは、炭素数1〜18個のアルキレン基、炭素数1〜4個のアルキル基を含むフェニルカルバミン酸エステル、又は炭素数3〜18個の脂環式基を含むカルバミン酸エステルを表す。Rは、炭素数が2〜16個の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。一般式(1−1)におけるa〜d、一般式(1−2)におけるa〜e、一般式(1−3)におけるa〜eは、繰り返し単位の含有モル比率(モル%)を表す。一般式(1−1)におけるa〜d:bは3〜50を表し、cは3〜40を表し、dは2〜60を表し、a+b+c+d=100である。一般式(1−2)及び一般式(1−3)におけるa〜e:bは0〜85を表し、cは3〜50を表し、dは3〜40を表し、eは2〜60を表し、a+b+c+d+e=100である。nは、2〜16である。
<3> 前記チオール化合物が、単官能チオール化合物であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物。
<4> 前記単官能チオール化合物が、下記一般式(I)で示される化合物であることを特徴とする前記<3>に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物。
Figure 2008299211
一般式(I)中、R10は、アルキル基、又はアリール基を表し、Aは、N=C−Nと共にヘテロ環を形成する原子団を表す。
<5> 前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物用いてなる着色パターンを有することを特徴とするカラーフィルタ。
<6> 支持体上に、前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程と、前記着色硬化性組成物層をマスクを介して露光する工程と、露光後の前記着色硬化性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程と、を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
本発明によれば、着色剤を高濃度に含有する場合であっても高感度で硬化し、良好なパターン形成性を有し、支持体との密着性に優れた着色パターンを形成しうるカラーフィルタ用硬化性組成物を提供することができる。
さらに、本発明の着色硬化性組成物を用いることで、解像力及び支持体との密着性に優れた着色パターンを備えたカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタを高い生産性で製造しうる製造方法を提供することができる。
以下、本発明のカラーフィルタ用着色硬化性組成物、該着色硬化性組成物を用いて作製されたカラーフィルタ及びその製造方法について詳細に説明する。
[カラーフィルタ用着色硬化性組成物]
本発明のカラーフィルタ用着色硬化性組成物は、下記(1)、(2)、(3)及び(4)の各成分を含有する。
(1)側鎖に脂環式(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル共重合体、及び、(メタ)アクリロイル基を0.001〜0.20eq/g有し且つ酸価が10〜150である共重合体から選択される少なくとも1種のアルカリ可溶性樹脂
(2)少なくとも、ビイミダゾール化合物、チオール化合物、及び増感色素を含む光重合開始系
(3)エチレン性不飽和二重結合を少なくとも一つ以上有する重合性モノマー又はオリゴマー
(4)着色剤
本発明のカラーフィルタ用硬化性組成物(以下、単に「硬化性組成物」と称する場合がある。)は、上記の各成分を含有することにより、着色剤を高濃度に含有する場合であっても高感度で硬化し、良好なパターン形成性を有し、支持体との密着性に優れた着色パターンを形成しうる。特に、本発明の着色硬化性組成物は、着色剤を高濃度に含有し且つI線等の露光光の透過率が低い緑色画素を形成するための着色硬化性組成物としても好適に用いることができる。
以下、本発明の着色硬化性組成物に含有される各成分について順次説明する。
<成分(1)>
本発明の着色硬化性組成物は、側鎖に脂環式(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル共重合体、及び、(メタ)アクリロイル基を0.001〜0.20eq/g有し且つ酸価が10〜150である共重合体から選択される少なくとも1種のアルカリ可溶性樹脂を含有する。
(1−1)側鎖に脂環式(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル共重合体
本発明における側鎖に脂環式(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル共重合体は、重合基である脂環式(メタ)アクリロイル基を、(メタ)アクリル共重合体の側鎖に導入してなるアルカリ可溶性樹脂である(以下、適宜、「特定アルカリ可溶性樹脂(1)」と称する)。
脂環式(メタ)アクリロイル基をアクリル共重合体からなる樹脂中に導入する方法としては、例えば、特公昭50−34443号公報、特公昭50−34444号公報等に記載の方法を適用することができる。具体的には、樹脂中のカルボキシル基や水酸基に、例えばエポキシシクロヘキシル基、エポキシシクロペンチル基等の脂環式エポキシ基と(メタ)アクリロイル基とを併せ持つ化合物などを反応させることにより、側鎖に重合基を有する樹脂を得ることができる。
脂環式エポキシ基と(メタ)アクリロイル基とを併せ持つ化合物の好ましい例としては、エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、エポキシシクロペンチルメチル(メタ)アクリレートが挙げられ、このうち最も好ましいのは(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートである。
重合基としての(メタ)アクリロイル基が導入される樹脂骨格は、(メタ)アクリル共重合体である。(メタ)アクリル酸と共重合させうるモノマーとしては、スチレン及びα−メチルスチレン等のα位にアルキル基が置換していてもよいスチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸クロライド、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メタクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミドなどのモノマーを共重合させた共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル共重合体としては、(メタ)アクリル酸及びα位にアルキル基が置換していてもよいスチレンを共重合成分として含有する共重合体が特に好ましい。
樹脂骨格である(メタ)アクリル共重合体において、(メタ)アクリル酸の占める割合は、モル比で0.2〜0.8が好ましく、より好ましくは0.3〜0.7である。また、上記のスチレン等の共重合成分の共重合体中における含有割合は、モル比で0.8〜0.2が好ましく、より好ましくは0.7〜0.3である。
本発明で用いる特定アルカリ可溶性樹脂(1)の、GPCで測定した重量平均分子量は、組成物の塗膜形成性及び安定性の観点から、好ましくは、1,000〜50,000である。また、(メタ)アクリル共重合体に含まれるカルボキシル基等の酸性基の好ましい含有量は、アルカリ現像液に対する溶解性及び感度の観点から、酸価で5〜200程度である。
特定アルカリ可溶性樹脂(1)の具体例としては、例えば、以下のものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2008299211
特定アルカリ可溶性樹脂(1)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(1−2)(メタ)アクリロイル基を0.001〜0.20eq/g有し且つ酸価が10〜150である共重合体
本発明における(メタ)アクリロイル基を0.001〜0.20eq/g有し且つ酸価が10〜150である共重合体は、線状有機高分子であり、有機溶剤及び弱アルカリ水溶液に可溶なアルカリ可溶性樹脂である(以下、適宜、「特定アルカリ可溶性樹脂(2)」と称する)。
特定アルカリ可溶性樹脂(2)における(メタ)アクリロイル基は、硬化性の観点から、0.001〜0.020eq/gであり、好ましくは0.001〜0.015eq/g、より好ましくは0.002〜0.010eq/gである。
また、特定アルカリ可溶性樹脂(2)の酸価は、10〜150であり、好ましくは15〜120、より好ましくは15〜100である。酸価が低すぎると、現像液に対する溶解性が不足し、長時間の現像が必要になったり、パターン形成ができなくなる。逆に酸価が高すぎると、溶剤への溶解性が不足し、塗布液が調製できなかったり、塗布ムラが生じやすくなる。また、適正な現像域を確保できない。特定アルカリ可溶性樹脂(2)の酸価を上記範囲にするためには、例えば、樹脂の側鎖に酸基(カルボキシル基、水酸基等)を結合させる方法が挙げられる。酸基として好ましくは、カルボキシル基又は水酸基である。
中でも、特定アルカリ可溶性樹脂(2)としては、下記一般式(1−1)で表される化合物、一般式(1−2)で表される化合物、及び一般式(1−3)で表される化合物が好ましい。
Figure 2008299211
一般式(1−1)〜一般式(1−3)において、Rは、水素原子又はメチル基を表す。一般式(1−1)〜一般式(1−3)において、複数存在するRは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
一般式(1−1)〜一般式(1−3)において、Rは、炭素数1〜18個(C〜C18)のアルキル基、炭素数1〜4個(C〜C)のアルキル基又はアルコキシ基を含むフェニル基、炭素数6〜12個(C〜C12)のアリール基、又は炭素数7〜12個(C〜C12)のアラルキル基である。
一般式(1−2)又は一般式(1−3)において、複数存在するRは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
で表されるC〜C18のアルキル基としては、直鎖、分岐状、又は環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、3−ブロモプロピル基等が挙げられる。
で表されるフェニル基に含まれるC〜Cのアルキル基としては、上記C〜C18のアルキル基の具体例の中で示した、炭素数1〜4個のアルキル基が挙げられる。また、、Rで表されるフェニル基に含まれるC〜Cのアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
で表されるC〜C12のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
で表されるC〜C12のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基等が挙げられる。
一般式(1−1)〜一般式(1−3)において、Rは、C〜C18のアルキレン基、C〜Cのアルキル基を含むフェニルカルバミン酸エステル、C〜C18の脂環式基を含むカルバミン酸エステルである。
で表されるC〜C18のアルキレン基としては、前記Rで表されるC〜C18のアルキル基から1個の水素を除して2価になったものが挙げられる。
で表されるフェニルカルバミン酸エステルに含まれるC〜Cのアルキル基としては、前記Rで表されるC〜C18のアルキル基の具体例の中で、炭素数1〜4個のものが挙げられる。該フェニルカルバミン酸エステルは、(−OCO−NH−C−)で示される構造であり、上記アルキル基はこのなかのフェニレン基の置換基である。
で表されるカルバミン酸エステルに含まれるC〜C18の脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、イソホロン基、ジシクロヘキシル基等を挙げることができる。該カルバミン酸エステルは、(−NH−COO−)で示される構造であり、上記脂環式基はこの構造とともに2価の基を形成する。
一般式(1−3)におけるRは、炭素数2〜16個の直鎖又は分岐状アルキレン基を表し、具体的には前記RのC〜C18のアルキル基の中の炭素数2〜16個のものから1個の水素を除して2価になったものが挙げられる。
一般式(1−1)におけるa〜d、一般式式(1−2)におけるa〜e、一般式(1−3)におけるa〜eは、繰り返し単位の含有モル比率(モル%)を表す。
一般式(1−1)におけるa〜d:bは3〜50、好ましくは5〜40を表し、cは3〜40、好ましくは10〜30を表し、dは2〜60、好ましくは5〜50を表し、a+b+c+d=100である。
一般式(1−2)及び一般式(1−3)におけるa〜e:bは0〜85、好ましくは0〜80を表し、cは3〜50、好ましくは5〜40を表し、dは3〜40、好ましくは8〜30を表し、eは2〜60、好ましくは2〜50を表し、a+b+c+d+e=100である。nは、2〜16、好ましくは4〜12である。
一般式(1−1)〜一般式(1−3)において、Rがアラルキル基を表す場合が好ましく、より好ましくはベンジル基であり、Rの好ましいものとして、炭素数2〜16個のアルキレン基、下記ジイソシアネートの(NCO)を除いた残基を挙げることができる。好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,4−トルイレンジイソシアネート、O−トルイレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、より好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートが挙げられる。
としては、下記構造のものが好ましい。
−(CH−:nは2〜10の整数を表す。
としては、下記構造のものがより好ましい。
−(CH−:nは2〜6の整数を表す。
特定アルカリ可溶性樹脂(2)の具体例としては、例えば、以下のものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2008299211
Figure 2008299211
特定アルカリ可溶性樹脂(2)は、例えば、特開2002−20442号公報の段落番号[0074]〜[0078]に記載の方法、等により合成できる。
特定アルカリ可溶性樹脂(2)のGPCで測定した重量平均分子量は、好ましくは、10000〜50000の範囲である。
特定アルカリ可溶性樹脂(2)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、本発明における成分(1)として、特定アルカリ可溶性樹脂(1)又は特定アルカリ可溶性樹脂(2)の1一方のみを用いてもよいし、双方を併用してもよい。
本発明の着色硬化性組成物中における成分(1)の含有量としては、パターン形成性、支持体との密着性の観点から着色硬化性組成物の全固形分に対し、0.5〜30.0質量%が好ましく、1.0〜20.0質量%がより好ましく5.0〜15.0質量%が更に好ましい。
<成分(2)>
本発明の着色硬化性組成物は、少なくとも、ビイミダゾール化合物、チオール化合物、及び増感色素を含む光重合開始系を含有する。
(2−1)ビイミダゾール化合物
ビイミダゾール化合物は、光重合開始剤として機能する光により分解し、後述の成分(3)の重合を開始、促進する化合物である。ビイミダゾール化合物としては、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。
ビイミダゾール化合物としては、例えば、ヘキサアリールビイミダゾール化合物等が好ましい。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(O−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(O−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(O−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(O−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(O−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(O−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、等が挙げられる。
−他の光重合開始剤−
本発明の着色硬化性組成物は、その効果を損ねない範囲で、ビイミダゾール化合物以外の他の光重合開始剤を含有してもよい。本発明に適用しうる他の光重合開始剤としては、例えば、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。
他の光重合開始剤として具体的には、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物、などが挙げられる。
本発明の着色硬化性組成物におけるビイミダゾール化合物の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対し、0.1〜10.0質量%が好ましく、1.0〜7.0質量%がより好ましく、2.0〜5.0質量%が更に好ましい。併用系の場合には全光重合開始剤の総含有量に対して30〜90質量%を占めることが好ましく、50〜70質量%が特に好ましい。
(2−2)チオール化合物
チオール化合物は、共増感剤として作用することができるものである。共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
本発明の着色硬化性組成物に含有しうるチオール化合物としては、エチレングリコールビスチオプロピオネート(EGTP)、ブタンジオールビスチオプロピオネート(BDTP)、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート(TMTP)、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(PETP)等の各化合物や、以下に詳述する化合物等が挙げられる。
チオール化合物としては、経時安定性、溶剤への溶解性の観点から、単官能チオール化合物であることが好ましい。
単官能チオールとしては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、βメルカプトナフタレン等の化合物の如きチオール化合物が挙げられる。
また、単官能チオール化合物としては、下記一般式(I)で表される化合物(以下、適宜、「特定チオール化合物」と称する。)が好適である。
Figure 2008299211
一般式(I)中、R10は、アルキル基又はアリール基を表し、Aは、N=C−Nと共にヘテロ環を形成する原子団を表す。
一般式(I)について詳細に説明する。
一般式(I)において、R10は、アルキル基又はアリール基を表す。
10で表されるアルキル基としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を挙げることができ、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基等を挙げることができる。
10で表されるアリール基としては、単環構造のものに加え、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものなどを挙げることができる。その具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナブテニル基、フルオレニル基等を挙げることができ、これらの中では、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
これらのアルキル基やアリール基は、更に置換基を有していてもよく、導入しうる置換基としては、炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素原子数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基、炭素原子数2〜20のアルキニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素原子数7〜20のアリールオキシカルボニルオキシ基、炭素原子数1〜20のカルバモイルオキシ基、炭素原子数1〜20のカルボンアミド基、炭素原子数1〜20のスルホンアミド基、炭素原子数1〜20のカルバモイル基、スルファモイル基、炭素原子数1〜20の置換スルファモイル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1〜20のN−アシルスルファモイル基、炭素原子数1〜20のN−スルファモイルカルバモイル基、炭素原子数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素原子数6〜20のアリールスルホニル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基、アミノ基、炭素原子数1〜20の置換アミノ基、炭素原子数1〜20のイミノ基、炭素原子数3〜20のアンモニオ基、カルボキシル基、スルホ基、オキシ基、メルカプト基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭素原子数6〜20のアリールスルフィニル基、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、炭素原子数6〜20のアリールチオ基、炭素原子数1〜20のウレイド基、炭素原子数2〜20のヘテロ環基、炭素原子数1〜20のアシル基、スルファモイルアミノ基、炭素原子数1〜2の置換スルファモイルアミノ基、炭素原子数2〜20のシリル基、イソシアネート基、イソシアニド基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ニトロ基、オニウム基等が挙げられる。
一般式(I)において、Aは、N=C−Nと共にヘテロ環を形成する原子団を表す。該原子団を構成する原子としては、炭素原子、窒素原子、水素原子、硫黄原子、セレン原子等が挙げられる。
該ヘテロ環は、更に置換基を有していてもよく、導入しうる置換基としては、R10で表されるアルキル基やアリール基に導入可能な置換基と同様のものが挙げられる。
特定チオール化合物としては、硬化性組成物に形成される塗膜の均一性の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶媒に対する溶解度が20g/L以上のものであることが好ましく、より好ましくは20g/L以上50g/L以下であり、更に好ましくは20g/L以上40g/L以下である。
なお、本明細書に記載される特定チオール化合物の溶解度は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶媒5mLに特定チオール化合物を加え、25℃で1時間攪拌したときに特定チオール化合物が溶けなくなる直前の量を測定し、1L当たりの量に換算した値である。
特定チオール化合物としてより好ましくは、下記一般式(II)又は一般式(III)で表される化合物である。
Figure 2008299211
一般式(II)中、R11は、アリール基を表し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基、又はアリール基を表す。
一般式(III)中、R12は、アルキル基、又はアリール基を表し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基、又はアリール基を表す。
一般式(II)又は(III)におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
一般式(II)及び(III)におけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基、フェネチルオキシ基、カルボキシエチルオキシ基、メトキシカルボニルエチルオキシ基、エトキシカルボニルエチルオキシ基、メトキシエトキシ基、フェノキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、モルホリノエトキシ基、モルホリノプロピルオキシ基、アリロキシエトキシエトキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、クメチルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、エトキシフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
一般式(II)及び(III)におけるアルキル基は、一般式(I)においてR10で表されるアルキル基と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
また、一般式(II)及び(III)におけるアリール基は、一般式(I)においてR10で表されるアリール基と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(II)及び(III)における各基は、更に置換基を有していてもよく、その置換基としては、一般式(I)においてR10で表されるアルキル基やアリール基に導入可能な置換基として挙げられているものと同様である。
一般式(II)及び(III)中、Xとしては、水素原子であることが、PGMEA溶解性の観点でより好ましい。
一般式(II)中、R11として、フェニル基であることが、感度とPGMEA溶解性の観点で最も好ましい。
一般式(III)中、R12は、メチル基、エチル基、フェニル基、又はベンジル基であることが、感度とPGMEA溶解性の観点でより好ましい。
一般式(II)及び(III)で表される化合物の中でも、PGMEA溶解性の観点で、一般式(III)で表される化合物が最も好ましい。
以下、特定チオール化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の具体例においては、化学式は簡略構造式により記載することもあり、特に元素や置換基の明示がない実線等は、炭化水素基を表す。また、下記具体例において、Meはメチル基を表す。
Figure 2008299211
Figure 2008299211
Figure 2008299211
これらの特定チオール化合物は、J.Appl.Chem.,34、2203−2207(1961)に記載の方法で合成することができる。
本発明の着色硬化性組成物において、一般式(I)で表される化合物(特定チオール化合物)は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、一般式(II)で表される化合物から選択される化合物と、一般式(III)で表される化合物から選択される化合物と、から選択される化合物と、をそれぞれ併用してもよい。
本発明の着色硬化性組成物におけるチオール化合物の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、硬化性組成物の全固形分の質量に対し、0.5〜30質量%の範囲が好ましく、1〜25質量%の範囲がより好ましく、3〜20質量%の範囲が更に好ましい。
−他の共増感剤−
本発明においては、チオール化合物以外の他の共増感剤を含有してもよい。
本発明において共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な他の共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
他の共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また、他の共増感剤の更に別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)等が挙げられる。
チオール化合物と他の共増感剤を併用する場合、その総含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、硬化性組成物の全固形分の質量に対し、0.2〜30質量%の範囲が好ましく、0.5〜25質量%の範囲がより好ましく、1〜20質量%の範囲が更に好ましい。
(2−3)増感色素
増感色素は、ラジカル開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、含有される。増感色素としては、ラジカル開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
増感色素としては、以下に列挙する化合物類に属しており、且つ300nm〜450nmの波長領域に吸収波長を有するものが挙げられる。好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ330nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、フタロシアニン類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリジンオレンジ、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物などが挙げられる。
より好ましい増感色素の例としては、下記一般式(e−1)〜(e−4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008299211
一般式(e−1)中、Aは硫黄原子又はNR50を表し、R50はアルキル基又はアリール基を表し、Lは隣接するA及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R51、R52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。
Figure 2008299211
一般式(e−2)中、Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基を表し、−L−による結合を介して連結している。Lは−O−又は−S−を表す。また、Wは式(e−1)におけるWと同義である。
Figure 2008299211
一般式(e−3)中、Aは硫黄原子又はNR59を表し、Lは隣接するA及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。
Figure 2008299211
一般式(e−4)中、A及びAはそれぞれ独立に−S−又は−NR62を表し、R62は置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L及びL、はそれぞれ独立に、隣接するA又はAと隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し。R60及びR61はそれぞれ独立に一価の非金属原子団を表し、互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。
増感色素としては、上記に挙げた増感色素の他、下記一般式(IV)〜(VI)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008299211
一般式(IV)又は一般式(V)中、R及びRは、各々独立に一価の置換基を表し、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子又は一価の置換基を表す。nは0〜5の整数を表し、n’は0〜5の整数を表し、n及びn’が両方とも0となることはない。nが2以上である場合、複数存在するRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。n’が2以上である場合、複数存在するRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
一般式(IV)で表される化合物としては、感度及び着色性の観点から、下記一般式(IV−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2008299211
一般式(IV−1)中、R及びRは、各々独立に一価の置換基を表す。nは0〜5の整数を表し、n’は1〜5の整数を表す。nが2以上である場合、複数存在するRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、n’が2以上である場合、複数存在するRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(IV−1)において、R及びRで表される一価の置換基は、前記一般式(IV)においてR及びRで表される一価の置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(IV)又は一般式(V)で表される化合物としては、波長365nmにおけるモル吸光係数εが500mol−1・L・cm−1以上であることが好ましく、波長365nmにおけるεが3000mol−1・L・cm−1以上であることがより好ましく、波長365nmにおけるεが20000mol−1・L・cm−1以上であることが最も好ましい。各波長でのモル吸光係数εの値が上記範囲であると、光吸収効率の観点から感度向上効果が高く好ましい。
一般式(IV)又は一般式(V)で表される化合物の好ましい具体例を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の具体例においては、化学式は簡略構造式により記載することもあり、特に元素や置換基の明示がない実線等は、炭化水素基を表す。また、下記具体例において、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Buはブチル基を、n−Buはn−ブチル基を、Phはフェニル基を表す。
Figure 2008299211
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Figure 2008299211
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Figure 2008299211
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Figure 2008299211
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一般式(VI)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、Xは酸素原子、硫黄原子、又は−N(R)−を表し、Yは酸素原子、硫黄原子、又は−N(R)−を表す。R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の非金属原子団を表し、A、R、R、及びRは、それぞれ互いに結合して、脂肪族性又は芳香族性の環を形成してもよい。
一般式(VI)において、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の非金属原子団を表す。R、R及びRが一価の非金属原子を表す場合、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換の芳香族複素環残基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子であることが好ましい。
一般式(VI)で表される化合物は、光重合開始剤の分解効率向上の観点から、Yは酸素原子、又は−N(R)−が好ましい。Rは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の非金属原子団を表す。更に、Yは−N(R)−であることが最も好ましい。
以下、一般式(VI)で表される化合物の好ましい具体例(VI1)〜(VI124)を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。また、酸性核と塩基性核を結ぶ2重結合による異性体については明らかでなく、本発明はどちらかの異性体に限定されるものでもない。
Figure 2008299211
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Figure 2008299211
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一般式(VI)で表される化合物に関しては、さらに、硬化性組成物の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、当該化合物と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させることで、露光膜の高強度化や、露光後の膜からの増感色素の不要な析出抑制を行うことができる。また、当該化合物と前述した光重合開始剤におけるラジカル発生能を有する部分構造(例えば、ハロゲン化アルキル、オニウム、過酸化物、ビイミダゾール等の還元分解性部位や、ボレート、アミン、トリメチルシリルメチル、カルボキシメチル、カルボニル、イミン等の酸化解裂性部位)との結合により、特に開始系の濃度の低い状態での感光性を著しく高めることができる。
一般式(IV)〜(VI)で表される化合物は、硬化性組成物における着色剤の濃度が非常に高く、形成される着色パターン(感光層)の光の透過率が極端に低くなる場合、具体的には、増感色素を添加せずに形成した場合の感光層の365nmの光の透過率が10%以下となるような場合に添加することで、その効果が顕著に発揮される。特に、一般式(IV)〜(VI)の中でも、一般式(VI)で表される化合物が最も好ましく、具体的には(VI56)〜(VI122)の化合物が最も好ましい。
本発明においては、ラジカル開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、上記した増感色素に加えて他の増感剤を含有していてもよい。
他の増感剤としては、ラジカル開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。他の増感剤としては、300nm〜450nmの波長領域に吸収波長を有するものが挙げられ、好ましくは、330nmから450nm域に吸収波長を有するものである。
増感色素は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色硬化性組成物中における増感色素の含有量は、深部への光吸収効率と開始分解効率の観点から、固形分換算で、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
<成分(3)>
本発明の着色硬化性組成物は、エチレン性不飽和二重結合を少なくとも一つ以上有する重合性モノマー又はオリゴマーを含有する。該モノマー又はオリゴマーは、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。
このような付加重合性化合物の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。
また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。
また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (A)
(ただし、一般式(A)中、R及びRは、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの付加重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、硬化性組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、硬化性組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始系、着色剤(顔料、染料)等、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板等との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明の着色硬化性組成物におけるエチレン性不飽和二重結合を少なくとも一つ以上有する重合性モノマー又はオリゴマーの含有量としては、パターン形成性、基板密着性の観点から、不揮発性成分の総質量に対して、1.0〜30.0質量%が好ましく、より好ましくは5.0〜30.0質量%、更に好ましくは10.0〜25.0質量%である。
<成分(4)>
本発明の着色硬化性組成物は着色剤を含有する。
本発明の着色硬化性組成物に含有される着色剤には特に制限はなく、従来公知の種々の染料や顔料を1種又は2種以上混合して用いることができる。着色剤としては、耐光性の観点から、顔料であることが好ましい。
本発明の着色硬化性組成物に用いることができる顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を用いることができる。また、無機顔料であれ有機顔料であれ、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、なるべく細かいものの使用が好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、上記顔料の平均粒子径は、0.01μm〜0.1μmが好ましく、0.01μm〜0.05μmがより好ましい。また、上記無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
有機顔料としては、例えば、
C.I.ピグメント イエロー 11, 24, 31 ,53, 83, 93, 99, 108, 109, 110, 138, 139, 147, 150, 151, 154, 155, 167, 180, 185, 199;
C.I.ピグメント オレンジ 36, 38, 43, 71;
C.I.ピグメント レッド 81, 105, 122, 149, 150, 155, 171, 175, 176, 177, 209, 220, 224, 242, 254, 255, 264, 270;
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32, 39;
C.I.ピグメント ブルー 1, 2, 15, 15:1, 15:3, 15:6,16, 22, 60, 66;
C.I.ピグメント グリーン 7, 36, 37;
C.I.ピグメント ブラウン 25 28;
C.I.ピグメント ブラック 1, 7;
カーボンブラック等を挙げることができる。
本発明では、特に顔料の構造式中に塩基性のN原子をもつものを好ましく用いることができる。これら塩基性のN原子をもつ顔料は本発明の組成物中で良好な分散性を示す。その原因については十分解明されていないが、感光性重合成分と顔料との親和性の良さが影響しているものと推定される。
本発明において好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
C.I.ピグメント イエロー 11, 24, 108, 109, 110, 138, 139, 150, 151, 154, 167, 180, 185,
C.I.ピグメント オレンジ 36, 71,
C.I.ピグメント レッド 122, 150, 171, 175, 177, 209, 224, 242, 254, 255, 264,
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32,
C.I.ピグメント ブルー 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66,
C.I.ピグメント ブラック 1
これら有機顔料は、単独もしくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。上記組合せの具体例を以下に示す。
例えば、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独又はそれらの少なくとも一種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料又はペリレン系赤色顔料と、の混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド155、C.I.ピグメントレッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメントレッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメントイエロー139との混合が好ましい。また、赤色顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:50が好ましい。100:4以下では400nmから500nmの光透過率を抑えることが困難で色純度を上げることが出来ない場合がある。また100:51以上では主波長が短波長よりになり、NTSC目標色相からのずれが大きくなる場合がある。特に、上記質量比としては、100:10〜100:30の範囲が最適である。尚、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
また、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を単独で、又は、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。例えば、このような例としては、C.I.ピグメントグリーン 7、36、37とC.I.ピグメントイエロー 83、C.I.ピグメントイエロー 138、C.I.ピグメントイエロー 139、C.I.ピグメントイエロー 150、C.I.ピグメントイエロー 180又はC.I.ピグメントイエロー 185との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:150が好ましい。上記質量比が100:5未満では400nm〜450nmの光透過率を抑えることが困難となり色純度を上げることが出来ない場合がある。また100:150を越えると主波長が長波長よりになりNTSC目標色相からのずれが大きくなる場合がある。上記質量比としては100:30〜100:120の範囲が特に好ましい。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料を単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。例えばC.I.ピグメントブルー 15:6とC.I.ピグメントバイオレット 23との混合が好ましい。青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:30が好ましく、より好ましくは100:10以下である。
また、ブラックマトリックス用の顔料としては、カーボン、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン単独又は混合が用いられ、カーボンとチタンカーボンとの組合せが好ましい。また、カーボンとチタンカーボンとの質量比は、100:0〜100:60の範囲が好ましい。100:61以上では、分散安定性が低下する場合がある。
本発明において、着色剤が染料である場合には、組成物中に均一に溶解して硬化性組成物を得ることができる。
本発明の着色硬化性組成物に含有される着色剤として使用できる染料は、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用として公知の染料が使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に開示されている色素が使用できる。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
また、水又はアルカリ現像を行うレジスト系の場合、現像により光未照射部のバインダー及び/又は染料を完全に除去するという観点では、酸性染料c/又はその誘導体が好適に使用できる場合がある。
その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、及び/又は、これらの誘導体等も有用に使用することができる。
酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有するものであれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩基性化合物との塩形成性、吸光度、組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを考慮して選択される。
以下に酸性染料の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。例えば、
acid alizarin violet N;acid black 1,2,24,48;acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40,45,62,70,74,80,83,86,87,90,92,103,112,113,120,129,138,147,158,171,182,192,243,324:1;acid chrome violet K; acid Fuchsin; acid green 1,3,5,9,16,25,27,50;acid orange 6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95;acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274; acid violet 6B,7,9,17,19; acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116,184,243;Food Yellow 3;及びこれらの染料の誘導体が挙げられる。
この中でも酸性染料としては、acid black 24;acid blue 23,25,29,62,80,86,87,92,138,158,182,243,324:1; acid orange 8,51,56,63,74; acid red 1,4,8,34,37,42,52,57,80,97,114,143,145,151,183,217; acid violet 7; acid yellow 17,25,29,34,42,72,76,99,111,112,114,116,184,243; acidgreen 25等の染料及びこれらの染料の誘導体が好ましい。
また、上記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、C.I.Solvent Blue 44、38;C.I.Solvent orange 45;Rhodamine B、Rhodamine 110等の酸性染料及びこれらの染料の誘導体も好ましく用いられる。
なかでも、(d)着色剤としては、トリアリルメタン系、アントラキノン系、アゾメチン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アンスラピリドン系から選ばれる着色剤であることが好ましい。
本発明において使用しうる着色剤は、染料、若しくは、平均粒径r(単位nm)は、20≦r≦300、好ましくは125≦r≦250、特に好ましくは30≦r≦200を満たす顔料が望ましい。このような平均粒径rの顔料を用いることにより、高コントラスト比であり、かつ高光透過率の赤色及び緑色の画素を得ることができる。ここでいう「平均粒径」とは、顔料の一次粒子(単微結晶)が集合した二次粒子についての平均粒径を意味する。
また、本発明において使用しうる顔料の二次粒子の粒径分布(以下、単に「粒径分布」という。)は、(平均粒径±100)nmに入る二次粒子が全体の70質量%以上、好ましくは80質量%以上であることが望ましい。
前記した平均粒径及び粒径分布を有する顔料は、市販の顔料を、場合により使用される他の顔料(平均粒径は通常、300nmを越える。)と共に、好ましくは分散剤及び溶媒と混合した顔料混合液として、例えばビーズミル、ロールミル等の粉砕機を用いて、粉砕しつつ混合・分散することにより調製することができる。このようにして得られる顔料は、通常、顔料分散液の形態をとる。
本発明の着色硬化性組成物に含有される着色剤の含有量としては、硬化性組成物の全固形分中、25〜95質量%であることが好ましく、30〜90質量%がより好ましく、40〜80質量%が更に好ましい。
本発明の着色硬化性組成物は、以上説明した各成分と共に、必要に応じて以下に詳述する成分をさらに含有してもよい。
<分散剤>
本発明の着色硬化性組成物が着色剤として顔料を含有する場合、該顔料の分散性を向上させる観点から、分散剤を添加することが好ましい。
本発明に用いうる分散剤(顔料分散剤)としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。高分子分散剤は、その構造からさらに直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
本発明に用いうる顔料分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル者製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。
これらの分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、特に、顔料誘導体と高分子分散剤とを組み合わせて使用することが好ましい。
本発明における分散剤の含有量としては、顔料に対して、1〜80質量%であることが好ましく、5〜70質量%がより好ましく、10〜60質量%が更に好ましい。
具体的には、高分子分散剤を用いる場合であれば、その使用量としては、顔料に対して、5〜100質量%の範囲が好ましく、10〜80質量%の範囲がより好ましい。また、顔料誘導体を使用する場合であれば、その使用量としては、顔料に対し1〜30質量%の範囲にあることが好ましく、3〜20質量%の範囲にあることがより好ましく、5〜15質量%の範囲にあることが特に好ましい。
本発明において、着色剤としての顔料と分散剤とを用いる場合、硬化感度、色濃度の観点から、着色剤及び分散剤の含有量の総和が、硬化性組成物を構成する全固形分に対して30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、40質量%以上85質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがさらに好ましい。
<バインダーポリマー>
本発明の着色硬化性組成物においては、皮膜特性向上などの目的で、必要に応じて、さらに成分(1)以外のバインダーポリマーを使用することができる。
バインダーポリマーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような「線状有機ポリマー」としては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解もしくはハーフエステル化もしくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等があげられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
アルカリ可溶性樹脂を共重合体として用いる場合、共重合させる化合物として、先にあげたモノマー以外の他のモノマーを用いることもできる。他のモノマーの例としては、下記(1)〜(12)の化合物が挙げられる。
(1)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、ビニルアクリレート、2−フェニルビニルアクリレート、1−プロペニルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパルギルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、ビニルメタクリレート、2−フェニルビニルメタクリレート、1−プロペニルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−アリロキシエチルメタクリレート、プロパルギルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、ビニルアクリルアミド、ビニルメタクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N−ジアリルメタクリルアミド、アリルアクリルアミド、アリルメタクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)α位にヘテロ原子が結合したメタクリル酸系モノマー。例えば、特願2001−115595号明細書、特願2001−115598号明細書等に記載されている化合物を挙げる事ができる。
これらの中で、側鎖にアリル基やビニルエステル基とカルボキシル基を有する(メタ)アクリル樹脂及び特開2000−187322号公報、特開2002−62698号公報に記載されている側鎖に二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂や、特開2001−242612号公報に記載されている側鎖にアミド基を有するアルカリ可溶性樹脂が膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
また、特公平7−12004号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特願平10−116232号等に記載される酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーや、特開2002−107918に記載される酸基と二重結合を側鎖に有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。
また、欧州特許993966、欧州特許1204000、特開2001−318463等に記載の酸基を有するアセタール変性ポリビニルアルコール系バインダーポリマーは、膜強度、現像性のバランスに優れており、好適である。
さらにこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
本発明で使用しうるバインダーポリマーの重量平均分子量としては、好ましくは5、000以上であり、さらに好ましくは1万〜30万の範囲であり、数平均分子量については好ましくは1、000以上であり、さらに好ましくは2、000〜25万の範囲である。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、さらに好ましくは1.1〜10の範囲である。これらのバインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
本発明で用いうるバインダーポリマーは、従来公知の方法により合成できる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上混合して用いられる。
本発明において用いうるバインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が挙げられる。
<重合禁止剤>
本発明においては、硬化性組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、全組成物の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
<密着向上剤>
本発明においては、基材である硬質表面(基板)との密着性を向上させるために、密着向上剤を添加するのが好ましい。密着向上剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、等が挙げられる。
シラン系カップリング剤としては、例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビスアリルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、フェニルトリメトキシシラン、N−(3−アクリロキシ-2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3−メタクリロキシ-2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(メタクリロキシメチル)メチルジエトキシシラン、(アクリロキシメチル)メチルジメトキシシラン、等が挙げられる。
中でもγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、が好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが最も好ましい。
チタン系カップリング剤としては、例えば、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、テトラステアロキシチタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジヒドロキシ・ビス(ラクタト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキサンジオラト)チタン、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、等が挙げられる。
アルミニウム系カップリング剤としては、アルミニウムカップリング剤としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート、アルミニウムエチレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、環状アルミニウムオキサイドイソプロピレート等が挙げられる。
密着向上剤の添加量は、硬化性組成物の全固形分中0.5〜30質%が好ましく、0.7〜20質%がより好ましい。
<その他の添加剤>
さらに、本発明においては、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤、感光層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
<希釈剤>
本発明の着色硬化性組成物は、カラーフィルタの製造に際し支持体上に塗布する際には、種々の有機溶剤に溶かして使用に供されてもよい。
ここで使用する有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。
これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。有機溶剤中の固形分の濃度は、2〜60質量%であることが好ましい。
本発明のカラーフィルタ用硬化性組成物は高感度で硬化し、かつ、保存安定性も良好である。また、硬化性組成物を適用する基板などの硬質材料表面への高い密着性を示す。
[カラーフィルタ及びその製造方法]
次に、本発明のカラーフィルタ及びその製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用硬化性組成物を用いてなる着色パターンを有することを特徴とする。
以下、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法(本発明のカラーフィルタの製造方法)を通じて詳述する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、支持体上に、本発明のカラーフィルタ用着色硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程(以下、適宜「着色硬化性組成物層形成工程」と略称する。)と、前記着色硬化性組成物層をマスクを介して露光する工程(以下、適宜「露光工程」と略称する。)と、露光後の前記硬化性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程(以下、適宜「現像工程」と略称する。)と、を含むことを特徴とする。
具体的には、本発明の着色硬化性組成物を、直接又は他の層を介して支持体(基板)上に塗布して、光重合性組成物層を形成し(着色硬化性組成物層形成工程)、所定のマスクパターンを介して露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させ(露光工程)、現像液で現像することによって(現像工程)、各色(3色あるいは4色)の画素からなるパターン状皮膜を形成し、本発明のカラーフィルタを製造することができる。
以下、本発明の製造方法における各工程について説明する。
<着色硬化性組成物層形成工程>
着色硬化性組成物層形成工程では、支持体(基材)上に、本発明の着色硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する。
本工程に用いうる支持体としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
支持体上への本発明の着色硬化性組成物の塗布方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。
硬化性組成物の塗布膜厚としては、0.1〜10μmが好ましく、0.2〜5μmがより好ましく、0.2〜3μmがさらに好ましい。
支持体上に塗布された硬化性組成物は、通常、70〜110℃で2〜4分程度の条件下で乾燥され、着色硬化性組成物層が形成される。
<露光工程>
露光工程では、前記着色硬化性組成物層形成工程において形成された着色硬化性組成物層をマスクを介して露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させる。
露光は放射線の照射により行うことが好ましく、露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく用いられ、高圧水銀灯がより好まれる。照射強度は5mJ〜1500mJが好ましく10mJ〜1000mJがより好ましく、10mJ〜800mJが最も好ましい。
<現像工程>
露光工程に次いで、アルカリ現像処理(現像工程)を行い、露光工程における光未照射部分をアルカリ水溶液に溶出させる。これにより、光硬化した部分だけが残る。
現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間は20〜90秒である。
現像液に用いるアルカリとしては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7− ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物を濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
なお、本発明の製造方法においては、上述した、硬化性組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要により、形成された着色パターンを加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
以上説明した、着色硬化性組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程(更に、必要により硬化工程)を所望の色相数だけ繰り返すことにより、所望の色相よりなるカラーフィルタが作製される。
本発明のカラーフィルタは、前記本発明の着色硬化性組成物を用いているため、形成された着色パターンが支持体基板との高い密着性を示し、硬化した組成物は耐現像性に優れるため、露光感度に優れ、露光部の基板との密着性が良好であり、かつ、所望の断面形状を与える高解像度のパターンを形成することができる。従って、液晶表示素子やCCD等の固体撮像素子に好適に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS等に好適である。本発明のカラーフィルタは、例えば、CCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」「部」は質量基準である。
[実施例1]
〔1.着色硬化性組成物A−1の調製〕
1−1.顔料分散液(P1)の調製
顔料として、C.I.ピグメントグリーン36とC.I.ピグメントイエロー219との30/70(質量比)混合物40質量部、分散剤としてBYK2001(Disperbyk :ビックケミー(BYK)社製、固形分濃度45.1質量%)10質量部(固形分換算約4.51質量部)、及び溶媒として3−エトキシプロピオン酸エチル150質量部からなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、顔料分散液(P1)を調製した。
得られた顔料分散液(P1)について、顔料の平均粒径を動的光散乱法により測定したところ、200nmであった。
1−2.着色硬化性組成物A−1(塗布液)の調製
下記組成A−1の成分を混合して溶解し着色硬化性組成物A−1を調製した。
<組成A−1>
・顔料分散液(P1) 60部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 4.4部
・2,2’−ビス(O−トリフルオロフェニル)−
4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール 1.0部
・4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェン 0.3部
・チオール化合物A(下記構造) 0.3部
Figure 2008299211
・特定アルカリ可溶性樹脂A(エチレン性不飽和基含有、下記構造) 2.5部
Figure 2008299211
・アルカリ可溶性樹脂 2.5部
(ベンジルメタクリレート(BzMA)/メタクリル酸(MAA)共重合体、
mol比:7/3、Mw:5000)
・エピクロンN−695 0.1部
(O−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業(株)製)

・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 25.9部
〔2.カラーフィルタの作製〕
2−1.着色硬化性組成物層の形成
上記により得られた顔料を含有する着色硬化性組成物A−1をレジスト溶液として、550mm×650mmのガラス基板に下記条件でスリット塗布した後、10分間そのままの状態で待機させ、新しいガラス基板に塗布し、真空乾燥とプレベーク(prebake)(100℃80秒)を施して着色硬化性組成物塗布膜(着色硬化性組成物層)を形成した。
(スリット塗布条件)
塗布ヘッド先端の開口部の間隙:50μm
塗布速度:100mm/秒
基板と塗布ヘッドとのクリヤランス:150μm
塗布厚(乾燥厚):2μm
塗布温度:23℃
2−2.露光、現像
その後、2.5kWの超高圧水銀灯を用いて着色硬化性組成物塗布膜をパターン状に露光し、露光後、塗布膜の全面を有機系現像液(商品名:CD、富士フイルムアーチ(株)製)の10%水溶液で被い、60秒間静止した。
2−3.加熱処理
静止後、純水をシャワー状に噴射して現像液を洗い流し、光硬化処理及び現像処理を施した塗布膜を220℃のオーブンにて1時間加熱した(ポストベーク)。これにより、ガラス基板上に着色パターンを形成してなるカラーフィルタを得た。
〔3.性能評価〕
上記で調製された着色硬化性組成物A−1(塗布液)を用いてガラス基板上に形成された着色硬化性組成物塗布膜(着色層)のパターン形成性、基板密着性、マスク太り量、さらに表面粗度を下記のごとく評価した。結果を表1に示す。
3−1.パターン形成性
形成されたパターンの断面形状を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察した。本評価項目は、下記評価基準に基づいて評価を行った。なお、パターン断面形状は順テーパーが最も好ましく、矩形が次に好ましい。アンダーカット(逆テーパー)は好ましくない。
<評価基準>
○順テーパー: 基板の平面と形成する角度が75度未満のもの
△矩形 : 基板の平面と形成する角度が75度未満のもの
×逆テーパー: 基板の平面と形成する角度が90度を超えるもの
3−2.基板密着性
基板密着性の評価は、パターン欠損が発生しているか否かを、走査電子顕微鏡(SEM)にて観察した。本評価項目は、下記評価基準に基づいて評価した。
<評価基準>
○:パターン欠損がまったく観察されなかった
△:パターン欠損がほとんど観察されなかったが、一部分欠損が観察された
×:パターン欠損が著しく多く観察された
3−3.マスク太り量
マスク太り量は、形成されたパターンの寸法を、寸法計測器(ICRON、オリンパス(株)製)にて測定した。本評価項目は下記評価基準に基づいて評価した。
<評価基準>
○:マスクに対し+5μm以上の太り幅
△:マスクに対し+2μm以上、5μm未満の太り幅
×:マスクに対し+2μm未満の太り幅
3−4.表面粗度
表面粗度は、形成されたパターンの表面粗度をAFM(アトミックフォースマイクロアナライザー)にて計測した。本評価項目は下記評価基準に基づいて評価した
○:Ra=15Å(1.5nm)以下
△:Ra=16Å(1.6nm)以上〜30Å(3.0nm)以下
×:Ra=31Å(3.1nm)以上
[実施例2〜3、比較例1〜3]
実施例1において、着色硬化性組成物A−1の調製に用いた組成A−1中の組成を、下記表1に示されるものに代えた以外は、すべて実施例1と同様にして、着色硬化性組成物A−2〜A−5を調製し、これを用いてなる着色パターンを有するカラーフィルタを得た。さらに、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2008299211
なお、表1中に示される「チオール化合物B」は、以下に示す化合物である。
Figure 2008299211
表1に示されるように、各実施例の着色硬化性組成物を用いて、支持体上で着色パターンを形成した場合には、本発明における成分(1)及び成分(2)のいずれか一方、或いは、両方を含有しない本発明の範囲外の着色硬化性組成物を用いた各比較例に対して、パターン形成性、基板密着性、マスク太り量、表面粗度のいずれの評価においても優れているカラーフィルタが得られていることが判る。

Claims (6)

  1. 下記(1)、(2)、(3)及び(4)の各成分を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色硬化性組成物。
    (1)側鎖に脂環式(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル共重合体、及び、(メタ)アクリロイル基を0.001〜0.20eq/g有し且つ酸価が10〜150である共重合体から選択される少なくとも1種のアルカリ可溶性樹脂
    (2)少なくとも、ビイミダゾール化合物、チオール化合物、及び増感色素を含む光重合開始系
    (3)エチレン性不飽和二重結合を少なくとも一つ以上有する重合性モノマー又はオリゴマー
    (4)着色剤
  2. 前記(メタ)アクリロイル基を0.001〜0.20eq/g有し且つ酸価が10〜150である共重合体が、下記一般式(1−1)で表される化合物、下記一般式(1−2)で表される化合物、又は下記一般式(1−3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物。
    Figure 2008299211
    (一般式(1−1)、(1−2)、又は(1−3)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、炭素数1〜18個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルキル基又はアルコキシ基を含むフェニル基、炭素数6〜12個のアリール基、又は炭素数7〜12個のアラルキル基を表す。Rは、炭素数1〜18個のアルキレン基、炭素数1〜4個のアルキル基を含むフェニルカルバミン酸エステル、又は炭素数3〜18個の脂環式基を含むカルバミン酸エステルを表す。Rは、炭素数が2〜16個の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。一般式(1−1)におけるa〜d、一般式(1−2)におけるa〜e、一般式(1−3)におけるa〜eは、繰り返し単位の含有モル比率(モル%)を表す。一般式(1−1)におけるa〜d:bは3〜50を表し、cは3〜40を表し、dは2〜60を表し、a+b+c+d=100である。一般式(1−2)及び一般式(1−3)におけるa〜e:bは0〜85を表し、cは3〜50を表し、dは3〜40を表し、eは2〜60を表し、a+b+c+d+e=100である。nは、2〜16である。)
  3. 前記チオール化合物が、単官能チオール化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物。
  4. 前記単官能チオール化合物が、下記一般式(I)で示される化合物であることを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物。
    Figure 2008299211
    (一般式(I)中、R10は、アルキル基、又はアリール基を表し、Aは、N=C−Nと共にヘテロ環を形成する原子団を表す。)
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物用いてなる着色パターンを有することを特徴とするカラーフィルタ。
  6. 支持体上に、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程と、前記着色硬化性組成物層をマスクを介して露光する工程と、露光後の前記着色硬化性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程と、を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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