JP5260417B2 - 汚水処理設備及び汚水処理設備の改築方法 - Google Patents

汚水処理設備及び汚水処理設備の改築方法 Download PDF

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Description

本発明は、嫌気性微生物により被処理水を脱窒する無酸素槽と、無酸素槽と隔壁を介して配置され、無酸素槽から流入する被処理水に含まれるアンモニアを好気性微生物で硝化する好気槽と、好気槽で硝化された被処理水の一部を無酸素槽に返送するポンプ機構を備えている汚水処理設備及び汚水処理設備の改築方法に関する。
従来、被処理水である汚水中に含まれる有機性物質を除去する方法として、最初沈殿池でゴミや砂等が除去された上澄み水を反応槽に流入させ、反応槽に設置した散気装置によって被処理水の混合撹拌と酸素の供給を行ないながら活性汚泥よって有機性物質を分解処理し、有機性物質が分解処理された被処理水を最終沈殿池に流入させ、活性汚泥を沈殿させて被処理水を浄化する標準活性汚泥法が広く普及している。
このような標準活性汚泥法は、負荷変動に弱く、窒素やリンの除去率が比較的低い等の問題があるため、近年、脱窒性能の向上を目的として標準活性汚泥法に生物学的脱窒処理を組み込んだ硝化液循環活性汚泥法や、標準活性汚泥法のBOD成分除去、糸状性バルキング対策、脱リン性能の向上を目的として標準活性汚泥法に嫌気槽と生物学的脱窒処理を組み込んだ生物循環式嫌気好気法(AO法)が採用される例が増えてきている。
例えば、図12に示すように、特許文献1には、無酸素槽70と微生物固定化担体71を内在する好気槽72とを備え、好気槽72で処理された被処理水の一部を無酸素槽70に循環する循環経路73を備えて構成される硝化液循環活性汚泥法を採用した汚水処理設備が提案されている。
また、図13に示すように、特許文献2には、流入する被処理水中の懸濁物質を固液分離するろ過装置80と、ろ過装置80からろ過水を導入する無酸素槽81と、この無酸素槽81から混合液を導入する好気槽82と、この好気槽82の混合液の一部を無酸素槽81に循環させる循環手段83と、好気槽82から混合液を導入して処理水と汚泥とに固液分離する固液分離装置84と、ろ過装置80から汚泥を導入して調質する汚泥調質槽85と、この汚泥調質槽85から分離液を導入し、且つ、固液分離装置84から分離汚泥の一部を導入する嫌気槽86を備え、嫌気槽86の流出水が無酸素槽81に導入される生物循環式嫌気好気法を採用した汚水処理設備が提案されている。
また、標準活性汚泥法、硝化液循環活性汚泥法、生物循環式嫌気好気法を採用した汚水処理設備では、好気槽から排出された被処理水と活性汚泥を分離するために最終沈殿池が備えられているが、最終沈殿池での分離効率が、活性汚泥の性状に大きく左右されるため、汚泥の沈降性を常に良好な状態に維持することに多くの労力が割かれるという問題があるため、好気槽の下流側に膜分離装置を設置した膜分離槽を設けた汚水処理設備も提案されている。
特開2002−263687号公報 特開2000−93992号公報
上述の硝化液循環活性汚泥法を採用する汚水処理設備では、無酸素槽での脱窒効率を向上させるために、好気槽72で硝化反応が十分に行われた被処理水を無酸素槽70に返送するべく、槽外に設置された機械式の陸上ポンプ75または槽内に設置された水中ポンプにより、好気槽72の最下流側に設置された吸込み管74から被処理水を吸込み、長い循環経路73を介して無酸素槽70の上流側に返送するポンプ機構を備えていた。
同様に、生物循環式嫌気好気法を採用する汚水処理設備でも、無酸素槽81での脱窒効率を向上させるため、好気槽82で硝化反応が十分に行われた被処理水を無酸素槽81に返送するべく、好気槽82の最下流側から被処理水を吸込み、長い循環手段83を介して無酸素槽81の上流側に返送するポンプ機構を備えていた。
しかし、好気槽から無酸素槽に被処理水を返送するために必要となる揚程は比較的低く、そのような低揚程に対応する機械式のポンプが存在しないため、実際にはオーバースペックとなるポンプを使用せざるを得ず、好気槽の最下流側から長い循環経路を介して無酸素槽の上流側に被処理水を返送する場合には、配管抵抗の増大等により全揚程が上昇することも相俟って必要以上の動力を消費するという問題や、送水量を調整するためのバルブを返送管に設置する等、部品点数が増加するという問題もあった。
また、何れの汚水処理設備でも、無酸素槽と好気槽を備えた被処理水の処理経路が複数並列して配置されている場合には、配管の設置スペースが限られることから、槽外に設置された一台の陸上ポンプにより各好気槽の最下流側から分岐管を介して夫々被処理水を吸込み、一本の合流管で無酸素槽の上流側に送水した後に、分岐管を介して各無酸素槽に返送するポンプ機構が設けられていたが、処理経路毎に好気処理の程度が異なる被処理水を合流管で混合した後に各無酸素槽に返送される結果、各処理経路で浄化処理にばらつきが発生し、浄化処理効率が低下する虞があるという問題もあった。
そこで、ポンプ動力の低減や配管スペースの低減等の目的のために、機械式のポンプに替えてエアリフトポンプを用いたポンプ機構が設置される場合もある。
しかし、エアリフトポンプを用いて、好気槽の最下流側から長い循環経路を介して無酸素槽の上流側に被処理水を返送する場合には、配管抵抗の増大等により全揚程が上昇し、所定量の被処理水を返送するために必要となる散気量が増大し、その結果、溶存酸素濃度が高い被処理水が無酸素槽に返送され、無酸素槽での脱窒効率が低減する虞があるという問題があった。
また、上述した膜分離槽を設けた汚水処理設備であっても、膜分離槽の最下流側から長い循環経路を介して無酸素槽の上流側に被処理水を返送する必要があり、同様の問題があった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、好気槽から上流側の処理槽への返送に必要なポンプ機構の動力を低減でき、効率の良い処理を行える汚水処理設備を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による汚水処理設備の第一特徴構成は、特許請求の範囲の請求項1に記載した通り、微生物により被処理水を浄化処理する複数の処理槽が隔壁を介して連接され、下流側の処理槽に被処理水の一部を上流側の処理槽に返送するポンプ機構を備えている汚水処理設備であって、下流側の処理槽に、基端側が隔壁と接合された分離壁を設けて、上流側の処理槽から流入する被処理水を前記分離壁の基端側から受け入れて他端側まで流下させる第一領域と、第一領域を流下した被処理水を前記分離壁の他端側から受け入れて上流側の処理槽との隔壁に導く第二領域とに分離して、第一領域に被処理水を散気する散気装置を設置するとともに、第二領域に被処理水を固液分離する膜分離装置を設置して第二領域の下流側に、隔壁の近傍に配置された揚水管と、揚水管に気泡を供給する散気装置と、気泡により揚水された被処理水を揚水管の上部から上流側に配置された処理槽に移送する送水路を備えたエアリフトポンプで構成されるポンプ機構を備えている点にある。
上述の構成によれば、上流側の処理槽から下流側の処理槽に流入する被処理水が、第一領域に流入し、上流側の処理槽との隔壁と接する第二領域の最下流側に設置されたポンプ機構により上流側の処理槽に返送されるようになる。このように被処理水は隔壁に沿って第一領域を通流し、隔壁の他端側から第二領域に通流して、第二領域の最下流側に設置されたポンプ機構により上流側の処理槽に返送されるので、被処理水に対する微生物による十分な浄化処理時間を確保しながらも、被処理水の返送経路となる配管を短く、且つ、構造を簡素化することができ、被処理水の返送に必要なポンプ機構の動力を低減することができる。
さらに、ポンプ機構がエアリフトポンプで構成されているため、機械式のポンプを用いたポンプ機構よりも被処理水の送水に必要な動力を大幅に低減することができ、エアリフトポンプは機械式のポンプより安価に製造することができるため、イニシャルコストを低減することもできる。特に、揚水のための動力源(散気装置)を水面下に設けることができ、水面上のスペースが限られている設備に採用する場合に有効である。
そして、第一領域に備えられた被処理水を散気する散気装置により被処理水が好気処理され、さらに、第二領域に膜分離装置を備えることにより、汚泥の管理が容易、好気槽内の汚泥を高濃度に維持でき、最終沈殿池が不要になるので施設がコンパクトになる等の利点がある。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、嫌気性微生物により被処理水を脱窒する無酸素槽と、無酸素槽と隔壁を介して配置され、無酸素槽から流入する被処理水に含まれるアンモニアを好気性微生物で硝化する好気槽と、好気槽で硝化された被処理水の一部を無酸素槽に返送するポンプ機構を備えている汚水処理設備であって、好気槽に、基端側が隔壁と接合された分離壁を設けて、無酸素槽から流入する被処理水を前記分離壁の基端側から受け入れて他端側まで流下させる第一領域と、第一領域を流下した被処理水を前記分離壁の前記他端側から受け入れて前記隔壁に導く第二領域とに分離して、第一領域に被処理水を散気する散気装置を設置するとともに、第二領域に被処理水を固液分離する膜分離装置を設置して第二領域の下流側に、隔壁の近傍に配置された揚水管と、揚水管に気泡を供給する散気装置と、気泡により揚水された被処理水を揚水管の上部から無酸素槽に移送する送水路を備えたエアリフトポンプで構成されるポンプ機構を備えている点にある。
上述の構成によれば、無酸素槽から好気槽に流入する被処理水が、第一領域に流入し、少なくとも第一領域または第二領域の何れかに備えられた散気装置による散気によって硝化処理され、硝化処理された被処理水の一部が、無酸素槽との隔壁と接する第二領域の最下流側に設置されたポンプ機構により無酸素槽に返送されるようになる。このように被処理水は隔壁に沿って第一領域を通流し、隔壁の他端側から第二領域に通流して、第二領域の最下流側に設置されたポンプ機構により無酸素槽に返送されるので、被処理水に対する微生物による十分な浄化処理時間を確保しながらも、被処理水の返送経路となる配管を短く、且つ、構造を簡素化することができ、被処理水の返送に必要なポンプ機構の動力を低減することができる。
また、例えば、無酸素槽、好気槽の処理経路が複数並列して配置されている場合であっても、夫々の好気槽の被処理水を夫々のポンプ機構、つまり夫々の好気槽に設置された安価、且つ、水面上に設置スペースが必要とならないエアリフトポンプ機構によって、夫々の無酸素槽に返送して、夫々の無酸素槽、好気槽の処理経路で独立して浄化処理が行なわれるので、複数の無酸素槽からの返送水が混合された後に各無酸素槽で分離して返送されるような大動力の陸上ポンプ機構を用いる場合と比較して、各処理槽での浄化処理効率を低下させることなく、しかも動力コストを大幅に低下させることもできるようになる。
さらに、ポンプ機構がエアリフトポンプで構成されているため、機械式のポンプを用いたポンプ機構よりも被処理水の送水に必要な動力を大幅に低減することができ、エアリフトポンプは機械式のポンプより安価に製造することができるため、イニシャルコストを低減することもできる。特に、揚水のための動力源(散気装置)を水面下に設けることができ、水面上のスペースが限られている設備に採用する場合に有効である。
また、好気槽で硝化された被処理水の一部を無酸素槽に返送する経路を短く構成できるため、被処理水の返送量に対応するエアリフトポンプへの散気量が低減できるので、返送された被処理水に含まれる酸素によって、無酸素槽の溶存酸素濃度が高くなり脱窒反応を低下させるような不都合な事態の発生を極力回避することができる。
さらに、第一領域に備えられた被処理水を散気する散気装置により被処理水が硝化処理され、さらに、第二領域に膜分離装置を備えることにより、汚泥の管理が容易、好気槽内の汚泥を高濃度に維持でき、最終沈殿池が不要になるので施設がコンパクトになる等の利点がある。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二特徴構成に加えて、分離壁で分離された第一領域の容積が第二領域の容積より大きくなるように設定されている点にある。
上述の構成によれば、第一領域の容積が第二領域の容積より大きく設定することで、好気槽の容積が限られた容積である場合でも、第一領域で十分な好気処理を行うことができる。
同第の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第二または第三特徴構成に加えて、被処理水の流入方向に沿って好気槽を分離する分離壁が二枚設けられ、第二領域が一対の第一領域の間に形成されている点にある。
上述の構成によると、第二領域を挟む第一領域の夫々に、無酸素槽から被処理水が流入し、第一領域で硝化処理された被処理水が膜分離装置が設置された第二領域で合流し、無酸素槽との隔壁と接する第二領域の最下流側に設置されたエアリフトポンプにより被処理水の一部が無酸素槽に返送されるようになる。
第二領域に設置される膜分離装置に備えたろ過膜は、清掃等のメンテナンスの際に、槽内から上方の槽外に引き上げる必要がある。しかし、既存の標準活性汚泥法、硝化液循環活性汚泥法、生物循環式嫌気好気法を採用した汚水処理設備では、例えば、作業員の通路や、散気装置への給気配管等の設置スペースのために、各処理槽の側壁上部から各槽上部空間の中央部に向けて、天面が延出形成されている場合が多い。そのような場合に、側壁に接して第二領域を配置すると、ろ過膜を上方に引き上げる際に、延出形成された天面と干渉する虞がある。
このような場合でも、一対の第一領域の間に形成された第二領域に膜分離装置を設置すれば、天面と干渉することなくろ過膜を上方に引き上げてメンテナンスすることができるようになる。
同第の特徴構成は、同請求項に記載した通り、上述の第二から第の何れかの特徴構成に加えて、無酸素槽の上流側に被処理水に含まれるBOD成分を除去する嫌気槽が隔壁を介して連設され、好気槽の被処理水がエアリフトポンプを介して無酸素槽に返送されるとともに、一部が嫌気槽に返送されるように構成されている点にある。
上述の構成によれば、無酸素槽で脱窒処理され硝酸性窒素、亜硝酸性窒素を含まず、酸素が消費された被処理水が嫌気槽に返送されるので、嫌気槽でのリンの放出条件である無NOx及び無酸素状態が保たれる。その結果、嫌気槽ではリン化合物が正リン酸として効率的に放出され、放出された正リン酸が後段の好気槽において嫌気槽で放出した以上に活性汚泥に取り込まれることにより、被処理水からリンを高度に除去することが可能となる。
同第の特徴構成は、同請求項に記載した通り、嫌気性微生物により被処理水を脱窒する無酸素槽と、無酸素槽と隔壁を介して配置され、無酸素槽から流入する被処理水に含まれるアンモニアを好気性微生物で硝化する好気槽と、好気槽と隔壁を介して配置され、好気槽で硝化された被処理水を固液分離する膜分離装置が設置された膜分離槽と、膜分離槽の被処理水の一部を無酸素槽に返送するポンプ機構を備えている汚水処理設備であって、膜分離槽に、基端側が隔壁と接合された分離壁を設けて、好気槽から流入する被処理水を前記分離壁の基端側から受け入れて他端側まで流下させる第一領域と、第一領域を流下した被処理水を前記分離壁の他端側から受け入れて好気槽との隔壁に導く第二領域とに分離して、第二領域の隔壁近傍にポンプ機構を備え、当該ポンプ機構が、隔壁の近傍に配置された揚水管と、揚水管に気泡を供給する散気装置と、気泡により揚水された被処理水を揚水管の上部から無酸素槽に移送する送水路を備えたエアリフトポンプで構成されている点にある。
上述した構成によれば、膜分離槽から無酸素槽へ処理水の一部を返送する場合であっても、膜分離槽の第二領域の最下流側、つまり好気槽との隔壁近傍に設置されたポンプ機構により無酸素槽に返送されるので被処理水の返送経路となる配管を短く、且つ、構造を簡素化することができるので、被処理水の返送に必要なポンプ機構の動力を低減することができる。
本発明による汚水処理設備の改築方法の特徴構成は、同請求項に記載した通り、上部空間の中央部に向けて上部が延出形成された側壁で区画される処理槽により被処理水を処理する汚水処理設備の改築方法であって、少なくとも嫌気性微生物により被処理水を脱窒する無酸素槽と、無酸素槽と隔壁を介して配置され、無酸素槽から流入する被処理水に含まれるアンモニアを好気性微生物で硝化する好気槽を含む汚水処理経路が配置され、好気槽に、基端側が隔壁と接合された分離壁を設けて、無酸素槽から流入する被処理水を前記分離壁の基端側から受け入れて他端側まで流下させる一対の第一領域と、一対の第一領域の間に、第一領域を流下した被処理水を前記分離壁の他端側から受け入れて隔壁に導く第二領域が形成されるように、好気槽を分離する分離壁を設ける工程と、第一領域に被処理水に散気する散気装置を設置する工程と、第二領域に被処理水を固液分離する膜分離装置のろ過膜を、槽内と槽外の間で昇降自在に設置する工程と、第二領域のうち膜分離装置の下流側に、隔壁の近傍に配置された揚水管と、揚水管に気泡を供給する散気装置と、気泡により揚水された被処理水を揚水管の上部から無酸素槽に移送する送水路を備えたエアリフトポンプを設置する工程を含む点にある。
上述の構成によれば、膜分離式活性汚泥法を採用していない既存の標準活性汚泥法、硝化液循環活性汚泥法、生物循環式嫌気好気法を採用した汚水処理設備に対して、膜分離装置が設置された膜分離式活性汚泥法を採用する汚水処理設備に改築する場合に、例えば、作業員の通路や、散気装置への給気配管等の設置スペースのために、処理槽の上部空間の中央部に向けて上部が延出形成された側壁によって区画されるような側壁構造であっても、一対の第一領域で挟まれる第二領域、つまり側壁から離隔した中央領域にろ過膜を設置することにより、ろ過膜のメンテナンス等のために、ろ過膜を槽内と槽外の間で昇降させる場合に、側壁上部の延出部と干渉するようなことがない。そのため、既存の側壁上部の延出部を削り取るような大掛かりな工事が不要となる。
また、第二領域のうち膜分離装置の下流側にエアリフトポンプを設置することで、被処理水の移送経路を短くすることができるので、エアリフトポンプの動力を低減でき、効率の良い処理を行える汚水処理設備に改築することができる。
汚水処理設備の改築方法の第二の特徴構成は、同請求項に記載した通り、汚水処理経路が複数並列に配置され、処理槽の上部空間の中央部に向けて上部が延出形成された断面Y字形状の側壁によって各汚水処理経路に隣接する処理槽が区画される汚水処理設備に対して、各工程が適用される点にある。
複数の汚水処理経路が並列に配置される既存の汚水処理設備で、各汚水処理経路に隣接する処理槽が断面Y字形状の側壁によって区画されているような場合に、本発明による改築方法が好適に使用できるのである。
以上説明した通り、本発明によれば、好気槽から上流側の処理槽への返送に必要なポンプ機構の動力を低減でき、効率の良い処理を行える汚水処理設備を提供することができるようになった。
本発明による汚水処理設備の平面視による説明図 本発明による汚水処理設備の第一領域側の断面視による説明図 本発明による汚水処理設備の第二領域側の断面視による説明図 本発明による汚水処理設備に用いられるエアリフトポンプの説明図 別実施形態を示し、本発明による汚水処理設備の平面視による説明図 別実施形態を示し、本発明による汚水処理設備の切欠き斜視図 別実施形態を示し、本発明による汚水処理設備の好気槽の断面図 (a)は別実施形態を示し、本発明による汚水処理設備の平面視による説明図、(b)は別実施形態を示し、本発明による汚水処理設備の平面視による説明図 (a)は別実施形態を示し、本発明による汚水処理設備の平面視による説明図、(b)は別実施形態を示し、本発明による汚水処理設備の平面視による説明図 (a)は別実施形態を示し、本発明による汚水処理設備の平面視による説明図、(b)は別実施形態を示し、本発明による汚水処理設備の断面視による説明図、(c)は別実施形態を示し、本発明による汚水処理設備の側面視による説明図 (a)は別実施形態を示し、本発明による汚水処理設備の平面視による説明図、(b)は別実施形態を示し、本発明による汚水処理設備の断面視による説明図、 硝化液循環活性汚泥法を採用した従来の汚水処理設備の説明図 生物循環式嫌気好気法を採用した従来の汚水処理設備の説明図
以下、本発明による汚水処理設備を説明する。
図1,図2,図3に示すように、汚水処理設備1は、未処理の被処理水である原水を流入させる嫌気槽10と、嫌気槽10の下流側に隔壁11を介して連接され、嫌気性微生物により被処理水を脱窒する無酸素槽と20と、無酸素槽20の下流側に隔壁21を介して配置され、無酸素槽20から流入する被処理水に含まれるアンモニアを好気性微生物で硝化する好気槽30と、好気槽30で硝化された被処理水の一部を無酸素槽20に返送するポンプ機構40を備えている。
嫌気槽10では、嫌気条件下で微生物により嫌気処理され、原水に含まれるBOD成分が微生物に取り込まれるとともに、リン化合物が加水分解されて正リン酸としてリンが液中に放出される。嫌気槽10で嫌気処理された被処理水は、隔壁11の下部に形成された連通口12を介して無酸素槽20へ移送される。
無酸素槽20では、嫌気条件下で微生物により嫌気処理され、脱窒処理つまり硝酸イオン及び亜硝酸イオンの窒素ガスへの還元処理が行われる。無酸素槽20で嫌気処理された被処理水は、隔壁21の下部に形成された連通口22を介して好気槽30へ移送される。
好気槽30に、無酸素槽20から流入する被処理水を受け入れる第一領域31と、第一領域31から流入した被処理水を隔壁22に導く第二領域32とに、被処理水の流入方向に沿って好気槽30を分離する分離壁34を設けて、第一領域31に被処理水に散気する複数の散気装置35を設置するとともに、第二領域32に被処理水を固液分離する複数の膜分離装置36を設置し、第二領域32の下流側にポンプ機構40が設置されている。尚、分離壁34は、その上縁が水面より上方に突出する略垂直壁で構成され、基端側が隔壁21と接合され、他端側が好気槽30内で開放されている。
第一領域31では、散気装置35による散気による好気条件下で、被処理水に含まれるし尿等由来のアンモニウムイオンが微生物により酸化され、亜硝酸や硝酸に変換される硝化処理が行われ、さらに、被処理水中の正リン酸が汚泥に取り込まれ、ポリリン酸として蓄積される好気性処理が行われる。
第二領域32では、膜分離装置36により被処理水から活性汚泥等の固形物が分離され、分離された被処理水が、送水管37によって後段の被処理水槽(図示せず)に排出される。尚、膜分離装置36に用いられる分離膜として、限外ろ過膜、精密ろ過膜等が好ましく採用される。膜の形態は、平膜、中空糸膜、チューブラー膜などが好ましく採用される。
尚、分離壁34で分離された第一領域31の容積は、第二領域32の容積より大きくなるように設定されている。特に、第一領域31の容積が第二領域32の容積の2倍程度大きくなるように分離壁34を形成することが好ましい。このように構成することで、第一領域31で好気処理が良好に行われる。
複数の膜分離装置36の下部には、夫々の膜分離装置36の膜表面に付着する汚泥を除去洗浄する曝気装置38が配設されている。第二領域32では、曝気装置38から供給される空気により、好気条件下で活性汚泥により硝化処理が行われる。第二領域32の活性汚泥は、引抜管39により余剰汚泥として排出される。
第一領域31で好気性処理が行われた被処理水が、分離壁34の他端側の開放部から第二領域32に向けてU字状に流下するように構成されているため、散気装置35からの散気の流れ、曝気装置38からの散気の流れが相互に干渉することによる被処理水の流れの乱れが発生することが無い。
図3,4に示すようにポンプ機構40は、隔壁21の近傍に配置された揚水管41と、ブロワにより揚水管41に気泡を供給する散気装置42と、気泡により揚水された被処理水を揚水管41の上部から無酸素槽20の上流側に移送する送水路43を備えたエアリフトポンプ44で構成されている。
散気装置42は、無数の微孔が形成された複数本の短管が、揚水管41の下部開口に対応配置され、送気管を介してフロワと接続されている。
好気槽30で硝化処理された被処理水はエアリフトポンプ44で無酸素槽20の上流側に返送される。これにより、好気槽30の硝化処理により被処理水に含まれる硝酸イオン及び亜硝酸イオンが、無酸素槽20へ循環されて、脱窒処理が行われる。
尚、エアリフトポンプ44は、架台45によって隔壁21の近傍の適当な位置に設置される。
エアリフトポンプ44を、隔壁21の近傍に配置して送水路43を短く、つまり全揚程を短くすることで、被処理水の送水に必要な散気量、つまりブロワの動力を低減することができ、また、散気量を減らすことで溶存酸素濃度が高い被処理水が無酸素槽20に流れ込むことを防止できるので、無酸素槽20の脱窒効率を低減させる虞を低減することができる。
さらに、エアリフトポンプ44を介して無酸素槽20に返送された被処理水の一部は送水路23を介して嫌気槽10に返送される。リンを取り込んだ好気槽30内の微生物が送水路23を介して嫌気槽10へ循環されて、正リン酸としてリンが液中に放出される。
好気槽30から活性汚泥を含む被処理水が無酸素槽20に返送され、無酸素槽20から被処理水が嫌気槽10に返送されるように構成されているため、無酸素槽20で脱窒処理され硝酸性窒素、亜硝酸性窒素を含まず、酸素が消費された被処理水が嫌気槽10に返送され、嫌気槽10でのリンの放出条件である無NOx及び無酸素状態を維持することができる。
よって、嫌気槽10ではリン化合物が正リン酸として効率的に放出され、放出された正リン酸が後段の好気槽30において嫌気槽10で放出した量以上に活性汚泥に取り込まれることにより、被処理水からリンを高度に除去することが可能となる。
以上の構成により、好気槽30から無酸素槽20への返送にかかるポンプ機構40の動力を低減でき、効率の良い処理が行えるのである。
尚、上述した実施形態では、詳述していないが、嫌気槽10及び無酸素槽20には、夫々の処理が均一に行われるように、被処理水を撹拌する撹拌機構を備えている。
次に、本発明による別実施形態を説明する。
上述した実施形態では、上流側の処理槽の被処理水が、隔壁の下部に形成された連通口を介して下流側の処理槽に流入する例を説明したが、上流側の処理槽の被処理水が、隔壁をオーバーフローして下流側の処理槽に流入するように構成してもよい。この場合、第二領域と上流側の無酸素槽との間の隔壁は、水面より上方に突出形成され、無酸素槽から第二領域に流入することがないように構成すればよい。
上述した実施形態では、好気槽30に一枚の分離壁34を備えた構成について説明したが、図5,図6に示すように、好気槽30を分離する分離壁34a,34bが被処理水の流入方向に沿って二枚設けられ、第二領域32を一対の第一領域31a,31bの間に形成してもよい。尚、図5,図6では、膜分離装置36で分離された被処理水の送水管37及び第二領域32の活性汚泥の引抜管39の記載は省略する。
膜分離装置36のろ過膜は、メンテナンスの際に槽内から槽外に引き上げることができるように設置されること好ましいが、図7に示すように、既存の標準活性汚泥法、硝化液循環活性汚泥法、生物循環式嫌気好気法を採用した汚水処理設備の好気槽30に、膜分離装置36を設置する場合、各処理槽の形状によっては、例えば、作業員の通路や、散気装置への給気配管等の設置スペースのために好気槽の側壁上部から、好気槽上部空間の中央部に向けて天面51が延出形成され、開口52が中央部のみしかない場合がある。
このような場合でも、一対の第一領域の間に形成された第二領域に膜分離装置を設置すれば、天面と干渉することなく、開口52から膜分離装置36のろ過膜を引き上げてメンテナンスすることが可能となる。
特に、膜分離式活性汚泥法を採用していない既存の標準活性汚泥法、硝化液循環活性汚泥法、生物循環式嫌気好気法を採用した汚水処理設備に対して膜分離装置が設置された膜分離式活性汚泥法を採用する汚水処理設備に改築する場合等に好適である。
このような既存の汚水処理設備では、作業員の通路や、散気装置への給気配管等の設置スペースのために、上部が槽上部空間の中央部に向けて天面が延出形成された断面Y字形状の側壁によって区画されるような側壁構造が採用される場合が多いためである。
上部空間の中央部に向けて上部が延出形成された側壁で区画される処理槽により被処理水を処理する汚水処理設備を改築する場合には、少なくとも嫌気性微生物により被処理水を脱窒する無酸素槽と、無酸素槽と隔壁を介して配置され、無酸素槽から流入する被処理水に含まれるアンモニアを好気性微生物で硝化する好気槽を含む汚水処理経路が配置され、好気槽に、無酸素槽から流入する被処理水を受け入れる一対の第一領域と、一対の第一領域の間に、第一領域から流入した被処理水を隔壁に導く第二領域が形成されるように、被処理水の流入方向に沿って好気槽を分離する分離壁を設ける工程と、第一領域に被処理水に散気する散気装置を設置する工程と、第二領域に被処理水を固液分離する膜分離装置のろ過膜を、槽内と槽外の間で昇降自在に設置する工程と、第二領域のうち膜分離装置の下流側に、隔壁の近傍に配置された揚水管と、揚水管に気泡を供給する散気装置と、気泡により揚水された被処理水を揚水管の上部から無酸素槽に移送する送水路を備えたエアリフトポンプを設置する工程により好適に改築できる。
一対の第一領域で挟まれる第二領域、つまり側壁から離隔した中央領域にろ過膜を設置することにより、ろ過膜のメンテナンス等のために、ろ過膜を槽内と槽外の間で昇降させる場合に、側壁上部の延出部と干渉するようなことがないため、既存の側壁上部の延出部を削り取るような大掛かりな工事が不要となるためである。
汚水処理経路が複数並列に配置され、処理槽の上部空間の中央部に向けて上部が延出形成された断面Y字形状の側壁によって各汚水処理経路に隣接する処理槽が区画される汚水処理設備に対して、各工程が適用されることが特に好ましい。
上述した実施形態では、第二領域32内の被処理水を無酸素槽20へ返送するポンプ機構40と、無酸素槽20内の被処理水を嫌気槽10へ返送する送水路23を備えた構成について説明したが、当該返送路23を備えずに、ポンプ機構で送水した第二領域32の被処理水を、無酸素槽20と嫌気槽10の夫々に所定量返送するように構成してもよい。
上述のエアリフトポンプ44は、散気装置42を揚水管41の下部に設置する構成について説明したが、散気装置42は必ずしも揚水管41の下部にする必要はなく、揚水管41の管壁側面に形成した開口から管内に気泡を供給するように構成してもよい。
また、ポンプ機構としてのエアリフトポンプは、微生物を担持する担体を循環供給する場合に、機械式のポンプのようにインペラで担体を破損する虞が無い点で好ましいが、微生物を担持する担体を用いずに活性汚泥を循環供給する場合は、機械式の水中ポンプを第二領域に設置して被処理水の一部を返送するように構成してもよい。
上述した実施形態では、本発明が膜分離装置を備えた膜分離式活性汚泥法に適用される構成について説明したが、図8(a)に示す循環式消化脱窒法や、図8(b)に示すように、膜分離装置を設けない生物循環式嫌気好気法に適用することも可能である。
上述した実施形態では、図9(a),(b)に示すように、第一領域31内に第一領域31をさらに区画する区画壁50を備え、区画壁50で区画された領域の夫々に散気装置35を設置し、区画された領域を被処理水が蛇行するように構成してもよい。このように構成することで、被処理水が第一領域31を通過時間がのび、散気装置によって確実に散気され、好気処理の効率があがる。
尚、区画壁50は、無酸素槽20から第一領域31に流入する被処理水の流入方向に沿って備える場合に限らず、被処理水の流入方向に対して、例えば、直角方向に備えてもよい。
また、第二領域32も同様に被処理水を蛇行させるように区画壁を備えて、区画壁で区画された領域の夫々に膜分離装置を備えて、区画された第二領域の最下流側にエアリフトポンプを設置するように構成してもよい。
上述した実施形態では、分離壁34は、無酸素槽20から流入する被処理水を受け入れる第一領域31と、第一領域31から流入した被処理水を隔壁22に導く第二領域32とに、被処理水の流入方向に沿って好気槽30を分離し、その上縁が水面より上方に突出する一枚または二枚の略垂直壁で構成され、基端側が隔壁21と接合され、他端側が好気槽30内で開放されている構成について説明したが、図10(a),(b),(c)に示すように、分離壁34を、無酸素槽20と好気槽30の隔壁21の中央下部に形成された開口22から好気槽30内に延出形成し、被処理水の通水路となるような形状、つまり、槽内を上下に仕切る分離壁に構成してもよい。この場合、好気槽30の分離壁34に囲まれた被処理水の通水路内部が第一領域31となり、その周囲が第二領域32となり、隔壁21の近傍にポンプ機構40が設置される。
そして、第二領域32であって、分離壁34で囲まれる通水路の周囲であって、通水路と平行に被処理水を散気する散気装置35を設置するとともに、分離壁34で囲まれる通水路の上部に被処理水を固液分離する膜分離装置36が設置されるように構成されていてもよい。尚、散気装置35は必ずしも第二領域32に設置する必要はなく、分離壁34で囲まれる通水路内部の第一領域31に設置してもよい。
さらに、図11(a),(b)に示すように、嫌気性微生物により被処理水を脱窒する無酸素槽20と、無酸素槽20と隔壁21を介して配置され、無酸素槽20から流入する被処理水に含まれるアンモニアを好気性微生物で硝化する好気槽30と、好気槽30と隔壁56を介して配置され、好気槽30で硝化された被処理水を固液分離する膜分離装置36が設置された膜分離槽55と、膜分離槽55の被処理水の一部を無酸素槽20に返送するポンプ機構を備えている汚水処理設備では、膜分離槽55に、好気槽30から流入する被処理水を受け入れる第一領域と、第一領域31から流入した被処理水を好気槽30との隔壁56に導く第二領域32とに、被処理水の流入方向に沿って膜分離槽55を分離する分離壁34を設けて、第二領域32の隔壁56近傍に上述のエアリフトポンプ44を備え、エアリフトポンプ44により被処理水の一部を無酸素槽20に返送するように構成することもできる。
この場合、第二領域32に膜分離装置36が設置される。第一領域31は単に流路として機能するように構成してもよいし、散気装置35を設置してもよい。
このような構成を採用する場合にも、被処理水の返送経路となる配管を短く、且つ、構造を簡素化することができるので、被処理水の返送に必要なポンプ機構の動力を低減することができる。
尚、分離壁34は、図1で説明したような垂直壁や、図10で説明したような槽内を上下に仕切る分離壁34の何れを採用してもよい。
つまり、本発明による汚水処理設備は、微生物により被処理水を浄化処理する複数の処理槽が隔壁を介して連接され、下流側の処理槽に被処理水の一部を上流側の処理槽に返送するポンプ機構を備えている汚水処理設備に適用でき、下流側の処理槽に、上流側の処理槽から流入する被処理水を受け入れる第一領域と、第一領域から流入した被処理水を上流側の処理槽との隔壁に導く第二領域とに、被処理水の流入方向に沿って下流側の処理槽を分離する分離壁を設けて、少なくとも第二領域の隔壁近傍にポンプ機構を備え、当該ポンプ機構が、隔壁の近傍に配置された揚水管と、揚水管に気泡を供給する散気装置と、気泡により揚水された被処理水を揚水管の上部から上流側に配置された何れかの処理槽に移送する送水路を備えたエアリフトポンプで構成されていればよい。
上述した実施形態は、何れも本発明の一例であり、当該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
10:嫌気槽
20:無酸素槽
30:好気槽
31:第一領域
32:第二領域
36:膜分離装置
40:ポンプ機構
44:エアリフトポンプ

Claims (8)

  1. 微生物により被処理水を浄化処理する複数の処理槽が隔壁を介して連接され、下流側の処理槽に被処理水の一部を上流側の処理槽に返送するポンプ機構を備えている汚水処理設備であって、
    下流側の処理槽に、基端側が隔壁と接合された分離壁を設けて、上流側の処理槽から流入する被処理水を前記分離壁の基端側から受け入れて他端側まで流下させる第一領域と、第一領域を流下した被処理水を前記分離壁の他端側から受け入れて上流側の処理槽との隔壁に導く第二領域とに分離して、
    第一領域に被処理水を散気する散気装置を設置するとともに、第二領域に被処理水を固液分離する膜分離装置を設置して、
    第二領域の下流側に、隔壁の近傍に配置された揚水管と、揚水管に気泡を供給する散気装置と、気泡により揚水された被処理水を揚水管の上部から上流側に配置された処理槽に移送する送水路を備えたエアリフトポンプで構成されるポンプ機構を備えている汚水処理設備。
  2. 嫌気性微生物により被処理水を脱窒する無酸素槽と、無酸素槽と隔壁を介して配置され、無酸素槽から流入する被処理水に含まれるアンモニアを好気性微生物で硝化する好気槽と、好気槽で硝化された被処理水の一部を無酸素槽に返送するポンプ機構を備えている汚水処理設備であって、
    好気槽に、基端側が隔壁と接合された分離壁を設けて、無酸素槽から流入する被処理水を前記分離壁の基端側から受け入れて他端側まで流下させる第一領域と、第一領域を流下した被処理水を前記分離壁の前記他端側から受け入れて前記隔壁に導く第二領域とに分離して、
    第一領域に被処理水を散気する散気装置を設置するとともに、第二領域に被処理水を固液分離する膜分離装置を設置して、
    第二領域の下流側に、隔壁の近傍に配置された揚水管と、揚水管に気泡を供給する散気装置と、気泡により揚水された被処理水を揚水管の上部から無酸素槽に移送する送水路を備えたエアリフトポンプで構成されるポンプ機構を備えている汚水処理設備。
  3. 分離壁で分離された第一領域の容積が第二領域の容積より大きくなるように設定されている請求項1または2記載の汚水処理設備。
  4. 被処理水の流入方向に沿って好気槽を分離する分離壁が二枚設けられ、第二領域が一対の第一領域の間に形成されている請求項2または3記載の汚水処理設備。
  5. 無酸素槽の上流側に被処理水に含まれるBOD成分を除去する嫌気槽が隔壁を介して連設され、好気槽の被処理水がエアリフトポンプを介して無酸素槽に返送されるとともに、一部が嫌気槽に返送されるように構成されている請求項2からの何れかに記載の汚水処理設備。
  6. 嫌気性微生物により被処理水を脱窒する無酸素槽と、無酸素槽と隔壁を介して配置され、無酸素槽から流入する被処理水に含まれるアンモニアを好気性微生物で硝化する好気槽と、好気槽と隔壁を介して配置され、好気槽で硝化された被処理水を固液分離する膜分離装置が設置された膜分離槽と、膜分離槽の被処理水の一部を無酸素槽に返送するポンプ機構を備えている汚水処理設備であって、
    膜分離槽に、基端側が隔壁と接合された分離壁を設けて、好気槽から流入する被処理水を前記分離壁の基端側から受け入れて他端側まで流下させる第一領域と、第一領域を流下した被処理水を前記分離壁の他端側から受け入れて好気槽との隔壁に導く第二領域とに分離して、第二領域の隔壁近傍にポンプ機構を備え、当該ポンプ機構が、隔壁の近傍に配置された揚水管と、揚水管に気泡を供給する散気装置と、気泡により揚水された被処理水を揚水管の上部から無酸素槽に移送する送水路を備えたエアリフトポンプで構成されている汚水処理設備。
  7. 上部空間の中央部に向けて上部が延出形成された側壁で区画される処理槽により被処理水を処理する汚水処理設備の改築方法であって、
    少なくとも嫌気性微生物により被処理水を脱窒する無酸素槽と、無酸素槽と隔壁を介して配置され、無酸素槽から流入する被処理水に含まれるアンモニアを好気性微生物で硝化する好気槽を含む汚水処理経路が配置され、
    好気槽に、基端側が隔壁と接合された分離壁を設けて、無酸素槽から流入する被処理水を前記分離壁の基端側から受け入れて他端側まで流下させる一対の第一領域と、一対の第一領域の間に、第一領域を流下した被処理水を前記分離壁の他端側から受け入れて隔壁に導く第二領域が形成されるように、好気槽を分離する分離壁を設ける工程と、
    第一領域に被処理水に散気する散気装置を設置する工程と、
    第二領域に被処理水を固液分離する膜分離装置のろ過膜を、槽内と槽外の間で昇降自在に設置する工程と、
    第二領域のうち膜分離装置の下流側に、隔壁の近傍に配置された揚水管と、揚水管に気泡を供給する散気装置と、気泡により揚水された被処理水を揚水管の上部から無酸素槽に移送する送水路を備えたエアリフトポンプを設置する工程を含む汚水処理設備の改築方法。
  8. 汚水処理経路が複数並列に配置され、処理槽の上部空間の中央部に向けて上部が延出形成された断面Y字形状の側壁によって各汚水処理経路に隣接する処理槽が区画される汚水処理設備に対して、各工程が適用される請求項記載の汚水処理設備の改築方法。
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