JP5531534B2 - 化粧板の製造方法 - Google Patents
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Description
特に目地を設けた壁面で施工数量が多くなる場合は、現場施工でなく工場生産であらかじめ珪酸カルシウム板等の多孔質な不燃性基材の表面を化粧シートでラミネートを行い、さらに前記化粧シートを延長して基板の裏面に折返して接着することにより小口を隠して内装用化粧板とする。この化粧板を現場の壁面に貼り付けるに先立って、ボ−ドにおける化粧板間の目地底となる部分に、目地テ−プを貼着することが提案されている。(特許文献1参照)
この四方巻き化粧板として火山性ガラス質複層板や珪酸カルシウム板等の多孔質な不燃基材を基材として用いる場合は、必要に応じて、基材の表面部及び側面部並びに必要に応じて裏面部の一部にシーラー処理して、(1)タックシートで基材の表面部及び側面部並びに必要に応じて裏面部の一部に化粧シートの巻込みを行なったり、(2)タックシートを使用しない方法としては、通常、基材の表面部に水性接着剤を塗布し、基材サイズより大きめのシートを積層し、コールドプレスを行い、接着力が出るまで養生した後、四方端部、巻込み部分の不要部分を切除した後、小口面に溶剤系の接着剤を塗布したり、両面粘着テープを巻込み部分のシート裏面に貼り付けた後、基材に巻きつけることが行われている。
特に、四方巻きの化粧板は、側面部を着色塗装したものより格段に意匠性が高く、ビル、ホテル、マンションのロビーや、会議室、オフィスの壁面に、隙間を空けながら施工(目隙施工)を行う事により、壁面の立体感、重厚感を出すので、工場生産による化粧板の製造が要望されていた。
また、特許文献3には、基材の表面に接着剤aをコートする工程(A)と、化粧シートを該基材の前後左右の少なくとも一部に余白を残した状態で積層する工程(B)と、該基材の側面部及び/又は裏面部の該化粧シートの余白部分に対応する部分に非接触で接着剤bを塗布する工程(C)と、該化粧シートの余白部分を該基材の側面部及び/又は裏面部に圧着しながら巻き込む工程(D)を含む、基材と化粧シートとを有する化粧板の製造方法が提案されている。
これらの方法は、化粧板の工場生産を可能とし、化粧板の生産性を向上させることができる優れた方法であるが、さらなる改良が望まれている。
すなわち、本発明は、
[1] 平板状の基材の表面部及び側面部を1枚の化粧シートで覆ってなる化粧板の製造方法であって、該基材の表面部に第一の接着剤層を介して該化粧シートをラミネートして化粧基板を形成する工程と、該化粧基板の外周部の一部を残して非切削部を設けると共に、少なくとも該化粧基板の側面部の幅で該化粧基板の裏面部から該非切削部の内側を溝加工し、該化粧シート並びに該第一の接着剤層及び/又は基材の薄肉化された部分からなる折り返し部を形成する工程と、該非切削部を除去する工程と、該折り返し部を該化粧基板の側面部に折り返し、第二の接着剤層を介して該折り返し部と該化粧基板の側面部とを接着する工程とを含むことを特徴とする化粧板の製造方法、
[2] 前記基材が、火山性ガラス質複層板又は珪酸カルシウム板である上記[1]に記載の化粧板の製造方法、
[3] 前記基材が木質系繊維板、パーティクルボード、発泡プラスチックボード及び木紛プラスチックボードから選ばれる基材である上記[1]に記載の化粧板の製造方法、
[4] 前記基材の厚みが3〜10mmである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の化粧板の製造方法、
[5] 前記第二の接着剤層を構成する接着剤が、ホットメルト接着剤又は反応性ホットメルト接着剤である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の化粧板の製造方法、及び
[6] 前記第二の接着剤層が、前記化粧基板の側面部及び/又は裏面巻込み部、あるいは前記折り返し部に、接着剤を非接触で塗布して形成される上記[1]〜[5]のいずれかに記載の化粧板の製造方法を提供するものである。
さらに詳しく述べれば、本発明の製造方法を用いることにより、基材寸法よりやや大きめの化粧シートを積層する工程や化粧シートの不要部分を除去する工程をやめることができ、さらに手作業を減らすことが可能になった。
また、数多くの要求サイズに小量でも対応できる、より柔軟性の高い工場生産ができることとなった。
本発明における平板状の基材とは、平面形状が多角形、好ましくは矩形又は平行四辺形である基材をいう。平面形状が円形や楕円形であると、巻き込むことが困難となるからである。ここで、矩形とは長方形と同義であり、正方形は長方形に包含される。また、菱形は平行四辺形に包含される。
[工程(A)]
本発明の化粧板1の製造方法において、まず、基材10の表面に接着剤aをコート(被覆)し、第一の接着剤層を形成する。接着剤aの塗布方法は、ロールコーター、フローコーター、スプレーコート、加熱ロールコーター(ホットメルト接着剤、反応性ホットメルト接着剤の場合)等を適宜使用できる。
基材10を所定の寸法に切断した後に接着剤aを基材10にコートしても良いし、接着剤aを大判の基材10にコートした後に基材10を所定の寸法に切断しても良い。
本発明の製造法によれば、大判の汎用寸法(3×6尺サイズ)基材表面に接着剤aを塗布し第一の接着剤層を形成した後、化粧シート20を全面にラミネートすることが好ましい。大判の基材表面に、化粧シートを連続ラミネートするので効率が良く、工場生産に適している。
次に、化粧シート20をラミネートした大判の基材10を、化粧板指定寸法に対し、側面部、裏面巻込み部、及び外側の非切削部分を加味した寸法に、パネルソーで切断し、図1(A)に示す化粧基板30を得る。
ウレタン系、エポキシ系、アクリル系の溶剤、水系のシーラーが一般的に使用できる。有機系のほか水ガラス系の無機シーラーも使用することができる。
代表的なシーラーとして、湿気硬化型ウレタン樹脂系シーラーが挙げられる。
シーラーの塗布方法は、ロールコート、スポンジロールコート、スプレーコート、カーテンフローコート等各種のコート方式が使用できる。
プラスチック系の場合、接着性が悪いときは、コロナ放電処理をおこなってプライマー処理を行っても良い。
プライマー樹脂としては、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系等各種の樹脂が使用できる。プライマーのコート方式はロールコート、グラビアコート、グラビアオフセットコート、スプレーコート等各種のコート方式が使用できる。
次に、工程(A)により得られた化粧基板30の外周部から非切削部31を設けるための幅を残して、化粧基板30の側面部33の幅、乃至側面部33の幅及び裏面巻込み部32aの幅の合計幅で化粧基板30の裏面部32から非切削部31の内側を切削して溝加工して、折り返し部34及び非切削部31を形成する。図1(B−1)は切削装置40を用いて切削しているときを示し、図1(B−2)は溝加工後の化粧基板30を示す。
折り返し部34は、溝加工にて化粧シート20+接着剤a+小量の基材を薄皮状態で残した薄肉化された部分の厚さまで切削して形成することが好ましい。化粧シート20にまで切削すると折り返し部が破れたりするからである。折り返し部34の厚さdは0.5mm以下であることが好ましい。該厚さが0.5mm以下であると、該折り返し部34を折り返した際に、屈曲部分が折れてシートを突き破ることがなく、またシートが切断するという問題がない。基材の薄肉化された部分の厚さは、0.1〜0.4mmであることが好ましい。
四方巻き化粧板を製造する場合は、上記の溝加工を化粧基板30の四辺にそれぞれ行なえば良い。
図2は、本発明の製造方法で得られる化粧板1の他の一例を示す部分断面図である。図2に示すように、化粧基板30の折り返し部34の幅を側面部33の幅と同一にして化粧基板30の裏面部32に一部にまで巻き込まなくても良い。
次に、図1(C)に示すように溝加工した化粧基板30の非切削部31をカッター等の切断装置50で切断し、除去する。切断に当っては、図1(C)のように非切削部31と切断装置50との間に若干の間隙を設けて切断しても良いし、非切削部31と切断装置50との間に間隙を設けずに切断しても良い。
溝加工した溝の形状は、両側面が垂直となる矩形断面形状が好ましいが、開口上面より底面が幅広の台形断面形状や開口上面より底面が若干幅狭の逆台形断面形状でも良い。ただし、V字溝や開口上面より底面が極端に幅狭の逆台形断面形状は折り返し部34を効率的に形成できないので好ましくない。
[工程(F)]
工程(F)は、必要に応じ設けられる工程であり、工程(B)と工程(C)との間に、又は工程(C)と後述する工程(D)との間に、化粧基板30の折り返し部34の不要部分を切除するために設けられる。
工程(F)は、四方巻き化粧板において、化粧基板30の折り返し部34を側面部33のみならず裏面巻込み部32aまで巻き込む場合、折り返し部34に一部が折り返した時に重ならないように、余分な部分を断裁機切断する。通常、折り返し部34の側面部33の幅から外側を45°に斜めカットにて除去すれば良い。
[工程(G)]
工程(G)は、化粧基板30の折り返し部34を裏面巻込み部32aまで巻き込む場合において、所望により設けられる工程であり、工程(B)と工程(C)との間に、又は工程(C)と後述する工程(D)との間に、裏面巻込み部32aまで巻き込まれた折り返し部34と化粧基板30の裏面部32とを同一平面にするため、裏面巻込み部32aに対応する裏面部32の一部を削り取り、裏面段差部32bを形成するものである。
図3は、本発明の製造方法における工程(G)の一例を示す部分断面図である。この裏面段差部32bを設けることにより、化粧基板30の裏面部32全面が同一平面となり、化粧板1の施工性が高まることになる。
工程(G)は、工程(F)の前に行なっても良いし、後で行なっても良い。
次に、工程(D)において、化粧基板30の側面部33及び/又は所望により設けられる裏面巻込み部32a、あるいは化粧基板30の折り返し部34に、好ましくは非接触で接着剤bを塗布し、第二の接着剤層を形成する。
図1(D)は、本発明における工程(D)の一例を示す部分断面図である。図1(D)は、化粧基板30の折り返し部34、化粧基板30の側面部33及び所望により設けられる裏面巻込み部32aのいずれにも非接触で接着剤bを塗布し、第二の接着剤層を形成する場合を示す。このように、化粧基板30の基材部分と折り返し部34との両者に塗布すると初期接着力が高くなり巻き込み易くなる。
図4は、本発明における工程(D)の他の一例を示す斜視図である。図4は、化粧基板30の側面部33及び所望により設けられる裏面巻込み部32aの双方に非接触で接着剤bを塗布し、第二の接着剤層を形成する場合を示す。接着剤bの塗布時に、折り返し部34が暴れる場合は図4に示す方法が好ましい。
また、化粧基板30の折り返し部34のみに、好ましくは非接触で、接着剤bを塗布しても良い。
いずれの塗布方法においても、四方巻き化粧板を製造する場合は、上記の塗布を化粧基板30の四辺に亘って行なえば良い。
コートヘッド61は、例えば1軸ロボット(図示しない)に設置され、自動的に塗布作業が行われると良い。コートヘッド61は、1つでも良いし、複数を同時に連動させて用いても良い。1つのコートヘッドで塗布を行う場合は、図1(D)及び図4に示すように、化粧基板30の斜め方向から塗布することで対応できる。斜めの角度は30〜60°が考えられるが、両面を均一に行うには45°での塗布が最適である。複数のコートヘッドで塗布する場合は、0〜90°の塗布が考えられる。
また、接着剤塗布装置60を複数設置し、例えば異なる側面部及び/又は裏面部を同時に塗布すれば、効率よく生産することができる。
また、上記の内容を、コートヘッドを固定し化粧基板30をガイドロールの駆動で移動する事で塗布を行なっても良い。
非接触のコート方式としては、ビードコート、ドットコート、スパイラルスプレーコート、スプレーコート、カーテンコート等があるが、化粧基板30の裏面部32の裏面巻込み部32aに均一に接着面を得るためには、塗出後の線又はフィルムをエアーで拡散し、幅広にコートする塗布方法であるスパイラルスプレーコート及びスプレーコートが好ましい。
カーテンコートも非接触であるが、基材の流れ方向の部分の間欠コートが出来ない場合は好ましくない。
化粧基板30の折り返し部34に塗布する場合は、折り返し部34が基材10の薄肉化された部分を有していると、化粧シートとしてプラスチックフィルム、特にオレフィン系フィルムや塩ビフィルムを用いた場合でも、熱でダメージを受け、変形してしまう事が起こり難くなり好ましい。オレフィン系フィルムや塩ビフィルムは、180℃前後の加熱されたホットメルト接着剤を直接塗布すると、熱でダメージを受け易いからである。
また、スプレーコートは、接着剤塗布装置60のコートヘッド61のスリットより塗出された樹脂を、前後よりホットエアーで拡散し霧化し、幅広に均一なコートにするものである。スプレーコートは、間欠塗工はできるが、塗布終了時の接着剤切れが悪いので、サックバック方式等、見切りを良くすることが好ましい。
次に、工程(E)において、化粧基板30の折り返し部34を化粧基板30の側面部33及び/又は裏面部32(裏面巻込み部32a)に圧着しながら巻き込む。巻き込み方法としては、多数のローラーを、角度を変えて徐々に巻き込み方法が一般的に使用できる。そのほか、圧着ゴムを使用した折りたたみ方式やローラーの一部に折り曲げガイドをつけた方式でも良い。
化粧基板30の折り返し部34を側面部33の対向する2面に同時に巻き込む方式であれば、2回の巻き込みで四方巻きすることができる。また、1つの側面部33毎に巻き込みする方法により四方巻きする場合は、1辺の巻き込みが完了したら、次の辺で、同様の作業を行い、4回繰り返すことにより4辺の巻き込みが完成する。意匠性を高めるためには、化粧基板30の折り返し部34を側面部33の全ての面に巻き込む四方巻きが好ましい。
前述の工程(D)で塗布された接着剤bのタック性(オープンタイム)があるうちに工程(E)を連続して進行させることが好ましい。
図1(E)は、工程(E)を経て得られた、折り返し部34が裏面巻込み部32aまで巻き込まれた化粧板1の例を示す。
これらの内、木質系繊維板、パーティクルボード、発泡プラスチックボード又は木紛プラスチックボードが取り扱いし易く、切削性も良好であり好ましい。
樹脂系化粧シートは、柔軟で、巻き込み加工の追従性が良いので好適である。また、樹脂としては、塩化ビニル系樹脂シートを使った場合、廃棄焼却時の塩酸ガスの発生や、可塑剤の問題等があるので塩化ビニル系樹脂以外の上記の各樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂を好ましく用いることができる。樹脂系化粧シートの表面にエンボス加工を施しても良い。
ダブリングシートの表面にエンボス加工を施しても良く、エンボス加工が施されたダブリングシートはダブリングエンボスシートと呼ばれる。
ダブリングシートは、例えば上記樹脂からなる樹脂層Aの表面にコロナ放電処理等を施してプライマー層を設け、該樹脂層Aに絵柄層(ベタインキ層及び/又は柄インキ層)を印刷形成した後に、上記樹脂からなる樹脂層Bを押出ラミネーション、ドライラミネーション、ウエットラミネーション、サーマルラミネーション等の方法により接着・圧着させて得られる。
また、樹脂層Bの上に、耐摩耗性、耐傷付性や耐汚染性等を付与する目的で表面保護層を設けても良い。樹脂層Aは、一般に着色樹脂シートが用いられるが、無着色シートであっても良い。樹脂層Bは、透明であることが好ましく、一般に透明樹脂シートが用いられるが、透明な樹脂を塗工しても良い。
不織布としては、熱可塑性ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂の繊維を使用する。あるいは複数の繊維を混抄したものでも良い。坪量としては、20〜100g/m2のものが使用できる。樹脂系化粧シートと同様に、表面に印刷層、表面保護層を設けても良い。また、樹脂系フィルムと積層しても良い。
突き板単独では、巻き込みができないので、透明プラスチックフィルムを、接着剤を介して積層したものが好ましい。
透明フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール等のフィルムが使用できる。フィルムの厚みは、好ましくは0.02〜1mm、より好ましくは0.05〜0.3mm程度のものが使用でき、フィルムを着色したり、フィルムに透明印刷を行ったものが使用できる。
表面保護層としては、例えば熱硬化性樹脂により形成される表面保護層や、電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化してなる表面保護層を挙げることができる。
なかでも電離放射線硬化性樹脂組成物、特に電子線硬化性樹脂組成物が架橋硬化してなる表面保護層が特に好ましい。
また、化粧シート20は所望によりベタインキ層及び/又は柄インキ層で構成される絵柄層を設けても良い。
特に、反応性ホットメルト接着剤は、乾燥が不要であり、120℃前後のロールコーターの加熱温度でコートができ、基材10への接着力が短時間で発現し、養生しないでそのまま次工程の加工が可能なことから望ましい。
また、上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとエチレン以外のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと酢酸ビニルとのエチレンを主体とする共重合体、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。
上記ウレタンプレポリマーの[NCO]/[OH]当量比は1.5〜4.0とするのが好ましい。1.5以上であれば、得られるプレポリマーの粘度が大きくなり過ぎることはなく、4.0以下であれば、湿気硬化の際、発泡が著しく生じ接着強度を低下させる恐れがなく好ましい。この様にして得られたウレタンプレポリマーの性状は必ずしも常温で固体である必要はなく、混合するスチレン系共重合ゴム及び又は粘着付与樹脂によってホットメルト接着直後の接着力が適性に得られるならば、その性状は特に制約されない。
ホットメルト接着剤、反応性ホットメルト接着剤の加熱時の溶融粘度は、好ましくは2000〜15000MPa・s、より好ましくは4000〜8000MPa・sの範囲である。粘度が高いと、スパイラルスプレーコートのパターンが再現できず、また、粘度が低いと初期の接着力がでない。
接着剤bとして用いられる場合における上記のホットメルト接着剤、反応性ホットメルト接着剤の塗布量は好ましくは40〜300g/m2、より好ましくは60〜200g/m2である。塗布量が少ないとや折り返し部34のラミネート接着力が得られず、多すぎると、巻き込んだ部分の表面が凹凸になり意匠的に望ましくない。
上記の水酸化アルミニウム含有反応性ホットメルト接着剤組成物に用いられる樹脂成分としては、前述のものと同様である。
水酸化アルミニウムの平均粒子径は、レーザ散乱法における粒度分布測定法によって求められる体積基準の値であって、より具体的には、レーザ散乱式粒度分布計にて測定した値として求められる値である。
上記の水酸化アルミニウム含有ホットメルト接着剤組成物を用いて形成された第一接着剤層の厚みは、通常20〜65μm程度であり、25〜50μmがより好ましい。
実施例1
厚み6mmの火山性ガラス質複層板上に23gの一般紙及び厚み12μmのアルミ箔と23gの一般紙をウレタン系接着剤でラミネートした3層の積層シートをエチレン酢酸ビニル系接着剤(固形分50g/m2)でラミネートした基材(厚み6.05mm)を準備した。基材サイズは900×1800mmであった。
次に、得られた難燃性基材に水溶性アクリル系樹脂をロールコートで塗布し、乾燥した(固形分量3g/m2)。その後、湿気硬化型ウレタン系反応性ホットメルト接着剤a{水酸化アルミニウム平均粒径:8μm,含有量:17質量%,日立化成ポリマー(株)製}を120℃に加温されたロールコーターで基材側に50g/m2塗布後、この基材の塗布面に厚み120μmの化粧シート(オレフィンシート)をラミネート圧着し、化粧基板を得た。
次いで、切削装置を用いて化粧基板の外周部から25mmの位置に、巾15mmの溝切り加工を化粧基板の4辺に行なった。このとき、溝部分は、火山性ガラス質層を削り、下面の23gの一般紙の層が空けて見える程度に、均一に切削加工をして、折り返し部を形成した。この折り返し部は化粧シートであるオレフィンシート、第一の接着剤層である反応性ホットメルト接着剤層及び基材の薄肉化(約0.2mm程度)された部分からなる。また、化粧基板の外側の非切削部は幅10mmであった。
このときの切削装置は、ロール状の送り装置に、15mmのトリマー(回転型の切削機)を精度よく設置した装置であり、基材の反りによる切削面の高さ変動をなくすため、トリマーの前後で、基材を圧着するゴムロールを配置した。このロールは、非切削部分も同時に圧着することができ、切削部分の両サイドをしっかり固定することができ、切削時、安定して、火山性ガラス質層を均一に切削することができた。
次いで、化粧基板を、ホットメルトの接着剤塗布装置(スパイラルコートガン)及びラッピングロールのついた装置により以下の手順(1)〜(3)で化粧基板の四方端部の巻込みを行って、本発明に係る化粧板を得た。
(1)テーブル、及び基材固定装置、並びにテーブルの横にセットされた1軸ロボット及びその1軸ロボット上に設置された移動ステージに、コートヘッドとしてスパイラルコートガンを設置し、その横にラッピングが可能なロールを8ロール設置した装置を作成した。
このときのスパイラルコートガンのアライメントは、基材設置位置に対して、45°の照射で、直線距離40mmで設置し、図1(D)に示すように、切削した薄皮状態の折り返し部及び化粧基板の巻き込まれる部分を同時に塗布できる様にセットした。
(2)上記の位置に化粧基板をセットし、固定後、化粧基板の端からスパイラルコートガンでホットメルト接着剤bをコートし、化粧基板の端で、ホットメルト塗布をやめ、連続して、ラッピングロールを通し、一辺の巻き込みを行った。
ホットメルト接着剤b:オレフィンゴム系ホットメルト(日立化成ポリマー(株)製、商品名「ハイボン9646」)、軟化点130℃、塗布粘度:6000MPa・s(180℃)
接着剤メルター:ノードソン(株)製、HM−3102V
コートガン:CF201 HAMガン
ノズル:UNI .018
接着剤の加熱温度:180℃、 ホットエアー:190℃
接着剤塗出圧力:0.15MPa、 ホットエアー圧力:0.2MPa
接着剤塗布量:150g/m2
ラミネート速度:10m/分
(3)一辺の巻き込みを行った後、固定をはずし、次の辺で同様の加工を行った。同じ加工を繰返し、全側面部(4辺)の巻き込みを完了し四方巻きの化粧板が得られた。
実施例1と同様にしてサイズ45cm×90cmの化粧基板を作製した。
次に、化粧基板の外周部から15mmの位置に、巾15mmの溝切り加工を化粧基板の4辺に実施例1と同じ切削装置で行なった。このとき、切削部分は、火山性ガラス質層を削り、下面の23gの一般紙の層が空けて見える程度に、均一に切削することを試みた。
しかし、下記の(i)及び(ii)のトラブルが発生したので、火山性ガラス質層を削り、下面の23gの一般紙の層が空けて見える程度まで切削することは出来なかった。
(i)切削時の力により、切削部分の底が暴れ、不均一な切削厚みとなった。
(ii)また、切削部分のシートが部分的によれて、シート部分に孔を開けてしまった。
結局、実施例1と同様な折り返し部を形成することができず、四方巻きの化粧板を得ることができなかった。
10 基材
20 化粧シート
30 化粧基板
31 非切削部
32 裏面部
32a 裏面巻込み部
32b 裏面段差部
33 側面部
34 折り返し部
40 切削装置
50 切断装置
60 接着剤塗布装置
61 コートヘッド
Claims (9)
- 平板状の基材の表面部及び側面部を1枚の化粧シートで覆ってなる四方巻き化粧板の製造方法であって、該基材の表面部に第一の接着剤層を介して該化粧シートをラミネートして化粧基板を形成する工程と、該化粧基板の外周部の一部を残して非切削部を設けると共に、少なくとも該化粧基板の側面部の幅及び裏面巻込み部の幅の合計幅で該化粧基板の裏面部から該非切削部の内側を溝加工し、該化粧シート並びに該第一の接着剤層及び/又は基材の薄肉化された部分からなる折り返し部を形成する工程と、該非切削部を除去する工程と、該折り返し部を該化粧基板の側面部及び裏面巻込み部に折り返す際に折り返し部が重ならないように、折り返し部の不要部分を切除する工程と、該折り返し部を該化粧基板の側面部及び裏面巻込み部に折り返し、第二の接着剤層を介して該折り返し部と該化粧基板の側面部及び裏面巻込み部とを接着する工程とを含むことを特徴とする四方巻き化粧板の製造方法。
- 前記基材が、火山性ガラス質複層板又は珪酸カルシウム板である請求項1に記載の四方巻き化粧板の製造方法。
- 前記基材が、木質系繊維板、パーティクルボード、発泡プラスチックボード及び木紛プラスチックボードから選ばれる基材である請求項1に記載の四方巻き化粧板の製造方法。
- 前記基材の厚みが3〜10mmである請求項1〜3のいずれかに記載の四方巻き化粧板の製造方法。
- 前記第二の接着剤層を構成する接着剤が、ホットメルト接着剤又は反応性ホットメルト接着剤である請求項1〜4のいずれかに記載の四方巻き化粧板の製造方法。
- 前記第二の接着剤層が、前記化粧基板の側面部及び/又は裏面巻込み部、あるいは前記折り返し部に、接着剤を非接触で塗布して形成される請求項1〜5のいずれかに記載の四方巻き化粧板の製造方法。
- 前記折り返し部の不要部分を切除する工程が、折り返し部の側面部の幅から外側を45度に斜めに切除する請求項1〜6のいずれかに記載の四方巻き化粧板の製造方法。
- さらに、前記裏面巻込み部に対応する裏面部の一部を削り取り、前記折り返し部と裏面部が同一平面になるように裏面段差部を形成する工程を有する請求項1〜7のいずれかに記載の四方巻き化粧板の製造方法。
- 前記第二の接着剤層を介して接着する工程において、前記折り返し部を前記化粧基板の側面部及び裏面巻込み部に圧着しながら巻き込む請求項1〜8のいずれかに記載の四方巻き化粧板の製造方法。
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