JP2005271585A - 調湿不燃性化粧板 - Google Patents

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親志 重田
Shizuo Ozaki
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Abstract

【課題】不燃性基材の一面に、この基材が本来持っている調湿機能と不燃性を損なうことなく表層材を貼着し、仕上がりの良好な化粧板を得ると共に、その生産効率をも向上させる。
【解決手段】通気性を有する不燃性化粧紙1’よりなる表層材1を、吸湿及び放湿機能を備えた不燃性基材3の一面に対し、ホットメルト系接着剤2を用い複数の接着剤非被覆箇所3a、3a…を形成させながら接着させてなり、しかも、このホットメルト系接着剤3の重量を5〜80g/mの範囲としている。
【選択図】図1

Description

この発明は、内装建材などとして用いられる吸放湿機能つまり、調湿機能を備えた不燃性化粧板の改良に関する。
調湿機能を有する不燃性、防火性基材に水系接着剤を用いて化粧シートを貼着した建材として特許文献1に示されるものが、また、こうした基材に化粧単板を貼着した建材として特許文献2に示されるものがある。
しかるに、これらの建材に用いられている化粧シートや化粧単板は、その接着剤と共に有機可燃物であるため、その基材が本来持つ不燃・防火機能を低下させる要因となるものであった。すなわち、基材が不燃材料であるならそれを準不燃材料以下に、基材が準不燃材料であるならそれを難燃材料以下の性能に低下させる要因となってしまうものであった。
また、これらの建材に用いられている化粧シートや化粧単板は、水系接着剤を基材にべた塗り(接着剤をゴムロールなどで基材の全面に均一に塗布し接着剤の被膜を形成させる塗布方法)して貼着されるので、形成された接着剤被膜(化粧シートなどと基材との間において基材の一面を覆う接着剤被覆層)が基材の本来持つ調湿機能を低下させてしまうものであった。
また、無機系不燃基材は、その製造方法に起因する長手方向全長に亘るなだらかで平行な凹凸(200μm深程度)とか、その他木質板にはない独特の凹凸(200μm深程度)を持つものが多いために、特許文献1に示されるように、薄い建材用化粧紙(50〜60μm厚)を貼着すると前記凹凸が化粧面に表れ、見栄えが悪くなる問題があった。
さらに、これら従来の建材は水系接着剤を使用するため、製造の過程において調湿機能を有する基材がこの水系接着剤の水分の大部分を吸収してしまう関係から、最終的な建材を得るためには、乾燥養生に配慮と時間を要し、生産効率が悪いものであった。
特開2002−337301号公報 特開2002−178444号公報
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種の化粧板において、それを構成する不燃性基材の一面に、この基材が本来持っている調湿機能と不燃性を損なうことなく、表層材を貼着し、仕上がりの良好な化粧板を得ると共に、その生産効率をも向上させる点にある。
前記問題点を解決するために、この発明の調湿不燃性化粧板は、通気性を有する不燃性化粧紙よりなる表層材を、吸湿及び放湿機能を備えた不燃性基材の一面に対し、ホットメルト系接着剤を用い複数の接着剤非被覆箇所を形成させながら接着させてなり、しかも、このホットメルト系接着剤の重量を5〜80g/mの範囲としたものとして構成されている。
表層材は、通気性を有し、基材は吸放湿機能を有し、さらに、接着剤はこの基材の一面に複数の接着剤非被覆箇所を形成させた状態で両者を接着させ合わせることから、かかる化粧板は適切な吸放湿機能を保つものとなる。
接着剤非被覆箇所は、不燃性基材の一面あるいは表層材の裏面に対し、重なり合った網の目状あるいは重なり合った蜘蛛の巣状(細糸状になった接着剤によって形作られた網の目状体あるいは蜘蛛の巣状体がこの接着剤層中に孔や隙間を残した状態で接着剤層の厚さ方向において重ね合わされている状態)をなすように接着剤を噴霧などして塗布したり、散点状に塗布したり、あるいは別の方法として、重なり合った網の目状あるいは重なり合った蜘蛛の巣状をなす接着剤よりなるシート体をかかる基材と表層材との間に挟み込んだ後、加熱圧締してこの基材と表層材とを接着一体化させるなどすることにより、基材と表層材との間に形成させることができる。なお、細糸状になった接着剤によって形作られた単層の網の目状、単層の蜘蛛の巣状をなすように接着剤を噴霧などして前記塗布をなしたり、このようになった接着剤よりなるシート状体を使っても、前記接着剤非被覆箇所を形成することができる。
ホットメルト系接着剤の重量は5〜80g/mの範囲としておくことにより、上記接着にあたって接着剤が基材の一面の全体を隙間なく覆ってしまうことがなく、かつ、接着剤層の中にも孔や隙間が残ることが認められ、得られる化粧板は適切な吸放湿機能を保つことができる。
表層材は不燃性を有することから、化粧板の不燃・防火性能を低下させることなく、基材の一面に凹凸がある場合であっても接着剤とあいまってこの凹凸に起因した凹凸が表層材の化粧面に表れてしまわない厚さを持つようにすることが可能となった。
また、前記のようにホットメルト系接着剤を用いるので、化粧板の製造の過程において乾燥養生の手間を生じさせることがない。
この発明にかかる不燃性化粧板によれば、それを構成する不燃性基材の一面に、この基材が持っている調湿機能を損なうことなく、また、この基材が持っている不燃性を損なうことなく、表層材を貼着し、仕上がりの良好な化粧板を得ることができる。また、ホットメルト系接着剤の使用により乾燥養生処理が不要となりその生産効率も向上できる。
以下、図1および図2に基づいて、この発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、ここで図1および図2は、実施の形態にかかる化粧板の構成の概要を示した断面図である。
この実施の形態にかかる化粧板は、通気性を有する不燃性化粧紙1’よりなる表層材1を、吸湿及び放湿機能を備えた不燃性基材3の一面に対し、ホットメルト系接着剤2を用い複数の接着剤非被覆箇所3a、3a…を形成させながら接着させてなり、しかも、このホットメルト系接着剤2の重量を5〜80g/mの範囲としたものである。
(表層材1)
表層材1を構成する不燃性化粧紙1’は、図1および図2に示されるような積層体として構成される。不燃性化粧紙1’は防炎1級(JIS A1322)から防炎3級の不燃原紙1aを用いることが好ましい。この不燃原紙1aに木目柄や抽象模様などを水性インク、ニトロセルロース系インク、あるいは酢酸セルロース系インクなどを用いてグラビア印刷などの手法により意匠層1bを形成させ、さらに、この意匠層1bの上にグラビアコーター等でウレタンフラットクリヤーなどを塗布してトップコート層1cを形成して得られる。
(表層材1/不燃原紙1a)
不燃原紙1aとしては、木材パルプと水酸化アルミニウム(50〜90重量%)を主原料としたものや、これらにガラス繊維を混抄したものを用いることができる。水酸化アルミニウムの代わりに水酸化マグネシウム、あるいは、水酸化カルシウムを使用したものなども用いることができる。防炎機能を発揮する主体は水酸化物であり、中でも水酸化アルミニウムは吸熱性に優れ低廉であることから、水酸化アルミニウムを含んだ不燃原紙1aは最適といえる。その他、難燃剤薬品として、リン化合物、リン窒素化合物、ハロゲン化合物、酸化アンチモン、あるいは、スルファミン酸グアニジンなどを含浸したり、塗布した難燃性の紙を用いることができる。
これら不燃原紙1aは、坪量30〜250g/mのものが好ましく、より好ましくは坪量100〜160g/mのものが好ましい。坪量30g/m未満では表層材1が薄すくなりすぎホットメルト系接着剤がにじみ上がり表層材1の表面、つまり、化粧面を汚す。坪量250g/m超では紙力が弱くなり化粧面に擦傷などが付きやすくなり、さらに、発熱量も次第に大きくなるので好ましくない。
また、これら不燃原紙1aは、透気度(本明細書では王研式透気度・平滑度試験器で測定した透気度を用いている。)10〜300秒位を示し、湿気、空気を良く通過させるものを用いることが好ましい。
(表層材1/意匠層1b)
意匠層1bを形成するインクは水性インクが湿気、水分と馴染みやすく最適である。2液硬化型インクによる丈夫なインク塗膜を形成させて意匠層1bとすればインク保護のためのトップコート層1cを省略することもでき、この場合には湿気、通気の透過性をより向上させることができる。インクの量は、典型的には、ベタ刷りインクも含めて、ドライ量で3〜8g/mほどとされ、柄、模様によりその塗布量は定まるが、より典型的には、4〜5g/mほどとされる。
(表層材1/トップコート層1c)
トップコート層1cは、典型的には、離型剤を含んだウレタン系フラットクリヤーをドライ量で2〜7g/m、より典型的には、ドライ量で3〜5g/m意匠層1bの上に塗布・焼き付けして形成される。
かかるドライ量が2g/m未満であると表層材1の表面保護が不十分であり、ドライ量が7g/m超では湿気、空気の通過の妨げとなり、調湿機能が低下することが認められ、さらに、有機可燃物の量が多くなることから適切でない。
離型剤は、表層材1の表面すなわち化粧面に、粘着テープなどが付着されたような利用状態において、これらを剥がす際に化粧面が一緒に剥がれてしまわないようにする観点から含まされるものである。この離型剤としては、シリコンオイルやワックスなどを用いることができる。
(表層材1/総括)
以上に述べたように構成される表層材1、すなわち、不燃性化粧紙1’は、好ましくは、坪量35〜265g/m(厚さ45〜265μm)、より好ましくは、坪量107〜170g/m(厚さ100〜175μm)の範囲のものとすることが好ましい。
表層材1の透湿度(本明細書ではJIS Z0208で規定される透湿度を用いている。)は、前記好ましい範囲では8000〜500g/(m・24h)位になり、前記より好ましい範囲では6000〜2000g/(m・24h)位となる。また、透気度は好ましい範囲では30〜600秒位になり、前記より好ましい範囲では90〜300秒位になる。
(ホットメルト系接着剤2)
ホットメルト系接着剤2は、通常、前記表層材1の裏面に塗布機により塗布する。典型的には、重なり合った網の目状、重なり合った蜘蛛の巣状に塗布して、複数の孔や隙間2bを備えた接着剤2層を形成しておく。このようにホットメルト系接着剤2を塗布された表層材1を基材3にホットプレスなどで熱融着させれば基材3の一面に複数の接着剤非被覆箇所3a、3a…が形成され、かつ、接着剤2層には孔や隙間2bが残された化粧板が得られる。
かかる接着は、ホットメルト系接着剤2よりなるシート体2a(一般に接着シートと称される。)を用いてなすこともできる。(図1)こうしたシート体2aとしては、重なり合った網の目状、蜘蛛の巣状などの複数の孔や隙間2bを備えたものを用いる。
この接着剤2の塗布量は、5〜80g/mの範囲となるように、より好ましくは、20〜40g/mの範囲となるようにする。この塗布量が、5g/m未満では基材3に対する表層材1の接着が不十分になる。この塗布量が、80g/m超となると、発熱性試験(建築基準法第2条第9号に基づく不燃材料の発熱性試験(コーンカロリーメーター使用)以下同じ)において、不燃性化粧紙1’の有機可燃物と合わさって、総発熱量が不燃材料の合格評価基準8MJ/mを越え不合格となるおそれが大きくなる。また、前記接着剤非被覆箇所3aが減少し化粧板の調湿機能を低下させ、さらには、表層材1表面までしみ上がり化粧面を汚してしまう。
ホットメルト系接着剤2としては、ポリウレタン系接着剤、エチレン酢酸ビニル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、SIS系接着剤などを用いることができる。
また、融点を80℃〜130℃の範囲とするホットメルト系接着剤2を用いることが好ましい。融点が80℃未満であると建築内装材としては耐熱性が劣る。一方、融点が130℃超であると高温度のホットプレス作業条件となるため化粧板に反りが生じやすくなる。
典型的には、表層材1は、かかるホットメルト系接着剤2をその裏面に塗布された状態で巻き取られ、基材3への接着に備えられる。(以下、このように用意された表層材1を糊付け表層材1と称する。)
糊付け表層材1の厚みは、接着剤の種類により多少異なるが、接着剤2の塗布量が5〜80g/mの範囲であれば105〜650μmの範囲となり、接着剤2の塗布量が20〜40g/mの範囲であれば150〜400μmの範囲となる。前者の場合の透湿度は7000〜400g/(m・24h)位となり、後者の場合の透湿度は5000〜1500g/(m・24h)位となる。
また、前者の場合の透気度は80〜1000秒位となり、後者の場合の透気度は150〜400秒位となる。
この糊付け表層材1(JIS A1322で規定する防炎1級の不燃性原紙使用)を厚み0.5mmの鉄板に熱融着させ発熱性試験を行ったところ、0.60〜7.79MJ/mの結果が得られた。接着剤の塗布量が20〜35g/mの範囲である場合には、2.44〜4.69MJ/mであった。かつ、前記二つの場合共に最高発熱速度も200KW/mを越えることはなく、かつ、裏面に貫通する孔は開かなかった。すなわち、このように構成された糊付け表層材1は前記発熱性試験に合格するものであることが認められた。
このように得られた糊付け表層材1を所定の寸法に裁断して不燃性基材3にホットプレス等により熱融着させ化粧板を構成させる。ホットプレス条件は、ホットメルト系接着剤2の種類により異なるが、接着剤2の塗布量を20〜40g/mの範囲とした場合、生産効率を考慮すると、熱盤温度を100℃〜140℃とし、圧締圧力を2〜4kgf/cm (約0.2〜0.4MPa)とし、圧締時間を20〜60秒とできるようにすることが望ましく、よってこれを満たすホットメルト系接着剤2を選択するようにする。
ホットプレスによる圧締・解圧後は自然にホットメルト系接着剤2は冷え表層材1は基材3に固着される。解圧後は、必要に応じて、表層材1の耳の切断処理などを施し、整った化粧板を得るようにする。
(不燃性基材3)
不燃性基材3としては、珪藻土、スラグ、石膏、セメントなどの一種あるいは二種以上を主材料としたものが用いられる。
例えば、珪藻土を100重量部とした場合に、これにスラグ60〜100重量部、石膏60〜100重量部、セメント40〜80重量部、軽量骨材30〜50重量部、消石灰7.5〜12.5重量部、パルプ10〜25重量部、補強繊維1〜5重量部の割合で混ぜて、かかる不燃性基材3が構成される。
(総括)
調湿不燃性化粧板において重要な点は、糊付け表層材1が単体で建築基準法第2条第9号に基づく不燃材料の発熱試験に合格するものであること、湿気、空気を良く通過させる性能を有していることである。かかる試験に合格するためには、(1)総発熱量が8MJ/m以下であること(2)裏面まで貫通する亀裂や穴が開かないこと(3)最高発熱速度が10秒以上連続して200KW/mを越えないこと、が必要とされる。
また、調湿不燃性化粧板としての不燃性、防火性は、糊付け表層材1と基材3の性能が合わさったものである。市場において出回っている調湿不燃性基材3はその原料の一部に木材パルプやバインダー材などの有機可燃物を含んでいるので、発熱性試験において0MJ/mの結果は生じることはない。よって、糊付け表層材1と基材3の総発熱量を合算すれば、化粧板の総発熱量をおおむね推定することができることになる。
例えば、糊付け表層材1の総発熱量が3MJ/mである場合、基材3の総発熱量は5MJ/m以下でなければならない。ちなみに、基材3の総発熱量が5MJ/m超である場合には、その化粧板の発熱性試験の評価は8MJ/mを越すので、準不燃か難燃になるであろう。
よって、基材3としては、総発熱量が8MJ/mより、できる限り低いものを選択することが重要になる。化粧板の性能が準不燃か難燃でも構わないのであれば、糊付け表層材1と基材3を合算した総発熱量が8MJ/m超でも良いことになる。
(その他)
なお、この発明における基材3は調湿性能を有する不燃性のものであるが、調湿性能を有する木質系基材(例えば、インシュレーションボード、パーチクルボード、MDF、合板など)であっても、ホットプレスにより前記糊付け表層材1をこれらに貼着すれば、この発明にかかる化粧板と同様の調湿性能を有する木質系化粧板を得ることができる。
(実施例1)
坪量を135g/mで水酸化アルミニウム80重量%を含有した防炎1級(JIS A1322)、透気度67秒の不燃原紙にグラビア印刷機によって水性インク(ドライ重量5g/m)を用いて抽象模様を印刷し意匠層を形成させ、さらに、シリコン系離型剤を混入したウレタンフラットクリヤー(ドライ重量3.5g/m)をグラビアコーターを用いて塗布・焼き付けてトップコート層を形成させて、表層材(坪量144g/m、厚み150μm、透気度170秒、透湿度5000g/(m・24h))を構成させた。
この表層材の裏面に、エチレン酢酸ビニル系で、融点100℃のホットメルト接着剤(塗布量30g/m)をスプレー方式の塗布機を用いて重なり合った蜘蛛の巣状に吹き付け、冷却後巻き取り、糊付け表層材を得た。
この糊付け表層材の性能を以下に示す。
坪量:174g/m
厚み:300μm
透気度:200秒
透湿度:4500g/(m・24h)
発熱性試験結果
(1)総発熱量:3.11MJ/m
(2)亀裂、貫通孔なし
(3)最高発熱速度:200KW/m未満
この糊付け表層材を、以下の性能を有する基材にホットプレスで熱融着させ、基材の凹凸が化粧面に表れていない美しい化粧板が得られた。
基材物性:繊維混入スラグセメント板、厚み5.0mm、平板、密度4.9k g/cm、表面に150〜200μm深さの凹凸を複数持っている。
発熱性試験結果
(1)総発熱量:2.77MJ/m
(2)亀裂、貫通孔なし
(3)最高発熱速度:200KW/m未満
調湿性能試験結果
吸放出量:220g/m(図3参照)
ホットプレス条件
熱盤温度:130℃
圧締圧力:4kgf/cm (約0.4MPa)
圧締時間:40秒
得られた化粧板の性能を以下に示す。
(1)総発熱量:6.01MJ/m
(2)亀裂、貫通孔なし
(3)最高発熱速度:200Kw/m未満
調湿性能試験結果
吸放出量:140.2g/m (図3参照)
(実施例2)
坪量を110g/mで水酸化アルミニウム80重量%を含有した防炎1級(JIS A1322)透気度47秒の不燃原紙にグラビア印刷機によってニトロセルロース系インク(ドライ重量4g/m)を用いて抽象模様を印刷し意匠層を形成させ、さらに、シリコン系離型剤を混入したウレタンフラットクリヤー(ドライ重量3g/m)をグラビアコーターを用いて塗布・焼き付けてトップコート層を形成させて、表層材(坪量117g/m、厚み145μm、透気度120秒、透湿度5800g/(m・24h))を構成させた。
この表層材と基材との間に、ポリアミド系のホットメルト系接着剤で重なり合った網の目状ないし重なり合った蜘蛛の巣状の多孔や隙間をもったシート体(目付30g/m・融点90℃・厚み150μm)を挟み込み(表層材と接着シート体合わせた厚み295μm)、このシート体を介して実施例1で用いた基材と同一の基材に対し表層材を熱融着し、基材の凹凸が化粧面に表れていない美しい化粧板が得られた。
得られた表層材の性能を以下に示す。
発熱性試験結果
(1)総発熱量:1.39MJ/m
(2)亀裂、貫通孔なし
(3)最高発熱速度:200KW/m未満
得られたシート体の性能を以下に示す。
このシート体を厚さ0.5mmの鉄板に熱融着させ発熱性試験を行った。
総発熱量:1.65MJ/m
最高発熱速度:200KW/m未満
ホットプレス条件
熱盤温度:120℃
圧締圧力:3kgf/cm(約0.3MPa)
圧締時間:30秒
得られた化粧板の性能を以下に示す。(図3参照)
(1)総発熱量:5.87MJ/m
(2)亀裂、貫通孔なし
(3)最高発熱速度:200Kw/m未満
調湿性能試験結果
吸放出量:160.1g/m(図3参照)
(実施例3)
12mm厚、密度0.34g/cmのA級インシュレーションボードに実施例1で用いた糊付け表層材を、実施例1の場合と同様のホットプレス条件で貼着し、調湿化粧インシュレーションボードを得た。得られた化粧板の性能を図4に示す。
(実施例4)
15mm厚、7プライ、密度0.6g/cmのラワン合板と、実施例2で用いた表層材との間に、実施例2で用いたシート体を挟み込み、実施例2の場合と同様のホットプレス条件で前記ラワン合板に表層材を貼着し、調湿化粧合板を得た。得られた化粧板の性能を図4にに示す。
化粧板の断面構成図(ホットメルト系接着剤2が重なり合った網の目状あるいは重なり合った蜘蛛の巣状の場合) 図1に示される化粧板と構成の一部を異ならせる化粧板の断面構成図(ホットメルト系接着剤2が散点状の場合) 実施例1、2の調湿性能試験結果を示した表 実施例3、4の調湿性能試験結果を示した表
符号の説明
1 表層材
1’ 不燃性化粧紙
2 ホットメルト系接着剤
3 基材
3a 接着剤非被覆箇所

Claims (1)

  1. 通気性を有する不燃性化粧紙よりなる表層材を、吸湿及び放湿機能を備えた不燃性基材の一面に対し、ホットメルト系接着剤を用い複数の接着剤非被覆箇所を形成させながら接着させてなり、しかも、このホットメルト系接着剤の重量を5〜80g/mの範囲としたことを特徴とする調湿不燃性化粧板。
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