JP5258575B2 - 硬化性組成物および触媒組成物 - Google Patents

硬化性組成物および触媒組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る反応性ケイ素(以下、「反応性ケイ素基」ともいう。)を有する重合体を含む硬化性組成物を硬化させるための触媒組成物およびそれを用いた硬化性組成物に関する。
分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を有する重合体は、室温においても湿分などによる反応性ケイ素基の加水分解反応などを伴うシロキサン結合の形成によって架橋し、ゴム状硬化物が得られるという性質を有することが知られている。
これらの反応性ケイ素基を有する重合体の中で、主鎖骨格がポリオキシアルキレン系重合体やポリイソブチレン系重合体である重合体は、(特許文献1)、(特許文献2)などに開示されており、既に工業的に生産され、シーリング材、接着剤、塗料などの用途に広く使用されている。
また、主鎖骨格がポリシロキサン、特にジオルガノポリシロキサンである重合体からなる硬化性組成物に関しても、(特許文献3)など数多くの報告がなされている。
シーリング材、接着剤、塗料などに用いられる硬化性組成物および硬化によって得られるゴム状硬化物には、硬化性、接着性、機械特性など種々の特性が要求される。
反応性ケイ素基を有する重合体を含む硬化性組成物を硬化させるには、硬化触媒が用いられ、通常、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)などの、炭素−錫結合を有する有機錫系触媒が広く使用されている。しかしながら、近年、有機錫系化合物はその毒性が指摘されており、非有機錫系触媒の開発が求められている。
非有機錫系触媒としては、カルボン酸金属塩、金属アルコキシドなど数多くの研究がなされているが、中でもカルボン酸やアミン化合物は金属非含有の触媒系であり、環境への影響が比較的小さいことが期待される。(特許文献4)において、カルボン酸とアミンを併用することによって良好な硬化性を有する硬化性組成物が得られることが開示されている。しかしながら、アミン化合物とカルボン酸とを併用したシラノール縮合触媒を用いた硬化性組成物は、シーリング材や接着剤などの用途に適した接着性を得るには、改善の余地があった。また、アミン化合物単独では、(特許文献4)でも述べられているように、十分な硬化性を得ることは困難であった。
(特許文献5)には、触媒としてフッ素アニオンを有する化合物を用いた硬化性組成物が優れた硬化性を有し、得られる硬化物は優れた接着性を有することが開示されている。
ただし、シーリング材、接着剤、塗料などに用いられる硬化性組成物および硬化によって得られるゴム状硬化物には、強度の向上、作業性改善、意匠性付与等の目的で、充填剤が添加される場合が多いが、反応性ケイ素基を有する有機重合体の硬化触媒としてフッ化塩化合物を用いる場合、充填剤を添加すると硬化性組成物の硬化性が低下するという問題があった。

一方、(特許文献5)中には、フッ素アニオンを有する化合物として4級アンモニウムフルオライド塩、アルカリ金属のフッ化塩等が例示されている。
しかしながら、前記4級アンモニウムフルオライド塩は単離状態では不安定なため水あるいは有機溶剤中に溶解させた溶液状態で供給され、4級アンモニウムフルオライド塩水溶液を触媒として使用する場合、水の影響により貯蔵安定性が良好な硬化性組成物を得ることが困難であった。また、有機溶媒中に溶解した4級アンモニウムフルオライド塩溶液を触媒として使用する場合、有機溶媒の影響で、得られるシーリング材や接着剤に多量の揮発分が残留しやすく工業的な実用化には問題があった。また、4級アンモニウムフルオライド塩は高価であり、この点でも工業的な実用化には問題があった。さらに、アルカリ金属のフッ化塩は一般に有機系化合物との相溶性が良好でなく、触媒として用いた場合に硬化性が得られ難いという問題があった。
このように、工業的実用化が可能なフッ素アニオンを有する化合物を触媒として用いる硬化性組成物はいまだ得られておらず、その開発が望まれているのが現状である。
特開昭52−73998号公報 特開昭63−6041号公報 特開昭55−43119号公報 特開平5−117519号公報 特開2001−207070号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、反応性ケイ素基を有する有機重合体を主成分とする硬化性組成物であって、実質的に有機錫化合物を用いずに、良好な硬化性を示し、十分な強度を有する硬化物を与える硬化性組成物および触媒組成物を提供することを目的とする。
上記事情に鑑み、本発明者等が鋭意検討した結果、反応性ケイ素基を有する有機重合体の硬化触媒としてフッ化塩化合物を用い、さらに特定の充填剤を添加することによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。また、反応性ケイ素基を有する有機重合体に、硬化触媒として、フッ化塩化合物とプロトン酸を使用することにより良好な硬化性と作業性を両立できることを見出した。また、さらにスルホニル基を有する化合物を加えることにより、良好な作業性を維持したまま、硬化性組成物の硬化性がさらに良好となることを見出した。また、上記フッ化塩化合物としてフッ化アンモニウム塩、複素環構造を有するフッ化置換アンモニウム塩を用いることにより、またはアミン化合物を併用することにより、硬化性組成物の硬化性が更に良好となることを見出した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する重合体(A)と、フッ化塩化合物(B)を含む硬化性組成物。
(2)充填剤(C)をさらに含む(1)に記載の硬化性組成物であって、前記充填剤(C)が、脂肪酸以外で表面処理された沈降炭酸カルシウム、脂肪酸で表面処理された沈降炭酸カルシウム(前記フッ化塩化合物(B)中に含有されるフッ素原子と、前記脂肪酸で表面処理された沈降炭酸カルシウムとの重量比が0.0015以上を満たす。)、重質炭酸カルシウムおよびシリカからなる群より選択される少なくとも1種以上である硬化性組成物。
(3)前記フッ化塩化合物(B)は、フッ化アンモニウム塩である、(1)、(2)記載の硬化性組成物。
(4)プロトン酸(D)をさらに含む(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(5)前記プロトン酸(D)は、脂肪酸である(4)に記載の硬化性組成物。
(6)前記プロトン酸(D)は、スルホン酸である(4)に記載の硬化性組成物。
(7)前記プロトン酸(D)が供与し得るHイオンのモル数と、前記フッ化塩化合物(B)中のフッ素原子のモル数との比が0.1以上である(4)〜(6)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(8)スルホン酸以外のスルホニル基を有する化合物(E)を更に含む(1)〜(7)のいずれに記載の硬化性組成物。
(9)前記スルホニル基を有する化合物(E)のモル数と、フッ化塩化合物(B)のフッ素原子のモル数との比が0.5以上である(8)に記載の硬化性組成物。
(10)前記重合体(A)100重量部に対して、0.001〜30重量部の前記フッ化塩化合物(B)を含有する(1)〜(9)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(11)前記重合体(A)100重量部に対して、5〜500重量部の前記充填剤(C)を含有する(2)〜(10)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(12)前記フッ化塩化合物(B)が、以下のフッ化塩化合物(B1)である(1)に記載の硬化性組成物。
フッ化塩化合物(B1):フッ化置換アンモニウム塩あるいはフッ化非置換アンモニウム塩であって、該フッ化置換アンモニウム塩で置換基が炭化水素基の場合あるいは該フッ化非置換アンモニウム塩の場合には、前記フッ化塩化合物(B)は一般式(1):
4−mNHF・(HF)
(式中Rは置換あるいは非置換の炭化水素基、0≦m≦4、nは0または正の数を表し、mおよびnが同時に0となることはない)で表されるフッ化塩化合物。
(13)前記フッ化塩化合物(B1)がアンモニウムハイドロフルオライド化合物(B2)である(12)に記載の硬化性組成物。
(14)前記フッ化塩化合物(B1)が1級、2級、あるいは3級のフッ化置換アンモニウム塩化合物(B3)である(12)あるいは(13)に記載の硬化性組成物。
(15)前記フッ化塩化合物(B1)がフッ化非置換アンモニウム塩および/またはフッ化水素非置換アンモニウム塩である(12)に記載の硬化性組成物であって、さらにアミン化合物(F)を含む硬化性組成物。
(16)前記フッ化塩化合物(B)の最大粒子径が150μm以下である(15)記載の硬化性組成物。
(17)前記フッ化塩化合物が、アンモニウムハイドロフルオライド化合物である(12)〜(14)のいずれか1項に記載の硬化性組成物であって、さらにアミン化合物(F)を含む硬化性組成物。
(18)前記フッ化塩化合物(B)が一般式(2):
Figure 0005258575
(式中、2個のRは、それぞれ独立に、炭素原子数1から4の炭化水素基であり、3個のRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1から4の炭化水素基である。nは0または正の数を表わす。)で表わされる(17)に記載の硬化性組成物。
(19)前記アミン化合物(F)がアミジン化合物である(15)〜(18)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(20)前記アミン化合物(F)がアミノ基を有する3級アミン化合物である(15)〜(18)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(21)前記フッ化塩化合物(B)の合計モル数に対する、前記アミン化合物(F)の合計モル数の比が0.1〜10である(15)〜(20)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(22)酸化合物(G)をさらに含む(12)〜(21)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(23)前記酸化合物(G)がカルボン酸である(22)に記載の硬化性組成物。
(24)前記アミン化合物(F)の合計モル数に対する前記酸化合物(G)の合計モル数の比が0.5〜2である(23)に記載の硬化性組成物。
(25)前記酸化合物(G)が、カルボン酸無水物である(22)に記載の硬化性組成物。
(26)前記アミン化合物(F)のモル数に対する前記酸化合物(G)中のカルボン酸無水物基のモル数が0.1〜1である(25)に記載の硬化性組成物。
(27)前記重合体(A)は、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を1分子あたり平均して1個以上有する重合体である(1)〜(26)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(28)前記重合体(A)が有するシロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基が、下記一般式(3):
−SiR 3−a (3)
(式中、(3−a)個のRは、それぞれ独立に、炭素原子数1から20の炭化水素基あるいはR SiO−(3個のRはそれぞれ独立に、炭素原子数1から20の炭化水素基である。)で示されるシロキシ基であり、a個のXはそれぞれ独立に、水酸基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基、フェノキシ基からなる群より選択される基である。また、aは1,2,3のいずれかである。)で表される(1)〜(27)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(29)一般式(3)中に記載のaが2である(28)に記載の硬化性組成物。
(30)一般式(3)中に記載のXがアルコキシ基である(28)または(29)に記載の硬化性組成物。
(31)前記重合体(A)の数平均分子量が3,000〜100,000である(1)〜(30)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(32)前記重合体(A)は、ポリオキシアルキレン系重合体、飽和炭化水素系重合体、および(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる群から選択される少なくとも1種の主鎖骨格を有する重合体である、(1)〜(31)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(33)(1)〜(32)のいずれかに記載の硬化性組成物を用いてなるシーリング材。
(34)(1)〜(32)のいずれか1項に記載の硬化性組成物を用いてなる接着剤。
(35)フッ化塩化合物(B)と、アミン化合物(F)と、を含む、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する重合体(A)の硬化のために用いられる触媒組成物。
(36)前記酸化合物(G)をさらに含む(35)に記載の触媒組成物。
(37)分散剤(H)をさらに含む(35)あるいは(36)記載の触媒組成物。
(38)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する重合体(A)と、(35)〜(37)のいずれかに記載の触媒組成物と、を含む硬化性組成物。
本発明の硬化性組成物は、有機錫系触媒を使用することなく良好な硬化性と作業性を有し、十分な強度を有する硬化物を与える。
以下本発明を詳しく説明する。
<シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する重合体(A)>
本発明に用いる上記重合体の主鎖骨格は特に制限はなく、各種の主鎖骨格を持つもの、好ましくは有機重合体を使用することができる。
具体的には、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシプロピレン−ポリオキシブチレン共重合体等のポリオキシアルキレン系重合体;エチレン−プロピレン系共重合体、ポリイソブチレン、イソブチレンとイソプレン等との共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリルおよび/またはスチレン等との共重合体、ポリブタジエン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリルおよびスチレン等との共重合体、これらのポリオレフィン系重合体に水素添加して得られる水添ポリオレフィン系重合体等の炭化水素系重合体;アジピン酸等の2塩基酸とグリコールとの縮合、または、ラクトン類の開環重合で得られるポリエステル系重合体;エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のモノマーをラジカル重合して得られる(メタ)アクリル酸エステル系重合体;(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等のモノマーをラジカル重合して得られるビニル系重合体;前記有機重合体中でのビニルモノマーを重合して得られるグラフト重合体;ポリサルファイド系重合体;ε−カプロラクタムの開環重合によるナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合によるナイロン6・6、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の縮重合によるナイロン6・10、ε−アミノウンデカン酸の縮重合によるナイロン11、ε−アミノラウロラクタムの開環重合によるナイロン12、上記のナイロンのうち2成分以上の成分を有する共重合ナイロン等のポリアミド系重合体;たとえばビスフェノールAと塩化カルボニルより縮重合して製造されるポリカーボネート系重合体、ジアリルフタレート系重合体等が例示される。また、ポリジオルガノシロキサンなどのポリシロキサン系重合体も使用できる。
これらのなかでも、ポリイソブチレン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン等の飽和炭化水素系重合体や、ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、ポリシロキサン系重合体は比較的ガラス転移温度が低く、硬化性組成物として使用した場合に得られる硬化物が耐寒性に優れることからより好ましい。
有機重合体(A)のガラス転移温度は、特に限定は無いが、20℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましく、−20℃以下であることが特に好ましい。ガラス転移温度が20℃を上回ると、冬季または寒冷地での粘度が高くなり作業性が悪くなる場合があり、また、硬化物の柔軟性が低下し、伸びが低下する場合がある。前記ガラス転移温度はDSC測定による値を示す。
また、ポリオキシアルキレン系重合体および(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、透湿性が高く、1液型組成物にした場合に深部硬化性に優れ、更に接着性にも優れることから特に好ましく、ポリオキシアルキレン系重合体は最も好ましい。
また、アクリル樹脂やポリエステル樹脂などのエステル結合を含む重合体は、本発明に係るフッ化塩化合物(B)のようなシラノール縮合触媒等によって、エステル結合が開裂する場合があり、硬化性組成物や硬化物の各種物性が変わってしまう恐れがある。その点、ポリオキシアルキレン系重合体および炭化水素系重合体は、硬化触媒の存在下でもエステル交換反応などの副反応によって主鎖骨格が変性されることがなく、好ましい。
有機重合体(A)に含有される反応性ケイ素基は、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シラノール縮合触媒によって加速される反応によりシロキサン結合を形成することにより架橋し得る基である。反応性ケイ素基としては、下記一般式(3):
−SiR 3−a (3)
(式中、(3−a)個のRは、それぞれ独立に、炭素原子数1から20の炭化水素基あるいはR SiO−(3個のRはそれぞれ独立に、炭素原子数1から20の炭化水素基である。)で示されるシロキシ基であり、a個のXはそれぞれ独立に、水酸基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基、フェノキシ基からなる群より選択される基である。また、aは1,2,3のいずれかである。)で表される基を挙げることができる。
加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的には、たとえば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。
加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、1個のケイ素基中に2個以上結合する場合には、それらは同じであってもよいし、異なってもよい。
また、Rの具体例としては、たとえばメチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基や、Rがメチル基、フェニル基等であるR SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基等が挙げられる。これらの中ではメチル基が特に好ましい。
反応性ケイ素基のより具体的な例示としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基、メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基などが挙げられる。活性が高く良好な硬化性が得られることから、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基がより好ましく、トリメトキシシリル基が特に好ましい。また、貯蔵安定性の点からは、ジメトキシメチルシリル基が特に好ましい。トリエトキシシリル基は、反応性ケイ素基の加水分解反応に伴って生成するアルコールが、エタノールであり、より高い安全性を有することから特に好ましい。
また、1個のケイ素原子上に3個の加水分解性基を有する反応性ケイ素基を有する有機重合体は、高い硬化性が得られると共に、良好な復元性、耐久性および耐クリープ性を有する硬化性組成物を与える傾向があり好ましい。
反応性ケイ素基の導入は公知の方法で行えばよい。すなわち、たとえば以下の方法が挙げられる。
(イ)分子中に水酸基等の官能基を有する有機重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基および不飽和基を有する有機化合物を反応させ、不飽和基を含有する有機重合体を得る。もしくは、不飽和基含有エポキシ化合物との共重合により不飽和基含有有機重合体を得る。ついで得られた反応生成物に反応性ケイ素基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
(ロ)(イ)法と同様にして得られた不飽和基を含有する有機重合体にメルカプト基および反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
(ハ)分子中に水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基を有する有機重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基および反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
以上の方法のなかで、(イ)の方法、または(ハ)の方法のうち、末端に水酸基を有する有機重合体とイソシアネート基および反応性ケイ素基を有する化合物とを反応させる方法は、比較的短い反応時間で高い転化率が得られる為に好ましい。更に、(イ)の方法で得られた反応性ケイ素基を有する有機重合体は、(ハ)の方法で得られる有機重合体よりも低粘度で作業性の良い硬化性組成物となること、また、(ロ)の方法で得られる有機重合体は、メルカプトシランに基づく臭気が強いことから、(イ)の方法が特に好ましい。
上記(イ)の方法において用いるヒドロシラン化合物の具体例としては、たとえば、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、フェニルジクロロシランのようなハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシランのようなアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシランのようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシランのようなケトキシメートシラン類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでは、特にハロゲン化シラン類、アルコキシシラン類が好ましく、特にアルコキシシラン類は、得られる硬化性組成物の加水分解性が穏やかで取り扱いやすいために最も好ましい。アルコキシシラン類の中で、メチルジメトキシシランは、入手し易く、得られる有機重合体を含有する硬化性組成物の硬化性、貯蔵安定性、伸び特性、引張強度が高い為に特に好ましい。
上記ヒドロシラン化合物の中で、下記一般式(4):
H−SiX (4)
(式中、Xは、上記一般式(3)と同じ。)で表されるヒドロシラン化合物は、該ヒドロシラン化合物の付加反応により得られる有機重合体からなる硬化性組成物の硬化性が優れることから好ましい。一般式(4)で表されるヒドロシラン化合物の中で、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、および、トリイソプロポキシシラン等のトリアルコキシシラン類がより好ましい。
前記トリアルコキシシラン類の中でも、トリメトキシシランなどの炭素原子数が1のアルコキシ基(メトキシ基)を有するトリアルコキシシランは、不均化反応が速く進行する場合があり、不均化反応が進むと、ジメトキシシランのようなかなり危険な化合物が生じる。したがって、取り扱い上の安全性の観点からは、下記一般式(5):
H−Si(OR (5)
(式中、3個のRは、それぞれ独立に炭素原子数2から20の有機基である)で表される炭素原子数が2以上のアルコキシ基を有するトリアルコキシシランを用いることが好ましい。入手性、取り扱い上の安全性の観点から、トリエトキシシランが最も好ましい。
(ロ)の合成法としては、たとえば、メルカプト基および反応性ケイ素基を有する化合物を、ラジカル開始剤および/またはラジカル発生源存在下でのラジカル付加反応によって、有機重合体の不飽和結合部位に導入する方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。前記メルカプト基および反応性ケイ素基を有する化合物の具体例としては、たとえば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシメチルシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(ハ)の合成法のうち、末端に水酸基を有する有機重合体とイソシアネート基および反応性ケイ素基を有する化合物とを反応させる方法としては、たとえば、特開平3−47825号公報に示される方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。前記イソシアネート基および反応性ケイ素基を有する化合物の具体例としては、たとえば、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルジメトキシメチルシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルジエトキシメチルシラン、イソシアネートメチルトリメトキシシラン、イソシアネートメチルトリエトキシシラン、イソシアネートメチルジメトキシメチルシラン、イソシアネートメチルジエトキシメチルシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前述したように、トリメトキシシラン等の1個のケイ素原子に3個の加水分解性基が結合しているシラン化合物は不均化反応が進行する場合がある。不均化反応が進むと、ジメトキシシランのようなかなり危険な化合物が生じる。しかし、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランやγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランでは、このような不均化反応は進行しない。このため、ケイ素含有基としてトリメトキシシリル基など3個の加水分解性基が1個のケイ素原子に結合している基を用いる場合には、(ロ)または(ハ)の合成法を用いることが好ましい。
反応性ケイ素基を有する有機重合体(A)は直鎖状、または分岐を有してもよく、その数平均分子量はGPCにおけるポリスチレン換算において3,000〜100,000程度が好ましく、より好ましくは4,000〜50,000であり、特に好ましくは5,000〜30,000である。数平均分子量が3,000未満では、硬化物の伸び特性の点で不都合な傾向があり、100,000を越えると、高粘度となる為に作業性の点で不都合な傾向がある。しかしながら、必要に応じて、500〜3,000、より実用的には1、000〜3,000、さらに現実的には2,000〜3,000といった低分子量の有機重合体(A)の単独使用あるいは混合使用を行うことも可能である。
高強度、高伸びで、低弾性率を示すゴム状硬化物を得るためには、有機重合体(A)に含有される反応性ケイ素基は、重合体1分子中に平均して少なくとも1個、好ましくは1.1〜5個存在するのがよい。分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が平均して1個未満になると、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾性挙動を発現しにくくなる。反応性ケイ素基は、有機重合体分子鎖の主鎖の末端あるいは側鎖の末端にあってもよいし、また、両方にあってもよい。特に、反応性ケイ素基が分子鎖の主鎖の末端にあるときは、最終的に形成される硬化物に含まれる有機重合体成分の有効網目長が長くなるため、高強度、高伸びで、低弾性率を示すゴム状硬化物が得られやすくなる。
ここで、前記ポリオキシアルキレン系重合体は、本質的に下記一般式(6):
−R−O− (6)
(式中、Rは炭素原子数1から14の直鎖状もしくは分岐アルキレン基である。)で示される繰り返し単位を有する重合体である。好ましくは、一般式(6)におけるRは、炭素原子数2から4の直鎖状もしくは分岐状アルキレン基である。一般式(6)で示される繰り返し単位の具体例としては、
Figure 0005258575
等が挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。特にシーラント等に使用される場合には、プロピレンオキシド重合体を主成分とする重合体から成るものが非晶質であることや比較的低粘度である点から好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体の合成法としては、たとえば、KOHのようなアルカリ触媒による重合法、特開昭61−215623号に示される有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる錯体のような遷移金属化合物−ポルフィリン錯体触媒による重合法、特公昭46−27250号、特公昭59−15336号、米国特許3278457号、米国特許3278458号、米国特許3278459号、米国特許3427256号、米国特許3427334号、米国特許3427335号等に示される複合金属シアン化物錯体触媒による重合法、特開平10−273512号に例示されるポリホスファゼン塩からなる触媒を用いる重合法、特開平11−060722号に例示されるホスファゼン化合物からなる触媒を用いる重合法等、が挙げられるが、特に限定されるものではない。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体の製造方法は、特公昭45−36319号、同46−12154号、特開昭50−156599号、同54−6096号、同55−13767号、同55−13468号、同57−164123号、特公平3−2450号、米国特許3632557、米国特許4345053、米国特許4366307、米国特許4960844等の各公報に提案されているもの、また特開昭61−197631号、同61−215622号、同61−215623号、同61−218632号、特開平3−72527号、特開平3−47825号、特開平8−231707号の各公報に提案されている数平均分子量6,000以上、Mw/Mnが1.6以下の高分子量で分子量分布が狭いポリオキシアルキレン系重合体が例示できるが、特にこれらに限定されるものではない。
上記の反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。
前記飽和炭化水素系重合体は、芳香環以外の炭素−炭素不飽和結合を実質的に含有しない重合体であり、その骨格をなす重合体は、(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどのような炭素原子数2から6のオレフィン系化合物を主モノマーとして重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンなどのようなジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、上記オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加するなどの方法により得ることができるが、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官能基を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末端官能基の数を多くすることができるので好ましく、イソブチレン系重合体が特に好ましい。
主鎖骨格が飽和炭化水素系重合体である有機重合体(A)は、耐熱性、耐候性、耐久性、および、湿気遮断性に優れるという特徴を有する。
イソブチレン系重合体は、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、他単量体との共重合体でもよいが、ゴム特性の面からイソブチレンに由来する繰り返し単位を50質量%以上含有するものが好ましく、80質量%以上含有するものがより好ましく、90〜99質量%含有するものが特に好ましい。
飽和炭化水素系重合体の合成法としては、従来、各種重合方法が報告されているが、特に近年多くのいわゆるリビング重合が開発されている。飽和炭化水素系重合体、特にイソブチレン系重合体の場合、Kennedyらによって見出されたイニファー重合(J.P.Kennedyら、J.Polymer Sci., Polymer Chem. Ed. 1997年、15巻、2843頁)を用いることにより容易に製造することが可能であり、分子量500〜100,000程度を、分子量分布1.5以下で重合でき、分子末端に各種官能基を導入できることが知られている。
反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体の製法としては、たとえば、特公平4−69659号、特公平7−108928号、特開昭63−254149号、特開昭64−22904号、特開平1−197509号、特許公報第2539445号、特許公報第2873395号、特開平7−53882号の各明細書などに記載されているが、特にこれらに限定されるものではない。
上記の反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。
前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体の主鎖を構成する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、メタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルジメトキシメチルシラン、メタクリロイルオキシメチルジエトキシメチルシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ビス(トリフルオロメチル)メチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系モノマーが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体では、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとともに、以下のビニル系モノマーを共重合することもできる。該ビニル系モノマーを例示すると、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸およびその塩等のスチレン系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよいし、複数を共重合させても構わない。なかでも、生成物の物性等から、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸系モノマーからなる重合体が好ましい。より好ましくは、アクリル酸エステルモノマーおよびメタクリル酸エステルモノマーからなる(メタ)アクリル系重合体であり、特に好ましくはアクリル酸エステルモノマーからなるアクリル系重合体である。一般建築用等の用途においては、配合物の低粘度、硬化物の低モジュラス、高伸び、耐候、耐熱性等の物性が要求される点から、アクリル酸ブチル系モノマーが更に好ましい。一方、自動車用途等の耐油性等が要求される用途においては、アクリル酸エチルを主とした共重合体が更に好ましい。このアクリル酸エチルを主とした重合体は耐油性に優れるが低温特性(耐寒性)にやや劣る傾向があるため、その低温特性を向上させるために、アクリル酸エチルの一部をアクリル酸ブチルに置き換えることも可能である。ただし、アクリル酸ブチルの比率を増やすに伴いその良好な耐油性が損なわれていくので、耐油性を要求される用途には、その比率は40モル%以下にするのが好ましく、更には30モル%以下にするのがより好ましい。また、耐油性を損なわずに低温特性等を改善するために側鎖のアルキル基に酸素が導入されたアクリル酸2−メトキシエチルやアクリル酸2−エトキシエチル等を用いるのも好ましい。ただし、側鎖にエーテル結合を持つアルコキシ基の導入により耐熱性が劣る傾向にあるので、耐熱性が要求されるときには、その比率は40モル%以下にするのが好ましい。各種用途や要求される目的に応じて、必要とされる耐油性や耐熱性、低温特性等の物性を考慮し、その比率を変化させ、適した重合体を得ることが可能である。たとえば、限定はされないが、耐油性や耐熱性、低温特性等の物性バランスに優れている例としては、アクリル酸エチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸2−メトキシエチル(モル比で40〜50/20〜30/30〜20)の共重合体が挙げられる。本発明においては、これらの好ましいモノマーを他のモノマーと共重合、更にはブロック共重合させても構わなく、その際は、これらの好ましいモノマーが質量比で40%以上含まれていることが好ましい。なお上記表現形式でたとえば(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/あるいはメタクリル酸を表す。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の合成法としては、特に限定されず、公知の方法で行えばよい。但し、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物などを用いる通常のフリーラジカル重合法で得られる重合体は、分子量分布の値が一般に2以上と大きく、粘度が高くなるという問題を有している。したがって、分子量分布が狭く、粘度の低い(メタ)アクリル酸エステル系重合体であって、高い割合で分子鎖末端に架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を得るためには、リビングラジカル重合法を用いることが好ましい。
「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒として(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法としてはさらに好ましい。この原子移動ラジカル重合法としては、たとえば、Matyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁などが挙げられる。
反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製法としては、たとえば、特公平3−14068号公報、特公平4−55444号公報、特開平6−211922号公報等に、連鎖移動剤を用いたフリーラジカル重合法を用いた製法が開示されている。また、特開平9−272714号公報等に、原子移動ラジカル重合法を用いた製法が開示されているが、特にこれらに限定されるものではない。
上記の反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。
反応性ケイ素基を有する有機重合体(A)は、上記した各種の主鎖骨格を有する有機重合体のいずれか1種であってもよく、2種以上の混合物であってもよい。具体的には、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体、反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体、反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体、からなる群から選択される2種以上をブレンドしてなる有機重合体も有機重合体(A)として使用できる。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体をブレンドしてなる有機重合体の製造方法は、特開昭59−122541号、特開昭63−112642号、特開平6−172631号、特開平11−116763号公報等に提案されているが、特にこれらに限定されるものではない。好ましい具体例は、反応性ケイ素基を有し、分子鎖が実質的に、下記一般式(7):
−CH2−C(R)(COOR)− (7)
(式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素原子数1から8のアルキル基を示す)で表される炭素原子数1から8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、下記一般式(8):
−CH−C(R)(COOR)− (8)
(式中、Rは前記に同じ、Rは炭素原子数10以上のアルキル基を示す)で表される炭素原子数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位からなる共重合体に、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体をブレンドして製造する方法である。
前記一般式(7)のRとしては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素原子数1から8、好ましくは1から4、さらに好ましくは1または2のアルキル基が挙げられる。なお、Rのアルキル基は単独でもよく、2種以上混合していてもよい。
前記一般式(8)のRとしては、たとえばラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基等の炭素原子数10以上、通常は10から30、好ましくは10から20の長鎖のアルキル基が挙げられる。なお、Rのアルキル基は単独でもよく、2種以上混合したものであってもよい。
該(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の分子鎖は実質的に式(7)および式(8)の単量体単位からなるが、ここでいう「実質的に」とは該共重合体中に存在する式(7)および式(8)の単量体単位の合計が50質量%を超えることを意味する。式(7)および式(8)の単量体単位の合計は好ましくは70質量%以上である。また式(7)の単量体単位と式(8)の単量体単位の存在比は、質量比で95:5〜40:60が好ましく、90:10〜60:40がさらに好ましい。
該共重合体に含有されていてもよい式(7)および式(8)以外の単量体単位としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテル等の窒素含有基を含む単量体;その他アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位が挙げられる。
反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体と反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体をブレンドしてなる有機重合体は、特開平1−168764号、特開2000−186176号公報等に提案されているが、特にこれらに限定されるものではない。
さらに、反応性ケイ素官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体をブレンドしてなる有機重合体の製造方法としては、他にも、反応性ケイ素基を有する有機重合体の存在下で(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重合を行う方法が利用できる。この製造方法は、特開昭59−78223号、特開昭59−168014号、特開昭60−228516号、特開昭60−228517号等の各公報に具体的に開示されているが、これらに限定されるものではない。
一方、有機重合体(A)の主鎖骨格中には、本発明の効果を大きく損なわない範囲でウレタン結合成分等の他の成分を含んでいてもよい。
前記ウレタン結合成分としては特に限定されないが、イソシアネート基と活性水素基との反応により生成する基(以下、アミドセグメントともいう)を挙げることができる。
前記アミドセグメントは一般式(9):
−NR10−C(=O)− (9)
(R10は、水素原子または置換あるいは非置換の有機基を表す)で表される基である。
前記アミドセグメントとしては、具体的には、イソシアネート基と水酸基との反応により生成するウレタン基;イソシアネート基とアミノ基との反応により生成する尿素基;イソシアネート基とメルカプト基との反応により生成するチオウレタン基などを挙げることができる。また、本発明では、上記ウレタン基、尿素基、および、チオウレタン基中の活性水素が、さらにイソシアネート基と反応して生成する基も、一般式(9)の基に含まれる。
アミドセグメントと反応性ケイ素基を有する有機重合体の工業的に容易な製造方法を例示すると、末端に活性水素含有基を有する有機重合体に、過剰のポリイソシアネート化合物を反応させて、ポリウレタン系主鎖の末端にイソシアネート基を有する重合体とした後、あるいは同時に、該イソシアネート基の全部または一部に一般式(10)
W−R11−SiR 3−a (10)
(ただし、式中、R、X、aは上記一般式(3)に同じ。R11は、2価の有機基であり、より好ましくは炭素原子数1から20の置換もしくは非置換の2価の炭化水素基である。Wは水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、非置換または一置換のアミノ基から選ばれた活性水素含有基である。)で表されるケイ素化合物のW基を反応させる方法により製造されるものを挙げることができる。この製造方法に関連した、有機重合体の公知の製造法を例示すると、特公昭46−12154号(米国特許3632557号)、特開昭58−109529号(米国特許4374237号)、特開昭62−13430号(米国特許4645816号)、特開平8−53528号(EP0676403)、特開平10−204144号(EP0831108)、特表2003−508561(米国特許6197912号)、特開平6−211879号(米国特許5364955号)、特開平10−53637号(米国特許5756751号)、特開平11−100427号、特開2000−169544号、特開2000−169545号、特開2002−212415号、特許第3313360号、米国特許4067844号、米国特許3711445号、特開2001−323040号、などが挙げられる。
また、末端に活性水素含有基を有する有機重合体に一般式(11)
O=C=N−R11−SiR 3−a (11)
(ただし、式中R、R11、X、aは一般式(3)、(10)に同じ。)で示される反応性ケイ素基含有イソシアネート化合物とを反応させることにより製造されるものを挙げることができる。この製造方法に関連した、有機重合体の公知の製造法を例示すると、特開平11−279249号(米国特許5990257号)、特開2000−119365号(米国特許6046270号)、特開昭58−29818号(米国特許4345053号)、特開平3−47825号(米国特許5068304号)、特開平11−60724号、特開2002−155145号、特開2002−249538号、WO03/018658、WO03/059981などが挙げられる。
末端に活性水素含有基を有する有機重合体としては、末端に水酸基を有するオキシアルキレン重合体(ポリエーテルポリオール)、ポリアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、末端に水酸基を有する飽和炭化水素系重合体(ポリオレフィンポリオール)、ポリチオール化合物、ポリアミン化合物、ポリアルキレンイミン、ポリシロキサンなどが挙げられる。これらの中でも、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、および、ポリシロキサンは、得られる有機重合体のガラス転移温度が比較的低く、得られる硬化物が耐寒性に優れることから好ましい。特に、ポリエーテルポリオールは、得られる有機重合体の粘度が低く作業性が良好であり、深部硬化性が良好である為に特に好ましい。また、ポリアクリルポリオールおよび飽和炭化水素系重合体は、得られる有機重合体の硬化物の耐候性・耐熱性が良好である為により好ましい。
ポリエーテルポリオールとしては、いかなる製造方法において製造されたものでも使用することができるが、全分子平均で分子末端当り少なくとも0.7個の水酸基を末端に有するものが好ましい。具体的には、従来のアルカリ金属触媒を使用して製造したオキシアルキレン重合体や、複合金属シアン化物錯体やセシウムの存在下、少なくとも2つの水酸基を有するポリヒドロキシ化合物などの開始剤に、アルキレンオキシドを反応させて製造されるオキシアルキレン重合体などが挙げられる。
上記の各重合法の中でも、複合金属シアン化物錯体を使用する重合法は、より低不飽和度で、Mw/Mnが狭く、より低粘度でかつ、高耐酸性、高耐候性のオキシアルキレン重合体を得ることが可能であるため好ましい。
前記ポリアクリルポリオールとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体を骨格とし、かつ、分子内にヒドロキシル基を有するポリオールを挙げることができる。この重合体の合成法は、分子量分布が狭く、低粘度化が可能なことからリビングラジカル重合法が好ましく、原子移動ラジカル重合法がさらに好ましい。また、特開2001−207157号公報に記載されているアクリル酸アルキルエステル系単量体を高温、高圧で連続塊状重合によって得た、いわゆるSGOプロセスによる重合体を用いるのが好ましい。具体的には、東亞合成(株)製のUH−2000等が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物の具体例としては、トルエン(トリレン)ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートなどを挙げることができる。
前記一般式(10)のケイ素化合物としては特に限定はないが、具体的に例示すると、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルジエトキシメチルシラン、N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン、等のアミノ基含有シラン類;γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン等のヒドロキシ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;等が挙げられる。また、特開平6−211879号(米国特許5364955号)、特開平10−53637号(米国特許5756751号)、特開平10−204144号(EP0831108)、特開2000−169544号、特開2000−169545号に記載されているように、各種のα,β−不飽和カルボニル化合物とアミノ基含有シランとのMichael付加反応物、または、各種の(メタ)アクリロイル基含有シランと一級アミノ基含有化合物とのMichael付加反応物もまた、一般式(10)のケイ素化合物として用いることができる。
前記一般式(11)の反応性ケイ素基含有イソシアネート化合物としては特に限定はないが、具体的に例示すると、γ−トリメトキシシリルプロピルイソシアネート、γ−トリエトキシシリルプロピルイソシアネート、γ−メチルジメトキシシリルプロピルイソシアネート、γ−メチルジエトキシシリルプロピルイソシアネート、トリメトキシシリルメチルイソシアネート、ジエトキシメチルシリルメチルイソシアネート、ジメトキシメチルシリルメチルイソシアネート、ジエトキシメチルシリルメチルイソシアネート等が挙げられる。また、特開2000−119365号(米国特許6046270号)に記載されているように、一般式(10)のケイ素化合物と、過剰の前記ポリイソシアネート化合物を反応させて得られる化合物もまた、一般式(11)の反応性ケイ素基含有イソシアネート化合物として用いることができる。
有機重合体(A)の主鎖骨格中にアミドセグメントが多いと、有機重合体(A)の粘度が高くなる傾向がある。また、貯蔵後に粘度が上昇する場合もあり、得られる組成物の作業性が低下する場合がある。従って、貯蔵安定性や作業性の優れた組成物を得るためには、実質的にアミドセグメントを含まないことが好ましい。一方、有機重合体(A)の主鎖骨格中のアミドセグメントによって、本発明の組成物の硬化性が向上する傾向がある。従って、有機重合体(A)の主鎖骨格中にアミドセグメントを含む場合、アミドセグメントは1分子あたり平均で、1〜10個が好ましく、1.5〜7個がより好ましく、2〜5個が特に好ましい。1個よりも少ない場合には、硬化性が十分ではない場合があり、10個よりも大きい場合には、有機重合体(A)が高粘度となり作業性の悪い組成物となる場合がある。
また、上記方法により、一般式(10)または一般式(11)の化合物を用いて製造される有機重合体の中で、R11が−CH−である化合物からなる有機重合体は、特に優れた硬化性が得られる傾向にある。
<フッ化塩化合物(B)>
本発明の硬化性組成物は、上記反応性ケイ素基を有する有機重合体(A)の硬化触媒としてフッ化塩化合物(B)を含有する。ここで言うフッ化塩化合物とは、フッ素アニオンとして作用し得る化合物のことである。
フッ化塩化合物(B)を具体的に例示すると、フッ化アンモニウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウム、フッ化テトラプロピルアンモニウム、フッ化テトラブチルアンモニウム、フッ化テトラオクチルアンモニウム、フッ化ベンジルトリメチルアンモニウムなどのフッ化アンモニウム塩化合物;LiF、NaF、Na3AlF6、KF、RbF、CsF、BeF2、MgF2、CaF2、Ca10(PO462、SrF2、BaF2、AlF3、GaF3、InF3、TiF4、CuF2、AgF、AgF2、ZnF2、SnF2、SnF4、PdF3、SbF3、CrF3、YF3、LaF3、CeF3、PrF3、NdF3、SmF3、EuF3、GdF3、TbF3、DyF3、HoF3、ErF3などのフッ化金属塩およびフッ化金属塩の水和物;フッ化水素アンモニウム、フッ化水素トリエチルアンモニウム、フッ化水素ピリジニウムなどのフッ化水素と各種アミンの塩、二フッ化水素テトラブチルアンモニウムなどの二フッ化水素アンモニウム塩化合物、フッ化ヘキサキス(ジメチルアミノ)フォスファゼニウム、Na2SiF6、K2SiF6、(NH42SiF6などが挙げられるが、これらに限定されない。また、上記フッ化塩化合物がシリカゲルやアルミナに担持された形のものでもよい。
これらの内、硬化触媒活性の高さからは、フッ化アンモニウム塩化合物が好ましく、フッ化テトラブチルアンモニウムが特に好ましい。
一方でフッ化テトラブチルアンモニウムのような置換基として炭化水素基を有する4級のフッ化置換アンモニウム塩の場合、単離状態では不安定なため水あるいは有機溶剤中に溶解させた溶液状態で供給され、触媒として使用する場合、水の影響により貯蔵安定性が良好な硬化性組成物を得ることが困難であったり、有機溶媒の影響で、得られるシーリング材や接着剤に多量の揮発分が残留しやすいという問題点がある。また、一般に高価であり、工業的な実用性という点においては問題がある。
このような問題点から、以下、好ましいフッ化アンモニウム化合物について記載する。尚、以下の好ましいフッ化アンモニウム化合物の定義はそれぞれ独立したものであり、重複して定義される化合物もある。
まず、工業的な実用性が高いという点において、フッ化塩化合物(B)としては、フッ化置換アンモニウム塩あるいはフッ化非置換アンモニウム塩であって、該フッ化置換アンモニウム塩で置換基が炭化水素基の場合あるいは該フッ化非置換アンモニウム塩の場合には、一般式(1):
4−mNHF・(HF)
(式中Rは置換あるいは非置換の炭化水素基、0≦m≦4、nは0または正の数を表し、mおよびnが同時に0となることはない)で表されるフッ化塩化合物(B1)が好ましく用いられる。
上記した工業的な実用性が高いという点において好ましいフッ化塩化合物(B1)の中でも、アンモニウムハイドロフルオライド化合物(B2)は実用性が高くかつ硬化性も高くなりやすいため好ましい。なお、アンモニウムハイドロフルオライド化合物(B2)とは、アンモニウムカチオンとハイドロフルオライドアニオンからなるイオン結合性の化合物を言い、アンモニウムフルオロハイドロジェネート化合物と呼ばれることもある。
アンモニウムハイドロフルオライド化合物(B2)を構成するアンモンニウムカチオンとしては特に限定されず、従来から公知の構造があげられ、たとえば、アンモニウム(NH )、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、n−プロピルアンモニウム、アリルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、n−ブチルアンモニウム、アミルアンモニウム、n−オクチルアンモニウム、2−エチルヘキシルアンモニウム、ノニルアンモニウム、デシルアンモニウム、ラウリルアンモニウム、ペンタデシルアンモニウム、セチルアンモニウム、ステアリルアンモニウム、オレイルアンモニウム、シクロヘキシルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、フェニルアンモニウム、ラウリルフェニルアンモニウム、ステアリルフェニルアンモニムなどの1級アンモニウムカチオン;ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジn−プロピルアンモニウム、ジアリルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、ジn−ブチルアンモニウム、ジアミルアンモニウム、ジn−ヘキシルアンモニウム、ジn−オクチルアンモニウム、ジ2−エチルヘキシルアンモニウム、ジデシルアンモニウム、ジラウリルアンモニウム、ジセチルアンモニウム、ジステアリルアンモニウム、ジオレイルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、ジベンジルアンモニウム、ジフェニルアンモニウム、メチルステアリルアンモニウム、エチルステアリルアンモニウム、ブチルステアリルアンモニウム、ピロリジニウム、ピペリジニウムなどの2級アンモニウムカチオン;トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリn−プロピルアンモニウム、トリイソプロピルアンモニウム、トリアリルアンモニウム、トリn−ブチルアンモニウム、トリアミルアンモニウム、トリn−ヘキシルアンモニウム、トリn−オクチルアンモニウム、トリ2−エチルヘキシルアンモニウム、トリラウリルアンモニウム、トリステアリルアンモニウム、トリオレイルアンモニウム、トリベンジルアンモニウム、トリフェニルアンモニウム、ジエチルイソプロピルアンモニウム、ジメチルベンジルアンモニウム、ピリジニウムなどの3級アンモニウムカチオン;テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラn−プロピルアンモニウム、テトライソプロピルアンモニウム、テトラn−ブチルアンモニウム、n−プロピルトリメチルアンモニウム、メチルトリn−オクチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウムカチオン、一般式(12):
Figure 0005258575
(式中、2個のRは、それぞれ独立に、炭素原子数1から20の炭化水素基であり、3個のRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1から4の炭化水素基である。)で表されるアルキルイミダゾリウムカチオン、1,1−ジメチルピロリジニウム、1−メチル−1−エチルピロリジニウム、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムなどのアルキルピロリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピペリジニウム、1−メチル−1−n−プロピルピペリジニウムなどのアルキルピペリジニウムカチオン、1−エチルピリジニウム、1−n−ブチルピリジニウム、1−n−ヘキシルピリジニウム、1−n−ブチル−3−メチルピリジニウム、1−n−ブチル−4−メチルピリジニウムなどのアルキルピリジニウムカチオン、3−n−ブチル−4−メチルイミダゾリウム、3−n−ブチル−5−メチルイミダゾリウムなどのアルキルイミダゾリウムカチオンといった4級アンモニウムカチオン;などがあげられる。
また、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、3−メトキシプロピルアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、グアニジン、フェニルグアニジン、ジフェニルグアニジン、ブチルビグアニド、o−トリルビグアニド、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、6−(ジブチルアミノ)−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBA−DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)などのアミンにプロトンが付加したアンモニウムカチオン;などもあげられる。
これらアンモニウムカチオンの中でも、アンモニウムハイドロフルオライド化合物(B2)が化学的に安定であって、取扱いが容易なこと、毒性の高いHFガスを遊離し難く安全性が高くなりやすいことなどから4級置換アンモニウムカチオンが好ましく、さらにアンモニウムハイドロフルオライド化合物(B2)が液状で取扱いが容易となり工業的実用性が高まることから、複素環構造を有する置換アンモニウムカチオンであることが好ましい。複素環構造を有する置換アンモニウムカチオンの例としては一般式(12):
Figure 0005258575
(式中、2個のRは、それぞれ独立に、炭素原子数1から20の炭化水素基であり、3個のRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1から4の炭化水素基である。)で表されるアルキルイミダゾリウムカチオンがあげられる。
一般式(12)中に記載のRとしては、炭素原子数1から20の炭化水素基であれば特に限定されず、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、ラウリル基、ステアリル基などがあげられる。
これらの中でも、アンモニウムハイドロフルオライド化合物(B2)の粘度が低く、取扱い性に優れることからメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基などの炭素原子数1から4の炭化水素基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
また、アンモニウムハイドロフルオライド化合物(B2)が低粘度となりやすいことから2個のRは異なるものであることが好ましい。
一般式(12)中に記載のRとしては、水素原子または炭素原子数1から4の炭化水素基であれば特に限定されず、たとえば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基などをあげられる。これらのなかでも、入手が容易で実用性が高いということから、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
一般式(12)記載のアルキルイミダゾリウムカチオンのより具体的な例示としては、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ステアリル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムなどのカチオンがあげられ、このなかでも前記のように、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムが好ましい。
アンモニウムハイドロフルオライド化合物(B2)を構成するハイドロフルオライドアニオンは、下記一般式(13):
(HF) (13)
(式中、nは0または正の数を表わす。)で表される構造である。
なお、nは必ずしも整数である必要はなく、平均値として元素分析により求めることができる。また、nとしては、アンモニウムハイドロフルオライド化合物(B2)が毒性の高いHFガスを遊離し難く安全性が高くなりやすいことから4.0以下、より好ましくは2.5以下、さらに好ましくは2.3以下である。一方、アンモニウムハイドロフルオライド化合物の触媒活性が高くなりやすいことから、nは2以上であることが好ましく、2.3以上であることがより好ましい。
本発明のアンモニウムハイドロフルオライド化合物(B2)は、実質的にアンモニウムカチオンとハイドロフルオライドアニオンからなるイオン結合性の化合物であればその表現形式は問わない。たとえばトリエチルアミン・3HFと表現される化合物は、トリエチルアンモニウム・(HF)と実質上同じものであり、アンモニウムハイドロフルオライド化合物に含まれるものである。
先記した、工業的な実用性が高いという点において好ましいフッ化塩化合物(B1)の別の例としては、1級、2級、あるいは3級のフッ化置換アンモニウム塩化合物(B3)があげられる。1級、2級、あるいは3級のフッ化置換アンモニウム塩化合物(B3)はアミンとHFとの反応により容易に調整することができ、さらに工業的な実用性が高いため好ましい。
1級、2級、あるいは3級のフッ化置換アンモニウム塩化合物(B3)としては、特に限定されず、従来から公知の化合物があげられ、たとえば、メチルアンモニウムフルオライド、エチルアンモニウムフルオライド、n−プロピルアンモニウムフルオライド、アリルアンモニウムフルオライド、イソプロピルアンモニウムフルオライド、n−ブチルアンモニウムフルオライド、アミルアンモニウムフルオライド、n−オクチルアンモニウムフルオライド、2−エチルヘキシルアンモニウムフルオライド、ノニルアンモニウムフルオライド、デシルアンモニウムフルオライド、ラウリルアンモニウムフルオライド、ペンタデシルアンモニウムフルオライド、セチルアンモニウムフルオライド、ステアリルアンモニウムフルオライド、オレイルアンモニウムフルオライド、シクロヘキシルアンモニウムフルオライド、ベンジルアンモニウムフルオライド、フェニルアンモニウムフルオライド、ラウリルフェニルアンモニウムフルオライド、ステアリルフェニルアンモニムフルオライドなどの1級のアンモニウムフルオライド;ジメチルアンモニウムフルオライド、ジエチルアンモニウムフルオライド、ジn−プロピルアンモニウムフルオライド、ジアリルアンモニウムフルオライド、ジイソプロピルアンモニウムフルオライド、ジn−ブチルアンモニウムフルオライド、ジアミルアンモニウムフルオライド、ジn−ヘキシルアンモニウムフルオライド、ジn−オクチルアンモニウムフルオライド、ジ2−エチルヘキシルアンモニウムフルオライド、ジデシルアンモニウムフルオライド、ジラウリルアンモニウムフルオライド、ジセチルアンモニウムフルオライド、ジステアリルアンモニウムフルオライド、ジオレイルアンモニウムフルオライド、ジシクロヘキシルアンモニウムフルオライド、ジベンジルアンモニウムフルオライド、ジフェニルアンモニウムフルオライド、メチルステアリルアンモニウムフルオライド、エチルステアリルアンモニウムフルオライド、ブチルステアリルアンモニウムフルオライド、ピロリジニウムフルオライド、ピペリジニウムフルオライドなどの2級のアンモニウムフルオライド;トリメチルアンモニウムフルオライド、トリエチルアンモニウムフルオライド、トリn−プロピルアンモニウムフルオライド、トリイソプロピルアンモニウムフルオライド、トリアリルアンモニウムフルオライド、トリn−ブチルアンモニウムフルオライド、トリアミルアンモニウムフルオライド、トリn−ヘキシルアンモニウムフルオライド、トリn−オクチルアンモニウムフルオライド、トリ2−エチルヘキシルアンモニウムフルオライド、トリラウリルアンモニウムフルオライド、トリステアリルアンモニウムフルオライド、トリオレイルアンモニウムフルオライド、トリベンジルアンモニウムフルオライド、トリフェニルアンモニウムフルオライド、ジエチルイソプロピルアンモニウムフルオライド、ジメチルベンジルアンモニウムフルオライド、ピリジニウムフルオライドなどの3級のアンモニウムフルオライド;などがあげられる。
また、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、3−メトキシプロピルアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、グアニジン、1−フェニルグアニジン、ジフェニルグアニジン、ブチルビグアニド、o−トリルビグアニド、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、6−(ジブチルアミノ)−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBA−DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)などのアミンにプロトンが付加したアンモニウムのフッ化物もあげられる。
また、先記した、工業的な実用性が高いという点において好ましいフッ化塩化合物(B1)としては、フッ化非置換アンモニウム(NHF)および/またはフッ化水素非置換アンモニウム(NHF・HF)(一水素二フッ化アンモニウム、重フッ化アンモニウム、酸性フッ化アンモニウムなどと呼ばれることもある。)も工業的に汎用であり安価に入手しやすいという点でより好ましい。
上記したフッ化塩化合物としては溶解性がよく高い触媒活性が得られやすいという点において常温で液状であることが好ましいが、固体のものでも用いることができ、その場合、粉状、フレーク状など種々の形状のものを用いることができるが、反応性がより高くなりやすいという点においては、粉状のものが好ましく、粒子径が150μm以下であるものがより好ましい。
上記したようなフッ化塩化合物(B)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ化塩化合物(B)の使用量としては、有機重合体(A)100質量部に対し、0.001〜30質量部が好ましく、0.01〜10質量部がより好ましく、0.1〜10質量部が更に好ましく、0.1〜5質量部が特に好ましい。フッ化塩化合物(B)の配合量がこの範囲を下回ると硬化速度が遅くなることがあり、また貯蔵後に触媒活性が低下することがある。一方、フッ化塩化合物(B)の配合量がこの範囲を上回ると可使時間が短くなり過ぎて作業性が悪くなることがある。
上記したようなフッ化塩化合物(B)は単独で用いてもよいが、溶媒等により希釈して用いることも可能である。たとえば、反応性ケイ素基を有する重合体(A)とフッ化塩化合物(B)との相溶性が十分でない場合には単独で用いると均一な硬化物が得られにくい場合があるが、溶媒等を用いることにより均一な硬化物を得ることもできる。
<充填剤(C)>
本発明の硬化性組成物は、さらに脂肪酸以外で表面処理された沈降炭酸カルシウム、脂肪酸で表面処理された沈降炭酸カルシウム(前記フッ化塩化合物(B)中に含有されるフッ素原子と、前記脂肪酸で表面処理された沈降炭酸カルシウムとの重量比が0.0015以上を満たす。)、重質炭酸カルシウムおよびシリカからなる群から選択される少なくとも1種以上である充填剤(C)を含有することができる。
本発明の硬化性組成物において、充填剤を使用することで、硬化性組成物の作業性を調整したり、硬化物の強度の向上および調整、接着性の改善、耐薬品性の付与など、各種物性の改善が行える。一般的にはこの目的のために、充填剤として炭酸カルシウムが広く使用されている。炭酸カルシウムは大きく、天然原料を粉砕分級して得られる重質炭酸カルシウムと化学的に製造される沈降炭酸カルシウム(微細炭酸カルシウム)に分けられ、沈降炭酸カルシウムの方が一次粒子の大きさが小さいのが一般的である。また、沈降炭酸カルシウムの多くは脂肪酸などの有機物で表面処理されている。沈降炭酸カルシウムの中でも粒径が0.1μm以下のものを膠質炭酸カルシウムという。一般的に炭酸カルシウムは、比表面積の値が大きい(粒径が小さい)ほど硬化物の破断強度、破断伸び、接着性の改善効果は大きくなる。粒子径の小さい炭酸カルシウムを充填剤として使用することは、強度の高い硬化物を得る目的で有利であり、膠質炭酸カルシウムを使用することが、より好ましい。一方、破断伸びの大きい硬化物を得るためには、重質炭酸カルシウムを使用することが好ましい。
しかしながら、フッ化塩化合物(B)を硬化触媒として使用する場合には、脂肪酸で表面処理した沈降炭酸カルシウムを使用すると、硬化活性が著しく低下する傾向がある。
そのため、本発明では良好な硬化性を有する組成物を得るために、充填剤(C)として、脂肪酸以外で表面処理された沈降炭酸カルシウム、脂肪酸で表面処理された沈降炭酸カルシウム(前記フッ化塩化合物(B)中に含有されるフッ素原子と、前記脂肪酸で表面処理された沈降炭酸カルシウムとの重量比が0.0015以上を満たす。)、重質炭酸カルシウムおよびシリカからなる群より選択される少なくとも1種以上である充填剤(C)を用いることができる。
本発明において、脂肪酸で表面処理された沈降炭酸カルシウムを用いる場合には、フッ化塩化合物(B)中に含有されるF(フッ素原子)の質量と、脂肪酸で表面処理された沈降炭酸カルシウムとの質量の比(フッ化塩化合物(B)中に含有されるF(フッ素原子)の質量/脂肪酸で表面処理された沈降炭酸カルシウムの質量)が0.0015以上であることが好ましく、この値よりも小さくなると、実用的な硬化性を得ることが困難となる傾向がある。
脂肪酸で表面処理された沈降炭酸カルシウムの表面処理剤である脂肪酸の具体例としては、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸等があげられる。また、これらの脂肪酸石鹸も、脂肪酸で表面処理された沈降炭酸カルシウムの表面処理剤として含まれる。
一方、本発明では、充填剤(C)として、脂肪酸以外で表面処理された沈降炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、およびシリカから選択される充填剤を使用することも可能であり、良好な硬化性を有し、かつ、十分な強度を有する硬化物を与える硬化性組成物が得られる。
脂肪酸以外の表面処理剤としては、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸等の脂肪酸のエステルや、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルや長鎖アルコール硫酸エステル等と、それらのナトリウム塩、カリウム塩等の硫酸エステル型陰イオン界面活性剤、また、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、パラフィンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、アルキルスルホコハク酸等と、それらのナトリウム塩、カリウム塩等のスルホン酸型陰イオン界面活性剤等が挙げられる。
充填剤(C)として使用できるシリカとしては、フュームシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカなどの各種が使用できる。シリカは少量の添加で、強度の高い硬化物を得ることができ、好ましい。また、透明性の高い硬化物を得る目的でも、好適に使用できる。特開2000−38560号公報に記載されているように、その表面に疎水基が結合した二酸化珪素微粉末である疎水性シリカなどを充填剤として使用することにより透明性の高い組成物を得ることができる。二酸化珪素微粉末の表面は、一般的にシラノール基(−SiOH)となっているが、このシラノール基に有機珪素ハロゲン化物やアルコール類等を反応させることによって、(−SiO−疎水基)を生成させたものが疎水性シリカである。具体的には、二酸化珪素微粉末の表面に存在するシラノール基に、ジメチルシロキサン,ヘキサメチルジシラザン,ジメチルジクロルシラン,トリメトキシオクチルシラン,トリメチルシラン等を反応結合させたものである。なお、表面がシラノール基(−SiOH)で形成されている二酸化珪素微粉末は、親水性シリカ微粉末と呼ばれる。
充填剤(C)の使用量は、有機重合体(A)100質量部に対して、5〜500質量部が好ましく、10〜200質量部がより好ましい。充填剤(C)は1種類のみを使用してもよいし、2種類以上混合使用してもよい。
本発明の硬化性組成物には、上記充填剤(C)と共に、充填剤(C)以外の充填剤を使用してもよい。具体的には、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、およびカーボンブラックの如き補強性充填剤;炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、ガラスミクロバルーン、フェノール樹脂や塩化ビニリデン樹脂の有機ミクロバルーン、PVC粉末、PMMA粉末など樹脂粉末の如き充填剤;石綿、ガラス繊維およびフィラメントの如き繊維状充填剤等が挙げられる。これらの充填剤を使用する場合、その使用量は、充填剤(C)との合計量で、有機重合体(A)100質量部に対して5〜500質量部が好ましく、10〜200質量部がより好ましい。
<その他の充填剤>
硬化性組成物として作業性(キレなど)が求められる場合や、得られる硬化物の表面が艶消し状であることが求められる場合、添加される充填剤は、有機バルーン、無機バルーンが添加できる。これらの充填剤は表面処理の有無を問わず、また、1種類のみを添加してもよいし、複数種を組み合わせて添加してもよい。バルーンの粒子径は、作業性(キレなど)を向上させる目的では、0.1mm以下が好ましく、硬化物の表面を艶消し状にする目的では、5〜300μmが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、得られる硬化物が耐薬品性に優れることなどから、窯業系などのサイディングボード用、住宅の外壁の目地や外壁タイル用のシーリング剤、接着剤などに好適に使用される。
このような用途に使用される際、目地部分など表面に現れる部分に得られる硬化物が存在するため、外壁の意匠と硬化物の意匠が調和することが望まれる。殊に近年ではスパッタ塗装や、着色骨材などを添加したものなど高級感のある外壁が用いられるようになっており、硬化物の意匠性の重要度は増している。
高級感のある意匠性を得るため、本発明の硬化性組成物中には、鱗片状または粒状の充填剤が添加される。ここで、粒状の充填剤を添加すると砂まき調あるいは砂岩調のざらつき感がある表面となり、鱗片状の充填剤を添加すると鱗片状に起因する凹凸状の表面となる。なお、得られた硬化物は、高級感のある外壁と調和するとともに、耐薬品性がすぐれるため、高級感のある外観は長期にわたって持続する特徴を有する。
鱗片状または粒状の充填剤としては、特に限定されず、たとえば特開平9−53063号に開示されているものがあげられ、直径としては外壁の材質、模様などに合わせ適宜選択されるが0.1mm以上が好ましく、0.1〜5.0mmがより好ましい。なお、鱗片状の充填剤の場合厚さは、直径の1/10〜1/5(0.01〜1.00mm)が好ましい。
鱗片状または粒状の充填剤の添加量は、鱗片状または粒状の充填剤の大きさ、外壁の材質、模様などによって、適宜選定されるが、硬化性組成物100重量部に対して、1〜200重量部が好ましい。
鱗片状または粒状の充填剤の材質としては、特に限定されず、たとえば、ケイ砂、マイカなどの天然物、合成ゴム、合成樹脂、アルミナなどの無機物があげられ、これらは、目地部などに充填した際の意匠性を高めるため、外壁の材質、模様などに合わせ、適宜着色されてもよい。なお、好ましい仕上げ方法などは特開平9−53063号などに開示されている。
鱗片状または粒状の物質は、硬化性組成物中に予め混合してもよく、使用時に硬化性組成物と混合してもよい。
また、同様の目的で硬化性組成物中にバルーン(好ましくは平均粒径が0.1mm以上のもの)を添加することも可能であり、得られる硬化物は砂まき調あるいは砂岩調のざらつき感がある表面となり、かつ軽量化を図ることができる。なお、バルーンとは、球状体の充填剤で内部が中空のものをいう。
バルーンとしては、特に限定されず、たとえば特開平10−251618号、特開平2−129262号、特開平4−8788号、特開平4−173867号、特開平5−1225号、特開平7−113073号、特開平9−53063号、特開2000−154368号、特開2001−164237号、WO97/05201号などに開示されている物があげられる。
バルーンの材質としては、ガラス、シラス、シリカなどの無機系の材料;フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリスチレン、サランなどの有機系の材料;無機系の材料と有機系の材料との複合材;複数の層からなる積層材があげられる。これらは1種類のみを添加してもよく、複数種を組み合わせて添加してもよい。
さらに、バルーンとしては、その表面をコーティング加工されたもの、各種表面処理剤で処理されたものなども使用可能であり、具体例としては、有機系のバルーンを炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどでコーティングしたもの、無機系のバルーンを接着性付与剤で表面処理したものなどがあげられる。
バルーンの粒径としては、0.1mm以上が好ましく、0.2mm〜5.0mmがより好ましく、0.5mm〜5.0mmが特に好ましい。0.1mm未満では、多量に添加しても組成物の粘度を上昇させるだけで、得られた硬化物はざらつき感が発現されない場合がある。
バルーンを添加する場合その添加量としては、目的とする意匠性により適宜選択が可能であるが、粒径が0.1mm以上のものを硬化性組成物中に容積濃度が5〜25vol%となるよう添加することが好ましく、8〜22vol%となるように添加するのがより好ましい。バルーンの容積濃度が5vol%未満の場合はざらつき感がなくなる傾向があり、また25vol%を超えると、硬化性組成物の粘度が高くなり、作業性が悪くなる傾向がある。また、得られる硬化物のモジュラスも高くなり、シーリング材や接着剤の基本性能が損なわれる傾向にある。
バルーンを添加する際には、特開2000−154368号に開示されているようなスリップ防止剤、特開2001−164237号に開示されているような、得られる硬化物の表面に凹凸を加え、艶消し状にするアミン化合物などを併用して添加することができる。なお、前記アミン化合物としては、融点が35℃以上の第1級および/または第2級アミンが好ましい。
また、バルーンとしては、特開2004−51701号または特開2004−66749号などに開示されている熱膨張性微粒中空体を使用することもできる。熱膨張性微粒中空体とは、炭素原子数1から5の炭化水素などの低沸点化合物を高分子外殻材(塩化ビニリデン系共重合体、アクリロニトリル系共重合体、または塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体)で球状に包み込んだプラスチック球体である。本発明の硬化性組成物中に熱膨張性微粒中空体を添加することにより、不要となった際には加熱するだけで簡単に、被着材料の破壊を伴わずに剥離でき、且つ有機溶剤を一切用いないで加熱剥離可能な接着性組成物が得られる。これは、接着剤部分を加熱することによって、熱膨張性微粒中空体の殻内のガス圧が増し、高分子外殻材が軟化することで劇的に膨張し、接着界面を剥離させる機構による。
本発明の硬化性組成物中にシーリング材硬化物粒子を含む場合も、得られる硬化物は表面に凹凸を形成し意匠性を向上させることができる。シーリング材硬化物粒子の好ましい直径、添加量、材料などは特開2001−115142号に開示されており、直径は0.1mm〜1mmが好ましく、0.2〜0.5mmがより好ましい。添加量は硬化性組成物100重量部に対して5〜100重量部が好ましく、20〜50重量部がより好ましい。
材料としては、シーリング材に用いられるものであれば特に限定されず、たとえば、ウレタン樹脂、シリコーン、変成シリコーン、多硫化ゴムなどがあげられる。このなかでも、変成シリコーン系のシーリング材硬化物粒子が好ましい。
<プロトン酸(D)>
本発明では、プロトン酸(D)を用いることで、硬化性組成物を取り扱う際の作業性を改善する効果が得られる。
ここで言うプロトン酸とは、H+イオンを有する供与し得る化合物のことである。より具体的にはH+イオンを供与し得る官能基を1個以上有する化合物であり、ここでH+イオンを供与し得る官能基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、等を挙げることができる。なお、本発明においては、炭酸カルシウムの表面処理に用いられている脂肪酸はプロトン酸(D)に含まない。
具体的には、カルボン酸基を有する化合物としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の直鎖飽和脂肪酸類;ウンデシレン酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、ミリストレイン酸、2−ヘキサデセン酸、6−ヘキサデセン酸、7−ヘキサデセン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アスクレピン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、ゴンドイン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、セラコレイン酸、キシメン酸、ルメクエン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アンゲリカ酸、クロトン酸、イソクロトン酸、10−ウンデセン酸等のモノエン不飽和脂肪酸類;リノエライジン酸、リノール酸、10,12−オクタデカジエン酸、ヒラゴ酸、α−エレオステアリン酸、β−エレオステアリン酸、プニカ酸、リノレン酸、8,11,14−エイコサトリエン酸、7,10,13−ドコサトリエン酸、4,8,11,14−ヘキサデカテトラエン酸、モロクチ酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、8,12,16,19−ドコサテトラエン酸、4,8,12,15,18−エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ニシン酸、ドコサヘキサエン酸等のポリエン不飽和脂肪酸類;1−メチル酪酸、イソ酪酸、2−エチル酪酸、イソ吉草酸、ツベルクロステアリン酸、ピバル酸、2,2−ジメチル酪酸、2−エチル−2−メチル酪酸、2,2−ジエチル酪酸、2,2−ジメチル吉草酸、2−エチル−2−メチル吉草酸、2,2−ジエチル吉草酸、2,2−ジメチルヘキサン酸、2,2−ジエチルヘキサン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−エチル−2,5−ジメチルヘキサン酸、ネオデカン酸、バーサチック酸等の枝分れ脂肪酸類;プロピオール酸、タリリン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸、7−ヘキサデシン酸等の三重結合をもつ脂肪酸類;ナフテン酸、マルバリン酸、ステルクリン酸、ヒドノカルビン酸、ショールムーグリン酸、ゴルリン酸、1−メチルシクロペンタンカルボン酸、1−メチルシクロヘキサンカルボン酸、2−メチルビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2−カルボン酸、1−アダマンタンカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸等の脂環式カルボン酸類;アセト酢酸、エトキシ酢酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グルコン酸、サビニン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、イプロール酸、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、ヤラピノール酸、ユニペリン酸、アンブレットール酸、アリューリット酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸、18−ヒドロキシオクタデカン酸、9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸、リシノール酸、カムロレン酸、リカン酸、フェロン酸、セレブロン酸、2−メチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2−カルボン酸等の含酸素脂肪酸類;クロロ酢酸、2−クロロアクリル酸、クロロ安息香酸等のモノカルボン酸のハロゲン置換体等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、スペリン酸、セバシン酸、エチルマロン酸、グルタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、オキシ二酢酸、ジメチルマロン酸、エチルメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、2,2−ジメチルこはく酸、2,2−ジエチルこはく酸、2,2−ジメチルグルタル酸、1,2,2−トリメチル−1,3−シクロペンタンジカルボン酸等の飽和ジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、アセチレンジカルボン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸、等が挙げられる。脂肪族ポリカルボン酸としては、アコニット酸、4,4−ジメチルアコニット酸、クエン酸、イソクエン酸、3−メチルイソクエン酸等のトリカルボン酸等が挙げられる。
芳香族カルボン酸としては、安息香酸、9−アントラセンカルボン酸、アトロラクチン酸、アニス酸、イソプロピル安息香酸、サリチル酸、トルイル酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、カルボキシフェニル酢酸、ピロメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸、等が挙げられる。
スルホン酸基を有する化合物としては、ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸などの直鎖アルキルベンゼンスルホン酸類;イソプロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、イソブチルナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などのアルキルナフタレンスルホン酸類;メラミンスルホン酸、ジ(2−エチルへキシル)スルホコハク酸エステル、スルホコハク酸ラウリル、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸、ドデシルスルホ酢酸、N−アシル−N−メチルタウリン、ジメチル−5−スルホイソフタレート、5−アミノ−2−クロロベンゼンスルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)、アミノメタンスルホン酸、オキシメタンスルホン酸、o−クレゾールスルホン酸、4−クロロアニリン−3−スルホン酸、クロロスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸一水塩、m−ニトロベンゼンスルホン酸、N,N−ビス(2-ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸一水和物、ヒドロキシルアミン−o−スルホン酸、3−ピリジンスルホン酸、フェニルヒドラジン−4−スルホン酸n水和物、p−フェノールスルホン酸、フェロン(7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸)、フルオロスルホン酸、メチルスルホン酸、エチルスルホン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸一水和物、等が挙げられる。
リン酸基を有する化合物としては、リン酸、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、第一リン酸ソーダ、第二リン酸ソーダ、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、亜リン酸、次亜リン酸、次亜リン酸ソーダ、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸アンモニウム、酸性ピロリン酸ソーダ、酸性ピロリン酸アンモニウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性メタリン酸ソーダ、酸性メタリン酸アンモニウム、酸性メタリン酸カリウム、(1−アミノエチル)ホスホン酸、(アミノメチル)ホスホン酸、(3−ブロモプロピル)ホスホン酸、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエチル、N,N,N´,N´−エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、グリシン−N,N−ビス(メチレンホスホン酸)、メチレンジホスホン酸、ニトロトリス(メチレンホスホン酸)、ビニルホスホン酸、などが挙げられる。
その他の化合物としては、塩酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、チオシアン酸、フッ化水素、ボロン酸などの無機酸が挙げられる。
これらのプロトン酸は、1種のみで使用してもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。
プロトン酸(D)の使用量としては、プロトン酸(D)が供与し得るH+イオンのモル数と、フッ化塩化合物(B)中のフッ素原子のモル数との比が、0.1以上となる量であることが好ましく、0.3以上となる量であることがより好ましく、0.4以上となる量であることがさらに好ましい。プロトン酸(D)が供与し得るH+イオンのモル数と、フッ化塩化合物(B)中のフッ素原子のモル数との比が、少ない場合には十分に良好な作業性が得られ難いことがある。
<スルホニル基を有する化合物(E)>
次に、さらに硬化性を向上させるために硬化触媒と共に用いられるスルホニル基を有する化合物(E)について説明する。スルホニル基を有する化合物(E)は分子中に−S(=O)2−で示される官能基を有する化合物のことを言う。
スルホニル基を有する化合物(E)としては、特に限定されず、たとえばベンゼンスルホンアミド、N−メチルベンゼンスルホンアミド、N−エチルベンゼンスルホンアミド、N−プロピルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−t−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−ペンチルベンゼンスルホンアミド、N−ヘキシルベンゼンスルホンアミド、N−ヘプチルベンゼンスルホンアミド、N−オクチルベンゼンスルホンアミド、N−デシルベンゼンスルホンアミド、N−ドデシルベンゼンスルホンアミド、N−フェニルベンゼンスルホンアミド、アミノベンゼンスルホンアミド、p−エチルベンゼンスルホンアミド、p−プロピルベンゼンスルホンアミド、p−ブチルベンゼンスルホンアミド、2−アミノベンゼンスルホンアミド、p−クロルベンゼンスルホンアミド、p−アセトアミノベンゼンスルホンアミド、p−アセトアミノメチルベンゼンスルホンアミド、1−クロロベンゼン−2,4−ジスルホンアミド、フェニルヒドラジンスルホンアミド、N,N’−ビス(フェニルスルホニル)ジフェニルエーテルビススルホンアミド、N,N’−ビス(フェニルスルホニル)ジフェニルビススルホンアミド、5−アミノ−2−メチル−N−(ヒドロキシエチル)−1−ベンゼンスルホンアミド、2−アミノ安息香酸−5−スルホンアミド、2−アミノ安息香酸−5−N−メチルスルホンアミド、4−(2−アミノエチル)ベンゼンスルホンアミド、4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゼンスルホンアミド、2−トルエンスルホンアミド、4−トルエンスルホンアミド、4−アミノベンゼンスルホンアミド、N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド、N−メチルトルエンスルホンアミド、N−エチルトルエンスルホンアミド、N−プロピルトルエンスルホンアミド、N−n−ブチルトルエンスルホンアミド、N−t−ブチルトルエンスルホンアミド、N−ペンチルトルエンスルホンアミド、N−ヘキシルトルエンスルホンアミド、N−ヘプチルトルエンスルホンアミド、N−オクチルトルエンスルホンアミド、N−デシルトルエンスルホンアミド、N−ドデシルトルエンスルホンアミド、N−フェニルトルエンスルホンアミド、2−トルエンスルホンアミド、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2−アミノ−4−メチルスルホニルフェノール、アミノフェニル−β−ヒドロキシエチルスルホン、ジフェニルスルホン、ビス(4−メチルフェニル)スルホン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、2−アミノジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス{4−(3’−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、α,α,α−トリブロモメチルフェニルスルホン、メチル−p−トリルスルホン、(ビニルスルホニル)ベンゼン、テトラメチレンスルホン、クロロギ酸−2−(メチルスルホニル)エチル、チアンフェニコール、2−(メチルスルホニル)エチルアルコール、2−アミノフェノール−4−エチルスルホン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、2−アミノ−1−(4−メチルスルホニルフェニル)−1,3−プロパンジオール、ベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイドなどがあげられる。これらのスルホニル基を有する化合物は、1種のみで使用してもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。
スルホニル基を有する化合物(E)は、フッ化塩化合物(B)とプロトン酸(D)との相溶性が良い液体状態のものが好ましい。より具体的には、融点が50℃以下のものが好ましく、融点が30℃以下のものがより好ましい。また、揮発しにくいように760mmHgでの沸点が200℃以上のものが好ましい。沸点が200℃未満であれば、室内などで本硬化性組成物を使用した場合に揮発し、作業環境が悪化すると共に、人体に悪影響を及ぼす可能性がある。
さらに、スルホンアミド基の水素にアルキル基が置換した構造の化合物は、融点が低く、かつ沸点が高いためにより好ましい。このような構造の化合物としては、760mmHgでの沸点が340℃のN−エチルトルエンスルホンアミドや、760mmHgでの沸点が314℃のN−n−ブチルベンゼンスルホンアミドなどがあげられ、これらは揮発しにくいためVOC発生源とならないことから好ましい。
これらの化合物は、富士アミドケミカル(株)、東レファインケミカル(株)、ベルギーのPROVIRON社などから工業的に販売されており、入手も容易である。
また、テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイドは、特に後述するアミジン化合物を溶解し易く、760mmHgでの沸点も285℃と高く好ましい。なお、1成分型硬化性組成物に添加した際、良好な貯蔵安定性を発現できることより、無水のテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイドが好ましい。
テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイドはテトラメチレンスルホン、あるいはスルホラン、あるいはスルフォランとも呼ばれ、住友精化(株)、新日本理化(株)、シェル(株)などから工業的に販売されており、入手も容易である。
スルホニル基を有する化合物(E)の配合量は、スルホニル基を有する化合物(E)のモル数と、フッ化塩化物(B)中のフッ素原子のモル数との比が0.5以上となる量が好ましく、1.0以上となる量であることがより好ましく、1.2以上となる量であることがさらに好ましい。スルホニル基を有する化合物(E)のモル数と、フッ化塩化物(B)のフッ素原子のモル数との比が小さい場合には、硬化性の向上効果が得られない場合がある。
<アミン化合物(F)>
フッ化塩化合物(B)が、フッ化非置換アンモニウム塩及び/又はフッ化水素非置換アンモニウム塩である場合、あるいはアンモニウムハイドロフルオライド化合物である場合にはさらにアミン化合物(F)を含むことが好ましい。
また、本発明の触媒組成物は、硬化触媒としてフッ化塩化合物(B)と、アミン化合物(F)とを必須成分として含む。
ここで、アミン化合物(F)は、前記のフッ化塩化合物と併用して用いられ、反応性ケイ素基を有する重合体(A)の硬化触媒としての働きを担う。なお、アミン化合物(F)には、ピリジンなどの含窒素環式化合物も含まれる。
アミン化合物(F)の具体例としては、たとえば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミンなどの脂肪族第一級アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミンなどの脂肪族第二級アミン類;トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミンなどの脂肪族第三級アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミンなどの脂肪族不飽和アミン類;アニリン、ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミンなどの芳香族アミン類;ピリジン、2−アミノピリジン、2−(ジメチルアミノ)ピリジン、4−(ジメチルアミノピリジン)、2−ヒドロキシピリジン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピペリジン、2−ピペリジンメタノール、2−(2−ピペリジノ)エタノール、ピペリドン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、アジリジンなどの複素環式化合物;および、その他のアミン類として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、ベンジルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、3−ジブチルアミノプロピルアミン、2−ジメチルアミノエチルアミン、2−ジエチルアミノエチルアミン、2−ジブチルアミノエチルアミン、3−モルホリノプロピルアミン、2−(1−ピペラジニル)エチルアミン、キシリレンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどのアミン類の他、アミジン化合物があげられる。
ここでアミジン化合物とは、下記一般式(14)
12N=CR13−NR14 (14)
(R12、R13、および2個のR14は、それぞれ独立に、水素原子または有機基である。)で示される化合物であり、さらに具体的にはたとえば、グアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、1−ブチルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−o−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジンなどのグアニジン類化合物;ブチルビグアニド、1−o−トリルビグアニドや1−フェニルビグアニドなどのビグアニド類化合物;イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類化合物;2−メチルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、4,4−ジメチル−2−イミダゾリンなどのイミダゾリン類化合物の他、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)、6−(ジブチルアミノ)−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBA−DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン(DBN)、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒロドロ−2H−ピリミドピリジン、1,4,5,6−テトラヒドロピジミジン、1,2−ジメチルテトラヒドロピリミジンなどが例示される。
アミン化合物(F)としては、得られる触媒組成物の活性が高くなりやすいという点において、アミジン化合物が好ましい。
また、アミジン化合物の中でも、フェニルグアニジン、1−o−トリルビグアニドや1−フェニルビグアニドなどのアリール置換グアニジン類あるいはアリール置換ビグアニド類は、重合体(A)の触媒として用いた場合、表面の硬化性が良好となる傾向を示すこと、得られる硬化物の接着性が良好となる傾向を示すこと、などから好ましい。
また、アミン化合物(F)として、アミノ基を有する3級アミン化合物も得られる触媒組成物の活性が高くなりやすいという点で好ましい化合物である。ここでいうアミノ基とは置換されていないアミノ基(−NH)であり、アミノ基を有する3級アミン化合物の具体例としては、2−アミノピリジン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、3−ジブチルアミノプロピルアミン、3−モルホリノプロピルアミン、2−(1−ピペラジニル)エチルアミン、3−モルホリノプロピルアミン、2−(1−ピペラジニル)エチルアミン、2−ジメチルアミノエチルアミン、2−ジエチルアミノエチルアミン、2−ジブチルアミノエチルアミンなどがあげられる。
さらに、アミン化合物は塩基性を示すが、共役酸のpKa値が11以上であるアミン化合物は重合体(A)に対する触媒活性が高いことから好ましく、このなかでもDBUやDBNは共役酸のpKa値が12以上であり、高い触媒活性を示すことからより好ましい。
本発明ではアミン化合物(F)として、アミノ基を有するシランカップリング剤(以下、アミノシランと言う)の使用も可能である。アミノシランとは、加水分解性ケイ素基及び、置換あるいは非置換のアミノ基を有する化合物である。
置換アミノ基中の置換基としては、アルキル基、アラルキル基、アリール基などがあげられる。また、加水分解性ケイ素基としては、一般式(3)記載の基のうち、Xが加水分解性基であるものがあげられる。加水分解性基としては、既に例示した基があげられ、このなかでも、加水分解性が穏やかで取り扱いやすいことから、メトキシ基、エトキシ基などが好ましい。
なお、アミノシラン中のケイ素原子と結合する加水分解性基の個数は、2個以上、特に3個以上が好ましい。
アミノシランとしては、特に限定されず、たとえば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−[2−(2−アミノエチル)アミノエチル]アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−エチルアミノ)−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルジエトキシメチルシラン、N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン、(2−アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラン、N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンなどがあげられる。
これらのアミノシランのなかでは、硬化性が良好なことからアミノ基(−NH)を有するアミノシランが好ましく、入手が容易なことからγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、加水分解によって前記のアミン化合物を生成するようなケチミン類もアミン化合物(F)として使用できる。
アミン化合物(F)は1種類のみを使用してもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。
アミン化合物(F)の使用量としては、特に限定されず、使用するフッ化アンモニウムのモル数の合計として1モルに対して、アミン化合物(F)のモル数として0.1モル〜10モルとなる量が好ましく、0.1モル〜3モルとなる量がより好ましく、0.1モル〜2モルとなる量がさらに好ましい。アミン化合物(F)の使用量が0.1モル〜10モルとなる量の範囲では、特に優れた硬化性を有する触媒組成物となりやすい。
<酸化合物(G)>
本発明の硬化性組成物にはフッ化塩化合物(B)とともに酸化合物(G)を用いてもよい。
また、本発明の触媒組成物は、硬化触媒としてフッ化塩化合物(B)と、アミン化合物(F)とともに酸化合物(G)を含むことができる。
酸化合物(G)は、前記のフッ化塩化合物(B)、好ましくはさらにアミン化合物(F)と併用して用いられ、反応性ケイ素基を有する重合体(A)の硬化触媒としての働きを担う。酸化合物(G)を併用することにより高い硬化性が得られる場合があり、あるいは、硬化性組成物あるいは触媒組成物の液性を調整しアンモニア等の揮発性アミン化合物の揮発を抑制する効果がある。
ここで酸化合物(G)にはプロトン酸、ルイス酸の他、酸無水物、酸塩化物などの酸等価体も含まれる。得られる触媒組成物の活性が高く、かつ(A)成分との相溶性が高くなりやすいという点においてはカルボン酸化合物、カルボン酸無水物化合物が好ましい。
カルボン酸化合物の具体例としては、たとえば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ピバル酸、2,2−ジメチル酪酸、2,2−ジエチル酪酸、2,2−ジメチルヘキサン酸、2,2−ジエチルヘキサン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−エチル−2,5−ジメチルヘキサン酸、ネオデカン酸、バーサチック酸などが挙げられる。
カルボン酸無水物の具体例としては、上記したカルボン酸化合物同士の無水物も挙げられるし、マレイン酸無水物、コハク酸無水物、シトラコン酸無水物、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物およびそのエステル誘導体、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物、ジフェニルメタンテトラカルボン酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物、2,2−ジフェニルプロパンテトラカルボン酸無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ジフェニルテトラカルボン酸無水物の他、
Figure 0005258575
などが挙げられる。
酸化合物(G)は1種類のみを使用してもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。
酸化合物(G)の使用量としては、特に限定されず、使用するアミン化合物(F)のモル数の合計として1モルに対して、酸化合物(G)のモル数として0.1モル〜10モルとなる量が好ましく、0.5モル〜2モルとなる量がより好ましく、0.8モル〜1.2モルとなる量がさらに好ましい。ただし、酸化合物(G)がカルボン酸無水物化合物である場合においては、使用するアミン化合物(F)のモル数の合計として1モルに対して、酸化合物(G)の中のカルボン酸無水物基のモル数として0.1モル〜10モルとなる量が好ましく、0.1モル〜1モルとなる量がより好ましく、0.3モル〜1モルとなる量がさらに好ましい。酸化合物(G)の使用量が0.1モル〜10モルとなる量の範囲では、特に優れた硬化性を有する触媒組成物となりやすく、酸化合物(E)のアミン化合物(F)に対する使用量が少ない場合にはアンモニアガスが発生して安全性、取り扱い性が問題となる場合があり、酸化合物(G)のアミン化合物(F)に対する使用量が多い場合にはフッ化水素ガスが発生して安全性、取り扱い性が問題となる場合がある。
<分散剤(H)>
本発明の触媒組成物には、分散剤(H)を使用することができる。分散剤(H)は触媒組成物を重合体(A)に分散しやすくし、優れた硬化性を得るために用いられ、より優れた硬化性を得るためには、分散剤(H)を使用することが好ましい。
分散剤(H)としては、特に限定されず種々のものを用いることができるが、フッ化塩化合物(B)がより分散しやすいという点においては、活性水素基を有する化合物であることが好ましい。ここで、活性水素基とはHとして遊離し得る水素原子を示す一般的表現であり、具体的には、たとえば酸素原子、イオウ原子あるいはハロゲン原子に結合した水素原子の他、カルボニル基、スルホニル基に隣接する炭素原子に結合した水素原子などが挙げられる。
分散剤(H)の具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−エチルヘキシルアルコールなどの他、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールやそれらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノブチルエーテル、あるいは両末端あるいは片末端が水酸基のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、さらにはフェノール、2−t−ブチルフェノール、4−t-ブチルフェノール、ノニルフェノールなどフェノール類といった水酸基含有化合物;ベンゼンスルホンアミド、N−メチルベンゼンスルホンアミド、N−エチルベンゼンスルホンアミド、N−プロピルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−t−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−ペンチルベンゼンスルホンアミド、N−ヘキシルベンゼンスルホンアミド、N−ヘプチルベンゼンスルホンアミド、N−オクチルベンゼンスルホンアミド、N−デシルベンゼンスルホンアミド、N−ドデシルベンゼンスルホンアミド、N−フェニルベンゼンスルホンアミド、アミノベンゼンスルホンアミド、p−エチルベンゼンスルホンアミド、p−プロピルベンゼンスルホンアミド、p−ブチルベンゼンスルホンアミド、2−アミノフェノールスルホンアミド、p−クロルベンゼンスルホンアミド、p−アセトアミノベンゼンスルホンアミド、p−アセトアミノメチルベンゼンスルホンアミド、1−クロロベンゼン−2,4−ジスルホンアミド、フェニルヒドラジンスルホンアミド、N,N’−ビス(フェニルスルホニル)ジフェニルエーテルビススルホンアミド、N,N’−ビス(フェニルスルホニル)ジフェニルビススルホンアミド、5−アミノ−2−メチル−N−(ヒドロキシエチル)−1−ベンゼンスルホンアミド、2−アミノ安息香酸−5−スルホンアミド、2−アミノ安息香酸−5−N−メチルスルホンアミド、4−(2−アミノエチル)ベンゼンスルホンアミド、4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゼンスルホンアミド、2−トルエンスルホンアミド、4−トルエンスルホンアミド、4−アミノベンゼンスルホンアミド、N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド、N−メチルトルエンスルホンアミド、N−エチルトルエンスルホンアミド、N−プロピルトルエンスルホンアミド、N−n−ブチルトルエンスルホンアミド、N−t−ブチルトルエンスルホンアミド、N−ペンチルトルエンスルホンアミド、N−ヘキシルトルエンスルホンアミド、N−ヘプチルトルエンスルホンアミド、N−オクチルトルエンスルホンアミド、N−デシルトルエンスルホンアミド、N−ドデシルトルエンスルホンアミド、N−フェニルトルエンスルホンアミド、2−トルエンスルホンアミド、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホン、ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2−アミノ−4−メチルスルホニルフェノール、アミノフェニル−β−ヒドロキシエチルスルホン、ジフェニルスルホン、ビス(4−メチルフェニル)スルホン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、2−アミノジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス{4−(3’−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、α,α,α−トリブロモメチルフェニルスルホン、メチル−p−トリルスルホン、(ビニルスルホニル)ベンゼン、テトラメチレンスルホン、クロロギ酸−2−(メチルスルホニル)エチル、チアンフェニコール、2−(メチルスルホニル)エチルアルコール、2−アミノフェノール−4−エチルスルホン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、2−アミノ−1−(4−メチルスルホニルフェニル)−1,3−プロパンジオール、ベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイドなどといったスルホニル基を有する化合物;フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジノルマルオクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシルなどの非芳香族2塩基酸エステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチルなどの脂肪族エステル;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェートなどのリン酸エステル;トリメリット酸エステル;塩素化パラフィン;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニルなどの炭化水素系油;プロセスオイル;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ系可塑剤などが挙げられる。これらの分散剤(H)は、1種のみで使用してもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。
分散剤(H)は、得られる触媒組成物を重合体(A)により分散しやすくするために、融点が50℃以下のものが好ましく、融点が30℃以下のものがより好ましく、室温で液体のものがさらに好ましい。また、揮発しにくいように760mmHgでの沸点が200℃以上のものが好ましい。沸点が200℃未満であれば、室内などで本硬化性組成物を使用した場合に揮発し、作業環境が悪化すると共に、人体に悪影響を及ぼす可能性がある。
分散剤(H)の使用量は特に限定されず、フッ化塩化合物(B)およびアミン化合物(F)および酸化合物(G)の合計量に対して、10〜500重量部が好ましく、10〜100重量部がより好ましい。分散剤(H)の使用量が10重量部未満の場合、十分な分散性が得られないことがあり、使用量が500重量部を上回ると、触媒組成物を配合した硬化性組成物の垂れ性が低下して作業性が悪くなる場合がある。
本発明の触媒組成物は、フッ化アンモニウム、アミン化合物(F)、好ましくは酸化合物(G)さらに好ましくは分散剤(H)を必須成分とするが、これら必須成分は必ずしも触媒組成物中に単体として存在する必要は無く、必須成分等の混合によって発生する反応物として存在してもよい。また、本発明では前記必須成分とは、必須成分由来の化合物を含むことを意味するものである。
触媒組成物は、フッ化塩化合物(B)、アミン化合物(F)、酸化合物(G)さらに好ましくは分散剤(H)およびその他の成分を単に混合するのみで得ることもできるし、さらに混合状態を高めるために各種ミキサー、3本ロール等で混練してもよい。混合の温度も各種温度を設定することができ、たとえば高温で低粘度化させながら混合することもできる。また混合後に水等の揮発分を除去することも任意であり、そのため減圧脱揮することもできる。また、吸着、抽出、蒸留、再結晶、晶析などの処理を施してもよい。
本触媒組成物には、必要に応じてその他の成分を配合することもできる。その他の成分としてはアンモニアの揮発を抑制し得る成分を用いてもよく、アンモニア吸着剤やアンモニアと反応し得る化合物などが例示される。
触媒組成物は固体状、液状、ペースト状などいずれの状態も取り得るが、重合体(A)により分散しやすいという点では液状、ペースト状であることが好ましい。
<その他の成分>
本発明の硬化性組成物中には、必要に応じて、接着性付与剤を添加することができる。接着付与剤としてはシランカップリング剤が例示される。
ここでシランカップリング剤とは、分子中に加水分解性ケイ素基とそれ以外の官能基を有する化合物で、ガラス、アルミニウム、ステンレス、亜鉛、銅、モルタルなどの無機基材;塩ビ、アクリル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなど有機基材;など各種被着体と得られる硬化物の間の接着性を、ノンプライマー条件下またはプライマー処理条件下で、著しく改善する効果を示すものがある。
特に、シランカップリング剤をノンプライマー条件下で使用した場合には、硬化物の各種被着体に対する接着性改善効果が特に顕著である。これら効果に加えて、シランカップリング剤は物性調整剤、無機充填剤などの分散性改良剤などとして機能し得る化合物である。また、本発明においては、シランカップリング剤は反応性ケイ素基を有する化合物としての機能も発揮する場合がある。
シランカップリング剤中の加水分解性ケイ素基としては、一般式(3)で示される基のなかで、Xが加水分解性基であるものがあげられる。具体的には、加水分解性基として反応性ケイ素基を有する重合体(A)の実施形態で既に記載済みの基をあげることができる。このなかでも、加水分解性が穏やかで取り扱いやすいことから、メトキシ基、エトキシ基などが好ましい。ケイ素原子に結合する加水分解性基の個数は、2個以上が好ましく、3個以上がより好ましい。
加水分解性ケイ素基以外の官能基としては、特に限定されず、たとえば、置換または非置換のアミノ基、メルカプト基、エポキシ基、カルボキシル基、ビニル基、イソシアネート基、イソシアヌレート、ハロゲンなどがあげられる。これらのなかでは、置換または非置換のアミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、イソシアヌレートなどが得られる硬化物の接着性改善効果が高いことから好ましく、アミノ基がより好ましい。
なお、アミン化合物(F)の実施形態で既に記載したように加水分解性ケイ素基とアミノ基の両方を有するシランカップリング剤は一般にアミノシランと呼ばれ、本発明では硬化触媒としての機能も有する。なお、硬化性組成物にアミノシランを添加する際、接着性付与剤としての機能をより発揮させたい場合には、硬化触媒としての必要量以上のアミノシランを添加するのが好ましい。
アミノシラン以外のシランカップリング剤としては、特に限定されず、たとえば、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、(イソシアネートメチル)トリメトキシシラン、(イソシアネートメチル)ジメトキシメチルシランなどのイソシアネートシラン類;N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンなどのケチミン型シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシランなどのメルカプトシラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなどのエポキシシラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどのビニル型不飽和基を有するシラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどのハロゲンを有するシラン類;トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレートシラン類などがあげられる。
さらに、シランカップリング剤としては、前記アミノシランとエポキシシランの反応物、アミノシランとイソシアネートシランの反応物、アミノシランと(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシランの反応物など;前記シラン類を部分的に縮合した縮合体;これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステル;などもあげられる。
前記シランカップリング剤は、1種類のみ添加しても良く、複数種を組み合わせて添加してもよい。
シランカップリング剤を添加する場合、その添加量としては、反応性ケイ素基を有する重合体(A)100重量部に対し、0.01〜20重量部が好ましく、0.1〜10重量部がより好ましく、1〜7重量部程度が特に好ましい。添加量が0.1重量部を下回ると、得られる硬化物の接着性が十分に得られない傾向がある。一方、20重量部を上回ると、硬化性組成物は実用的な硬化速度が得られなくなる傾向があり、また硬化反応が充分に進行し難くなる傾向がある。
本発明の硬化性組成物中には、必要に応じて、前記したシランカップリング剤以外の接着性付与剤が添加される。シランカップリング剤以外の接着性付与剤としては、特に限定されず、たとえば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硫黄、アルキルチタネート類、芳香族ポリイソシアネートなどがあげられる。上記接着性付与剤は1種類のみ添加しても良く、複数種を組み合わせて添加しても良い。
本発明の硬化性組成物中には、必要に応じて、発明の効果を低下させない程度に他の硬化触媒が添加される。
具体的には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ピバル酸、2,2−ジメチル酪酸、2,2−ジエチル酪酸、2,2−ジメチルヘキサン酸、2,2−ジエチルヘキサン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−エチル−2,5−ジメチルヘキサン酸、ネオデカン酸、バーサチック酸などのカルボン酸の誘導体(エステル、アミド、ニトリル、塩化アシル);カルボン酸錫、カルボン酸鉛、カルボン酸ビスマス、カルボン酸カリウム、カルボン酸カルシウム、カルボン酸バリウム、カルボン酸チタン、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸ハフニウム、カルボン酸バナジウム、カルボン酸マンガン、カルボン酸鉄、カルボン酸コバルト、カルボン酸ニッケル、カルボン酸セリウムなどのカルボン酸金属塩;テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、ビス(アセチルアセトナート)ジイソプロポキシチタン、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトセテート)などのチタン化合物;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫ビス(エチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ビス(エチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ビス(ノニルフェノキサイド)、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(エチルアセトアセトナート)、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物などの有機錫化合物;アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどのアルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)などのジルコニウム化合物類;テトラブトキシハフニウムなどの各種金属アルコキシド類;有機酸性リン酸エステル類;トリフルオロメタンスルホン酸などの有機スルホン酸類;塩酸、リン酸、ボロン酸などの無機酸類;塩化アルミニウム、塩化チタン、塩化ジルコニウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化鉄、塩化銅、塩化アンチモン、塩化スズなどの金属ハロゲン化物類、インジウムトリフラート、スズトリフラートなどの金属トリフラートや、トリアルキルシリルトリフラートなどのトリフラート類などのルイス酸類;あるいはそれらの誘導体類などがあげられる。
これらの硬化触媒を併用させることにより、触媒活性が高くなり、得られる硬化物の深部硬化性、薄層硬化性、接着性などの改善が期待される。但し、カルボン酸の添加量が多いと、得られる硬化物は十分な接着性が得られない傾向がある。
また、有機錫化合物は添加量の増加とともに、得られる硬化物の復元性、耐久性、および、耐クリープ性が低下したり、毒性が高くなる場合がある。このため、有機錫化合物を添加する場合、その添加量は、反応性ケイ素基を有する重合体(A)100重量部に対して、5重量部以下が好ましく、0.5重量部以下がより好ましく、0.05重量部以下が更に好ましく、含有していないことが特に好ましい。
本発明の硬化性組成物中には、必要に応じて、シリケートが添加される。シリケートは、反応性ケイ素基を有する重合体(A)に対して架橋剤として作用し、得られる硬化物の復元性、耐久性、および、耐クリープ性を改善する機能を有するものである。
また、シリケートの添加により、得られる硬化物は接着性および耐水接着性、高温高湿下での接着耐久性が改善される。なお本願発明においては、シリケートは反応性ケイ素基を有する化合物としての機能も発揮する場合がある。
シリケートとしては、特に限定されず、たとえば、テトラアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物があげられ、より具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、メトキシトリエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン(テトラアルキルシリケート)、および、それらの部分加水分解縮合物などがあげられる。
シリケート添加する場合、その添加量としては、反応性ケイ素基を有する重合体(A)100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
なお、テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物としては、特に限定されず、たとえばテトラアルコキシシランに水を添加し、部分加水分解させ縮合させたものがあげられる。
テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物を添加すると、テトラアルコキシシランを添加した硬化性組成物に比べ、得られる硬化物の復元性、耐久性、および、耐クリープ性の改善効果が大きいことから好ましい。
テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物は、たとえば、メチルシリケート51、エチルシリケート40(いずれもコルコート(株)製)などが市販されており、これらを添加剤として使用することができる。
なお、貯蔵により硬化性組成物の表面硬化性が変化するのを防ぐ目的で、シリケートは、ケイ素原子に結合している加水分解性基が反応性ケイ素基を有する重合体(A)中に存在する反応ケイ素基中の加水分解性基と同種のものを選択することが好ましい。つまり、反応性ケイ素基を有する重合体(A)がメトキシシリル基を有する場合は、メトキシシリル基を有するシリケートを、反応性ケイ素基を有する重合体(A)がエトキシシリル基を有する場合は、エトキシシリル基を有するシリケートを選択するのが好ましい。
本発明の硬化性組成物中には、必要に応じて、可塑剤が添加される。可塑剤は、硬化性組成物の粘度やスランプ性を調整する機能、得られる硬化物の引張り強度、伸び特性などの機械的な特性を調整する機能を有するものである。
可塑剤としては特に限定されず、たとえば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシルなどの非芳香族2塩基酸エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチルなどの脂肪族エステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェートなどのリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニルなどの炭化水素系油;プロセスオイル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ系可塑剤などがあげられる。
また、得られる硬化物の初期特性を長期にわたり維持できること、得られた硬化物にアルキド塗料を塗布した場合の乾燥性(塗装性ともいう)を改良できることなどから、重合体成分を分子中に含む高分子可塑剤を添加することが好ましい。
高分子可塑剤としては、特に限定されず、たとえば、ビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステルなどのポリアルキレングリコールのエステル類;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸などの2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤;分子量500以上、さらには1,000以上のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール類あるいはこれらポリエーテルポリオール類中の水酸基をエステル基やエーテル基などに置換したポリエーテル類誘導体;ポリスチレンやポリ−α−メチルスチレンなどのポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレンなどがあげられる。
これら高分子可塑剤のなかでも反応性ケイ素基を有する重合体(A)と相溶性の高いものが好ましく、たとえば、ポリエーテル類やビニル系重合体などがあげられる。
また、硬化性組成物の表面硬化性および深部硬化性が良好で、貯蔵後の硬化遅延も起こらないことからポリエーテル類がより好ましく、具体的にはポリプロピレングリコールが特に好ましい。
さらに、反応性ケイ素基を有する重合体(A)との相溶性が高く、得られる硬化物の耐候性、耐熱性が良好なことからビニル系重合体が好ましく、この中でもアクリル系重合体および/又はメタクリル系重合体がより好ましく、ポリアクリル酸アルキルエステルなどアクリル系重合体が特に好ましい。
ポリアクリル酸アルキルエステルの製造方法としては、特に限定されないが、分子量分布が狭く、低粘度化が可能なことからリビングラジカル重合法が好ましく、原子移動ラジカル重合法がより好ましい。また、SGOプロセスと呼ばれる特開2001−207157号などに開示されているアクリル酸アルキルエステル系化合物を高温、高圧下で連続塊状重合する方法が特に好ましい。
高分子可塑剤の数平均分子量は、500〜15,000、800〜10,000が好ましく、1,000〜8,000がより好ましく、1,000〜5,000が特に好ましく、1,000〜3,000が最も好ましい。高分子可塑剤の分子量が低すぎると得られる硬化物から熱や降雨により可塑剤が経時的に流出し、初期の物性を長期にわたり維持できず、埃付着などによる汚染の原因となる可能性が有り、アルキド塗装性に劣る傾向がある。一方、分子量が高すぎると硬化性組成物の粘度が高くなり、作業性が悪くなる傾向がある。
高分子可塑剤の分子量分布は特に限定されないが、狭いことが好ましく、1.80未満、1.70以下が好ましく、1.60以下がより好ましく、1.50以下がさらに好ましく、1.40以下が特に好ましく、1.30以下が最も好ましい。
数平均分子量はポリエーテル系重合体の場合は末端基分析法で、その他の重合体の場合はGPC法で測定される。また、分子量分布(Mw/Mn)はGPC法(ポリスチレン換算)で測定される。
高分子可塑剤は、分子中に反応性ケイ素基の有無を問わないが、反応性ケイ素基を有する高分子可塑剤を添加した場合は、高分子可塑剤が硬化反応に取り込まれ、得られた硬化物からの可塑剤の移行を防止できることから好ましい。
反応性ケイ素基を有する高分子可塑剤としては、反応性ケイ素基を1分子あたり平均して1個以下の化合物が好ましく、0.8個以下の化合物がより好ましい。反応性ケイ素基を有する可塑剤、特に反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体を添加する場合、充分な可塑化効果を得るためには数平均分子量が反応性ケイ素基を有する重合体(A)よりも低いことが好ましい。
可塑剤は、1種類のみを添加してもよく、複数種を組み合わせて添加してもよい。また、低分子可塑剤と高分子可塑剤を併用添加してもよい。なおこれらの可塑剤は、反応性ケイ素基を有する重合体(A)の製造時に添加してもよい。
可塑剤を添加する場合、その添加量は、反応性ケイ素基を有する重合体(A)100重量部に対して5〜150重量部が好ましく、10〜120重量部がより好ましく、20〜100重量部が特に好ましい。5重量部未満では可塑剤としての効果が発現しなくなる傾向があり、150重量部を越えると得られる硬化物の機械強度が不足する傾向がある。
本発明の硬化性組成物中には、必要に応じて、粘着性付与剤が添加される。粘着性付与樹脂としては、常温で固体、液体を問わず通常使用されるものであれば特に限定されず、たとえば、スチレン系ブロック共重合体、その水素添加物、フェノール系樹脂、変性フェノール系樹脂(例えば、カシューオイル変性フェノール系樹脂、トール油変性フェノール系樹脂など)、テルペンフェノール系樹脂、キシレン−フェノール系樹脂、シクロペンタジエン−フェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、水添ロジンエステル系樹脂、キシレン系樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、スチレン共重合体樹脂、石油樹脂(例えば、C5炭化水素系樹脂、C9炭化水素系樹脂、C5C9炭化水素共重合樹脂など)、水添石油樹脂、テルペン系樹脂、DCPD樹脂石油樹脂などがあげられる。これらは1種類のみを添加してもよく、複数種を組み合わせて添加しても良い。
前記スチレン系ブロック共重合体及びその水素添加物としては、特に限定されず、たとえばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)などがあげられる。
粘着性付与剤を添加する場合、その添加量は、反応性ケイ素基を有する重合体(A)100重量部に対して、5〜1,000重量部が好ましく、10〜100重量部がより好ましい。
本発明の硬化性組成物中には、必要に応じて、溶剤または希釈剤が添加される。溶剤及び希釈剤としては、特に限定されず、たとえば、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、脂環式炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類などがあげられる。これらは1種類のみを添加してもよく、複数種を組み合わせて添加してもよい。
溶剤または希釈剤を添加する場合、硬化性組成物を屋内で使用した時の空気中への揮発成分の放散を防止するため、溶剤または希釈剤の沸点は、150℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。
本発明の硬化性組成物中には、必要に応じて、物性調整剤が添加される。物性調整剤とは、生成する硬化物の引張特性および硬度を調整する機能を有するものである。
物性調整剤としては、特に限定されず、たとえば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシランなどのアルキルアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシランなどのアルキルイソプロペノキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどの官能基を有するアルコキシシラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類などがあげられる。これらは1種類のみを添加してもよく、複数種を組み合わせて添加しても良い。
物性調整剤の中でも、加水分解により分子内に1価のシラノール基を有する化合物を生成するものは、得られる硬化物の表面のべたつきを悪化させずにモジュラスを低下させる作用を有することから好ましく、このなかでも、加水分解によりトリメチルシラノールを生成するものがより好ましい。
加水分解により分子内に1価のシラノール基を有する化合物を生成する化合物としては、特に限定されず、たとえば特開平5−117521号に開示されている化合物、また、ヘキサノール、オクタノール、デカノールなどのアルキルアルコールの誘導体であって、加水分解によりトリメチルシラノールなどのR15 SiOH(R15は炭素原子数1から20の炭化水素基)で示される有機ケイ素化合物を生成する化合物、特開平11−241029号に開示されているトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールあるいはソルビトールなどの1分子中に水酸基を3個以上有する多価アルコールの誘導体であって、加水分解によりトリメチルシラノールなどのR15 SiOHで示される有機ケイ素化合物を生成する化合物などがあげられる。
さらに、特開平7−258534号に開示されているオキシプロピレン重合体の誘導体であって加水分解によりトリメチルシラノールなどのR15 SiOHで示される有機ケイ素化合物を生成する化合物、さらに特開平6−279693号に開示されている架橋可能な加水分解性ケイ素を有する基と加水分解により1価のシラノール基を有する化合物を生成しうるケイ素基を持つ化合物があげられる。
物性調整剤を添加する場合、その添加量は、反応性ケイ素基を有する重合体(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
本発明の硬化性組成物中には、必要に応じてチクソ性付与剤(垂れ防止剤)が添加される。チクソ性付与剤とは、硬化性組成物の垂れを防止し、作業性を良くする機能を有するものをいう。
チクソ性付与剤としては特に限定されず、たとえば、ポリアミドワックス類;水添ヒマシ油誘導体類;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウムなどの金属石鹸類などがあげられる。さらに、特開平11−349916号などに開示されている粒子径10〜500μmのゴム粉末や、特開2003−155389号などに開示されている有機質繊維があげられる。これらチクソ性付与剤(垂れ防止剤)は1種類のみを添加してもよく、複数種を組み合わせて添加してもよい。
チクソ性付与剤を添加する場合、その添加量は反応性ケイ素基を有する重合体(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましい。
本発明の硬化性組成物中には、必要に応じて、1分子中にエポキシ基を有する化合物が添加される。エポキシ基を有する化合物を添加することにより、得られる硬化物の復元性を高めることができる。
エポキシ基を有する化合物としては、特に限定されず、たとえば、エポキシ化不飽和油脂類;エポキシ化不飽和脂肪酸エステル類;脂環式エポキシ化合物類;エピクロルヒドリン誘導体などの化合物;及びそれらの混合物などがあげられる。より具体的には、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、ビス(2−エチルヘキシル)−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカーボキシレート(E−PS)、エポキシオクチルステアレ−ト、エポキシブチルステアレ−トなどがあげられる。これらのなかではE−PSが好ましい。
エポキシ化合物を添加する場合、その添加量は、反応性ケイ素基を有する重合体(A)100重量部に対して0.5〜50重量部が好ましい。
本発明の硬化性組成物中には、必要に応じて、光硬化性物質が添加される。光硬化性物質とは、光の作用によって短時間に分子構造が化学変化をおこし、硬化などの物性的変化を生ずるものである。硬化性組成物中に光硬化性物質を添加すると、得られる硬化物の表面に光硬化性物質の皮膜が形成され、硬化物のべたつきや耐候性が改善される。
光硬化性物質としては、特に限定されず、有機単量体、オリゴマー、樹脂或いはそれらを含む組成物など公知のものがあげられ、たとえば、不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル類あるいはアジド化樹脂などがあげられる。
不飽和アクリル系化合物としては、アクリル系又はメタクリル系の不飽和基を1分子中に1ないし複数個有するモノマー、オリゴマー或いはそれなどの混合物があげられ、具体的には、プロピレン(又はブチレン、エチレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどの単量体又は分子量10,000以下のオリゴエステルがあげられる。より具体的には、例えば特殊アクリレート(2官能)のアロニックスM−210,アロニックスM−215,アロニックスM−220,アロニックスM−233,アロニックスM−240,アロニックスM−245;(3官能)のアロニックスM−305,アロニックスM−309,アロニックスM−310,アロニックスM−315,アロニックスM−320,アロニックスM−325,及び(多官能)のアロニックスM−400(アロニックスはいずれも東亜合成(株)製)などがあげられる。このなかでも、アクリル官能基を有する化合物が好ましく、また1分子中に平均して3個以上のアクリル官能基を有する化合物がより好ましい。
前記ポリケイ皮酸ビニル類としては、シンナモイル基を感光基とする感光性樹脂でありポリビニルアルコールをケイ皮酸でエステル化した化合物、その他多くのポリケイ皮酸ビニル誘導体があげられる。
前記アジド化樹脂は、アジド基を感光基とする感光性樹脂として知られており、通常はジアジド化合物を感光剤として加えたゴム感光液の他、「感光性樹脂」(昭和47年3月17日出版、印刷学会出版部発行、第93頁〜、第106頁〜、第117頁〜)に詳細な例示があり、これらを単独又は混合し、必要に応じて増感剤を加えて使用することができる。
なお、ケトン類、ニトロ化合物などの増感剤やアミン類などの促進剤を添加すると、効果が高められる場合がある。
光硬化性物質を添加する場合、その添加量は、反応性ケイ素基を有する重合体(A)100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。0.1重量部以下では得られる硬化物の耐候性を高める効果はほとんどなく、20重量部以上では得られる硬化物が硬くなりすぎ、ヒビ割れなどを生じる傾向がある。
本発明の硬化性組成物中には、必要に応じて、酸素硬化性物質が添加される。酸素硬化性物質とは、空気中の酸素と反応して硬化しうるもので、酸素硬化性物質を添加することにより、得られる硬化物の表面付近に硬化皮膜が形成され、硬化物表面のべたつきやゴミやホコリの付着を防止できる。
酸素硬化性物質としては、空気中の酸素と反応し得る不飽和化合物であれば特に限定されず、たとえば、キリ油、アマニ油などの乾性油や、該化合物を変性して得られる各種アルキッド樹脂;乾性油により変性されたアクリル系重合体、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂;ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなどのジエン系化合物を重合または共重合させてえられる1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、C5〜C8ジエンの重合体などの液状重合体;これらジエン系化合物と共重合可能なアクリロニトリル、スチレンなどのビニル系化合物と、ジエン系化合物を、ジエン系化合物が主成分となるように共重合させて得られるNBR、SBRなどの液状共重合体や、さらにはそれらの各種変性物(マレイン化変性物、ボイル油変性物など)などがあげられる。これらのなかでは、キリ油や液状ジエン系重合体が好ましい。酸素硬化性物質は1種類のみを添加してもよく、複数種を組み合わせて添加してもよい。
なお、酸素硬化性物質は硬化反応を促進する触媒や金属ドライヤーを混合添加すると効果が高められる場合がある。硬化反応を促進する触媒や金属ドライヤーとしては、特に限定されず、たとえば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸コバルト、オクチル酸ジルコニウムなどの金属塩や、アミン化合物などがあげられる。
酸素硬化性物質を添加する場合、その添加量は、反応性ケイ素基を有する重合体(A)100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。添加量が0.1重量部未満になると得られる硬化物の汚染性の改善硬化が充分でなくなる傾向があり、20重量部をこえると得られる硬化物の引張り特性などが損なわれる傾向がある。
さらに、酸素硬化性物質は、特開平3−160053号に開示されているように、光硬化性物質と混合添加するのが好ましい。
本発明の硬化性組成物中には必要に応じて、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤を添加することにより、得られる硬化物の耐熱性を高めることができる。
酸化防止剤としては、特に限定されず、たとえば、ヒンダードフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系の酸化防止剤があげられる。このなかでもヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。また、チヌビン622LD,チヌビン144;CHIMASSORB944LD,CHIMASSORB119FL(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製);アデカスタブ LA−57,アデカスタブ LA−62,アデカスタブ LA−67,アデカスタブ LA−63,アデカスタブ LA−68(以上いずれも(株)ADEKA製);サノールLS−770,サノールLS−765,サノールLS−292,サノールLS−2626,サノールLS−1114,サノールLS−744(以上いずれも三共ライフテック(株)製)などのヒンダードアミン系光安定剤も好ましい。なお、酸化防止剤の具体例は特開平4−283259号や特開平9−194731号にも開示されている。
酸化防止剤を添加する場合、その添加量は、反応性ケイ素基を有する重合体(A)100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。
本発明の硬化性組成物中には、必要に応じて、光安定剤が添加される。光安定剤の添加により、得られる硬化物の光酸化劣化が防止できる。
光安定剤としては、特に限定されず、たとえば、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物などがあげられる。このなかでもヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。
光安定剤を添加する場合、その添加量は、反応性ケイ素基を有する重合体(A)100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。なお、光安定剤の具体例は特開平9−194731号にも開示されている。
本発明の硬化性組成物中に不飽和アクリル系化合物などの光硬化性物質を添加する場合、特開平5−70531号に開示されているように3級アミン基を有するヒンダードアミン系光安定剤を添加するのが、硬化性組成物の保存安定性が改良されることより好ましい。
3級アミン基を有するヒンダードアミン系光安定剤としては、特に限定されず、たとえば、チヌビン622LD,チヌビン144,CHIMASSORB119FL(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製);アデカスタブ LA−57,LA−62,LA−67,LA−63(以上いずれも(株)ADEKA製);サノールLS−765,LS−292,LS−2626,LS−1114,LS−744(以上いずれも三共ライフテック(株)製)などがあげられる。
本発明の硬化性組成物中には、必要に応じて紫外線吸収剤が添加される。紫外線吸収剤の添加により、得られた硬化物の表面耐候性が向上する。
紫外線吸収剤としては、特に限定されず、たとえば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリシレート系、置換トリル系及び金属キレート系化合物などがあげられる。このなかでもベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
紫外線吸収剤を添加する場合、その添加量は、反応性ケイ素基を有する重合体(A)100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。
前記酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤は、硬化性組成物中に併用添加するのが好ましく、たとえば、フェノール系やヒンダードフェノール系酸化防止剤とヒンダードアミン系光安定剤とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を混合添加するのが好ましい。
本発明の硬化性組成物中には、必要に応じて、エポキシ樹脂が添加される。エポキシ樹脂の添加により、得られた硬化物の接着性が改善され、エポキシ樹脂を添加した硬化性組成物は、接着剤として、特に外壁タイル用接着剤として好ましく使用される。
エポキシ樹脂としては、特に限定されず、たとえばエピクロルヒドリン−ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリン−ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテルなどの難燃型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、p−オキシ安息香酸グリシジルエーテルエステル型エポキシ樹脂、m−アミノフェノール系エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレート、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンなどの多価アルコールのグリシジルエーテル、ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂などの不飽和重合体のエポキシ化物などがあげられる。これらのなかでも、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個以上有するものが、硬化性組成物の反応性を高めること、得られた硬化物が3次元網目構造をつくりやすいことなどから好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂またはノボラック型エポキシ樹脂などがより好ましい。
エポキシ樹脂を添加する場合、その添加量は、硬化性組成物の使用用途などにより異なり、たとえばエポキシ樹脂硬化物の耐衝撃性、可撓性、強靱性、剥離強度などを改善する場合には、エポキシ樹脂100重量部に対して反応性ケイ素基を有する重合体(A)を1〜100重量部添加するのが好ましく、5〜100重量部添加するのがより好ましい。一方、反応性ケイ素基を有する重合体(A)の硬化物の強度を改善する場合には、反応性ケイ素基を有する重合体(A)100重量部に対してエポキシ樹脂を1〜200重量部添加するのが好ましく、5〜100重量部添加するのがより好ましい。
本発明の硬化性組成物中にエポキシ樹脂を添加する場合、エポキシ樹脂用の硬化剤を併用添加するのが好ましい。
エポキシ樹脂用の硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化させる働きを有する化合物であれば特に制限はなく、たとえば、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペリジン、m−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、アミン末端ポリエーテルなどの一級、二級アミン類;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリプロピルアミンなどの三級アミン類、及び、これら三級アミン類の塩類;ポリアミド樹脂類;イミダゾール類;ジシアンジアミド類;三弗化硼素錯化合物類;無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ドデシニル無水琥珀酸、無水ピロメリット酸、無水クロレン酸などの無水カルボン酸類;アルコール類;フェノール類;カルボン酸類;アルミニウム又はジルコニウムのジケトン錯化合物などの化合物があげられる。これらは一種類のみを添加してもよく、複数種を組み合わせて添加してもよい。
エポキシ樹脂硬化剤を添加する場合、その添加量としては、エポキシ樹脂100重量部に対し、0.1〜300重量部が好ましい。
エポキシ樹脂用の硬化剤のなかでも、1液型の硬化組成物が得られることより、ケチミン化合物を用いることが好ましい。ケチミン化合物は、水分のない状態では安定に存在し、水分によって一級アミンとケトンに分解され、生じた一級アミンがエポキシ樹脂の室温硬化性の硬化剤となる性質を有する。ケチミン化合物としては、アミン化合物とカルボニル化合物との縮合反応により得られる化合物があげられる。
ケチミン化合物の製造に使用されるアミン化合物、カルボニル化合物としては、特に限定されず、公知の化合物があげられ、たとえばアミン化合物としてはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、1,3−ジアミノブタン、2,3−ジアミノブタン、ペンタメチレンジアミン、2,4−ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、p,p’−ビフェニレンジアミンなどのジアミン類;1,2,3−トリアミノプロパン、トリアミノベンゼン、トリス(2−アミノエチル)アミン、テトラキス(アミノメチル)メタンなどの多価アミン類;ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミンなどのポリアルキレンポリアミン;ポリオキシアルキレン系ポリアミン;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノシラン類;などがあげられる。
また、カルボニル化合物としてはアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ジエチルアセトアルデヒド、グリオキサール、ベンズアルデヒドなどのアルデヒド類;シクロペンタノン、トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、トリメチルシクロヘキサノンなどの環状ケトン類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン、ジイソブチルケトンなどの脂肪族ケトン類;アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸メチルエチル、ジベンゾイルメタンなどのβ−ジカルボニル化合物;などがあげられる。
イミノ基を有するケチミン化合物は、イミノ基をスチレンオキサイド;ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル;グリシジルエステルなどと反応させたものを含む。
これらのケチミン化合物は、一種類のみを添加してもよく、複数種を組み合わせて添加してもよい。
ケチミン化合物を添加する場合、その添加量としては、エポキシ樹脂およびケチミンの種類によって異なるが、通常、エポキシ樹脂100重量部に対し、1〜100重量部が好ましい。
本発明の硬化性組成物中には、必要に応じて、難燃剤が添加される。難燃剤としては特に限定されず、たとえばポリリン酸アンモニウム、トリクレジルホスフェートなどのリン系難燃剤;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、および、熱膨張性黒鉛などの難燃剤を添加することができる。難燃剤は1種類のみを添加してもよく、複数種を組み合わせて添加してもよい。
難燃剤を添加する場合、その添加量としては、反応性ケイ素基を有する重合体(A)100重量部に対して、5〜200重量部が好ましく、10〜100重量部がより好ましい。
本発明の硬化性組成物中には、硬化性組成物又は得られる硬化物の諸物性を調整することを目的に、必要に応じて前記以外の各種添加剤が添加される。このような添加剤としては、たとえば、硬化性調整剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、防蟻剤、防かび剤などがあげられる。これらの具体例としては、特公平4−69659号、特公平7−108928号、特開昭63−254149号、特開昭64−22904号、特開2001−72854号の各公報などに開示されている。また、これらの添加剤は、1種類のみを添加してもよく、複数種を組み合わせて添加してもよい。
本発明の硬化性組成物の調製方法としては、1液型、2液型のいずれをも採用可能であるが、作業性が良好なことから、1液型の調製方法が好ましい。なお、1液型の調製方法とは、すべての配合成分を予め配合したのち密封保存し、施工後空気中の湿気により硬化するものをいい、2液型の調製方法とは、硬化用配合剤として別途硬化触媒、充填剤、可塑剤、水などの成分を配合しておき、硬化用配合剤と重合体組成物を施工前に混合するものをいう。
硬化性組成物が1液型の場合、すべての配合成分が予め配合されているため、配合物中に水分が存在すると貯蔵中に硬化が進行することがある。そこで、水分を含有する配合成分を予め脱水乾燥してから添加するか、また配合混練中に減圧などにより脱水するのが好ましい。
硬化性組成物が2液型の場合、反応性ケイ素基を有する重合体を含む主剤に硬化触媒を配合する必要がないので配合物中には若干の水分が含有されていても硬化の進行(ゲル化)の心配は少ないが、長期間の貯蔵安定性が必要とされる場合は、脱水乾燥するのが好ましい。
脱水、乾燥方法としては配合物が粉体などの固体物の場合は加熱乾燥法または減圧脱水法、液体物の場合は減圧脱水法または合成ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル、生石灰、酸化マグネシウムなどを使用した脱水法が好ましく。さらに、n−プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、メチルシリケート、エチルシリケート、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物;3−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジンなどのオキサゾリジン化合物;または、イソシアネート化合物を硬化性組成物中に添加して、配合物中に含まれる水と反応させることによってなされる脱水方法も好ましい。このように、アルコキシシラン化合物やオキサゾリジン化合物、および、イソシアネート化合物の添加により、硬化性組成物の貯蔵安定性が向上する。
ビニルトリメトキシシランなど水と反応し得るアルコキシシラン化合物を、乾燥目的に使用する際の添加量としては、反応性ケイ素基を有する重合体(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
<硬化性組成物の調整法>
本発明の硬化性組成物の調製法としては、特に限定はなく、たとえば、前記した配合成分を調合し、ミキサーやロールやニーダーなどを用いて常温または加熱下で混練する方法、適した溶剤を少量使用して配合成分を溶解させたのち混合する方法など公知の方法が採用されうる。
好ましい調整方法としては、少なくとも反応性ケイ素基を有する重合体(A)と、フッ化塩化合物(B)とを含む成分をあらかじめ混合したのち、これと、少なくとも充填剤を含むその他成分とを混合する工程を含む調整方法が挙げられる。この方法をとることによって、硬化性組成物はより優れた硬化性が得られやすい。ここで、少なくとも反応性ケイ素基を有する重合体(A)と、フッ化塩化合物(B)とを含む成分をあらかじめ混合する場合には、単に混合するのみでも良いが、加熱することもできる。また、混合後に、中和、吸着、脱揮、抽出、蒸留、再結晶、晶析等の処理を施してもよい。
また、好ましい調整方法として、少なくとも反応性ケイ素基を有する重合体(A)および充填剤を含む成分をあらかじめ混合したのち、これと、少なくともフッ化塩化合物(B)を含むその他成分とを混合する工程を含む調整方法もあげられる。この方法をとることによって、水分を含み易い配合材物である充填剤をあらかじめ脱水した後に、触媒であるフッ化塩化合物(B)を添加することができるため、貯蔵安定性が良好になる傾向がある。
<触媒組成物の調整法>
本発明の触媒組成物は、フッ化塩化合物(B)、アミン化合物(F)、好ましくは酸化合物(G)あるいは/および分散剤(H)を必須成分とするが、これら必須成分は必ずしも触媒組成物中に単体として存在する必要は無く、必須成分等の混合によって発生する反応物として存在してもよい。また、本発明では前記必須成分とは、必須成分由来の化合物を含むことを意味するものである。
触媒組成物は、フッ化塩化合物(B)、アミン化合物(F)、好ましくは酸化合物(G)あるいは/および分散剤(H)およびその他の成分を単に混合するのみで得ることもできるし、さらに混合状態を高めるために各種ミキサー、3本ロール等で混練してもよい。混合の温度も各種温度を設定することができ、たとえば高温で低粘度化させながら混合することもできる。また混合後に水等の揮発分を除去することも任意であり、そのため減圧脱揮することもできる。また、吸着、抽出、蒸留、再結晶、晶析などの処理を施してもよい。
本触媒組成物には、必要に応じてその他の成分を配合することもできる。
触媒組成物は固体状、液状、ペースト状などいずれの状態も取り得るが、重合体(A)により分散しやすいという点では液状、ペースト状であることが好ましい。
<用途例>
本発明の硬化性組成物は、大気中に暴露されると水分の作用により、三次元的に網状組織を形成し、ゴム状弾性を有する固体へと硬化する。
本発明の硬化性組成物は、粘着剤;建造物、船舶、自動車、道路などのシーリング材;接着剤;型取剤;防振材;制振材;防音材;発泡材料;塗料;吹付材などに好適に使用され、これらの用途のなかでも、得られる硬化物が柔軟性および接着性に優れていることから、シーリング材または接着剤として使用されることがより好ましい。
また、本発明の硬化性組成物は、太陽電池裏面封止材などの電気・電子部品材料;電線・ケーブル用絶縁被覆材などの電気絶縁材料;弾性接着剤;コンタクト型接着剤;スプレー型シール材;クラック補修材;タイル張り用接着剤;粉体塗料;注型材料;医療用ゴム材料;医療用粘着剤;医療機器シール材;食品包装材;サイディングボードなどの外装材の目地用シーリング材;コーティング材;プライマー;電磁波遮蔽用導電性材料、熱伝導性材料;ホットメルト材料;電気電子用ポッティング剤;フィルム;ガスケット;各種成形材料;および、網入りガラスや合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材;自動車部品、電機部品、各種機械部品などにおいて使用される液状シール剤など様々な用途に利用可能である。
更に、単独あるいはプライマーの助けをかりてガラス、磁器、木材、金属、樹脂成形物などの如き広範囲の基質に密着しうるので、種々のタイプの密封用組成物および接着用組成物としても使用可能である。
また、本発明の硬化性組成物は、内装パネル用接着剤、外装パネル用接着剤、タイル張り用接着剤、石材張り用接着剤、天井仕上げ用接着剤、床仕上げ用接着剤、壁仕上げ用接着剤、車両パネル用接着剤、電気・電子・精密機器組立用接着剤、ダイレクトグレージング用シーリング材、複層ガラス用シーリング材、SSG工法用シーリング材、または、建築物のワーキングジョイント用シーリング材、としても使用可能である。
次に、実施例および比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の実施例と比較例において、厳密には「実施例」と表現すべき実験例について「比較例」と表現している場合がある。これは、従属請求項に記載された発明の効果をより明確に把握できるように、このような表現にしたものである。従って、実験例に「比較例」と記載していても、出願人がその実験例を特許請求の範囲から除外する意思表現ではないことに留意されたい。なお、各々の実験例が特許請求の範囲内であるか否かは、各請求項との対比を行えば自ずと判別可能である。
(合成例1)
分子量約3,000のポリオキシプロピレントリオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行ない、末端が水酸基である数平均分子量約26,000(送液システムとして東ソー製HLC−8120GPCを用い、カラムは東ソー製TSK−GEL Hタイプを用い、溶媒はTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量)のポリプロピレンオキシドを得た。続いて、この水酸基末端ポリプロピレンオキシドの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。未反応の塩化アリルを減圧脱揮により除去した。得られた未精製のアリル基末端ポリプロピレンオキシド100質量部に対し、n−ヘキサン300質量部と、水300質量部を混合攪拌した後、遠心分離により水を除去し、得られたヘキサン溶液にさらに水300質量部を混合攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去した。以上により、末端がアリル基である数平均分子量約26,000の3官能ポリプロピレンオキシド(P−1)を得た。
得られたアリル末端ポリプロピレンオキシド(P−1)100質量部に対し、白金ビニルシロキサン錯体の白金含量3wt%の2−プロパノール溶液150ppmを触媒として、トリメトキシシラン1.2質量部と90℃で2時間反応させ、トリメトキシシリル基末端ポリオキシプロピレン系重合体(A−1)を得た。また、H−NMR(日本電子製JNM−LA400を用いて、CDCl3溶媒中で測定)により、以下の方法にてシリル基導入率を測定した。ヒドロシリル化反応前の前記アリル末端ポリプロピレンオキシド(P−1)の主鎖中のメチル基のピーク(−CH3:1.2ppm付近)の積分値(M)に対する、アリル基の末端プロトンのピーク(−O−CH2−CH=CH2:5.1ppm付近)の積分値(T)の相対値(C=T/M)と、シリル末端ポリプロピレンオキシド(A−1)の主鎖中のメチル基のピーク(−CH3:1.2ppm付近)の積分値(M’)に対する、末端シリル基のシリコン原子に結合したメチレンプロトンのピーク(−O−CH2−CH2−CH2−Si(OCH33:0.6ppm付近)の積分値(T’)の相対値(C’=T’/M’)から、シリル基導入率(C’/C)は約60%であった。これより、重合体(A−1)は3官能であることから、末端のトリメトキシシリル基は1分子あたり平均して約1.8個と算出できる。
(合成例2)
分子量約2,000のポリオキシプロピレンジオールと分子量約3,000のポリオキシプロピレントリオールの1/1(質量比)混合物を開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行ない、数平均分子量約19,000のポリプロピレンオキシドを得た。続いて、この水酸基末端ポリプロピレンオキシドの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、更に塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。以上により、末端がアリル基である数平均分子量約19,000のポリプロピレンオキシドを得た。得られた未精製のアリル基末端ポリプロピレンオキシド100質量部に対し、n−ヘキサン300質量部と、水300質量部を混合攪拌した後、遠心分離により水を除去し、得られたヘキサン溶液に更に水300質量部を混合攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去し、精製されたアリル基末端ポリプロピレンオキシド(P−2)を得た。
得られたアリル末端ポリプロピレンオキシド(P−2)100質量部に対し、白金ビニルシロキサン錯体の白金含量3wt%の2−プロパノール溶液150ppmを触媒として、メチルジメトキシシラン1.35質量部と90℃で5時間反応させ、メチルジメトキシシリル基末端ポリプロピレンオキシド(A−2)を得た。上記と同様にして末端のメチルジメトキシシリル基の数を算出した結果、1分子あたり平均して約1.7個であった。
(合成例3)
分子量約2,000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、末端が水酸基である数平均分子量約25,500(送液システムとして東ソー製HLC−8120GPCを用い、カラムは東ソー製TSK−GEL Hタイプを用い、溶媒はTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量)のポリプロピレンオキシドを得た。続いて、この水酸基末端ポリプロピレンオキシドの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。未反応の塩化アリルを減圧脱揮により除去した。得られた未精製のアリル基末端ポリプロピレンオキシド100質量部に対し、n−ヘキサン300質量部と、水300質量部を混合攪拌した後、遠心分離により水を除去し、得られたヘキサン溶液に、さらに水300質量部を混合攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去した。以上により、末端がアリル基である数平均分子量約25,500の2官能ポリプロピレンオキシド(P−3)を得た。
得られたアリル末端ポリプロピレンオキシド(P−3)100質量部に対し、白金ビニルシロキサン錯体の白金含量3wt%の2−プロパノール溶液150ppmを触媒として、トリメトキシシラン1.1質量部と90℃で2時間反応させ、トリメトキシシリル基末端ポリオキシプロピレン系重合体(A−3)を得た。また、H−NMR(日本電子製JNM−LA400を用いて、CDCl3溶媒中で測定)により、以下の方法にてシリル基導入率を測定した。ヒドロシリル化反応前の前記アリル末端ポリプロピレンオキシド(P−3)の主鎖中のメチル基のピーク(−CH3:1.2ppm付近)の積分値(M)に対する、アリル基の末端プロトンのピーク(−O−CH2−CH=CH2:5.1ppm付近)の積分値(T)の相対値(C=T/M)と、シリル末端ポリプロピレンオキシド(A−1)の主鎖中のメチル基のピーク(−CH3:1.2ppm付近)の積分値(M’)に対する、末端シリル基のシリコン原子に結合したメチレンプロトンのピーク(−O−CH2−CH2−CH2−Si(OCH33:0.6ppm付近)の積分値(T’)の相対値(C’=T’/M’)から、シリル基導入率(C’/C)は約65%であった。これより、重合体(A−3)は2官能であることから、末端のトリメトキシシリル基は1分子あたり平均して約1.3個と算出できる。
ここで、以下の実施例、比較例で使用した充填剤を表1に示す。内容は各製造元の製品カタログに準ずる。
Figure 0005258575
(実施例1〜7、比較例1〜3)
表2に示す処方に従い、有機重合体(A−1)と充填剤をスパチュラで混合し、3本ロールを用いて均一に分散させ、主剤とした。各主剤に対し、硬化触媒としてテトラブチルフッ化アンモニウムのTHF溶液を添加し、スパチュラを用いて素早く混合した。混合物を軟膏缶の蓋に流し込み、表面を平面状に整えた。この時間を硬化開始時間とし、はじめの1時間は5分毎に、以後1時間毎に表面をスパチュラで触り、スパチュラに配合物が付着しなくなった時間を皮張り時間として測定を行なった。さらに、1日後に硬化物を軟膏缶から取り外し、手で引張り、強度を判定した。十分に強度を有し、硬化物の破断に力を要したものをA、容易に破断したものをBとした。結果を表2に示す。
Figure 0005258575
比較例1、2のように、脂肪酸で表面処理された膠質炭酸カルシウムを使用した場合には、皮張り時間が3時間以上と時間がかかった。実施例1〜5のように重質炭酸カルシウムを使用した場合には表面処理剤の影響は小さく、いずれも良好な硬化性を示した。また、実施例6のように脂肪酸以外で表面処理された膠質炭酸カルシウムを用いた場合にも良好な硬化性が得られた。実施例7のシリカを用いた場合にも良好な硬化性を示した。実施例1〜7の硬化物は十分な強度を有し、破断に強い力を要した。一方、比較例1および2の組成物は、硬化が不十分であった。充填剤を使用していない比較例3の硬化物は、容易に破断した。
(実施例8〜10、比較例4、5)
表3に示す処方に従い、有機重合体(A−2)と充填剤をスパチュラで混合し、3本ロールを用いて均一に分散させ、主剤とした。各主剤に対し、硬化触媒としてテトラブチルフッ化アンモニウムのTHF溶液を添加し、スパチュラを用いて素早く混合した。混合物を軟膏缶の蓋に流し込み、表面を平面状に整えた。この時間を硬化開始時間とし、はじめの1時間は5分毎に、以後1時間毎に表面をスパチュラで触り、スパチュラに配合物が付着しなくなった時間を皮張り時間として測定を行なった。また、厚さ3mmのシート状型枠に各混合物を充填し、表面を整えて、23℃×3日+50℃×4日の養生後、ダンベル型枠で打ち抜き、ダンベル型硬化物を作成した。このダンベル片を用いて、引張速度200mm/分で引張試験を行ない、破断時強度(MPa)および破断時伸び(%)を測定した。結果を表3に示す。表中、破断時強度が0.5MPa以上をA、0.5MPa未満をBと表記した。また、破断時伸びが200%以上をA、200%未満をBと表記した。
Figure 0005258575
比較例4のように、脂肪酸で表面処理された膠質炭酸カルシウムを使用した場合には、硬化に時間がかかった。実施例8および9のように重質炭酸カルシウムを使用した場合には、いずれも良好な硬化性を示した。また、実施例10のようにシリカを用いた場合にも良好な硬化性を示した。実施例8〜10の硬化物は十分な強度を有し、良好な伸びを示した。一方、比較例5のように充填剤を使用していない硬化物は、強度、伸びともに不十分であった。
(実施例11、比較例6)
表4に示す処方に従って、上記と同じ要領で硬化性を評価した。結果を表4に示す。
Figure 0005258575
実施例11のように充填剤として重質炭酸カルシウム(ホワイトンSB)を用いた場合には、良好な硬化性を示した。比較例6のように脂肪酸で表面処理された膠質炭酸カルシウム(CCR)を用いた場合には、硬化に非常に時間がかかった。
(実施例12、13、比較例7)
表5に示す処方に従って、有機重合体(A−2)、充填剤および各種添加剤を混合し、3本ロールを用いて均一に分散させ、主剤とした。上記と同じ要領で硬化性を評価した。
結果を表5に示す。
Figure 0005258575
脂肪酸で表面処理された膠質炭酸カルシウム(CCR)を用いた場合には、硬化に非常に時間がかかった(比較例7)。実施例12、13のように充填剤として重質炭酸カルシウム(ホワイトンSB)を用いた場合には、良好な硬化性を示した。
(実施例14、比較例8)
表6に示す処方に従って、有機重合体(A−2)、充填剤および各種添加剤を混合し、3本ロールを用いて均一に分散させ、主剤とした。フッ化塩化合物(B)としてフッ化カリウムを用い、上記と同じ要領で硬化性を評価した。結果を表6に示す。フッ化カリウムは6.3質量%メタノール溶液として使用し、表中にはフッ化カリウム溶液量を示した。
Figure 0005258575
脂肪酸で表面処理された膠質炭酸カルシウム(CCR)を用いた場合には、硬化に非常に時間がかかった(比較例8)。実施例14のように充填剤として重質炭酸カルシウム(ホワイトンSB)を用いた場合には、良好な硬化性を示した。
(実施例15〜17、比較例9、10)
表7に示す処方に従い、有機重合体(A−3)と充填剤、チクソ性付与剤をスパチュラで混合し、3本ロールを用いて均一に分散させ、主剤とした。各主剤に対し、硬化触媒としてフッ化塩化合物を添加し、スパチュラを用いて1分間よく混合した。混合物をヘラで薄く伸ばしながら脱泡したものを、軟膏缶の蓋に充填し、表面を平面状に整えた。この時間を硬化開始時間とし、はじめの1時間は5分毎に、以後1時間毎に表面をスパチュラで触り、スパチュラに配合物が付着しなくなった時間を皮張り時間として測定を行った。結果を表7に示す。
Figure 0005258575
比較例9、10のように、フッ化塩化合物(B)中のFと、脂肪酸で表面処理された膠質炭酸カルシウム(CCR)との質量比が0.0015より小さい場合には、硬化に時間がかかった。一方、実施例15〜17のように0.0015より大きい場合には、良好な硬化性を実現した。
(実施例18、比較例11)
表8に示す処方に従って、有機重合体(A−2)、充填剤、各種添加剤を混合し、3本ロールを用いて均一に分散させ、主剤とした。上記と同じ要領で硬化性を評価した。結果を表8に示す。
Figure 0005258575
脂肪酸で表面処理された膠質炭酸カルシウム(CCR)を用いた場合には、フッ化塩化合物(B)中のFの質量とCCRの質量との比が0.0015より小さいと、硬化に非常に時間がかかった(比較例11)。一方、当該質量比が0.0015より大きい場合には、非常に良好な硬化性を示した(実施例18)。

(実施例19〜22、比較例12〜14)
23℃、50%RHの条件下、表9に示す処方に従って金属缶中に各成分を量りとり、スパチュラを用いて1分間よく混錬した。混練終了時間を硬化開始時間とし、金属缶を23℃、50%RHの条件下に静置した。スパチュラで組成物の一部を練り粘性液状からゴム弾性体となり始めるまでの時間をゲル化時間として硬化性を評価した。結果を表9に示す。
Figure 0005258575
表9からわかるように、反応性ケイ素基を有する重合体(A)に、アンモニウムハイドロフルオライド化合物(B2)およびアミン化合物(F)を配合した場合には優れた硬化性を示したが、アンモニウムハイドロフルオライド化合物(B2)あるいはアミン化合物(F)を配合しなかった場合には優れた硬化性は得られなかった。
(実施例23〜26)
反応性ケイ素基を有する重合体(A)として合成例2で得られた重合体(A−2)100重量部、充填剤として表面処理膠質炭酸カルシウム(白石工業(株)製、商品名:白艶華CCR)120重量部、および酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:タイペークR−820)20重量部を使用し、さらに、可塑剤(武田薬品工業(株)製、商品名:アクトコールP23)55重量部、チクソ性付与剤(楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン#6500)2重量部、酸化防止剤((株)ワイ・エス・ケー製、商品名:ユノックスKC)1重量部、紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:チヌビン327)1重量部、光安定剤(三共(株)製、商品名:サノールLS770)1重量部を使用し、各々計量、混合して充分混練りした後、3本ペイントロールを用いて分散させた。接着付与剤としてγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:A−1120)3重量部、反応性ケイ素基を有する化合物としてビニルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:A−171)2重量部を加えて混練して主剤とした。
23℃、50%RHの条件下、表10に示す処方に従って金属缶中に各成分を量りとり、スパチュラを用いて1分間よく混錬した。混練終了時間を硬化開始時間とし、金属缶を23℃、50%RHの条件下に静置した。スパチュラで組成物の一部を練り粘性液状からゴム弾性体となり始めるまでの時間をゲル化時間として硬化性を評価した。結果を表10に示す。
Figure 0005258575
表10からわかるように、反応性ケイ素基を有する重合体(A)に、充填剤、反応性ケイ素基を有する化合物等を配合、添加した組成物においても、アンモニウムハイドロフルオライド化合物(B2)およびアミン化合物(F)を配合した場合に優れた硬化性を示した。
(合成例4〜9)
表11に示す化合物を、表11に示す重量部ずつ混合して反応させ、1級、2級、あるいは3級のフッ化置換アンモニウム塩化合物(B3)を含む混合物(B3−1〜B3−6)を得た。
Figure 0005258575
(実施例27〜32)
23℃、50%RHの条件下、表12に示す処方に従って金属缶中に各成分を量りとり、スパチュラを用いて1分間よく混錬した。混練終了時間を硬化開始時間とし、金属缶を23℃、50%RHの条件下に静置した。スパチュラで組成物の一部を練り粘性液状からゴム弾性体となり始めるまでの時間をゲル化時間として硬化性を評価した。結果を表12に示す。
Figure 0005258575
表12からわかるように、反応性ケイ素基を有する重合体(A)に、1級、2級、あるいは3級のフッ化置換アンモニウム塩化合物(B3)を配合した場合にも優れた硬化性を示した。
(実施例33)
23℃、50%RHの条件下、金属缶中に実施例23〜26に用いたものと同一の主剤305重量部および合成例4で得られた生成物(B3−1)2.7重量部を量りとり、スパチュラを用いて1分間よく混錬した。混練終了時間を硬化開始時間とし、金属缶を23℃、50%RHの条件下に静置した。スパチュラで組成物の一部を練り粘性液状からゴム弾性体となり始めるまでの時間をゲル化時間として硬化性を評価したところ、ゲル時間は1分であった。
以上のように、反応性ケイ素基を有する重合体(A)に、充填剤、反応性ケイ素基を有する化合物等を配合、添加した組成物においても、1級、2級、あるいは3級のフッ化置換アンモニウム塩化合物(B3)を配合した場合に優れた硬化性を示した。
(実施例34〜47)
フッ化アンモニウムあるいはフッ化水素アンモニウムを乳鉢で粉砕した後、目開き150μmのふるいを通した。次いでこれに、表13に示す処方に従って分散剤(H)、アミン化合物(F)を加えてスパチュラでよく混合し、得られたペースト状物をそのまま触媒組成物とした。以下、実施例34〜47の触媒組成物を、それぞれ触媒組成物34〜47と称する。
Figure 0005258575
(実施例48〜60および比較例15〜16)
23℃、50%RHの条件下、表14(実施例48〜60)および表15(比較例15〜16)に示す処方に従って金属缶中に各成分を量りとり、スパチュラを用いて1分間よく混錬した。混練終了時間を硬化開始時間とし、金属缶を23℃、50%RHの条件下に静置した。スパチュラで、金属缶中の組成物の一部を練り、粘性液状からゴム弾性体となり始めるまでの時間をゲル化時間として硬化性を評価した。結果を表14および表15に示す。
Figure 0005258575
Figure 0005258575
表14および表15に示される結果からわかるように、本発明の触媒組成物を用いた硬化性組成物は、ゲル化時間が短く、優れた硬化性を示した。
<実施例61〜76>
反応性ケイ素基を有する重合体(A)として合成例2で得られた重合体(A−2)100質量部、充填剤(C)として表面処理膠質炭酸カルシウム(白石工業(株)製、商品名:白艶華CCR)120質量部、および酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:タイペークR−820)20質量部を使用し、さらに、可塑剤(三井化学ポリウレタン(株)製、商品名:アクトコールP23)55質量部、チクソ性付与剤(楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン#6500)2質量部、酸化防止剤((株)ワイ・エス・ケー製、商品名:ユノックスKC)1質量部、紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:チヌビン327)1質量部、光安定剤(三共(株)製、商品名:サノールLS770)1質量部を使用し、各々計量、混合して充分混練りした後、3本ペイントロールを用いて分散させた。さらに、接着付与剤として、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:A−1120)3質量部および反応性ケイ素基を有する化合物として、ビニルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:A−171)2質量部を加えて混練することにより、主剤を調製した。
ついで、23℃、50%RHの条件下、表16に示す処方に従って金属缶中に、上記主剤と触媒組成物とを量りとり、スパチュラを用いて1分間よく混錬した。混練終了時間を硬化開始時間とし、金属缶を23℃、50%RHの条件下に静置した。スパチュラで、金属缶中の組成物の一部を練り、粘性液状からゴム弾性体となり始めるまでの時間をゲル化時間として硬化性を評価した。結果を表16に示す。
Figure 0005258575
表16に示される結果からわかるように、反応性ケイ素基を有する重合体(A)に、充填剤(C)、可塑剤、反応性ケイ素基を有する化合物等の添加剤を配合、添加した硬化性組成物であっても、ゲル化時間は短く、優れた硬化性を示した。
(実施例77)
23℃、50%RHの条件下、金属缶中に、反応性ケイ素基を有する重合体(A)として合成例2で得られた重合体(A−2)100質量部、および実施例34〜47で用いた最大粒径150μm以下のフッ化水素アンモニウムを2倍重量のメタノールと混合して得られたペースト1.0質量部を量りとり、スパチュラを用いて1分間よく混錬した。その後直ちにアミン化合物(F)として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.7質量部を量りとり、得られた混練物に加え、さらに1分間よく混錬した。混練終了時間を硬化開始時間とし、金属缶を23℃、50%RHの条件下に静置した。スパチュラで、金属缶中の組成物の一部を練り、粘性液状からゴム弾性体となり始めるまでの時間をゲル化時間として硬化性を評価したところ、ゲル化時間は15分であった。なお、本実施例の硬化性組成物において、フッ化水素アンモニウムのモル数に対する、アミン化合物(F)のモル数の比は、1.0である。
実施例77からわかるように、反応性ケイ素基を有する重合体(A)、フッ化水素アンモニウムおよびアミン化合物(F)を構成成分として含有し、あらかじめ調製した触媒組成物を用いることなく調製された硬化性組成物もまた、ゲル化時間が短く、優れた硬化性を示した。
(実施例78〜83、比較例17〜19)
表17に示した重量比でフッ化塩化合物(B)として、テトラブチルアンモニウムフルオライド−THF溶液(1M溶液)(Aldrich(株)製)、プロトン酸(D)としてバーサチック酸(ジャパン エポキシ レジン(株)製)、スルホニル基を有する化合物(E)(富士アミドケミカル製)を加え、60℃、0.1気圧下で減圧脱揮を1時間行い、混合触媒を得た。
合成例2で得られた有機重合体(A−2)100重量部に対し、充填剤(C)として脂肪酸で表面処理された沈降炭酸カルシウムである表面処理膠質炭酸カルシウム(白石工業(株)製、商品名:白艶華CCR)120重量部と、酸化チタン(石原産業(株)製、タイペークR820)20重量部と、可塑剤(三井武田ケミカル製、商品名:アクトコールP23−K)55重量部と、チキソ性付与剤(楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン#6500)2重量部と、紫外線吸収剤(チバガイギー製、商品名:チヌビン327)1重量部と、光安定剤(三共(株)製、商品名:サノールLS770)1重量部、および老化防止剤(大内新興(株)製、商品名:SP)1重量部を加えて3本ペイントロールを用いてよく混錬し、主剤とした。23℃50%の恒温恒湿条件下で、主剤に対し、脱水剤(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:A171)2重量部と、接着性付与剤(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:A1120)3重量部を加え、スパチュラを用いて1分間よく混合した。混合物をヘラで薄く伸ばしながら脱泡したものを、軟膏缶の蓋に充填し、表面を平面状に整えた。この時間を硬化開始時間とし、表面をスパチュラで触り、スパチュラに配合物が付着しなくなった時間を皮張り時間として測定を行った。結果を表17に示す。
Figure 0005258575
比較例17〜19に示すように、プロトン酸(D)を用いない場合には良好な硬化性と作業性が両立できなかったが、実施例78〜83に示すように、プロトン酸(D)を用いた場合には、良好な硬化性と作業性を併せ持った硬化性組成物を作製することが出来た。また、実施例82,83に示すように、更に、スルホニル基を有する化合物(E)を用いた場合には、作業性を確保しつつ、更に良好な硬化性を発現した。
(実施例84〜96)
フッ化アンモニウムを乳鉢で粉砕した後、目開き150μmのふるいを通した。これに表18に示す処方に従って分散剤(H)、アミン化合物(F)、酸化合物(G)を加えてスパチュラでよく混合し、得られたペースト状物をそのまま触媒組成物とした。以下、実施例84〜96の触媒組成物を、それぞれ触媒組成物84〜96と称する。
Figure 0005258575
(比較例20,21)
表19に示す処方に従ってアミン化合物(F)、酸化合物(G)を混合し、得られた組成物を比較触媒組成物20、21とした。
Figure 0005258575
(実施例97〜111)
23℃、50%RHの条件下、表20に示す処方に従って金属缶中に各成分を量りとり、スパチュラを用いて1分間よく混錬し硬化性組成物とした。混練終了時間を硬化開始時間とし、金属缶を23℃、50%RHの条件下に静置した。スパチュラで組成物の一部を練り粘性液状からゴム弾性体となり始めるまでの時間をゲル化時間として硬化性を評価した。結果を表20に示す。
Figure 0005258575
表20からわかるように、本発明の触媒組成物を用いて調製した硬化性組成物は優れた硬化性を示した。
(比較例22、23)
表21に示す処方に従って実施例97〜111と同様に硬化性を評価した。結果を表21に示す。
Figure 0005258575
表21からわかるように、比較例の比較触媒組成物20、21を用いて調製した硬化性組成物は優れた硬化性を示さなかった。
(実施例112、113)
反応性ケイ素基を有する重合体(A)として合成例2で得られた重合体(A−2)100重量部、充填剤(C)として表面処理膠質炭酸カルシウム(白石工業(株)製、商品名:白艶華CCR)120重量部、および酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:タイペークR−820)20重量部を使用し、さらに、可塑剤(三井化学ポリウレタン(株)製、商品名:アクトコールP23)55重量部、チクソ性付与剤(楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン#6500)2重量部、酸化防止剤((株)ワイ・エス・ケー製、商品名:ユノックスKC)1重量部、紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:チヌビン327)1重量部、光安定剤(三共(株)製、商品名:サノールLS770)1重量部を使用し、各々計量、混合して充分混練りした後、3本ペイントロールを用いて分散させた。接着付与剤としてγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:A−1120)3重量部、反応性ケイ素基を有する化合物としてビニルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:A−171)2重量部を加えて混練して主剤とした。
23℃、50%RHの条件下、表22に示す処方に従って金属缶中に各成分を量りとり、スパチュラを用いて1分間よく混錬し硬化性組成物とした。混練終了時間を硬化開始時間とし、金属缶を23℃、50%RHの条件下に静置した。スパチュラで組成物の一部を練り粘性液状からゴム弾性体となり始めるまでの時間をゲル化時間として硬化性を評価した。結果を表22に示す。
Figure 0005258575
表22からわかるように、反応性ケイ素基を有する重合体(A)に、充填剤、反応性ケイ素基を有する化合物等を配合、添加した組成物においても、本発明の触媒組成物は優れた硬化性を示した。
(実施例114)
23℃、50%RHの条件下、金属缶中に、反応性ケイ素基を有する重合体(A)として合成例2で得られた重合体(A−2)100重量部、および実施例84〜96で用いた粒径150μm以下のフッ化水素アンモニウム1.0重量部、アミン化合物(F)として3−ジエチルアミノプロピルアミン3.7重量部、酸化合物(G)としてネオデカン酸4.6重量部を量りとり、スパチュラを用いて1分間よく混錬した。(フッ化アンモニウムのモル数に対する、3−ジエチルアミノプロピルアミンのモル数の比は1.0であり、アミン化合物(F)のモル数に対する酸化合物(G)のモル数の比は1.0である。)混練終了時間を硬化開始時間とし、金属缶を23℃、50%RHの条件下に静置した。スパチュラで組成物の一部を練り粘性液状からゴム弾性体となり始めるまでの時間をゲル化時間として硬化性を評価したところ、ゲル化時間は40分であった。
実施例114からわかるように、反応性ケイ素基を有する重合体(A)、フッ化アンモニウム、アミン化合物(F)、酸化合物(G)を構成成分として得られた硬化性組成物も優れた硬化性を示した。 今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (33)

  1. シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する重合体(A)と、フッ化塩化合物(B)と、充填剤(C)とを含む硬化性組成物であって、
    前記充填剤(C)が、脂肪酸以外で表面処理された沈降炭酸カルシウム、脂肪酸で表面処理された沈降炭酸カルシウム(前記フッ化塩化合物(B)中に含有されるフッ素原子と、前記脂肪酸で表面処理された沈降炭酸カルシウムとの重量比が0.0015以上を満たす。)、および重質炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種以上である硬化性組成物。
  2. 前記フッ化塩化合物(B)は、フッ化アンモニウム塩である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. プロトン酸(D)をさらに含む請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記プロトン酸(D)は、脂肪酸である請求項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記プロトン酸(D)は、スルホン酸である請求項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記プロトン酸(D)が供与し得るHイオンのモル数と、前記フッ化塩化合物(B)中のフッ素原子のモル数との比が0.1以上である請求項のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. スルホン酸以外のスルホニル基を有する化合物(E)を更に含む請求項1〜のいずれに記載の硬化性組成物。
  8. 前記スルホニル基を有する化合物(E)のモル数と、フッ化塩化合物(B)のフッ素原子のモル数との比が0.5以上である請求項に記載の硬化性組成物。
  9. 前記重合体(A)100重量部に対して、0.001〜30重量部の前記フッ化塩化合物(B)を含有する請求項1〜のいずれかに記載の硬化性組成物。
  10. 前記重合体(A)100重量部に対して、5〜500重量部の前記充填剤(C)を含有する請求項のいずれかに記載の硬化性組成物。
  11. 前記フッ化塩化合物(B)が、以下のフッ化塩化合物(B1)である請求項1に記載の硬化性組成物。
    フッ化塩化合物(B1):フッ化置換アンモニウム塩あるいはフッ化非置換アンモニウム塩であって、該フッ化置換アンモニウム塩で置換基が炭化水素基の場合あるいは該フッ化非置換アンモニウム塩の場合には、前記フッ化塩化合物(B)は一般式(1):
    4−mNHF・(HF)
    (式中Rは置換あるいは非置換の炭化水素基、0≦m≦4、nは0または正の数を表し、mおよびnが同時に0となることはない)で表されるフッ化塩化合物。
  12. 前記フッ化塩化合物(B1)がアンモニウムハイドロフルオライド化合物(B2)である請求項11に記載の硬化性組成物。
  13. 前記フッ化塩化合物(B1)が1級、2級、あるいは3級のフッ化置換アンモニウム塩化合物(B3)である請求項11あるいは12に記載の硬化性組成物。
  14. 前記フッ化塩化合物(B1)がフッ化非置換アンモニウム塩および/またはフッ化水素非置換アンモニウム塩である請求項11に記載の硬化性組成物であって、さらにアミン化合物(F)を含む硬化性組成物。
  15. 前記フッ化塩化合物(B)の最大粒子径が150μm以下である請求項14記載の硬化性組成物。
  16. 前記フッ化塩化合物が、アンモニウムハイドロフルオライド化合物である請求項1113のいずれか1項に記載の硬化性組成物であって、さらにアミン化合物(F)を含む硬化性組成物。
  17. 前記フッ化塩化合物(B)が一般式(2):
    Figure 0005258575

    (式中、2個のRは、それぞれ独立に、炭素原子数1から4の炭化水素基であり、3個のRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1から4の炭化水素基である。nは0または正の数を表わす。)で表わされる請求項16に記載の硬化性組成物。
  18. 前記アミン化合物(F)がアミジン化合物である請求項1417のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  19. 前記アミン化合物(F)がアミノ基を有する3級アミン化合物である請求項1417のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  20. 前記フッ化塩化合物(B)の合計モル数に対する、前記アミン化合物(F)の合計モル数の比が0.1〜10である請求項1419のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  21. 酸化合物(G)をさらに含む請求項1120のいずれかに記載の硬化性組成物。
  22. 前記酸化合物(G)がカルボン酸である請求項21に記載の硬化性組成物。
  23. 前記アミン化合物(F)の合計モル数に対する前記酸化合物(G)の合計モル数の比が0.5〜2である請求項22に記載の硬化性組成物。
  24. 前記酸化合物(G)が、カルボン酸無水物である請求項21に記載の硬化性組成物。
  25. 前記アミン化合物(F)のモル数に対する前記酸化合物(G)中のカルボン酸無水物基のモル数が0.1〜1である請求項24に記載の硬化性組成物。
  26. 前記重合体(A)は、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を1分子あたり平均して1個以上有する重合体である請求項1〜25のいずれかに記載の硬化性組成物。
  27. 前記重合体(A)が有するシロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基が、下記一般式(3):
    −SiR 3−a(3)
    (式中、(3−a)個のRは、それぞれ独立に、炭素原子数1から20の炭化水素基あるいはR SiO−(3個のRはそれぞれ独立に、炭素原子数1から20の炭化水素基である。)で示されるシロキシ基であり、a個のXはそれぞれ独立に、水酸基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基、フェノキシ基からなる群より選択される基である。また、aは1,2,3のいずれかである。)で表される請求項1〜26のいずれかに記載の硬化性組成物。
  28. 一般式(3)中に記載のaが2である請求項27に記載の硬化性組成物。
  29. 一般式(3)中に記載のXがアルコキシ基である請求項27または28に記載の硬化性組成物。
  30. 前記重合体(A)の数平均分子量が3,000〜100,000である請求項1〜29のいずれかに記載の硬化性組成物。
  31. 前記重合体(A)は、ポリオキシアルキレン系重合体、飽和炭化水素系重合体、および(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる群から選択される少なくとも1種の主鎖骨格を有する重合体である、請求項1〜30のいずれかに記載の硬化性組成物。
  32. 請求項1〜31のいずれかに記載の硬化性組成物を用いてなるシーリング材。
  33. 請求項1〜31のいずれか1項に記載の硬化性組成物を用いてなる接着剤。
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