JP5266810B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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本発明は、スイッチング素子を有した電力変換装置に関するものである。
従来、直流電圧を交流電圧に変換するインバータや交流電圧を直流電圧に変換するコンバータなどの電力変換装置として、複数のスイッチング素子によって電力変換動作を行うものが知られている。そして、このようなインバータのスイッチング素子をSiC半導体ディバイスにより構成した例がある(例えば特許文献1を参照)。
上述のSiC半導体などのようなワイドバンドギャップ半導体は、絶縁破壊電界が従来のSi半導体(Siの結晶を使った半導体)に比べて高いため(SiC半導体では約10倍高い)、素子の高耐圧化が容易になり、同じ耐圧であれば、Si半導体の場合に比べてディバイスの厚みを薄くできるため、導通損失が小さく且つ小型の素子にすることができる。
また、上記ワイドバンドギャップ半導体は、高速動作や高温(例えば200℃)での動作が可能であるため、高速動作により装置全体の高効率化を図れるとともに、高温での動作が可能であることにより冷却構造を簡略化でき、これにより装置の小型化を図れる。
また、このような、電力変換装置では、前記の半導体以外にもコンデンサなどの素子も使用される。例えばスイッチング素子を駆動する駆動回路には、電圧の平滑やノイズを除去するためのコンデンサが配置される。具体的には、周波数特性の良いセラミックコンデンサと電解コンデンサを並列に配置する構成が広く用いられている。
また、インバータには、スイッチング素子を6つ備えたいわゆる6素子インバータがあり、6素子インバータでは、スイッチング素子を駆動する駆動回路の電源として、一般に基準電位の異なる4個の電源が必要となる。しかしながら、4個の独立電源を用意するのはコストアップにつながるので、下アームのスイッチング素子の駆動回路に電力を供給する1個の電源により、上アームの3個のスイッチング素子の駆動回路に電力を供給する、ブートストラップ回路が広く使われている。ブートストラップ回路は、上アームのスイッチング素子を駆動する駆動回路に接続されたコンデンサにダイオードを接続して構成され、ダイオードはシリコンを主材料とした高速リカバリダイオードなどが使われている。
特開2000−224867号公報
上述の通り、上記ワイドバンドギャップ半導体は、高速動作や高温(例えば200℃)での動作が可能であるため、その高速動作により、電力変換装置においても高効率化を図れるとともに、高温条件下でも動作させることができると考えられる。現在広く使われているSiディバイスの動作温度は150℃程度が上限だが、SiCディバイスは200℃以上でも動作する。そのため、SiCディバイスの近くには既存の駆動回路は配置できない。従来の駆動回路を使用するには、SiCディバイスと駆動回路間を断熱する必要がある。
このようにSiCディバイスと駆動回路間を断熱するには、断熱材を使用する、距離を離すといった方法が考えられる。しかしながら、断熱材を使用するとコストアップとなる。また、断熱材を使用しても断熱材を設置する空間が必要であり、直近に配置する事はできない。断熱材の有無に依らず配線長は長くなり、配線長が長くなると配線インダクタンスが大きくなるため、dv/dtによるスイッチング素子の誤動作や、di/dtによるスイッチング素子のゲート入力へのサージ電圧の発生などの問題が生じる。
これらの問題への対策として、駆動回路を高温で動作させる方法が考えられる。駆動回路を高温動作させるため、駆動回路に使用する制御ICのSiCディバイス化が進められている。しかしながら、高温動作に対応した駆動回路への給電方法については検討されていない。
上記の通り、駆動回路にはコンデンサが設置される。一般的に入手できる電解コンデンサの許容温度は約100℃が上限であり、セラミックコンデンサやフィルムコンデンサなどの許容温度は約150℃程度が上限である。スイッチング素子または駆動回路と、コンデンサとの間を断熱し、配線長が長くなると以下の問題が生じる。
まず、高速動作させる際に、スイッチング素子を駆動するためのゲート電流によりサージ電圧を発生させるなど、配線インダクタンスの影響が増大する。また、高速動作によりdv/dtが大きくなると、スイッチング素子の誤動作を招き、また、上アームの電源としてブートストラップ回路を使用する場合にはブートストラップ回路により発生するノイズが増大する。
本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、コンデンサと駆動回路とスイッチング素子とを近接して配置できるようにすることを目的としている。
上記の課題を解決するため、第1の発明は、
高温動作可能に構成されたスイッチング素子(140)と、前記スイッチング素子(140)を駆動する駆動回路(160)と、前記駆動回路(160)に電力を供給するコンデンサ(170)を備えて、交流電源から供給された交流電力または直流電源から供給された直流電力を所定の電圧及び周波数の交流電力または直流電力に電力変換を行う電力変換装置であって、
電源(110)をさらに備え、
前記コンデンサ(170)は、高温動作可能に構成され
前記スイッチング素子(140)は、2つが直列に接続されて直列回路(150)を構成し、
前記直列回路(150)内の一方のスイッチング素子(140)を駆動する駆動回路(160)である上アーム側駆動回路(161)は、前記コンデンサ(170)から電力を供給され、もう一方のスイッチング素子(140)を駆動する駆動回路(160)である下アーム側駆動回路(162)は、前記電源(110)に接続され、
前記電源(110)と前記コンデンサ(170)との間には、ダイオード(180)が接続され、
前記下アーム側駆動回路(162)は、前記ダイオード(180)と同等の電圧降下を生じさせる電圧降下素子(220)を介して前記電源(110)と接続されていることを特徴とする。
これにより、コンデンサ(170)が高温雰囲気で動作できるようになる。
また、これにより、基準電位の異なる上アーム側コンデンサ(170)と下アーム側駆動回路(162)に対し、ひとつの電源(110)より電力を供給できる。
また、これにより、電圧降下素子(220)が、下アーム側駆動回路に供給される電圧を降下させて、下アーム側駆動回路と上アーム側駆動回路との電圧のバランスを保つ。
また、第2の発明は、
第1の発明の電力変換装置において、
前記コンデンサ(170)は、インダクタンス成分を有する素子(121)を介して電力が供給されることを特徴とする。
これにより、インダクタンス成分を有する素子(210)が、コンデンサ(170)に流入する電流を平滑し、ノイズを抑制する
た、第の発明は、
1又は第2の発明の電力変換装置において、
前記コンデンサ(170)とダイオード(180)の間にはインダクタンス成分を有する素子(210)が設置されていることを特徴とする。
これにより、インダクタンス成分を有する素子(210)によりスイッチングに伴う電圧の変動を吸収する。そのため、高速動作ができるとともにダイオード(180)を離して配置できる。
また、第の発明は、
の発明の電力変換装置において、
前記ダイオード(180)は、高温動作可能に構成されていることを特徴とする。
これにより、ダイオード(180)が高温雰囲気で動作するので、コンデンサ(170)および上アーム側駆動回路(161)に近接してダイオード(180)を配置できる。そのため、スイッチングに伴う電圧の変動をダイオード(180)により吸収でき、高速動作が可能となる。
また、第の発明は、
の発明から第の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記ダイオード(180)は、ショットキーバリアダイオードにより構成されていることを特徴とする。
これにより、ダイオード(180)での電圧降下を低減できる。そのため、ダイオード(180)での損失を低減すると共に、コンデンサ(170)と電源(110)の電圧差を低減できる
た、第の発明は、
第1の発明から第の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記コンデンサ(170)の許容温度は、150℃以上であることを特徴とする。
これにより、コンデンサ(170)が150℃以上で動作可能となる。
また、第の発明は、
第1の発明から第の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記コンデンサ(170)は、セラミックコンデンサ、または誘導体材料として高耐熱材料を用いたフィルムコンデンサにより構成されていることを特徴とする。
これにより、セラミックコンデンサ、またはフィルムコンデンサに蓄積された電荷が電源として使用される。
また、第の発明は、
第1の発明から第の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記スイッチング素子(140)と前記コンデンサ(170)との間の配線長は、5cm以下であることを特徴とする。
これにより、スイッチング素子(140)とコンデンサ(170)との間の配線インダクタンスを所定値以下にすることができる。
また、第の発明は、
第1の発明から第の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記スイッチング素子(140)は、6つ設けられていることを特徴とする。
これにより、いわゆる6素子インバータにおいて、コンデンサ(170)が高温雰囲気で動作できるようになる。
また、第10の発明は、
第1の発明から第の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
該電力変換装置は、キャリア周波数が15kHz以上であることを特徴とする。
これにより、キャリア周波数が可聴音の高音側にシフトする。
また、第11の発明は、
第1の発明から第10の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
圧縮機構(50)と、該圧縮機構(50)を駆動する駆動モータ(40)と、該圧縮機構(50)と駆動モータ(40)が収容されるケーシング(30)からなる圧縮機(20)における、前記駆動モータ(40)を駆動することを特徴とする。
これにより、駆動モータを駆動する電力変換装置において、コンデンサ(170)が高温下(例えばスイッチング素子(140)の動作温度と同等または同等以上の高温)で動作可能となる。
また、第12の発明は、
11の発明の電力変換装置において、
前記スイッチング素子(140)、駆動回路(160)、及びコンデンサ(170)は、前記ケーシング(30)内に配置されることを特徴とする。
これにより、前記スイッチング素子(140)、駆動回路(160)、及びコンデンサ(170)を密閉できる。
また、第13の発明は、
12の発明の電力変換装置において、
さらに、インダクタンス成分を有する素子(210)または高温動作可能に構成されたダイオード(180)も前記ケーシング(30)内に配置されることを特徴とする。
これにより、さらにインダクタンス成分を有する素子(210)または高温動作可能に構成されたダイオード(180)を密閉できる。
また、第14の発明は、
第1の発明から第13の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記スイッチング素子(140)、又は前記ダイオード(180)は、ワイドバンドギャップ半導体を主材料とした半導体ディバイスであることを特徴とする。
また、第15の発明は、
14の発明の電力変換装置において、
前記ワイドバンドギャップ半導体は、シリコンカーバイト、窒化ガリウム、及びダイヤモンドの何れかであることを特徴とする。
これらにより、ワイドバンドギャップ半導体により構成されたスイッチング素子(140)、駆動回路(160)、及びダイオード(180)がそれぞれ動作して、電力変換装置において電力変換が行われる。
また、第16の発明は、
第1の発明から第15の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記駆動回路(160)に対して前記スイッチング素子(140)のオンオフ制御のパターンを指示する信号を入力する入力線と、前記駆動回路(160)が前記スイッチング素子(140)に対してオンオフを制御する出力線とは、電気的に絶縁されていることを特徴とする。
これにより、スイッチング素子(140)からのノイズが遮断される。
第1の発明によれば、コンデンサ(170)が高温雰囲気で動作できるようになるので、例えばスイッチング素子(140)をワイドバンドギャップ半導体で構成して該スイッチング素子(140)が動作中に高温になる場合でも、コンデンサ(170)と駆動回路(160)とスイッチング素子(140)とを近接して配置できる。そのため、コンデンサ(170)からスイッチング素子(140)までの配線長を短くでき、この間の配線インダクタンスを低減できる。これにより、スイッチング素子(140)の高速動作も可能になる。
また、コンデンサ(170)とダイオード(180)からなるブートストラップ回路により、上アーム側駆動回路に電力を供給できる。そのため、スイッチング素子の駆動回路の電源を1個にできる。
また、下アーム側駆動回路と上アーム側駆動回路との電圧のバランスを保つことができるので、上アーム側駆動回路回路およびスイッチング素子の電圧不足や、下アーム側駆動回路およびスイッチング素子の過電圧といった問題を防止できる。
また第2の発明によれば、インダクタンス成分を有する素子(121)が、コンデンサ(170)へ流入する電流を平滑し、ノイズを抑制するので、スイッチング素子の駆動によって発生するノイズの影響を低減できる
た第の発明によれば、例えば駆動回路(160)をワイドバンドギャップ半導体で構成して該駆動回路(160)が動作中に高温になる場合でも、コンデンサ(170)に加え、インダクタンス成分を有する素子(210)を近接して配置できる。これによりスイッチングに伴う電圧の変動をインダクタンス成分を有する素子(210)により吸収でき、高速動作が可能となる。
また、第の発明によれば、コンデンサ(170)とともにダイオード(180)が高温雰囲気で動作できるようになるので、例えば駆動回路(160)をワイドバンドギャップ半導体で構成して該駆動回路(160)が動作中に高温になる場合でも、コンデンサ(170)に加え、ダイオード(180)も駆動回路(160)と近接して配置できる。これによりスイッチングに伴う電圧の変動をダイオード(180)により吸収でき、高速動作が可能となる。
また、第の発明によれば、順方向電圧の低いショットキーバリアダイオードをダイオード(180)とするので、電圧降下を低減できる。そのため、ダイオード(180)での損失を低減すると共に、コンデンサ(170)と電源(110)の電圧差を低減できる
た、第の発明によれば、コンデンサ(170)が150℃以上で動作できるので、例えばスイッチング素子(140)が高温(150℃以上)で動作する場合でも、コンデンサ(170)と駆動回路(160)とスイッチング素子(140)とを近接して配置できる。
また、第の発明によれば、セラミックコンデンサ、またはフィルムコンデンサに蓄積された電荷が使用されるので、コンデンサ(170)の高温動作を実現できる。これにより、例えばスイッチング素子(140)が高温(150℃以上)で動作する場合でも、コンデンサ(170)と駆動回路(160)とスイッチング素子(140)とを近接して配置できる。
また、第の発明によれば、スイッチング素子(140)とコンデンサ(170)との間の配線インダクタンスを所定値以下にすることができるので、駆動回路(160)の高速動作が可能になる。その結果、スイッチング素子(140)の高速動作も可能になる。
また、第の発明によれば、いわゆる6素子インバータにおいて、コンデンサ(170)が高温雰囲気で動作できるようになるので、6素子インバータにおいて、コンデンサ(170)と駆動回路(160)とを近接して配置できる。
また、第10の発明によれば、キャリア周波数が可聴音の高音側にシフトするので、不快な騒音を低減できる。さらに、キャリア周期が短くなるので、必要となるコンデンサの容量を低減できる。
また、第11の発明によれば、駆動モータを駆動する電力変換装置において、コンデンサ(170)が高温下で動作するので、駆動回路(160)の高速動作が可能になり、その結果、スイッチング素子(140)の高速動作も可能になる。
また、第12の発明又は第13の発明によれば、電力変換装置からの電磁ノイズをケーシング(30)によって絶縁できる。また、空気調和装置全体として小型化も可能になる。
また、スイッチング素子(140)と駆動回路(160)とが近接して配置されるので、配線インダクタンスの低減等が可能になり、電力変換装置の高速動作を実現できる。
また、圧縮機構(50)の運転時には、ケーシング(30)内の高圧冷媒が電力変換装置の駆動回路(160)及びスイッチング素子(140)を冷却する。そのため、電力変換装置においてより効率的に電力変換装置(すなわち空気調和装置)を動作させることができる。また、スイッチング素子(140)等の熱を暖房用に回収することも可能になる。
また、第14の発明又は第15の発明によれば、スイッチング素子(140)、またはダイオード(180)がワイドバンドギャップ半導体により構成されているので、これらの高温下での動作、或いは高速動作が可能になる。
また、第16の発明によれば、スイッチング素子(140)からのノイズが遮断されるので、安定した動作が可能になる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、以下の各実施形態の説明において、一度説明した構成要素と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
《発明の関連技術1》
まず、本発明の関連技術1に係る電力変換装置の基本構成(一部分)を図1に示す。同図に示すように、この電力変換装置は、電源(110)、コンデンサ(170)、駆動回路(160)、及びスイッチング素子(140)を備え、スイッチング素子(140)は、ワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子によって構成されている。なお、ワイドバンドギャップ半導体としては、SiC(シリコンカーバイト)の他に、窒化ガリウム(GaN)、ダイヤモンドなどが挙げられる。
スイッチング素子(140)は、詳しくは、トランジスタ(141)と還流ダイオード(142)とを備える。
電源(110)は、コンデンサ(170)に電力を供給し、コンデンサ(170)は駆動回路(160)に電力を供給する。駆動回路(160)は、スイッチング素子(140)内のトランジスタ(141)のゲートと基準電位の間の電位を制御してオンオフを切り替える。基準電位は、トランジスタ(141)がIGBTではエミッタの電位、MOSFETではソースの電位となる。
この基本構成において、コンデンサ(170)には、高温動作可能なコンデンサ(170)を使用する。こうすることで、スイッチング素子(140)が動作中に高温になる場合でも、コンデンサ(170)と駆動回路(160)とスイッチング素子(140)とを近接して配置できる。そのため、コンデンサ(170)からスイッチング素子(140)までの配線長を短くでき、この間の配線インダクタンスを低減できる。これにより、スイッチング素子(140)の高速動作も可能になる。すなわち、効率的な電力変換が可能になる。以下、この点を、6素子インバータを有した電力変換装置を例に詳しく説明する。
図2は、6素子インバータを有した電力変換装置(100)の構成例である。この電力変換装置(100)は、駆動回路(160)のコンデンサ(170)に電力を供給する電源(110)、及びインバータ回路(130)を備え、制御装置(図示せず)に制御されたインバータ回路(130)が、端子P,Nに接続された直流電源(図示せず)から入力された直流を三相交流に変換して、端子U,V,Wに接続された三相交流モータ(図示せず)に供給するものである。なお、この三相交流モータは空気調和機の冷媒回路に設けられる圧縮機を駆動するものである。また、直流電源は、例えば商用電源等の交流電源を整流するコンバータ回路などによって構成できる。
インバータ回路(130)は、スイッチング素子(140)、駆動回路(160)、コンデンサ(170)、及びダイオード(180)より構成されている。これらの各構成要素は、何れも高温(例えば150℃以上)で動作する部品のみで構成してある。
スイッチング素子(140)は、このインバータ回路(130)内に6つ設けられ、それぞれのスイッチング素子(140)は、ワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子によって構成されている。
なお、インバータ回路(130)において、スイッチング素子(140)同士が直列に接続されている部分を直列回路(150)と呼ぶことにする。また、前記直列回路(150)内の一方のスイッチング素子(140)を上アーム、もう一方のスイッチング素子(140)を下アームと呼ぶことにする。なお、図2では、上段側のスイッチング素子(140)が上アーム、下段側が下アームであるものとする。
上記の駆動回路(160)は、各スイッチング素子(140)に対応して設けられている。すなわち、駆動回路(160)もインバータ回路(130)内に6つ設けられている。それぞれの駆動回路(160)は、各スイッチング素子(140)内のトランジスタ(141)のゲートと基準電位に接続されており、制御装置の制御に応じて、それぞれの駆動回路(160)に接続されたトランジスタ(141)のゲート電位を制御してオンオフを切り替える。ここで、上アームのスイッチング素子(140)に対応した駆動回路(160)を上アーム側駆動回路(161)と呼び、下アームのスイッチング素子(140)に対応した駆動回路(160)を下アーム側駆動回路(162)と呼ぶことにする。
各駆動回路(160)は、既述の通り、高温動作可能に構成する。具体的には、スイッチング素子(140)と同様に、各駆動回路(160)は、ワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子によって構成されている。
また、コンデンサ(170)は、各駆動回路(160)に電力を供給する電源として機能する。
下アーム側の3つのスイッチング素子(140)および駆動回路(162)は、端子Nの電位が基準電位となる。下アーム側駆動回路(162)には、個別にコンデンサを配置できるが、基準電位が同じなので、図2の構成のように、1つのコンデンサ(170)より電力を供給することもできる。
一方、上アーム側の3つのスイッチング素子(140)および駆動回路(161)の基準電位は、それぞれ端子U,V,Wの電位となる。スイッチング素子(140)のオンオフ動作により、それぞれの基準電位(端子U,V,Wの電位)が変化するので、各スイッチング素子(140)および駆動回路(161)ごとにコンデンサ(170)を設置しなければならない。
このように、インバータ回路(130)のスイッチング素子(140)および駆動回路(160)には、少なくとも下アーム側に1つのコンデンサ(170)、上アーム側に基準電位の異なる3つのコンデンサ(170)、および上記のコンデンサ(170)に電力を供給する電源(110)が必要となる。
それぞれのコンデンサ(170)に電力を供給する電源には、それぞれ絶縁された独立電源を4個用意する構成(図1と同様の構成)が考えられるが、このインバータ回路(130)では、それぞれの上アーム側のコンデンサ(170)は、ダイオード(180)を介して、下アーム用電源(110)によって充電される回路を構成している。すなわち、このインバータ回路(130)では、下アーム用電源(110)から上アーム側コンデンサ(170)に対して電力を供給するいわゆるブートストラップ回路が構成されている。
ここで、ブートストラップ回路について説明する。図3は、図2からブートストラップ回路の基本構成部分を抜き出した図である。このブートストラップ回路では、次のようにして各コンデンサ(170)が充電されて、上アーム側駆動回路(161)によって上アームのスイッチング素子(140)が駆動される。
すなわち、このブートストラップ回路では、まず、下アームのスイッチング素子(140)をオンにする。下アームのスイッチング素子(140)がオンになると、図3に示すように、下アーム用電源(110)から、ダイオード(180)、上アーム側コンデンサ(170)、下アームのスイッチング素子(140)の経路で電流が流れる。図3では、電流の経路を矢印で示してある。このような経路で電流が流れると、上アーム側コンデンサ(170)が充電される。そして、この上アーム側コンデンサ(170)に充電された電荷により上アーム側駆動回路(161)が駆動される。すなわち、上アーム側コンデンサ(170)が上アーム側の電源となる。
また、コンデンサ(170)は、スイッチング素子(140)の動作温度と同等もしくは同等以上の高温で動作可能に構成する。スイッチング素子(140)の動作温度を考慮すると、コンデンサ(170)の許容温度は、例えば150℃以上であることが望ましいと考えられる。
このように高温動作可能なコンデンサとしては、例えば、セラミックコンデンサや、誘導体材料として高耐熱材料を用いたフィルムコンデンサが考えられる。なお、高耐熱材料の例としては、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアリレート(PAR)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリサルフォン(PSF)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、液晶ポリマー(LCP)などが考えられる。なお、一般的に入手できる電解コンデンサの許容温度は約100℃が上限であり、また高温動作に適した構造ではないので、電解コンデンサは使用できない。また、セラミックコンデンサやフィルムコンデンサは、同じ体積の電解コンデンサに比べ容量が小さいので、スイッチング素子の駆動に必要な電力を供給し、かつ必要な電圧を維持できる容量のコンデンサを選定する必要がある。
以上のように、本関連技術によれば、コンデンサ(170)が高温雰囲気で動作できるようになるので、例えばスイッチング素子(140)をワイドバンドギャップ半導体で構成して該スイッチング素子(140)が動作中に高温になる場合でも、コンデンサ(170)と駆動回路(160)とスイッチング素子(140)とを近接して配置できる。そのため、コンデンサ(170)からスイッチング素子(140)までの配線長を短くでき、この間の配線インダクタンスを低減できる。これにより、スイッチング素子(140)の高速動作も可能になる。すなわち、効率的な電力変換が可能になる。
なお、冒頭で説明した本関連技術の基本構成(図1を参照)の適用は、ブートストラップ回路を備えた電力変換装置には限定されない。つまり、ブートストラップ回路を使用しない、またはブートストラップ回路では電源を供給できないインバータ回路においても、駆動回路に接続されたコンデンサを高温雰囲気で動作できるように構成すれば、上記の6素子インバータの例と同様の効果を得ることができる。
《その他の変形例》
なお、電源と、該電源と繋がるコンデンサとは、配線長が長くても問題ないため、該電源と該コンデンサとを離して配置すれば容易に断熱ができる。
また、電源から流れる電流がパルス状となり、ノイズが問題になる場合には、図4に示すように、電源とコンデンサとの間にインダクタンス成分(インダクタンス(121))(例えば、チョークコイル、トロイダルコア、フェライトビーズ、インダクタンス成分を含む抵抗など)を挿入すればよい。
《発明の関連技術2》
関連技術2では、コンデンサ(170)等の諸元を具体的に求めてみる。ここでは、ブートストラップ回路のダイオード(180)としてSiC SBD(ショットキーバリアダイオード)を使用する場合を例にする。このようにダイオード(180)としてSBDを用いて、該ダイオード(180)が高温動作可能な場合には、上アーム側コンデンサ(170)および上アーム側駆動回路(161)に近接してダイオード(180)を配置できる。これにより、スイッチングに伴う電圧の変動をダイオード(180)により吸収でき、高速動作が可能となる。また、上アーム側コンデンサ(170)としては、セラミックコンデンサや、誘導体材料として高耐熱材料を用いたフィルムコンデンサを想定している。
(上アーム側コンデンサ(170)の容量)
上アーム側コンデンサ(170)の容量は、次の条件を満たすように選定する。
Figure 0005266810
ただし、各パラメータの意味は以下の通りである。
on:スイッチング素子を1回オンするのに必要な電荷量(ゲート電荷容量)
:ドライブ回路が定常的に消費する電流量(オン時またはオフ時の消費電流のいずれか大きい方)
T:キャリア一周期の時間
:下アーム側電源(110)の電圧値
:上アーム側駆動回路を駆動するのに必要な電源電圧の最小値
:ブートストラップ回路のダイオード(180)の順方向電圧
ここで、キャリア周波数15kHz(T=67μs)、Qon=100nC、i=1mA、V=15V、V=13V、V=1Vとすれば、0.17μF以上のコンデンサを使用すればよい。これは、最低限必要な容量であり、この2倍以上の容量のコンデンサを選定すること望ましい。また、この容量は毎周期充電されるものとして算出しており、毎周期ごとに必ず下アーム側スイッチング素子を導通させる必要がある。下アーム側スイッチング素子が導通しない周期が存在する場合には、導通しない周期を考慮して上アーム側コンデンサの容量を選定する必要がある。
このように、キャリアを15kHz以上とすることで、キャリア周期が短くなり、必要となるコンデンサの容量を低減できる。さらに、キャリアによる騒音を可聴域の高音側にシフトさせることできる。
また、ブートストラップ回路のダイオード(180)としてSiC SBDを使用すれば、高温動作が可能になるだけでなく、ユニポーラ動作による高速動作と、Vの低減が期待できる。pnダイオードの順方向電圧は材料の物性値に依存しており、ワイドバンドギャップ半導体では順方向電圧が高くなる。SiC pnダイオードではおよそ3Vであり、上アーム側コンデンサ(170)の電圧値が低くなる。SiC SBDの順方向電圧は約1Vと低く、ダイオード(180)による電圧降下の影響を減らすことできる。この効果は、他のワイドバンドギャップ半導体でも同様である。
(コンデンサ(170)と駆動回路(160)と間の配線距離)
また、配線インダクタンスの影響を小さくするには、電流が流れる経路を短くすればよい。例えば、上アーム側のスイッチング素子(140)がオン状態に切り換わるときには、図5に示すように、コンデンサ(170)と上アーム側駆動回路(161)との間で電流が流れる。図5では、電流の経路を矢印で示してある。
現在市販されているSi MOSFETでは、数十nsでの駆動が可能なディバイスが存在する。高周波動作に適したSiCディバイスの特性を考えると、di/dt=1A/10ns程度、もしくはそれ以上の速度でのゲート駆動は十分に考えられる。
駆動回路(160)をdi/dt=1A/10nsで動作させると、配線インダクタンス100nHの端子電圧は、V=Ldi/dtより10Vとなる。15V電源で駆動する素子は25V程度の耐圧のものが多く、これ以上の配線インダクタンスでは駆動回路(160)内の素子の破壊につながる。そこで、駆動回路(160)内の素子を破壊させないようにするための配線インダクタンスを設定してやる必要がある。
ここで、配線のインダクタンスは、次の式で表せる。
Figure 0005266810
この式をもとに、直径1mmの配線の配線インダクタンスを、100nH以下とするための配線長を求めると、配線長を5cm以下とする事が望ましいことがわかる。
なお配線インダクタンスを低減するため、ツイストペアにする、電流のループをできる限り小さくするなどの対策もまた重要である。
《発明の関連技術3》
関連技術では、ブートストラップ回路のダイオード(180)として、許容温度が低い素子(例えばSiC MOSFET等の動作温度よりも許容温度が低い素子)を使用する。
関連技術2で説明したようにダイオード(180)が高温動作に構成して該ダイオード(180)をコンデンサ(170)および上アーム側駆動回路(161)に近接して配置すると、スイッチングに伴う電圧の変動をダイオード(180)により吸収でき、高速動作が可能となる。これに対し、ダイオード(180)として許容温度が低い素子を使用すると、ダイオード(180)を近接して配置できないため、コンデンサ(170)の近傍で電圧の変動を吸収する別の手段が必要になる。そこで、本関連技術では、図6に示すように、ダイオード(180)とコンデンサ(170)との間にインダクタンス(210)を設ける。この場合、効果的に電圧の変動を吸収するには、インダクタンス(210)は、コンデンサ(170)及び駆動回路(160)と近接して配置する必要がある。
上アーム側駆動回路(161)は、スイッチング素子(140)のオンオフにより、大きく電圧が変化する。そして、コンデンサ(170)とダイオード(180)との配線長が長くなると、浮遊容量が増大し、dv/dtの影響により、ノイズを発生させる。そこで、駆動回路(160)の近くに、このようにインダクタンス(210)を挿入すると、インダクタンス(210)とダイオード(180)と間のdv/dtを抑えることができる。そのため、インダクタンス(210)とダイオード(180)との配線長を長くできる。特に、スイッチング素子(140)の高速スイッチング時には、インダクタンス(210)の容量は小さくてもよく、例えば、トロイダルコアや、フェライトビーズ、インダクタンス成分を含む抵抗などを採用できる。
《発明の実施形態
図7は、本発明の実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。この図では、1つの直列回路(150)のみを示してあり、他は図示を省略している。この電力変換装置は、下アーム側駆動回路と上アーム側駆動回路との電圧のアンバランスを防ぐようになっている。
具体的には、図7に示すように、下アーム用電源(110)と下アーム側駆動回路(162)との間に、ブートストラップ回路のダイオード(180)と同等の電圧降下を生じさせる素子(電圧降下素子)として電圧降下用ダイオード(220)を設置する。なお、ここではダイオードとしているが、ツェナーダイオードなどでも良い。
上アーム側コンデンサ(170)の電圧は、
(下アーム用電源(110)の電圧)−(ブートストラップ回路のダイオード(180)の順方向電圧)−(下アーム側スイッチング素子での電圧降下)
となる。
例えば、ブートストラップ回路のダイオード(180)としてSiC pnダイオードを使用し、下アーム側のスイッチング素子(140)での電圧降下が2Vとすると、上アーム側コンデンサ(170)の電圧は、おおよそ(下アーム用電源(110)の電圧−5)Vとなる。
上下アームを駆動する駆動回路に供給される電圧値でアンバランスが生じると、上アーム側の駆動回路やスイッチング素子の電圧不足や、下アーム側の駆動回路やスイッチング素子の過電圧といった問題が起こる。本実施形態では、ブートストラップ回路のダイオード(180)と同等の電圧降下を生じさせる素子(電圧降下用ダイオード(220))により、下アーム側駆動回路(162)に掛かる電圧値を下げることができる。これにより、上下アームを駆動する駆動回路に供給される電圧値のアンバランスを防ぐことができる。
《発明の関連技術4
図8は、本発明の関連技術4に係る駆動回路の構成を示す図である。この駆動回路(160)は、該駆動回路(160)に対してスイッチング素子(140)のオンオフ制御のパターンを指示する信号(以下、制御信号と呼ぶ)を入力する入力線と、スイッチング素子(140)に対してオンオフを制御する出力線とが、電気的に絶縁されている。具体的には、この駆動回路(160)は、LED(160a)とフォトトランジスタ(160b)とを備えている。LED(160a)は、前記の制御信号が入力され(例えば、関連技術1で説明した制御回路から入力される)、この制御信号に応じて発光する。フォトトランジスタ(160b)は、LED(160a)の発光に応じてスイッチング素子(140)をオンオフする。
このように構成することで、制御信号の入力側と、スイッチング素子(140)に対する出力側とが電気的に分離されるので、スイッチング素子(140)からのノイズの影響を低減できる。なお、LED(160a)とフォトトランジスタ(160b)の間の光の経路を光ファイバとすると、フォトトランジスタ(160b)との距離を離すことが容易であり、断熱が容易になる。
《発明の実施形態
本発明の実施形態では、電力変換装置をヒートポンプ装置に使用する例を説明する。
本実施形態に係るヒートポンプ装置は、室内の冷房と暖房とを切り換えて行う空気調和装置(1)を構成している。図9に示すように、空気調和装置(1)は、冷媒回路(10)を備えている。冷媒回路(10)には、冷媒としてフロン冷媒が充填されている。この冷媒回路(10)では、冷媒が循環することで蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
<冷媒回路の構成>
冷媒回路(10)には、圧縮機(20)と室内熱交換器(21)と膨張弁(22)と室外熱交換器(23)と四路切換弁(24)とが接続されている。実施形態の圧縮機(20)は、ロータリー型の圧縮機であり、本発明の流体機械を構成している。この圧縮機(20)の詳細は後述する。室内熱交換器(21)は、室内に設置されている。室内熱交換器(21)では、冷媒と室内空気との間で熱交換が行われる。室外熱交換器(23)は、室外に設置されている。室外熱交換器(23)では、冷媒と室外空気との間で熱交換が行われる。膨張弁(22)は、冷媒を減圧する減圧手段であり、例えば電子膨張弁で構成されている。四路切換弁(24)は、第1から第4までの4つのポートを備えている。四路切換弁(24)は、第1ポートが圧縮機(20)の吐出側と、第2ポートが室内熱交換器(21)と、第3ポートが圧縮機(20)の吸入側と、第4ポートが室外熱交換器(23)とそれぞれ繋がっている。四路切換弁(24)は、第1ポートと第2ポートとが繋がると同時に第3ポートと第4ポートとが繋がる状態(図9の実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートとが繋がると同時に第2ポートと第3ポートとが繋がる状態(図9の破線で示す状態)とに設定が切り換わるように構成されている。
<圧縮機の構成>
図10に示すように、圧縮機(20)は、中空で密閉型のケーシング(30)を備えている。ケーシング(30)は、円筒状の胴部(31)と、胴部(31)の上端部に設けられる天板部(32)と、胴部(31)の下端部に設けられる底板部(33)とを備えている。ケーシング(30)では、胴部(31)の下側寄りに吸入管(34)が接続され、天板部(32)に吐出管(35)が接続されている。吐出管(35)は、天板部(32)を上下に貫通しており、その下端部がケーシング(30)の内部空間に開口している。なお、ケーシング(30)は、例えば鉄等の金属材料で構成されている。
ケーシング(30)内には、駆動モータ(40)と駆動軸(45)と圧縮機構(50)とが収容されている。
駆動モータ(40)は、ケーシング(30)内の上部寄りの空間に配置されている。駆動モータ(40)は、ロータ(41)とステータ(42)とを備えている。ロータ(41)は、駆動軸(45)の周囲に固定されている。ステータ(42)は、ロータ(41)の外周側に設けられている。ステータ(42)は、ケーシング(30)の胴部(31)の内壁に固定される固定子コア部(42a)と、固定子コア部(42a)の上側及び下側にそれぞれ設けられるコイル部(42b)とを有している。また、固定子コア部(42a)には、その軸方向における上下両端面に、それぞれインシュレータ(42c)が設けられている。インシュレータ(42c)は、絶縁材料から成り、固定子コア部(42a)とコイル部(42b)とを絶縁するための絶縁部を構成している。
駆動軸(45)は、ケーシング(30)の軸心を上下方向に延びて形成されている。駆動軸(45)には、下側寄りの部位に偏心部(46)が形成されている。偏心部(46)は、駆動軸(45)よりも大径であり、且つ駆動軸(45)の軸心から所定量偏心している。また、駆動軸(45)には、その下端部に油ポンプ(47)が設けられている。油ポンプ(47)は、ケーシング(30)の底部に溜まった油を遠心力によって汲み上げる構造となっている。油ポンプ(47)で汲み上げられた油は、駆動軸(45)に形成された油供給通路(図示省略)を介して、圧縮機構(50)の内部や駆動軸(45)の軸受け等の各摺動部へ供給される。
圧縮機構(50)は、ケーシング(30)内の下部寄りの空間に配置されている。圧縮機構(50)は、シリンダ(51)とフロントヘッド(52)とリヤヘッド(53)とピストン(54)とを備えている。
シリンダ(51)は、円環状に形成されており、その外周面がケーシング(30)の内壁に固定されている。シリンダ(51)の内側には、円柱状のシリンダ室(55)が形成されている。また、シリンダ(51)には、径方向に延びる吸入通路(51a)が形成されている。吸入通路(51a)は、シリンダ室(55)と上記吸入管(34)とを連通させている。
フロントヘッド(52)は、シリンダ(51)の上側に、リヤヘッド(53)は、シリンダ(51)の下側にそれぞれ取り付けられている。そして、フロントヘッド(52)はシリンダ室(55)の上端開口部を、リヤヘッド(53)はシリンダ室(55)の下端開口部をそれぞれ閉塞している。更に、フロントヘッド(52)には上部軸受け(56)が、リヤヘッド(53)には下部軸受け(57)がそれぞれ設けられている。駆動軸(45)は、フロントヘッド(52)及びリヤヘッド(53)を貫通しながら、上部軸受け(56)及び下部軸受け(57)に回転自在に支持されている。
フロントヘッド(52)には、シリンダ室(55)とケーシング(30)の内部空間とを連通させる吐出ポート(52a)が形成されている。吐出ポート(52a)には、図示しない吐出弁が設けられている。更に、フロントヘッド(52)には、吐出ポート(52a)を覆うように消音マフラー(58)が取り付けられている。
上記ピストン(54)は、シリンダ室(55)に配置されている。ピストン(54)には、その内部に上記偏心部(46)が嵌り込んでいる。駆動軸(45)が回転すると、ピストン(54)は、駆動軸(45)の軸心から偏心しながらシリンダ室(55)内を回転する。その結果、圧縮機構(50)では、シリンダ室(55)に形成される圧縮室の容積が変化し、冷媒の圧縮動作が行われる。
圧縮機構(50)は、圧縮した後の高温(例えば120℃)の高圧冷媒を上記吐出ポート(52a)を介してケーシング(30)内に吐出するように構成されている。つまり、実施形態の圧縮機(20)は、ケーシング(30)の内部空間が高圧冷媒で満たされる、いわゆる高圧ドーム型の圧縮機を構成している。
<電力変換装置の構成>
圧縮機(20)は、上記駆動モータ(40)を駆動制御するための電力変換装置(60)を備えている。電力変換装置(60)は、上記実施形態の電力変換装置である。
図10に示すように、電力変換装置(60)は、ケーシング(30)の上部に設けられている。電力変換装置(60)は、基板(61)を有し、この基板(61)上にインバータ回路(130)が設置されている。そして、本実施形態では、インバータ回路(130)が、圧縮機構(50)と吐出管(35)の間の空間に配置されている。
上記のように構成された空気調和装置(1)では、電力変換装置からの電磁ノイズをケーシング(30)によって絶縁できる。また、空気調和装置(1)全体として小型化も可能になる。
また、スイッチング素子(140)と駆動回路(160)とコンデンサ(170)とが近接して配置されるので、配線インダクタンスの低減等が可能になり、電力変換装置の高速動作を実現できる。
また、圧縮機構(50)の運転時には、ケーシング(30)内の高圧冷媒が電力変換装置の駆動回路(160)及びスイッチング素子(140)を冷却する。そのため、電力変換装置においてより効率的に電力変換装置(すなわち空気調和装置)を動作させることができる。また、スイッチング素子(140)等の熱を暖房用に回収することも可能になる。
本発明は、スイッチング素子を有した電力変換装置として有用である。
電力変換装置の基本構成を示す図である 関連技術1に係る電力変換装置の構成を示す図である。 インバータ回路からブートストラップ回路の基本構成部分を抜き出した図である。 ノイズが問題になる場合の回路構成例である。 上アーム側のスイッチング素子がオン状態に切り換わるときの電流経路を示す図である。 関連技術3に係る電力変換装置の構成を示す図である。 実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。 関連技術4に係る駆動回路の構成を示す図である。 実施形態に係るヒートポンプ装置の冷媒回路の配管系統図である。 実施形態に係る流体機械の概略構成を示す縦断面図である。
1 空気調和装置
20 圧縮機
30 ケーシング
40 駆動モータ
50 圧縮機構
100 電力変換装置
110 下アーム用電源(電源)
140 スイッチング素子
150 直列回路
160 駆動回路
161 上アーム側駆動回路
162 下アーム側駆動回路
170 コンデンサ
180 ダイオード
210 インダクタンス
220 電圧降下用ダイオード(電圧降下素子)

Claims (16)

  1. 高温動作可能に構成されたスイッチング素子(140)と、前記スイッチング素子(140)を駆動する駆動回路(160)と、前記駆動回路(160)に電力を供給するコンデンサ(170)を備えて、交流電源から供給された交流電力または直流電源から供給された直流電力を所定の電圧及び周波数の交流電力または直流電力に電力変換を行う電力変換装置であって、
    電源(110)をさらに備え、
    前記コンデンサ(170)は、高温動作可能に構成され
    前記スイッチング素子(140)は、2つが直列に接続されて直列回路(150)を構成し、
    前記直列回路(150)内の一方のスイッチング素子(140)を駆動する駆動回路(160)である上アーム側駆動回路(161)は、前記コンデンサ(170)から電力を供給され、もう一方のスイッチング素子(140)を駆動する駆動回路(160)である下アーム側駆動回路(162)は、前記電源(110)に接続され、
    前記電源(110)と前記コンデンサ(170)との間には、ダイオード(180)が接続され、
    前記下アーム側駆動回路(162)は、前記ダイオード(180)と同等の電圧降下を生じさせる電圧降下素子(220)を介して前記電源(110)と接続されていることを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1の電力変換装置において、
    前記コンデンサ(170)には、インダクタンス成分を有する素子(121)を介して電力が供給されることを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1又は請求項2の電力変換装置において、
    前記コンデンサ(170)とダイオード(180)の間にはインダクタンス成分を有する素子(210)が設置されていることを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項の電力変換装置において、
    前記ダイオード(180)は、高温動作可能に構成されていることを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項から請求項のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記ダイオード(180)は、ショットキーバリアダイオードにより構成されていることを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項1から請求項のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記コンデンサ(170)の許容温度は、150℃以上であることを特徴とする電力変換装置。
  7. 請求項1から請求項のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記コンデンサ(170)は、セラミックコンデンサ、または誘導体材料として高耐熱材料を用いたフィルムコンデンサにより構成されていることを特徴とする電力変換装置。
  8. 請求項1から請求項のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記スイッチング素子(140)と前記コンデンサ(170)との間の配線長は、5cm以下であることを特徴とする電力変換装置。
  9. 請求項1から請求項のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記スイッチング素子(140)は、6つ設けられていることを特徴とする電力変換装置。
  10. 請求項1から請求項のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    該電力変換装置は、キャリア周波数が15kHz以上であることを特徴とする電力変換装置。
  11. 請求項1から請求項10のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    圧縮機構(50)と、該圧縮機構(50)を駆動する駆動モータ(40)と、該圧縮機構(50)と駆動モータ(40)が収容されるケーシング(30)からなる圧縮機(20)における、前記駆動モータ(40)を駆動することを特徴とする電力変換装置。
  12. 請求項11の電力変換装置において、
    前記スイッチング素子(140)、駆動回路(160)、及びコンデンサ(170)は、前記ケーシング(30)内に配置されることを特徴とする電力変換装置。
  13. 請求項12の電力変換装置において、
    さらに、インダクタンス成分を有する素子(210)または高温動作可能に構成されたダイオード(180)も前記ケーシング(30)内に配置されることを特徴とする電力変換装置。
  14. 請求項1から請求項13のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記スイッチング素子(140)、又は前記ダイオード(180)は、ワイドバンドギャップ半導体を主材料とした半導体ディバイスであることを特徴とする電力変換装置。
  15. 請求項14の電力変換装置において、
    前記ワイドバンドギャップ半導体は、シリコンカーバイト、窒化ガリウム、及びダイヤモンドの何れかであることを特徴とする電力変換装置。
  16. 請求項1から請求項15のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記駆動回路(160)に対して前記スイッチング素子(140)のオンオフ制御のパターンを指示する信号を入力する入力線と、前記駆動回路(160)が前記スイッチング素子(140)に対してオンオフを制御する出力線とは、電気的に絶縁されていることを特徴とする電力変換装置。
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