JP2006353049A - 電源装置及び無電極放電ランプ装置 - Google Patents

電源装置及び無電極放電ランプ装置 Download PDF

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一郎 大村
Tomokazu Domon
知一 土門
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渉 齋藤
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正則 附田
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Abstract

【課題】 回路の簡素化を図れる電源装置を提供する。
【解決手段】 電源装置1は、一つのダイオードで構成さる半波整流回路である変換回路5と、E級増幅回路7と、を備える。E級増幅回路7のスイッチング素子Q1のゲートには、13.56MHzの高周波パルスが印加される。外部電源である商用電源3からの50/60Hzの交流は、変換回路5で脈流にされる。E級増幅回路7からは、スイッチング素子Q1において、脈流を変調して生成された、交流(50/60Hz)より周波数が高い変調波が増幅して出力される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば無電極放電ランプの点灯に用いられる電源装置に関する。
電源装置には、AC−ACコンバータ、AC−DCコンバータ、高周波電源等の種類があり、目的に応じて利用される。高周波電源で説明すると、例えば無電極放電ランプの点灯に用いられる。無電極放電ランプとは、ランプの近くに巻かれて配置された励起コイルに高周波電力を供給することにより、ランプ内の放電ガスを放電させて点灯するランプである。かかる無電極放電ランプによれば、ランプ内に電極を設ける必要がないので長寿命化を図れる。
ここでいう高周波は、例えば13.56MHzであり、交流電源(50/60Hz)からの交流を基にして発生させる。具体的には、例えば、整流回路、力率制御回路、DC−DCコンバータ及びE級増幅回路等の多くの回路から構成される。
ところで、電源装置のトランジスタとして、一般に、シリコントランジスタが用いられるが、発熱量が少ない等の理由でGaN系化合物トランジスタを用いるものもある(例えば、例えば特許文献1,2参照)。
特開2001−223341号公報(図1) 特開2003−229566号公報(図3)
本発明の目的は、回路の簡素化を図れる電源装置及びこれを備えた無電極放電ランプ装置を提供することである。
本発明の一態様に係る電源装置は、外部電源から入力した交流を脈流にする変換回路と、前記交流より周波数が高い高周波パルスが印加されるゲートを有するスイッチング素子を含み、前記スイッチング素子で前記脈流をスイッチングして生成された、前記交流より周波数が高く、前記脈流による変調を受けた高周波を出力する増幅回路と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、電源装置の回路の簡素化を図り、回路の損失を低減し効率を改善することが可能となる。
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。各実施形態を説明する図において、既に説明した図の符号で示すものと同一又は同等のものについては、同一符号を付すことにより説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る電源装置1の回路構成を示す図である。電源装置1は、外部電源の一例である商用電源3と、変換回路5と、増幅回路の一例であるE級増幅回路7と、を備え、E級増幅回路7の出力で負荷を駆動させる。
商用電源3は、例えばコンセントから得られ、100V、50/60Hzの交流を供給する。この交流は変換回路5に入力する。変換回路5は、一つのダイオードで構成さる半波整流回路である。変換回路5から出力された脈流は、E級増幅回路7に入力する。
E級増幅回路7は、コイルLとスイッチング素子Q1とが直列接続された直列回路を備える。詳しくは、第1実施形態のスイッチング素子Q1はMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタであり、MOSトランジスタのドレインがコイルLの一端と接続されており、コイルLの他端が変換回路5に接続されている。したがって、コイルL側がE級増幅回路7の入力となる。E級増幅回路7は、さらに、スイッチング素子Q1と並列接続されたキャパシタC1を備える。ただし、スイッチング素子Q1の接合容量でキャパシタC1を置き換えてもよい。この場合、部品点数が減るため小型化及び低コストが図られる。
E級増幅回路7は、13.56MHzの高周波パルスを生成するゲート駆動回路9を備える。E級増幅回路7は、コイルとキャパシタとが直列に接続されたLC共振回路11を備える。LC共振回路11の一端は、コイルLとスイッチング素子Q1との間で、コイルLとスイッチング素子Q1との直列回路に接続されている。LC共振回路11の他端は、E級増幅回路7の出力となり、負荷に接続される。したがって、E級増幅回路7からは、スイッチング素子Q1において、脈流をスイッチングして生成された、脈流により変調された交流(50/60Hz)より周波数が高い高周波が増幅して出力される。
上記変調波は高周波なので、商用電源3に流れると商用電源3に悪影響を与えるが、コイルLにより商用電源3側に流れるのを防止している。商用電源3からの電流は、50/60Hzと比較的低く、コイルLを通過できるため、E級増幅回路7の動作に問題を生じない。
スイッチング素子Q1であるMOSトランジスタは、耐圧が500V以上のものが用いられる。理由は次の通りである。コイルLの商用電源3側の電圧をVddとし、MOSトランジスタのドレイン−ソースとの電位差をVdsとする。商用電源3が100〜110Vの単相の交流を供給する場合、Vddは140〜160V程度となり、さらにLC共振回路11の共振によるVdsのピーク電圧はVddに対して2〜3倍に上がる。したがって、Vdsが500V程度になるからである。
電源装置1は、一つのキャパシタからなるローパスフィルタLP1を備える。ローパスフィルタLP1は、変換回路5の出力と接続されている共にコイルLとスイッチング素子Q1との直列回路と並列に商用電源3に接続される。ローパスフィルタLP1により、E級増幅回路7のコイルLの寄生キャパシタンスを介して、スイッチング素子Q1のスイッチングにより発生するノイズが商用電源3に入力するのを防止している。LCフィルタやπ型フィルタをローパスフィルタLP1に用いてもよい。
ローパスフィルタLP1の遮断周波数は、商用電源3からの交流を通過させると共にE級増幅回路7からのノイズを遮断するように設計する。このため、ローパスフィルタLP1のLやCは、一般の整流回路に使われる平滑回路のLやCに比べて非常に小さくする。例えば、ローパスフィルタLP1をLCで構成する場合、π(LC)−1/2を、商用電源3の周波数より高く(例えば10倍以上)、かつE級増幅回路7から出力される変調波の周波数より低く(例えば1/10以下)設定する。
また、ローパスフィルタLP1をCのみで構成する場合、このCと、E級増幅回路7の電源供給端子(コイルLと変換回路5とを接続する端子)から見た平均インピーダンスRとで規定されるCR時定数を、商用電源3の交流の周期とE級増幅回路7から出力される変調波の周期との間に設定する。ここで、平均インピーダンスRとは、スイッチング素子Q1の固定されたVddに対して、コイルLを流れる電流Iの平均電流IAとした場合、R=Vdd/IAと表される。具体的数値で説明すると、CR時定数を商用電源3の交流の周期の10倍以上かつE級増幅回路7から出力される変調波の周波数の1/10以下に設定する。
次に、第1実施形態に係る電源装置1の主な効果を比較形態と比較して説明する。図2は比較形態に係る電源装置13の回路構成を示す図であり、図1と対応する。電源装置13が図1の電源装置1と異なるのは、変換回路5の替わりにダイオードブリッジで構成される整流回路15を設け、整流回路15とE級増幅回路7とが力率制御回路17及びDC−DCコンバータ19を介して接続されている点である。
力率制御回路17は、整流回路15から出力された脈流の電圧と電流の位相を揃え、力率を1に近づけるために設けられている。ダイオードブリッジ構成の整流回路15と平滑コンデンサCにより完全な直流を得ている。スイッチング素子Q1として耐圧200〜250VのMOSトランジスタが利用されているため、DC−DCコンバータ19を設けて直流電圧を下げている。力率制御回路17から出力された直流の電圧は例えば360V程度なので、このままE級増幅回路7に供給すると、スイッチング素子Q1が破壊するからである。
以上の構成をした電源装置13は、次の二つの利点を有する。一つは、E級増幅回路7から振幅一定の高周波が負荷に出力されることである。もう一つは、E級増幅回路7に入力する電圧をE級増幅回路7が効率良く動作できる電圧に固定できることである。
しかし、比較形態に係る電源装置13は、ダイオードブリッジ構成の整流回路15、力率制御回路17及びDC−DCコンバータ19という三つの回路を備えているので、以下の欠点を有していた。(1)電源装置13の電力供給経路に上記三つの回路が存在することにより、大きな電力損失が発生する。(2)電源装置13が大型化する。(3)上記三つの回路にはそれぞれ電力用半導体素子が1個から数個使われているため、電源装置1のコストが上がる。(4)電源装置13のシステムが複雑になり信頼性が低下する。
これに対して、図1に示す第1実施形態に係る電源装置1は、力率制御回路17及びDC−DCコンバータ19を省略し、変換回路5を一つのダイオードで構成することにより、電源装置1の回路の簡素化を図っている。これにより、電源装置1の電力損失を小さくし、電源装置1を小型化し、電源装置1のコストを下げ、電源装置1の信頼性を向上させている。
第1実施形態に係る電源装置1は、以上のように回路を簡素化しているので、負荷に供給する高周波は振幅が変化する変調波となる。このような変調波であっても、エッチング装置のような半導体製造装置を作動させたり、無電極放電ランプを点灯させたりするのには十分である。
また、電源装置1はDC−DCコンバータ19を省略しているので、スイッチング素子Q1として、耐圧500V以上のMOSトランジスタを用いている。
また、電源装置1は力率制御回路17を省略しているが、電源装置1の動作上問題とならない。これについて図3及び図4で説明する。図3は第1実施形態に係る電源装置1の変換回路5から出力された脈流の波形図である。図4は第1実施形態に係る電源装置1のE級増幅回路7内の電流や電圧の波形図である。図4において、(a)は図3の(a)で示すVddの上昇開始付近の波形を示しており、(b)は図3の(b)で示すVddのピーク付近の波形を示している。なお、Idsはスイッチング素子Q1を流れる電流であり、IC1はキャパシタC1を流れる電流であり、Imは変調波の電流であり、Vgはスイッチング素子Q1のゲートに印加される高周波パルスの電圧である。
図4の(a)から(b)を見れば分かるように、Vddが上昇すると、これにほぼ対応してVdsのピーク電圧が上昇している。また、Vddが上昇すると、これにほぼ対応してIds、IC1、Imのピーク電流が上昇している。商用電源3から見ると、Vddの変化に対応して図1のIが変化するのでインピーダンスが実数で変化しないことになる。以上のことから力率制御回路17を設けなくても、電源装置1は動作することが分かる。
なお、外部電源からの交流の周波数は、50/60Hzに限定されず、1kHz以下(例えば400Hz)であればよい。また、増幅回路はE級増幅回路に限定されず、D級増幅回路やF級増幅回路でもよい。これらは、以下に説明する実施形態にも当てはまる。
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態に係る電源装置21の回路構成を示す図である。電源装置21が図1の電源装置1と異なるのは、変換回路5をダイオードブリッジ構成にした点である。したがって、図6に示すように、変換回路5からは全波整流された脈流が出力される。これにより、商用電源3からの交流が反転しても正のVddが発生するので、E級増幅回路7からは変調波が連続して出力される。
商用電源3から見ると、交流が反転しても、Vddの変化に対応して図1のIが変化するので、電源装置21の力率を1に非常に近い値にすることができる。力率が1から外れると、無効電力が大きくなるため、E級増幅回路7より商用電源3側の回路に負荷がかかったり、波形が乱れたりし、結果として、電源装置全体に負荷がかかる。第2実施形態によれば、力率制御回路を設けなくても電源装置21の力率を1に近い値にすることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態では、スイッチング素子Q1としてAlGaN/GaNで構成される高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor:HEMT)を用いている。このようなGaN系化合物半導体で構成されるHEMTを本明細書ではGaN-HEMTと称する。
図7は、Si-MOSFET、GaN-HEMTのそれぞれのVdsと接合容量との関係を示すグラフである。Si-MOSFETは、MOSトランジスタのことである。接合容量とは、ドレイン−ソース間の接合容量とドレイン−ゲート間の接合容量とを加えたものである。
本発明の実施形態ではDC−DCコンバータを設けないので、スイッチング素子Q1の耐圧として500〜600V程度が要求される。Si-MOSFETの場合、Vdsが100Vから600Vまでの間でも、Vdsが上昇すると接合容量が低下する。スイッチング素子Q1の接合容量が変化すると共振回路11とキャパシタC1及び接合容量による回路定数が変化する。したがって、このようなスイッチング素子Q1を組み込んだE級増幅回路では回路の共振点が変わり、完全なE級動作をすることができず、結果として電力損失が大きくなる。この理由により、図2の比較形態に係る電源装置13では、完全な直流をE級増幅回路7に供給している。
これに対して、第1及び2実施形態で説明したように本発明の実施形態では、変換回路5からの脈流をE級増幅回路7に供給しているので、Vddの変化は避けることができない。そこで、第3実施形態ではスイッチング素子Q1としてGaN-HEMTを用いることにより、Vddが変化しても完全なE級動作を可能にしている。
詳しくは、図7に示すように、GaN-HEMTの場合、Vdsが0Vから600Vまでの範囲で変化しても接合容量は一定である。したがって、変換回路5からの脈流をE級増幅回路7に供給しても、E級増幅回路7の共振点を固定でき、完全なE級動作をさせることができる。
加えて、以下の点からもVddが変化しても完全なE級動作を可能にする。(1)GaN-HEMTはSi-MOSFETに比べて抵抗が小さいので、ドレインの出力容量が非常に小さい。(2)GaN-HEMTにSi-MOSFETと同じ電流を流す場合、GaN-HEMTはSi-MOSFETに比べて接合容量が10分の1以下になる。(3)GaN-HEMTはピエゾ効果による電荷の発生(2次元電子ガス)による導通であり、Si-MOSFETのように不純物の多数キャリアによる導通に比べて、接合容量のドレイン電圧による変化が少ない。
以上説明したように、第3実施形態によればスイッチング素子Q1としてGaN-HEMTを用いているので、10MHz以上の変調波を低損失で出力することが可能となる。
なお、第1及び第2実施形態のようにスイッチング素子Q1としてMOSトランジスタを用いる場合、GaN-HEMTを用いる場合に比べて、スイッチング素子Q1に並列接続されるキャパシタC1の容量を100倍以上にすれば、電源装置を効率良く動作させることが可能となる。
[第4実施形態]
図8は、第4実施形態に係る電源装置31の回路構成を示す図である。コイルLの商用電源3側の電圧であるVddをセンスして、スイッチング素子Q1のゲートに印加する高周波パルスを制御する制御回路33を含む。
制御回路33は、ゲート駆動回路9及び電圧センス回路35で構成される。電圧センス回路35は、抵抗R1と可変抵抗R2で構成される直列回路を備える。この直列回路の抵抗R1側が変換回路5の出力と接続され、可変抵抗R2側が電圧可変の直流電源と接続されている。この直流電源で電圧オフセットが調整される。可変抵抗R2により、変調率が調整される。可変抵抗R2と並列にノイズ防止用のコンデンサが接続されている。
抵抗R1,R2で分割された電圧は、抵抗R3で電圧降下されて比較電圧Vcompとなる。比較電圧Vcompは、差動コンパレータ37の一方の入力端子に入力し、他方の入力端子にはキャリア信号CSが入力する。差動コンパレータ37の出力端子は、ゲート駆動回路9の入力端子に接続されている。
図9に示すように、差動コンパレータ37において、比較電圧Vcompはキャリア信号CSの電圧と比較される。比較電圧Vcomp<キャリア信号CSの電圧の場合、差動コンパレータ37から「L」信号が出力され、逆の場合、「H」信号が出力される。
ゲート駆動回路9は、差動コンパレータ37からの信号を電圧増幅して、高周波パルスを生成する。具体的には、差動コンパレータ37から「L」信号が出力された場合、ゲート駆動回路9から出力される高周波パルスが、スイッチング素子Q1のゲートのしきい値より小さくなるように調整されている。一方、差動コンパレータ37から「H」信号が出力された場合、ゲート駆動回路9から出力される高周波パルスが、スイッチング素子Q1のゲートのしきい値より大きくなるように調整されている。
制御回路33の原理を説明する。Vddが低くなると比較電圧Vcompが小さくなるので、比較電圧Vcomp<キャリア信号CSの電圧の期間が長くなる。したがって、差動コンパレータ37からの「L」信号の期間が長くなる。これにより、スイッチング素子Q1のオフ時間が長くする。一般に、スイッチング素子はドレイン電圧Vdcが低くなると接合容量が大きくなるので、オフ期間のドレイン電圧の変化が遅くなるため、Vddが低い場合にはオフ期間長くして、ドレイン電圧の変化の遅れに合わせる必要がある。
一方、Vddが最適値より大きくなると比較電圧Vcompが大きくなり、比較電圧Vcomp<キャリア信号CSの電圧の期間が短くなる。よって、差動コンパレータ37からの「L」信号の期間が短く(「H」信号の期間が長く)なる。以上のように、第4実施形態によれば、ドレイン電圧の変化のスピードが、Vddによって変化することを補正することができ、電源装置31の電力損失やノイズを小さくすることができる。
[第5実施形態]
図10は、第5実施形態に係る電源装置41の回路構成を示す図である。電源装置41は、スイッチング素子Q1としてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いている。IGBTはトランジスタとしての機能に加え、ダイオードと同様に一方向にしか電流を流さない機能を有する。したがって、IGBTは、商用電源3から入力した交流を脈流にする変換回路5としての機能も果たすので、新たに変換回路5を設ける必要がなくなり、電源装置41の回路のさらなる簡素化を図れる。
[第6実施形態]
図11は、第6実施形態に係る電源装置51の回路構成を示す図である。第6実施形態は、E級増幅回路7にプッシュプル回路を用いる点が主な特徴である。E級増幅回路7は、プッシュプル回路を構成するために、スイッチング素子Q1及びキャパシタC1に加えて、スイッチング素子Q2及びこれに並列接続されたキャパシタC2を備える。
スイッチング素子Q1及びキャパシタC1の並列回路にコイルL1が直列接続されており、スイッチング素子Q2及びキャパシタC2の並列回路にコイルL2が直列接続されている。コイルL1,L2は、図1のLC共振回路11のコイルとして機能する。第6実施形態のE級増幅回路7で生成された変調波は、トランスTで出力される。このため、図1に示すLC共振回路11のキャパシタに相当する素子は設けられていない。
トランスTから出力された変調波は、ローパスフィルタLP2を介して負荷に印加される。第6実施形態のE級増幅回路7は、スイッチング素子Q1,Q2のゲートに高周波パルスを印加するゲート駆動回路9を備える。ゲート駆動回路9と電圧センス回路35により制御回路33が構成される。
電源装置51の変換回路5は、ダイオードブリッジ構成を有する。また、ローパスフィルタLP1は、1つのコイル及び二つのキャパシタから構成される。
第6実施形態では、E級増幅回路7にプッシュプル回路を設けているため、電源装置を大容量化できると共にトランスを使って出力することができる。電源装置が大容量化すると、一般に力率制御回路が必要となるが、第6実施形態のように、ダイオードブリッジ構成の変換回路5とローパスフィルタLP1を設けることにより、力率制御回路がなくても力率を1に近づけることが可能となる。
[各実施形態の組み合わせ]
上記実施形態を組み合わせることもできる。例えば、図12に示す電源装置61は、図5に示す第2実施形態に備えられるダイオードブリッジ構成の変換回路5及び図8に示す第4実施形態に備えられるVddをセンスする制御回路33を構成として含むものである。また、図13に示す電源装置71は、図8に示す第4実施形態に備えられる制御回路33及び図10に示す第5実施形態に備えられるIGBTで構成されるスイッチング素子Q1を構成として含むものである。
[第7実施形態]
上記実施形態に係る電源装置を無電極放電ランプ装置に適用したものが第7実施形態である。図14は、第7実施形態に係る無電極放電ランプ装置81の構成図である。無電極放電ランプ装置81は、放電ガスが封止された無電極放電ランプ83を備える。ランプ83の表面には深い窪みが形成されており、そこにコア85が配置されている。コア85には、励起コイル87が巻き付けられている。したがって、励起コイル87は、無電極放電ランプ83の近くで巻かれて配置されている。
上記窪みの上に電源装置を含むモジュール89が配置されている。電源装置は上記実施形態に係る電源装置のいずれかである。モジュール89はカバー91で覆われている。モジュール89に配置された電源装置の出力は、励起コイル87に接続され、入力は外部電源に接続されるソケット93に接続されている。
図15はモジュール89の模式図である。モジュール89は、回路基板95と、これに搭載された変換回路5、ローパスフィルタLP1、コイルL、スイッチング素子Q1、キャパシタC1等の部品と、を備える。これらの部品で上記実施形態に係る電源装置が構成される。
第1実施形態に係る電源装置の回路構成図である。 比較形態に係る電源装置の回路構成図である。 第1実施形態に係る電源装置の変換回路から出力された脈流の波形図である。 第1実施形態に係る電源装置のE級増幅回路内の電流や電圧の波形図である。 第2実施形態に係る電源装置の回路構成図である。 第2実施形態に係る電源装置の変換回路から出力された脈流の波形図である。 Si-MOSFET、GaN-HEMTのそれぞれのVdsと接合容量との関係を示すグラフである。 第4実施形態に係る電源装置の回路構成図である。 図8のゲート駆動回路において比較される、比較電圧Vcompとキャリア信号CSの電圧の関係を示す図である。 第5実施形態に係る電源装置の回路構成図である。 第6実施形態に係る電源装置の回路構成図である。 上記実施形態の組み合わせに係る電源装置の一例の回路構成図である。 上記実施形態の組み合わせに係る電源装置の他の例の回路構成図である。 第7実施形態に係る無電極放電ランプ装置の構成図である。 図14のモジュールの模式図である。
符号の説明
1・・・電源装置、3・・・商用電源、5・・・変換回路、7・・・E級増幅回路、11・・・LC共振回路、21,31・・・電源装置、33・・・制御回路、41,51,61,71・・・電源装置、81・・・無電極放電ランプ装置、83・・・無電極放電ランプ、87・・・励起コイル、89・・・モジュール、Q1・・・スイッチング素子、L・・・コイル

Claims (5)

  1. 外部電源から入力した交流を脈流にする変換回路と、
    前記交流より周波数が高い高周波パルスが印加されるゲートを有するスイッチング素子を含み、前記スイッチング素子で前記脈流をスイッチングして生成された、前記交流より周波数が高く、前記脈流による変調を受けた高周波を出力する増幅回路と、を備える
    ことを特徴とする電源装置。
  2. 前記スイッチング素子はGaN系化合物でHEMT構造を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記増幅回路は、
    前記スイッチング素子と直列回路を構成するコイルと、
    前記コイルと前記スイッチング素子との間で前記直列回路に接続されたLC共振回路と、を含み、
    前記増幅回路の入力が前記コイル側であり、出力が前記LC共振回路側である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電源装置。
  4. 前記増幅回路は、
    前記電源装置の所定箇所の電圧をセンスして、前記スイッチング素子のゲートに印加する前記高周波パルスを制御する制御回路をさらに含む
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電源装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の前記電源装置を含むモジュールと、
    無電極放電ランプと、
    前記電源装置の出力に接続されると共に前記無電極放電ランプの近くで巻かれて配置された励起コイルと、を備える
    ことを特徴とする無電極放電ランプ装置。
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