JP4832973B2 - カラーフィルタ用硬化性組成物、カラーフィルタ、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
液晶ディスプレイは、表示装置としてCRTと比較すると、コンパクトであり、且つ、性能面では同等以上であることから、テレビ画面、パソコン画面、その他の表示装置としてCRTに置き換わりつつある。また、近年では、液晶ディスプレイの開発の動向は、画面が比較的小面積であった従来のモニター用途から、画面が大型で高度な画質が求められるTV用途に向かいつつある。
また、感度向上の目的で、多官能チオール化合物を用いることも提案されているが(特許文献2参照)、この化合物は保存安定性が悪いという問題がある。
また、カラーフィルタの如く着色剤を高濃度に含有する場合は、さらに露光が支持体界面まで到達しにくいことから、更なる高感度化が望まれている。しかし未だ、高感度で硬化し、良好なパターン形成性を有するカラーフィルタ用硬化性組成物が提供されていないのが現状である。
すなわち、本発明の目的は、着色剤を高濃度に含有する場合であっても、高感度で硬化し、良好なパターン形成性を有し、経時安定性に優れ、支持体との密着性に優れた着色パターンを形成しうるカラーフィルタ用硬化性組成物を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、本発明の硬化性組成物を用いてなる解像力及び支持体との密着性に優れた着色パターンを備えたカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタを高い生産性で製造しうる製造方法を提供することにある。
<3>アルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする前記<1>または<2>に記載のカラーフィルタ用硬化性組成物。
<5>支持体上に、前記<1>乃至<4>のいずれかに記載のカラーフィルタ用硬化性組成物を用いてなる着色パターンを有することを特徴とするカラーフィルタ。
<6>支持体上に、前記<1>乃至<4>のいずれかに記載のカラーフィルタ用硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程と、前記着色硬化性組成物層をマスクを介して露光する工程と、露光後の前記着色硬化性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程と、を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
さらに、本発明の硬化性組成物を用いることで、解像力及び支持体との密着性に優れた着色パターンを備えたカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタを高い生産性で製造しうる製造方法を提供することができる。
本発明のカラーフィルタ用硬化性組成物は、(a)下記一般式(I)で示される化合物(以下、適宜「特定チオール化合物」と称する。)と、(b)重合性化合物と、(c)ビイミダゾール系化合物と、(d)着色剤と、を含有することを特徴とする。
以下、本発明のカラーフィルタ用硬化性組成物(以下、単に「硬化性組成物」と称する場合がある。)に含有される各成分について順次説明する。
本発明の硬化性組成物に含まれる特定チオール化合物は、下記一般式(I)で表され、共増感剤として作用することができるものである。共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
前記アルキル基としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を挙げることができ、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基等を挙げることができる。
この原子団を構成する原子としては、炭素原子、窒素原子、水素原子、硫黄原子、セレン原子等が挙げられる。
なお、AとN=C−Nとで形成されるヘテロ環は、更に置換基を有していてもよく、導入しうる置換基としては、上記アルキル基やアリール基に導入可能な置換基と同様のものが挙げられる。
また、一般式(II)及び(III)におけるアリール基は、一般式(I)のRで表されるアリール基と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(II)中、R1は、フェニル基であることが、感度とPGMEA溶解性の観点で最も好ましい。
一般式(III)中、R2は、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基であることが、感度とPGMEA溶解性の観点でより好ましい。
なお、本明細書においては、化学式は簡略構造式により記載することもあり、特に元素や置換基の明示がない実線等は、炭化水素基を表す。また、下記具体例において、Meはメチル基を表す。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶媒5mLに特定チオール化合物を加え、25℃で1時間攪拌したときに特定チオール化合物が溶けなくなる直前の量を溶解度とした。
本発明に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。
これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。
また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
(ただし、一般式(A)中、R4及びR5は、H又はCH3を示す。)
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、硬化性組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、着色剤(顔料、染料)等、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板等との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明の硬化性組成物は重合開始剤として光重合開始剤であるビイミダゾール系化合物を含有する。
本発明における光重合開始剤は、光により分解し、前述の重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。また、光重合開始剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩が、アリロキシ基、アリールチオ基を置換基に有する300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は着色剤を含有する。
本発明の硬化性組成物に含有される着色剤には特に制限はなく、従来公知の種々の染料や顔料を1種又は2種以上混合して用いることができる。該着色剤としては、耐光性の観点から、顔料であることが好ましい。
C.I.ピグメント イエロー 11, 24, 31, 53, 83, 93, 99, 108, 109, 110, 138, 139, 147, 150, 151, 154, 155, 167, 180, 185, 199, ;
C.I.ピグメント オレンジ36, 38, 43, 71;
C.I.ピグメント レッド81, 105, 122, 149, 150, 155, 171, 175, 176, 177,209, 220, 224, 242, 254, 255, 264, 270;
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32, 39;
C.I.ピグメント ブルー 1, 2, 15, 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66;
C.I.ピグメント グリーン 7, 36, 37;
C.I.ピグメント ブラウン 25, 28;
C.I.ピグメント ブラック 1, 7;
カーボンブラック等を挙げることができる。
C.I.ピグメント オレンジ36, 71,
C.I.ピグメント レッド 122, 150, 171, 175, 177, 209, 224, 242, 254, 255, 264,
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32,
C.I.ピグメント ブルー 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66,
C.I.ピグメント ブラック 1
本発明の硬化性組成物に含有される着色剤として使用できる染料は、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用として公知の染料が使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に開示されている色素が使用できる。
その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、および/または、これらの誘導体等も有用に使用することができる。
以下に酸性染料の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。例えば、
acid alizarin violet N;acid black 1,2,24,48;acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40,45,62,70,74,80,83,86,87,90,92,103,112,113,120,129,138,147,158,171,182,192,243,324:1;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green 1,3,5,9,16,25,27,50;acid orange 6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95;acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274;acid violet 6B,7,9,17,19;acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116,184,243;Food Yellow 3;およびこれらの染料の誘導体が挙げられる。
また、上記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、C.I.Solvent Blue 44、38;C.I.Solvent orange 45;Rhodamine B、Rhodamine 110等の酸性染料およびこれらの染料の誘導体も好ましく用いられる。
また、本発明において使用しうる顔料の二次粒子の粒径分布(以下、単に「粒径分布」という。)は、(平均粒径±100)nmに入る二次粒子が全体の70質量%以上、好ましくは80質量%以上であることが望ましい。
着色剤が少なすぎると、本発明の硬化性組成物によりカラーフィルタを作製した際に、適度な色度が得られなくなる傾向がある。一方、多すぎると光硬化が充分に進まず膜としての強度が低下したり、また、アルカリ現像の際の現像ラチチュードが狭くなる傾向がある。
本発明の硬化性組成物は、ラジカル開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、(e)増感色素を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる増感色素としては、ラジカル開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
本発明に用いることができる増感色素としては、以下に列挙する化合物類に属しており、且つ300nm〜450nmの波長領域に吸収波長を有するものが挙げられる。
好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ330nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、フタロシアニン類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリジンオレンジ、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物などが挙げられる。
より好ましい増感色素の例としては、下記一般式(e−1)〜(e−4)で表される化合物が挙げられる。
増感色素は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本明細書においては、化学式は簡略構造式により記載することもあり、特に元素や置換基の明示がない実線等は、炭化水素基を表す。また、下記具体例において、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Buはブチル基を、n−Buはn−ブチル基を、Phはフェニル基を表す。
例えば、当該増感色素と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させることで、露光膜の高強度化や、露光後の膜からの増感色素の不要な析出抑制を行うことができる。
また、当該増感色素と前述する光重合開始剤におけるラジカル発生能を有する部分構造(例えば、ハロゲン化アルキル、オニウム、過酸化物、ビイミダゾール等の還元分解性部位や、ボレート、アミン、トリメチルシリルメチル、カルボキシメチル、カルボニル、イミン等の酸化解裂性部位)との結合により、特に開始系の濃度の低い状態での感光性を著しく高めることができる。
本発明の硬化性組成物が(d)着色剤として顔料を含有する場合、該顔料の分散性を向上させる観点から、(f)分散剤を添加することが好ましい。
高分子分散剤は、その構造からさらに直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
具体的には、高分子分散剤を用いる場合であれば、その使用量としては、顔料に対して、5〜100質量%の範囲が好ましく、10〜80質量%の範囲がより好ましい。また、顔料誘導体を使用する場合であれば、その使用量としては、顔料に対し1〜30質量%の範囲にあることが好ましく、3〜20質量%の範囲にあることがより好ましく、5〜15質量%の範囲にあることが特に好ましい。
本発明の硬化性組成物においては、皮膜特性向上などの目的で、必要に応じて、さらにバインダーポリマーを使用することができる。バインダーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような「線状有機ポリマー」としては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解もしくはハーフエステル化もしくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸および酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等があげられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、ビニルアクリレート、2−フェニルビニルアクリレート、1−プロペニルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパルギルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、ビニルアクリルアミド、ビニルメタクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N−ジアリルメタクリルアミド、アリルアクリルアミド、アリルメタクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)α位にヘテロ原子が結合したメタクリル酸系モノマー。例えば、特願2001−115595号明細書、特願2001−115598号明細書等に記載されている化合物を挙げる事ができる。
また、欧州特許993966、欧州特許1204000、特開2001−318463等に記載の酸基を有するアセタール変性ポリビニルアルコール系バインダーポリマーは、膜強度、現像性のバランスに優れており、好適である。
さらにこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
これらのバインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
本発明において用いうるバインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、前述の(a)特定チオール化合物以外の共増感剤を含有することも好ましい。本発明において共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物には、本発明の効果を損ねない範囲で、ラジカル開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、前述の(e)増感色素に加えて(i)他の増感剤を含有していてもよい。
本発明に用いることができる他の増感剤としては、ラジカル開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
本発明に用いることができる他の増感剤としては、300nm〜450nmの波長領域に吸収波長を有するものが挙げられる。
好ましい他の増感剤の例としては、330nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
本発明においては、硬化性組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
本発明においては、基材である硬質表面(基板)との密着性を向上させるために、密着向上剤を添加するのが好ましい。密着向上剤としては、シラン系カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
中でもγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、が好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが最も好ましい。
さらに、本発明においては、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤、感光層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
本発明の硬化性組成物は、カラーフィルタの製造に際し支持体上に塗布する際には、種々の有機溶剤に溶かして使用に供されてもよい。
ここで使用する有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。
これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。有機溶剤中の固形分の濃度は、2〜60質量%であることが好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタ及びその製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタは、支持体上に、本発明のカラーフィルタ用硬化性組成物を用いてなる着色パターンを有することを特徴とする。
以下、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法(本発明のカラーフィルタの製造方法)を通じて詳述する。
以下、本発明の製造方法における各工程について説明する。
着色硬化性組成物層形成工程では、支持体上に、本発明の硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
露光工程では、前記着色硬化性組成物層形成工程において形成された着色硬化性組成物層をマスクを介して露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させる。
露光は放射線の照射により行うことが好ましく、露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく用いられ、高圧水銀灯がより好まれる。照射強度は5mJ〜1500mJが好ましく10mJ〜1000mJがより好ましく、10mJ〜800mJが最も好ましい。
露光工程に次いで、アルカリ現像処理(現像工程)を行い、露光工程における光未照射部分をアルカリ水溶液に溶出させる。これにより、光硬化した部分だけが残る。
現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間は20〜90秒である。
化合物1〜8は、前述したとおり「J.Appl.Chem.,34、2203−2207(1961)」に記載の方法で合成した。
〔1.着色硬化性組成物A−1の調製〕
ここでは、液晶表示素子用途のカラーフィルタ形成用として着色剤(顔料)を含有する着色硬化性組成物A−1を調整した例を挙げて説明する。
顔料として、C.I.ピグメントグリーン36とC.I.ピグメントイエロー219との30/70(質量比)混合物40質量部、分散剤としてBYK2001(Disperbyk :ビックケミー(BYK)社製、固形分濃度45.1質量%)10質量部(固形分換算約4.51質量部)、および溶媒として3−エトキシプロピオン酸エチル150質量部からなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、顔料分散液(P1)を調製した。
得られた顔料分散液(P1)について、顔料の平均粒径を動的光散乱法により測定したところ、200nmであった。
下記組成A−1の成分を混合して溶解し着色硬化性組成物A−1を調製した。
<組成A−1>
・顔料分散液(P1) 600質量部
・アルカリ可溶性樹脂
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシエチル
メタクリレート共重合体、mol比:80/10/10、
Mw:10000) 200質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔(b)重合性化合物〕 60質量部
・2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニ
ル−1,2’−ビイミダゾール〔(c)重合開始剤〕 60質量部
・化合物1〔(a)特定チオール化合物〕 40質量部
・4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノン〔(e)増感色素〕 40質量部
・界面活性剤:(商品名:テトラニック150R1、BASF社) 1質量部
・溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1000質量部
・γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 5質量部
2−1.硬化性組成物層の形成
上記により得られた顔料を含有する着色硬化性組成物A−1をレジスト溶液として、550mm×650mmのガラス基板に下記条件でスリット塗布した後、10分間そのままの状態で待機させ、新しいガラス基板に塗布し、真空乾燥とプレベーク(prebake)(100℃80秒)を施して着色硬化性組成物塗布膜(着色硬化性組成物層)を形成した。
(スリット塗布条件)
塗布ヘッド先端の開口部の間隙:50μm
塗布速度:100mm/秒
基板と塗布ヘッドとのクリヤランス:150μm
塗布厚(乾燥厚):2μm
塗布温度:23℃
その後、2.5kWの超高圧水銀灯を用いて着色硬化性組成物塗布膜をパターン状に露光し、露光後、塗布膜の全面を有機系現像液(商品名:CD、富士フイルムアーチ(株)製)の10%水溶液で被い、60秒間静止した。
静止後、純水をシャワー状に噴射して現像液を洗い流し、かかる光硬化処理及び現像処理を施した塗布膜を220℃のオーブンにて1時間加熱した(ポストベーク)。これにより、ガラス基板上に着色パターンを形成しカラーフィルタを得た。
上記で調製された着色硬化性組成物A−1(塗布液)の保存安定性、及び該着色硬化性組成物A−1を用いてガラス基板上に形成された着色硬化性組成物塗布膜(着色層)の露光感度、基板密着性、現像性、さらに、着色パターンの断面形状を下記のようにして評価した。結果を表3に示す。
着色硬化性組成物塗布液を室温で1ケ月保存した後、異物の析出度合いを目視により下記判定基準に従って評価した。
<判定基準>
○:析出は認められなかった。
△:僅かに析出が認められた。
×:析出が認められた。
着色硬化性組成物A−1(塗布液)をガラス基板上に塗布後乾燥して膜厚1.0μmとした。スピンコート条件は300rpmで5秒の後、800rpmで20秒とし、乾燥条件は100℃で80秒とした。次に、線幅2.0μmのテスト用のフォトマスクを用い、10〜1600mJ/cm2の種々の露光量で露光した。次に、60%CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)現像液を使用して、25℃、60秒間の条件で現像した。その後、流水で20秒間リンスした後、スプレー乾燥しパターニングを完了した。露光工程において光が照射された領域の現像後の膜厚が、露光前の膜厚100%に対して95%以上であった最小の露光量を露光感度として評価した。露光感度の値が小さいほど感度が高いことを示す。
200℃のオーブンで5分間加熱した(ポストベーク)後の基板表面および断面形状を光学顕微鏡およびSEM写真観察により通常の方法で確認することにより、現像性、基板密着性、パターン断面形状、の評価を行った。評価方法の詳細は以下の通りである。
露光工程において、光が照射されなかった領域(未露光部)の残渣の有無を観察し、現像性を評価した。
○:未露光部には、残渣がまったく確認されなかった。
△:未露光部に、残渣がわずかに確認されたが、実用上問題のない程度であった。
×:未露光部に、残渣が著しく確認された。
基板密着性の評価として、パターン欠損が発生しているか否かを観察した。これらの評価項目については、下記基準に基づいて評価を行った
○:パターン欠損がまったく観察されなかった。
△:パターン欠損がほとんど観察されなかったが、一部分欠損が観察された。
×:パターン欠損が著しく観察された。
形成されたパターンの断面形状を観察した。パターン断面形状は順テーパーが最も好ましく、矩形が次に好ましい。逆テーパーは好ましくない。
実施例1−1において、着色硬化性組成物A−1の調製に用いた組成A−1中の特定チオール化合物、光重合開始剤、及び増感色素を、下記表3に示されるものに代えた以外は、すべて実施例1−1と同様にして、着色硬化性組成物A−2〜A−12を調製し、これを用いてなる着色パターンを有するカラフィルタを得た。さらに、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
実施例1−1において、着色硬化性組成物A−1の調製に用いた組成A−1を、下記組成B−1に変更した以外は、すべて実施例1−1と同様にして、比較用着色硬化性組成物B−1を調製すると共に、着色パターンを形成してカラーフィルタを得た。さらに、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
・顔料分散液(P1) 600質量部
・アルカリ可溶性樹脂
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシエチル
メタクリレート共重合体、mol比:80/10/10、
Mw:10000、) 200質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔(b)重合性化合物〕
60質量部
・1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−2−(O−ベンゾイルオキシム)
〔(c)重合開始剤〕 140質量部
・溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1000質量部
・界面活性剤(商品名:テトラニック150R1、BASF社) 1質量部
実施例1−1において調製した着色硬化性組成物A−1において、特定チオール化合物、光重合開始剤、及び増感色素を、下記表3に示される比較化合物、光重合開始剤、及び増感色素に代えた以外は、すべて実施例1−1と同様にして、比較用着色硬化性組成物B−2〜B−4を調製し、これを用いてなる着色パターンを有するカラーフィルタを得た。さらに、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
D1: 2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ
フェニル−1,2’−ビイミダゾール
D2: 1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−2−(O−ベンゾイルオキシ
ム)
D3: 4−ベンズオキソラン−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリア
ジン
〔1.レジスト液の調製〕
下記組成の成分を混合して溶解し、レジスト液を調製した。
−レジスト液の組成−
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 19.20質量部
(PGMEA)
・乳酸エチル 36.67質量部
・樹脂 30.51質量部
〔メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル共重合体(モル比=60/22/18)の40%PGMEA溶液〕
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 12.20質量部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) 0.0061質量部
・フッ素系界面活性剤 0.83質量部
(F−475、大日本インキ化学工業(株)製)
・光重合開始剤 0.586質量部
(TAZ−107(トリハロメチルトリアジン系の光重合開始剤)、みどり化学
社製)
6inchシリコンウエハーをオーブン中で200℃のもと30分加熱処理した。次いで、このシリコンウエハー上に前記レジスト液を乾燥膜厚が2μmになるように塗布し、更に220℃のオーブン中で1時間加熱乾燥させて下塗り層を形成し、下塗り層付シリコンウエハー基板を得た。
下記組成C−1の化合物を混合して溶解し、着色感光性樹脂組成物C−1を調製した。
<組成C−1>
・シクロヘキサノン(溶剤) 80質量部
・C.I.Acid Blue 108〔(d)着色剤〕 7.5質量部
・C.I.ソルベントイエロー162〔(d)着色剤〕 2.5質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアク
リレートとの3:7の混合物〔(b)重合性化合物〕 7.0質量部
・2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニ
ル−1,2’−ビイミダゾール〔(c)重合開始剤〕 1質量部
・化合物1〔(a)特定チオール化合物〕 0.8質量部
・4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノン〔(e)増感色素〕0.7質量部
・グリセロールプロポキシレート 0.5質量部
(数平均分子量Mn:1500、モル吸光係数ε=0、無色化合物)
着色硬化性組成物C−1を室温で1ケ月保存した後、異物の析出度合いを目視により下記判定基準に従って評価した。
<判定基準>
○:析出は認められなかった。
△:僅かに析出が認められた。
×:析出が認められた。
前記3.で調製した着色硬化性組成物C−1を、前記2.で得られた下塗り層付シリコンウエハー基板の下塗り層上に塗布し、光硬化性の塗布膜を形成した。そして、この塗布膜の乾燥膜厚が0.9μmになるように、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行なった。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して365nmの波長でパターンが2μm四方のIslandパターンマスクを通して10〜1600mJ/cm2の露光量で照射した。
その後、照射された塗布膜が形成されているシリコンウエハー基板をスピン・シャワー現像機(DW−30型、(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて23℃で60秒間パドル現像を行ない、シリコンウエハー基板に着色パターンを形成した。
露光工程において光が照射された領域の現像後の膜厚が、露光前の膜厚100%に対して95%以上であった最小の露光量を露光感度として評価した。露光感度の値が小さいほど感度が高いことを示す。またその際の、測長SEM「S−9260A」(日立ハイテクノロジーズ(株)製)を用いて、着色パターンのサイズを測定した。パターンサイズが2μmに近いほど、硬化性が充分で感度が良好であることを示す。
測定評価の結果を下記表4に示す。
基板密着性の評価として、パターン欠損が発生しているか否かを観察した。これらの評価項目については、下記基準に基づいて評価を行った
○:パターン欠損がまったく観察されなかった。
△:パターン欠損がほとんど観察されなかったが、一部分欠損が観察された。
×:パターン欠損が著しく観察された。
形成されたパターンの断面形状を観察した。パターン断面形状は順テーパーが最も好ましく、矩形が次に好ましい。逆テーパーは好ましくない。
実施例2−1において、着色硬化性組成物C−1の調製に用いた組成C−1を、下記組成E−1に変更した以外は、すべて実施例2−1と同様にして、比較用の着色硬化性組成物E−1を調製すると共に、着色パターンを形成してカラーフィルタを得た。さらに、実施例2−1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
・シクロヘキサノン 80質量部
・着色剤C.I.Acid Blue 108 7.5質量部
・着色剤C.I.ソルベントイエロー162 2.5質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアク
リレートとの3:7の混合物〔(b)重合性化合物〕 7.0質量部
・オキシム系光重合開始剤
(Irgacure OXE01、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、光
重合開始剤) 2.5質量部
・グリセロールプロポキシレート(数平均分子量Mn:1500)0.5質量部
実施例2−1において、着色硬化性組成物C−1の調製に用いた組成C−1中の特定チオール化合物、光重合開始剤、増感色素を、下記表4に示すようにそれぞれ変更した以外は、実施例2−1と同様にして、着色硬化性組成物C−2〜C−14及び比較用着色硬化性組成物C−15〜C−17を調製すると共に、着色パターンの形成、及び評価を行なった。結果を下記表4に示す。
実施例2−1において、着色硬化性組成物C−1の調製に用いた組成C−1を、下記組成D−1に変更した以外は、すべて実施例2−1と同様にして、着色硬化性組成物D−1及び比較用の着色硬化性組成物D−2を調製すると共に、着色パターンを形成してカラーフィルタを得た。さらに、実施例2−1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
・シクロヘキサノン 80質量部
・着色剤C.I.PigmentRed 254 6.0質量部
・着色剤C.I.PigmentYellow 139 4.0質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアク
リレートとの3:7の混合物〔(b)重合性化合物〕 7.0質量部 ・2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニ
ル−1,2’−ビイミダゾール〔(c)重合開始剤〕 1質量部
・化合物1〔(a)特定チオール化合物〕 0.8質量部
・4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノン〔(e)増感色素〕0.8質量部
・グリセロールプロポキシレート(数平均分子量Mn:1500)0.5質量部
実施例2−1において、着色硬化性組成物C−1の調製に用いた組成C−1を、下記組成F−1に変更した以外は、すべて実施例2−1と同様にして、比較用の着色硬化性組成物F−1を調製すると共に、着色パターンを形成してカラーフィルタを得た。さらに、実施例2−1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
・シクロヘキサノン 80質量部
・着色剤C.I.PigmentRed 254 6.0質量部
・着色剤C.I.PigmentYellow 139 4.0質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアク
リレートとの3:7の混合物〔(b)重合性化合物〕 7.0質量部
・オキシム系光重合開始剤
(Irgacure OXE01、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、光
重合開始剤) 2.5質量部 ・グリセロールプロポキシレート
(数平均分子量Mn:1500、モル吸光係数ε=0、本発明に係る無色化合
物) 0.5質量部
Claims (6)
- (a)下記一般式(I)で示される化合物と、(b)重合性化合物と、(c)ビイミダゾール系化合物と、(d)着色剤と、を含有するカラーフィルタ用硬化性組成物。
(一般式(I)中、Rは、アルキル基、又はアリール基を表し、Aは、N=C−Nと共にヘテロ環を形成する原子団を表す。) - 増感色素を含有することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用硬化性組成物。
- アルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ用硬化性組成物。
- 前記一般式(I)で示される化合物の、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶媒に対する溶解度が20g/L以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用硬化性組成物。
- 支持体上に、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用硬化性組成物を用いてなる着色パターンを有することを特徴とするカラーフィルタ。
- 支持体上に、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程と、前記着色硬化性組成物層をマスクを介して露光する工程と、露光後の前記着色硬化性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程と、を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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