JP5256722B2 - 化粧板の製造方法 - Google Patents
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Description
このためタックシートを使用しない方法としては、通常、基材の表面部に水性接着剤を塗布し、基材サイズより大きめのシートを積層し、コールドプレスを行い、接着力が出るまで養生した後、四方端部、巻込み部分の不要部分を切除した後、小口面に溶剤系の接着剤を塗布したり、両面粘着テープを巻込み部分のシート裏面に貼り付けた後、基材に巻きつけることが行われている。
特に、化粧シートを基材の四方端部(即ち、全側面部)に巻込んだ、所謂四方巻きの化粧板は、側面部を着色塗装したものより格段に意匠性が高く、ビル、ホテル、マンションのロビーや、会議室、オフィスの壁面に、隙間を空けながら施工(目隙施工)を行う事により、壁面の立体感、重厚感を出すので、工場生産による化粧板の製造が要望されている。
すなわち、本発明は、
[1] 略矩形板状を成す基材と、前記基材の少なくとも表面部と前記表面部の前後左右と連接する全ての側面部とを覆う化粧シートとを備えた化粧板の製造方法であって、前記基材の表面部に接着剤aをコートする工程(A)と、前記化粧シートを前記基材の表面部に対して表面部の前後左右の全てに巻き込み部分及び不要部分から成る余白部分を残した状態で積層する工程(B)と、前記基材に積層された状態の前記化粧シートの余白部分から少なくとも4つのコーナー部を含む不要部分を切除し、前記化粧シートをその前後左右のそれぞれにおいて前記基材の表面部より長い矩形状から4つのコーナー部が切除された形状と成し、前記基材に積層された状態の前記化粧シートに前後左右の巻き込み部分を形成する工程(E)と、前記基材の全ての側面部の前記化粧シートの前後左右の巻き込み部分に対応する部分に非接触で接着剤bを塗布する工程(C)と、前記化粧シートの前後左右の巻き込み部分を前記基材の全ての側面部に圧着しながら巻き込む工程(D)を含むことを特徴とする化粧板の製造方法、
[2] 略矩形板状を成す基材と、前記基材の少なくとも表面部と前記表面部の前後左右と連接する全ての側面部とを覆う化粧シートとを備えた化粧板の製造方法であって、前記基材の表面部に接着剤aをコートする工程(A)と、前記化粧シートを前記基材の表面部に対して表面部の前後左右の全てに巻き込み部分及び不要部分から成る余白部分を残した状態で積層する工程(B)と、前記基材に積層された状態の前記化粧シートの余白部分から少なくとも4つのコーナー部を含む不要部分を切除し、前記化粧シートをその前後左右のそれぞれにおいて前記基材の表面部より長い矩形状から4つのコーナー部が切除された形状と成し、前記基材に積層された状態の前記化粧シートに前後左右の巻き込み部分を形成する工程(E)と、前記基材の全ての側面部及び裏面部の前記化粧シートの前後左右の巻き込み部分に対応する部分に非接触で接着剤bを塗布する工程(C)と、前記化粧シートの前後左右の巻き込み部分を前記基材の全ての側面部及び裏面部に圧着しながら巻き込む工程(D)を含むことを特徴とする化粧板の製造方法、
[3] 前記工程(C)及び前記工程(D)を連続して進行させる上記[1]又は[2]に記載の化粧板の製造方法、
[4] 前記基材の厚さが3〜20mmである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の化粧板の製造方法、
[5] 前記基材が、無機基材、木質系基材又はプラスチック系基材である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の化粧板の製造方法、
[6] 前記接着剤bが、ホットメルト接着剤である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の化粧板の製造方法、
[7] 前記接着剤bの塗布方法が、塗出後の線又はフィルムをエアーで拡散し、幅広にコートする方法である上記[1]〜[6]のいずれかに記載の化粧板の製造方法、
[8] 前記接着剤aが、反応性ホットメルト接着剤である上記[1]〜[7]のいずれかに記載の化粧板の製造方法、及び
[9] 前記工程(E)が、前記化粧シートの不要部分を打ち抜き加工により切除するものである上記[1]又は[2]に記載の化粧板の製造方法、
を提供するものである。
また、前記工程(B)と、前記工程(C)との間に、前記化粧シートの不要部分を切除する工程(E)を設けることが好ましい。
また、基材の角部をC面加工やR面加工をつけて、丸みをつけても良い。ここで、C面加工とは、角を削り落とすことでC面を作り出す加工をいう。C面とは、立体上の面と面をつなぐ部分、いわゆる角やエッジと呼ばれる部分に作られる小さな面をいい、通常、角部を45度に面取りすることが多い。R面加工とは、基材の角部をR(Rは半径)にする加工、即ち、角部を丸形状にする加工をいう。
樹脂系化粧シートは、柔軟で、巻き込み加工の追従性が良いので好適である。また、樹脂としては、塩化ビニル系樹脂シートを使った場合、廃棄焼却時の塩酸ガスの発生や、可塑剤の問題等があるので塩化ビニル系樹脂以外の上記の各樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂を好ましく用いることができる。樹脂系化粧シートの表面にエンボス加工を施しても良い。
ダブリングシートの表面にエンボス加工を施しても良く、エンボス加工が施されたダブリングシートはダブリングエンボスシートと呼ばれる。
ダブリングシートは、例えば上記樹脂からなる樹脂層Aの表面にコロナ放電処理等を施してプライマー層を設け、該樹脂層Aに絵柄層(ベタインキ層及び/又は柄インキ層)を印刷形成した後に、上記樹脂からなる樹脂層Bを押出ラミネーション、ドライラミネーション、ウエットラミネーション、サーマルラミネーション等の方法により接着・圧着させて得られる。
また、樹脂層Bの上に、耐摩耗性、耐傷付性や耐汚染性等を付与する目的で表面保護層を設けても良い。樹脂層Aは、一般に着色樹脂シートが用いられるが、無着色シートであっても良い。樹脂層Bは、透明であることが好ましく、一般に透明樹脂シートが用いられるが、透明な樹脂を塗工しても良い。
不織布としては、熱可塑性ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂の繊維を使用する。あるいは複数の繊維を混抄したものでも良い。坪量としては、20〜100g/m2のものが使用できる。樹脂系化粧シートと同様に、表面に印刷層、表面保護層を設けても良い。また、樹脂系フィルムと積層しても良い。
突き板単独では、巻き込みができないので、透明プラスチックフィルムを、接着剤を介して積層したものが好ましい。
透明フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール等のフィルムが使用できる。フィルムの厚さは、好ましくは0.02〜1mm、より好ましくは0.05〜0.3mm程度のものが使用でき、フィルムを着色したり、フィルムに透明印刷を行ったものが使用できる。
[工程(A)]
本発明の化粧板の製造方法において、まず、基材の表面に接着剤aをコート(被覆)する。接着剤aの塗布方法は、ロールコーター、フローコーター、スプレーコート、加熱ロールコーター(ホットメルト接着剤、反応性ホットメルト接着剤の場合)等を適宜使用できる。
基材が所定の寸法に切断された後に接着剤aを基材にコートしても良いし、接着剤aを基材にコートした後に基材が所定の寸法に切断されても良い。
ウレタン系、エポキシ系、アクリル系の溶剤、水系のシーラーが一般的に使用できる。有機系のほか水ガラス系の無機シーラーも使用することができる。
代表的なシーラーとして、湿気硬化型ウレタン樹脂系シーラーが挙げられる。
シーラーの塗布方法は、ロールコート、スポンジロールコート、スプレーコート、カーテンフローコート等各種のコート方式が使用できる。
プラスチック系の場合、接着性が悪いときは、コロナ放電処理をおこなってプライマー処理を行っても良い。
プライマー樹脂としては、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系等各種の樹脂が使用できるプライマーのコート方式はロールコート、グラビアコート、グラビアオフセットコート、スプレーコート等各種のコート方式が使用できる。
次に、工程(A)において接着剤aがコートされた基材の接着剤aコート表面に、化粧シートが該基材の前後左右の少なくとも一部に余白を残した状態で積層される。
図1は、本発明における工程(B)の一例を示す図である。図1においては、接着剤aがコートされた基材2は搬送機器10の搬送ローラー11上を矢印の方向に搬送され、圧着ローラー12により基材2の表面部2−aに化粧シート3が圧着され、化粧板1毎に化粧シート3の余白部分で裁断される。
基材2の側面部2−b及び2−d(2−bに対向する側面部、図示しない)を二方巻きする場合は、基材2より幅広に化粧シート3を配置して、基材2の側面部及び/又は裏面部の巻き込み部分と同じかそれ以上の余白を設ければ良い。また、基材2の側面部2−c及び2−e(2−cに対向する側面部、図示しない)を二方巻きする場合は、基材2同士の間隔をあけて、前記巻き込み部分と同じかそれ以上の余白を設ければ良い。図1は四方巻きの場合で、基材の前後左右に前記巻き込み部分と同じかそれ以上の余白を設けている。
工程(B)での積層は、通常、ラミネートにより行われる。
工程(E)は、必要に応じ設けられる工程であり、工程(B)と、工程(C)との間に、化粧シート3の不要部分を切除するために設けられる。
工程(E)は、通常、基材2を圧着養生後、基材2に対し、化粧シート3の密着力が出た段階で、化粧シート3の余白の内、巻き込み部分以外のはみ出し部分を断裁機で、規定の余白長さに切断する。従って、化粧シート3の余白が巻き込み部分のみであり、はみ出し部分が存在しない場合は、工程(E)を設ける必要がない。工程(E)は打ち抜き加工により化粧シート3の不要部分を切除することが精度確保のため好ましい。
四方巻きの場合は、はみ出し部分を断裁機で、規定の余白長さに切断した後、4つのコーナー部を、打抜き装置で、精密に打抜く。この場合の精度は、規定寸法に対し、±0.5mm以内にする必要がある。この基準を満たさないと、コーナーの接合面に隙間があいたり、突き出したりして、見栄えが悪くなる。打抜き精度が確保される場合は、打抜きをはみ出し部分の断裁と同時に行っても良い。
また、コーナー部が目立たぬ様、所望により予め化粧シート3と同様の色に、水性ペイントや、タッチペンで着色しておいても良い。
図5は、本発明における四方巻きする場合の化粧板のコーナー部切除後の一例を示す斜視図であり、化粧シート3の余白の内、はみ出し部分と4つのコーナー部が切除されている。
次に、工程(C)において、化粧シート3の余白部分(巻き込み部分)に対応する、基材2の側面部及び/又は裏面部の部分に非接触で接着剤bを塗布する。
図6は、本発明における(D)工程の一例を示す図である。図6において、まず、化粧シートが積層された基材2を必要に応じ反転させ、所定の位置に基材2を固定する。
例えば、ホットメルト接着剤等の接着剤bを加熱し、低粘度の溶融状態になったものを、ポンプ(図示しない)で塗布装置20のコートヘッド21から基材3の所定部分に接着剤bを塗出する。このとき、接着剤bの塗布開始位置及び終了位置は、センサー感知でも良いし、位置のプリセットでも良い。コートヘッド21の移動速さは、5〜60m/分であり、塗布量等は、面の状況に合わせ適宜調整する。移動速さは、部分的に変えても良い。
コートヘッド21は、例えば1軸ロボット(図示しない)に設置され、自動的に塗布作業が行われると良い。コートヘッド21は、1つでも良いし、複数を同時に連動させて用いても良い。1つのコートヘッドで塗布を行う場合は、図6に示すように、基材2の斜め方向から塗布することで対応できる。斜めの角度は30〜60°が考えられるが、両面を均一に行うには45°での塗布が最適である。複数のコートヘッドで塗布する場合は、0〜90°の塗布が考えられる。
また、塗布装置20を複数設置し、例えば異なる側面部及び/又は裏面部を同時に塗布すれば、効率よく生産することができる。
また、上記の内容を、コートヘッドを固定し基材2をガイドロールの駆動で移動する事で塗布を行なっても良い。
非接触のコート方式としては、ビードコート、ドットコート、スパイラルスプレーコート、スプレーコート、カーテンコート等があるが、基材2の巻き込み部分に均一に接着面を得るためには、塗出後の線またはフィルムをエアーで拡散し、幅広にコートする塗布方法であるスパイラルスプレーコート及びスプレーコートが好ましい。
カーテンコートも非接触であるが、基材の流れ方向の部分の間欠コートが出来ない場合は好ましくない。
化粧シート面の塗布も考えられるが、プラスチックフィルムに、180℃前後の加熱されたホットメルト接着剤を塗布したとき、オレフィン系フィルムや塩ビフィルムは熱でダメージを受け、変形してしまう事と、スパイラルスプレーやスプレーコートは、接着剤bを塗出すると同時にホットエアーで攪拌や、霧化等をするため、ホットエアーにより、シートが暴れ、塗布バラツキが出るため、好ましくない。
また、スプレーコートは、塗布装置20のコートヘッド21のスリットより塗出された樹脂を、前後よりホットエアーで拡散し霧化し、幅広に均一なコートにするものである。スプレーコートは、間欠塗工はできるが、塗布終了時の接着剤切れが悪いので、サックバック方式等、見切りを良くすることが好ましい。
次に、工程(D)において、化粧シート3の余白部分を基材2の側面部又は裏面部に圧着しながら巻き込む。巻き込み方法としては、多数のローラーを、角度を変えて徐々に巻き込み方法が一般的に使用できる。そのほか、圧着ゴムを使用した折りたたみ方式やローラーの一部に折り曲げガイドをつけた方式でも良い。
図7は、本発明における(D)工程の一例を示す図である。図7において、ラッピング装置30のラッピングロール31−a、31−b、31−c、31−dを同様に移動させ、化粧シート3の端部3−aを例えば基材2の側面部2−b及び2−d(図示しない)に巻き込む。ラッピングロールは、例えば、基材2が固定された状態で1軸ロボットに固定され制御されても良いし、ラッピングロールをステージに固定して、その間に基材2を駆動ロールで移動しても良い。ラッピングロールの移動速度は、通常5〜60m/分であり、巻き込み状況にあわせ適宜調整する。図7では、基材2の2つの側面部2−b及び2−dを同時に巻き込むが、1つの側面部毎に巻き込みを行っても良い。
図7の場合は、ラッピングロールが固定され、矢印の方向に基材2が移動し、化粧シート3の余白部分を基材2の側面部の対向する2面に同時に巻き込むものであり、2回の巻き込みで四方巻きすることができる。また、1つの側面部毎に巻き込みする方法により四方巻きする場合は、1辺の巻き込みが完了したら、次の辺で、同様の作業を行い、4回繰り返すことにより4辺の巻き込みが完成する。意匠性を高めるためには、化粧シート3の余白部分を基材2の全側面部に巻き込む四方巻きが好ましい。
上述の工程(C)の塗布された接着剤bのタック性(オープンタイム)があるうちに工程(D)を連続して進行させる必要がある。
本発明において好適な接着剤aとしては、ウレタン系、酢ビ系、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂)系、アクリル系、合成ゴム系、ポリアミド系、エポキシ系等各種樹脂を、化粧シート3と基材2の種類に合わせ適宜使用できる。また、水系樹脂接着剤、溶剤系樹脂接着剤、無溶剤であるホットメルト接着剤等適宜選択できる。
特に、反応性ホットメルト接着剤は、乾燥が不要であり、120℃前後のロールコーターの加熱温度でコートができ、基材2への接着力が短時間で発現し、次工程の加工が可能なことから望ましい。
ホットメルト接着剤又は反応性ホットメルト接着剤を使用する。このホットメルト接着剤、反応性ホットメルト接着剤は、熱可塑性樹脂を主成分とした有機溶剤を全く含まない100%固形分の接着剤であって、常温では固形又は半固形であるが、加熱溶融塗布し、ホットタック性がある段階で化粧シート3を積層し、冷却固化し、接着が完了する。
上記A−B−A型ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、これらの共役ジエン部分が水素添加されて得られるスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)やスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等が挙げられる。また、A−B型ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SB)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)、これらの共役ジエン部分が水素添加されて得られるスチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体(SEB)やスチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)等が挙げられる。
粘着付与樹脂はスチレン系ゴム共重合体と対をなして使用されるもので、ウレタンプレポリマーと混合して相容性の向上、固化時間の調節、初期接着強さの向上のために用いる。
後述する粘着性付与樹脂が適宜必要に応じて用いられる。
粘着性付与樹脂としては、例えば、ロジン、ロジン酸エステル、二量化ロジン、重合ロジン、不均化ロジン及びこれらの水素添加物等のロジン系樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂及びこれらの水素添加物等のテルペン系樹脂、C5系石油樹脂等の脂肪族炭化水素樹脂、C9系石油樹脂及びこれらの水素添加物等の石油系樹脂、フェノール改質炭化水素系樹脂、キシレン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、シクロペンタミン樹脂、ケトン樹脂等が挙げられる。重合可能なものにあってはその重合体、水素添加可能なものにあってはその水添樹脂等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
プロセスオイルや軟化剤としては、例えば、液状ポリブテン、液状ポリプロピレン、石油ワックス、パラフィンワックス、微結晶ワックス、合成ワックス、ポリエチレングリース、水素化動物脂肪油、魚脂肪油、植物脂肪油、鉱油、ナフチオン、パラフィン鉱油等の炭化水素油等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤やヒンダードアミン系酸化防止剤等が挙げられる。
反応性ホットメルト接着剤の場合、加熱温度は好ましくは100〜130℃、加熱時の溶融粘度は、好ましくは2000〜15000MPa・s、より好ましくは4000〜8000MPa・sの範囲である。粘度が高いと、スパイラルスプレーコートやスプレーコートのパターンが再現できず、また、粘度が低いと初期の接着力がでない。
ホットメルト接着剤、反応性ホットメルト接着剤の塗布量は好ましくは40〜300g/m2、より好ましくは60〜150g/m2である。塗布量が少ないとシートのラミネート接着力が得られず、多すぎると、巻き込んだ部分の表面が凹凸になり意匠的に望ましくない。
このような接着剤としては、反応性ホットメルト接着剤や、水性ラッピング用接着剤で、乾燥時に強い粘着性が得られる接着剤が好ましい。樹脂系としては、ウレタン系や、アクリル系、EVA系等が好適に挙げられる。
本発明に用いられる接着剤bとしては、ホットメルト接着剤、反応性ホットメルト接着剤が好ましい。工程(C)で接着剤を塗布した後、迅速に工程(D)の巻き込みを行うためである。
表面保護層としては、例えば熱硬化性樹脂により形成される表面保護層や、電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化してなる表面保護層を挙げることができる。
なかでも電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化してなる表面保護層が特に好ましく、後述の形成方法により形成することができる。
表面保護層に用いられる電離放射線硬化性樹脂としては、従来公知の化合物を適宜使用すれば良く、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用される重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、中でもラジカル重合性不飽和基を持つアクリレート系オリゴマーが好ましく、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系等が挙げられる。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤等を用いることができる。
本発明においては、このようにして調製された塗工液を、基材の表面に、硬化後の厚さが3〜10μm程度になるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。
熱硬化の場合の加熱温度は用いる樹脂に応じて適宜決定される。また、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
このようにして、形成された硬化樹脂層には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐擦傷性を有する、いわゆるハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能等を付与することもできる。
ベタインキ層は、通常、化粧シートの意匠性を高める目的で所望により設けられ、隠蔽層とも称されるものである。ベタインキ層は樹脂層Aの表面の色を整えることで、樹脂層A自身が着色していたり、色ムラがあるときに形成して、樹脂層Aの表面に意図した色彩を与えるものである。通常不透明色で形成することが多いが、着色透明色で形成し、下地が持っている模様を活かす場合もある。樹脂層Aが白色であることを活かす場合や、樹脂層A自身が適切に着色されている場合にはベタインキ層の形成を行う必要はない。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。 このベタインキ層の厚さは通常1〜20μm程度である。
これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
柄インキ層に用いる絵柄インキとしては、ベタインキ層に用いるインキと同様のものを用いることができる。
柄インキ層の厚さは通常1〜5μm程度である。
その他、透明樹脂層Bには、充填剤、艶消剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、ゴム等の軟質化成分等の添加剤を添加することができる。
実施例1
(1)比重1.0の厚さ6mm珪酸カルシウム板(3×6尺)の表面及び裏面に湿気硬化型ウレタンシーラー(大日本インキ化学工業(株)製UCシーラーW−009N)をスポンジロールで(固形分)20g/m2塗布し乾燥して基材を得た。
(2)また、0.08mmのポリエチレン系着色シートの裏面にウレタン系の易接着コートを施した後、表面にアクリルウレタン系のインキでグラビア印刷にて木目印刷を行った。その着色シートの表面に更にポリエステル系接着剤を塗布後、0.06mm厚のポリプロピレン系透明樹脂をTダイで押出した後ラミネートし透明樹脂層を形成した。その透明樹脂層表面にウレタン系プライマーを施した後、アクリレート系電子線硬化型樹脂の表面保護層を形成し、表面に木目エンボス加工を行い、総厚150μのエンボス化粧シートを作成した。
接着剤a:
エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤(中央理化工業(株)製、BA−10)
イソシアネート系硬化剤(中央理化工業(株)製、BA−11B)2.5部配合
接着剤塗布量 30g/m2(固形分)
(4)その後、基材裏面の巻き込み幅を20mmとし、上記基材の周辺を26mm幅のシート余白部分を残し化粧シートを断裁した。次に、化粧シート余白部分のコーナー部分の不要部分を予め抜き型を用意し、打ち抜いた。抜き型は、トムソン型で、型形状は、基材2の端部から15mmを直角でそのあとの11mmの部分は、45°の斜めカットとした。
このときのスパイラルスプレーガンのアライメントは、基材設置位置に対して、45°の照射で、基材の側面から7mmの位置を中心に直線距離40mmで設置し、基材の側面部と、裏面の巻き込み部を同時に塗布できる様にセットした。
ホットメルト接着剤b:オレフィンゴム系ホットメルト(日立化成ポリマー(株)製、ハイボン9646)、軟化点130℃、塗布粘度:6000MPa・s(180℃)
接着剤メルター:ノードソン(株)製、HM−3102V
コートガン:CF201 HAMガン
ノズル:UNI .018
接着剤の加熱温度:180℃、 ホットエアー:190℃
接着剤塗出圧力:0.15MPa、 ホットエアー圧力:0.2MPa
接着剤塗布量:150g/m2
ラミネート速度:10m/分
(7)一辺の巻き込みを行った後、固定をはずし、次の辺で同様の加工を行った。同じ加工を繰返し、全側面部(4辺)の巻き込みを完了し四方巻きの化粧板が得られた。
スパイラルスプレーガンの位置をずらして、化粧シートの余白部分にホットメルト接着剤bの塗布をしてラッピングロールで巻き込みを試みた以外は、実施例1と同様に化粧板を製造した。ホットメルト接着剤塗布直後、接着剤の熱で、化粧シートの余白部分が熱収縮を起こし、巻き込み時シワが発生し巻き込みすることが出来なかった。
接着剤aを反応性ホットメルト接着剤に変更して下記の条件で基材に塗布し、ラミネートした以外は実施例1と同様に化粧板を製造した。
反応性ホットメルト接着剤:ハイボン4822S 日立化成ポリマー(株)製
120℃に加熱したロールコーターのロール部に予め加熱溶融した反応性ホットメルト接着剤を投入し、基材に40g/m2の塗布を全面に行った後、60cm幅スリットしたオレフィン樹脂(ポリプロピレン)シートをプレスロールでラミネートした。ラミネート後、2分放置冷却後、接着強度が1.0kg/25mm幅あったので、そのまま、シートの断裁、コーナー部の打抜きを行ったが、端部の剥離が無く問題なかった。
その後、実施例1と同様にして四方巻きの化粧板が得られた。
基材として厚さ6mmのMDF基材を用意し、予め、裏面に接着剤を介し防湿シートをラミネートした。防湿シートは、紙間強化紙(23g)/ポリエチレン樹脂層(40μ)/紙間強化紙(23g)をエクストルージョンコートでラミネート積層したもので、MDF基材へ酢酸ビニル系接着剤(中央理化工業(株)製、AC−456N)をロールコーターで、40g/m2(固形分)塗布し、防湿シートをロールプレスし積層した。ここで、防湿シートを使用する理由は、表面にオレフィン化粧シートを積層し、他方、裏面に防湿層がない場合は裏面側の吸湿が多くなり、反りが発生するためである。
その後、実施例1と同様に製造して、木質基材の四方パネルが得られた。
2.基材
2−a.表面部
2−b.側面部
2−c.側面部
2−d.側面部
2−e.側面部
2−f.裏面部
3.化粧シート
3−a.端部
4.接着剤層
5.折り曲げ部
10.搬送機器
11.搬送ローラー
12.圧着ローラー
20.塗布装置
21.コートヘッド
30.ラッピング装置
31−a.ラッピングローラー
31−b.ラッピングローラー
31−c.ラッピングローラー
31−d.ラッピングローラー
Claims (9)
- 略矩形板状を成す基材と、前記基材の少なくとも表面部と前記表面部の前後左右と連接する全ての側面部とを覆う化粧シートとを備えた化粧板の製造方法であって、前記基材の表面部に接着剤aをコートする工程(A)と、前記化粧シートを前記基材の表面部に対して表面部の前後左右の全てに巻き込み部分及び不要部分から成る余白部分を残した状態で積層する工程(B)と、前記基材に積層された状態の前記化粧シートの余白部分から少なくとも4つのコーナー部を含む不要部分を切除し、前記化粧シートをその前後左右のそれぞれにおいて前記基材の表面部より長い矩形状から4つのコーナー部が切除された形状と成し、前記基材に積層された状態の前記化粧シートに前後左右の巻き込み部分を形成する工程(E)と、前記基材の全ての側面部の前記化粧シートの前後左右の巻き込み部分に対応する部分に非接触で接着剤bを塗布する工程(C)と、前記化粧シートの前後左右の巻き込み部分を前記基材の全ての側面部に圧着しながら巻き込む工程(D)を含むことを特徴とする化粧板の製造方法。
- 略矩形板状を成す基材と、前記基材の少なくとも表面部と前記表面部の前後左右と連接する全ての側面部とを覆う化粧シートとを備えた化粧板の製造方法であって、前記基材の表面部に接着剤aをコートする工程(A)と、前記化粧シートを前記基材の表面部に対して表面部の前後左右の全てに巻き込み部分及び不要部分から成る余白部分を残した状態で積層する工程(B)と、前記基材に積層された状態の前記化粧シートの余白部分から少なくとも4つのコーナー部を含む不要部分を切除し、前記化粧シートをその前後左右のそれぞれにおいて前記基材の表面部より長い矩形状から4つのコーナー部が切除された形状と成し、前記基材に積層された状態の前記化粧シートに前後左右の巻き込み部分を形成する工程(E)と、前記基材の全ての側面部及び裏面部の前記化粧シートの前後左右の巻き込み部分に対応する部分に非接触で接着剤bを塗布する工程(C)と、前記化粧シートの前後左右の巻き込み部分を前記基材の全ての側面部及び裏面部に圧着しながら巻き込む工程(D)を含むことを特徴とする化粧板の製造方法。
- 前記工程(C)及び前記工程(D)を連続して進行させる請求項1又は2に記載の化粧板の製造方法。
- 前記基材の厚さが3〜20mmである請求項1〜3のいずれかに記載の化粧板の製造方法。
- 前記基材が、無機基材、木質系基材又はプラスチック系基材である請求項1〜4のいずれかに記載の化粧板の製造方法。
- 前記接着剤bが、ホットメルト接着剤である請求項1〜5のいずれかに記載の化粧板の製造方法。
- 前記接着剤bの塗布方法が、塗出後の線又はフィルムをエアーで拡散し、幅広にコートする方法である請求項1〜6のいずれかに記載の化粧板の製造方法。
- 前記接着剤aが、反応性ホットメルト接着剤である請求項1〜7のいずれかに記載の化粧板の製造方法。
- 前記工程(E)が、前記化粧シートの不要部分を打ち抜き加工により切除するものである請求項1又は2に記載の化粧板の製造方法。
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