JP6850942B2 - 不燃化粧板 - Google Patents

不燃化粧板 Download PDF

Info

Publication number
JP6850942B2
JP6850942B2 JP2015222265A JP2015222265A JP6850942B2 JP 6850942 B2 JP6850942 B2 JP 6850942B2 JP 2015222265 A JP2015222265 A JP 2015222265A JP 2015222265 A JP2015222265 A JP 2015222265A JP 6850942 B2 JP6850942 B2 JP 6850942B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
resin
base material
mass
inorganic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015222265A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017087619A (ja
Inventor
前川 直輝
直輝 前川
戸賀崎 浩昌
浩昌 戸賀崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Toppan Inc
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=58770114&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP6850942(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Daikin Industries Ltd, Toppan Inc filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2015222265A priority Critical patent/JP6850942B2/ja
Publication of JP2017087619A publication Critical patent/JP2017087619A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6850942B2 publication Critical patent/JP6850942B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、建築物の内装、外装、家具、建具、車両の内装等の表面に用い、表面に凹凸の手触り感や立体感を与える事が可能な不燃化粧板に関する。
従来から、基材に対し絵柄模様が形成された紙質系又は樹脂系のシートを積層し、その上から透明樹脂塗料を塗布または含浸させた化粧板や、基材に絵柄模様と表面保護層が形成された合成樹脂基材層を積層した化粧板が知られている。基材に貼り付ける化粧シートとしては、例えば以下の特許文献1に記載したような意匠性に優れた化粧シートがある。
ここで、近年、建築物の壁面や天井等の住宅内装に使用される化粧板には、火災等が生じた際の安全性確保のため不燃性の要請が高まっている。居住、商業用施設、駅舎、空港等の公共施設等の建築物において、火災時に燃え広がらないようにするために、居室や廊下・階段等の避難経路等の壁や天井の仕上げ材には基準が設けられている。例えば、一定の規模・用途に供する、居室や廊下・階段等の避難経路等の壁や天井の仕上げ材には、それぞれの要求性能に応じた防火材料(不燃材料、準不燃材料及び難燃材料)を用いなければならないことが、法律(施行令第129条)で義務付けられている。
特開2008−087158号公報
本発明は、上述したような点に着目してなされたもので、不燃性を有する化粧板を提供することを目的としている。
課題を解決するために、本発明の一態様に係る不燃化粧板は、無機材料を含む無機基材層と、金属層を含み無機基材層の表面に設けられた表面層とを有する基材と、基材の表面層側の面に形成されたシーラー層と、シーラー層の表面に形成された表面接着剤層と、表面接着剤層の表面に形成され、樹脂フィルムと、樹脂フィルムの接着剤層とは反対側の面に順に形成された印刷層及び表面保護層と、樹脂フィルムの接着剤層側の面に形成された裏面プライマー層とを有する化粧シートと、を備え、表面層は、金属層と、該金属層の両面に設けられた第1の樹脂層及び第2の樹脂層と、該第1の樹脂層の金属層と反対側の面に設けられた第1の紙層及び該第2の樹脂層の金属層と反対側の面に設けられた第2の紙層と、を含み、第1の樹脂層及び第2の樹脂層における、樹脂材料の1平方メートル当たりの質量は、2.0g/m2以上15.0g/m2以下であり、前記無機基材層は、前記無機材料として火山性ガラス質堆積物を含む板状の第1の無機層と、前記無機材料として火山性ガラス質堆積物を含み、該第1の無機層よりも厚く且つ1平方メートル当たりの質量が大きい板状の第2の無機層とを、前記第2の無機層が前記表面層側に位置するように積層した積層体であることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、不燃性を有する化粧板を得ることができる。
本発明に基づく実施形態に係る不燃化粧板の構成を説明する断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る不燃化粧板の不燃性基板の構成を説明する断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る不燃化粧板の防湿シートの構成を説明する断面図である。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図1は本実施形態に係る化粧シートを模式的に示す断面図であり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。後述する図2,3についても同様である。
図1に示すように、本実施形態の不燃化粧板1は、不燃性基材(以下、基材と記載する)10と、基材10の一方の面に設けられたシーラー層20と、表面接着剤層30と、化粧シート40と、基材10の他方の面に設けられた裏面接着剤層50と、防湿シート60と、を備えている。
以下、図1とともに図2,3を参照して、不燃化粧板1の各層について詳細に説明する。
<不燃性基材>
以下、図1及び図2を参照して、基材10について説明する。図2は、図1に示す不燃化粧板1に備えられた基材10の構成を詳細に示す断面図である。
基材10は、無機材料を含む無機基材層11と、金属層を含み無機基材層の表面に設けられた表面層12とを有している。
基材10は、任意の厚さを選択することができるが、例えば厚さ2mm以上8mm以下であることが好ましく、2.7mm以上3.3mm以下であることがより好ましい。本実施形態では、基材10の厚さは3mmとされている。
基材10は、任意の1平方メートル当たり質量を選択することができるが、例えば1平方メートル当たりの質量が2.1kg/m以上4.2kg/m以下であることが好ましい。本実施形態では、基材10の1平方メートル当たりの質量は3.74kg/mとされている。
基材10は、任意のかさ比重を選択することができるが、例えばかさ比重が1.0以上2.0以下であることが好ましい。本実施形態では、基材10のかさ比重は1.3とされている。
(表面層)
図2に示すように、表面層12は金属層124を含む積層体からなり、表面層12を無機基材層11に貼り付けるための接着層121を有している。図2に示すように、本実施形態において、基材10の表面層12は、金属層124、樹脂層123及び125、紙層122及び126、並びに接着層121が、無機基材層11側から順に接着層121/紙層122/樹脂層123/金属層124/樹脂層125/紙層126の順に積層されて形成されている。
表面層12は、任意の厚さを選択することができるが、例えば厚さ0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましい。本実施形態では、表面層12の厚さは0.1mmとされている。
表面層12は、任意の1平方メートル当たり質量を選択することができるが、例えば1平方メートル当たりの質量が100g/m以上200g/m以下であることが好ましい。本実施形態では、表面層12の1平方メートル当たりの質量は110g/mとされている。
(金属層)
金属層124は、例えば鉄鋼、アルミニウム又はステンレスにより構成される。本実施形態では、金属層124はアルミニウムにより構成されている。金属層124の厚さは、4μm以上50μm以下であることが好ましい。金属層124の厚さが4μm以上の場合、不燃性・耐熱性が向上する。また、金属層124の厚さが50μm以下の場合、金属層124が無駄に厚くなることを防止してコストの低減を図るとともに、不燃化粧板1の切断加工性が向上する。本実施形態では、アルミニウムにより構成される金属層124の厚さは12μmとされている。
(樹脂層)
樹脂層123及び125は、例えばウレタン系樹脂やアクリル系樹脂等の、金属層と紙層との接着性の高い材料が用いられる。本実施形態では、樹脂層は、ウレタン系樹脂で形成される。また、樹脂層123及び125では、1平方メートル当たりの質量(固形量)が2.0g/m以上15.0g/m以下であることが好ましい。本実施形態の樹脂層123及び125では、ウレタン樹脂の1平方メートル当たりの質量(固形量)は4.0g/mとされている。
(紙層)
紙層122及び126は、特に限定された材料により構成されるものではなく、例えば、薄葉紙、チタン紙、クラフト紙、リンター紙等が用いられる。中でも、紙層122及び126として、樹脂の含浸性が高い紙材料が用いられることが好ましい。本実施形態では、紙層122及び126には、薄葉紙が用いられている。また、接着層121の1平方メートル当たりの質量(固形量)は、20.0g/m以上30.0g/m以下であることが好ましい。本実施形態の接着層121では、薄葉紙の1平方メートル当たりの質量は23.0g/mとされている。
(接着層)
接着層121は、例えばウレタン系樹脂接着剤やアクリル系樹脂接着剤等の、表面層12と無機基材層11との間で高い接着性を有する材料が用いられる。本実施形態では、接着層121としてウレタン系樹脂接着剤が用いられている。また、接着層121では、1平方メートル当たりの質量(固形量)が20.0g/m以上30.0g/m以下であることが好ましい。樹脂層123及び125と比較して1平方メートル当たりの質量(固形量)を大きくすることにより、接着層121としての機能を高めている。本実施形態の接着層121では、ウレタン樹脂の1平方メートル当たりの質量(固形量)は24.0g/mとされている。
(無機基材層)
図2に示すように、無機基材層11は、無機材料を含む第1の無機層である下層111と、無機材料を含む第2の無機層である上層112を備える積層体である。
無機基材層11は、任意の厚さを選択することができるが、例えば厚さ2mm以上15mm以下であることが好ましく、発熱性や取り回し性などの観点から、2mm以上9mm以下であることが好ましい。本実施形態では、無機基材層11の厚さは2.9mmとされている。また、これら無機質系基材には、他の層との密着性を高める為にサンダーがけ等の表面処理が行われていても良い。
無機基材層11は、任意の1平方メートル当たり質量を選択することができるが、例えば1平方メートル当たりの質量が2.0kg/m以上4.0kg/m以下であることが好ましい。本実施形態では、無機基材層11の1平方メートル当たりの質量は3.63kg/mとされている。
無機基材層11は、任意のかさ比重を選択することができるが、例えばかさ比重が1.0以上2.0以下であることが好ましい。本実施形態では、無機基材層11のかさ比重は1.3とされている。
(下層)
下層111は、無機材料として、例えばシラス発泡体、白土、軽石等の火山性ガラス質堆積物を含んでいる。また、下層111は、無機材料として、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ホウ砂等の無機質系充填材と、炭酸カルシウム、マイクロシリカ、スラグ粉等の無機質系粉体とを含んでいる。さらに、下層111は、例えば、ロックウール、スラグウール、グラスウール、ミネラルウール等の人造鉱物繊維保温材と、でん粉、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール等の有機系結合剤と、ワックス系サイズ剤とを含んでいる。
下層111は、任意の厚さを選択することができるが、例えば厚さ1.0mm以上2.0mm以下であることが好ましい。本実施形態では、下層111の厚さは1.4mmとされている。
下層111は、任意の1平方メートル当たり質量を選択することができるが、例えば1平方メートル当たりの質量が1.5kg/m以上4.0kg/m以下であることが好ましい。本実施形態では、下層111の1平方メートル当たりの質量は1.75kg/mとされている。
下層111は、任意のかさ比重を選択することができるが、例えばかさ比重が1.0以上2.0以下であることが好ましい。本実施形態では、下層111のかさ比重は1.25とされている。
(上層)
上層112は、下層111と同様の火山性ガラス質堆積物、無機質系充填材、無機質系粉体、人造鉱物繊維保温材、有機系結合剤及びワックス系サイズ剤とを含んでいる。
上層112は、任意の厚さ、1平方メートル当たりの質量及びかさ比重を選択することができるが、下層111と同様の範囲の1平方メートル当たりの質量及びかさ比重とすることが好ましい。
本実施形態では、上層112の厚さは1.5mmとされている。また、本実施形態では、上層112の1平方メートル当たりの質量は1.88kg/mとされている。さらに、本実施形態では、無機基材層11のかさ比重は1.25とされている。
すなわち、無機基材層11の第2の無機層である上層112は、第1の無機層である下層111よりも厚く且つ1平方メートル当たりの質量が大きく形成されることが好ましい。
このような上層112、下層111としては、たとえば、火山性ガラス質複層板(JISA5440「不燃火山性ガラス質複層板」に準拠)等の板を挙げることができる。
<化粧シート>
化粧シート40は、樹脂フィルム42と、樹脂フィルム42の表面(基材10とは反対側の面)に形成された印刷層43と、印刷層43(樹脂フィルム42とは反対側の面)の表面に形成された表面保護層44とを備えている。また、化粧シート40は、樹脂フィルム42の裏面(基材10側の面)に裏面プライマー層41を備えている。
(樹脂フィルム)
樹脂フィルム42は、例えば、質量比で、ポリエステル系樹脂を70.0質量部以上95.5質量部以下含有している。樹脂フィルム42は、公知の添加剤が添加されていても良い。例えば、樹脂フィルム42は、無機系顔料を4.5質量部以上30.0質量部以下含有していてもよい。
樹脂フィルム42の厚さは、例えば0.05mm以上0.07mm以下であり、1平方メートル当たりの質量は、例えば、60.0g/m以上100.0g/m以下(有機質量58.2g/m以上71.6g/m以下)である。
樹脂フィルム42としては、ポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムであることが好ましい。ポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムは耐熱性に優れているため、より不燃性が向上する。
(印刷層)
印刷層43は、不燃化粧板1の意匠性を向上するために、樹脂フィルム42上に形成される。
印刷層43は、既知の印刷手法を用いて設けることが出来る。樹脂フィルム42は巻取りの状態で用意できるので、ロールツーロールの印刷装置で印刷層43形成のための印刷を行うことができる。印刷手法は特に限定するものではないが、生産性や絵柄の品位を考慮すれば、例えばグラビア印刷法を用いることができる。
印刷層43が設けられることにより、不燃化粧板1に絵柄模様を付与することが出来る。印刷層43の絵柄模様には、壁装材としての意匠性を考慮した任意の絵柄模様を採用すれば良い。
印刷インキについては、特に限定するものではないが、印刷方式に対応したインキを適宜選ぶことができる。特に、樹脂フィルム42に対する密着性や印刷適性、又は壁装材としての耐候性を考慮して印刷インキが選択されることが好ましい。
印刷層43は、例えば、質量比で、ウレタン系樹脂78質量部以上100質量部以下含有し、更に、無機系顔料を0質量部以上22質量部以上含有する。印刷層43の1平方メートル当たりの質量は、例えば6.73g/m(固形量)以下(有機質量5.25g/m以下)とする。
(表面保護層)
表面保護層44は、印刷層43を覆うようにして設けられる。表面保護層44は単層でも良く、また複数の層により形成されていてもよい。本実施形態では、表面保護層44が単層の場合を例示している。
表面保護層44は、熱硬化型や電離放射線硬化型などの硬化型樹脂を含んでいる。表面保護層44は、材料としての硬化型樹脂の種類に応じて、既知のコーティング装置を用いて塗布を行い、熱乾燥装置又は紫外線照射等の電離放射線装置を用いて塗膜の硬化を行うことにより形成される。
表面保護層44は、曲げ加工性、耐傷付性や清掃性に関してその優劣を左右する重要な役割をもつ。表面保護層44は、硬化型樹脂を主成分とする。すなわち樹脂成分が実質的に硬化型樹脂から構成されることが好ましい。実質的に構成されるとは、例えば樹脂全体を100質量部とした場合に80質量部以上含まれることをいう。表面保護層44には、必要に応じて、耐侯剤、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤、溶剤等を含んでもよい。
本実施形態の表面保護層44は、紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂を主成分とする。なお、60度鏡面光沢を所望の光沢度に調整するために、表面保護層44にはシリカその他のマット剤が添加されても良い。
表面保護層44は、更に熱硬化型樹脂を含んでいても良い。但し、熱硬化型樹脂を含む場合であっても、電離放射線硬化型樹脂の含有割合として、電離放射線硬化型樹脂が樹脂全体の50質量%以上含まれる。表面保護層44が、電離放射線硬化型樹脂および熱硬化型樹脂の混合物で実質的に構成されることにより、表面保護層44の耐傷つき性が向上するとともに、曲げ加工時における表面保護層44の白化や割れが発生し難くなるため好ましい。
さらに、表面保護層44が複数の層により形成されている場合、上述した紫外線硬化型樹脂を主成分とする樹脂層の下層(印刷層43側の層)に、例えばアンカーコート層(図示せず)が設けられていてもよい。アンカーコート層は、例えば、ウレタン樹脂により形成される。
ここで、電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されず、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂を使用することができる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数の材料を混合して使用することができる。プレポリマー又はモノマーの硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
例えば、表面保護層44は、質量比でアクリル系の硬化型樹脂を80質量部以上86以下含有し、更に無機系添加剤を14質量部以上20質量部以下含有する。
表面保護層44は、例えば、厚さが0.04mm以下で、質量が16.3g/m(固形量)以下(有機質量13.0g/m以下)であることがこのましい。
また、表面保護層44の表面(印刷層43とは反対側の面)に、所与の意匠性を付与するために凹凸が形成されていてもよい。凹凸は、通常はエンボス加工によって形成される。エンボス加工方法は特に限定されない。エンボス加工には、公知の枚葉式又は輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
(裏面プライマー層)
裏面プライマー層41は、化粧シート40と基材10との接着性を向上させる目的で樹脂フィルム42の裏面に設けられる。
裏面プライマー層41は、例えばウレタン系、ポリエステル系、アクリル系、エポキシ系など各種の樹脂材料が用いられ、なかでも、ポリオール成分とポリイソシアネートとを含有するウレタン系コート剤が好ましい。
ウレタン系コート剤におけるポリオール成分としては、ポリエステル系ポリオールが好ましく、ポリエステル系ポリオールとしては、多価カルボン酸などとグリコール類とを反応させて得られるポリエステル系ポリオールが挙げられる。ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが例示される。
裏面プライマー層41の厚さは、適宜選択することができるが、0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、0.05μm以上5μm以下であることがより好ましい。裏面プライマー層41の厚さが0.01μm未満の場合、化粧シート40の基材10への接合性が不足し、裏面プライマー層41の厚さが10μmを超える場合、不燃化粧板1の生産性が低下する。
本実施形態の裏面プライマー層41は、例えば、質量比で、ウレタン系樹脂を62質量部、無機質系顔料を38質量部含有している。
また、裏面プライマー層41は、例えば質量1.3g/m(固形量)以下(有機質量0.8g/m以下)とする。
<シーラー層>
シーラー層20は、基材10と化粧シート40との接着性を向上させるために、基材10の表面に設けられる。本実施形態のシーラー層20は、例えばウレタン系樹脂100質量%からなる。またシーラー層20の1平方メートル当たりの質量は、例えば1.4g/m以上5.4g/m以下(固形量)(有機質量1.4g/m以上5.4g/m以下)であることが好ましい。シーラー層20の1平方メートル当たりの質量が小さすぎる場合、化粧シート40と基材10との接着性が低下する場合がある。また、シーラー層20の1平方メートル当たりの質量が多きすぎる場合、シーラー層20が不要に厚くなり、製造コストが増加する場合がある。
<表面接着剤層、裏面接着剤層>
表面接着剤層30及び裏面接着剤層50は、それぞれ、例えば熱可塑性樹脂系、熱硬化型樹脂系、ゴム(エラストマー)系等のいずれのタイプの樹脂接着剤により形成される。これら樹脂接着剤は、公知のもの、ないし、市販品を適宜選択して使用することができる。熱可塑性樹脂系接着剤としては、たとえば、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エポキシ、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等を挙げることができ、また、熱硬化型樹脂系接着剤としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリベンゾチアゾール等を挙げることができる。ゴム系接着剤としては、天然ゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、ブロックコポリマーゴム(SBS、SIS、SEBS等)等を挙げることができる。
基材10と化粧シート40とを貼り合わせる表面接着剤層30は、例えば、質量比で、エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂を95.7質量部及び有機系硬化剤(イソシアネート系)を4.3質量部含有する。この場合、表面接着剤層30の1平方メートル当たりの質量は、11.9g/m以上17.8g/m以下(固形量)(有機質量11.9g/m以上17.8g/m以下)となる。
基材10と防湿シート60とを貼り合わせる裏面接着剤層50は、例えば、酢酸ビニル系樹脂を100質量部含有する。この場合、裏面接着剤層50の1平方メートル当たりの質量は、26.7g/m以上32.7g/m以下(固形量)(有機質量26.7g/m以上32.7g/m以下)となることが好ましい。本実施形態では、裏面接着剤層50の1平方メートル当たりの質量は、29.7g/mとされている。
<防湿シート>
図3は、図1に示す不燃化粧板1に備えられた防湿シート60の構成を詳細に示す断面図である。
図3に示すように、防湿シート60は、樹脂層62と、樹脂層62の両面に設けられた第1の紙基材である紙基材61及び第2の紙基材である紙基材63を有している。すなわち、防湿シート60は、紙基材61、樹脂層62及び紙基材63が順に積層されて形成されている。防湿シート60は、基材10の他方の面、すなわち無機基材層11側の面に設けられている。
防湿シート60は、例えば、水蒸気透過度が3.0g/m・day・atm以下、好ましくは1.0g/m・day・atm以下の防湿性能を有するシートである。防湿シート60を備える不燃化粧板1は、環境温度や湿度の変化に起因する反りが生じにくくなる。防湿シート60の厚さは、例えば50μm以上130μm以下であることが好ましい。本実施形態では、防湿シート60の厚さは70μmとされる。
(紙基材)
紙基材61及び63は、特に限定された材料により構成されるものではなく、例えば、薄葉紙、チタン紙、クラフト紙、リンター紙等が用いられる。中でも、紙層として、樹脂の含浸性が高い紙材料が用いられることが好ましい。本実施形態では、紙基材61及び63として薄葉紙が用いられている。
紙基材61及び63の厚さは、例えば12.5μm以上40μm以下の範囲である。例えば紙基材61及び63の厚さは、それぞれ21.5μmであることが好ましい。このとき、紙基材61及び63の1平方メートル当たりの質量は24.0g/mであることが好ましい。
(樹脂層)
樹脂層62は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、あるいはこれらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート等のエステル系熱可塑性樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂、あるいはポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂等により形成されている。本実施形態では、樹脂層62として、ポリエチレン樹脂が用いられている。
樹脂層62は、一軸ないし二軸方向に延伸したシートであっても良く、未延伸であってもよいが、機械的強度が強く、寸法安定性に優れるなどの理由から二軸方向に延伸したシートが好ましい。
樹脂層62の厚さは、例えば9μm以上100μm以下の範囲である。例えば樹脂層62の厚さは、27μmであることが好ましい。このとき、樹脂層62の1平方メートル当たりの質量は25.4g/m(有機質量25.4g/m)であることが好ましい。
<効果>
上述した本実施形態の不燃化粧板1は、無機材料を含む無機基材層11を有する基材10を備えることで不燃性を有する。また、不燃性を有する基材10上にシーラー層20を設けて化粧シート40を接着することで、基材10と化粧シート40との密着性能が向上する。
特に、不燃化粧板1は、火山性ガラス質堆積物を含む無機基材層11と、金属層124を含む表面層12とが積層されることにより、確実に不燃性を確保することが可能となる。
また、化粧シート40の樹脂フィルム42としてポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムを使用すると耐熱性が向上して、より不燃性が向上する。
ここで、本実施形態でいう不燃性は、ISO5660−1に準拠したコーンカロリ燃焼試験に準拠し、上記不燃化粧板1の時間に対する総発熱量及び時間に対する発熱速度を求めた際に、(i)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下であり、(ii)加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、かつ(iii)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないことを満たす不燃性である。
次に、本願発明に基づく不燃化粧板の実施例について説明する。
<実施例1>
実施例1の不燃化粧板を以下に示す構成となるようにして作成した。不燃化粧板は、図1に示すように、不燃性基材と、不燃性基材の一方の面にこの順に積層して設けられたシーラー層、表面接着剤層及び化粧シートと、不燃性基材の他方の面にこの順に積層して設けられた裏面接着剤層及び防湿シートと、を備えている。
(化粧シート)
化粧シートの樹脂フィルムとして、ポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いた。樹脂フィルムは、ポリエステル系樹脂95.5質量部と無機系顔料4.5質量部とを混合した樹脂材料により形成した。また、樹脂フィルムを、厚さが0.06mm、1平方メートル当たりの質量(以下質量と記載する場合がある)が75.0g/m(有機質量71.6g/m)となるようにして樹脂フィルムを形成した。
次に、樹脂フィルムの表面に印刷により印刷層を設けた。印刷に使用したインキは、ウレタン系樹脂85質量部と無機系顔料15質量部とを混合して作製した。印刷層を、質量が6.73g/m(固形量)(有機質量5.25g/m)となるように形成した。
続いて、樹脂フィルムの裏面に裏面プライマー層を形成した。裏面プライマー層は、ウレタン系樹脂62質量部、無機質系顔料38質量部を混合して形成した。裏面プライマー層を、質量が1.3g/m(固形量)(有機質量0.8g/m)となるように形成した。
最後に、印刷層の上に表面保護層を設けた。表面保護層は、アクリル系紫外線硬化樹脂80質量部と無機系添加剤20質量部とを混合した材料により形成した。表面保護層を、厚さが0.04mm、質量が16.3g/m(固形量)(有機質量13.0g/m)となるように形成した。
(不燃性基材)
厚さ0.012mm、質量32.0g/mのアルミニウム箔からなる金属層の両面に、質量4.0g/m(固形量)のウレタン系樹脂からなる樹脂層を介して、質量23.0g/mの薄葉紙からなる紙層を貼り付けた。続いて、紙層の表面に、質量24.0g/mのウレタン系接着剤からなる接着層を設けた。これにより、不燃性基材の表面層を得た。
次に、無機基材層の上層及び下層を得るために、火山性ガラス質堆積物粉体10質量部と、人造鉱物繊維保温材としてロックウール50質量部と、無機質系充填材として水酸化アルミニウム24質量部と、無機質系粉体として炭酸カルシウム10質量部と、有機系結合剤としてフェノール樹脂6質量部を混合した混合材料に対してワックス系サイズ剤を0.1質量部添加し、水中に分散してスラリーを得た。このスラリーを抄造して、上層及び下層の前駆体となる2枚のウェットマットを得た。
続いて、各ウェットマットに対して加熱しながら加圧し、ウェットマット中の有機結合剤をゲル化させた。この後、各ウェットマットを所定の寸法に切断し、熱風を送風して乾燥を行った。
続いて有機結合剤をゲル化させた各ウェットマットを積層し、プレスした。これにより、厚さ1.4mm、質量1.75kg/m、かさ比重1.25の下層と、厚さ1.5mm、質量1.88kg/m、かさ比重1.25の上層とを形成し、無機基材層を得た。
最後に、この無機基材層上に表面層を積層し、表面層の接着層により無機基材層と表面層とを接着して、不燃性基材を得た。
(防湿シート)
厚さ0.027mm、質量25.4g/m(有機質量25.4g/m)のポリエチレン系樹脂層の両面に、質量24.0g/mの薄葉紙からなる紙基材を備える防湿シートを準備した。防湿シートは、ルーダーにてポリエチレン系樹脂を薄葉紙とともに共押出しして形成した。この防湿シートは、厚さ0.070mm、質量73.4g/m(有機質量73.4g/m)であった。以下、この構成の防湿シートを防湿シートAと記載する。
(シーラー層)
ウレタン系樹脂100質量%で構成され、質量が2.3g/m(固形量)(有機質量2.3g/m)であるシーラー層を、不燃性基材の一方の表面上に形成した。
(表面接着剤層)
不燃性基材の一方の面上に形成したシーラー層と、化粧シートの一方の面とを、表面接着剤層を介して貼り合わせた。表面接着剤層の組成は、エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂95.7質量部/有機系硬化剤(イソシアネート系)4.3質量部とした。このとき、質量が15.1g/m(固形量)(有機質量15.1g/m)となるように表面接着剤層を形成した。
(裏面接着剤層)
不燃性基材の他方の面(シーラー層が設けられていない面)と、防湿シートの一方の面とを、裏面接着剤層を介して貼り合わせた。裏面接着剤層の組成は、酢酸ビニル系樹脂100質量%とした。このとき、質量が29.7g/m(固形量)(有機質量29.7g/m)となるように裏面接着剤層を形成した。
<実施例2>
実施例2の不燃化粧板を以下に示す構成となるようにして作成した。
(化粧シート)
化粧シートの表面保護層を複数の層(2層)で形成した。表面保護層の表面側の層を、アクリル系紫外線硬化樹脂80質量部と無機系添加剤20質量部とを混合した材料を用いて、厚さ0.04mm、有機質量15.5g/mとなるように形成した。また、表面保護層の裏面側(印刷層側)の面に、ウレタン系樹脂を用いて、有機質量5.35g/mのアンダーコート層を形成した。また、印刷層の有機質量を7.14g/mとした。さらに、裏面プライマー層の有機質量を1.0g/mとした。これ以外は、実施例1に記載の化粧シートと同様の化粧シートを用いた。
(不燃性基材)
不燃性基材には、実施例1に記載の不燃性基材と同様の不燃性基材を用いた。
(防湿シート)
防湿シートには、厚さ0.040mm、質量40.0g/m(有機質量40.0g/m)のポリエチレン系樹脂フィルムからなる樹脂フィルムの両面に、質量29.5g/mの薄葉紙からなる紙基材を備える防湿シートを準備した。この防湿シートは、質量99.0g/m(有機質量99.0g/m)であった。以下、この構成の防湿シートを防湿シートBと記載する。
(シーラー層)
質量を5.4g/m(固形量)(有機質量5.4g/m)とした以外は、実施例1に記載のシーラー層と同様のシーラー層を形成した。
(表面接着剤層)
質量を18.8g/m(固形量)(有機質量18.8g/m)とした以外は、実施例1に記載の表面接着剤層と同様の表面接着剤層を形成した。
(裏面接着剤層)
質量を58.5g/m(固形量)(有機質量58.5g/m)とした以外は、実施例1に記載の裏面接着剤層と同様の裏面接着剤層を形成した。
<実施例3>
表面接着剤層の質量を19.6g/m(固形量)(有機質量19.6g/m)とした以外は、実施例2に記載の不燃化粧板と同様にして実施例3の不燃化粧板を形成した。
<実施例4>
表面接着剤層の質量を40.0g/m(固形量)(有機質量40.0g/m)とした以外は、実施例2に記載の不燃化粧板と同様にして実施例4の不燃化粧板を形成した。
<実施例5>
表面接着剤層の質量を40.0g/m(固形量)(有機質量19.6g/m)とし、シーラー層の質量を3.5g/m(固形量)(有機質量3.5g/m)とした以外は、実施例2に記載の不燃化粧板と同様にして実施例5の不燃化粧板を形成した。
<実施例6>
実施例6の不燃化粧板を以下に示す構成となるようにして作成した。
(化粧シート)
表面保護層の質量を13.3g/m(固形量)(有機質量13.3g/m)とし、印刷層の質量を5.13g/m(固形量)(有機質量5.13g/m)とし、裏面プライマー層の質量を1.0g/m(固形量)(有機質量1.0g/m)とした。これ以外は、実施例1に記載の化粧シートと同様の化粧シートを用いた。
(不燃性基材)
不燃性基材には、実施例1に記載の不燃性基材と同様の不燃性基材を用いた。
(防湿シート)
防湿シートには、実施例1に記載の防湿シートと同様の防湿シートAを用いた。
(シーラー層)
シーラー層には、実施例1に記載のシーラー層と同様のシーラー層を用いた。
(表面接着剤層)
質量を15.6g/m(固形量)(有機質量15.6g/m)とした以外は、実施例1に記載の表面接着剤層と同様の表面接着剤層を形成した。
(裏面接着剤層)
質量を48.5g/m(固形量)(有機質量48.5g/m)とした以外は、実施例1に記載の裏面接着剤層と同様の裏面接着剤層を形成した。
<評価>
以下のようにして、各評価を行った。なお、それぞれ2つのサンプルにて各評価を行った。
(不燃試験)
上述した実施例1〜実施例6の不燃化粧板に対し、コーンカロリーメーターを用いた試験方法(ISO5660−1に準拠)にて、燃焼性を確認した。不燃試験により、総発熱量(合計発熱量)並びに最大発熱速度及び発熱速度が200kW/mを超えた時間の測定結果を得た。不燃試験の試験時間は、不燃材料評価時間の20分とした。
なお、総発熱量は、8MJ/m以下を好ましい範囲とし、発熱速度が200kW/mを超えた時間は10秒以下を好ましい範囲とした。また、最大発熱速度は、200kW/m以下を好ましい範囲とした。
(外観評価)
上述した実施例1〜実施例6の不燃化粧板に対し、目視にて不燃試験後の外観の評価を行った。不燃化粧板の表面おける、裏面に達する亀裂の有無を確認し、裏面に達する亀裂のないものを「○」、裏面に達する亀裂のあるものを「×」とした。
以下の表1に、各実施例の評価結果を示す。また、表1には、各評価の結果に基づく判定を示す。各実施例のうち、不適な構成の実施例を「×」、好ましい構成の実施例を「○」、特に好ましい構成の実施例を「◎」と評価した。
Figure 0006850942
表1に示すように、実施例1〜実施例6の何れも総発熱量が8MJ/m以下であり、最大発熱速度が200kW/m未満であり、発熱速度が200kW/mを超えた時間が0秒であった。また、実施例1〜実施例6の何れも、20分の不燃試験後に、裏面に達する亀裂が発生しなかった。このため、本願発明に基づく不燃性基材を備える不燃化粧板は、高い不燃性能を備えることが分かる。
中でも、実施例1は、2つのサンプルの総発熱量がいずれも5MJ/m以下であり、かつ2つのサンプルの平均値が特に低かった。このため、実施例1の不燃化粧板の構成が特に好ましいことが分かった。
<実施例7>
表面接着剤層の質量を15.5g/m(固形量)(有機質量15.5g/m)とした以外は、実施例1に記載の不燃化粧板と同様にして実施例9の不燃化粧板を形成した。
<実施例8>
シーラー層の質量を5.4g/m(固形量)(有機質量5.4g/m)とした以外は、実施例9に記載の不燃化粧板と同様にして実施例10の不燃化粧板を形成した。
<実施例9>
シーラー層の質量を1.4g/m(固形量)(有機質量1.4g/m)とした以外は、実施例9に記載の不燃化粧板と同様にして実施例11の不燃化粧板を形成した。
<比較例1>
シーラー層を設けなかった以外は、実施例9に記載の不燃化粧板と同様にして比較例1の不燃化粧板を形成した。
<評価>
以下のようにして、ピーリング試験による評価を行った。
(ピーリング試験)
上述した実施例7〜実施例9及び比較例1の不燃化粧板に対し、化粧シートと不燃性基材との密着性を確認するために剥離強度試験(JIS K 6854−2、180°剥離)を測定した。
以下の表2に、各実施例及び比較例の評価結果を示す。
Figure 0006850942
表2に示すように、化粧シートと不燃性基材との間にシーラー層を備える実施例7から実施例9は、ピーリング強度が15N/25mm以上であり、化粧シートと不燃性基材との間のピーリング強度が十分に高いことが分かった。特に、シーラー層の質量が2.0g/m以上である実施例7及び8では、ピーリング強度が19.6N/25mm以上となり、より十分なピーリング強度が確保されていることが分かった。
一方、シーラー層が設けられていない比較例1では、ピーリング強度が7.3N/25mmであり、実施例7から実施例9のピーリング強度よりも低くなる。比較例1は、本願発明に基づく不燃性基材を備える不燃化粧板であり、高い不燃性能を備えているが(実施例1参照)、化粧シートと不燃性基材との間のピーリング強度が十分ではない場合があることが分かった。
以上、実施例で示すように、金属層と、火山性ガラス質堆積物等の無機材料を含む不燃性基材を備える不燃化粧板は、高い不燃性を有している。また、このような不燃化粧板は、不燃性基材と化粧シートとの間にシーラー層が設けられている。不燃性基材と化粧シートとの密着性を向上させ、不燃化粧板の品質を向上させることができるためである。
1 不燃化粧板
10 基材
11 無機基材層
111 下層
112 上層
12 表面層
121 接着層
122 紙層
123 樹脂層
124 金属層
125 樹脂層
126 紙層
20 シーラー層
30 表面接着剤層
40 化粧シート
41 裏面プライマー層
42 樹脂フィルム
43 印刷層
44 表面保護層
50 裏面接着剤層
60 防湿シート
61,63 紙基材
62 樹脂層

Claims (7)

  1. 無機材料を含む無機基材層と、金属層を含み前記無機基材層の表面に設けられた表面層とを有する基材と、
    前記基材の表面層側の面に形成されたシーラー層と、
    前記シーラー層の表面に形成された表面接着剤層と、
    前記表面接着剤層の表面に形成され、樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムの前記表面接着剤層とは反対側の面に順に形成された印刷層及び表面保護層と、前記樹脂フィルムの前記表面接着剤層側の面に形成された裏面プライマー層とを有する化粧シートと、
    を備え、
    前記表面層は、前記金属層と、該金属層の両面に設けられた第1の樹脂層及び第2の樹脂層と、該第1の樹脂層の前記金属層と反対側の面に設けられた第1の紙層及び該第2の樹脂層の前記金属層と反対側の面に設けられた第2の紙層と、を含み、
    前記第1の樹脂層及び前記第2の樹脂層における、樹脂材料の1平方メートル当たりの質量は、2.0g/m2以上15.0g/m2以下であり、
    前記無機基材層は、前記無機材料として火山性ガラス質堆積物を含む板状の第1の無機層と、前記無機材料として火山性ガラス質堆積物を含み、該第1の無機層よりも厚く且つ1平方メートル当たりの質量が大きい板状の第2の無機層とを、前記第2の無機層が前記表面層側に位置するように積層した積層体である不燃化粧板。
  2. 前記金属層の厚さは、4μm以上50μm以下である
    請求項1に記載の不燃化粧板。
  3. 前記表面層は、前記第1の紙層を前記無機基材層と接着する接着層を備え、
    前記接着層は、ウレタン系樹脂接着剤及びアクリル系樹脂接着剤から選択される接着剤で形成されており、前記接着剤の1平方メートル当たりの質量が20.0g/m2以上30.0g/m2以下である
    請求項1又は2に記載の不燃化粧板。
  4. 前記第1の無機層及び前記第2の無機層は、火山性ガラス質堆積物及び人造鉱物繊維保温材を含む
    請求項1から3のいずれか1項に記載の不燃化粧板。
  5. 前記基材の無機基材層側の面に設けられた防湿シートを備える
    請求項1からのいずれか1項に記載の不燃化粧板。
  6. 前記防湿シートは、樹脂層と、該樹脂層の両面に設けられた第1の紙基材及び第2の紙基材とを有する
    請求項に記載の不燃化粧板。
  7. ISO5660−1に準拠したコーンカロリーメーターを用いた不燃試験において、(1)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であり、(2)加熱開始後20分間の最大発熱速度が10秒を超えて連続して200kW/m2を超えず、(3)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がない、という条件を満たす不燃性を有する請求項1からのいずれか1項に記載の不燃化粧板。
JP2015222265A 2015-11-12 2015-11-12 不燃化粧板 Active JP6850942B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015222265A JP6850942B2 (ja) 2015-11-12 2015-11-12 不燃化粧板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015222265A JP6850942B2 (ja) 2015-11-12 2015-11-12 不燃化粧板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017087619A JP2017087619A (ja) 2017-05-25
JP6850942B2 true JP6850942B2 (ja) 2021-03-31

Family

ID=58770114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015222265A Active JP6850942B2 (ja) 2015-11-12 2015-11-12 不燃化粧板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6850942B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000167992A (ja) * 1998-12-03 2000-06-20 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート
JP6364725B2 (ja) * 2013-09-12 2018-08-01 大日本印刷株式会社 不燃性化粧板及び不燃性化粧板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017087619A (ja) 2017-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5222684B2 (ja) 不燃性鏡面化粧板
JP4905274B2 (ja) 不燃性化粧板
JP5051028B2 (ja) 不燃性化粧板
JP5162981B2 (ja) 不燃性化粧板
JP2008062452A (ja) 不燃化粧板
JP2005271585A (ja) 調湿不燃性化粧板
JP6850942B2 (ja) 不燃化粧板
ES2883281T3 (es) Una estera revestida de fibras inorgánicas, y capas decorativas funcionales, fabricadas a partir de la misma, en recubrimientos para suelo, techo y paredes
JP6850943B2 (ja) 不燃化粧板
JP2017087621A (ja) 不燃化粧板
JP6794278B2 (ja) 被覆基材及びその製造方法
JP6759561B2 (ja) 不燃化粧板
JP6759559B2 (ja) 不燃化粧板
JP2012035617A (ja) 内装用化粧シート
JP2015139950A (ja) 遮炎シート、建築内装用遮炎シート、それが貼付された壁及び壁の施工方法
JP7310226B2 (ja) 不燃シートの製造方法
JP5641312B2 (ja) 不燃化粧板
JP2020131703A (ja) 不燃シート
JP2020116946A (ja) 不燃シート
JP6720496B2 (ja) 不燃性防湿化粧板及び建具
JP6828303B2 (ja) 不燃化粧板
JP2020011392A (ja) 不燃化粧板
JP6772449B2 (ja) 不燃化粧板
JP7434720B2 (ja) 不燃シートの製造方法及び不燃シート
JP7494540B2 (ja) 化粧ボードの施工構造、化粧ボード及びその施工法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160603

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160622

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190730

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190828

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200413

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20200413

C11 Written invitation by the commissioner to file amendments

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C11

Effective date: 20200421

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200601

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20200602

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200901

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20200930

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201130

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20210215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6850942

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250