JP2012210153A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】Si半導体のスイッチング素子よりも動作温度が高いスイッチング素子に近接してスナバ回路を配置できるようにする。
【解決手段】高温動作可能に構成されたスイッチング素子(130)を備えて、交流電源から供給された交流電力または直流電源から供給された直流電力を所定の電圧及び周波数の交流電力に電力変換を行う電力変換装置において、高温動作可能に構成されたコンデンサ(301)を有した高温動作可能に構成されたスナバ回路(300)を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、スイッチング素子を有した電力変換装置に関するものである。
従来、直流電圧を交流電圧に変換するインバータや交流電圧を直流電圧に変換するコンバータなどの電力変換装置として、複数のスイッチング素子によって電力変換動作を行うものが知られている。そして、このようなインバータのスイッチング素子をSiC半導体デバイスにより構成した例がある(例えば特許文献1を参照)。
上述のSiC半導体などのようなワイドバンドギャップ半導体は、絶縁破壊電界が従来のSi半導体(Siの結晶を使った半導体)に比べて高いため(SiC半導体は約10倍高い)、素子の高耐圧化が容易になり、同じ耐圧であれば、Si半導体の場合に比べてディバイスの厚みを薄くできるため、導通損失が小さく且つ小型の素子にすることができる。
また、上記ワイドバンドギャップ半導体は、高速動作や高温(例えば200℃)での動作が可能であるため、高速動作により装置全体の高効率化を図れるとともに、高温での動作が可能であることにより冷却構造を簡略化でき、これにより装置の小型化を図れる。
また、このような電力変換装置では、前記の半導体以外にもコンデンサなどの素子も使用される。例えば、スイッチング素子をオンオフするときに、配線のインダクタンスによってサージ電圧が発生すると、スイッチング素子を破壊する恐れがあるため、保護回路としてスナバ回路を使用してサージ電圧を抑制するが、このスナバ回路にはコンデンサを備えたスナバ回路が使用されることが多い。
特開2000−224867号公報
上述の通り、上記ワイドバンドギャップ半導体は、高速動作や高温(例えば200℃)での動作が可能であるため、その高速動作により、電力変換装置においても高効率化を図れるとともに、高温条件下でも動作させることができると考えられる。
高速で動作させる場合には、上記のスナバ回路は、スイッチング素子のなるべく近くに配置しなければならない。これは、ワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子(以下SiCスイッチング素子とも呼ぶことにする)によって従来のSi半導体のスイッチング素子よりも高速にスイッチングを行いつつ、サージ電圧を従来と同等レベルに抑えるには配線のインダクタンスを低減する必要があるからである。具体的には、従来のSi半導体素子を用いた電力変換装置におけるスイッチング素子とスナバ回路の距離よりも近接させる必要がある。
しかしながら、一般的なコンデンサの許容温度は、150℃程度が上限であり、SiCスイッチング素子の動作温度よりも低いので、SiCスイッチング素子の近傍にコンデンサを備えたスナバ回路を配置すると、SiCスイッチング素子により加熱され、スナバ回路の動作温度がその許容温度を超えてしまう可能性がある。スナバ回路の許容温度を超えない温度範囲でスイッチング素子を使用することも考えられるが、そのためには素子の容量を大きくして、発熱量を減らすなどの対策が必要となる。また、サージ電圧を低減するためにスイッチング速度を遅くして使用すると、スイッチング損が増加して、その結果、冷却構造が大型化し、コストアップを招くことになる。つまり、高速動作を実現するには、スナバ回路とスイッチング素子とを断熱できないほど近くに配置しなければならないと考えられる。
本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、Si半導体のスイッチング素子よりも動作温度が高いスイッチング素子に近接してスナバ回路を配置できるようにすることを目的としている。
上記の課題を解決するため、第1の発明は、
高温動作可能に構成されたスイッチング素子(130)を備えて、交流電源から供給された交流電力または直流電源から供給された直流電力を所定の電圧及び周波数の交流電力または直流電力に電力変換を行う電力変換装置であって、
高温動作可能に構成されたコンデンサ(301)を有した高温動作可能に構成されたスナバ回路(300)を備えていることを特徴とする。
これにより、スナバ回路(300)が高温下(例えばスイッチング素子(130)の動作温度と同等もしくは同等以上の温度)で動作可能となる。
また、第2の発明は、
第1の発明の電力変換装置において、
前記スイッチング素子(130)は、動作温度が150℃以上であることを特徴とする。
これにより、スイッチング素子(130)が150℃以上で動作する。
また、第3の発明は、
第1の発明又は第2の発明の電力変換装置において、
前記スイッチング素子(130)は、ワイドバンドギャップ半導体を主材料とした半導体ディバイスであることを特徴とする。
これにより、ワイドバンドギャップ半導体により構成されたスイッチング素子(130)が、スイッチング動作を行なう。
また、第4の発明は、
第1の発明から第3の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記スナバ回路(300)は、許容温度が150℃以上であることを特徴とする。
これにより、スナバ回路(300)が、150℃以上の雰囲気で動作可能となる。
また、第5の発明は、
第4の発明の電力変換装置において、
前記スナバ回路(300)のコンデンサ(301)は、セラミックコンデンサにより構成されていることを特徴とする。
これにより、スナバ回路(300)において、セラミックコンデンサがサージ電圧を抑制する。
また、第6の発明は、
第4の発明の電力変換装置において、
前記スナバ回路(300)のコンデンサ(301)は、誘導体材料として高耐熱材料を用いたフィルムコンデンサにより構成されていることを特徴とする。
これにより、スナバ回路(300)において、フィルムコンデンサがサージ電圧を抑制する。
また、第7の発明は、
第1の発明から第6の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記スナバ回路(300)は、ワイドバンドギャップ半導体を主材料としたダイオードを備えていることを特徴とする。
また、第8の発明は、
第3の発明又は第7の発明の電力変換装置において、
前記ワイドバンドギャップ半導体は、シリコンカーバイト、窒化ガリウム、及びダイヤモンドの何れかであることを特徴とする。
これらにより、スイッチング素子(130)或いはスナバ回路(300)のダイオードが、ワイドバンドギャップ半導体により構成されて、スイッチング動作、或いはサージ電圧の抑制を行う。
また、第9の発明は、
第1の発明から第8の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記スイッチング素子(130)は、複数が直列に接続されて直列回路(170)を構成し、
前記直列回路(170)は、複数が並列に配置され、
前記スナバ回路(300)は、直列回路(170)毎に配置されていることを特徴とする。
また、第10の発明は、
第1の発明から第9の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記スナバ回路(300)は、前記スイッチング素子(130)毎に配置されていることを特徴とする。
また、第11の発明は、
第1の発明から第10の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記スイッチング素子(130)と前記スナバ回路(300)とは、同一パッケージ内に配置されていることを特徴とする。
また、第12の発明は、
第1の発明から第11の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)とは、同一基板上に配置されていることを特徴とする。
これらにより、スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)とが近接して配置される。
また、第13の発明は、
第11の発明又は第12の発明の電力変換装置において、
前記スイッチング素子(130)は、前記スナバ回路(300)の端子と直接接続されていることを特徴とする。
また、第14の発明は、
第11の発明から第13の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記スイッチング素子(130)と電気的に接続される、前記スナバ回路(300)の全ての端子は、
前記スイッチング素子(130)、
もしくは前記スイッチング素子(130)に直接接続された配線部材、
もしくは前記スイッチング素子(130)とヒートスプレッダ(510)を介して直接接続された配線部材と、
直接接続されていることを特徴とする。
これらにより、スイッチング素子(130)と、該スイッチング素子(130)と接続されるスナバ回路(300)の端子とが近接して配置される。
また、第15の発明は、
第1の発明から第14の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
冷媒を圧縮する圧縮機構(50)と、該圧縮機構(50)を駆動する駆動モータ(40)と、該圧縮機構(50)と駆動モータ(40)が収容されるとともに内部に冷媒が満たされるケーシング(30)からなる圧縮機(20)における、前記駆動モータ(40)を駆動することを特徴とする。
これにより、駆動モータ(40)駆動用の電力変換装置において、スナバ回路(300)が高温下(例えばスイッチング素子(130)の動作温度と同等以上の高温)で動作可能となる。
また、第16の発明は、
第15の発明の電力変換装置において、
前記圧縮機構(50)は、前記ケーシング(30)内に高圧冷媒を吐出するように構成され、該ケーシング(30)には、その内部の高圧冷媒を該ケーシング(30)の外部に流出させる吐出管(35)が接続されていることを特徴とする。
これにより、ケーシング(30)内が高圧冷媒で満たされる。
また、第17の発明は、
第15の発明又は第16の発明の電力変換装置において、
前記スナバ回路(300)及び前記スイッチング素子(130)は、前記ケーシング(30)内に配置されることを特徴とする。
また、第18の発明は、
第15の発明から第17の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記駆動モータ(40)は、ケーシング(30)の内壁に固定される固定子コア部(42a)と、該固定子コア部(42a)の軸方向端面に形成される絶縁部(42c)とを有し、
前記スイッチング素子(130)と前記スナバ回路(300)とは、前記絶縁部(42c)に支持されていることを特徴とする。
また、第19の発明は、
第15の発明から第18の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記スイッチング素子(130)と前記スナバ回路(300)とは、前記圧縮機構(50)と吐出管(35)との間に配置されていることを特徴とする。
また、第20の発明は、
第15の発明から第19の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記圧縮機(20)は、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備えたヒートポンプ回路に接続されていることを特徴とする。
これらにより、ケーシング(30)内の高圧冷媒が、駆動モータ駆動用の電力変換装置のスナバ回路(300)及びスイッチング素子(130)を冷却する。
第1の発明によれば、スナバ回路(300)が高温下(例えばスイッチング素子(130)の動作温度と同等以上の高温)で動作可能となるので、スイッチング素子(130)に近接してスナバ回路(300)を配置できる。そのため、配線インダクタンスの低減等が可能になり、電力変換装置の高速動作を実現できる。
また、第2の発明によれば、スイッチング素子(130)の許容温度が150℃以上となるので、電力変換装置を150℃以上で動作させることができる。
また、第3の発明によれば、スイッチング素子(130)によって、高温下で高速なスイッチング動作ができる。
また、第4の発明によれば、スナバ回路(300)が150℃以上で動作するので、該スナバ回路(300)を150℃以上の雰囲気で動作する電力変換装置に使用できる。
また、第5の発明又は第6の発明によれば、所定の温度以上(例えば150℃以上)で電力変換ができるようになる。
また、第7の発明又は第8の発明によれば、スイッチング素子(130)又はスナバ回路(300)のダイオードがワイドバンドギャップ半導体により構成されるので、電力変換装置において、所定の温度以上(例えば150℃以上)で、効率的な電力変換ができるようになる。
また、第9の発明から第14の発明によれば、スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)とが近接して配置されるので、スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)との間の配線インダクタンスを低減できる。
また、第15の発明又は第16の発明によれば、駆動モータ(40)駆動用の電力変換装置において、電力変換装置の高速動作を実現できるので、圧縮機の運転効率が向上する。
また、第17の発明から第20の発明によれば、スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)とが近接して配置されるので、配線インダクタンスの低減等が可能になり、電力変換装置の高速動作を実現できる。さらには、ケーシング(30)内の高圧冷媒が、駆動モータ(40)駆動用の電力変換装置のスナバ回路(300)及びスイッチング素子(130)を冷却するので、より効率的に電力変換装置(すなわち空気調和装置)を動作させることができる。
実施形態1に係る電力変換装置の構成を示す図である。 配線長さの概念を示す図である。 スナバ回路の他の構成例である。 スナバ回路をスイッチング素子(130)の相毎に設けた場合の電力変換装置の構成を示す図である。 実施形態2に係るヒートポンプ装置の冷媒回路の配管系統図である。 実施形態2に係る流体機械の概略構成を示す縦断面図である。 (a)は、直列回路毎にスナバ回路を設ける場合の回路を示す図であり、(b)は、スイッチング素子、スナバ回路のチップ上の配置を説明する図である。 縦型構造のMOSFETの構造の一例を示す図である。 直列回路毎にスナバ回路を設ける場合におけるスイッチング素子、スナバ回路のチップ上での他の配置例を示す図である。 直列回路毎にスナバ回路を設ける場合におけるスイッチング素子、スナバ回路のチップ上でのさらに他の配置例を示す図である。 (a)は、スイッチング素子毎にスナバ回路を設ける場合の回路を示す図であり、(b)は、スイッチング素子、スナバ回路のチップ上の配置を説明する図である。 スイッチング素子毎にスナバ回路を設ける場合におけるスイッチング素子、スナバ回路のチップ上での他の配置例を示す図である。 (a)は、スイッチング素子毎にスナバ回路を配置する場合の回路例であり、(b)は、スイッチング素子、スナバ回路のチップ上の配置を説明する図である。 スイッチング素子毎にスナバ回路を配置する場合におけるスイッチング素子、スナバ回路のチップ上での他の配置例を示す図である。 スイッチング素子毎にスナバ回路を配置する場合におけるスイッチング素子、スナバ回路のチップ上でのさらに他の配置例を示す図である。 スナバ回路のチップ構造の一例を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、以下の各実施形態や変形例の説明において、一度説明した構成要素と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1に係る電力変換装置の構成を図1に示す。この電力変換装置(100)は、平滑コンデンサ(150)とインバータ回路(120)を備え、制御装置(430)に制御されたインバータ回路(120)が、直流電源(410)から入力された直流を三相交流に変換して三相交流モータ(420)に供給するものである。この三相交流モータ(420)は空気調和機の冷媒回路に設けられる圧縮機を駆動するものである。なお、直流電源(410)は、例えば商用交流電源等の交流電源を整流するコンバータ回路などによって構成できる。
平滑コンデンサ(150)は、直流電源の電圧を平滑化するコンデンサである。この平滑コンデンサ(150)には、例えば、電解コンデンサを採用することができる。電解コンデンサの許容温度は約100℃が上限なので、本実施形態では、平滑コンデンサ(150)はインバータ回路(120)と断熱しておく。
インバータ回路(120)は、スイッチング素子(130)、駆動回路(140)、及びスナバ回路(300)より構成されている。これらの各構成要素は、何れも150℃以上で動作可能な部品のみで構成してある。
スイッチング素子(130)は、このインバータ回路(120)内に6つ設けられ、それぞれのスイッチング素子(130)は、ワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子(ここでは、SiC MOSFETとSiCダイオード)によって構成されている。なお、ワイドバンドギャップ半導体としては、SiC(シリコンカーバイト)の他に、窒化ガリウム(GaN)、ダイヤモンドなどが挙げられる。なお、従来のSi半導体の動作温度は、150℃が最大であるが、ワイドバンドギャップ半導体の動作温度の最大値は、Si半導体よりも高い。一般的には、ワイドバンドギャップ半導体の動作温度の最大値は、150℃以上である。そのため、本実施形態のようにワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子(130)の動作温度の最大値は150℃以上である。
各スイッチング素子(130)は、詳しくは、トランジスタ(131)と還流ダイオード(132)とを備える。
上記の駆動回路(140)は、各スイッチング素子(130)に対応して設けられている。すなわち、駆動回路(140)もインバータ回路(120)内に6つ設けられている。それぞれの駆動回路(140)は、制御装置(430)の制御に応じて、対応するスイッチング素子(130)内のトランジスタ(131)のゲート電位を制御してオンオフを切り替える。
スナバ回路(300)は、インバータ回路(120)内で発生したサージ電圧を抑制する回路であり、本実施形態では、コンデンサ(301)により構成されている。このスナバ回路(300)は、電気的には、インバータ回路(120)の2つの入力端子間に接続されている。また、スナバ回路(300)とインバータ回路(120)とは、近接して配置されている。これらの距離は、従来のSi半導体素子を用いた電力変換装置におけるインバータ回路(120)とスナバ回路(300)の距離よりも近接させる必要がある。このような配置では、一般的には、断熱できないほど近くに配置することになると考えられる。
Si半導体を使用したインバータ回路では、配線インダクタンスが10nH以下(電流検出用のシャント抵抗を含む)、スイッチング速度200nsの例があるので、この例をもとに、本実施形態における配置を検討してみる。
SiC半導体で構成されたスイッチング素子では、Siを用いたスイッチング素子よりも10倍以上の速度でスイッチングが可能と考えられている。SiC半導体でスイッチング素子(130)を構成して高速スイッチングを行い、さらに配線インダクタンスによるサージ電圧を従来と同等レベルに抑えるには、配線インダクタンスを低減する必要がある。例えば、現状の10倍のスイッチング速度を実現しようとすると、配線インダクタンスは1nH以下にする必要がある。
配線長さ(図2に示すように、スナバ回路とスイッチング素子の距離)、配線直径、配線インダクタンスの関係は次の式の関係がある。
Figure 2012210153
この式から、配線インダクタンスを1nH以下にするための配線長さ(スナバ回路とスイッチング素子の距離)と配線直径を検討すると、直径2mmの配線では2mm以下の距離にスナバ回路を配置すればよいことがわかる。
また、この式からは、スナバ回路を、スイッチング素子から断熱することによって装置を構成すると配線の直径が大きくなりすぎてしまうこともわかる。例えば、スナバ回路とスイッチング素子とを断熱するのに必要な距離が5mm程度であるとすれば、配線長さ(スナバ回路とスイッチング素子の距離)は、5mm以上になる。配線長5mmで、配線直径2mmでの配線インダクタンスは、上式より4.5nHとなる。配線長5mmで配線インダクタンスを1nH以下にするには、10mm以上の直径が必要になる。配線が太くなると、配線の熱抵抗が下がり、配線からの伝熱が大きくなるため、断熱ができなくなる。
また、例えば、スイッチング速度1nsで、10Aの電流をスイッチングする際のサージ電圧として、100Vまで許容する際の配線インダクタンスは、次の式からわかるように、10nH以下とする必要がある。
Figure 2012210153
ここで、配線長9mm、直径2mmの配線インダクタンスは10.2nHであり、スイッチング素子とスナバ回路は少なくとも9mm以内に配置する必要がある。実際には、ボンディングワイヤやスナバ回路に含まれるインダクタンスもサージ電圧に影響するため、より近くに配置しなければならない。
以上のように、スナバ回路(300)とスイッチング素子(130)とを近接して配置すると、コンデンサ(301)の動作温度がスイッチング素子(130)の動作温度と同等の温度になると考えられる。そのため、本実施形態では、このコンデンサ(301)には、許容温度が、スイッチング素子(130)の動作温度と同等か、よりも高いものを採用している。SiC半導体で構成したスイッチング素子(130)を上記のように高速動作させた場合の該スイッチング素子(130)の動作温度を考慮すると、コンデンサ(301)の許容温度は、例えば150℃以上であることが望ましいと考えられる。
このように高温動作可能なコンデンサとしては、例えば、セラミックコンデンサや、誘導体材料として高耐熱材料を用いたフィルムコンデンサが考えられる。なお、高耐熱材料の例としては、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアリレート(PAR)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリサルフォン(PSF)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、液晶ポリマー(LCP)などが考えられる。
制御装置(430)は、既述の通り、各駆動回路(140)を介して、各スイッチング素子(130)のオンオフを制御する。この制御装置(430)は、電力変換装置(100)とは断熱して配置している。
上記の電力変換装置(100)によれば、スナバ回路(300)内のコンデンサ(301)を、高温動作可能(上記の例では、スイッチング素子(130)の動作温度よりも高い許容温度)に構成したので、SiCスイッチング素子であるスイッチング素子(130)(Si半導体のスイッチング素子よりも動作温度が高い)に近接してスナバ回路(300)を配置できる。そのため、配線インダクタンスの低減等が可能になり、インバータ回路(120)の高速動作(すなわち電力変換装置(100)の高速動作)を実現できる。
《実施形態1の変形例(スナバ回路の変形例)》
なお、スナバ回路(300)としては、上記のコンデンサ(301)のみで構成したものの他に、例えば図3の(b)〜(f)に示す構成も採用できる。なお、(a)には前記のコンデンサ(301)のみで構成したものを再掲している。これらの例では、コンデンサの他に、抵抗、ダイオードなどを含んでいるものがあるが、これらの構成部品は、何れも高温動作可能(例えばスイッチング素子(130)の動作温度と同等か、より高い温度で動作可能)に構成しておく。
《発明の実施形態2》
図4は、スナバ回路をスイッチング素子(130)の相毎に設けた例である。この例では、これらのスナバ回路として、図3の(b)に示すスナバ回路を使用している。なお、この図では駆動回路などを省略している。このインバータ回路(120)においてもやはり、各構成要素は、150℃以上で動作可能な部品のみで構成してある。
ここで「相」とは、スイッチング素子(130)が直列に接続されている部分(図4では直列回路(170))のことである。高速スイッチングのように、各相の間の配線インピーダンスも問題になる場合には、このようなスナバ回路の配置が有効である。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3では、電力変換装置をヒートポンプ装置に使用する例を説明する。
本発明の実施形態3に係るヒートポンプ装置は、室内の冷房と暖房とを切り換えて行う空気調和装置(1)を構成している。図5に示すように、空気調和装置(1)は、冷媒回路(10)を備えている。冷媒回路(10)には、冷媒としてフロン冷媒が充填されている。この冷媒回路(10)では、冷媒が循環することで蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
<冷媒回路の構成>
冷媒回路(10)には、圧縮機(20)と室内熱交換器(21)と膨張弁(22)と室外熱交換器(23)と四路切換弁(24)とが接続されている。実施形態3の圧縮機(20)は、ロータリー型の圧縮機であり、本発明の流体機械を構成している。この圧縮機(20)の詳細は後述する。室内熱交換器(21)は、室内に設置されている。室内熱交換器(21)では、冷媒と室内空気との間で熱交換が行われる。室外熱交換器(23)は、室外に設置されている。室外熱交換器(23)では、冷媒と室外空気との間で熱交換が行われる。膨張弁(22)は、冷媒を減圧する減圧手段であり、例えば電子膨張弁で構成されている。四路切換弁(24)は、第1から第4までの4つのポートを備えている。四路切換弁(24)は、第1ポートが圧縮機(20)の吐出側と、第2ポートが室内熱交換器(21)と、第3ポートが圧縮機(20)の吸入側と、第4ポートが室外熱交換器(23)とそれぞれ繋がっている。四路切換弁(24)は、第1ポートと第2ポートとが繋がると同時に第3ポートと第4ポートとが繋がる状態(図5の実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートとが繋がると同時に第2ポートと第3ポートとが繋がる状態(図5の破線で示す状態)とに設定が切り換わるように構成されている。
<圧縮機の構成>
図6に示すように、圧縮機(20)は、中空で密閉型のケーシング(30)を備えている。ケーシング(30)は、円筒状の胴部(31)と、胴部(31)の上端部に設けられる天板部(32)と、胴部(31)の下端部に設けられる底板部(33)とを備えている。ケーシング(30)では、胴部(31)の下側寄りに吸入管(34)が接続され、天板部(32)に吐出管(35)が接続されている。吐出管(35)は、天板部(32)を上下に貫通しており、その下端部がケーシング(30)の内部空間に開口している。なお、ケーシング(30)は、例えば鉄等の金属材料で構成されている。
ケーシング(30)内には、駆動モータ(40)と駆動軸(45)と圧縮機構(50)とが収容されている。
駆動モータ(40)は、ケーシング(30)内の上部寄りの空間に配置されている。駆動モータ(40)は、ロータ(41)とステータ(42)とを備えている。ロータ(41)は、駆動軸(45)の周囲に固定されている。ステータ(42)は、ロータ(41)の外周側に設けられている。ステータ(42)は、ケーシング(30)の胴部(31)の内壁に固定される固定子コア部(42a)と、固定子コア部(42a)の上側及び下側にそれぞれ設けられるコイル部(42b)とを有している。また、固定子コア部(42a)には、その軸方向における上下両端面に、それぞれインシュレータ(42c)が設けられている。インシュレータ(42c)は、絶縁材料から成り、固定子コア部(42a)とコイル部(42b)とを絶縁するための絶縁部を構成している。
駆動軸(45)は、ケーシング(30)の軸心を上下方向に延びて形成されている。駆動軸(45)には、下側寄りの部位に偏心部(46)が形成されている。偏心部(46)は、駆動軸(45)よりも大径であり、且つ駆動軸(45)の軸心から所定量偏心している。また、駆動軸(45)には、その下端部に油ポンプ(47)が設けられている。油ポンプ(47)は、ケーシング(30)の底部に溜まった油を遠心力によって汲み上げる構造となっている。油ポンプ(47)で汲み上げられた油は、駆動軸(45)に形成された油供給通路(図示省略)を介して、圧縮機構(50)の内部や駆動軸(45)の軸受け等の各摺動部へ供給される。
圧縮機構(50)は、ケーシング(30)内の下部寄りの空間に配置されている。圧縮機構(50)は、シリンダ(51)とフロントヘッド(52)とリヤヘッド(53)とピストン(54)とを備えている。
シリンダ(51)は、円環状に形成されており、その外周面がケーシング(30)の内壁に固定されている。シリンダ(51)の内側には、円柱状のシリンダ室(55)が形成されている。また、シリンダ(51)には、径方向に延びる吸入通路(51a)が形成されている。吸入通路(51a)は、シリンダ室(55)と上記吸入管(34)とを連通させている。
フロントヘッド(52)は、シリンダ(51)の上側に、リヤヘッド(53)は、シリンダ(51)の下側にそれぞれ取り付けられている。そして、フロントヘッド(52)はシリンダ室(55)の上端開口部を、リヤヘッド(53)はシリンダ室(55)の下端開口部をそれぞれ閉塞している。更に、フロントヘッド(52)には上部軸受け(56)が、リヤヘッド(53)には下部軸受け(57)がそれぞれ設けられている。駆動軸(45)は、フロントヘッド(52)及びリヤヘッド(53)を貫通しながら、上部軸受け(56)及び下部軸受け(57)に回転自在に支持されている。
フロントヘッド(52)には、シリンダ室(55)とケーシング(30)の内部空間とを連通させる吐出ポート(52a)が形成されている。吐出ポート(52a)には、図示しない吐出弁が設けられている。更に、フロントヘッド(52)には、吐出ポート(52a)を覆うように消音マフラー(58)が取り付けられている。
上記ピストン(54)は、シリンダ室(55)に配置されている。ピストン(54)には、その内部に上記偏心部(46)が嵌り込んでいる。駆動軸(45)が回転すると、ピストン(54)は、駆動軸(45)の軸心から偏心しながらシリンダ室(55)内を回転する。その結果、圧縮機構(50)では、シリンダ室(55)に形成される圧縮室の容積が変化し、冷媒の圧縮動作が行われる。
圧縮機構(50)は、圧縮した後の高温(例えば120℃)の高圧冷媒を上記吐出ポート(52a)を介してケーシング(30)内に吐出するように構成されている。つまり、実施形態3の圧縮機(20)は、ケーシング(30)の内部空間が高圧冷媒で満たされる、いわゆる高圧ドーム型の圧縮機を構成している。
<電力変換装置の構成>
圧縮機(20)は、上記駆動モータ(40)を駆動制御するための電力変換装置(60)を備えている。電力変換装置(60)は、上記の何れかの実施形態の電力変換装置である。
図6に示すように、電力変換装置(60)は、ケーシング(30)の上部に設けられている。電力変換装置(60)は、基板(61)を有し、この基板(61)上にスイッチング素子(130)とスナバ回路(300)とが設置されている。そして、本実施形態では、スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)とが、圧縮機構(50)と吐出管(35)の間の空間に配置されている。
上記のように構成された空気調和装置(1)では、電力変換装置からの電磁ノイズをケーシング(30)によって絶縁できる。また、空気調和装置(1)全体として小型化も可能になる。
また、スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)とが近接して配置されるので、配線インダクタンスの低減等が可能になり、電力変換装置の高速動作を実現できる。
また、圧縮機構(50)の運転時には、ケーシング(30)内の高圧冷媒が電力変換装置のスナバ回路(300)及びスイッチング素子(130)を冷却する。そのため、電力変換装置においてより効率的に電力変換装置(すなわち空気調和装置)を動作させることができる。また、スイッチング素子(130)等の熱を暖房用に回収することも可能になる。
《実施形態3の変形例》
この変形例では、スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)を絶縁部であるインシュレータ(42c)に支持させる。こうすることで、インシュレータ(42c)をスイッチング素子(130)とスナバ回路(300)の基板として利用することができる。また、スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)から発生した熱は、インシュレータ(42c)を介して固定子コア部(42a)へ伝わるため、この熱は固定子コア部(42a)の周囲を流れる高圧冷媒に放出され易くなる。したがって、この変形例では、スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)の冷却効果を更に高めることができる。
また、インシュレータ(42c)にスイッチング素子(130)とスナバ回路(300)を取り付けることで、駆動モータ(40)のコイル部(42b)からインバータ回路(120)までの距離を短くすることができる。つまり、この変形例では、インバータ回路(120)とコイル部(42b)とを繋ぐ配線長さを短くすることができる。
《発明の実施形態4》
実施形態4では、スナバ回路(300)とスイッチング素子(130)とを同一パッケージ(トランスファモールドなど)にて構成した例を説明する。これらを同一パッケージに組み込むことで、配線インダクタンスの影響をより小さくすることができるようになる。
以下に説明する例では、スイッチング素子(130)と電気的に接続されるスナバ回路(300)の全ての端子は、スイッチング素子(130)、もしくはスイッチング素子(130)に直接接続された配線部材、もしくはスイッチング素子(130)とヒートスプレッダを介して直接接続された配線部材と直接接続されている。ここで、配線部材とは、ボンディングワイヤ、リードフレーム、配線パターン、ヒートスプレッダなどが挙げられる。また、スナバ回路(300)の端子とは、例えば図3の(a)に示したスナバ回路では、コンデンサのリード線や外部電極などが該当し、図3の(b)のスナバ回路の例では、スナバ回路のコンデンサと抵抗のリード線や電極などのうち、スイッチング素子と電気的に接続されたリード線や電極などが該当する。
例えば、図7の(a)に示すようにインバータ回路(120)の相毎(直列回路毎)にスナバ回路(300)を設ける場合には、例えば、図7の(b)のように、インバータ回路(120)、スナバ回路(300)を配置する。なお、図7の(a)中の端子P,U,N(外部電極)が、図7の(b)の配線パターンP,U,Nとそれぞれ対応している。この例ではスイッチング素子(130)として、SiC MOSFETを使用している。
本実施形態の各例では、このSiC MOSFETは縦型構造をしている。具体的には図8の(a)や(b)に示すように、スイッチング素子のチップの上面がソース、裏面がドレインとなっている。図8では、(a)がDiMOSFETであり、(b)がUMOSFETである。
図7の(b)に示すように、この例では、スナバ回路(300)は、配線パターンP,Nと直接接続されている。また、各スイッチング素子(130)は、ヒートスプレッダ(510)を介して、それぞれ配線パターンP,Uと接続されている。また、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と配線パターンU側のヒートスプレッダ(510)との間や、配線パターンU側のスイッチング素子(130)とスナバ回路(300)との間は、それぞれボンディングワイヤ(520)により接続されている。
また、図9も、やはりインバータ回路(120)の相毎(直列回路毎)にスナバ回路(300)を設ける場合のチップ配置の例である(図7の(a)を参照)。この例では、スナバ回路(300)は、配線パターンPと直接接続され、配線パターンNとは、ボンディングワイヤ(520)によって接続され、さらに配線パターンU側のスイッチング素子(130)ともボンディングワイヤ(520)によって接続されている。また、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と配線パターンU側のヒートスプレッダ(510)もボンディングワイヤ(520)で接続されている。
また、図10も、やはりインバータ回路(120)の相毎(直列回路毎)にスナバ回路(300)を設ける場合のチップ配置の例である。この例でも、各スイッチング素子(130)は、ヒートスプレッダ(510)を介して配置されている。また、スナバ回路(300)は、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と同じヒートスプレッダ(510)上に配置されている。この例では、スナバ回路(300)と配線パターンNの間、スナバ回路(300)と配線パターンU側のスイッチング素子(130)の間、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と配線パターンU側のヒートスプレッダ(510)との間は、それぞれボンディングワイヤ(520)で接続されている。
図11の(a)に示すようにスイッチング素子(130)毎にスナバ回路(300)を設ける場合には、例えば、図11の(b)のように、インバータ回路(120)、スナバ回路(300)を配置する。この例では、一方のスナバ回路(300)が配線パターンPと直接接続され、もう一方のスナバ回路(300)が配線パターンUと直接接続されている。また、各スイッチング素子(130)は、ヒートスプレッダ(510)を介して、それぞれ配線パターンP,Uと接続されるとともに、それぞれが対応するスナバ回路(300)とボンディングワイヤ(520)によって接続されている。また、配線パターンU側のスナバ回路(300)と配線パターンNの間、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と配線パターンU側のヒートスプレッダ(510)との間も、それぞれボンディングワイヤ(520)によって接続されている。
また、図12も、スイッチング素子(130)毎にスナバ回路(300)を設けた例である。この例では、スイッチング素子(130)とそれに対応するスナバ回路(300)が共通のヒートスプレッダ(510)上に配置されている。そして、各スイッチング素子(130)は、それぞれが対応するスナバ回路(300)とボンディングワイヤ(520)によって接続されている。また、配線パターンU側のスナバ回路(300)と配線パターンNの間、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と配線パターンU側のヒートスプレッダ(510)との間も、それぞれボンディングワイヤ(520)によって接続されている。
また、図13に示した回路は、スイッチング素子(130)毎にスナバ回路(300)を配置する場合の例である。この場合には、例えば、図13の(b)のように、インバータ回路(120)、スナバ回路(300)を配置する。この例では、スナバ回路(300)は、配線パターンP,U,Nとそれぞれ直接接続されている。また、各スイッチング素子(130)は、ヒートスプレッダ(510)を介して、それぞれ配線パターンP,Uと接続されている。また、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と配線パターンU側のヒートスプレッダ(510)の間、配線パターンU側のスイッチング素子(130)とスナバ回路(300)の間は、それぞれボンディングワイヤ(520)によって接続されている。
また、図14も、スイッチング素子(130)毎にスナバ回路(300)を配置する場合の例である。この例でも、各スイッチング素子(130)は、ヒートスプレッダ(510)を介して、それぞれ配線パターンP,Uと接続されている。そして、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と配線パターンU側のヒートスプレッダ(510)の間は、ボンディングワイヤ(520)によって接続されている。一方、スナバ回路(300)は、配線パターンP,Uとそれぞれ直接接続され、配線パターンNとの間、及び配線パターンU側のスイッチング素子(130)との間は、それぞれボンディングワイヤ(520)によって接続されている。
また、図15も、スイッチング素子(130)毎にスナバ回路(300)を配置する場合の例である。この例でも、各スイッチング素子(130)は、ヒートスプレッダ(510)を介して、それぞれ配線パターンP,Uと接続されている。そして、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と配線パターンU側のヒートスプレッダ(510)の間は、ボンディングワイヤ(520)によって接続されている。この例のスナバ回路(300)は、各スイッチング素子(130)用のヒートスプレッダ(510)を介して、配線パターンP,Uとそれぞれ接続されている。つまり、各スイッチング素子(130)とヒートスプレッダ(510)を共有している。そして、スナバ回路(300)と配線パターンNの間は、ボンディングワイヤ(520)によって接続されている。
なお、上記のようにスナバ回路(300)を配線パターンやヒートスプレッダ上に配置し、外部電極(P,U,N)に直接ワイヤボンディングできるようにするには、例えば図16に示すチップ構造が一例として挙げられる。この例は、図3の(b)に示すスナバ回路の例である。この例では、外部電極(601)に接した抵抗体(602a)が抵抗(602)を構成している。また、それぞれ櫛型に形成された内部電極(603a)と外部電極(604)との間に誘導体(603b)が設けられ、内部電極(603a)と外部電極(604)の間でコンデンサ(603)を構成している。そして、抵抗(602)(抵抗体(602a))とコンデンサ(603)とを両側から保護膜(605)で取り囲んでいる。このスナバ回路(300)では、外部電極(601)、外部電極(604)がスイッチング素子(130)と接続されるスナバ回路の端子である。
上記の構成により、スイッチング素子とスナバ回路を近接して配置でき、配線インダクタンスを最小限にすることができる。
本発明は、スイッチング素子を有した電力変換装置として有用である。
1 空気調和装置
10 冷媒回路
20 圧縮機
30 ケーシング
35 吐出管
40 駆動モータ
42a 固定子コア部
42c インシュレータ(絶縁部)
50 圧縮機構
100 電力変換装置
130 スイッチング素子
170 直列回路
300 スナバ回路
301 コンデンサ
510 ヒートスプレッダ
520 ボンディングワイヤ
本発明は、スイッチング素子を有した電力変換装置に関するものである。
従来、直流電圧を交流電圧に変換するインバータや交流電圧を直流電圧に変換するコンバータなどの電力変換装置として、複数のスイッチング素子によって電力変換動作を行うものが知られている。そして、このようなインバータのスイッチング素子をSiC半導体デバイスにより構成した例がある(例えば特許文献1を参照)。
上述のSiC半導体などのようなワイドバンドギャップ半導体は、絶縁破壊電界が従来のSi半導体(Siの結晶を使った半導体)に比べて高いため(SiC半導体は約10倍高い)、素子の高耐圧化が容易になり、同じ耐圧であれば、Si半導体の場合に比べてディバイスの厚みを薄くできるため、導通損失が小さく且つ小型の素子にすることができる。
また、上記ワイドバンドギャップ半導体は、高速動作や高温(例えば200℃)での動作が可能であるため、高速動作により装置全体の高効率化を図れるとともに、高温での動作が可能であることにより冷却構造を簡略化でき、これにより装置の小型化を図れる。
また、このような電力変換装置では、前記の半導体以外にもコンデンサなどの素子も使用される。例えば、スイッチング素子をオンオフするときに、配線のインダクタンスによってサージ電圧が発生すると、スイッチング素子を破壊する恐れがあるため、保護回路としてスナバ回路を使用してサージ電圧を抑制するが、このスナバ回路にはコンデンサを備えたスナバ回路が使用されることが多い。
特開2000−224867号公報
上述の通り、上記ワイドバンドギャップ半導体は、高速動作や高温(例えば200℃)での動作が可能であるため、その高速動作により、電力変換装置においても高効率化を図れるとともに、高温条件下でも動作させることができると考えられる。
高速で動作させる場合には、上記のスナバ回路は、スイッチング素子のなるべく近くに配置しなければならない。これは、ワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子(以下SiCスイッチング素子とも呼ぶことにする)によって従来のSi半導体のスイッチング素子よりも高速にスイッチングを行いつつ、サージ電圧を従来と同等レベルに抑えるには配線のインダクタンスを低減する必要があるからである。具体的には、従来のSi半導体素子を用いた電力変換装置におけるスイッチング素子とスナバ回路の距離よりも近接させる必要がある。
しかしながら、一般的なコンデンサの許容温度は、150℃程度が上限であり、SiCスイッチング素子の動作温度よりも低いので、SiCスイッチング素子の近傍にコンデンサを備えたスナバ回路を配置すると、SiCスイッチング素子により加熱され、スナバ回路の動作温度がその許容温度を超えてしまう可能性がある。スナバ回路の許容温度を超えない温度範囲でスイッチング素子を使用することも考えられるが、そのためには素子の容量を大きくして、発熱量を減らすなどの対策が必要となる。また、サージ電圧を低減するためにスイッチング速度を遅くして使用すると、スイッチング損が増加して、その結果、冷却構造が大型化し、コストアップを招くことになる。つまり、高速動作を実現するには、スナバ回路とスイッチング素子とを断熱できないほど近くに配置しなければならないと考えられる。
本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、Si半導体のスイッチング素子よりも動作温度が高いスイッチング素子に近接してスナバ回路を配置できるようにすることを目的としている。
上記の課題を解決するため、第1の発明は、
イッチング素子(130)を備えて、交流電源から供給された交流電力または直流電源から供給された直流電力を所定の電圧及び周波数の交流電力または直流電力に電力変換を行う電力変換装置であって、
ンデンサ(301)を有したスナバ回路(300)を備え
前記スイッチング素子(130)は、前記スナバ回路(300)の端子と直接接続されていることを特徴とする。
これにより、スイッチング素子(130)と、該スイッチング素子(130)と接続されるスナバ回路(300)の端子とが近接して配置される
また、第の発明は、
第1の発明の電力変換装置において、
前記スイッチング素子(130)は、複数が直列に接続されて直列回路(170)を構成し、
前記直列回路(170)は、複数が並列に配置され、
前記スナバ回路(300)は、直列回路(170)毎に配置されていることを特徴とする。
また、第の発明は、
第1又は第2の発明の電力変換装置において、
前記スナバ回路(300)は、前記スイッチング素子(130)毎に配置されていることを特徴とする。
また、第の発明は、
第1から第の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記スイッチング素子(130)と前記スナバ回路(300)とは、同一パッケージ内に配置されていることを特徴とする。
また、第の発明は、
第1から第の発明のうちの何れか1つの電力変換装置において、
前記スイッチング素子(130)と前記スナバ回路(300)とは、同一基板上に配置されていることを特徴とする。
これらにより、スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)とが近接して配置される。
また、第の発明は、
1から第5のうちの何れか1つの発明の電力変換装置において、
前記スイッチング素子(130)と電気的に接続される、前記スナバ回路(300)の全ての端子は、
前記スイッチング素子(130)、
もしくは前記スイッチング素子(130)に直接接続された配線部材、
もしくは前記スイッチング素子(130)とヒートスプレッダ(510)を介して直接接続された配線部材と、
直接接続されていることを特徴とする。
れにより、スイッチング素子(130)と、該スイッチング素子(130)と接続されるスナバ回路(300)の端子とが近接して配置される。
の発明から第の発明によれば、スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)とが近接して配置されるので、スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)との間の配線インダクタンスの低減等が可能になり、電力変換装置の高速動作を実現できる
実施形態1に係る電力変換装置の構成を示す図である。 配線長さの概念を示す図である。 スナバ回路の他の構成例である。 スナバ回路をスイッチング素子(130)の相毎に設けた場合の電力変換装置の構成を示す図である。 実施形態2に係るヒートポンプ装置の冷媒回路の配管系統図である。 実施形態2に係る流体機械の概略構成を示す縦断面図である。 (a)は、直列回路毎にスナバ回路を設ける場合の回路を示す図であり、(b)は、スイッチング素子、スナバ回路のチップ上の配置を説明する図である。 縦型構造のMOSFETの構造の一例を示す図である。 直列回路毎にスナバ回路を設ける場合におけるスイッチング素子、スナバ回路のチップ上での他の配置例を示す図である。 直列回路毎にスナバ回路を設ける場合におけるスイッチング素子、スナバ回路のチップ上でのさらに他の配置例を示す図である。 (a)は、スイッチング素子毎にスナバ回路を設ける場合の回路を示す図であり、(b)は、スイッチング素子、スナバ回路のチップ上の配置を説明する図である。 スイッチング素子毎にスナバ回路を設ける場合におけるスイッチング素子、スナバ回路のチップ上での他の配置例を示す図である。 (a)は、スイッチング素子毎にスナバ回路を配置する場合の回路例であり、(b)は、スイッチング素子、スナバ回路のチップ上の配置を説明する図である。 スイッチング素子毎にスナバ回路を配置する場合におけるスイッチング素子、スナバ回路のチップ上での他の配置例を示す図である。 スイッチング素子毎にスナバ回路を配置する場合におけるスイッチング素子、スナバ回路のチップ上でのさらに他の配置例を示す図である。 スナバ回路のチップ構造の一例を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、以下の各実施形態や変形例の説明において、一度説明した構成要素と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1に係る電力変換装置の構成を図1に示す。この電力変換装置(100)は、平滑コンデンサ(150)とインバータ回路(120)を備え、制御装置(430)に制御されたインバータ回路(120)が、直流電源(410)から入力された直流を三相交流に変換して三相交流モータ(420)に供給するものである。この三相交流モータ(420)は空気調和機の冷媒回路に設けられる圧縮機を駆動するものである。なお、直流電源(410)は、例えば商用交流電源等の交流電源を整流するコンバータ回路などによって構成できる。
平滑コンデンサ(150)は、直流電源の電圧を平滑化するコンデンサである。この平滑コンデンサ(150)には、例えば、電解コンデンサを採用することができる。電解コンデンサの許容温度は約100℃が上限なので、本実施形態では、平滑コンデンサ(150)はインバータ回路(120)と断熱しておく。
インバータ回路(120)は、スイッチング素子(130)、駆動回路(140)、及びスナバ回路(300)より構成されている。これらの各構成要素は、何れも150℃以上で動作可能な部品のみで構成してある。
スイッチング素子(130)は、このインバータ回路(120)内に6つ設けられ、それぞれのスイッチング素子(130)は、ワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子(ここでは、SiC MOSFETとSiCダイオード)によって構成されている。なお、ワイドバンドギャップ半導体としては、SiC(シリコンカーバイト)の他に、窒化ガリウム(GaN)、ダイヤモンドなどが挙げられる。なお、従来のSi半導体の動作温度は、150℃が最大であるが、ワイドバンドギャップ半導体の動作温度の最大値は、Si半導体よりも高い。一般的には、ワイドバンドギャップ半導体の動作温度の最大値は、150℃以上である。そのため、本実施形態のようにワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子(130)の動作温度の最大値は150℃以上である。
各スイッチング素子(130)は、詳しくは、トランジスタ(131)と還流ダイオード(132)とを備える。
上記の駆動回路(140)は、各スイッチング素子(130)に対応して設けられている。すなわち、駆動回路(140)もインバータ回路(120)内に6つ設けられている。それぞれの駆動回路(140)は、制御装置(430)の制御に応じて、対応するスイッチング素子(130)内のトランジスタ(131)のゲート電位を制御してオンオフを切り替える。
スナバ回路(300)は、インバータ回路(120)内で発生したサージ電圧を抑制する回路であり、本実施形態では、コンデンサ(301)により構成されている。このスナバ回路(300)は、電気的には、インバータ回路(120)の2つの入力端子間に接続されている。また、スナバ回路(300)とインバータ回路(120)とは、近接して配置されている。これらの距離は、従来のSi半導体素子を用いた電力変換装置におけるインバータ回路(120)とスナバ回路(300)の距離よりも近接させる必要がある。このような配置では、一般的には、断熱できないほど近くに配置することになると考えられる。
Si半導体を使用したインバータ回路では、配線インダクタンスが10nH以下(電流検出用のシャント抵抗を含む)、スイッチング速度200nsの例があるので、この例をもとに、本実施形態における配置を検討してみる。
SiC半導体で構成されたスイッチング素子では、Siを用いたスイッチング素子よりも10倍以上の速度でスイッチングが可能と考えられている。SiC半導体でスイッチング素子(130)を構成して高速スイッチングを行い、さらに配線インダクタンスによるサージ電圧を従来と同等レベルに抑えるには、配線インダクタンスを低減する必要がある。例えば、現状の10倍のスイッチング速度を実現しようとすると、配線インダクタンスは1nH以下にする必要がある。
配線長さ(図2に示すように、スナバ回路とスイッチング素子の距離)、配線直径、配線インダクタンスの関係は次の式の関係がある。
Figure 2012210153
この式から、配線インダクタンスを1nH以下にするための配線長さ(スナバ回路とスイッチング素子の距離)と配線直径を検討すると、直径2mmの配線では2mm以下の距離にスナバ回路を配置すればよいことがわかる。
また、この式からは、スナバ回路を、スイッチング素子から断熱することによって装置を構成すると配線の直径が大きくなりすぎてしまうこともわかる。例えば、スナバ回路とスイッチング素子とを断熱するのに必要な距離が5mm程度であるとすれば、配線長さ(スナバ回路とスイッチング素子の距離)は、5mm以上になる。配線長5mmで、配線直径2mmでの配線インダクタンスは、上式より4.5nHとなる。配線長5mmで配線インダクタンスを1nH以下にするには、10mm以上の直径が必要になる。配線が太くなると、配線の熱抵抗が下がり、配線からの伝熱が大きくなるため、断熱ができなくなる。
また、例えば、スイッチング速度1nsで、10Aの電流をスイッチングする際のサージ電圧として、100Vまで許容する際の配線インダクタンスは、次の式からわかるように、10nH以下とする必要がある。
Figure 2012210153
ここで、配線長9mm、直径2mmの配線インダクタンスは10.2nHであり、スイッチング素子とスナバ回路は少なくとも9mm以内に配置する必要がある。実際には、ボンディングワイヤやスナバ回路に含まれるインダクタンスもサージ電圧に影響するため、より近くに配置しなければならない。
以上のように、スナバ回路(300)とスイッチング素子(130)とを近接して配置すると、コンデンサ(301)の動作温度がスイッチング素子(130)の動作温度と同等の温度になると考えられる。そのため、本実施形態では、このコンデンサ(301)には、許容温度が、スイッチング素子(130)の動作温度と同等か、よりも高いものを採用している。SiC半導体で構成したスイッチング素子(130)を上記のように高速動作させた場合の該スイッチング素子(130)の動作温度を考慮すると、コンデンサ(301)の許容温度は、例えば150℃以上であることが望ましいと考えられる。
このように高温動作可能なコンデンサとしては、例えば、セラミックコンデンサや、誘導体材料として高耐熱材料を用いたフィルムコンデンサが考えられる。なお、高耐熱材料の例としては、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアリレート(PAR)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリサルフォン(PSF)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、液晶ポリマー(LCP)などが考えられる。
制御装置(430)は、既述の通り、各駆動回路(140)を介して、各スイッチング素子(130)のオンオフを制御する。この制御装置(430)は、電力変換装置(100)とは断熱して配置している。
上記の電力変換装置(100)によれば、スナバ回路(300)内のコンデンサ(301)を、高温動作可能(上記の例では、スイッチング素子(130)の動作温度よりも高い許容温度)に構成したので、SiCスイッチング素子であるスイッチング素子(130)(Si半導体のスイッチング素子よりも動作温度が高い)に近接してスナバ回路(300)を配置できる。そのため、配線インダクタンスの低減等が可能になり、インバータ回路(120)の高速動作(すなわち電力変換装置(100)の高速動作)を実現できる。
《実施形態1の変形例(スナバ回路の変形例)》
なお、スナバ回路(300)としては、上記のコンデンサ(301)のみで構成したものの他に、例えば図3の(b)〜(f)に示す構成も採用できる。なお、(a)には前記のコンデンサ(301)のみで構成したものを再掲している。これらの例では、コンデンサの他に、抵抗、ダイオードなどを含んでいるものがあるが、これらの構成部品は、何れも高温動作可能(例えばスイッチング素子(130)の動作温度と同等か、より高い温度で動作可能)に構成しておく。
《発明の実施形態2》
図4は、スナバ回路をスイッチング素子(130)の相毎に設けた例である。この例では、これらのスナバ回路として、図3の(b)に示すスナバ回路を使用している。なお、この図では駆動回路などを省略している。このインバータ回路(120)においてもやはり、各構成要素は、150℃以上で動作可能な部品のみで構成してある。
ここで「相」とは、スイッチング素子(130)が直列に接続されている部分(図4では直列回路(170))のことである。高速スイッチングのように、各相の間の配線インピーダンスも問題になる場合には、このようなスナバ回路の配置が有効である。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3では、電力変換装置をヒートポンプ装置に使用する例を説明する。
本発明の実施形態3に係るヒートポンプ装置は、室内の冷房と暖房とを切り換えて行う空気調和装置(1)を構成している。図5に示すように、空気調和装置(1)は、冷媒回路(10)を備えている。冷媒回路(10)には、冷媒としてフロン冷媒が充填されている。この冷媒回路(10)では、冷媒が循環することで蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
<冷媒回路の構成>
冷媒回路(10)には、圧縮機(20)と室内熱交換器(21)と膨張弁(22)と室外熱交換器(23)と四路切換弁(24)とが接続されている。実施形態3の圧縮機(20)は、ロータリー型の圧縮機であり、本発明の流体機械を構成している。この圧縮機(20)の詳細は後述する。室内熱交換器(21)は、室内に設置されている。室内熱交換器(21)では、冷媒と室内空気との間で熱交換が行われる。室外熱交換器(23)は、室外に設置されている。室外熱交換器(23)では、冷媒と室外空気との間で熱交換が行われる。膨張弁(22)は、冷媒を減圧する減圧手段であり、例えば電子膨張弁で構成されている。四路切換弁(24)は、第1から第4までの4つのポートを備えている。四路切換弁(24)は、第1ポートが圧縮機(20)の吐出側と、第2ポートが室内熱交換器(21)と、第3ポートが圧縮機(20)の吸入側と、第4ポートが室外熱交換器(23)とそれぞれ繋がっている。四路切換弁(24)は、第1ポートと第2ポートとが繋がると同時に第3ポートと第4ポートとが繋がる状態(図5の実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートとが繋がると同時に第2ポートと第3ポートとが繋がる状態(図5の破線で示す状態)とに設定が切り換わるように構成されている。
<圧縮機の構成>
図6に示すように、圧縮機(20)は、中空で密閉型のケーシング(30)を備えている。ケーシング(30)は、円筒状の胴部(31)と、胴部(31)の上端部に設けられる天板部(32)と、胴部(31)の下端部に設けられる底板部(33)とを備えている。ケーシング(30)では、胴部(31)の下側寄りに吸入管(34)が接続され、天板部(32)に吐出管(35)が接続されている。吐出管(35)は、天板部(32)を上下に貫通しており、その下端部がケーシング(30)の内部空間に開口している。なお、ケーシング(30)は、例えば鉄等の金属材料で構成されている。
ケーシング(30)内には、駆動モータ(40)と駆動軸(45)と圧縮機構(50)とが収容されている。
駆動モータ(40)は、ケーシング(30)内の上部寄りの空間に配置されている。駆動モータ(40)は、ロータ(41)とステータ(42)とを備えている。ロータ(41)は、駆動軸(45)の周囲に固定されている。ステータ(42)は、ロータ(41)の外周側に設けられている。ステータ(42)は、ケーシング(30)の胴部(31)の内壁に固定される固定子コア部(42a)と、固定子コア部(42a)の上側及び下側にそれぞれ設けられるコイル部(42b)とを有している。また、固定子コア部(42a)には、その軸方向における上下両端面に、それぞれインシュレータ(42c)が設けられている。インシュレータ(42c)は、絶縁材料から成り、固定子コア部(42a)とコイル部(42b)とを絶縁するための絶縁部を構成している。
駆動軸(45)は、ケーシング(30)の軸心を上下方向に延びて形成されている。駆動軸(45)には、下側寄りの部位に偏心部(46)が形成されている。偏心部(46)は、駆動軸(45)よりも大径であり、且つ駆動軸(45)の軸心から所定量偏心している。また、駆動軸(45)には、その下端部に油ポンプ(47)が設けられている。油ポンプ(47)は、ケーシング(30)の底部に溜まった油を遠心力によって汲み上げる構造となっている。油ポンプ(47)で汲み上げられた油は、駆動軸(45)に形成された油供給通路(図示省略)を介して、圧縮機構(50)の内部や駆動軸(45)の軸受け等の各摺動部へ供給される。
圧縮機構(50)は、ケーシング(30)内の下部寄りの空間に配置されている。圧縮機構(50)は、シリンダ(51)とフロントヘッド(52)とリヤヘッド(53)とピストン(54)とを備えている。
シリンダ(51)は、円環状に形成されており、その外周面がケーシング(30)の内壁に固定されている。シリンダ(51)の内側には、円柱状のシリンダ室(55)が形成されている。また、シリンダ(51)には、径方向に延びる吸入通路(51a)が形成されている。吸入通路(51a)は、シリンダ室(55)と上記吸入管(34)とを連通させている。
フロントヘッド(52)は、シリンダ(51)の上側に、リヤヘッド(53)は、シリンダ(51)の下側にそれぞれ取り付けられている。そして、フロントヘッド(52)はシリンダ室(55)の上端開口部を、リヤヘッド(53)はシリンダ室(55)の下端開口部をそれぞれ閉塞している。更に、フロントヘッド(52)には上部軸受け(56)が、リヤヘッド(53)には下部軸受け(57)がそれぞれ設けられている。駆動軸(45)は、フロントヘッド(52)及びリヤヘッド(53)を貫通しながら、上部軸受け(56)及び下部軸受け(57)に回転自在に支持されている。
フロントヘッド(52)には、シリンダ室(55)とケーシング(30)の内部空間とを連通させる吐出ポート(52a)が形成されている。吐出ポート(52a)には、図示しない吐出弁が設けられている。更に、フロントヘッド(52)には、吐出ポート(52a)を覆うように消音マフラー(58)が取り付けられている。
上記ピストン(54)は、シリンダ室(55)に配置されている。ピストン(54)には、その内部に上記偏心部(46)が嵌り込んでいる。駆動軸(45)が回転すると、ピストン(54)は、駆動軸(45)の軸心から偏心しながらシリンダ室(55)内を回転する。その結果、圧縮機構(50)では、シリンダ室(55)に形成される圧縮室の容積が変化し、冷媒の圧縮動作が行われる。
圧縮機構(50)は、圧縮した後の高温(例えば120℃)の高圧冷媒を上記吐出ポート(52a)を介してケーシング(30)内に吐出するように構成されている。つまり、実施形態3の圧縮機(20)は、ケーシング(30)の内部空間が高圧冷媒で満たされる、いわゆる高圧ドーム型の圧縮機を構成している。
<電力変換装置の構成>
圧縮機(20)は、上記駆動モータ(40)を駆動制御するための電力変換装置(60)を備えている。電力変換装置(60)は、上記の何れかの実施形態の電力変換装置である。
図6に示すように、電力変換装置(60)は、ケーシング(30)の上部に設けられている。電力変換装置(60)は、基板(61)を有し、この基板(61)上にスイッチング素子(130)とスナバ回路(300)とが設置されている。そして、本実施形態では、スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)とが、圧縮機構(50)と吐出管(35)の間の空間に配置されている。
上記のように構成された空気調和装置(1)では、電力変換装置からの電磁ノイズをケーシング(30)によって絶縁できる。また、空気調和装置(1)全体として小型化も可能になる。
また、スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)とが近接して配置されるので、配線インダクタンスの低減等が可能になり、電力変換装置の高速動作を実現できる。
また、圧縮機構(50)の運転時には、ケーシング(30)内の高圧冷媒が電力変換装置のスナバ回路(300)及びスイッチング素子(130)を冷却する。そのため、電力変換装置においてより効率的に電力変換装置(すなわち空気調和装置)を動作させることができる。また、スイッチング素子(130)等の熱を暖房用に回収することも可能になる。
《実施形態3の変形例》
この変形例では、スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)を絶縁部であるインシュレータ(42c)に支持させる。こうすることで、インシュレータ(42c)をスイッチング素子(130)とスナバ回路(300)の基板として利用することができる。また、スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)から発生した熱は、インシュレータ(42c)を介して固定子コア部(42a)へ伝わるため、この熱は固定子コア部(42a)の周囲を流れる高圧冷媒に放出され易くなる。したがって、この変形例では、スイッチング素子(130)とスナバ回路(300)の冷却効果を更に高めることができる。
また、インシュレータ(42c)にスイッチング素子(130)とスナバ回路(300)を取り付けることで、駆動モータ(40)のコイル部(42b)からインバータ回路(120)までの距離を短くすることができる。つまり、この変形例では、インバータ回路(120)とコイル部(42b)とを繋ぐ配線長さを短くすることができる。
《発明の実施形態4》
実施形態4では、スナバ回路(300)とスイッチング素子(130)とを同一パッケージ(トランスファモールドなど)にて構成した例を説明する。これらを同一パッケージに組み込むことで、配線インダクタンスの影響をより小さくすることができるようになる。
以下に説明する例では、スイッチング素子(130)と電気的に接続されるスナバ回路(300)の全ての端子は、スイッチング素子(130)、もしくはスイッチング素子(130)に直接接続された配線部材、もしくはスイッチング素子(130)とヒートスプレッダを介して直接接続された配線部材と直接接続されている。ここで、配線部材とは、ボンディングワイヤ、リードフレーム、配線パターン、ヒートスプレッダなどが挙げられる。また、スナバ回路(300)の端子とは、例えば図3の(a)に示したスナバ回路では、コンデンサのリード線や外部電極などが該当し、図3の(b)のスナバ回路の例では、スナバ回路のコンデンサと抵抗のリード線や電極などのうち、スイッチング素子と電気的に接続されたリード線や電極などが該当する。
例えば、図7の(a)に示すようにインバータ回路(120)の相毎(直列回路毎)にスナバ回路(300)を設ける場合には、例えば、図7の(b)のように、インバータ回路(120)、スナバ回路(300)を配置する。なお、図7の(a)中の端子P,U,N(外部電極)が、図7の(b)の配線パターンP,U,Nとそれぞれ対応している。この例ではスイッチング素子(130)として、SiC MOSFETを使用している。
本実施形態の各例では、このSiC MOSFETは縦型構造をしている。具体的には図8の(a)や(b)に示すように、スイッチング素子のチップの上面がソース、裏面がドレインとなっている。図8では、(a)がDiMOSFETであり、(b)がUMOSFETである。
図7の(b)に示すように、この例では、スナバ回路(300)は、配線パターンP,Nと直接接続されている。また、各スイッチング素子(130)は、ヒートスプレッダ(510)を介して、それぞれ配線パターンP,Uと接続されている。また、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と配線パターンU側のヒートスプレッダ(510)との間や、配線パターンU側のスイッチング素子(130)とスナバ回路(300)との間は、それぞれボンディングワイヤ(520)により接続されている。
また、図9も、やはりインバータ回路(120)の相毎(直列回路毎)にスナバ回路(300)を設ける場合のチップ配置の例である(図7の(a)を参照)。この例では、スナバ回路(300)は、配線パターンPと直接接続され、配線パターンNとは、ボンディングワイヤ(520)によって接続され、さらに配線パターンU側のスイッチング素子(130)ともボンディングワイヤ(520)によって接続されている。また、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と配線パターンU側のヒートスプレッダ(510)もボンディングワイヤ(520)で接続されている。
また、図10も、やはりインバータ回路(120)の相毎(直列回路毎)にスナバ回路(300)を設ける場合のチップ配置の例である。この例でも、各スイッチング素子(130)は、ヒートスプレッダ(510)を介して配置されている。また、スナバ回路(300)は、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と同じヒートスプレッダ(510)上に配置されている。この例では、スナバ回路(300)と配線パターンNの間、スナバ回路(300)と配線パターンU側のスイッチング素子(130)の間、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と配線パターンU側のヒートスプレッダ(510)との間は、それぞれボンディングワイヤ(520)で接続されている。
図11の(a)に示すようにスイッチング素子(130)毎にスナバ回路(300)を設ける場合には、例えば、図11の(b)のように、インバータ回路(120)、スナバ回路(300)を配置する。この例では、一方のスナバ回路(300)が配線パターンPと直接接続され、もう一方のスナバ回路(300)が配線パターンUと直接接続されている。また、各スイッチング素子(130)は、ヒートスプレッダ(510)を介して、それぞれ配線パターンP,Uと接続されるとともに、それぞれが対応するスナバ回路(300)とボンディングワイヤ(520)によって接続されている。また、配線パターンU側のスナバ回路(300)と配線パターンNの間、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と配線パターンU側のヒートスプレッダ(510)との間も、それぞれボンディングワイヤ(520)によって接続されている。
また、図12も、スイッチング素子(130)毎にスナバ回路(300)を設けた例である。この例では、スイッチング素子(130)とそれに対応するスナバ回路(300)が共通のヒートスプレッダ(510)上に配置されている。そして、各スイッチング素子(130)は、それぞれが対応するスナバ回路(300)とボンディングワイヤ(520)によって接続されている。また、配線パターンU側のスナバ回路(300)と配線パターンNの間、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と配線パターンU側のヒートスプレッダ(510)との間も、それぞれボンディングワイヤ(520)によって接続されている。
また、図13に示した回路は、スイッチング素子(130)毎にスナバ回路(300)を配置する場合の例である。この場合には、例えば、図13の(b)のように、インバータ回路(120)、スナバ回路(300)を配置する。この例では、スナバ回路(300)は、配線パターンP,U,Nとそれぞれ直接接続されている。また、各スイッチング素子(130)は、ヒートスプレッダ(510)を介して、それぞれ配線パターンP,Uと接続されている。また、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と配線パターンU側のヒートスプレッダ(510)の間、配線パターンU側のスイッチング素子(130)とスナバ回路(300)の間は、それぞれボンディングワイヤ(520)によって接続されている。
また、図14も、スイッチング素子(130)毎にスナバ回路(300)を配置する場合の例である。この例でも、各スイッチング素子(130)は、ヒートスプレッダ(510)を介して、それぞれ配線パターンP,Uと接続されている。そして、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と配線パターンU側のヒートスプレッダ(510)の間は、ボンディングワイヤ(520)によって接続されている。一方、スナバ回路(300)は、配線パターンP,Uとそれぞれ直接接続され、配線パターンNとの間、及び配線パターンU側のスイッチング素子(130)との間は、それぞれボンディングワイヤ(520)によって接続されている。
また、図15も、スイッチング素子(130)毎にスナバ回路(300)を配置する場合の例である。この例でも、各スイッチング素子(130)は、ヒートスプレッダ(510)を介して、それぞれ配線パターンP,Uと接続されている。そして、配線パターンP側のスイッチング素子(130)と配線パターンU側のヒートスプレッダ(510)の間は、ボンディングワイヤ(520)によって接続されている。この例のスナバ回路(300)は、各スイッチング素子(130)用のヒートスプレッダ(510)を介して、配線パターンP,Uとそれぞれ接続されている。つまり、各スイッチング素子(130)とヒートスプレッダ(510)を共有している。そして、スナバ回路(300)と配線パターンNの間は、ボンディングワイヤ(520)によって接続されている。
なお、上記のようにスナバ回路(300)を配線パターンやヒートスプレッダ上に配置し、外部電極(P,U,N)に直接ワイヤボンディングできるようにするには、例えば図16に示すチップ構造が一例として挙げられる。この例は、図3の(b)に示すスナバ回路の例である。この例では、外部電極(601)に接した抵抗体(602a)が抵抗(602)を構成している。また、それぞれ櫛型に形成された内部電極(603a)と外部電極(604)との間に誘導体(603b)が設けられ、内部電極(603a)と外部電極(604)の間でコンデンサ(603)を構成している。そして、抵抗(602)(抵抗体(602a))とコンデンサ(603)とを両側から保護膜(605)で取り囲んでいる。このスナバ回路(300)では、外部電極(601)、外部電極(604)がスイッチング素子(130)と接続されるスナバ回路の端子である。
上記の構成により、スイッチング素子とスナバ回路を近接して配置でき、配線インダクタンスを最小限にすることができる。
本発明は、スイッチング素子を有した電力変換装置として有用である。
1 空気調和装置
10 冷媒回路
20 圧縮機
30 ケーシング
35 吐出管
40 駆動モータ
42a 固定子コア部
42c インシュレータ(絶縁部)
50 圧縮機構
100 電力変換装置
130 スイッチング素子
170 直列回路
300 スナバ回路
301 コンデンサ
510 ヒートスプレッダ
520 ボンディングワイヤ

Claims (20)

  1. 高温動作可能に構成されたスイッチング素子(130)を備えて、交流電源から供給された交流電力または直流電源から供給された直流電力を所定の電圧及び周波数の交流電力または直流電力に電力変換を行う電力変換装置であって、
    高温動作可能に構成されたコンデンサ(301)を有した高温動作可能に構成されたスナバ回路(300)を備えていることを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1の電力変換装置において、
    前記スイッチング素子(130)は、動作温度が150℃以上であることを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1又は請求項2の電力変換装置において、
    前記スイッチング素子(130)は、ワイドバンドギャップ半導体を主材料とした半導体ディバイスであることを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項1から請求項3のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記スナバ回路(300)は、許容温度が150℃以上であることを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項4の電力変換装置において、
    前記スナバ回路(300)のコンデンサ(301)は、セラミックコンデンサにより構成されていることを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項4の電力変換装置において、
    前記スナバ回路(300)のコンデンサ(301)は、誘導体材料として高耐熱材料を用いたフィルムコンデンサにより構成されていることを特徴とする電力変換装置。
  7. 請求項1から請求項6のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記スナバ回路(300)は、ワイドバンドギャップ半導体を主材料としたダイオードを備えていることを特徴とする電力変換装置。
  8. 請求項3又は請求項7の電力変換装置において、
    前記ワイドバンドギャップ半導体は、シリコンカーバイト、窒化ガリウム、及びダイヤモンドの何れかであることを特徴とする電力変換装置。
  9. 請求項1から請求項8のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記スイッチング素子(130)は、複数が直列に接続されて直列回路(170)を構成し、
    前記直列回路(170)は、複数が並列に配置され、
    前記スナバ回路(300)は、直列回路(170)毎に配置されていることを特徴とする電力変換装置。
  10. 請求項1から請求項9のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記スナバ回路(300)は、前記スイッチング素子(130)毎に配置されていることを特徴とする電力変換装置。
  11. 請求項1から請求項10のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記スイッチング素子(130)と前記スナバ回路(300)とは、同一パッケージ内に配置されていることを特徴とする電力変換装置。
  12. 請求項1から請求項11のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記スイッチング素子(130)と前記スナバ回路(300)とは、同一基板上に配置されていることを特徴とする電力変換装置。
  13. 請求項11又は請求項12の電力変換装置において、
    前記スイッチング素子(130)は、前記スナバ回路(300)の端子と直接接続されていることを特徴とする電力変換装置。
  14. 請求項11から請求項13のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記スイッチング素子(130)と電気的に接続される、前記スナバ回路(300)の全ての端子は、
    前記スイッチング素子(130)、
    もしくは前記スイッチング素子(130)に直接接続された配線部材、
    もしくは前記スイッチング素子(130)とヒートスプレッダ(510)を介して直接接続された配線部材と、
    直接接続されていることを特徴とする電力変換装置。
  15. 請求項1から請求項14のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    冷媒を圧縮する圧縮機構(50)と、該圧縮機構(50)を駆動する駆動モータ(40)と、該圧縮機構(50)と駆動モータ(40)が収容されるとともに内部に冷媒が満たされるケーシング(30)からなる圧縮機(20)における、前記駆動モータ(40)を駆動することを特徴とする電力変換装置。
  16. 請求項15の電力変換装置において、
    前記圧縮機構(50)は、前記ケーシング(30)内に高圧冷媒を吐出するように構成され、該ケーシング(30)には、その内部の高圧冷媒を該ケーシング(30)の外部に流出させる吐出管(35)が接続されていることを特徴とする電力変換装置。
  17. 請求項15又は請求項16の電力変換装置において、
    前記スナバ回路(300)及び前記スイッチング素子(130)は、前記ケーシング(30)内に配置されることを特徴とする電力変換装置。
  18. 請求項15から請求項17のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記駆動モータ(40)は、ケーシング(30)の内壁に固定される固定子コア部(42a)と、該固定子コア部(42a)の軸方向端面に形成される絶縁部(42c)とを有し、
    前記スイッチング素子(130)と前記スナバ回路(300)とは、前記絶縁部(42c)に支持されていることを特徴とする電力変換装置。
  19. 請求項15から請求項18のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記スイッチング素子(130)と前記スナバ回路(300)とは、前記圧縮機構(50)と吐出管(35)との間に配置されていることを特徴とする電力変換装置。
  20. 請求項15から請求項19のうちの何れか1つの電力変換装置において、
    前記圧縮機(20)は、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備えたヒートポンプ回路に接続されていることを特徴とする電力変換装置。
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